JP2002340900A - バイオセンサー、バイオセンサーアレイ及び検出方法 - Google Patents

バイオセンサー、バイオセンサーアレイ及び検出方法

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JP2002340900A
JP2002340900A JP2001149141A JP2001149141A JP2002340900A JP 2002340900 A JP2002340900 A JP 2002340900A JP 2001149141 A JP2001149141 A JP 2001149141A JP 2001149141 A JP2001149141 A JP 2001149141A JP 2002340900 A JP2002340900 A JP 2002340900A
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biosensor
optical fiber
fiber
biopolymer
probe
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JP2001149141A
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Yoko Miyauchi
陽子 宮内
Takashi Akita
隆 秋田
Chiho Ito
千穂 伊藤
Teruhiro Ishimaru
輝太 石丸
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバーに、生体高分子を固定した中空
繊維が配置されたバイオセンサー及び生体関連物質の検
出方法の提供。 【解決手段】 光ファイバーの一端に、生体高分子プロ
ーブが固定化された中空繊維を配置してなるバイオセン
サー、及び前記バイオセンサー中の生体高分子プローブ
に蛍光標識した被検物質を捕捉させ、該物質から発せら
れる蛍光強度を検出することを特徴とする物質の検出方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、光ファイバーに、
生体高分子を固定した中空繊維が配置されたバイオセン
サー及び生体関連物質の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバーの端面に生体物質を固定化
した物質を設け、被検物質の検出を行う装置として、い
くつかのものが知られている。特開平6-341957号公報に
は、複数本の光ファイバーを束ねた先端に透明電極を具
備し、一種類の生体高分子を担持したゲル状高分子が形
成されているセンサーが示されている。また、特表2000
-505281号公報、及びDavit R.Waltらによると(NATURE
BIOTECHNOLOGY Vol.14 1681-1684(1996))、一本一本の
光ファイバーの先端に、核酸等の生体高分子を直接結合
したセンサー、あるいはマトリックス重合体との混合物
として結合したセンサーが開示されている。さらに、WO
98/50782には、光ファイバー先端で生体高分子プローブ
を含んだゲルを重合する方法で生体高分子を固定化する
センサーが示されている。
【0003】しかし、上記従来の発明においては、複数
本の光ファイバーを束ねた先端に、連続したゲル状高分
子が形成されているため、複数の生体高分子を固定化し
た場合には、それぞれの生体高分子に起因する信号を分
離することが困難であり、担持できる生体高分子の種類
は基本的に1種類に制限される。また、光ファイバーの
先端に直接生体高分子を結合させた場合では、固定化で
きる生体高分子の量が非常に少ないという問題があっ
た。さらに、ゲルを光ファイバー先端に直接密着させた
ファイバーでは、ファイバー先端のゲル部分へ一定量の
プローブを固定化することが難しく、また、周囲からの
刺激によって、ゲルが簡単に脱落するという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光ファイバ
ーに、生体高分子を固定した中空繊維が配置されたバイ
オセンサー及び生体関連物質の検出方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、本発明者らは光ファイ
バーの一端に、生体高分子プローブが固定化された中空
繊維を結合した光ファイバーを介して、該プローブに補
足された物質を光学的に検出することにより、上記課題
が解決されることを見いだし、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は以下の通りである。 (1) 光ファイバーの一端に、生体高分子プローブが固定
化された中空繊維を配置してなるバイオセンサー。 (2) 生体高分子プローブが固定化された中空繊維を、以
下の(a)の芯部又は(b)の空洞部に配置してなるバイオセ
ンサー (a) マルチコアを有する光ファイバーの一端の海材を除
去して露出させた芯部 (b) マルチコアを有する光ファイバーの一端の芯材を除
去して形成させた空洞部 上記(1)及び(2) のバイオセンサーにおいて、光ファイ
バーとしてはマルチコアを有するものが挙げられ、生体
高分子プローブとしては、高分子ゲルを介して固定化さ
れたものが挙げられる。また、中空繊維は光学的に透明
な樹脂からなるもの、例えばアクリル系モノマー若しく
はメタクリル系モノマーの単独若しくは共重合体、ポリ
エチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート
又はポリカーボネートからなるものを用いることが好ま
しい。
【0007】(3) 上記バイオセンサーを配列してなるバ
イオセンサーアレイ。 (4) 上記バイオセンサー又はバイオセンサーアレイ中の
生体高分子プローブに蛍光標識した被検物質を捕捉さ
せ、該物質から発せられる蛍光強度を検出することを特
徴とする物質の検出方法。 上記検出方法において、被検物質の捕捉は、上記バイオ
センサー又は上記バイオセンサーアレイに電極の一方を
配置し、試料溶液中に他方の電極を配置して、電気泳動
により移動させることにより行うことができる。以下、
本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のバイオセンサーは、光フ
ァイバーの一端に中空繊維が配置された構成を基本的特
徴としている(図3、図2(a))。「配置」とは、光フ
ァイバーと中空繊維とを連結又は接続することを意味す
る。図2(a)において、中空繊維1の内壁部に、生体関
連物質と結合することができる生体高分子プローブ2が
固定化されたものを一つの態様として挙げることができ
る。「一端」とは、光ファイバーの先端部の一部の領域
を意味し、他端は検出装置に配置されている。高分子プ
ローブに、例えば、蛍光標識した被検物質を結合させて
励起光を照射すると、被検物質から蛍光等が発せられる
ため、その蛍光強度等を光ファイバーを介して測定する
ことにより、生体関連物質を検出することができる。
【0009】また、図2(a)において、光ファイバーは
ガラス製又はプラスティック製であり、光が伝搬する屈
折率の高い芯の部分(コア4)と、その外周部分(クラ
ッド3)の二重構造からなっている。コア4とクラッド
3との境界に屈折率の段差があるものを全反射型(ステ
ップインデックス型(SI型))と呼び、コア4の中心
と周辺とで屈折率が連続的に変わっているものを光収束
型(グレーデッドインデックス型(GI型))と呼ぶ。
本発明に使用される光ファイバーは、上記いずれの型の
ものを使用することができる。
【0010】また、1本の光ファイバー中に複数のコア
を有するマルチコア光ファイバーも、本発明において使
用することができる。マルチコア光ファイバーとして、
上記SI型又はGI型光ファイバーが規則的に3次元の状態
で配列され束ねられたもの、又は複合繊維の紡糸技術に
よって、多数の口金から上記SI型又はGI型構造を有する
複数の光ファイバーをマトリックス樹脂と共に紡糸して
得られる海島型複合繊維タイプの光ファイバーを例示す
ることができる。
【0011】マルチコア光ファイバーの場合には、図1
(A)のように溶剤(例えばメチルメタクリレート、アセ
トン)等で芯材を取り除いて空洞部を形成させ、以下の
態様により光ファイバーと中空繊維とを配置(接続)す
ることができる。
【0012】(1) 形成した空洞部の内径(内壁)にはま
るように、生体高分子プローブが固定化された中空繊維
を配置する(図2c)。 (2) 形成した空洞部の内壁に生体高分子を固定化させ、
中空繊維、又は生体高分子プローブが固定化された中空
繊維を、光ファイバーの外周部に配置する(図2b)。 また、マルチコアファイバーの場合には、図1(B)のよ
うに溶剤(例えばメチルメタクリレート、アセトン)等
で海材を取り除いて芯部を露出させ、以下の態様により
光ファイバーと中空繊維とを配置することができる。 (3) 露出した芯の外周部分に、生体高分子プローブが固
定化された中空繊維を配置する(図2d)。
【0013】なお、光ファイバーは一般的に公知な方法
で製造され、または市販のものを用いることができる。
また、予め複数の中空繊維からなるマイクロアレイを例
えば、特開2000-245461号の方法に従い作成し、そのマ
イクロアレイの端面にマルチコアの光ファイバーを配置
しても良い(図10、図11)。
【0014】本発明において、前記中空繊維等に固定化
する対象となる生体関連物質とは、以下の(1)〜(3)の
物質からなる群から選択されるいずれかのものが挙げら
れる。 (1) 核酸、アミノ酸、タンパク質、糖又は脂質 (2) 上記(1)の物質のうち少なくとも1種類の成分から
なる重合物 (3) 上記(1)又は(2)の物質と相互作用を有する物質 核酸としては、デオキシリボ核酸(DNA)やリボ核酸
(RNA)、ペプチド核酸(PNA)、オキシペプチド
核酸(OPNA)などの核酸などが挙げられる。また、
タンパク質としては、アミノ酸・糖等の結合した酵素、
抗体、レクチン類などが挙げられる。
【0015】本発明に用いる生体関連物質は、市販のも
のでもよく、また、生細胞などから得られたものでもよ
い。生体関連物質として核酸を用いる場合には、生細胞
からDNA又はRNAを抽出し、これを繊維に固定化さ
せる。核酸の調製は、公知の方法、例えばDNAの抽出
については、Blinらの方法(Blin et al., Nucleic Aci
ds Res. 3: 2303 (1976))等により、また、RNAの抽
出については、Favaloroらの方法(Favaloroet al., Me
thods Enzymol.65: 718 (1980))等により行うことがで
きる。更には、鎖状若しくは環状のプラスミドDNAや
染色体DNA、これらを制限酵素により若しくは化学的
に切断したDNA断片、試験管内で酵素等により合成さ
れたDNA、又は化学合成したオリゴヌクレオチド等を
用いることもできる。
【0016】図2及び図3に示すように中空繊維に生体
関連物質を固定化するには、繊維と生体関連物質との間
における各種化学的又は物理的な相互作用、すなわち繊
維が有している官能基と、生体関連物質を構成する成分
との間の化学的又は物理的な相互作用を利用することが
できる。また、中空繊維を束にして繊維配列体を作製
し、その配列体を構成する繊維の中空部に生体関連物質
を含む液を導入した後、繊維の中空部の内壁面等に存在
する官能基と生体関連物質を構成する成分との間の相互
作用を利用することができる。無修飾の核酸を繊維に固
定化する場合には、核酸と繊維とを作用させた後、ベー
キングや紫外線照射により固定できる。また、アミノ基
で修飾された核酸を繊維に固定化する場合には、グルタ
ルアルデヒドや1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド(EDC)等の架橋剤を用いて繊
維の官能基と結合させることができる。また、酵素、抗
体、タンパク質類、レクチン類等を繊維に固定化する場
合には、グルタルアルデヒドを用いるシッフ塩基結合
法、ジアゾ化法、アルキル化法等の一般的な手法を用い
て繊維と結合させることができる。さらに、例えば熱処
理、アルカリ処理、界面活性剤処理などを行うことによ
り、固定化された生体関連物質を変成させてもよい。あ
るいは、細胞、菌体などの生材料から得られた生体関連
物質を繊維に固定化する場合は、不要な細胞成分などを
除去した後、反応性官能基を導入することもできる。
【0017】また、生体関連物質(例えば核酸)をゲル
に固定化させ、このゲルを繊維の中空部に導入すること
もできる。ここで用いることのできるゲルの種類は特に
限定されず、例えば、アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、
N−アクリロイルアミノエトキシエタノール、N−アク
リロイルアミノプロパノ−ル、N−メチロールアクリル
アミド、N−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルメタ
クリレート、(メタ)アクリル酸、アリルデキストリン
等の単量体の1種類または2種類以上と、メチレンビス
(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート等との多官能性単量体を共重合し
たゲルが挙げられる。この場合の生体関連物質の固定化
は、例えば核酸の末端や、酵素、抗体、タンパク質類、
レクチン類などの適当な箇所に重合可能な官能基を導入
したものを調製し、これらと上記単量体及び重合開始剤
を含む溶液を各繊維の中空部又は多孔質部に導入後、重
合ゲル化させることによって行うことができる。ゲルを
介して、生体高分子が固定化される場合にはセンサー保
存時から周囲に水分が十分に存在する。この結果、核酸
やタンパク質等の生体高分子が、in vivoに近い状態で
存在することになり、これに結合する物質をより正確に
認識することができる。
【0018】本発明で用いる中空繊維は光学的に透明の
ものが好ましい。「光学的に透明」とは、紫外光から近
赤外領域(300〜850nm)の光の吸収及び散乱強度が非常
に小さく、且つこの波長領域の入射光に対する蛍光強度
の小さいことを意味し、例えばアクリル系モノマー又は
メタクリル系モノマーの単独又は共重合体、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート又はポ
リカーボネート等を材料として用いることができる。ま
た、中空繊維の側面に多数の細かい穴を開けることで
(多孔質状)、センサーへのサンプルの吸脱着の効率を
向上することができる。多孔質繊維は、溶融紡糸法又は
溶液紡糸法等、公知の多孔化技術を使用することにより
製造することができる。
【0019】光ファイバーと中空繊維を配置するために
は、中空繊維と光ファイバーとが配置できる外径(太
さ)又は内径を有することが必要である。従って、図2
(a,b)の態様の場合は、中空繊維の内径(中空部の直
径)が光ファイバーの直径より大きくなるようにする。
光ファイバーの直径は、数十ミクロンから数百ミクロン
が一般的に使用されるが、図2(d)に示したようなマル
チ光ファイバーの場合、数十から数万の光ファイバーを
集束するため、一本の光ファイバーの太さは小さなもの
となる。図2(c)の態様では、中空繊維の外径を光ファ
イバーの直径と同じか、それよりも数ミクロン〜数十ミ
クロン小さいものを選択する必要がある。中空繊維と光
ファイバーはその末端同士を接着剤等で固定化するの
で、両繊維の太さに制限はない。
【0020】生体高分子とサンプル中の物質との結合
は、結合に起因する蛍光・化学発光・電気化学発光現象
等を、光ファイバーを介して光学的に検出することで行
うことができる。例えば、サンプルに蛍光物質や発光物
質を結合させておき、センサー先端の生体高分子とサン
プルが特異的に吸着したところに、特定波長の励起光を
照射するか、さらに/または、発光反応を促す別の基質
を添加することによって、サンプルに起因する光を発生
させることができる。センサー部分は伝送部材である光
ファイバーの先端に直接配置されているため、ここで発
生した光を効率的に検出することができる。また、図4
のように検出器の手前に低波長光カットフィルターを入
れることで、励起光の散乱の影響が省かれ、検出感度が
向上する。
【0021】また、バイオセンサーを図5のように1次
元、又は図6、7のように2次元に配列することもでき
る。「1次元」とは、センサーを1列に並べた状態を意
味し、「2次元」とは、センサーを碁盤目状又はバンド
ル状に束ねた状態を意味する。この場合、各々の光ファ
イバーに番地(座標の位置、識別番号等)を登録してお
くことによって、検出時の画像パターンからサンプル物
質の結合の有無、及び種類の特定をすることができる。
また、異なる生体高分子を固定化した多種類のバイオセ
ンサーをあらかじめ別々に作製しておくことで、任意の
組み合わせを選んでアレイ化することができ、目的に応
じたセンサーアレイを作製することが可能である。
【0022】本発明のバイオセンサーの先端をサンプル
溶液に浸して、プローブ生体高分子とこれに特異的に吸
着するサンプルとのハイブリッドを形成させ、これを検
出することにより、生体高分子プローブへのサンプル物
質の結合の有無、及びサンプル種類の特定をすることが
できる。また、図8、9に示すように、本発明のバイオ
センサー又はバイオセンサーアレイの周囲に電極を配置
し、反対電極を試料溶液中に配置して、電極間に電圧を
加えて電気泳動を行うことによって、サンプルを容易に
センサー内に取り込んで繊維中のプローブと結合させる
ことができる。加えて、非特異的にセンサー内部に吸着
したサンプルを取り除く際にも、この方法を用いること
ができる。例えば、電極の正負を数回反転させることに
よって、より大きな洗浄効果を得ることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範
囲が限定されるものではない。 <参考例1> (a) メタクリレート基を有するオリゴヌクレオチドプ
ローブの調整 以下に示したオリゴヌクレオチド(プローブA及びプロ
ーブB)を合成した。 プローブA:gcgatcgaaaccttgctgtacgagcgagggctc (配
列番号1) プローブB:gatgaggtggaggtcagggtttgggacagcag (配
列番号2) オリゴヌクレオチドの合成はPEバイオシステムズ社の
自動合成機DNA/RNA synthesizer (model394)を用いて行
い、DNA合成の最終ステップで、アミノリンクII(商
標名)(アプライドバイオシステムズ社製)を使用し
て、それぞれのオリゴヌクレオチドの5’末端にNH2(CH
2)6-を導入しアミノ化したプローブを調製した。これら
は、一般的手法により脱保護及び精製して使用した。
【0024】得られたプローブA又はプローブB(各500n
mol/ml)5μl及びグリシジルメタクリレート0.5μlを混
合し、70℃で反応させ、メタクリレート基を有するオリ
ゴヌクレオチドプローブを調整し、水190μlを加えて、
100nmol/mlのメタクリレート基を有するプローブ(GMA変
性プローブA及びGMA変性プローブB)の溶液を得た。
【0025】(b) 試料核酸モデルの調整 試料核酸のモデルとして、(a)で合成したプローブAの配
列の一部に相補的なオリゴヌクレオチオCを合成した。 オリゴヌクレオチドC:gagccctcgctcgtacagcaaggtttcg
(配列番号3) オリゴヌクレオチドの合成はPEバイオシステムズ社の
自動合成機DNA/RNA synthesizer (model394)を用いて行
い、DNA合成の最終ステップで、アミノリンクII(商
標名)(アプライドバイオシステムズ社製)を使用し
て、それぞれのオリゴヌクレオチドの5’末端にCy5を
導入した蛍光標識試料のモデルを調整した。
【0026】<参考例2>オリゴヌクレオチド固定化ア
クリルアミドゲルの作製 以下の組成から成る水溶液Aを調整し、反応容器内にお
いて、窒素雰囲気下70℃で3時間重合した。 −水溶液A又はB− GMA変性プローブA又はGMA変性プローブB 0.05 nmol/ml アクリルアミド 4.5 質量部 N,N'-メチレンビスアクリルアミド 0.5 質量部 2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン) ジヒドロクロライド 0.1 質量部 水 95 重量部
【0027】<参考例3> マイクロアレイの作成法 外径300μm、内径160μmのポリメチルメタクリレート
(以下、PMMA)中空繊維を10本束ね、その一端部の約2c
mは中空繊維の中空部が開口した状態になるようにウレ
タン樹脂で固定し、他端は樹脂で固定せずに自由端とし
た。この中空繊維を二束により分け、予め調整した2種
類の反応液(参考例2の水溶液A又はB)を入れた反応溶
液内にそれぞれ浸漬し、中空繊維の自由端から反応液を
中空繊維内に吸引により樹脂で固めた部分まで充填し
た。水溶液充填後、窒素雰囲気下、70℃で3時間重合し
た。アクリルアミドゲルの重合を行った後、ブロックを
中空繊維軸に直角方向にスライスして厚さ約1mmの薄片
を得た。
【0028】<実施例1>内径800μmのポリエチレン製
中空糸内層の表面をポリエチレン−ビニルアルコール共
重合体で被覆し、親水化処理した。直径750μmのポリメ
タクリル酸メチル(PMMA)製光ファイバーの先端
に、直径800μmのポリエチレン製中空繊維を、中空部分
が750μm残された状態で差し込んだ(図12)。次に、先
端の中空部分に参考例2で作製したオリゴヌクレオチド
固定化ゲルを図13に示す要領で詰め、センサーを作製し
た。
【0029】<実施例2>内径800μmのポリエチレン製
中空糸内層の表面をポリエチレン−ビニルアルコール共
重合体で表面を被覆し、親水化処理した。直径750μmの
PMMA製光ファイバーの先端に、直径800μmのポリエ
チレン製中空繊維を、中空部分が750μm残された状態で
差し込んだ(図12)。次に、中空部に参考例2中の水溶
液Aを充填し、窒素気流下中70℃で3時間重合した。
【0030】<実施例3> 被検物質の検出 参考例3で示した方法で、作成したマイクロアレイを、
外径1mmの151ホールマルチコア光ファイバーの先端にポ
リウレタン系接着剤を用いて配置した。先端のマイクロ
アレイを、参考例1で作成したオリゴヌクレオチドCの5
×SSC溶液(オリゴヌクレオチド濃度10 fmol/μl)に50
℃で一晩接触させた後、励起光620nmをマイクロアレイ
に照射し、λ=700nmの光強度を測定した。プローブAを
固定化ゲルのスポット位置の平均強度はI=8537、プロー
ブB固定化ゲルのスポット位置の平均強度はI=3544であ
った。試料核酸Cに相補的なプローブAのスポットについ
て、特異的に高い検出光強度が得られ、目的とする核酸
の検出が可能であった。
【0031】
【発明の効果】本発明により、光ファイバーに生体高分
子を固定した中空繊維が配置されたバイオセンサー及び
生体関連物質の検出方法が提供される。本発明のバイオ
センサーは、効率的かつ高感度に試料を検出することが
できるため、試料量の少ない生体高分子の検出に有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】空洞部を形成させたマルチコア光ファイバー
(A)、及び芯部を露出させたマルチコア光ファイバー
(B)を示す図である。
【図2】光ファイバーと中空繊維との接続の態様を示す
図である。
【図3】光ファイバーに、生体高分子プローブが固定化
された中空繊維を接続したものを示す図である。
【図4】低波長光カットフィルターが挿入された光ファ
イバーを示す図である。
【図5】アレイ状の本発明のバイオセンサーを示す図で
ある。
【図6】碁盤目状の本発明のバイオセンサーを示す図で
ある。
【図7】バンドル状の本発明のバイオセンサーを示す図
である。
【図8】本発明のバイオセンサーに電極を接続したとき
の図である。
【図9】本発明のバイオセンサーに電極を接続したとき
の図である。
【図10】本発明のバイオセンサーアレイを示す図であ
る。
【図11】本発明のバイオセンサーアレイを示す図であ
る。
【図12】本発明のバイオセンサーを示す図である。
【図13】本発明のバイオセンサーを示す図である。
【符号の説明】
1:中空繊維、 2:生体高分子プローブ、 3:クラ
ッド、 4:コア 5:マルチコア光ファイバー、 6:コア
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月6日(2001.6.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【発明の効果】本発明により、光ファイバーに生体高分
子を固定した中空繊維が配置されたバイオセンサー及び
生体関連物質の検出方法が提供される。本発明のバイオ
センサーは、効率的かつ高感度に試料を検出することが
できるため、試料量の少ない生体高分子の検出に有用で
ある。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> MITSUBISHI RAYON CO., LTD. <120> BIOSENSOR <130> P00-0691 <140> <141> <160> 3 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic ologonucleotide <400> 1 gcgatcgaaa ccttgctgta cgagcgaggg ctc 33 <210> 2 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic ologonucleotide <400> 2 gatgaggtgg aggtcagggt ttgggacagc ag 32 <210> 3 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic ologonucleotide <400> 3 gagccctcgc tcgtacagca aggtttcg 28
【配列表フリーテキスト】配列番号1:合成オリゴヌク
レオチド 配列番号2:合成オリゴヌクレオチド 配列番号3:合成オリゴヌクレオチド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 G01N 33/53 M 33/566 33/566 33/58 A 33/58 37/00 102 37/00 102 103 103 1/28 J (72)発明者 伊藤 千穂 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 石丸 輝太 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 CA03 EA01 GA08 GB21 HA05 JA03 2G045 DA12 DA13 DA14 DA30 DA35 DA36 DA60 FA11 FA34 FB02 FB03 FB05 FB07 FB15 GC15 HA10 JA20 2G052 AA28 AB16 AD26 AD52 DA08 DA22 ED06 ED07 ED09 FD20 GA11 GA22 GA23 GA28 GA30 HB03 HB10 HC22 HC24 JA07 JA09 JA16 2G054 AB04 CA21 CE02 EA01 EA03 FA06 FA07 FA16 FA19 FA21 GA04 GB02 GE09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバーの一端に、生体高分子プロ
    ーブが固定化された中空繊維を配置してなるバイオセン
    サー。
  2. 【請求項2】 光ファイバーがマルチコアを有するもの
    である請求項1記載のバイオセンサー。
  3. 【請求項3】 生体高分子プローブが固定化された中空
    繊維を、以下の(a)の芯部又は(b)の空洞部に配置してな
    るバイオセンサー。 (a) マルチコアを有する光ファイバーの一端の海材を除
    去して露出させた芯部 (b) マルチコアを有する光ファイバーの一端の芯材を除
    去して形成させた空洞部
  4. 【請求項4】 生体高分子プローブが、高分子ゲルを介
    して固定化されたものである請求項1〜3のいずれかに
    記載のバイオセンサー。
  5. 【請求項5】 中空繊維が光学的に透明な樹脂からなる
    ものである請求項1〜4のいずれかに記載のバイオセン
    サー。
  6. 【請求項6】 透明な樹脂が、アクリル系モノマー若し
    くはメタクリル系モノマーの単独若しくは共重合体、ポ
    リエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
    ト又はポリカーボネートである請求項5記載のバイオセ
    ンサー。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のバイオ
    センサーを配列してなるバイオセンサーアレイ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のバイオ
    センサー又は請求項7記載のバイオセンサーアレイ中の
    生体高分子プローブに蛍光標識した被検物質を捕捉さ
    せ、該物質から発せられる蛍光強度を検出することを特
    徴とする物質の検出方法。
  9. 【請求項9】 被検物質の捕捉が、請求項1〜6のいず
    れかに記載のバイオセンサー又は請求項7記載のバイオ
    センサーアレイに電極の一方を配置し、試料溶液中に他
    方の電極を配置して、電気泳動により移動させものであ
    る請求項8記載の検出方法。
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