JP2003122161A - 定着部材、定着手段、画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着手段、画像形成装置

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JP2003122161A
JP2003122161A JP2001322225A JP2001322225A JP2003122161A JP 2003122161 A JP2003122161 A JP 2003122161A JP 2001322225 A JP2001322225 A JP 2001322225A JP 2001322225 A JP2001322225 A JP 2001322225A JP 2003122161 A JP2003122161 A JP 2003122161A
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Yasuhiro Tanaka
康裕 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着部材50の外周面が記録媒体56E側と
なり、記録材56Fが挟み込まれるように定着部材50
と記録媒体56Eとを重ね合わせ;定着部材50の内周
面に当接するよう配置されたセラミックヒーター56A
により定着部材50を加熱しながら定着部材50が摺動
されるよう、定着部材50と記録媒体56Eとを圧着し
て一体として移動させ;記録媒体56E上の記録材56
Fを熱溶着させ定着させるための定着部材50の耐久性
を向上させ、高速化に対応した定着手段を実現する。 【解決手段】 金属ベルト52のセラミックヒーター5
6Aーに摺動される面上に、又はセラミックヒーター5
6Aの金属ベルト52に摺動される面上に、耐摩耗性を
有する樹脂製の摺動層51を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に好
適に用いられる加熱定着装置、更に加熱定着装置に好適
に使用される定着ベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、モノクロ機の複写機やプリンタ
ー、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる定着方
式としては、熱ローラー定着方式が、低速機、中速機、
更には高速機まで幅広い領域で用いられている。
【0003】しかしながら、従来の熱ローラー定着方式
では記録材であるトナーに対して、充分な熱を供給する
ために、前もって熱容量の大きな定着ローラを加熱する
必要があるため、省エネ効率が不十分な場合や、ファー
ストプリントまでの時間を十分短縮できない場合があ
る。
【0004】以上の様な不具合を回避するために、これ
まで様々な定着方式が考案されており、一つは熱容量の
大きな定着ローラを定着フィルムという低熱容量の薄肉
のポリイミド樹脂フィルムに替え、温度制御されたセラ
ミックヒーターを定着フィルムに直接加圧接触させるこ
とで熱伝導率的に大幅に向上させ、省エネとウォーミン
グアップタイムをほとんど必要としないクイックスター
ト性を兼ね備えた定着方式が考案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱定着フィルムを用いた定着装置の場合、省エネ性とウ
ォーミングアップタイムを短縮化したクイックスタート
性が図れるものの、昨今の定着スピードの高速化に伴
い、瞬時加熱によるウォーミングアップタイムゼロを得
られず、記録材であるトナーに対する熱供給が追いつか
ず、定着不良が発生する場合がある。
【0006】この様な不具合を回避する方策として、例
えば、特開平10−319753号公報に、定着フィル
ムの基材として耐熱樹脂フィルムの代わりに良熱伝導体
の薄肉の金属ベルトを用いることによって、前述の省エ
ネ性およびウォーミングアップタイムの短縮化を図るこ
とが記載されている。しかしながら、当該公報に記載の
方法では、薄肉のニッケル製金属ベルトなどを用いるこ
とが前提であると考えられ、定着フィルム自体の耐久性
が不足する恐れがあるように考えられる。
【0007】以上の様な状況に鑑み、本発明において
は、金属製の定着部材の耐久性を向上させ、高速化に対
応した定着手段および画像形成装置に好適な定着部材の
提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明によれば、定着部材の外周面が記録媒体側とな
り、記録材が挟み込まれるように該定着部材と該記録媒
体とを重ね合わせ、該定着部材の内周面に当接するよう
配置されたセラミックヒーターにより該定着部材を加熱
しながら該定着部材が摺動されるよう、該定着部材と該
記録媒体とを圧着して一体として移動させ、該記録媒体
上の該記録材を熱溶着させ定着させるための定着部材に
おいて、該定着部材は、少なくとも金属ベルトの該セラ
ミックヒーターに摺動される面上に、耐摩耗性を有する
樹脂製の摺動層が少なくとも積層されてなることを特徴
とする定着部材が提供される。
【0009】上記の様な定着部材を、定着ベルト及び転
写ベルトの少なくとも何れか一方として採用することに
より、高速化に好適な画像形成装置を実現できる。
【0010】また、本発明によれば、ベルト状の定着部
材の外周面が記録媒体側となり、記録材が挟み込まれる
ように該定着部材と該記録媒体とを重ね合わせ、該定着
部材の内周面に当接するよう配置されたセラミックヒー
ターにより該定着部材を加熱しながら該定着部材が摺動
されるよう、該定着部材と該記録媒体とを圧着して一体
として移動させ、該記録媒体上の該記録材を熱溶着させ
定着させる定着手段において、該セラミックヒーターの
該定着部材に摺動される面上に、耐摩耗性を有する樹脂
製の摺動層が少なくとも形成されていることを特徴とす
る定着手段が提供される。
【0011】上記の様に、摺動層が形成されたセラミッ
クヒーターを具備する定着手段を配置することにより、
高速化に好適な画像形成装置を実現できる。
【0012】一般に、定着部材の耐久性を向上するに
は、定着部材を厚くすればよい。しかしながら、この場
合、定着部材を所定の温度まで昇温するのに必要な熱量
が増大するため、省エネ性およびクイックスタート性が
損なわれる恐れがある。
【0013】一方、本発明の場合、定着部材を厚くする
のではなく、定着部材およびセラミックヒーターの少な
くとも一方の接触面に摺動層を形成する。このため、省
エネ性およびクイックスタート性を損なうことなく、定
着部材の磨耗を抑制でき、定着部材の耐久性を向上でき
る。
【0014】なお、金属ベルトの空回転耐久試験(金属
ベルトを負荷の無い状態で回転のみさせ、金属ベルトの
状態を観察する試験)の際生じていた、金属ベルトとセ
ラミックヒーターとの接触による摩耗は、摺動層を形成
することにより殆ど無くなること実験的に確認してお
り、この事実は定着ベルトの耐久性が向上することを裏
付けている。
【0015】以上より、本発明によれば、金属製の定着
部材の耐久性を向上でき、高速化に対応した定着手段お
よび画像形成装置に好適な定着部材を提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について説明する。
【0017】定着部材の基材である金属ベルトの材質と
しては、熱伝導性に優れるものであれば特に制限されな
いが、マグネシウム等の第2族元素;酸化マグネシウム
等の第2族元素の酸化物;アルミニウム等の第13族元
素;酸化アルミニウム等の第13族元素の酸化物;スズ
等の炭素族元素;青銅、バビットメタル、ブリキ、ハン
ダ等の炭素族元素を含む合金;チタン等のチタン族元
素;酸化チタン等のチタン族元素の酸化物;クロム、モ
リブデン、タングステン等のクロム族元素;ニクロム等
のクロム族元素を含む合金;鉄、コバルト、ニッケル等
の鉄族元素;SUS材などの鉄族元素を含む合金;ルテ
ニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウ
ム、白金などの白金族元素;白金族元素を含む合金;
銅、銀、金などの貨幣族元素;貨幣族元素を含む合金;
亜鉛などの亜鉛族元素;酸化亜鉛などの亜鉛族元素を含
む合金などを使用することができる。
【0018】摺動層に含まれる樹脂としては、耐摩耗性
および摺動性に優れるものであれば特に制限されない
が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテ
ン−1、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエ
ーテルニトリル、ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド
材料、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルアミ
ド、サーモトロピック液晶ポリマー、ポリアミド酸、エ
ポキシ等を使用できる。
【0019】なお、必要に応じて、これらの樹脂を2種
類以上使用することもできる。
【0020】また、摺動層は、耐磨耗性を向上する観点
から、フィラーを含有していることが好ましい。更に、
含有量としては、熱伝導性を向上する観点から、摺動層
の10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好
ましい。一方、樹脂マトリックス中での均一な分散を実
現する観点から、40質量%以下が好ましく、30質量
%以下がより好ましい。
【0021】フィラーの寸法としては、摺動層の表面に
突出したフィラーによって熱伝導が阻害されることを抑
制するために、最大寸法として10μm以下が好まし
く、1.0μm以下がより好ましい。一方、フィラーの
二次凝集を抑制する理由から、最大寸法が0.1μm以
上のフィラーを一般に用いる。なお、最大寸法は、フィ
ラーの粒度分布を粒度分布計で測定し、得られた粒度分
布曲線において下限20%以内の平均値と定義される。
【0022】フィラーの種類としては、摺動層の熱伝導
性を向上する観点から、無機フィラーが好ましい。
【0023】この様な無機フィラーとしては、シリカ、
アルミナ、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化アンチモン、
フェライト類等の酸化物系フィラー;水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性
炭酸マグネシウム等の水酸化物系フィラー;炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ド
ーソナイト、ハイドロタルサイト等の炭酸塩系フィラ
ー;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維等の硫酸
塩系フィラー;ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マ
イカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セ
ピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、
ガラスビーズ、シリカ系バルン等の珪素系フィラー;窒
化ホウ素などの窒化物フィラー;カーボンブラック、グ
ラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末などの炭
素系フィラー等を使用する。
【0024】一方、他のフィラーの種類としては、摺動
抵抗を低減する観点から、有機フィラーが好ましい。
【0025】この様な有機フィラーとしては、テフロン
(登録商標)粉、木粉、パルプ、ゴム粉、アラミド等の
各種有機物を使用する。
【0026】なお、必要に応じて、これらのフィラーを
2種類以上使用することもでき、2種類以上のフィラー
を使用する場合、添加量については、総量が上記および
下記の範囲内であることが好ましい。
【0027】以上の様なフィラーは、樹脂マトリックス
との十分な相溶性を実現する観点から、予めカップリン
グ処理されていることが好ましい。
【0028】フィラーにカップリング処理を施す際に使
用するカップリング剤としては、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ
メトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i
−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエト
キシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、
γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3
−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3
−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0029】更に、チタン系カップリング剤として、テ
トライソプロポキシチタン、テトラキス(2−エチルヘ
キソキシ)チタン、テトラステアロキシチタンなどのテ
トラアルコキシチタン;ジイソプロポキシ・ビス(アセ
チルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(ト
リエタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシ・ビス
(ラクタト)チタン、チタン−i−プロポキシオクチレ
ングリコレート等が挙げられる。
【0030】なお、必要に応じて、これらのカップリン
グ剤を2種類以上使用することもできる。
【0031】摺動層の作製方法は特に制限されないが、
上述した樹脂を有機溶剤に溶解してワニスとし、このワ
ニスを金属ベルトやセラミックヒーターの摺動面に塗布
後、得られた塗布層を硬化して、摺動層を作製できる。
この場合、樹脂のワニスに占める割合は、ワニスの粘度
など観点から、20質量%以上が好ましく、40質量%
以下が好ましい。また、2種類以上の樹脂を使用する場
合は、30質量%以上が好ましく、50質量%以下が好
ましい。
【0032】有機溶剤としては、上述のカップリング剤
と相溶性の良いものが好ましく、例えば、n−ヘキサ
ン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ペ
ンタン、酢酸n−ブチル、キシレン、トルエン、TH
F、酢酸エチル、トリクロロエチレン、MEK、クロロ
ホルム、2−エチルヘキサノール、ジオキサン、アセト
ン、t−ブタノール、メチルセロソルブ、IPA、アセ
トニトリル、1−プロパノール、ベンジルアルコール、
エタノール、炭酸プロピレン、エチレングリコール、メ
タノール、グリセリン、n−メチルピロリドン(NM
P)等が挙げられる。
【0033】なお、必要に応じて、これらの有機溶剤を
2種類以上使用することもできる。
【0034】また、ワニスには、予めフィラーを添加し
ておき、これをディッピング法やエアロコート法により
金属ベルトやセラミックヒーターの摺動面に塗布し、得
られた塗布層を硬化して、摺動層を作製できる。この場
合、樹脂は、フィラーのマトリックスとなる。なお、フ
ィラーがフィラー及びワニスの総量に占める割合は、ワ
ニスの粘度など観点から、10質量%以上、30質量%
以下が好ましい。
【0035】更に、塗布層の硬化は加熱により行うこと
ができ、加熱の方式としては、金属ベルトやセラミック
ヒーターの外部から加熱する方法(外部加熱法)でもよ
く、金属ベルトやセラミックヒーターの内部から加熱す
る方法(内部加熱法)でもよく、両者を併用することも
できる。
【0036】硬化工程は、ワニスから有機溶剤を除去す
る工程および乾燥工程などや、共有結合などの形成を伴
う樹脂自身の硬化反応工程などを含む。なお、樹脂自身
の硬化反応工程としては、架橋反応、環形成反応、イミ
ド化反応、縮合反応、付加反応などを挙げることができ
る。
【0037】以上の様にして作製される摺動層の層厚
は、十分な摺動性を実現する観点から、3μm以上が好
ましく、4μm以上がより好ましく、一方、熱伝導性が
阻害されることを抑制するために、8μm以下が好まし
く、7μm以下がより好ましい。
【0038】また、金属ベルトの厚さは、耐久性の観点
から、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好
ましく、一方、定着部材を所定の温度まで昇温するのに
必要な熱量が増大することを抑制するために、70μm
以下が好ましく、60μm以下がより好ましい。
【0039】更に、摺動層以外に、各種の機能層を定着
部材および/またはセラミックヒーターに作製すること
もできる。この様な機能層としては、例えば、金属ベル
トの外周面に記録材が付着することを低減するために、
フッ素樹脂などから主になる離型層を形成することが好
ましい。なお、定着部材を転写ベルトなどとして使用す
る場合には、金属ベルトの内周面および外周面の何れに
も摺動層を形成する場合もある。
【0040】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、これらは、本発明を何ら限定するものではな
い。なお、以下特に明記しない限り、試薬等は市販の高
純度品を用いた。
【0041】(実施例1)図1に作製した定着部材を示
す。薄肉の金属ベルト11の内周面に摺動層13が形成
されている。金属ベルト11の材質としては、SUS3
04を使用し、摺動層3の材質としては、フィラー含有
のポリイミド樹脂を使用した。
【0042】金属ベルト11の内径は30.0mm、厚
さは0.05mm、長手方向長さ(ベルトの幅)は23
3.0mmとした。
【0043】また、摺動層13の形成に使用するワニス
としては、宇部興産社製U−ワニスS(商品名)を使用
した。このワニスは、20質量%のポリイミド樹脂をn
−メチルピロリドン(NMP)に溶解したものである。
【0044】更に、無機フィラーとしては、最大粒径
0.5μmの窒化ホウ素(昭和電工社製、商品名:UH
P−S1)を使用した。
【0045】窒化ホウ素20質量部に、カップリング剤
としてシランカップリング剤の一つであるメチルトリエ
トキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBE1
3)を5部混合し、30分間攪拌した。その後、混合脱
泡装置を使用し、10分間混合脱泡を行った。得られた
シランカップリング処理された窒化ホウ素を取り出し、
真空乾燥により未反応のシランカップリング剤などを除
去した。
【0046】そして、上記のワニス20質量部に、カッ
プリング処理され真空乾燥後の窒化ホウ素粒子4質量部
を添加し、混合脱泡を行い、ディッピング液を得た。
【0047】ディッピング液の塗布は、図3に示す装置
により行った。即ち、金属ベルト31の外周面をポリテ
トラフルオロエチレン製のテープによりマスキングを施
し、外周面にディッピング液が塗布されない状態とし
て、これをディッピング液33に浸漬した。その後、1
分間あたり10mmの速度で金属ベルト31を引き上
げ、ポリイミドワニス中に含まれるNMPを除去するた
め、予め200℃に加熱した温風循環式乾燥炉(図4)
中に金属ベルト31を入れ、60分間、外部加熱した。
【0048】引続き、溶剤が除去された塗布層を400
℃で10分外部加熱し、イミド化反応を進行させて、金
属ベルトの内周面に厚さ5μmの摺動層を均一に形成し
た。
【0049】次に、得られた金属ベルトの外周面に、デ
ュポン社製プライマーフッ素樹脂塗料855−023
(商品名)をスプレー法により厚さ4μmに塗布し乾燥
した後、同社製トップフッ素樹脂塗料855−510
(商品名)をスプレー法により厚さ12μmにフッ素コ
ーティングを施し離型層を形成して、定着部材を作製し
た。
【0050】得られた定着部材を、図5に示す画像形成
装置の定着装置に定着ベルト50として配置した。定着
ベルト50は、内周面に摺動層51、外周面に離型層5
3が形成された金属ベルト52よりなる。56Aはセラ
ミックスヒーターであり、ヒーターホルダー56Bに保
持されている。56Cはステー部材であり、略U字形状
に形成されている。そして、定着ベルト50はステー部
材56Cとヒーターホルダー56Bの外周面に嵌め込む
ように組み込まれている。56Dは加圧ローラであり不
図示の駆動手段により駆動される。
【0051】画像を形成するトナー等の記録材56Fを
担持した紙などの記録媒体56Eは、定着ベルト50と
加圧ローラ56Dとの間に搬送挿通され、セラミックヒ
ーター56Aから受けた定着ベルト50の熱がトナーに
伝達され、トナーは、加圧および加熱により紙上に定着
される。
【0052】前述の方法により作製された定着ベルト5
0はベルト膜厚寸法が均一で精度が高いため、ベルトか
らトナーへの熱伝達が均一で、高品位の画質を得ること
ができた。更に、摩擦による定着部材の摩耗は認められ
ず、定着部材の十分な耐久性を実現できた。
【0053】また、表1に、使用時間の経過に伴うトル
ク変化の測定結果を示した。表中のトルクの単位はmN
・cmである。
【0054】
【表1】
【0055】表1より明らかな通り、トルクの上昇は確
認されなかった。
【0056】(実施例2)SUS304よりなる金属ベ
ルトの内周面および外周面の何れにも、実施例1と同様
にして、摺動層を形成した。
【0057】得られた定着部材を、図6に示すように、
転写ベルト60として使用した。61は感光ドラム、6
2はトナー等の記録材が付着している記録媒体、63は
定着ユニットを示している。
【0058】外内両面に摺動層が形成された転写ベルト
を搬送ベルトとして使用することにより、従来の樹脂や
エラストマー単体によるベルトと比較して、高精度な搬
送と高耐久性とを実現できた。
【0059】(実施例3)図2に示す様に、平板状のセ
ラミックヒーター20の定着部材と摺動される面に、摺
動層21を形成した。なお、摺動層21が形成されてい
る面は、セラミックヒーターの表面であり、定着部材の
内周に接触する面である。
【0060】セラミックヒーターの材質としては窒化ア
ルミニウムのものを使用し、セラミックヒーターの形状
は縦12.0mm、横280.0mm、厚さ1.0mm
とした。
【0061】この様なセラミックヒーター32の摺動面
のみを、実施例1で使用したものと同様のワニス33に
浸漬した(図3)。その後、1分間あたり10mmの速
度でセラミックヒーター32を引き上げ、実施例1と同
様にして塗布層を硬化し、厚さ5μmの摺動層を均一に
形成した。
【0062】得られたセラミックヒーター56Aを、摺
動面が定着部材50の内周面の当接されるよう定着装置
に配置した(図5)。この様な定着装置が配設される画
像形成装置を用いて、多数の画像を形成したが、定着部
材およびセラミックヒーターの摺動面の何れにも、摩擦
によるの摩耗は認められず、高品位の画質を得ることが
でき、定着部材の十分な耐久性を実現できた。また、表
1より明らかな通り、トルクの上昇も確認されなかっ
た。
【0063】(比較例1)実施例1で使用した金属ベル
トに摺動層を形成することなく、定着部材として定着装
置に配置した。また、実施例3で使用したセラミックヒ
ーターに摺動層を形成することなく、定着装置に配置し
た。
【0064】この様な定着装置が配設される画像形成装
置を用いて、画像を形成した。トルクと経時時間を測定
したところ、表1に示す様に、耐久試験開始後約100
時間程度からトルクの上昇が認められ、摺動面には金属
ベルトの摩耗粉が多く発生した。
【0065】
【発明の効果】以上に説明した様に、定着部材の金属ベ
ルトと、セラミックヒーターとの少なくとも一方の摺動
面に、摺動層を形成することにより、定着部材とセラミ
ックヒーターとの接触面による摩耗が殆ど無くなり、定
着部材の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用される定着部材の例を説明するた
めの模式的斜視図である。
【図2】本発明で使用されるセラミックヒーターの例を
説明するための模式的斜視図である。
【図3】塗布層の形成方法を説明するための模式図であ
る。
【図4】塗布層を硬化するための温風循環式乾燥炉であ
る。
【図5】定着装置を説明するための模式的断面図であ
る。
【図6】画像形成装置を説明するための模式的断面図で
ある。
【符号の説明】
11 金属ベルト 13 摺動層 20 セラミックヒーター 21 摺動層 31 金属ベルト 32 セラミックヒーター 33 ディッピング液 50 定着ベルト 51 摺動層 52 金属ベルト 53 離型層 56A セラミックヒーター 56B ヒーターホルダー 56C ステー部材 56D 加圧ローラ 56E 記録媒体 56F 記録材 60 転写ベルト 61 感光ドラム 62 記録媒体 63 定着ユニット

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着部材の外周面が記録媒体側となり、
    記録材が挟み込まれるように該定着部材と該記録媒体と
    を重ね合わせ、該定着部材の内周面に当接するよう配置
    されたセラミックヒーターにより該定着部材を加熱しな
    がら該定着部材が摺動されるよう、該定着部材と該記録
    媒体とを圧着して一体として移動させ、該記録媒体上の
    該記録材を熱溶着させ定着させるための定着部材におい
    て、該定着部材は、少なくとも金属ベルトの該セラミッ
    クヒーターに摺動される面上に、耐摩耗性を有する樹脂
    製の摺動層が少なくとも積層されてなることを特徴とす
    る定着部材。
  2. 【請求項2】 前記摺動層には、フィラーが含有されて
    いることを特徴とする請求項1記載の定着部材。
  3. 【請求項3】 前記フィラーの最大寸法は、10μm以
    下であることを特徴とする請求項2記載の定着部材。
  4. 【請求項4】 前記フィラーは、無機フィラー及び有機
    フィラーの少なくとも何れか一方であることを特徴とす
    る請求項2又は3記載の定着部材。
  5. 【請求項5】 前記フィラーは、予めカップリング処理
    されていることを特徴とする請求項2乃至4何れかに記
    載の定着部材。
  6. 【請求項6】 前記摺動層のマトリックスは、有機溶剤
    中に予め前記樹脂を溶解したワニスを硬化して作製され
    ることを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の定着
    部材。
  7. 【請求項7】 前記摺動層は、少なくとも前記フィラー
    を含有する前記ワニスを、ディッピング法またはエアロ
    コート法により前記金属ベルトに塗布し硬化して作製さ
    れることを特徴とする請求項6記載の定着部材。
  8. 【請求項8】 前記硬化方法は、外部加熱法および内部
    加熱法の少なくとも何れか一方であることを特徴とする
    請求項7記載の定着部材。
  9. 【請求項9】 定着ベルト及び転写ベルトの少なくとも
    何れか一方が、請求項1乃至8何れかに記載の定着部材
    であることを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 ベルト状の定着部材の外周面が記録媒
    体側となり、記録材が挟み込まれるように該定着部材と
    該記録媒体とを重ね合わせ、該定着部材の内周面に当接
    するよう配置されたセラミックヒーターにより該定着部
    材を加熱しながら該定着部材が摺動されるよう、該定着
    部材と該記録媒体とを圧着して一体として移動させ、該
    記録媒体上の該記録材を熱溶着させ定着させる定着手段
    において、該セラミックヒーターの該定着部材に摺動さ
    れる面上に、耐摩耗性を有する樹脂製の摺動層が少なく
    とも形成されていることを特徴とする定着手段。
  11. 【請求項11】 前記摺動層には、フィラーが含有され
    ていることを特徴とする請求項10記載の定着手段。
  12. 【請求項12】 前記フィラーの最大寸法は、10μm
    以下であることを特徴とする請求項11記載の定着手
    段。
  13. 【請求項13】 前記フィラーは、無機フィラー及び有
    機フィラーの少なくとも何れか一方であることを特徴と
    する請求項11又は12記載の定着手段。
  14. 【請求項14】 前記フィラーは、予めカップリング処
    理されていることを特徴とする請求項11乃至13何れ
    かに記載の定着手段。
  15. 【請求項15】 前記摺動層のマトリックスは、有機溶
    剤中に予め前記樹脂を溶解したワニスを硬化して作製さ
    れることを特徴とする請求項10乃至14何れかに記載
    の定着手段。
  16. 【請求項16】 前記摺動層は、少なくとも前記フィラ
    ーを含有する前記ワニスを、ディッピング法またはエア
    ロコート法により前記セラミックヒーターの摺動面に塗
    布し硬化して作製されることを特徴とする請求項15記
    載の定着手段。
  17. 【請求項17】 前記硬化方法は、外部加熱法および内
    部加熱法の少なくとも何れか一方であることを特徴とす
    る請求項16記載の定着手段。
  18. 【請求項18】 請求項10乃至17何れかに記載の摺
    動層が形成されたセラミックヒーターを具備する定着手
    段が配置されていることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008165024A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Canon Inc 加熱回転体、その加熱回転体の製造方法、及びその加熱回転体を有する像加熱装置
JP2014085399A (ja) * 2012-10-19 2014-05-12 Fuji Xerox Co Ltd 定着部材、定着装置、及び画像形成装置

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