JP2003121666A - 導波路型光デバイスおよびその製造方法 - Google Patents
導波路型光デバイスおよびその製造方法Info
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Abstract
らず、所望の中心波長を得る導波路型光デバイスを製造
する導波路型光デバイスおよびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 アレイ導波路201は、光導波路層21
1をシリコン基板212上に形成した平板状の導波路素
子203と、その光導波路層211側に接着された第1
の補正基板204と、シリコン基板212側に接着され
た第2の補正基板205から構成される。2枚の補正基
板204、205の線膨張係数α1、α4を導波路素子2
03のそれよりも大きくし、ヤング率E1、E4を適切な
値に設すると共に接着剤214、215として剛性の高
いものを使用することにより、導波路素子203の温度
による収縮を第1および第2の基板によって増大させ、
所定の温度の範囲内でその中心周波数を所望の値に設定
する。
Description
た情報処理の分野等で使用されるフィルタデバイスとし
ての導波路型光デバイスおよびその製造方法に係わり、
特に製造時の歩留まりを改善することのできる導波路型
光デバイスおよびその製造方法に関する。
処理技術の発展と共に光波長フィルタとしての光導波路
素子が広く使用されるようになっている。光の干渉を利
用して各種の機能を実現するこのような光導波路素子
は、一般に環境温度に応じて屈折率や光路長が異なって
くる。このため、製造した光導波路素子ごとに透過帯域
あるいは中心波長が変動することになる。
e)を始めとする光導波路素子の中心波長については、
ペルチェ素子あるいはヒータを温度調整装置として用い
て、それぞれの中心波長をITU(International Tele
communication Union)で定められたグリッド仕様を満
足するものに調整するようにしている。たとえば石英系
の光導波路素子の場合には、約0.1nm/゜Cの中心
波長温度依存性があるので、このような光導波路素子を
使用した導波路型光デバイスの設定温度を調整すること
で所望の中心波長に設定している。
べての光導波路素子あるいはこれを組み込んだ導波路型
光デバイスが、このような温度調整装置の調整する温度
範囲内で中心波長を所望の値に設定することができると
は限らない。温度調整装置で調整することができない光
導波路素子あるいは導波路型光デバイスは、従来から不
良品とならざるを得ず、素子またはデバイスの製造時の
歩留まりを向上できない大きな要因となっていた。
子の温度特性の相違に係わらず、所望の中心波長を得る
ことのできる導波路型光デバイスを製造する際の歩留ま
りを向上させることのできる導波路型光デバイスおよび
その製造方法を提供することにある。
は、(イ)平板状の光導波路素子と、(ロ)この光導波
路素子の基板側に配置され、その基板の線膨張係数より
も大きな所定の線膨張係数を有する支持基板と、(ハ)
この支持基板に組み込まれ、光導波路素子の温度を制御
する温度調整装置とを導波路型光デバイスに具備させ
る。
の光導波路素子の基板側にその線膨張係数よりも線膨張
係数が大きな支持基板を配置し、この支持基板に組み込
まれた温度調整装置で支持基板および光導波路素子の温
度を制御するようにしている。この温度制御で支持基板
は光導波路素子の線膨張率が実質的に増加するように光
導波路素子を伸縮させるので、その中心波長をより広範
囲に変化させることができ、線膨張係数が大きな支持基
板を使用しなかった場合に所望の中心波長を得ることが
できなかった場合であっても、所定の線膨張係数を有す
ることでこれが可能になる。したがって、歩留まりを向
上させることが可能になる。
導波路型光デバイスで、光導波路素子を構成する基板と
支持基板を接着する接着剤は剛性の高いものが使用され
ていることを特徴としている。
板の伸縮を光導波路素子側に効率的に伝えるように、両
者を接着する接着剤に剛性の高いものを使用することに
している。
光導波路素子と、(ロ)この光導波路素子の導波路側に
配置され、光導波路素子の線膨張係数よりも大きな線膨
張係数を有する第1の基板と、(ハ)光導波路素子の導
波路側と反対側に配置され、光導波路素子の温度を調整
する温度調整装置を備え、光導波路素子の線膨張係数よ
りも大きな線膨張係数を有する第2の基板とを導波路型
光デバイスに具備させる。
の光導波路素子をこれよりも線膨張係数の大きな第1お
よび第2の基板で挟み込むように配置することで、光導
波路素子の線膨張率を実質的に増加させる。これによ
り、光導波路素子の中心波長をより広範囲に変化させる
ことができ、所望の中心波長を得ることができるように
なる。したがって、歩留まりを向上させることが可能に
なる。
導波路型光デバイスで、光導波路素子を構成する導波路
と第1の基板を接着する第1の接着剤および光導波路素
子を構成する基板と第2の基板を接着する第2の接着剤
は共に剛性の高いものが使用されていることを特徴とし
ている。
よび第2の基板の伸縮を光導波路素子側に効率的に伝え
るように、両者を接着する接着剤に剛性の高いものを使
用することにしている。
導波路型光デバイスで、第1の基板の線膨張係数は、第
2の基板を光導波路素子の基板側に配置したときの温度
変化による全体の反りを減少させるような値に選択され
ていることを特徴としている。
の光導波路素子をこれよりも線膨張係数の大きな第1お
よび第2の基板で挟み込んだときに、これらの線膨張係
数を適切に設定することで、一方のみを光導波路素子に
接着した時に生じる温度による反りを解消している。
導波路型光デバイスで、(イ)光導波路素子と光学的に
結合するファイバアレイと、(ロ)光導波路素子の導波
路側に配置され、ファイバアレイの接着強度を補強する
ヤトイガラスを備え、第1の基板の厚さはヤトイガラス
と同等かこれよりも薄いことを特徴としている。
3記載の導波路型光デバイスが光導波路素子の導波路側
に第1の基板を配置したことでデバイスの全体的な厚さ
が増加する可能性が生じるが、ファイバアレイの接着強
度を補強するヤトイガラスが導波路側に存在するので、
第1の基板の厚さをヤトイガラスと同等かこれよりも薄
くすることにして、全体的な厚さの増大を防止してい
る。
導波路型光デバイスで、支持基板と温度調整装置はこれ
らの厚さがほぼ等しいことを特徴としている。
板と温度調整装置はこれらの厚さをほぼ等しくすること
で、導波路素子の基板側に必須の温度調整装置を導波路
型光デバイスに使用した際の全体的な厚さと実質的に変
わらない厚さで、導波路型光デバイスを作製できるよう
にしている。
導波路型光デバイスで、第2の基板と温度調整装置はこ
れらの厚さがほぼ等しいことを特徴としている。
1記載の導波路型光デバイスと同様に、光導波路素子の
基板側に必須の温度調整装置を導波路型光デバイスに使
用した際の全体的な厚さと実質的に変わらない厚さで、
導波路型光デバイスを作製できるようにしている。
導波路型光デバイスで、第1および第2の基板はそれら
の厚さおよび線膨張係数が互いに等しいものであること
を特徴としている。
路素子の両側に接着する第1および第2の基板の最も簡
単な選択基準を表わしている。これら第1および第2の
基板として全く同じものであって、光導波路素子の線膨
張係数よりも線膨張係数の大きなものを使用すれば、光
導波路素子に反りが殆ど生じなければ同様に反りが殆ど
生じることはなく、光導波路素子の伸縮率のみを増加さ
せることができる。しかも、第1および第2の基板を共
通化することができるので、コストダウンと部品管理の
容易さを実現することができる。
路素子を製造する素子製造ステップと、(ロ)製造され
た光導波路素子の中心波長が所定の温度範囲の温度制御
で所望の値に設定されるか否かを判定する判定ステップ
と、(ハ)この判定ステップで所望の値に設定されると
判定されなかった光導波路素子に対してその基板側にそ
の基板自体の線膨張係数よりも大きな所定の線膨張係数
の支持基板を接着する接着ステップとを導波路型光デバ
イスの製造方法に具備させる。
項1記載の発明による導波路型光デバイスを製造する方
法を示している。まず、素子製造ステップで光導波路素
子を製造し、これら製造された光導波路素子を判定ステ
ップで、それぞれの光導波路素子の中心波長が所定の温
度範囲の温度制御で所望の値に設定されるか否かを判定
する。従来ではこの判定ステップで中心波長が所望の値
に設定できないとされたものを不良品として廃棄するし
かなかったが、本発明ではこの判定ステップで所望の値
に設定されると判定されなかった光導波路素子に対し
て、接着ステップでその基板側にその基板自体の線膨張
係数よりも大きな所定の線膨張係数の支持基板を接着す
ることにして、これらも導波路型光デバイスとして使用
できるようにしている。
路素子を製造する素子製造ステップと、(ロ)この素子
製造ステップで製造された光導波路素子に対してその基
板側にその基板自体の線膨張係数よりも大きな所定の線
膨張係数の支持基板を接着する接着ステップとを導波路
型光デバイスの製造方法に具備させる。
項1記載の発明による導波路型光デバイスを製造する他
の方法を示している。まず、素子製造ステップで光導波
路素子を製造し、これら製造された光導波路素子に対し
て、接着ステップでその基板側にその基板自体の線膨張
係数よりも大きな所定の線膨張係数の支持基板を接着す
ることにして、これらも導波路型光デバイスとして使用
できるようにしている。請求項10記載の発明との違い
は、光導波路素子の基板側にその基板自体の線膨張係数
よりも大きな所定の線膨張係数の支持基板を無条件で接
着するようにしていることである。これにより、製造プ
ロセスが簡略化される。
たは請求項11記載の導波路型光デバイスの製造方法
で、接着ステップで接着に使用する接着剤は硬化時の剛
性が高いものであることを特徴としている。
基板の伸縮を光導波路素子側に効率的に伝えるように、
両者を接着する接着剤に剛性の高いものを使用すること
にしている。
路素子を製造する素子製造ステップと、(ロ)製造され
た光導波路素子の中心波長が所定の温度範囲の温度制御
で所望の値に設定されるか否かを判定する判定ステップ
と、(ハ)この判定ステップで所望の値に設定されると
判定されなかった光導波路素子に対してその導波路側に
その基板自体の線膨張係数よりも大きな線膨張係数の第
1の基板を接着する第1の基板接着ステップと、(ニ)
判定ステップで所望の値に設定されると判定されなかっ
た光導波路素子に対してその基板側に光導波路素子の基
板自体の線膨張係数よりも大きな線膨張係数の第2の基
板を接着する第2の基板接着ステップとを導波路型光デ
バイスの製造方法に具備させる。
項3記載の発明による導波路型光デバイスを製造する方
法を示している。まず、素子製造ステップで光導波路素
子を製造し、これら製造された光導波路素子を判定ステ
ップで、それぞれの光導波路素子の中心波長が所定の温
度範囲の温度制御で所望の値に設定されるか否かを判定
する。従来ではこの判定ステップで中心波長が所望の値
に設定できないとされたものを不良品として廃棄するし
かなかったが、本発明ではこの判定ステップで所望の値
に設定されると判定されなかった光導波路素子に対し
て、第1の基板接着ステップで、その導波路側にその基
板自体の線膨張係数よりも大きな線膨張係数の第1の基
板を接着するようにしている。また、判定ステップで所
望の値に設定されると判定されなかった光導波路素子に
対しては第2の基板接着ステップで、その基板側に光導
波路素子の基板自体の線膨張係数よりも大きな線膨張係
数の第2の基板を接着するようにしている。これより、
これら第1および第2の基板を接着した導波路型光デバ
イスも他の導波路型光デバイスと同様に使用できるよう
になる。
路素子を製造する素子製造ステップと、(ロ)この素子
製造ステップで製造された光導波路素子に対してその導
波路側にその基板自体の線膨張係数よりも大きな線膨張
係数の第1の基板を接着する第1の基板接着ステップ
と、(ハ)素子製造ステップで製造された光導波路素子
に対してその基板側に光導波路素子の基板自体の線膨張
係数よりも大きな線膨張係数の第2の基板を接着する第
2の基板接着ステップとを導波路型光デバイスの製造方
法に具備させる。
項3記載の発明による導波路型光デバイスを製造する方
法を示している。まず、素子製造ステップで光導波路素
子を製造し、第1の基板接着ステップで、その導波路側
にその基板自体の線膨張係数よりも大きな線膨張係数の
第1の基板を接着するようにしている。また、素子製造
ステップで製造された光導波路素子に対しては第2の基
板接着ステップで、その基板側に光導波路素子の基板自
体の線膨張係数よりも大きな線膨張係数の第2の基板を
接着するようにしている。これにより、これら第1およ
び第2の基板を接着した導波路型光デバイスも他の導波
路型光デバイスと同様に使用できるようになる。なお、
第1の基板接着ステップと第2の基板接着ステップはど
ちらが先に行われてもよく、場合によっては同時に行わ
れてもよい。
たは請求項14記載の導波路型光デバイスの製造方法
で、第1および第2の基板はそれらの厚さおよび線膨張
係数が互いに等しいものであることを特徴としている。
路素子の両側に接着する第1および第2の基板の最も簡
単な選択手法を表わしている。これら第1および第2の
基板として全く同じものであって、光導波路素子の線膨
張係数よりも線膨張係数の大きなものを使用すれば、光
導波路素子に反りが殆ど生じなければ同様に反りが殆ど
生じることはなく、導波路素子の伸縮率のみを増加させ
ることができる。しかも、第1および第2の基板を共通
化することができるので、コストダウンと部品管理の容
易さを実現することができる。
路素子を製造する素子製造ステップと、(ロ)製造され
た光導波路素子の中心波長が所望の値に設定される温度
を測定する理想温度測定ステップと、(ハ)この理想温
度測定ステップで測定した温度に応じて、光導波路素子
の基板側に接着する支持基板の線膨張係数を光導波路素
子の基板よりもどれだけ大きなものとするかを選択する
支持基板線膨張係数選択手段と、(ニ)この支持基板線
膨張係数選択手段で選択した線膨張係数の支持基板を光
導波路素子の基板側に接着する接着ステップとを導波路
型光デバイスの製造方法に具備させる。
製造ステップで光導波路素子を製造した後、理想温度測
定ステップで、製造された光導波路素子の中心波長が所
望の値に設定される温度を測定するようにしている。そ
して、この測定した温度に応じて、光導波路素子の基板
側に接着する支持基板の線膨張係数を光導波路素子の基
板よりもどれだけ大きなものとするかを支持基板線膨張
係数選択手段によって選択する。したがって、線膨張係
数の異なる支持基板を複数用意しておいて最も適切な支
持基板を選択することができる。
路素子を製造する素子製造ステップと、(ロ)製造され
た光導波路素子の中心波長が所望の値に設定される温度
を測定する理想温度測定ステップと、(ハ)この理想温
度測定ステップで測定した温度に応じて、光導波路素子
の導波路側に接着する第1の基板と基板側に接着する第
2の基板の双方の線膨張係数を光導波路素子の基板より
もどれだけ大きなものとするかを選択する第1および第
2の基板線膨張係数選択手段と、(ニ)この第1および
第2の基板線膨張係数選択手段で選択した線膨張係数の
第1および第2の基板を光導波路素子の対応する部位に
接着する接着ステップとを導波路型光デバイスの製造方
法に具備させる。
製造ステップで光導波路素子を製造した後、理想温度測
定ステップで、製造された光導波路素子の中心波長が所
望の値に設定される温度を測定するようにしている。そ
して、この測定した温度に応じて、光導波路素子の導波
路側に接着する第1の基板と基板側に接着する第2の基
板の双方の線膨張係数を光導波路素子の基板よりもどれ
だけ大きなものとするかを選択し、第1および第2の基
板線膨張係数選択手段で選択した線膨張係数の第1およ
び第2の基板を光導波路素子の対応する部位に接着す
る。したがって、線膨張係数の異なる第1および第2の
基板を複数用意しておいて最も適切な支持基板を選択す
ることができる。
スとしてのアレイ導波路回折格子を表わしたものであ
る。このアレイ導波路回折格子201は、光導波路パタ
ーン202が形成された導波路素子203と、これを両
面から挟むように配置された第1および第2の補正基板
204、205から構成されている。
存性は、一般に次の(1)式で表わすことができる。
eqは光導波路の等価屈折率を示している。また、1/L
・dS/dTは光路長温度係数である。光路長温度係数
は次の(2)式で表わすことができる。
張係数を示している。線膨張係数αは一般に基板材料の
線膨張係数で近似することができる。これら(1)式お
よび(2)式より、基板の線膨張係数を調節すること
で、導波路型光デバイスの中心波長の温度依存性を変え
ることが可能であることが分かる。
折格子の断面構造を表わしたものである。アレイ導波路
回折格子201は、光導波路層211をシリコン基板2
12上に形成した所定の厚さh0を有する平板状の導波
路素子203と、その光導波路層211側に接着された
厚さh1の第1の補正基板204と、シリコン基板21
2側に接着された厚さh4の第2の補正基板205から
構成されている。導波路素子203は、厚さh2の光導
波路層211と、厚さh3のシリコン基板212によっ
て構成されている。また、光導波路層211と第1の補
正基板204は第1の接着剤214によって接着されて
おり、シリコン基板212と第2の補正基板205の間
は第2の接着剤215によって接着されている。
15には、従来、シリコン基板212と他の基板を接着
した接着剤と異なり、剛性の高い接着剤が使用されてい
る。従来では、線膨張係数の異なる基板間で温度変化に
伴う伸縮の違いを他方の基板になるべく及ぼさないよう
な配慮で、剛性が低くある程度伸縮する材料を接着剤と
して使用していた。本発明では一方の基板の伸縮の影響
が他方の基板に効果的に及ぶように、全く逆の観点から
接着剤を使用する。
層の線膨張係数とヤング率を次のように規定する。図で
一番上の第1の補正基板204の線膨張係数をα1と
し、ヤング率をE1とする。光導波路素子の光導波路層
211の線膨張係数をα2とし、ヤング率をE2とする。
光導波路素子の導波路基板212の線膨張係数をα3と
し、ヤング率をE3とする。第2の補正基板205の線
膨張係数をα4とし、ヤング率をE4とする。一般に光導
波路素子の光導波路層211は、他の部分としての第1
の補正基板204、シリコン基板212および第2の補
正基板205よりも厚さが非常に薄い。すなわち、各厚
さh1、h2、h3およびh4は次の関係にある。
おける熱による伸縮の度合いを示すものであり、両端が
開放されている場合を前提としている。応力は、ヤング
率に歪量を掛け合わせた数値として表わすことができ
る。ヤング率が大きいほど、膨張、縮小による引張り圧
力が強くなる。また、各基板等の厚さh1〜h4が厚いほ
ど、これらの膨張あるいは収縮時に他の基板等を引っ張
ったり圧縮する力が強くなる。
1および第2の補正基板204、205で上下に挟んだ
構造を解析する前に、まず導波路素子203が単独に存
在する場合、すなわち第1および第2の補正基板20
4、205が存在しない構造について考察する。導波路
素子203は、前記したように光導波路層211をシリ
コン基板212上に形成したものである。このように2
つの層の貼り合わされた状態の基板を本明細書では「2
層組み合せはり」と称することにする。
路方向に伸びる場合の変化の前後を示したものである。
同図(a)は伸びが生じる前の状態を表わしており、同
図(b)は伸びが生じた状態を表わしている。この図で
符号231が導波路の位置を示しており、光導波路層2
11内を矢印232方向に配置されている。光導波路層
211とシリコン基板212の線膨張係数α1、α2が異
なるので、温度が変化すると図3(b)に示すように導
波路素子203の全体に反りが発生する。
よるTE偏光とTM偏光のそれぞれの波長の変位につい
て表わしたものである。同図(a)ではTE偏光の特性
曲線241とTM偏光の特性曲線242がほぼ一致して
いるが、反りの発生によって同図(b)のようにこれら
の特性曲線241、242が相違してくる。このような
温度依存性を回避あるいは軽減するためにも、一般には
温度の上昇に伴う反りの発生を防止あるいは軽減する必
要がある。
12の上に光導波路層211が形成されているという上
下関係を考えたとき、「2層組み合せはり」は、温度上
昇時に凹形に反る形態と、この逆に凸形に反る場合の2
つの場合が存在する。もちろん、温度上昇時に凹形に反
る形態の場合には温度下降時に凸形に反ることになり、
温度上昇時に凸形に反る形態の場合には温度下降時に凹
形に反ることになる。そこで、「2層組み合せはり」を
反りについての各形態に場合分けしてみることにする。
が凹形に反る場合 この場合とは、図2において線膨張係数α2よりも線膨
張係数α3の方が大きい場合である。次の(3−1−
1)式のようになる。 α2<α3 (ただしα2>0)……(3−1−1)
が凸形に反る場合 この場合とは、図2において線膨張係数α3よりも線膨
張係数α2の方が大きい場合である。次の(3−2−
1)式のようになる。 α2>α3 (ただしα3>0) ……(3−2−1) (3)温度上昇時に「2層組み合せはり」自体は反らな
い場合。 この場合とは、図2において線膨張係数α3と線膨張係
数α2が等しい場合である。次の(3−3−1)式のよ
うになる。 α2=α3 ……(3−3−1)
に図2に示したように第1の補正基板204と第2の補
正基板205を上下に挟み込んだ場合を考える。ここで
は、導波路型光デバイスの温度依存性が拡大される場合
を考える。同様に各形態に場合分けしてみる。
が凹形に反る(温度下降時には凸形に反る)場合 「2層組み合せはり」は、次の(3−4−1)式の条件
で温度上昇時に凹形に反る。 α2<α3 (ただしα2>0) ……(3−4−1) この光導波路素子203の伸びおよび反りを減少させる
ために第1の補正基板204と第2の補正基板205を
図2に示すように配置した場合、第1の補正基板204
の線膨張係数が第2の補正基板205の線膨張係数より
も大きければ良い{(3−4−3)式}。つまり、光導
波路素子203の反りと逆になるように第1および第2
の基板の線膨張係数を設定する。さらに、光導波路素子
全体の線膨張係数を拡大するためにはα1およびα4は共
にα3よりも大きな値である必要がある{式(3−4−
4)}。 α1>α4 ……(3−4−3) α1、α4>α3 ……(3−4−4)
慮すると、下記式に示すように、ヤング率Eは大きいほ
ど剛性が高く、応力に対する歪みが小さく、基板の厚さ
hも大きいほど、歪みが小さくなる。そのため、(3−
4−3)式、(3−4−4)式が成り立たない場合にお
いても、次の(3−4−5)式あるいは(3−4−6)
式が成立することで光導波路素子203が温度上昇で受
ける反りを減少させることができる。なお、(3−4−
3)、(3−4−4)、(3−4−5)、(3−4−
6)式を全て満たす場合、効果は最も大きくなるが、そ
れぞれの不等号の差を大きくすれば、満たす式の数が少
なくても、反りを減少させる効果を十分に得ることがで
きる。 ε=σ/E ε:歪み、σ:曲げ応力、E:ヤング率 σ=M/Z M:曲げモーメント、Z:断面係数 Z=1/6bh2 b:基板の断面長さ、h:基板の断面厚さ E4<E1 (ただしE2、E3<E1)……(3−4−5) h4<h1 (ただしh2、h3<h1)……(3−4−6)
が凸形に反る(温度下降時には凹形に反る)場合 「2層組み合せはり」は、次の(3−5−1)式の条件
で温度上昇時に凸形に反る。 α2>α3 (ただしα3>0) ……(3−5−1) この光導波路素子203の伸びおよび反りを減少させる
ために第1の補正基板204と第2の補正基板205を
図2に示すように配置した場合、第1の補正基板204
の線膨張係数が第2の補正基板205の線膨張係数より
も大きければ良い{(3−5−3)式}。つまり、光導
波路素子203の反りと逆になるように第1および第2
の基板の線膨張係数を設定する。さらに、光導波路素子
全体の線膨張係数を拡大するためにはα1およびα4は共
にα3よりも大きな値である必要がある{式(3−5−
4)}。 α1>α4 ……(3−5−3) α1、α4>α3 ……(3−5−4)
(4)と同様の考え方を当て嵌めることができる。そこ
でこの説明は省略する。
体が反らない場合。「2層組み合せはり」を構成する導
波路素子203に反りが生じなくても、これを支持する
ために導波路基板212側に図2に示した第2の補正基
板205を固着すると、その線膨張係数α4が線膨張係
数α2、α3と等しくない限り、これら全体は凸形あるい
は凹形に反る力が働く。これを防止するためには第2の
補正基板205の線膨張係数α4と等しい線膨張係数α1
の第1の補正基板204を光導波路層211側に固着す
る必要がある。
ついて具体的な値を算出してみる。
アレイ導波路回折格子201とする。このアレイ導波路
回折格子201における光導波路素子203の厚さh0
をt1、線膨張係数をα0とする。また、第1および第2
の補正基板204、205の厚さh1、h4をそれぞれ等
しい値t2とし、これらの線膨張係数を共に等しい値α1
とする。さらに説明を簡単にするために、各層のヤング
率も等しいと仮定する。この場合のアレイ導波路回折格
子201全体の線膨張係数αallは次の(4)式で表わ
すことができる。
れを(2)式に代入して線膨張係数αに換算し、その値
および(4)式から、それぞれの基板203、204
(205)の線膨張係数α0、α1および厚さt1、t2を
決定すればよい。一例としてこのアレイ導波路回折格子
201がSi基板上に形成された石英系の光導波路素子
である場合についてこれらの値を算出する。
さを0.8mmとし、その線膨張係数をα0を26.3
×10-7/°Cとする。また、(2)式におけるdneq
/dTを6.0×10-6とし、等価屈折率neqを1.4
6とする。また、中心波長λ 0を1.55μmとする。
この例の場合、従来の石英系の光導波路素子の2倍の
0.022nm/°Cに設定するものとする。(1)式
から次の(5)式が成立する。
式が得られる。 α=93.7×10-7 (6)
204、205の厚さt2を1.5mmとする。これら
の線膨張係数α1と、(5)式より、次の(7)式が得
られる。 α1=111.7×10-7 (7)
持つ材料を第1および第2の補正基板204、205と
して使用すればよいことになる。
導波路型光デバイスおよび導波路型光デバイスの製造方
法について説明する。まず、光導波路の一例として図1
に示した構成のアレイ導波路回折格子を作製した。前提
として図2で示したと同様にアレイ導波路回折格子20
1における光導波路素子203の厚さをh0、線膨張係
数をα0とする。また、第1および第2の補正基板20
4、205の厚さh1、h4をそれぞれ等しい値t1と
し、これらの線膨張係数を共に等しい値α1とする。第
1および第2の補正基板204、205としては、ガラ
スセラミックを使用して温度依存性変化AWG(アレイ
導波路回折格子)を製作した。第1および第2の補正基
板204、205の線膨張係数α1は、共に130×1
0-7/°Cであり、その厚さt2は1mmである。ま
た、光導波路素子203の線膨張係数α0は、26.3
×10-7/°Cであり、その厚さt1は0.8mmであ
る。
格子201全体の線膨張係数αallは100.37×1
0-7/°Cとなる。これを(1)式および(2)式に代
入して中心波長温度特性を求めることができる。
子201では、第1および第2の基板204、205の
影響でその温度依存性がこれらの基板204、205が
存在しない場合よりも増加している。したがって、第1
の基板204あるいは第2の基板204、205に温度
調整装置を付加して温度を調整することで、アレイ導波
路回折格子201としての中心波長を所望の範囲に設定
することができる。しかも、本実施例の場合には第1お
よび第2の基板204、205を使用することで、アレ
イ導波路回折格子201全体としての温度に対する反り
の影響を減少させることができる。
折格子の製造工程の概要を表わしたものである。まず図
1に示した導波路素子203を図示しないウェハを用い
て製造する(ステップS501)。次にその導波路素子
203がその基板側に取り付けられる図示しない温度調
整装置の使用温度範囲で、中心波長が予め定めた所望の
範囲内に設定可能であるかどうかの測定を行う(ステッ
プS502)。たとえば、温度調節装置の温度範囲は7
5〜85゜Cの範囲で設定可能である。これらの温度範
囲に設定可能な導波路素子203については(ステップ
S503:Y)、従来と同様にこの基板側に通常の基板
を接着して(ステップS504)、アレイ導波路回折格
子とする。
できなかったものについては(ステップS503:
N)、従来ではその導波路素子203自体を廃棄してい
た。本実施例では導波路素子203の導波路側に通常の
基板よりも線膨張係数の大きな所定の第1の補正基板2
04を、剛性の高い接着剤で接着する(ステップS50
5)。続いて、導波路素子203の基板側に通常の基板
よりも線膨張係数の大きな所定の第2の補正基板205
を、同じく剛性の高い接着剤で接着する(ステップS5
06)。このようにして作製されたアレイ導波路回折格
子201は、温度調整装置の使用温度範囲で中心波長を
所望の値に設定することができるので、同様に製品とし
て出荷することができる。
ステップS506の工程は順序が逆になってもよいし、
同時に接着を行うようにしてもよい。
の第1の変形例を示したものである。この変形例で図5
と同一の工程は同一のステップ番号を付しており、これ
らの説明を適宜省略する。
で中心波長が予め定めた所望の範囲内に設定できなかっ
た導波路素子203に対して、その基板側のみに線膨張
係数の大きな所定の補正基板を接着することにしている
(ステップS511)。これによっても、図示しない温
度調整装置の使用温度範囲で中心波長を所望の値に設定
することができる。
の第2の変形例を示したものである。この変形例で図5
と同一の工程は同一のステップ番号を付しており、これ
らの説明を適宜省略する。
路素子203を図示しないウェハを用いて製造(ステッ
プS501)した後は、直ちにステップS505に進ん
で、導波路素子203の導波路側に通常の基板よりも線
膨張係数の大きな所定の第1の補正基板204を、剛性
の高い接着剤で接着する。そして、続いて、導波路素子
203の基板側に通常の基板よりも線膨張係数の大きな
所定の第2の補正基板205を、同じく剛性の高い接着
剤で接着する(ステップS506)。先の実施例と同様
にこれらステップS505およびステップS506の工
程が逆であっても、あるいは同時であっても構わない。
個々の導波路素子203の特性の触れる最大範囲をカバ
ーするように第1および第2の補正基板204、205
を選択することで、いきなり温度調整装置を使用しても
中心波長が所望の値になるようにしている。この場合に
は、すべての導波路素子203に対して第1および第2
の補正基板204、205を配置することになるが、製
造工程が画一化し、かつ導波路素子203の両面に補正
基板204、205が配置されるので、アレイ導波路回
折格子201が破損しにくく取り扱いやすくなるという
利点も生じる。
の第3の変形例を示したものである。この変形例で図5
と同一の工程は同一のステップ番号を付している。
を図示しないウェハを用いて製造(ステップS501)
した後に、これについて中心波長が所望の値に設定され
る温度を測定する(ステップS521)。そしてこの温
度に基づいて、予め用意した各種の線膨張係数の補正基
板の中から所望の線膨張係数の補正基板を選択する(ス
テップS522)。そして導波路素子203の基板側に
この補正基板を剛性の高い接着剤で接着することになる
(ステップS523)。
の第4の変形例を示したものである。この変形例で図8
と同一の工程は同一のステップ番号を付しており、これ
らの説明を適宜省略する。
測定を行った後、この温度に対応した線膨張係数の1お
よび第2の補正基板204、205の組を選択する(ス
テップS531)。そして、導波路素子203の導波路
側に、選択した第1の補正基板204を剛性の高い接着
剤で接着し(ステップS532)、続いて導波路素子2
03の基板側に、選択した第2の補正基板205を剛性
の高い接着剤で接着する(ステップS533)。ステッ
プS532およびステップS533の工程はこれと逆で
あってもよいし、同一工程であってもよいことは当然で
ある。
路回折格子201、401について説明したが、これ以
外の導波路素子としてたとえばマッハツェンダ干渉計に
対しても本発明を適用することができることは当然であ
る。
項2記載の発明によれば、平板状の光導波路素子の基板
側にその線膨張係数よりも線膨張係数が大きな支持基板
を配置し、この支持基板に組み込まれた温度調整装置で
支持基板および光導波路素子の温度を制御するようにし
たので、支持基板は光導波路素子の線膨張率が実質的に
増加するように光導波路素子を伸縮させる。したがっ
て、支持基板の線膨張係数を吟味するだけで所望の中心
波長を得ることのできる導波路型光デバイスの割合が増
加し、歩留まりを向上させることが可能になる。
よれば、平板状の光導波路素子をこれよりも線膨張係数
の大きな第1および第2の基板で挟み込むように配置し
たので、光導波路素子の線膨張率を実質的に増加させ、
製品の歩留まりを向上させることが可能になる。また、
光導波路素子を第1および第2の基板で挟み込むので、
機械的な耐衝撃性が増大する。更にこれら第1および第
2の基板の線膨張係数を適切に設定すれば導波路型光デ
バイス自体の温度による反りを防止あるいは減少させる
ことができ、中心波長の温度特性以外には特性に影響を
与えることがない。
基板の厚さをヤトイガラスと同等かこれよりも薄くする
ことにして、全体的な厚さの増大を防止することができ
る。
板と温度調整装置はこれらの厚さがほぼ等しいので、導
波路型光デバイス自体の厚さの増大を防止することがで
きる。
基板と温度調整装置はこれらの厚さがほぼ等しい等しい
ので、導波路型光デバイス自体の厚さの増大を防止する
ことができる。
3記載の導波路型光デバイスで、第1および第2の基板
はそれらの厚さおよび線膨張係数が互いに等しいので、
これらの部品を共通化することができ、コストダウンと
部品管理の容易さを実現することができる。
発明によれば、光導波路素子を通常通り製造し、判定ス
テップで規格外とされる光導波路素子については、基板
の接着を行う通常の工程に光導波路素子の基板の線膨張
係数よりも大きな所定の線膨張係数の支持基板を接着す
ることにしたので、製造工程に対する影響が少なくしか
も不良品の発生を極力排除することができる。
の発明によれば、光導波路素子を通常通り製造し、この
後、判定ステップを経ることなく、光導波路素子の基板
の線膨張係数よりも大きな所定の線膨張係数の支持基板
を光導波路素子の基板側に接着することにした。これに
より、製造のための工程を減らすことができ、しかも線
膨張係数の実質的な増大によって従来不良品とされなか
った素子についても、より少ない温度変化で所望の中心
波長に設定することができる。
波路素子を通常通り製造し、判定ステップで規格外とさ
れる光導波路素子については、基板の接着を行う通常の
工程に光導波路素子の基板の線膨張係数よりも大きな所
定の線膨張係数の第1および第2の基板を接着すること
にしたので、製造工程に対する影響が少なくしかも不良
品の発生を極力排除することができる。
波路素子を通常通り製造し、その後に線膨張係数のより
大きな第1の基板と第2の基板をこれに接着するように
したので、製造工程に対する影響が少なくしかも不良品
の発生を極力排除することができる。また、光導波路素
子を挟むようにして第1および第2の基板を接着するの
で、機械的な耐衝撃性を高めることができる。
13または請求項14記載の導波路型光デバイスの製造
方法で、第1および第2の基板はそれらの厚さおよび線
膨張係数が互いに等しいので、第1および第2の基板を
共通化することができ、コストダウンと部品管理の容易
さを実現することができる。
製造ステップで光導波路素子を製造した後、理想温度測
定ステップで、製造された光導波路素子の中心波長が所
望の値に設定される温度を測定し、この測定した温度に
応じて、光導波路素子の基板側に接着する支持基板の線
膨張係数を光導波路素子の基板よりもどれだけ大きなも
のとするかを支持基板線膨張係数選択手段によって選択
するので、消費電力等の各種観点から最も適切な支持基
板を選択することができる。
製造ステップで光導波路素子を製造した後、理想温度測
定ステップで、製造された光導波路素子の中心波長が所
望の値に設定される温度を測定し、この測定した温度に
応じて、光導波路素子の導波路側に接着する第1の基板
と基板側に接着する第2の基板の双方の線膨張係数を光
導波路素子の基板よりもどれだけ大きなものとするかを
選択し、第1および第2の基板線膨張係数選択手段で選
択した線膨張係数の第1および第2の基板を光導波路素
子の対応する部位に接着するので、線膨張係数の異なる
第1および第2の基板を複数用意しておいて消費電力等
の各種観点から最も適切な支持基板を選択することがで
きる。しかも第1および第2の基板を接着するので、機
械的な耐衝撃性を高めることができる。
回折格子の斜視図である。
示した断面図である。
る場合の変化の前後を示した斜視図である。
E偏光とTM偏光のそれぞれについて表わした特性図で
ある。
工程の概要を表わした流れ図である。
折格子の製造工程の概要を表わした流れ図である。
折格子の製造工程の概要を表わした流れ図である。
折格子の製造工程の概要を表わした流れ図である。
折格子の製造工程の概要を表わした流れ図である。
バイス) 203 導波路素子 204、402 第1の補正基板 205 第2の補正基板 211 光導波路層 212 シリコン基板 214 第1の接着剤 215 第2の接着剤 α 線膨張係数 E ヤング率 h 厚さ
Claims (17)
- 【請求項1】 平板状の光導波路素子と、 この光導波路素子の基板側に配置され、その基板の線膨
張係数よりも大きな所定の線膨張係数を有する支持基板
と、 この支持基板に組み込まれ、前記光導波路素子の温度を
制御する温度調整装置とを具備することを特徴とする導
波路型光デバイス。 - 【請求項2】 前記光導波路素子を構成する基板と前記
支持基板を接着する接着剤は剛性の高いものが使用され
ていることを特徴とする請求項1記載の導波路型光デバ
イス。 - 【請求項3】 平板状の光導波路素子と、 この光導波路素子の導波路側に配置され、光導波路素子
の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を有する第1の基
板と、 前記光導波路素子の前記導波路側と反対側に配置され、
光導波路素子の温度を調整する温度調整装置を備え、前
記光導波路素子の線膨張係数よりも大きな線膨張係数を
有する第2の基板とを具備することを特徴とする導波路
型光デバイス。 - 【請求項4】 前記光導波路素子を構成する導波路と前
記第1の基板を接着する第1の接着剤および前記光導波
路素子を構成する基板と前記第2の基板を接着する第2
の接着剤は共に剛性の高いものが使用されていることを
特徴とする請求項3記載の導波路型光デバイス。 - 【請求項5】 前記第1の基板の線膨張係数は、第2の
基板を前記光導波路素子の基板側に配置したときの温度
変化による全体の反りを減少させるような値に選択され
ていることを特徴とする請求項4記載の導波路型光デバ
イス。 - 【請求項6】 前記光導波路素子と光学的に結合するフ
ァイバアレイと、 前記光導波路素子の導波路側に配置され、前記ファイバ
アレイの接着強度を補強するヤトイガラスを備え、 前記第1の基板の厚さはヤトイガラスと同等かこれより
も薄いことを特徴とする請求項3記載の導波路型光デバ
イス。 - 【請求項7】 前記支持基板と温度調整装置はこれらの
厚さがほぼ等しいことを特徴とする請求項1記載の導波
路型光デバイス。 - 【請求項8】 前記第2の基板と温度調整装置はこれら
の厚さがほぼ等しいことを特徴とする請求項3記載の導
波路型光デバイス。 - 【請求項9】 前記第1および第2の基板はそれらの厚
さおよび線膨張係数が互いに等しいものであることを特
徴とする請求項3記載の導波路型光デバイス。 - 【請求項10】 光導波路素子を製造する素子製造ステ
ップと、 製造された光導波路素子の中心波長が所定の温度範囲の
温度制御で所望の値に設定されるか否かを判定する判定
ステップと、 この判定ステップで所望の値に設定されると判定されな
かった光導波路素子に対してその基板側にその基板自体
の線膨張係数よりも大きな所定の線膨張係数の支持基板
を接着する接着ステップとを具備することを特徴とする
導波路型光デバイスの製造方法。 - 【請求項11】 光導波路素子を製造する素子製造ステ
ップと、 この素子製造ステップで製造された光導波路素子に対し
てその基板側にその基板自体の線膨張係数よりも大きな
所定の線膨張係数の支持基板を接着する接着ステップと
を具備することを特徴とする導波路型光デバイスの製造
方法。 - 【請求項12】 前記接着ステップで接着に使用する接
着剤は硬化時の剛性が高いものであることを特徴とする
請求項10または請求項11記載の導波路型光デバイス
の製造方法。 - 【請求項13】 光導波路素子を製造する素子製造ステ
ップと、 製造された光導波路素子の中心波長が所定の温度範囲の
温度制御で所望の値に設定されるか否かを判定する判定
ステップと、 この判定ステップで所望の値に設定されると判定されな
かった光導波路素子に対してその導波路側にその基板自
体の線膨張係数よりも大きな線膨張係数の第1の基板を
接着する第1の基板接着ステップと、 前記判定ステップで所望の値に設定されると判定されな
かった光導波路素子に対してその基板側に前記光導波路
素子の基板自体の線膨張係数よりも大きな線膨張係数の
第2の基板を接着する第2の基板接着ステップとを具備
することを特徴とする導波路型光デバイスの製造方法。 - 【請求項14】 光導波路素子を製造する素子製造ステ
ップと、 この素子製造ステップで製造された光導波路素子に対し
てその導波路側にその基板自体の線膨張係数よりも大き
な線膨張係数の第1の基板を接着する第1の基板接着ス
テップと、 前記素子製造ステップで製造された光導波路素子に対し
てその基板側に前記光導波路素子の基板自体の線膨張係
数よりも大きな線膨張係数の第2の基板を接着する第2
の基板接着ステップとを具備することを特徴とする導波
路型光デバイスの製造方法。 - 【請求項15】 前記第1および第2の基板はそれらの
厚さおよび線膨張係数が互いに等しいものであることを
特徴とする請求項13または請求項14記載の導波路型
光デバイスの製造方法。 - 【請求項16】 光導波路素子を製造する素子製造ステ
ップと、 製造された光導波路素子の中心波長が所望の値に設定さ
れる温度を測定する理想温度測定ステップと、 この理想温度測定ステップで測定した温度に応じて、光
導波路素子の基板側に接着する支持基板の線膨張係数を
光導波路素子の基板よりもどれだけ大きなものとするか
を選択する支持基板線膨張係数選択手段と、 この支持基板線膨張係数選択手段で選択した線膨張係数
の支持基板を光導波路素子の基板側に接着する接着ステ
ップとを具備することを特徴とする導波路型光デバイス
の製造方法。 - 【請求項17】 光導波路素子を製造する素子製造ステ
ップと、 製造された光導波路素子の中心波長が所望の値に設定さ
れる温度を測定する理想温度測定ステップと、 この理想温度測定ステップで測定した温度に応じて、光
導波路素子の導波路側に接着する第1の基板と基板側に
接着する第2の基板の双方の線膨張係数を光導波路素子
の基板よりもどれだけ大きなものとするかを選択する第
1および第2の基板線膨張係数選択手段と、 この第1および第2の基板線膨張係数選択手段で選択し
た線膨張係数の第1および第2の基板を光導波路素子の
対応する部位に接着する接着ステップとを具備すること
を特徴とする導波路型光デバイスの製造方法。
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