JP2003119637A - 二重被覆弾性糸およびその製造方法 - Google Patents

二重被覆弾性糸およびその製造方法

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JP2003119637A
JP2003119637A JP2001313612A JP2001313612A JP2003119637A JP 2003119637 A JP2003119637 A JP 2003119637A JP 2001313612 A JP2001313612 A JP 2001313612A JP 2001313612 A JP2001313612 A JP 2001313612A JP 2003119637 A JP2003119637 A JP 2003119637A
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fiber
double
core
polyester
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Masana Shiba
正名 斯波
Keiji Hokin
圭二 宝金
Hironori Uranaka
宏典 浦中
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Du Pont Toray Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Toray Co Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ドライでシャリ味のある風合いであり、表面が
フラットで外観品位の美しいストレッチ性の良好な布帛
を得ること。 【解決手段】芯糸と鞘糸からなる二重被覆弾性糸であっ
て、芯糸にポリウレタン系弾性繊維を用い、鞘糸が下ヨ
リ糸と上ヨリ糸で構成され、下ヨリ糸に他の繊維を用
い、上ヨリ糸に構成成分の一方がポリエチレンテレフタ
レートを主成分とし、他方の構成成分がポリトリメチレ
ンテレフタレートを主成分とするサイドバイサイド型ま
たは偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合繊維
を用いてなることを特徴とする二重被覆弾性糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二重被覆弾性糸お
よびその製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明の二重被覆弾性糸
を用い、高次加工して衣服や資材などに使用することに
より、ドライで清涼感のある風合いで、外観品位に優れ
たストレッチ布帛を得ることができる二重被覆弾性糸お
よびその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来より、ストレッチ素材として、芯糸
となるポリウレタン系弾性繊維にポリアミド繊維あるい
はポリエステル繊維などを一重あるいは二重に被覆した
被覆弾性糸が、ストッキング、インナー、アウターなど
一般衣料用途に使用されてきた。
【0004】特にストッキングにおいては、外観品位、
フィット性、着用性、着用感などを従来の交編品より良
好なものとする観点から被覆弾性糸のみで編成するゾッ
キが提案されてきたが、最近では、いままで以上にフィ
ット性の高いものが要求されている。
【0005】しかし、フィット性を高めるために芯部の
ポリウレタン系弾性繊維の繊度を上げたり、非弾性糸を
被覆するときのカバリングドラフトを上げると、その被
覆弾性糸で編成した編地は、硬い生地になりやすい。特
に非弾性糸を被覆する際、カバリングドラフトを上げた
ものに関しては、その編地は着用時に破損しやすいなど
の致命的欠点を抱えていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高次
加工して衣服などに使用する際、フィット性が良好で、
生地表面がフラットであり、ドライでシャリ感のある風
合いで、外観品位も美しいストレッチ布帛を得ることが
できる二重被覆弾性糸およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の二重被覆弾性糸
は、前記課題を解決するため以下の手段を採用する。
【0008】すなわち、芯糸と鞘糸からなる二重被覆弾
性糸であって、芯糸にポリウレタン系弾性繊維を用い、
鞘糸が下ヨリ糸と上ヨリ糸で構成され、下ヨリ糸に他の
繊維を用い、さらに上ヨリ糸に構成成分の一方がポリエ
チレンテレフタレートを主成分とし他方の構成成分がポ
リトリメチレンテレフタレートを主成分とするサイドバ
イサイド型または偏芯シース・コア型であるポリエステ
ル系複合繊維を用いてなることを特徴とする二重被覆弾
性糸である。
【0009】また、本発明の二重被覆弾性糸の製造方法
として、前記課題を解決するために以下の手段を採用す
る。
【0010】すなわち、芯糸にポリウレタン系弾性繊維
を用い、芯糸を他の繊維で被覆し、さらにその上から構
成成分の一方がポリエチレンテレフタレートを主成分と
し他方の構成成分がポリトリメチレンテレフタレートを
主成分とするサイドバイサイド型または偏芯シース・コ
ア型であるポリエステル系複合繊維で被覆することを特
徴とする二重被覆弾性糸の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、さらに詳
細に述べる。図1は本発明の二重被覆弾性糸の一例を示
す概略側面図である。前記二重被覆弾性糸(ニ)は、芯
糸(イ)であるポリウレタン系弾性繊維の周りに下ヨリ
糸(ロ)である他の繊維によって被覆され、さらに、そ
の上から上ヨリ糸(ハ)である前記ポリエステル系複合
繊維によって被覆されている。
【0012】本発明の芯糸に用いるポリウレタン系弾性
繊維としては、ポリマージオールと有機ジイソシアネー
トを主体とするイソシアネートと多官能活性水素化合物
を反応させて得られるポリウレタン重合体を紡糸して得
られたものが好ましい。本発明で用いるポリマージオー
ルとしては、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレンエーテルグリコールのよう
なポリエーテルグリコール類、エチレングリコール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコールなどのグリコール類の少なくと
も一種とアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、β−メチルアジピン酸、イソフタル酸などのジ
カルボン酸の少なくとも一種を反応させて得られるポリ
エステルグリコール類、ポリカプロラクトングリコー
ル、ポリヘキサメチレンジカーボネートグリコールのよ
うなポリマージオールの一種または二種以上の混合物ま
たは共重合物が例示できる。
【0013】また、本発明で用いる有機ジイソシアネー
トとしては、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−
フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4
−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4´−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネートのような有機ジイソシアネートの一種または
二種以上の混合物が例示できる。さらにトリイソシアネ
ートを少量併用してもよい。
【0014】本発明で用いる多官能活性水素化合物とし
ては、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、
4,4´−ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジン、
1,4−ジアミノピペラジン、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
水などの一種またはこれらの二種以上の混合物が例示で
きる。所望により、これら前記化合物に、モノアミン、
モノアルコールのような停止剤を少量併用してもよい。
また、2,6−ジテトラブチルパラクレゾール、亜リン
酸エステルなどの酸化防止剤、ヒドロキシベンゾフェノ
ン系またはヒドオキシベンゾチアゾールなどの光または
紫外線吸収剤、1,1−ジアルキル置換セミカルバジ
ド、ジチオカルバミン酸塩などのガス黄変、劣化防止
剤、および酸化チタン、酸化亜鉛などの白色顔料を適宜
使用してもよい。
【0015】本発明で使用されるポリウレタン系弾性繊
維の繊度は11〜154デシテックスの範囲が好まし
く、22〜44デシテックスの範囲がより好ましい。
【0016】また、破断伸度は300%以上であること
が好ましい。
【0017】さらに、ポリウレタン系弾性繊維の断面形
状は円形であってもよく、扁平であってもよい。
【0018】本発明の二重被覆弾性糸における上ヨリ糸
は、構成成分の一方がポリエチレンテレフタレートを主
成分とし、他方の構成成分がポリトリメチレンテレフタ
レートを主成分とするサイドバイサイド型または偏芯シ
ース・コア型であるポリエステル系複合繊維である。
【0019】前記ポリエステル系複合繊維において極限
粘度の異なる重合体を貼り合わせることによって、紡
糸、延伸時に高粘度側に応力が集中するため、2成分間
で内部歪みが異なる。そのため、延伸後の弾性回復率差
および布帛の熱処理工程での熱収縮差により高粘度側が
大きく収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲
縮の形態をとる。この3次元コイルの径および単繊維長
当たりのコイル数は、高収縮成分と低収縮成分との収縮
差(弾性回復率差を含む)によって決まるといってもよ
く、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長
当たりのコイル数が多くなる。
【0020】ストレッチ素材として要求されるコイル捲
縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数
が多い(伸長特性に優れ、見映えがよい)、コイルの耐
へたり性がよい(伸縮回数に応じたコイルのへたり量が
小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイル
の伸縮特性は、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸
縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体
には高い伸長性および回復性が要求される。そこで、本
発明者らはポリエステルの特性を損なうことなく前記特
性を満足させるために鋭意検討した結果、低収縮成分に
ポリエチレンテレフタレートを主成分とし、高収縮成分
に、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分としたポ
リエステル系複合繊維を用いることを見いだした。ポリ
トリメチレンテレフタレート繊維は、代表的なポリエス
テル繊維であるポリエチレンテレフタレートやポリブチ
レンテレフタレート繊維と同等の力学的特性や化学的特
性を有しつつ、伸長回復性がきわめて優れている。これ
は、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶構造におい
てアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシュ−ゴ
ーシュ構造(分子鎖が90度に屈曲)であること、さら
にはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並列)
による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いこ
とから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・
回復するためと考えている。
【0021】本発明の被覆糸における鞘糸の構成成分で
あるポリエチレンテレフタレートとは、エチレンテレフ
タレート単位を主たる繰り返し単位とするポリマー成分
からなるものが好ましい。すなわち、本発明におけるポ
リエチレンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主
たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコ−
ル成分として得られるポリエステルが好ましい。ただ
し、他のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モ
ル%以下の割合で含まれるものも好ましく、10モル%
以下の割合で含まれるものはより好ましい。共重合可能
な化合物として、たとえばスルフォン酸、ナトリウムス
ルフォン酸、硫酸、硫酸エステル、硫酸ジエチル、硫酸
エチル、脂肪族スルフォン酸、エタンスルフォン酸、ク
ロロベンゼンスルフォン酸、脂環式スルフォン酸、イソ
フタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、ア
ジピン酸、シュウ酸、デカンジカルボン酸などのジカル
ボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン
などのヒドロキシカルボン酸などのジカルボンサン類、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、
ハイドロキノン、ビスフェノールAなどのジオール類が
好ましく使用される。
【0022】また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸
化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗
酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料な
どを添加してもよい。
【0023】本発明の被覆糸における鞘糸の他の構成成
分であるポリトリメチレンテレフタレートとは、トリメ
チレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とする
重合体成分からなるものが好ましい。
【0024】すなわち、本発明におけるポリトリメチレ
ンテレフタレートとしては、テレフタル酸を主たる酸成
分とし、1,3プロパンジオ−ルを主たるグリコ−ル成
分として得られるポリエステルが好ましい。ただし、他
のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以
下の割合で含まれるものも好ましく、10モル%以下の
割合で含まれるものはより好ましい。共重合可能な化合
物として、たとえばイソフタル酸、コハク酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキ
サンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールなどのジオール類が好ましく使用され
る。
【0025】また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸
化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗
酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料な
どを添加してもよい。
【0026】本発明において、コイル状捲縮を発現さ
せ、編織物を形成した際に所望の伸縮性を得る観点か
ら、ポリトリメチレンテレフタレートの極限粘度は1.
0以上であるのが好ましく、1.2以上であるのがより
好ましい。
【0027】本発明で使用するポリエステル系複合繊維
の単糸断面形状はサイドバイサイド型または偏芯シース
・コア型とするものである。
【0028】断面形状がサイドバイサイド型または偏芯
シース・コア型でないと、糸条に熱が付与された際に、
コイル状捲縮が発現せず、糸条に伸縮性を付与すること
ができない問題がある。
【0029】また、ポリエステル系複合繊維におけるポ
リエチレンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタ
レートの重量比率は、製糸性および繊維長さ方向のコイ
ルの寸法均質性の観点から30/70以上70/30以
下の範囲であることが好ましい。
【0030】ポリエステル系複合繊維の繊度は、用途目
的に応じて20デシテックス以上1000デシテックス
以下の範囲が好ましい。
【0031】さらにポリエステル系複合繊維の単糸繊度
は、用途に応じて0.4デシテックス以上25デシテッ
クス以下の範囲が好ましい。
【0032】本発明の二重被覆弾性糸における下ヨリ糸
は、フィラメント糸または紡績糸のいずれであってもよ
い。
【0033】具体的には、フィラメント糸として、レー
ヨン、アセテート、ポリアミド、ポリエステル、アクリ
ル、ポリプロピレン、塩化ビニル等の化合繊または絹
(生糸)であって、態様が原糸、仮ヨリ加工糸、もしく
は先染糸等のいずれであってもよく、また、これらの複
合糸であってもよい。
【0034】これらは、いずれも撚糸加工のし易い、安
定した糸条であることが好ましい。
【0035】また、紡績糸は、木綿、羊毛、麻、絹等の
天然繊維、レーヨン、ポリアミド、ポリエステル、アク
リロニトリル、ポリプロピレン、塩化ビニール系等の化
合繊からなるステープルであって、これらが単独もしく
は混紡された紡績糸であればよい。
【0036】下ヨリ糸の種類、繊度および態様は、用途
目的に応じて適宜選択するのが好ましい。
【0037】下ヨリ糸の繊度は、用途目的に応じて20
デシテックス以上1000デシテックス以下の範囲が好
ましい。
【0038】さらにしたヨリ糸の単糸繊度は用途に応じ
て0.4デシテックス以上25デシテックス以下の範囲
が好ましい。
【0039】次に、本発明の二重被覆弾性糸の製造方法
について説明する。図2は本発明の二重被覆弾性糸の製
造方法の一例を示す概略模式図である。
【0040】本発明においては、前記ポリウレタン系弾
性繊維を芯糸に、他の繊維を下ヨリ糸として用い、その
上からポリエステル系複合繊維を上ヨリ糸として被覆す
るものである。
【0041】被覆の際には市販のカバリング機等が好ま
しく用いられる。
【0042】図2において、芯糸1として使用するポリ
ウレタン系弾性繊維は転がし給糸ローラ4により積極送
りされ、フィードローラ5との間で1.2以上2.4以
下の範囲でプレドラフトし、転がし給糸ローラ4とデリ
ベリローラ12の間のドラフトが2.4以上4.0以下
の範囲となるように設定することが好ましい。
【0043】鞘糸は、市販の高速ワインダーにより、H
ボビン10に巻き取られた後、下段スピンドル6および
上段スピンドル8に設置され、スピンドルを回転させる
ことによって芯糸に巻き付けられ、二重被覆弾性糸を形
成する。
【0044】得られた二重被覆弾性糸は、テイクアップ
ローラ14によりチーズ15に巻き取られる。
【0045】鞘糸を芯糸に被覆する際、鞘糸のヨリ数
は、鞘糸の繊度、フィラメント数により適宜選択すれば
よいが、100〜2000T/mの範囲とするのが好ま
しい。
【0046】また、上ヨリ数は下ヨリ数の0.7〜0.
9倍のヨリ数とすることが好ましく、トルクをうち消す
ため、上ヨリは、下ヨリの逆方向にかけるのが好まし
い。
【0047】本発明の二重被覆弾性糸を用いた編織物
は、ドライでシャリ味のある風合いであり、表面がフラ
ットで外観品位の美しいストレッチ性の良好な布帛であ
る。特に、スイミングウェアや、ジャケット、ボトムな
どのアウター、ワンピース、スカート、ランジェリーな
どの婦人衣料や、インナーウェア、スポーツ衣料、ベビ
ー衣料、介護衣料などストレッチ素材として用いること
ができる。
【0048】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。
【0049】なお実施例中の極限粘度(η)は次の方法
で求めた。ただし、本発明がこれら実施例により限定さ
れるものではない。 [極限粘度(η)]オルソクロロフェノール10mlに
対し試料0.10gを溶解し、温度25℃においてオス
トワルド粘度計を用いて測定した。
【0050】[実施例1]極限粘度が1.31のポリト
リメチレンテレフタレートと極限粘度が0.52のポリ
エチレンテレフタレートをそれぞれ別々に溶融し、紡糸
温度260℃で24孔の複合紡糸口金よりポリエチレン
テレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの重
量比率が50/50となるように吐出し、紡糸速度14
00m/分で引き取り、165dtex24フィラメン
トの未延伸糸を得た。さらに、ホットロール−熱板系延
伸機を用い、ホットロール温度70℃、熱板温度145
℃、延伸倍率3.0で延伸して、56dtex24フィ
ラメントのサイドバイサイド型ポリエステル系複合繊維
(延伸糸)を得た。20dtexのポリウレタン系弾性
繊維を芯糸とし、33dtex6フィラメントポリアミ
ド延伸糸を下ヨリ糸とし、得られた上記のポリエステル
系複合繊維を上ヨリ糸として用い、図2に示されるカバ
リング工程を使用して、以下の条件でカバリング加工を
施し、二重被覆弾性糸を得た。
【0051】ドラフト:3.0倍 下ヨリ数:S900T/m 上ヨリ糸:Z650T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:93.0% 得られた二重被覆弾性糸を用いて、28ゲージ、1口編
機で編成し、ポリエステル用分散染料と酸性染料で一浴
染色し、仕上げ加工した結果、シャリ味のある外観品位
の美しいスポーツウェアに好適な編地を得た。
【0052】さらに、得られた二重被覆弾性糸を緯糸と
して用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラ
ックス精練、160℃で仕上熱固定し、1/3のツイル
織物を得た。本発明の二重被覆弾性糸を使用した織物は
ストレッチ性が良好であり、清涼感のある外観品位の美
しいストレッチ布帛はジャケット、婦人衣料に好適なも
のであった。
【0053】[実施例2]20dtexのポリウレタン
系弾性繊維を芯糸とし、下ヨリ糸として56dtex1
8フィラメントのポリエチレンテレフタレート延伸糸、
上ヨリ糸として実施例1で使用したものと同じ56dt
ex24フィラメントのサイドバイサイド型ポリエステ
ル系複合繊維を用い、実施例1と同様に以下の条件でカ
バリング加工を施し、二重被覆弾性糸を得た。
【0054】ドラフト:3.0倍 下ヨリ数:S900T/m 上ヨリ糸:Z650T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:93.0% 得られた二重被覆弾性糸を用いて、実施例1と同様に、
28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染
料で染色し、仕上げ加工した結果ドライな風合いで外観
品位の美しいストレッチ布帛であり、アウターウェアや
スポーツウェアに好適な編地を得た。
【0055】さらに、得られた二重被覆弾性糸を緯糸と
して用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラ
ックス精練、160℃で仕上熱固定し、1/3のツイル
織物を得た。本発明の二重被覆弾性糸を使用した織物は
ストレッチ性が良好で、ソフトな風合いを有する反発性
に富んだフラットで外観品位の美しいストレッチ素材で
あり、アウターウェア、スポーツウェアに好適なもので
あった。
【0056】[実施例3]20dtexのポリウレタン
系弾性繊維を芯糸とし、下ヨリ糸として#80の綿糸、
上ヨリ糸として実施例1で使用したものと同じ56dt
ex24フィラメントのサイドバイサイド型ポリエステ
ル系複合繊維を用い、実施例1と同様に以下の条件でカ
バリング加工を施し、二重被覆弾性糸を得た。
【0057】ドラフト:3.0倍 下ヨリ数:S900T/m 上ヨリ糸:Z650T/m 巻取比:93.0% 得られた二重被覆弾性糸を用いて、28ゲージ、1口編
機で編成し、精練、仕上げ加工した結果、紡毛調で清涼
感に優れ、ドライな触感を有し、ストレッチ性の良好な
編地を得た。
【0058】さらに、得られた二重被覆弾性糸を緯糸と
して用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラ
ックス精練、160℃で仕上熱固定し、1/3のツイル
織物を得た。本発明の二重被覆弾性糸を使用した織物は
ハリ、コシ、反発性に富み、清涼感に優れ、紡毛調の高
級な風合いを併せ持ち、仕立て映えがよく、ストレッチ
性が良好であり、シャツ地、アウターウェア、インナー
ウェアに好適なものであった。
【0059】[比較例1]実施例1で使用したものと同
じ56dtex24フィラメントのサイドバイサイド型
ポリエステル系複合繊維を芯糸および上ヨリ糸とし、下
ヨリ糸として33dtex6フィラメントポリアミド延
伸糸を用い、実施例1と同様に以下の条件でカバリング
加工を施し、二重被覆弾性糸を得た。ただし、芯糸は、
ドラフトゾーンに挿入される直前に4cNのプレテンシ
ョンがかかるように、ワッシャーテンサを介して給糸し
た。
【0060】ドラフト:1.1倍 下ヨリ数:S900T/m 上ヨリ数:Z650T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:95.0% 得られた二重被覆弾性糸を用いて、実施例1と同様に、
28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染
料と酸性染料で一浴染色、仕上げ加工した結果、生地の
伸長性に乏しい編地を得た。
【0061】さらに、得られた二重被覆弾性糸を緯糸と
して用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラ
ックス精練、160℃で仕上熱固定し、1/3のツイル
織物を得た。得られた織物は伸長性に劣り、しかも伸長
させるのに大きな力が必要となり衣服にしたとき着にく
くなるため、魅力の少ないストレッチ織物となった。
【0062】[比較例2]20dtexのポリウレタン
系弾性繊維を芯糸とし、下ヨリ糸および上ヨリ糸として
56dtex18フィラメントのポリエチレンテレフタ
レート延伸糸を用い実施例1と同様に以下の条件でカバ
リング加工を実施し、二重被覆弾性糸を得た。
【0063】ドラフト:3.0倍 下ヨリ数:S900T/m 上ヨリ糸:Z650T/m スピンドル回転数:13000rpm 巻取比:93.0% 得られた二重被覆弾性糸を用いて、実施例1と同様に、
28ゲージ、1口編機で編成し、ポリエステル用分散染
料で染色、仕上げ加工した結果、十分なフィット性が得
られず、外観品位も劣るものだった。
【0064】さらに、得られた二重被覆弾性糸を緯糸と
して用いて織物を形成し、引き続き97℃の熱水でリラ
ックス精練、160℃で仕上熱固定し、1/3のツイル
織物を得た。得られた織物はフィットに欠け、生地の風
合いが硬いなどの問題が発生した。
【0065】
【発明の効果】本発明の二重被覆弾性糸を用いることに
より、ドライでシャリ味のある風合いであり、表面がフ
ラットで外観品位の美しいストレッチ性の良好な布帛を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二重被覆弾性糸の一例を示す概略側面
図である。
【図2】本発明の二重被覆弾性糸の製造方法の一例を示
す概略模式図である。
【符号の説明】
(イ):芯糸 (ロ):下ヨリ糸 (ハ):上ヨリ糸 (ニ):二重被覆弾性糸 1:芯糸 2:下ヨリ糸 3:上ヨリ糸 4:転がし給糸ローラ 5:フィードローラ 6:下段スピンドル 7:下段ベルト 8:上段スピンドル 9:上段ベルト 10:Hボビン 11:スネルガイド 12:デリベリローラ 13:ガイドバー 14:テイクアップローラ 15:チーズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦中 宏典 滋賀県大津市園山1丁目1番2号 東レ・ デュポン株式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4L036 MA04 MA05 MA17 MA33 MA39 PA21 RA24 UA01 UA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯糸と鞘糸からなる二重被覆弾性糸であっ
    て、芯糸にポリウレタン系弾性繊維を用い、鞘糸が下ヨ
    リ糸と上ヨリ糸で構成され、下ヨリ糸に他の繊維を用
    い、さらに上ヨリ糸に構成成分の一方がポリエチレンテ
    レフタレートを主成分とし他方の構成成分がポリトリメ
    チレンテレフタレートを主成分とするサイドバイサイド
    型または偏芯シース・コア型であるポリエステル系複合
    繊維を用いてなることを特徴とする二重被覆弾性糸。
  2. 【請求項2】前記ポリエステル系複合繊維のポリエチレ
    ンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの
    重量比率が30/70〜70/30であることを特徴と
    する請求項1に記載の二重被覆弾性糸。
  3. 【請求項3】芯糸にポリウレタン系弾性繊維を用い、芯
    糸を他の繊維で被覆し、さらにその上から構成成分の一
    方がポリエチレンテレフタレートを主成分とし他方の構
    成成分がポリトリメチレンテレフタレートを主成分とす
    るサイドバイサイド型または偏芯シース・コア型である
    ポリエステル系複合繊維で被覆することを特徴とする二
    重被覆弾性糸の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266796A (ja) * 2007-04-16 2008-11-06 Opelontex Co Ltd 複合糸
KR102657889B1 (ko) * 2023-12-20 2024-04-16 메리디안글로벌 주식회사 이수축 혼섬 플랫타입 얀 제조방법

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