JP2003123707A - Li電池用包材 - Google Patents
Li電池用包材Info
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Abstract
熱性を有し、かつ内容物によって包材が劣化しない(デ
ィラミネーションが起きない)Li電池用包材を提供す
る。 【解決手段】すくなくとも熱可塑性樹脂層とアルミ箔層
と樹脂層をこの順に積層して構成されるLi電池用包材
において、前記樹脂層が、最内シーラント層より順に、
樹脂Aとしてポリプロピレン樹脂あるいはプロピレン−
αオレフィン共重合体、樹脂Bとしてエチレン−αオレ
フィン共重合体あるいはポリαオレフィンあるいは2種
以上のαオレフィンを有する多元系共重合体、樹脂Cと
してポリエチレンあるいはエチレン−αオレフィン共重
合体、の順に積層した構造を有することを特徴とする。
Description
いはゲルタイプのLi電池に用いる事が可能な包材に関
し、詳細には、電池としての安全性が保証される耐熱
性、ヒートシール強度を有し、かつ、電解液を包材中に
含浸させてもアルミ箔とシーラント層との接着性が低下
しないLi電池用包材に関する。
ルトなどに耐えうる包材を設計するにあたり、フィルム
基材の選定や、フィルム同士を貼り合わせる際に使用す
る接着剤の選定、あるいは包装材のシーラント層として
用いる樹脂の選定が必要とされる。特に、シーラント分
野においてはホモ、あるいはブロックタイプのポリプロ
ピレン樹脂を用いることで、耐熱性を有する包材設計が
良く行われている。
材の耐熱性が要求されてきた一方で、近年は電解液タイ
プ、あるいはその電解液を含浸させたポリマーゲルタイ
プのLi電池用包材など、製品の安全性を考慮した耐熱
設計を要求される包材のニーズが増えつつある。
の特性を低下させないための設計だけでなく、その使用
環境下における安全性を保証する必要がある。例えば、
電解液の漏れなどは、火災の心配がある。また、電池の
使用環境下において包材が破壊しないことも要求として
あげられており、耐熱性、良好なヒートシール強度が、
まずLi電池包材として求められる。そのような意味で
密封性に優れる包材設計が必要であり、電池がオーバー
ヒートし、使用環境以上の極端な高温に達した場合で
も、その密封性を維持する必要がある。
ンやエチレン−αオレフィン共重合体をシーラント層と
して使用する事は可能である。これらのシーラント層を
用いたLi電池包材は、携帯電話やパーソナルコンピュ
ーターなど、使用環境がそれほど苛酷でない環境におい
て用いられるケースが多い。しかしながら、電気自動車
などは電池作動雰囲気が極端に高温になる可能性が有
り、過酷な環境における安全性を問う場合は、ポリエチ
レン系のシーラント材では耐熱性に不足する。
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチル
メチルカーボネートなどの非プロトン系溶媒中に、六弗
化リチウム塩などを所定の配合比で溶かした溶液を用い
るが、このLi塩は加水分解によりフッ酸を発生させ
る。このフッ酸の発生を防ぐために、Li電池用の包材
はバリア性を付与するためアルミ箔を中間層として使用
する。しかしながら、包材の端面(アルミ箔によってバ
リア性を付与できない部分)からの吸湿により、リチウ
ム塩が加水分解し、発生したフッ酸が最内シーラント層
を透過し、アルミ箔層を攻撃し、アルミ箔とシーラント
層の界面においてディラミネーションを引き起こす問題
がある。上述したように、フッ酸の発生は包材のシール
端面から浸入水分の影響とされているが、上述したLi
塩の加水分解によるフッ酸の影響だけでなく、非プロト
ン系の溶媒がシーラント層を透過し、アルミ箔とシーラ
ント界面に蓄積し、その結果ディラミネーションを引き
起こすともいわれている。
樹脂と、その被着体となるアルミ基材との密着性が挙げ
られる。アルミ基材への接着に関しては、その上にアン
カーコート層の有無に関わらず、押出し樹脂をできるだ
け酸化させた方が好ましい。しかしながらポリプロピレ
ン樹脂は、耐熱性という点ではポリエチレンに優れるが
押出しラミネーション手法により各種基材、特にアルミ
箔のような基材に対して、ウレタン系の接着材層を設け
ても良好な接着性が得られない。また、あらかじめポリ
プロピレン系樹脂をキャストあるいはインフレーション
によりフィルムを製膜しておき、ウレタン系接着材層を
介してドライラミネート手法により積層させると、ウレ
タン系接着材層が電解液により膨潤してしまい、ラミネ
ート強度を低下させる恐れがある。
は、シーラント層としてポリプロピレンを使用したい現
状が有るが、電解液耐性を兼ね備えたLi電池包材を設
計する事が困難であるため、ポリプロピレン系樹脂をシ
ーラント層とした電解液耐性を有するLi電池包材の登
場が望まれている。
実情を考慮したものであり、ポリプロピレン系樹脂をシ
ーラントとした、耐熱性を有し、かつ内容物によって包
材が劣化しない(ディラミネーションが起きない)Li
電池用包材を提供する事を課題とする。
するために考え出されたものであり、請求項1記載の発
明は、すくなくとも熱可塑性樹脂層とアルミ箔層と樹脂
層をこの順に積層して構成されるLi電池用包材におい
て、前記樹脂層が、アルミ箔層とは接しない側から、樹
脂Aとしてポリプロピレン樹脂あるいはプロピレン−α
オレフィン共重合体、樹脂Bとしてエチレン−αオレフ
ィン共重合体あるいはポリαオレフィンあるいは2種以
上のαオレフィンを有する多元系共重合体、樹脂Cとし
てポリエチレンあるいはエチレン−αオレフィン共重合
体、の順に積層した構造を有することを特徴とするLi
電池用包材としたものである。
が、熱水変性処理を施されていることを特徴とする請求
項1記載のLi電池用包材としたものである。
がベーマイト処理であることを特徴とする請求項2記載
のLi電池用包材としたものである。
した前記アルミ箔層上にイソシアナート化合物もしくは
その誘導体を厚さ5μm以下で積層させた後に、押出ラ
ミネート法により前記樹脂C単体あるいは樹脂Cを含む
多層フィルムを積層させたことを特徴とする請求項2ま
たは3記載のLi電池用包材としたものである。
本発明のLi電池包材の基本構成は以下の通りである。 構成:熱可塑性樹脂層/接着材層/アルミ箔層/樹脂C
/樹脂B/樹脂A ここで熱可塑性樹脂層はLi電池包材の基材となるフィ
ルム層であり、その選定としては、延伸ポリエステルフ
ィルム、延伸ポリアミドフィルム、延伸ポリエチレンフ
ィルム、延伸ポリプロピレンフィルムなどを選択するこ
とが可能であるが、本発明のLi電池包材を深絞りなど
の後加工に展開する事を考慮すると延伸ポリアミドフィ
ルムが好ましいが、特に制限を受けるものではない。
せるには、通常汎用的に用いられている2液硬化型ウレ
タン系接着剤、例えば、ポリエステルポリオール、ポリ
エーテルポリオール、アクリルポリオールなどのジオー
ル成分に、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6
−トリレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナ
ート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジ
イソシアナート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシ
アナートなど各種ジイソシアナート系モノマー、あるい
は、これらのジイソシアナートモノマーを、トリメチロ
ールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含
有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させ
たビューレットタイプや、イソシアナート基の自己重合
を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3
官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を作用さ
せて得られる接着剤や、イミン系、ブタジエン系などの
様々なタイプの接着剤をグラビアコーティング、リバー
スコーティング、ロールコーティングなどの公知の手法
を用いてドライラミネートやノンソルベントラミネート
により積層させることもできる。また、必要に応じては
上記基材フィルムには意匠性を付与するため、各種イン
キ層を上述したグラビアコーティングなどの公知の手法
で設けることもできる。
ては、ヒートシール強度の耐熱性を付与させるという点
からポリプロピレン樹脂が好ましい。これらのポリプロ
ピレンに関しては特に制限を受ける事無く、ホモタイ
プ、ブロックタイプ、ランダムタイプを選定する事が可
能であるが、耐熱性という点、また、Li電池包材は高
温雰囲気だけでなく、低温雰囲気でも安全性を保証する
事が有る事から、低温衝撃性を考慮してブロックタイプ
を用いた方が好ましい。また、必要に応じては、ブテン
−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテ
ン−1などのαオレフィンを必要に応じて共重合させた
ものを使用してもかまわない。
ては、以下に述べる樹脂Cである低密度ポリエチレンと
樹脂Aであるポリプロピレン樹脂との接着性に優れるも
のが好ましい。このような樹脂としては、エチレン−α
オレフィン共重合体が挙げられ、その例として、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体ゴム、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘ
キセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合
体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体などを
用いる事が可能であり、さらに、上記αオレフィンをベ
ースとしてαオレフィン−エチレン共重合体や、ポリα
オレフィン、そして2種類以上の上述したαオレフィン
を共重合したエチレン系あるいはプロピレン系3元共重
合体なども選定する事が可能である。
Cは、アルミ箔との接着性やその他を考慮すると低密度
ポリエチレン、あるいは上述したようなエチレン−αオ
レフィン共重合体が好ましい。このようにして選定され
た樹脂A、樹脂B、樹脂Cにおいては、加工安定性その
他を考慮して、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッ
キング剤など、各種添加剤を添加する事が可能である。
おいて、樹脂Aと樹脂Bの間は、要求や機能性に応じて
1種以上の様々なタイプの樹脂層を介在させてもかまわ
ない。
に強浸透性の内容物を充填しても、アルミ箔とシーラン
ト層を含む多層フィルムの界面のディラミネーションを
引き起こさないために、アルミ箔としては熱水変性処理
を施しておいた方が好ましい。アルミ箔を処理する処理
水としては水道水、脱イオン水、蒸留水、あるいは脱イ
オン後に蒸留した蒸留水何れも使用可能であるが、特
に、脱イオン化された蒸留水が好ましく、指標として電
気伝導度1.0μS/cmの水を用いるのが好ましい。
また、これらの処理水には、少量のアンモニアやトリエ
タノールアミンなどのアミン類のようなアルカリを0.
1〜1%添加することが、熱水変成処理としては好まし
い。アルミ箔の熱水変成処理としては、その処理温度に
よって、様々な水和酸化物層が形成される。本発明で特
に好ましい処理温度としては、水和酸化物としてベーマ
イトが形成される条件が好ましく、常圧下では80〜1
00℃、さらに好ましくは90〜100℃の範囲で熱水
変性処理を施した方が好ましい。以下本発明の熱水処理
をベーマイト処理と記載する。
以下の内容が挙げられる。まずベーマイト処理を施した
アルミ面またはアルミナ面の表面をX線光電子分光測定
した場合に、アルミニウム(Al)2p軌道の酸化物と
水酸化物由来のスペクトルピーク位置が、その結合エネ
ルギー75.4ev以下であることを特徴とするもので
ある。X線光電子分光測定から得られるAlの2p軌道
のスペクトルにおいて、低エネルギー側の72.7eV
のピークは金属状態のAl由来のピークで、高エネルギ
ー側の74.0〜76.0eV付近のピークはアルミ酸
化物とアルミ水酸化物由来のピークである。アルミ酸化
物とアルミ水酸化物由来のピークは化学シフトが小さい
ため分別できないが、その結合エネルギー75.4eV
以下であれば、各種官能基との接着性により優れる。
ルミ面またはアルミナ面の表面をX線光電子分光測定し
た場合に、酸素(O)とアルミニウム(Al)の元素比
(O/Al)が1.7以上であることを特徴とする。X
線光電子分光測定から得られるO/Alは、アルミニウ
ムの表面酸化度(水酸化物の酸素も含む)の指標とな
り、O/Alの比が1.7以上であれば、各種官能基と
の接着性により優れる。
アルミ面またはアルミナ面の表面を飛行時間型2次イオ
ン質量分析測定した場合に、水酸基(OH)と酸素
(O)の比(OH/O)が0.9以上であることを特徴
とするものである。飛行時間型2次イオン質量分析測定
では、アルミニウム表面の酸化度と水酸化度を分別する
ことが可能であり、OH/Oの比が0.9以上であれ
ば、水酸基を利用した結合、例えば水素結合や反応が起
これば一次結合などの形成が期待でき、各種官能基との
接着性により優れる。
たアルミ面またはアルミナ面の表面を原子間力顕微鏡に
より表面積率および表面粗さを測定した場合、その表面
積率(熱水変成処理基材表面積/未処理基材表面積)が
1.5以上で、中心面平均粗さ(Ra)が15nm以
上、自乗平均面粗さ(RMS)が20nm以上であるこ
とを特徴とするものである。この内容は、未処理状態の
アルミ面あるいはアルミナ面にベーマイト処理を施すこ
とで、元々本来の酸化物膜が減少し、ベーマイトのよう
な水和酸化物の結晶が析出し水和酸化物層を形成するこ
とを意味しており、その結果、表面形態が未処理のもの
と比較して著しく表面が粗れて、起伏が激しい表面形状
になる。このため、表面積が向上し、表面粗さも向上す
る。結果として、各種熱可塑性樹脂を積層させた場合
に、接着面積の向上、ベーマイト処理面における官能基
の増加、そして投錨効果による物理的接着性の向上を付
与することが可能である。
れるのは、前記記載の熱水変成処理を施したアルミ面ま
たはアルミナ面を有する基材の破断面を透過型電子顕微
鏡観察により観察した場合、その熱水変成処理を施すこ
とで形成された処理層の厚みが0.1μm以上であるこ
とを特徴とする。ベーマイト処理などの熱水変成処理
は、元々存在していたアルミ酸化物層を様々な反応を経
由して水和酸化物被膜を形成することが挙げられ、熱水
変成処理を施すことで、本来あったアルミ酸化物層が処
理により減少し、その一方で、水和酸化物層が形成され
るに伴いその層厚が増す。水和酸化物層はある程度形成
されていた方が、処理が進行していくという点で、今ま
で述べてきた結合エネルギーやO/Al比やOH/O比
をより接着に好ましい状態にすることが可能であり、ま
た、投錨効果という点でも上記被膜層が厚い方が接着に
有利である。
外にも、白金を蒸着した際の処理面の色の状態でも識別
することが可能である、蒸着を施すことで得られた色を
管理基準をして用いることも可能であるが、上述した内
容をベーマイト処理の指標とすることで、押出ラミネー
トによる熱可塑性樹脂のアルミ面あるいはアルミナ面へ
の接着性を向上させることが可能である。
のような熱水変性処理を施すことで、その処理面上に押
出ラミネート法により熱可塑性樹脂を積層させたとして
も、充分にそのラミネート強度が得られ、従来であれば
押出ラミネート法では接着強度が得られなかった樹脂に
対しても良好な接着強度を付与させることが可能なばか
りか、熱可塑性樹脂を選定することによっては、各種包
装材料として使用して、強浸透性物質を包装した場合で
あっても、強浸透性内容物の影響を受けずに層間ラミネ
ート強度が低下することがないことから、Li電池用包
材に非常に適している。
直接熱可塑性樹脂層を設けても十分接着性が良好の積層
体を得ることが可能であるが、さらに、この積層体をよ
り強浸透性の内容物においても使用しうるためには、こ
のベーマイト処理面に各種イソシアネート系化合物をグ
ラビアなどの各種コーティングにより厚さ5μm以下、
好ましくは3μm以下、さらに好ましくは1μm以下で
設けた後、少なくとも樹脂C単体、あるいは樹脂Cを含
む樹脂B、樹脂Aいずれかあるいはすべての多層フィル
ムを押出ラミネート法で積層させた方が好ましい。
は、強浸透内容物により水素結合の解離や接着剤層の膨
潤によって著しくラミネート強度を低下させる原因とな
る。しかしながら、イソシアネート系化合物を単独で非
常に薄く形成させることで、非常に強い浸透性の内容物
を充填しても、ラミネート強度が低下することはない。
このようなイソシアネート系化合物としては、2,4−
トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシ
アナート、キシリレンジイソシアナート、イソホロンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナートなど各種
ジイソシアナート系モノマーを使用することが可能であ
る。また、これらのジイソシアナートモノマーを、トリ
メチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性
水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反
応させたビューレットタイプや、イソシアナート基の自
己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプ
など3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を
用いても構わない。その時の最適固形分としては1〜7
wt%、好ましくは3〜5wt%であり、イソシアナー
ト化合物をドライ時の厚みで1μm以下に設けた方が耐
内容物という点で好ましい。
通りである。 (1)アルミ箔のベーマイト処理:上述したような条件
でベーマイト処理を行う (2)各種フィルム基材とベーマイト処理Alをウレタ
ン系接着剤などを用いて、ドライラミネートなどの手法
により貼りあわせる。 (3)(2)で得られた基材を押出しラミネート機にセ
ットし、インラインでイソシアネート系化合物を上記条
件になるように設けた後、樹脂C、樹脂B、樹脂Aを貼
りあわせる。 この中で、(1)と(2)の製法の順番は、逆でもかま
わない。また、(3)の製法においては、あらかじめ樹
脂Aと樹脂Bからなる多層フィルムを、インフレーショ
ンやキャストなどにより製膜しておき、そのフィルム基
材を、押出しラミネートにより製膜した樹脂Cとのサン
ドラミネーションにより積層させても良く、また、樹脂
C、樹脂B、樹脂Aの3種3層共押出ラミネートにより
製膜してもかまわず、樹脂A、樹脂B、樹脂Cの積層方
法には制限を受けない。また、樹脂Aから樹脂Cからな
る3種3層フィルムを用いて予め単膜を作成しておき、
その後、ドライラミネーションを用いて、ベーマイト処
理アルミ上にイソシアナート系化合物を設けた後、上記
単膜フィルムを貼り合わせても構わない。また、必要に
応じては2次加工として、熱ラミネーション等を行って
も構わない。
耐熱性、内容物耐性に優れるものである。
実施例に限られるものではない。 [使用樹脂] −樹脂A− A:ブロックポリプロピレン −樹脂B− B−1:エチレン−ブテン−1共重合体 B−2:エチレン−プロピレン共重合体 B−3:エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体 −樹脂C− C:低密度ポリエチレン
(95℃)の蒸留水(脱イオン化済)を処理槽にため、
インラインで浸析処理(処理時間3分)を行うことで、
アルミ箔の表面に熱水変性処理(ベーマイト処理)を施
した。 −表面分析(1)− X線光電子分光測定(XPS)により、Al2p軌道の
酸化物と水酸化物由来のスペクトルピーク位置を求め
た。Al2p軌道の酸化物と水酸化物由来のスペクトル
ピーク位置を求める際、帯電補正を行ったが、まずC1
sピーク位置を285.0eVとして補正し、さらに金
属Alのピーク位置を72.7eVとして補正した。金
属Alピークがみられなかったサンプルについては、他
の金属Alピークがみられたサンプルで72.7eVに
移動させた量(約+1.6eV)と同一量で補正した。
測定装置は、日本電子株式会社製JPS−90MXVm
icroを用い、X線源としては非単色化MgKα(1
253.6eV)を使用、出力は100W(10kV−
10mA)で測定した。その結果、未処理品は75.5
eV、熱水変性処理品74.9eVであった。 −表面分析(2)− 上述した方法で、 O/Al比を求めた。O/Alの比
は、O1sおよびAl2pのそれぞれのピーク強度の面
積に各ピークの相対感度をかけた値の比として求めた。
その結果、未処理品は1.68、熱水変性処理品2.6
4であった。 −表面分析(3)− 飛行時間型2次イオン質量分析測定(TOF−SIM
S)により、OH/Oの比を求めた。OH/Oの比は、
負イオンのマススペクトルから得られるOH(17)ピ
ークとO(16)ピークの強度比として求めた。測定装
置は、Physical electronics社製
TRIFT ■を用い、イオン源としてはGaイオンを
使用、加速電圧は15keVで測定した。その結果、未
処理品は0.71、熱水変性処理品1.02であった。 −表面分析(4)− 原子間力顕微鏡により、その中心面粗さ(Ra)及び自
乗平均面粗さ(RMS)を測定した。測定装置は、デジ
タルインスツルメンツ社製NanoScope III
a、システムD3100を用い、AFMプローブは先端
曲率半径10nm、ハーフコーンアングル5°、アスペ
クト比が7:1のAR5−NCHを用いた。測定面積は
1×1μmでスキャンレート0.5Hzのタッピングモ
ードで測定した。その結果、未処理品はRa=5nm,
RMS=7nm、面積比1で熱水変性処理品Ra=2
0nm, RMS=24nm、面積比2であった。 −表面分析(5)− 透過型電子顕微鏡により、その処理層の厚みを測定し
た。測定装置は日立製作所製H−8000を用いた。加
速電圧は200kVである。その結果、未処理品は0μ
mで、熱水変性処理品は0.15μmであった。
ドフィルム(25μm)と上記熱水変性処理アルミ箔を
ドライラミネート手法により、2液硬化型ポリウレタン
系接着剤にて貼り合わせた。これらの複合基材を単軸の
押出ラミネート機の巻き出し部にセットした。押出ラミ
ネート機の塗工ユニット部分には、予め酢酸エチルによ
って固形分5wt%に調整したトリレンジイソシアナー
トのアダクト体をセットしておき、ドライの状態で1μ
m以下になるように塗工した。その後、インラインで、
以下に示す実施例および比較例のように樹脂A、樹脂
B、樹脂Cを積層させた。押出ラミネートにおける加工
速度は50m/min.である。このようにして得られ
た積層体を、40℃の環境下で4日エージングを施し、
その後、スリットにかけ、その後ヒートシールを施すこ
とによりLi電池包材を作成した。
体は、面々シールにて180℃、0.3Mpa、2se
c.の条件でヒートシールしたサンプルの、室温状態お
よび100℃雰囲気における熱間ヒートシール強度を、
試料幅15mm、クロスヘッドスピード300m/mi
n.のT型剥離で測定することで耐熱性を評価した。
池用電解液(エチレンカーボネート+プロピレンカーボ
ネートの混合溶液のLiPF6の1.5M溶液)を充填
した。その40℃で4週間保存前後の熱水変性処理アル
ミ箔/樹脂組成物層のラミネート強度を強度を試料幅1
5mm、クロスヘッドスピード300m/min.のT
型剥離で測定した。
樹脂A:20μm樹脂B−1:15μmからなる共押出
多層フィルムを作成し、その多層フィルムを、加工温度
320℃で押出した樹脂Cとサンドラミネートする事で
Li電池包材を作成した。結果を表に示す。
外は実施例1と同じである。
外は実施例1と同じである。
ったアルミ箔を用いた以外は実施例1〜3と同じであ
る。
た以外は、実施例1と同じである。
以下の内容が確認できる。ポリプロピレンをシーラント
層として用いる事で、耐熱性やヒートシール安定性が良
好なLi電池包材を有する事が可能である。かつ、アル
ミ箔として熱水変性処理を施したものを用いる事で、電
解液として用いる非プロトン系の溶媒などに対しても、
そのアルミ箔とシーラント層を含む多層フィルム間のラ
ミネート強度が低下する事も無い。この様にして得られ
たLi電池包材は、品質だけでなく安全性を兼ね備えて
いるといえる。また、このようにして得られた包材は、
Li電池にかぎられず、その他強浸透性の内容物を充填
して、ラミネート強度の低下が発生していたような内容
物においても展開が可能であることから、耐熱性や耐内
容物が求められる包材用途への展開が可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】すくなくとも熱可塑性樹脂層とアルミ箔層
と樹脂層をこの順に積層して構成されるLi電池用包材
において、前記樹脂層が、アルミ箔層とは接しない側か
ら、樹脂Aとしてポリプロピレン樹脂あるいはプロピレ
ン−αオレフィン共重合体、樹脂Bとしてエチレン−α
オレフィン共重合体あるいはポリαオレフィンあるいは
2種以上のαオレフィンを有する多元系共重合体、樹脂
Cとしてポリエチレンあるいはエチレン−αオレフィン
共重合体、の順に積層した構造を有することを特徴とす
るLi電池用包材。 - 【請求項2】前記アルミ箔層が、熱水変性処理を施され
ていることを特徴とする請求項1記載のLi電池用包
材。 - 【請求項3】前記熱水変性処理がベーマイト処理である
ことを特徴とする請求項2記載のLi電池用包材。 - 【請求項4】前記熱水変性処理した前記アルミ箔層上に
イソシアナート化合物もしくはその誘導体を厚さ5μm
以下で積層させた後に、押出ラミネート法により前記樹
脂C単体あるいは樹脂Cを含む多層フィルムを積層させ
たことを特徴とする請求項2または3記載のLi電池用
包材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001317758A JP2003123707A (ja) | 2001-10-16 | 2001-10-16 | Li電池用包材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001317758A JP2003123707A (ja) | 2001-10-16 | 2001-10-16 | Li電池用包材 |
Publications (1)
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