JP2003117654A - 溶接接合方法および溶接接合部 - Google Patents

溶接接合方法および溶接接合部

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JP2003117654A
JP2003117654A JP2002222515A JP2002222515A JP2003117654A JP 2003117654 A JP2003117654 A JP 2003117654A JP 2002222515 A JP2002222515 A JP 2002222515A JP 2002222515 A JP2002222515 A JP 2002222515A JP 2003117654 A JP2003117654 A JP 2003117654A
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welding
steel material
makeup
steel
welded
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JP2002222515A
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English (en)
Inventor
Tadateru Katayama
忠輝 形山
Haruhito Okamoto
晴仁 岡本
Nobuyuki Nakamura
信行 中村
Toshifumi Kojima
敏文 小嶋
Hisaya Kamura
久哉 加村
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接された鋼構造部材の溶接部に発生する亀
裂が、突合せ溶接による溶接熱影響部に沿って進行し、
該溶接接合部の強度低下を起こすことを防止する溶接方
法およびそれによる溶接接合部を提供する。 【解決手段】 鋼構造部材における第一の鋼材に厚さを
増す増厚加工をする工程と、該第一の増厚加工された端
部に開先加工を施す工程と、前記第一の鋼材と溶接され
るべき第二の鋼材面を突合せて配置する工程と、該突合
された開先部に突合せ溶接を行う工程と、前記第一の鋼
材の増厚部の所定の範囲に、前記突合せ溶接部に連続し
た、化粧盛溶接を行う工程とを有することを特徴とし、
また前記増厚部の増厚厚さが、化粧盛溶接により形成さ
れた溶接熱影響部の深さ以上であることを特徴とし、さ
らに、前記化粧盛溶接の上に重ねて重ね化粧盛り溶接を
行う工程をも有することを特徴とする溶接接合方法、お
よび、それによる溶接接合部。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、構造部材の溶接
接合方法およびそれによる構造部材の溶接接合部、特
に、建築・土木構造物、柱梁などの鋼構造部材の溶接接
合部に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築などの鉄骨構造の接合部で
は、溶接に伴う溶接金属に隣接して発生する溶接熱影響
部の軟化、脆化部に起因する亀裂伝播、強いては破壊の
発生という問題があり、このため鋼材の持つ高い靱性が
十分に発揮されない場合があった。
【0003】図10は、特開2000−158127号
公報に開示された従来の建築・土木構造物、柱梁などの
鋼構造部材の溶接接合部を示す側面図である。図10に
おいて、通しダイアフラム20の側端21をH鋼梁2の
材軸方向に対して傾斜させている。すなわち、溶接線を
応力方向に対して斜めとし、破壊に対して最弱となる部
分を分散させることで、溶接部からの破壊を防止してい
る。しかしながら、かかる方法では、柱梁仕口パネルな
どの被接合材同士が角度をもっているところ(例えば、
柱梁仕口では90度)では、溶接線が2ヶ所できてしま
うこと、幾何学的に不可能であることなどで、現実的で
なかった。
【0004】また、鋼材の化学成分を調整することで、
溶接部の靱性値をほぼ均等にし、他に比べて弱い部分を
作りにくくする方法もあるが、元の鋼材が限定されるこ
と、特殊な処理が必要なため、材料のコストが高くなっ
てしまうなどの問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】建築・土木構造物にお
いては、柱梁接合部や梁端接合部など、応力が高くなる
ところに溶接接合部が存在するケースがしばしば現れ
る。このように、応力集中が生じる箇所、形状的に応力
が集中し易い箇所、繰り返し変形を受けて最終的に脆性
破壊がおこる箇所等における溶接部には、鋼材の脆性的
な破壊が先行して、鋼材の持つ高い靱性が発揮されない
場合があった。そこで、従来の方法を極端に変えること
なく、溶接ワイヤや鋼材などの被接合材に特殊な成分を
必要としないで、亀裂の発生位置、亀裂伝播方向などを
制御できる溶接方法が強く要求されている。
【0006】図11は、従来の建築・土木構造物、柱梁
などの鋼構造部材の溶接接合部を示す断面図である。図
11において、鋼構造部材の溶接接合部は、開先面12
が加工された第一の鋼材1と第二の鋼材2を突合せ溶接
した場合、溶接金属30に接する溶融線に沿って溶接熱
影響部40が形成され、軟化、脆化した部分が生じる。
なお、5は裏当て金、Xは亀裂伝播方向を示す。この鋼
構造部材の溶接接合部に許容値以上の応力がかかった場
合、応力により発生した表面亀裂は、この軟化、脆化し
た部分に伝播進行(図6のX方向)し、遂にはこの部分
の破壊に至る。従って、前述のごとく、亀裂に対して鋼
材の持つ高い靱性を発揮せしめるために、亀裂の発生位
置、亀裂伝播方向などを最適に制御し得る溶接方法およ
び溶接接合部が強く望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶接接合方
法は、以下のとおりである。 (1)鋼構造部材を溶接接合する溶接接合方法であっ
て、第一の鋼材の端部に厚さを増す増厚加工をする工程
と、該第一の鋼材の増厚加工された端部に開先加工を施
す工程と、前記第一の鋼材端部と溶接されるべき第二の
鋼材面を突き合わせて配置する工程と、該突合された開
先部に突合せ溶接を行う工程と、前記第一の鋼材の増厚
部の所定の範囲に、前記突合せ溶接部に連続した、化粧
盛り溶接を行う工程とを有することを特徴とするもので
ある。
【0008】(2)前記(1)において、前記増厚部の
増厚厚さが、前記化粧盛り溶接により形成された溶接熱
影響部の深さ以上であることを特徴とするものである。
【0009】(3)前記(1)または(2)において、
前記突合せ溶接の上に、さらに第二の化粧盛り溶接を行
う工程を有することを特徴とするものである。
【0010】(4)前記(1)乃至(4)の何れかにお
いて、前記化粧盛り溶接が、前記第一の鋼材に施された
開先の開先端部から当該第一の鋼材の材軸方向に5mm
以上の距離の範囲まで行われることを特徴とするもので
ある。
【0011】(5)前記(1)乃至(4)の何れかに記
載において、前記化粧盛り溶接の止端と前記第二の化粧
盛り溶接の止端との距離が、15mm以下であることを
特徴とするものである。
【0012】また、本発明に係る溶接接合部は、以下の
とおりである。 (6)端部に開先加工が施された第一の鋼材と、該開先
部と突合せ溶接された第二の鋼材からなる溶接接合部で
あって、前記第一の鋼材の端部が増厚加工されており、
該増厚部の所定の範囲に、前記突合せ溶接部に連続し
て、化粧盛り溶接がされていることを特徴とするするも
のである。
【0013】(7)前記(6)において、前記第一の鋼
材が、前記化粧盛り溶接が行なわれた表面に沿った溶接
熱影響部を有することを特徴とするするものである。
【0014】(8)前記(6)または(7)において、
前記増厚部の増厚厚さが、前記化粧盛り溶接により形成
された溶接熱影響部の深さ以上であることを特徴とする
するものである。
【0015】(9)前記(6)乃至(8)の何れかにお
いて、前記増厚部の形状は、第一の鋼材の表裏両面側
に、または表面あるいは裏面の片面側に、直線的または
曲線的に増厚されたものであることを特徴とするもので
ある。
【0016】(10)前記(6)乃至(9)の何れかに
おいて、前記化粧盛り溶接の溶接止端部における前記増
厚部の増厚厚さが、その位置における前記化粧盛り溶接
により形成された溶接熱影響部の深さ以上であることを
特徴とするものである。
【0017】(11)前記(6)乃至(10)の何れか
において、前記第一の鋼材が角形鋼管、溶接4面ボック
スまたは円形鋼管、前記第二の鋼材がダイアフラムであ
り、第一の鋼材および第二の鋼材による鋼構造が建築・
土木用柱であることを特徴とするものである。
【0018】(12)前記(6)乃至(11)の何れか
において、前記第一の鋼材が梁フランジ、前記第二の鋼
材がダイヤフラムであり、前記溶接接合部が梁端部の接
合部であることを特徴とするものである。
【0019】(13)前記(6)乃至(12)の何れか
において、前記突合せ溶接および化粧盛り溶接の上に、
さらに重ねて重ね化粧盛り溶接がされていることを特徴
とするものである。
【0020】(14)前記(6)乃至(13)の何れか
において、前記突合せ溶接および化粧盛り溶接の上に、
さらに重ねて重ね化粧盛り溶接がされていることを特徴
とするものである。
【0021】(15)前記(6)乃至(14)の何れか
において、前記化粧盛り溶接が、前記第一の鋼材に施さ
れた開先の開先端部から当該第一の鋼材の材軸方向に5
mm以上の距離の範囲までされていることを特徴とする
ものである。
【0022】(16)前記(6)乃至(15)の何れか
において、前記化粧盛り溶接の止端と前記重ね化粧盛り
溶接の止端との間隔が、15mm以下であることを特徴
とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、化粧盛り溶接によっ
て、亀裂伝播経路(図6のX方向)を変更するようにし
たものである。すなわち、亀裂の伝播を制御し得る溶接
熱影響部(後記する化粧盛り熱影響部41またはHAZ
41)を化粧盛り溶接(後記する化粧盛り溶接31)に
よって形成させることにより、板厚方向に対してほぼ平
行な突合せ溶接部(図6の突合せ溶接30)の溶融線、
溶接熱影響部(図6の突合せ熱影響部30またはHAZ
30と云う)を通るものであった従来の亀裂伝播経路
(図6のX方向)を、板厚方向に対してほぼ垂直な方向
に変更するようにしたものである。つまり、亀裂発生点
をHAZ41の方へ変更させ、HAZ41を貫通し熱影
響の小さい母材(図6の母材1)に亀裂を到達させ、そ
の後母材の靱性に従った挙動を行なわせるようにしたも
のである。
【0024】また、前記のように亀裂が発生し、母材に
亀裂が到達した場合、鋼材が、通常の板厚(原板)で
は、その部分の正常な状態(熱影響を受けていない)に
ある鋼材の断面積は、HAZ41のために他の部分に比
べて減少しており、強度低下を起こす恐れがある。従っ
て、本発明は、これに対処するために、鋼材端部に増厚
加工をすることにより、前記断面積の減少を防止し、亀
裂がHAZ41を貫通して母材に到達した後でも、母材
の板厚が確保(原板の厚さ以上)できるため鋼材の強度
を十分に期待することができ、より高い安全性を得るこ
とができるものである。以下、図面に従い詳細に説明す
る。
【0025】(溶接接合方法)図1および図2は本発明
の実施の形態に係る溶接接合方法を示す断面図である。
図1の(a)において、1は第一の鋼材であって、均一
な肉厚を有している。なお、第一の鋼材1は、鋼板であ
る場合、鋼管やH形鋼の一部である場合がある。
【0026】図1の(b)において、11は第一の鋼材
1の端部に設けた増厚部であって、位置Cを境にして略
直線状または略円弧状に増厚している。
【0027】図1の(c)において、12は前記第一の
鋼材1の増厚部11に加工した開先の斜面(以下、開先
加工面と称す)である。なお、開先加工面12の開口側
口元の稜線を開先端部(図中、Kで示す)、開先加工面
12の底側の稜線を開先底部(図中、Jで示す)と称
す。
【0028】図1の(d)において、2は第二の鋼材、
5は裏当て金である。第一の鋼材1は第二の鋼材2に略
垂直に配置され、開先底部Jは第二の鋼材2から所定の
距離だけ離れ(以下、ルートギャップと称す)、該ルー
トギャップが裏当て金5によって閉鎖されている。
【0029】図2の(e)において、30は突合せ溶接
部の溶接金属(以下、突合せ溶接金属と称す)、40は
突合せ溶接による溶接熱影響部(以下、突合せ熱影響部
またはHAZ40と称す)である。第一の鋼材の開先加
工面12と第二の鋼材2の表面との間で溶融した溶接金
属は、開先加工面12(図中、破線にて示す)から所定
の距離だけ第一の鋼材1の中に溶け込んで溶融線50
(以下、突合せ溶融線と称す)を形成する。突き合わせ
溶融線50が鋼材1の表面と交差する稜線をWで示す。
さらに、第一の鋼材1には突合せ溶融線50から所定の
距離に渡り、熱影響部40が発生する(以下、突合せ熱
影響部またはHAZ40と称す)。突合せ熱影響部40
と第一の鋼材(熱影響を受けていない)1との境面を突
合せ熱影響線60と呼称する。
【0030】図2の(f)において、31は化粧盛り溶
接部の溶接金属(以下、化粧盛り溶接金属と称す)、4
1は化粧盛り溶接による溶接熱影響部(以下、化粧盛り
熱影響部またはHAZ41と称す)。化粧盛り溶接によ
り、化粧盛り溶接金属31は第一の鋼材の表面(図中、
破線で示す)から所定の距離だけ第一の鋼材1の中に溶
け込んで溶融線51(以下、化粧盛り溶融線と称す)を
形成する。化粧盛り溶融線51が鋼材1の表面と交差す
る稜線をAで示す。さらに、第一の鋼材1には化粧盛り
溶融線51から所定の距離に渡り、熱影響部41が発生
する(以下、化粧盛り熱影響部またはHAZ41と称
す)。化粧盛り熱影響部41と第一の鋼材(熱影響を受
けていない)1との境面を化粧盛り熱影響線60と呼称
する。
【0031】図2の(g)において、32は重ね化粧盛
り溶接部の溶接金属(以下、重ね化粧盛り溶接金属と称
す)である。すなわち、化粧盛り溶接金属31の上に重
ねて重ね化粧盛り溶接金属32が溶着している。重ね化
粧盛り溶接金属32の止端部と化粧盛り溶接金属31の
表面との境界をBで示す。重ね化粧盛り溶接によって、
化粧盛り熱影響部41は後記再熱効果を受けている。な
お、図中、重ね化粧盛り溶接金属32を一層で示してい
るが、一層に限定するものではなく、複数の層に重なっ
て溶接されたものであってもよい(以下の図において同
じ)。
【0032】(増厚・開先加工)図3は本発明の実施の
形態に係る溶接接合方法における第一の鋼材の増厚加工
および開先加工を示す断面図である。図3の(a)に示
す第一の鋼材101は、片側面So(表面)側に増厚さ
れた増厚部111が形成され、増厚部111に増厚側
(表面側)に開いた開先が加工されている。片側面So
(表面)の該増厚が開始する位置をC、該開先が加工さ
れた斜面を開先加工面112、開先加工面112が片側
面So(表面)と交差する稜線を開先端部K、および他
方の片側面Si(裏面)と交差する稜線を開先底部Jと
称す。
【0033】図3の(b)に示す第一の鋼材201は、
(裏面)側に増厚された増厚部211が形成され、増厚
部211に増厚側(表面側)に閉じた開先が加工されて
いる。片側面Si(裏面)の該増厚が開始する位置を
D、該開先が加工された斜面を開先加工面212、開先
加工面212が片側面So(表面)と交差する稜線を開
先端部Kおよび他方の片側面Si(裏面)と交差する稜
線を開先底部Jと称す。
【0034】図3の(c)に示す第一の鋼材301は、
両側面(表面および裏面)に増厚された増厚部311が
形成され、増厚部311に表面側に開いた開先が加工さ
れている。片側面So(表面)の該増厚が開始する位置
をC、他方の片側面Si(裏面)の該増厚が開始する位
置をD、該開先が加工された斜面を開先加工面312、
開先加工面232が片側面So(表面)と交差する稜線
を開先端部Kおよび他方の片側面Si(裏面)と交差す
る稜線を開先底部Jと称す。
【0035】なお、第一の鋼材301がコラムを形成す
る部材である場合には、片側面So(表面)がコラム外
面、片側面Si(裏面)がコラム内面となる。また、第
一の鋼材1がH形鋼のフランジを形成する部材である場
合には、片側面So(表面)がフランジの外側面、片側
面Si(裏面)がフランジのウエブ側面となる。
【0036】(増厚・開先加工)図4は本発明の実施の
形態に係る溶接接合方法における第一の鋼材の増厚加工
および開先加工を示す一部断面の斜視図である。なお、
図3と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明
を省略する。図4の(a)は、図3の(a)に示す第一
の鋼材1が角形コラムの場合である。図4の(b)は、
図3の(b)に示す第一の鋼材1がH形鋼の場合であっ
て、201はH形鋼のフランジ、202はH形鋼のウエ
ブ、203はウエブ202に設けたスカラップ、213
は増厚部、212は開先加工面である。
【0037】(溶接接合部)図5は本発明の実施の形態
に係る溶接接合部を示す断面図である。なお、図2の
(g)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説
明を省略する。図5において、第一の鋼材1の端部が増
厚されて増厚部11を形成し、増厚部11に開先加工面
12が設けられ、該端部が第二の鋼材2と突合せ溶接さ
れている。突合せ溶接金属30は第一の鋼材1に溶け込
み、突合せ溶融線50と突合せ熱影響部40を形成して
いる。
【0038】さらに、突合せ溶接金属30の上に化粧盛
り溶接(下層)がなされ、化粧盛り溶接金属31は増厚
部11に溶け込み、化粧盛り溶融線51と化粧盛り熱影
響部41(HAZ41)を形成している。また、化粧盛
り溶融線51と増厚部11との境界(化粧盛り溶融線5
1の止端に同じ)を化粧盛り熱影響線61とする。
【0039】このとき、化粧盛り熱影響部41は増厚部
11内にある。すなわち、第一の鋼材1の表面Soの延
長面と開先加工面12との交点Eを結ぶ面を原板表面C
Eとすると、化粧盛り熱影響線61は原板表面CEより
増厚側(図中、上方)に位置し、原板表面CEより母材
側(図中、下方)に侵入していない。つまり、化粧盛り
溶接金属31の止端Aにおける化粧盛り熱影響線61と
第一の鋼板1の裏面Siとの距離g、すなわち、熱影響
を受けていない範囲の厚さが、母材の厚さtより大きく
なっている。よって、溶接部(化粧盛り溶接部を含む)
の靭性は母材の靭性より高い値になる。したがって、増
厚加工はかかる状態(g>t)を満足する必要がある。
【0040】なお、通常、溶接熱影響部の厚さは2mm
程度であるため、化粧盛り溶接金属31の止端Aと原板
表面CEとの距離fが母材の厚さtの10%以上または
2mm以上(母材の厚さtが20mm以下の場合)であ
ることが望ましい。
【0041】さらに、化粧盛り溶接金属31の止端Aに
おいて発生した亀裂が第一の鋼材1の板厚方向(図中、
Y方向)に伝播し、突合せ熱影響部40に沿って伝播し
ないようにするためには、止端Aと開先加工面12の開
先端部Kとの距離(図中、距離a)が5mm以上である
ことが望ましい。なお、溶接コストの面から距離aは板
厚の3倍以下にすることが望ましい。
【0042】さらに、化粧盛り溶接金属31(下層)の
上に重ねて重ね化粧盛り溶接がなされ、重ね化粧盛り溶
接金属32(上層)は化粧盛り溶接金属31(下層)に
溶融している。そして、重ね化粧盛り溶接金属32と化
粧盛り溶接金属31(下層)との境界(重ね化粧盛り溶
接金属32の止端に同じ)をBで示し、該止端Bと前記
止端Aとの間隔を距離bとする。
【0043】重ね化粧盛り溶接(上層)は、化粧盛り溶
接(下層)の熱影響を緩和、すなわち、化粧盛り熱影響
部41(HAZ41)を焼き戻すものである。このた
め、前記止端Bが前記止端Aに近接する程、HAZ41
への入熱が効率的になるから、たとえば、距離bを5m
m以下にすることが望ましい。
【0044】(距離aの計算)次に、図5に基づいて距
離a(止端Aと開先端部Kとの距離)、距離b(止端A
と止端Bとの間隔)の計算について説明する。第1の鋼
材1の母材の厚さt、増厚部11の開始点Cと第二の鋼
材2との距離c、止端Aと第二の鋼材2との距離d、お
よび増厚部11の表面のテーパ角度がそれぞれ溶接終了
後に計測可能である。また、母材の厚さtが分かると、
施工標準より開先面12の傾きθ1とルートギャップg
が決定される。
【0045】そして、図中、裏当て板5と第二の鋼材2
との接合部を原点O、第一の鋼材1の材軸方向(図中、
左方向)をX軸、第二の鋼材2の材軸方向(図中、上方
向)をY軸とすると、開先面12は下記(1)式で、増
厚部11の表面は下記(2)式で、それぞれ表すことが
できる。 y=(x−g)×tan(π/4−θ1) ・・・(1)式 y=(x−c)×tan(−θ2)+t ・・・・(2)式 したがって、開先面12と増厚部11の表面との交点で
ある開先端部Kの位置(距離k)が容易に求まるから、
距離aは a=d−k ・・・(3)式 により計算される。なお、増厚部が直線状でなく、所定
の関数によって表示される場合は、 y=f(x−c)+t ・・・(4)式 として、(1)式と(4)式より距離kを求めればよ
い。
【0046】(溶接接合部の実施例)図6は本発明の実
施の形態に係る溶接接合部の実施例を示す斜視図であっ
て、第一の鋼材がH形梁の場合である。H形梁400の
フランジ端部に増厚加工および開先加工を施され、更に
図示しない第二の鋼材に突合せ溶接されている。なお、
図5と同じ部分には下2桁をこれと同じ符号を付し、一
部の説明を省略する。401はH形梁のフランジ、40
2はH形梁のウエブ、403はウエブ402に設けたス
カラップ、411は増厚部、412は開先加工面であ
る。そして、430は突合せ溶接金属430、440は
突合せ熱影響部(HAZ440)、431は化粧盛り溶
接金属(下層)である。なお、化粧盛り熱影響部(HA
Z441)、重ね化粧盛り溶接金属(上層)432、重
ね盛り化粧溶接熱影響部(HAZ442)は図示してい
ない。なお、図中、重ね化粧盛り溶接金属432を一層
で示しているが、一層に限定するものではなく、複数の
層に重なって溶接されたものであってもよい。
【0047】なお、H形梁401のフランジ部は、前記
図3に準じてウエブ側の内側あるいは両側に増厚加工し
てもよい。さらに、かかる溶接は、片面から溶接する突
き合わせ溶接(片面開先)に限定するものではなく、両
面からの溶接(両面開先)あるいは、完全溶け込み溶
接、部分溶け込み溶接等のいずれの場合にも有効であ
る。また、開先加工は前記レ字状開先に限定するもので
はなく、開先の開先底部に平坦部を有するト字状開先で
あってもよい。さらに、両面から溶接する場合は、K字
状開先、板厚中央部に平坦部を有する略K字状開先であ
ってもよい。
【0048】(化粧盛り溶接)なお、ここで云う「化粧
盛り溶接」とは、(イ)一般的な化粧盛り溶接、すなわ
ち、溶接表面を単にキレイに見せるための表面化粧のた
めの溶接であって、化粧盛り溶接金属によって突合せ溶
接部全体の強度の向上を殆ど期待しない溶接、および
(ロ)表面化粧のための溶接であって、化粧盛り溶接金
属自体が突合せ溶接金属の強度に匹敵する強度を有し、
突合せ溶接部全体の強度の向上を図る溶接をも含むもの
である。また、化粧盛り溶接は1層の場合または2層以
上の多層の場合がある。
【0049】(重ね化粧盛り溶接)さらに、ここで云う
「重ね化粧盛り溶接」とは、(ハ)表面化粧を目的とす
るとともに、化粧盛り溶接(下層)の熱影響を緩和、す
なわち、既に生成された溶接熱影響部(HAZ)を焼き
戻すものであって、重ね化粧盛り溶接金属によって突合
せ溶接部全体の強度の向上を殆ど期待しない溶接、およ
び(ニ)表面化粧を目的とするとともに、化粧盛り溶接
(下層)の熱影響を緩和すものであって、重ね化粧盛り
溶接金属自体が、突合せ溶接金属または化粧盛り溶接金
属(下層)の強度に匹敵する強度を有し、突合せ溶接部
全体の強度の向上を図る溶接をも含むものである。ま
た、重ね化粧盛り溶接は1層の場合または2層以上の多
層の場合がある。
【0050】(化粧盛り溶接と靭性値の関係)図7およ
び図8は、それぞれ本発明の実施の形態に係る溶接接合
部の靭性値を測定するためのシャルピー衝撃試験片(以
下、試験片と称す)の採取状況を示す断面図、および測
定した吸収エネルギーを示す相関図である。なお、図5
と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省
略する。図7において、溶接接合部における亀裂の発生
が、化粧盛り溶接ビードの止端部Aであることが予測さ
れることから、止端部Aの位置(開先端部Kからの距離
a)を変更した溶接接合部を作成して、該止端部Aの直
下にノッチが位置するようにして試験片を採取した。
【0051】すなわち、止端Aの開先端部Kからの距離
aを2、5、10、および15mmとした位置になるよ
うに化粧盛り溶接をして、第一の鋼材1の表面Soから
1mmだけ追い込んだ面を表面とし、該止端部Aの直下
に表面ノッチ(Fで示す)を加工した試験片70(JI
S2202、一辺の長さ10mmの正方形柱に、深さ2
mmで開き角度90°のVノッチが加工されている)を
採取した。また、止端Bと止端Aとの間隔である距離b
が5mmとなるように、重ね化粧盛り溶接がされてい
る。また、母材の板厚tは25mmである。なお、図
中、重ね化粧盛り溶接金属を一層で示しているが、一層
に限定するものではなく、複数の層に重なって溶接され
たものであってもよい。
【0052】図8は、これら試験片70のシャルピー衝
撃試験結果であって、縦軸は各試験片の破面遷移温度に
おける吸収エネルギー、横軸は各試験片の距離a(止端
Aと開先端部Kからの距離)である。図8において、距
離aが5mm以上の場合(止端Aが開先端部Kから遠く
にある場合)に靱性が増加していることがわる。特に、
距離aが5mm未満になると、吸収エネルギーが急激に
減少している。
【0053】すなわち、距離aが5mmmである試験片
70の場合、試験片のVノッチの先端が、突合せ熱影響
部40(HAZ40)または化粧盛り熱影響部41(H
AZ41)内になく、母材1内に位置していると推定さ
れるから、試験片70は延性破壊することによって高い
吸収エネルギーの値を示したと考えられる。一方、距離
aが2mmmである試験片70の場合、試験片のVノッ
チの先端が、化粧盛り熱影響部41または突合せ熱影響
部40あるいは化粧盛り溶接金属31内、若しくはこれ
らに近接しているため、試験片70が脆性破壊すること
によって低い吸収エネルギーの値を示したと考えられ
る。
【0054】以上より、全厚試験片においても同様の結
果が得られると考えられるから、距離aが5mm未満の
場合、止端Aに発生した亀裂は、母材1内に伝播するこ
となく、突合せ熱影響部40(突合せ溶融線60)に沿
って伝播することが予測される。
【0055】(重ね化粧盛り溶接と靭性値の関係)図9
は、本発明の実施の形態に係る溶接接合部の靭性値と重
ね化粧盛り溶接との関係を示す相関図である。図9にお
いて、図7に準じてシャルピー衝撃試験片(以下、試験
片と称す)を採取して、シャルピー衝撃試験を実施し
た。このとき、止端部Aと開先端部Kとの距離aを5m
mにして、止端Aと止端Bとの間隔である距離bを2、
8、15、および18mmにし、各試験片(距離bを変
えている)について、それぞれの遷移温度における吸収
エネルギーを計測した。
【0056】図9の縦軸は、各試験片の遷移温度におけ
る吸収エネルギーを、距離bが8mmである試験片の吸
収エネルギー(340J)で除した靭性比率であり、横
軸は距離bである。図9において、距離bが15mm以
下の範囲で靭性値の改善がみられ、特に、距離bが8m
m以下の範囲(止端部Aと止端部Bが近接する場合)に
おいて靭性値の改善が顕著である。
【0057】以上より、重ね化粧盛り溶接(上層)に伴
う入熱によって化粧盛り溶接金属(下層)は再加熱され
て焼鈍(テンパー)されたものと推定される。つまり、
重ね化粧盛り溶接によって表面亀裂(脆性亀裂)の発生
が困難になると考えられる。なお、かかる再熱効果を効
果的に得るために、化粧盛り溶接(下層)の直後に重ね
化粧盛り溶接(上層)を施工することが望ましい。たと
えば、化粧盛り溶接(下層)の溶接ビードの温度が50
℃以上であるうちに、重ね化粧盛り溶接(上層)を施工
することが望ましい。
【0058】
【発明の効果】本発明により、溶接部の靱性を向上させ
るような鋼材の成分調整をするより安価で、簡易的な溶
接が可能となり、構造物の溶接接合部の信頼性の向上、
およびより安全な構造物を提供することが可能となっ
た。
【0059】即ち、本発明は、端部に増厚加工をし、更
に増厚加工された端部に開先加工を施した第一の鋼材
と、該第一の鋼材端部と溶接されるべき第二の鋼材面を
突き合わせて突合せ溶接、および、前記突合せ溶接部に
連続した、化粧盛り溶接を行うことにより、また、前記
増厚加工された増厚部の増厚厚さを、前記化粧盛り溶接
により形成された溶接熱影響部の深さ以上とすることに
より、鋼構造物の溶接部における亀裂の発生、および亀
裂の伝播方向を制御し、亀裂の伝播方向を突合せ溶接の
溶接熱影響部の軟化、脆性部に沿うことを回避させるこ
とにより、接合部の強度低下を防止し、より信頼性と安
全性を有する鋼構造物を提供することができる。
【0060】さらに、化粧盛り溶接(下層)の止端部の
開先端部からの距離を規定したことにより、亀裂の伝播
経路を制御することができるから、溶接接合部の強度を
確実に保証することが可能になる。
【0061】さらに、化粧盛り溶接(下層)を行った上
に、さらに重ねて重ね化粧盛り溶接(上層)を行うこと
により、下層の化粧盛り溶接の止端部における亀裂の発
生を困難にするから、溶接接合部の強度を維持して鋼構
造物の信頼性と安全性を高めることができる。
【0062】さらに、化粧盛り溶接(下層)の止端部と
重ね化粧盛り溶接(上層)の止端部との間隔を規定した
ことにより、亀裂の発生を制御することができるから、
溶接接合部の強度を確実に保証することが可能になる。
【0063】よって、応力的に厳しいさまざまな種類の
建築・土木構造物において、溶接接合部の強度低下を防
止することができる。たとえば、以下に好適である。 第一の鋼材が角形鋼管、溶接4面ボックスまたは円形
鋼管、第二の鋼材がダイアフラムであり、第一の鋼材お
よび第二の鋼材による鋼構造が建築用柱。 更に、第一の鋼材が梁フランジ、第二の鋼材がダイヤ
フラムであり、第一の鋼材と第二の鋼材との接合部が梁
端部の接合部。 また、第一の鋼材および第二の鋼材が角形鋼管、溶接
4面ボックス、または円形鋼管であり、第一の鋼材およ
び第二の鋼材による鋼構造が柱継手部。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る溶接接合方法を示
す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る溶接接合方法を示
す断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る溶接接合方法にお
ける第一の鋼材の増厚加工および開先加工を示す断面図
である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る溶接接合方法にお
ける第一の鋼材の増厚加工および開先加工を示す一部断
面の斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態に係る溶接接合部を示す
断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態に係る溶接接合部の実施
例を示す斜視図であって、第一の鋼材がH形梁の場合で
ある。
【図7】 本発明の実施の形態に係る溶接接合部の靭性
値を測定するためのシャルピー衝撃試験片(以下、試験
片と称す)の採取状況を示す断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態に係る溶接接合部の測定
した吸収エネルギーを示す相関図である。
【図9】 本発明の実施の形態に係る溶接接合部の靭性
値と重ね化粧盛り溶接との関係を示す相関図である。
【図10】 従来の建築・土木構造物、柱梁などの鋼構
造部材の溶接接合部を示す側面図である。
【図11】 従来の建築・土木構造物、柱梁などの鋼構
造部材の溶接接合部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第一の鋼材 2 第二の鋼材 5 裏当て金 2 開先加工面 11 増厚部 30 突合せ溶接金属 31 化粧盛り溶接金属 32 重ね化粧盛り溶接金属 40 突合せ熱影響部 41 化粧盛り熱影響部 42 重ね化粧盛り熱影響部 50 突合せ熱影響線 51 化粧盛り熱影響線 52 重ね化粧盛り熱影響線 60 突合せ溶融線 61 化粧盛り溶融線 62 重ね化粧盛り溶融線 A 化粧盛り溶接金属の止端 B 重ね化粧盛り溶接金属の止端 C 増厚加工の立ち上がり点 K 開先端部 J 開先底部 a 化粧盛り溶接金属の止端Aと開先端部Kとの距離 b 化粧盛り溶接金属の止端Aと重ね化粧盛り溶接金属
の止端Bとの間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 信行 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 小嶋 敏文 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 加村 久哉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2E125 AA04 AA14 AA72 AB01 AB16 AC15 AC16 AF03 AG03 AG34 AG47 AG57 BB02 BB28 BB31 BD01 BE04 BE08 BF04 CA90 EA33 4E081 YB06

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼構造部材を溶接接合する溶接接合方法
    であって、第一の鋼材の端部に厚さを増す増厚加工をす
    る工程と、該第一の鋼材の増厚加工された端部に開先加
    工を施す工程と、前記第一の鋼材端部と溶接されるべき
    第二の鋼材面を突き合わせて配置する工程と、該突合さ
    れた開先部に突合せ溶接を行う工程と、前記第一の鋼材
    の増厚部の所定の範囲に、前記突合せ溶接部に連続し
    た、化粧盛り溶接を行う工程とを有することを特徴とす
    る溶接接合方法。
  2. 【請求項2】 前記増厚部の増厚厚さが、前記化粧盛り
    溶接により形成された溶接熱影響部の深さ以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の溶接接合方法。
  3. 【請求項3】 前記突合せ溶接および化粧盛り溶接の上
    に、さらに重ねて重ね化粧盛り溶接を行う工程を有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の溶接接合方
    法。
  4. 【請求項4】 前記化粧盛り溶接が、前記第一の鋼材に
    施された開先の開先端部から当該第一の鋼材の材軸方向
    に5mm以上の距離の範囲まで行われることを特徴とす
    る請求項1乃至3の何れかに記載の溶接接合方法。
  5. 【請求項5】 前記化粧盛り溶接の止端と前記重ね化粧
    盛り溶接の止端との距離が、15mm以下であることを
    特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の溶接接合方
    法。
  6. 【請求項6】 端部に開先加工が施された第一の鋼材
    と、該開先部と突合せ溶接された第二の鋼材からなる溶
    接接合部であって、前記第一の鋼材の端部が増厚加工さ
    れており、該増厚部の所定の範囲に、前記突合せ溶接部
    に連続して、化粧盛り溶接がされていることを特徴とす
    る溶接接合部。
  7. 【請求項7】 前記第一の鋼材が、前記化粧盛り溶接が
    行なわれた表面に沿った溶接熱影響部を有することを特
    徴とする請求項6記載の溶接接合部。
  8. 【請求項8】 前記増厚部の増厚厚さが、前記化粧盛り
    溶接により形成された溶接熱影響部の深さ以上であるこ
    とを特徴とする請求項6または7記載の溶接接合部。
  9. 【請求項9】 前記増厚部の形状は、第一の鋼材の表裏
    両面側に、または表面あるいは裏面の片面側に、直線的
    または曲線的に増厚されたものであることを特徴とする
    請求項6乃至8の何れかに記載の溶接接合部。
  10. 【請求項10】 前記化粧盛り溶接の溶接止端部におけ
    る前記増厚部の増厚厚さが、その位置における前記化粧
    盛り溶接により形成された溶接熱影響部の深さ以上であ
    ることを特徴とする請求項6乃至9の何れかに記載の溶
    接接合部。
  11. 【請求項11】 前記第一の鋼材が角形鋼管、溶接4面
    ボックスまたは円形鋼管、前記第二の鋼材がダイアフラ
    ムであり、第一の鋼材および第二の鋼材による鋼構造が
    建築・土木用柱であることを特徴とする請求項6乃至1
    0の何れかに記載の溶接接合部。
  12. 【請求項12】 前記第一の鋼材が梁フランジ、前記第
    二の鋼材がダイヤフラムであり、前記溶接接合部が梁端
    部の接合部であることを特徴とする請求項6乃至11の
    何れかに記載の溶接接合部。
  13. 【請求項13】 前記第一の鋼材および前記第二の鋼材
    が角形鋼管、溶接4面ボックス、または円形鋼管であ
    り、第一の鋼材および第二の鋼材による鋼構造が柱継手
    部であることを特徴とする請求項6乃至12の何れかに
    記載の溶接接合部。
  14. 【請求項14】 前記突合せ溶接および化粧盛り溶接の
    上に、さらに重ねて重ね化粧盛り溶接がされていること
    を特徴とする請求項6乃至13の何れかに記載の溶接接
    合部。
  15. 【請求項15】 前記化粧盛り溶接が、前記第一の鋼材
    に施された開先の開先端部から当該第一の鋼材の材軸方
    向に5mm以上の距離の範囲までされていることを特徴
    とする請求項6乃至14の何れかに記載の溶接接合部。
  16. 【請求項16】 前記化粧盛り溶接の止端と前記重ね化
    粧盛り溶接の止端との間隔が、15mm以下であること
    を特徴とする請求項6乃至15の何れかに記載の溶接接
    合部。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018066496A (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 株式会社栗本鐵工所 螺旋羽根を有するスクリューシャフトの製造方法及びそれを備えた熱交換装置
JP2018153816A (ja) * 2017-03-15 2018-10-04 住友重機械工業株式会社 多層溶接方法および多層溶接継手
JP2020093289A (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 日本製鉄株式会社 鋼部材の溶接接合方法および溶接接合構造

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JP7205205B2 (ja) 2018-12-13 2023-01-17 日本製鉄株式会社 鋼部材の溶接接合方法および溶接接合構造

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