JP2003120995A - 天井埋込型空気調和機の据付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 据付工事の際に用いる型紙をより使い易くし
て据付作業を軽減した天井埋込型空気調和装置の据付装
置を提供する。 【解決手段】 天井裏５の吊ボルト３に吊下げられてこ
の天井裏５に設置され、かつ天井板２の開口に臨む底面
７に通気口を有する本体１と、この底面７に取り付けら
れ天井板２の開口１６に位置されるグリル６とから空気
調和機１０を構成し、前記本体１と前記天井板２の開口
１６との隙間を保つための位置決め部材を備えた空気調
和機１０の据付装置２１において、前記位置決め部材の
外形寸法は、前記天井板２の開口１６の寸法と略一致さ
せ、かつ、前記グリル６に固定するための位置を表示３
１するとともに、一枚の平板材で前記底面７の通気口
８、９を閉塞させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、天井埋込型空気調
和機を据え付ける際に、本体及び天井開口の位置決めを
する据付用型紙に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、天井裏に配設される本体と、この
本体の下方に天井板の開口を設け、この開口を通して本
体の底面に取り付けられグリルとを備えた天井埋込型空
気調和機は知られている。

【０００３】図５は、この種従来の天井埋込型空気調和
機の一例を示す斜視図である。図５において、１は天井
埋込型空気調和機（以下単に空気調和機という）１０の
本体、２は天井板、３は吊ボルトである。本体１の側面
には複数のＬ形吊具４が設けられ、これら吊ボルト３が
天井裏５の梁等に所定間隔を有して設置垂下され、これ
ら吊ボルト３にＬ形吊具４を固定することにより本体１
が天井裏５に設置される。本体１の底面にはグリル６が
取り付けられている。

【０００４】このような空気調和機１０は、一般に、次
のような手順で据え付けられる。

【０００５】予め天井裏５に設置された複数本の吊ボル
ト３にナットを用いてＬ形吊具４を仮固定する。本体１
の上下方向の位置決めをするために型紙Ａ（図示せず）
を用いて本体の位置決めをしてＬ形吊具４を堅固に固定
する。

【０００６】次に、冷媒配管及びドレン配管を接続した
後、天井板２の張り付け準備をする。空気調和機１０の
底面にこの底面を覆う型紙Ｂ（図示せず）を取り付け、
この型紙Ｂを取り付けることにより、本体１の底面を傷
つけないようにするとともに、空気調和機１０の底面に
形成されている空気吸込口及び空気吹出口等の開口から
本体１内部に塵やホコリ等を侵入させないようにする。

【０００７】次に、天井板２の開口位置を決めるために
型紙Ｃ（図示せず）を用いて開口位置を設定しておく。
この型紙Ｃには、例えば、段ボール材等の平板材に吊ボ
ルト３の位置、本体１の外形寸法、及び天井板２の開口
寸法等が表示され、型紙Ｃに表示された位置と実際の吊
ボルト３または本体１の位置とを合わせることにより、
天井板２の開口位置を設定する。天井板２の開口位置を
認識しながら天井板２を張り付け、その後、本体１にグ
リル６を取り付ける。

【０００８】このようにして、空気調和機の据付工事に
おいては、各種の型紙が用いられ、重要な案内具として
活用される。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、空気調
和機１０の据付工事において、用途毎に各種の型紙Ａ、
Ｂ、Ｃが存在する上、使い方も様々なので、施工業者
は、これらの型紙Ａ、Ｂ、Ｃを正確に使用するために作
業への負担が大きくなるという問題があった。

【００１０】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たもので、据付工事の際に用いる据付装置をより使い易
くして据付作業を軽減した天井埋込型空気調和装置の据
付装置を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１に記載の発明は、天井裏の吊ボルトに吊下
げられてこの天井裏に設置され、かつ天井板の開口に臨
む底面に通気口を有する本体と、この底面に取り付けら
れ天井板の開口に位置されるグリルとから空気調和機を
構成し、前記本体と前記天井板の開口との隙間を保つた
めの位置決め部材を備えた空気調和機の据付装置におい
て、前記位置決め部材の外形寸法は、前記天井板の開口
の寸法と略一致させ、かつ、前記グリルに固定するため
の位置を表示するとともに、一枚の平板材で前記底面の
通気口を閉塞させることを特徴とする。

【００１２】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の天井埋込型空気調和機の据付装置において、前記据付
装置に本体取付用ねじ孔を設け、この本体取付用ねじ孔
を本体底面にねじ止め固定可能にしたことを特徴とす
る。

【００１３】請求項３に記載の発明は、請求項２に記載
の天井埋込型空気調和機の据付装置において、前記本体
取付用ねじ孔は、本体底面に設けられたグリル固定用ね
じ孔に兼用して固定されることを特徴とする。

【００１４】請求項４に記載の発明は、請求項３に記載
の天井埋込型空気調和機の据付装置において、前記グリ
ル固定用ねじ孔は本体底面の凹部に設けられ、前記据付
装置はコーナー部付近に切起し部が設けられ、この切起
し部に前記本体取付用ねじ孔を設けたことを特徴とす
る。

【００１５】請求項５に記載の発明は、請求項４に記載
の天井埋込型空気調和機の据付装置において、前記切起
し部は切込みと折曲線とから構成されることを特徴とす
る。

【００１６】請求項６に記載の発明は、請求項１〜５の
いずれかに記載の天井埋込型空気調和機の据付装置にお
いて、前記据付装置は、本体の底面を覆い保護する養生
シートを兼ねていることを特徴とする。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図１は天井埋込型空気調和機の設
置状態を示す斜視図、図２は本発明の据付用型紙（据付
装置）に表示された内容を示す平面図、図３は据付用型
紙と、吊ボルト及びグリル固定用ねじ孔との関係を示す
斜視図、図４は型紙を本体に取り付けた状態を示す斜視
図である。なお、図５と同一の構成要素には同一の符号
を付す。

【００１８】図１、図３において、この空気調和機１０
は、箱形の本体１内に室内熱交換器、送風機等を備えて
構成されており、本体１の底面７は、中央が突出し両端
が凹んだ凹凸形状をしている。底面７の凸部７ａには空
気吸込口８を有し、底面７の凹部７ｂ、７ｂには空気吹
出口９、９と複数のグリル固定用ねじ孔（以下グリルね
じ孔という）１４、１４・・を有している。

【００１９】本体１の対向する側板１５ａ、１５ｂには
Ｌ形吊具４が設けられ、このＬ形吊具４が天井梁等に設
置された吊ボルト３に固定される。

【００２０】空気調和機１が設置される建物の天井板２
には開口１６が形成され、この開口１６には、空気吸込
用及び空気吹出用の開口を有するグリル６が配置され、
このグリル６が取付ねじにて本体１のグリルねじ孔１４
に固定される。なお、符号１７、１８はドレン配管およ
び冷媒配管を示す。

【００２１】このように設置される空気調和機１０にお
いて、据付工事には本体１を天井裏５へ位置決めするた
めの部材として据付用型紙（以下単に型紙という）２１
が用いられる。この型紙２１は、段ボール材等の一枚の
平板材によって作られ、その外形寸法を天井板２の開口
１６の寸法と一致させている。この型紙２１の表面に
は、図２に示すように、吊ボルト３の位置表示部２２、
グリルねじ孔１４の位置表示部２３、及び天井板２の開
口１６の位置表示部（コーナー部に表示）２４が実寸大
で印刷されている。これらの表示部２２〜２４は、型紙
２１の片面に印刷され、この型紙２１を使用するときに
は、印刷されていない面を本体１の底面７に当接させて
用いられる。なお、吊ボルト３の位置表示部２２には抜
き孔が設けられている。

【００２２】さらに、型紙２１のコーナー部付近には、
切起し部２６が設けられている。各切起し部２６には、
Ｌ字形の切込み２７と、ミシン目の入った２段の折曲線
２８ａ、２８ｂとが形成されている。２段の折曲線２８
ａ、２８ｂの間隔は、本体１底面７の凸部７ａと凹部７
ａとの間隔に合わせてある。そして、これら切起し部２
６は、図２に示す型紙側折曲線（実線表示）２８ａを直
角山折りに、先端側折曲線（破線表示）２８ｂを直角谷
折りに折曲してクランク状に折曲加工される。切起し部
２６の先端側平面には、切起し部２６を折曲加工したと
きの本体取付用ねじ孔（グリル固定用ねじ）３１が設け
られ、このねじ孔３１がグリル６の未装着時に本体１の
グリルねじ孔１４にねじ止め固定できるようになってい
る。

【００２３】実際に空気調和機を据え付ける場合には、
図３に示すように、予め天井裏５に設置された吊ボルト
３に空気調和機１０のＬ型吊具４を仮固定しておく。型
紙２１の切起し部２６を折曲加工し、型紙２１を本体取
付用ねじ孔３１を介して、本体１のグリルねじ孔１４に
固定する。このとき、型紙２１の切起し高さが本体底面
７の凹凸の高さに対応しているので、型紙２１が底面７
の凸部７ａに密着して固定される（図４参照）。型紙２
１の底面は、天井面に相当するので、実際に設定された
天井高さに合わせて本体１の上下方向を微調整し、Ｌ型
吊具４を堅固に固定する。その後、ドレン配管１７、冷
媒配管１８を本体１に接続し配設する。

【００２４】次に、天井板２の張付作業を行う。型紙２
１を取り付けることによって、天井板２の開口１６の位
置及び天井高さ位置が設定できるので、この型紙２１に
合わせて天井板２の張り付けを行う。

【００２５】そして、天井板２の張付等建物内部の工事
終了後、型紙２１を取り外し、型紙２１に代えてグリル
７を取り付ける。

【００２６】以上説明したように、本発明の型紙２１
は、一枚の平板材で構成され、この平板材の一部に切起
し部２６を設け、この切起し部２６に本体取付用ねじ孔
３１を設け、切起し部２６を切起した後、このねじ孔３
１を介して本体１に固定するようにしたので、本体１底
面７の凹凸形状に対応して、型紙２１を底面７の通気口
に閉塞して取り付けることができる。

【００２７】さらに、型紙２１によって本体１の底面全
体が覆われるので、建物の工事中に底面部７を傷つきに
くく、かつ、汚れにくくするとともに、本体１内部への
塵やホコリ等の侵入を防止でき、この型紙２１を養生シ
ートとして使用できる。養生シートとして使用できるこ
とにより、１つの型紙２１で据付用と養生用とに兼用で
き、型紙２１を一度取り付ければ、グリル６の取付まで
取り付けたままにすることができ、複数の型紙を有して
使用する場合に比べ、型紙の着脱作業の手間を軽減する
ことができる。

【００２８】また、一枚の平板材を使用し大きな抜き孔
を設けていないので、取り扱う上で折れ曲がりにくく平
面を保つことができ、各位置決めにおいて正確性を向上
することができる。さらに、製造上、複雑な加工がない
ので、作製が簡単でコストの低減が図れる。

【００２９】また、本体取付用ねじ孔３１をグリルねじ
孔１４にねじ止め固定するようにしたので、本体１に型
紙取付用のねじ孔を新たに追加形成することなく、型紙
２１の本体１への着脱作業を容易に行うことができる。

【００３０】また、型紙２１を本体１取付後は、型紙２
１の外形寸法自体が天井板２の開口１６寸法に相当する
ので、開口１６の位置及び寸法が容易に認識でき、天井
張付作業を容易にすることができる。

【００３１】また、天井板２の張付作業に際しては、型
紙２１の底面が天井板２の底面と同一面になっているの
で、天井張りの後に本体１の上下方向の位置を再度微調
整することができ、本体１と天井板２の上下方向の位置
出しをより正確に行うことができる。

【００３２】以上一実施形態に基づいて本発明を説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではない。

【００３３】本実施形態では、本体１の据付後に天井板
２の張付等の天井工事を行っているが、本体１の据付前
に天井工事を行っても良く、その場合、型紙２１のボル
ト位置表示部２２の抜き孔を吊ボルト３の先端部に合わ
せながら、天井板２の開口１６の位置決めをすれば良
い。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の天井埋込
型空気調和機の据付装置は、一枚の平板材の外形寸法を
天井板の開口寸法と一致させて作製するとともに、この
平板材に切起し部を設け、この切起し部を介して本体の
底面に取り付けるので、凹凸のある本体の底面にほぼ密
着して固定できる。そして、本体取付後は、据付装置の
底面を天井面と一致させているので、天井板の高さ、天
井板の開口位置及び寸法を容易に設定して認識でき、容
易かつ正確に天井板の張付を行うことができる。

【００３５】また、本発明の据付装置は、本体の底面に
ほぼ密着して底面の通気口を閉塞できるので、据付工事
の際に本体底面を保護する養生シートとしても使用で
き、１つの型紙で、天井板の高さ、天井板の開口寸法、
及び養生シート（保護シート）として兼用でき、複数の
用途に活用できる。

【００３６】さらに、この据付装置を一度本体に取り付
ければ、グリル取付時まで装着したままにでき、着脱作
業の軽減化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】天井埋込型空気調和機の設置状態を示す斜視図
である。

【図２】本発明の据付装置に表示された内容を示す平面
図である。

【図３】本発明の据付装置と、吊ボルト及びグリル固定
用ねじ孔との関係を示す斜視図である。

【図４】本発明の据付装置を本体に取り付けた状態を示
す斜視図である。

【図５】従来の天井埋込形空気調和機の設置状態を示す
斜視図である。

【符号の説明】

１ 空気調和機本体 ３ 吊ボルト ４ Ｌ形吊具 ５ 天井裏 ６ グリル ７ 底面 ８ 空気吸込口（通気口） ９ 空気吹出口（通気口） １０ 空気調和機 １４ グリル固定用ねじ孔 １６ 天井板の開口 ２１ 据付用型紙（据付装置） ２６ 切起し部 ２７ 切込み ２８ａ、２８ｂ 折曲線 ３１ 本体取付用ねじ孔

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井裏の吊ボルトに吊下げられてこの天
   井裏に設置され、かつ天井板の開口に臨む底面に通気口
   を有する本体と、この底面に取り付けられ天井板の開口
   に位置されるグリルとから空気調和機を構成し、前記本
   体と前記天井板の開口との隙間を保つための位置決め部
   材を備えた空気調和機の据付装置において、 前記位置決め部材の外形寸法は、前記天井板の開口の寸
   法と略一致させ、かつ、前記グリルに固定するための位
   置を表示するとともに、一枚の平板材で前記底面の通気
   口を閉塞させることを特徴とする天井埋込型空気調和機
   の据付装置。
2. 【請求項２】 前記据付装置に本体取付用ねじ孔を設
   け、この本体取付用ねじ孔を本体底面にねじ止め固定可
   能にしたことを特徴とする請求項１に記載の天井埋込型
   空気調和機の据付装置。
3. 【請求項３】 前記本体取付用ねじ孔は、本体底面に設
   けられたグリル固定用ねじ孔に兼用して固定されること
   を特徴とする請求項２に記載の天井埋込型空気調和機の
   据付装置。
4. 【請求項４】 前記グリル固定用ねじ孔は本体底面の凹
   部に設けられ、前記据付装置はコーナー部付近に切起し
   部が設けられ、この切起し部に前記本体取付用ねじ孔を
   設けたことを特徴とする請求項３に記載の天井埋込型空
   気調和機の据付装置。
5. 【請求項５】 前記切起し部は切込みと折曲線とから構
   成されることを特徴とする請求項４に記載の天井埋込型
   空気調和機の据付装置。
6. 【請求項６】 前記据付装置は、本体の底面を覆い保護
   する養生シートを兼ねていることを特徴とする請求項１
   〜５のいずれかに記載の天井埋込型空気調和機の据付装
   置。