JP2003119569A - 加工性に優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

加工性に優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板

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JP2003119569A JP2001312377A JP2001312377A JP2003119569A JP 2003119569 A JP2003119569 A JP 2003119569A JP 2001312377 A JP2001312377 A JP 2001312377A JP 2001312377 A JP2001312377 A JP 2001312377A JP 2003119569 A JP2003119569 A JP 2003119569A
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輝昭 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、リン酸塩皮膜の結晶形態が粒状結
晶を主体とするリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の高面圧
下でのビード摺動特性を改善し、更に、加工性に優れる
リン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板を提供することを目的と
する。 【解決手段】 亜鉛系めっきの表面上に粒状結晶を主体
とするリン酸塩処理皮膜を有しているリン酸塩処理亜鉛
系めっき鋼板であって、その表面粗度が、0.2μm≦
Ra≦0.7μmであることを特徴とする加工性に優れ
たリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板。また、亜鉛系めっき
鋼板の表面上にリン酸塩処理皮膜を有し、該リン酸塩処
理皮膜の結晶の長径/短径の平均比率が1.00以上
2.90以下であるリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板であ
って、その表面粗度が、0.2μm≦Ra≦0.7μm
であることを特徴とする加工性に優れたリン酸塩処理亜
鉛系めっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、家電、建
材等の用途に用いられる加工性に優れたリン酸塩処理亜
鉛系めっき鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、家電、建材等の用途に用いられ
る亜鉛系めっき鋼板は、従来よりリン酸塩処理、クロメ
ート処理、更には有機被覆処理を施し、耐食性、加工性
等の付加価値を向上させて使用されることが多かった。
近年環境上の問題から、特にクロメート処理された鋼板
は、6価のクロムを含む可能性があることから嫌われる
傾向にあり、リン酸塩処理に対する要望が高まってい
る。また、加工性の観点からは、Zn−Ni系の合金め
っき鋼板が良好な特性を示すことから、広く用いられて
いるが、Niを含む合金めっきであることから製造コス
トが高価になるといった問題がある。このため、製造コ
ストの安価な電気亜鉛めっき鋼板、あるいは、溶融亜鉛
めっき鋼板、あるいは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板にリ
ン酸塩処理を施し、付加価値を向上させる試みがなされ
ている。
【0003】しかし、電気亜鉛めっき鋼板、あるいは、
溶融亜鉛めっき鋼板、あるいは、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板に対する従来のリン酸塩処理では、Zn−Ni系合
金めっき鋼板に比較して、必ずしも十分な加工性が得ら
れていない。特に近年増加しているビード押さえで鋼板
流入量を規制して絞り加工を行う用途においては、加工
性が不十分である。これに対して、特開平7−1387
64号公報において、Fe,Co,Ni,Ca,Mg,
Mn等の1種以上を含有するプレス性に優れたリン酸塩
処理亜鉛系めっき鋼板が開示されているが、この技術に
おいても、先のビード押さえ絞り加工においては十分な
性能が得られていない。
【0004】本発明者等は、先のビード押さえ絞り加工
においても充分な絞り加工が得られる方法について種々
検討し、国際公開番号:「WO01/11110 A
1」の「粒状結晶を主体とする形態を有するリン酸塩処
理亜鉛系めっき鋼板」を開発した。このリン酸塩処理亜
鉛系めっき鋼板は、先のビード押さえ加工絞りの加工性
を充分に向上し、自動車用鋼板として実用化され、現
在、適用部品が順次拡大されていっている。
【0005】しかし、適用部品拡大につれ、この国際公
開番号:「WO01/11110A1」の「粒状結晶を
主体とする形態を有するリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼
板」でも、ビード部の摺動不良によるネッキングや割れ
が発生するものがでてきた。本発明者等は、このネッキ
ングや割れの発生について、種々調査検討した結果、こ
のネッキングや割れが発生するのは、先の国際公開番
号:「WO01/11110 A1」での開発において
評価したビード押さえ条件より更に厳しいプレス条件
(ビードのRが小さいダブルビードを有するプレス金型
等の高面圧下での優れたビード摺動特性が要求されるプ
レス条件)で成型される部品であることを突き止めた。
即ち、一部の用途においては、「WO01/11110
A1」の鋼板でも、更なるプレス摺動特性を改善する
必要があることが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、先の国際公
開番号:「WO01/11110 A1」の「リン酸塩
皮膜の結晶形態が粒状結晶を主体とするリン酸塩処理亜
鉛系めっき鋼板」の高面圧下でのビード摺動特性を改善
し、更に、加工性に優れるリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼
板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先の国際
公開番号:「WO01/11110 A1」の「リン酸
塩皮膜の結晶形態が粒状結晶を主体とするリン酸塩処理
亜鉛系めっき鋼板」の高面圧下でのビード摺動特性の改
善について種々検討した結果、表面のリン酸塩結晶の形
態を粒状結晶とすることはもちろんであるが、更に、リ
ン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の表面粗さ(Ra)が極め
て重要な役割を果たすことを見いだし、本発明に至っ
た。すなわち本発明は、粒状結晶を主体とする形態を有
するリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の表面粗さを0.2
μm≦Ra≦0.7μmに規制することで、ビードのR
が小さいダブルビードを有するプレス金型等の高面圧下
での優れたビード摺動特性が得られることを見出したの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いる亜鉛系めっき鋼板
には特に限定がなく、純亜鉛めっき、合金めっきのいず
れについても使用でき、その良好な加工性改善効果を享
受できるが、製造コストの観点からは、電気亜鉛めっ
き、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき等が好まし
い。亜鉛系めっきの上に形成されるリン酸塩皮膜の結晶
形態以外には特に限定はないが、一般的には、いわゆる
ホパイト結晶を形成するリン酸塩皮膜、また、Fe,N
i,Co,Mn,Mg,Ca,Cu等の元素で変性され
たリン酸塩皮膜、およびこれらのリン酸塩皮膜に後処理
を施した複合リン酸塩処理皮膜を挙げることができる。
【0009】本発明のリン酸塩皮膜処理めっき鋼板は、
先の国際公開番号:「WO01/11110 A1」の
「リン酸塩皮膜の結晶形態が粒状結晶を主体とするリン
酸塩処理亜鉛系めっき鋼板」を前提に、皮膜の摺動特性
を更に高面圧下でも優れた摺動特性が得られるようにし
たものである。これまでの亜鉛系めっき鋼板上のリン酸
塩処理皮膜は、図1に示すように数μmの長さの針状結
晶であるが、本発明においては、これら結晶の形態を粒
状結晶としたリン酸塩皮膜結晶を前提としている。
【0010】結晶の形態については表面SEMにより容
易に観察できる。具体的には、鋼板の表面を(塗油材の
場合は溶剤脱脂後)SEM(加速電圧15Kv、傾斜な
し、5000倍)で観察すれば、容易に粒状結晶及び針
状結晶の区別が可能である。本発明ではこの粒状結晶を
主体とすることが重要である。粒状結晶を主体とするリ
ン酸塩処理皮膜を図2に示す。さらに厳密に区別するた
めには結晶の長径と短径の比を測定することで区別でき
る。本長径と短径の比が1.0に近いほど粒状結晶に近
いということになる。具体的には任意の視野でSEM写
真(×5000倍)で撮影した場合に見られる結晶の
中、全てで最も長径と短径の長さ比率が1.00に近い
ものと最も長径と短径の長さ比率が大きいものとの平均
値を測定し、平均比率とする。
【0011】例えば、図3、図4は、図1、図2の写真
の結晶を平面図にトレースした結果である。図1の針状
結晶の場合には、視野中の全ての結晶の長径と短径の比
を測定し、最も長径と短径の長さ比率が1.00に近い
もの(図3a部)、最も長径と短径の長さ比率が大きい
もの(図3b部)を選び、この平均比率を求めれば良
い。同様に図2の粒状結晶の場合は、最も長径と短径の
長さ比率が1.00に近いものは、図4a部となり、最
も長径と短径の長さ比率が大きいものは図4b部とな
る。図5は、粒状結晶(平均比率=1.5)及び針状結
晶(平均比率=3.2)のリン酸塩処理皮膜を施した電
気亜鉛めっき鋼板を供試材とし、鋼板の表面粗さ(R
a)とビードRが小さいダブルビードのプレス金型を用
いた高面圧下でのビード摺動特性との関係を調査した結
果を示したものである。
【0012】ビード摺動特性の評価は、摺動面のリン酸
塩皮膜のカジリ程度(損傷程度)で評価した。 ○:リン酸塩皮膜の損傷が極少ない △:損傷が中程度 ×:損傷が大きいが未だリン酸塩皮膜が残存している ××:損傷が極めて大きくリン酸塩皮膜が殆どはぎ取ら
れている 平均比率が1.5の粒状結晶のリン酸塩処理皮膜が施さ
れた電気亜鉛めっき鋼板は、表面粗さを0.2μm≦R
a≦0.7μmにおいて、ビードRが小さいダブルビー
ドでの高面圧下の摺動においても、優れたビード摺動特
性が得られている。
【0013】このように、表面粗さが0.2μm≦Ra
≦0.7μmとRaと、一般的にプレス加工性が良好で
あるとされる範囲よりも低い範囲において、良好な摺動
特性が得られるのは、リン酸塩皮膜が粒状結晶としたリ
ン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板で且つ、摺動条件がビード
Rが小さいダブルビードでの高面圧下の摺動であること
に基因しているものと思われる。例えば、特開平11−
343581号公報では、同公報の図1に示されている
ように、Raが高くなるに従い潤滑性が向上しRaが
1.3以上で◎が得られている。 このように、本発明と
は異なる結果が得られているのは、上述のように、本発
明は、リン酸塩皮膜が粒状結晶としたリン酸塩処理亜鉛
系めっき鋼板で且つ、摺動条件がビードRが小さいダブ
ルビードでの高面圧下の摺動であることに基因したもの
と思われる。
【0014】なお、本発明のリン酸塩処理亜鉛系めっき
鋼板の表面粗度PPiは、20≦PPi≦250であっ
た。なお、リン酸塩皮膜の結晶形態を粒状とする方法
は、「WO01/11110A1」と何ら変わることが
無く、同公報[請求項6]のリン酸塩処理液中に含まれ
る金属イオン中のMgイオン≧6g/lかつZnイオン
≧0.5g/lであるリン酸塩処理液を用い、亜鉛系め
っき鋼板にリン酸塩処理を施すことを特徴とする加工
性、耐食性に優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板の製
造方法。
【0015】同公報[請求項7]リン酸塩処理液中に含
まれる金属イオン中のMgイオン≧10g/lかつ0≦
Znイオン<0.5g/lであり、かつ該リン酸塩処理
液中の硝酸イオン≧40g/lであるリン酸塩処理液を
用い、亜鉛系めっき鋼板にリン酸塩処理を施すことを特
徴とする加工性、耐食性に優れたリン酸塩処理亜鉛系め
っき鋼板の製造方法、同公報[請求項8]請求項6及び
7のリン酸塩処理後、表面に重リン酸マグネシウムを皮
膜量で0.5g/m2 以下を塗布乾燥にて生成させること
を特徴とする加工性、耐食性に優れたリン酸塩処理亜鉛
系めっき鋼板の製造方法、等のどのような手段でもよ
い。
【0016】また、リン酸塩処理皮膜の上層にさらに重
リン酸マグネシウムの水溶液を塗布乾燥する方法では、
その付与した皮膜量が0.5g/m2 以下であれば、粒
状結晶のままであり、本発明の優れた加工性が得られ
る。なお、本発明の「加工性に優れたリン酸塩処理亜鉛
系めっき鋼板」は、 a)リン酸塩処理皮膜中にMgを10mg/m2 以上含
有することで、耐食性にも優れたリン酸塩処理亜鉛系め
っき鋼板、 b)リン酸塩処理皮膜の付着量を0.5g/m2 〜3.
0g/m2 とすることで溶接性にも優れたリン酸塩処理
亜鉛系めっき鋼板、 c)リン酸塩処理皮膜上に防錆油層を有することで中間
防錆性にも優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板とする
ことが、「WO01/11110 A1」と同様に出来
るので、必要に応じ適用すればよい。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。 1.(供試材電気亜鉛めっき鋼板の製造) 素材;極低炭素鋼を熱間圧延し、冷間圧延後、連続焼鈍
し、調質圧延で、表面粗さ(Ra)を調整した板厚0.
7mm、r(ランクフォード値)=1.9の電気亜鉛め
っき鋼板{目付量30g/m2 (片面あたり)}を素材
とした。調質圧延での表面粗さの調整は、調質圧延ロー
ルの表面粗さ(Ra)を放電ダル法及びショットダル法
で調整したロールで調質圧延をすることで調整した。な
お、調質ロールの粗度調整は、レーザーダル加工法でも
同等の効果が得られる。
【0018】2.(表面活性化処理) 本素材(亜鉛めっき鋼板)を脱脂した後、市販のチタン
コロイド系処理剤(日本パーカライジング(株)製PL
−Zn)を使用して前処理を行った後、種々のリン酸塩
処理を行い、水洗して乾燥させた。 3−1.(リン酸塩処理方法) ・処理液Aベース(実施例No.1〜9及び比較例N
o.10〜14) ベース処理液としてリン酸塩処理浴A(リン酸イオン5
g/l、Znイオン1g/l、Niイオン2g/l、M
gイオン0.5g/l、フッ素0.15g/l、硝酸イ
オン1g/l)を用い、処理浴温度を60℃としスプレ
ー処理してリン酸塩処理し、水洗して乾燥させた(比較
例No.10)。
【0019】A処理浴に硝酸マグネシウムを金属イオン
量で5.0,10,30g/l添加し、同様の処理を行
った後、処理時間を変えて表1に示す皮膜量のリン酸塩
皮膜を生成させた。表に示すように浴中Mgイオンが
5.5(比較例No.11)では、粒状結晶とならず加
工性を満足できない。ここで浴中Mgイオン濃度は、こ
の場合、ベース浴中のMgイオン0.5g/lに添加し
たMgイオン5.0g/lの和となるので5.5g/l
となる。Mgイオンを10,30g/l添加し、リン酸
塩処理亜鉛系めっき鋼板の粗度Raを0.2μm≦Ra
≦0.7μmにしたものは全て加工性に優れる(実施例
No.1〜9)。本範囲においても、皮膜の結晶形態が
粒状で、表面粗さRaが0.2μm≦Ra≦0.7μm
のものは全て加工性に優れている。一方、比較例No.
10〜14は、何れも良好な加工性は得られない。
【0020】
【表1】
【0021】3−2.複合リン酸塩処理皮膜の作製方法 (実施例No.15〜18、比較例No.19〜21)
鋼板の表面粗さを調整した本素材(亜鉛めっき鋼板)を
脱脂した後、市販のチタンコロイド系処理剤(日本パー
カライジング(株)製PL−Zn)を使用して前処理を
行った後、実施例No.4、No.9と同様の方法を用
いて、予めリン酸塩皮膜を生成させた基材a(皮膜量
0.6g/m2 ),基材b(皮膜量1.6g/m2 )を
作製した。
【0022】表面粗さも調整してリン酸塩皮膜を処理し
た基材a,bを用い、更に重リン酸Mg水溶液(米山化
学工業(株)製重リン酸Mg50%水溶液を5倍希釈し
て使用)をロールコーターで塗布し、到達板温度が11
0℃になるように乾燥した。塗布皮膜の重量は表2中に
記載の皮膜量になるように回転数を制御して塗布した。
表2に示すように本発明の実施例では、ダブルビードの
高面圧下のビード付き成形性においても優れた加工性が
得られるのに対し、本発明範囲から外れる比較例につい
ては、加工性が顕著に悪化した。
【0023】
【表2】
【0024】4.性能評価方法 長径と短径の平均比率測定; ・各素材を溶剤(n−ヘキサン)脱脂した後、SEM
(日本電子製JSM−6400)により、任意の場所を
鋼板表面から撮影(加速電圧15KV、倍率5000
倍)し、平均比率測定を行った。 ・撮影した写真を用い、視野内の結晶粒境界が判別可能
な全結晶粒の中から長径と短径の比が1.00の最も近
いものと、長径と短径の比が最も大きいものを測定し
た。 ・最後に上記、長径と短径の比が1.00の最も近いも
のと、長径と短径の比が最も大きいものを平均して、平
均比率とした。
【0025】ダブルビードでの高面圧下のUビード絞
り加工性 サンプルを30mm×300mmにせん断した後、洗浄
油(RL55出光興産製)に浸漬、ロール絞りした後、
連続でのダブルビードでの高面圧下のUビード絞り加工
を行った。加工は、60トンクランクプレス機を用い、
加工条件は、BHF=0.8ton、加工速度=45s
pmである。評価は、連続絞り成型を行いリン酸塩皮膜
の損傷程度で評価した。評価基準は前述と同じく××,
×,△,○で評価した。
【0026】皮膜量及び皮膜中Mg量分析 1)リン酸塩処理皮膜の皮膜量は、下記に示す方法で測
定した。 ・まず、精密天秤を用いて試験片の重量を測定してお
き、5%クロム酸中に常温で5分間溶解し、水洗後、乾
燥し、試験片重量を測定し、溶解前後での重量差を溶解
面積でわって皮膜量(g/m2 )とした。 ・更に皮膜重量測定に用いたクロム酸液を用いて、IC
P(誘導結合プラズマ発光法)により、リン酸塩皮膜中
の単位面積当たりのMg付着量を測定した。
【0027】2)複合リン酸塩処理皮膜の全皮膜量は、
下記に示す方法で測定した。 ・まず、予め形成したリン酸塩処理皮膜を有する試験片
の重量を測定しておき、重リン酸マグネシムを塗布乾燥
後、試験片の重量を測定する。この増加分が重リン酸マ
グネシウム皮膜量になる。 ・さらに複合リン酸塩全皮膜量を測定するには、試験片
の重量を測定しておき、5%クロム酸中に常温で5分間
溶解し、水洗後、乾燥し、試験片重量を測定し、溶解前
後での重量差を溶解面積でわって皮膜量(g/m2 )と
した。 ・更に皮膜重量測定に用いたクロム酸液を用いて、IC
P(誘導結合プラズマ発光法)により、複合リン酸塩皮
膜中の単位面積当たりの全Mg付着量を測定した。
【0028】
【発明の効果】本発明によって、ダブルビードでの高面
圧下のUビード絞り加工性という厳しい高面圧下での摺
動下においても、良好な加工性を有したリン酸塩処理亜
鉛系めっき鋼板を得ることが可能になる。本発明の鋼板
は、簡易的でコスト的にも優れ、自動、家電、建材等各
種の用途に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例針状結晶のSEM写真(×5000)
【図2】実施例粒状結晶のSEM写真(×5000)
【図3】図1を表面から投影した場合のリン酸塩結晶の
模式図であり、斜線で示したa部が長径/短径比率の
1.00に最も近い結晶、斜線で示したb部が長径/短
径比率の最も大きい結晶である。
【図4】図2を表面から投影した場合のリン酸塩結晶の
模式図であり、斜線で示したa部が長径/短径比率の
1.00に最も近い結晶、斜線で示したb部が長径/短
径比率の最も大きい結晶である。
【図5】高面圧下でのビード摺動特性とリン酸塩処理亜
鉛系めっき鋼板の表面粗度(Ra)との関係図である。
フロントページの続き (72)発明者 山下 和久 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式会社広畑製鐵所内 Fターム(参考) 4K026 AA02 AA07 AA12 AA13 AA22 BA03 BA04 BB09 CA16 CA18 CA26 4K044 AA02 AB02 BA10 BA17 BB03 BC05 CA11 CA16 CA18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっきの表面上に粒状結晶を主体
    とするリン酸塩処理皮膜を有しているリン酸塩処理亜鉛
    系めっき鋼板であって、その表面粗度が、0.2μm≦R
    a≦0.7μmであることを特徴とする加工性に優れた
    リン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 亜鉛系めっき鋼板の表面上にリン酸塩処
    理皮膜を有し、該リン酸塩処理皮膜の結晶の長径/短径
    の平均比率が1.00以上2.90以下であるリン酸塩
    処理亜鉛系めっき鋼板であって、その表面粗度が、0.
    2μm≦Ra≦0.7μmであることを特徴とする加工
    性に優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板。ここで、平
    均比率=SEM写真(×5000倍)で撮影した場合に
    見られる結晶中で、最も長径と短径の長さ比率が1.0
    0に近いものと最も長径と短径の長さ比率が大きいもの
    との平均値。
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