JP2003121439A - 生体関連物質固定化マイクロアレイ - Google Patents

生体関連物質固定化マイクロアレイ

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JP2003121439A
JP2003121439A JP2001313869A JP2001313869A JP2003121439A JP 2003121439 A JP2003121439 A JP 2003121439A JP 2001313869 A JP2001313869 A JP 2001313869A JP 2001313869 A JP2001313869 A JP 2001313869A JP 2003121439 A JP2003121439 A JP 2003121439A
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hollow
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JP2001313869A
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Yoko Miyauchi
陽子 宮内
Takashi Akita
隆 秋田
Chiho Ito
千穂 伊藤
Atsushi Takahashi
厚 高橋
Kei Murase
圭 村瀬
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低レベルの特異的結合の検出もバックグラウ
ンド強度に覆い隠されることなく検出できる中空繊維と
該繊維に固定された生体関連物質プローブを有する生体
関連物質マイクロアレイの提供。 【解決手段】 中空繊維が、B/A<1[但し、Aは中空繊維
の中空部に存在させた蛍光分子Cy3(濃度0.01nmol/ml)
の蛍光強度を蛍光顕微鏡で該繊維切断面より検出したと
きの中空部の検出光強度、及びBは蛍光分子を存在させ
ずに上記と同一条件で測定したときの繊維部の検出光強
度を示す。]を満足するものを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体関連物質を光
学的に検出する生体関連物質マイクロアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多数遺伝子の一括発現解析を可能
とするDNAマイクロアレイ法(DNAチップ法)と呼
ばれる新しい分析法、ないし方法論が開発され、注目を
集めている。これらの方法は、いずれも核酸:核酸間ハ
イブリダイゼーション反応に基づく核酸検出・定量法で
ある点で原理的には従来の方法と同じであるが、マイク
ロアレイ又はチップと呼ばれる平面基盤片上に、多数の
DNA断片が高密度に整列固定化されたものが用いられ
ている点に大きな特徴がある。マイクロアレイ法の具体
的使用法としては、例えば、研究対象細胞の発現遺伝子
等を蛍光色素等で標識したサンプルを平面基盤片上でハ
イブリダイゼーションさせ、互いに相補的な核酸(DN
AあるいはRNA)同士を結合させ、その箇所を蛍光色
素等でラベル後、高解像度解析装置で高速に読みとる方
法が挙げられる。こうして、サンプル中のそれぞれの遺
伝子量を迅速に推定できる。即ち、この新しい方法の本
質は、基本的には反応試料の微量化と、その反応試料を
再現性よく多量・迅速・系統的に分析、定量しうる形に
配列・整列する技術との統合であると理解される。
【0003】核酸を基盤上に固定化するための技術とし
ては、上記ノーザン法同様、ナイロンシート等の上に高
密度に固定化する方法などが開発されている。また、ガ
ラス製キャピラリーやナイロン繊維に核酸や蛋白質を固
定化させ、該繊維等を束ねて接着剤で固定化し繊維断面
方向に切断して生体関連物質配列シートを製造する方法
も提案されている(特開平11-108928号公報記載)。ま
た、透明なプラスチック材料、例えばポリメタクリル酸
メチル(PMMA)からなる板状物に多数の凹部を設け
その凹部にゲルに固定したプローブを配置したマイクロ
アレイが特開平2000−60554号公報に開示され
ている。
【0004】一方、マイクロアレイ技術とは異なるが、
本発明に用いる材料と類似したものが、特開平11-21169
4に開示されている。この技術は、高分子を乾式、湿式
紡糸により中空管状に加工し、内部にハイドロゲルが充
填された電気泳動キャピラリーである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは先に中空
繊維を用いたマイクロアレイ並びにその製造法を提案し
た。その後本技術を検討していくと、微量な検体を検出
するためにはマイクロアレイを形成する部材、特に繊維
からの検出光即ちバックグラウンド光がかなり大きいこ
とが判明した。本発明はこのようなバックグランドから
の検出光を低減した繊維からなるマイクロアレイの開発
を課題とするものである。
【0006】例えば、ナイロン等の高分子は結晶性高分
子であるため、透明性に劣り、配列シート上の生体関連
物質の検出を光学的な方法で実施する際に、励起光及び
蛍光が散乱し、バックグラウンド光強度が非常に高くな
る。また、ガラス製キャピラリーは加工性に劣ってお
り、これを切断して、数百μm〜1mmの厚さの表面が
平滑な薄片に加工するのは非常に困難である。表面が平
滑でないと乱反射が起こりバックグランド光が大きくな
る。
【0007】また、特開平11-211694のように、高分子
を乾式・湿式紡糸で成型する場合には、溶融紡糸のよう
な緻密な構造を形成させるのは困難で、中空繊維の壁部
にマイクロボイドの形成が起こり易く、中空繊維からの
散乱強度が上昇するのは避けられない。更に同じPMM
A樹脂からなる材料をマイクロアレイの支持体として用
いても、PMMA樹脂の製造過程で添加される界面活性
剤や安定剤等の各種添加剤の影響で微量な蛍光が発生す
ることがあることが判明した。
【0008】従って、上記した材料を生体関連物質マイ
クロアレイに用いると、低レベルの特異的結合の検出を
目的とする場合には、検出光がバックグラウンド強度に
覆い隠されるという重大な問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、鋭意検
討した結果、本発明者らは、中空繊維と該繊維に固定さ
れた生体関連物質プローブを有する生体関連物質マイク
ロアレイにおいて、前記中空繊維の検出光強度を低減さ
せることにより、低レベルの特異的結合の検出もバック
グラウンド強度に覆い隠されることなく検出できること
を見いだし、本発明に至った。
【0010】即ち、本発明は、中空繊維の内壁及び/又
は中空部に生体関連物質が固定化され、該繊維の繊維軸
と交叉する切断面が2次元配列された生体関連物質プロ
ーブ固定化マイクロアレイにおいて、該中空繊維が下記
式を満足することを特徴とする生体関連物質プローブ固
定化マイクロアレイ、である。 B/A<1 [但し、Aは中空繊維の中空部に存在させた蛍光分子Cy3
(濃度0.01nmol/ml)の蛍光強度を蛍光顕微鏡で該繊維
切断面より検出したときの中空部の検出光強度、及びB
は蛍光分子を存在させずに上記と同一条件で測定したと
きの繊維部の検出光強度を示す。]
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。本発
明において、中空繊維の内壁及び/又は中空部に生体関
連物質が固定化され、該繊維の繊維軸と交叉する切断面
が2次元配列された生体関連物質プローブ固定化マイク
ロアレイとは、生体関連物質の固定化プロセスを1次元
構造体として中空繊維上にて行い、次いで、生体関連物
質を固定化した複数本の中空繊維が整然と配列された3
次元構造体とした後、又は複数本の中空繊維が整然と配
列された3次元構造体とした後に生体関連物質を個々の
中空繊維に固定化した後に、その3次元構造の繊維配列
体を切断薄片化することにより得られた生体関連物質固
定化繊維2次元配列体薄片をいう(特開2000-245460号
公報参照)。
【0012】本発明で使用する中空繊維とは、紫外光か
ら近赤外光領域(波長300〜850nm)の光の吸収および散
乱強度が非常に小さく、加えて、この波長域の入射光に
対する蛍光強度の小さなものを指す。
【0013】具体的には、下記式を満たすものとする。 B/A<1 [但し、Aは中空繊維の中空部に存在させた蛍光分子Cy3
(濃度0.01nmol/ml)の蛍光強度を蛍光顕微鏡で該繊維
切断面より検出したときの中空部の検出光強度、及びB
は蛍光分子を存在させずに上記と同一条件で測定したと
きの繊維部の検出光強度を示す。]
【0014】ここでCy3とはローダミン骨格をもつ蛍光
分子の一つであり、DNAの末端に結合させて、その蛍光
分子からの蛍光強度を測定してDNA分子の定量を行う場
合に用いられる代表的な蛍光分子である。従って、本発
明では、この代表的な蛍光分子の濃度が0.01nmol/mlと
したときに蛍光強度よりも、生体関連物質プローブの支
持体である中空繊維からのバックグラウンド強度が低い
中空繊維を用いることが必要である。DNA検出のための
蛍光分子は前記Cy3以外にアロフィコシアニン骨格、フ
ルオロセンイソチオシアニン骨格をもつ化合物が有り、
それぞれCy5、FITCと呼ばれ、励起光と蛍光波長が異な
るものであるが、本発明の中空繊維ではこれらの蛍光分
子を用いた場合でも、バックグランドからの検出光を低
減することが出来る。
【0015】図1に示したように、サンプル周辺の中空
繊維部の検出光強度が高いと、中空繊維−中空部の界面
部分が明るく照らされ、バックグラウンド強度が上昇し
てしまうという欠点がある。また、単位面積当たりの繊
維密度(スポット密度)を高くするためには、中空繊維
の内径が細い方が望ましいが、このような場合、中空繊
維の検出光強度への影響はより顕著に現れる。
【0016】本発明中の検出光強度の小さな中空繊維を
用いた場合、バックグラウンド強度が低下し、より高感
度の検出が可能となる。検出光強度の低い材料とは、例
えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
ブチルメタクリレート等のメタクリレート系モノマー、
メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリレ
ート系モノマーの単独重合体若しくはこれらの共重合
体、又はポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート等が挙げられる。本発明の特性を満た
す中空繊維を得るためにはこれら樹脂を中空繊維状に賦
形して得られるが、その原料の重合体に微量な蛍光を発
生させるような不純物を混入させないこと重要である。
例えば、PMMA樹脂の場合、通常の懸濁重合では分散
安定剤として界面活性剤が用いられるが、その使用は出
来るだけ少ない方が好ましい。それらを用いない連続塊
状重合で得られた重合体を原料にすることが好ましい。
さらに、重合や賦形の段階で混入するゴミなどを出来る
だけ少なくすることが好ましい。
【0017】中空繊維の好ましい賦形方法としては、こ
れらの材料を溶融紡糸で成型することによって、緻密な
構造を有する、蛍光強度・散乱強度が非常に低い中空繊
維を得ることが可能となる。前記中空繊維の外径は、1m
m以下、好ましくは0.5mm以下である。また、内径は0.03
mm以上が好ましい。本発明に用いる繊維は、無処理の状
態でそのまま用いてもよいが、必要に応じて、反応性官
能基を導入した繊維であってもよく、また、プラズマ処
理やγ線、電子線などの放射線処理を施した繊維であっ
てもよい。
【0018】本発明において、前記中空繊維に固定化す
る対象となる生体関連物質とは、以下の(1)〜(3)の物
質からなる群から選択されるいずれかのものが挙げられ
るが、核酸が好ましい。 (1)核酸、アミノ酸、糖又は脂質 (2)上記(1)の物質のうち少なくとも1種類の成分からな
る重合物 (3)上記(1)又は(2)の物質と相互作用を有する物質
【0019】例えば、核酸であれば、デオキシリボ核酸
(DNA)やリボ核酸(RNA)、ペプチド核酸(PNA)、オ
キシペプチド核酸(OPNA)などの核酸などが挙げられ
る。本発明に用いる生体関連物質は、市販のものでもよ
く、また、生細胞などから得られたものでもよい。
【0020】例えば、生体関連物質として核酸を用いる
場合には、生細胞からのDNA又はRNAの調製は、公
知の方法、例えば、DNAの抽出については、Blinらの方
法(Blin et al., Nucleic Acids Res. 3: 2303 (197
6))等により、また、RNAの抽出については、Favalo
roらの方法(Favaloro et al., Methods Enzymol.65: 7
18 (1980))等により行うことができる。更には、鎖状
若しくは環状のプラスミドDNAや染色体DNA、これ
らを制限酵素により若しくは化学的に切断したDNA断
片、試験管内で酵素等により合成されたDNA、あるいは
化学合成したオリゴヌクレオチド等を用いることもでき
る。
【0021】中空繊維に生体関連物質を固定化する場合
には、繊維と生体関連物質との間における各種化学的又
は物理的な相互作用、すなわち繊維が有している官能基
と、生体関連物質を構成する成分との間の化学的又は物
理的な相互作用を利用することができる。また、配列体
を構成する繊維の中空部に生体関連物質を含む液を導入
した後、繊維の中空部の内壁面等に存在する官能基と生
体関連物質を構成する成分との間の相互作用を利用する
ことができる。例えば、無修飾の核酸を繊維に固定化す
る場合には、核酸と繊維とを作用させた後、ベーキング
や紫外線照射により固定できる。また、アミノ基で修飾
された核酸を繊維に固定化する場合には、グルタルアル
デヒドや1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド(EDC)等の架橋剤を用いて繊維の官
能基と結合させることができる。さらに、例えば熱処
理、アルカリ処理、界面活性剤処理などを行うことによ
り、固定化された生体関連物質を変成させる、あるい
は、細胞、菌体などの生材料から得られた生体関連物質
を使用する場合は、不要な細胞成分などを除去するとい
った処理を行うこともできる。なお、これらの処理は別
々に実施してもよく、同時に実施してもよい。また、生
体関連物質を含む試料を繊維に固定化する前に適宜実施
してもよい。
【0022】また、生体関連物質、例えば、核酸をゲル
に固定化させこのゲルを中空部に導入することもでき
る。ここで用いることのできるゲルの種類は特に限定さ
れず、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリ
ルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N−アクリ
ロイルアミノエトキシエタノール、N-アクリロイルアミ
ノプロパノ−ル、N-メチロールアクリルアミド、N-ビニ
ルピロリドン、ヒドロキシエチルメタクリレート、(メ
タ)アクリル酸、アリルデキストリン等の単量体の1種
類または2種類以上と、メチレンビス(メタ)アクリル
アミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト等との多官能性単量体を共重合したゲルが挙げられ
る。この場合の生体関連物質の固定化は、例えば核酸の
末端に重合可能な官能基を導入したものを調整し、これ
らと上記単量体及び重合開始剤を含む溶液を各繊維の中
空部に導入後、重合ゲル化させることによって行うこと
ができる。
【0023】前記のごとく作成した生体関連物質固定化
繊維は、複数本の繊維を配列し、樹脂等で包埋して、生
体関連物質固定化繊維配列体を作成する。または、複数
本の繊維を配列し樹脂等で包埋してから、個々の繊維に
生体関連物質を固定化しても良い。この、後者の方法の
方が、生体関連物質に与えるダメージ(即ちゲルや性体
験連物質が繊維から脱落したりする)が少なくて好まし
い。該配列体を繊維軸に直角にスライスすることによ
り、生体関連物質固定化繊維配列体薄片(本発明で言う
生体関連物質固定化マイクロアレイ)を得る。該配列体
薄片は、任意の繊維数を収束し、配列体を作成できる
が、単位面積当たりの繊維の本数が多く存在することが
好ましい。よって、繊維の外径は細い方が好ましく、1
mm以下、更に好ましくは0.5mm以下である。
【0024】また、前記検出光強度の低い材料を用いた
生体関連物質固定化マイクロアレイを用い、例えば、多
数遺伝子の一括発現解析を行う場合蛍光顕微鏡等を用
い、検出・解析を行うことができる。本発明の生体関連
物質固定化マイクロアレイは、バックグラウンドとなる
中空繊維の検出光強度が小さいために、中空繊維部を含
むアレイ全体を一括で撮影して検出することができ、且
つ検出に係る時間が短縮できるという利点がある。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。実施例、比較例の蛍光顕微鏡観察は、浜松ホトニク
ス製 冷却CCDカメラ C4880-37(512×512 素子、24μ
m正方画素)及びNikon製蛍光顕微鏡E600対物レンズ×1
0NA=0.3を用いて実施した。用いたフィルターはNi
kon社製蛍光試薬専用フィルタブロック〔励起波長:5
35±25nm、検出波長:610±38nm(Cy3フィルター)、
励起波長:620±30nm、検出波長:700±38nm(Cy5フィ
ルター)、励起波長:465〜495nm、検出波長:515〜5
55nm(FITCフィルター)〕の3種類である。
【0026】<参考例1> (a)蛍光標識オリゴヌクレオチドの合成 オリゴヌクレオチドの合成は、PEバイオシステムズ社の
自動合成機DNA/RNA synthesizer (model394)を用いて行
い、DNA合成の最終ステップで、5’末端にFITC、Cy3又
はCy5を導入したGCAT配列のオリゴヌクレオチドを合成
した。これらは、一般的手法によって脱保護及び精製し
て使用した(特開2000-245460号公報明細書参照)。
【0027】(b)メタクリレート基を有する蛍光標識
オリゴヌクレオチドの調製 (a)で得られた5’末端にFITC、Cy3又はCy5を有する
オリゴヌクレオチド(500nmol/ml)50μl及び、グリシ
ジルメタクリレート5μl、ジメチルホルムアミド(DM
F)5μlを混合し、70℃で2時間反応させて、メタクリレ
ート基を有する蛍光色素を調製し、水190μlを加えて、1
00nmol/mlのメタクリレート基を有する蛍光色素(GMA変
性FITC、GMA変性Cy3、GMA変性Cy5)を得た。
【0028】<実施例1> (1)中空部に蛍光分子が存在しない場合。 外径300μm、内径160μmのポリメチルメタアクリレート
(以下、PMMA)中空繊維(連続塊状重合で重合した光学
繊維用ペレットを溶融紡糸)を25本束ねて、その一端
部の約2cmは中空繊維の中空部が開口した状態になるよ
うにウレタン樹脂で固め、他端は樹脂で固めずに自由端
とした。この中空繊維束を予め調整した反応液(下記、
水溶液A)を入れた反応容器内において中空繊維の自由
端から反応液を中空繊維内に吸引により樹脂で固めた部
分まで充填した。水溶液充填後、窒素雰囲気下70℃で
3時間重合した。
【0029】 <水溶液A> ・アクリルアミド 4.5 質量部 ・N,N′−メチレンビスアクリルアミド 0.5 質量部 ・2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオン アミジン)ジヒドロクロライド 0.1 質量部 ・水 95 質量部
【0030】アクリルアミドゲルの重合を行った後、ブ
ロックを中空繊維軸に直角方向にスライスして厚さ約1
mmの薄片を得た。この薄片の切断面を前記の方法で蛍
光顕微鏡観察し、繊維断面の検出光強度を数値化した。
繊維部分の検出光強度は、Cy3フィルターを用いた場
合3500であった。また、同様にCy5フィルターを
用いた場合1000、FITCフィルターを用いた場合10
00であった。
【0031】(2)中空部にGMA変性蛍光標識オリゴヌ
クレオチドが存在する場合。 次に参考例で調整したGMA変性Cy3、GMA変性Cy5、GMA変
性FITCを所定の濃度含むアクリルアミド水溶液(下記、
水溶液B)をそれぞれ調整し、上記と同様にしてPMMAの
中空繊維中に固定化した。更に、同様に厚さ約1mmの薄
片を得て、上記蛍光分子を含まない場合と同一条件(即
ち励起光強度や検出光検出感度を同じくして)でそれぞ
れの薄片の中空部の蛍光強度を測定し、検出光強度を数
値化した。
【0032】中空部分の検出光強度は、Cy3フィルター
を用いた場合、4380であった。また、同様にCy5フィル
ターを用いた場合、1310、FITCフィルターを用いた場合
1070であった。
【0033】 <水溶液B> ・ GMA変性蛍光標識オリゴヌクレオチド (GMA変性Cy3:0.01 nmol/ml、又はGMA変性Cy5:0.005nmol/ml、又はGMA変性FITC :0.05nmol/ml) ・アクリルアミド 4.5 質量部 ・N,N′−メチレンビスアクリルアミド 0.5 質量部 ・2,2′−アゾビス(2−メチルプロピ オンアミジン)ジヒドロクロライド 0.1 質量部 ・水 95 質量部 結果を表1.に纏めた。
【0034】<比較例1>外径300μmのナイロン6
製中空繊維(溶融紡糸品)を25本束ねて、実施例1
(2)と同様にしてアクリルアミドゲルの重合を行った
後、ブロックを中空繊維軸に直角方向にスライスして厚
さ約1mmの薄片を得た。この薄片を実施例1と同様の
方法で蛍光顕微鏡観察し、繊維断面の検出光強度を数値
化した。検出光強度は、Cy3フィルターを用いた場合
8000であり、(式1)の条件を満たさなかった(B
/A=1.8>1)。Cy5フィルターを用いた場合1
700、FITCフィルターを用いた場合2250であり、
検出光バックグランドの高い生体関連物質プローブ固定
化アレーであった。
【0035】<比較例2>外径300μmのPMMA製中空
繊維(三菱レイヨン社製懸濁重合PMMA、溶融紡糸品)を
25本束ねて、実施例1(2)と同様にしてアクリルア
ミドゲルの重合を行った後、ブロックを中空繊維軸に直
角方向にスライスして厚さ約1mmの薄片を得た。この
薄片を実施例1と同様の方法で蛍光顕微鏡観察し、繊維
断面の検出光強度を数値化した。検出光強度は、Cy3
フィルターを用いた場合5300であり、(式1)の条
件を満たさなかった(B/A=1.2>1)。Cy5フ
ィルターを用いた場合1050、FITCフィルターを用い
た場合1300であり、検出光バックグランドの比較的
高い、生体関連物質プローブ固定化アレーであった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によって、生体関連物質を光学的
に検出する生体関連物質マイクロアレイについて、その
支持体である中空繊維或いはキャピラリーに透明な材料
を用いることによって、バックグラウンド強度に覆い隠
される低レベルの光学的な検出が可能となる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】 検出強度の高い中空繊維が包埋された薄片の
断面図である。
【図2】 検出強度の低い中空繊維が包埋された薄片の
断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 1/28 C12N 15/00 F 37/00 102 G01N 1/28 F (72)発明者 高橋 厚 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 村瀬 圭 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 2G052 AA28 AB16 AB20 AD06 AD32 AD52 BA16 BA22 ED03 GA11 GA32 JA13 4B024 AA11 CA01 CA11 HA14 4B029 AA07 AA23 BB20 CC11 FA12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空繊維の内壁及び/又は中空部に生体
    関連物質が固定化され、該繊維の繊維軸と交叉する切断
    面が2次元配列された生体関連物質プローブ固定化マイ
    クロアレイにおいて、該中空繊維が下記式を満足するこ
    とを特徴とする生体関連物質固定化マイクロアレイ。 B/A<1 [但し、Aは中空繊維の中空部に存在させた蛍光分子Cy3
    (濃度0.01nmol/ml)の蛍光強度を蛍光顕微鏡で該繊維
    切断面より検出したときの中空部の検出光強度、及びB
    は蛍光分子を存在させずに上記と同一条件で測定したと
    きの繊維部の検出光強度を示す。]
  2. 【請求項2】 中空繊維が、(メタ)アクリルモノマー
    の単独又は共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポ
    リエチレンテレフタレート、ポリカーボネートの群から
    選択される少なくとも1種のポリマーからなり、溶融紡
    糸で得られた繊維である生体関連物質固定化マイクロア
    レイ。
JP2001313869A 2001-10-11 2001-10-11 生体関連物質固定化マイクロアレイ Pending JP2003121439A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103644845A (zh) * 2013-12-20 2014-03-19 北京科技大学 一种核酸修饰的纳米纤维光学传感器及其制备方法

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