JP2003120263A - 排気ガス浄化装置、および排気ガスの浄化方法 - Google Patents

排気ガス浄化装置、および排気ガスの浄化方法

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internal combustion
catalyst
combustion engine
engine
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Kazuhiro Ito
和浩 伊藤
Shinya Hirota
信也 広田
Takamitsu Asanuma
孝充 浅沼
Toshisuke Toshioka
俊祐 利岡
Koichi Kimura
光壱 木村
Shizuo Sasaki
静夫 佐々木
Kohei Igarashi
幸平 五十嵐
Hiroki Murata
宏樹 村田
Akira Kenjo
晃 見上
Hiroyuki Nagareda
浩之 流田
Toshio Suematsu
敏男 末松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ガスに含まれる含炭素浮遊微粒子を安定
して浄化する。 【解決手段】 ハイブリッド車両に搭載されたディーゼ
ルエンジンの排気管内に浄化触媒を設けて、前記排気ガ
ス中に含まれる含炭素浮遊微粒子を捕集するとともに、
捕集した微粒子を触媒作用を用いて酸化させる。エンジ
ンの運転条件によっては浄化触媒上に含炭素浮遊微粒子
が堆積する場合があるが、微粒子が堆積した場合には、
浄化触媒に流入する排気ガス中の酸素濃度を増加させ
る。こうすれば、浄化触媒上に堆積した微粒子の酸化を
促進することができるので、浄化触媒上に多量の微粒子
が堆積して触媒機能が阻害されることを未然に回避する
ことができ、延いては、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子
を安定して浄化することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、動力源として内
燃機関と電動機とを備えるハイブリッド機関において、
該内燃機関の排気ガスを浄化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関と電動機とを組み合わせること
により、内燃機関の燃料消費効率を改善する、いわゆる
ハイブリッド機関が、種々の分野で使用されている。通
常、内燃機関には燃料消費効率の高くなる最適な運転条
件が存在しており、かかる最適条件以外の運転条件で運
転すれば燃料消費効率が低下してしまうが、ハイブリッ
ド機関では、電動機を活用して内燃機関をできるだけ最
適条件で運転することにより、機関全体としての燃料消
費効率を改善することができる。また、かかるハイブリ
ッド機関では、内燃機関として、ガソリンエンジンに代
表される予混合燃焼方式の内燃機関やディーゼルエンジ
ンに代表される拡散燃焼方式の内燃機関のいずれも適用
することができるが、燃料消費効率の高い拡散燃焼方式
の内燃機関を用いれば、更に効率を改善することができ
る。
【0003】一方、内燃機関の排気ガス中には、ススな
どの含炭素浮遊微粒子が含まれており、これら微粒子は
大気の汚染要因となるため、排出量をできるだけ低減す
ることが要請されている。かかる要請は、ハイブリッド
機関についても同様に存在する。
【0004】内燃機関の排気ガス中に含まれる含炭素浮
遊微粒子の排出量を大幅に低減可能な技術としては、排
気ガス中に含まれるススなどの含炭素浮遊微粒子を浄化
触媒を用いて捕集する技術が提案されている(特公平7
−106290号)。かかる技術においては、捕集した
微粒子によって浄化触媒が目詰まりすることを避けるた
めに、浄化触媒上に担持された貴金属触媒の作用により
捕集した微粒子を酸化させる。こうすれば、捕集された
含炭素浮遊微粒子を、二酸化炭素や水蒸気などの無害な
物質に変換して排出することができるので、浄化触媒を
目詰まりさせることなく、排気ガス中の含炭素浮遊微粒
子を大幅に低減することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、内燃機関の運
転条件によっては、捕集した含炭素浮遊微粒子を酸化さ
せることが困難となり、次第に浄化触媒上に微粒子が堆
積してしまう場合がある。例えば、排気ガス温度が低い
条件で内燃機関を長時間運転する場合などには、浄化触
媒の温度が次第に低下するので、捕集した含炭素微粒子
を酸化することが困難になる場合がある。また、排気ガ
スに含まれている大気汚染物質である窒素酸化物の濃度
を減少させる目的で排気ガスの一部を燃焼室内に還流さ
せている場合には、排気ガスの還流量を増やすと含炭素
浮遊微粒子の排出量が増加するので、浄化触媒が単位時
間あたりに浄化しなければならない微粒子量が増大し、
含炭素浮遊微粒子が堆積し易くなる傾向にある。
【0006】浄化触媒上に多量の含炭素浮遊微粒子が堆
積して触媒表面を覆ってしまうと、触媒の機能が阻害さ
れて、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を適切に浄化する
ことが困難となり、次第に含炭素浮遊微粒子が堆積して
浄化触媒が目詰まりしてしまうことが起こり得る。従っ
て、何らかの方法により、触媒上に堆積した含炭素浮遊
微粒子の酸化を促進して、目詰まりを回避可能な技術の
開発が望まれる。かかる技術は、ハイブリッド機関の出
力状態にできるだけ影響を与えることなく、しかもでき
るだけ簡便な方法であることが望ましい。
【0007】本発明は、従来技術における上述の課題を
解決するためになされたものであり、ハイブリッド機関
の出力の変動を伴うことなく、浄化触媒上の含炭素浮遊
微粒子の酸化を促進することにより、浄化触媒に含炭素
浮遊微粒子が堆積することを簡便に回避可能な技術の提
供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の排
気ガス浄化装置は次の構成を採用した。すなわち、内燃
機関と電動機とを備え、該内燃機関が出力する動力と該
電動機が出力する動力とを1の出力軸から同時に出力可
能なハイブリッド機関の排気ガス浄化装置であって、前
記排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を捕集して該捕集した
微粒子を酸化させる浄化触媒と、前記浄化触媒上に捕集
された前記含炭素浮遊微粒子の堆積状況に基づいて該微
粒子の酸化を促進させるか否かを判断する酸化促進要否
判断手段と、前記酸化を促進させる場合には、前記内燃
機関の運転状態を変更することにより、前記浄化触媒に
流入する排気ガス中の酸素濃度を増加させる内燃機関制
御手段と、前記内燃機関の運転状態の変更に伴って、該
内燃機関が前記出力軸に出力する動力の変動を打ち消す
ように前記電動機の運転状態を制御する電動機制御手段
とを備えることを要旨とする。
【0009】また、上記の排気ガス浄化装置に対応する
本発明の排気ガス浄化方法は、内燃機関と電動機とを備
え、該内燃機関が出力する動力と該電動機が出力する動
力とを1の出力軸から同時に出力可能なハイブリッド機
関に適用されて、該内燃機関の排気ガスを浄化する浄化
方法であって、前記排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を浄
化触媒によって捕集し、該捕集した微粒子を酸化させる
とともに、前記浄化触媒上に捕集された前記含炭素浮遊
微粒子の堆積状況に基づいて該微粒子の酸化を促進させ
るか否かを判断し、前記酸化を促進させる場合には、前
記内燃機関の運転状態を変更することにより、前記浄化
触媒に流入する排気ガス中の酸素濃度を増加させ、前記
内燃機関の運転状態の変更に伴って、該内燃機関が前記
出力軸に出力する動力の変動を打ち消すように前記電動
機の運転状態を制御することを要旨とする。
【0010】かかる本発明の排気ガス浄化装置および排
気ガス浄化方法においては、排気ガス中の含炭素浮遊微
粒子を浄化触媒によって捕集するとともに、該捕集した
微粒子を酸化させることによって排気ガスを浄化する。
ここで、浄化触媒上に堆積した微粒子の堆積状況に基づ
いて、堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を促進させるか
否かを判断し、酸化を促進させる場合には、内燃機関の
運転状態を変更することによって該浄化触媒に流入する
排気ガス中の酸素濃度を増加させるとともに、かかる変
更に伴って内燃機関がハイブリッド機関の出力軸に出力
する動力の変動を打ち消すように、電動機の運転状態を
制御する。
【0011】一般に、浄化触媒上で含炭素浮遊微粒子が
酸化する反応は、排気ガス中の酸素濃度が増加するほど
活発になる。従って、内燃機関の運転状態を変更するこ
とによって排気ガス中の酸素濃度を増加させてやれば、
何らかの理由で浄化触媒上に含炭素浮遊微粒子が堆積し
た場合でも、微粒子の酸化を簡便に促進させることがで
きる。一方、こうして内燃機関の運転状態を変更する
と、それに伴って内燃機関からハイブリッド機関の出力
軸へと伝達される動力が変動し得る。そこで、この動力
の変動を打ち消すように電動機の運転状態を制御してや
る。例えば、内燃機関の出力する動力が減少する場合は
電動機が出力する動力を増加させ、逆に内燃機関の出力
する動力が増加した場合は電動機を発電機として働くよ
うに制御することで、動力の増加分を吸収してやる。こ
うして電動機の運転状態を適切に制御してやることで、
内燃機関の動力の変動を打ち消してやれば、ハイブリッ
ド機関の出力軸からは常に安定した動力を出力すること
ができる。
【0012】ハイブリッド機関の内燃機関において、還
流通路を経由して排気ガスの一部を燃焼室内に還流させ
ている場合には、還流させる排気ガス量を減少させるこ
とによって、前記浄化触媒に流入する排気ガス中の酸素
濃度を増加させることとしても良い。
【0013】燃焼室内に噴射した燃料を酸素過剰な雰囲
気で燃焼させることで動力を発生する方式の内燃機関で
は、通常、燃焼室に還流させる排気ガス量を減少させる
と、その分だけ吸入する空気量が増加するので、燃焼室
に供給される酸素量が増加することになり、その結果、
排気ガス中の酸素濃度を増加させることができる。こう
した方法によれば、機関の構造を複雑なものとすること
なく、浄化触媒上に堆積した微粒子の酸化を促進させる
ことができる。
【0014】あるいは、かかる排気ガス浄化装置におい
ては、前記排気ガスの酸素濃度を間欠的に増加させるこ
とで、浄化触媒上に堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を
促進させることとしてもよい。
【0015】酸素濃度を増加させて酸化を促進させると
反応熱によって触媒温度が上昇し、より一層酸化が促進
されて触媒温度を上昇させるので、触媒温度が過度に上
昇してしまうことが起こり得る。これに対して、酸素濃
度を間欠的に増加させれば、酸素濃度が低い期間は酸化
反応が過度に活発となることはなく、延いては浄化触媒
の温度が過度に上昇するおそれがなくなるので好まし
い。
【0016】また、かかる排気ガス浄化装置において
は、浄化触媒上に堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を促
進させるために、内燃機関の燃焼室内に噴射する燃料量
を減量させることとしても良い。
【0017】燃焼室内に噴射する燃料を減量すれば燃焼
に使用される酸素量が減少するので、排気ガス中の酸素
濃度が増加して、浄化触媒上に堆積した微粒子の酸化を
促進させることができる。もちろん、噴射する燃料を減
量すれば、それに伴って内燃機関の出力する動力は低下
するが、かかる動力の低下は電動機を適切に制御するこ
とで補うことが可能である。
【0018】かかる排気ガス浄化装置においては、内燃
機関の出力変動を打ち消す制御が可能か否かを判断し
て、打ち消す制御が可能である場合に、排気ガス中の酸
素濃度を増加させることとしても良い。内燃機関の出力
変動を打ち消す制御が可能か否かは、電動機の最大定格
に対する該電動機の運転条件に基づいて判断することが
できる。例えば、電動機の運転条件が最大定格に対して
所定量の余裕があるとき、あるいは電動機の運転条件が
所定量の余裕を見込んで設定した運転範囲内にあるとき
には、内燃機関の出力変動を打ち消す制御が可能と判断
することができる。
【0019】こうして、出力変動を打ち消すことが可能
な場合にだけ、浄化触媒に流入する排気ガス中の酸素濃
度を増加させて、堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を促
進させてやる。こうすれば、微粒子の酸化を促進させる
ことに伴う内燃機関の出力変動を、電動機を制御するこ
とによって確実に補うことができるので、常に安定した
動力を出力することが可能となって好適である。
【0020】上述した排気ガス浄化装置においては、浄
化触媒として次のような触媒を用いることができる。す
なわち、排気ガス中に過剰な酸素が含まれている場合に
は排気ガス中の窒素酸化物とともに該過剰酸素を蓄積し
ておき、該排気ガス中の過剰酸素が減少した場合には、
該蓄積した窒素酸化物を分解しながら過剰酸素を活性酸
素として放出し、前記捕集した含炭素浮遊微粒子を該活
性酸素を用いて酸化させる浄化触媒を用いても良い。活
性酸素は反応性に富んでいることから、このような浄化
触媒を用いれば、浄化触媒上に捕集した含炭素浮遊微粒
子を容易に酸化させることが可能となるので好ましい。
【0021】こうした浄化触媒としては、白金族に属す
る貴金属に加えて、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
希土類元素、遷移金属の少なくとも1つが担持された触
媒を用いることができる。かかる浄化触媒は、排気ガス
中の窒素酸化物を浄化するとともに、活性酸素を放出し
て、触媒上に捕集された含炭素浮遊微粒子を酸化させる
ことができる。従って、こうした浄化触媒を用いれば、
排気ガス中に含まれる含炭素浮遊微粒子と窒素酸化物と
を同時に浄化することが可能となるので好ましい。
【0022】上述したように、排気ガス中の過剰酸素を
取り込んで活性酸素として放出する浄化触媒を備えた排
気ガス浄化装置においては、排気ガス中の過剰酸素の濃
度を減少させて前記活性酸素を放出させる活性酸素放出
制御を行うことで、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を効
果的に浄化するとともに、浄化触媒上に堆積した微粒子
の酸化を促進させると判断した場合には、該活性酸素放
出制御の実行中を避けて、排気ガス中の酸素濃度を増加
させることとしても良い。
【0023】活性酸素放出制御は排気ガス中の酸素濃度
を低下させる制御であることから、かかる制御中に、酸
素濃度を増加させて堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を
促進させようとしても、効果的に促進させることができ
ない。換言すれば、排気ガス中の酸素濃度を増加させる
制御を、活性酸素放出制御中を避けて行うことで、浄化
触媒上に堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を効果的に促
進させることが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の作用・効果をより明確に
説明するために、次のような順序に従って、本発明の実
施例を説明する。 A.実施の概要: B.装置構成; B−1.ハイブリッド車両の構成: B−2.ハイブリッド車両の動作の概要: B−3.浄化触媒の概要: C.第1実施例: C−1.第1実施例の運転条件修正処理: D.第2実施例: D−1.装置構成: D−2.第2実施例の運転条件修正処理:
【0025】A.実施の概要:各種実施例についての詳
細な説明に先立って、図1を参照しながら、本発明の実
施の概要について簡単に説明する。図1は、本発明の排
気ガス浄化装置10を適用した排気ガス浄化システムの
一例を、概念的に示した説明図である。図示するよう
に、本発明の排気ガス浄化装置10は、エンジン12
と、モータ44と、エンジン12およびモータ44の運
転状態を制御するコントローラ22と、エンジン12か
ら排出される排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を浄化する
浄化触媒30などから構成されている。エンジン12か
ら出力された動力は、モータ44および出力軸42を介
して負荷40に伝達される。エンジン12には、空気を
取り入れるための吸気管14と、排気ガスを排出するた
めの排気管16とが設けられており、浄化触媒30は排
気管16に設けられている。
【0026】エンジン12から排出される排気ガスに
は、ススなどの含炭素浮遊微粒子が含まれているが、こ
れら含炭素浮遊微粒子は浄化触媒30を通過する際に捕
集され、大気中には含炭素浮遊微粒子の除去された排気
ガスが排出される。浄化触媒30は酸化作用を有してお
り、捕集した含炭素浮遊微粒子を触媒上で酸化して二酸
化炭素や水蒸気などの無害な物質に変換することができ
る。こうして、浄化触媒30を用いて排気ガス中の含炭
素浮遊微粒子を捕集し、捕集した微粒子を触媒上で酸化
させれば、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を浄化するこ
とができる。
【0027】もっとも、エンジン12は種々の条件で運
転されることから、排気ガス温度が低い運転条件で連続
して長時間運転されるなど、運転条件によっては捕集し
た微粒子の酸化が困難となり、浄化触媒30上に含炭素
浮遊微粒子が堆積してしまうことが起こり得る。微粒子
が多量に堆積して触媒表面を覆ってしまうと、触媒の有
する酸化作用が阻害され、排気ガス中の含炭素浮遊微粒
子を適切に浄化できなくなるおそれがある。
【0028】本発明の排気ガス浄化装置10は、浄化触
媒30に含炭素浮遊微粒子が堆積していることを検出す
ると、エンジン12の運転状態を変更して、浄化触媒3
0に流入する排気ガスの酸素濃度を増加させる。微粒子
の堆積量は種々の手法により検出することができるが、
例えば、堆積量が増えるに従って浄化触媒30の通気抵
抗が増加する現象に基づく手法を好適に適用することが
できる。浄化触媒30の有する酸化作用は酸素濃度が高
くなるほど強くなるので、排気ガスの酸素濃度を増加さ
せれば、触媒上に堆積している含炭素浮遊微粒子の酸化
を促進させることができる。こうして微粒子の酸化を促
進すれば、捕集した微粒子で触媒表面が覆われてしまう
ことを未然に回避することができ、排気ガス中の含炭素
浮遊微粒子を常に安定して適切に浄化することが可能と
なる。また、エンジン12の運転状態を変更すれば、そ
れに伴って出力する動力が変動するが、モータ44の運
転状態を適切に制御して、エンジン12の運転状態が変
更されたことによる出力の変更を打ち消してやれば、ハ
イブリッド機関は常に安定した動力で負荷40を駆動す
ることが可能となる。以下では、こうした排気ガス浄化
装置について、実施例に基づき詳細に説明する。
【0029】B.装置構成: B−1.ハイブリッド車両の構成:図2は、本実施例の
排気ガス浄化装置を有するハイブリッド車両100の概
略構成を示す説明図である。図示するように、このハイ
ブリッド車両100は、エンジン110と、モータ・ジ
ェネレータ120(MG1)と、モータ・ジェネレータ
130(MG2)とを有し、エンジン110と2つのモ
ータ・ジェネレータとはプラネタリギア140で互いに
結合されている。詳細には後述するが、エンジン110
およびモータ・ジェネレータ130は、主に車両を駆動
するための駆動力を出力し、モータ・ジェネレータ12
0は主にエンジン110によって駆動されて主として発
電機として機能する。プラネタリギア140は、モータ
・ジェネレータ130からの出力を、チェーンベルト1
74と車軸170とを介して駆動輪172に伝達する役
割や、エンジン110からの出力を、モータ・ジェネレ
ータ120と駆動輪172とに振り分ける動力分割機構
としての役割、更には、モータ・ジェネレータ130や
エンジン110の回転速度を減速あるいは増速して駆動
輪172に伝達する変速機としての役割を有している。
プラネタリギア140の機能については後述する。
【0030】エンジン110は、周知のディーゼルエン
ジンである。エアクリーナ169を介して吸気通路19
0から燃焼室内に空気を吸い込んで、燃焼室内で空気を
圧縮した後、圧縮されて高温になった空気中に、燃料噴
射弁192から燃料を噴射する。すると、燃料が燃焼室
内で爆発的に燃焼して、このときの燃焼圧力をクランク
シャフト114から動力として取り出すことができる。
燃焼によって生じた燃焼ガスは、排気ガスとして排気通
路180から排出される。排気ガス中にはススなどの含
炭素浮遊微粒子が含まれているが、これら微粒子は、排
気通路180に設けられた浄化触媒200の作用によっ
て浄化され、排気通路180からは、最終的には含炭素
浮遊微粒子の含有量が低減されたきれいな排気ガスが排
出される。また、浄化触媒200の上流側および下流側
には、それぞれ圧力センサ182,184が設けられて
おり、排気通路内での排気ガスの圧力を検出することが
可能となっている。
【0031】排気通路180と吸気通路190とは、E
GR通路186を介して接続されており、EGR通路1
86を介して排気ガスの一部を燃焼室内に還流させるこ
とが可能となっている。こうして排気ガスの一部を燃焼
室内に還流させれば、排気ガス中に含まれる窒素酸化物
の濃度減や、エンジン110の燃料消費効率の改善とい
った利点が得られる。このように、排気ガスの一部を燃
焼室内に還流させる技術は、EGR(Exhaust Gas R
ecirculation)と呼ばれる。EGR通路186にはEG
R弁188と呼ばれる開閉弁が設けられていて、EGR
弁188の弁開度を調整することで、燃焼室内に還流さ
せる排気ガス(EGRガス)の流量を制御することが可
能となっている。
【0032】エンジン110には、エンジン制御用の電
子制御ユニット(以下、エンジンECU)112が搭載
されている。エンジンECU112は、CPUや、RA
M、ROM、A/D変換器、D/A変換器、タイマなど
がバスを介して相互にデータをやり取り可能に接続され
た周知のマイクロコンピュータである。エンジンECU
112は、燃料噴射弁192の開弁時期や、燃料噴射弁
192に燃料を圧送する燃料ポンプ194や、EGR弁
188の弁開度などを制御することによって、エンジン
110の運転状態を制御する機能を司っている。クラン
クシャフト114の先端には、クランクポジションセン
サ118が設けられており、エンジンECU112はク
ランクポジションセンサ118の出力から、ピストン位
置やエンジンの回転速度といった制御に必要な情報を検
出することができる。
【0033】プラネタリギア140は、中心部に設けら
れたサンギア142と、サンギア142の外側に同心円
状に設けられたリングギア148と、サンギア142と
リングギア148との間に配置されてサンギア142の
外周を自転しながら公転する複数のプラネタリピニオン
ギア144と、エンジンのクランクシャフト114の端
部に結合されて各プラネタリピニオンギア144の回転
軸を軸支するプラネタリキャリア146とから構成され
ている。サンギア142は、サンギア軸141を介して
モータ・ジェネレータ120のロータ123に結合さ
れ、リングギア148は、リングギア軸147を介して
モータ・ジェネレータ130のロータ133に結合され
ている。プラネタリキャリア146は、エンジンのクラ
ンクシャフト114に結合されている。
【0034】このような構成のプラネタリギア140
は、サンギア軸141、リングギア軸147、クランク
シャフト114の3軸が動力の入出力軸とされ、3軸の
中のいずれか2軸へ入出力される動力が決定されると、
残余の1軸に入出力される動力が決定される。リングギ
ア148にはチェーンベルト174が接続されており、
動力はチェーンベルト174および車軸170を介して
駆動輪172に伝達されて、ハイブリッド車両100を
駆動する。
【0035】モータ・ジェネレータ120は、交流同期
電動機であり、外周面に複数の永久磁石122を有する
ロータ123と、回転磁界を形成する三相コイル124
が巻回されたステータ125などから構成されている。
ステータ125はケース138に固定されており、ロー
タ123は、前述したように、プラネタリギア140の
サンギア軸141に結合されている。また、サンギア軸
141には、ロータ123の回転角度を検出するレゾル
バ126が設けられている。モータ・ジェネレータ12
0は、インバータ152を介してモータECU156に
接続されている。モータECU156はインバータ15
2を制御することによって、バッテリ150から三相コ
イル124に適切な周波数で適切な電流値の交流電流を
供給し、これによってモータ・ジェネレータ120の動
作を制御している。
【0036】モータ・ジェネレータ130も、モータ・
ジェネレータ120と同様の交流同期電動機であり、外
周面に複数の永久磁石132を有するロータ133と、
回転磁界を形成する三相コイル134が巻回されたステ
ータ135などから構成されている。モータ・ジェネレ
ータ130のロータ133はプラネタリギア140のリ
ングギア軸147に結合され、ステータ135はケース
138に固定されている。また、リングギア軸147に
はロータ133の回転角度を検出するレゾルバ136が
設けられている。モータ・ジェネレータ130は、イン
バータ154を介してモータECU156に接続されて
いる。モータECU156はインバータ154を制御す
ることによって、バッテリ150から三相コイル134
に適切な周波数で適切な電流値の交流電流を供給し、こ
れによってモータ・ジェネレータ130の動作を制御し
ている。
【0037】ハイブリッド車両100には、車両全体の
制御を司るハイブリッドECU160と、モータ・ジェ
ネレータ120,130の制御を司るモータECU15
6とが搭載されている。これらECUは、前述したエン
ジンECU112と同様の構成を有するマイクロコンピ
ュータである。ハイブリッドECU160は、アクセル
ポジションセンサ162や、ブレーキスイッチ164、
あるいはバッテリ150などの種々の情報を検出して車
両全体としての運転条件を決定し、これに基づいてエン
ジンECU112およびモータECU156が、それぞ
れエンジン110およびモータ・ジェネレータ120,
130の動作を制御している。
【0038】B−2.ハイブリッド車両の動作の概要:
以上のような構成を有するハイブリッド車両100の動
作原理、特にプラネタリギア140の機能について説明
する。プラネタリギア140は、サンギア軸141,リ
ングギア軸147,クランクシャフト114の3軸の中
のいずれか2軸へ入出力される動力(すなわち、回転速
度およびトルク)が決定されると、残余の1軸に入出力
される動力(回転速度およびトルク)が決定される構造
となっている。これら3軸間に入出力される回転速度お
よびトルクの関係は、共線図を用いて容易に求めること
ができる。
【0039】図3は、プラネタリギア140の3軸に接
続された各ギアの回転速度および回転方向の関係を示す
共線図である。ここで、縦軸は各ギア(サンギア14
2,リングギア148,プラネタリキャリア146)の
回転数、すなわち、エンジン110,モータ・ジェネレ
ータ130,モータ・ジェネレータ120の回転速度を
表している。一方、横軸は各ギアのギア比を表したもの
であり、リングギア148の歯数に対するサンギア14
2の歯数をρとすると、プラネタリキャリア146に対
応する縦軸は、サンギア142とリングギア148との
間を1:ρに内分する座標位置にくる。
【0040】今、プラネタリキャリア146すなわちエ
ンジン110の回転速度をNe とし、リングギア148
すなわちモータ・ジェネレータ130の回転速度をNr
とする。共線図上で、プラネタリキャリアを表す座標軸
Cに回転速度Ne をプロットし、リングギアを表す座標
軸Rに回転速度Nr をプロットして、両プロット点を直
線で結ぶ。このような直線を考えると、サンギア142
すなわちモータ・ジェネレータ120の回転速度Ns
は、得られた直線とサンギアを表す座標軸Sとの交点の
座標として求めることができる。このような直線は動作
共線と呼ばれる。このように、プラネタリキャリア14
6,リングギア148,サンギア142の中のいずれか
2つの回転速度が決定されれば、共線図上に2つの座標
点をプロットして、両プロット点を結ぶ動作共線を考え
ることにより、他の1つの回転速度を求めることができ
る。ここで、エンジン110の回転速度Ne ,モータ・
ジェネレータ130の回転速度Nr ,モータ・ジェネレ
ータ120の回転速度Ns とすると、これらの回転速度
は、下式のような関係を有しており、2つの回転速度を
決めると残余の1つの回転速度を算出することができ
る。 Ns =Nr −(Nr −Ne )・(1+ρ)/ρ … (1)
【0041】次に、プラネタリギア140の3軸間に入
出力されるトルクの関係について説明する。共線図上で
トルクの関係を求めるには、動作共線をあたかも剛体の
ように扱って、トルクを剛体に作用するベクトルのよう
に扱う。例えば、エンジン110がトルクTe を発生
し、駆動輪172からトルクTr を出力する場合を考え
る。駆動輪172から出力するトルクは、動作共線上で
は駆動軸R上にかかる反力トルクTr として表れる。
【0042】今、座標軸Cの位置で動作共線に下からト
ルクTe を作用させると、このトルクTe を、図3に示
すように、座標軸S上のトルクTesと、座標軸R上のト
ルクTerとに分離して扱うことができる。このときのト
ルクTesおよびトルクTerの大きさは、次式(2)およ
び(3)によって表される。 Tes=Te・ρ/(1+ρ) … (2) Ter=Te/(1+ρ) … (3)
【0043】駆動輪172からトルクTr を安定して出
力するためには、プラネタリギア140の3軸に加わる
トルクが釣り合う状態、すなわち、動作共線に作用する
ベクトルが釣り合うようにすればよい。すなわち、座標
軸S上にトルクTesと大きさが同じで向きが反対のトル
クTm1をモータ・ジェネレータ130を用いて作用さ
せ、座標軸R上には、リングギア148が駆動輪172
から受けるトルクTr およびトルクTerの合力と大きさ
が同じで向きが反対のトルクTm2をモータ・ジェネレー
タ120を用いて作用させる。こうすれば、座標軸S上
ではTesとTm1とが、座標軸R上ではTr とTerとTm2
とがそれぞれ釣り合うので、動作共線全体として釣り合
わせることができる。結局、エンジン110が回転速度
Ne でトルクTe を発生している場合、モータ・ジェネ
レータ120を回転速度Ns で回転させれば、モータ・
ジェネレータ130は上式(1)で与えられる回転速度
Nrで回転する。この状態を安定に保つためには、モー
タ・ジェネレータ120でトルクTm1を発生させ、モー
タ・ジェネレータ130でトルクTm2を発生させればよ
い。トルクTm1の大きさは、上式(2)で与えられ、ト
ルクTm2の大きさは,次式(4)で与えられる。 Tm2=Tr −Ter … (4)
【0044】ここで、図3の共線図の座標軸Sに示され
ているように、モータ・ジェネレータ120の回転方向
とトルクTm1の向きとは逆方向であるから、モータ・ジ
ェネレータ120は発電機として動作している。また、
座標軸Rに示されているように、モータ・ジェネレータ
130の回転方向とトルクTm2の向きとは同じ向きであ
るから、モータ・ジェネレータ130は電動機として動
作している。すなわち、モータ・ジェネレータ120で
発電しつつ、モータ・ジェネレータ130で電力を消費
している状態となっている。
【0045】エンジン110で発生する動力Pe (=T
e ×Ne )を、リングギア148で出力すべき動力Pr
(=Tr ×Nr )と等しくしておけば、モータ・ジェネ
レータ120で発電した電力Pm1(=Tes×Ns )と、
モータ・ジェネレータ130で消費する電力Pm2(=T
m2×Nr )とが等しくなっていることを、簡単な式変形
によって確かめることができる。このように、モータ・
ジェネレータ120とプラネタリギア140とモータ・
ジェネレータ130とは、エンジン110の出力する動
力Pe (=Te ×Ne )を、トルクTr および回転速度
Nr は異なるが、同じ値の動力Tr に変換して出力する
機能を有している。出力するトルクおよび回転速度の値
は、2つのモータ・ジェネレータの動作状態によって変
更することができる。これを換言すれば、トルクTr お
よび回転速度Nr の動力Pr を車軸170に出力しなけ
ればならない場合、動力Pr と同じ動力を出力しさえす
れば、エンジンの運転条件を任意に選択可能なことを意
味している。エンジンのエネルギ効率は、エンジン回転
速度および発生トルクの組合せによって大きく異なり最
適な運転条件が存在するから、要求された動力を出力す
る運転条件の中から最も効率の良い運転条件でエンジン
を運転すれば、エンジンのエネルギ効率を大きく向上さ
せることができ、延いては車両全体としてのエネルギ効
率を大きく向上させることが可能となる。
【0046】また、エンジンは一般に、回転速度があま
りに小さくなったり、あるいは発生トルクが小さくなっ
て、動力の出力値があまりに小さな値となるとエネルギ
効率が低下する傾向にある。従って、車軸に出力すべき
動力値があまりに小さな値の場合には、エンジン110
の運転を停止し、バッテリ150に蓄えた電力でモータ
・ジェネレータ130を駆動して、いわゆる電気自動車
として走行する。
【0047】車両が減速する場合には、車軸170がチ
ェーンベルト174を介してリングギア148を回転さ
せるので、この回転を利用してモータ・ジェネレータ1
30で発電し、電力をバッテリ150に蓄える。このよ
うないわゆる回生動作を行えば、減速時の車両の運動エ
ネルギを電気エネルギとして回収することができる。車
両の発進時や低速走行時などには、こうして蓄えた電力
を利用することで、車両全体としての燃料消費効率を向
上させることができる。
【0048】更に、高速走行時や急加速時などのように
大きな動力が必要な場合は、エンジン110が出力する
動力に加えて、モータ・ジェネレータ130からも動力
を発生させて車軸170に伝達する。こうしてエンジン
110をモータ・ジェネレータ130でアシストすれ
ば、大きな動力を出力して、車両の運動性能を大きく改
善することもできる。また、バッテリ150に蓄えてい
る電力が少なくなった場合には、車軸170に出力すべ
き動力よりも大きな動力をエンジンで出力し、多めに出
力した動力でモータ・ジェネレータ120で発電して、
車両の運転中にバッテリ150を充電することも可能で
ある。
【0049】このように、車両の運転状態に応じてエン
ジン110やモータ・ジェネレータ120,130を適
切に動作させる制御は、ハイブリッドECU160が行
う。以下、ハイブリッドECU160が行っている運転
制御について簡単に説明する。
【0050】図4は、運転制御ルーチンの流れを示すフ
ローチャートである。運転制御ルーチンを開始すると、
ハイブリッドECU160は、先ず初めに車軸170か
ら出力すべき駆動エネルギPdを決定する処理を行う
(ステップS100)。駆動力Pdは、アクセルポジシ
ョンセンサ162と車軸の回転速度とに基づいて決定す
ることができる。すなわち、アクセルペダルは、車両の
運転者が出力トルクが足らないと感じたときに踏み込ま
れるものであるから、アクセルペダルの踏み込み量(ア
クセルポジションセンサ162の出力)は運転者の欲し
ているトルクに対応している。トルクに回転速度を乗算
すれば単位時間あたりの駆動エネルギが得られる。従っ
て、車軸170から出力すべき駆動エネルギPdは、ア
クセルポジションセンサ162の出力と車軸の回転速度
とが決まると、適切な値を決めてやることができる。本
実施例では、アクセルポジションセンサ162と車軸の
回転速度とに対する適切な駆動エネルギPdの値を実験
的に予め求めておき、マップの形式でハイブリッドEC
U160に予め記憶されている。
【0051】次に、充放電電力Pbおよび補機駆動エネ
ルギPhを算出する(ステップS102,S104)。
充放電電力Pbとは、バッテリ150の充放電に要する
単位時間あたりのエネルギであり、バッテリ150を充
電する必要がある場合には正の値、放電する必要がある
場合には負の値を採る。補機駆動エネルギPhとは、エ
アコンなどの補機を駆動するために必要となる単位時間
あたりのエネルギである。補機駆動エネルギPhは、駆
動している補機を検出し、これらの駆動に要するエネル
ギを加算することで算出する。こうして、駆動エネルギ
Pd,充放電電力Pb,補機駆動エネルギPhを算出し
たら、これらを加算して要求動力Peを算出する(ステ
ップS106)。ここで要求動力Peとは、エンジン1
10、モータ・ジェネレータ120、モータ・ジェネレ
ータ130をひとまとまりのハイブリッド機関と見たと
きに、ハイブリッド機関が出力すべき動力である。
【0052】次に、ハイブリッドECU160は、こう
して算出された要求動力Peに基づいてエンジン110
の運転条件を設定する(ステップS108)。エンジン
の運転条件は、エンジンの目標回転速度Neと目標トル
クTeとの組み合わせによって設定される。エンジン1
10の運転条件は、原則的にはエンジン110での燃料
消費効率ができるだけ高くなるように設定される。以下
では、図12を参照することにより、燃料消費効率がで
きるだけ高くなるようにエンジン110の運転条件を設
定する方法について説明する。
【0053】図5はエンジンの運転条件と燃料消費効率
との関係を示す説明図である。図示するように、内燃機
関の燃料消費効率は、通常、運転条件に応じて異なって
いる。図5の横軸はエンジンの回転速度Neを示し、縦
軸はエンジンの発生トルクTeを示している。図中の曲
線Bはエンジン110の出力可能な最大トルクを示して
いる。曲線α1からα6は、燃料消費効率が一定値とな
る等高線を示しており、燃料消費効率はα1からα6の
順に低くなっていく。また、曲線C1からC3はそれぞ
れエンジン110から出力される動力(回転数×トル
ク)が一定となるラインを示している。
【0054】図5から明らかなように、エンジン110
から曲線C1に相当する動力を出力する場合には、図中
のA1点に相当する運転条件が最も高効率となる。同様
に曲線C2およびC3に相当する動力を出力する場合に
は図中のA2点およびA3点で運転する場合が最も高効
率となる。以上の説明から明らかなように、エンジンが
出力すべき動力に応じて、最も効率の良い運転条件を1
つ定めることができる。尚、図中の曲線Aは、種々の動
力に対して定められた最も最も効率の良くなる運転条件
を結んで得られた曲線であり、このような曲線は動作曲
線と呼ばれる。
【0055】図4のステップS108の処理では、ステ
ップS106で算出した要求動力Peに対応する運転条
件を動作曲線上で見い出すことによって、燃料消費効率
が最も高くなるようなエンジンの運転条件を設定する。
具体的には、ハイブリッドECU160に内蔵されたR
AMには、発生すべき動力に対して動作曲線上の運転条
件(エンジン回転速度、発生トルクの組み合わせ)が予
め記憶されており、RAMを参照することによって、エ
ンジンの回転速度、発生トルクを設定する。
【0056】エンジン110の運転条件を設定すると、
ハイブリッドECU160は、続いてモータ・ジェネレ
ータ120およびモータ・ジェネレータ130のそれぞ
れについて、発生トルクおよび回転速度の指令値を設定
する(ステップS110)。すなわち、リングギア軸1
47の回転速度Nrは先に検出されているので、エンジ
ン110の回転速度Neと発生トルクTeとが定まる
と、前述した式(1)からモータ・ジェネレータ120
の回転速度Nsを算出することができる。また、それぞ
れのモータ・ジェネレータ120,130の発生トルク
の指令値は、前述した式(2)ないし式(4)に基づい
て算出することができる。
【0057】こうして、エンジンの運転条件、およびモ
ータ・ジェネレータ120,130の運転条件(すなわ
ち、発生トルクと回転速度)を設定したら、これら運転
条件を修正する処理を行う(ステップS112)。すな
わち、本実施例の排気ガス浄化装置では、浄化触媒20
0を用いて排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を捕集し、捕
集した微粒子を酸化することによって排気ガスを浄化し
ているが、浄化触媒200上に多量の微粒子が堆積した
場合には、エンジン110の運転条件を変更することに
よって微粒子の酸化反応を促進させることが可能であ
る。そこで、ステップS112においては、浄化触媒2
00上に堆積している含炭素浮遊微粒子の酸化を促進さ
せる必要があるか否かを、微粒子の堆積量に基づいて判
断し、酸化を促進させる必要があると判断した場合に
は、エンジン110、モータ・ジェネレータ120,1
30の運転条件を修正する処理を行う。かかる処理の詳
細については後述する。
【0058】以上のようにしてエンジン110の運転条
件と、2つのモータ・ジェネレータ120,130につ
いての発生トルクおよび回転速度の指令値を決定した
ら、決定した運転条件に従ってエンジン110およびモ
ータ・ジェネレータ120,モータ・ジェネレータ13
0を制御する(ステップS114)。モータ・ジェネレ
ータの制御としては、同期モータについての周知の方法
を適用することができる。本実施例では、いわゆる比例
積分制御による制御を実行している。つまり、各モータ
の現在のトルクを検出し、目標トルクとの偏差および目
標回転数に基づいて、各相に印加する電圧指令値を設定
する。印加される電圧値は上記偏差の比例項、積分項、
累積項によって設定される。それぞれの項にかかる比例
係数は実験などにより適切な値が設定される。こうして
設定された電圧は、インバータ152,154に入力さ
れ、いわゆるPWM制御により各モータ・ジェネレータ
に印加される。
【0059】ハイブリッドECU160は、以上に説明
した運転制御ルーチンを定期的に実行する。その結果、
運転者の操作に応じてハイブリッド車両を適切に運転す
ることが可能となっている。
【0060】B−3.浄化触媒の概要:図6は、排気通
路180に設けられた浄化触媒200の構造を示す説明
図である。図6(a)は、浄化触媒200を排気ガスが
流入する側から見た正面図であり、図6(b)は浄化触
媒200の側断面図である。図示するように、浄化触媒
200は、いわゆるハニカム構造をしたコージライト製
のセラミックスフィルタであり、フィルタ上に塗布され
たアルミナなどの基材に、白金系の貴金属触媒(例えば
白金Pt、パラジウムPd、ロジウムRhなどを活性元
素とする触媒)が担持されている。ハニカム構造の内部
には、排気ガスが通過する多数の通路202が形成され
ており、これら通路の上流側あるいは下流側の一端に
は、図示するように互い違いに目止め204が設けられ
ている。図6では、目止め204はハッチングを付して
示している。
【0061】以下、こうした浄化触媒200が、排気ガ
ス中の含炭素浮遊微粒子を捕集する様子について説明す
る。排気ガスが図6(b)の左側から流れてくると、上
流側に目止め204が設けられていない通路202か
ら、浄化触媒200内に流入する。しかし、その通路の
下流側は目止め204で閉塞されているので、図6
(b)に矢印で示すように、通路202の隔壁206を
通って、下流側に目止め204のされていない通路20
2に抜けて行く。コージライトは焼成時に内部に多孔質
構造が形成されており、排気ガスが隔壁206内の多孔
質構造を通過する際に、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子
などが捕集される。白金系の貴金属触媒は強い酸化活性
を有することから、浄化触媒200がある程度の温度に
達していれば、担持された貴金属触媒に働きにより、捕
集された微粒子を酸化して排気ガスを浄化することがで
きる。
【0062】もっとも、エンジン110の運転条件によ
っては、浄化触媒200上に含炭素浮遊微粒子が堆積し
てしまうことがある。例えばエンジン110が、排気ガ
ス温度が低い条件で長時間運転された場合などには、浄
化触媒200の温度が次第に低下するといった理由か
ら、含炭素微粒子を速やかに酸化させることが困難とな
る場合があり、捕集した微粒子が浄化触媒200上に堆
積してしまうことが起こり得る。このような場合には、
堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を促進させるべく、以
下に説明するように、エンジン110の運転条件を適切
な運転条件に修正し、これにあわせてモータ・ジェネレ
ータ120,130の運転条件を修正する処理を行う。
【0063】C.第1実施例: C−1.第1実施例の運転条件修正処理:以下、第1実
施例の排気ガス浄化装置において、浄化触媒200上に
堆積した含炭素浮遊微粒子の堆積量に応じて、微粒子の
酸化を促進すべくエンジンやモータ・ジェネレータの運
転条件を修正する処理について説明する。かかる処理
は、図4に示した運転制御ルーチン中のステップS11
2において実行される処理である。
【0064】図7は、第1実施例の運転条件修正処理の
流れを示すフローチャートである。運転条件修正処理を
開始すると、先ず初めに、浄化触媒200の前後差圧d
Pを検出する(ステップS200)。図2を用いて説明
したように、浄化触媒200の上流側および下流側には
圧力センサ182,184がそれぞれ設けられているの
で、ハイブリッドECU160はこれらセンサの出力に
基づいて、浄化触媒200の前後差圧dPを検出する。
【0065】浄化触媒200前後での差圧dPを検出し
たら、酸化促進制御中か否か、すなわち、浄化触媒20
0上に堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を促進させるた
めの制御を行っているか否かを判断する(ステップS2
02)。ハイブリッドECU160に内蔵されたRAM
の所定アドレスには、エンジンの制御モードを示すデー
タが格納されており、かかるデータを参照することによ
って、酸化促進制御中か否かを容易に判断することがで
きる。
【0066】図8は、エンジンの制御モードを示すデー
タのデータ構造を概念的に示した説明図である。図8
(a)に示すように、アドレスには1バイト(8ビッ
ト)分のメモリが割り当てられていて、各ビットがそれ
ぞれの制御モードを示している。
【0067】図8(b)は各ビットと制御モードとの対
応関係を示した説明図である。先頭にあるビット(最上
位ビット)にはフラグFnが割り当てられている。この
フラグFnが「ON」すなわち高電圧状態であること
は、エンジンが通常の運転条件、すなわち燃料消費効率
ができるだけ高くなるような運転条件で制御されている
ことを意味している。次のビットにはフラグFb が割り
当てられている。このフラグFb が「ON」であること
は、浄化触媒200上に堆積した含炭素浮遊微粒子の酸
化を促進する制御を行うことを意味している。通常、フ
ラグFb が「ON」になると、フラグFnは「OFF」
すなわち低電圧状態に切り換えられる。フラグFb に続
く5ビットは予備のフラグ用のビットである。最下位の
ビットにはフラグFL が割り当てられている。フラグF
L が「ON」であることは、浄化触媒200に流入する
排気ガス中の酸素濃度を増加させる制御を行うことを意
味している。
【0068】図7に示す運転条件修正処理中のステップ
S202において、酸化促進制御中であるか否かは、図
8に示したフラグFb が「ON」になっているか否かに
着目して行う。フラグFb が「OFF」である場合は、
酸化促進制御中ではないと判断して(ステップS20
2:no)、ステップS200で検出した浄化触媒20
0の前後差圧dPと所定の第1の閾値th1 との大小関
係を比較する(ステップS204)。触媒の前後差圧d
Pが第1の閾値th1 よりも大きい場合は(ステップS
204:yes)、浄化触媒200上に含炭素浮遊微粒
子が堆積していると考えられるので、堆積した微粒子の
酸化を促進させる制御を行うものと判断して、通常運転
制御を行うことを示すフラグFnを「OFF」に、酸化
促進制御を行うことを示すフラグFb を「ON」にそれ
ぞれ設定した後(ステップS206)、タイマを「O
N」にする(ステップS208)。
【0069】タイマは、ハイブリッドECU160に内
蔵されており、時間TL と時間Tsとを交互に計時し
て、パルスを出力するように構成されている。より詳し
くは、タイマが「ON」にされてから時間TL が経過し
た時点でパルスを出力し、パルスを出力してから時間T
sが経過すると、再びパルスを出力する。2回目のパル
スを出力すると、続いて時間TL の経過後にパルスを出
力し、更に時間Tsの経過後にパルスを出力する。こう
して、タイマが「OFF」になるまで、交互に時間TL
、時間Tsが経過する度にパルスを出力する。
【0070】こうしてタイマが出力するパルスに合わせ
て、フラグFL は「ON」と「OFF」とを交互に繰り
返す。より詳しくは、タイマが「ON」に設定されると
同時にフラグFL が「ON」に設定され、時間TL が経
過してタイマからパルスが出力されると、このパルスを
受けてフラグFL が「ON」から「OFF」に切り換わ
る。次いで、時間Ts経過後に再びタイマがパルスを出
力すると、このパルスを受けてフラグFL が「OFF」
から「ON」に切り換わる。以降、タイマが「OFF」
にされるまで、タイマからパルスが出力される度に、フ
ラグFL は「ON」の状態と「OFF」の状態とを繰り
返す。
【0071】こうしてタイマを「ON」にすると、ハイ
ブリッドECU160はフラグFLが「ON」に設定さ
れているか否かを判断する(ステップS210)。フラ
グFL が「ON」に設定されている場合は、排気ガス中
の酸素濃度を増加させて浄化触媒200上に堆積した含
炭素浮遊微粒子の酸化を促進する制御を行うべく、エン
ジン110の燃料噴射量およびEGR弁開度を所定量だ
け減少させる制御を行う(ステップS212)。燃料噴
射量を減少させれば、エンジン110の燃焼室内で燃焼
に使用される酸素量が減少するので、その分だけ排気ガ
ス中の酸素濃度を増加させることができる。また、EG
R弁開度を閉じることによりEGR量を減少させれば、
その分だけ燃焼室内に吸入される空気量が増加し、その
結果として排気ガス中の酸素濃度を増加させることがで
きる。燃料噴射量、EGR弁開度の減少量は、エンジン
の運転条件に応じた適切な値が実験的な手法によって求
められ、ハイブリッドECU160内のRAMにマップ
の形で記憶されている。尚、本実施例では排気ガス中の
酸素濃度を増加させるために、燃料噴射量およびEGR
弁開度をいずれも減少させているが、もちろんいずれか
一方のみを減少させても構わない。
【0072】燃料噴射量およびEGR弁開度を減少させ
たら、今度はモータ・ジェネレータ120,130の運
転条件を修正する処理を行う(ステップS214)。す
なわち、ステップS212において、燃料噴射量および
EGR弁開度を減少させると、エンジン110から出力
される動力は、図4の運転制御ルーチン中で先に設定さ
れた要求動力Peとは異なってしまうので、この違いを
打ち消すべく、モータ・ジェネレータ120,130の
出力トルクおよび回転速度を修正するのである。燃料噴
射量、EGR弁開度を減少したときに、エンジン110
の出力する動力がどの程度変化するかは、実験的な手法
によって予め調べておくことができるので、モータ・ジ
ェネレータ120,130の修正量も実験的に予め求め
ておくことができる。ハイブリッドECU160のRA
Mには、こうして予め求めておいたモータ・ジェネレー
タの修正量が、エンジン運転条件に対するマップの形式
で予め記憶されており、ステップS214では、マップ
に記憶された値を読み出すことで、モータ・ジェネレー
タの運転条件を修正する。
【0073】一方、ステップS210において、フラグ
FL が「ON」となっていない場合には(ステップS2
10:no)、エンジンの運転条件を修正する処理(ス
テップS212)および、これに伴ってモータ・ジェネ
レータの運転条件を修正する処理(ステップS214)
を行うことなく、運転条件修正処理を終了して、図4に
示した運転制御ルーチンに復帰する。
【0074】また、ステップS204において「no」
と判断された場合、すなわち、堆積した微粒子の酸化促
進制御を行っておらず、且つ、浄化触媒200の前後差
圧dPが第1の閾値th1 より小さい場合は、浄化触媒
200では捕集された含炭素浮遊微粒子が正常に酸化さ
れており、触媒上の微粒子の酸化を促進させる処理は不
要であると考えられる。そこで、この場合は、エンジン
やモータ・ジェネレータの運転条件を修正することな
く、そのまま運転条件修正処理を終了する。
【0075】一方、ステップS202において、酸化促
進制御中であると判断された場合は(ステップS20
2:yes)、ステップS200で先に検出した浄化触
媒200の前後差圧dPの値と、所定の第2の閾値th
2 との大小関係を判断する(ステップS216)。ここ
で第2の閾値th2 は、前述の第1の閾値th1 よりも
小さな値に設定されている。この理由については後述す
る。
【0076】浄化触媒200の前後差圧dPが第2の閾
値th2 よりも小さい場合(ステップS216:ye
s)、すなわち、酸化促進制御中であるが触媒の前後差
圧dPが閾値th2 よりも小さくなっている場合は、浄
化触媒200上に堆積していた含炭素浮遊微粒子の酸化
が促進された結果、堆積した微粒子が浄化されたものと
考えられる。そこで、酸化促進制御を行うことを意味す
るフラグFb を「OFF」に、また通常の運転制御を行
うことを意味するフラグFnを「ON」に設定するとと
もに(ステップS218)、タイマを「OFF」に設定
した後(ステップS220)、運転条件修正処理を終了
して、図4に示した運転制御ルーチンに復帰する。
【0077】これに対して、ステップS216で「n
o」と判断された場合、すなわち、酸化促進制御中であ
るが、触媒の前後差圧dPが未だ第2の閾値th2 より
も大きい場合は、そのまま酸化促進制御を継続するもの
として、排気ガス中の酸素濃度を増加させる処理を行う
ことを意味するフラグFL が「ON」に設定されている
か否かを判断する(ステップS210)。フラグFL が
「ON」に設定されていれば、エンジンの運転条件を修
正した後(ステップS212)、これに伴ってモータ・
ジェネレータの運転条件を修正する(ステップS21
4)。フラグFL が「ON」に設定されていない場合
は、エンジンの運転条件およびモータ・ジェネレータの
運転条件を修正することなく運転条件修正処理を抜け
て、図4に示した運転制御ルーチンに復帰する。
【0078】ここで、第2の閾値th2 が第1の閾値t
h1 よりも小さな値に設定されている理由について説明
する。図7に示した運転条件修正処理の説明から明らか
なように、第1の閾値th1 は、酸化促進制御を開始す
るための判断に使用される閾値であり、第2の閾値th
2 は、酸化促進制御を終了するための判断に使用される
閾値である。仮に、第2の閾値th2 を第1の閾値th
1 と同じ値に設定した場合、浄化触媒200の前後差圧
dPが閾値th1 より僅かに小さくなっただけで酸化促
進制御を終了してしまうので、前後差圧が少しでも増加
すると再び酸化促進制御を開始することになる。従っ
て、酸化促進制御の開始と終了とを頻繁に繰り返すこと
となって、エンジン110の運転状態が不安定となって
しまう場合が起こり得る。このような事態の発生を回避
するため、酸化促進制御を開始したら、浄化触媒200
の前後差圧の値が、酸化促進制御の開始を判断するため
に使用する第1の閾値th1 よりも小さな第2の閾値t
h2 以下の値となるまで、酸化促進制御を継続し、触媒
の前後差圧dPが第2の閾値th2 より小さくなって初
めて酸化促進制御を終了することとしているのである。
【0079】尚、以上の説明では、浄化触媒200の上
流側の圧力センサ182および下流側の圧力センサ18
4の出力から触媒の前後差圧dPを検出し、前後差圧d
Pに基づいて浄化触媒200上に堆積している微粒子量
を検出することとした。もちろん、これに限らず、浄化
触媒200の上流側で検出して排気通路内圧力から、含
炭素浮遊微粒子の堆積量を検出することとしても良い。
すなわち、浄化触媒200上に微粒子が堆積して触媒の
通気抵抗が増加すると、それに伴って触媒上流側の排気
通路内圧力も増加することから、エンジン運転条件に対
応付けて予め定めておいた閾値と、浄化触媒の上流側で
検出した排気管内圧力とを比較して、排気通路内圧力が
閾値より高い場合には、浄化触媒200上に含炭素浮遊
微粒子が堆積していると判断してもよい。このような方
法を用いれば、浄化触媒200の上流側にのみ圧力セン
サ182を設けるだけで、含炭素浮遊微粒子の堆積量を
検出することが可能となる。
【0080】以上に説明したように、浄化触媒200に
堆積した含炭素浮遊微粒子の堆積量に応じて、浄化触媒
上での微粒子の酸化を促進させる否かを判断し、促進さ
せる場合には、排気ガス中の酸素濃度を増加させるべく
エンジン110の運転条件を修正し(ステップS21
2)、それに伴う出力の変動を打ち消すようにモータ・
ジェネレータ120,130の運転条件を修正した後
(ステップS214)、運転条件修正処理を抜けて図4
に示した運転制御ルーチンに復帰する。運転制御ルーチ
ンのステップS114では、こうして設定された運転条
件となるように、エンジンおよびモータ・ジェネレータ
の制御が実行される。
【0081】図9は、エンジン110の運転中に、時間
の経過とともに浄化触媒200上に含炭素浮遊微粒子が
堆積し、これに応じて、エンジン110の運転状態が切
り変わる様子を概念的に示した説明図である。図9の最
下段には浄化触媒200の前後差圧dPが示されてい
る。図示されているように、触媒前後差圧dPは、初め
は第1の閾値th1 よりも小さく、各フラグの設定状態
は、フラグFnが「ON」に、フラグFb が「OFF」
に設定されている。このことに対応して、エンジン11
0は通常の運転条件、すなわち燃料消費効率ができるだ
け高くなるような運転条件に制御されている。エンジン
110を運転していると、浄化触媒200上に次第に含
炭素浮遊微粒子が堆積していき、これに伴って触媒の前
後差圧dPも増加していく。こうして時刻T1に達した
時点で、前後差圧dPが第1の閾値th1 を越えると、
ハイブリッドECU160は、浄化触媒200上に堆積
した微粒子の酸化を促進させるものと判断して、酸化促
進制御を行うことを意味するフラグFb を「ON」に、
通常の運転制御を行うことを意味するフラグFnを「O
FF」にするとともに、ハイブリッドECU160に内
蔵されているタイマを「ON」にする(図7参照)。
【0082】タイマが「ON」になると、フラグFL は
一定間隔で「ON」の状態と「OFF」の状態とを繰り
返す。フラグFL が「ON」になっている間は、エンジ
ン110の燃料噴射量およびEGR弁開度は、燃料消費
効率ができるだけ高くなるような条件よりも所定量だけ
少ない条件に設定される。その結果、排気ガス中の酸素
濃度が増加して、浄化触媒200上での含炭素浮遊微粒
子の酸化が促進される。また、フラグFL が「OFF」
になっている間は、エンジン110は燃料消費効率がで
きるだけ高くなる条件で運転されるように制御される。
【0083】排気ガス中の酸素濃度を増加させれば、浄
化触媒200上に堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を促
進させることができる。この理由を、図10を参照しな
がら説明する。図10は、酸素濃度と酸化反応速度定数
との関係を概念的に示す説明図である。一般に、化学反
応の速度は反応速度定数によって表すことができ、化学
反応の速度が速くなるほど、反応速度定数は大きな値と
なる。図10に示すように、反応に関与する酸素濃度が
高くなるほど、酸化反応速度定数は大きくなるので、と
りもなおさず、浄化触媒200上に堆積した含炭素浮遊
微粒子の酸化が促進されることになる。
【0084】本実施例の排気ガス浄化装置では、フラグ
FL が「ON」に設定されている期間だけ、排気ガス中
の酸素濃度を増加させる。その結果、図9に示すよう
に、フラグFL が「ON」になる度に、浄化触媒200
上に堆積した微粒子の酸化が促進されて、触媒の前後差
圧dPが段階的に減少していく。このように、フラグF
L が切り変わるタイミングでエンジン110の運転条件
を切り換えると、それに伴ってエンジン110の出力は
変動するが、前述したようにモータ・ジェネレータ12
0,130が適切に制御されて、エンジンの出力変動が
打ち消され、ハイブリッド車両の車軸170からは常に
安定した動力が出力されている。
【0085】こうして、排気ガス中の酸素濃度を間欠的
に増加させながら、触媒上に堆積している含炭素浮遊微
粒子の酸化を促進させていると、ついには時刻T2に達
した時点で浄化触媒前後の差圧dPが第2の閾値th2
よりも小さくなる。これは、堆積していた含炭素浮遊微
粒子の酸化が促進されて、微粒子が浄化されたものと考
えることができる。そこで、酸化促進制御を行うことを
示すフラグFb を「OFF」にするとともに、通常の運
転制御を行うことを意味するフラグFnを「ON」にす
る。また、タイマを「OFF」に設定して、酸化促進制
御を終了する。
【0086】上述した酸化促進制御によれば、例え、エ
ンジン110の排気ガス温度が低い条件で長時間運転さ
れるなど、何らかの原因で浄化触媒200上に含炭素浮
遊微粒子が堆積した場合でも、浄化触媒200に流入す
る排気ガス中の酸素濃度を増加させて、堆積した微粒子
の酸化を促進させることができる。このため、浄化触媒
200上に多量の含炭素浮遊微粒子が堆積して触媒の機
能が阻害されることを未然に回避することができ、排気
ガス中の含炭素浮遊微粒子を、常に適切に浄化すること
が可能となる。加えて、酸化促進制御を行うことによる
エンジン110の出力変動を、モータ・ジェネレータ1
20,130を適切に制御することによって打ち消すこ
とができるので、ハイブリッド車両の車軸170からは
常に安定した動力を出力することができる。このため、
車両の運転者に、何ら違和感を与えることなく、浄化触
媒上に堆積した含炭素浮遊微粒子を処理することが可能
となる。
【0087】また、上述した酸化促進制御では、浄化触
媒200上に堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を促進さ
せるために、フラグFL が「ON」になるのに合わせ
て、排気ガス中の酸素濃度を間欠的に短時間だけ増加さ
せている。こうして酸素濃度をパルス的に増加させれ
ば、酸化促進制御によって、浄化触媒200の温度が過
度に上昇して触媒が熱劣化することがない。すなわち、
通常、含炭素浮遊微粒子が酸化すると、酸化に伴って発
生する熱で浄化触媒200の温度が上昇し、酸化反応が
一層促進されて更に触媒温度が上昇する結果、浄化触媒
が過昇温状態となって、触媒が熱劣化してしまうことが
起こり得る。これに対して、酸素濃度を間欠的に短時間
だけ増加させることとすれば、酸素濃度が高く酸化が促
進されている期間は短期間しか連続しないので、過昇温
状態となることがなく、浄化触媒200が熱劣化するお
それがない。
【0088】尚、ここでは、排気ガスの酸素濃度をパル
ス的に増加させるものとしたが、必ずしもこれに限定さ
れるものではなく、酸化促進制御中、すなわちフラグF
b が「ON」になっている間、排気ガス中の酸素濃度を
通常運転制御中よりも少しだけ増加させることで、触媒
上に堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を促進させること
も可能である。酸素濃度を少しだけ増加させる程度であ
れば、酸素濃度が制約となるため、含炭素浮遊微粒子の
酸化が過度に促進されることがないので、浄化触媒が過
昇温して熱劣化するおそれはない。こうして排気ガス中
の酸素濃度を連続して増加させる方法では、フラグFb
が「ON」になっている間にエンジン110の運転条件
が切り換わることはないので、それだけエンジンを安定
した状態で運転することが可能になるという利点があ
る。これに対して、酸素濃度をパルス的に増加させる方
法では、酸化を促進させるために酸素濃度を増加させる
増加量が多少多くなっても、酸素濃度の高い状態が短時
間しか持続されないので、浄化触媒200が過昇温状態
となることがない。換言すれば、堆積した微粒子の酸化
を促進させるために増加させる酸素濃度を精度よく管理
する必要がないので、その分だけ制御内容を簡素なもの
とすることが可能になる。
【0089】D.第2実施例: D−1.装置構成:エンジン110の排気ガス中には大
気汚染物質として、含炭素浮遊微粒子に加えて窒素酸化
物も含まれている。そこで、含炭素浮遊微粒子と窒素酸
化物とを同時に浄化すべく、活性酸素放出剤が担持され
た浄化触媒を用いることもできる。以下では、こうした
第2実施例の排気ガス浄化装置について説明する。
【0090】第2実施例の浄化触媒300は、図6に示
した第1実施例の浄化触媒200に対して、貴金属触媒
に加えて活性酸素放出剤が担持されている部分が大きく
異なっている。活性酸素放出剤としては、カリウムKな
どのアルカリ金属類や、バリウムBaなどのアルカリ土
類金属などを用いることができる。後述するように、貴
金属触媒に加えて活性酸素放出剤が担持された浄化触媒
300は、排気ガス中に過剰な酸素が含まれている場合
には、過剰な酸素とともに窒素酸化物を取り込み、排気
ガス中の酸素濃度が低下すると、取り込んだ窒素酸化物
を分解し、同時に発生する活性酸素を用いて含炭素浮遊
微粒子を酸化する。このような浄化触媒を用いれば、排
気ガス中の含炭素浮遊微粒子と窒素酸化物とを同時に浄
化することが可能である。以下、図11を参照しなが
ら、第2実施例の浄化触媒300が、排気ガス中の含炭
素浮遊微粒子と窒素酸化物とを同時に浄化するメカニズ
ムについて説明する。
【0091】図11は、浄化触媒300の内部に形成さ
れた多孔質構造の表面を拡大して示した概念図である。
浄化触媒300内部に形成された細孔の表面には、カリ
ウムKやバリウムBaなどの活性酸素放出剤350と、
白金PtやパラジウムPdなどの白金系貴金属触媒35
2とが担持されている。貴金属触媒352は粒径が1μ
m以下の微粒子状で活性酸素放出剤350の上に均一に
分布した状態で担持されている。
【0092】図11(a)は、排気ガス中に過剰な酸素
が含まれている場合を示している。排気ガス中には、燃
焼によって生じる窒素酸化物が含まれている。窒素酸化
物はほとんどが一酸化窒素NOの状態で含まれているの
で、図11では窒素酸化物を一酸化窒素NOとして表示
している。一酸化窒素NOは極性分子であることから、
排気ガス中のNOは速やかに白金Ptなどの貴金属触媒
352上に吸着する。Ptなど貴金属触媒352は強い
酸化活性を有しているため、NOは貴金属触媒上で排気
ガス中の酸素と反応し、亜硝酸イオンNO2-を経由して
硝酸イオンNO3-となり、硝酸塩の形で活性酸素放出剤
350に取り込まれる。もちろん、一部は亜硝酸イオン
NO2-のまま亜硝酸塩の形で取り込まれる場合もある。
貴金属触媒上の硝酸イオンNO3-、あるいは亜硝酸イオ
ンNO2-は、いわゆる「スピルオーバ」と呼ばれる現象
によって活性酸素放出剤350まで移動する。「スピル
オーバ現象」とは、触媒上で吸着分子が活発に動き回る
現象である。触媒上では、Ptなどの貴金属微粒子はで
きるだけ均一に分散させているとはいえ、分子レベルで
言えば局在していることに変わりはないが、スピルオー
バ現象によって吸着分子が表面を活発に移動し得るため
に、表面全体が触媒として機能しているものと考えられ
ている。このように、排ガス中に酸素が過剰に存在して
いる条件では、NOがPt等の貴金属触媒上で酸化さ
れ、スピルオーバ現象によって活性酸素放出剤350ま
で運ばれて、硝酸塩あるいは亜硝酸塩の形で過剰酸素と
ともに蓄えられる。
【0093】図11(b)は、排気ガス中の酸素濃度が
低下した場合に、活性酸素放出剤350が蓄えた酸素を
活性酸素として放出する様子を概念的に示した説明図で
ある。排気ガス中には、炭化水素系化合物や一酸化炭素
などの還元物質が含まれている。ススなどの含炭素浮遊
微粒子も還元物質として作用する。図11(b)では、
炭化水素系化合物をHCと表示し、ススなどの含炭素浮
遊微粒子は炭素を表すCで模式的に表示している。前述
したようにPt等の貴金属触媒352は強い酸化活性を
有しているので、排気ガス中に酸素が存在すれば、これ
ら還元物質を酸化して、二酸化炭素CO2 や水などの無
害な物質に変換することができる。
【0094】ところが、排気ガス中の酸素濃度が低下し
て、還元物質に見合う分量の酸素が存在していない場合
には、図11(b)に示すように、Pt等の貴金属触媒
352は活性酸素放出剤350に蓄えておいた硝酸イオ
ン(あるいは亜硝酸イオン)を分解し、発生した活性酸
素を用いて還元物質を酸化する。図11(b)を参照し
ながら、かかる現象について説明する。活性酸素放出剤
350に蓄えられていた硝酸イオン(あるいは亜硝酸イ
オン)は、スピルオーバ現象によってPt上に移動す
る。Pt上では、硝酸イオンの電子雲がPt側に吸い寄
せられて偏在する結果、硝酸イオン(あるいは亜硝酸イ
オン)の窒素原子と酸素原子との間の化学結合が切れ易
い状態になっている。図11(b)において、硝酸イオ
ンを「N+3・O」と表示しているのは、窒素原子と酸
素原子との間の結合が切れ易くなっている様子を模式的
に表示したものである。このような状態に還元物質が作
用すると、窒素原子と酸素原子との結合が切断されて活
性酸素が発生する。活性酸素は極めて反応性に富んだ物
質であり、排気ガス中の炭化水素系化合物、一酸化炭素
や、ススなどの含炭素浮遊微粒子などと速やかに反応し
て、これらを二酸化炭素CO2 や水などに変換すること
ができる。
【0095】活性酸素放出剤350は、硝酸イオンを分
解する際だけでなく、排気ガス中の一酸化窒素NOを取
り込む際にも活性酸素を放出する。かかるメカニズム
は、次のようなものであると考えられる。活性酸素放出
剤350は排気ガスによって高温に加熱されるため、通
常は二酸化炭素CO2 と結合して炭酸塩の状態になって
いると考えられる。一酸化窒素NOが活性酸素放出剤3
50に蓄積される際には、炭酸イオンCO3-が二酸化炭
素CO2 と活性酸素とに分解され、この結果、活性酸素
が放出されるものと考えられる。
【0096】このように、活性酸素放出剤が担持された
浄化触媒300は、排気ガス中に酸素が過剰に存在して
いる条件では排気ガス中の窒素酸化物NOx を取り込
み、酸素濃度が低下すると、無害な窒素などに分解して
浄化する。いずれの条件においても活性酸素を放出し、
この活性酸素を利用することで、浄化触媒300上に捕
集した含炭素浮遊微粒子を速やかに酸化させることがで
きる。
【0097】D−2.第2実施例の運転条件修正処理:
以下、第1実施例の排気ガス浄化装置において、浄化触
媒300上に堆積した含炭素浮遊微粒子の堆積量に応じ
て、微粒子の酸化を促進すべくエンジンやモータ・ジェ
ネレータの運転条件を修正する処理について説明する。
かかる処理も、第1実施例の運転条件修正処理と同様
に、図4に示した運転制御ルーチン中のステップS11
2において実行される処理である。
【0098】図12および図13は、第2実施例におけ
る運転条件修正処理の流れを示すフローチャートであ
る。図12は処理の前半部分を、図13は処理の後半部
分を示しており、特に図13に示した後半部分の処理
は、図7に示した第1実施例の処理と実質的に同様の処
理である。これらの処理も、ハイブリッドECU160
に内蔵されたCPUによって実行される。以下、図1
2、図13に従って説明する。
【0099】図12に示すように、第2実施例の運転条
件修正処理を開始すると、先ず初めに、浄化触媒300
に流入する排気ガスの温度、および触媒から流出する排
気ガスの温度を検出する(ステップS300)。浄化触
媒300に流入する排気ガス温度は、触媒の上流側と下
流側にそれぞれ設けた図示しない温度センサを用いて検
出することができる。
【0100】こうして浄化触媒300の上流側および下
流側での排気ガス温度を検出したら、浄化触媒300が
活性しているか否かを判断する(ステップS302)。
浄化触媒300が活性しているか否かは、次のように、
触媒前後での排気ガスの温度差に基づいて判断すること
ができる。すなわち、前述したように、浄化触媒300
は、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子および窒素酸化物を
触媒上で二酸化炭素や、窒素、水蒸気などの無害な物質
に分解して浄化するが、かかる反応は発熱反応であるこ
とから、浄化触媒300を通過すると排気ガスの温度は
上昇する。このことから、浄化触媒300の前後での排
気ガス温度を検出して、温度差が所定の閾値温度より大
きい場合は、排気ガス中の含炭素浮遊微粒子などが触媒
上で活発に酸化されており、従って浄化触媒300が活
性状態にあると判断することができる。逆に、浄化触媒
300前後での排気ガスの温度差が、所定の閾値温度以
下である場合には、浄化触媒300が活性していないと
判断することができる。ステップS302では、こうし
て浄化触媒300前後での排気ガスの温度差と所定の閾
値温度とを比較することにより、浄化触媒300の活性
状態を判断する。
【0101】触媒前後での温度差が閾値温度より大きい
場合は(ステップS302:yes)、続いて、エンジ
ン110のアシストが可能か否かを判断する(ステップ
S304)。かかる判断は次のようにして行う。前述し
たように、モータ・ジェネレータ120,130は、車
軸170に対して動力をやり取り可能に設けられてい
る。浄化触媒300上に堆積した含炭素浮遊微粒子の酸
化促進制御を行うことでエンジン110の出力が変動し
た場合には、モータ・ジェネレータ120,130から
車軸170に動力を出力したり、あるいは動力を吸収す
ることでエンジンの出力変動を打ち消して、車軸170
には安定した動力を供給することができる。もっとも、
モータ・ジェネレータ120,130が出力可能な動力
にも限界があり、これらモータが最大定格付近で運転さ
れている場合には、エンジン110の出力の低下を補う
ことはできない。同様に、モータ・ジェネレータ12
0,130が動力を吸収する場合にも、発電機としての
最大定格付近で運転されている場合には、エンジン11
0の出力増加を吸収することはできない。そこで、ハイ
ブリッドECU160は、モータ・ジェネレータ12
0,130の運転条件が最大定格に対する余裕が所定量
以下しか残っていない場合は、モータによるアシストが
不可能であると判断する。逆に、最大定格に対して、ま
だ所定量以上の余裕が残っている場合は、モータによる
アシスト可能と判断するのである。
【0102】モータによるアシスト可能と判断した場合
は(ステップS304:yes)、今度は、リッチスパ
イク制御中か否かを判断する(ステップS306)。前
述したように、浄化触媒300は排気ガス中に過剰な酸
素が存在している場合には排気ガス中の過剰酸素と窒素
酸化物とを蓄え、過剰酸素の濃度が低下すると蓄えた窒
素酸化物を分解するとともに、そのときに発生する活性
酸素を利用して、排気ガスに含まれている含炭素浮遊微
粒子を酸化させる。ここで、通常、ディーゼルエンジン
の排気ガス中には過剰酸素が含まれていることから、浄
化触媒300を用いて、排気ガス中の窒素酸化物や含炭
素浮遊微粒子を浄化するためには、排気ガス中の過剰酸
素の濃度を意図的に低下させる必要がある。排気ガス中
の過剰酸素濃度を低下させるには、排気ガスに含まれる
還元物質、すなわち一酸化炭素や未燃燃料などの濃度を
増加させればよい。リッチスパイク制御とは、排気ガス
中に含まれるこれらの還元物質の濃度を間欠的に増加さ
せる制御である。
【0103】リッチスパイク制御は、種々の方法を用い
て行うことができる。例えば、排気通路180の浄化触
媒300の上流側に専用の燃料噴射弁を設けておき、該
燃料噴射弁から所定量の燃料を排気ガス中に噴射するこ
ととしてもよい。また、エンジン110の膨張行程中、
あるいは排気行程中に燃料噴射弁192から燃焼室内に
所定量の燃料を噴射することとしても良い。更には、リ
ッチスパイク制御を行うときにだけ、EGR量を大幅に
増加させることとしてもよい。EGR量を大幅に増加さ
せれば、それに伴って吸入する空気量が減少するので、
結果的に排気ガス中の酸素濃度を減少させることができ
る。これらリッチスパイク制御を実際に行うのはエンジ
ンECU112であるが、ハイブリッドECU160は
リッチスパイク制御中であるか否かを常に監視してお
り、リッチスパイク制御中か否かを容易に検出すること
ができる。
【0104】以上のように、浄化触媒300の触媒前後
の排気ガス温度を検出して(ステップS300)、触媒
が活性中か否か(ステップS302)、モータ・ジェネ
レータによるアシストが可能な否か(ステップS30
4)、リッチスパイク制御中か否か(ステップS30
6)についての判断を行い、触媒が活性中であり(ステ
ップS302:yes)、モータによるアシストが可能
で(ステップS304:yes)、且つリッチスパイク
制御中でない場合(ステップS306:no)には、図
13に示す後半部分の処理に進む。そうでない場合、す
なわち、触媒が活性していないか(ステップS302:
no)、モータによるアシストが可能でないか(ステッ
プS304:yes)、リッチスパイク制御中(ステッ
プS306:yes)のいずれかである場合には、運転
条件を修正することなく、そのまま運転条件修正処理を
抜けて、図4に示した運転制御ルーチンに復帰する。
【0105】第2実施例の運転条件修正処理の後半部分
では、第1実施例の運転条件修正処理と同様の方法によ
り、エンジンおよびモータ・ジェネレータの運転条件を
修正する処理を行う。以下、簡単に説明すると、先ず、
浄化触媒300の前後差圧dPを検出する(ステップS
308)。次いで、酸化促進制御中か否かを判断する
(ステップS310)。酸化促進制御中か否かは、ハイ
ブリッドECU160に内蔵されたRAMの所定アドレ
スに設定されているフラグFb の値に基づいて容易に判
断することができる(図8参照)。
【0106】酸化促進制御中ではない場合は(ステップ
S310:no)、触媒前後差圧dPと所定の第1の閾
値th1 との大小関係を比較して(ステップS31
2)、前後差圧dPが第1の閾値th1 よりも大きけれ
ば(ステップS312:yes)、堆積した微粒子の酸
化を促進させる制御を行うべきと判断して、通常運転制
御を行うことを示すフラグFnを「OFF」に、酸化促
進制御を行うことを示すフラグFb を「ON」にそれぞ
れ設定した後(ステップS314)、タイマを「ON」
にする(ステップS316)。タイマは、「ON」にさ
れると周期的にパルスを出力し、このパルスに同期して
フラグFL は「ON」と「OFF」とを繰り返す。
【0107】次いで、ハイブリッドECU160はフラ
グFL が「ON」に設定されているか否かを判断し(ス
テップS318)、フラグFL が「ON」に設定されて
いる場合は、エンジン110の燃料噴射量およびEGR
弁開度を所定量だけ減少させた後(ステップS32
0)、これによるエンジンの出力変動を打ち消すべく、
モータ・ジェネレータの運転条件を修正する(ステップ
S322)。一方、ステップS318において、フラグ
FL が「ON」となっていない場合には、エンジンの運
転条件を修正する処理(ステップS320)および、こ
れに伴ってモータ・ジェネレータの運転条件を修正する
処理(ステップS322)を行うことなく、運転条件修
正処理を終了して、図4に示した運転制御ルーチンに復
帰する。また、ステップS312において「no」と判
断された場合、すなわち、堆積した微粒子の酸化促進制
御を行っておらず、且つ、浄化触媒300の前後差圧d
Pが第1の閾値th1 より小さい場合も、エンジンやモ
ータ・ジェネレータの運転条件を修正することなく、そ
のまま運転条件修正処理を終了する。
【0108】一方、ステップS310において、酸化促
進制御中であると判断された場合は(ステップS31
0:yes)、浄化触媒300の前後差圧dPの値と、
所定の第2の閾値th2 との大小関係を判断し(ステッ
プS324)、前後差圧dPの方が第2の閾値th2 よ
りも小さい場合(ステップS324:yes)は、浄化
触媒300上に堆積していた含炭素浮遊微粒子の酸化が
促進されて浄化されたものと考えられるので、フラグF
b を「OFF」に、フラグFnを「ON」にそれぞれ設
定するとともに(ステップS326)、タイマを「OF
F」に設定して(ステップS328)、運転条件修正処
理を終了して、図4に示した運転制御ルーチンに復帰す
る。
【0109】これに対して、ステップS324で「n
o」と判断された場合、すなわち、酸化促進制御中であ
るが、触媒の前後差圧dPが未だ第2の閾値th2 より
も大きい場合は、そのまま酸化促進制御を継続するもの
として、フラグFL が「ON」に設定されているか否か
を判断する(ステップS318)。フラグFL が「O
N」に設定されていれば、エンジンの運転条件を修正し
た後(ステップS320)、これに伴ってモータ・ジェ
ネレータの運転条件を修正する(ステップS322)。
フラグFL が「ON」に設定されていない場合は、エン
ジンの運転条件およびモータ・ジェネレータの運転条件
を修正することなく運転条件修正処理を抜けて、図4に
示した運転制御ルーチンに復帰する。
【0110】運転制御ルーチンでは、運転条件修正処理
から処理が戻されると、最終的に決定された運転条件に
従って、それぞれエンジン110、およびモータ・ジェ
ネレータ120,130の制御を行う(図4のステップ
S114)。
【0111】上述した第2実施例の排気ガス浄化装置に
おいては、何らかの原因で浄化触媒300上に含炭素浮
遊微粒子が堆積した場合でも、浄化触媒300に流入す
る排気ガス中の酸素濃度を増加させて、堆積した微粒子
の酸化を促進させることにより、排気ガス中の含炭素浮
遊微粒子を、常に安定して浄化することが可能となる。
排気ガス中の酸素濃度を増加させることに伴って、エン
ジン110の出力が変動する場合には、モータ・ジェネ
レータ120,130を適切に制御することによって打
ち消すことができるので、ハイブリッド車両の車軸17
0からは常に安定した動力を出力することができる。こ
のため、車両の運転者に、何ら違和感を与えることな
く、浄化触媒上に堆積した含炭素浮遊微粒子を処理する
ことが可能となる。
【0112】尚、以上の説明では、浄化触媒300が活
性しているか否かは、触媒の上流側および下流側にそれ
ぞれ設けた温度センサの出力に基づいて判断するものと
した。もちろん、浄化触媒300が活性しているか否か
は、他の方法を用いて判断することも可能である。例え
ば、簡易的には、浄化触媒300に流れ込む排気ガス温
度のみを検出し、排気ガス温度が所定温度以上であれば
触媒が活性していると判断しても良い。排気ガス温度が
所定温度以上になれば、ほとんどの場合、浄化触媒30
0は活性することから、触媒に流入する排気ガス温度の
みからでも、通常の使用状態では触媒が活性しているか
否かを判断することができる。
【0113】あるいは、浄化触媒300から流れ出す排
気ガス温度のみを検出し、排気ガス温度が所定温度以上
の場合に、触媒が活性していると判断しても良い。浄化
触媒300が排気ガス中の含炭素浮遊微粒子や窒素酸化
物を活発に浄化していれば、それに伴って触媒から流出
する排気ガス温度は高温になる。このことから、触媒下
流側の排気ガス温度が所定温度以上であれば触媒が活性
していると判断するといった簡便な方法でも、通常の使
用状態では、触媒が活性しているか否かを間違いなく判
断することができる。
【0114】これとは逆に、排気ガス温度に加えて排気
ガス流量も考慮すれば、浄化触媒300の活性をより正
確に判断することが可能となる。すなわち、単位時間あ
たりに浄化触媒が浄化し得る排気ガス量にも自ずから限
界があるので、排気ガス流量があまりに多くなると、含
炭素浮遊微粒子や窒素酸化物などの一部が浄化されず
に、そのまま浄化触媒300を通過してしまい、あたか
も触媒の活性が低下したのと同様な状況となる。このよ
うに浄化触媒300が、能力の限界に近い状況で使用さ
れている場合には、触媒上に堆積した微粒子の酸化を促
進すべく、排気ガス中の酸素濃度を増加させても、微粒
子の酸化を効果的に促進させることは困難である。そこ
で、排気ガス流量があまりに多い場合は、浄化触媒30
0が活性していないと判断することとしても良い。浄化
触媒300に流入する排気ガス流量は、エンジン110
の運転条件によって定まるので、運転条件に対応付けて
排気ガス流量を予め求めてマップとして記憶しておけ
ば、かかるマップを参照することにより、排気ガス流量
を容易に求めることができる。
【0115】以上、各種の実施例について説明してきた
が、本発明は上記すべての実施例に限られるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実
施することができる。
【0116】例えば、上述した各種実施例においては、
浄化触媒200あるいは浄化触媒300上の含炭素浮遊
微粒子の堆積量を、何らかの手法(例えば浄化触媒の前
後差圧に基づく手法)によって検出あるいは推定するも
のとして説明した。これに対して、もっとも簡易的に
は、次のようにすることもできる。例えば、エンジン1
10が予め定めておいた所定時間だけ運転されたら、浄
化触媒上には某かの含炭素浮遊微粒子が堆積しているも
のと判断して、堆積した微粒子の酸化を促進する制御を
行うこととしても良い。あるいは、ハイブリッド車両の
走行距離が所定距離に達したら、浄化触媒上には某かの
微粒子が堆積していると推定して、酸化促進制御を行う
こととしてもよい。このように、浄化触媒上に堆積した
微粒子の堆積量は、触媒の通気抵抗などのように、堆積
量と直接的な因果関係のあるパラメータに基づいて推定
することに限られず、エンジンの運転時間などのよう
に、微粒子の堆積量とは直接的な因果関係は薄いが、何
らかの相関が見られるパラメータに基づいて推定するこ
ととしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を示す概念図である。
【図2】第1実施例の排気ガス浄化装置を適用したハイ
ブリッド車両の構成を示す説明図である。
【図3】エンジンが出力する動力と2つのモータ・ジェ
ネレータで発生する動力との関係を示す共線図である。
【図4】第1実施例のハイブリッド車両の運転制御ルー
チンの流れを示すフローチャートである。
【図5】エンジンの運転条件と燃料消費効率との関係に
基づいて燃料消費効率の良い運転条件に設定する方法を
示した説明図である。
【図6】排気ガス浄化装置に設けられた浄化触媒の構造
を示す説明図である。
【図7】第1実施例の排気ガス浄化装置において運転条
件を修正する処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】ハイブリッドECU内に設けられた制御モード
を示すデータのデータ構造を概念的に示す説明図であ
る。
【図9】制御モードを切り換えながら、浄化触媒上に堆
積した含炭素浮遊微粒子の酸化を促進させる様子を示し
た説明図である。
【図10】排気ガス中の酸素濃度と酸化反応速度定数と
の関係を概念的に示した説明図である。
【図11】第2実施例の排気ガス浄化装置に適用された
浄化触媒が、活性酸素を放出しながら含炭素浮遊微粒子
および窒素酸化物を浄化するメカニズムを概念的に示し
た説明図である。
【図12】第2実施例の排気ガス浄化装置において運転
条件を修正する処理の前半部分を示すフローチャートで
ある。
【図13】第2実施例の排気ガス浄化装置において運転
条件を修正する処理の後半部分を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
10…排気ガス浄化装置 12…エンジン 14…吸気管 16…排気管 22…コントローラ 30…浄化触媒 40…負荷 42…出力軸 44…モータ 100…ハイブリッド車両 110…エンジン 112…エンジンECU 114…クランクシャフト 118…クランクポジションセンサ 120,130…モータ・ジェネレータ 122…永久磁石 123…ロータ 124…三相コイル 125…ステータ 126…レゾルバ 130…ジェネレータ 132…永久磁石 133…ロータ 134…三相コイル 135…ステータ 136…レゾルバ 138…ケース 140…プラネタリギア 141…サンギア軸 142…サンギア 144…プラネタリピニオンギア 146…プラネタリキャリア 147…リングギア軸 148…リングギア 150…バッテリ 152,154…インバータ 156…モータECU 160…ハイブリッドECU 162…アクセルポジションセンサ 164…ブレーキスイッチ 169…エアクリーナ 170…車軸 172…駆動輪 174…チェーンベルト 180…排気通路 182,184…圧力センサ 186…EGR通路 188…EGR弁 190…吸気通路 192…燃料噴射弁 194…燃料ポンプ 200…浄化触媒 202…通路 206…隔壁 300…浄化触媒 350…活性酸素放出剤 352…貴金属触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/20 F01N 3/24 E 3G093 3/24 F02D 21/08 301H 3G301 F02D 21/08 301 29/02 D 5H115 29/02 41/04 355 41/04 355 43/00 301H 43/00 301 301N 301T 301W 45/00 330 45/00 330 F02M 25/07 550G F02M 25/07 550 550R 550Z 570D 570 570J 570L 570Z B60K 9/00 E (72)発明者 浅沼 孝充 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 利岡 俊祐 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 木村 光壱 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 佐々木 静夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 五十嵐 幸平 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 村田 宏樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 見上 晃 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 流田 浩之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 末松 敏男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G062 AA00 BA00 BA04 GA04 GA05 GA06 GA17 GA22 3G084 AA01 BA09 BA13 BA20 DA10 EB12 FA27 FA37 3G090 AA03 BA02 CA01 CB04 DA04 DA09 DA13 EA04 3G091 AA02 AA11 AA18 AB02 AB13 BA17 CA11 CA26 CB08 DA01 DA02 DC01 EA03 EA17 EA32 FB10 GA06 GB03W GB04W GB05W GB06W HA15 HB05 3G092 AA02 AA17 AB03 AC02 BA06 CA01 DC09 EA01 EA02 EC03 FA15 FA18 HD01Z HD07X HD08Z HE06Z 3G093 AA07 AB01 BA20 DA11 DB07 EA04 FA04 FB01 FB02 3G301 HA02 HA13 JA21 JA24 LB11 MA11 ND01 NE01 NE06 PA11Z PD12Z PD14Z PE03Z PE04Z PF03Z 5H115 PA13 PG04 SE03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関と電動機とを備え、該内燃機関
    が出力する動力と該電動機が出力する動力とを1の出力
    軸から同時に出力可能なハイブリッド機関の排気ガス浄
    化装置であって、 前記排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を捕集して該捕集し
    た微粒子を酸化させる浄化触媒と、 前記浄化触媒上に捕集された前記含炭素浮遊微粒子の堆
    積状況に基づいて該微粒子の酸化を促進させるか否かを
    判断する酸化促進要否判断手段と、 前記酸化を促進させる場合には、前記内燃機関の運転状
    態を変更することにより、前記浄化触媒に流入する排気
    ガス中の酸素濃度を増加させる内燃機関制御手段と、 前記内燃機関の運転状態の変更に伴って、該内燃機関が
    前記出力軸に出力する動力の変動を打ち消すように前記
    電動機の運転状態を制御する電動機制御手段とを備える
    排気ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記内燃機関は、排気ガスの一部を排気通路から燃焼室
    に還流させる還流通路を備え、 前記内燃機関制御手段は、前記排気通路から前記燃焼室
    に還流させる排気ガス量を減少させて、前記酸素濃度を
    増加させる手段である排気ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記内燃機関制御手段は、 前記排気ガス中の酸素濃度を間欠的に増加させる手段で
    ある排気ガス浄化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記内燃機関制御手段は、前記燃焼室内に噴射する燃料
    量を減量させて、前記排気ガス中の酸素濃度を増加させ
    る手段である排気ガス浄化装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記内燃機関の出力変動を打ち消す制御が可能か否か
    を、前記電動機の最大定格に対する該電動機の運転条件
    に基づいて判断する制御可否判断手段を備え、 前記内燃機関制御手段は、前記内燃機関の出力変動を打
    ち消す制御が可能であり、且つ前記浄化触媒上に堆積し
    た含炭素浮遊微粒子の酸化を促進させると判断された場
    合に、前記排気ガス中の酸素濃度を増加させる手段であ
    る排気ガス浄化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記浄化触媒は、排気ガスに過剰な酸素が含まれている
    場合には排気ガス中の窒素酸化物とともに該過剰酸素を
    蓄積しておき、該排気ガス中の過剰酸素が減少した場合
    には、該蓄積した窒素酸化物を分解しつつ該過剰酸素を
    活性酸素として放出することにより、前記捕集した含炭
    素浮遊微粒子を酸化させる触媒である排気ガス浄化装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記浄化触媒は、白金族に属する貴金属に加えて、アル
    カリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、遷移金属の
    少なくとも1つが担持された触媒である排気ガス浄化装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の排気ガス浄化装置であっ
    て、 前記内燃機関制御手段は、 前記排気ガス中の過剰酸素の濃度を減少させて前記活性
    酸素を放出させる活性酸素放出制御を行う活性酸素放出
    制御手段を備えるとともに、 前記活性酸素放出制御中ではなく、且つ、前記浄化触媒
    上に堆積した含炭素浮遊微粒子の酸化を促進させると判
    断された場合に、前記排気ガス中の酸素濃度を増加させ
    る手段である排気ガス浄化装置。
  9. 【請求項9】 内燃機関と電動機とを備え、該内燃機関
    が出力する動力と該電動機が出力する動力とを1の出力
    軸から同時に出力可能なハイブリッド機関に適用され
    て、該内燃機関の排気ガスを浄化する浄化方法であっ
    て、 前記排気ガス中の含炭素浮遊微粒子を浄化触媒によって
    捕集し、該捕集した微粒子を酸化させるとともに、 前記浄化触媒上に捕集された前記含炭素浮遊微粒子の堆
    積状況に基づいて該微粒子の酸化を促進させるか否かを
    判断し、 前記酸化を促進させる場合には、前記内燃機関の運転状
    態を変更することにより、前記浄化触媒に流入する排気
    ガス中の酸素濃度を増加させ、 前記内燃機関の運転状態の変更に伴って、該内燃機関が
    前記出力軸に出力する動力の変動を打ち消すように前記
    電動機の運転状態を制御する排気ガスの浄化方法。
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