JP2003119280A - 可塑剤及び樹脂組成物 - Google Patents

可塑剤及び樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カルボン酸とポリオキシアルキレンアルコー
ルから製造され、樹脂の可塑剤として用いた場合にフォ
ギング現象を生じず、かつ樹脂の色調を悪化させること
のないエステルを提供する。 【構成】 カルボン酸とポリオキシアルキレンアルコー
ルとのエステル化反応において、特定組成のチタン触媒
を使用することを特徴とするエステルの製造方法により
得られた可塑剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボン酸とポリ
オキシアルキレンアルコールとのエステル化反応による
エステル;該方法により得られた可塑剤;並びに該可塑
剤を含有する樹脂組成物に関する。より詳細には、樹脂
組成物の成分として用いた場合、フォギング現象を生じ
ない可塑剤に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸とポリオキシアルキレンアル
コールから得られるエステルは樹脂類、特にウレタン樹
脂のガラス転移点を低下させ、樹脂に柔軟性を付与させ
る可塑剤として有用であることが知られており、フィル
ムや成形品の可塑剤として広く使用されている。このエ
ステルの製造においては該カルボン酸と該ポリオキシア
ルキレンアルコールとを硫酸、パラトルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸、リン酸、三フッ化硼素ジエチル
エーテル錯体などの酸触媒を用いて、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの溶剤中あるいは無溶剤でエステル化
反応が行なわれてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
の酸触媒を用いたエステル化反応では、反応性が低いた
めエステル化反応を円滑に進行させるためには多量の酸
触媒を必要とする。また、酸触媒を用いたエステル化反
応では目的とするエステル化反応と同時にポリオキシア
ルキレンアルコールのエーテル結合が酸触媒によって切
断されて低分子のアルキレングリコールが生成する副反
応が起こり、それがエステル化されたアルキレングリコ
ールジカルボン酸エステルなどの低級ジエステルが多量
に副生する。これらの副生物を含有する可塑剤を使用し
た樹脂は加熱された場合、上記の副生物が樹脂表面から
蒸散し、それがガラスなどの表面に凝縮し、曇りを生じ
るいわゆるフォギング現象を起こすことが知られてい
る。フォギング現象によって、例えば自動車の内装樹脂
用として上記の副生物を含有した可塑剤を使用した場
合、フロントガラスを曇らせて著しく視界不良にさせる
といった問題をもたらす。上記の酸触媒を用いたエステ
ル化反応ではエステル化反応とポリオキシアルキレンア
ルコールのエーテル結合の切断とは並行して進行するた
め、反応条件を検討するだけではエステル化反応のみを
選択的に行ない、副生物の生成を防止することは困難で
あった。
【0004】また、上記従来技術に記載の酸触媒による
カルボン酸とポリオキシアルキレンアルコールとのエス
テル化反応においては、エステル化時の着色が大きく、
可塑剤として使用した樹脂の色調を悪化させるという問
題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記問題を解
決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即
ち、本発明は、カルボン酸と下記一般式(1)で示され
るポリオキシアルキレンアルコールとのエステル化反応
生成物からなる可塑剤において、該エステル化反応生成
物は、下記一般式(2)で示されるチタン触媒を使用し
て製造されたカルボン酸とポリオキシアルキレンアルコ
ールとのエステルであって、モノアルキレングリコール
ジカルボン酸エステルおよびジアルキレングリコールジ
カルボン酸エステルの含有量がそれぞれ3000ppm
以下であることを特徴とするエステル系可塑剤; R―[O(AO)m―H]n (1) [式中、Rは炭素数1〜30のn価の炭化水素基または
水素原子、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、mは4〜
200の整数、nは1〜10の整数を表す] O=Ti(OCOQCOOM)2 (2) [式中、Mはアルカリ金属、Qは直接結合または炭素数
1〜10のアルキレン基を表す]並びに該可塑剤を含有
する樹脂組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリオキシアルキ
レンアルコールは下記一般式(1)で示される。 R―[O(AO)m―H]n (1) [式中、Rは炭素数1〜30のn価の炭化水素基または
水素原子、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、mは4〜
200の整数、nは1〜10の整数を表す]炭素数1〜
30の炭化水素基Rとしてはn価のアルコール残基また
はフェノール類残基が挙げられる。アルコールとしては
飽和または不飽和モノオール(メチルアルコール、エチ
ルアルコール、n−、i−プロピルアルコール、n−、
i−、sec−、t−ブチルアルコール、直鎖または分
枝のノニルアルコール、ノナデシルアルコール、テトラ
コシルアルコール、オレイルアルコールなど);ジオー
ル(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオールなど);トリオール(グリセリン、
トリメチロールプロパンなど);テトラオール(ペンタ
エリスリトールなど);5〜10価のポリオール(ソル
ビトール、シュークローズなど)が挙げられる。フェノ
ール類としては、1価フェノール類(フェノール、クレ
ゾール、ナフトール、炭素数1〜20のアルキル基〔メ
チル、直鎖または分枝のプロピル、ノニル、ノナデシ
ル、テトラコシルなど〕を1個もしくは2個有するモノ
もしくはジアルキルフェノールなど);2価フェノール
類(カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、炭素数
1〜20のアルキル基〔メチル、直鎖または分枝のプロ
ピル、ノニル、ノナデシル、テトラコシルなど〕を1個
もしくは2個有するモノもしくはジアルキルジヒドロキ
シベンゼン;3価フェノール類(ピロガロール、フロロ
グルシン、炭素数1〜20のアルキル基〔メチル、直鎖
または分枝のプロピル、ノニル、ノナデシル、テトラコ
シルなど〕を1個もしくは2個有するモノもしくはジア
ルキルトリヒドロキシベンゼンなど)などが挙げられ
る。上記ポリオキシアルキレンアルコールの式中のRの
うち、好ましくは水素原子、炭素数8〜18の飽和また
は不飽和モノオール残基、炭素数1〜20のアルキル基
を1個もしくは2個有するモノもしくはジアルキルフェ
ニル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数8〜1
6の飽和または不飽和モノオール残基、炭素数4〜12
のアルキル基を1個もしくは2個有するモノもしくはジ
アルキルフェニル基であり、特に好ましくは水素原子、
炭素数8〜12の飽和または不飽和モノオール残基、炭
素数4〜12のアルキル基を1個有するモノアルキルフ
ェニル基である。
【0007】前記一般式(1)におけるアルキレンオキ
シド(以下AOと略記)としては、エチレンオキシド、
プロピレンオキシド、1.2−ブチレンオキシド、2.
3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、オキセ
タン、メチルオキセタン、テトラヒドロフランが挙げら
れ、これらのうち好ましいのはエチレンオキシド、プロ
ピレンオキシド、1.2−ブチレンオキシド、テトラヒ
ドロフランであり、さらに好ましいのはエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシドである。 AOは1種または2
種以上の併用のいずれでもよい。AOの付加形式として
は単独重合、ランダム共重合およびブロック共重合が挙
げられ、本発明の可塑剤と樹脂との相溶性の観点から、
これらのうち好ましくは単独重合またはブロック共重合
であり、さらに好ましくは単独重合である。AOの付加
モル数mは通常4〜200の整数、好ましくは4〜10
0の整数、さらに好ましくは4〜50の整数である。
【0008】本発明におけるポリオキシアルキレンアル
コールの製造方法を例示すると、アルコールまたはフェ
ノール類に水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
セシウムなどのアルカリ触媒または三フッ化ホウ素ジエ
チルエーテル錯体などの酸触媒を加えた後、通常60〜
180℃でAOを0〜0.7MPaの圧力下で付加重合
させることによって合成する。AOの付加形式としては
1種類のAOの単独重合、2種類以上のAOを予め混合
した後重合させるランダム共重合、2種類以上のAOを
順次ブロック状に重合させるブロック共重合が挙げられ
る。
【0009】本発明におけるカルボン酸としては芳香族
カルボン酸および飽和または不飽和の脂肪族カルボン酸
が挙げられる。芳香族カルボン酸としては、炭素数7〜
15のモノおよび炭素数8〜18の多価カルボン酸が挙
げられる。芳香族モノカルボン酸としては安息香酸、ナ
フタレンカルボン酸などが挙げられ、芳香族多価カルボ
ン酸としては、ジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸など);トリカ
ルボン酸(トリメリット酸など);4価またはそれ以上
の多価カルボン酸(1、2、4、5−テトラカルボキシ
ルベンゼンなど)が挙げられる。飽和または不飽和の脂
肪族カルボン酸としては炭素数2〜20のモノおよび炭
素数2〜20の多価カルボン酸が挙げられる。モノカル
ボン酸としては、酢酸、オクチル酸、ラウリル酸、オレ
イン酸などが挙げられ、多価カルボン酸としては、ジカ
ルボン酸(シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイ
ン酸など);トリカルボン酸(α、β、γ−トリカルボ
キシプロパンなど)などが挙げられる。これらのうち可
塑剤として用いた場合の樹脂との相溶性の観点から好ま
しいのは炭素数7〜15の芳香族モノカルボン酸、炭素
数8〜18の芳香族ジカルボン酸、炭素数8〜12の飽
和または不飽和の脂肪族カルボン酸であり、より好まし
くは炭素数7〜11の芳香族モノカルボン酸、炭素数8
〜16の芳香族ジカルボン酸であり、特に好ましくは炭
素数7〜11の芳香族モノカルボン酸、炭素数8〜12
の芳香族ジカルボン酸である。
【0010】本発明におけるチタン触媒は下記一般式
(2)で示される。 O=Ti(OCOQCOOM)2 (2) [式中、Mはアルカリ金属、Qは直接結合または炭素数
1〜10のアルキレン基を表す] アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、これらのうち好
ましいのは、リチウム、ナトリウム、カリウムであり、
さらに好ましいのはナトリウム、カリウムである。Qは
直接結合または炭素数1〜10のアルキレン基であり、
これらのうち好ましいのは直接結合または炭素数1〜4
のアルキレン基であり、さらに好ましいのは直接結合ま
たは炭素数1〜2のアルキレン基であり、特に好ましく
は直接結合である。触媒の具体例としては、シュウ酸チ
タンアルカリ、例えばシュウ酸チタンナトリウム、シュ
ウ酸チタンカリウム、シュウ酸チタンリチウムなど;こ
れらに相当するマロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸
塩、アジピン酸塩などが挙げられる。これらのうち触媒
活性の観点から好ましいのはシュウ酸チタンアルカリ、
マロン酸チタンアルカリであり、より好ましくはシュウ
酸チタンアルカリであり、特に好ましくはシュウ酸チタ
ンカリウム、シュウ酸チタンナトリウムである。
【0011】一般式(2)で示されるチタン触媒の使用
量はカルボン酸のカルボキシル基に対して通常0.00
0001〜10モル%であり、生成するエステルの低着
色性の観点から好ましくは0.000001〜5モル
%、さらに好ましくは0.000001〜1モル%であ
る。
【0012】本発明のエステル化反応においてカルボン
酸のカルボキシル基とポリオキシアルキレンアルコール
の水酸基との当量比は、エステル化反応の円滑性の観点
から通常1/0.5〜1/2、好ましくは1/0.5〜
1/1、特に好ましくは1/0.8〜1/1である。本
発明のエステル化反応の反応温度は、カルボン酸とポリ
オキシアルキレンアルコールの組成や反応時の溶剤の使
用の有無によって異なるが、通常120〜230℃の範
囲である。
【0013】本発明のエステル化反応は通常、常圧で実
施し、生成する縮合水を系外に除きながら反応を行う
が、必要に応じてベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、ヘキサンなどの溶剤を用いて縮合水を溶剤
と共沸留去することもできる。溶剤使用の場合の溶剤使
用量は、通常反応系の重量に基づいて5〜200%であ
る。また、原料であるカルボン酸やポリオキシアルキレ
ンアルコールの昇華性や沸点等の性質による必要性か
ら、加圧(例えば0.05〜0.5MPa)エステル化
法、または減圧(例えば−0.1〜−0.01MPa)
エステル化法をとることもできる。
【0014】本発明のエステル化反応においては、必要
に応じてハイドロキノン系(例えばハイドロキノン、パ
ラメトキシフェノールなど)およびヒンダードフェノー
ル系(例えばジt−ブチルヒドロキシトルエンなど)な
どの酸化防止剤、次亜リン酸ソーダ、水素化ホウ素ナト
リウムなどの還元剤を着色防止や熱劣化防止の目的で添
加して反応を行ってもよい。酸化防止剤および/または
還元剤の使用量は反応系全体の重量に基づいて通常0.
001〜1%、好ましくは0.001〜0.1%であ
る。
【0015】本発明のエステル化反応においては、カル
ボン酸およびポリオキシアルキレンアルコールはそれぞ
れ単一の化合物だけでなく二種類以上の化合物の任意の
割合の混合物をエステル化することもできる。エステル
化反応の終点は、通常留出した縮合水量の測定、反応系
の酸価の測定またはガスクロマトグラフィーなどによる
未反応カルボン酸の定量によって確認することができ、
得られるエステルは完全エステル化物でも部分エステル
化物でもよい。
【0016】本発明におけるエステルに含まれるフォギ
ング現象を起こす低沸点(100〜280℃)不純物で
あるモノアルキレングリコールジカルボン酸エステルお
よびジアルキレングリコールジカルボン酸エステルは通
常、高速液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフ
ィーなどによって定量ができ、その含有量は、通常それ
ぞれ3000ppm以下、好ましくは1500ppm以
下、特に好ましくは500ppm以下である。
【0017】本発明のエステル化反応によって得られた
エステル化物はそのまま樹脂の可塑剤として使用するこ
とができるが、必要に応じて、ろ過、水洗処理、アルカ
リ水洗処理、活性炭などを用いた脱色処理、ハイドロタ
ルサイト系処理剤や活性白土などを用いた吸着処理など
により精製を行なってもよい。
【0018】本発明のエステルはウレタン樹脂、ウレタ
ンアクリル樹脂、ウレタンエポキシ樹脂、ウレタンポリ
エステル樹脂およびウレタンシリコン樹脂などの可塑剤
として用いられる。これらの樹脂と可塑剤からなる樹脂
組成物は輸送機内装用成形品、動力伝達用部品、情報伝
達材の被覆材料、ローラー、封止材料、建築用シーリン
グ剤、フィルムなどに用いられる。樹脂に対する可塑剤
の添加量は用途によって異なるが、樹脂に対して通常5
〜150重量%、好ましくは5〜100重量%、特に好
ましくは5〜80重量%である。
【0019】
【実施例】以下の実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】実施例1 ディーン・スターク装置を取り付けた1Lのガラス製反
応容器に安息香酸244g(2モル)、分子量335の
ポリエチレングリコール335g(1モル)、シュウ酸
チタンカリウム0.51g(0.0014モル)、キシ
レン70gを仕込み、窒素を30ml/minの流量で
液中パスを行いながら200℃まで昇温した。200℃
到達後、その温度で8時間エステル化反応を行い、反応
中に生成した縮合水は反応系外へ除去した。得られた生
成物を炭酸ナトリウムの5重量%水溶液で洗浄した後、
−0.09MPaの減圧下、120〜135℃でキシレ
ンを留去し、エステル540gを得た。得られたエステ
ルのケン化価は201、酸価は0.3であった。高速液
体クロマトグラフィーによる分析から主成分はポリエチ
レングリコールジ安息香酸エステルであり、副生物のエ
チレングリコールジ安息香酸エステルの含有量は95p
pm、ジエチレングリコールジ安息香酸エステルの含有
量は88ppmであった。
【0021】実施例2 実施例1の分子量335のポリエチレングリコールに代
えて、分子量300のポリプロピレングリコール1モル
にエチレンオキシド6モルを付加して得られたエチレン
オキシドとプロピレンオキシドのブロック付加物564
g(1モル)を用いる以外は実施例1と全く同じ条件で
エステル化反応と後処理を行った。得られたエステルは
769gであり、そのケン化価は140、酸価は0.4
であった。高速液体クロマトグラフィーによる分析から
主成分はポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレング
リコールジ安息香酸エステルであり、副生物のエチレン
グリコールジ安息香酸エステルの含有量は98ppm、
ジエチレングリコールジ安息香酸エステルの含有量は9
0ppmであった。
【0022】実施例3 実施例1の分子量335のポリエチレングリコールに代
えて、ノニルフェノール1モルにエチレンオキシド5モ
ルを付加して得られたポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル440g(1モル)を用い、安息香酸122
g(1モル)を用いる以外は実施例1と全く同じ条件で
エステル化反応と後処理を行った。得られたエステルは
540gであり、そのケン化価は94、酸価は0.3で
あった。高速液体クロマトグラフィーによる分析から主
成分はポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル安息
香酸エステルであり、副生物のエチレングリコールジ安
息香酸エステルの含有量は90ppm、ジエチレングリ
コールジ安息香酸エステルの含有量は86ppmであっ
た。
【0023】比較例1 実施例1のシュウ酸チタンカリウムに代えて、パラトル
エンスルホン酸4.1g(0.02モル)を使用する以
外は実施例1と全く同じ条件でエステル化反応と後処理
を行った。得られたエステルは539gであり、そのケ
ン化価は200、酸価は0.4であった。高速液体クロ
マトグラフィーによる分析から主成分はポリエチレング
リコールジ安息香酸エステルであり、副生物のエチレン
グリコールジ安息香酸エステルの含有量は65400p
pm、ジエチレングリコールジ安息香酸エステルの含有
量は55800ppmであった。
【0024】実施例1〜3および比較例1について色数
の測定とフォギング現象の発生評価を行ない、その結果
を表1に示した。色数はJISK0071−1993
(ガードナー法)に準じて測定した。また、フォギング
現象の発生の評価については、内径50mm、長さ15
0mmの底付き円筒形のガラス容器に試料を5.0g取
り、4mm厚の透明ガラス板で蓋をした後、100℃の
オイルバス中に底から50mmの位置まで浸して24時
間静置加熱した。その後、透明ガラス板の透過率を測定
し、透過率の大きいものほどフォギング現象の発生が少
ないと判定した。比較例1の透明ガラス板に付着してい
た物質はガスクロマトグラフィー・マススペクトルによ
ってエチレングリコールジ安息香酸エステル、ジエチレ
ングリコールジ安息香酸エステルであることを確認し
た。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】カルボン酸とポリオキシアルキレンアル
コールからエステルを製造する本発明の製造方法によっ
て得られたエステルは、低沸点不純物である低級ジエス
テルを含有しないため、樹脂の可塑剤として用いた場合
にフォギング現象を生じず、かつ樹脂の色調を悪化させ
ることがなく極めて有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸と下記一般式(1)で示され
    るポリオキシアルキレンアルコールとのエステル化反応
    生成物からなる可塑剤において、該エステル化反応生成
    物は、下記一般式(2)で示されるチタン触媒を使用し
    て製造されたカルボン酸とポリオキシアルキレンアルコ
    ールとのエステルであって、モノアルキレングリコール
    ジカルボン酸エステルおよびジアルキレングリコールジ
    カルボン酸エステルの含有量がそれぞれ3000ppm
    以下であることを特徴とするエステル系可塑剤。 R―[O(AO)m―H]n (1) [式中、Rは炭素数1〜30のn価の炭化水素基または
    水素原子、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、mは4〜
    200の整数、nは1〜10の整数を表す] O=Ti(OCOQCOOM)2 (2) [式中、Mはアルカリ金属、Qは直接結合または炭素数
    1〜10のアルキレン基を表す]
  2. 【請求項2】 カルボン酸が炭素数7〜15の芳香族モ
    ノカルボン酸、炭素数8〜18の芳香族ジカルボン酸、
    または炭素数8〜12の飽和または不飽和の脂肪族カル
    ボン酸である請求項1記載の可塑剤。
  3. 【請求項3】 チタン触媒の使用量がカルボン酸のカル
    ボキシル基に対して0.000001〜10モル%であ
    る請求項1又は2記載の可塑剤。
  4. 【請求項4】 ウレタン樹脂、ウレタンアクリル樹脂、
    ウレタンエポキシ樹脂、ウレタンポリエステル樹脂およ
    びウレタンシリコン樹脂からなる群から選ばれる樹脂と
    請求項1〜3いずれか記載の可塑剤からなる樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 自動車の内装樹脂用である請求項4記載
    の樹脂組成物。
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Cited By (3)

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