JP3679072B2 - 可塑剤及び樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カルボン酸とポリオキシアルキレンアルコールとのエステル化反応によるエステル;該方法により得られた可塑剤;並びに該可塑剤を含有する樹脂組成物に関する。より詳細には、樹脂組成物の成分として用いた場合、フォギング現象を生じない可塑剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
カルボン酸とポリオキシアルキレンアルコールから得られるエステルは樹脂類、特にウレタン樹脂のガラス転移点を低下させ、樹脂に柔軟性を付与させる可塑剤として有用であることが知られており、フィルムや成形品の可塑剤として広く使用されている。このエステルの製造においては該カルボン酸と該ポリオキシアルキレンアルコールとを硫酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、リン酸、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体などの酸触媒を用いて、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの溶剤中あるいは無溶剤でエステル化反応が行なわれてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の酸触媒を用いたエステル化反応では、反応性が低いためエステル化反応を円滑に進行させるためには多量の酸触媒を必要とする。また、酸触媒を用いたエステル化反応では目的とするエステル化反応と同時にポリオキシアルキレンアルコールのエーテル結合が酸触媒によって切断されて低分子のアルキレングリコールが生成する副反応が起こり、それがエステル化されたアルキレングリコールジカルボン酸エステルなどの低級ジエステルが多量に副生する。これらの副生物を含有する可塑剤を使用した樹脂は加熱された場合、上記の副生物が樹脂表面から蒸散し、それがガラスなどの表面に凝縮し、曇りを生じるいわゆるフォギング現象を起こすことが知られている。フォギング現象によって、例えば自動車の内装樹脂用として上記の副生物を含有した可塑剤を使用した場合、フロントガラスを曇らせて著しく視界不良にさせるといった問題をもたらす。上記の酸触媒を用いたエステル化反応ではエステル化反応とポリオキシアルキレンアルコールのエーテル結合の切断とは並行して進行するため、反応条件を検討するだけではエステル化反応のみを選択的に行ない、副生物の生成を防止することは困難であった。
【0004】
また、上記従来技術に記載の酸触媒によるカルボン酸とポリオキシアルキレンアルコールとのエステル化反応においては、エステル化時の着色が大きく、可塑剤として使用した樹脂の色調を悪化させるという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記問題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、芳香族カルボン酸と下記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレンアルコールとのエステル化反応生成物からなる可塑剤において、該エステル化反応生成物は、下記一般式(2)で示されるチタン触媒を使用して製造された芳香族カルボン酸とポリオキシアルキレンアルコールとのエステルであって、モノアルキレングリコールジ芳香族カルボン酸エステルおよびジアルキレングリコールジ芳香族カルボン酸エステルの含有量がそれぞれ3000ppm以下であることを特徴とするエステル系可塑剤;
R―[O(AO)m―H]n (1)
[式中、Rは炭素数1〜30のn価の炭化水素基または水素原子、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、mは4〜200の整数、nは1〜10の整数を表す]
O=Ti(OCOQCOOM)2 (2)
[式中、Mはアルカリ金属、Qは直接結合または炭素数1〜10のアルキレン基を表す]並びに該可塑剤を含有する樹脂組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリオキシアルキレンアルコールは下記一般式(1)で示される。
R―[O(AO)m―H]n (1)
[式中、Rは炭素数1〜30のn価の炭化水素基または水素原子、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、mは4〜200の整数、nは1〜10の整数を表す]
炭素数1〜30の炭化水素基Rとしてはn価のアルコール残基またはフェノール類残基が挙げられる。アルコールとしては飽和または不飽和モノオール(メチルアルコール、エチルアルコール、n−、i−プロピルアルコール、n−、i−、sec−、t−ブチルアルコール、直鎖または分枝のノニルアルコール、ノナデシルアルコール、テトラコシルアルコール、オレイルアルコールなど);ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなど);トリオール(グリセリン、トリメチロールプロパンなど);テトラオール(ペンタエリスリトールなど);5〜10価のポリオール(ソルビトール、シュークローズなど)が挙げられる。
フェノール類としては、1価フェノール類(フェノール、クレゾール、ナフトール、炭素数1〜20のアルキル基〔メチル、直鎖または分枝のプロピル、ノニル、ノナデシル、テトラコシルなど〕を1個もしくは2個有するモノもしくはジアルキルフェノールなど);2価フェノール類(カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、炭素数1〜20のアルキル基〔メチル、直鎖または分枝のプロピル、ノニル、ノナデシル、テトラコシルなど〕を1個もしくは2個有するモノもしくはジアルキルジヒドロキシベンゼン;3価フェノール類(ピロガロール、フロログルシン、炭素数1〜20のアルキル基〔メチル、直鎖または分枝のプロピル、ノニル、ノナデシル、テトラコシルなど〕を1個もしくは2個有するモノもしくはジアルキルトリヒドロキシベンゼンなど)などが挙げられる。
上記ポリオキシアルキレンアルコールの式中のRのうち、好ましくは水素原子、炭素数8〜18の飽和または不飽和モノオール残基、炭素数1〜20のアルキル基を1個もしくは2個有するモノもしくはジアルキルフェニル基であり、より好ましくは水素原子、炭素数8〜16の飽和または不飽和モノオール残基、炭素数4〜12のアルキル基を1個もしくは2個有するモノもしくはジアルキルフェニル基であり、特に好ましくは水素原子、炭素数8〜12の飽和または不飽和モノオール残基、炭素数4〜12のアルキル基を1個有するモノアルキルフェニル基である。
【0007】
前記一般式(1)におけるアルキレンオキシド(以下AOと略記)としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1.2−ブチレンオキシド、2.3−ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、オキセタン、メチルオキセタン、テトラヒドロフランが挙げられ、これらのうち好ましいのはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1.2−ブチレンオキシド、テトラヒドロフランであり、さらに好ましいのはエチレンオキシド、プロピレンオキシドである。 AOは1種または2種以上の併用のいずれでもよい。AOの付加形式としては単独重合、ランダム共重合およびブロック共重合が挙げられ、本発明の可塑剤と樹脂との相溶性の観点から、これらのうち好ましくは単独重合またはブロック共重合であり、さらに好ましくは単独重合である。AOの付加モル数mは通常4〜200の整数、好ましくは4〜100の整数、さらに好ましくは4〜50の整数である。
【0008】
本発明におけるポリオキシアルキレンアルコールの製造方法を例示すると、アルコールまたはフェノール類に水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウムなどのアルカリ触媒または三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体などの酸触媒を加えた後、通常60〜180℃でAOを0〜0.7MPaの圧力下で付加重合させることによって合成する。AOの付加形式としては1種類のAOの単独重合、2種類以上のAOを予め混合した後重合させるランダム共重合、2種類以上のAOを順次ブロック状に重合させるブロック共重合が挙げられる。
【0009】
本発明におけるカルボン酸としては芳香族カルボン酸および飽和または不飽和の脂肪族カルボン酸が挙げられる。芳香族カルボン酸としては、炭素数7〜15のモノおよび炭素数8〜18の多価カルボン酸が挙げられる。
芳香族モノカルボン酸としては安息香酸、ナフタレンカルボン酸などが挙げられ、芳香族多価カルボン酸としては、ジカルボン酸(2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸など);トリカルボン酸(トリメリット酸など);4価またはそれ以上の多価カルボン酸(1、2、4、5−テトラカルボキシルベンゼンなど)が挙げられる。
飽和または不飽和の脂肪族カルボン酸としては炭素数2〜20のモノおよび炭素数2〜20の多価カルボン酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、酢酸、オクチル酸、ラウリル酸、オレイン酸などが挙げられ、多価カルボン酸としては、ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸など);トリカルボン酸(α、β、γ−トリカルボキシプロパンなど)などが挙げられる。
これらのうち可塑剤として用いた場合の樹脂との相溶性の観点から好ましいのは炭素数7〜15の芳香族モノカルボン酸、炭素数8〜18の芳香族ジカルボン酸、炭素数8〜12の飽和または不飽和の脂肪族カルボン酸であり、より好ましくは炭素数7〜11の芳香族モノカルボン酸、炭素数8〜16の芳香族ジカルボン酸であり、特に好ましくは炭素数7〜11の芳香族モノカルボン酸、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸である。
【0010】
本発明におけるチタン触媒は下記一般式(2)で示される。
O=Ti(OCOQCOOM)2 (2)
[式中、Mはアルカリ金属、Qは直接結合または炭素数1〜10のアルキレン基を表す]
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、これらのうち好ましいのは、リチウム、ナトリウム、カリウムであり、さらに好ましいのはナトリウム、カリウムである。Qは直接結合または炭素数1〜10のアルキレン基であり、これらのうち好ましいのは直接結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、さらに好ましいのは直接結合または炭素数1〜2のアルキレン基であり、特に好ましくは直接結合である。
触媒の具体例としては、シュウ酸チタンアルカリ、例えばシュウ酸チタンナトリウム、シュウ酸チタンカリウム、シュウ酸チタンリチウムなど;これらに相当するマロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸塩などが挙げられる。これらのうち触媒活性の観点から好ましいのはシュウ酸チタンアルカリ、マロン酸チタンアルカリであり、より好ましくはシュウ酸チタンアルカリであり、特に好ましくはシュウ酸チタンカリウム、シュウ酸チタンナトリウムである。
【0011】
一般式(2)で示されるチタン触媒の使用量はカルボン酸のカルボキシル基に対して通常0.000001〜10モル%であり、生成するエステルの低着色性の観点から好ましくは0.000001〜5モル%、さらに好ましくは0.000001〜1モル%である。
【0012】
本発明のエステル化反応においてカルボン酸のカルボキシル基とポリオキシアルキレンアルコールの水酸基との当量比は、エステル化反応の円滑性の観点から通常1/0.5〜1/2、好ましくは1/0.5〜1/1、特に好ましくは1/0.8〜1/1である。
本発明のエステル化反応の反応温度は、カルボン酸とポリオキシアルキレンアルコールの組成や反応時の溶剤の使用の有無によって異なるが、通常120〜230℃の範囲である。
【0013】
本発明のエステル化反応は通常、常圧で実施し、生成する縮合水を系外に除きながら反応を行うが、必要に応じてベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ヘキサンなどの溶剤を用いて縮合水を溶剤と共沸留去することもできる。溶剤使用の場合の溶剤使用量は、通常反応系の重量に基づいて5〜200%である。また、原料であるカルボン酸やポリオキシアルキレンアルコールの昇華性や沸点等の性質による必要性から、加圧(例えば0.05〜0.5MPa)エステル化法、または減圧(例えば−0.1〜−0.01MPa)エステル化法をとることもできる。
【0014】
本発明のエステル化反応においては、必要に応じてハイドロキノン系(例えばハイドロキノン、パラメトキシフェノールなど)およびヒンダードフェノール系(例えばジt−ブチルヒドロキシトルエンなど)などの酸化防止剤、次亜リン酸ソーダ、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を着色防止や熱劣化防止の目的で添加して反応を行ってもよい。酸化防止剤および/または還元剤の使用量は反応系全体の重量に基づいて通常0.001〜1%、好ましくは0.001〜0.1%である。
【0015】
本発明のエステル化反応においては、カルボン酸およびポリオキシアルキレンアルコールはそれぞれ単一の化合物だけでなく二種類以上の化合物の任意の割合の混合物をエステル化することもできる。エステル化反応の終点は、通常留出した縮合水量の測定、反応系の酸価の測定またはガスクロマトグラフィーなどによる未反応カルボン酸の定量によって確認することができ、得られるエステルは完全エステル化物でも部分エステル化物でもよい。
【0016】
本発明におけるエステルに含まれるフォギング現象を起こす低沸点(100〜280℃)不純物であるモノアルキレングリコールジカルボン酸エステルおよびジアルキレングリコールジカルボン酸エステルは通常、高速液体クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーなどによって定量ができ、その含有量は、通常それぞれ3000ppm以下、好ましくは1500ppm以下、特に好ましくは500ppm以下である。
【0017】
本発明のエステル化反応によって得られたエステル化物はそのまま樹脂の可塑剤として使用することができるが、必要に応じて、ろ過、水洗処理、アルカリ水洗処理、活性炭などを用いた脱色処理、ハイドロタルサイト系処理剤や活性白土などを用いた吸着処理などにより精製を行なってもよい。
【0018】
本発明のエステルはウレタン樹脂、ウレタンアクリル樹脂、ウレタンエポキシ樹脂、ウレタンポリエステル樹脂およびウレタンシリコン樹脂などの可塑剤として用いられる。これらの樹脂と可塑剤からなる樹脂組成物は輸送機内装用成形品、動力伝達用部品、情報伝達材の被覆材料、ローラー、封止材料、建築用シーリング剤、フィルムなどに用いられる。
樹脂に対する可塑剤の添加量は用途によって異なるが、樹脂に対して通常5〜150重量%、好ましくは5〜100重量%、特に好ましくは5〜80重量%である。
【0019】
【実施例】
以下の実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
実施例1
ディーン・スターク装置を取り付けた1Lのガラス製反応容器に安息香酸244g(2モル)、分子量335のポリエチレングリコール335g(1モル)、シュウ酸チタンカリウム0.51g(0.0014モル)、キシレン70gを仕込み、窒素を30ml/minの流量で液中パスを行いながら200℃まで昇温した。200℃到達後、その温度で8時間エステル化反応を行い、反応中に生成した縮合水は反応系外へ除去した。得られた生成物を炭酸ナトリウムの5重量%水溶液で洗浄した後、−0.09MPaの減圧下、120〜135℃でキシレンを留去し、エステル540gを得た。得られたエステルのケン化価は201、酸価は0.3であった。高速液体クロマトグラフィーによる分析から主成分はポリエチレングリコールジ安息香酸エステルであり、副生物のエチレングリコールジ安息香酸エステルの含有量は95ppm、ジエチレングリコールジ安息香酸エステルの含有量は88ppmであった。
【0021】
実施例2
実施例1の分子量335のポリエチレングリコールに代えて、分子量300のポリプロピレングリコール1モルにエチレンオキシド6モルを付加して得られたエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック付加物564g(1モル)を用いる以外は実施例1と全く同じ条件でエステル化反応と後処理を行った。得られたエステルは769gであり、そのケン化価は140、酸価は0.4であった。高速液体クロマトグラフィーによる分析から主成分はポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコールジ安息香酸エステルであり、副生物のエチレングリコールジ安息香酸エステルの含有量は98ppm、ジエチレングリコールジ安息香酸エステルの含有量は90ppmであった。
【0022】
実施例3
実施例1の分子量335のポリエチレングリコールに代えて、ノニルフェノール1モルにエチレンオキシド5モルを付加して得られたポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル440g(1モル)を用い、安息香酸122g(1モル)を用いる以外は実施例1と全く同じ条件でエステル化反応と後処理を行った。得られたエステルは540gであり、そのケン化価は94、酸価は0.3であった。高速液体クロマトグラフィーによる分析から主成分はポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル安息香酸エステルであり、副生物のエチレングリコールジ安息香酸エステルの含有量は90ppm、ジエチレングリコールジ安息香酸エステルの含有量は86ppmであった。
【0023】
比較例1
実施例1のシュウ酸チタンカリウムに代えて、パラトルエンスルホン酸4.1g(0.02モル)を使用する以外は実施例1と全く同じ条件でエステル化反応と後処理を行った。得られたエステルは539gであり、そのケン化価は200、酸価は0.4であった。高速液体クロマトグラフィーによる分析から主成分はポリエチレングリコールジ安息香酸エステルであり、副生物のエチレングリコールジ安息香酸エステルの含有量は65400ppm、ジエチレングリコールジ安息香酸エステルの含有量は55800ppmであった。
【0024】
実施例1〜3および比較例1について色数の測定とフォギング現象の発生評価を行ない、その結果を表1に示した。色数はJISK0071−1993(ガードナー法)に準じて測定した。また、フォギング現象の発生の評価については、内径50mm、長さ150mmの底付き円筒形のガラス容器に試料を5.0g取り、4mm厚の透明ガラス板で蓋をした後、100℃のオイルバス中に底から50mmの位置まで浸して24時間静置加熱した。その後、透明ガラス板の透過率を測定し、透過率の大きいものほどフォギング現象の発生が少ないと判定した。比較例1の透明ガラス板に付着していた物質はガスクロマトグラフィー・マススペクトルによってエチレングリコールジ安息香酸エステル、ジエチレングリコールジ安息香酸エステルであることを確認した。
【0025】
【表1】
Figure 0003679072
【0026】
【発明の効果】
カルボン酸とポリオキシアルキレンアルコールからエステルを製造する本発明の製造方法によって得られたエステルは、低沸点不純物である低級ジエステルを含有しないため、樹脂の可塑剤として用いた場合にフォギング現象を生じず、かつ樹脂の色調を悪化させることがなく極めて有用である。

Claims (5)

  1. 芳香族カルボン酸と下記一般式(1)で示されるポリオキシアルキレンアルコールとのエステル化反応生成物からなる可塑剤において、該エステル化反応生成物は、下記一般式(2)で示されるチタン触媒を使用して製造された芳香族カルボン酸とポリオキシアルキレンアルコールとのエステルであって、モノアルキレングリコールジ芳香族カルボン酸エステルおよびジアルキレングリコールジ芳香族カルボン酸エステルの含有量がそれぞれ3000ppm以下であることを特徴とするエステル系可塑剤。
    R―[O(AO)m―H]n (1)
    [式中、Rは炭素数1〜30のn価の炭化水素基または水素原子、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、mは4〜200の整数、nは1〜10の整数を表す]
    O=Ti(OCOQCOOM)2 (2)
    [式中、Mはアルカリ金属、Qは直接結合または炭素数1〜10のアルキレン基を表す]
  2. 芳香族カルボン酸が炭素数7〜15の芳香族モノカルボン酸、炭素数8〜18の芳香族ジカルボン酸である請求項1記載の可塑剤。
  3. チタン触媒の使用量が芳香族カルボン酸のカルボキシル基に対して0.000001〜10モル%である請求項1又は2記載の可塑剤。
  4. ウレタン樹脂、ウレタンアクリル樹脂、ウレタンエポキシ樹脂、ウレタンポリエステル樹脂およびウレタンシリコン樹脂からなる群から選ばれる樹脂と請求項1〜3いずれか記載の可塑剤からなる樹脂組成物。
  5. 自動車の内装樹脂用である請求項4記載の樹脂組成物。
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