JP2004012714A - 分散補償器用のパッケージ部材および分散補償器 - Google Patents
分散補償器用のパッケージ部材および分散補償器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ヒータの信頼性を向上させつつ、分散補償デバイスに所望の温度分布を与えることができる分散補償器用のパッケージ部材および分散補償器を提供する。
【解決手段】分散補償器1はパッケージ部材4を備えている。パッケージ部材4は基板5を有し、この基板5の上面には、光ファイバ2におけるファイバブラッググレーティング(FBG)部3の形成部位が支持されている。基板5の裏面には、FBG部3を加熱するためのヒータ7が貼り付けられている。ヒータ7は、金属箔からなり直線形状を有する発熱体8と、ポリイミド系樹脂からなり発熱体8を覆う被覆部9とを有している。発熱体8は、光ファイバ2のFBG部3の長手方向に延びている。また、発熱体8と基板5との間の被覆部9の厚みAは、FBG部3の長手方向に沿って連続的に変化している。
【選択図】 図1
【解決手段】分散補償器1はパッケージ部材4を備えている。パッケージ部材4は基板5を有し、この基板5の上面には、光ファイバ2におけるファイバブラッググレーティング(FBG)部3の形成部位が支持されている。基板5の裏面には、FBG部3を加熱するためのヒータ7が貼り付けられている。ヒータ7は、金属箔からなり直線形状を有する発熱体8と、ポリイミド系樹脂からなり発熱体8を覆う被覆部9とを有している。発熱体8は、光ファイバ2のFBG部3の長手方向に延びている。また、発熱体8と基板5との間の被覆部9の厚みAは、FBG部3の長手方向に沿って連続的に変化している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、任意波長の分散を補償する分散補償器に使用される分散補償器用のパッケージ部材、及び分散補償器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
波長多重光通信では、通信容量の増加に対応して伝送速度が向上している。ところで、光通信では、長距離伝送になると波長分散により信号波形が鈍るという問題が生じ、ビットエラーの原因となる。この問題に対して、光信号の受信器の直前に分散補償ファイバを挿入して分散を緩和しているが、伝送速度の更なる高速化に伴い、例えばファイバブラッググレーティング(FBG)技術を用いた分散補償デバイスによる微調整が必要となる。特にファイバの温度を変化させて屈折率を調整できる可変分散補償FBGデバイスは、所望の波長の分散を補償できるデバイスとして注目されている。このデバイスでは、屈折率をFBG全体に対して一様に調整するのではなく、FBGの長手方向に屈折率の勾配をつける必要がある。
【0003】
このような屈折率勾配をつける方法としては、FBGの両端にヒータもしくはペルチェ素子を配置し、FBGの長手方向に温度差を設けて屈折率の勾配をつけることが知られている。しかし、この方法では、FBGの長手方向に高精度な温度制御が行えないため、伝送速度の向上に伴う高精度な分散補償が困難となる。
【0004】
このような不具合を解決するものとしては、IEEE Photonics Technology Letter,11,854,1999(以下、第1従来技術という)に記載されているように、FBGの長手方向に沿って断面積の異なる金属薄膜ヒータを配置し、FBGの長手方向に温度勾配を形成したものが知られている。また、OFC2001テクニカルダイジェスト TuS4−2(以下、第2従来技術という)には、石英基板上に設けたFBGの長手方向に対して垂直に複数の薄膜ヒータを配置し、各ヒータを個別に制御してFBGの長手方向に温度勾配を与えるものが記載されている。さらに、特開2001−21849号公報(以下、第3従来技術という)には、薄膜ヒータを光導波路に対して角度をつけて設け、薄膜ヒータとコア層との距離を連続的に変化させたものが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、第1従来技術では、FBGの長手方向に対して断面積が変化していく金属薄膜ヒータを用いているが、ヒータの断面積の変化は電流密度の変化を伴うため、ヒータが断線しやすくなる。また、金属薄膜ヒータと基板との熱膨張係数の差により、薄膜ヒータに内部応力が加わって剥離が生じやすくなる。従って、光通信分野で要求される長期信頼性が十分に得られない。また、第2及び第3従来技術では、薄膜ヒータを使用するため、上記と同様にヒータに剥離が生じやすく、信頼性が低い。
【0006】
本発明の目的は、ヒータの信頼性を向上させつつ、分散補償デバイスに所望の温度分布を与えることができる分散補償器用のパッケージ部材および分散補償器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回折格子部を有する分散補償デバイスを配置し保護するためのパッケージ部材において、分散補償デバイスを支持する基板と、基板の裏面に設けられたヒータと、基板およびヒータを収納する筐体とを備え、ヒータは、発熱体と、発熱体を覆う被覆部とを有し、発熱体と基板との間の被覆部の厚みが基板に分散補償デバイスを支持した状態における回折格子部の長手方向に沿って変化するように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
このような分散補償器用のパッケージ部材においては、発熱体と基板との間の被覆部の厚みを変化させることにより、発熱密度が一様な発熱体から基板への伝熱量の分布は、発熱体と基板との間の被覆部の厚み変化に応じたものとなる。従って、基板に分散補償デバイスを支持したときに、分散補償デバイスの回折格子部には、発熱体と基板との間の被覆部の厚み変化に応じた温度分布が形成されることになる。このように発熱体の断面積(厚み)を変化させずに全体的に一定にした場合であっても、分散補償デバイスの回折格子部に所望の温度分布をもたせることが可能となる。この場合には、発熱体に電流を供給した時の電流密度が全体的に一定になるため、電流密度の不均一による発熱体の断線が防止される。また、発熱体は被覆部で覆われているので、発熱体の剥離が防止され、発熱体を長期間安定して使用できる。以上により、ヒータの信頼性が向上する。
【0009】
好ましくは、被覆部は、ポリイミド系樹脂で形成されている。このように熱伝導率が低く、耐湿性及び耐熱性の高いポリイミド系樹脂で被覆部を形成することにより、基板に支持された分散補償デバイスの回折格子部に所望の温度分布を形成しやすくなると共に、発熱体の剥離をより確実に防止することができる。また、基板に対する被覆部の接合性が良好になる。さらに、ヒータの薄型化及び低コスト化を図ることができる。
【0010】
また、好ましくは、基板は、ガラス、セラミックス、高分子樹脂、半導体材料、プリント配線板材料のいずれかで形成されている。このように熱伝導率の低い材料で基板を形成することにより、基板に支持された分散補償デバイスの回折格子部に所望の温度分布を形成しやすくなる。
【0011】
この場合、好ましくは、基板の熱伝導率が20W/mK以下である。これにより、分散補償デバイスの回折格子部に所望の温度分布をより形成しやすくなる。
【0012】
さらに、好ましくは、筐体には支柱が設けられ、支柱にヒータが支持されている。これにより、発熱体で生じた熱が筐体に逃げにくくなるため、発熱体に供給する電流値を抑えて消費電力を低減することができる。
【0013】
また、好ましくは、発熱体は、直線形状を有すると共に、基板に分散補償デバイスを支持した状態における回折格子部の長手方向に延びている。この場合には、ヒータの構造が簡単化され、ヒータの製作が容易に行える。
【0014】
また、発熱体は、基板に分散補償デバイスを支持した状態における回折格子部の長手方向に複数配置されている構成であってもよい。この場合には、複数の発熱体を独立に制御することで、基板に支持された分散補償デバイスの回折格子部に、一定勾配の温度分布だけでなく、分散補償デバイスが必要とする任意の温度分布を形成することができる。これにより、分散補償の波長帯域幅を広げることが可能となる。
【0015】
また、好ましくは、発熱体は、基板に分散補償デバイスを支持した状態における回折格子部の長手方向に対して交差する方向に少なくとも1対並設されており、ヒータの一側に位置する発熱体と基板との間の被覆部の厚みの増減方向が、ヒータの他側に位置する発熱体と基板との間の被覆部の厚みの増減方向に対して逆向きになっている。この場合には、基板に支持された分散補償デバイスの一つの回折格子部に対して、互いに逆方向に増減する二つの温度勾配分布を形成することができる。従って、双方向通信において、両方向の光信号の分散補償が可能となる。
【0016】
さらに、好ましくは、分散補償デバイスは光ファイバであり、光ファイバのコアに回折格子部が形成されている。
【0017】
また、分散補償デバイスは光導波路であり、光導波路のコアに回折格子部が形成されている構成であってもよい。
【0018】
本発明の分散補償器は、回折格子部を有する分散補償デバイスを支持した基板と、基板の裏面に設けられたヒータと、基板およびヒータを収納する筐体とを備え、ヒータは、発熱体と、発熱体を覆う被覆部とを有し、発熱体と基板との間の被覆部の厚みが回折格子部の長手方向に沿って変化するように構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
このような分散補償器においては、発熱体と基板との間の被覆部の厚みを変化させることにより、発熱密度が一様な発熱体から基板への伝熱量の分布は、発熱体と基板との間の被覆部の厚み変化に応じたものとなる。従って、基板に支持された分散補償デバイスの回折格子部には、発熱体と基板との間の被覆部の厚み変化に応じた温度分布が形成されることになる。このように発熱体の断面積(厚み)を変化させずに全体的に一定にした場合であっても、分散補償デバイスの回折格子部に所望の温度分布をもたせることが可能となる。この場合には、発熱体に電流を供給した時の電流密度が全体的に一定になるため、電流密度の不均一による発熱体の断線が防止される。また、発熱体は被覆部で覆われているので、発熱体の剥離が防止され、発熱体を長期間安定して使用できる。以上により、ヒータの信頼性が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る分散補償器用のパッケージ部材および分散補償器の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
まず、本発明の第1の実施形態を図1〜図3により説明する。図1は、本実施形態の分散補償器を示す垂直方向断面図である。
【0022】
同図において、分散補償器1は、分散補償デバイスとして光ファイバ2を用いて、任意波長の分散を補償するものである。光ファイバ2のコアの一部分には、ファイバブラッググレーティング(FBG)部3が形成されている。分散補償器1は、そのような光ファイバ2を配置し保護するためのパッケージ部材4を有している。
【0023】
パッケージ部材4は基板5を有し、この基板5の上面には、図1及び図2に示すように、光ファイバ2におけるFBG部3の形成された部位が載置され、樹脂6で固定されている。なお、光ファイバ2の固定は、基板5上に載置された光ファイバ2を機械的に押し付けることにより行ってもよい。
【0024】
基板5の材料としては、熱伝導率の低いガラス(例えば石英ガラス等)、セラミックス(例えばアルミナ(Al2O3)、窒化ケイ素(Si3N4)、ムライト、コージライト、ジルコニア、オーメット、ステアタイト、フォルステライト等)、高分子樹脂(例えばポリカーボネート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等)、半導体材料(例えば低熱伝導性SiC等)、プリント配線板材料(例えばエポキシガラス基板、ビスマレイミドトリアジンレジン等)の少なくとも1つを含むものを使用するのが好ましい。特に熱伝導率が20W/mK以下の材料を使用するのがより好ましい。
【0025】
基板5の裏面には、FBG部3を加熱するためのヒータ7が貼り付けられている。ヒータ7は、図1及び図3に示すように、FBG部3と同等以上の長さをもった直線形状を有する発熱体8と、この発熱体8を覆う被覆部9とを有し、発熱体8の両端にはヒータ引出し線8aが設けられている。このヒータ引出し線8aより発熱体8に電流を流すことで、発熱体8に熱が発生する。
【0026】
発熱体8の材料としては、半導体や絶縁体にドープを施したものを使用することも可能であるが、信頼性が高くかつ安価で薄型の金属箔(例えばステンレス箔等)を使用するのが好ましい。発熱体8の厚みは、好ましくは300μm以下であり、全体的に略一定となっている。
【0027】
被覆部9の材料としては、エンジニアリングプラスチックやガラス、セラミックス、高分子樹脂等を使用することも可能であるが、ポリイミドやフッ素化ポリイミド等といった熱伝導率の低いポリイミド系樹脂を使用するのが好ましい。ポリイミド系樹脂は、薄型化、低コスト化が可能であり、耐熱温度が比較的高く、また耐湿性が良好であり、更にフッ素系樹脂に比べて基板5への接合性が良好である。
【0028】
基板5と被覆部9とを固定する方法としては、粘着テープ、接着剤、接着樹脂、機械的な押し付け、熱圧着、あるいは被覆部9の材質であるポリイミドと基板5との接合反応などが挙げられる。なお、基板5の材質を、被覆部9と同様にポリイミド系樹脂とした場合には、製作工程が削減でき、更なる低コスト化が可能となる。
【0029】
このようなヒータ7の発熱体8は、光ファイバ2のFBG部3の長手方向に延びている。また、発熱体8と基板5との間の被覆部9の厚みAは、FBG部3の長手方向に沿って、つまりヒータ7の一端側から他端側に向かって線形的に変化している。
【0030】
光ファイバ2を支持した基板5及びヒータ7は、金属製の筐体10内に収納されている。筐体10の底板10aには複数の支柱11が設けられ、これらの支柱11にヒータ7が支持されている。このような構造とすることにより、ヒータ7で発生した熱が筐体10へ流れて行きにくくなるため、発熱体8に流す電流値を抑えて消費電力を低減することができる。
【0031】
以上のように構成した分散補償器1において、ヒータ7の発熱体8に電流を流すと、発熱体8に熱が生じ、この熱が、熱伝導率の低い被覆部9及び基板5を介して光ファイバ2のFBG部3に伝わる。このとき、発熱体8の厚みは全体的に略一定である(上述)ため、発熱体8に電流を流した時の電流密度は全体的に一定になり、これに伴って発熱体8の発熱密度は一様になる。しかし、発熱体8と基板5との間の被覆部9の厚みAはFBG部3の長手方向に沿って連続的に変化している(上述)ので、発熱体8から基板5への伝熱量がFBG部3の長手方向に沿って連続的に変化する。その結果、FBG部3には、線形性をもった温度勾配の分布が形成されることになる。そして、そのようなFBG部3の温度勾配に応じて光ファイバ2の屈折率が変化し、これにより特定波長の信号光に対して精度の良い分散補償が行われる。
【0032】
このように本実施形態によれば、ヒータ7の発熱体8の発熱密度を調整するのではなく、被覆部9の厚みAを連続的に変化させて光ファイバ2のFBG部3に対する熱容量を連続的に変化させることで、FBG部3に所望の温度勾配分布を持たせるようにしたので、発熱体8における電流密度の不均一に起因する発熱体8の断線が回避される。また、発熱体8を、耐湿性に優れた被覆部9で包み込む構造としたので、基板5と発熱体8との熱膨張差による内部応力が原因で発熱体8が剥離することはほとんど無く、発熱体8を長期間安定して使用できる。以上により、信頼性の高いヒータを安価に得ることが可能となる。
【0033】
次に、上述したような分散補償器の信頼性試験を行った実施例について説明する。
【0034】
まず、低速回転させたスピンコータにより石英ガラス基板の上面にポリイミド樹脂を塗布し、厚み勾配をもった被覆層を形成した。続いて、厚みが50μmの直線状の発熱体(ステンレス箔)を被覆層上に載せて、炉内で硬化させ、発熱体を石英ガラス基板に対して勾配がつくように固定した。続いて、発熱体上にポリイミド樹脂を塗布した後、ダイシングソーで石英ガラス基板を直方体形状に切断し、60×10×1(mm)のヒータを作製した。そして、石英ガラス基板の裏面に接合されたヒータを、金属製筐体の底板に支柱を介して載置した。また、石英ガラス基板上に、光ファイバにおけるFBG部の形成部位を載置し、樹脂で固定した。そして、発熱体への電流値を任意に変化させて、ヒータ温度を調整したところ、任意波長の光信号に対して分散補償の微調整を施すことができた。
【0035】
このような分散補償器に対し信頼性試験を実施した。信頼性試験の項目および条件としては、光部品の信頼性評価に頻度よく使用されるTelcordia社規定条件のうちのGR−1221−COREに準拠している下記のものを用いた。
【0036】
温度サイクル試験(−40℃/85℃ 1000サイクル)
温度衝撃試験(0℃/100℃)
恒温恒湿保管試験(85℃/85% 5000時間)
試験後、サンプルを観察したところ、ヒータには変化が生じなかった。
【0037】
比較のために、他のヒータを有する分散補償器について同様の信頼性試験を行った。まず光ファイバにおけるFBG部の形成部位を真空蒸着装置に載置し、300℃程度に加熱しながらニクロム線を蒸着して金属薄膜ヒータを形成し、更に密着強度を上げるためのアニールを施した。そして、ヒータへの電流を任意に変化させて、ヒータ温度を調整したところ、任意波長の光信号に対して分散補償の微調整を施すことができた。このようなデバイスに対し、上記と同様の試験を実施し、サンプルを観察したところ、金属薄膜ヒータの一部に剥離が生じた。
【0038】
本発明の第2の実施形態を図4及び図5により説明する。図中、第1の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図4及び図5において、本実施形態の分散補償器20のパッケージ部材21は、第1の実施形態におけるヒータ7の代わりに、ヒータ22を有している。ヒータ22は、光ファイバ2のFBG部3の長手方向に配置された複数のU字型の発熱体23と、これらの発熱体23を一括して覆う被覆部24とを有し、各発熱体23の両端にはヒータ引出し線23aが設けられている。
【0040】
発熱体23は、第1の実施形態における発熱体8と同様に金属箔等からなり、被覆部24は、第1の実施形態における被覆部9と同様にポリイミド系樹脂等からなっている。また、各発熱体23と基板5との間の被覆部24の厚みAは、FBG部3の長手方向に沿って連続的に変化している。
【0041】
このように複数の発熱体23を設け、各発熱体23を独立に制御することで、光ファイバ2のFBG部3には、線形的な温度勾配分布だけでなく、非線形的な温度勾配分布等、任意の温度分布を容易に形成することができる。従って、多数の波長の光信号に対して分散補償を行うことが可能となる。
【0042】
次に、上述したような分散補償器の信頼性試験を行った実施例について説明する。
【0043】
まず、石英ガラス基板を10度傾けて容器に固定し、その状態で石英ガラス基板上にポリイミド樹脂を流し入れることで、厚み勾配をもった被覆層を形成し、容器ごと炉内で硬化させた。そして、被覆層の傾きに沿ってダイシングソーで直方体形状に切断し、発熱体としてU字型のNi薄膜を被覆層上に10個並べ、更にその上からポリイミド樹脂をかけて、再び炉内で硬化させた。そして、石英ガラス基板の裏面に接合されたヒータを、金属製筐体の底板に支柱を介して載置した。また、石英ガラス基板上に、光ファイバにおけるFBG部の形成部位を載置し、樹脂で固定した。そして、各発熱体への電流値を任意に変化させて、ヒータ温度を調整したところ、任意波長の光信号に対して分散補償の微調整を施すことができた。
【0044】
このような分散補償器に対し、第1の実施形態と同様の信頼性試験を実施し、サンプルを観察したところ、ヒータには変化が無く、破損も生じなかった。
【0045】
本発明の第3の実施形態を図6及び図7により説明する。図中、第1の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
図6及び図7において、本実施形態の分散補償器30のパッケージ部材31は第1の実施形態におけるヒータ7の代わりに、ヒータ32を有している。ヒータ32は、第1の実施形態における発熱体8と同じ構造をもった1対の発熱体33A,33Bを有している。これらの発熱体33A,33Bは、基板5の幅方向(光ファイバ2のFBG部3の長手方向に対して垂直に交差する方向)に並設されている。なお、1対の発熱体33A,33Bは、完全に真横ではなく、FBG部3の長手方向に若干ずらして配置してもよい。
【0047】
発熱体33A,33Bは、ポリイミド系樹脂等からなる被覆部34A,34Bでそれぞれ覆われている。発熱体33A,33Bと基板5との間の被覆部34A,34Bの厚みは、FBG部3の長手方向に沿って線形的に変化している。このとき、発熱体33Aと基板5との間の被覆部34Aの厚みの増減方向と、発熱体33Bと基板5との間の被覆部34Bの厚みの増減方向とは、逆向きになっている。
【0048】
このように構成することにより、一つのFBG部3に対して、互いに逆方向に増減する二つの温度勾配の分布が形成されることになる。つまり、FBG部3には、一方側に向けて温度が上昇する勾配分布と同側に向けて温度が下降する勾配分布とが形成される。従って、1本の光ファイバ2で双方向の光通信を行う場合に、上り信号および下り信号のいずれか一方の分散補償のみならず、上り信号および下り信号の両方の分散補償を行うことができる。
【0049】
本発明の第4の実施形態を図8及び図9により説明する。図中、第2の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
図8及び図9において、本実施形態の分散補償器40のパッケージ部材41は、第2の実施形態におけるヒータ22の代わりに、ヒータ42を有している。ヒータ42は、第2の実施形態における発熱体23と同じ構造をもった複数対の発熱体43A,43Bを有している。各対の発熱体43A,43Bは、基板5の幅方向に並設されている。
【0051】
ヒータ42の一側に位置する複数の発熱体43Aは、被覆部44Aで一括して覆われ、ヒータ42の他側に位置する複数の発熱体43Bは、被覆部44Bで一括して覆われている。各対の発熱体43A,43Bと基板5との間の被覆部44A,44Bの厚みは、FBG部3の長手方向に沿って連続的に変化している。このとき、各発熱体43Aと基板5との間の被覆部44Aの厚みの増減方向と、各発熱体43Bと基板5との間の被覆部44Bの厚みの増減方向とは、逆向きになっている。
【0052】
このように構成することにより、FBG部3には、一定勾配の温度分布以外の任意の温度分布を与えることができるため、分散補償が可能な波長帯域幅が広がると共に、一つのFBG部3に対して互いに逆向きの二つの温度勾配分布が形成されるため、双方向の光通信に対処可能となる。
【0053】
本発明の第5の実施形態を図10及び図11により説明する。図中、第1の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
図10及び図11において、本実施形態の分散補償器50は、分散補償デバイスとして光導波路51を用いて、任意波長の分散を補償するものである。光導波路51は、導波路コア52と導波路クラッド53とからなり、導波路コア52の一部分にはグレーティング部54が形成されている。分散補償器50は、そのような光導波路51を配置し保護するためのパッケージ部材55を有している。
【0055】
パッケージ部材55は基板56を有し、この基板56の上面には光導波路51が配置されている。基板56の両端には、光導波路51の導波路コア52と接続される光ファイバ57を保持したファイバアレイ58がそれぞれ接合されている。基板56の裏面には、第1の実施形態と同様のヒータ7が貼り付けられている。なお、基板56の裏面に設けるヒータとしては、第2〜第4の実施形態と同様のものを用いてもよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒータとして、発熱体を覆う被覆部を設けると共に、発熱体と基板との間の被覆部の厚みが基板に分散補償デバイスを支持した状態における回折格子部の長手方向に沿って変化するように構成したので、ヒータの信頼性を十分に確保しつつ、分散補償デバイスに所望の温度分布を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分散補償器の第1の実施形態を示す垂直方向断面図である。
【図2】図1に示す筐体内部の平面図である。
【図3】図1に示すヒータの裏面図である。
【図4】本発明に係る分散補償器の第2の実施形態を示す垂直方向断面図である。
【図5】図4に示すヒータの裏面図である。
【図6】本発明に係る分散補償器の第3の実施形態を示す垂直方向断面図である。
【図7】図6に示すヒータの裏面図である。
【図8】本発明に係る分散補償器の第4の実施形態を示す垂直方向断面図である。
【図9】図8に示すヒータの裏面図である。
【図10】本発明に係る分散補償器の第5の実施形態を示す垂直方向断面図である。
【図11】図10に示す筐体内部の垂直方向断面図である。
【符号の説明】
1…分散補償器、2…光ファイバ(分散補償デバイス)、3…ファイバブラッググレーティング部(回折格子部)、4…パッケージ部材、5…基板、7…ヒータ、8…発熱体、9…被覆部、10…筐体、11…支柱、20…分散補償器、21…パッケージ部材、22…ヒータ、23…発熱体、24…被覆部、30…分散補償器、31…パッケージ部材、32…ヒータ、33A,33B…発熱体、34A,34B…被覆部、40…分散補償器、41…パッケージ部材、42…ヒータ、43A,43B…発熱体、44A,44B…被覆部、50…分散補償器、51…光導波路(分散補償デバイス)、52…導波路コア、54…グレーティング部(回折格子部)、55…パッケージ部材、56…基板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、任意波長の分散を補償する分散補償器に使用される分散補償器用のパッケージ部材、及び分散補償器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
波長多重光通信では、通信容量の増加に対応して伝送速度が向上している。ところで、光通信では、長距離伝送になると波長分散により信号波形が鈍るという問題が生じ、ビットエラーの原因となる。この問題に対して、光信号の受信器の直前に分散補償ファイバを挿入して分散を緩和しているが、伝送速度の更なる高速化に伴い、例えばファイバブラッググレーティング(FBG)技術を用いた分散補償デバイスによる微調整が必要となる。特にファイバの温度を変化させて屈折率を調整できる可変分散補償FBGデバイスは、所望の波長の分散を補償できるデバイスとして注目されている。このデバイスでは、屈折率をFBG全体に対して一様に調整するのではなく、FBGの長手方向に屈折率の勾配をつける必要がある。
【0003】
このような屈折率勾配をつける方法としては、FBGの両端にヒータもしくはペルチェ素子を配置し、FBGの長手方向に温度差を設けて屈折率の勾配をつけることが知られている。しかし、この方法では、FBGの長手方向に高精度な温度制御が行えないため、伝送速度の向上に伴う高精度な分散補償が困難となる。
【0004】
このような不具合を解決するものとしては、IEEE Photonics Technology Letter,11,854,1999(以下、第1従来技術という)に記載されているように、FBGの長手方向に沿って断面積の異なる金属薄膜ヒータを配置し、FBGの長手方向に温度勾配を形成したものが知られている。また、OFC2001テクニカルダイジェスト TuS4−2(以下、第2従来技術という)には、石英基板上に設けたFBGの長手方向に対して垂直に複数の薄膜ヒータを配置し、各ヒータを個別に制御してFBGの長手方向に温度勾配を与えるものが記載されている。さらに、特開2001−21849号公報(以下、第3従来技術という)には、薄膜ヒータを光導波路に対して角度をつけて設け、薄膜ヒータとコア層との距離を連続的に変化させたものが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、第1従来技術では、FBGの長手方向に対して断面積が変化していく金属薄膜ヒータを用いているが、ヒータの断面積の変化は電流密度の変化を伴うため、ヒータが断線しやすくなる。また、金属薄膜ヒータと基板との熱膨張係数の差により、薄膜ヒータに内部応力が加わって剥離が生じやすくなる。従って、光通信分野で要求される長期信頼性が十分に得られない。また、第2及び第3従来技術では、薄膜ヒータを使用するため、上記と同様にヒータに剥離が生じやすく、信頼性が低い。
【0006】
本発明の目的は、ヒータの信頼性を向上させつつ、分散補償デバイスに所望の温度分布を与えることができる分散補償器用のパッケージ部材および分散補償器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回折格子部を有する分散補償デバイスを配置し保護するためのパッケージ部材において、分散補償デバイスを支持する基板と、基板の裏面に設けられたヒータと、基板およびヒータを収納する筐体とを備え、ヒータは、発熱体と、発熱体を覆う被覆部とを有し、発熱体と基板との間の被覆部の厚みが基板に分散補償デバイスを支持した状態における回折格子部の長手方向に沿って変化するように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
このような分散補償器用のパッケージ部材においては、発熱体と基板との間の被覆部の厚みを変化させることにより、発熱密度が一様な発熱体から基板への伝熱量の分布は、発熱体と基板との間の被覆部の厚み変化に応じたものとなる。従って、基板に分散補償デバイスを支持したときに、分散補償デバイスの回折格子部には、発熱体と基板との間の被覆部の厚み変化に応じた温度分布が形成されることになる。このように発熱体の断面積(厚み)を変化させずに全体的に一定にした場合であっても、分散補償デバイスの回折格子部に所望の温度分布をもたせることが可能となる。この場合には、発熱体に電流を供給した時の電流密度が全体的に一定になるため、電流密度の不均一による発熱体の断線が防止される。また、発熱体は被覆部で覆われているので、発熱体の剥離が防止され、発熱体を長期間安定して使用できる。以上により、ヒータの信頼性が向上する。
【0009】
好ましくは、被覆部は、ポリイミド系樹脂で形成されている。このように熱伝導率が低く、耐湿性及び耐熱性の高いポリイミド系樹脂で被覆部を形成することにより、基板に支持された分散補償デバイスの回折格子部に所望の温度分布を形成しやすくなると共に、発熱体の剥離をより確実に防止することができる。また、基板に対する被覆部の接合性が良好になる。さらに、ヒータの薄型化及び低コスト化を図ることができる。
【0010】
また、好ましくは、基板は、ガラス、セラミックス、高分子樹脂、半導体材料、プリント配線板材料のいずれかで形成されている。このように熱伝導率の低い材料で基板を形成することにより、基板に支持された分散補償デバイスの回折格子部に所望の温度分布を形成しやすくなる。
【0011】
この場合、好ましくは、基板の熱伝導率が20W/mK以下である。これにより、分散補償デバイスの回折格子部に所望の温度分布をより形成しやすくなる。
【0012】
さらに、好ましくは、筐体には支柱が設けられ、支柱にヒータが支持されている。これにより、発熱体で生じた熱が筐体に逃げにくくなるため、発熱体に供給する電流値を抑えて消費電力を低減することができる。
【0013】
また、好ましくは、発熱体は、直線形状を有すると共に、基板に分散補償デバイスを支持した状態における回折格子部の長手方向に延びている。この場合には、ヒータの構造が簡単化され、ヒータの製作が容易に行える。
【0014】
また、発熱体は、基板に分散補償デバイスを支持した状態における回折格子部の長手方向に複数配置されている構成であってもよい。この場合には、複数の発熱体を独立に制御することで、基板に支持された分散補償デバイスの回折格子部に、一定勾配の温度分布だけでなく、分散補償デバイスが必要とする任意の温度分布を形成することができる。これにより、分散補償の波長帯域幅を広げることが可能となる。
【0015】
また、好ましくは、発熱体は、基板に分散補償デバイスを支持した状態における回折格子部の長手方向に対して交差する方向に少なくとも1対並設されており、ヒータの一側に位置する発熱体と基板との間の被覆部の厚みの増減方向が、ヒータの他側に位置する発熱体と基板との間の被覆部の厚みの増減方向に対して逆向きになっている。この場合には、基板に支持された分散補償デバイスの一つの回折格子部に対して、互いに逆方向に増減する二つの温度勾配分布を形成することができる。従って、双方向通信において、両方向の光信号の分散補償が可能となる。
【0016】
さらに、好ましくは、分散補償デバイスは光ファイバであり、光ファイバのコアに回折格子部が形成されている。
【0017】
また、分散補償デバイスは光導波路であり、光導波路のコアに回折格子部が形成されている構成であってもよい。
【0018】
本発明の分散補償器は、回折格子部を有する分散補償デバイスを支持した基板と、基板の裏面に設けられたヒータと、基板およびヒータを収納する筐体とを備え、ヒータは、発熱体と、発熱体を覆う被覆部とを有し、発熱体と基板との間の被覆部の厚みが回折格子部の長手方向に沿って変化するように構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
このような分散補償器においては、発熱体と基板との間の被覆部の厚みを変化させることにより、発熱密度が一様な発熱体から基板への伝熱量の分布は、発熱体と基板との間の被覆部の厚み変化に応じたものとなる。従って、基板に支持された分散補償デバイスの回折格子部には、発熱体と基板との間の被覆部の厚み変化に応じた温度分布が形成されることになる。このように発熱体の断面積(厚み)を変化させずに全体的に一定にした場合であっても、分散補償デバイスの回折格子部に所望の温度分布をもたせることが可能となる。この場合には、発熱体に電流を供給した時の電流密度が全体的に一定になるため、電流密度の不均一による発熱体の断線が防止される。また、発熱体は被覆部で覆われているので、発熱体の剥離が防止され、発熱体を長期間安定して使用できる。以上により、ヒータの信頼性が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る分散補償器用のパッケージ部材および分散補償器の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
【0021】
まず、本発明の第1の実施形態を図1〜図3により説明する。図1は、本実施形態の分散補償器を示す垂直方向断面図である。
【0022】
同図において、分散補償器1は、分散補償デバイスとして光ファイバ2を用いて、任意波長の分散を補償するものである。光ファイバ2のコアの一部分には、ファイバブラッググレーティング(FBG)部3が形成されている。分散補償器1は、そのような光ファイバ2を配置し保護するためのパッケージ部材4を有している。
【0023】
パッケージ部材4は基板5を有し、この基板5の上面には、図1及び図2に示すように、光ファイバ2におけるFBG部3の形成された部位が載置され、樹脂6で固定されている。なお、光ファイバ2の固定は、基板5上に載置された光ファイバ2を機械的に押し付けることにより行ってもよい。
【0024】
基板5の材料としては、熱伝導率の低いガラス(例えば石英ガラス等)、セラミックス(例えばアルミナ(Al2O3)、窒化ケイ素(Si3N4)、ムライト、コージライト、ジルコニア、オーメット、ステアタイト、フォルステライト等)、高分子樹脂(例えばポリカーボネート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等)、半導体材料(例えば低熱伝導性SiC等)、プリント配線板材料(例えばエポキシガラス基板、ビスマレイミドトリアジンレジン等)の少なくとも1つを含むものを使用するのが好ましい。特に熱伝導率が20W/mK以下の材料を使用するのがより好ましい。
【0025】
基板5の裏面には、FBG部3を加熱するためのヒータ7が貼り付けられている。ヒータ7は、図1及び図3に示すように、FBG部3と同等以上の長さをもった直線形状を有する発熱体8と、この発熱体8を覆う被覆部9とを有し、発熱体8の両端にはヒータ引出し線8aが設けられている。このヒータ引出し線8aより発熱体8に電流を流すことで、発熱体8に熱が発生する。
【0026】
発熱体8の材料としては、半導体や絶縁体にドープを施したものを使用することも可能であるが、信頼性が高くかつ安価で薄型の金属箔(例えばステンレス箔等)を使用するのが好ましい。発熱体8の厚みは、好ましくは300μm以下であり、全体的に略一定となっている。
【0027】
被覆部9の材料としては、エンジニアリングプラスチックやガラス、セラミックス、高分子樹脂等を使用することも可能であるが、ポリイミドやフッ素化ポリイミド等といった熱伝導率の低いポリイミド系樹脂を使用するのが好ましい。ポリイミド系樹脂は、薄型化、低コスト化が可能であり、耐熱温度が比較的高く、また耐湿性が良好であり、更にフッ素系樹脂に比べて基板5への接合性が良好である。
【0028】
基板5と被覆部9とを固定する方法としては、粘着テープ、接着剤、接着樹脂、機械的な押し付け、熱圧着、あるいは被覆部9の材質であるポリイミドと基板5との接合反応などが挙げられる。なお、基板5の材質を、被覆部9と同様にポリイミド系樹脂とした場合には、製作工程が削減でき、更なる低コスト化が可能となる。
【0029】
このようなヒータ7の発熱体8は、光ファイバ2のFBG部3の長手方向に延びている。また、発熱体8と基板5との間の被覆部9の厚みAは、FBG部3の長手方向に沿って、つまりヒータ7の一端側から他端側に向かって線形的に変化している。
【0030】
光ファイバ2を支持した基板5及びヒータ7は、金属製の筐体10内に収納されている。筐体10の底板10aには複数の支柱11が設けられ、これらの支柱11にヒータ7が支持されている。このような構造とすることにより、ヒータ7で発生した熱が筐体10へ流れて行きにくくなるため、発熱体8に流す電流値を抑えて消費電力を低減することができる。
【0031】
以上のように構成した分散補償器1において、ヒータ7の発熱体8に電流を流すと、発熱体8に熱が生じ、この熱が、熱伝導率の低い被覆部9及び基板5を介して光ファイバ2のFBG部3に伝わる。このとき、発熱体8の厚みは全体的に略一定である(上述)ため、発熱体8に電流を流した時の電流密度は全体的に一定になり、これに伴って発熱体8の発熱密度は一様になる。しかし、発熱体8と基板5との間の被覆部9の厚みAはFBG部3の長手方向に沿って連続的に変化している(上述)ので、発熱体8から基板5への伝熱量がFBG部3の長手方向に沿って連続的に変化する。その結果、FBG部3には、線形性をもった温度勾配の分布が形成されることになる。そして、そのようなFBG部3の温度勾配に応じて光ファイバ2の屈折率が変化し、これにより特定波長の信号光に対して精度の良い分散補償が行われる。
【0032】
このように本実施形態によれば、ヒータ7の発熱体8の発熱密度を調整するのではなく、被覆部9の厚みAを連続的に変化させて光ファイバ2のFBG部3に対する熱容量を連続的に変化させることで、FBG部3に所望の温度勾配分布を持たせるようにしたので、発熱体8における電流密度の不均一に起因する発熱体8の断線が回避される。また、発熱体8を、耐湿性に優れた被覆部9で包み込む構造としたので、基板5と発熱体8との熱膨張差による内部応力が原因で発熱体8が剥離することはほとんど無く、発熱体8を長期間安定して使用できる。以上により、信頼性の高いヒータを安価に得ることが可能となる。
【0033】
次に、上述したような分散補償器の信頼性試験を行った実施例について説明する。
【0034】
まず、低速回転させたスピンコータにより石英ガラス基板の上面にポリイミド樹脂を塗布し、厚み勾配をもった被覆層を形成した。続いて、厚みが50μmの直線状の発熱体(ステンレス箔)を被覆層上に載せて、炉内で硬化させ、発熱体を石英ガラス基板に対して勾配がつくように固定した。続いて、発熱体上にポリイミド樹脂を塗布した後、ダイシングソーで石英ガラス基板を直方体形状に切断し、60×10×1(mm)のヒータを作製した。そして、石英ガラス基板の裏面に接合されたヒータを、金属製筐体の底板に支柱を介して載置した。また、石英ガラス基板上に、光ファイバにおけるFBG部の形成部位を載置し、樹脂で固定した。そして、発熱体への電流値を任意に変化させて、ヒータ温度を調整したところ、任意波長の光信号に対して分散補償の微調整を施すことができた。
【0035】
このような分散補償器に対し信頼性試験を実施した。信頼性試験の項目および条件としては、光部品の信頼性評価に頻度よく使用されるTelcordia社規定条件のうちのGR−1221−COREに準拠している下記のものを用いた。
【0036】
温度サイクル試験(−40℃/85℃ 1000サイクル)
温度衝撃試験(0℃/100℃)
恒温恒湿保管試験(85℃/85% 5000時間)
試験後、サンプルを観察したところ、ヒータには変化が生じなかった。
【0037】
比較のために、他のヒータを有する分散補償器について同様の信頼性試験を行った。まず光ファイバにおけるFBG部の形成部位を真空蒸着装置に載置し、300℃程度に加熱しながらニクロム線を蒸着して金属薄膜ヒータを形成し、更に密着強度を上げるためのアニールを施した。そして、ヒータへの電流を任意に変化させて、ヒータ温度を調整したところ、任意波長の光信号に対して分散補償の微調整を施すことができた。このようなデバイスに対し、上記と同様の試験を実施し、サンプルを観察したところ、金属薄膜ヒータの一部に剥離が生じた。
【0038】
本発明の第2の実施形態を図4及び図5により説明する。図中、第1の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図4及び図5において、本実施形態の分散補償器20のパッケージ部材21は、第1の実施形態におけるヒータ7の代わりに、ヒータ22を有している。ヒータ22は、光ファイバ2のFBG部3の長手方向に配置された複数のU字型の発熱体23と、これらの発熱体23を一括して覆う被覆部24とを有し、各発熱体23の両端にはヒータ引出し線23aが設けられている。
【0040】
発熱体23は、第1の実施形態における発熱体8と同様に金属箔等からなり、被覆部24は、第1の実施形態における被覆部9と同様にポリイミド系樹脂等からなっている。また、各発熱体23と基板5との間の被覆部24の厚みAは、FBG部3の長手方向に沿って連続的に変化している。
【0041】
このように複数の発熱体23を設け、各発熱体23を独立に制御することで、光ファイバ2のFBG部3には、線形的な温度勾配分布だけでなく、非線形的な温度勾配分布等、任意の温度分布を容易に形成することができる。従って、多数の波長の光信号に対して分散補償を行うことが可能となる。
【0042】
次に、上述したような分散補償器の信頼性試験を行った実施例について説明する。
【0043】
まず、石英ガラス基板を10度傾けて容器に固定し、その状態で石英ガラス基板上にポリイミド樹脂を流し入れることで、厚み勾配をもった被覆層を形成し、容器ごと炉内で硬化させた。そして、被覆層の傾きに沿ってダイシングソーで直方体形状に切断し、発熱体としてU字型のNi薄膜を被覆層上に10個並べ、更にその上からポリイミド樹脂をかけて、再び炉内で硬化させた。そして、石英ガラス基板の裏面に接合されたヒータを、金属製筐体の底板に支柱を介して載置した。また、石英ガラス基板上に、光ファイバにおけるFBG部の形成部位を載置し、樹脂で固定した。そして、各発熱体への電流値を任意に変化させて、ヒータ温度を調整したところ、任意波長の光信号に対して分散補償の微調整を施すことができた。
【0044】
このような分散補償器に対し、第1の実施形態と同様の信頼性試験を実施し、サンプルを観察したところ、ヒータには変化が無く、破損も生じなかった。
【0045】
本発明の第3の実施形態を図6及び図7により説明する。図中、第1の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
図6及び図7において、本実施形態の分散補償器30のパッケージ部材31は第1の実施形態におけるヒータ7の代わりに、ヒータ32を有している。ヒータ32は、第1の実施形態における発熱体8と同じ構造をもった1対の発熱体33A,33Bを有している。これらの発熱体33A,33Bは、基板5の幅方向(光ファイバ2のFBG部3の長手方向に対して垂直に交差する方向)に並設されている。なお、1対の発熱体33A,33Bは、完全に真横ではなく、FBG部3の長手方向に若干ずらして配置してもよい。
【0047】
発熱体33A,33Bは、ポリイミド系樹脂等からなる被覆部34A,34Bでそれぞれ覆われている。発熱体33A,33Bと基板5との間の被覆部34A,34Bの厚みは、FBG部3の長手方向に沿って線形的に変化している。このとき、発熱体33Aと基板5との間の被覆部34Aの厚みの増減方向と、発熱体33Bと基板5との間の被覆部34Bの厚みの増減方向とは、逆向きになっている。
【0048】
このように構成することにより、一つのFBG部3に対して、互いに逆方向に増減する二つの温度勾配の分布が形成されることになる。つまり、FBG部3には、一方側に向けて温度が上昇する勾配分布と同側に向けて温度が下降する勾配分布とが形成される。従って、1本の光ファイバ2で双方向の光通信を行う場合に、上り信号および下り信号のいずれか一方の分散補償のみならず、上り信号および下り信号の両方の分散補償を行うことができる。
【0049】
本発明の第4の実施形態を図8及び図9により説明する。図中、第2の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
図8及び図9において、本実施形態の分散補償器40のパッケージ部材41は、第2の実施形態におけるヒータ22の代わりに、ヒータ42を有している。ヒータ42は、第2の実施形態における発熱体23と同じ構造をもった複数対の発熱体43A,43Bを有している。各対の発熱体43A,43Bは、基板5の幅方向に並設されている。
【0051】
ヒータ42の一側に位置する複数の発熱体43Aは、被覆部44Aで一括して覆われ、ヒータ42の他側に位置する複数の発熱体43Bは、被覆部44Bで一括して覆われている。各対の発熱体43A,43Bと基板5との間の被覆部44A,44Bの厚みは、FBG部3の長手方向に沿って連続的に変化している。このとき、各発熱体43Aと基板5との間の被覆部44Aの厚みの増減方向と、各発熱体43Bと基板5との間の被覆部44Bの厚みの増減方向とは、逆向きになっている。
【0052】
このように構成することにより、FBG部3には、一定勾配の温度分布以外の任意の温度分布を与えることができるため、分散補償が可能な波長帯域幅が広がると共に、一つのFBG部3に対して互いに逆向きの二つの温度勾配分布が形成されるため、双方向の光通信に対処可能となる。
【0053】
本発明の第5の実施形態を図10及び図11により説明する。図中、第1の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
図10及び図11において、本実施形態の分散補償器50は、分散補償デバイスとして光導波路51を用いて、任意波長の分散を補償するものである。光導波路51は、導波路コア52と導波路クラッド53とからなり、導波路コア52の一部分にはグレーティング部54が形成されている。分散補償器50は、そのような光導波路51を配置し保護するためのパッケージ部材55を有している。
【0055】
パッケージ部材55は基板56を有し、この基板56の上面には光導波路51が配置されている。基板56の両端には、光導波路51の導波路コア52と接続される光ファイバ57を保持したファイバアレイ58がそれぞれ接合されている。基板56の裏面には、第1の実施形態と同様のヒータ7が貼り付けられている。なお、基板56の裏面に設けるヒータとしては、第2〜第4の実施形態と同様のものを用いてもよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒータとして、発熱体を覆う被覆部を設けると共に、発熱体と基板との間の被覆部の厚みが基板に分散補償デバイスを支持した状態における回折格子部の長手方向に沿って変化するように構成したので、ヒータの信頼性を十分に確保しつつ、分散補償デバイスに所望の温度分布を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る分散補償器の第1の実施形態を示す垂直方向断面図である。
【図2】図1に示す筐体内部の平面図である。
【図3】図1に示すヒータの裏面図である。
【図4】本発明に係る分散補償器の第2の実施形態を示す垂直方向断面図である。
【図5】図4に示すヒータの裏面図である。
【図6】本発明に係る分散補償器の第3の実施形態を示す垂直方向断面図である。
【図7】図6に示すヒータの裏面図である。
【図8】本発明に係る分散補償器の第4の実施形態を示す垂直方向断面図である。
【図9】図8に示すヒータの裏面図である。
【図10】本発明に係る分散補償器の第5の実施形態を示す垂直方向断面図である。
【図11】図10に示す筐体内部の垂直方向断面図である。
【符号の説明】
1…分散補償器、2…光ファイバ(分散補償デバイス)、3…ファイバブラッググレーティング部(回折格子部)、4…パッケージ部材、5…基板、7…ヒータ、8…発熱体、9…被覆部、10…筐体、11…支柱、20…分散補償器、21…パッケージ部材、22…ヒータ、23…発熱体、24…被覆部、30…分散補償器、31…パッケージ部材、32…ヒータ、33A,33B…発熱体、34A,34B…被覆部、40…分散補償器、41…パッケージ部材、42…ヒータ、43A,43B…発熱体、44A,44B…被覆部、50…分散補償器、51…光導波路(分散補償デバイス)、52…導波路コア、54…グレーティング部(回折格子部)、55…パッケージ部材、56…基板。
Claims (11)
- 回折格子部を有する分散補償デバイスを配置し保護するための分散補償器用のパッケージ部材において、
前記分散補償デバイスを支持する基板と、
前記基板の裏面に設けられたヒータと、
前記基板および前記ヒータを収納する筐体とを備え、
前記ヒータは、発熱体と、前記発熱体を覆う被覆部とを有し、前記発熱体と前記基板との間の前記被覆部の厚みが前記基板に前記分散補償デバイスを支持した状態における前記回折格子部の長手方向に沿って変化するように構成されていることを特徴とする分散補償器用のパッケージ部材。 - 前記被覆部は、ポリイミド系樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1記載の分散補償器用のパッケージ部材。
- 前記基板は、ガラス、セラミックス、高分子樹脂、半導体材料、プリント配線板材料のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の分散補償器用のパッケージ部材。
- 前記基板の熱伝導率が20W/mK以下であることを特徴とする請求項3記載の分散補償器用のパッケージ部材。
- 前記筐体には支柱が設けられ、前記支柱に前記ヒータが支持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の分散補償器用のパッケージ部材。
- 前記発熱体は、直線形状を有すると共に、前記基板に前記分散補償デバイスを支持した状態における前記回折格子部の長手方向に延びていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の分散補償器用のパッケージ部材。
- 前記発熱体は、前記基板に前記分散補償デバイスを支持した状態における前記回折格子部の長手方向に複数配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の分散補償器用のパッケージ部材。
- 前記発熱体は、前記基板に前記分散補償デバイスを支持した状態における前記回折格子部の長手方向に対して交差する方向に少なくとも1対並設されており、
前記ヒータの一側に位置する前記発熱体と前記基板との間の前記被覆部の厚みの増減方向が、前記ヒータの他側に位置する前記発熱体と前記基板との間の前記被覆部の厚みの増減方向に対して逆向きになっていることを特徴とする請求項6または7記載の分散補償器用のパッケージ部材。 - 前記分散補償デバイスは光ファイバであり、前記光ファイバのコアに前記回折格子部が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の分散補償器用のパッケージ部材。
- 前記分散補償デバイスは光導波路であり、前記光導波路のコアに前記回折格子部が形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の分散補償器用のパッケージ部材。
- 回折格子部を有する分散補償デバイスを支持した基板と、
前記基板の裏面に設けられたヒータと、
前記基板および前記ヒータを収納する筐体とを備え、
前記ヒータは、発熱体と、前記発熱体を覆う被覆部とを有し、前記発熱体と前記基板との間の前記被覆部の厚みが前記回折格子部の長手方向に沿って変化するように構成されていることを特徴とする分散補償器。
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-
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