JP2003122188A - 電子写真感光体、電子写真用プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真用プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2003122188A
JP2003122188A JP2001312521A JP2001312521A JP2003122188A JP 2003122188 A JP2003122188 A JP 2003122188A JP 2001312521 A JP2001312521 A JP 2001312521A JP 2001312521 A JP2001312521 A JP 2001312521A JP 2003122188 A JP2003122188 A JP 2003122188A
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JP
Japan
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electrophotographic
photosensitive member
electrophotographic photosensitive
flange
fitted
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JP2001312521A
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English (en)
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Junichi Yamazaki
純一 山崎
Hiroyuki Goto
浩之 後藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体とフランジとの取り付け強度を高め、電
子写真感光体の円滑な回転と共に駆動伝達機構としての
利用をも可能にする電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 基体1の外周面に感光体層を形成してな
る電子写真感光体10において、基体1は、軸方向に垂
直な断面に複数の孔を有し、孔のいずれか一つあるいは
複数にフランジ2が嵌合してなる電子写真感光体10と
する。これにより、フランジ2の基体1への十分な取り
付け強度が得られ、高い破壊トルクを有する電子写真感
光体10とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー等の電子写真装置に用いられる電子写真感光体に関
し、更に詳しくは、フランジの取り付け強度を高め、円
滑な回転を可能とする電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンター等の電子写真装置に
用いられる電子写真感光体は、主としてドラム形状の物
が用いられている。このようなドラム状電子写真感光体
(以下、「感光体ドラム」と称す。)は、アルミニウム
あるいはアルミニウム合金製管に感光層を形成し、両側
にフランジを取り付け、これを電子写真装置用プロセス
カートリッジあるいは電子写真装置に取り付けて使用す
る。電子写真装置における画像形成のプロセスは、感光
体ドラムを回転させて、この感光体ドラムの回転動作に
合わせて、帯電、露光、現像、転写、クリーニングのプ
ロセスを順次行うものである。そこで、最も基本となる
べき感光体ドラムの回転動作について、種々の方法が考
えられてきた。
【0003】その一つの方法は、特開昭62−6504
9号公報に開示されている通り、電子写真装置本体側に
設けられたギヤの側面にピンを固設し、このピンを、感
光体ドラム側のギヤの側面に形成した凹部に嵌合させ
て、前記感光体ドラムを回転させる方法である。他の一
つの方法は、特開昭63−4252号公報に開示されて
いる通り、電子写真装置本体側に設けられた斜歯ギヤと
嵌合させて、感光体ドラムを回転させる方法である。こ
のとき、感光体ドラムは、その外周面に感光層を形成し
た基体の両端に、感光体ドラムを回転させるための、ド
ラムギヤやドラムフランジなどの端部係合部材を、接着
剤により接着し、あるいは、圧入して結合させている。
【0004】従来、感光体ドラムに用いられるような所
謂円筒状基体と、フランジ等の端部係合部材を結合する
方法としては、特開平4−9311号公報に開示されて
いる接着剤を円筒状基体のフランジ嵌合部に塗布し、両
者を接着する方法、あるいは、特開平4−356090
号公報に開示されている円筒状基体の内径よりも大きい
径で、放射状の金属板を備えたフランジを円筒状基体に
圧入し、フランジの金属板を円筒状基体のフランジ嵌合
部に食い込ませて結合する方法などがある。
【0005】上記の方法により、感光層を形成した円筒
状基体にフランジを取り付けるとき、フランジの取り付
け強度が弱いと、電子写真装置での使用時に外部のギヤ
でフランジを回転させても、フランジとギヤが滑ってし
まい、円滑な回転が行えなくなる問題が発生する。ま
た、フランジの嵌合部外径を基体内径より若干大きめに
作製した場合は、フランジを基体に圧入して嵌合する
際、基体の変形を招くという問題点がある。基体が変形
すると、感光層が平滑で無くなり、良好な画像を得るこ
とが出来なくなる。特に、感光体ドラムを帯電させる手
段として帯電ロールを使用する場合、感光層が平滑でな
いと、均一な帯電が行えず、良好な画像が得られない。
従って、基体を変形することなく、所望の取り付け強度
が得られるフランジの取り付け方法の確立が必要になっ
ている。
【0006】上記の対策として、フランジを基体が変形
しない寸法に作製し、基体の一部を折り曲げてフランジ
を取り付ける方法がある。しかしながら、この方法では
基体の折り曲げ加工が必要になり、また、基体折り曲げ
加工によって基体が若干変形する場合が有るので完全と
は言えない。また、フランジと基体とを接着剤を使用し
て強固に取り付ける方法も挙げられる。しかしながら、
一般的にフランジはプラスチック製であるため、これを
接着剤を使用して基体に取り付ける際、プラスチック製
のフランジとアルミニウム製の基体との熱膨張率の差に
より、接着後の低温下でフランジが大きく収縮し、接着
剤が剥がれる場合がある。接着剤が剥がれると、電子写
真装置に使用した場合、ギヤでフランジを回転させても
フランジは回転するものの、基体はスリップしてしまう
ため、良好な画像形成が行えなくなるという問題があ
る。
【0007】更には、近年の電子写真装置の進歩によっ
て、フランジと基体の取り付け強度は、従来の取り付け
強度よりも高い強度が必要とされている。すなわち、そ
れは、電子写真装置の小型化需要に対応したもので、感
光体ドラムの両側にギヤ付きフランジを取り付け、片側
のギヤにより感光体ドラムを回転させ、他方のギヤは他
の駆動機構への出力をする駆動伝達機構として利用する
という使用形態の要求によるものである。感光体ドラム
の回転を円滑に行い、尚かつ、他の駆動機構への出力も
行うためには、基体とフランジとの取り付け強度が従来
より一層強固であることが望まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点に鑑み、本
発明は、基体とフランジとの取り付け強度を高め、電子
写真感光体の円滑な回転と共に駆動伝達機構としての利
用をも可能にする電子写真感光体を提供することを課題
とする。更には、上記電子写真感光体を備え、良好な画
像形成、及び装置の小型化が可能な電子写真プロセスカ
ートリッジ並びに電子写真装置を提供することを課題と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、基体の外周面に感光体層
を形成してなる電子写真感光体において、該基体は、軸
方向に垂直な断面に複数の孔を有し、該孔のいずれか一
つあるいは複数にフランジが嵌合してなる電子写真感光
体とする。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の
電子写真感光体において、前記基体は、軸方向に垂直な
断面の中央に孔を有し、該孔にフランジが嵌合してなる
電子写真感光体とする。請求項3に記載の発明は、請求
項2に記載の電子写真感光体において、前記フランジ
は、基体内部の孔壁にも嵌合あるいは接する電子写真感
光体とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の電子写真感光体において、前記フ
ランジは、基体の最外壁以外の孔壁に嵌合する電子写真
感光体とする。請求項5に記載の発明は、請求項1ない
し4のいずれかに記載の電子写真感光体において、前記
フランジは、基体の折り曲げ加工を伴わずに基体の孔壁
に嵌合する電子写真感光体とする。請求項6に記載の発
明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子写真感
光体において、前記フランジは、接着剤によって基体へ
取り付けられる電子写真感光体とする。
【0011】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
6のいずれかに記載の電子写真感光体において、前記フ
ランジは、ギヤを有する電子写真感光体とする。請求項
8に記載の発明は、請求項7に記載の電子写真感光体に
おいて、前記フランジは、前記フランジが有するギヤの
山形状が、いずれのギヤにおいても一致するように位置
決めされ取り付けられる電子写真感光体とする。
【0012】請求項9に記載の発明は、請求項1ないし
6に記載の電子写真感光体を備える電子写真プロセスカ
ートリッジとする。請求項10に記載の発明は、請求項
7又は8に記載の電子写真感光体を使用した電子写真プ
ロセスカートリッジであって、前記電子写真感光体の両
端部に嵌合されたフランジのギヤのうち、一方を駆動装
置により駆動して電子写真感光体を回転させ、もう一方
は他の機構への出力機構とする電子写真プロセスカート
リッジとする。請求項11に記載の発明は、請求項7又
は8に記載の電子写真感光体を使用した電子写真プロセ
スカートリッジであって、前記電子写真感光体の両端部
に嵌合されたフランジの両方を駆動装置により駆動して
電子写真感光体を回転させる電子写真プロセスカートリ
ッジとする。
【0013】請求項12に記載の発明は、請求項1ない
し6に記載の電子写真感光体を備える電子写真装置とす
る。請求項13に記載の発明は、請求項7又は8に記載
の電子写真感光体を使用した電子写真装置であって、前
記電子写真感光体の両端部に嵌合されたフランジのギヤ
のうち、一方を駆動装置により駆動して電子写真感光体
を回転させ、もう一方は他の機構への出力機構とする電
子写真装置とする。請求項14に記載の発明は、請求項
7又は8に記載の電子写真感光体を使用した電子写真装
置であって、前記電子写真感光体の両端部に嵌合された
フランジの両方を駆動装置により駆動して電子写真感光
体を回転させる電子写真装置とする。
【0014】請求項15に記載の発明は、請求項9ない
し11のいずれかに記載の電子写真プロセスカートリッ
ジであって、帯電手段は、帯電ロールを用いる電子写真
プロセスカートリッジとする。請求項16に記載の発明
は、請求項12ないし14のいずれかに記載の電子写真
装置であって、帯電手段は、帯電ロールを用いる電子写
真装置とする。請求項17に記載の発明は、請求項12
ないし14、又は16のいずれかに記載の電子写真装置
であって、前記電子写真感光体を複数備える電子写真装
置とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。本発明の電子写真感光体は、ド
ラム状の円筒状基体の外周面に電荷発生層と電荷輸送層
とからなる感光層が形成されたものである。先ず、基体
について説明する。基体としては、体積抵抗1010Ω・
cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、
アルミニウム合金等が使用可能である。これらの金属も
しくは合金を直接チル(direct-chill)鋳造法によりビ
レットとし、このビレットを用いて熱間押出加工によ
り、後に詳述する所望の形状を有する円筒管を作製す
る。
【0016】次に感光層について説明する。感光層は、
単層であって電荷発生物質と電荷輸送物質とが分散して
なるものであってもよいし、また、電荷発生物質と電荷
輸送物質とがそれぞれ層を形成し積層してなるものであ
ってもよい。以下は、電荷発生層と電荷輸送層とを積層
して形成する場合について説明するものである。電荷発
生層は、電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂と
ともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サン
ドミル、超音波などを用いて分散し、これを基体上に塗
布し、乾燥することにより形成される。電荷発生物質と
しては、チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔
料や、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、
ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔
料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、
他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、
アズレニウム塩系染料等が挙げられ用いられる。必要に
応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリ
アミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポ
リカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニル
ケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベン
ザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレン
オキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロー
ス系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発
生材料100重量部に対し0〜500重量部、好ましく
は10〜300重量部が適当である。ここで用いられる
溶剤としては、2−プロパノール、アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチ
ル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベン
ゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイ
ン等が挙げられる。
【0017】上記の適当な溶剤中に結着樹脂と共に溶解
して得られた電荷発生物質の塗布液は、浸漬塗工法、ス
プレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナー
コート、リングコート等の塗工方法を用いて基体外周面
に塗布され、その後乾燥される。得られる電荷発生層の
膜厚としては、0.01〜5μm程度が適当であり、好
ましくは0.1〜2μmである。
【0018】電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹
脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層
上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要
により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加する
こともできる。電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子
輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロ
ルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テト
ラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−
フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサント
ン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,
8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフ
ェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオ
フェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等
の電子受容性物質が挙げられる。正孔輸送物質として
は、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、
ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその
誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘
導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、
ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘
導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導
体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導
体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導
体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリ
アリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導
体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒド
ラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピ
レン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体
等その他公知の材料が挙げられる。尚、これらの電荷輸
送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
【0019】結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレ
ート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロ
ース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フ
ェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬
化性樹脂が挙げられる。また、ここで用いられる溶剤と
しては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、
ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタ
ン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン
などが挙げられる。
【0020】電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部
に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150
重量部が適当である。電荷発生層上への塗工方法は、電
荷発生層の形成に用いたと同様の方法が適用できる。こ
のようにして得られる電荷輸送層の膜厚としては、5〜
100μm程度が好ましい。
【0021】また、電荷輸送層には電荷輸送物質として
の機能と結着樹脂としての機能とを合わせ持った高分子
電荷輸送物質も好適に使用される。これら高分子電荷輸
送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたも
のである。高分子電荷輸送物質としては、公知の材料が
使用できるが、トリアリールアミン構造を主鎖及び/ま
たは側鎖に含むポリカーボネートが好適に用いられる。
【0022】本発明の電子写真感光体においては、電荷
輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可
塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレ
ートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているもの
がそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して
0〜30重量%程度が適当である。レベリング剤として
は、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフ
ルオロアルキル基を有するポリマーあるいは、オリゴマ
ーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して、0〜1
重量%が適当である。
【0023】次に、感光層が単層である場合について説
明する。単層の感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質
と結着樹脂とを適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを
基体外周面に塗布、乾燥することによって形成できる。
さらに、この感光層に上述した電荷輸送物質を添加し、
機能分離タイプとしても良く、良好に使用することがで
きる。また、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化
防止剤等を添加することもできる。結着樹脂としては、
先に電荷輸送層の説明中に挙げた結着樹脂をそのまま用
いる他に、電荷発生層の説明中に挙げた結着樹脂を混合
して用いてもよい。結着樹脂100重量部に対する電荷
発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物
質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好ましく
は50〜150重量部である。単層の感光層は、電荷発
生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シク
ロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液
を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで
塗工して形成できる。単層の感光層の膜厚としては、5
〜100μm程度が適当である。
【0024】また、基体と感光層との間に下引き層を設
けることもできる。下引き層は、一般には樹脂を主成分
とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布
することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性
の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂とし
ては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル
酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキ
シメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウ
レタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−
メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成
する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモ
アレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリ
カ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化イン
ジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えて
もよい。
【0025】これらの下引き層は、前述の感光層のごと
く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。
更に、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、
クロムカップリング剤等を使用することもできる。この
他、下引き層には、Al を陽極酸化にて設けたも
のや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やS
iO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無
機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用でき
る。このほかにも公知のものを用いることができる。下
引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0026】また、本発明の電子写真感光体には、感光
層を保護する目的で、感光層の上に保護層が設けられる
こともある。保護層に使用される材料としては、ABS
樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合
体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹
脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレ
ン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチル
ペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエ
ン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げ
られる。保護層には、その他、耐摩耗性を向上する目的
でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリ
コーン樹脂、およびこれらの樹脂に酸化チタン、酸化
錫、チタン酸カリウム等の無機材料を分散したもの等を
添加することができる。保護層の形成法としては、通常
の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜1
0μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜
作製法にて形成したa−C、a−SiCなど公知の材料
を保護層として用いることができる。
【0027】更に、感光層と保護層との間に中間層を設
けることも可能である。中間層には、一般にバインダー
樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリ
アミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニル
ブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコ
ールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述
のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚
さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0028】次に、本発明の電子写真感光体の基体の形
状と、端部係合部材であるフランジとの嵌合部について
説明する。本発明の電子写真感光体は、軸方向に垂直な
断面の形状を以下の通りとする。図1(a)は、一実施
形態である電子写真感光体の基体の軸方向に垂直な面の
断面図である。図に示すように、基体は、軸方向に垂直
な断面に複数の孔を有する。図1(b)は、電子写真感
光体の端部にフランジを取り付けた状態の軸方向の断面
図である。1は基体、2はフランジを示す。 図1
(b)に示すように、フランジ2は基体1の中心孔1a
に嵌合している。 このように、基体1の中心孔1aに
フランジ2を嵌合させることで、例えば基体1の中心孔
1aが嵌合によって変形したとしても、基体1外周は変
形することが無い。また、中心孔1aに限らず、中心孔
1aの周囲に存在する複数の孔とフランジ2とを嵌合さ
せる構成としても良い。しかしながら、簡易な構成であ
りながら、十分な取り付け強度を得ることができるの
は、図1(b)に示すような、基体1の軸方向に垂直な
断面の中心孔1aにフランジ2を嵌合する形態である。
【0029】尚、電子写真感光体の基体の軸方向に垂直
な断面の形状としては、図1に示す形状以外でも良く、
例えば、図2(a)〜(d)、及び図3(a)〜(c)
に示すような断面の中央に孔のない形状でも良い。ある
いは、図4(a)〜(d)、図5(a)〜(e)、図6
(a)〜(c)に示すように断面の中央に孔を有し、そ
の周辺に複数の孔を有する形状でも良い。また、中心の
孔の形状は円でなくとも良く、図7に示すような正多角
形でも良い。更に、図示はしないが、空間の形状は図1
〜図7に示すような扇形でなくとも良く、円形、楕円
形、多角形等でも良い。また、基体1の外径としては、
各種の径が可能であるが、一般的には20mm以上20
0mm以下であり、より好ましくは24mm以上100
mm以下である。
【0030】ここで、フランジ2の材質としては、各種
プラスチックが使用可能であり、具体的には、ポリアセ
タール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリアリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレン
サルファイド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂,ABS樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹
脂、ユリア樹脂などの各種の合成樹脂材料が使用可能で
ある。また、フランジ2には基体1と導通を取り、アー
ス板等で外部に導通させる手段が必要である。
【0031】フランジ2の形状は以下の通りにすること
により、より強固な取り付け強度を得ることができる。
図8は、第二の実施形態である電子写真感光体の基体の
構成を示す図である。図8(a)は電子写真感光体の基
体の軸方向に垂直な面の断面図であり、(b)はフラン
ジを取り付けた状態の電子写真感光体の軸方向断面図で
ある。図8(b)において、3は基体のリブ部であり、
フランジ2の形状は、その一部がリブ部3と接して基体
に嵌合する構成となっている。このような構成とするこ
とで、基体1とフランジ2とのより強固な取り付け強度
を得、電子写真感光体の充分な回転トルクを得ることが
可能となる。
【0032】図1及び図8に示す電子写真感光体の基体
1及びフランジ2の構成を好適な例として、本発明の電
子写真感光体は、フランジ2が基体1の最外壁以外の孔
壁で嵌合するものとする。これにより、フランジ2は、
基体1の最外壁と嵌合していないので、基体1外周面に
形成されている感光層を変形させることがなく、異常画
像の発生もない電子写真感光体とすることができる。ま
た、基体1の折り曲げ加工を伴わずに、フランジ2の嵌
合がなされる構成とする。すなわち、従来は基体1の一
部を折り曲げることで、フランジ2との取り付け強度を
保つ構成としていたが、本発明は、基体1の折り曲げ加
工がなくとも、基体1断面に有する複数の孔へのフラン
ジ2の嵌合により、十分な取り付け強度を得ることがで
きる。これにより、基体1の加工が容易になると共に、
基体1の折り曲げによって発生していた電子写真感光体
の変形もなく、良好な画像形成が行える。
【0033】また、フランジ2の取り付けには、接着剤
を使用しても良い。接着剤としては、各種の接着剤が使
用可能であり、フランジの材質によって選定を行う。例
えば、フランジ2がポリカーボネート系樹脂の場合、エ
ポキシ系、シアノ−アクリレート系の接着剤を用いるこ
とができる。また、接着剤としては、初期粘性が低くフ
ランジ2の基体1への嵌合が容易であると共に、嵌合後
高い接着力を得ることのできる一液性あるいは二液以上
の多液性接着剤も用いられるが、特に硬化型接着剤が好
ましい。 硬化型接着剤の主剤としては、硬化性の接着
性成分であればいかなるものであっても使用可能である
が、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体、(メタ)ア
クリル系ポリマー、フェノール、レゾルシノール、尿
素、エチレン尿素、メラミン、ベンゾグアナミン、フラ
ン、キシレン等のホルムアルデヒド系樹脂、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、シリコーン樹
脂、ポリジアリルフタレートまたはこれ等の共縮合物等
を用いることができる。
【0034】また、これ等硬化性接着剤の特性改良のた
めに、熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを用い
て変性したものを用いることができる。多液性接着剤の
硬化剤は、主剤と反応して高分子化、架橋化する化合
物、あるいは主剤の反応を進行させる促進剤あるいは触
媒等が用いられ、主剤と硬化剤は、市販の組合せ品を使
用することができる。主剤および硬化剤は、粘度を下げ
るために希釈剤が添加される。希釈剤としては、揮発性
で主剤、硬化剤と反応しない溶剤が用いられ、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン系、ベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族系、酢酸メ
チル等のエステル系、シクロヘキサン等の脂環式化合物
系あるいはメタノール、エタノール等のアルコール系溶
媒等のうちの一種、または二種以上を適宜選択して用い
ることができる。希釈剤の添加量は、接着剤の粘度が1
00〜800mPa・s、好ましくは200〜600m
Pa・s、更に好ましくは300〜500mPa・sと
なるように添加される。こうして得られた主剤、硬化剤
および希釈剤を含有する接着剤は、基体1及び/又はフ
ランジ2接合面に塗布される。接着剤が塗布された接合
面は暫く放置され塗布された接着剤の1/5以上が揮発
されるまで待った後、フランジが嵌合されて接合される
と良い。このように、接着剤を使用して電子写真感光体
の基体1にフランジ2を取り付けることにより、基体1
を変形させることなく、確実に、十分な取り付け強度を
得ることができる。
【0035】また、本発明の電子写真感光体は、上記の
ようにして取り付けられるフランジ2がギヤを有するも
のであってもよい。フランジ2をギヤとして用いること
で、高精度、かつ強いトルクで電子写真感光体の回転が
可能となる。また、電子写真感光体の両端部に取り付け
られたフランジ2が有するギヤは、その山形状が、いず
れも一致するように位置決めされ、取り付けられること
が好ましい。フランジ2の位置決めは、基体1の軸方向
に垂直な断面が有する複数の孔を利用して行うことがで
きる。これにより、高い精度で電子写真感光体の両端部
のギヤの位相を一致させることができる。
【0036】次に、本発明の電子写真感光体を備える電
子写真プロセスカートリッジについて説明する。図9
は、本発明の電子写真プロセスカートリッジの概略構成
を示す断面図である。電子写真プロセスカートリッジ2
0は、電子写真感光体10、帯電手段13、現像手段1
5、クリーニング手段19を含んで構成されている。ま
た、電子写真プロセスカートリッジ20を搭載して画像
形成を行う電子写真装置の他の手段として、転写手段1
6、像定着手段18、画像露光光14、除電の為の前露
光光12が備えられている。Pは紙等の転写材である。
尚、図9に示した電子写真プロセスカートリッジ20
は、構成をこれに限るものでなく、クリーニング手段1
9等が含まれない構成であっても良い。また、図9にお
いては電子写真プロセスカートリッジ20に内蔵されて
いない発光手段や転写手段16を内蔵するものであって
も良い。
【0037】次に、本発明の電子写真感光体を備える電
子写真装置について説明する。図10は、本発明の電子
写真装置における画像形成部の概略構成を示す断面図で
ある。電子写真装置の画像形成部は、電子写真感光体1
0を中心として、その周りに帯電手段13、現像手段1
5、転写手段16、像定着手段18、クリーニング手段
19等が配置されている。また、図中14は電子写真感
光体10表面に潜像を書き込むための画像露光光、12
は画像形成後の電子写真感光体10表面を除電するため
の前露光光、Pは紙等の転写材である。
【0038】ここで、図9、図10に示した電子写真プ
ロセスカートリッジ及び電子写真装置は、本発明の一実
施形態を示すものであり、各手段は図に示した以外の手
段であっても良い。例えば、帯電手段13は図9及び図
10に示した帯電ローラでなくとも、コロトロン、スコ
ロトロン、帯電ブラシ等の公知の帯電手段が使用可能で
ある。ここで、特に帯電ロールを帯電手段として用いる
場合は、接触帯電方式による帯電であるためオゾンの発
生量を大幅に低減できる利点があるが、その一方、均一
な帯電を行うために、より一層の電子写真感光体表面の
平滑性が求められる。そこで、フランジの取り付けによ
る電子写真感光体表面の変形がなく、高い形状精度が得
られる本発明の電子写真感光体を用いることにより、帯
電ロールの使用にも適した構成とすることができる。
【0039】また、画像露光光14及び前露光光12の
光源には、蛍光燈、タングステンランプ、ハロゲンラン
プ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LE
D)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセ
ンス(EL)などの発光手段を使用することができる。
また、所定の波長域の光のみを照射する為に、シャープ
カットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カッ
トフィルター、ダイクロックフィルター、干渉フィルタ
ー、色温度変換フィルターなどの各種フィルターが使用
可能である。クリーニング手段19は、クリーニングブ
レードだけで行われることも有り、クリーニングブラ
シ、もしくはブレードと併用されることも有る。
【0040】図9、図10に示した電子写真プロセスカ
ートリッジ及び電子写真装置に備えられた電子写真感光
体は、両端部に取り付けられたフランジがギヤを有する
ものである。この両端部のフランジは十分な取り付け強
度で電子写真感光体の基体と嵌合しており、従って、電
子写真感光体は高い破壊トルクを有することができる。
そこで、一方のフランジのギヤを駆動して電子写真感光
体を回転させ、もう一方のフランジのギヤは他の機構へ
の出力として機能させることができる。電子写真装置の
内部には、ローラの回転等の駆動を要する様々な手段が
備えられているが、上記機構により、それらの駆動系の
構成を簡易化することができ、装置の小型化が実現でき
る。
【0041】また、上記電子写真感光体の両端部に取り
付けられたフランジのギヤは、その両方を駆動して電子
写真感光体を回転させる構成としても良い。両端部のフ
ランジは十分な取り付け強度で電子写真感光体の基体と
嵌合しているため、ギヤの回転トルクの差や遊びが少な
く、高い精度での電子写真感光体の回転が可能となる。
【0042】更に、本発明の電子写真装置は、電子写真
感光体を複数備えることができる。図11は、複数の電
子写真感光体を備えた電子写真装置における画像形成部
の概略構成を示す断面図である。複数の電子写真感光体
10は、それぞれ帯電手段13、露光手段14、現像手
段15、クリーニング手段19、転写手段16を備えて
いる。また、21は搬送ベルトであり、紙等の転写材の
供給装置22から供給される転写材を搬送する。23は
転写材の供給ガイド、18は像定着手段である。また、
本発明の電子写真装置は図11の構成に限るものでな
く、中間転写体を備える構成としても良い。また、帯電
手段13はコロトロン、スコロトロン、帯電ブラシ等の
公知の帯電手段が使用可能である。 露光手段14及び
図示されていない前露光手段の光源には、蛍光燈、タン
グステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム
灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(L
D)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光手
段を使用することができる。更には、所定の波長域の光
のみを照射する為に、シャープカットフィルター、バン
ドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロ
ックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルタ
ーなどの各種フィルターが使用可能である。また、クリ
ーニング手段19は、クリーニングブレードだけで行わ
れることも有り、クリーニングブラシ、もしくはブレー
ドと併用されることも有る。
【0043】図11の電子写真装置において、転写材は
搬送ベルト21上に担持されて図中の矢印の方向に搬送
されるとともに、電子写真感光体10から順次各色の画
像を転写されて重ね合わせ、カラー画像を得るものであ
る。ここで、形状精度が高く、また、フランジの取り付
け精度も高い、本発明の電子写真感光体を用いること
で、カラー画像形成に対応して複数の電子写真感光体を
用いる場合においても、精度良く機能し、高品質の画像
を作製することが可能な電子写真装置とすることができ
る。
【0044】以下に、本発明の好適な実施例を示す。 [実施例1] (1)基体の作製 アルミニウム合金をDC鋳造し、アルミニウム合金製円
柱体(ビレット)を作製した。 作製したビレットを、
熱間押出加工によって断面が図12に示す形状の円筒管
に加工した。尚、作製した円筒管の軸方向に垂直な断面
の各部の目標寸法は表1に示す通りとした。
【表1】 上記で作製した円筒管を、長さ340mmに切断し、切
削加工に供する粗素管を作製した。このようにして作製
した粗素管を旋盤に取り付け、表面の切削加工を行い、
外径30mm、表面粗さRzが1.2μmの電子写真感
光体用基体を10本作製した。次に、上記基体の表面を
界面活性剤を含ませた水をそそぎながら回転するブラシ
で洗浄し、更に純水ですすぎ洗浄を行った。
【0045】(2) 下引き層の形成 次いで、上記基表面に下記の組成からなる樹脂塗料を浸
漬法で塗布し、次いで150℃ で15分間加熱し、熱
硬化させて、基体表面に厚さ5μmの下引き層を形成し
た。 酸化チタン 20 重量部 アルキッド樹脂 10 重量部 メラミン樹脂 10 重量部 メチルエチルケトン 60 重量部
【0046】(3)電荷発生層の形成 次いで、上記の下引き層上に、電荷発生層を積層形成す
るために下記の組成からなる樹脂塗料(塗工樹脂液)を
調製し、上記基体に同じく浸漬法でこの樹脂塗料を塗布
し、100℃ で10分間乾燥し、下引き層上に電荷発
生層を積層形成した。 ブチラール樹脂(XYHL;UCC社製) 1重量部 ジスアゾ顔料(構造式1) 9重量部 シクロヘキサノン 30重量部 テトラヒドロフラン(THF) 30重量部
【化1】
【0047】(4)電荷輸送層の形成 更に、上記電荷発生層上に電荷輸送層を積層形成するた
めに下記の組成からなる樹脂塗料(塗工樹脂液)を調製
し、上記基体に同じく浸漬法でこの樹脂塗料を塗布し、
塗布後120℃ で15分間乾燥し、電荷発生層上に電
荷輸送層を積層形成させた。 ポリカーボネート樹脂(パンライトK−1300;帝人社製)10重量部 電荷輸送物質(構造式2) 10重量部 ジクロロメタン 80重量部
【化2】
【0048】(5)フランジの取り付け 以上のようにして作製した電子写真感光体に、ポリカー
ボネート樹脂製フランジを圧入し、嵌合した。このと
き、フランジの嵌合部には接着剤(ボンドアロンアルフ
ァ;東亜合成社製)を数滴付け、嵌合した。ここで、フ
ランジは片側のみギヤの有るフランジを使用した。尚、
フランジと電子写真感光体の基体との嵌合部の構成は、
図1(b)を参照されたい。
【0049】[比較例1]実施例1に使用したと同様の
アルミニウム合金で、外径30.5mm、内径20.0
mm、長さ340mmの円筒管を作製し、これを実施例
1と同様に切削加工後、実施例1と同様にして、下引き
層、電荷発生層、電荷輸送層を積層して形成した。上記
の電子写真感光体にポリカーボネート樹脂製フランジを
嵌合し、取り付けた。図13は、比較例1での基体とフ
ランジの取り付け方法を示した図であり、(a)は基体
の軸方向に垂直な断面を示した図、(b)は端部の軸方
向断面を示した図である。図13に示すように、フラン
ジ2は、基体1の外壁に沿う形で基体1に嵌合してい
る。ここで、フランジ2は片側のみギヤの有るフランジ
を使用した。
【0050】以上のようにして作製した実施例1及び比
較例1の電子写真感光体の評価を行った。先ず、電子写
真感光体端部の形状精度を測定した。形状精度は、JI
SB0621「幾何偏差の定義及び表示」に記載されて
いる円筒度の定義に従った測定をもって評価した。その
後、リコー社製の電子写真装置Imagio MF25
0に取り付けて画像評価を行った。画像評価は、文字パ
ターン8枚、ハーフトーンパターン2枚を1セットとし
て2000セット、すなわち20000枚の印字を行っ
た。更に、画像評価後の電子写真感光体を分解して取り
外し、この外周を保持して固定し、市販のトルクゲージ
にてフランジに回転力を加え、破壊トルクを測定した。
以上の評価結果を表2に示す。
【表2】
【0051】実施例1において、電子写真感光体の端部
の円筒度は、ギヤ有り側が5μm、ギヤ無し側が4μm
であり、フランジの嵌合によって電子写真感光体の外周
面が変形することなく、非常に高い形状精度が得られて
いることがわかる。また、画像評価においては、文字パ
ターン、ハーフトーンパターン共に異常はなく、200
00枚の印字後も良好な画像が得られた。更に、画像評
価後に測定した電子写真感光体の破壊トルクも175k
gf・cmと高い値を示した。フランジを基体の軸方向
に垂直な断面に有する複数の孔と嵌合させることで、十
分な取り付け強度が得られ、高い破壊トルクが得られて
いることがわかる。一方、比較例1は、フランジの嵌合
により、電子写真感光体の外周面が変形し、端部の円筒
度は、ギヤ有り側が32μm、ギヤ無し側が26μm
で、十分な形状精度が得られなかった。また、画像評価
においては、文字パターンでは異常はみられなかった
が、ハーフトーンパターンで画像縁にムラがみられた。
更に、画像評価後に測定した電子写真感光体の破壊トル
クは45kgf・cmと低い値であった。フランジを電
子写真感光体の外壁に嵌合させ取り付ける構成では、十
分な取り付け強度が得られず、電子写真感光体の破壊ト
ルクも低い値であることがわかる。
【0052】[実施例2]両端部にギヤを有するフラン
ジを用いた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体
を10本作製した。尚、ギヤの山の数は一周に35山と
した。
【0053】[比較例2]両端部にギヤを有するフラン
ジを用いた以外は比較例1と同様にして電子写真感光体
を10本作製した。尚、ギヤの山の数は一周に35山と
した。
【0054】実施例2と比較例2の電子写真感光体の端
部形状精度と、ギヤ位相精度を測定した。尚、ギヤ位相
精度は一方のギヤの山の頂点を基準とし、もう一方のギ
ヤの山の頂点が何度ずれているかを測定した。上記の測
定結果を表3に示す。
【表3】
【0055】実施例2と比較例2における測定結果を比
較すると、端部の形状精度は、先にも述べたように、フ
ランジの嵌合によって電子写真感光体の外周面が変形す
ることのない実施例2では、非常に優れた円筒度の値を
示している。また、両フランジのギヤの位相ズレは、電
子写真感光体の基体内部のリブでフランジの取り付け角
度(取り付け位置)が決まる構成となっている実施例2
では、ほとんどズレを生じず、高い精度で一致している
ことがわかる。一方、比較例2ではフランジの取り付け
角度を規制できるものはないため、フランジ嵌合時に若
干回転することが避けられず、ギヤの位相ズレが実施例
2より低下していることがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によ
り、電子写真感光体の軸方向に垂直な断面に複数の孔を
有し、該孔のいずれか一つあるいは複数にフランジを嵌
合させる構成としたので、基体とフランジとの十分な取
り付け強度が得られる電子写真感光体を提供することが
できる。また、複数の孔の内、特に基体の中心孔にフラ
ンジを嵌合させることで、電子写真感光体の最外周面を
変形させることなく、表面平滑性に優れ、異常画像も生
じることのない電子写真感光体とすることができる。更
には、電子写真感光体の両端部に取り付けるフランジが
ギヤを有することで、高トルクでの電子写真感光体の回
転が可能となる。
【0057】上記の電子写真感光体を電子写真プロセス
カートリッジあるいは電子写真装置に備えることで、電
子写真感光体の優れた表面平滑性と、円滑な回転とによ
って、高品質な画像を作製することが可能な電子写真プ
ロセスカートリッジあるいは電子写真装置を提供するこ
とができる。また、電子写真感光体両端部に取り付けら
れたフランジのうちの一方のギヤを駆動させて電子写真
感光体を回転させ、もう一方のギヤを他の機構への出力
機構とすることで、電子写真装置の駆動系を簡素化で
き、装置の小型化も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態である電子写真感光体の(a)は
基体の軸方向に垂直な面の断面図であり、(b)は端部
の軸方向の断面図である。
【図2】 電子写真感光体の基体の軸方向に垂直な断面
の形状を示す図である。
【図3】 電子写真感光体の基体の軸方向に垂直な断面
の形状を示す図である。
【図4】 電子写真感光体の基体の軸方向に垂直な断面
の形状を示す図である。
【図5】 電子写真感光体の基体の軸方向に垂直な断面
の形状を示す図である。
【図6】 電子写真感光体の基体の軸方向に垂直な断面
の形状を示す図である。
【図7】 電子写真感光体の基体の軸方向に垂直な断面
の形状を示す図である。
【図8】 第二の実施形態である電子写真感光体の
(a)は基体の軸方向に垂直な断面を示した図、(b)
は端部の軸方向断面を示した図である。
【図9】 本発明の電子写真プロセスカートリッジの概
略構成を示す断面図である。
【図10】 本発明の電子写真装置における画像形成部
の概略構成を示す断面図である。
【図11】 複数の電子写真感光体を備えた電子写真装
置における画像形成部の概略構成を示す断面図である。
【図12】 実施例1における電子写真感光体の基体の
軸方向に垂直な断面の形状を示す図である。
【図13】 比較例1における電子写真感光体の(a)
は基体の軸方向に垂直な断面を示した図、(b)は端部
の軸方向断面を示した図である。
【符号の説明】
1 基体 1a 中心孔 2 フランジ 3 リブ部 10 電子写真感光体 13 帯電手段 15 現像手段 16 転写手段 18 像定着手段 19 クリーニング手段 20 電子写真プロセスカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H035 CA07 CB02 CB03 CB04 CD07 CD14 CG03 2H068 AA54 EA43 FA30 FC01 2H071 BA03 BA13 CA02 CA05 DA06 DA26 EA18

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体の外周面に感光体層を形成してなる
    電子写真感光体において、 該基体は、軸方向に垂直な断面に複数の孔を有し、 該孔のいずれか一つあるいは複数にフランジが嵌合して
    なることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子写真感光体におい
    て、 前記基体は、軸方向に垂直な断面の中央に孔を有し、 該孔にフランジが嵌合してなることを特徴とする電子写
    真感光体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電子写真感光体におい
    て、 前記フランジは、基体内部の孔壁にも嵌合あるいは接す
    ることを特徴とする電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の電
    子写真感光体において、 前記フランジは、基体の最外壁以外の孔壁に嵌合するこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の電
    子写真感光体において、 前記フランジは、基体の折り曲げ加工を伴わずに基体の
    孔壁に嵌合することを特徴とする電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の電
    子写真感光体において、 前記フランジは、接着剤によって基体へ取り付けられる
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の電
    子写真感光体において、 前記フランジは、ギヤを有することを特徴とする電子写
    真感光体。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の電子写真感光体におい
    て、 前記フランジは、前記フランジが有するギヤの山形状
    が、いずれのギヤにおいても一致するように位置決めさ
    れ取り付けられることを特徴とする電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6に記載の電子写真感
    光体を備えることを特徴とする電子写真プロセスカート
    リッジ。
  10. 【請求項10】 請求項7又は8に記載の電子写真感光
    体を使用した電子写真プロセスカートリッジであって、 前記電子写真感光体の両端部に嵌合されたフランジのギ
    ヤのうち、一方を駆動装置により駆動して電子写真感光
    体を回転させ、 もう一方は他の機構への出力機構とすることを特徴とす
    る電子写真プロセスカートリッジ。
  11. 【請求項11】 請求項7又は8に記載の電子写真感光
    体を使用した電子写真プロセスカートリッジであって、 前記電子写真感光体の両端部に嵌合されたフランジの両
    方を駆動装置により駆動して電子写真感光体を回転させ
    ることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし6に記載の電子写真
    感光体を備えることを特徴とする電子写真装置。
  13. 【請求項13】 請求項7又は8に記載の電子写真感光
    体を使用した電子写真装置であって、 前記電子写真感光体の両端部に嵌合されたフランジのギ
    ヤのうち、一方を駆動装置により駆動して電子写真感光
    体を回転させ、 もう一方は他の機構への出力機構とすることを特徴とす
    る電子写真装置。
  14. 【請求項14】 請求項7又は8に記載の電子写真感光
    体を使用した電子写真装置であって、 前記電子写真感光体の両端部に嵌合されたフランジの両
    方を駆動装置により駆動して電子写真感光体を回転させ
    ることを特徴とする電子写真装置。
  15. 【請求項15】 請求項9ないし11のいずれかに記載
    の電子写真プロセスカートリッジであって、 帯電手段は、帯電ロールを用いることを特徴とする電子
    写真プロセスカートリッジ。
  16. 【請求項16】 請求項12ないし14のいずれかに記
    載の電子写真装置であって、 帯電手段は、帯電ロールを用いることを特徴とする電子
    写真装置。
  17. 【請求項17】 請求項12ないし14、又は16のい
    ずれかに記載の電子写真装置であって、 前記電子写真感光体を複数備えることを特徴とする電子
    写真装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7050738B2 (en) 2003-06-23 2006-05-23 Ricoh Company, Ltd. Image-forming apparatus

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