JP2003119347A - 耐熱性エポキシ樹脂粉体組成物 - Google Patents

耐熱性エポキシ樹脂粉体組成物

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JP2003119347A
JP2003119347A JP2001312676A JP2001312676A JP2003119347A JP 2003119347 A JP2003119347 A JP 2003119347A JP 2001312676 A JP2001312676 A JP 2001312676A JP 2001312676 A JP2001312676 A JP 2001312676A JP 2003119347 A JP2003119347 A JP 2003119347A
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epoxy resin
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acid amide
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Hiroshi Yokota
洋 横田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性を低下させることなく、流れ性の向上と
ブロッキングの発生防止を付与することのできる耐熱性
エポキシ樹脂粉体組成物を提供する。 【解決手段】粉体エポキシ樹脂系成分に、下記の一般式
(1)で表されるアルキレンビス脂肪酸アミドを含有し
ている耐熱性エポキシ樹脂粉体組成物である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブロッキングがな
く流れ性の高い含浸用に好適な耐熱性エポキシ樹脂粉体
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、粉体組成物、例えば、粉体塗料は
無公害、省資源、省エネルギー型塗料として広い範囲に
わたって従来の溶剤型塗料に置き換わる粉体組成物が開
発されこの市場を確立しつつある。
【0003】エポキシ樹脂系の粉体組成物を用いて、例
えば、コイルのマグネットワイヤーを含浸固着する方法
としては、コイルを上記粉体組成物の溶融温度以上に加
熱し、上記粉体組成物を散布または吹き付ける方法があ
る。この場合、含浸性を向上させる手段としては、低分
子量の樹脂や硬化剤を用いて溶融時の粘度を下げること
により流れ性を付与することが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記低
分子量の樹脂や硬化剤は、低分子量とすると融点が低く
なる傾向があり、一方結晶性成分は溶融混合することに
より結晶性が崩れ、融点降下を生起し、粉体とした後ブ
ロッキングの発生原因となるため好ましいものではな
い。従来、このブロッキングを防止する方法としては、
粉体組成物に種々の無機質充填剤をドライブレンドする
ことも試みられてきたが、溶融時における粘度が高くな
り流れ性が低下し、その結果、含浸性が損なわれるとい
う欠点があった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、耐熱性を低下させることなく、流れ性の向上と
ブロッキングの発生防止を付与することのできる耐熱性
エポキシ樹脂粉体組成物の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の耐熱性エポキシ樹脂粉体組成物は、粉体エ
ポキシ樹脂系成分に、下記の一般式(1)で表されるア
ルキレンビス脂肪酸アミドを含有しているという構成を
とる。
【化3】
【0007】すなわち、本発明者は、耐熱性の低下を招
くことなく、流れ性が向上するとともに耐ブロッキング
性に優れたエポキシ樹脂粉体組成物を得るために鋭意検
討を重ねた。その結果、基本となる粉体エポキシ樹脂系
成分に、上記特定のアルキレンビス脂肪酸アミドを配合
すると、所期の目的が達成されることを見出し本発明に
到達した。
【0008】そして、上記粉体エポキシ樹脂系成分が、
結晶性エポキシ樹脂を主成分とする粉末状エポキシ樹脂
に、ノボラック型フェノール樹脂系硬化剤および硬化促
進剤を含有するものであると、この硬化剤を含む溶融時
低粘度で流れ性の良い結晶性エポキシ樹脂を主成分とす
る粉末状エポキシ樹脂の特性を低下させることなく流れ
性が改善されるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。
【0010】本発明の耐熱性エポキシ樹脂粉体組成物
は、粉体エポキシ樹脂系成分とともに、特定の化合物で
あるアルキレンビス脂肪酸アミドを用いることにより得
られる。
【0011】上記粉体エポキシ樹脂系成分としては、例
えば、結晶性エポキシ樹脂を主成分とする粉末状エポキ
シ樹脂に、ノボラック型フェノール樹脂系硬化剤、硬化
促進剤を用いることにより得られる。なお、上記「主成
分とする」とは、主成分のみからなる場合も含める趣旨
である。
【0012】上記結晶性エポキシ樹脂は、融点が60〜
150℃である固体の結晶性エポキシ樹脂であり、従来
この種の分野で使用されてきた結晶性エポキシ樹脂を広
く使用することができる。なお、ここでいう結晶性エポ
キシ樹脂とはX線回析により多数の結晶ピークが表れる
固形エポキシ樹脂であって、物理的にはシャープな融点
を示しかつ溶融時には極端に粘度が低下する性質を有す
る。特に本発明においては、その融点よりも10℃高い
温度での溶融粘度が5Pa・s以下であるエポキシ樹脂
を用いることが好ましい。このようなエポキシ樹脂の具
体例としては、例えば、4,4′−ビス(2″,3″−
エポキシプロポキシ)−3,3′,5,5′−テトラメ
チルビフェニル、ジグリシジルテレフタレート、ジグリ
シジルハイドロキノン等を例示することができる。
【0013】このような結晶性エポキシ樹脂としては、
下記の一般式(2)で表されるものがあげられる。
【0014】
【化4】
【0015】上記一般式(2)で表される結晶性エポキ
シ樹脂としては、例えば、4,4′−ビス(2″,3″
−エポキシプロポキシ)−3,3′,5,5′−テトラ
メチルビフェニルがあげられる。上記一般式(2)で表
される結晶性エポキシ樹脂においては、R1 〜R4 が全
て水素あるいはメチル基の場合は、融点が105℃でこ
れを溶解した場合、例えば、150℃で粘度が0.02
Pa・sとなる。
【0016】本発明で用いる結晶性エポキシ樹脂として
は、先に述べたように、その融点が60〜150℃のも
のを使用するが、この際、60℃に達しないものでは目
的のエポキシ樹脂粉体組成物がブロッキングを生じ易
く、また逆に、150℃よりも高くなると作業性が悪く
なる傾向がある。好ましい融点は80〜120℃程度で
ある。
【0017】本発明では、接着力の改善、材料費の低減
の目的から、上記結晶性エポキシ樹脂とともに必要に応
じて他のエポキシ樹脂を併用しても差し支えない。他の
エポキシ樹脂としては、特に限定するものではなく従来
公知の各種エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂等があげられる。ただし、これら
他のエポキシ樹脂は使用目的に応じて全エポキシ樹脂成
分中の50重量%以下で使用することが好ましい。
【0018】上記ノボラック型フェノール樹脂系硬化剤
としては、例えば、下記の構造式(3)で表される基を
有するフェノール系化合物および下記の構造式(4)で
表される基を有するフェノール系化合物の双方をホルム
アルデヒドと共縮合したものがあげられる。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】上記構造式(3)で表される基を有するフ
ェノール系化合物においては、式(3)中のRが−CH
3 である化合物を用いることが吸湿性および流れ性の点
から好ましい。
【0022】また、構造式(4)で表される基を有する
フェノール系化合物においては、式(4)中のR′が−
C(CH3 3 (分岐状)である化合物を用いることが
上記と同様、吸湿性の点から好ましい。
【0023】上記構造式(3)で表される基を有するフ
ェノール系化合物(A)および構造式(4)で表される
基を有するフェノール系化合物(B)の混合割合(A:
B)は重量比で、A:B=100:30〜100:80
の範囲に設定することが好ましい。
【0024】本発明において使用するノボラック型フェ
ノール樹脂系硬化剤は、軟化点が70〜130℃程度
で、粘度が1〜15Pa・s(150℃での溶融粘度)
である。
【0025】本発明において、ノボラック型フェノール
樹脂系硬化剤として、上記構造式(3)で表される基を
有するフェノール系化合物および構造式(4)で表され
る基を有するフェノール系化合物の双方をホルムアルデ
ヒドと共縮合したものを用いる場合の使用割合は、粉体
エポキシ樹脂成分のエポキシ基1当量当り上記硬化剤の
官能基が0.5〜1.5当量となるように設定すること
が好ましく、特に好ましくは官能基が0.7〜1.3当
量である。
【0026】さらに、本発明では、硬化を促進させるた
めに、上記硬化剤の種類に適合した硬化促進剤を粉体組
成物中に必要に応じて配合してもよい。このような硬化
促進剤としては、従来公知のものを使用することがで
き、例えば、イミダゾール、ジシアンジアミド、イミダ
ゾリン、ベンジルメチルアミン等の第3級アミン等があ
げられる。
【0027】上記硬化促進剤の添加量は、上記硬化剤の
種類や使用目的等によって適宜に設定されるが、通常、
エポキシ樹脂成分100重量部(以下「部」と略す)に
対して0.3〜8部の割合に設定することが好ましい。
そして、上記硬化促進剤は、添加量が少ないため、粉砕
前の硬化剤に溶融混合した後粉体化することが好まし
い。
【0028】そして、本発明においては、上記粉体エポ
キシ樹脂成分とともに、特定の化合物であるアルキレン
ビス脂肪酸アミドを用いる。上記アルキレンビス脂肪酸
アミドは下記の一般式(1)で表される化合物である。
下記の一般式(1)で表されるアルキレンビス脂肪酸ア
ミドとしては、130〜150℃の融点を有するものが
好ましい。さらに、上記アルキレンビス脂肪酸アミドは
粉末状であり、平均粒子径70μm以下のものを用いる
ことが好ましい。特に好ましくは20〜40μmの範囲
である。すなわち、上記平均粒子径70μm以下のもの
を用いることによって、粉体エポキシ樹脂系成分に良好
に分散し、粉体エポキシ樹脂系成分の粒状表面に介在し
て流れ性を向上させることができる。なお、上記平均粒
子径は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置
を用いて測定することができる。
【0029】
【化7】
【0030】上記一般式(1)で表されるアルキレンビ
ス脂肪酸アミドとして具体的に例示すると、N,N′−
エチレン脂肪酸アミドおよびN,N′−メチレン脂肪酸
アミドとしては、N,N′−エチレンビスラウリル酸ア
ミド(融点150℃)、N,N′−エチレンビスステア
リン酸アミド(融点140℃)、N,N′−エチレンビ
スベヘン酸アミド(融点140℃)、N,N′−メチレ
ンビスステアリン酸アミド(融点140℃)、N,N′
−ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド(融点140
℃)、N,N′−ジステアリンセバチン酸アミド(融点
140℃)等があげられる。これらアルキレンビス脂肪
酸アミドは、通常、市販品で混合脂肪酸アミドで単一な
化合物でなくてもよい。したがって、上記一般式(1)
で表されるアルキレンビス脂肪酸アミドであって、融点
が130〜150℃を有するものであれば特性的にみて
も遜色なく単一な化合物に限定する必要がなく、価格の
面からも混合脂肪酸アミドが経済的である。
【0031】上記一般式(1)で表されるアルキレンビ
ス脂肪酸アミドの配合量は、粉末状エポキシ樹脂100
部に対して1〜10部の割合に設定することが好まし
い。特に好ましくは1〜5部である。すなわち、アルキ
レンビス脂肪酸アミドの配合量が1部未満で少な過ぎる
と、良好な流れ性を付与することが困難であり、逆に1
0部を超えると、接着力、電気特性等の他の特性が低下
する傾向がみられるからである。
【0032】さらに、本発明の耐熱性エポキシ樹脂粉体
組成物には、上記成分以外に、必要に応じてタルク、ケ
イ砂、シリカ、炭酸カルシウム等の充填剤や各種顔料等
を適宜に配合することができる。
【0033】本発明の耐熱性エポキシ樹脂粉体組成物
は、例えば、上記各成分を用い乾式混合法や溶融混合法
等の既知の手法で混合し、粉砕および分級を行うことに
より得られる。この際の分級としては、30メッシュを
通過する程度に設定することが好ましい。すなわち、従
来からのエポキシ樹脂粉体組成物は、上記エポキシ樹
脂、硬化剤、硬化促進剤を配合し、攪拌釜,混練ロー
ル,押出機等により攪拌混合あるいは溶融混合した後粉
砕して、従来は60メッシュパス、好ましくは150メ
ッシュパスの粉末が用いられるが、流れ性の悪いもので
あった。本発明では、従来の成分に加えて、先に述べ
た、一般式(1)で表されるアルキレンビス脂肪酸アミ
ドを所定の割合でドライブレンドすることにより良好な
目的とするエポキシ樹脂粉体組成物が得られる。
【0034】本発明の耐熱性エポキシ樹脂粉体組成物に
おいて、溶融時低粘度で流れ性が良好であるとは、加熱
温度150℃での溶融粘度が0.01〜10Pa・sの
範囲である。特に好ましくは0.01〜5Pa・sの範
囲が実用的である。さらに、上記溶融粘度とともに、後
述の流れ性試験において、熱鋼板上を10cm流れるの
に要する時間が20秒以内であることである。
【0035】したがって、本発明の耐熱性エポキシ樹脂
粉体組成物は、加熱温度150℃での溶融粘度が0.0
1〜10Pa・sの範囲、特に好ましくは0.01〜5
Pa・sの範囲のものであるとともに、流れ性試験にお
いて、熱鋼板上を10cm流れるのに要する時間が20
秒以内となる良好な流れ性を備えるものである。
【0036】なお、本発明でいう流れ性とは、例えば、
所定傾斜角度ならびにエポキシ樹脂粉体組成物を溶融温
度以上に設定した熱鋼板上に、ペレット状に成型した試
料粉末を載置し、溶融した後に所定時間内に流れた距離
あるいは所定距離を流れるのに要した時間で表されるも
のである。本発明においての流れ性を詳しく説明する
と、つぎの条件で試験したものを示しており、上記エポ
キシ樹脂粉体組成物としては、熱鋼板上を10cm流れ
るのに要する時間が20秒以内の流れ性の良好なもので
ある。
【0037】試験条件:長さ20cmの脱脂鋼板を30
°に傾斜して、表面温度を150℃に設定する。試料粉
末は0.25gを圧力1.96133MPa(20kg
f/cm2 )でプレスした直径13mmのペレットを用
いる。
【0038】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0039】まず、下記に示す各成分を準備した。
【0040】〔エポキシ樹脂A〕下記の構造式(A)で
表される結晶性エポキシ樹脂(融点103℃、エポキシ
当量185)。
【化8】
【0041】〔エポキシ樹脂B〕ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(融点97℃、エポキシ当量920)。
【0042】〔ノボラック型フェノール樹脂系硬化剤〕
o−クレゾールノボラック樹脂とt−ブチルノボラック
樹脂(混合重量比はo−クレゾールノボラック樹脂:t
−ブチルノボラック樹脂=1:2)をホルムアルデヒド
と共縮合して合成した共縮合物(軟化点107℃)。
【0043】〔硬化促進剤〕2−メチルイミダゾール
【0044】〔アルキレンビス脂肪酸アミドA〕グリコ
ケミカル社製、アクロワックスC、融点148℃、平均
粒子径30μm
【0045】〔アルキレンビス脂肪酸アミドB〕花王社
製、ワックスEB−G、融点146℃、平均粒子径35
μm)
【0046】
【実施例1〜8、比較例1〜2】下記の表1〜表2に示
す各成分を同表に示す割合で机上粉砕機を用いて乾式混
合した後、粉砕して40メッシュの篩にて分級すること
によりエポキシ樹脂粉体組成物を作製した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】このようにして得られた実施例および比較
例のエポキシ樹脂粉体組成物について、流れ性、150
℃での溶融粘度、ゲル化時間、接着力、高温剪断接着
力、耐ブロッキング性を下記の方法に従って測定・評価
した。その結果を後記の表3〜表4に示す。
【0050】〔流れ性〕前述の方法に従い測定した。す
なわち、試料粉末のエポキシ樹脂粉体組成物0.25g
を圧力1.96133MPa(20kgf/cm2 )で
プレスすることにより直径13mmのペレットを作製し
た。つぎに、長さ20cmの脱脂鋼板を30°に傾斜し
て、その表面温度を150℃とし、この鋼板上に上記ペ
レットを載置した。そして、上記鋼板上を10cm流れ
るのに要する時間を測定した。
【0051】〔150℃での溶融粘度〕ブルックフィー
ルド粘度計を用い、測定温度150℃にて測定した。
【0052】〔ゲル化時間〕試料となる粉末のエポキシ
樹脂粉体組成物0.1gを150℃に加熱したゲル化時
間測定用銅板に散布し針先で攪拌した。そして、試料粉
末全部が溶融してから、針で攪拌が不可能になるまでの
時間をストップウォッチで測定し、ゲル化時間とした。
【0053】〔耐ブロッキング性〕サンプル容器100
ccポリビンにエポキシ樹脂粉体組成物50gを投入
し、40℃で3時間加熱した後、取り出し手で軽く押し
た際に、エポキシ樹脂粉体組成物が粉末状に崩れるか否
かを目視にて観察した。そして、粉末状に崩れたものを
○、ブロック化して崩れないものを×とし評価し表示し
た。
【0054】〔接着力〕幅15mm×長さ100mm×
厚み1.0mmの2枚の鋼板の間に、厚み0.5mmの
スペーサー2本を10mm間隔をおいて挟持させ、鋼板
を加熱して150℃に至った時点で両鋼板と両スペーサ
ーとの間で構成されたスリット状の間隔に粉体組成物を
振りかけ、その溶融物を流し込んだ。その後、180℃
で10分間保持して硬化させ、室温まで冷却した後の剪
断接着力を示した。
【0055】〔高温剪断接着力〕上記接着力の測定にて
得られた剪断接着力試験片を用い、150℃の雰囲気に
て剪断接着力を測定した。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】上記表3〜表4から、実施例品は、流れ性
において全て20秒以内であり、また耐ブロッキング性
にも優れ、良好な作業特性を備えている。また、高温接
着性にも優れ耐熱特性にも優れていることがわかる。
【0059】これに対して、比較例品は、いずれもアル
キレンビス脂肪酸アミドを配合しないため、流れ性にお
いていずれも20秒を超え、耐ブロッキング性評価も低
く、作業特性に劣ることがわかる。しかも、比較例2品
は高温剪断接着力も低く、耐熱特性にも劣ることがわか
る。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明の耐熱性エポキシ
樹脂粉体組成物は、粉体エポキシ樹脂系成分に、前記一
般式(1)で表されるアルキレンビス脂肪酸アミドを含
有するものである。このため、溶融時に低粘度で良好な
流れ性を示し、しかもブロッキング性を低下させること
がない。したがって、本発明の耐熱性エポキシ樹脂粉体
組成物は、例えば、コイル,積層板および化粧板等の含
浸用、あるいは接着用として特に有用である。
【0061】そして、上記粉体エポキシ樹脂系成分が、
結晶性エポキシ樹脂を主成分とする粉末状エポキシ樹脂
に、ノボラック型フェノール樹脂系硬化剤および硬化促
進剤を含有するものであると、この硬化剤を含む溶融時
低粘度で流れ性の良い結晶性エポキシ樹脂を主成分とす
る粉末状エポキシ樹脂の特性を低下させることなく流れ
性が改善されるようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体エポキシ樹脂系成分に、下記の一般
    式(1)で表されるアルキレンビス脂肪酸アミドを含有
    していることを特徴とする耐熱性エポキシ樹脂粉体組成
    物。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記粉体エポキシ樹脂系成分が、結晶性
    エポキシ樹脂を主成分とする粉末状エポキシ樹脂に、ノ
    ボラック型フェノール樹脂系硬化剤および硬化促進剤を
    含有するものである請求項1記載の耐熱性エポキシ樹脂
    粉体組成物。
  3. 【請求項3】 上記結晶性エポキシ樹脂が、下記の一般
    式(2)で表されるものである請求項2記載の耐熱性エ
    ポキシ樹脂粉体組成物。 【化2】
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