JP2000270878A - 核酸固定化ゲル保持中空繊維並びに該中空繊維配列体及びその薄片 - Google Patents

核酸固定化ゲル保持中空繊維並びに該中空繊維配列体及びその薄片

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JP2000270878A
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不二夫 湯
Fumiaki Watanabe
文昭 渡辺
Wataru Fujii
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Takashi Akita
隆 秋田
Kei Murase
圭 村瀬
Chiho Ito
千穂 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 核酸固定化ゲル保持中空繊維並びに核酸
固定化ゲル保持中空繊維配列体及びその薄片。 【効果】 核酸が任意に高密度且つ正確に配列された核
酸固定化ゲル保持中空繊維配列体の繊維断面を有する薄
片を再現性よく効率的に得ることができる。この薄片を
用いて、検体中の核酸の種類および量を調べることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸が固定化され
た高分子材料に関する。詳しくは、中空繊維の中空部に
核酸固定化ゲルが保持された核酸固定化ゲル保持中空繊
維並びに核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体及びその薄
片に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種生物におけるゲノムプロジェ
クトが進められており、ヒト遺伝子をはじめとして、多
数の遺伝子とその塩基配列が急速に明らかにされつつあ
る。配列の明らかにされた遺伝子の機能については、各
種の方法で調べることができるが、その有力な方法の一
つとして、明らかにされた塩基配列情報を利用した遺伝
子発現解析が知られている。例えば、ノーザンハイブリ
ダイゼーションに代表されるような、各種の核酸:核酸
間ハイブリダイゼーション反応や各種のPCR反応を利用
した方法が開発され、当該方法により各種遺伝子とその
生体機能発現との関係を調べることができる。しかしな
がら、これらの方法では適用し得る遺伝子の数に制限が
ある。したがって、今日のゲノムプロジェクトを通して
明らかにされつつあるような、一個体レベルという極め
て多数の遺伝子から構成される複雑な反応系全体からみ
ると、上記方法により遺伝子の総合的・系統的解析を行
うことは困難である。
【0003】最近になって、多数遺伝子の一括発現解析
を可能とするDNAマイクロアレイ法(DNAチップ
法)と呼ばれる新しい分析法、ないし方法論が開発さ
れ、注目を集めている。これらの方法は、いずれも核
酸:核酸間ハイブリダイゼーション反応に基づく核酸検
出・定量法である点で原理的には従来の方法と同じであ
るが、マイクロアレイ又はチップと呼ばれる平面基盤片
上に、多数のDNA断片が高密度に整列固定化されたも
のが用いられている点に大きな特徴がある。マイクロア
レイ法の具体的使用法としては、例えば、研究対象細胞
の発現遺伝子等を蛍光色素等で標識したサンプルを平面
基盤片上でハイブリダイゼーションさせ、互いに相補的
な核酸(DNAあるいはRNA)同士を結合させ、その
箇所を蛍光色素等でラベル後、高解像度解析装置で高速
に読みとる方法が挙げられる。こうして、サンプル中の
それぞれの遺伝子量を迅速に推定できる。即ち、この新
しい方法の本質は、基本的には反応試料の微量化と、そ
の反応試料を再現性よく多量・迅速・系統的に分析、定
量しうる形に配列・整列する技術との統合であると理解
される。
【0004】核酸を基盤上に固定化するための技術とし
ては、上記ノーザン法同様、ナイロンシート等の上に高
密度に固定化する方法の他、更に密度を高めるため、ガ
ラス等の基盤の上にポリリジン等をコーティングして固
定化する方法、あるいはシリコン等の基盤の上に短鎖の
核酸を直接固相合成していく方法などが開発されてい
る。
【0005】しかし、例えば、ガラス等の固体表面を化
学的又は物理的に修飾した基盤上に核酸をスポッティン
グ固定化する方法[Science 270, 467-470(1995)]は、ス
ポット密度でシート法より優れるものの、スポット密度
及びスポット当たり固定できる核酸量がシリコン基盤上
における直接合成法(U.S.Patent 5,445,934、U.S.Paten
t 5,774,305)と比較して少量であり、再現が困難であ
る点が指摘されている。他方、シリコン等の基盤の上に
フォトリソグラフィー技術を用い、多種の短鎖核酸をそ
の場で規則正しく固相合成していく方法に関しては、単
位面積当たりに合成しうる核酸種数(スポット密度)及
びスポット当たりの固定化量(合成量)、並びに再現性
等において、スポッティング法より優れるとされるもの
の、固定化しうる化合物種は、フォトリソグラフィーに
より制御可能な比較的短鎖の核酸に限られる。さらに、
高価な製造装置と多段の製造プロセスにより、チップ当
たりの大きなコストダウンが困難とされる。その他、微
小な担体上に核酸を固相合成しライブラリー化する手法
として、微小なビーズを利用する方法が知られている。
この方法は、チップ法より長鎖の核酸を多種・安価に合
成することが可能であり、またcDNA等より長鎖の核
酸も固定可能と考えられる。しかしながら、チップ法と
異なり、指定の化合物を指定の配列基準で再現性よく整
列させたものを作製することは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下、鎖
長によらず核酸を所定の濃度に固定化でき、測定可能な
形に高密度に再現よく配列化可能で、安価な大量製造に
適応しうる新たな体系的方法論の確立は、今後重要性を
増すと考えられる遺伝子解析に強く求められるものであ
り、本発明が解決しようとする課題である。
【0007】具体的には、本発明が解決しようとする課
題は、ナイロンシートやガラス基盤のような二次元担体
上への微量スポッティングや微量分注による核酸配列体
製造法に比べ、核酸固定化量が高く、単位面積あたり配
列される核酸分子種の高密度化が可能で、大量生産によ
り適した配列体、すなわち核酸が固定化された二次元的
(平面的)配列体(固定化核酸二次元配列体という)の
製造法の確立である。また、本発明が解決しようとする
課題はシリコン基盤上へのフォトリソグラフィーと固相
合成との組み合わせによる高密度オリゴ核酸配列体製造
法と比べ、cDNAを含む長鎖の核酸にも適応可能で、
製造コストのより低い固定化核酸二次元配列体製造法の
確立である。そこで、本発明は、核酸固定化ゲル保持中
空繊維並びに核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体及びそ
の薄片を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の如
き課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、核酸整列
化プロセスと固定化プロセスとを同一の二次元担体上で
行う従来法の発想を改め、核酸の固定化プロセスを一次
元構造体としての繊維上(1本の繊維上)に独立して行
い、それらの整列化プロセスに各種の繊維賦形化技術を
導入することにより三次元構造体としての繊維束を作製
し、得られる繊維束の切片化プロセスを経ることで、固
定化核酸二次元高密度配列体を作製し得ることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
中空繊維の中空部に核酸固定化ゲルが保持された核酸固
定化ゲル保持中空繊維である。
【0009】さらに、本発明は、前記核酸固定化ゲル保
持中空繊維の束を含む核酸固定化ゲル保持中空繊維配列
体である。該配列体としては、例えば配列体中の繊維が
規則的に配列されたものが挙げられ、1cm2あたり1
00本以上の繊維を含むものが挙げられる。また、核酸
固定化ゲルに含まれる核酸の種類としては、各繊維の全
部又は一部において異なるものが挙げられる。さらに、
本発明は、前記核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体の繊
維軸と交差する切断面を有する、前記核酸固定化中空繊
維配列体の薄片である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、核酸が固定化されたゲルを保持する中空繊維
(以下、「核酸固定化ゲル保持中空繊維」ともいう。)
である。本発明において、ゲルに固定化する対象となる
核酸としては、デオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸
(RNA)が挙げられる。本発明に用いる核酸は、市販
のものでもよく、また、生細胞などから得られた核酸で
もよい。
【0011】生細胞からのDNA又はRNAの調製は、
公知の方法、例えばDNAの抽出については、Blinらの
方法( Blin et al., Nucleic Acids Res. 3: 2303 (19
76))等により、また、RNAの抽出については、Faval
oroらの方法( Favaloro etal., Methods Enzymol.65:
718 (1980))等により行うことができる。固定化する核
酸としては、更に、鎖状若しくは環状のプラスミドDN
Aや染色体DNA、これらを制限酵素により若しくは化
学的に切断したDNA断片、試験管内で酵素等により合
成されたDNA、あるいは、化学合成したオリゴヌクレ
オチド等を用いることもできる。
【0012】本発明に用いることができるゲルの種類は
特に制限されないが、例えばアクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルア
ミド、N−アクリロイルアミノエトキシエタノール、N
−アクリロイルアミノプロパノール、N−メチロールア
クリルアミド、N−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、(メタ)アクリル酸、アリルデキス
トリン等の単量体の一種類または二種類以上と、メチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート等との多官能性単量体を共重
合したゲルを用いることができる。その他本発明に用い
ることのできるゲルとして、例えばアガロース、アルギ
ン酸、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリエチ
レングリコール等のゲル、またはこれらを架橋したゲル
を用いることができる。
【0013】本発明では、核酸をそのままゲルに固定化
してもよく、また、核酸に化学的修飾を施した誘導体
や、必要に応じて変成させた核酸を固定化してもよい。
核酸のゲルへの固定化には、ゲルに物理的に包括する方
法や、ゲル構成成分への直接的な結合を利用してもよ
く、核酸を一旦高分子体や無機粒子などの担体に共有結
合又は非共有結合により結合させ、その担体をゲルに固
定化してもよい。
【0014】例えば、核酸の末端基にビニル基を導入し
(WO98/39351)、アクリルアミド等のゲルの構成成分
と共重合させることができる。共重合においては、単量
体、多官能性単量体及び重合開始剤と共に共重合する方
法、単量体及び重合開始剤と共に共重合したのち、架橋
剤でゲル化する方法などがある。また、アガロースを臭
化シアン法でイミドカルボネート化しておき、末端アミ
ノ化した核酸のアミノ基と結合させてからゲル化するこ
ともできる。この際、核酸固定化したアガロースと他の
ゲル(例えばアクリルアミドゲル等)との混合ゲルにし
てもよい。
【0015】その他の方法としては、高分子粒子や無機
粒子等の担体に核酸を結合し、該粒子を上述のゲルに包
括固定化する方法が挙げられる。例えば、ビオチン化し
た核酸とアビジン化したアガロースビーズ(シグマ社製
アビジン化アガロース等)を反応させることによっ
て、核酸が固定化されたアガロースビーズを得ることが
できる。核酸固定化アガロースビーズはアクリルアミド
ゲル等に包括固定化することができる。
【0016】また、ゲルや担体への結合においては、グ
ルタルアルデヒドや1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等の架橋剤を用い
て結合させることもできる。核酸の一般的な化学的修飾
としては、アミノ化、ビオチン化、ディゴキシゲニン化
等が知られているが[Current Protocols In Molecular
Biology, Ed.; Frederick M. Ausubel et al.(1990)、
脱アイソトープ実験プロトコール(1)DIGハイブリダ
イゼーション(秀潤社)]、本発明ではこれらのいずれ
の修飾法も採用することができる。一例として、核酸へ
のアミノ基導入に関して説明する。
【0017】アミノ基を有する脂肪族炭化水素鎖と一本
鎖核酸との結合位置は特に限定されるものではなく、核
酸の5’末端または3’末端のみならず核酸の鎖中(例
えば、リン酸ジエステル結合部位または塩基部位)であ
ってもよい。この一本鎖核酸誘導体は、特公平3-74239
号公報、米国特許4,667,025号、米国特許4,789,737号等
に記載の方法にしたがって調製することができる。この
方法以外にも、例えば、市販のアミノ基導入用試薬[例
えば、アミノリンクII(商標名);PEバイオシステム
ズジャパン社、Amino Modifiers(商標名);クロンテ
ック社]などを用いて、又はDNAの5’末端のリン酸
にアミノ基を有する脂肪族炭化水素鎖を導入する周知の
方法(Nucleic Acids Res.,11(18),6513-(1983) )にし
たがって調製することができる。本発明において、核酸
固定化ゲル保持中空繊維として用いることができる中空
繊維としては、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然
繊維等が挙げられる。
【0018】合成繊維の代表例としては、ナイロン6、
ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系の各
種繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等のポリエ
ステル系の各種繊維、ポリアクリロニトリル等のアクリ
ル系の各種繊維、ポリエチレンやポリプロピレン等のポ
リオレフィン系の各種繊維、ポリビニルアルコール系の
各種繊維、ポリ塩化ビニリデン系の各種繊維、ポリ塩化
ビニル系繊維、ポリウレタン系の各種繊維、フェノール
系繊維、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエ
チレン等からなるフッ素系繊維、ポリアルキレンパラオ
キシベンゾエート系の各種繊維などが挙げられる。
【0019】半合成繊維の代表例としては、ジアセテー
ト、トリアセテート、キチン、キトサン等を原料とした
セルロース系誘導体系各種繊維、プロミックスと呼称さ
れる蛋白質系の各種繊維などが挙げられる。再生繊維の
代表例としては、ビスコース法や銅−アンモニア法、あ
るいは有機溶剤法により得られるセルロース系の各種再
生繊維(レーヨン、キュプラ、ポリノジック等)などが
挙げられる。天然繊維の代表例としては、亜麻、苧麻、
黄麻などが挙げられる。これらの植物繊維は、中空状の
繊維形態を示すので本発明に用いることができる。
【0020】天然繊維以外の中空繊維は、特殊なノズル
を用いて公知の方法で製造することができる。ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリオレフィン等は溶融紡糸法が好
ましく、ノズルとしては馬蹄型やC型ノズル、2重管ノ
ズルなどを使用することができる。本発明においては、
連続した均一な中空部を形成させることができる点で2
重管ノズルを用いるのが好ましい。溶融紡糸ができない
合成高分子、半合成繊維又は再生繊維に用いられる高分
子の紡糸は溶剤紡糸が好ましく用いられる。この場合
も、溶融紡糸と同じく2重管ノズルを用いて、中空部に
芯材として適切な液体を充填しながら紡糸することによ
り連続した中空部を有する中空繊維を得ることができ
る。
【0021】本発明に用いる繊維は、特にその形態が規
定されるものではない。また、モノフィラメントであっ
てもよく、マルチフィラメントであってもよい。さら
に、短繊維を紡績した紡績糸でもよい。尚、マルチフィ
ラメントや紡績糸の繊維を用いる場合には、核酸固定化
ゲルの保持に、単繊維間の空隙等を利用することも可能
である。本発明に用いる中空繊維は、無処理の状態でそ
のまま用いてもよいが、必要に応じて、反応性官能基を
導入したものであってもよく、また、プラズマ処理やγ
線、電子線などの放射線処理を施したものであってもよ
い。
【0022】核酸固定化ゲル保持中空繊維を作製する方
法は、特に制限されるものではないが、中空繊維とゲル
との間における各種化学的又は物理的な相互作用、すな
わち繊維が有している官能基と、ゲルを構成する成分と
の間の化学的又は物理的な相互作用を利用することがで
きる。例えば単量体、多官能性単量体、開始剤及び核酸
または末端にビニル基を有する核酸を混合した液に繊維
を浸し重合、ゲル化させる方法が挙げられる。また、単
量体、多官能性単量体、開始剤及び高分子粒子や無機粒
子等の担体に核酸を結合したものを混合した液に中空繊
維を浸し重合、ゲル化させる方法が挙げられる。
【0023】その他に、単量体、開始剤及び末端にビニ
ル基を有する核酸を共重合したものと架橋剤を混合した
液に中空繊維を浸しゲル化する方法、単量体を開始剤で
重合したもの、架橋剤および核酸または高分子粒子や無
機粒子等の担体に核酸を結合した粒子を混合した液に中
空繊維を浸しゲル化する方法、核酸を固定化したアガロ
ース等を加熱溶解し、中空繊維を浸し、冷却ゲル化させ
る方法等が挙げられる。また、上記核酸を含む液を中空
繊維の中空部に注入することにより、中空部のみに核酸
固定化ゲルを保持させることができる。
【0024】本発明においては、中空繊維の中空部に核
酸固定化ゲルを保持できるのが特徴であるが、中空部に
保持したのと同様、その繊維の外壁部にも保持すること
ができる。従って、繊維断面から見れば外壁部及び中空
部の両方に固定化が可能であり、単位断面積あたりの核
酸固定量が通常の繊維に比べて大きくできることが特徴
である。また、中空部にのみ核酸固定化ゲルを保持した
場合は、配列体を作製(後述)するときに使用する接着
剤が付着しないため、有効に(接着剤の影響を受けるこ
となく正確に)固定化核酸プローブとして使用すること
ができる。
【0025】上述の方法により得られた核酸固定化ゲル
保持中空繊維は、ゲルが破壊されない限りにおいて適当
な処理をすることができる。例えば、熱処理、アルカリ
処理、界面活性剤処理などを行うことにより、固定化さ
れた核酸を変成させる。あるいは、細胞、菌体などの生
材料から得られた核酸を使用する場合は、不要な細胞成
分などを除去する。そして、処理後の核酸固定化ゲル保
持中空繊維を核酸を検出する材料として用いることがで
きる。なお、これらの処理は別々に実施してもよく、同
時に実施してもよい。また、核酸を含む試料を中空繊維
内部に保持する前に、適宜実施してもよい。
【0026】上記の通り調製された核酸固定化ゲル保持
中空繊維は、本発明の核酸固定化ゲル保持中空繊維配列
体を構成する基本単位とすることができる。そして、こ
れらの核酸固定化ゲル保持中空繊維を集束した後に接着
して、核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体となすことが
できる。この際、核酸固定化ゲル保持中空繊維を規則的
に配列し、樹脂接着剤等で接着することにより、例え
ば、縦横に核酸固定化ゲル保持中空繊維が整然と規則的
に配列した核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体を得るこ
とができる。核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体の形状
は特に限定されるものではないが、通常は、繊維を規則
的に配列させることにより正方形又は長方形に形成され
る。
【0027】「規則的に」とは、一定の大きさの枠の中
に含まれる核酸固定化ゲル保持中空繊維の本数が一定と
なるように順序よく配列させることをいう。例えば、直
径1mmの核酸固定化ゲル保持中空繊維を束にして断面
が縦10mm、横10mmの正方形となるように配列さ
せようとする場合は、その正方形の枠内(1cm2)に
おける1辺に含まれる核酸固定化ゲル保持中空繊維の数
を10本とし、この10本の核酸固定化ゲル保持中空繊維を
1列に束ねて1層のシートとした後、このシートが10層に
なるように重ねる。その結果、縦に10本、横に10本、合
計100本の核酸固定化ゲル保持中空繊維を配列させるこ
とができる。但し、核酸固定化ゲル保持中空繊維を規則
的に配列させる手法は、上記のようにシートを重層する
ものに限定されるものではない。
【0028】この場合に、特定の核酸が固定化された核
酸固定化ゲル保持中空繊維の位置があらかじめ決められ
た状態で配列することが望ましいが、必ずしもそのよう
に配列させる必要はない。その理由は、配列体を形成し
た段階では特定の核酸を固定化した核酸固定化ゲル保持
中空繊維がどの位置に存在するのかが不明でも、配列体
の断面を切断した後、一旦ハイブリダイゼーション手法
等を用いて断面における核酸の配置位置を決定すること
により、特定の核酸が固定された核酸固定化ゲル保持中
空繊維の位置を確認することができるためである。従っ
て、この手法を用いて、一度、薄片内に配置された複数
種類の核酸の位置を決定しておけば、同一配列体から得
られる薄片はすべて同一の位置配置であるので、同一配
列体から得られるすべての薄片の核酸の位置配置がわか
る。
【0029】なお、本発明において束にする核酸固定化
ゲル保持中空繊維の本数は100本以上、好ましくは
1,000〜10,000,000本であり、目的に応じ
て適宜設定することができる。但し、配列体における核
酸固定化ゲル保持中空繊維の密度が、1cm2当たり1
00〜1,000,000本となるように調製することが
好ましい。そして、高密度に核酸が固定化された配列体
の薄片を得るべく核酸固定化ゲル保持中空繊維を配列さ
せるためには、核酸固定化ゲル保持中空繊維の太さは細
い方が好ましい。本発明の好ましい実施態様において
は、核酸固定化ゲル保持中空繊維1本の太さは1mm以
下であることが必要である。
【0030】核酸固定化ゲル保持中空繊維が直径50μ
mのモノフィラメントの場合、1cmあたり200本の
繊維を配列させることができるため、1cm2の正方形
内に配列させることのできる繊維の本数は40,000
本である。したがって、この場合は1cm2あたり最高
40,000種類の核酸を固定化することができる。ゲ
ルに固定化されている核酸の種類は、配列体中の各繊維
ごとにそれぞれ異なるものとすることが可能であり、ま
た、同一の核酸が固定化された繊維から任意の本数の繊
維を選択し、その選択された繊維を束ねて適宜配列させ
ることも可能である。即ち、本発明によれば、固定化さ
れた核酸の種類と配列の順序に関しては、目的に応じて
任意に設定することが可能である。
【0031】本発明においては、上述の核酸固定化ゲル
保持中空繊維配列体を繊維軸と交差する方向、好ましく
は繊維軸に対して垂直方向に切断することにより、任意
に配列された核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体断面を
有する薄片を得ることができる。この際の切断方法とし
ては、例えば、ミクロトームを用いて配列体から薄片を
切り出す方法等が挙げられる。薄片の厚みに関しては任
意に調整することができるが、通常1〜5,000μ
m、好ましくは10〜2,000μmである。
【0032】得られた核核酸固定化ゲル保持中空繊維配
列体断面を有する薄片には、該配列体を構成する核酸固
定化ゲル保持中空繊維の数に応じた核酸が存在する。薄
片の断面積あたりの核酸の数に関しては、用いる核酸固
定化ゲル保持中空繊維の外径や配列体作製時の方法等を
適宜選択することにより、薄片断面積1cm2あたり1
00個以上の核酸が固定化された薄片を作製することが
可能であり、更には、薄片断面積1cm2あたり100
0個以上の核酸が固定化された薄片を作製することも可
能である。
【0033】これら薄片は、固定化された核酸をプロー
ブとして、検体と反応させてハイブリダイゼーションを
行うことにより、検体中の特定の塩基配列を有する核酸
の検出に用いることができる。本発明で言うプローブと
は、狭義には検出すべき遺伝子の塩基配列に相補的な塩
基配列を有する核酸を指す。即ち、本発明の核酸固定化
ゲル保持中空繊維配列体断面を有する薄片を検体と反応
させてハイブリダイゼーションを行い、プローブと相補
的な検体中に存在する核酸とのハイブリッドを形成さ
せ、このハイブリッドを検出することにより、目的とす
る塩基配列を有する検体中の核酸を検出することができ
る。また、本発明で言うプローブとは、広義には検体中
に存在するするタンパク質や低分子化合物等と特異的に
結合することができる核酸を指す。従って、これらの薄
片の利用法としては、固定化された核酸(プローブ)と
ハイブリッドを形成する核酸を検出するための利用に留
まらず、固定化された核酸と特異的に結合するタンパク
質や低分子化合物等の各種試料(例えば生体成分等)を
検出するための利用が挙げられる。
【0034】固定化された核酸とハイブリッドを形成す
る核酸や、固定化された核酸と特異的に結合する各種生
体成分の検出には、公知の手段を用いることができる。
例えば、検体中の核酸、タンパク質又は低分子化合物等
に、蛍光物質、発光物質、ラジオアイソトープなどの標
識体を作用させ、この標識体を検出することができる。
これら標識体の種類や標識体の導入方法等に関しては、
何ら制限されることはなく、従来公知の各種手段を用い
ることができる。
【0035】
【実施例】本発明を以下の実施例によって更に詳細に説
明する。但し、本発明はこれら実施例によりその技術的
範囲が限定されるものではない。 参考例1 中空繊維の前処理(1):ナイロン製中空繊維(外径約
300μm)約1mの中空部に、室温の蟻酸(純度99
%)0.1mlを注入し、10秒間保持した。次に、中
空部に室温の水を多量に注入して十分洗浄後、乾燥し
て、ナイロン製中空繊維の前処理を行った。 参考例2 中空繊維の前処理(2):蟻酸(純度99%)の代り
に、硫酸の10%エタノール溶液を用いた以外は、実施
例1と同様にナイロン製中空繊維のた前処理を行った。
【0036】参考例3 5'末端にアミノ基またはビオチンを有するオリゴヌクレ
オチドの調製:以下に示したオリゴヌクレオチド(プロ
ーブA、プローブB)を合成した。 プローブA: GCGATCGAAACCTTGCTGTACGAGCGAGGGCTC(配
列番号1) プローブB: GATGAGGTGGAGGTCAGGGTTTGGGACAGCAG(配列
番号2)
【0037】オリゴヌクレオチドの合成はPEバイオシ
ステムズ社の自動合成機DNA/RNA synthesizer (model39
4)を用いて行い、DNA合成の最終ステップで、アミノ
リンクII(商標名)(アプライドバイオシステム社)を
用いてそれぞれのオリゴヌクレオチドの5′未端にNH
2(CH26−を導入しアミノ化したプローブを、およ
びビオチンアミダイトを用いてビオチン化したプローブ
を調製した。これらは、一般的手法により脱保護及び精
製して使用した。
【0038】実施例1 核酸固定化ゲル保持中空繊維の
作製(1):参考例3で得られた5'末端にビオチン基を有
するオリゴヌクレオチドを含む、以下の組成からなる水
溶液を作製した。 アクリルアミド 3.7重量部 メチレンビスアクリルアミド 0.3重量部 2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩 0.1重量部 ビオチン化オリゴヌクレオチド(プローブAまたはプローブB) 0.005重量部 アビジン化アガロース(6%)懸濁液 1.0重量部
【0039】本溶液を、参考例1及び参考例2で前処理
したナイロン製中空繊維(外径300ミクロン)の中空
部に注入した後、内部が水蒸気で飽和された密閉ガラス
容器に移し、80℃にて4時間放置することにより重合
反応を行った。その結果、オリゴヌクレオチド(プロー
ブAまたはプローブB)がビオチン−アビジン結合を介
して固定化されたゲルを内部に保持する中空繊維が得ら
れた。図1において、(1)はプローブAが固定されたゲル
を保持する中空繊維、(2)はプローブBが固定されたゲル
を保持する中空繊維を表す。また、(3)及び(4)の繊維束
のうち白丸(○)で表示した繊維はプローブAが固定化
されたものを、黒丸(●)で表示した繊維はプローブB
が固定されたものを表す。
【0040】実施例2 核酸固定化ゲル保持中空繊維の作製(2):ナイロン製中
空繊維の代わりに、表面を親水化処理したポリエチレン
製中空繊維(外径約300μm、ポリエチレン−ビニル
アルコール共重合体で表面を被覆)を用いて、実施例1
と同様の方法により、核酸固定化ゲル保持中空繊維を得
た。
【0041】実施例3 核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体の作製:実施例1で
得たプローブA固定化ゲルを保持するナイロン中空繊維
(参考例1の表面処理を行ったもの、長さ20cm)2
0本を、テフロン板上に互いに重なることなく且つ密着
させて配列し、両端を固定した。これに、ポリウレタン
樹脂接着剤(日本ポリウレタン工業(株)コロネート440
3、ニッポラン4223)を薄く塗布し、ポリウレタン樹脂が
十分に固まった後、これをテフロン板上から剥がし、プ
ローブA固定化ゲルを保持する中空繊維が一列に配列し
たシート状物を得た。一方、プローブB固定化ゲルを保
持する中空繊維についても、同様の操作によりシート状
物を得た。次いで、これらのシート状物を図1(3)の
配列となるように20枚積層し、上記接着剤を使用して
接着し、縦横各々20本ずつ、計400本の繊維が規則
的に正方に配列した核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体
を得た。参考例2により表面処理を行った繊維に対して
も同様の操作により核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体
を得た。さらに、実施例2で得られた核酸固定化ゲル保
持中空繊維についても、上記と同様にして核酸固定化ゲ
ル保持中空繊維配列体を得た。
【0042】実施例4 核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体の薄片の作製:実施
例3で得られた核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体を、
繊維軸に直角方向にミクロトームを用いて100μmの
厚さに切り出すことにより、縦横各々20本、計400
本の繊維断面が規則的に正方に配列された核酸固定化ゲ
ル保持中空繊維配列体の薄片を得た(図1(4))。
【0043】参考例4 試料核酸の標識:試料核酸のモデルとして、参考例3で
合成したオリゴヌクレオチド(プローブA、プローブ
B)の配列の一部に相補的なオリゴヌクレオチド(C,
D)を合成した。 オリゴヌクレオチドC:GAGCCCTCGCTCGTACAGCAAGGTTTCG
(配列番号3) オリゴヌクレオチドD:CTGCTGTCCCAAACCCTGACCTCCACC
(配列番号4)
【0044】これらのオリゴヌクレオチドの5'末端を、
参考例3と同様にしてアミノリンクII(商標名)(PE
バイオシステムズジャパン社)を用いてそれぞれのオリ
ゴヌクレオチドの5′未端にNH2(CH26−を導入
した後、以下のようにしてディゴキシゲニン(DIG: Digo
xigenin、ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)で
標識した。末端アミノ化されたオリゴヌクレオチドをそ
れぞれ100 mMホウ酸緩衝液(pH8.5)に終濃度2 mMになる
ように溶かした。等量のDigoxigenin-3-O-methylcarbon
yl-ε-aminocapronic acid-N-hydroxy-succinimide est
er (26mg / mlジメチルホルムアミド溶液)を加え、室温
にて一晩静置した。
【0045】量を100μlに調整し、2μlのグリコーゲン
(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)、10μl
の3M酢酸ナトリウム(pH5.2)、300μlの冷エタノールを加
え、15,000rpm 15分の遠心により沈殿を回収した。沈殿
に500μlの70%エタノールを加え15,000rpm 5分の遠心に
より沈殿を再びチューブの底に集めた。沈殿を風乾し、
100μlの10 mM Tris-HCl (pH7.5),1 mM EDTAに溶かし
た。こうして得られたDIG標識オリゴヌクレオチドを試
料核酸のモデルとして用いた。
【0046】参考例5 ハイブリダイゼーション:実施例4で作製した核酸固定
化ゲル保持中空繊維配列体薄片をハイブリダイゼーショ
ン用のバッグに入れ、以下の組成からなるハイブリダイ
ゼーション溶液を注ぎ込み、45℃で30分間プレハイブ
リダイゼーションを行った。参考例4で得られたDIG
標識DNAを加え、45℃で15時間ハイブリダイゼー
ションを行った。
【0047】
【0048】参考例6 検出:ハイブリダイゼーション終了後、核酸固定化ゲル
保持中空繊維配列体薄片を、あらかじめ保温しておいた
50mlの0.1 x SSC, 0.1% SDS溶液に移し、振盪しな
がら20分間の洗浄を45℃で3回行った。DIG緩衝液1
を加え、室温で振盪しながらSDSの除去を行った。これ
を再度繰り返した後、DIG緩衝液2を加え1時間振盪し
た。緩衝液を除いた後、DIG緩衝液2に10000分の1量の
抗DIGアルカリフォスファターゼ標識抗体溶液を加えた
溶液10mlを加え、30分間ゆっくり振盪させることによ
り抗原抗体反応を行わせた。次に0.2% Tween 20を含むD
IG緩衝液1で15分間2回振盪することにより洗浄し、引
き続き DIG緩衝液3に3分間浸した。 DIG緩衝液3を除
いた後、AMPPDを含むDIG緩衝液3mlを加え、10分間平衡
化した。
【0049】水分をきり、新しいハイブリダイゼーショ
ン用バッグに移し、37℃で1時間おいた後、X線フィル
ム用のバインダーにX線フィルムとともに挟みフィルム
を感光させた。その結果、何れも、プローブAが配置さ
れた場所には、オリゴヌクレオチドCが結合し、プロー
ブBが配置された場所には、オリゴヌクレオチドDが結
合していることが確認された。
【0050】DIG緩衝液1: 0.1 Mマレイン酸、0.15M塩
化ナトリウム(pH7.5) DIG緩衝液2: DIG緩衝液1に0.5%濃度でブロッキング
試薬を添加したもの DIG緩衝液3: 0.1 Mトリス−塩酸(pH9.5)、0.1 M塩化
ナトリウム、0.05M塩化マグネシウム ブロッキング試薬 : 抗DIGアルカリフォスファター
ゼ標識抗体溶液および AMPPDはDIG Detectionキット
(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)中の試薬
である。
【0051】
【発明の効果】本発明により、核酸固定化ゲル保持中空
繊維並びに核核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体及びそ
の薄片が提供される。本発明によれば、核酸が任意に高
密度且つ正確に配列された核酸固定化ゲル保持中空繊維
配列体の繊維断面を有する薄片を再現性よく効率的に得
ることができる。この薄片を用いて、検体中の核酸の種
類および量を調べることができる。
【0052】本発明を従来法と比較した利点、有用性と
しては、例えば、固定化プロセスを二次元平面上で行わ
ず、一次元構造体としての繊維上で分離・独立して行う
ことにより、鎖長によらず核酸の定量的固定が可能とな
ったこと、整列化プロセスに各種の繊維腑形化技術、な
いし織物作製技術の導入による高密度化が可能となった
こと、また、その結果得られる選られる三次元構造体と
しての繊維束から目的とする二次元配列体を作製するた
め、従来法にはない薄片化プロセスが新たに導入された
が、それに伴いスポッティング法のような誤差の多い微
量分注操作が不要となり、連続切片化を通した多量生産
が可能となったこと等があげられる。
【0053】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> MITSUBISHI RAYON CO., LTD. <120> A HOLLOW FIBER HOLDING NUCLEIC ACID-FIXED GEL, AN ARRAY OF THE F IBERS AND A SLICE OF THE ARRAY <130> P99-0166 <140> <141> <160> 4 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 1 gcgatcgaaa ccttgctgta cgagcgaggg ctc 33 <210> 2 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 2 gatgaggtgg aggtcagggt ttgggacagc ag 32 <210> 3 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 3 gagccctcgc tcgtacagca aggtttcg 28 <210> 4 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 4 ctgctgtccc aaaccctgac ctccacc 27
【0054】
【配列表フリーテキスト】
配列番号1:合成DNA 配列番号2:合成DNA 配列番号3:合成DNA 配列番号4:合成DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は核酸固定化ゲル保持中空繊維並びに核酸
固定化ゲル保持中空繊維配列体及びその薄片の模式図で
ある。(1)はプローブAが固定化された核酸固定化ゲル
保持中空繊維、(2)はプローブBが固定化された核酸固
定化ゲル保持中空繊維、(3)はこれら2種の核酸固定化
ゲル保持中空繊維からなる核酸固定化ゲル保持中空繊維
配列体、及び(4)はこの核酸固定化ゲル保持中空配列体
を繊維軸に対して垂直方向に切断した断面を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 渉 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 三 菱レイヨン株式会社化学品開発研究所内 (72)発明者 秋田 隆 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 村瀬 圭 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 伊藤 千穂 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA20 BA80 CA09 HA11 4B029 AA21 BB20 CC05 CC12 4B063 QA01 QA13 QQ42 QR32 QR55 QS34 QX01 4L033 AB02 AC15 BA45 BA76 CA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空繊維の中空部に核酸固定化ゲルが保
    持された核酸固定化ゲル保持中空繊維。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の核酸固定化ゲル保持中空
    繊維の束を含む核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体。
  3. 【請求項3】 繊維配列体中の繊維が規則的に配列され
    たものである請求項2記載の核酸固定化ゲル保持中空繊
    維配列体。
  4. 【請求項4】 繊維の束が、1cm2あたり100本以
    上の繊維を含むものである請求項2又は3記載の核酸固
    定化ゲル保持中空繊維配列体。
  5. 【請求項5】 核酸の種類が、各繊維の全部又は一部に
    おいて異なるものである請求項2〜4のいずれか1項に
    記載の核酸固定化ゲル保持中空繊維配列体。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1項に記載の繊
    維配列体の繊維軸と交差する切断面を有する、前記核酸
    固定化ゲル保持中空繊維配列体の薄片。
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