JP2023045557A - エポキシ樹脂用組成物、及びエポキシ樹脂用硬化剤 - Google Patents

エポキシ樹脂用組成物、及びエポキシ樹脂用硬化剤 Download PDF

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めぐみ 野下
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Abstract

【課題】本発明の目的は、硬化物において優れた機械強度を発現する、エポキシ樹脂用組成物、及びエポキシ樹脂用硬化剤を提供する事である。【解決手段】エポキシ樹脂用組成物であって、(A)エポキシ化合物、(B)嵩密度が0.5g/mL以下であるヒドラジド化合物、及び(C)ジシアンジアミド又はその誘導体、を含有するエポキシ樹脂用組成物。エポキシ樹脂用硬化剤であって、(B)嵩密度が0.5g/mL以下であるヒドラジド化合物、及び(C)ジシアンジアミド又はその誘導体を含有するエポキシ樹脂用硬化剤。【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂用組成物、及びエポキシ樹脂用硬化剤に関する。
エポキシ樹脂は、電気電子部品の絶縁材料、封止材料、接着剤、導電性材料等に、幅広く利用されており、通常、無溶剤の液状樹脂組成物として使用される。液状樹脂組成物は、特に、狭小な隙間に、均一に浸透及び密着させて、高い接着性を発揮する為に、低粘度な液状組成物が使用される。
従来、エポキシ樹脂組成物の粘度を低下させて硬化物を得る為に、一般、使用時にエポキシ化合物と硬化剤との二成分を混合して硬化させる方法が用いられる。硬化剤として、液状のアミン系硬化剤を使用する場合、室温での硬化は可能である。
しかし、エポキシ化合物とその液状のアミン系硬化剤とを別々に保管し、使用時に両者を計量して混合する必要がある。また、エポキシ樹脂と硬化剤とを一旦混合してしまうと硬化が始まり、可使時間が限定される為、両者を予め大量に混合しておく事は出来ない。
また、アミン系硬化剤に比べて、可使時間が長い液状の酸無水物系硬化剤を用いる場合、エポキシ樹脂組成物の低温での硬化性が低下し、硬化物の耐熱性、耐湿性、機械強度、電気特性等が十分でないという問題が生じる。また、使用時に、エポキシ化合物と硬化剤との二成分を混合すると、硬化させる際に、低粘度を維持してその物性を安定的に維持する事は困難である。
この様に、従来、使用時にエポキシ化合物と硬化剤との二成分を混合して硬化させる方法では、保管の利便性を良くし、取り扱いし易くする為に、改善が必要である。
従来技術を改善する為に、硬化剤とエポキシ化合物とが、使用前から既に混合されており、使用するまで硬化が始まらない、一液型の組成物が提案されている。この一液型の組成物としては、例えば、ジシアンジアミド、ヒドラジン誘導体等の潜在性硬化剤をエポキシ化合物に配合した組成物が提案されている。
例えば、特許文献1は、(A)ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂及びビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される1種以上のエポキシ樹脂、(B)イミダゾール及びイミダゾール誘導体からなる群から選択される1種以上のイミダゾール類、(C)ジシアンジアミド、(D)有機酸ジヒドラジド化合物、(E)樹脂酸処理炭酸カルシウム及び金属水酸化物からなる群から選択される1種以上の化合物、及び(F)コアシェルアクリル粒子を含む一液加熱硬化型エポキシ樹脂接着剤を開示している。しかしながら、この一液加熱硬化型エポキシ樹脂接着剤では、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度は十分でない。
特開2010-150401号公報
本発明の目的は、硬化物において優れた機械強度を発現する、エポキシ樹脂用組成物、及びエポキシ樹脂用硬化剤を提供することである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹脂用硬化剤、又はエポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂用組成物において、ジシアンジアミド又はその誘導体と特定の嵩密度を示すヒドラジド化合物とを併用する事に依り、これら成分をエポキシ化合物に混合すると、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度が非常に良好である事を見出した。これは、ヒドラジド化合物がエポキシ化合物中に均一に分散する事に因るものである。
本発明者等は、かかる知見に基づき、更に研究を重ね、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下のエポキシ樹脂用組成物、及びエポキシ樹脂用硬化剤を提供する。
項1.
エポキシ樹脂用組成物であって、
(A)エポキシ化合物、
(B)ヒドラジド化合物、及び
(C)ジシアンジアミド又はその誘導体、
を含有し、
前記(B)ヒドラジド化合物の嵩密度は、0.5g/mL以下である、
エポキシ樹脂用組成物。
項2.
前記(B)ヒドラジド化合物のメジアン径は、20μm以下である、前記項1に記載のエポキシ樹脂用組成物。
項3.
前記(C)ジシアンジアミド又はその誘導体の嵩密度は、0.4g/mL以下である、前記項1又は2に記載のエポキシ樹脂用組成物。
項4.
前記(C)ジシアンジアミド又はその誘導体のメジアン径は、20μm以下である、前記項1~3の何れかに記載のエポキシ樹脂用組成物。
項5.
塗料用である、前記項1~4の何れかに記載のエポキシ樹脂用組成物。
項6.
接着剤用又は封止剤用である、前記項1~4の何れかに記載のエポキシ樹脂用組成物。
項7.
更に、サリチル酸ヒドラジドを含む、前記項6に記載のエポキシ樹脂用組成物。
項8.
前記項1~7の何れかに記載のエポキシ樹脂用組成物を硬化させる事に依り得られる、硬化物。
項9.
エポキシ樹脂用硬化剤であって、
(B)ヒドラジド化合物、及び
(C)ジシアンジアミド又はその誘導体
を含有し、
前記(B)ヒドラジド化合物の嵩密度は、0.5g/mL以下である、
エポキシ樹脂用硬化剤。
項10.
前記(C)ジシアンジアミド又はその誘導体に対する、前記(B)ヒドラジド化合物の含有量の質量比は、0.1~3.5である、前記項9に記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
本発明のエポキシ樹脂用組成物、及びエポキシ樹脂用硬化剤を用いる事に依り、エポキシ樹脂の硬化物において、優れた機械強度を発現する事が出来る。
本発明を、以下に詳細に説明する。
本明細書において、「含む」及び「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。
本明細書において、数値範囲を「A~B」で示す場合、数値範囲はA以上B以下(Aの数値からBの数値まで)を意味する。
[1]エポキシ樹脂用組成物
本発明のエポキシ樹脂用組成物は、
(A)エポキシ化合物、
(B)ヒドラジド化合物、及び
(C)ジシアンジアミド又はその誘導体、
を含有し、
前記(B)ヒドラジド化合物の嵩密度は、0.5g/mL以下である。
本発明のエポキシ樹脂用組成物を用いる事に依り、エポキシ樹脂の硬化物において、優れた機械強度を発現する事が出来る。
[1-1](A)エポキシ化合物
本発明のエポキシ樹脂用組成物は、(A)エポキシ化合物を含有する。
(A)エポキシ化合物、(B)ヒドラジド化合物、及び(C)ジシアンジアミド(DICY)又はその誘導体(硬化剤)の反応物がエポキシ樹脂である。
エポキシ化合物は、好ましくは、フェノール類と、エピクロルヒドリン類との反応により得られるフェノール型エポキシ化合物である。フェノール型エポキシ化合物は、好ましくは、ビスフェノール-A型エポキシ化合物(ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応により製造されるエポキシ化合物)、臭素化ビスフェノール-A型エポキシ化合物、ビスフェノール-F型エポキシ化合物、ビスフェノール-S型エポキシ化合物、アルキル置換ビスフェノール型エポキシ化合物、アルキル置換ビフェノール型エポキシ化合物、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ化合物等である。
エポキシ化合物は、好ましくは、フェノール類とアルデヒド類との反応物と、エピクロルヒドリン又は2-メチルエピクロルヒドリン等のエピクロルヒドリン類との反応により得られるノボラック型エポキシ化合物である。ノボラック型エポキシ化合物は、好ましくは、フェノールノボラック型エポキシ化合物、臭素化フェノールノボラック型エポキシ化合物、オルトクレゾールノボラック型エポキシ化合物及びナフトールノボラック型エポキシ化合物等である。
エポキシ化合物は、好ましくは、トリメチロールプロパン、アルキレングリコール、水添ビスフェノール-A等のアルコール類と、エピクロルヒドリン類との反応により得られる脂肪族エポキシ化合物である。
エポキシ化合物は、好ましくは、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸又はフタル酸と、エピクロルヒドリン類との反応により得られるグリシジルエステル系エポキシ化合物である。
エポキシ化合物は、好ましくは、ジアミノジフェニルメタン、アミノフェノール等のアミンと、エピクロルヒドリン類との反応により得られるグリシジルアミン系エポキシ化合物である。
エポキシ化合物は、好ましくは、イソシアヌル酸等のポリアミンと、エピクロルヒドリン類との反応により得られる複素環式エポキシ化合物である。
エポキシ化合物の中でも、フェノールノボラック型エポキシ化合物、オルトクレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノール-A型エポキシ化合物、及びビスフェノール-F型エポキシ化合物が好ましい。
エポキシ化合物は、1種を単独で使用しても良く、又は2種以上を混合して使用しても良い。
エポキシ化合物は、また、前記エポキシ化合物の変性エポキシ化合物等である。前記エポキシ化合物に、単官能性のエポキシ化合物、2官能性のエポキシ化合物、又は3官能性以上の多官能性のエポキシ化合物を加える事に依り、エポキシ樹脂を変性する事が出来る。
単官能性のエポキシ化合物は、好ましくは、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アルコールのグリシジルエーテル等である。
2官能性のエポキシ化合物は、好ましくは、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ブタジエンジエポキシド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(3,4-エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、4,4'-ジ(1,2-エポキシエチル)ジフェニルエーテル、4,4'-ジ(1,2-エポキシエチル)ビフェニル、2,2-ビス(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロパン、レゾルシンのジグリシジルエーテル、ビス(2,3-エポキシシクロペンチル)エーテル、2-(3,4-エポキシ)シクロヘキシル-5,5'-スピロ(3,4-エポキシ)シクロヘキサン-m-ジオキサン、ビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、N,N'-m-フェニレンビス(4,5-エポキシシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシイミド)等を挙げることができる。
3官能性以上の多官能性のエポキシ化合物は、好ましくは、p-アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、ポリアリルグリシジルエーテル、1,3,5-トリ(1,2-エポキシエチル)ベンゼン、2,2',4,4'-テトラグリシドキシベンゾフェノン、フェノールホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、フロログルシンのトリグリシジルエーテル、メチルフロログルシンのトリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
変性エポキシ化合物は、1種を単独で使用しても良く、又は2種以上を混合して使用しても良い。
エポキシ化合物又は/及び変性エポキシ化合物と、硬化剤とを添加し、加熱し、樹脂化させる事に依り、エポキシ樹脂を得る事が出来る。
また、硬化を促進する為に、硬化助剤を添加しても良い。硬化助剤としては、この分野で公知のものを広く使用する事が出来る。硬化助剤として、好ましくは、第三級アミン類、イミダゾール類、芳香族アミン類、トリフェニルホスフィン等のリン化合物及び尿素又はその誘導体等を挙げる事が出来る。
これらの硬化助剤は、1種単独で使用しても良く、又は2種以上を混合して使用しても良い。
硬化助剤の配合量は、特に制限されず、通常、エポキシ樹脂100質量部に対して、10質量部以下であり、好ましくは、5質量部以下、より好ましくは、1質量部以下である。硬化助剤の配合量の下限値は、特に限定されず、潜在性を損なわない範囲で、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01質量部とする事が好ましく、0.1質量部とする事がより好ましい。
[1-2](B)ヒドラジド化合物
本発明のエポキシ樹脂用組成物は、(B)ヒドラジド化合物を含有し、前記(B)ヒドラジド化合物の嵩密度は、0.5g/mL以下である。
ヒドラジド化合物は、硬化剤として働く。
ヒドラジド化合物は、好ましくは、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2023045557000001
(式(1)中、nは2~10である。)
式(1)中、nは2~10である。式(1)中、nが2~10(炭素数2~10)のアルキレン基は、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等である。
ヒドラジド化合物は、好ましくは、アジピン酸ジヒドラジド(ADH、式(1)中、nは4である)、セバシン酸ジヒドラジド(式(1)中、nは8である)、ドデカンジオヒドラジド(DDH、式(1)中、nは10である)であり、より好ましくは、アジピン酸ジヒドラジドである。
ヒドラジド化合物は、1種を単独で使用しても良く、又は2種以上を混合して使用しても良い。
ヒドラジド化合物の嵩密度
ヒドラジド化合物の嵩密度は、0.5g/mL以下である。
ヒドラジド化合物の嵩密度は、日本薬局方 3.01 かさ密度及びタップ密度測定法に依り、測定する。
嵩密度が0.5g/mL以下であるヒドラジド化合物を、エポキシ化合物に混合すると、ヒドラジン化合物がエポキシ化合物中に均一に分散し、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度は非常に良好である。
ヒドラジド化合物のメジアン径
ヒドラジド化合物のメジアン径は、好ましくは、20μm以下である。
ヒドラジド化合物のメジアン径は、日本工業規格JIS Z 8825:2013 粒子径解析-レーザ回折・散乱法に依り、測定する。
メジアン径が20μm以下であるヒドラジド化合物を、エポキシ化合物に混合すると、ヒドラジド化合物がエポキシ化合物中に均一に分散し、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度は非常に良好である。
嵩密度が0.5g/mL以下であるヒドラジド化合物、及びメジアン径が20μm以下であるヒドラジド化合物は、市販品の中から、適宜、入手する事が出来る。また、ヒドラジド化合物を、粉砕装置を用いて、衝撃粉砕法、噴霧乾燥法等に依り、粉砕し、粉砕品を調製する事が出来る。
ヒドラジド化合物の配合量
ヒドラジド化合物の配合量は、好ましくは、エポキシ化合物100質量部に対して、好ましくは、0.1質量部~20質量部、より好ましくは、1質量部~15質量部である。
ヒドラジド化合物の配合量を前記範囲に調整する事に依り、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度は非常に良好である。
[1-3](C)ジシアンジアミド又はその誘導体
本発明のエポキシ樹脂用組成物は、(C)ジシアンジアミド(DICY)又はその誘導体を含有する。
ジシアンジアミド(DICY)又はその誘導体は、硬化剤として働く。
ジシアンジアミドの誘導体は、好ましくは、ポリエポキシド付加変成物、アミド化変成物、マンニッヒ化変成物、ミカエル付加変性物された変性物等である。
ジシアンジアミドの誘導体は、好ましくは、ジシアンジアミジン、グアニジン、ビグアニド、トリグアニド、テトラグアニド、ペンタグアニド、ビグアニジン等である。
ジシアンジアミド又はその誘導体、1種を単独で使用しても良く、又は2種以上を混合して使用しても良い。
ジシアンジアミド又はその誘導体の嵩密度
ジシアンジアミド又はその誘導体の嵩密度は、好ましくは、0.4g/mL以下である。
ヒドラジド化合物の嵩密度は、日本薬局方 3.01 かさ密度及びタップ密度測定法に依り、測定する。
嵩密度が0.4g/mL以下であるジシアンジアミド又はその誘導体を、エポキシ化合物に混合すると、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度は非常に良好である。
ジシアンジアミド又はその誘導体のメジアン径
ヒドラジド化合物のメジアン径は、好ましくは、20μm以下である。
ジシアンジアミド又はその誘導体のメジアン径は、日本工業規格JIS Z 8825:2013 粒子径解析-レーザ回折・散乱法に依り、測定する。
メジアン径が20μm以下であるジシアンジアミド又はその誘導体を、エポキシ化合物に混合すると、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度は非常に良好である。
嵩密度が0.4g/mL以下であるジシアンジアミド又はその誘導体、及びメジアン径が20μm以下であるジシアンジアミド又はその誘導体は、市販品の中から、適宜、入手する事が出来る。また、ジシアンジアミド又はその誘導体を、粉砕装置を用いて、衝撃粉砕法、噴霧乾燥法に依り、粉砕し、粉砕品を調製する事が出来る。
ジシアンジアミド又はその誘導体の配合量
ジシアンジアミド又はその誘導体の配合量は、好ましくは、エポキシ化合物100質量部に対して、0.1質量部~20質量部、より好ましくは、1質量部~10質量部である。
ジシアンジアミド又はその誘導体の配合量を前記範囲に調整する事に依り、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度は非常に良好である。
[1-4]エポキシ樹脂用組成物の好ましい用途
本発明のエポキシ樹脂用組成物は、好ましくは、塗料用である。
本発明のエポキシ樹脂用組成物は、好ましくは、接着剤用又は封止剤用である。
本発明のエポキシ樹脂用組成物を接着剤用又は封止剤用途とする時、前記エポキシ樹脂用組成物は、好ましくは、更に、サリチル酸ヒドラジド(SAH)を含む。
前記エポキシ樹脂用組成物に、更に、サリチル酸ヒドラジド(SAH)を配合する事に依り、低温での硬化が可能と成る。また、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度は非常に良好である。
[1-5]エポキシ樹脂用組成物の製造方法
本発明のエポキシ樹脂用組成物は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、どの様な方法を用いて製造しても良い。
各種原材料を、好ましくは、ペイントシェイカー、ビーズミル、プラネタリミキサ、撹拌型分散機、自公転撹拌混合機、三本ロール等を用いて、混合する事に依り、エポキシ樹脂用組成物を得る事が出来る。各種原材料の混合順序は、特に制限はなく、一部の成分を混合してから残りの成分を混合しても良く、又は全ての成分を一括して混合しても良い。
[1-6]硬化物
本発明の硬化物(硬化体)は、前記エポキシ樹脂用組成物を硬化させる事に依り得られる。
エポキシ樹脂用組成物を、好ましくは、150℃~200℃程度で、30分~2時間程度、加熱して硬化させる事に依り、硬化物を得る事が出来る。
[2]エポキシ樹脂用硬化剤
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤は、
(B)ヒドラジド化合物、及び
(C)ジシアンジアミド又はその誘導体
を含有し、
前記(B)ヒドラジド化合物の嵩密度は、0.5g/mL以下である。
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤を用いる事に依り、エポキシ樹脂の硬化物において、優れた機械強度を発現する事が出来る。
エポキシ樹脂、(B)ヒドラジド化合物、及び(C)ジシアンジアミド又はその誘導体は、前記[1]エポキシ樹脂用組成物に説明した通りである。
[2-1]ヒドラジド化合物とジシアンジアミド又はその誘導体との配合比
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤では、好ましくは、前記(C)ジシアンジアミド又はその誘導体に対する、前記(B)ヒドラジド化合物の含有量の質量比は、0.1~3.5であり、より好ましくは、0.2~2.5であり、更に好ましくは、0.4~2.1である。
ヒドラジド化合物とジシアンジアミド又はその誘導体との配合比を前記範囲に調整する事に依り、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度は非常に良好である。
[2-2]エポキシ樹脂用硬化剤の製造方法
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、どの様な方法を用いて製造しても良い。
各種原材料を、好ましくは、ペイントシェイカー、ビーズミル、プラネタリミキサ、撹拌型分散機、自公転撹拌混合機、三本ロール等を用いて、混合する事に依り、エポキシ樹脂用硬化剤を得る事が出来る。各種原材料の混合順序は、特に制限はなく、一部の成分を混合してから残りの成分を混合しても良く、又は全ての成分を一括して混合しても良い。
本発明のエポキシ樹脂用組成物、及びエポキシ樹脂用硬化剤を用いる事に依り、エポキシ樹脂の硬化物において、優れた機械強度を発現する事が出来る。
本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした例に何ら限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得る。
製造例及び実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明する。
本発明は、これらに限定されるものではない。
[1]樹脂成型体の製造
表1~5に記載の各成分の量を測り取り、均一に成る様に混合した。次いで、混合物を、4mm×130mm×95mmの型に流し込み、各硬化条件で、加熱して硬化させた。得られた硬化物を、室温まで冷却させて樹脂成形体を作製した。
得られた樹脂成形体を、4mm×10mm×80mmの大きさの試験片に成る様切り取り、夫々5本の試験片を用意した。
[2]樹脂成型体の曲げ強度の評価
得られた試験片の曲げ強度を、JIS K7171:2016の試験法に準じて測定した。
曲げ強度の評価は、測定した曲げ強度(Mpa)を指数で表した。実施例の曲げ強度の指数を、夫々の比較対象と成る例(比較例等)の曲げ強度の指数を100として、表した。
実施例の曲げ強度の指数=実施例の曲げ強度/比較例の曲げ強度×100
曲げ強度の評価は、指数の値が大きい程、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度が良好である事を表す。
[3]実施例及び比較例
[3-1]ヒドラジド化合物の検討
硬化条件:180℃、0.6時間
実施例1~3の曲げ強度の指数=実施例1~3の曲げ強度/比較例1の曲げ強度×100
評価結果を表1に示す。表1の評価結果から、ヒドラジド化合物と、ジシアンジアミド又はその誘導体とを併用する事に依り、これら成分をエポキシ化合物に混合すると、エポキシ樹脂の硬化物の機械強度が非常に良好であると評価出来る。
Figure 2023045557000002
表1~5における各成分の内容は下記の通りである。
*1:ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合反応により製造されるビスフェノールA型エポキシ化合物、三菱ケミカル株式会社製、jER(登録商標)828
*2:ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合反応により製造されるビスフェノールA型エポキシ化合物、三菱ケミカル株式会社製、jER(登録商標)1001
*3:アジピン酸ジヒドラジド(ADH)、アジピン酸ジヒドラジド合成品を衝撃粉砕法により粉砕したもの。日本薬局方 3.01 かさ密度及びタップ密度測定法に依り測定した処、嵩密度0.38g/mLであった。
*4:ドデカンジオヒドラジド(DDH)、ドデカンジオヒドラジド合成品を衝撃粉砕法により粉砕したもの。日本薬局方 3.01 かさ密度及びタップ密度測定法に依り測定した処、嵩密度0.30g/mLであった。
*5:サリチル酸ヒドラジド(SAH)、東京化成工業株式会社製、サリチル酸ヒドラジド
*6:ジシアンジアミド(DICY)、三菱ケミカル株式会社製、DICY7。日本薬局方3.01 かさ密度及びタップ密度測定法に依り測定した処、嵩密度0.32g/mLであった。
[3-2]サリチル酸ヒドラジド(SAH)添加による低温硬化
硬化条件:160℃、1時間
実施例5(SAH有り)の曲げ強度の指数
=実施例5(SAH有り)の曲げ強度/実施例4(SAH無し)の曲げ強度×100
評価結果を表2に示す。表2の評価結果から、ヒドラジド化合物と、ジシアンジアミド又はその誘導体とを併用し、更に、サリチル酸ヒドラジドを配合する事に依り、これら成分をエポキシ化合物に混合すると、低温での硬化が可能であり、また、エポキシ樹脂の硬化物の機械強度が非常に良好であると評価出来る。
Figure 2023045557000003
[3-3]ヒドラジド化合物の嵩密度の検討
硬化条件:150℃、2時間+200℃、2時間
実施例1、2、6、及び比較例2の曲げ強度の指数
=実施例1、2、6、及び比較例2の曲げ強度/比較例3の曲げ強度×100
評価結果を表3に示す。表3の評価結果から、嵩密度が0.5g/mL以下であるヒドラジド化合物と、ジシアンジアミド又はその誘導体とを併用する事に依り、これら成分をエポキシ化合物に混合すると、エポキシ樹脂の硬化物の機械強度が非常に良好であると評価出来る。
Figure 2023045557000004
*7:ADH(粉砕品)、アジピン酸ジヒドラジド合成品を衝撃粉砕法により粉砕したもの。日本薬局方 3.01 かさ密度及びタップ密度測定法に依り測定した処、嵩密度0.47g/mLであった。
*8:ADH(購入品A)。日本薬局方 3.01 かさ密度及びタップ密度測定法に依り測定した処、嵩密度0.53g/mLであった。
*9:ADH(購入品B)。日本薬局方 3.01 かさ密度及びタップ密度測定法に依り測定した処、嵩密度0.51g/mLであった。
[3-4]ジシアンジアミドの嵩密度の検討
硬化条件:150℃、2時間+200℃、2時間
実施例1の曲げ強度の指数=実施例1の曲げ強度/実施例7の曲げ強度×100
評価結果を表4に示す。表4の評価結果から、ヒドラジド化合物と、嵩密度が0.4g/mL以下であるジシアンジアミド又はその誘導体とを併用する事に依り、これら成分をエポキシ化合物に混合すると、エポキシ樹脂の硬化物の機械強度がより良好であると評価出来る。
Figure 2023045557000005
*10:DICY、三菱ケミカル株式会社製、DICY50。日本薬局方3.01 かさ密度及びタップ密度測定法に依り測定したところ、嵩密度0.6g/mLであった。
[3-5]ヒドラジド化合物とジシアンジアミドとの配合比の検討
硬化条件:180℃、0.6時間
実施例1、及び8~11の曲げ強度の指数
=実施例1、及び8~11の曲げ強度/比較例1の曲げ強度×100
評価結果を表5に示す。表5の評価結果から、ヒドラジド化合物と、ジシアンジアミド又はその誘導体とを併用し、ジシアンジアミド又はその誘導体に対する、ヒドラジド化合物の含有量の質量比を、0.1~3.5に調整する事に依り、これら成分をエポキシ化合物に混合すると、エポキシ樹脂の硬化物の機械強度がより良好であると評価出来る。
Figure 2023045557000006
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤、又はエポキシ化合物を含有するエポキシ樹脂用組成物は、(A)エポキシ化合物に、(B)嵩密度が0.5g/mL以下であるヒドラジド化合物と、(C)ジシアンジアミド又はその誘導体とを混合する事に依り、ヒドラジン化合物がエポキシ化合物中に均一に分散し、硬化後のエポキシ樹脂の機械強度は非常に良好である。

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂用組成物であって、
    (A)エポキシ化合物、
    (B)ヒドラジド化合物、及び
    (C)ジシアンジアミド又はその誘導体、
    を含有し、
    前記(B)ヒドラジド化合物の嵩密度は、0.5g/mL以下である、
    エポキシ樹脂用組成物。
  2. 前記(B)ヒドラジド化合物のメジアン径は、20μm以下である、請求項1に記載のエポキシ樹脂用組成物。
  3. 前記(C)ジシアンジアミド又はその誘導体の嵩密度は、0.4g/mL以下である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂用組成物。
  4. 前記(C)ジシアンジアミド又はその誘導体のメジアン径は、20μm以下である、請求項1~3の何れかに記載のエポキシ樹脂用組成物。
  5. 塗料用である、請求項1~4の何れかに記載のエポキシ樹脂用組成物。
  6. 接着剤用又は封止剤用である、請求項1~4の何れかに記載のエポキシ樹脂用組成物。
  7. 更に、サリチル酸ヒドラジドを含む、請求項6に記載のエポキシ樹脂用組成物。
  8. 請求項1~7の何れかに記載のエポキシ樹脂用組成物を硬化させる事に依り得られる、硬化物。
  9. エポキシ樹脂用硬化剤であって、
    (B)ヒドラジド化合物、及び
    (C)ジシアンジアミド又はその誘導体
    を含有し、
    前記(B)ヒドラジド化合物の嵩密度は、0.5g/mL以下である、
    エポキシ樹脂用硬化剤。
  10. 前記(C)ジシアンジアミド又はその誘導体に対する、前記(B)ヒドラジド化合物の含有量の質量比は、0.1~3.5である、請求項9に記載のエポキシ樹脂用硬化剤。
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