JP2003116582A - 新規生理活性ペプチドおよびその用途 - Google Patents

新規生理活性ペプチドおよびその用途

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JP2003116582A
JP2003116582A JP2002026090A JP2002026090A JP2003116582A JP 2003116582 A JP2003116582 A JP 2003116582A JP 2002026090 A JP2002026090 A JP 2002026090A JP 2002026090 A JP2002026090 A JP 2002026090A JP 2003116582 A JP2003116582 A JP 2003116582A
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Tetsuya Otaki
徹也 大瀧
Yasushi Masuda
安司 増田
Yoshihiro Takatsu
吉広 高津
Takuya Watanabe
卓也 渡辺
Yasuko Terao
寧子 寺尾
Yasushi Shintani
靖 新谷
Kuniji Hinuma
州司 日沼
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】消化器疾患などの治療・予防剤および診断薬の
提供 【解決手段】新規ペプチド等の活性を促進または阻害す
る化合物またはその塩のスクリーニング方法/スクリー
ニング用キット、該スクリーニングによって得られる化
合物またはその塩、該化合物またはその塩を含有してな
る医薬など。 【効果】本発明のペプチドは、例えば、消化器疾患など
の診断、治療、予防などに使用することができ、かつ、
本発明のタンパク質の活性を促進もしくは阻害する化合
物またはその塩のスクリーニングのための試薬として有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(i)配列番号:
19もしくは配列番号:39で表わされるアミノ酸配列
と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペ
プチドまたはその塩、および(ii)オーファンレセプタ
ータンパク質である配列番号:1、配列番号:44、配
列番号:51、配列番号:52、配列番号:53もしく
は配列番号:54で表わされるアミノ酸配列と同一また
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質ま
たはその塩とを用いる消化器疾患の予防・治療剤として
有用な化合物またはその塩などのスクリーニング方法な
どに関する。
【0002】
【従来の技術】生体のホメオスタシスの維持、生殖、個
体の発達、代謝、成長、神経系、循環器系、免疫系、消
化器系、代謝系の調節、感覚受容などの重要な機能調節
は、様々なホルモンや神経伝達物質のような内在性因子
あるいは光や匂いなどの感覚刺激をこれらに対して生体
が備えている細胞膜に存在する特異的なレセプターを介
して細胞が受容し、それに応じた反応をすることによっ
て行われている。このような機能調節に与るホルモンや
神経伝達物質のレセプターの多くは guanine nucleotid
e-binding protein(以下、Gタンパク質と略称する場
合がある)と共役しており、このGタンパク質の活性化
によって細胞内にシグナルを伝達して様々な機能を発現
させることを特徴とする。また、これらのレセプタータ
ンパク質は共通して7個の膜貫通領域を有する。これら
のことからこうしたレセプターはGタンパク質共役型レ
セプターあるいは7回膜貫通型レセプターと総称され
る。このように生体機能の調節には様々なホルモンや神
経伝達物質およびそれに対するレセプタータンパク質が
存在して相互作用し、重要な役割を果たしていることが
わかっているが、未知の作用物質(ホルモンや神経伝達
物質など)およびそれに対するレセプターが存在するか
どうかについてはいまだ不明なことが多い。近年、ヒト
ゲノムDNAあるいは各種ヒト組織由来のcDNAのラ
ンダムな配列決定による配列情報の蓄積および遺伝子解
析技術の急速な進歩によってヒトの遺伝子が加速度的に
解明されてきている。それにともない、機能未知の蛋白
をコードすると予想される多くの遺伝子の存在が明らか
になっている。Gタンパク質共役型レセプターは、7個
の膜貫通領域を有するのみでなくその核酸あるいはアミ
ノ酸に多くの共通配列が存在するためそのような蛋白の
中から明確にGタンパク質共役型レセプターとして区分
することができる。一方でこうした構造の類似性を利用
したポリメラーゼ・チェーン・リアクション(Polymera
se Chain Reaction:以下、PCRと略称する)法によ
ってもこうしたGタンパク質共役型レセプター遺伝子が
得られている。このようにしてこれまでに得られたG蛋
白共役型レセプターのうちには既知のレセプターとの構
造の相同性が高いサブタイプであって容易にそのリガン
ドを予測することが可能な場合もあるが、ほとんどの場
合その内在性リガンドは予測不能であり、これらのレセ
プターは対応するリガンドが見いだされていない。この
ことからこれらのレセプターはオーファンレセプターと
呼ばれている。このようなオーファンレセプターの未同
定の内因性リガンドは、リガンドが知られていなかった
ために十分な解析がなされていなかった生物現象に関与
している可能性がある。そして、このようなリガンドが
重要な生理作用や病態と関連している場合には、そのレ
セプター作動薬あるいは拮抗薬の開発が革新的な医薬品
の創製に結びつくことが期待される(Stadel, J. et a
l.、TiPS、18巻、430-437頁、1997年、Marchese, A. et
al.、TiPS、20巻、370-375頁、1999年、Civelli, O. e
t al.、Brain Res.、848巻、63-65頁、1999年)。しか
し、これまで実際にオーファンGタンパク質共役型レセ
プターのリガンドを同定した例はそれほど多くない。最
近、幾つかのグループによってこうしたオーファンレセ
プターのリガンド探索の試みがなされ、新たな生理活性
ペプチドであるリガンドの単離・構造決定が報告されて
いる。ReinsheidらおよびMeunierらは独立に、動物細胞
にオーファンGタンパク質共役型レセプターLC132ある
いはORL1をコードするcDNAを導入してレセプターを発現
させ、その応答を指標としてorphanin FQあるいはnocic
eptinと名付けられた新規ペプチドをブタ脳あるいはラ
ット脳の抽出物より単離し、配列を決定した(Reinshei
d, R. K. et al.、Science、270巻、792-794頁、1995
年、Meunier, J.-C. et al.、Nature、377巻、532-535
頁、1995年)。このペプチドは痛覚に関与していること
が報告されたが、さらに、レセプターのノックアウトマ
ウスの研究により記憶に関与していることが明らかにさ
れた(Manabe, T. et al.、Nature、394巻、577-581
頁、1998年)。その後これまでに上記と同様な方法によ
りPrRP(prolactin releasing peptide)、orexin、ape
lin、ghrelinおよびGALP(galanin-like peptide)など
の新規ペプチドがオーファンGタンパク質共役型レセプ
ターのリガンドとして単離された(Hinuma, S. et a
l.、Nature、393巻、272-276頁、1998年、Sakurai, T.
etal.、Cell、92巻、573-585頁、1998年、Tatemoto, K.
et al.、Bichem. Biophys. Res. Commun.、251巻、471
-476頁、1998年、Kojima, M. et al.、Nature、402巻、
656-660頁、1999年、Ohtaki, T. et al.、J. Biol. Che
m.、274巻、37041-37045頁、1999年)。一方、これまで
明らかでなかった生理活性ペプチドのレセプターが同様
な方法によって解明される場合もある。腸管収縮に関与
するmotilinのレセプターがGPR38であることが明らかに
された(Feighner, S. D. et al.、Science、284巻、21
84-2188頁、1999年)ほか、SLC-1がメラニン凝集ホルモ
ン(MCH)のレセプターとして同定され(Chambers, J.
et al.、Nature、400巻、261-265頁、1999年、Saito,
Y. et al.、Nature、400巻、265-269頁、1999年、Shimo
mura, Y. et al.、Biochem. Biophys. Res. Commun.、2
61巻、622-626頁、1999年、Lembo, P. M.C. et al.、Na
ture Cell Biol.、1巻、267-271頁、1999年、Bachner,
D. et al.、FEBS Lett.、457巻、522-524頁、1999
年)、またGPR14(SENR)がurotensinIIのレセプターで
あることが報告された(Ames, R. S. et al.、Nature、
401巻、282-286頁、1999年、Mori, M. et al.、Bioche
m. Biophys. Res. Commun.、265巻、123-129頁、1999
年、Nothacker, H.-P. et al.、Nature Cell Biol.、1
巻、383-385頁、1999年、Liu, Q. et al.、Biochem. Bi
ophys. Res. Commun.、266巻、174-178頁、1999年)。M
CHはそのノックアウトマウスが羸痩のphenotypeを示す
ことから肥満に関与することが示されていたが(Shimad
a, M. et al.、Nature、396巻、670-674頁、1998年)、
そのレセプターが明らかにされたことにより抗肥満薬と
しての可能性を有するレセプター拮抗薬の探索が可能と
なった。また、urotensin IIはサルに静脈内投与するこ
とによって心虚血を惹起することから心循環系に強力な
作用を示すことも報告されている(Ames, R. S. et a
l.、Nature、401巻、282-286頁、1999年)。このよう
に、オーファンレセプターおよびそのリガンドは新たな
生理作用に関与する場合が多く、その解明は新たな医薬
品開発に結びつくことが期待される。しかし、オーファ
ンレセプターのリガンド探索においては多くの困難さが
伴い、これまでに数多くのオーファンレセプターの存在
が明らかにされながらそのリガンドが明らかにされたレ
セプターはごく一部に過ぎない。本発明者らは、オーフ
ァンGタンパク質共役型レセプターである新規レセプタ
ーZAQ(本願明細書の配列番号:1で表されるアミノ
酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を有す
るタンパク質:以下、本明細書において、単にZAQと
称する場合がある)を見出したが、そのリガンドが何で
あるのかはこれまで不明であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】オーファンレセプター
タンパク質であるZAQに対するリガンドの探索と、Z
AQおよびそのリガンドを用いることを特徴とする化合
物などのスクリーニング方法の確立が課題とされてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒト型B
v8ペプチド(FEBS Letters, 462巻, 177-181頁, 1999
年)を作成し、これがZAQ結合活性を有することを見
出した。さらに、ラット型Bv8をコードするcDNA
のクローニングにも成功した。かかる知見に基づいて、
ヒト型/マウス型/ラット型Bv8ペプチドを用いたス
クリーニング系を用いて、ZAQの介在する疾患の治療
薬(ZAQ拮抗薬または作動薬など、具体的には消化器
疾患の予防・治療薬など)のスクリーニングができるこ
とを見出し、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)配列番号:1
9もしくは配列番号:39で表わされるアミノ酸配列と
同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペプ
チドもしくはその部分ペプチドまたはその塩および配列
番号:1、配列番号:44、配列番号:51、配列番
号:52、配列番号:53もしくは配列番号:54で表
わされるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチ
ドまたはその塩を用いることを特徴とする、配列番号:
19もしくは配列番号:39で表わされるアミノ酸配列
と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペ
プチドまたはその塩と配列番号:1、配列番号:44、
配列番号:51、配列番号:52、配列番号:53もし
くは配列番号:54で表わされるアミノ酸配列と同一ま
たは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
またはその塩との結合性を変化させる化合物またはその
塩のスクリーニング方法、(2)配列番号:19もしく
は配列番号:39で表わされるアミノ酸配列と同一また
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペプチドもし
くはその部分ペプチドまたはその塩および配列番号:
1、配列番号:44、配列番号:51、配列番号:5
2、配列番号:53もしくは配列番号:54で表わされ
るアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドまた
はその塩を含有することを特徴とする、配列番号:19
もしくは配列番号:39で表わされるアミノ酸配列と同
一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペプチ
ドまたはその塩と配列番号:1、配列番号:44、配列
番号:51、配列番号:52、配列番号:53もしくは
配列番号:54で表わされるアミノ酸配列と同一または
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質また
はその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩の
スクリーニング用キット、(3)前記(1)記載のスク
リーニング方法または前記(2)記載のスクリーニング
用キットを用いて得られる、配列番号:19もしくは配
列番号:39で表わされるアミノ酸配列と同一または実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するペプチドまたはそ
の塩と配列番号:1、配列番号:44、配列番号:5
1、配列番号:52、配列番号:53もしくは配列番
号:54で表わされるアミノ酸配列と同一または実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質またはその
塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、(4)
前記(3)記載の化合物またはその塩を含有してなる医
薬、(5)消化器疾患の予防・治療剤である前記(4)
記載の医薬、(6)配列番号:37で表わされるアミノ
酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有
することを特徴とするペプチドまたはその塩、(7)前
記(6)記載のペプチドをコードするDNA、(8)配
列番号:38で表される塩基配列を含有する前記(7)
記載のDNA、(9)配列番号:40で表される塩基配
列を含有するDNA、(10)前記(8)記載のDNA
を含有する組換えベクター、(11)前記(10)記載
の組換えベクターで形質転換された形質転換体、前記
(11)記載の形質転換体を培養し、前記(6)記載の
ペプチドを生成・蓄積することを特徴とする前記(6)
記載のペプチドまたはその塩の製造法、(13)配列番
号:39で表されるアミノ酸配列と同一または実質的に
同一のアミノ酸配列を含有するペプチドまたはその塩に
対する抗体、(14)前記(13)記載の抗体を含有し
てなる診断薬、(15)消化器疾患の診断薬である前記
(14)記載の診断薬、(16)外来性の、前記(7)
記載のDNAまたはその変異DNAを含有する非ヒト哺
乳動物、(17)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である前
記(16)記載の動物、(18)ゲッ歯動物がラットで
ある前記(17)記載の動物、(19)外来性の、前記
(9)記載のDNAまたはその変異DNAを含有し、非
ヒト哺乳動物において発現しうる組換えベクター、(2
0)前記(7)または前記(9)記載のDNAが不活性
化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、(21)DNAがレ
ポーター遺伝子を導入することにより不活性化された前
記(20)記載の胚幹細胞、(22)非ヒト哺乳動物が
ゲッ歯動物である前記(21)記載の胚幹細胞、(2
3)前記(7)または前記(9)記載のDNAが不活性
化された該DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(24)D
NAがレポーター遺伝子を導入することにより不活性化
され、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプ
ロモーターの制御下で発現しうる前記(23)記載の非
ヒト哺乳動物、(25)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物で
ある前記(23)記載の非ヒト哺乳動物、(26)前記
(24)記載の動物に、試験化合物を投与し、レポータ
ー遺伝子の発現を検出することを特徴とする前記(7)
または(9)記載のDNAに対するプロモーター活性を
促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、(27)哺乳動物に対し、前記(3)記載の化
合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする
消化器疾患の予防・(及び/または)治療方法、(2
8)消化器疾患予防・(及び/または)治療剤を製造す
るための、前記(3)記載の化合物またはその塩の使用
などを提供する。
【0006】さらには、本発明は、(29)配列番号:
19もしくは配列番号:39で表わされるアミノ酸配列
と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペ
プチドもしくはその部分ペプチドまたはその塩(以下、
本発明のペプチドと略記する場合がある)を、配列番
号:1、配列番号:44、配列番号:51、配列番号:
52、配列番号:53もしくは配列番号:54で表わさ
れるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸
配列を含有するタンパク質もしくはその部分ペプチドま
たはその塩(以下、これらを本発明のタンパク質と略記
する場合がある)に接触させた場合と、本発明のペプチ
ドおよび試験化合物を本発明のタンパク質に接触させた
場合における、本発明のペプチドの本発明のタンパク質
に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする、
本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(30)本発明のペプチドを、本発明のタンパク質を含
有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合と、
本発明のペプチドおよび試験化合物を本発明のタンパク
質を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場
合における、本発明のペプチドの該細胞または該膜画分
に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする、
本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(31)本発明のタンパク質が、本発明のタンパク質を
コードするDNAを含有する形質転換体を培養すること
によって細胞膜上に発現した本発明のタンパク質である
前記(30)記載のスクリーニング方法、(32)本発
明のペプチドが、標識したリガンドである前記(29)
〜(31)記載のスクリーニング方法、(33)本発明
のペプチドを本発明のタンパク質に接触させた場合と、
本発明のペプチドおよび試験化合物を本発明のタンパク
質に接触させた場合における、本発明のタンパク質を介
した細胞刺激活性を測定し、比較することを特徴とす
る、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性
を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法、(34)本発明のペプチドを本発明のタンパク質を
含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合
と、本発明のペプチドおよび試験化合物を本発明のタン
パク質を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させ
た場合における、本発明のタンパク質を介した細胞刺激
活性を測定し、比較することを特徴とする、本発明のペ
プチドと本発明のタンパク質との結合性を変化させる化
合物またはその塩のスクリーニング方法、(35)本発
明のタンパク質が、本発明のタンパク質をコードするD
NAを含有する形質転換体を培養することによって細胞
膜上に発現した本発明のタンパク質である前記(34)
記載のスクリーニング方法、(36)標識したGTPγ
Sの存在下、本発明のペプチドを本発明のタンパク質細
胞膜画分に接触させた場合と、本発明のペプチドおよび
試験化合物を本発明のタンパク質細胞膜画分に接触させ
た場合における、本発明のタンパク質細胞膜画分へのG
TPγS結合促進活性を測定し、比較することを特徴と
する、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合
性を変化させる化合物のスクリーニング方法、(37)
細胞内cAMP量を増加させる物質の存在下、本発明の
ペプチドを本発明のタンパク質発現細胞に接触させた場
合と、本発明のペプチドおよび試験化合物を本発明のタ
ンパク質発現細胞に接触させた場合における、該細胞の
細胞内cAMPの産生抑制活性を測定し、比較すること
を特徴とする、本発明のペプチドと本発明のタンパク質
との結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法、
(38)細胞内cAMP量を増加させる物質の存在下、
本発明のペプチドを、CRE−レポーター遺伝子ベクタ
ー導入本発明のタンパク質発現細胞に接触させた場合
と、本発明のペプチドおよび試験化合物を、CRE−レ
ポーター遺伝子ベクター導入本発明のタンパク質発現細
胞に接触させた場合における、レポーター遺伝子タンパ
ク質の酵素活性を測定し、比較することを特徴とする、
本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変
化させる化合物のスクリーニング方法、(39)本発明
のペプチドを、標識したアラキドン酸を含有する本発明
のタンパク質発現細胞に接触させた場合と、本発明のペ
プチドおよび試験化合物を、標識したアラキドン酸を含
有する本発明のタンパク質発現細胞に接触させた場合に
おける、アラキドン酸代謝物の放出活性を測定し、比較
することを特徴とする、本発明のペプチドと本発明のタ
ンパク質との結合性を変化させる化合物のスクリーニン
グ方法、(40)本発明のペプチドを、本発明のタンパ
ク質発現細胞に接触させた場合と、本発明のペプチドお
よび試験化合物を、本発明のタンパク質発現細胞に接触
させた場合における、細胞内カルシウム濃度上昇活性を
測定し、比較することを特徴とする、本発明のペプチド
と本発明のタンパク質との結合性を変化させる化合物の
スクリーニング方法、(41)標識したイノシトールの
存在下、本発明のペプチドを、本発明のタンパク質発現
細胞に接触させた場合と、本発明のペプチドおよび試験
化合物を、本発明のタンパク質発現細胞に接触させた場
合における、イノシトール三リン酸産生活性を測定し、
比較することを特徴とする、本発明のペプチドと本発明
のタンパク質との結合性を変化させる化合物のスクリー
ニング方法、(42)本発明のペプチドを、TRE−レ
ポーター遺伝子ベクター導入本発明のタンパク質発現細
胞に接触させた場合と、本発明のペプチドおよび試験化
合物を、TRE−レポーター遺伝子ベクター導入本発明
のタンパク質発現細胞に接触させた場合における、レポ
ーター遺伝子タンパク質の酵素活性を測定し、比較する
ことを特徴とする、本発明のペプチドと本発明のタンパ
ク質との結合性を変化させる化合物のスクリーニング方
法、(43)本発明のペプチドを、本発明のタンパク質
発現細胞に接触させた場合と、本発明のペプチドおよび
試験化合物を、本発明のタンパク質発現細胞に接触させ
た場合における、細胞増殖を測定し、比較することを特
徴とする、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との
結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法、(4
4)標識したルビジウムの存在下、本発明のペプチド
を、本発明のタンパク質発現細胞に接触させた場合と、
本発明のペプチドおよび試験化合物を、本発明のタンパ
ク質発現細胞に接触させた場合における、標識したルビ
ジウムの流出活性を測定し、比較することを特徴とす
る、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性
を変化させる化合物のスクリーニング方法、(45)本
発明のペプチドを、本発明のタンパク質発現細胞に接触
させた場合と、本発明のペプチドおよび試験化合物を、
本発明のタンパク質発現細胞に接触させた場合におけ
る、細胞外のpH変化を測定し、比較することを特徴と
する、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合
性を変化させる化合物のスクリーニング方法、(46)
ヒスチジン合成遺伝子導入本発明のタンパク質発現酵母
を、ヒスチジン欠乏培地で培養し、本発明のペプチドま
たは本発明のペプチドおよび試験化合物を接触させ、該
酵母の生育を測定し、比較することを特徴とする、本発
明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変化さ
せる化合物のスクリーニング方法、(47)本発明のペ
プチドを、本発明のタンパク質遺伝子RNA導入アフリ
カツメガエル卵母細胞に接触させた場合と、本発明のペ
プチドおよび試験化合物を、本発明のタンパク質遺伝子
RNA導入アフリカツメガエル卵母細胞に接触させた場
合における、細胞膜電位の変化を測定し、比較すること
を特徴とする、本発明のペプチドと本発明のタンパク質
との結合性を変化させる化合物のスクリーニング方法、
【0007】(48)前記(29)〜(47)記載のス
クリーニング方法で得られる、本発明のペプチドと本発
明のタンパク質との結合性を変化させる化合物またはそ
の塩、(49)前記(48)記載の化合物またはその塩
を含有する医薬、(50)本発明のタンパク質を含有す
る細胞を含有することを特徴とする前記(2)記載のス
クリーニング用キット、(51)本発明のタンパク質を
含有する細胞の膜画分を含有することを特徴とする前記
(2)記載のスクリーニング用キット、(52)本発明
のタンパク質をコードするDNAを含有するDNAを含
有する組換えベクターで形質転換された形質転換体を培
養することによって該形質転換体の細胞膜に発現したタ
ンパク質を含有することを特徴とする前記(2)記載の
スクリーニング用キット、(53)前記(50)〜(5
2)記載のスクリーニング用キットを用いて得られる、
本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変
化させる化合物またはその塩、(54)前記(50)〜
(52)記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
る、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性
を変化させる化合物またはその塩を含有する医薬、
【0008】(55)前記(11)記載の抗体と、本発
明のペプチドとを接触させることを特徴とする、本発明
のペプチドの定量法、(56)前記(11)記載の抗体
と、被検液および標識化された本発明のペプチドとを競
合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された本発明
のペプチドの割合を測定することを特徴とする被検液中
の本発明のペプチドの定量法、(57)被検液と担体上
に不溶化した前記(11)記載の抗体および標識化され
た前記(11)項記載の抗体とを同時または連続的に反
応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定する
ことを特徴とする被検液中の本発明のペプチドまたはそ
の塩の定量法、(58)前記(7)記載のDNAとハイ
ストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌク
レオチド、および(59)前記(7)記載のDNAの塩
基配列と相補的な塩基配列またはその一部を含有するポ
リヌクレオチドなども提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のスクリーニング方法およ
び本発明のスクリーニング用キットに用いられる配列番
号:19もしくは配列番号:39で表わされるアミノ酸
配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
ることを特徴とするペプチドまたはその塩(以下、本発
明のペプチドと略記することがある)は、配列番号:
1、配列番号:44、配列番号:51、配列番号:5
2、配列番号:53もしくは配列番号:54で表わされ
るアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するタンパク質またはその塩(以下、本発明の
タンパク質と略記することがある)と結合する能力を有
するペプチドまたはその塩であり、本発明のタンパク質
と結合し、活性化する能力を有するペプチドまたはその
塩である。本発明のペプチドまたはその塩の本発明のタ
ンパク質と結合する能力および本発明のタンパク質を活
性化する能力は後述の方法により測定することができ
る。
【0010】本発明のペプチドは、例えば、ヒトや非ヒ
ト哺乳動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ウ
サギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)のあらゆる細胞
(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細
胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細
胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維
細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファー
ジ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆
細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)や血球系の細胞
(例えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−2,W
EHI−3,HL−60,JOSK−1,K562,M
L−1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT−1
0,CCRF−CEM,TALL−1,Jurkat,
CCRT−HSB−2,KE−37,SKW−3,HU
T−78,HUT−102,H9,U937,THP−
1,HEL,JK−1,CMK,KO−812,MEG
−01など)、またはそれらの細胞が存在するあらゆる
組織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁頭核、大
脳基底球、海馬、視床、視床下部、視床下核、大脳皮
質、延髄、小脳、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、尾状
核、脳染、黒質)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝
臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋
肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸
腺、脾臓、顎下腺、末梢血、末梢血球、前立腺、睾丸、
精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など(特
に、脳や脳の各部位)に由来するペプチドであってもよ
く、また合成ペプチドであってもよい。本発明のペプチ
ドがシグナル配列を有している場合は該ペプチドを効率
良く細胞外に分泌させることができる。
【0011】配列番号:19または配列番号:39で表
わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列と
しては、例えば、配列番号:19または配列番号:39
で表されるアミノ酸配列と約60%以上(好ましくは約
70%以上、さらに好ましくは約80%以上、より好ま
しくは約85%以上、特に好ましくは約90%以上、最
も好ましくは約95%以上)の相同性を有するアミノ酸
配列などが挙げられる。配列番号:19または配列番
号:39で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するペプチドとしては、例えば、配列
番号:19または配列番号:39で表わされるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番
号:19または配列番号:39で表わされるアミノ酸配
列を有するペプチドと実質的に同質の活性を有するペプ
チドなどが好ましい。以下、配列番号:19で表わされ
るアミノ酸配列を有するペプチドをヒト型Bv8成熟体
ペプチド、配列番号:39で表わされるアミノ酸配列を
有するペプチドをラット型Bv8成熟体ペプチドまたは
マウス型Bv8成熟体ペプチドと記載することがある。
【0012】配列番号:19で表わされるアミノ酸配列
と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペ
プチドとしては、例えば、配列番号:19で表わされる
アミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列
を含有し、配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を
有するペプチドと実質的に同質の活性を有するペプチド
などが好ましく、具体的には配列番号:17または配列
番号:19で表わされるアミノ酸配列を有するペプチド
等が挙げられる。配列番号:39で表わされるアミノ酸
配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るペプチドとしては、例えば、配列番号:39で表わさ
れるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸
配列を含有し、配列番号:39で表わされるアミノ酸配
列を有するペプチドと実質的に同質の活性を有するペプ
チドなどが好ましく、具体的には配列番号:37、配列
番号:39または配列番号:55で表わされるアミノ酸
配列を有するペプチド等が挙げられる。以下、配列番
号:17で表わされるアミノ酸配列を有するペプチドを
ヒト型Bv8前駆体ペプチドと記載することがある。配
列番号:37で表わされるアミノ酸配列を有するペプチ
ドをラット型Bv8前駆体ペプチドと記載することがあ
る。配列番号:55で表わされるアミノ酸配列を有する
ペプチドをマウス型Bv8前駆体ペプチドと記載するこ
とがある。実質的に同質の活性としては、例えば、本発
明のタンパク質に対する結合活性、本発明のタンパク質
を介するシグナル情報伝達作用などが挙げられる。実質
的に同質とは、それらの活性が性質的に同質であること
を示す。したがって、本発明のタンパク質に対する結合
活性、本発明のタンパク質を介するシグナル情報伝達作
用などの活性が同等(例、約0.5〜2倍)であること
が好ましいが、これらの活性の程度やペプチドの分子量
などの量的要素は異なっていてもよい。これらの活性の
測定は、公知の方法に準じて行なうことができるが、例
えば、後述するスクリーニング方法などに従って測定す
ることができる。
【0013】また、本発明のペプチドとしては、(i)
配列番号:19または配列番号:39で表されるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個
程度、より好ましくは1〜20個程度)のアミノ酸が欠
失したアミノ酸配列、(ii)配列番号:19または配列
番号:39で表されるアミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは、1〜40個程度、より好ましくは1〜3
0個程度、なかでも好ましくは1〜20個程度)のアミ
ノ酸が付加したアミノ酸配列、(iii)配列番号:19
または配列番号:39で表されるアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(好ましくは、1〜40個程度、より好ま
しくは1〜30個程度、なかでも好ましくは1〜20個
程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸
配列、または(iv)それらを組み合わせたアミノ酸配列
を含有するペプチドなども用いられる。本発明のペプチ
ドの部分ペプチドとしては、後述の医薬等のスクリーニ
ング方法に用いることのできるものであれば、いかなる
ものであってもよく、本発明のペプチドと実質的に同質
の活性を有していればよい。該部分ペプチドのアミノ酸
の数は、本発明のペプチドの構成アミノ酸配列のうち少
なくとも10個以上、好ましくは20個以上のアミノ酸
配列を有するペプチドなどが好ましい。ここで、「実質
的に同質の活性」とは、上記と同意義を示す。「実質的
に同質の活性」の測定は上記と同様に行なうことができ
る。該部分ペプチドとしては、、(i)上記アミノ酸配
列中の1または2個以上(好ましくは数個(1〜4
個))のアミノ酸が欠失し、(ii)上記アミノ酸配列に
1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より
好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1
〜5個))のアミノ酸が付加し、または(iii)上記ア
ミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは数個(1
〜4個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていて
もよい。以下、本発明のペプチドとの本発明のペプチド
の部分ペプチドとをまとめて本発明のペプチドと称する
ことがある。
【0014】本発明のタンパク質は、例えば、ヒトや非
ヒト哺乳動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、
ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)のあらゆる細
胞(例えば、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細
胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細
胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維
細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファー
ジ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆
細胞、幹細胞もしくはガン細胞など)や血球系の細胞
(例えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−2,W
EHI−3,HL−60,JOSK−1,K562,M
L−1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT−1
0,CCRF−CEM,TALL−1,Jurkat,
CCRT−HSB−2,KE−37,SKW−3,HU
T−78,HUT−102,H9,U937,THP−
1,HEL,JK−1,CMK,KO−812,MEG
−01など)、またはそれらの細胞が存在するあらゆる
組織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁頭核、大
脳基底球、海馬、視床、視床下部、視床下核、大脳皮
質、延髄、小脳、後頭葉、前頭葉、側頭葉、被殻、尾状
核、脳染、黒質)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝
臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋
肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸
腺、脾臓、顎下腺、末梢血、末梢血球、前立腺、睾丸、
精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など(特
に、脳や脳の各部位)に由来するタンパク質であっても
よく、また合成タンパク質であってもよい。本発明のタ
ンパク質がシグナル配列を有している場合は該ペプチド
またはタンパク質を効率良く細胞外に分泌させることが
できる。本発明のタンパク質(Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質)として、好ましくは、配列番号:1
で表わされるアミノ酸配列(図1〜図3または図4〜図
6中のアミノ酸配列)と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するレセプタータンパク質などが用い
られる。
【0015】配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列と約90%以上、好ま
しくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の相
同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。配列番
号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質としては、例えば、配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有し、配列番号:1で表わされるアミノ
酸配列を有するタンパク質と実質的に同質の活性を有す
るタンパク質などが好ましい。本発明の配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有するタンパク質としては、例えば、配
列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一または実質
的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同質の活性を有するタン
パク質などが好ましい。実質的に同質の活性としては、
例えば、本発明のペプチドに対する結合活性、シグナル
情報伝達作用などが挙げられる。実質的に同質とは、そ
れらの活性が性質的に同質であることを示す。したがっ
て、本発明のペプチドに対する結合活性やシグナル情報
伝達作用などの活性が同等(例、約0.5〜2倍)であ
ることが好ましいが、これらの活性の程度やタンパク質
の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。本発明
のペプチドに対する結合活性やシグナル情報伝達作用な
どの活性の測定は、公知の方法に準じて行なう。以下、
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有するタンパ
ク質をZAQと記載することがある。
【0016】また、本発明のタンパク質としては(i)
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列中の1または2
個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは
1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2
個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(ii)配列
番号:1で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上
(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜1
0個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))の
アミノ酸が付加したアミノ酸配列、(iii)配列番号:
1で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好
ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個
程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミ
ノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または
(iv)それらを組み合わせたアミノ酸配列を含有するタ
ンパク質なども用いられる。
【0017】配列番号:44で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列
番号:44で表わされるアミノ酸配列と約97%以上、
好ましくは約98%以上、より好ましくは約99%以
上、最も好ましくは約99.5%以上の相同性を有する
アミノ酸配列などが挙げられる。配列番号:44で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有
するタンパク質としては、例えば、配列番号:44で表
わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を
有し、配列番号:44で表わされるアミノ酸配列を有す
るタンパク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質
などが好ましい。配列番号:44で表わされるアミノ酸
配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
るタンパク質としては、例えば、配列番号:44で表わ
されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ
酸配列を含有し、配列番号:44で表わされるアミノ酸
配列と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好
ましい。配列番号:51で表わされるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番
号:51で表わされるアミノ酸配列と約95%以上、好
ましくは約96%以上、より好ましくは約97%以上、
最も好ましくは約98%以上の相同性を有するアミノ酸
配列などが挙げられる。配列番号:51で表わされるア
ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタン
パク質としては、例えば、配列番号:51で表わされる
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配
列番号:51で表わされるアミノ酸配列を有するタンパ
ク質と実質的に同質の活性を有するタンパク質などが好
ましい。配列番号:51で表わされるアミノ酸配列と同
一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質としては、例えば、配列番号:51で表わされるア
ミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を
含有し、配列番号:51で表わされるアミノ酸配列と実
質的に同質の活性を有するタンパク質などが好ましい。
【0018】配列番号:52で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列
番号:52で表わされるアミノ酸配列と約90%以上、
好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上
の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。配列
番号:52で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一の
アミノ酸配列を有するタンパク質としては、例えば、配
列番号:52で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一
のアミノ酸配列を有し、配列番号:52で表わされるア
ミノ酸配列を有するタンパク質と実質的に同質の活性を
有するタンパク質などが好ましい。配列番号:52で表
わされるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質としては、例えば、配列
番号:52で表わされるアミノ酸配列と同一または実質
的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:52で表
わされるアミノ酸配列と実質的に同質の活性を有するタ
ンパク質などが好ましく、具体的にはWO 98/46
620に記載のタンパク質などが挙げられる。配列番
号:53で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列としては、例えば、配列番号:53で表わさ
れるアミノ酸配列と約95%以上、好ましくは約96%
以上、より好ましくは約97%以上、最も好ましくは約
98%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げら
れる。配列番号:53で表わされるアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質としては、
例えば、配列番号:53で表わされるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:53で表
わされるアミノ酸配列を有するタンパク質と実質的に同
質の活性を有するタンパク質などが好ましい。配列番
号:53で表わされるアミノ酸配列と同一または実質的
に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質としては、
例えば、配列番号:53で表わされるアミノ酸配列と同
一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番
号:53で表わされるアミノ酸配列と実質的に同質の活
性を有するタンパク質などが好ましく、具体的には、Bi
ochem. Biophys. Acta, 1491巻, 369-375頁, 2000年に
記載のタンパク質などが挙げられる。配列番号:54で
表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
としては、例えば、配列番号:54で表わされるアミノ
酸配列と約95%以上、好ましくは約96%以上、より
好ましくは約97%以上、最も好ましくは約98%以上
の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。配列
番号:54で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一の
アミノ酸配列を有するタンパク質としては、例えば、配
列番号:54で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一
のアミノ酸配列を有し、配列番号:54で表わされるア
ミノ酸配列を有するタンパク質と実質的に同質の活性を
有するタンパク質などが好ましい。配列番号:54で表
わされるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有するタンパク質としては、例えば、配列
番号:54で表わされるアミノ酸配列と同一または実質
的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:54で表
わされるアミノ酸配列と実質的に同質の活性を有するタ
ンパク質などが好ましく、具体的にはWO 98/46
620に記載のタンパク質などが挙げられる。実質的に
同質の活性としては、例えば、本発明のペプチドに対す
る結合活性、シグナル情報伝達作用などが挙げられる。
実質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質である
ことを示す。したがって、本発明のペプチドに対する結
合活性やシグナル情報伝達作用などの活性が同等(例、
約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活
性の程度やタンパク質の分子量などの量的要素は異なっ
ていてもよい。結合活性やシグナル情報伝達作用などの
活性の測定は、公知の方法に準じて行なうことができ
る。さらに、本発明のタンパク質としては、(i)配列
番号:44、配列番号:51、配列番号:52、配列番
号:53または配列番号:54で表わされるアミノ酸配
列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程
度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは
数個(1または2個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸
配列、(ii)配列番号:44、配列番号:51、配列番
号:52、配列番号:53または配列番号:54で表わ
されるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、
1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が付加
したアミノ酸配列、(iii)配列番号:44、配列番
号:51、配列番号:52、配列番号:53または配列
番号:54で表わされるアミノ酸配列中の1または2個
以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1
〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2
個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸
配列、または(iv)それらを組み合わせたアミノ酸配列
を含有するタンパク質なども用いられる。本発明のタン
パク質の具体例としては、例えば、配列番号:1または
配列番号:52で表わされるアミノ酸配列を含有するヒ
ト由来のタンパク質、配列番号:44または配列番号:
51で表わされるアミノ酸配列を含有するラット由来の
タンパク質、配列番号:53または配列番号:54で表
わされるアミノ酸配列を含有するマウス由来のタンパク
質などがあげられる。
【0019】本明細書におけるペプチドおよびタンパク
質は、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミ
ノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。
配列番号:47で表わされるアミノ酸配列を含有するタ
ンパク質をはじめとする本発明のタンパク質は、C末端
がカルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート
(−COO-)、アミド(−CONH2)またはエステル
(−COOR)であってもよい。ここでエステルにおけ
るRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1-6アル
キル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなど
のC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナ
フチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、フ
ェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα
−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル
基などのC7-14アラルキル基のほか、経口用エステルと
して汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いら
れる。本発明のペプチドおよび本発明のタンパク質(本
発明のペプチド・タンパク質)がC末端以外にカルボキ
シル基(またはカルボキシレート)を有している場合、
カルボキシル基がアミド化またはエステル化されている
ものも本発明のペプチド・タンパク質に含まれる。この
場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエス
テルなどが用いられる。さらに、本発明のペプチド・タ
ンパク質には、上記したペプチド・タンパク質におい
て、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例え
ば、ホルミル基、アセチル基などのC2-6アルカノイル
基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、
N端側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピロ
グルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の
置換基(例えば、−OH、−SH、アミノ基、イミダゾ
ール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保
護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC2-6
ルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されて
いるもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチド
・糖タンパク質などの複合ペプチド・複合タンパク質な
ども含まれる。本発明のペプチドの具体例としては、例
えば、配列番号:19で表わされるアミノ酸配列を含有
するヒト由来のペプチド、配列番号:39で表わされる
アミノ酸配列を含有するラット由来またはマウス由来の
ペプチドなどがあげられる。本発明のタンパク質の具体
例としては、例えば、配列番号:1または配列番号:5
2で表わされるアミノ酸配列を含有するヒト由来(より
好ましくはヒト脳由来)のタンパク質、配列番号:44
または配列番号:51で表わされるアミノ酸配列を含有
するラット由来のタンパク質、配列番号:53または配
列番号:54で表わされるアミノ酸配列を含有するマウ
ス由来のタンパク質などがあげられる。
【0020】本発明のタンパク質の部分ペプチド(以
下、本発明の部分ペプチドと略記する場合がある)とし
ては、前記した本発明のタンパク質の部分ペプチドであ
れば何れのものであってもよいが、例えば、本発明のタ
ンパク質分子のうち、細胞膜の外に露出している部位で
あって、実質的に同質のリガンド結合活性を有するもの
などが用いられる。具体例として、配列番号:1で表わ
されるアミノ酸配列を有するタンパク質の部分ペプチド
としては、図7で示される疎水性プロット解析において
細胞外領域(親水性(Hydrophilic)部位)であると分
析された部分を含むペプチドである。また、疎水性(Hy
drophobic)部位を一部に含むペプチドも同様に用いる
ことができる。個々のドメインを個別に含むペプチドも
用い得るが、複数のドメインを同時に含む部分のペプチ
ドでも良い。本発明の部分ペプチドのアミノ酸の数は、
前記した本発明のタンパク質の構成アミノ酸配列のうち
少なくとも20個以上、好ましくは50個以上、より好
ましくは100個以上のアミノ酸配列を有するペプチド
などが好ましい。実質的に同一のアミノ酸配列とは、こ
れらアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約70%
以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは
約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を
有するアミノ酸配列を示す。ここで、「実質的に同質の
リガンド結合活性」とは、前記と同意義を示す。「実質
的に同質のリガンド結合活性」の測定は公知の方法に準
じて行なうことができる。
【0021】また、本発明の部分ペプチドは、配列番
号:1、配列番号:44、配列番号:51、配列番号:
52、配列番号:53または配列番号:54で表わされ
るアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1
〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2
個))のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列
に1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、よ
り好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個
(1または2個))のアミノ酸が付加し、または、その
アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜
10個程度、より好ましくは1〜5個程度、さらに好ま
しくは数個(1または2個))のアミノ酸が他のアミノ
酸で置換されていてもよい。また、本発明の部分ペプチ
ドはC末端が、カルボキシル基(−COOH)、カルボ
キシレート(−COO-)、アミド(−CONH2)また
はエステル(−COOR)であってもよい。本発明の部
分ペプチドがC末端以外にカルボキシル基(またはカル
ボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がア
ミド化またはエステル化されているものも本発明の部分
ペプチドに含まれる。この場合のエステルとしては、例
えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。さら
に、本発明の部分ペプチドには、前記した本発明のタン
パク質と同様に、N末端のメチオニン残基のアミノ基が
保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切断さ
れ生成したGlnがピログルタミン酸化したもの、分子
内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護さ
れているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプ
チドなどの複合ペプチドなども含まれる。
【0022】本発明のペプチドまたは本発明のタンパク
質もしくはその部分ペプチドの塩としては、とりわけ生
理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩と
しては、例えば無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水
素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、
ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク
酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用
いられる。
【0023】本発明のペプチドもしくはタンパク質また
はその塩は、前述したヒトや非ヒト哺乳動物の細胞また
は組織から公知のペプチド・タンパク質の精製方法によ
って製造することもできるし、後述する本発明のペプチ
ド、配列番号:1、配列番号:44、配列番号:51ま
たは配列番号:52で表されるアミノ酸配列を有するタ
ンパク質をコードするDNAを含有する形質転換体を培
養することによっても製造することができる。また、後
述のペプチド・タンパク質合成法またはこれに準じて製
造することもできる。さらに、配列番号:53で表され
るアミノ酸配列を有するタンパク質またはその塩は、Bi
ochem. Biophys. Acta, 1491巻, 369-375頁, 2000年に
記載の方法に準じて製造できる。配列番号:52または
配列番号:54で表されるアミノ酸配列を有するタンパ
ク質またはその塩は、WO 98/46620に記載の
方法に準じて製造できる。ヒトや非ヒト哺乳動物の組織
または細胞から製造する場合、ヒトや非ヒト哺乳動物の
組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を
行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交
換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み
合わせることにより精製単離することができる。
【0024】本発明のペプチドまたは本発明のタンパク
質もしくはその部分ペプチドまたはそれらのアミド体ま
たはそれらの塩の合成には、通常市販のペプチド・タン
パク質合成用樹脂を用いることができる。そのような樹
脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメ
チル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹
脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4−
メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒ
ドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹
脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2',4'−ジメト
キシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4
−(2',4'−ジメトキシフェニル−Fmocアミノエ
チル)フェノキシ樹脂などを挙げることができる。この
ような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に
保護したアミノ酸を、目的とするペプチド・タンパク質
の配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮
合させる。反応の最後に樹脂からペプチド・タンパク質
を切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈
溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目
的のペプチド・タンパク質またはそれらのアミド体を取
得する。上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、ペプ
チド・タンパク質合成に使用できる各種活性化試薬を用
いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。
カルボジイミド類としては、DCC、N,N'−ジイソ
プロピルカルボジイミド、N−エチル−N'−(3−ジ
メチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられ
る。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例え
ば、HOBt,HOOBt)とともに保護アミノ酸を直
接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOB
tエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじ
め保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加する
ことができる。
【0025】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、ペプチド・タンパク質縮合反応
に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択され
うる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N
−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドンなどの
酸アミド類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲ
ン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコ
ール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、
ピリジン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエー
テル類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニト
リル類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類ある
いはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度
はタンパク質結合形成反応に使用され得ることが知られ
ている範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃
の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導
体は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン
反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保
護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことによ
り十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返して
も十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはア
セチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル
化することができる。
【0026】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニ
ル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベン
ジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマン
チルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロ
イル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジ
フェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられ
る。カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ターシ
ャリーブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シク
ロヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチルなどの
直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、ア
ラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4−
ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステ
ル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエス
テル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカル
ボニルヒドラジド化、ターシャリーブトキシカルボニル
ヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護
することができる。セリンの水酸基は、例えば、エステ
ル化またはエーテル化によって保護することができる。
このエステル化に適する基としては、例えば、アセチル
基などの低級アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロ
イル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。
また、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジ
ル基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチル基などであ
る。チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、
例えば、Bzl、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジ
ル、Br−Z、ターシャリーブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、
Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼ
ンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bu
m、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0027】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニ
トロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロ
フェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕
などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたもの
としては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられ
る。保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd
−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気
流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンス
ルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオ
ロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジ
イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリ
ジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモ
ニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸
処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温
度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソ
ール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、
パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチ
オール、1,2−エタンジチオールなどのようなカチオ
ン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミ
ダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロフェ
ニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプト
ファンのインドール保護基として用いられるホルミル基
は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジ
チオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希
水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカ
リ処理によっても除去される。
【0028】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。ペプチド・タンパク質のアミド体
を得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキシ末
端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化して保護し
た後、アミノ基側にペプチド鎖を所望の鎖長まで延ばし
た後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基の
みを除いたペプチド・タンパク質とC末端のカルボキシ
ル基の保護基のみを除去したペプチド・タンパク質とを
製造し、この両ペプチド・両タンパク質を上記したよう
な混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については
上記と同様である。縮合により得られた保護ペプチド・
保護タンパク質を精製した後、上記方法によりすべての
保護基を除去し、所望の粗ペプチド・粗タンパク質を得
ることができる。この粗ペプチド・粗タンパク質は既知
の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥
することで所望のペプチド・タンパク質のアミド体を得
ることができる。ペプチド・タンパク質のエステル体を
得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−カル
ボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エス
テルとした後、ペプチド・タンパク質のアミド体と同様
にして、所望のペプチド・タンパク質のエステル体を得
ることができる。
【0029】本発明のペプチドおよび本発明のタンパク
質は、公知のペプチドの合成法に従って製造することが
できる。また、本発明のタンパク質の部分ペプチドまた
はその塩は、公知のペプチドの合成法に従って、あるい
は本発明のタンパク質を適当なペプチダーゼで切断する
ことによって製造することができる。ペプチドの合成法
としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれに
よっても良い。すなわち、本発明のペプチドもしくは本
発明のタンパク質を構成し得る部分ペプチドまたはアミ
ノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する
場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製
造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離と
しては、例えば、以下の(i)〜(v)に記載された方法
が挙げられる。 (i)M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シ
ンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publish
ers, New York (1966年) (ii)SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Pepti
de), Academic Press, New York (1965年) (iii)泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善
(株) (1975年) (iv)矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、
蛋白質の化学IV、 205、(1977年) (v)矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド
合成 広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて本発明のペプチドまたは
本発明の部分ペプチドを精製単離することができる。上
記方法で得られるペプチドまたは部分ペプチドが遊離体
である場合は、公知の方法によって適当な塩に変換する
ことができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法
によって遊離体に変換することができる。
【0030】本発明のペプチドまたは本発明のタンパク
質をコードするポリヌクレオチドとしては、前述した本
発明のペプチドまたは本発明のタンパク質をコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。好ましくはDNAである。DNAとしては、ゲ
ノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞
・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcD
NAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライ
ブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、
プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであっ
てもよい。また、前記した細胞・組織よりtotal
RNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直接
Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction
(以下、RT−PCR法と略称する)によって増幅する
こともできる。
【0031】具体的には、配列番号:19で表されるア
ミノ酸配列を有するペプチドをコードするDNAとして
は、例えば、配列番号:20で表わされる塩基配列を含
有するDNA、または配列番号:20で表わされる塩基
配列を有するDNAとハイストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズするDNAを有し、本発明のペプチドと
実質的に同質の活性(例、本発明のタンパク質に対する
結合活性、本発明のタンパク質を介するシグナル情報伝
達作用など)を有するペプチドをコードするDNAであ
れば何れのものでもよい。配列番号:20で表わされる
塩基配列を含有するDNAとしては、配列番号:20ま
たは配列番号:18で表わされる塩基配列を含有するD
NA等が挙げられる。配列番号:20で表わされる塩基
配列を有するDNAとハイストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズするDNAとしては、例えば、配列番
号:20で表わされる塩基配列と95%以上、好ましく
は約97%以上、より好ましくは約99%以上の相同性
を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
具体的には、配列番号:39で表されるアミノ酸配列を
有するペプチドをコードするDNAとしては、例えば、
配列番号:40または配列番号:57で表わされる塩基
配列を含有するDNA、または配列番号:40または配
列番号:57で表わされる塩基配列を有するDNAとハ
イストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDN
Aを有し、本発明のペプチドと実質的に同質の活性
(例、本発明のタンパク質に対する結合活性、本発明の
タンパク質を介するシグナル情報伝達作用など)を有す
るペプチドをコードするDNAであれば何れのものでも
よい。配列番号:40または配列番号:57で表わされ
る塩基配列を含有するDNAとしては、配列番号:3
8、配列番号:40、配列番号:56または配列番号:
57で表わされる塩基配列を含有するDNA等が挙げら
れる。配列番号:40または配列番号:57で表わされ
る塩基配列を有するDNAとハイストリンジェントな条
件下でハイブリダイズするDNAとしては、例えば、配
列番号:40または配列番号:57で表わされる塩基配
列と95%以上、好ましくは約97%以上、より好まし
くは約99%以上の相同性を有する塩基配列を含有する
DNAなどが用いられる。
【0032】また、配列番号:1で表されるアミノ酸配
列を含有するタンパク質をコードするDNAとしては、
例えば、配列番号:2または配列番号:3で表わされる
塩基配列を含有するDNA、または配列番号:2または
配列番号:3で表わされる塩基配列を有するDNAとハ
イストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDN
Aを有し、本発明のタンパク質と実質的に同質の活性
(例、リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用など)
を有するタンパク質をコードするDNAであれば何れの
ものでもよい。配列番号:2または配列番号:3で表わ
される塩基配列を含有するDNAとハイストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、例え
ば、配列番号:2または配列番号:3で表わされる塩基
配列と約90%以上、好ましくは約95%以上、より好
ましくは約98%以上の相同性を有する塩基配列を含有
するDNAなどが用いられる。配列番号:44で表され
るアミノ酸配列を含有するタンパク質をコードするDN
Aとしては、例えば、配列番号:43で表わされる塩基
配列を含有するDNA、または配列番号:43で表わさ
れる塩基配列を有するDNAとハイストリンジェントな
条件下でハイブリダイズするDNAを有し、本発明のタ
ンパク質と実質的に同質の活性(例、本発明のペプチド
に対する結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有す
るタンパク質をコードするDNAであれば何れのもので
もよい。配列番号:43で表わされる塩基配列を含有す
るDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダ
イズするDNAとしては、例えば、配列番号:43で表
わされる塩基配列と約90%以上、好ましくは約95%
以上、より好ましくは約98%以上の相同性を有する塩
基配列を含有するDNAなどが用いられる。配列番号:
51で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコ
ードするDNAとしては、例えば、配列番号:50で表
わされる塩基配列を含有するDNA、または配列番号:
50で表わされる塩基配列を有するDNAとハイストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを有
し、本発明のタンパク質と実質的に同質の活性(例、本
発明のペプチドに対する結合活性、シグナル情報伝達作
用など)を有するタンパク質をコードするDNAであれ
ば何れのものでもよい。配列番号:50で表わされる塩
基配列を含有するDNAとハイストリンジェントな条件
下でハイブリダイズするDNAとしては、例えば、配列
番号:50で表わされる塩基配列と約90%以上、好ま
しくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の相
同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられ
る。配列番号:52で表されるアミノ酸配列を含有する
タンパク質をコードするDNAとしては、例えば、配列
番号:6で表わされる塩基配列を含有するDNA、また
は配列番号:6で表わされる塩基配列を有するDNAと
ハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするD
NAを有し、配列番号:6で表されるアミノ酸配列を有
するタンパク質と実質的に同質の活性(例、本発明のペ
プチドに対する結合活性、シグナル情報伝達作用など)
を有するタンパク質をコードするDNAであれば何れの
ものでもよい。配列番号:6で表わされる塩基配列を含
有するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズするDNAとしては、例えば、配列番号:6で
表わされる塩基配列と約90%以上、好ましくは約95
%以上、より好ましくは約98%以上の相同性を有する
塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。配列番
号:53で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質
をコードするDNAとしては、例えば、配列番号:63
で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列番
号:63で表わされる塩基配列を有するDNAとハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを
有し、配列番号:63で表されるアミノ酸配列を有する
タンパク質と実質的に同質の活性(例、本発明のペプチ
ドに対する結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有
するタンパク質をコードするDNAであれば何れのもの
でもよい。配列番号:63で表わされる塩基配列を含有
するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするDNAとしては、例えば、配列番号:63で
表わされる塩基配列と約95%以上、好ましくは約97
%以上、より好ましくは約98%以上の相同性を有する
塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。配列番
号:54で表されるアミノ酸配列を含有するタンパク質
をコードするDNAとしては、例えば、配列番号:64
で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列番
号:64で表わされる塩基配列を有するDNAとハイス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを
有し、配列番号:64で表されるアミノ酸配列を有する
タンパク質と実質的に同質の活性(例、本発明のペプチ
ドに対する結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有
するタンパク質をコードするDNAであれば何れのもの
でもよい。配列番号:64で表わされる塩基配列を含有
するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリ
ダイズするDNAとしては、例えば、配列番号:64で
表わされる塩基配列と約95%以上、好ましくは約97
%以上、より好ましくは約98%以上の相同性を有する
塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0033】ハイブリダイゼーションは、公知の方法あ
るいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クロ
ーニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook e
t al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載
の方法などに従って行なうことができる。また、市販の
ライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載
の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、
ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができ
る。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリ
ウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20
mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜6
5℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mM
で温度が約65℃の場合が最も好ましい。
【0034】より具体的には、配列番号:19で表わさ
れるアミノ酸配列を含有するペプチドをコードするDN
Aとしては、配列番号:20で表わされる塩基配列を含
有するDNAがあげられ、配列番号:17で表わされる
アミノ酸配列を含有するペプチドをコードするDNAと
しては、配列番号:18で表わされる塩基配列を含有す
るDNAがあげられ、配列番号:39で表わされるアミ
ノ酸配列を含有するペプチドをコードするDNAとして
は、配列番号:40または配列番号:57で表わされる
塩基配列を含有するDNAがあげられ、配列番号:37
で表わされるアミノ酸配列を含有するペプチドをコード
するDNAとしては、配列番号:38で表わされる塩基
配列を含有するDNAがあげられ、配列番号:55で表
わされるアミノ酸配列を含有するペプチドをコードする
DNAとしては、配列番号:56で表わされる塩基配列
を含有するDNAがあげられる。また、配列番号:1で
表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコード
するDNAとしては、配列番号:2または配列番号:3
で表わされる塩基配列を含有するDNAがあげられ、配
列番号:44で表わされるアミノ酸配列を含有するタン
パク質をコードするDNAとしては、配列番号:43で
表わされる塩基配列を含有するDNAがあげられ、配列
番号:51で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパ
ク質をコードするDNAとしては、配列番号:50で表
わされる塩基配列を含有するDNAがあげられ、配列番
号:52で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク
質をコードするDNAとしては、配列番号:6で表わさ
れる塩基配列を含有するDNAがあげられ、配列番号:
53で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質を
コードするDNAとしては、配列番号:63で表わされ
る塩基配列を含有するDNAがあげられ、配列番号:5
4で表わされるアミノ酸配列を含有するタンパク質をコ
ードするDNAとしては、配列番号:64で表わされる
塩基配列を含有するDNAがあげられる。
【0035】本発明のペプチドをコードするDNAの塩
基配列と相補的な塩基配列またはその一部を含有してな
るヌクレオチド(オリゴヌクレオチド)とは、本発明の
ペプチドをコードするDNAを包含するだけではなく、
RNAをも包含する意味で用いられる。本発明に従え
ば、本発明のペプチドの遺伝子の複製又は発現を阻害す
ることのできるアンチセンス・(オリゴ)ヌクレオチド
(核酸)を、クローン化したあるいは決定されたペプチ
ドをコードするDNAの塩基配列の塩基配列情報に基づ
き設計し、合成しうる。そうした(オリゴ)ヌクレオチ
ド(核酸)は、本発明のペプチドの遺伝子のRNAとハ
イブリダイズすることができ、該RNAの合成又は機能
を阻害することができるか、あるいは本発明のペプチド
関連RNAとの相互作用を介して本発明のペプチドの遺
伝子の発現を調節・制御することができる。本発明のペ
プチド関連RNAの選択された配列に相補的な(オリ
ゴ)ヌクレオチド、及び本発明のペプチド関連RNAと
特異的にハイブリダイズすることができる(オリゴ)ヌ
クレオチドは、生体内及び生体外で本発明のペプチドの
遺伝子の発現を調節・制御するのに有用であり、また病
気などの治療又は診断に有用である。用語「対応する」
とは、遺伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列又は核酸
の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であるこ
とを意味する。ヌクレオチド、塩基配列又は核酸とペプ
チドとの間で「対応する」とは、ヌクレオチド(核酸)
の配列又はその相補体から誘導される指令にあるペプチ
ドのアミノ酸を通常指している。本発明のペプチドの遺
伝子の5’端ヘアピンループ、5’端6−ベースペア・
リピート、5’端非翻訳領域、ポリペプチド翻訳開始コ
ドン、タンパク質コード領域、ORF翻訳終止コドン、
3’端非翻訳領域、3’端パリンドローム領域、及び
3’端ヘアピンループは好ましい対象領域として選択し
うるが、本発明のペプチドの遺伝子内の如何なる領域も
対象として選択しうる。
【0036】目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に
相補的な(オリゴ)ヌクレオチドとの関係、あるいは、
対象物とハイブリダイズすることができる(オリゴ)ヌ
クレオチドとの関係は、「アンチセンス」であるという
ことができる。アンチセンス・(オリゴ)ヌクレオチド
は、2−デオキシ−D−リボースを含有しているポリヌ
クレオチド、D−リボースを含有しているポリヌクレオ
チド、プリン又はピリミジン塩基のN−グリコシドであ
るその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌク
レオチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販
のタンパク質核酸及び合成配列特異的な核酸ポリマー)
又は特殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、該
ポリマーはDNAやRNA中に見出されるような塩基の
ペアリナグや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオ
チドを含有する)などが挙げられる。それらは、2本鎖
DNA、1本鎖DNA、2本鎖RNA、1本鎖RNA、
さらにDNA:RNAハイブリッドであることができ、
さらに非修飾ポリヌクレオチド又は非修飾オリゴヌクレ
オチド、さらには公知の修飾の付加されたもの、例えば
当該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付いた
もの、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレオ
チドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾
のされたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホス
ホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、
カルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合又は
硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロ
ジチオエートなど)を持つもの、例えばタンパク質(ヌ
クレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、
抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)や糖
(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を有し
ているもの、インターカレント化合物(例えば、アクリ
ジン、ソラレンなど)を持つもの、キレート化合物(例
えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金
属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するも
の、修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマー型
の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシ
ド」、「ヌクレオチド」及び「核酸」とは、プリン及び
ピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾されたその
他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。
こうした修飾物は、メチル化されたプリン及びピリミジ
ン、アシル化されたプリン及びピリミジン、あるいはそ
の他の複素環を含むものであってよい。修飾されたヌク
レオチド及び修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修
飾されていてよく、例えば1個以上の水酸基がハロゲン
とか、脂肪族基などで置換されていたり、あるいはエー
テル、アミンなどの官能基に変換されていてよい。
【0037】本発明のアンチセンス核酸は、RNA、D
NA、あるいは修飾された核酸である。修飾された核酸
の具体例としては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート
誘導体、そしてポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレ
オシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、そ
れに限定されるものではない。本発明のアンチセンス核
酸は次のような方針で好ましく設計されうる。すなわ
ち、細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにす
る、アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、目標
とするセンス鎖に対する親和性をより大きなものにす
る、そしてもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性
をより小さなものにする。こうして修飾は当該分野で数
多く知られており、例えば J. Kawakami et al.,Pharm
Tech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395,
1992; S. T. Crooke et al. ed., Antisense Research
and Applications, CRC Press, 1993 などに開示があ
る。本発明のアンチセンス核酸は、変化せしめられた
り、修飾された糖、塩基、結合を含有していて良く、リ
ポゾーム、ミクロスフェアのような特殊な形態で供与さ
れたり、遺伝子治療により適用されたり、付加された形
態で与えられることができうる。こうして付加形態で用
いられるものとしては、リン酸基骨格の電荷を中和する
ように働くポリリジンのようなポリカチオン体、細胞膜
との相互作用を高めたり、核酸の取込みを増大せしめる
ような脂質(例えば、ホスホリピッド、コレステロール
など)といった疎水性のものが挙げられる。付加するに
好ましい脂質としては、コレステロールやその誘導体
(例えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸な
ど)が挙げられる。こうしたものは、核酸の3’端ある
いは5’端に付着させることができ、塩基、糖、分子内
ヌクレオシド結合を介して付着させることができうる。
その他の基としては、核酸の3’端あるいは5’端に特
異的に配置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアー
ゼ、RNaseなどのヌクレアーゼによる分解を阻止す
るためのものが挙げられる。こうしたキャップ用の基と
しては、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知ら
れた水酸基の保護基が挙げられるが、それに限定される
ものではない。アンチセンス核酸の阻害活性は、本発明
の形質転換体、本発明の生体内や生体外の遺伝子発現
系、あるいはタンパク質の生体内や生体外の翻訳系を用
いて調べることができる。該核酸公知の各種の方法で細
胞に適用できる。
【0038】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織
よりmRNA画分を調製したものを用いて直接 Reverse
TranscriptasePolymerase Chain Reactionによって増
幅することもできる。具体的には、本発明の部分ペプチ
ドをコードするDNAとしては、例えば、配列番号:
2、配列番号:3、配列番号:43、配列番号:50、
配列番号:6、配列番号:63または配列番号:64で
表わされる塩基配列を含有するDNAの部分塩基配列を
有するDNA、または(ii)配列番号:2、配列番号:
3、配列番号:43、配列番号:50、配列番号:6、
配列番号:63または配列番号:64で表わされる塩基
配列を含有するDNAとハイストリンジェントな条件下
でハイブリダイズするDNAを有し、本発明のタンパク
質と実質的に同質の活性(例、本発明のペプチドに対す
る結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有するタン
パク質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDN
Aなどが用いられる。配列番号:2、配列番号:3、配
列番号:43、配列番号:50、配列番号:6、配列番
号:63または配列番号:64で表わされる塩基配列を
有するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズするDNAとしては、例えば、配列番号:2、
配列番号:3、配列番号:43、配列番号:50、配列
番号:6、配列番号:63または配列番号:64で表わ
される塩基配列と約90%以上、好ましくは約95%以
上、より好ましくは約98%以上の相同性を有する塩基
配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0039】本発明のペプチドを完全にコードするDN
Aのクローニングの手段としては、本発明のペプチドを
コードするDNAの塩基配列の部分塩基配列を有する合
成DNAプライマーを用いてPCR法によって増幅する
か、または適当なベクターに組み込んだDNAを本発明
のペプチドの一部あるいは全領域をコードするDNA断
片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハイブ
リダイゼーションによって選別することができる。ハイ
ブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキュラー・
クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambro
ok et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に
記載の方法などに従って行なうことができる。また、市
販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に
記載の方法に従って行なうことができる。本発明のタン
パク質またはその部分ペプチド(以下、本発明のタンパ
ク質と略記する)を完全にコードするDNAのクローニ
ングも本発明のペプチドを完全にコードするDNAのク
ローニングと同様にして行うことができる。
【0040】DNAの塩基配列の変換は、PCRや公知
のキット、例えば、MutanTM-superExpress Km(宝酒造
(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を用いて、ODA
-LAPCR法、Gapped duplex法、Kunkel法等の公知の方法
あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことができ
る。クローン化されたペプチド・タンパク質をコードす
るDNAは目的によりそのまま、または所望により制限
酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用する
ことができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コ
ドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終
止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有して
いてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドン
は、適当な合成DNAアダプターを用いて付加すること
もできる。本発明のペプチド・タンパク質の発現ベクタ
ーは、例えば、(イ)本発明のペプチド・タンパク質を
コードするDNAから目的とするDNA断片を切り出
し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロ
モーターの下流に連結することにより製造することがで
きる。
【0041】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neo、pcDNA3.1、pRc
/CMV2、pRc/RSV(Invitrogen社)などが用
いられる。本発明で用いられるプロモーターとしては、
遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモータ
ーであればいかなるものでもよい。例えば、動物細胞を
宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、SV4
0プロモーター、HIV-LTRプロモーター、CMV
プロモーター、HSV-TKプロモーターなどが挙げら
れる。これらのうち、CMVプロモーター、SRαプロ
モーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒ
ア属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロ
モーター、recAプロモーター、λPLプロモータ
ー、lppプロモーターなどが、宿主がバチルス属菌で
ある場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモー
ター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場
合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、G
APプロモーター、ADHプロモーターなどが好まし
い。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモ
ーター、P10プロモーターなどが好ましい。
【0042】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
rと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐
性)等が挙げられる。特に、CHO(dhfr-)細胞
を用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する
場合、目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても
選択できる。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナ
ル配列を、本発明のタンパク質のN端末側に付加する。
宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シグ
ナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチ
ルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配
列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母で
ある場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナ
ル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュ
リン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル
配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用でき
る。このようにして構築された本発明のペプチド・タン
パク質をコードするDNAを含有するベクターを用い
て、形質転換体を製造することができる。
【0043】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH
1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. . Sci. USA),60巻,160
(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・
リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y),120巻,517(1978) 〕,HB101〔ジ
ャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,41
巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティックス
(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用い
られる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サ
チルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,2
4巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナル
・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemistr
y),95巻,87(1984)〕などが用いられる。酵
母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
-,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア パストリス(Pichia pastoris)などが用いられ
る。
【0044】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、ヨトウガの幼虫由来株化細胞(Spod
optera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia n
iの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来の
High FiveTM細胞、Mamestrabrassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞とし
ては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21
細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Viv
o),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫とし
ては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞などが用いられる。
【0045】エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. . Sci. USA),69巻,211
0(1972)やジーン(Gene),17巻,107(19
82)などに記載の方法に従って行なうことができる。
バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキュラ
ー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecula
r & General Genetics),168巻,111(197
9)などに記載の方法に従って行なうことができる。酵
母を形質転換するには、例えば、メッソズ・イン・エン
ザイモロジー(Methods in Enzymology),194巻,
182−187(1991)、プロシージングズ・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ
・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA),75巻,1929(1978)などに記載の方法
に従って行なうことができる。昆虫細胞または昆虫を形
質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/
Technology),6, 47-55(1988)などに記載の方法に従っ
て行なうことができる。動物細胞を形質転換するには、
例えば、細胞工学別冊8 新 細胞工学実験プロトコー
ル.263−267(1995)(秀潤社発行)、ヴィ
ロロジー(Virology),52巻,456(1973)に記
載の方法に従って行なうことができる。このようにし
て、Gタンパク質共役型タンパク質をコードするDNA
を含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体が
得られる。宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌であ
る形質転換体を培養する際、培養に使用される培地とし
ては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の
生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せし
められる。炭素源としては、例えば、グルコース、デキ
ストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、
例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ
・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バ
レイショ抽出液などの無機または有機物質、無機物とし
ては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。また、酵母エ
キス、ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよ
い。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0046】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリル
アクリル酸のような薬剤を加えることができる。 宿主
がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃
で約3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加
えることもできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は
通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要によ
り通気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である
形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、バー
クホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエス
エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,450
5(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培
地〔Bitter, G. A. ら、「プロシージングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オ
ブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. . Sci. US
A),81巻,5330(1984)〕が挙げられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要
に応じて通気や撹拌を加える。
【0047】宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換
体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Mediu
m(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science),122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),
8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・ア
ソシエーション(The Journal of the American Medica
l Association)199巻,519(1967)〕,19
9培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フ
ォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding o
fthe Society for the Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約
15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。以上のようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜ま
たは細胞外に本発明のペプチド・タンパク質を生成せし
めることができる。
【0048】上記培養物から本発明のペプチド・タンパ
ク質を分離精製するには、例えば、下記の方法により行
なうことができる。本発明のペプチド・タンパク質を培
養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、
公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩
衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結
融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠
心分離やろ過によりタンパク質の粗抽出液を得る方法な
どが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジ
ンなどのタンパク質変性剤や、トリトンX−100TM
どの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中にペプ
チド・タンパク質が分泌される場合には、培養終了後、
公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清
を集める。このようにして得られた培養上清、あるいは
抽出液中に含まれるペプチド・タンパク質の精製は、公
知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことがで
きる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶
媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ
過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方
法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利
用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの
特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグ
ラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気
泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられ
る。
【0049】このようにして得られるペプチド・タンパ
ク質が遊離体で得られた場合には、公知の方法あるいは
それに準じる方法によって塩に変換することができ、逆
に塩で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じ
る方法により、遊離体または他の塩に変換することがで
きる。なお、組換え体が産生するペプチド・タンパク質
を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用さ
せることにより、任意に修飾を加えたり、ペプチド・ポ
リペプチドを部分的に除去することもできる。蛋白修飾
酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、
アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、
グリコシダーゼなどが用いられる。このようにして生成
する本発明のペプチドの活性は、標識した本発明のペプ
チドと本発明のタンパク質との結合実験および特異抗体
を用いたエンザイムイムノアッセイなどにより測定する
ことができる。また、生成する本発明のタンパク質の活
性は、標識した本発明のペプチドとの結合実験および特
異抗体を用いたエンザイムイムノアッセイなどにより測
定することができる。
【0050】本発明のペプチドまたは本発明のタンパク
質もしくはその部分ペプチドまたはそれらの塩に対する
抗体は、本発明のペプチドまたは本発明のタンパク質も
しくはその部分ペプチドまたはそれらの塩を認識し得る
抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗
体の何れであってもよい。本発明のペプチドまたは本発
明のタンパク質もしくはその部分ペプチドまたはそれら
の塩(以下、本発明のペプチド・タンパク質等と略記す
ることもある)に対する抗体は、本発明のペプチド・タ
ンパク質等を抗原として用い、公知の抗体または抗血清
の製造法に従って製造することができる。
【0051】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のペプチド・タンパク質等は、哺乳動物に対して
投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担
体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生
能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全
フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常
2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわれる。
用いられる哺乳動物としては、例えば、サル、ウサギ、
イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギが挙
げられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられ
る。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗
原を免疫された温血動物、例えば、マウスから抗体価の
認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓ま
たはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞
を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル
抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血
清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化した本発
明のペプチド・タンパク質等と抗血清とを反応させたの
ち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより
行なうことができる。融合操作は既知の方法、例えば、
ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Natur
e)、256巻、495頁(1975年)〕に従い実施す
ることができる。融合促進剤としては、例えば、ポリエ
チレングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが
挙げられるが、好ましくはPEGが用いられる。骨髄腫
細胞としては、例えば、NS−1、P3U1、SP2/
0などが挙げられるが、P3U1が好ましく用いられ
る。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細
胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、
PEG(好ましくは、PEG1000〜PEG600
0)が10〜80%程度の濃度で添加され、約20〜4
0℃、好ましくは約30〜37℃で約1〜10分間イン
キュベートすることにより効率よく細胞融合を実施でき
る。
【0052】モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、本発明のペプチド・タンパク質等抗原を直接あるい
は担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレー
ト)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物
質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融
合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロ
ブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、
固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗
免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固
相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵
素などで標識した本発明のペプチド・タンパク質等を加
え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法
などが挙げられる。モノクローナル抗体の選別は、公知
あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができる
が、通常はHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、
チミジン)を添加した動物細胞用培地などで行なうこと
ができる。選別および育種用培地としては、ハイブリド
ーマが生育できるものならばどのような培地を用いても
良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の
牛胎児血清を含むRPMI1640培地、1〜10%の
牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))ま
たはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−10
1、日水製薬(株))などを用いることができる。培養
温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃であ
る。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間
〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なう
ことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上
記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0053】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナ
ル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテ
インAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗
体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精
製法〕に従って行なうことができる。
【0054】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
したがって製造することができる。例えば、免疫抗原
(本発明のペプチド・タンパク質等の抗原)とキャリア
ータンパク質との複合体をつくり、上記のモノクローナ
ル抗体の製造法と同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免
疫動物から本発明のペプチド・タンパク質等に対する抗
体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことによ
り製造できる。哺乳動物を免疫するために用いられる免
疫抗原とキャリアータンパク質との複合体に関し、キャ
リアータンパク質の種類およびキャリアーとハプテンと
の混合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテン
に対して抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの
様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アル
ブミン、ウシサイログロブリン、キーホール・リンペッ
ト・ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約
0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせ
る方法が用いられる。また、ハプテンとキャリアーのカ
プリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、
グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性
エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活
性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動
物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは
担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産
生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完
全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、
通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行な
うことができる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で
免疫された哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは血液
から採取することができる。抗血清中のポリクローナル
抗体価の測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様に
して測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上
記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブ
リンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0055】本発明のペプチド、本発明のペプチドをコ
ードするDNA(以下、本発明のDNAと略記する場合
がある)および本発明のペプチドに対する抗体(以下、
本発明の抗体と略記する場合がある)は、(i)本発明
のペプチドが関与する各種疾病の治療・予防剤、(ii)
本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変
化させる化合物またはその塩のスクリーニング、(ii
i)本発明のペプチドまたはその塩の定量、(iv)遺伝
子診断剤、(v)アンチセンスDNAを含有する医薬、
(vi)本発明の抗体を含有する医薬および診断薬、(vi
i)本発明のDNAを有する非ヒト動物の作出、(vii
i)構造的に類似したリガンド・レセプターとの比較に
もとづいたドラッグデザイン、などの実施のために有用
である。特に、本発明の組換えタンパク質の発現系を用
いたレセプター結合アッセイ系を用いることによって、
ヒトや非ヒト哺乳動物に特異的な本発明のタンパク質に
対するリガンドの結合性を変化させる化合物(例、ZA
Qアゴニスト、ZAQアンタゴニストなど)をスクリー
ニングすることができ、該アゴニストまたはアンタゴニ
ストを各種疾病の予防・治療剤などとして使用すること
ができる。本発明のペプチド、本発明のDNAおよび本
発明の抗体の用途について、以下に具体的に説明する。
【0056】(1)本発明のペプチドが関与する各種疾
病の治療・予防剤 後述の実施例に記載したように、本発明のペプチドは、
生体内で液性因子として存在し、本発明のタンパク質を
活性化し、本発明のタンパク質を発現した細胞の細胞内
Caイオン濃度を上昇させることから、本発明のタンパ
ク質(Gタンパク質共役型レセプター)のリガンドであ
ることが明らかとなった。また、本発明のペプチドは、
ヘビ毒 Mamba Intestinal Toxin 1(以下、MIT1と
略称する;配列番号:21;Toxicon、28巻、847-856
頁、1990年;FEBS Letters、 461巻、183-188頁、1999
年)とアミノ酸レベルで約63%の相同性が認められ
る。また、ヒト型Bv8成熟体ペプチド(FEBS Letters
462巻, 177-181頁, 1999年)は、マウス型Bv8成熟
体ペプチド(FEBS Letters 462巻, 177-181頁, 1999
年)またはラット型Bv8成熟体ペプチドとアミノ酸レ
ベルで92.6%の相同性が認められる。MIT1は回腸や
遠位大腸の収縮、あるいは近位大腸の弛緩を引き起こ
し、その程度は40 mM塩化カリウムに匹敵するほど強い
ことが報告されている(FEBS Letters、 461巻、183-188
頁、1999年)が、その作用点や作用メカニズムは解明さ
れていなかった。本発明者らはMIT1の作用も本発明のタ
ンパク質を介して発現されていることを明らかにした。
また、後述の実施例に記載したように、ヒト型Bv8成
熟体ペプチドが、腸管収縮活性を有していることを確認
した。さらに、ヒト型Bv8成熟体ペプチドは、MAP
キナーゼとPI−3キナーゼを活性化し神経保護作用を
有する(European Journal of Neuroscience, 13巻,169
4-1702頁, 2001年)。以上のことから、本発明のペプチ
ドは腸管の収縮などを制御する活性を有する。したがっ
て、本発明のDNA等が欠損している場合あるいは発現
量が異常に減少している場合、例えば、消化器疾患
(例、腸炎、下痢、便秘、吸収不良性症候群など)、中
枢神経疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候
群、精神分裂病など)等、種々の疾病が発症する。好ま
しくは消化器疾患である。したがって、本発明のペプチ
ドおよび本発明のDNAは、例えば、消化器疾患(例、
腸炎、下痢、便秘、吸収不良性症候群など)、中枢神経
疾患(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候群、精
神分裂病など)など、好ましくは消化器疾患などの種々
の疾病の治療・予防剤等の医薬として使用することがで
きる。例えば、生体内において本発明のペプチドが減少
あるいは欠損しているために、本発明のタンパク質が発
現している細胞における情報伝達が十分に、あるいは正
常に発揮されない患者がいる場合に、(イ)本発明のD
NAを該患者に投与し、生体内で本発明のペプチドを発
現させることによって、(ロ)細胞に本発明のDNAを
挿入し、本発明のペプチドを発現させた後に、該細胞を
患者に移植することによって、または(ハ)本発明のペ
プチドを該患者に投与すること等によって、該患者にお
ける本発明のペプチドの役割を十分に、あるいは正常に
発揮させることができる。本発明のDNAを上記の治療
・予防剤として使用する場合は、該DNAを単独あるい
はレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、
アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクター等の
適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って、ヒト
または温血動物に投与することができる。本発明のDN
Aは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤等
の生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子
銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによっ
て投与できる。本発明のペプチドを上記の治療・予防剤
として使用する場合は、少なくとも90%、好ましくは
95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好まし
くは99%以上に精製されたものを使用するのが好まし
い。
【0057】本発明のペプチドは、例えば、必要に応じ
て糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイ
クロカプセル剤等として経口的に、あるいは水もしくは
それ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、また
は懸濁液剤等の注射剤の形で非経口的に使用できる。例
えば、本発明のペプチドを生理学的に認められる担体、
香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤等
とともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用
量形態で混和することによって製造することができる。
これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当
な用量が得られるようにするものである。錠剤、カプセ
ル剤等に混和することができる添加剤としては、例え
ば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビア
ゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形
剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸等のような
膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、シ
ョ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミ
ント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤等が用
いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前
記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有す
ることができる。注射のための無菌組成物は注射用水の
ようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油等のよう
な天然産出植物油等を溶解または懸濁させる等の通常の
製剤実施に従って処方することができる。注射用の水性
液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の
補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−
マンニトール、塩化ナトリウム等)等が挙げられ、適当
な溶解補助剤、例えば、アルコール(例えば、エタノー
ル等)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等)、非イオン性界面活性
剤(例えば、ポリソルベート80TM、HCO−50等)
等と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ
油、大豆油等が挙げられ、溶解補助剤として安息香酸ベ
ンジル、ベンジルアルコール等と併用してもよい。ま
た、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム
緩衝液等)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカイン等)、安定剤(例えば、ヒト血清ア
ルブミン、ポリエチレングリコール等)、保存剤(例え
ば、ベンジルアルコール、フェノール等)、酸化防止剤
等と配合してもよい。調製された注射液は、通常、適当
なアンプルに充填される。本発明のDNAが挿入された
ベクターも上記と同様に製剤化され、通常、非経口的に
使用される。
【0058】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、哺乳動物(例えばヒト、ラッ
ト、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ウマ、ネコ、イヌ、サル等)に対して投与すること
ができる。本発明のペプチドの投与量は、対象疾患、投
与対象、投与ルート等により差異はあるが、例えば、消
化器疾患の治療目的で本発明のペプチドを経口投与する
場合、一般的に成人(60kgとして)においては、一
日につき本発明のペプチドを約1mg〜1000mg、
好ましくは約10〜500mg、より好ましくは約10
〜200mg投与する。非経口的に投与する場合は、本
発明のペプチドの1回投与量は投与対象、対象疾患等に
よっても異なるが、例えば、消化器疾患の治療目的で本
発明のペプチドを注射剤の形で成人(体重60kgとし
て)に投与する場合、一日につき該ペプチドを約1〜1
000mg程度、好ましくは約1〜200mg程度、よ
り好ましくは約10〜100mg程度を患部に注射する
ことにより投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60kg当たりに換算した量を投与することができ
る。
【0059】(2)本発明のペプチドと本発明のタンパ
ク質との結合性を変化させる化合物またはその塩のスク
リーニング 本発明のペプチドおよび本発明のタンパク質(本発明の
タンパク質の部分ペプチドも含む)を用いることを特徴
とする、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結
合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング
方法、または本発明のペプチドおよび本発明のタンパク
質を用いることを特徴とする本発明のペプチドと本発明
のタンパク質との結合性を変化させる化合物またはその
塩のスクリーニング用キット(以下、本発明のスクリー
ニング方法、本発明のスクリーニング用キットと略記す
る)について以下に詳述する。
【0060】本発明のタンパク質を用いるか、または組
換え型本発明のタンパク質の発現系を構築し、該発現系
を用いた本発明のペプチドとの結合アッセイ系(リガン
ド・レセプターアッセイ系)を用いることによって、本
発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変化
させる化合物、本発明のペプチドと本発明のタンパク質
との結合性を変化させる化合物(例えば、ペプチド、タ
ンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物など)またはその塩をスクリーニングすることができ
る。このような化合物には、本発明のタンパク質を介し
て細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチル
コリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、
細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜
電位変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する
活性など)を有する化合物(ZAQアゴニスト)と該細
胞刺激活性を有しない化合物(ZAQアンタゴニスト)
などが含まれる。「本発明のペプチドと本発明のタンパ
ク質との結合性を変化させる」とは、本発明のペプチド
と本発明のタンパク質との結合を阻害する場合と促進す
る場合の両方を包含するものである。すなわち、本発明
は、(i)本発明のタンパク質に、本発明のペプチドを
接触させた場合と(ii)上記した本発明のタンパク質
に、本発明のペプチドおよび試験化合物を接触させた場
合との比較を行なうことを特徴とする本発明のペプチド
と本発明のタンパク質との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法を提供する。本発明の
スクリーニング方法においては、(i)上記した本発明
のタンパク質に本発明のペプチドを接触させた場合と
(ii)上記した本発明のタンパク質に本発明のペプチド
および試験化合物を接触させた場合における、例えば該
本発明のタンパク質に対する本発明のペプチドの結合
量、細胞刺激活性などを測定して比較する。
【0061】本発明のスクリーニング方法としての具体
例としては、例えば、(a)本発明のペプチドを本発明
のタンパク質に接触させた場合と、本発明のペプチドお
よび試験化合物を本発明のタンパク質に接触させた場合
における、本発明のペプチドの本発明のタンパク質に対
する結合量を測定し、比較することを特徴とする、本発
明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変化さ
せる化合物またはその塩のスクリーニング方法、(b)
本発明のペプチドを、本発明のタンパク質を含有する細
胞または該細胞の膜画分に接触させた場合と、本発明の
ペプチドおよび試験化合物を本発明のタンパク質を含有
する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合におけ
る、本発明のペプチドの該細胞または該膜画分に対する
結合量を測定し、比較することを特徴とする、本発明の
ペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変化させる
化合物またはその塩のスクリーニング方法、および
(c)本発明のタンパク質が、本発明のタンパク質をコ
ードするDNAを含有する形質転換体を培養することに
よって細胞膜上に発現した本発明のタンパク質である上
記(b)記載のスクリーニング方法、(d)本発明のペプ
チドが、標識したリガンドである上記(a)〜(c)のス
クリーニング方法などのレセプター結合アッセイ系、
(e)本発明のペプチドを本発明のタンパク質に接触さ
せた場合と、本発明のペプチドおよび試験化合物を本発
明のタンパク質に接触させた場合における、本発明のタ
ンパク質を介した細胞刺激活性を測定し、比較すること
を特徴とする、本発明のペプチドと本発明のタンパク質
との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリー
ニング方法、(f)本発明のペプチドを本発明のタンパ
ク質を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた
場合と、本発明のペプチドおよび試験化合物を本発明の
タンパク質を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触
させた場合における、本発明のタンパク質を介した細胞
刺激活性を測定し、比較することを特徴とする、本発明
のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変化させ
る化合物またはその塩のスクリーニング方法、および
(g)本発明のタンパク質が、本発明のタンパク質をコ
ードするDNAを含有する形質転換体を培養することに
よって細胞膜上に発現した本発明のタンパク質である上
記(f)のスクリーニング方法などの細胞刺激アッセイ
系などが挙げられる。
【0062】本発明のスクリーニング方法の具体的な説
明を以下にする。まず、本発明のスクリーニング方法に
用いる本発明のタンパク質としては、上記の本発明のタ
ンパク質を含有するものであれば何れのものであっても
よい。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難
なことから、スクリーニングに用いられるものとして
は、組換え体を用いて大量発現させた本発明のタンパク
質などが適している。本発明のタンパク質を製造するに
は、前述の方法などが用いられる。本発明のスクリーニ
ング方法において、本発明のタンパク質を含有する細胞
あるいは該細胞膜画分などを用いる場合、後述の調製法
に従えばよい。本発明のタンパク質を含有する細胞を用
いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンな
どで固定化してもよい。固定化方法は公知の方法に従っ
て行うことができる。本発明のタンパク質を含有する細
胞としては、本発明のタンパク質を発現した宿主細胞を
いうが、該宿主細胞としては、前述の大腸菌、枯草菌、
酵母、昆虫細胞、動物細胞などがあげられる。膜画分と
しては、細胞を破砕した後、公知の方法で得られる細胞
膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法と
しては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押
し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kine
matica社製)による破砕、超音波による破砕、フレンチ
プレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出さ
せることによる破砕などがあげられる。細胞膜の分画に
は、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力
による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕
液を低速(500rpm〜3000rpm)で短時間
(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高速
(15000rpm〜30000rpm)で通常30分
〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画
分中には、発現した本発明のタンパク質と細胞由来のリ
ン脂質や膜タンパク質などの膜成分が多く含まれる。該
本発明のタンパク質を含有する細胞や膜画分中の本発明
のタンパク質の量は、1細胞当たり103〜108分子で
あるのが好ましく、105〜107分子であるのが好適で
ある。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド
結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニン
グ系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大
量の試料を測定できるようになる。前記のレセプター結
合アッセイ系や細胞刺激アッセイ系などのスクリーニン
グ方法を実施するためには、例えば、本発明のタンパク
質画分と、本発明のペプチド(例、標識した本発明のペ
プチド)などが用いられる。本発明のタンパク質画分と
しては、天然型の本発明のタンパク質画分か、またはそ
れと同等の活性を有する組換え型本発明のタンパク質画
分などが望ましい。ここで、同等の活性とは、同等のリ
ガンド結合活性などを示す。標識したリガンドとして
は、例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔32P〕、
33P〕、〔35S〕などで標識されたリガンドなどを用
いることができる。特に、ボルトン−ハンター試薬を用
いて公知の方法で調製した本発明のペプチドの標識体を
利用することもできる。具体的には、本発明のペプチド
と本発明のタンパク質との結合性を変化させる化合物の
スクリーニングを行うには、まず本発明のタンパク質を
含有する細胞または細胞の膜画分を、スクリーニングに
適したバッファーに懸濁することによりレセプター標品
を調製する。バッファーには、pH4〜10(望ましく
はpH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッ
ファーなどのリガンドとレセプターとの結合を阻害しな
いバッファーであればいずれでもよい。また、非特異的
結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−8
TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレ
ートなどの界面活性剤をバッファーに加えることもでき
る。さらに、プロテアーゼによる本発明のタンパク質や
本発明のペプチドの分解を抑える目的でPMSF、ロイ
ペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチ
ンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。
0.01ml〜10mlの該レセプター溶液に、一定量
(5000cpm〜500000cpm)の標識した本
発明のペプチドを添加し、同時に10-4〜10-1μMの
試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を
知るために大過剰の未標識の本発明のペプチドを加えた
反応チューブも用意する。反応は0℃から50℃、望ま
しくは4℃から37℃で20分から24時間、望ましく
は30分から3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で
濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維
濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウン
ターまたはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質が
ない場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NS
B)を引いたカウント(B0−NSB)を100%とし
た時、特異的結合量(B−NSB)が例えば50%以下
になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として
選択することができる。また、本発明のタンパク質と本
発明のペプチドとの結合を測定する方法として、BIA
core(アマシャムファルマシアバイオテク社製)を
用いることもできる。この方法では、本発明のペプチド
を装置に添付のプロトコールに従ったアミノカップリン
グ法によってセンサーチップに固定し、本発明のタンパ
ク質を含有する細胞または本発明のタンパク質をコード
するDNAを含有する形質変換体から精製した本発明の
タンパク質または本発明のタンパク質を含む膜画分、あ
るいは精製した本発明のタンパク質または本発明のタン
パク質を含む膜画分および試験化合物を含むリン酸バッ
ファーまたはトリスバッファーなどの緩衝液をセンサー
チップ上を毎分2−20μlの流量で通過させる。 セ
ンサーチップ上の本発明のペプチドと本発明のタンパク
質とが結合することによって生じる表面プラズモン共鳴
の変化を共存する試験化合物が変化させることを観察す
ることによって本発明のタンパク質と本発明のペプチド
との結合を変化させる化合物のスクリーニングを行なう
ことができる。この方法は、本発明のタンパク質をセン
サーチップに固定し、本発明のペプチドまたは本発明の
ペプチドおよび試験化合物を含むリン酸バッファーまた
はトリスバッファーなどの緩衝液をセンサーチップ上を
通過させる方法を用いても同様に測定することができ
る。試験化合物としては、上記と同様のものなどがあげ
られる。前記の細胞刺激アッセイ系のスクリーニング方
法を実施するためには、本発明のタンパク質を介する細
胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリ
ン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞
内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位
変動、細胞内タンパク質のリン酸化、c−fosの活性
化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性
など)を公知の方法または市販の測定用キットを用いて
測定することができる。具体的には、まず、本発明のタ
ンパク質を含有する細胞をマルチウェルプレート等に培
養する。スクリーニングを行うにあたっては前もって新
鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファ
ーに交換し、試験化合物などを添加して一定時間インキ
ュベートした後、細胞を抽出あるいは上清液を回収し
て、生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。
細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、アラキドン酸
など)の生成が、細胞が含有する分解酵素によって検定
困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してア
ッセイを行なってもよい。また、cAMP産生抑制など
の活性については、フォルスコリンなどで細胞の基礎的
産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用と
して検出することができる。
【0063】細胞刺激活性を測定してスクリーニングを
行なうには、適当な本発明のタンパク質を発現した細胞
が用いられる。本発明のタンパク質を発現した細胞とし
ては、前述の組換え型本発明のタンパク質発現細胞株な
どが望ましい。形質転換体である本発明のタンパク質発
現細胞は安定発現株でも一過性発現株でも構わない。ま
た、動物細胞の種類は上記と同様のものが用いられる。
試験化合物としては、例えばペプチド、タンパク、非ペ
プチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出
液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあげられる。
【0064】上記細胞刺激アッセイ系のスクリーニング
方法について、さらに具体的に以下〔1〕〜〔12〕に
記載する。 〔1〕レセプター発現細胞がレセプターアゴニストによ
って刺激されると細胞内のGタンパク質が活性化されて
GTPが結合する。この現象はレセプター発現細胞の膜
画分においても観察される。通常、GTPは加水分解さ
れてGDPへと変化するが、このとき反応液中にGTP
γSを添加しておくと、GTPγSはGTPと同様にG
タンパクに結合するが、加水分解されずにGタンパクを
含む細胞膜に結合した状態が維持される。標識したGT
PγSを用いると細胞膜に残存した標識されたGTPγ
Sを測定することにより、レセプターアゴニストのレセ
プター発現細胞刺激活性を測定することができる。この
反応を利用して、本発明のペプチドの本発明のタンパク
質発現細胞に対する刺激活性を測定することにより、本
発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変化
させる化合物をスクリーニングすることができる。この
方法は、本発明のタンパク質を含む膜画分を用いて行
う。本測定法において本発明のタンパク質膜画分へのG
TPγS結合促進活性を示す物質はアゴニストである。
具体的には、標識したGTPγSの存在下、本発明のペ
プチドを本発明のタンパク質細胞膜画分に接触させた場
合と、本発明のペプチドおよび試験化合物を本発明のタ
ンパク質細胞膜画分に接触させた場合における、本発明
のタンパク質細胞膜画分へのGTPγS結合促進活性を
測定し、比較することにより、本発明のペプチドと本発
明のタンパク質との結合性を変化させる化合物をスクリ
ーニングする。本方法において、本発明のペプチドによ
る本発明のタンパク質細胞膜画分へのGTPγS結合促
進活性を抑制する活性を示す試験化合物を、拮抗阻害能
力のある候補物質として選択することができる。一方、
試験化合物のみを本発明のタンパク質細胞膜画分に接触
させ、本発明のタンパク質細胞膜画分へのGTPγS結
合促進活性を測定することにより、アゴニストのスクリ
ーニングを行なうこともできる。
【0065】スクリーニング法の一例についてより具体
的に以下に述べる。公知の方法に準じて調製した本発明
のタンパク質を含む細胞膜画分を、膜希釈緩衝液(50
mM Tris、5mM MgCl2、150mM Na
Cl、1μM GDP、0.1% BSA;pH7.
4)で希釈する。希釈率は、レセプターの発現量により
異なる。これをFalcon2053に0.2mlずつ
分注し、本発明のペプチドまたは本発明のペプチドおよ
び試験化合物を加え、さらに終濃度200pMとなるよ
うに[35S]GTPγSを加える。25℃で1時間保温
した後、氷冷した洗浄用緩衝液(50mM Tris,
5mM MgCl2,150mM NaCl,0.1%
BSA,0.05% CHAPS;pH7.4)1.5
mlを加えて、ガラス繊維ろ紙GF/Fでろ過する。6
5℃、30分保温して乾燥後、液体シンチレーションカ
ウンターでろ紙上に残った膜画分に結合した[35S]G
TPγSの放射活性を測定する。本発明のペプチドのみ
を加えた実験区の放射活性を100%、本発明のペプチ
ドを加えなかった実験区の放射活性を0%とし、本発明
のペプチドによるGTPγS結合促進活性に対する試験
化合物の影響を算出する。GTPγS結合促進活性が例
えば50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある
候補物質として選択することができる。
【0066】〔2〕本発明のタンパク質発現細胞は、本
発明のペプチドの刺激により、細胞内cAMPの産生が
抑制される。この反応を利用して、本発明のペプチドの
本発明のタンパク質発現細胞に対する刺激活性を測定す
ることにより、本発明のペプチドと本発明のタンパク質
との結合性を変化させる化合物をスクリーニングするこ
とができる。具体的には、細胞内cAMP量を増加させ
る物質の存在下、本発明のペプチドを本発明のタンパク
質発現細胞に接触させた場合と、本発明のペプチドおよ
び試験化合物を本発明のタンパク質発現細胞に接触させ
た場合における、該細胞の細胞内cAMPの産生抑制活
性を測定し、比較することにより、本発明のペプチドと
本発明のタンパク質との結合性を変化させる化合物をス
クリーニングする。細胞内cAMP量を増加させる物質
としては、例えば、フォルスコリン、カルシトニンなど
が用いられる。本発明のタンパク質発現細胞内のcAM
P産生量は、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ウシなど
を免疫して得られた抗cAMP抗体と〔125I〕標識c
AMP(ともに市販品)を使用することによるRIA
系、または抗cAMP抗体と標識cAMPとを組み合わ
せたEIA系で測定することができる。また、抗cAM
P抗体を、protein Aまたは抗cAMP抗体産
生に用いた動物のIgGなどに対する抗体などを使用し
て固定したシンチラントを含むビーズと〔125I〕標識
cAMPとを使用するSPA(Scintillation Proximit
y Assay)法による定量も可能である(アマシャムファ
ルマシアバイオテク社製のキットを使用する)。本方法
において、本発明のペプチドによる本発明のタンパク質
発現細胞のcAMP産生抑制活性を阻害する活性を示す
試験化合物を、拮抗阻害能力のある候補物質として選択
することができる。一方、試験化合物のみを本発明のタ
ンパク質発現細胞に接触させて、cAMP産生抑制活性
を調べることによりアゴニスト活性を示す化合物のスク
リーニングを行なうことができる。
【0067】スクリーニング法の一具体例を以下に述べ
る。本発明のタンパク質発現細胞(例、CHO細胞など
の動物細胞)((ZAQC−B1細胞;後述の実施例
2))を24穴プレートに5x104cell/wel
lで播種し、48時間培養する。細胞を0.2mM 3
−イソブチル−メチルキサンチン、0.05% BSA
および20mM HEPESを含むハンクスバッファー
(pH7.4)で洗浄する(以下、反応用バッファーと
略記する)。その後、0.5mlの反応用バッファーを
加えて30分間培養器で保温する。反応用バッファーを
除き、新たに0.25mlの反応用バッファーを細胞に
加えた後、1μMの本発明のペプチドまたは1μMの本
発明のペプチドおよび試験化合物を添加した2μM フ
ォルスコリンを含む0.25mlの反応用バッファー
を、細胞に加え、37℃で24分間反応させる。100
μlの20%過塩素酸を加えて反応を停止させ、その後
氷上で1時間置くことにより細胞内cAMPを抽出す
る。抽出液中のcAMP量を、cAMP EIAキット
(アマシャムファルマシアバイオテク)を用いて測定す
る。フォルスコリンの刺激によって産生されたcAMP
量を100%とし、1μMの本発明のペプチドの添加に
よって抑制されたcAMP量を0%として、本発明のペ
プチドによるcAMP産生抑制活性に対する試験化合物
の影響を算出する。本発明のペプチドの活性を阻害し
て、cAMP産生活性が例えば50%以上になる試験化
合物を、拮抗阻害能力のある候補物質として選択するこ
とができる。また、本発明のペプチドの刺激により、細
胞内cAMP量が増加する性質を示す本発明のタンパク
質発現細胞を使用する場合、本発明のペプチドを本発明
のタンパク質発現細胞に接触させた場合と、本発明のペ
プチドおよび試験化合物を本発明のタンパク質発現細胞
に接触させた場合における、該細胞の細胞内cAMPの
産生促進活性を測定し、比較することにより、本発明の
ペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変化させる
化合物をスクリーニングすることができる。本方法にお
いて、本発明のペプチドによる本発明のタンパク質発現
細胞のcAMP産生促進活性を阻害する活性を示す試験
化合物を、拮抗阻害能力のある候補物質として選択する
ことができる。一方、試験化合物のみを本発明のタンパ
ク質発現細胞に接触させてcAMP産生促進活性を調べ
ることによりアゴニスト活性を示す化合物のスクリーニ
ングを行なうことができる。cAMP産生促進活性は、
上記のスクリーニング法においてフォルスコリンを添加
せずに本発明のタンパク質発現細胞(例、CHO細胞な
どの動物細胞)に本発明のペプチドまたは本発明のペプ
チドおよび試験化合物を添加して産生されたcAMPを
上記の方法で定量して測定する。
【0068】〔3〕CRE−レポーター遺伝子ベクター
を用いて、本発明のペプチドの本発明のタンパク質発現
細胞に対する刺激活性を測定することにより、本発明の
ペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変化させる
化合物をスクリーニングすることができる。CRE(cA
MP response element)を含むDNAを、ベクターのレ
ポーター遺伝子上流に挿入し、CRE−レポーター遺伝
子ベクターを得る。CRE−レポーター遺伝子ベクター
を導入した本発明のタンパク質発現細胞において、cA
MPの上昇を伴う刺激は、CREを介したレポーター遺
伝子発現と、それに引き続くレポーター遺伝子の遺伝子
産物(タンパク質)の産生を誘導する。つまり、レポー
ター遺伝子タンパク質の酵素活性を測定することによ
り、CRE−レポーター遺伝子ベクター導入細胞内のc
AMP量の変動を検出することができる。具体的には、
細胞内cAMP量を増加させる物質の存在下、本発明の
ペプチドを、CRE−レポーター遺伝子ベクター導入本
発明のタンパク質発現細胞に接触させた場合と、本発明
のペプチドおよび試験化合物を、CRE−レポーター遺
伝子ベクター導入本発明のタンパク質発現細胞に接触さ
せた場合における、レポーター遺伝子タンパク質の酵素
活性を測定し、比較することにより、本発明のペプチド
と本発明のタンパク質との結合性を変化させる化合物を
スクリーニングする。細胞内cAMP量を増加させる物
質としては、例えば、フォルスコリン、カルシトニンな
どが用いられる。ベクターとしては、例えば、ピッカジ
ーン ベイシックベクター、ピッカジーン エンハンサ
ーベクター(東洋インキ製造(株))などが用いられ
る。CREを含むDNAを、上記ベクターのレポーター
遺伝子、例えばルシフェラーゼ遺伝子上流のマルチクロ
ーニングサイトに挿入し、CRE−レポーター遺伝子ベ
クターとする。本方法において、本発明のペプチドによ
るレポーター遺伝子タンパク質の酵素活性抑制を回復さ
せる試験化合物を、拮抗阻害能力のある候補物質として
選択することができる。一方、試験化合物のみを本発明
のタンパク質発現細胞に接触させて、フォルスコリン刺
激によって上昇した発光量の本発明のペプチドと同様な
抑制を測定することによりアゴニストのスクリーニング
を行なうこともできる。
【0069】レポーター遺伝子として、ルシフェラーゼ
を利用する例を用いて、このスクリーニング方法の具体
例を以下に述べる。CRE−レポーター遺伝子(ルシフ
ェラーゼ)を導入した本発明のタンパク質発現細胞を、
24穴プレートに5x103cell/wellで播種
し、48時間培養する。細胞を0.2mM 3−イソブ
チル−メチルキサンチン、0.05% BSAおよび2
0mM HEPESを含むハンクスバッファー(pH
7.4)で洗浄する(以下、反応用バッファーと略記す
る)。その後0.5mlの反応用バッファーを加えて3
0分間培養器で保温する。反応用バッファーを除き、新
たに0.25mlの反応用バッファーを細胞に加えた
後、1μMの本発明のペプチドまたは1μMの本発明の
ペプチドおよび試験化合物を添加した2μM フォルス
コリンを含む0.25mlの反応用バッファーを、細胞
に加え、37℃で24分間反応させる。細胞をピッカジ
ーン用細胞溶解剤(東洋インキ製造(株))で溶かし、
溶解液に発光基質(東洋インキ製造(株))を添加す
る。ルシフェラーゼによる発光は、ルミノメーター、液
体シンチレーションカウンターまたはトップカウンター
により測定する。本発明のペプチド単独を添加した場合
と、1μMの本発明のペプチドおよび試験化合物を添加
した場合のルシフェラーゼによる発光量を測定して、比
較する。本発明のペプチドは、フォルスコリン刺激に基
づくルシフェラーゼによる発光量の増加を抑制する。該
抑制を回復させる化合物を拮抗阻害能力のある候補物質
として選択することができる。
【0070】レポーター遺伝子として、例えば、アルカ
リフォスファターゼ、クロラムフェニコール・アセチル
トランスフェラーゼ(chloramphenicol acetyltransfer
ase)、β−ガラクトシダーゼなどの遺伝子を用いても
よい。これらのレポーター遺伝子タンパク質の酵素活性
は、公知の方法に従い、または市販の測定キットを用い
て測定する。アルカリフォスファターゼ活性は、例えば
和光純薬製Lumi-Phos530を用いて、クロラムフェニコー
ル・アセチルトランスフェラーゼ活性は、例えば和光純
薬製FAST CAT chrolamphenicol Acetyltransferase Ass
ay KiTを用いて、β−ガラクトシダーゼ活性は、例えば
和光純薬製Aurora Gal-XEを用いて測定する。
【0071】〔4〕本発明のタンパク質発現細胞は、本
発明のペプチドの刺激により、アラキドン酸代謝物を細
胞外に放出する。この反応を利用して、本発明のペプチ
ドの本発明のタンパク質発現細胞に対する刺激活性を測
定することにより、本発明のペプチドと本発明のタンパ
ク質との結合性を変化させる化合物をスクリーニングす
ることができる。あらかじめ、標識したアラキドン酸
を、本発明のタンパク質発現細胞に取り込ませておくこ
とによって、アラキドン酸代謝物放出活性を、細胞外に
放出された標識されたアラキドン酸代謝物を測定するこ
とによって測定することができる。具体的には、本発明
のペプチドを、標識したアラキドン酸を含有する本発明
のタンパク質発現細胞に接触させた場合と、本発明のペ
プチドおよび試験化合物を、標識したアラキドン酸を含
有する本発明のタンパク質発現細胞に接触させた場合に
おける、アラキドン酸代謝物の放出活性を測定し、比較
することにより、本発明のペプチドと本発明のタンパク
質との結合性を変化させる化合物をスクリーニングす
る。本方法において、本発明のペプチドによるアラキド
ン酸代謝物放出活性を阻害する試験化合物を、拮抗阻害
能力のある候補物質として選択することができる。ま
た、試験化合物のみを本発明のタンパク質発現細胞に接
触させ、本発明のタンパク質発現細胞のアラキドン酸代
謝物放出活性を公知の方法で調べることによりアゴニス
ト活性を示す化合物のスクリーニングを行なうこともで
きる。
【0072】スクリーニング法の一具体例を以下に述べ
る。本発明のタンパク質発現細胞を24穴プレートに5
x104cell/wellで播種し、24時間培養
後、[3H]アラキドン酸を0.25μCi/well
となるよう添加し、16時間後、細胞を0.05% B
SAおよび20mMHEPESを含むハンクスバッファ
ー(pH7.4)(以下、反応用バッファーと略記す
る)で洗浄する。終濃度10μMの本発明のペプチドま
たは終濃度10μMの本発明のペプチドおよび試験化合
物を含む反応用バッファー 500μlを、各well
に添加する。37℃で60分間インキュベートした後、
反応液400μlをシンチレーターに加え、反応液中に
遊離した[3H]アラキドン酸代謝物の量をシンチレー
ションカウンターにより測定する。反応用バッファー
500μlのみを添加した場合(本発明のペプチド非添
加・試験化合物非添加)の遊離[3H]アラキドン酸代
謝物の量を0%、10μMの本発明のペプチドを含む反
応用バッファーを添加した場合(試験化合物非添加)の
遊離[3H]アラキドン酸代謝物の量を100%とし
て、試験化合物を添加した場合の遊離[3H]アラキド
ン酸代謝物の量を算出する。アラキドン酸代謝物放出活
性が、例えば50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能
力のある候補物質として選択することができる。
【0073】〔5〕本発明のタンパク質発現細胞は、本
発明のペプチドの刺激により、細胞内のCa濃度が上昇
する。この反応を利用して、本発明のペプチドの本発明
のタンパク質発現細胞に対する刺激活性を測定すること
により、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結
合性を変化させる化合物をスクリーニングすることがで
きる。具体的には、本発明のペプチドを、本発明のタン
パク質発現細胞に接触させた場合と、本発明のペプチド
および試験化合物を、本発明のタンパク質発現細胞に接
触させた場合における、細胞内カルシウム濃度上昇活性
を測定し、比較することにより、本発明のペプチドと本
発明のタンパク質との結合性を変化させる化合物をスク
リーニングする。測定は公知の方法に従って行う。本方
法において、本発明のペプチドによる細胞内カルシウム
濃度の上昇を抑制する試験化合物を、拮抗阻害能力のあ
る候補物質として選択することができる。一方、試験化
合物のみの添加による蛍光強度の上昇を測定することに
よってアゴニストのスクリーニングを行なうこともでき
る。スクリーニング法の一具体例を以下に述べる。本発
明のタンパク質発現細胞を、滅菌した顕微鏡用カバーグ
ラス上に播き、2日後、培養液を、4mM Fura−
2 AM(同仁化学研究所)を縣濁したHBSSに置換
し、室温で2時間30分おく。HBSSで洗浄した後、
キュベットにカバーグラスをセットし、本発明のペプチ
ドまたは本発明のペプチドおよび試験化合物を添加し、
励起波長340nmおよび380nmでの、505nm
の蛍光強度の比の上昇を蛍光測定器で測定し、比較す
る。また、FLIPR(モレキュラーデバイス社製)を
使って行ってもよい。本発明のタンパク質発現細胞縣濁
液にFluo−3 AM(同仁化学研究所製)を添加
し、細胞に取り込ませた後、上清を遠心により数度洗浄
後、96穴プレートに細胞を播く。FLIPR装置にセ
ットし、Fura−2の場合と同様に、本発明のペプチ
ドまたは本発明のペプチドおよび試験化合物を添加し、
蛍光強度の比の上昇を蛍光測定器で測定し、比較する。
さらに、本発明のタンパク質発現細胞に、細胞内Caイ
オンの上昇によって発光するようなタンパク質の遺伝子
(例、aequorinなど)を共発現させておき、細胞内Ca
イオン濃度の上昇によって、該遺伝子タンパク質(例、
aequorinなど)がCa結合型となり発光することを利用
して、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合
性を変化させる化合物をスクリーニングすることもでき
る。細胞内Caイオンの上昇によって発光するようなタ
ンパク質の遺伝子を共発現させた本発明のタンパク質発
現細胞を、96穴プレートに播き、上記と同様に、本発
明のペプチドまたは本発明のペプチドおよび試験化合物
を添加し、蛍光強度の比の上昇を蛍光測定器で測定し、
比較する。本発明のペプチドによる蛍光強度の上昇を、
抑制する試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質とし
て選択することができる。
【0074】スクリーニング法の一具体例を以下に述べ
る。対照としてETA(エンドセリンAレセプター)発
現CHO細胞24番クローン(以後ETA24細胞と略
称する。Journal of Pharmacology and Experimental T
herapeutics, 279巻、675-685頁、1996年参照)を用
い、アッセイ用サンプルについて、ZAQC−B1細胞
(後述の実施例2)およびETA24細胞における細胞
内Caイオン濃度上昇活性の測定をFLIPR(モレキ
ュラーデバイス社製)を用いて行う。ZAQC−B1細
胞、ETA24細胞共に10%透析処理済ウシ胎児血清
(以後d FBSとする)を加えたDMEMで継代培養
しているものを用いる。ZAQC−B1細胞、ETA2
4細胞をそれぞれ15×104cells/mlとなるように培地(1
0% d FBS-DMEM)に懸濁し、FLIPR用96穴プレー
ト(Black plate clear bottom、Coster社)に分注器を用
いて各ウェルに200 μlずつ植え込み(3.0×104cells/2
00μl/ウェル)、5% CO2インキュベーター中にて37℃
で一晩培養した後用いる(以後、細胞プレートとす
る)。H/HBSS(ニッスイハンクス2(日水製薬株式会
社) 9.8g、炭酸水素ナトリウム 0.35g、HEPES 4.77 g
、水酸化ナトリウム溶液で pH7.4に合わせた後、フィ
ルター滅菌処理)20 ml、250 mM Probenecid 200 μ
l、ウシ胎児血清(FBS) 200 μlを混合する。また、Fluo
3-AM(同仁化学研究所) 2バイアル(50 μg)をジメチ
ルスルフォキサイド 40 μl、20% Pluronic acid(Mole
cular Probes社) 40 μlに溶解し、これを上記H/HBSS
−Probenecid−FBS に加え、混和後、8連ピペットを用
いて培養液を除いた細胞プレートに各ウェル 100 μlず
つ分注し、5% CO2インキュベーター中にて37℃で1時間
インキュベートする(色素ローディング)。アッセイ用
サンプル(各フラクション)に、2.5 mM Probenecid、
0.1% CHAPSを含むH/HBSS 150 μlを加えて希釈し、F
LIPR用96穴プレート(V-Bottomプレート、Coster
社)へ移す(以後、サンプルプレートとする)。細胞プ
レートの色素ローディング終了後、H/HBSSに2.5 mM Pro
benecidを加えた洗浄バッファーでプレートウォッシャ
ー(Molecular Devices社)を用いて細胞プレートを4回
洗浄し、洗浄後100 μlの洗浄バッファーを残す。この
細胞プレートとサンプルプレートをFLIPRにセットしア
ッセイを行う(FLIPRにより、サンプルプレートから50
μlのサンプルが細胞プレートへと移される)。
【0075】〔6〕レセプターを発現する細胞に、レセ
プターアゴニストを添加すると、細胞内イノシトール三
リン酸濃度は上昇する。本発明のペプチドの、本発明の
タンパク質発現細胞における細胞内イノシトール三リン
酸産生活性を利用することにより、本発明のペプチドと
本発明のタンパク質との結合性を変化させる化合物をス
クリーニングすることができる。具体的には、標識した
イノシトールの存在下、本発明のペプチドを、本発明の
タンパク質発現細胞に接触させた場合と、本発明のペプ
チドおよび試験化合物を、本発明のタンパク質発現細胞
に接触させた場合における、イノシトール三リン酸産生
活性を測定し、比較することにより、本発明のペプチド
と本発明のタンパク質との結合性を変化させる化合物を
スクリーニングする。測定は公知の方法に従って行う。
本方法において、イノシトール三リン酸産生活性を抑制
する試験化合物を、拮抗阻害能力のある候補物質として
選択することができる。一方、試験化合物のみを本発明
のタンパク質発現細胞に接触させ、イノシトール三リン
酸産生上昇を測定することによってアゴニストのスクリ
ーニングを行なうこともできる。
【0076】スクリーニング法の一具体例を以下に述べ
る。本発明のタンパク質発現細胞を24穴プレートに播
き、1日間培養する。その後、myo−[2−3H]i
nositol(2.5μCi/well)を添加した
培地で1日間培養し、細胞を放射活性を有するイノシト
ールを無添加の培地でよく洗浄する。本発明のペプチド
または本発明のペプチドおよび試験化合物を添加後、1
0%過塩素酸を加え、反応を止める。1.5M 水酸化
カリウムおよび60mM HEPES溶液で中和し、
0.5mlのAG1x8樹脂(Bio-Rad)を詰めたカラ
ムに通し、5mM 四ホウ酸ナトリウム(Na247
および60mM ギ酸アンモニウムで洗浄した後、1M
ギ酸アンモニウムおよび0.1Mギ酸で溶出した放射活
性を、液体シンチレーションカウンターで測定する。本
発明のペプチドを添加しない場合の放射活性を0%、本
発明のペプチドを添加した場合の放射活性を100%と
し、試験化合物の、本発明のペプチドと本発明のタンパ
ク質の結合に対する影響を算出する。イノシトール三リ
ン酸産生活性が、例えば50%以下になる試験化合物を
拮抗阻害能力のある候補物質として選択することができ
る。
【0077】〔7〕TRE−レポーター遺伝子ベクター
を用いて、本発明のペプチドの本発明のタンパク質発現
細胞に対する刺激活性を測定することにより、本発明の
ペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変化させる
化合物をスクリーニングすることができる。TRE(TP
A response element)を含むDNAを、ベクターのレポ
ーター遺伝子上流に挿入し、TRE−レポーター遺伝子
ベクターを得る。TRE−レポーター遺伝子ベクターを
導入した本発明のタンパク質発現細胞において、細胞内
カルシウム濃度の上昇を伴う刺激は、TREを介したレ
ポーター遺伝子発現と、それに引き続くレポーター遺伝
子の遺伝子産物(タンパク質)の産生を誘導する。つま
り、レポーター遺伝子タンパク質の酵素活性を測定する
ことにより、TRE−レポーター遺伝子ベクター導入細
胞内のカルシウム量の変動を検出することができる。具
体的には、本発明のペプチドを、TRE−レポーター遺
伝子ベクター導入本発明のタンパク質発現細胞に接触さ
せた場合と、本発明のペプチドおよび試験化合物を、T
RE−レポーター遺伝子ベクター導入本発明のタンパク
質発現細胞に接触させた場合における、レポーター遺伝
子タンパク質の酵素活性を測定し、比較することによ
り、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性
を変化させる化合物をスクリーニングする。ベクターと
しては、例えば、ピッカジーン ベイシックベクター、
ピッカジーン エンハンサーベクター(東洋インキ製造
(株))などが用いられる。TREを含むDNAを、上
記ベクターのレポーター遺伝子、例えばルシフェラーゼ
遺伝子上流のマルチクローニングサイトに挿入し、TR
E−レポーター遺伝子ベクターとする。本方法におい
て、本発明のペプチドによるレポーター遺伝子タンパク
質の酵素活性を抑制する試験化合物を、拮抗阻害能力の
ある候補物質として選択することができる。一方、試験
化合物のみをTRE−レポーター遺伝子ベクター導入本
発明のタンパク質発現細胞に接触させ、本発明のペプチ
ドと同様な発光量の増加を測定することによりアゴニス
トのスクリーニングを行なうこともできる。
【0078】レポーター遺伝子として、ルシフェラーゼ
を利用する例を用いて、このスクリーニング方法の具体
例を以下に述べる。TRE−レポーター遺伝子(ルシフ
ェラーゼ)を導入した本発明のタンパク質発現細胞を、
24穴プレートに5x103cell/wellで播種
し、48時間培養する。細胞を0.05% BSAおよ
び20mM HEPESを含むハンクスバッファー(p
H7.4)で洗浄した後、10nMの本発明のペプチド
または10nMの本発明のペプチドおよび試験化合物を
添加し、37℃で60分間反応させる。細胞をピッカジ
ーン用細胞溶解剤(東洋インキ製造(株))で溶かし、
溶解液に発光基質(東洋インキ製造(株))を添加す
る。ルシフェラーゼによる発光は、ルミノメーター、液
体シンチレーションカウンターまたはトップカウンター
により測定する。本発明のペプチドを添加した場合と、
10nMの本発明のペプチドおよび試験化合物を添加し
た場合のルシフェラーゼによる発光量を測定して、比較
する。本発明のペプチドによる細胞内カルシウムの上昇
によって、ルシフェラーゼによる発光量が増加する。こ
の増加を抑制する化合物を拮抗阻害能力のある候補物質
として選択することができる。
【0079】レポーター遺伝子として、例えば、アルカ
リフォスファターゼ、クロラムフェニコール・アセチル
トランスフェラーゼ(chloramphenicol acetyltransfer
ase)、β−ガラクトシダーゼなどの遺伝子を用いても
よい。これらのレポーター遺伝子タンパク質の酵素活性
は、公知の方法に従い、または市販の測定キットを用い
て測定する。アルカリフォスファターゼ活性は、例えば
和光純薬製Lumi-Phos530を用いて、クロラムフェニコー
ル・アセチルトランスフェラーゼ活性は、例えば和光純
薬製FAST CAT chrolamphenicol Acetyltransferase Ass
ay KiTを用いて、β−ガラクトシダーゼ活性は、例えば
和光純薬製Aurora Gal-XEを用いて測定する。
【0080】〔8〕本発明のタンパク質発現細胞は、本
発明のペプチドの刺激により、MAPキナーゼが活性化
され、増殖する。この反応を利用して、本発明のペプチ
ドの本発明のタンパク質発現細胞に対する刺激活性を測
定することにより、本発明のペプチドと本発明のタンパ
ク質との結合性を変化させる化合物をスクリーニングす
ることができる。具体的には、本発明のペプチドを、本
発明のタンパク質発現細胞に接触させた場合と、本発明
のペプチドおよび試験化合物を、本発明のタンパク質発
現細胞に接触させた場合における、細胞増殖を測定し、
比較することにより、本発明のペプチドと本発明のタン
パク質との結合性を変化させる化合物をスクリーニング
する。本発明のタンパク質発現細胞の増殖は、例えば、
MAPキナーゼ活性、チミジン取り込み活性、細胞数な
どを測定すればよい。具体例としては、MAPキナーゼ
活性については、本発明のペプチドまたは本発明のペプ
チドおよび試験化合物を、本発明のタンパク質発現細胞
に添加した後、細胞溶解液から抗MAPキナーゼ抗体を
用いた免疫沈降によりMAPキナーゼ分画を得た後、公
知の方法、例えば和光純薬製MAP Kinase As
sayKitおよびγ−[32P]−ATPを使用してM
APキナーゼ活性を測定し、比較する。チミジン取り込
み活性については、本発明のタンパク質発現細胞を24
穴プレートに播種し、培養し、本発明のペプチドまたは
本発明のペプチドおよび試験化合物を添加した後、放射
活性により標識したチミジン(例、[methyl−3
H]−チミジンなど)を加え、その後、細胞を溶解し、
細胞内に取り込まれたチミジンの放射活性を、液体シン
チレーションカウンターで計数することにより、チミジ
ン取り込み活性を測定し、比較する。細胞数の測定につ
いては、本発明のタンパク質発現細胞を24穴プレート
に播種し、培養し、本発明のペプチドまたは本発明のペ
プチドおよび試験化合物を添加した後、MTT(3-(4,5
-dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazolium
bromide)を添加する。細胞内に取り込まれてMTTが
変化したMTTホルマザンを、塩酸にて酸性としたイソ
プロパノール水溶液で細胞を溶解した後、570nmの
吸収によって測定し、比較する。本方法において、本発
明のタンパク質発現細胞の増殖を抑制する試験化合物
を、拮抗阻害能力のある候補物質として選択することが
できる。一方、試験化合物のみを本発明のタンパク質発
現細胞に接触させ、本発明のペプチドと同様な細胞増殖
活性を測定することによりアゴニストのスクリーニング
を行なうこともできる。
【0081】チミジン取り込み活性を利用するスクリー
ニング法の一具体例を以下に述べる。本発明のタンパク
質発現細胞を24穴プレートに5000個/ウェル播
き、1日間培養する。次に血清を含まない培地で2日間
培養し、細胞を飢餓状態にする。本発明のペプチドまた
は本発明のペプチドおよび試験化合物を、細胞に添加し
て24時間培養した後、[methyl−3H]−チミ
ジンをウェル当たり0.015MBq添加し、6時間培
養する。細胞をPBSで洗った後、メタノールを添加し
て10分間放置する。次に5%トリクロロ酢酸を添加し
て15分間放置後、固定された細胞を蒸留水で4回洗
う。0.3N水酸化ナトリウム溶液で細胞を溶解し、溶
解液中の放射活性を液体シンチレーションカウンターで
測定する。本発明のペプチドを添加した場合の放射活性
の増加を抑制する試験化合物を、拮抗阻害能力のある候
補物質として選択することができる。
【0082】
〔9〕本発明のタンパク質発現細胞は、本
発明のペプチドの刺激により、カリウムチャネルが活性
化し、細胞内にあるKイオンが、細胞外に流出する。こ
の反応を利用して、本発明のペプチドの本発明のタンパ
ク質発現細胞に対する刺激活性を測定することにより、
本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変
化させる化合物をスクリーニングすることができる。K
イオンと同族元素であるRbイオン(ルビジウムイオ
ン)は、Kイオンと区別無く、カリウムチャネルを通っ
て細胞外に流出する。よって、本発明のタンパク質発現
細胞に、放射活性同位体であるRb([86Rb])を取
り込ませておいた後、本発明のペプチドの刺激によって
流出する86Rbの流れ(流出活性)を測定することによ
り、本発明のペプチドの本発明のタンパク質発現細胞に
対する刺激活性を測定する。具体的には、86Rbの存在
下、本発明のペプチドを、本発明のタンパク質発現細胞
に接触させた場合と、本発明のペプチドおよび試験化合
物を、本発明のタンパク質発現細胞に接触させた場合に
おける、86Rbの流出活性を測定し、比較することによ
り、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性
を変化させる化合物をスクリーニングする。本方法にお
いて、本発明のペプチド刺激による86Rbの流出活性の
上昇を抑制する試験化合物を、拮抗阻害能力のある候補
物質として選択することができる。一方、試験化合物の
みを本発明のタンパク質発現細胞に接触させ、本発明の
ペプチドと同様な86Rbの流出活性の上昇を測定するこ
とによりアゴニストのスクリーニングを行なうこともで
きる。
【0083】スクリーニング法の一具体例を以下に述べ
る。本発明のタンパク質発現細胞を24穴プレートに播
き、2日間培養する。その後、1mCi/mlの86Rb
Clを含む培地中で2時間保温する。細胞を培地でよく
洗浄し、外液中の86RbClを完全に除く。本発明のペ
プチドまたは本発明のペプチドおよび試験化合物を細胞
に添加し、30分後外液を回収し、γカウンターで放射
活性を測定し、比較する。本発明のペプチド刺激による
86Rbの流出活性の上昇を抑制する試験化合物を、拮抗
阻害能力のある候補物質として選択することができる。
【0084】〔10〕本発明のタンパク質発現細胞が本
発明のペプチドに反応し、細胞外のpHが変化する。こ
の反応を利用して、本発明のペプチドの本発明のタンパ
ク質発現細胞に対する刺激活性を測定することにより、
本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変
化させる化合物をスクリーニングすることができる。具
体的には、本発明のペプチドを、本発明のタンパク質発
現細胞に接触させた場合と、本発明のペプチドおよび試
験化合物を、本発明のタンパク質発現細胞に接触させた
場合における、細胞外のpH変化を測定し、比較するこ
とにより、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との
結合性を変化させる化合物をスクリーニングする。細胞
外pH変化は、例えば、Cytosensor装置(モ
レキュラーデバイス社)を使用して測定する。本方法に
おいて、本発明のペプチドによる細胞外pH変化を抑制
する試験化合物を、拮抗阻害能力のある候補物質として
選択することができる。一方、試験化合物のみを本発明
のタンパク質発現細胞に接触させ、本発明のペプチドと
同様な細胞外pH変化を測定することによりアゴニスト
のスクリーニングを行なうこともできる。
【0085】スクリーニング法の一具体例を以下に述べ
る。本発明のタンパク質発現細胞をCytosenso
r装置用のカプセル内で終夜培養し、装置のチャンバー
にセットして細胞外pHが安定するまで約2時間、0.
1% BSAを含むRPMI1640培地(モレキュラ
ーデバイス社製)を灌流させる。pHが安定した後、本
発明のペプチドまたは本発明のペプチドおよび試験化合
物を含む培地を細胞上に灌流させる。灌流によって生じ
た培地のpH変化を測定し、比較する。本発明のペプチ
ドによる細胞外pH変化を抑制する化合物を拮抗阻害能
力のある候補物質として選択することができる。
【0086】〔11〕酵母(Saccharomyces cerevisia
e)のhaploidα-mating Type (MATα) の性フェロモン
レセプターSTe2は、Gタンパク質Gpa1と共役し
ており、性フェロモンα-mating factorに応答してMA
Pキナーゼを活性化し、これに引き続き、Far1(ce
ll-cycle arrest)および転写活性化因子Ste12が
活性化される。Ste12は、種々のタンパク質(例え
ば、接合に関与するFUS1)の発現を誘導する。一
方、制御因子Sst2は上記の過程に抑制的に機能す
る。この系において、レセプター遺伝子を導入した酵母
を作製し、レセプターアゴニストの刺激により酵母細胞
内のシグナル伝達系を活性化し、その結果生じる増殖な
どを指標として用いる、レセプターアゴニストとレセプ
ターとの反応の測定系の試みが行なわれている(Trends
in Biotechnology, 15巻, 487-494頁,1997年)。上記
のレセプター遺伝子導入酵母の系を利用して、本発明の
ペプチドと本発明のタンパク質との結合性を変化させる
化合物をスクリーニングすることができる。
【0087】具体例を以下に示す。MATα酵母のSt
e2およびGpa1をコードする遺伝子を除去し、代わ
りに、本発明のタンパク質遺伝子およびGpa1−Ga
i2融合タンパク質をコードする遺伝子を導入する。F
arをコードする遺伝子を除去してcell-cycle arrest
が生じないようにし、また、Sstをコードする遺伝子
を除去して本発明のペプチドに対する応答の感度を向上
させておく。さらに、FUS1にヒスチジン生合成遺伝
子HIS3を結合したFUS1−HIS3遺伝子を導入
する。この遺伝子組換え操作は、例えば、Molecular an
d Cellular Biology, 15巻, 6188-6195頁, 1995年に記
載の方法において、ソマトスタチンレセプタータイプ2
(SSTR2)遺伝子を、本発明のタンパク質に置き換えて
実施することができる。このように構築された形質変換
酵母は、本発明のペプチドに高感度で反応し、その結
果、MAPキナーゼの活性化が起き、ヒスチジン生合成
酵素が合成されるようになり、ヒスチジン欠乏培地で生
育可能になる。従って、上記の本発明のタンパク質発現
酵母(Ste2遺伝子およびGpa1遺伝子が除去さ
れ、本発明のタンパク質遺伝子およびGpa1−Gai
2融合タンパク質コード遺伝子が導入され、Far遺伝
子およびSst遺伝子が除去され、FUS1−HIS3
遺伝子が導入されたMATα酵母)を、ヒスチジン欠乏
培地で培養し、本発明のペプチドまたは本発明のペプチ
ドおよび試験化合物を接触させ、該酵母の生育を測定
し、比較することにより、本発明のペプチドと本発明の
タンパク質との結合性を変化させる化合物をスクリーニ
ングすることができる。本方法において、該酵母の生育
を抑制する試験化合物を、拮抗阻害能力のある候補物質
として選択することができる。一方、試験化合物のみを
上記の本発明のタンパク質発現酵母に接触させ、本発明
のペプチドと同様な酵母の生育を測定することによりア
ゴニストのスクリーニングを行なうこともできる。
【0088】スクリーニング法の一具体例を以下に述べ
る。上記の本発明のタンパク質発現酵母を完全合成培地
の液体培地で終夜培養し、その後、ヒスチジンを除去し
た溶解寒天培地に、2x104cell/mlの濃度に
なるように加える。ついで、9x9cmの角形シャーレ
に播く。寒天が固化した後、本発明のペプチドまたは本
発明のペプチドおよび試験化合物をしみこませた滅菌濾
紙を寒天表面におき、30℃で3日間培養する。試験化
合物の影響は、濾紙の周囲の酵母の生育を、本発明のペ
プチドのみをしみこませた滅菌濾紙を用いた場合と比較
する。また、あらかじめ、ヒスチジンを除去した寒天培
地に本発明のペプチドを添加しておき、滅菌濾紙に試験
化合物のみをしみこませて酵母を培養し、シャーレ全面
での酵母の生育が濾紙の周囲で影響を受けることを観察
してもよい。酵母の生育を抑制する化合物を拮抗阻害能
力のある候補物質として選択することができる。
【0089】〔12〕本発明のタンパク質遺伝子RNA
をアフリカツメガエル卵母細胞に注入し、本発明のペプ
チドによって刺激すると細胞カルシウム濃度が上昇し
て、calcium-activated chloride currentが生じる。こ
れは、膜電位の変化としてとらえることができる(Kイ
オン濃度勾配に変化がある場合も同様)。本発明のペプ
チドによって生じる本発明のタンパク質導入アフリカツ
メガエル卵母細胞における上記反応を利用して、本発明
のペプチドの本発明のタンパク質発現細胞に対する刺激
活性を測定することにより、本発明のペプチドと本発明
のタンパク質との結合性を変化させる化合物をスクリー
ニングすることができる。具体的には、本発明のペプチ
ドを、本発明のタンパク質遺伝子RNA導入アフリカツ
メガエル卵母細胞に接触させた場合と、本発明のペプチ
ドおよび試験化合物を、本発明のタンパク質遺伝子RN
A導入アフリカツメガエル卵母細胞に接触させた場合に
おける、細胞膜電位の変化を測定し、比較することによ
り、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合性
を変化させる化合物をスクリーニングする。本方法にお
いて、細胞膜電位変化を抑制する試験化合物を、拮抗阻
害能力のある候補物質として選択することができる。一
方、試験化合物のみを本発明のタンパク質遺伝子RNA
導入アフリカツメガエル卵母細胞に接触させ、本発明の
ペプチドと同様な細胞膜電位変化を測定することにより
アゴニストのスクリーニングを行なうこともできる。
【0090】スクリーニング法の一具体例を以下に述べ
る。氷冷して動けなくなった雌のアフリカツメガエルか
ら取り出した、卵母細胞塊を、MBS液(88mM NaCl, 1
mM KCl, 0.41mM CaCl2, 0.33mM Ca(NO3)2, 0.82mMMgS
O4, 2.4mM NaHCO3, 10mM HEPES; pH7.4)に溶かしたコ
ラーゲナーゼ(0.5mg/ml)で卵塊がほぐれるま
で19℃、1〜6時間、150rpmで処理する。外液
をMBS液に置換することで3度洗浄し、マイクロマニ
ピュレーターで本発明のタンパク質遺伝子poly A
付加cRNA(50ng/50nl)を卵母細胞にマイ
クロインジェクションする。本発明のタンパク質遺伝子
mRNAは、組織や細胞から調製してもよく、プラスミ
ドからin vitroで転写してもよい。本発明のタンパク質
遺伝子mRNAをMBS液中で20℃で3日培養し、こ
れをRinger液を流しているvoltage clamp装置のくぼみ
に置き、電位固定用ガラス微小電極および電位測定用ガ
ラス微小電極を細胞内に刺入し、(−)極は細胞外に置
く。電位が安定したら、本発明のペプチドまたは本発明
のペプチドおよび試験化合物を含むRinger液を流して電
位変化を記録する。試験化合物の影響は、本発明のタン
パク質遺伝子RNA導入アフリカツメガエル卵母細胞の
細胞膜電位変化を、本発明のペプチドのみ含むRinger液
を流した場合と比較することによって測定することがで
きる。細胞膜電位変化を抑制する化合物を拮抗阻害能力
のある候補物質として選択することができる。上記の系
において、電位の変化量を増大させると、測定しやすく
なるため、各種のGタンパク質遺伝子のpoly A付
加RNAを導入してもよい。また、カルシウム存在下で
発光を生じるようなタンパク質(例、aequorinなど)の
遺伝子のpoly A付加RNAを共インジェクション
することにより、膜電位変化ではなく発光量を測定する
こともできる。
【0091】本発明のペプチドと本発明のタンパク質と
の結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニ
ング用キットは、本発明のタンパク質、本発明のタンパ
ク質を含有する細胞、あるいは本発明のタンパク質を含
有する細胞の膜画分、および本発明のペプチドを含有す
るものである。本発明のスクリーニング用キットの例と
しては、次のものがあげられる。 1.スクリーニング用試薬 (i)測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 (ii)本発明のタンパク質の標品 本発明のタンパク質を発現させたCHO細胞を、12穴
プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%C
2、95%airで2日間培養したもの。 (iii)標識リガンド 〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識し
た本発明のペプチド。適当な溶媒または緩衝液に溶解し
たものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用時に測定
用緩衝液にて1μMに希釈する。 (iv)リガンド標準液 本発明のペプチドを0.1%ウシ血清アルブミン(シグ
マ社製)を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−
20℃で保存する。 2.測定法 (i)12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の
タンパク質を発現させた細胞を、測定用緩衝液1mlで
2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加
える。 (ii)10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加
えた後、標識した本発明のペプチドを5μl加え、室温
にて1時間反応させる。非特異的結合量を知るためには
試験化合物のかわりに10-3Mの本発明のペプチドを5
μl加えておく。 (iii)反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回
洗浄する。細胞に結合した標識した本発明のペプチドを
0.2N NaOH−1%SDSで溶解し、4mlの液
体シンチレーターA(和光純薬製)と混合する。 (iv)液体シンチレーションカウンター(ベックマン社
製)を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Bind
ing(PMB)を次の式〔数1〕で求める。
【数1】PMB=[(B−NSB)/(B0−NS
B)]×100 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0092】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合を
変化させる(結合を阻害または促進する)化合物であ
り、具体的には本発明のタンパク質を介して細胞刺激活
性を有する化合物またはその塩(いわゆる本発明のタン
パク質のアゴニスト(ZAQアゴニスト))、または該
刺激活性を有しない化合物(いわゆる本発明のタンパク
質のアンタゴニスト(ZAQアンタゴニスト))であ
る。該化合物としては、ペプチド、タンパク、非ペプチ
ド性化合物、合成化合物、発酵生産物などがあげられ、
これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の
化合物であってもよい。上記本発明のタンパク質のアゴ
ニストであるかアンタゴニストであるかの具体的な評価
方法は以下の(A)または(B)に従えばよい。 (A)前記のスクリーニング方法で示されるバインディ
ング・アッセイを行い、本発明のペプチドと本発明のタ
ンパク質との結合性を変化させる(特に、結合を阻害す
る)化合物を得た後、該化合物が上記した本発明のタン
パク質を介する細胞刺激活性を有しているか否かを測定
する。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩は本発
明のタンパク質のアゴニストであり、該活性を有しない
化合物またはその塩は本発明のタンパク質のアンタゴニ
ストである。 (B)(a)試験化合物を本発明のタンパク質を含有する
細胞に接触させ、上記本発明のタンパク質を介した細胞
刺激活性を測定する。細胞刺激活性を有する化合物また
はその塩は本発明のタンパク質のアゴニストである。 (b) 本発明のタンパク質を活性化する化合物(例えば、
本発明のペプチドまたは本発明のタンパク質のアゴニス
トなど)を本発明のタンパク質を含有する細胞に接触さ
せた場合と、本発明のタンパク質を活性化する化合物お
よび試験化合物を本発明のタンパク質を含有する細胞に
接触させた場合における、本発明のタンパク質を介した
細胞刺激活性を測定し、比較する。本発明のタンパク質
を活性化する化合物による細胞刺激活性を減少させ得る
化合物またはその塩は本発明のタンパク質のアンタゴニ
ストである。該本発明のタンパク質のアゴニストは、本
発明のタンパク質に対する本発明のペプチドが有する生
理活性と同様の作用を有しているので、本発明のペプチ
ドと同様に安全で低毒性な医薬として有用である。逆
に、本発明のタンパク質アンタゴニストは、 本発明の
タンパク質に対する本発明のペプチドが有する生理活性
を抑制することができるので、該レセプター活性を抑制
する安全で低毒性な医薬として有用である。
【0093】上述のように、本発明のペプチドは腸管の
収縮などを制御する活性などを有することから、例え
ば、消化器疾患(例、腸炎、下痢、便秘、吸収不良性症
候群など)、中枢神経疾患(例、アルツハイマー病、パ
ーキンソン症候群、精神分裂病など)など、好ましくは
消化器疾患などの疾病の治療・予防剤等の医薬として使
用することができるため、上記のスクリーニング方法ま
たはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物の
うち、本発明のタンパク質のアゴニスト(ZAQアゴニ
スト)は、例えば、消化器疾患(例、腸炎、下痢、便
秘、吸収不良性症候群など)、中枢神経疾患(例、アル
ツハイマー病、パーキンソン症候群、精神分裂病など)
など、好ましくは消化器疾患などの疾病の治療・予防剤
などとして用いることができる。また、本発明のタンパ
ク質のアンタゴニスト(ZAQアンタゴニスト)は、例
えば、消化器疾患(例、腸炎、下痢、便秘、吸収不良性
症候群など)、中枢神経疾患(例、アルツハイマー病、
パーキンソン症候群、精神分裂病など)など、好ましく
は消化器疾患などの疾病の治療・予防剤などとして用い
ることができる。上記のスクリーニング方法またはスク
リーニング用キットを用いて得られる化合物の塩として
は、例えば、薬学的に許容可能な塩などが用いられる。
例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との
塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩な
どがあげられる。無機塩基との塩の好適な例としては、
例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属
塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類
金属塩、ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩など
があげられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例
えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、
ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシ
ルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベン
ジルエチレンジアミンなどとの塩などがあげられる。無
機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素
酸、硫酸、リン酸などとの塩があげられる。有機酸との
塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン
酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン
酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、安息香酸などとの塩があげられる。塩基性
アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニ
ン、リジン、オルチニンなどとの塩があげられ、酸性ア
ミノ酸との好適な例としては、例えばアスパラギン酸、
グルタミン酸などとの塩があげられる。本発明のスクリ
ーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得
られる化合物またはその塩を上述の医薬として使用する
場合、上記の本発明のペプチドを医薬として実施する場
合と同様にして実施することができる。
【0094】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の医薬として使用する場合、常套手段に従って実
施することができる。例えば、必要に応じて糖衣や腸溶
性被膜を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイ
クロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしく
はそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、ま
たは懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用でき
る。例えば、該化合物またはその塩を生理学的に認めら
れる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定
剤、結合剤などとともに一般に認められた単位用量形態
で混和することによって製造することができる。これら
製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量
が得られるようにするものである。錠剤、カプセル剤な
どに混和することができる添加剤としては、例えばゼラ
チン、コーンスターチ、トラガントガム、アラビアゴム
のような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コ
ーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化
剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ
糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミン
ト、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用
いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前
記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有す
ることができる。注射のための無菌組成物は注射用水の
ようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのよ
うな天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの
通常の製剤実施にしたがって処方することができる。注
射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖
やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビト
ール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが
あげられ、適当な溶解補助剤、たとえばアルコール(た
とえばエタノール)、ポリアルコール(たとえばプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン
性界面活性剤(たとえばポリソルベート80TM、HCO
−50)などと併用してもよい。油性液としてはゴマ
油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸
ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウ
ム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通
常、適当なアンプルに充填される。
【0095】このようにして得られる製剤は安全で低毒
性であるので、例えば哺乳動物(例えば、ヒト、マウ
ス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウ
シ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投
与することができる。本発明のスクリーニング方法また
はスクリーニング用キットを用いて得られる化合物また
はその塩の投与量は、症状などにより差異はあるが、経
口投与の場合、一般的に成人(体重60kgとして)に
おいては、一日につき約0.1から1000mg、好ま
しくは約1.0から300mg、より好ましくは約3.
0から50mgである。非経口的に投与する場合は、そ
の1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法な
どによっても異なるが、たとえば注射剤の形では成人の
消化器疾患患者(体重60kgとして)への投与におい
ては、ZAQアンタゴニストを一日につき約0.01か
ら30mg程度、好ましくは約0.1から20mg程
度、より好ましくは約0.1から10mg程度を静脈注
射により投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60kg当たりに換算した量を投与することができ
る。
【0096】(3)本発明のペプチドまたはその塩の定
量 本発明の抗体は、本発明のペプチドを特異的に認識する
ことができるので、被検液中の本発明のペプチドの定
量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量等に使用す
ることができる。すなわち、本発明は、(i)本発明の
抗体と、被検液および標識化された本発明のペプチドと
を競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された本
発明のペプチドの割合を測定することを特徴とする被検
液中の本発明のペプチドの定量法、および(ii)被検液
と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された
本発明の別の抗体とを同時あるいは連続的に反応させた
のち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特
徴とする被検液中の本発明のペプチドの定量法を提供す
る。
【0097】また、本発明のペプチドに対するモノクロ
ーナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と称す
る場合がある)を用いて本発明のペプチドの定量を行な
えるほか、組織染色等による検出を行なうこともでき
る。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよ
く、また、抗体分子のF(ab')2 、Fab'、あるいは
Fab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用いる本発
明のペプチドの定量法は、 特に制限されるべきもので
はなく、被測定液中の抗原量(例えば、本発明のペプチ
ド量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体
の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既
知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より
算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよ
い。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリッ
ク法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感
度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるの
が特に好ましい。標識物質を用いる測定法に用いられる
標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光
物質、発光物質等が用いられる。放射性同位元素として
は、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、
14C〕等が用いられる。上記酵素としては、安定で比
活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシ
ダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファター
ゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素等が用いら
れる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、
フルオレッセンイソチオシアネート等が用いられる。発
光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導
体、ルシフェリン、ルシゲニン等が用いられる。さら
に、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−ア
ビジン系を用いることもできる。
【0098】抗原あるいは抗体の不溶化にあたっては、
物理吸着を用いてもよく、また通常ペプチドあるいは酵
素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用
いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキス
トラン、セルロース等の不溶性多糖類、ポリスチレン、
ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいは
ガラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては不溶
化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応させ
(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノクロ
ーナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体
上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の本発
明のペプチド量を定量することができる。1次反応と2
次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なっても
よいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および
不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。ま
た、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用
抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1
種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的
で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本発明の
サンドイッチ法による本発明のペプチドの測定法におい
ては、1次反応と2次反応に用いられる本発明のモノク
ローナル抗体は、本発明のペプチドの結合する部位が相
異なる抗体が好ましく用いられる。すなわち、1次反応
および2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応
で用いられる抗体が、本発明のペプチドのC端部を認識
する場合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC
端部以外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。
【0099】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリー等に用いることができ
る。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に
対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、前記抗体に対する第2抗体等を用いる液相法、およ
び、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは
溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量
を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈
降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用する
レーザーネフロメトリー等が好適に用いられる。
【0100】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のペプチドの測定系を構築すればよい。これらの一般
的な技術手段の詳細については、総説、成書等を参照す
ることができる。例えば、入江 寛編「ラジオイムノア
ッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続
ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、
石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53
年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)
(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免
疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、
「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochemical Tec
hniques(Part A))、同書 Vol. 73(ImmunochemicalTechn
iques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techn
iques(Part C))、同書 Vol. 84(Immunochemical Techni
ques(Part D:Selected Immunoassays))、同書 Vol. 92
(Immunochemical Techniques(Part E:Monoclonal Antib
odies andGeneral Immunoassay Methods))、 同書 Vol.
121(Immunochemical Techniques(Part I:Hybridoma Te
chnology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデ
ミックプレス社発行)等を参照することができる。以上
のようにして、本発明の抗体を用いることによって、本
発明のペプチドを感度良く定量することができる。さら
には、本発明の抗体を用いて本発明のペプチドの濃度を
定量することによって、(1)本発明のペプチドの濃度
の増多が検出された場合、例えば、消化器疾患(例、腸
炎、下痢、便秘、吸収不良性症候群など)、中枢神経疾
患(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候群、精神
分裂病など)など、好ましくは消化器疾患などに罹患し
ている、または将来罹患する可能性が高いと診断するこ
とができる。また、(2)本発明のペプチドの濃度の減
少が検出された場合、例えば、消化器疾患(例、腸炎、
下痢、便秘、吸収不良性症候群など)、中枢神経疾患
(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候群、精神分
裂病など)など、好ましくは消化器疾患などに罹患して
いる、または将来罹患する可能性が高いと診断すること
ができる。また、本発明の抗体は、体液や組織等の被検
体中に存在する本発明のペプチドを検出するために使用
することができる。また、本発明のペプチドを精製する
ために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の
本発明のペプチドの検出、被検細胞内における本発明の
ペプチドの挙動の分析等のために使用することができ
る。
【0101】(4)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ウマ、ネコ、イヌ、サル等)における本発明のペプチド
をコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異
常)を検出することができるので、例えば、該DNAま
たはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該
DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多等の遺伝
子診断剤として有用である。本発明のDNAを用いる上
記の遺伝子診断は、例えば、公知のノーザンハイブリダ
イゼーションやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Ge
nomics),第5巻,874〜879頁(1989年)、
プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー
・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Procee
dings of theNational Academy of Sciences of the Un
ited States of America),第86巻,2766〜27
70頁(1989年))、 DNAマイクロアレイ等に
より実施することができる。例えば、ノーザンハイブリ
ダイゼーションやDNAマイクロアレイにより発現低下
が検出された場合やPCR−SSCP法やDNAマイク
ロアレイによりDNAの突然変異が検出された場合は、
例えば、消化器疾患(例、腸炎、下痢、便秘、吸収不良
性症候群など)、中枢神経疾患(例、アルツハイマー
病、パーキンソン症候群、精神分裂病など)など、好ま
しくは消化器疾患などに罹患している可能性が高いと診
断することができる。 (5)アンチセンスDNAを含有する医薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができるアンチセンスDNAは、生体内にお
ける本発明のペプチドまたは本発明のDNAの機能を抑
制することができるので、例えば、本発明のペプチドの
発現過多に起因する疾患(例えば、消化器疾患(例、腸
炎、下痢、便秘、吸収不良性症候群など)、中枢神経疾
患(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候群、精神
分裂病など)など、好ましくは消化器疾患など)の治療
・予防剤として使用することができる。上記アンチセン
スDNAを上記の治療・予防剤として、前記した本発明
のDNAを含有する各種疾病の治療・予防剤と同様に使
用することができる。例えば、該アンチセンスDNAを
単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルス
ベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベ
クター等の適当なベクターに挿入した後、常套手段に従
って投与することができる。該アンチセンスDNAは、
そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤等の生理
学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハ
イドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与
できる。さらに、該アンチセンスDNAは、組織や細胞
における本発明のDNAの存在やその発現状況を調べる
ための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用す
ることもできる。さらに、本発明は、(i)本発明のペ
プチドをコードするRNAの一部を含有する二重鎖RN
A、(ii)前記二重鎖RNAを含有してなる医薬、(ii
i)本発明のペプチドをコードするRNAの一部を含有
するリボザイム、(iv)前記リボザイムを含有してなる
医薬も提供する。上記アンチセンスヌクレオチドと同様
に、二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)、リボ
ザイムなども、本発明のペプチドをコードするポリヌク
レオチド(例、DNA)の発現を抑制することができ、
生体内における本発明のペプチドまたはDNAの機能抑
制することができるので、例えば消化器疾患(例、腸
炎、下痢、便秘、吸収不良性症候群など)、中枢神経疾
患(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候群、精神
分裂病など)など、好ましくは消化器疾患などの予防・
治療剤などとして使用することができる。二重鎖RNA
は、公知の方法(例、Nature, 411巻, 494頁, 2001年)
に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計
して製造することができる。リボザイムは、公知の方法
(例、TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221頁, 20
01年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基
に設計して製造することができる。例えば、本発明のペ
プチドをコードするRNAの一部に公知のリボザイムを
連結することによって製造することができる。本発明の
ペプチドをコードするRNAの一部としては、公知のリ
ボザイムによって切断され得る本発明のRNA上の切断
部位に近接した部分(RNA断片)が挙げられる。上記
の二重鎖RNAまたはリボザイムを上記予防・治療剤と
して使用する場合、アンチセンスポリヌクレオチドと同
様にして製剤化し、投与することができる。
【0102】(6)本発明の抗体を含有する医薬および
診断薬 本発明のペプチドの活性を中和する作用を有する本発明
の抗体は、例えば、本発明のペプチドの発現過多に起因
する疾患(例えば、消化器疾患(例、腸炎、下痢、便
秘、吸収不良性症候群など)、中枢神経疾患(例、アル
ツハイマー病、パーキンソン症候群、精神分裂病など)
など、好ましくは消化器疾患など)の治療・予防剤等の
医薬として、あるいは本発明のペプチドの発現過多に起
因する疾患(例えば、消化器疾患(例、腸炎、下痢、便
秘、吸収不良性症候群など))の診断薬として使用する
ことができる。本発明の抗体を含有する上記疾患の治療
・予防剤は、そのまま液剤として、または適当な剤型の
医薬組成物として、ヒトまたは非ヒト哺乳動物(例、ラ
ット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル
等)に対して経口的または非経口的に投与することがで
きる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルー
ト等によっても異なるが、例えば、消化器疾患治療の目
的で本発明の抗体を1回量として、通常0.01〜20
mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜10mg/k
g体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体
重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回
程度、静脈注射により投与するのが好都合である。他の
非経口投与および経口投与の場合もこれに準ずる量を投
与することができる。症状が特に重い場合には、その症
状に応じて増量してもよい。本発明の抗体は、それ自体
または適当な医薬組成物として投与することができる。
上記投与に用いられる医薬組成物は、上記またはその塩
と薬理学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤
とを含むものである。かかる組成物は、経口または非経
口投与に適する剤形として提供される。すなわち、例え
ば、経口投与のための組成物としては、固体または液体
の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティン
グ錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフ
トカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が
あげられる。かかる組成物は公知の方法によって製造さ
れ、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤もし
くは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担
体、賦形剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリ
ン酸マグネシウム等が用いられる。
【0103】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤等が用いられ、注射剤は静脈注射剤、
皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤等の
剤形を包含する。かかる注射剤は、公知の方法に従っ
て、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射剤に用い
られる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁または乳
化することによって調製する。注射用の水性液として
は、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を
含む等張液等が用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、
アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非
イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HCO−
50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogenat
ed castor oil)〕等と併用してもよい。油性液として
は、例えば、ゴマ油、大豆油等が用いられ、溶解補助剤
として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等を併用
してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプ
ルに充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、上記抗
体またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによ
って調製される。上記の経口用または非経口用医薬組成
物は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤
形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の
剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アン
プル)、坐剤等が例示され、それぞれの投薬単位剤形当
たり通常5〜500mg程度、とりわけ注射剤では5〜
100mg程度、その他の剤形では10〜250mg程
度の上記抗体が含有されていることが好ましい。なお前
記した各組成物は、上記抗体との配合により好ましくな
い相互作用を生じない限り他の活性成分を含有してもよ
い。
【0104】(7)本発明のDNAを有する非ヒト動物
の作出 本発明のDNAを用いて、本発明のタンパク質等を発現
するトランスジェニック非ヒト動物を作製することがで
きる。非ヒト動物としては、哺乳動物(例えば、ラッ
ト、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)など(以下、動物と略記する)が挙げら
れるが、特に、マウス、ウサギなどが好適である。本発
明のDNAを対象動物に導入させるにあたっては、該D
NAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結
合した遺伝子コンストラクトとして用いるのが一般に有
利である。例えば、ウサギ由来の本発明のDNAを導入
させる場合、これと相同性が高い動物由来の本発明のD
NAを動物細胞で発現させうる各種プロモーターの下流
に結合した遺伝子コンストラクトを、例えば、ウサギ受
精卵へマイクロインジェクションすることによって本発
明のタンパク質等を高産生するDNA導入動物を作出で
きる。このプロモーターとしては、例えば、ウイルス由
来プロモーター、メタロチオネイン等のユビキアスな発
現プロモーターも使用しうるが、好ましくは脳で特異的
に発現するNGF遺伝子プロモーターやエノラーゼ遺伝
子プロモーターなどが用いられる。
【0105】受精卵細胞段階における本発明のDNAの
導入は、対象動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在
するように確保される。DNA導入後の作出動物の胚芽
細胞において本発明のタンパク質等が存在することは、
作出動物の子孫が全てその胚芽細胞及び体細胞の全てに
本発明のタンパク質等を有することを意味する。遺伝子
を受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および
体細胞の全てに本発明のタンパク質等を有する。本発明
のDNA導入動物は、交配により遺伝子を安定に保持す
ることを確認して、該DNA保有動物として通常の飼育
環境で飼育継代を行うことができる。さらに、目的DN
Aを保有する雌雄の動物を交配することにより、導入遺
伝子を相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取
得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子
孫が該DNAを有するように繁殖継代することができ
る。本発明のDNAが導入された動物は、本発明のタン
パク質等が高発現させられているので、本発明のタンパ
ク質等に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスク
リーニング用の動物などとして有用である。本発明のD
NA導入動物を、組織培養のための細胞源として使用す
ることもできる。例えば、本発明のDNA導入マウスの
組織中のDNAもしくはRNAを直接分析するか、ある
いは遺伝子により発現された本発明のタンパク質が存在
する組織を分析することにより、本発明のタンパク質等
について分析することができる。本発明のタンパク質等
を有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、
これらを使用して、例えば、脳や末梢組織由来のような
一般に培養困難な組織からの細胞の機能を研究すること
ができる。また、その細胞を用いることにより、例え
ば、各種組織の機能を高めるような医薬の選択も可能で
ある。また、高発現細胞株があれば、そこから、本発明
のタンパク質等を単離精製することも可能である。
【0106】(8)ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、 1)本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚
幹細胞、 2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ
−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活
性化された上記1)記載の胚幹細胞、 3)ネオマイシン耐性である上記1)記載の胚幹細胞、 4)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である上記1)記載の
胚幹細胞、 5)ゲッ歯動物がマウスである上記4)記載の胚幹細
胞、 6)本発明のDNAが不活性化された該DNA発現不全
非ヒト哺乳動物、 7)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ
−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活
性化され、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対す
るプロモーターの制御下で発現しうる上記6)記載の非
ヒト哺乳動物、 8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である上記6)記載の
非ヒト哺乳動物、 9)ゲッ歯動物がマウスである上記8)記載の非ヒト哺
乳動物、および 10)上記7)記載の動物に、試験化合物を投与し、レ
ポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発
明のDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害
する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供す
る。本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚
幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNA
に人為的に変異を加えることにより、DNAの発現能を
抑制するか、あるいは該DNAがコードしている本発明
のペプチドの活性を実質的に喪失させることにより、D
NAが実質的に本発明のタンパク質の発現能を有さない
(以下、本発明のノックアウトDNAと称することがあ
る)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES細胞と略記
する)をいう。非ヒト哺乳動物としては、前記と同様の
ものが用いられる。
【0107】本発明のDNAに人為的に変異を加える方
法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該DNA
配列の一部又は全部の削除、他DNAを挿入または置換
させることによって行なうことができる。これらの変異
により、例えば、コドンの読み取り枠をずらしたり、プ
ロモーターあるいはエキソンの機能を破壊することによ
り本発明のノックアウトDNAを作製すればよい。本発
明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞
(以下、本発明のDNA不活性化ES細胞または本発明
のノックアウトES細胞と略記する)の具体例として
は、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明
のDNAを単離し、そのエキソン部分にネオマイシン耐
性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を代表とする薬
剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガラクトシダー
ゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコールアセチルト
ランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレポーター遺伝
子等を挿入することによりエキソンの機能を破壊する
か、あるいはエキソン間のイントロン部分に遺伝子の転
写を終結させるDNA配列(例えば、polyA付加シ
グナルなど)を挿入し、完全なメッセンジャーRNAを
合成できなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊
するように構築したDNA配列を有するDNA鎖(以
下、ターゲッティングベクターと略記する)を、例えば
相同組換え法により該動物の染色体に導入し、得られた
ES細胞について本発明のDNA上あるいはその近傍の
DNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーシ
ョン解析あるいはターゲッティングベクター上のDNA
配列とターゲッティングベクター作製に使用した本発明
のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとし
たPCR法により解析し、本発明のノックアウトES細
胞を選別することにより得ることができる。
【0108】また、相同組換え法等により本発明のDN
Aを不活化させる元のES細胞としては、例えば、前述
のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知
EvansとKaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでも
よい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般的
には129系のES細胞が使用されているが、免疫学的
背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で免
疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するなど
の目的で例えば、C57BL/6マウスやC57BL/
6の採卵数の少なさをDBA/2との交雑により改善し
たBDF1マウス(C57BL/6とDBA/2との
1)を用いて樹立したものなども良好に用いうる。B
DF1マウスは、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫である
という利点に加えて、C57BL/6マウスを背景に持
つので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマ
ウスを作出したとき、C57BL/6マウスとバックク
ロスすることでその遺伝的背景をC57BL/6マウス
に代えることが可能である点で有利に用い得る。また、
ES細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の
胚盤胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚
盤胞まで培養して用いることにより効率よく多数の初期
胚を取得することができる。また、雌雄いずれのES細
胞を用いてもよいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列
キメラを作出するのに都合が良い。また、煩雑な培養の
手間を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行
なうことが望ましい。ES細胞の雌雄の判定方法として
は、例えば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の
遺伝子を増幅、検出する方法が、その1例としてあげる
ことができる。この方法を使用すれば、従来、核型分析
をするのに約106個の細胞数を要していたのに対し
て、1コロニー程度のES細胞数(約50個)で済むの
で、培養初期におけるES細胞の第一次セレクションを
雌雄の判別で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の
選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削
減できる。
【0109】また、第二次セレクションとしては、例え
ば、G−バンディング法による染色体数の確認等により
行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常
数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の
関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウト
した後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n
=40である細胞)に再びクローニングすることが望ま
しい。このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その
増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすい
ので、注意深く継代培養することが必要である。例え
ば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上
でLIF(1−10000U/ml)存在下に炭酸ガス
培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気また
は5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で
培養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、ト
リプシン/EDTA溶液(通常0.001−0.5%トリ
プシン/0.1−5mM EDTA、好ましくは約0.1
%トリプシン/1mM EDTA)処理により単細胞化
し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法な
どがとられる。このような継代は、通常1−3日毎に行
なうが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細
胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが
望まれる。ES細胞は、適当な条件により、高密度に至
るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで
浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋などの
種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり〔M.
J. Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Nature)第
292巻、154頁、1981年;G. R. Martin プロシーディン
グス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)
第78巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschmanら、ジャー
ナル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクスペリメ
ンタル・モルフォロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本
発明のES細胞を分化させて得られる本発明のDNA発
現不全細胞は、インビトロにおける本発明のペプチドの
細胞生物学的検討において有用である。本発明のDNA
発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA量を公知
方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較するこ
とにより、正常動物と区別することが可能である。該非
ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられ
る。
【0110】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティン
グベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入
し、導入によりターゲッティングベクターの本発明のD
NAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えに
より、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の
本発明のDNAと入れ換わる相同組換えをさせることに
より、本発明のDNAをノックアウトさせることができ
る。本発明のDNAがノックアウトされた細胞は、本発
明のDNA上またはその近傍のDNA配列をプローブと
したサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッ
ティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティング
ベクターに使用したマウス由来の本発明のDNA以外の
近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法に
よる解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹
細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、本発明
のDNAが不活性化された細胞株をクローニングし、そ
の細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動
物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠
させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された
動物は正常な本発明のDNA座をもつ細胞と人為的に変
異した本発明のDNA座をもつ細胞との両者から構成さ
れるキメラ動物である。該キメラ動物の生殖細胞の一部
が変異した本発明のDNA座をもつ場合、このようなキ
メラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体
群より、全ての組織が人為的に変異を加えた本発明のD
NA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コート
カラーの判定等により選別することにより得られる。こ
のようにして得られた個体は、通常、本発明のペプチド
のヘテロ発現不全個体であり、本発明のペプチドのヘテ
ロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本発明
のペプチドのホモ発現不全個体を得ることができる。卵
細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマイクロ
インジェクション法でDNA溶液を注入することにより
ターゲッティングベクターを染色体内に導入したトラン
スジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、これら
のトランスジェニック非ヒト哺乳動物に比べて、遺伝子
相同組換えにより本発明のDNA座に変異のあるものを
選択することにより得られる。このようにして本発明の
DNAがノックアウトされている個体は、交配により得
られた動物個体も該DNAがノックアウトされているこ
とを確認して通常の飼育環境で飼育継代を行なうことが
できる。さらに、生殖系列の取得および保持についても
常法に従えばよい。すなわち、該不活化DNAの保有す
る雌雄の動物を交配することにより、該不活化DNAを
相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得しう
る。得られたホモザイゴート動物は、母親動物に対し
て、正常個体1,ホモザイゴート複数になるような状態
で飼育することにより効率的に得ることができる。ヘテ
ロザイゴート動物の雌雄を交配することにより、該不活
化DNAを有するホモザイゴートおよびヘテロザイゴー
ト動物を繁殖継代する。本発明のDNAが不活性化され
た非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明のDNA発現不全
非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に有用である。ま
た、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明
のペプチドにより誘導され得る種々の生物活性を欠失す
るため、本発明のペプチドの生物活性の不活性化を原因
とする疾病のモデルとなり得るので、これらの疾病の原
因究明及び治療法の検討に有用である。
【0111】(7a)本発明のDNAの欠損や損傷など
に起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物
のスクリーニング方法 本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のD
NAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予
防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることが
できる。すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全
非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を
観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠
損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を
有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供
する。該スクリーニング方法において用いられる本発明
のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様
のものがあげられる。試験化合物としては、例えば、ペ
プチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、
発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出
液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合物
であってもよいし、公知の化合物であってもよい。具体
的には、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、試
験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物
の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として試
験化合物の治療・予防効果を試験することができる。試
験動物を試験化合物で処理する方法としては、例えば、
経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、
試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することがで
きる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化
合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
【0112】例えば、消化器疾患(例えば腸炎、下痢、
便秘、吸収不良性症候群など)、中枢神経疾患(例、ア
ルツハイマー病、パーキンソン症候群、精神分裂病な
ど)など、好ましくは消化器疾患に対して予防・治療効
果を有する化合物をスクリーニングする場合、本発明の
DNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、
該動物の拘束ストレスに対する排便量変化を経時的に測
定する。該スクリーニング方法を用いて得られる化合物
は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、本
発明のペプチドの欠損や損傷などによって引き起こされ
る疾患に対して予防・治療効果を有するので、該疾患に
対する安全で低毒性な予防・治療剤などの医薬として使
用することができる。さらに、上記スクリーニングで得
られた化合物から誘導される化合物も同様に用いること
ができる。
【0113】該スクリーニング方法で得られた化合物は
塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理
学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸など)や塩基
(例、アルカリ金属など)などとの塩が用いられ、とり
わけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様
な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン
酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸
(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレ
イン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚
酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸
など)との塩などが用いられる。該スクリーニング方法
で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記
した本発明のペプチドを含有する医薬と同様にして製造
することができる。このようにして得られる製剤は、安
全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは非ヒト哺乳
動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、
ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に
対して投与することができる。該化合物またはその塩の
投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより
差異はあるが、例えば、該化合物を経口投与する場合、
一般的に成人(体重60kgとして)の消化器疾患の患
者においては、一日につき該化合物を約0.1〜100
mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは
約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などに
よっても異なるが、例えば、該化合物を注射剤の形で通
常成人(60kgとして)の消化器疾患の患者に投与す
る場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0114】(7b)本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進または阻害する化合物のスクリーニン
グ方法 本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、
試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出す
ることを特徴とする本発明のDNAに対するプロモータ
ーの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。上記スクリーニング方法
において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物とし
ては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入す
ることにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発
明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる
ものが用いられる。試験化合物としては、前記と同様の
ものがあげられる。レポーター遺伝子としては、前記と
同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子
またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。
【0115】本発明のDNAをレポーター遺伝子で置換
された本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物では、レ
ポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーター
の支配下に存在するので、レポーター遺伝子がコードす
る物質の発現をトレースすることにより、プロモーター
の活性を検出することができる。例えば、本発明のペプ
チドをコードするDNA領域の一部を大腸菌由来のβ−
ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)で置換している場
合、本来、本発明のペプチドの発現する組織で、本発明
のペプチドの代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現す
る。従って、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−イ
ンドリル−β−ガラクトピラノシド(X−gal)のよ
うなβ−ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染
色することにより、簡便に本発明のペプチドの動物生体
内における発現状態を観察することができる。具体的に
は、本発明のペプチド欠損マウスまたはその組織切片を
グルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩
液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室
温または37℃付近で、約30分ないし1時間反応させ
た後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄
することによって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止さ
せ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、lac
ZをコードするmRNAを検出してもよい。上記スクリ
ーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、
上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明
のDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害す
る化合物である。
【0116】該スクリーニング方法で得られた化合物は
塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理
学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有
機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に
許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、
例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、
硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ
酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、
酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタン
スルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用
いられる。本発明のDNAに対するプロモーター活性を
促進する化合物またはその塩は、本発明のペプチドの発
現を促進し、該タンパク質の機能を促進することができ
るので、例えば、消化器疾患(例えば腸炎、下痢、便
秘、吸収不良性症候群など)、中枢神経疾患(例、アル
ツハイマー病、パーキンソン症候群、精神分裂病など)
など、好ましくは消化器疾患などの予防・治療剤などの
医薬として有用である。
【0117】また、本発明のDNAに対するプロモータ
ー活性を阻害する化合物またはその塩は、本発明のペプ
チドの発現を阻害し、該タンパク質の機能を阻害するこ
とができるので、例えば消化器疾患(例えば腸炎、下
痢、便秘、吸収不良性症候群など)、中枢神経疾患
(例、アルツハイマー病、パーキンソン症候群、精神分
裂病など)など、好ましくは消化器疾患などの予防・治
療剤などの医薬として有用である。さらに、上記スクリ
ーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様
に用いることができる。該スクリーニング方法で得られ
た化合物またはその塩を含有する医薬は、前記した本発
明のペプチドを含有する医薬と同様にして製造すること
ができる。このようにして得られる製剤は、安全で低毒
性であるので、例えば、ヒトまたは非ヒト哺乳動物(例
えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、
ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投
与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異は
あるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター
活性を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に成
人(体重60kgとして)の消化器疾患患者において
は、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ま
しくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜
20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合
物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異
なるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター
活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60k
gとして)の消化器疾患の患者に投与する場合、一日に
つき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは
約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜1
0mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を
投与することができる。
【0118】一方、例えば、本発明のDNAに対するプ
ロモーター活性を阻害する化合物を経口投与する場合、
一般的に成人(体重60kgとして)の消化器疾患の患
者においては、一日につき該化合物を約0.1〜100
mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは
約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などに
よっても異なるが、例えば、本発明のDNAに対するプ
ロモーター活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成
人(60kgとして)の消化器疾患の患者に投与する場
合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、
好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算
した量を投与することができる。このように、本発明の
DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAに対
するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物ま
たはその塩をスクリーニングする上で極めて有用であ
り、本発明のDNA発現不全に起因する各種疾患の原因
究明または予防・治療薬の開発に大きく貢献することが
できる。また、本発明のDNAのプロモーター領域を含
有するDNAを使って、その下流に種々のタンパクをコ
ードする遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞に注入し
ていわゆるトランスジェニック動物(遺伝子移入動物)
を作成すれば、特異的にそのポリペプチドを合成させ、
その生体での作用を検討することも可能となる。さらに
上記プロモーター部分に適当なレポーター遺伝子を結合
させ、これが発現するような細胞株を樹立すれば、本発
明のペプチドそのものの体内での産生能力を特異的に促
進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系と
して使用できる。
【0119】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Y :チミンまたはシトシン N :チミン、シトシン、アデニンまたはグアニン R :アデニンまたはグアニン M :シトシンまたはアデニン W :チミンまたはアデニン S :シトシンまたはグアニン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニルアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Xaa :未同定アミノ酸残基
【0120】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬等を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 Ac :アセチル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Bom :ベンジルオキシメチル Bzl :ベンジル Z :ベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロルベンジルオキシカルボニル Cl2Bzl :2,6−ジクロロベンジル Boc :t−ブチルオキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン PAM :フェニルアセトアミドメチル Tos :p−トルエンスルフォニル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Bum :ターシャリーブトキシメチル Trt :トリチル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル MeBzl :4−メチルベンジル DCC :N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド NMP :N−メチルピロリドン HONB :N−ヒドロキシ−5−ノルボルネンー2,3−ジカルボ キシイミド NMP :N−メチルピロリドン TFA :トリフルオロ酢酸 CHAPS :3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]− 1−プロパンスルホナート PMSF :フェニルメチルスルホニルフルオリド GDP :グアノシン−5'−二リン酸 Fura−2AM :1−[6−アミノ−2−(5−カルボキシ−2−オキサ ゾリル)−5−ベンゾフラニロキシ]−2−(2−アミ ノ−5メチルフェノキシ)−エタン−N,N,N',N' −四酢酸ペンタアセトキシメチルエステル Fluo−3AM :1−[2−アミノ−5−(2,7−ジクロロ−6−ヒド ロキシ−3−オキシ−9−キサンテニル)フェノキシ] −2−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)エタン− N,N,N',N'−四酢酸ペンタアセトキシメチルエス テル HEPES :2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニ ル]エタンスルホン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム BSA :ウシ血清アルブミン HBSS :ハンクス平衡塩液 EIA :エンザイムイムノアッセイ
【0121】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕ヒト脳由来タンパク質ZAQのアミノ
酸配列を示す。 〔配列番号:2〕ヒト脳由来タンパク質ZAQをコード
するDNAの塩基配列を示す(ZAQC)。 〔配列番号:3〕ヒト脳由来タンパク質ZAQをコード
するDNAの塩基配列を示す(ZAQT)。 〔配列番号:4〕後述の実施例3で用いられたプライマ
ー1の塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕後述の実施例3で用いられたプライマ
ー2の塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕ヒト型I5Eレセプタータンパク質を
コードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕後述の実施例3で用いられたプライマ
ーhBv8−F1の塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕後述の実施例3で用いられたプライマ
ーhBv8−R1の塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕後述の実施例3で得られたDNA断片
の塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕後述の実施例3で用いられたプライ
マーhBv8−R2の塩基配列を示す。 〔配列番号:11〕後述の実施例3で得られたヒト型B
v8ペプチドをコードするDNAの5’端塩基配列を示
す。 〔配列番号:12〕後述の実施例3で用いられたプライ
マーhBv8−WFの塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕後述の実施例3で用いられたプライ
マーhBv8−WRの塩基配列を示す。 〔配列番号:14〕後述の実施例3で用いられたプライ
マーhBv8−CFの塩基配列を示す。 〔配列番号:15〕後述の実施例3で用いられたプライ
マーhBv8−SRの塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕後述の実施例3で得られたDNA断
片の塩基配列を示す。 〔配列番号:17〕ヒト型Bv8前駆体ペプチドのアミ
ノ酸配列を示す。 〔配列番号:18〕ヒト型Bv8前駆体ペプチドをコー
ドするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:19〕ヒト型Bv8成熟体ペプチドのアミ
ノ酸配列を示す。 〔配列番号:20〕ヒト型Bv8成熟体ペプチドをコー
ドするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕ヘビ毒MIT1のアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:22〕ヒト型Bv8成熟体ペプチドのC末
端のLys欠損体のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:23〕後述の実施例5で用いられたプライ
マーBF2の塩基配列を示す。 〔配列番号:24〕後述の実施例5で用いられたプライ
マーBR1の塩基配列を示す。 〔配列番号:25〕後述の実施例5で得られたDNA断
片の塩基配列を示す。 〔配列番号:26〕後述の実施例5で用いられたプライ
マーRB5−1の塩基配列を示す。 〔配列番号:27〕後述の実施例5で用いられたプライ
マーRB5−3の塩基配列を示す。 〔配列番号:28〕後述の実施例5で得られたラット型
Bv8をコードするDNAの5’端塩基配列を示す。 〔配列番号:29〕後述の実施例5で用いられたプライ
マーRB3−1の塩基配列を示す。 〔配列番号:30〕後述の実施例5で用いられたプライ
マーRB3−2の塩基配列を示す。
【0122】〔配列番号:31〕後述の実施例5で得ら
れたラット型Bv8をコードするDNAの3’端塩基配
列を示す。 〔配列番号:32〕後述の実施例5で用いられたプライ
マーRBv8−WF1の塩基配列を示す。 〔配列番号:33〕後述の実施例5で用いられたプライ
マーRBv8−WF2の塩基配列を示す。 〔配列番号:34〕後述の実施例5で用いられたプライ
マーRBv8−WR1の塩基配列を示す。 〔配列番号:35〕後述の実施例5で用いられたプライ
マーRBv8−WR2の塩基配列を示す。 〔配列番号:36〕後述の実施例5で得られたDNA断
片の塩基配列を示す。 〔配列番号:37〕ラット型Bv8前駆体ペプチドのア
ミノ酸配列を示す。 〔配列番号:38〕ラット型Bv8前駆体ペプチドをコ
ードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:39〕ラット型Bv8成熟体ペプチドおよ
びマウス型Bv8成熟体ペプチドのアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:40〕ラット型Bv8成熟体ペプチドをコ
ードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:41〕後述の実施例6で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:42〕後述の実施例6で用いられたプライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:43〕新規Gタンパク質共役型レセプター
タンパク質(rZAQ1)をコードするcDNAの塩基
配列を示す。 〔配列番号:44〕新規Gタンパク質共役型レセプター
タンパク質(rZAQ1)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:45〕後述の実施例7で用いられたプロー
ブ1の塩基配列を示す。 〔配列番号:46〕後述の実施例7で用いられたプロー
ブ2の塩基配列を示す。 〔配列番号:47〕後述の実施例7で用いられたプライ
マー1の塩基配列を示す。 〔配列番号:48〕後述の実施例7で用いられたプライ
マー2の塩基配列を示す。 〔配列番号:49〕後述の実施例7で用いられたプライ
マー3の塩基配列を示す。 〔配列番号:50〕新規Gタンパク質共役型レセプター
タンパク質(rZAQ2)をコードするcDNAの塩基
配列を示す。 〔配列番号:51〕新規Gタンパク質共役型レセプター
タンパク質(rZAQ2)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:52〕ヒト型I5Eレセプタータンパク質
のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:53〕マウス由来Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質(GPR73)のアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:54〕マウス由来Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質(mI5E)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:55〕マウス型Bv8前駆体ペプチドのア
ミノ酸配列を示す。 〔配列番号:56〕マウス型Bv8前駆体ペプチドをコ
ードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:57〕マウス型Bv8成熟体ペプチドをコ
ードするDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:58〕後述の実施例1で用いられたプライ
マー3の塩基配列を示す。 〔配列番号:59〕後述の実施例1で用いられたプライ
マー4の塩基配列を示す。 〔配列番号:60〕後述の実施例1で用いられたZAQ
probeの塩基配列を示す。 〔配列番号:61〕後述の実施例1で用いられたプライ
マーZAQC Salの塩基配列を示す。 〔配列番号:62〕後述の実施例4で用いられたプライ
マーZAQC Speの塩基配列を示す。 〔配列番号:63〕マウス由来Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質(GPR73)をコードする塩基配列
を示す。 〔配列番号:64〕マウス由来Gタンパク質共役型レセ
プタータンパク質(mI5E)をコードする塩基配列を
示す。 〔配列番号:65〕参考例1で用いられたDNA断片#
1の塩基配列を示す。 〔配列番号:66〕参考例1で用いられたDNA断片#
2の塩基配列を示す。 〔配列番号:67〕参考例1で用いられたDNA断片#
3の塩基配列を示す。 〔配列番号:68〕参考例1で用いられたDNA断片#
4の塩基配列を示す。 〔配列番号:69〕参考例1で用いられたDNA断片#
5の塩基配列を示す。 〔配列番号:70〕参考例1で用いられたDNA断片#
6の塩基配列を示す。 〔配列番号:71〕配列番号:30で表わされるヒト型
Bv8をコードする合成DNAの塩基配列を示す。
【0123】後述の実施例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli)DH5α/pCR
2.1−ZAQCは、平成11(1999)年8月23
日から、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央
第6(郵便番号305−8566) 独立行政法人産業
技術総合研究所 特許生物寄託センター(旧 通商産業
省 工業技術院 生命工学技術研究所 (NIBH))
に受託番号FERMBP−6855として、平成11
(1999)年8月4日から、日本国大阪府大阪市淀川
区十三本町2−17−85(郵便番号532−868
6) 財団法人・発酵研究所(IFO)に受託番号IF
O 16301として寄託されている。後述の実施例1
で得られた形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichi
a coli)DH5α/pCR2.1−ZAQTは、平成1
1(1999)年8月23日から、日本国茨城県つくば
市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−85
66)独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託
センター(旧 通商産業省 工業技術院 生命工学工業
技術研究所 (NIBH))に受託番号FERMBP−
6856として、平成11(1999)年8月4日から
財団法人・発酵研究所(IFO)に受託番号IFO 1
6302として寄託されている。後述の実施例5で得ら
れた形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia col
i) TOP10/pRBvは、平成13(2001)年
1月11日から、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地
1 中央第6(郵便番号305−8566)独立行政法
人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(旧 経
済産業省 産業技術総合研究所 生命工学工業技術研究
所(NIBH))に受託番号FERM BP−7427
として、2000年12月22日から財団法人・発酵研
究所(IFO)に受託番号IFO 16522として寄
託されている。後述の実施例6で得られた形質転換体エ
シェリヒア コリ(Escherichia coli)DH5α/pC
R2.1−rZAQ1は、平成12(2000)年8月
21日から、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1
中央第6(郵便番号305−8566)独立行政法人産
業技術総合研究所 特許生物寄託センター(旧 通商産
業省 工業技術院 生命工学工業技術研究所 (NIB
H))に受託番号FERM BP−7275として、平
成12(2000)年8月1日から財団法人・発酵研究
所(IFO)に受託番号IFO 16459として寄託
されている。後述の実施例7で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli)DH10B/pC
MV−rZAQ2は、平成12(2000)年8月21
日から、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央
第6(郵便番号305−8566)独立行政法人産業技
術総合研究所 特許生物寄託センター(旧 通商産業省
工業技術院 生命工学工業技術研究所 (NIB
H))に受託番号FERMBP−7276として、平成
12(2000)年8月1日から財団法人・発酵研究所
(IFO)に受託番号IFO 16460として寄託さ
れている。後述の参考例1で得られたエシェリヒア コ
リ(Escherichia coli)MM294(DE3)/pTC
h2ZAQは、平成13(2001)年4月27日か
ら、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6
(郵便番号305−8566)独立行政法人産業技術総
合研究所 特許生物寄託センターに受託番号FERMB
P−7572として、平成13(2001)年3月15
日から財団法人発酵研究所(IFO)に受託番号IFO
16587として寄託されている。
【0124】
【実施例】以下に実施例および参考例を示して、本発明
をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定
するものではない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作
法は、モレキュラー・クローニング(Molecular clonin
g)に記載されている方法に従った。
【0125】実施例1 Gタンパク質共役型レセプター
タンパク質ZAQをコードするcDNAのクローニング
と塩基配列の決定およびZAQの発現分布の解析 (1)Gタンパク質共役型レセプタータンパク質ZAQ
をコードするcDNAのクローニングと塩基配列の決定 ヒト脳下垂体cDNA(CLONTECH社)を鋳型とし、2個
のプライマー、プライマー1(5'- GTC GAC ATG GA
G ACC ACC ATG GGG TTC ATG G -3';配列番
号:4)及びプライマー2(5'- ACT AGT TTA TTT
TAG TCT GATGCA GTC CAC CTC TTC -3';配列番
号:5)を用いてPCR反応を行った。該反応における
反応液の組成は上記cDNAの10分の1量を鋳型とし
て使用し、Advantage2 Polymerase Mix(CLONTECH
社)1/50量、プライマー1及びプライマー2を各0.
2μM, dNTPs 200μM、及び酵素に添付のバッファーを
加え、25μlの液量とした。PCR反応は、94℃・2
分の後、94℃・20秒、72℃・100秒のサイクル
を3回、94℃・20秒、68℃・100秒のサイクル
を3回、94℃・20秒、64℃・20秒、68℃・1
00秒のサイクルを38回繰り返し、最後に68℃・7
分の伸長反応を行った。該PCR反応後の反応産物をT
Aクローニングキット(Invitrogen社)の処方に従いプ
ラスミドベクターpCR2.1(Invitrogen社)へサブクロー
ニングした。これを大腸菌DH5αに導入し、cDNA
をもつクローンをアンピシリンを含むLB寒天培地中で
選択した後、個々のクローンの配列を解析した結果、新
規Gタンパク質共役型レセプタータンパク質をコードす
る2種類のcDNA配列ZAQC(配列番号:2)及び
ZAQT(配列番号:3)を得た。このcDNAより導
き出されるアミノ酸配列を有するタンパク質はいずれも
同一配列(配列番号:1)を有したためZAQと命名
し、配列番号:2で表されるDNAを含有する形質転換
体を大腸菌(Escherichia coli)DH5α/pCR2.
1−ZAQCと、配列番号:3で表されるDNAを含有
する形質転換体を大腸菌DH5α/pCR2.1−ZA
QTと命名した。
【0126】(2)Taqman PCRによるZAQ
の発現分布の解析 Taqman PCRに用いるプライマーおよびプローブは、Prim
er Express ver.1.0( PEバイオシステムスジャパン)を
用いて検索し、プライマー3( 5'- TCATGTTGCTCCACTGGA
AGG - 3'(配列番号:58)),プライマー4(5'-CCAA
TTGTCTTGAGGTCCAGG-3'(配列番号:29)), ZAQprobe
(5' - TTCTTACAATGGCGGTAAGTCCAGTGCAG - 3'(配列番
号:60))を選択した。プローブのリポーター色素と
して、FAM(6-carboxyfluorescein )を付加した。スタ
ンダードDNAとして、pAK−ZAQCを鋳型に、プライマーZA
QC Sal(5'- GTCGACATGGAGACCACCATGGGGTTCATGG- 3'
(配列番号:61))およびZAQC Spe( 5'-ACTAGTTTATT
TTAGTCTGATGCAGTCCACCTCTTC - 3' (配列番号:62))
を用いて増幅したPCR断片を、CHROMA SPIN200( CLONTE
CH Laboratories, Inc.( CA,USA ))を用いて精
製し、100−106コピ−/ μlに調整して使用した。各組
識のcDNAソースとして、Human Multiple Tissue cDNA P
anel IおよびPanel II(CLONTECH Laboratories, In
c.)を 使用した。プライマー、プローブ、鋳型に、Ta
qman Universal PCR Master Mix(PEバイオシステムス
ジャパン)を添付書類記載の規定量加え、ABI PRISM 77
00 Sequence Detection System(PEバイオシステムズジ
ャパン)でPCR反応および解析をおこなった。結果を図
8および表1に示した。主に精巣、ついで肺、脳等の部
位でZAQの発現がみられた。
【表1】
【0127】実施例2 レセプター安定発現CHO細胞
の作製 (2−1)ZAQ安定発現細胞株の作製 ZAQ安定発現細胞株は以下のようにして調製した。すな
わち、実施例1で得たDH5α/pCR2.1−ZAQCの1クロー
ンを、アンピシリンを含むLB培地で振とう培養し、プラ
スミドpCR2.1−ZAQCを得た。これを制限酵素Sal Iおよ
びSpe Iで処理し、ZAQCをコードするインサート部分を
切り出した。同様に制限酵素Sal IおよびSpeIで処理し
たpAKKO−1.11H(Biochemica et Biophysica Acta 1219
(1994) 251-259)と、該インサート部分をLigation Ex
press Kit (CLONTECH Laboratories, Inc.(CA,US
A))を用いて連結し、大腸菌DH10Bにエレクトロポーレ
ーション法にて導入した。得られたクローンの有するプ
ラスミドの構造を、制限酵素処理ならびに配列解析で確
認し、正しい構築のものをCHO細胞発現用プラスミドpAK
−ZAQCとして使用した。このプラスミドpAK−ZAQCをCHO
/dhfr-細胞(American Type Culture Collection)にCe
llPhect Transfection kit(Amersham Pharmacia Biote
ch社)を用いて形質導入することにより取得した。ま
ず、蒸留水120 μlに溶解したプラスミドDNA 4 μgに対
してBuffer A(CellPhect Transfection Kitに添付)12
0 μlを添加し、撹拌し、10分間静置後、Buffer B(Cel
lPhect Transfection Kitに添付)240 μlを添加し、激
しく撹拌し該DNAを含有するDNA−リン酸カルシウム
複合体を形成させた。 5 x 105個のCHO/ dhfr- 細胞を6
0 mmシャーレに播き、10%のウシ胎児血清(BIO WHITTAK
ER 社)を含む Ham's F-12培地(日水製薬株式会社)中
で37℃、5%炭酸ガス中で1日間培養した後、該DNA
−リン酸カルシウム複合体の懸濁液480 μl をシャーレ
の該細胞上に滴下させた。これを、37℃、5%炭酸ガス
中にて6時間培養した後、血清を含まない Ham's F-12
培地で2回細胞を洗浄し、シャーレの該細胞上に15%グ
リセロールを含む緩衝液(140 mM NaCl, 25 mM HEPES,
1.4 mM Na2PO4, pH7.1) 1.2mlを添加し2分間処理し
た。これを、再度、血清を含まないHam's F-12培地で2
回洗浄した後、10%のウシ胎児血清を含む Ham's F-12培
地中で37℃、5%炭酸ガス中で一晩培養した。該細胞を
トリプシン処理により分散させてシャーレから回収し、
2 x 104 個ずつ6-well plateに植え込み、透析済み10%
ウシ胎児血清(JRH BIOSCIENCES 社)、1 mM MEM非必須
アミノ酸溶液(大日本製薬株式会社)、100 units/ml P
enicillin、100 μg/ml Streptomycinを含む Dulbecco'
s modified Eagle medium (DMEM) 培地(日水製薬株式
会社)中にて37℃、5%炭酸ガス中にて培養を開始し
た。プラスミドの導入された形質転換CHO細胞は該培地
中で生育するが、非導入細胞は次第に死滅していくの
で、培養開始1日目、および2日目に培地を交換して死
滅細胞を除去した。培養開始8−10日後に生育してき
た形質転換CHO細胞のコロニーを約21個選んだ。 それぞ
れ選択された細胞からRNAを市販のRNA単離用キットを用
いて回収し、以降、公知のRT−PCR法によりZAQを
高発現するZAQ発現CHO細胞B-1番クローン(以後、ZAQC-
B1細胞と略称する)を選別した。
【0128】(2−2)I5E安定発現細胞株の作製 ヒトI5EレセプターcDNA(配列番号:6)を公知のPC
R法によりクローニングし、pAKKO1.11H発現ベクターに
組み込んだ。該発現ベクターを(2−1)に記載した方
法によりCHO/dhfr-細胞(American Type Culture Colle
ction)に形質導入した。培養開始10−14日後に生
育してきた形質転換CHO細胞のコロニーを約20個選ん
だ。 選択した細胞を3×104個/wellで96穴プレートに植
え込み、ヘビ毒MIT1(配列番号:21)に対する反応性
を、後述の(2−3)に記載する試験方法により検討
し、反応性の良いI5E発現CHO細胞4番クローン(以後、I
5E-4細胞と略称する)を選別した。
【0129】(2−3)レセプター活性化作用の測定 上記(2−1)で得られたZAQC-B1細胞、および上記
(2−2)で得られたI5E-4細胞を、それぞれ15×104ce
lls/mlとなるように培地(10% d FBS-DMEM)に懸濁
し、FLIPR用96穴プレート(Black plate clear bottom、
Coster社)に分注器を用いて各ウェルに200 μlずつ植え
込み(3.0×104cells/200μl/ウェル)、5%CO2インキ
ュベーター中にて37℃で一晩培養した後用いた(以後、
細胞プレートとする)。H/HBSS(ニッスイハンクス2
(日水製薬株式会社) 9.8g、炭酸水素ナトリウム 0.35
g、HEPES 4.77 g、6 M水酸化ナトリウム溶液で pH7.4に
合わせた後、フィルター滅菌処理)20 ml、250 mM Prob
enecid 200 μl、ウシ胎児血清(FBS) 200 μlを混合し
た。また、Fluo 3-AM(同仁化学研究所)2バイアル(50
μg)をジメチルスルフォキサイド 40 μl、20% Pluro
nic acid(Molecular Probes社) 40 μlに溶解し、こ
れを上記H/HBSS−Probenecid−FBS に加え、混和後、8
連ピペットを用いて培養液を除いた細胞プレートに各ウ
ェル 100 μlずつ分注し、5% CO2インキュベーター中
にて37℃で1時間インキュベートした(色素ローディン
グ)。ヘビ毒MIT1を2.5 mM Probenecid、0.2% BSAを含
むH/HBSS 150μlを加えて希釈し、FLIPR用96穴プレート
(V-Bottomプレート、Coster社)へ移した(以後、サンプ
ルプレートとする)。細胞プレートの色素ローディング
終了後、H/HBSSに2.5 mM Probenecidを加えた洗浄バッ
ファーでプレートウォッシャー(Molecular Devices社)
を用いて細胞プレートを4回洗浄し、洗浄後100 μlの
洗浄バッファーを残した。この細胞プレートとサンプル
プレートをFLIPRにセットし(FLIPRにより、サンプルプ
レートから50 μlのサンプルが細胞プレートへと移され
る)、蛍光強度変化を継時的に測定することにより、細
胞内Caイオン濃度上昇活性を測定した。
【0130】実施例3 ヒト型Bv8ペプチドの作製 (3−1)ヒト型Bv8ペプチド cDNAのクローニ
ング ヒト精巣Marathon-Ready cDNA (CLONTECH社)を鋳型とし
て、プライマー hBv8-F1(配列番号:7)及びプライマ
ー hBv8-R1(配列番号:8)を作成し、以下に記したP
CR反応を実施した。 hBv8-F1: 5'-CTACTTCTGCTGCTGCCGCTGCTGTT-3' (配列
番号:7) hBv8-R1: 5'-TTGGAAAGTTGAGGAAGCAAGAGCATTT-3' (配列
番号:8) PCR反応液は50X Advantage 2 Polymerase Mix (CLONTEC
H社)を1μl、添付の10x Advantage 2 PCR buffer (400
mM Tricine-KOH, 150 mM KOAc, 35 mM Mg(OAc) 2, 37.5
μg/ml BSA, 0.05% Tween-20, 0.05% Nonidet-P40)を5
μl、dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を4μl、10
μMプライマーhBv8-F1及びhBv8-R1を 1μl、鋳型cDNAを
5μl、及び蒸留水を33μlを混合して作製した。反応条
件は95℃・1分の初期変性後、95℃・30秒-68℃・1分のサイ
クル反応を35回、および68℃・1分の最終伸長反応とし
た。得られたDNA断片を、TOPO TA Cloning Kit (Invitr
ogen社)を用いて添付のマニュアルに記載された方法に
従ってクローニングした。クローニングされたDNAの塩
基配列をABI377DNA sequencerを用いて解読し、配列番
号:9で表される配列を得た。
【0131】ヒト精巣Marathon-Ready cDNA (CLONTECH
社)を鋳型として、プライマー hBv8-R2(配列番号:1
0)を作成し、以下に記した5'RACE実験を実施した。 hBv8-R2: 5' -TGTCTCCCAGTTTGCCCATAGGTGTGC-3'
(配列番号:10) 5'RACEのPCR反応液は50X Advantage-GC 2 Polymerase M
ix (CLONTECH社)を1μl、添付の5x Advantage-GC 2 PCR
buffer (200 mM Tricine-KOH, 75 mM KOAc,17.5 mM Mg
(OAc)2, 25% Dimethyl Sulfoxide, 18.75μg/ml BSA,
0.025%Tween-20, 0.025% Nonidet-P40)を10 μl、dNTP
mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を4μl、10 μMプライ
マーhBv8-R1を 1 μl、10 μMプライマーAP1(プライマ
ーAP1はCLONTECH社のMarathon-Ready cDNA Kitに添付の
もの)を1 μl、鋳型cDNA(CLONTECH社、ヒト精巣Marat
hon-Ready cDNA)を5 μl、及び蒸留水を28 μlを混合
して作製した。反応条件は94℃・1分の初期変性後、94℃
・30秒-72℃・3分のサイクル反応を10回、94℃・30秒-70℃
・3分のサイクル反応を5回、94℃・30秒-68℃・3分のサイ
クル反応を25回行った。続いて、該PCR反応の反応液を
鋳型としてnested PCRを実施した。反応液は50XAdvanta
ge-GC 2 Polymerase Mix(CLONTECH社)を1 μl、添付
の5x Advantage-GC 2 PCR buffer(200 mM Tricine-KO
H, 75 mM KOAc, 17.5 mM Mg(OAc)2, 25% Dimethyl Sulf
oxide, 18.75μg/ml BSA, 0.025%Tween-20, 0.025% Non
idet-P40)を10 μl、dNTP mixture(2.5 mM each, 宝
酒造)を4 μl、10 μMプライマーhBv8-R2を 1 μl、10
μMプライマーAP2(プライマーAP2はCLONTECH社のMara
thon-Ready cDNA Kitに添付のもの)を1 μl、鋳型DNA
(該PCR反応液50倍希釈液)を5μl、及び蒸留水を28 μ
lを混合して作製した。反応条件は94℃・1分の初期変性
後、94℃・30秒-68℃・3分のサイクル反応を35回行った。
得られたDNA断片を、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen
社)を用いて添付のマニュアルに記載された方法に従っ
てクローニングした。クローニングされたDNAの塩基配
列をABI377DNA sequencerを用いて解読し、5'端の配列
(配列番号:11)を得た。
【0132】得られた配列番号:9及び配列番号:11
の情報より、プライマー hBv8-WF(配列番号:12)、
プライマー hBv8-WR(配列番号:13)、プライマー h
Bv8-CF(配列番号:14)及びプライマー hBv8-SR(配
列番号:15)を作成し、以下に記したPCR反応を実施
した。 hBv8-WF: 5'-CCATGAGGAGCCTGTGCTGCGCC-3'
(配列番号:12) hBv8-WR: 5'-CTATTCACATTTGGTTTCTACTC-3'
(配列番号:13) hBv8-CF: 5'-GTCGACCACCATGAGGAGCCTGTGCTGCG-3'
(配列番号:14) hBv8-SR: 5'-ACTAGTCGATTACTTTTGGGCTAAAC-3' (配
列番号:15) PCR反応液はPfuTurbo DNA polymerase(Stratagene社)を
1 μl、添付の10x PCRbufferを5 μl、2.5 mM dNTP mix
tureを4 μl、10 μMプライマーhBv8-WF及びhBv8-WRを
各2.5 μl 、鋳型DNA(ヒト精巣Marathon-Ready cDNA、
CLONTECH社)を鋳型として5μl、及び蒸留水を30 μlを
混合して作製した。反応条件は95℃・1分の初期変性後、
95℃1分-65℃・1分-72℃・1分のサイクル反応を35回、お
よび72℃・5分の最終伸長反応とした。続いて、該PCR反
応の反応液を鋳型としてnested PCRを行った。PCR反応
液はPfuTurbo DNA polymerase (Stratagene社)を1 μ
l、添付の10x PCR bufferを5 μl、2.5 mM dNTP mixtur
eを4 μl、10 μMプライマーhBv8-CF及びhBv8-SRを各2.
5μl 、鋳型DNAを1μl、及び蒸留水を34 μlを混合して
作製した。反応条件は95℃・1分の初期変性後、95℃・1分
-65℃・1分-72℃・1分のサイクル反応を35回、および72℃
・5分の最終伸長反応とした。得られたDNA断片をTOPO TA
Cloning Kit (Invitrogen社)を用いて添付のマニュア
ルに記載された方法に従ってクローニングした。クロー
ニングされたDNAの塩基配列をABI377DNA sequencerを用
いて解読し、配列番号:16で表される346bpの塩基配
列を有していることが明らかとなった。配列番号:16
で表わされる塩基配列を有するDNA断片を有するプラス
ミドをpHBvと命名した。プラスミドpHBvにより大腸菌
(Escherichia coli)をトランスフォームさせ、エシェ
リヒアコリ(Escherichia coli)TOP10/pHBvと命名し
た。このDNA断片の塩基配列を解析した結果、配列番
号:16で表わされるDNA断片は、配列番号:17で表
わされるヒト型Bv8前駆体ペプチド(108アミノ酸残
基)をコードするDNA(配列番号:18)を含んでいる
ことが明らかとなった。また、配列番号:18で表わさ
れる塩基配列は典型的なシグナル配列を有しており、配
列番号:18で表わされる塩基配列を有するDNAは、配
列番号:19で表わされるヒト型Bv8成熟体ペプチド
(81アミノ酸残基)をコードする243塩基対からなるDNA
(配列番号:20)を含んでいることが明らかとなっ
た。
【0133】(3−2)ヒト型Bv8ペプチド発現CH
O細胞の樹立 上記(3−1)に記載したプラスミドpHBvから、インサ
ートcDNAをSal I及びSpe I制限酵素を用いて切り出しpA
KKO1.11H発現ベクターに組み込んだ。該プラスミドをCH
O/dhFr-細胞(American Type Culture Collection)にC
ellPhect Transfection kit(Amersham Pharmacia Biot
ech社)を用いて形質導入することにより取得した。は
じめに、蒸留水300 μlに溶解したプラスミドDNA 10 μ
gに対してBuffer A(CellPhect Transfection Kitに添
付)120 μlを添加後撹拌した。10分間静置後、Buffer
B(CellPhect Transfection Kitに添付)240 μlを添加
し、激しく撹拌し該DNAを含有するDNA−リン酸カルシウ
ム複合体を形成させた。 4x 105個のCHO/ dhFr- 細胞を
60 mmシャーレに植え込み、10%のウシ胎児血清(BIO WH
ITTAKER 社)とMEM用非必須アミノ酸を含む Ham's F-12
培地(日水製薬株式会社)中で37℃、5%炭酸ガス中で
1日間培養した後、該複合体をシャーレの該細胞上に滴
下させた。これを、37℃、5%炭酸ガス中にて7時間培養
した後、血清を含まない Ham's F-12培地で2回細胞を
洗浄し、シャーレの該細胞上に15%グリセロール3 mlを
添加し2分間処理した。これを、再度、血清を含まないH
am'sF-12培地で2回洗浄した後、10%のウシ胎児血清を
含む Ham's F-12培地中で37℃、5%炭酸ガス中で15時間
培養した。該細胞をトリプシン処理により分散させてシ
ャーレから回収し、1.25 x 104個ずつ6穴プレートに植
え込み、透析済み10%ウシ胎児血清(JRH BIOSCIENCES
社)、1 mM MEM非必須アミノ酸溶液、100 units/ml Pen
icillin、100 μg/ml Streptomycinを含む Dulbecco's
Modified EagleMedium (DMEM) 培地(日水製薬株式会
社)中にて37℃、5%炭酸ガス中にて培養を開始した。
プラスミドの導入された形質転換CHO細胞は該培地中で
生育するが、非導入細胞は次第に死滅していくので、2
日毎に培地を交換して死滅細胞を除去した。培養開始10
-14日後に生育してきた形質転換CHO細胞のコロニーを29
個選択した。それぞれ選択された細胞を24穴プレートに
植え込み、細胞がコンフルエントになった後、培地を10
%ウシ胎児血清(JRH BIOSCIENCES 社)、1 mM MEM非必
須アミノ酸溶液、100 units/ml Penicillin、100 μg/m
l Streptomycinを含むDulbecco's modified Eagle medi
um 培地(Phenol Red不含、GIBCO社)に交換し3日間培
養した。その後、培養上清を回収し、上記(2−3)の
方法に従って、ZAQ発現CHO細胞でFLIPRによるカルシウ
ムアッセイでZAQ活性化能を測定した。これによりヒト
型Bv8を高発現するZAQL-2発現CHO細胞クローンNo.2(以
後、ZAQL-2/CHO No.4と略称する)を選別した。
【0134】(3−3)ヒト型Bv8ペプチド発現CH
O細胞無血清培養上清の調製 透析済み10%ウシ胎児血清(JRH BIOSCIENCES 社)、1 m
M MEM非必須アミノ酸溶液、100 units/ml Penicillin、
100 μg/ml Streptomycinを含む Dulbecco'sModified E
agle Medium (DMEM) 培地(日水製薬株式会社)でSingl
e Tray(Nunc社)4枚コンフルエントまで培養した ZAQL-2
/CHO No.4をトリプシン処理して分散後、遠心して回収
した。上記Single Tray 1枚分の細胞を上記培地 1.5 L
に懸濁後、Cell Factories 10(Nunc社)に植え込み、4
基のCell Factories 10について37℃で5%炭酸ガス中に
て3日間培養した。培養上清を除いた後、前述のH/HBSS1
Lで 1基のCell Factories 10の細胞を洗浄した。H/HBS
Sを除いた後、1基のCell Factories 10あたり2 Lの無血
清培地(1 mM MEM非必須アミノ酸溶液、100 units/ml P
enicillin、100 μg/ml Streptomycinを含む Dulbecco'
s Modified Eagle Medium培地)を加えさらに2日間培養
した。回収した培養上清を日立高速遠心機で1,000 rpm
で10分間遠心後、ガーゼを用いてろ過し、清澄な上清を
得た。これに酢酸を最終濃度1 Mになるように添加し、
以下の操作を行った。
【0135】(3−4)ヒト型Bv8ペプチド発現CH
O細胞無血清培養上清のオクタドデシル逆相クロマトグ
ラフィーによる粗分画 オクタドデシル基を固定したシリカゲルを充填したPrep
C18(Waters社)をメタノールで膨潤後、ガラス製カラ
ムに充填した(BioRad社製;内径5cm,高さ10cm)。そ
の後、1 M 酢酸で平衡化したカラムに、上記(3−3)
で調製した抽出液を添着した。次にこのカラムを800 m
lの1 M 酢酸で洗浄した。次に、このカラムに1000 mlの
60% アセトニトリル/0.1% トリフルオロ酢酸を流し、目
的とする粗ペプチド成分を溶出した。得られた溶出液
を、エバポレーターを用いて濃縮した後、凍結乾燥機
(12EL; VirTis社)にて凍結乾燥した。
【0136】(3−5)Wakosil−II 5C1
8HG Prep逆相高速液体クロマトグラフィーによ
る分離 Wakosil-II 5C18HG Prep逆相高速液体クロマトグラフィ
ー用カラム(和光純薬、20mm×250mm)を、40℃にて、
流速 5 ml/minでA液(0.1% トリフルオロ酢酸/蒸留
水)容量91.7%/B液(0.1% トリフルオロ酢酸/60% アセ
トニトリル)容量8.3%を流し平衡化した。上記(3−
4)で得られた凍結乾燥物についてクロマトグラフィー
操作を行った。即ち、凍結乾燥物を1 M 酢酸36 mlを加
えて溶解し遠心後、その内の1/3を該カラムに添着した
後、流速 5 ml/minで、1分間かけてA液容量66.7%/B
液容量33.3% まで上昇させ、次いで120分間かけてA液
容量16.7%/B液容量83.3%まで、B液濃度を直線的グラ
ジエントで上昇させた。溶出液を5mlずつフラクション
番号をつけて分取した。この操作を3回実施し、上記
(3−4)の凍結乾燥物を処理した。分取フラクション
より各3 μl を0.2% BSA 150μl と混合し、凍結乾燥
機(12EL; VirTis社)で凍結乾燥した。この乾燥物
に、アッセイバッファー〔H/HBSS(ニッスイハンクス2
(日水製薬株式会社) 9.8g、炭酸水素ナトリウム 0.35
g、HEPES 4.77 g 、水酸化ナトリウム溶液で pH7.4に合
わせた後、フィルター滅菌処理)に、2.5 mM Probeneci
d および0.1% CHAPSを添加したもの〕150 μlを加えて
溶解し、この溶液50 μl を用いて上記(2−3)の方
法に準じ、ZAQレセプター活性化作用を測定した。その
結果、目的とするZAQレセプター活性化作用を有する成
分は、主としてフラクションNo.73-74に溶出されている
ことが判明した。
【0137】(3−6)TSKgel CM−2SWイ
オン交換高速液体クロマトグラフィーによる分離 TSKgel CM-2SWイオン交換高速液体クロマトグラフィー
用カラム(東ソー、4.6mm×250 mm)を25℃にて、流速
1 ml/minでA液(4 Mギ酸アンモニウム:蒸留水:アセ
トニトリル = 1 : 299 : 100)容量100%、B液(4 Mギ
酸アンモニウム:蒸留水:アセトニトリル = 1 : 2 :
1)容量0%を流し平衡化した。上記(3−5)で得られ
たフラクションNo.73-74を凍結乾燥したものをA液4 ml
に溶解し、TSKgel CM-2SWイオン交換カラムに添着した
後、流速 2 ml/minで120分間かけてA液容量25%/B液
容量75%まで直線的グラジエントで上昇させ溶出液を回
収した。溶出液を2 mlずつフラクション番号をつけて分
取し、分取フラクションより各2 μl を0.2% BSA 100
μl と混合し凍結乾燥機(12EL; VirTis社)で凍結乾
燥した。この乾燥物に上記アッセイバッファー 100 μl
を加えて溶解しこれをさらに同バッファーで100倍希釈
し、上記(2−3)の方法に準じ、ZAQレセプター活性
化作用を測定した。その結果、目的とするZAQレセプタ
ー活性化作用を有する成分はフラクションNo.83-85に溶
出されていることが判明した。
【0138】(3−7)TSKgel ODS−80T
s逆相高速液体クロマトグラフィーによる精製 TSKgel ODS-80Ts逆相高速液体クロマトグラフィー用カ
ラム(東ソー、4.6 mmx 100 mm)を、40℃にて、流速 1
ml/minでA液(0.1% トリフルオロ酢酸/蒸留水)容量9
1.7%/B液(0.1% トリフルオロ酢酸/60% アセトニトリ
ル)容量8.3%を流し平衡化した。上記(3−6)で得ら
れたフラクションNo.83-85の凍結乾燥物についてクロマ
トグラフィー操作を行った。即ち、凍結乾燥物を 1 M酢
酸 2 mlを加えて溶解し該カラムに添着した後、流速 1
ml/minで、1分間かけてA液容量75%/B液容量25% まで
上昇させ、次いで60分間かけてA液容量25%/B液容量75
%までB液濃度を直線的グラジエントで上昇させ溶出液
を回収した。溶出液を0.5mlずつフラクション番号をつ
けて分取した。フラクションNo.121-130について各1μl
を採取し、上記アッセイバッファーで100倍希釈し、上
記(2−3)の方法に準じ、ZAQレセプター活性化作用
を測定した。その結果、目的とするZAQレセプター活性
化作用を有する成分はフラクションNo.123-125に溶出さ
れていることが判明した。
【0139】(3−8)TSKgel Super−P
henyl逆相高速液体クロマトグラフィーによる精製 TSKgel Super-Phenyl逆相高速液体クロマトグラフィー
用カラム(東ソー、4.6mm x 100 mm)を、40℃にて、流
速 1 ml/minでA液(0.1% トリフルオロ酢酸/蒸留水)
容量91.7%/B液(0.1% トリフルオロ酢酸/60% アセトニ
トリル)容量8.3%を流し平衡化した。上記(3−7)で
得られたフラクションNo.123-125についてクロマトグラ
フィー操作を行った。即ち、フラクション溶液を直接ロ
ードし、該カラムに添着した後、流速 1 ml/minで、1分
間かけてA液容量75%/B液容量25% まで上昇させ、次
いで60分間かけてA液容量25%/B液容量75%までB液濃
度を直線的グラジエントで上昇させ溶出液を回収した。
溶出液を0.5 mlずつフラクション番号をつけて分取し
た。フラクションNo.91-100について各1μlを採取し、
上記アッセイバッファーで100倍希釈し、上記(2−
3)の方法に準じ、ZAQレセプター活性化作用を測定し
た。その結果、目的とするZAQレセプター活性化作用を
有する成分はフラクションNo.97-98に溶出されているこ
とが判明した。
【0140】(3−9)TSKgel Super−P
henyl逆相高速液体クロマトグラフィーによる再精
製 TSKgel Super-Phenyl逆相高速液体クロマトグラフィー
用カラム(東ソー、4.6mm x 100 mm)を、40℃にて、流
速 1 ml/minでA液(0.1% トリフルオロ酢酸/蒸留水)
容量91.7%/B液(0.1% トリフルオロ酢酸/60% アセトニ
トリル)容量8.3%を流し平衡化した。上記(3−8)で
得られたフラクションNo.97-98についてクロマトグラフ
ィー操作を行った。即ち、フラクション溶液を直接ロー
ドし該カラムに添着した後、流速 1 ml/minで、1分間か
けてA液容量75%/B液容量25%まで上昇させ、次いで60
分間かけてA液容量25%/B液容量75%までB液濃度を直
線的グラジエントで上昇させ溶出液を回収した。その結
果、目的とするZAQレセプター活性化作用を有する成分
は単一なピークとして溶出された。
【0141】(3−10)精製されたヒト型Bv8ペプ
チドの構造解析 上記(3−9)で得られたZAQ活性化主成分について、
以下の方法で構造決定を実施した。精製したヒト型Bv
8ペプチドを凍結乾燥機(12EL;VirTis社)にて凍結乾
燥した。得られたペプチド凍結乾燥物を、DMSO(ジ
メチルスルフォキシド)に溶解した。この溶液の一部を
プロテインシークエンサー(パーキンエルマー社、PE Bi
osystems Procise 491cLC)を用いたN末端からのアミノ
酸配列解析に供した。その結果、予想されるヒト型Bv
8成熟体ペプチド、配列番号:19で表されるアミノ酸
配列と一致するN端アミノ酸配列を得た。また、Finnig
an LCQ LC/MS装置を用いて、エレクトロンスプレーイオ
ン化法により質量分析を行い、分子量が8664.34である
と算定した。本測定値はヒト型Bv8成熟体ペプチド
(配列番号:19)の理論値8792.54に比べて128.2小さ
な値となっており、成熟体ペプチドからさらにC末端の
Lys残基が脱落したペプチド(配列番号:22)が取得
できたことが確認された。
【0142】実施例4 ヒト型Bv8ペプチドの反応性
の測定 実施例3で得られた精製ヒト型Bv8ペプチドの、ZA
Q及びI5Eレセプター活性化作用を、上記(2−3)
に記載した方法に準じ、測定した。その結果、ZAQレ
セプター発現CHO細胞及びI5Eレセプター発現CH
O細胞において、ヒト型Bv8ペプチドは濃度依存的に
細胞内カルシウム濃度の上昇を惹起した。また、ヘビ毒
MIT1は、ヒト型Bv8ペプチドに比べて10倍程度
低い濃度よりI5Eレセプター活性化作用を現した。結
果を〔図9〕および〔図10〕に示す。
【0143】実施例5 ラット型Bv8ペプチド cD
NAのクローニング ラット精巣Marathon-Ready cDNA (CLONTECH社)を鋳型と
して、degenerateプライマー BF2(配列番号:23)と
プライマー BR1(配列番号:24)を作成し、以下に記
したPCR反応を実施した。 BF2: 5'-GCTTGYGACAAGGACTCYCA-3' (配列番号:2
3) BR1: 5'-GTTYCTACTYCAGAGYGAT-3' (配列番号:2
4) PCR反応液は50X Advantage 2 Polymerase Mix (CLONTEC
H社)を0.4 μl、添付の10x Advantage 2 PCR buffer (4
00 mM Tricine-KOH, 150 mM KOAc, 35 mM Mg(OAc)2, 3
7.5μg/ml BSA, 0.05%Tween-20, 0.05% Nonidet-P40)を
2μl、dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を1.6μl、
10μMプライマーBF2及びBR1を 0.4μl、鋳型cDNAを2μ
l、及び蒸留水を13.2μlを混合して作製した。反応条件
は95℃・1分の初期変性後、95℃・30秒-55℃・1分-68℃・1
分のサイクル反応を40回、および68℃・5分の最終伸長反
応とした。得られたDNA断片をTOPO TA Cloning Kit (In
vitrogen社)を用いて添付のマニュアルに記載された方
法に従ってクローニングした。クローニングされたDNA
の塩基配列をABI377DNA sequencerを用いて解読し、配
列番号:25で表される部分配列を得た。この配列情報
よりプライマー RB5-1(配列番号:26) とプライマ
ー RB5-3(配列番号:27)を作成し、以下に記した5'
RACE実験を実施した。 RB5-1: 5'-GTGCATCCTCCGCCCCCAAAATGGAA-3' (配列
番号:26) RB5-3: 5'-GACAGCGCAGCACATTCCTCCTCCACAC-3' (配列
番号:27) 5'RACEのPCR反応液は50X Advantage 2 Polymerase Mix
(CLONTECH社)を1μl、添付の10x Advantage 2 PCR buff
er (400 mM Tricine-KOH, 150 mM KOAc, 35 mMMg(OA
c)2, 37.5 μg/ml BSA, 0.05%Tween-20, 0.05% Nonidet
-P40)を5 μl、dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を
4 μl、10 μMプライマーRB5-1を 1 μl、10μMプライ
マーAP1(プライマーAP1はCLONTECH社のMarathon-Ready
cDNA Kitに添付のもの)を1 μl、鋳型cDNA(CLONTECH
社、ラット精巣Marathon-Ready cDNA)を5 μl、及び蒸
留水を33 μlを混合して作製した。反応条件は94℃・1分
の初期変性後、94℃・30秒-72℃・3分のサイクル反応を5
回、94℃・30秒-70℃・3分のサイクル反応を5回、94℃・30
秒-68℃・3分のサイクル反応を25回行った。続いて、該P
CR反応の反応液を鋳型としてnested PCRを実施した。反
応液は50XAdvantage 2 Polymerase Mix (CLONTECH社)を
1μl、添付の10x Advantage 2 PCR buffer (400 mM Tri
cine-KOH, 150 mM KOAc, 35 mM Mg(OAc)2, 37.5μg/ml
BSA, 0.05%Tween-20, 0.05% Nonidet-P40)を5 μl、dNT
P mixture (2.5 mM each,宝酒造)を4 μl、10 μMプラ
イマーRB5-3を 1 μl、10μMプライマーAP2(プライマ
ーAP2はCLONTECH社のMarathon-Ready cDNA Kitに添付の
もの)を1 μl、鋳型cDNA(該PCR反応液50倍希釈液)を
5 μl、及び蒸留水を33 μlを混合して作製した。反応
条件は94℃・1分の初期変性後、94℃・30秒-68℃・3分のサ
イクル反応を35回行った。得られたDNA断片をTOPO TA C
loning Kit (Invitrogen社)を用いて添付のマニュアル
に記載された方法に従ってクローニングした。クローニ
ングされたDNAの塩基配列をABI377DNA sequencerを用い
て解読し、5'端の配列(配列番号:28)を得た。
【0144】配列番号:25の情報より、プライマー R
B3-1(配列番号:29)とプライマーRB3-2(配列番
号:30)を作成し、以下に記した3'RACE実験を実施し
た。 RB3-1: 5'-GAGACAGCTGCCACCCCCTGACTCGGAA-3' (配
列番号:29) RB3-2: 5'-GGCGGAGGATGCACCACACTTGTCCCTG-3' (配
列番号:30) 3' RACEのPCR反応液は50X Advantage 2 Polymerase Mix
(CLONTECH社)を1 μl、添付の10x Advantage 2 PCR bu
ffer (400 mM Tricine-KOH, 150 mM KOAc, 35mM Mg(OA
c)2, 37.5 μg/ml BSA, 0.05%Tween-20, 0.05% Nonidet
-P40)を5 μl、dNTP mixture (2.5 mM each, 宝酒造)を
4 μl、10 μMプライマーRB3-1を 1 μl、10 μMプライ
マーAP1(プライマーAP1はCLONTECH社のMarathon-Ready
cDNA Kitに添付のもの)を1 μl、鋳型cDNA(CLONTECH
社、ラット精巣Marathon-Ready cDNA)を5 μl、及び蒸
留水を33 μlを混合して作製した。反応条件は94℃・1分
の初期変性後、94℃・30秒-72℃・3分のサイクル反応を5
回、94℃・30秒-70℃・3分のサイクル反応を5回、94℃・30
秒-68℃・3分のサイクル反応を25回行った。続いて、該P
CR反応の反応液を鋳型としてnested PCRを実施した。反
応液は50XAdvantage 2 Polymerase Mix (CLONTECH社)を
1μl、添付の10x Advantage 2 PCR buffer (400 mM Tri
cine-KOH, 150 mM KOAc, 35 mM Mg(OAc)2, 37.5μg/ml
BSA, 0.05%Tween-20, 0.05% Nonidet-P40)を5 μl、dNT
P mixture (2.5 mM each,宝酒造)を4 μl、10 μMプラ
イマーRB3-2を 1 μl、10 μMプライマーAP2(プライマ
ーAP2はCLONTECH社のMarathon-Ready cDNA Kitに添付の
もの)を1 μl、鋳型cDNA(該PCR反応液50倍希釈液)を
5 μl、及び蒸留水を33 μlを混合して作製した。反応
条件は94℃・1分の初期変性後、94℃・30秒-68℃・3分のサ
イクル反応を35回行った。得られたDNA断片をTOPO TA C
loning Kit (Invitrogen社)を用いて添付のマニュアル
に記載された方法に従ってクローニングした。クローニ
ングされたDNAの塩基配列をABI377DNA sequencerを用い
て解読し、3'端の配列(配列番号:31)を得た。
【0145】ラット脳Marathon-Ready cDNA (CLONTECH
社)を鋳型として、上記5'RACE及び3'RACEの情報より、
プライマーRBv8-WF1(配列番号:32)、プライマー RB
v8-WF2(配列番号:33)、プライマー RBv8-WR1 (配
列番号:34)およびプライマー RBv8-WR2 (配列番
号:35)を作成し、以下に記したPCR反応を実施し
た。 RBv8-WF1: 5'-TAACCGCCACCGCCTCCT-3' (配
列番号:32) RBv8-WF2: 5'-GGGACGCCATGGAGGAC-3' (配
列番号:33) RBv8-WR1: 5'-CGAGACTTGACAGACATTGTTCAGTG-3' (配
列番号:34) RBv8-WR2: 5'-TTTCCAGCTCCTGCTTCAGA-3' (配
列番号:35) PCR反応液はPfuTurbo DNA polymerase(Stratagene社)を
0.6 μl、添付の10x PCR bufferを3 μl、2.5 mM dNTP
mixtureを2.4 μl、10 μMプライマーRBv8-WF1及びRBv8
-WR1を各1.5 μl 、鋳型DNAを3μl、及び蒸留水を18 μ
lを混合して作製した。反応条件は95℃・1分の初期変性
後、95℃・30秒-55℃・30秒-72℃・1分のサイクル反応を35
回、および72℃・5分の最終伸長反応とした。続いて、該
PCR反応の反応液を蒸留水で50倍に希釈したものをを鋳
型としてnested PCRを行った。PCR反応液はPfuTurbo DN
A polymerase (Stratagene社)を0.6μl、添付の10x PCR
bufferを3 μl、2.5 mM dNTP mixtureを2.4 μl、10
μMプライマーRBv8-WF2及びRBv8-WR2を各1.5 μl 、鋳
型DNAを3 μl、及び蒸留水を18μlを混合して作製し
た。反応条件は95℃・1分の初期変性後、95℃・30秒-55℃
・30秒-72℃・1分のサイクル反応を35回、および72℃・5分
の最終伸長反応とした。得られたDNA断片をZero Blunt
TOPO PCR Cloning Kit (Invitrogen社)を用いて添付の
マニュアルに記載された方法に従ってクローニングし
た。クローニングされたDNAの塩基配列をABI377DNA seq
uencerを用いて解読し、配列番号:36で表される356b
pの塩基配列を有していることが明らかとなった。配列
番号:36で表わされる塩基配列を有するDNA断片を有
するプラスミドをpRBvと命名した。プラスミドpRBvによ
り大腸菌(Escherichia coli)をトランスフォームさ
せ、エシェリヒア コリ(Escherichia coli)TOP10/ p
RBvと命名した。このDNA断片の塩基配列を解析した結
果、配列番号:36で表わされるDNA断片は、配列番
号:37で表わされるラット型Bv8前駆体ペプチド(1
07アミノ酸残基)をコードするDNA(配列番号:38)
を含んでいることが明らかとなった。また、配列番号:
38で表わされる塩基配列は典型的なシグナル配列を有
しており、配列番号:38で表わされる塩基配列を有す
るDNAは、配列番号:39で表わされるラット型Bv8
成熟体ペプチド(81アミノ酸残基)をコードする243塩
基対からなるDNA(配列番号:40)を含んでいること
が明らかとなった。
【0146】実施例6 ラット脳cDNA由来新規Gタ
ンパク質共役型レセプタータンパク質(rZAQ1)を
コードするcDNAのクローニングと塩基配列の決定 ラット全脳cDNAライブラリー(CLONTECH社)を鋳型と
し、2種類のプライマー1及び2(配列番号:41およ
び配列番号:42)を用いてPCR反応を行った。該反
応における反応液の組成は上記cDNAを10分の1量鋳型と
して使用し、 Advantage-2 cDNApolymerase Mix (CLON
TECH社)1/50量、プライマー各0.2μM、dNTPs 200μM、
および酵素に添付のバッファーを加え、25μlの液量と
した。PCR反応は、(i)94℃・2分の後、(ii)94℃・20
秒、72℃・1分30秒のサイクルを3回、(iii)94℃・20
秒、68℃・1分30秒のサイクルを3回、(iv)94℃・20
秒、62℃・20秒、68℃1分のサイクルを36回繰り返し、
最後に68℃・7分の伸長反応を行った。該PCR反応後
の反応産物をTOPO−TAクローニングキット(Invitrogen
社)の処方に従いプラスミドベクターpCR2.1‐TOPO(In
vitrogen社)へサブクローニングした。これを大腸菌DH
5αに導入し、cDNAを持つクローンを,アンピシリンを
含むLB寒天培地中で選択した。個々のクローンの配列を
解析した結果、新規Gタンパク質共役型レセプタータン
パク質をコードするcDNA(配列番号:43)を得た。該
cDNAの塩基配列から導き出されるアミノ酸配列(配列番
号:44)には、配列番号:1で表されるアミノ酸配列
と83.7%の相同性がみられた。このアミノ酸配列を含有
する新規Gタンパク質共役型レセプタータンパク質をrZ
AQ1と命名した。また配列番号:43で表わされる塩基
配列を有するDNAを含有する形質転換体(大腸菌)につ
いては、エシェリヒア コリ ( Escherichia coli )DH5
α / pCR2.1‐rZAQ1と命名した。
【0147】実施例7 ラット脳cDNA由来 新規G
タンパク質共役型レセプタータンパク質(rZAQ2)
をコードするcDNAのクローニングと塩基配列の決定 rZAQ2をコードするクローンは、genetrapper法で取得し
た。すなわち、プローブ1及び2(配列番号:45およ
び配列番号:46)をビオチン化したのち、一本鎖にし
たラット全脳cDNAライブラリー(GIBCO−BRL社)とハイ
ブリダイゼーションし、得られた一本鎖遺伝子をプライ
マー1及び2(配列番号:47および配列番号:48)
を用いて二本鎖に修復した。この遺伝子を大腸菌DH10B
にエレクトロポーレーションし、アンピシリン耐性を指
標として形質転換体を得た。さらに、プローブ1(配列
番号:45)とプライマー3(配列番号:49)を用い
たコロニーPCRで、目的とする塩基配列をコードするク
ローンを選択した。このクローンの塩基配列から予測さ
れるORF(open reading frame)の塩基配列(配列番
号:50)より導き出されるアミノ酸配列(配列番号:
51)は、rZAQ1と80.6%の相同性がみられた。このアミ
ノ酸配列を有する新規Gタンパク質共役型レセプタータ
ンパク質をrZAQ2と命名した。また、このgenetrapper法
で取得した形質転換体(大腸菌)を、エシェリヒア コ
リ (Escherichia coli)DH10B /pCMV-rZAQ2と命名し
た。
【0148】実施例8 モルモット回腸摘出標本を用い
た収縮実験 モルモット(std:Hartley、7-8週令、雄性、体重450 g
程度)の頸動脈をはさみで切断し失血死させた後、開腹
し回腸を摘出した。回腸を、95% O2-5% CO2ガスを吹
き込んだTyrode液(組成:138 mM NaCl、2.7 mM KCl、
1.8 mM CaCl2、0.5 mM MgCl2、1.1 mM NaH2PO4、11.9 m
M NaHCO3、5.6 mM glucose)を入れたガラスシャーレに
入れ、手術用はさみとピンセットを用いて回腸に付着し
ている脂肪片や結合組織を除去した後に、約1.5 cmの長
さに切り標本として用いた。この標本を37℃に暖めた
上記Tyrode液を満たしたオーガンバス(20ml)中に
懸垂し、0.5gの負荷をかけて30分以上かけて安定
させた。回腸標本の収縮反応は、NEC三栄のAMPLIFIE
R CASE 7747を用いて測定した。アセチルコリン1μMを
投与し最大収縮反応を測定した後に、参考例1の方法に
準じて得られた精製ヒト型Bv8ペプチドまたはヘビ毒
MIT1を累積投与して収縮反応を測定した。ヒト型B
v8とMIT1の希釈には0.05% bovine serum albumi
nを含む生理食塩水を用いた。結果を〔図11〕に示
す。ヒト型Bv8およびMIT1により惹起される収縮
反応は、アセチルコリン1μMにより惹起される収縮反
応を100%としてパーセントで示した。その結果、ヒ
ト型Bv8とMIT1は容量依存的に強力な収縮反応を
惹起した。容量反応曲線から算出したヒト型Bv8およ
びMIT1のEC50値は、それぞれ0.57nMおよび
0.40nMであった。
【0149】参考例1 大腸菌でのヒト型Bv8ペプチ
ド(配列番号:19)の製造 (1)大腸菌でのヒト型Bv8ペプチド発現プラスミド
の構築 (a)ヒト型Bv8の構造遺伝子の調製 6種のDNA断片#1〜#6(配列番号:65〜配列番
号:70)を用いて、ヒト型Bv8の構造遺伝子を調製
した。 (b)DNAオリゴマーのリン酸化 5’側になるべき上記#1および#6を除いた4種のD
NAオリゴマー(#2〜#5)各々を、25μlのリン
酸化反応液〔DNAオリゴマー10μg,50mM Tris
−HCl,pH7.6, 10mM MgCl2, 1mMスペル
ミジン,10mM ジチオスレイトール(以後DTTと
略記),0.1mg/mlウシ血清アルブミン(以後B
SAと略記),1mM ATP,10ユニットT4ポリ
ヌクレオチドキナーゼ(宝酒造)〕中で37℃・1時間
反応させ、各オリゴマーの5'末端をリン酸化した。フ
ェノール処理を行った後、2倍量のエタノールを加え、
−70℃に冷却した後、遠心でDNAを沈殿させた。 (c)DNAフラグメントの連結 上記(b)で得られたDNAフラグメントと上記#1およ
び#6を合わせ、120μlとした。この混合液を90
℃で10分間保持した後、室温まで徐冷しアニーリング
を行った後、TaKaRa DNA Ligation Kit ver.2(宝酒
造)を用いてライゲーション反応を行った。アニーリン
グ液30μlにキットに付属のII液30μlを加え、
よく混合した後、キットに付属のI液60μlを加え、
37℃・1時間反応させ、ライゲーションを行った。そ
の後、フェノール処理を行ない、水層を回収して2倍量
のエタノールを加え、−70℃に冷却した後、遠心でD
NAを沈殿させた。この様にして得られたDNAフラグ
メントをT4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造)によ
るリン酸化を行った後、以下の工程(d)に供した。 (d) ヒト型Bv8発現ベクターの構築 発現用ベクターとしてはpTCII(特開2000-178297
号公報に記載)をNdeIおよびBamHI(宝酒造)
で37℃・2時間消化した後、1%アガロースゲル電気
泳動により4.3kbのDNA断片をQIAquick Gel Extrac
tion Kit(キアゲン社)を用いて抽出し、25μlのT
E緩衝液に溶解した。このpTCIIのNdeI、Ba
mHI断片と上記により調製したヒト型Bv8の構造遺
伝子(配列番号:71)をTaKaRa DNA ligation kit ve
r.2 (宝酒造)を用いてライゲーション反応を行った。
この反応液を10μl用いて大腸菌JM109コンピテ
ントセル(東洋紡)を形質転換し、10μg/mlのテ
トラサイクリンを含むLB寒天培地上に播き、37℃で
1晩培養し、生じたテトラサイクリン耐性コロニー選ん
だ。この形質転換体をLB培地で一晩培養し、QIAprep8
Miniprep Kit(キアゲン社)を用いてプラスミドpTC
h2ZAQを調製した。このヒト型Bv8DNAの塩基
配列をアプライドバイオシステムズ社モデル377DN
Aシーケンサーを用いて確認した。プラスミドpTCh
2ZAQを大腸菌(Escherichia coli)MM294(D
E3)に形質転換し、ヒト型Bv8発現株Escherichia
coliMM294(DE3)/ pTCh2ZAQを得た。
【0150】(2)ヒト型Bv8ペプチドの製造 上記のEscherichia coli MM294(DE3)/ pTCh2ZAQを5.
0mg/Lのテトラサイクリンを含むLB培地・1L
(1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナ
トリウム)を用いて2L容フラスコ中で37℃、8時間
振とう培養した。得られた培養液を19Lの主発酵培地
(1.68%リン酸1水素ナトリウム、0.3%リン酸
2水素カリウム、0.1%塩化アンモニウム、0.05
%塩化ナトリウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.
02%消泡剤、0.00025%硫酸第1鉄、0.00
05%塩酸チアミン、1.5%ブドウ糖、1.5%ハイ
ケースアミノ)を仕込んだ50L容発酵槽へ移植して、
30℃で通気攪拌を開始した。培養液の濁度が500ク
レット単位になったところで、イソプロピル−β−D−
チオガラクトピラノシドの最終濃度が12mg/Lにな
るように添加し、さらに4時間培養を行った。培養終了
後、培養液を遠心分離し、約500gの湿菌体を取得
し、−80℃で保存した。 (3)ヒト型Bv8ペプチドの活性化 上記(2)で得られた菌体400gに、200mMトリ
ス/HCl、7Mグアニジン塩酸塩(pH8.0)80
0mlを加えて菌体を溶解した後、遠心分離(1000
0rpm、1時間)を行った。上澄液に0.4Mアルギ
ニン、50mMトリス/HCl、0.2mM GSSG
(酸化型グルタチオン)、1mM GSH(還元型グル
タチオン)(pH8.0)20リットルを加えて、4℃
で一晩活性化を行った。 (4)ヒト型Bv8ペプチドの精製 上記(3)で活性化の終了した再生液をpH6.0に調
整し、50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化し
たSP−セファロースカラム(11.3cm×15c
m)に吸着させた後、600mM NaCl/50mM
リン酸緩衝液(pH6.0)で溶出し、ヒト型Bv8を
含むフラクションをプールした。この画分を50mM
リン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したSP−5PW
(21.5mm×150mmL)に通液し、吸着、洗浄
した後、0−100%B(B=50mM リン酸緩衝液
+1M NaCl、pH6.05)の段階勾配(60分)
で溶出を行いヒト型Bv8画分(溶出時間約40分)を
得た。この画分を、さらに0.1%トリフルオロ酢酸で
平衡化したC4P−50(21.5mmID×300m
mL、昭和電工)に通液し、吸着、洗浄した後、25−
50%B(B:80%アセトニトリル/ 0.1%トリフ
ルオロ酢酸)の段階勾配(60分)で溶出を行い、ヒト
型Bv8画分(溶出時間約30分)をプールした後、凍
結乾燥を行い、ヒト型Bv8凍結乾燥粉末約25mgを
得た。
【0151】(5)ヒト型Bv8ペプチドの特徴決定 (a)SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた
分析 上記(4)で得られたヒト型Bv8を100mM DT
Tを添加したSample buffer[Laemmli, Nature, 227, 6
80 (1979)]に懸濁し、95℃で1分間加熱した後、マ
ルチゲル15/25(第一化学薬品)で電気泳動を行っ
た。泳動後のゲルをクーマシー・ブリリアント・ブルー
(Coomassie brilliant blue)で染色した結果、9kD
aの位置に単一の蛋白バンドが認められた。このことか
ら、上記(4)で得られた大腸菌由来の組換え型ヒト型
Bv8の標品は極めて高純度であることが分かった。 (b)アミノ酸組成分析 アミノ酸組成をアミノ酸分析計(日立L−8500A
Amino Acid Analyzer)を用いて決定した。その結果、
ヒト型Bv8(配列番号:19で表されるアミノ酸配列
からなるペプチド)のDNAの塩基配列から推定される
アミノ酸組成と一致した(表2)。
【表2】
【0152】(c)N末端アミノ酸配列分析 N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケンサー(P
Eアプライドバイオシステムズ モデル492)を用い
て決定した。その結果、得られたヒト型Bv8のDNA
の塩基配列から推定されたヒト型Bv8のN末端アミノ
酸配列と一致した(表3)。
【表3】
【0153】(d)C末端アミノ酸分析 C末端アミノ酸をアミノ酸分析計(日立L−8500A
Amino Acid Analyzer)を用いて決定した。得られた
ヒト型Bv8はDNAの塩基配列から推定されたC末端
アミノ酸と一致した(表4)。
【表4】
【0154】(6)ヒト型Bv8ペプチドの活性測定
(FLIPRを用いた細胞内Caイオン濃度上昇活性の
測定) 上記(4)で得られた純化された大腸菌由来の組換え型
ヒト型Bv8標品を実施例2(2−3)の方法を用い
て、活性測定(FLIPRを用いた細胞内Caイオン濃
度上昇活性の測定)を行った。その結果、CHO細胞由
来の組換え型標品(ヒト型Bv8の精製品:実施例3)
と同等の活性を有していた。
【0155】
【発明の効果】本発明のペプチド、本発明のペプチドを
コードするDNA(以下、本発明のDNAと略記する場
合がある)および本発明のペプチドに対する抗体(以
下、本発明の抗体と略記する場合がある)は、(i)本
発明のペプチドが関与する各種疾病の治療・予防剤、
(ii)本発明のペプチドと本発明のタンパク質との結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング、
(iii)本発明のペプチドまたはその塩の定量、(iv)
遺伝子診断剤、(v)アンチセンスDNAを含有する医
薬、(vi)本発明の抗体を含有する医薬および診断薬、
(vii)本発明のDNAを有する非ヒト動物の作出、(v
iii)構造的に類似したリガンド・レセプターとの比較
にもとづいたドラッグデザイン、などの実施のために有
用である。特に、本発明のペプチドと本発明のタンパク
質とを用いたスクリーニングによって得られる化合物ま
たはその塩は、消化器疾患、中枢神経疾患などの医薬と
して安全に用いられうる。
【0156】
【配列表】 [SEQUENCE LISTING] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel Phisiological Active Peptide and Its Use <130> P01-O295 <150> JP2001-026820 <151> 2001-02-02 <160> 71 <210> 1 <211> 393 <212> PRT <213> Human <400> 1 Met Glu Thr Thr Met Gly Phe Met Asp Asp Asn Ala Thr Asn Thr Ser 5 10 15 Thr Ser Phe Leu Ser Val Leu Asn Pro His Gly Ala His Ala Thr Ser 20 25 30 Phe Pro Phe Asn Phe Ser Tyr Ser Asp Tyr Asp Met Pro Leu Asp Glu 35 40 45 Asp Glu Asp Val Thr Asn Ser Arg Thr Phe Phe Ala Ala Lys Ile Val 50 55 60 Ile Gly Met Ala Leu Val Gly Ile Met Leu Val Cys Gly Ile Gly Asn 65 70 75 80 Phe Ile Phe Ile Ala Ala Leu Val Arg Tyr Lys Lys Leu Arg Asn Leu 85 90 95 Thr Asn Leu Leu Ile Ala Asn Leu Ala Ile Ser Asp Phe Leu Val Ala 100 105 110 Ile Val Cys Cys Pro Phe Glu Met Asp Tyr Tyr Val Val Arg Gln Leu 115 120 125 Ser Trp Glu His Gly His Val Leu Cys Thr Ser Val Asn Tyr Leu Arg 130 135 140 Thr Val Ser Leu Tyr Val Ser Thr Asn Ala Leu Leu Ala Ile Ala Ile 145 150 155 160 Asp Arg Tyr Leu Ala Ile Val His Pro Leu Arg Pro Arg Met Lys Cys 165 170 175 Gln Thr Ala Thr Gly Leu Ile Ala Leu Val Trp Thr Val Ser Ile Leu 180 185 190 Ile Ala Ile Pro Ser Ala Tyr Phe Thr Thr Glu Thr Val Leu Val Ile 195 200 205 Val Lys Ser Gln Glu Lys Ile Phe Cys Gly Gln Ile Trp Pro Val Asp 210 215 220 Gln Gln Leu Tyr Tyr Lys Ser Tyr Phe Leu Phe Ile Phe Gly Ile Glu 225 230 235 240 Phe Val Gly Pro Val Val Thr Met Thr Leu Cys Tyr Ala Arg Ile Ser 245 250 255 Arg Glu Leu Trp Phe Lys Ala Val Pro Gly Phe Gln Thr Glu Gln Ile 260 265 270 Arg Lys Arg Leu Arg Cys Arg Arg Lys Thr Val Leu Val Leu Met Cys 275 280 285 Ile Leu Thr Ala Tyr Val Leu Cys Trp Ala Pro Phe Tyr Gly Phe Thr 290 295 300 Ile Val Arg Asp Phe Phe Pro Thr Val Phe Val Lys Glu Lys His Tyr 305 310 315 320 Leu Thr Ala Phe Tyr Ile Val Glu Cys Ile Ala Met Ser Asn Ser Met 325 330 335 Ile Asn Thr Leu Cys Phe Val Thr Val Lys Asn Asp Thr Val Lys Tyr 340 345 350 Phe Lys Lys Ile Met Leu Leu His Trp Lys Ala Ser Tyr Asn Gly Gly 355 360 365 Lys Ser Ser Ala Asp Leu Asp Leu Lys Thr Ile Gly Met Pro Ala Thr 370 375 380 Glu Glu Val Asp Cys Ile Arg Leu Lys 385 390 <210> 2 <211> 1179 <212> DNA <213> Human <400> 2 atggagacca ccatggggtt catggatgac aatgccacca acacttccac cagcttcctt 60 tctgtgctca accctcatgg agcccatgcc acttccttcc cattcaactt cagctacagc 120 gactatgata tgcctttgga tgaagatgag gatgtgacca attccaggac gttctttgct 180 gccaagattg tcattgggat ggccctggtg ggcatcatgc tggtctgcgg cattggaaac 240 ttcatcttta tcgctgccct ggtccgctac aagaaactgc gcaacctcac caacctgctc 300 atcgccaacc tggccatctc tgacttcctg gtggccattg tctgctgccc ctttgagatg 360 gactactatg tggtgcgcca gctctcctgg gagcacggcc acgtcctgtg cacctctgtc 420 aactacctgc gcactgtctc tctctatgtc tccaccaatg ccctgctggc catcgccatt 480 gacaggtatc tggctattgt ccatccgctg agaccacgga tgaagtgcca aacagccact 540 ggcctgattg ccttggtgtg gacggtgtcc atcctgatcg ccatcccttc cgcctacttc 600 accaccgaga cggtcctcgt cattgtcaag agccaggaaa agatcttctg cggccagatc 660 tggcctgtgg accagcagct ctactacaag tcctacttcc tctttatctt tggcatagaa 720 ttcgtgggcc ccgtggtcac catgaccctg tgctatgcca ggatctcccg ggagctctgg 780 ttcaaggcgg tccctggatt ccagacagag cagatccgca agaggctgcg ctgccgcagg 840 aagacggtcc tggtgctcat gtgcatcctc accgcctacg tgctatgctg ggcgcccttc 900 tacggcttca ccatcgtgcg cgacttcttc cccaccgtgt tcgtgaagga gaagcactac 960 ctcactgcct tctacatcgt cgagtgcatc gccatgagca acagcatgat caacactctg 1020 tgcttcgtga ccgtcaagaa cgacaccgtc aagtacttca aaaagatcat gttgctccac 1080 tggaaggctt cttacaatgg cggtaagtcc agtgcagacc tggacctcaa gacaattggg 1140 atgcctgcca ccgaagaggt ggactgcatc agactaaaa 1179 <210> 3 <211> 1179 <212> DNA <213> Human <400> 3 atggagacca ccatggggtt catggatgac aatgccacca acacttccac cagcttcctt 60 tctgtgctca accctcatgg agcccatgcc acttccttcc cattcaactt cagctacagc 120 gactatgata tgcctttgga tgaagatgag gatgtgacca attccaggac gttctttgct 180 gccaagattg tcattgggat ggccctggtg ggcatcatgc tggtctgcgg cattggaaac 240 ttcatcttta tcgctgccct ggtccgctac aagaaactgc gcaacctcac caacctgctc 300 atcgccaacc tggccatctc tgacttcctg gtggccattg tctgctgccc ctttgagatg 360 gactactatg tggtgcgcca gctctcctgg gagcacggcc acgtcctgtg cacctctgtc 420 aactacctgc gcactgtctc tctctatgtc tccaccaatg ccctgctggc catcgccatt 480 gacaggtatc tggctattgt ccatccgctg agaccacgga tgaagtgcca aacagccact 540 ggcctgattg ccttggtgtg gacggtgtcc atcctgatcg ccatcccttc cgcctacttc 600 accaccgaga cggtcctcgt cattgtcaag agccaggaaa agatcttctg cggccagatc 660 tggcctgtgg accagcagct ctactacaag tcctacttcc tctttatctt tggcatagaa 720 ttcgtgggcc ccgtggtcac catgaccctg tgctatgcca ggatctcccg ggagctctgg 780 ttcaaggcgg tccctggatt ccagacagag cagatccgca agaggctgcg ctgccgcagg 840 aagacggtcc tggtgctcat gtgcatcctc accgcctacg tgctatgctg ggcgcccttc 900 tacggcttca ccatcgtgcg cgacttcttc cccaccgtgt ttgtgaagga gaagcactac 960 ctcactgcct tctacatcgt cgagtgcatc gccatgagca acagcatgat caacactctg 1020 tgcttcgtga ccgtcaagaa cgacaccgtc aagtacttca aaaagatcat gttgctccac 1080 tggaaggctt cttacaatgg cggtaagtcc agtgcagacc tggacctcaa gacaattggg 1140 atgcctgcca ccgaagaggt ggactgcatc agactaaaa 1179 <210> 4 <211> 31 <212> DNA <213> 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Gly Met Cys Cys Ala Val 35 40 45 Ser Ile Trp Val Lys Ser Ile Arg Ile Cys Thr Pro Met Gly Lys Leu 50 55 60 Gly Asp Ser Cys His Pro Leu Thr Arg Lys Val Pro Phe Phe Gly Arg 65 70 75 80 Arg Met His His Thr Cys Pro Cys Leu Pro Gly Leu Ala Cys Leu Arg 85 90 95 Thr Ser Phe Asn Arg Phe Ile Cys Leu Ala Gln Lys 100 105 <210> 18 <211> 324 <212> DNA <213> Human <400> 18 atgaggagcc tgtgctgcgc cccactcctg ctcctcttgc tgctgccgcc gctgctgctc 60 acgccccgcg ctggggacgc cgccgtgatc accggggctt gtgacaagga ctcccaatgt 120 ggtggaggca tgtgctgtgc tgtcagtatc tgggtcaaga gcataaggat ttgcacacct 180 atgggcaaac tgggagacag ctgccatcca ctgactcgta aagttccatt ttttgggcgg 240 aggatgcatc acacttgccc atgtctgcca ggcttggcct gtttacggac ttcatttaac 300 cgatttattt gtttagccca aaag 324 <210> 19 <211> 81 <212> PRT <213> Human <400> 19 Ala Val Ile Thr Gly Ala Cys Asp Lys Asp Ser Gln Cys Gly Gly Gly 5 10 15 Met Cys Cys Ala Val Ser Ile Trp Val Lys Ser Ile Arg Ile Cys Thr 20 25 30 Pro Met Gly Lys Leu Gly Asp Ser Cys His Pro Leu Thr Arg Lys Val 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Ala Cys Asp Lys Asp Ser Gln Cys Gly Gly Gly 5 10 15 Met Cys Cys Ala Val Ser Ile Trp Val Lys Ser Ile Arg Ile Cys Thr 20 25 30 Pro Met Gly Lys Leu Gly Asp Ser Cys His Pro Leu Thr Arg Lys Val 35 40 45 Pro Phe Phe Gly Arg Arg Met His His Thr Cys Pro Cys Leu Pro Gly 50 55 60 Leu Ala Cys Leu Arg Thr Ser Phe Asn Arg Phe Ile Cys Leu Ala Gln 65 70 75 80 <210> 23 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, BF2 primer <400> 23 gcttgygaca aggactcyca 20 <210> 24 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, BR1 primer <400> 24 gttyctacty cagagygat 19 <210> 25 <211> 210 <212> DNA <213> Human <400> 25 gtgtggagga ggaatgtgct gcgctgtcag tatctgggtt aagagcataa ggatctgcac 60 acctatgggc caagtgggag acagctgcca ccccctgact cggaaagttc cattttgggg 120 gcggaggatg caccacactt gtccctgcct gccaggtttg gcatgtttaa ggacttcttt 180 caaccgtttt atttgtttgg cccggaagtg 210 <210> 26 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, RB5-1 primer <400> 26 gtgcatcctc 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Gly Asp Ala Ala Val Ile Thr Gly Ala 20 25 30 Cys Asp Lys Asp Ser Gln Cys Gly Gly Gly Met Cys Cys Ala Val Ser 35 40 45 Ile Trp Val Lys Ser Ile Arg Ile Cys Thr Pro Met Gly Gln Val Gly 50 55 60 Asp Ser Cys His Pro Leu Thr Arg Lys Val Pro Phe Trp Gly Arg Arg 65 70 75 80 Met His His Thr Cys Pro Cys Leu Pro Gly Leu Ala Cys Leu Arg Thr 85 90 95 Ser Phe Asn Arg Phe Ile Cys Leu Ala Arg Lys 100 105 <210> 38 <211> 321 <212> DNA <213> Rat <400> 38 atggaggacc cgcgctgtgc cccgctactg ctacttttgc tgctaccgct gctgctcaca 60 ccgcccgccg gggatgccgc ggtcatcacc ggggcttgcg acaaggactc tcagtgtgga 120 ggaggaatgt gctgcgctgt cagtatctgg gttaagagca taaggatctg cacacctatg 180 ggccaagtgg gagacagctg ccaccccctg actcggaaag ttccattttg ggggcggagg 240 atgcaccaca cttgtccctg cctgccaggt ttggcatgtt taaggacttc tttcaaccgt 300 tttatttgtt tggcccggaa g 321 <210> 39 <211> 81 <212> PRT <213> Rat or Mouse <400> 39 Ala Val Ile Thr Gly Ala Cys Asp Lys Asp Ser Gln Cys Gly Gly Gly 5 10 15 Met Cys Cys Ala Val Ser Ile Trp Val Lys Ser Ile Arg Ile 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tcccccttgc cattcacttt cagctatggt 120 gactatgaca tgccctcgga tgaagaggag gatgtgacca actctcggac tttctttgct 180 gccaagattg tcattggcat ggctttggtg ggcatcatgc tggtgtgtgg catcggcaac 240 ttcatcttca tcactgcgct ggcccgctac aaaaagcttc gcaacctcac caacctgctt 300 atcgccaacc tggccatttc ggacttcctg gtagccatcg tgtgctgccc ctttgagatg 360 gactactatg tggtacgcca gctctcctgg gagcacggcc atgtcctgtg cgcctccgtc 420 aactacttgc gcaccgtctc cctctacgtg tccactaacg ccctactggc cattgccatt 480 gacaggtatc tggccattgt gcacccgctg agaccgcgga tgaagtgtca aacggctgca 540 ggcctgatct tcctggtgtg gtctgtgtcc atcctcatcg ccatcccagc cgcctacttc 600 accactgaga cggtgttggt catcgtggaa agccaggaga agatcttctg cggccagatc 660 tggccggtgg atcagcagtt ctactacagg tcctatttcc ttttggtctt cggcctcgag 720 ttcgtgggtc ctgtaatcgc catgaccctg tgctatgcca gggtgtcccg agagctctgg 780 ttcaaggcgg tgcccggctt ccagacagag cagatccgcc ggaggctgcg ctgtcgccga 840 cggacggtac tggggctcgt gtgcgtcctt tccgcctatg tgctgtgctg ggctcccttc 900 tatggcttca ccatcgtgcg tgacttcttc ccctccgtgt ttgtgaaaga gaagcactac 960 ctcaccgcct tttatgtggt ggagtgcatc gccatgagca acagtatgat caatacgctg 1020 tgctttgtga ctgtcaggaa taacaccagt aagtacctca agaggatcct gcggctccag 1080 tggagggcct ctcctagcgg gagcaaggcc agcgctgacc tcgacctcag gaccacgggg 1140 attcctgcca cggaggaggt ggactgcatc cgactgaaa 1179 <210> 44 <211> 393 <212> PRT <213> Rat <400> 44 Met Glu Thr Thr Val Gly Thr Leu Gly Glu Asn Thr Thr Asn Thr Phe 5 10 15 Thr Asp Phe Phe Ser Ala Arg Asp Gly Ser Gly Ala Glu Thr Ser Pro 20 25 30 Leu Pro Phe Thr Phe Ser Tyr Gly Asp Tyr Asp Met Pro Ser Asp Glu 35 40 45 Glu Glu Asp Val Thr Asn Ser Arg Thr Phe Phe Ala Ala Lys Ile Val 50 55 60 Ile Gly Met Ala Leu Val Gly Ile Met Leu Val Cys Gly Ile Gly Asn 65 70 75 80 Phe Ile Phe Ile Thr Ala Leu Ala Arg Tyr Lys Lys Leu Arg Asn Leu 85 90 95 Thr Asn Leu Leu Ile Ala Asn Leu Ala Ile Ser Asp Phe Leu Val Ala 100 105 110 Ile Val Cys Cys Pro Phe Glu Met Asp Tyr Tyr Val Val Arg Gln Leu 115 120 125 Ser Trp Glu His Gly His Val Leu Cys Ala Ser Val Asn Tyr Leu Arg 130 135 140 Thr Val Ser Leu Tyr Val Ser Thr Asn Ala Leu Leu Ala Ile Ala Ile 145 150 155 160 Asp Arg Tyr Leu Ala Ile Val His Pro Leu Arg Pro Arg Met Lys Cys 165 170 175 Gln Thr Ala Ala Gly Leu Ile Phe Leu Val Trp Ser Val Ser Ile Leu 180 185 190 Ile Ala Ile Pro Ala Ala Tyr Phe Thr Thr Glu Thr Val Leu Val Ile 195 200 205 Val Glu Ser Gln Glu Lys Ile Phe Cys Gly Gln Ile Trp Pro Val Asp 210 215 220 Gln Gln Phe Tyr Tyr Arg Ser Tyr Phe Leu Leu Val Phe Gly Leu Glu 225 230 235 240 Phe Val Gly Pro Val Ile Ala Met Thr Leu Cys Tyr Ala Arg Val Ser 245 250 255 Arg Glu Leu Trp Phe Lys Ala Val Pro Gly Phe Gln Thr Glu Gln Ile 260 265 270 Arg Arg Arg Leu Arg Cys Arg Arg Arg Thr Val Leu Gly Leu Val Cys 275 280 285 Val Leu Ser Ala Tyr Val Leu Cys Trp Ala Pro Phe Tyr Gly Phe Thr 290 295 300 Ile Val Arg Asp Phe Phe Pro Ser Val Phe Val Lys Glu Lys His Tyr 305 310 315 320 Leu Thr Ala Phe Tyr Val Val Glu Cys Ile Ala Met Ser Asn Ser Met 325 330 335 Ile Asn Thr Leu Cys Phe Val Thr Val Arg Asn Asn Thr Ser Lys Tyr 340 345 350 Leu Lys Arg Ile Leu Arg Leu Gln Trp Arg Ala Ser Pro Ser Gly Ser 355 360 365 Lys Ala Ser Ala Asp Leu Asp Leu Arg Thr Thr Gly Ile Pro Ala Thr 370 375 380 Glu Glu Val Asp Cys Ile Arg Leu Lys 385 390 <210> 45 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, probe 1 <400> 45 cctcaccaay ctgctyatyg ccaacctggc c 31 <210> 46 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, probe 2 <400> 46 gtggtrcgsc agctctcctg ggagca 26 <210> 47 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, primer 1 <400> 47 tcccgggagc tctggttcaa ggc 23 <210> 48 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, primer 2 <400> 48 gagtgcatcg ccatgagcaa cagcatg 27 <210> 49 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, primer 3 <400> 49 ggcttgaacc agagctcccg gga 23 <210> 50 <211> 1263 <212> DNA <213> Rat <400> 50 atggtatcag ttctgtccaa cagggacctc cacacactgg ccccagctga agtgctgaac 60 tccacgtggg cctatctccc tgacacatac cagcctacct gccacatcat caacatggga 120 gaccagaacg gaaacacaag ctttgcacca gacttgaacc caccccaaga ccacgtctcc 180 ttgctcccct taaactacag ttatggagat tatgacatcc ccctggatga cgatgaggat 240 gtgaccaaga cacagacctt ctttgcagcc aaaatcgtca ttggcgtagc cctggcaggc 300 atcatgctag tctgcggcgt tggcaacttt gtcttcattg ctgccctcgc ccgctacaag 360 aagctgcgca accttaccaa cctcctcatc gctaacctgg ccatctctga cttcctggtg 420 gcgatcgtct gctgcccctt tgagatggac tactacgtag tacgtcagct ttcctgggag 480 catggtcacg tgctttgtgc ctccgtcaac taccttcgta cagtctccct gtacgtctcc 540 accaatgctc tgctggccat cgctattgac agatatctcg ctattgtcca ccccttaaaa 600 cggatgaatt accagaccgc ctccttcctg atcgctttgg tctggatggt ctccatcctc 660 atcgccatcc catctgccta cttcaccaca gaaaccatcc ttgttatcgt caagaatcag 720 gaaaagctct tctgtggtca gatctggccc gtggaccagc agctctacta caaatcctac 780 ttcctcttcg tcttcgggct tgagttcgtg ggtcccgtgg tcactatgac cctgtgctat 840 gccaggatct cccaggagct ctggttcaag gctgtacctg gtttccagac ggagcagatc 900 cgcaagcgac tgcgctgccg ccgaaagaca gtgctattgc tcatgggtat cctcacagcc 960 tacgtgctgt gctgggcgcc tttctatggc tttaccatag tgcgagactt cttccccacg 1020 ctggttgtga aggagaagca ctacctcacc gccttctatg tcgtcgagtg catcgccatg 1080 agcaacagca tgatcaatac tatatgcttc gtgacggtca agaacaacac catgaaatac 1140 ttcaagaaga tgctgctgct gcactggcgg ccctctcact acgggagtaa gtccagcgcg 1200 gacctcgacc tcaaaaccag tggggttcct gccaccgaag aggtggactg tatcaggcta 1260 aag 1263 <210> 51 <211> 421 <212> PRT <213> Rat <400> 51 Met Val Ser Val Leu Ser Asn Arg Asp Leu His Thr Leu Ala Pro Ala 5 10 15 Glu Val Leu Asn Ser Thr Trp Ala Tyr Leu Pro Asp Thr Tyr Gln Pro 20 25 30 Thr Cys His Ile Ile Asn Met Gly Asp Gln Asn Gly Asn Thr Ser Phe 35 40 45 Ala Pro Asp Leu Asn Pro Pro Gln Asp His Val Ser Leu Leu Pro Leu 50 55 60 Asn Tyr Ser Tyr Gly Asp Tyr Asp Ile Pro Leu Asp Asp Asp Glu Asp 65 70 75 80 Val Thr Lys Thr Gln Thr Phe Phe Ala Ala Lys Ile Val Ile Gly Val 85 90 95 Ala Leu Ala Gly Ile Met Leu Val Cys Gly Val Gly Asn Phe Val Phe 100 105 110 Ile Ala Ala Leu Ala Arg Tyr Lys Lys Leu Arg Asn Leu Thr Asn Leu 115 120 125 Leu Ile Ala Asn Leu Ala Ile Ser Asp Phe Leu Val Ala Ile Val Cys 130 135 140 Cys Pro Phe Glu Met Asp Tyr Tyr Val Val Arg Gln Leu Ser Trp Glu 145 150 155 160 His Gly His Val Leu Cys Ala Ser Val Asn Tyr Leu Arg Thr Val Ser 165 170 175 Leu Tyr Val Ser Thr Asn Ala Leu Leu Ala Ile Ala Ile Asp Arg Tyr 180 185 190 Leu Ala Ile Val His Pro Leu Lys Arg Met Asn Tyr Gln Thr Ala Ser 195 200 205 Phe Leu Ile Ala Leu Val Trp Met Val Ser Ile Leu Ile Ala Ile Pro 210 215 220 Ser Ala Tyr Phe Thr Thr Glu Thr Ile Leu Val Ile Val Lys Asn Gln 225 230 235 240 Glu Lys Leu Phe Cys Gly Gln Ile Trp Pro Val Asp Gln Gln Leu Tyr 245 250 255 Tyr Lys Ser Tyr Phe Leu Phe Val Phe Gly Leu Glu Phe Val Gly Pro 260 265 270 Val Val Thr Met Thr Leu Cys Tyr Ala Arg Ile Ser Gln Glu Leu Trp 275 280 285 Phe Lys Ala Val Pro Gly Phe Gln Thr Glu Gln Ile Arg Lys Arg Leu 290 295 300 Arg Cys Arg Arg Lys Thr Val Leu Leu Leu Met Gly Ile Leu Thr Ala 305 310 315 320 Tyr Val Leu Cys Trp Ala Pro Phe Tyr Gly Phe Thr Ile Val Arg Asp 325 330 335 Phe Phe Pro Thr Leu Val Val Lys Glu Lys His Tyr Leu Thr Ala Phe 340 345 350 Tyr Val Val Glu Cys Ile Ala Met Ser Asn Ser Met Ile Asn Thr Ile 355 360 365 Cys Phe Val Thr Val Lys Asn Asn Thr Met Lys Tyr Phe Lys Lys Met 370 375 380 Leu Leu Leu His Trp Arg Pro Ser His Tyr Gly Ser Lys Ser Ser Ala 385 390 395 400 Asp Leu Asp Leu Lys Thr Ser Gly Val Pro Ala Thr Glu Glu Val Asp 405 410 415 Cys Ile Arg Leu Lys 420 <210> 52 <211> 384 <212> PRT <213> Human <400> 52 Met Ala Ala Gln Asn Gly Asn Thr Ser Phe Thr Pro Asn Phe Asn Pro 5 10 15 Pro Gln Asp His Ala Ser Ser Leu Ser Phe Asn Phe Ser Tyr Gly Asp 20 25 30 Tyr Asp Leu Pro Met Asp Glu Asp Glu Asp Met Thr Lys Thr Arg Thr 35 40 45 Phe Phe Ala Ala Lys Ile Val Ile Gly Ile Ala Leu Ala Gly Ile Met 50 55 60 Leu Val Cys Gly Ile Gly Asn Phe Val Phe Ile Ala Ala Leu Thr Arg 65 70 75 80 Tyr Lys Lys Leu Arg Asn Leu Thr Asn Leu Leu Ile Ala Asn Leu Ala 85 90 95 Ile Ser Asp Phe Leu Val Ala Ile Ile Cys Cys Pro Phe Glu Met Asp 100 105 110 Tyr Tyr Val Val Arg Gln Leu Ser Trp Glu His Gly His Val Leu Cys 115 120 125 Ala Ser Val Asn Tyr Leu Arg Thr Val Ser Leu Tyr Val Ser Thr Asn 130 135 140 Ala Leu Leu Ala Ile Ala Ile Asp Arg Tyr Leu Ala Ile Val His Pro 145 150 155 160 Leu Lys Pro Arg Met Asn Tyr Gln Thr Ala Ser Phe Leu Ile Ala Leu 165 170 175 Val Trp Met Val Ser Ile Leu Ile Ala Ile Pro Ser Ala Tyr Phe Ala 180 185 190 Thr Glu Thr Val Leu Phe Ile Val Lys Ser Gln Glu Lys Ile Phe Cys 195 200 205 Gly Gln Ile Trp Pro Val Asp Gln Gln Leu Tyr Tyr Lys Ser Tyr Phe 210 215 220 Leu Phe Ile Phe Gly Val Glu Phe Val Gly Pro Val Val Thr Met Thr 225 230 235 240 Leu Cys Tyr Ala Arg Ile Ser Arg Glu Leu Trp Phe Lys Ala Val Pro 245 250 255 Gly Phe Gln Thr Glu Gln Ile Arg Lys Arg Leu Arg Cys Arg Arg Lys 260 265 270 Thr Val Leu Val Leu Met Cys Ile Leu Thr Ala Tyr Val Leu Cys Trp 275 280 285 Ala Pro Phe Tyr Gly Phe Thr Ile Val Arg Asp Phe Phe Pro Thr Val 290 295 300 Phe Val Lys Glu Lys His Tyr Leu Thr Ala Phe Tyr Val Val Glu Cys 305 310 315 320 Ile Ala Met Ser Asn Ser Met Ile Asn Thr Val Cys Phe Val Thr Val 325 330 335 Lys Asn Asn Thr Met Lys Tyr Phe Lys Lys Met Met Leu Leu His Trp 340 345 350 Arg Pro Ser Gln Arg Gly Ser Lys Ser Ser Ala Asp Leu Asp Leu Arg 355 360 365 Thr Asn Gly Val Pro Thr Thr Glu Glu Val Asp Cys Ile Arg Leu Lys 370 375 380 384 <210> 53 <211> 393 <212> PRT <213> Mouse <400> 53 Met Glu Thr Thr Val Gly Ala Leu Gly Glu Asn Thr Thr Asp Thr Phe 5 10 15 Thr Asp Phe Phe Ser Ala Leu Asp Gly His Glu Ala Gln Thr Gly Ser 20 25 30 Leu Pro Phe Thr Phe Ser Tyr Gly Asp Tyr Asp Met Pro Leu Asp Glu 35 40 45 Glu Glu Asp Val Thr Asn Ser Arg Thr Phe Phe Ala Ala Lys Ile Val 50 55 60 Ile Gly Met Ala Leu Val Gly Ile Met Leu Val Cys Gly Ile Gly Asn 65 70 75 80 Phe Ile Phe Ile Thr Ala Leu Ala Arg Tyr Lys Lys Leu Arg Asn Leu 85 90 95 Thr Asn Leu Leu Ile Ala Asn Leu Ala Ile Ser Asp Phe Leu Val Ala 100 105 110 Ile Val Cys Cys Pro Phe Glu Met Asp Tyr Tyr Val Val Arg Gln Leu 115 120 125 Ser Trp Glu His Gly His Val Leu Cys Ala Ser Val Asn Tyr Leu Arg 130 135 140 Thr Val Ser Leu Tyr Val Ser Thr Asn Ala Leu Leu Ala Ile Ala Ile 145 150 155 160 Asp Arg Tyr Leu Ala Ile Val His Pro Leu Arg Pro Arg Met Lys Cys 165 170 175 Gln Thr Ala Ala Gly Leu Ile Phe Leu Val Trp Ser Val Ser Ile Leu 180 185 190 Ile Ala Ile Pro Ala Ala Tyr Phe Thr Thr Glu Thr Val Leu Val Ile 195 200 205 Val Glu Arg Gln Glu Lys Ile Phe Cys Gly Gln Ile Trp Pro Val Asp 210 215 220 Gln Gln Phe Tyr Tyr Arg Ser Tyr Phe Leu Leu Val Phe Gly Leu Glu 225 230 235 240 Phe Val Gly Pro Val Val Ala Met Thr Leu Cys Tyr Ala Arg Val Ser 245 250 255 Arg Glu Leu Trp Phe Lys Ala Val Pro Gly Phe Gln Thr Glu Gln Ile 260 265 270 Arg Arg Thr Val Arg Cys Arg Arg Arg Thr Val Leu Gly Leu Val Cys 275 280 285 Val Leu Ser Ala Tyr Val Leu Cys Trp Ala Pro Phe Tyr Gly Phe Thr 290 295 300 Ile Val Arg Asp Phe Phe Pro Ser Val Phe Val Lys Glu Lys His Tyr 305 310 315 320 Leu Thr Ala Phe Tyr Val Val Glu Cys Ile Ala Met Ser Asn Ser Met 325 330 335 Ile Asn Thr Leu Cys Phe Val Thr Val Arg Asn Asn Thr Ser Lys Tyr 340 345 350 Leu Lys Arg Ile Leu Arg Leu Gln Trp Arg Ala Ser Pro Ser Gly Ser 355 360 365 Lys Ala Ser Ala Asp Leu Asp Leu Arg Thr Thr Gly Ile Pro Ala Thr 370 375 380 Glu Glu Val Asp Cys Ile Arg Leu Lys 385 390 393 <210> 54 <211> 381 <212> PRT <213> Mouse <400> 54 Met Gly Pro Gln Asn Arg Asn Thr Ser Phe Ala Pro Asp Leu Asn Pro 5 10 15 Pro Gln Asp His Val Ser Leu Asn Tyr Ser Tyr Gly Asp Tyr Asp Leu 20 25 30 Pro Leu Gly Glu Asp Glu Asp Val Thr Lys Thr Gln Thr Phe Phe Ala 35 40 45 Ala Lys Ile Val Ile Gly Val Ala Leu Ala Gly Ile Met Leu Val Cys 50 55 60 Gly Ile Gly Asn Phe Val Phe Ile Ala Ala Leu Ala Arg Tyr Lys Lys 65 70 75 80 Leu Arg Asn Leu Thr Asn Leu Leu Ile Ala Asn Leu Ala Ile Ser Asp 85 90 95 Phe Leu Val Ala Ile Val Cys Cys Pro Phe Glu Met Asp Tyr Tyr Val 100 105 110 Val Arg Gln Leu Ser Trp Ala His Gly His Val Leu Cys Ala Ser Val 115 120 125 Asn Tyr Leu Arg Thr Val Ser Leu Tyr Val Ser Thr Asn Ala Leu Leu 130 135 140 Ala Ile Ala Ile Asp Arg Tyr Leu Ala Ile Val His Pro Leu Lys Pro 145 150 155 160 Arg Met Asn Tyr Gln Thr Ala Ser Phe Leu Ile Ala Leu Val Trp Met 165 170 175 Val Ser Ile Leu Ile Ala Val Pro Ser Ala Tyr Phe Thr Thr Glu Thr 180 185 190 Ile Leu Val Ile Val Lys Asn Gln Glu Lys Ile Phe Cys Gly Gln Ile 195 200 205 Trp Ser Val Asp Gln Gln Leu Tyr Tyr Lys Ser Tyr Phe Leu Phe Val 210 215 220 Phe Gly Leu Glu Phe Val Gly Pro Val Val Thr Met Thr Leu Cys Tyr 225 230 235 240 Ala Arg Ile Ser Gln Glu Leu Trp Phe Lys Ala Val Pro Gly Phe Gln 245 250 255 Thr Glu Gln Ile Arg Lys Arg Leu Arg Cys Arg Arg Lys Thr Val Leu 260 265 270 Leu Leu Met Gly Ile Leu Thr Ala Tyr Val Leu Cys Trp Ala Pro Phe 275 280 285 Tyr Gly Phe Thr Ile Val Arg Asp Phe Phe Pro Thr Val Val Val Lys 290 295 300 Glu Lys His Tyr Leu Thr Ala Phe Tyr Val Val Glu Cys Ile Ala Met 305 310 315 320 Ser Asn Ser Met Ile Asn Thr Ile Cys Phe Val Thr Val Lys Asn Asn 325 330 335 Thr Met Lys Tyr Phe Lys Lys Met Leu Arg Leu His Trp Arg Pro Ser 340 345 350 His Tyr Gly Ser Lys Ser Ser Ala Asp Leu Asp Leu Lys Thr Ser Gly 355 360 365 Val Pro Ala Thr Glu Glu Val Asp Cys Ile Arg Leu Lys 370 375 380 <210> 55 <211> 107 <212> PRT <213> Mouse <400> 55 Met Gly Asp Pro Arg Cys Ala Pro Leu Leu Leu Leu Leu Leu Leu Pro 5 10 15 Leu Leu Phe Thr Pro Pro Ala Gly Asp Ala Ala Val Ile Thr Gly Ala 20 25 30 Cys Asp Lys Asp Ser Gln Cys Gly Gly Gly Met Cys Cys Ala Val Ser 35 40 45 Ile Trp Val Lys Ser Ile Arg Ile Cys Thr Pro Met Gly Gln Val Gly 50 55 60 Asp Ser Cys His Pro Leu Thr Arg Lys Val Pro Phe Trp Gly Arg Arg 65 70 75 80 Met His His Thr Cys Pro Cys Leu Pro Gly Leu Ala Cys Leu Arg Thr 85 90 95 Ser Phe Asn Arg Phe Ile Cys Leu Ala Arg Lys 100 105 <210> 56 <211> 321 <212> DNA <213> Mouse <400> 56 atgggggacc cgcgctgtgc cccgctactg ctacttctgc tgctaccgct gctgttcaca 60 ccgcccgccg gggatgccgc ggtcatcacc ggggcttgcg acaaggactc tcagtgcgga 120 ggaggcatgt gctgtgctgt cagtatctgg gttaagagca taaggatctg cacacctatg 180 ggccaagtgg gcgacagctg ccaccccctg actcggaaag ttccattttg ggggcggagg 240 atgcaccaca cctgcccctg cctgccaggc ttggcgtgtt taaggacttc tttcaaccgg 300 tttatttgct tggcccggaa a 321 <210> 57 <211> 243 <212> DNA <213> Mouse <400> 57 gcggtcatca ccggggcttg cgacaaggac tctcagtgcg gaggaggcat gtgctgtgct 60 gtcagtatct gggttaagag cataaggatc tgcacaccta tgggccaagt gggcgacagc 120 tgccaccccc tgactcggaa agttccattt tgggggcgga ggatgcacca cacctgcccc 180 tgcctgccag gcttggcgtg tttaaggact tctttcaacc ggtttatttg cttggcccgg 240 aaa 243 <210> 58 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, primer 3 <400> 58 tcatgttgct ccactggaag g 21 <210> 59 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, primer 4 <400> 59 ccaattgtct tgaggtccag g 21 <210> 60 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA probe, ZAQC probe <400> 60 ttcttacaat ggcggtaagt ccagtgcag 29 <210> 61 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, ZAQC Sal primer <400> 61 gtcgacatgg agaccaccat ggggttcatg g 31 <210> 62 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer, ZAQC Spe primer <400> 62 actagtttat tttagtctga tgcagtccac ctcttc 36 <210> 63 <211> 1179 <212> DNA <213> Mouse <400> 63 atggagacca ctgtcggggc tctgggtgag aataccacag acaccttcac cgacttcttt 60 tctgcactcg atggccatga agcccaaacc ggctcgttac cattcacttt cagctacggt 120 gactatgaca tgcccctgga tgaagaggaa gatgtgacca attctcggac tttctttgct 180 gccaagattg tcattggcat ggctttggtg ggtatcatgc tagtgtgtgg catcggcaac 240 ttcatcttta tcactgccct ggcccgctac aaaaagctcc gcaacctcac caacctgctt 300 atcgccaacc tggccatttc agacttcctc gtggccatcg tgtgctgccc ctttgagatg 360 gactactatg tggtgcgcca gctctcctgg gagcatggtc atgtcctgtg cgcctctgtc 420 aactacttgc gtaccgtctc cctctacgtc tccactaacg ccctactggc cattgccatt 480 gacaggtatc tggccattgt gcacccgctg agaccgcgga tgaagtgtca aacagccgcc 540 ggcctgatct tcctggtgtg gtcagtatcc atcctcatcg ccattccagc tgcctacttc 600 accactgaga ccgtgctggt catcgtggag agacaggaga agatcttctg tggtcagatc 660 tggccggtgg atcagcagtt ctactacagg tcctatttcc ttttggtttt cggcctcgag 720 ttcgtgggcc ccgtagtcgc catgaccttg tgctatgcca gggtgtcccg ggagctctgg 780 ttcaaggcgg tgccaggctt ccagacagag cagatccgcc ggacggtgcg ctgccgccgc 840 aggacggtgc tggggctcgt gtgcgtcctc tctgcctatg tgctgtgctg ggctcccttc 900 tatggcttca ctatcgtgcg tgacttcttc ccctccgtgt ttgtgaagga gaagcactac 960 ctcaccgcct tctatgtggt ggagtgcatc gccatgagca acagcatgat caatacgctc 1020 tgctttgtga ctgtcaggaa taacaccagt aagtacctca agaggatcct gcggcttcag 1080 tggagggcct ctcccagcgg gagcaaggcc agcgctgacc tcgacctcag gaccacggga 1140 atacctgcca ccgaggaggt ggactgcatc cgactgaaa 1179 <210> 64 <211> 1143 <212> DNA <213> Mouse <400> 64 atgggacccc agaacagaaa cactagcttt gcaccagact tgaatccacc ccaagaccat 60 gtctccttaa actacagtta tggtgattat gacctccccc tgggtgagga tgaggatgtg 120 accaagacac agaccttctt tgcagccaaa attgtcattg gcgtggcact ggcaggcatc 180 atgctggtct gcggcattgg caactttgtc ttcattgctg ccctcgcccg ctacaagaag 240 ctgcgcaacc ttaccaacct cctcattgct aacctggcca tctctgactt cctggtggcg 300 atcgtctgct gcccctttga gatggactat tatgtagtac ggcagctttc ctgggcgcat 360 ggtcacgtgc tttgtgcctc cgtcaactac cttcgtacgg tctccctgta cgtctccacc 420 aacgctctgc tggccatcgc tattgacaga tacctcgcta ttgtccaccc tttgaaacca 480 cggatgaatt atcagaccgc ttccttcctg atcgctttgg tctggatggt ctccatcctc 540 atcgctgtcc catctgccta cttcaccaca gaaaccatcc tcgttatcgt caagaatcaa 600 gaaaaaatct tctgtggtca gatctggtcg gtggaccagc agctctacta caaatcctac 660 ttcctcttcg tcttcgggct tgagttcgtg ggtcccgtgg tcactatgac cctgtgctat 720 gccaggatct cccaagagct ctggttcaag gctgtacctg gcttccagac ggagcaaatc 780 cgcaagcggc tgcgttgccg ccgcaagaca gtgctactgc tcatgggcat cctcacagcc 840 tacgtgctgt gctgggcgcc gttctatggc tttaccatag tgcgagactt cttccccacg 900 gtagttgtga aggagaagca ctacctcacc gccttctacg tcgtggagtg cattgccatg 960 agcaacagca tgatcaatac tatatgcttc gtgacggtca agaacaacac catgaaatac 1020 ttcaagaaga tgctgcggct ccactggcgg ccctctcact acgggagtaa gtccagcgct 1080 gacctcgacc tcaaaaccag cggggtgcct gccactgaag aggtggattg tatcagacta 1140 aag 1143 <210> 65 <211> 82 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 65 tatggcggtg attaccggtg cgtgcgataa agatagccag tgcggtggcg gtatgtgctg 60 tgcggtgagc atttgggtga aa 82 <210> 66 <211> 82 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 66 agcattcgta tttgcacccc gatgggcaaa ctgggcgata gctgccatcc gctgacccgt 60 aaagtgccgt tttttggccg cc 82 <210> 67 <211> 87 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 67 gtatgcatca tacctgcccg tgcctgccgg gcctggcgtg cctgcgcacc agctttaacc 60 gctttatttg cctggcgcag aaatagg 87 <210> 68 <211> 88 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 68 cgaatgcttt tcacccaaat gctcaccgca cagcacatac cgccaccgca ctggctatct 60 ttatcgcacg caccggtaat caccgcca 88 <210> 69 <211> 85 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 69 atgatgcata cggcggccaa aaaacggcac tttacgggtc agcggatggc agctatcgcc 60 cagtttgccc atcggggtgc aaata 85 <210> 70 <211> 80 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 70 gatccctatt tctgcgccag gcaaataaag cggttaaagc tggtgcgcag gcacgccagg 60 cccggcaggc acgggcaggt 80 <210> 71 <211> 243 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 71 gcggtgatta ccggtgcgtg cgataaagat agccagtgcg gtggcggtat gtgctgtgcg 60 gtgagcattt gggtgaaaag cattcgtatt tgcaccccga tgggcaaact gggcgatagc 120 tgccatccgc tgacccgtaa agtgccgttt tttggccgcc gtatgcatca tacctgcccg 180 tgcctgccgg gcctggcgtg cctgcgcacc agctttaacc gctttatttg cctggcgcag 240 aaa 243
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたヒト脳由来タンパク質をコ
ードするDNAの塩基配列(ZAQC)、およびそれか
ら推定されるアミノ酸配列を示す(図2に続く)。
【図2】実施例1で得られたヒト脳由来タンパク質をコ
ードするDNAの塩基配列(ZAQC)、およびそれか
ら推定されるアミノ酸配列を示す(図1の続き、図3に
続く)。
【図3】実施例1で得られたヒト脳由来タンパク質をコ
ードするDNAの塩基配列(ZAQC)、およびそれか
ら推定されるアミノ酸配列を示す(図2の続き)。
【図4】実施例1で得られたヒト脳由来タンパク質をコ
ードするDNAの塩基配列(ZAQT)、およびそれか
ら推定されるアミノ酸配列を示す(図5に続く)。
【図5】実施例1で得られたヒト脳由来タンパク質をコ
ードするDNAの塩基配列(ZAQT)、およびそれか
ら推定されるアミノ酸配列を示す(図4の続き、図6に
続く)。
【図6】実施例1で得られたヒト脳由来タンパク質をコ
ードするDNAの塩基配列(ZAQT)、およびそれか
ら推定されるアミノ酸配列を示す(図5の続き)。
【図7】実施例1で得られたヒト脳由来タンパク質の疎
水性プロットを示す。
【図8】実施例1で行われたZAQの発現分布の解析結
果を示す。
【図9】実施例4で行われたヒト型Bv8ペプチドおよ
びMIT1のZAQレセプター活性化作用の測定結果を
示す。図中、−○−はヒト型Bv8ペプチドを、−●−
はMIT1を示す。
【図10】実施例4で行われたヒト型Bv8ペプチドお
よびMIT1のI5Eレセプター活性化作用の測定結果
を示す。図中、−○−はヒト型Bv8ペプチドを、−●
−はMIT1を示す。
【図11】実施例8で行われたヒト型Bv8ペプチドお
よびMIT1の収縮実験の結果を示す。図中、−○−は
ヒト型Bv8ペプチドを、−●−はMIT1を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/28 C12N 1/15 4H045 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 A C12Q 1/02 G01N 33/15 Z 1/68 33/50 Z G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 A B (72)発明者 高津 吉広 茨城県つくば市竹園1丁目6番地2 つく ば・さくら団地905−505 (72)発明者 渡辺 卓也 大阪府大阪市淀川区新高6丁目14番9−B 904号 (72)発明者 寺尾 寧子 兵庫県神戸市東灘区住吉山手2丁目6番1 号 セントヒル2−E号 (72)発明者 新谷 靖 大阪府大阪市淀川区新高6丁目14番8− 606号 (72)発明者 日沼 州司 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ1402号 Fターム(参考) 2G045 AA40 4B024 AA01 BA63 CA04 DA01 DA02 DA05 DA06 DA11 EA04 GA01 GA11 HA08 HA11 4B063 QA18 QQ08 QQ53 QR08 QR20 QR32 QR42 QR55 QR56 QR62 QR77 QS25 QS34 QS36 4B065 AA01X AA57X AA87X AA91Y AA93Y AB01 AB02 BA01 BA08 CA24 CA44 4C084 AA17 ZA662 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA09 CA40 DA50 DA75 EA20 FA74

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:19もしくは配列番号:39で
    表わされるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するペプチドもしくはその部分ペプチ
    ドまたはその塩および配列番号:1、配列番号:44、
    配列番号:51、配列番号:52、配列番号:53もし
    くは配列番号:54で表わされるアミノ酸配列と同一ま
    たは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
    もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを
    特徴とする、配列番号:19もしくは配列番号:39で
    表わされるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するペプチドまたはその塩と配列番
    号:1、配列番号:44、配列番号:51、配列番号:
    52、配列番号:53もしくは配列番号:54で表わさ
    れるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸
    配列を含有するタンパク質またはその塩との結合性を変
    化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  2. 【請求項2】配列番号:19もしくは配列番号:39で
    表わされるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のア
    ミノ酸配列を含有するペプチドもしくはその部分ペプチ
    ドまたはその塩および配列番号:1、配列番号:44、
    配列番号:51、配列番号:52、配列番号:53もし
    くは配列番号:54で表わされるアミノ酸配列と同一ま
    たは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するタンパク質
    もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有すること
    を特徴とする、配列番号:19もしくは配列番号:39
    で表わされるアミノ酸配列と同一または実質的に同一の
    アミノ酸配列を含有するペプチドまたはその塩と配列番
    号:1、配列番号:44、配列番号:51、配列番号:
    52、配列番号:53もしくは配列番号:54で表わさ
    れるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸
    配列を含有するタンパク質またはその塩との結合性を変
    化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キッ
    ト。
  3. 【請求項3】請求項1記載のスクリーニング方法または
    請求項2記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
    る、配列番号:19もしくは配列番号:39で表わされ
    るアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配
    列を含有するペプチドまたはその塩と配列番号:1、配
    列番号:44、配列番号:51、配列番号:52、配列
    番号:53もしくは配列番号:54で表わされるアミノ
    酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有
    するタンパク質またはその塩との結合性を変化させる化
    合物またはその塩。
  4. 【請求項4】請求項3記載の化合物またはその塩を含有
    してなる医薬。
  5. 【請求項5】消化器疾患の予防・治療剤である請求項4
    記載の医薬。
  6. 【請求項6】配列番号:37で表わされるアミノ酸配列
    と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するこ
    とを特徴とするペプチドまたはその塩。
  7. 【請求項7】請求項6記載のペプチドをコードするDN
    A。
  8. 【請求項8】配列番号:38で表される塩基配列を含有
    する請求項7記載のDNA。
  9. 【請求項9】配列番号:40で表される塩基配列を含有
    するDNA。
  10. 【請求項10】請求項8記載のDNAを含有する組換え
    ベクター。
  11. 【請求項11】請求項10記載の組換えベクターで形質
    転換された形質転換体。
  12. 【請求項12】請求項11記載の形質転換体を培養し、
    請求項6記載のペプチドを生成・蓄積せしめることを特
    徴とする請求項6記載のペプチドまたはその塩の製造
    法。
  13. 【請求項13】配列番号:39で表されるアミノ酸配列
    と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するペ
    プチドまたはその塩に対する抗体。
  14. 【請求項14】請求項13記載の抗体を含有してなる診
    断薬。
  15. 【請求項15】消化器疾患の診断薬である請求項14記
    載の診断薬。
  16. 【請求項16】外来性の、請求項7記載のDNAまたは
    その変異DNAを含有する非ヒト哺乳動物。
  17. 【請求項17】非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である請求
    項16記載の動物。
  18. 【請求項18】ゲッ歯動物がラットである請求項17記
    載の動物。
  19. 【請求項19】外来性の、請求項9記載のDNAまたは
    その変異DNAを含有し、非ヒト哺乳動物において発現
    しうる組換えベクター。
  20. 【請求項20】請求項7または請求項9記載のDNAが
    不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞。
  21. 【請求項21】DNAがレポーター遺伝子を導入するこ
    とにより不活性化された請求項20記載の胚幹細胞。
  22. 【請求項22】非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である請求
    項21記載の胚幹細胞。
  23. 【請求項23】請求項7または請求項9記載のDNAが
    不活性化された該DNA発現不全非ヒト哺乳動物。
  24. 【請求項24】DNAがレポーター遺伝子を導入するこ
    とにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発明の
    DNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる請求
    項23記載の非ヒト哺乳動物。
  25. 【請求項25】非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である請求
    項23記載の非ヒト哺乳動物。
  26. 【請求項26】請求項24記載の動物に、試験化合物を
    投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴
    とする請求項7または請求項9記載のDNAに対するプ
    ロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその
    塩のスクリーニング方法。
  27. 【請求項27】哺乳動物に対し、請求項3記載の化合物
    またはその塩の有効量を投与することを特徴とする消化
    器疾患の予防・治療方法。
  28. 【請求項28】消化器疾患予防・治療剤を製造するため
    の、請求項3記載の化合物またはその塩の使用。
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WO2005037870A1 (ja) * 2003-10-22 2005-04-28 Takeda Pharmaceutical Company Limited 抗体およびその用途

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