JP2001340094A - 新規蛋白質、そのdnaおよびその製造法 - Google Patents

新規蛋白質、そのdnaおよびその製造法

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JP2001340094A
JP2001340094A JP2001095115A JP2001095115A JP2001340094A JP 2001340094 A JP2001340094 A JP 2001340094A JP 2001095115 A JP2001095115 A JP 2001095115A JP 2001095115 A JP2001095115 A JP 2001095115A JP 2001340094 A JP2001340094 A JP 2001340094A
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Tetsuya Otaki
徹也 大瀧
Yasushi Shintani
靖 新谷
Yasuko Terao
寧子 寺尾
Satoshi Kumano
聡 熊野
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリ
ガンド活性を有するペプチドを含む新規蛋白質及びその
ペプチドのアミドもしくはそのエステル又はその塩等、
並びにそれを含有する医薬品の提供。 【解決手段】 それぞれマウス由来又はラット由来の特
定のアミノ酸配列と同一又は実質的に同一のアミノ酸配
列を含有する蛋白質又はその塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラット脳幹周辺部
およびヒト脳由来の新規G蛋白質共役型レセプター蛋白
質に対するリガンド活性を有するペプチドを含む蛋白質
およびそのペプチドのアミドもしくはそのエステルまた
はその塩などに関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質などの生
理活性物質は、細胞膜に存在する特異的なレセプター蛋
白質を通じて生体の機能を調節している。これらのレセ
プター蛋白質のうち多くは共役しているguanine nucleo
tide-binding protein(以下、G蛋白質と略称する場合
がある)の活性化を通じて細胞内のシグナル伝達を行な
い、また7個の膜貫通領域を有する共通した構造をもっ
ていることから、G蛋白質共役型レセプター蛋白質ある
いは7回膜貫通型レセプター蛋白質(7TMR)と総称
される。G蛋白質共役型レセプター蛋白質は生体の細胞
や臓器の各機能細胞表面に存在し、それら細胞や臓器の
機能を調節する分子、例えばホルモン、神経伝達物質お
よび生理活性物質等の標的として生理的に重要な役割を
担っている。レセプターは生理活性物質との結合を介し
てシグナルを細胞内に伝達し、このシグナルにより細胞
の賦活や抑制といった種々の反応が惹起される。各種生
体の細胞や臓器の内の複雑な機能を調節する物質と、そ
の特異的レセプター蛋白質、特にはG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質との関係を明らかにすることは、各種生体
の細胞や臓器の機能を解明し、それら機能と密接に関連
した医薬品開発に非常に重要な手段を提供することとな
る。
【0003】例えば、生体の種々の器官では、多くのホ
ルモン、ホルモン様物質、神経伝達物質あるいは生理活
性物質による調節のもとで生理的な機能の調節が行なわ
れている。特に、生理活性物質は生体内の様々な部位に
存在し、それぞれに対応するレセプター蛋白質を通して
その生理機能の調節を行っている。生体内には未だ未知
のホルモンや神経伝達物質その他の生理活性物質も多
く、それらのレセプター蛋白質の構造に関しても、これ
まで報告されていないものが多い。さらに、既知のレセ
プター蛋白質にいてもサブタイプが存在するかどうかに
ついても分かっていないものが多い。生体における複雑
な機能を調節する物質と、その特異的レセプター蛋白質
との関係を明らかにすることは、医薬品開発に非常に重
要な手段である。また、レセプター蛋白質に対するアゴ
ニスト、アンタゴニストを効率よくスクリーニングし、
医薬品を開発するためには、生体内で発現しているレセ
プター蛋白質の遺伝子の機能を解明し、それらを適当な
発現系で発現させることが必要であった。近年、生体内
で発現している遺伝子を解析する手段として、cDNA
の配列をランダムに解析する研究が活発に行なわれてお
り、このようにして得られたcDNAの断片配列がExpr
essed Sequence Tag(EST)としてデータベースに登
録され、公開されている。しかし、多くのESTは配列
情報のみであり、その機能を推定することは困難であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、G蛋白質共役型
レセプターと生理活性物質(即ち、リガンド)との結合
を阻害する物質や、結合して生理活性物質(即ち、リガ
ンド)と同様なシグナル伝達を引き起こす物質は、これ
らレセプターの特異的なアンタゴニストまたはアゴニス
トとして、生体機能を調節する医薬品として活用されて
きた。従って、このように生体内での生理発現において
重要であるばかりでなく、医薬品開発の標的ともなりう
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質を新規に見出し、そ
の新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質の特異的リガン
ドを見出すことは、アゴニスト、アンタゴニストを見出
す際に、非常に重要な手段となる。さらにその際、レセ
プターの生理機構を明らかにするため、ヒトレセプター
遺伝子あるいはリガンド遺伝子に対する例えば齧歯類
(ラット、マウスなど)やチンパンジー、サル等のカウ
ンターパート遺伝子を取得し、その遺伝子産物の蛋白化
学的諸性質、生物学的諸活性を検索し、また動物体内で
の質的、量的動態や生理機構を詳細に調べて、ヒトにお
ける機能を推定することは、有効な医薬を創製する上で
も重要な事柄である。さらに候補となるアゴニスト、ア
ンタゴニストを選択する際に、種差の有無を認識しなが
ら、候補化合物を選定、決定することは、医薬品の創製
上欠くべからざる項目となっている。本発明は、上記の
ように、有用なヒト新規G蛋白質共役型レセプター蛋白
質に対する特異的なヒト由来のリガンドの、ラットおよ
びマウスホモログリガンド(以下、「本発明のリガンド
蛋白質」と称する場合がある)を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これまで
にラット脳幹周辺部およびヒト脳由来のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質に対する細胞内Caイオン濃度上昇活
性を有するペプチドを探索した。その結果、ガン転移抑
制遺伝子KiSS−1(Genomics, 54巻, 145頁-148頁,
1998年)にコードされる蛋白質のC端ペプチドが本レ
セプターを活性化する作用を有することを明らかにし、
KiSS−1中のアミノ酸54残基からなるペプチド配
列さらにそのC端部分ペプチドにリガンド活性を有する
ことを確認した(特開2000−312590号)。
【0006】KiSS−1遺伝子産物から切り出されて
生成するペプチドには、その遺伝子がガン転移抑制遺伝
子であることから、ガン転移抑制活性を有することが期
待される。それ以外にも、本遺伝子が胎盤に多量に発現
されていることや該G蛋白質共役型レセプター蛋白質の
ヒト型レセプターであるhOT7T175(hはヒト由
来であることを示す)が胎盤に多量に発現されているこ
とを鑑み、該ペプチドが胎盤で重要な機能を担っている
ことも予想される。また、ヒトでは膵臓にもレセプター
の発現が比較的高く、膵臓においても本ペプチドは何ら
かの生理機能を現しているものと期待される。また、ラ
ットリガンド、ラット型レセプターであるrOT7T1
75(rはラット由来であることを示す)はともに盲
腸、大腸に高い発現量があり、このような臓器において
も本ペプチドは何らかの生理機能を現しているものと期
待される。本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ヒト
型KiSS−1遺伝子配列を基に作成したPCRプライ
マーを用いて、ラット肝臓cDNAよりヒト型Kiss
−1遺伝子に相同性の高い配列をコードするcDNAを
単離し、その全塩基配列を解析することに成功した。そ
して、この塩基配列をアミノ酸配列に翻訳したところ、
ヒト型KiSS−1アミノ酸配列と有意に高い相同性を
有する蛋白質をコードすることを確認した。一方、マウ
ス胚cDNAより同様にヒト型KiSS−1遺伝子に相
同性の高い配列をコードするcDNAを単離し、その配
列がヒトおよびラット型KiSS−1アミノ酸配列と有
意に高い相同性を有する蛋白質をコードする配列である
ことを確認した。本発明者らは、これらの知見に基づい
て、さらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、(1) 配列番号:
1または配列番号:3で表されるアミノ酸配列と同一ま
たは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴
とする蛋白質またはその塩、(2) 該実質的に同一の
アミノ酸配列が配列番号:2で表されるアミノ酸配列で
ある上記(1)記載の蛋白質またはその塩、(3) 配
列番号:1で表されるアミノ酸配列のN末端から132
から141番目のアミノ酸配列を含有することを特徴と
する上記(1)記載の蛋白質の部分ペプチドまたはその
塩、(4) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列のN
末端から127から141番目のアミノ酸配列と同一ま
たは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する上記(3)
記載の部分ペプチドまたはその塩、(5) 配列番号:
1で表されるアミノ酸配列のN末端から90から141
番目のアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ
酸配列を有する上記(3)記載の部分ペプチドまたはそ
の塩、(6) 配列番号:2で表されるアミノ酸配列の
N末端から94から145番目のアミノ酸配列と同一ま
たは実質的に同一のアミノ酸配列を有する上記(1)記
載の蛋白質の部分ペプチドまたはその塩、(7) 配列
番号:3で表されるアミノ酸配列のN末端から110か
ら119番目のアミノ酸配列を含有することを特徴とす
る上記(1)記載の蛋白質の部分ペプチドまたはその
塩、(8) 配列番号:3で表されるアミノ酸配列のN
末端から105から119番目のアミノ酸配列と同一ま
たは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する上記(7)
記載の部分ペプチドまたはその塩、(9) 配列番号:
3で表されるアミノ酸配列のN末端から68から119
番目のアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ
酸配列を有する上記(7)記載の部分ペプチドまたはそ
の塩、(10) 上記(1)記載の蛋白質をコードする
ポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、(1
1) 上記(3)、(6)または(7)記載の部分ペプ
チドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌク
レオチド、(12) DNAである上記(10)または
(11)記載のポリヌクレオチド、(13) 配列番
号:4、配列番号:5または配列番号:6で表される塩
基配列を有する上記(10)記載のポリヌクレオチド、
(14) 上記(10)または(11)記載のポリヌク
レオチドを含有する組換えベクター、(15) 上記
(14)記載の組換えベクターで形質転換された形質転
換体、(16) 上記(15)記載の形質転換体を培養
し、上記(1)記載の蛋白質または上記(3)、(6)
もしくは(7)記載の部分ペプチドを生成・蓄積せしめ
ることを特徴とする上記(1)記載の蛋白質もしくはそ
の塩または上記(3)、(6)もしくは(7)記載の部
分ペプチドまたはその塩の製造方法、(17) 上記
(1)記載の蛋白質もしくはその塩または上記(3)、
(6)もしくは(7)記載の部分ペプチドまたはその塩
に対する抗体、(18) 上記(1)記載の蛋白質また
は上記(3)、(6)もしくは(7)記載の部分ペプチ
ドのシグナル伝達を不活性化する中和抗体である上記
(17)記載の抗体、(19) 上記(1)記載の蛋白
質もしくはその塩または上記(3)、(6)もしくは
(7)記載の部分ペプチドまたはその塩を用いることを
特徴とする、レセプターと上記(1)記載の蛋白質もし
くはその塩または上記(3)、(6)もしくは(7)記
載の部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる
化合物またはその塩のスクリーニング方法、(20)
上記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または上記
(3)、(6)もしくは(7)記載の部分ペプチドまた
はその塩を含有することを特徴とする、レセプターと上
記(1)記載の蛋白質もしくはその塩または上記
(3)、(6)もしくは(7)記載の部分ペプチドまた
はその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩の
スクリーニング用キット、(21) レセプターが配列
番号:7、配列番号:8または配列番号:24で表され
るアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配
列を有することを特徴とする蛋白質またはその塩である
上記(19)記載のスクリーニング方法または上記(2
0)記載のスクリーニング用キット、(22) 上記
(19)記載のスクリーニング方法または上記(20)
記載のスクリーニング用キットを用いて得ることのでき
る、レセプターと上記(1)または上記(3)ないし
(5)のいずれか1項記載の蛋白質またはその塩との結
合性を変化させる化合物またはその塩、(23) アゴ
ニストである上記(22)記載の化合物またはその塩、
(24) 上記(19)記載のスクリーニング方法また
は上記(20)記載のスクリーニング用キットを用いて
得ることのできる、レセプターと上記(1)記載の蛋白
質もしくはその塩または上記(3)、(6)もしくは
(7)記載の部分ペプチドまたはその塩との結合性を変
化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬組成
物、(25) 癌転移抑制剤である上記(24)記載の
医薬組成物、(26) 上記(17)記載の抗体を用い
ることを特徴とする、上記(1)記載の蛋白質または上
記(3)、(6)もしくは(7)記載の部分ペプチドの
定量方法、(27) 上記(1)記載の蛋白質もしくは
その塩または上記(3)、(6)もしくは(7)記載の
部分ペプチドまたはその塩を含有してなる医薬組成物、
(28) 癌転移抑制剤である上記(27)記載の医薬
組成物などに関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の蛋白質は、上記のヒト新
規G蛋白質共役型レセプター蛋白質(hOT7T17
5)に対する特異的なヒト由来のリガンドの、ラットお
よびマウスのホモログ、ならびにそれらの成熟形態であ
る。これらの蛋白質は、例えば、ヒトや哺乳動物(例え
ば、サル、ラット、マウス、 モルモット、ウサギ、ブ
タ、ヒツジ、ウシ、サル等)のあらゆる細胞(例えば、
脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細
胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細
胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細
胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細
胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中
球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟
骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細
胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹
細胞もしくはガン細胞など)や血球系の細胞、またはそ
れらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の
各部位(例、嗅球、扁頭核、大脳基底球、海馬、視床、
視床下部、視床下核、大脳皮質、延髄、小脳、後頭葉、
前頭葉、側頭葉、被殻、尾状核、脳染、黒質)、脊髄、
下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆の
う、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、
小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、末
梢血球、前立腺、睾丸、精巣、卵巣、胎盤、子宮、骨、
関節、骨格筋など(特に、脳や脳の各部位)に由来する
蛋白質であってもよく、また合成蛋白質であってもよ
い。
【0009】本発明の蛋白質は、G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質に特異的に結合する性質を有する。G蛋白質
共役型レセプター蛋白質としては、ヒト由来のOT7T
175、ラット由来のOT7T175、またはサル、マ
ウス等の哺乳動物のOT7T175ホモログ等が挙げら
れる。本発明の蛋白質は、具体的には、マウス型1およ
びマウス型2と称されるマウス由来の蛋白質(それぞれ
配列番号:1および配列番号:2に示すアミノ酸配列を
含有)、ならびにラット型の蛋白質(配列番号:3に示
すアミノ酸配列を含有)、さらにそれらの蛋白質の成熟
体ポリペプチドを包含する。マウス型1の成熟体ポリペ
プチドは配列番号:1で表されるアミノ酸配列のN末端
から90から141番目のアミノ酸配列を有する蛋白質
であり、マウス型2の成熟体ポリペプチドは配列番号:
2で表されるアミノ酸配列のN末端から94から145
番目のアミノ酸配列を有する蛋白質であり、ラット型の
成熟体ポリペプチドは配列番号:3で表されるアミノ酸
配列のN末端から68から119番目のアミノ酸配列を
有する蛋白質である。
【0010】本明細書において、「実質的に同一のアミ
ノ酸配列」とは、(1)対照となるアミノ酸配列中の1
または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好
ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1個
または2個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(2)対照となるアミノ酸配列に1または2個以上(好
ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個
程度、さらに好ましくは数個(1個または2個)のアミ
ノ酸が付加したアミノ酸配列、(3)対照となるアミノ
酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個
程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましく
は数個(1個または2個))のアミノ酸が他のアミノ酸
で置換されたアミノ酸配列、または(4)それらを組み
合わせたアミノ酸配列を意味する。具体的には、例え
ば、配列番号:1または3で表されるアミノ酸配列と実
質的に同一のアミノ酸配列としてはは、配列番号:1ま
たは3で表されるアミノ酸配列と約70%以上、好まし
くは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最
も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配
列等が挙げられる。
【0011】本発明の蛋白質と実質的に同一のアミノ酸
配列を含有する蛋白質、および実質的に同一のアミノ酸
配列を有する蛋白質は、本発明の蛋白質と実質的に同質
の性質を有している。すなわち、これらの蛋白質はG蛋
白質共役型レセプター蛋白質に特異的に結合する性質を
有する。好ましいレセプターとしては、ヒト由来のOT
7T175(配列番号:7に示す)、ラット由来のOT
7T175(配列番号:8に示す)およびマウス由来の
OT7T175(配列番号:24に示す)がある。詳細
には、かかる性質はG蛋白質共役型レセプター蛋白質へ
の結合活性、シグナル情報伝達作用(活性)等が挙げら
れ、それらの性質または活性が同等(例えば、約0.0
1〜100倍、好ましくは約0.5〜20倍、より好ま
しくは約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これ
らの活性の程度や蛋白質の分子量等の量的要素は異なっ
ていてもよい。これらの活性の測定は、自体公知の方法
に準じて行うことができるが、例えば、後述するスクリ
ーニング法に従って測定することもできる。本発明の蛋
白質と実質的に同質の性質を有する蛋白質もまた、本発
明の蛋白質に包含される。
【0012】本明細書において本発明の蛋白質を記載す
る場合、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(ア
ミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)であ
る。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有する
リガンド蛋白質をはじめとする、本発明のリガンド蛋白
質は、C末端が通常カルボキシル基(−COOH)また
はカルボキシレート(−COO)であるが、C末端が
アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)
であってもよい。ここでエステルにおけるRとしては、
例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル
もしくはn−ブチルなどのC1−6アルキル基、例え
ば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8
クロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなど
のC6−12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチ
ルなどのフェニル−C1−2アルキル基もしくはα−ナ
フチルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基
などのC7−14アラルキル基のほか、経口用エステル
として汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用い
られる。本発明のリガンド蛋白質がC末端以外にカルボ
キシル基(またはカルボキシレート)を有している場
合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されて
いるものも本発明のリガンド蛋白質に含まれる。この場
合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステ
ルなどが用いられる。さらに、本発明のリガンド蛋白質
には、上記した蛋白質において、N末端のメチオニン残
基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル
などのC2− アルカノイル基などのC1−6アシル基
など)で保護されているもの、N端側が生体内で切断さ
れ生成したグルタミル基がピログルタミン酸化したも
の、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−O
H、−SH、−COOH、アミノ基、イミダゾール基、
インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例
えば、ホルミル基、アセチルなどのC2−6アルカノイ
ル基などのC1−6アシル基など)で保護されているも
の、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複
合蛋白質なども含まれる。本発明のリガンド蛋白質の具
体例としては、例えば、配列番号:1および2で表わさ
れるアミノ酸配列を含有するマウス由来のリガンド蛋白
質(それぞれマウス型1およびマウス型2)または配列
番号:3で表わされるアミノ酸配列を含有するラット由
来のリガンド蛋白質(ラット型)などがある。
【0013】本発明のリガンド蛋白質の部分ペプチド
(以下、部分ペプチドと略記する場合がある)も本発明
に包含され、本発明のリガンド蛋白質の部分ペプチドで
あれば何れのものであってもよいが、上記した性質を有
するものであることが必須である。具体的には、配列番
号:1、2または3で表わされるアミノ酸配列を有する
蛋白質の部分ペプチドとしては、上記したこれらの成熟
体が典型例である。さらにそれらの成熟体の部分ペプチ
ドも、上記した性質を有しているかぎり、本発明に包含
されることはいうまでもない。すなわち、配列番号:
1、2または3で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質
の部分ペプチドとして具体的には、(a)配列番号:1
で表されるアミノ酸配列のN末端から90から141番
目のアミノ酸配列を有するポリペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩、(b)配列番
号:1で表されるアミノ酸配列のN末端から134から
141番目のアミノ酸配列を含有し、8ないし52個の
アミノ酸残基からなるポリペプチドもしくはそのアミド
もしくはそのエステルまたはその塩、(c)配列番号:
2で表されるアミノ酸配列のN末端から94から145
番目のアミノ酸配列を有するポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはその塩、(d)配列
番号:2で表されるアミノ酸配列のN末端から138か
ら145番目のアミノ酸配列を含有し、8ないし52個
のアミノ酸残基からなるポリペプチドもしくはそのアミ
ドもしくはそのエステルまたはその塩、(e)配列番
号:3で表されるアミノ酸配列のN末端から68から1
19番目のアミノ酸配列を有するポリペプチドもしくは
そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(f)
配列番号:3で表されるアミノ酸配列のN末端から11
2から119番目のアミノ酸配列を含有し、8ないし5
2個のアミノ酸残基からなるポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはその塩、(g)配列
番号:1で表されるアミノ酸配列のN末端から132か
ら141番目のアミノ酸配列を含有するポリペプチドも
しくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(h)配列番号:1で表されるアミノ酸配列のN末端か
ら127から141番目のアミノ酸配列と同一または実
質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもし
くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(i)配列番号:3で表されるアミノ酸配列のN末端か
ら110から119番目のアミノ酸配列を含有するポリ
ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
はその塩、(j)配列番号:3で表されるアミノ酸配列
のN末端から105から119番目のアミノ酸配列と同
一または実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩などが挙げられる。上記(a)〜(j)に記載のポ
リペプチドはそのC末端がアミド体であるものが好まし
い。実質的に同一のアミノ酸配列とは、これらのアミノ
酸配列と約80%以上、好ましくは約90%以上、さら
に好ましくは約95%以上、最も好ましくは約99%以
上の相同性を有するアミノ酸配列をいう。このうち、好
ましくは上記(a)〜(j)に記載のポリペプチドもしく
はそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩であ
り、さらに好ましくは、 i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列のN末端から
132から141番目のアミノ酸配列を有するポリペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩、 ii)配列番号:1で表されるアミノ酸配列のN末端から
127から141番目のアミノ酸配列を有するポリペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩、 iii)配列番号:3で表されるアミノ酸配列のN末端か
ら110から119番目のアミノ酸配列を有するポリペ
プチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたは
その塩、 iv)配列番号:3で表されるアミノ酸配列のN末端から
105から119番目のアミノ酸配列を有するポリペプ
チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
の塩である。これらのポリペプチドはそのC末端がアミ
ド体であるものが好ましい。
【0014】また、本発明の部分ペプチドは、上記アミ
ノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10
個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のア
ミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または
2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましく
は1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2
個))のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列
中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、
より好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が他
のアミノ酸で置換されていてもよい。また、本発明の部
分ペプチドはC末端が通常カルボキシル基(−COO
H)またはカルボキシレート(−COO)であるが、
前記した本発明のリガンド蛋白質のごとく、C末端がア
ミド(−CONH)またはエステル(−COOR)
(Rは上記と同意義を示す)であってもよい。さらに、
本発明の部分ペプチドには、前記した本発明のリガンド
蛋白質と同様に、N末端のメチオニン残基のアミノ基が
保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切断さ
れ生成したGlnがピログルタミン酸化したもの、分子
内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護さ
れているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプ
チドなどの複合ペプチドなども含まれる。本発明のリガ
ンド蛋白質またはその部分ペプチドの塩としては、生理
学的に許容される塩基もしくは酸との塩が用いられ、と
りわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この
様な塩としては、例えば無機酸(例えば、塩酸、リン
酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例え
ば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安
息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との
塩などが用いられる。
【0015】本発明のリガンド蛋白質またはその塩は、
前述したヒトや哺乳動物の細胞または組織から自体公知
のリガンド蛋白質の精製方法によって製造することもで
きるし、後述する本発明のリガンド蛋白質をコードする
DNAを含有する形質転換体を培養することによっても
製造することができる。また、後述の蛋白質合成法また
はこれに準じた方法により製造することもできる。ヒト
や哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや
哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸な
どで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィ
ー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラ
フィーを組み合わせることにより精製単離することがで
きる。
【0016】本発明のリガンド蛋白質、その部分ペプチ
ドもしくはそれらの塩またはそれらのアミド体の合成に
は、通常市販の蛋白質合成用樹脂を用いることができ
る。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹
脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹
脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルア
ルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、
PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセト
アミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−
(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェ
ノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocア
ミノエチル)フェノキシ樹脂などを挙げることができ
る。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基
を適当に保護したアミノ酸を、目的とする蛋白質の配列
通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合
させる。反応の最後に樹脂から蛋白質を切り出すと同時
に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジ
スルフィド結合形成反応を実施し、目的の蛋白質または
それらのアミド体を取得する。上記した保護アミノ酸の
縮合に関しては、蛋白質合成に使用できる各種活性化試
薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類が
よい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプ
ロピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミ
ノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。これら
による活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt,
HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかま
たは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBt
エステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行な
った後に樹脂に添加することができる。
【0017】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、蛋白質縮合反応に使用しうるこ
とが知られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセ
トアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩
化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素
類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメ
チルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン,ジ
オキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセ
トニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸
メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの
適宜の混合物などが用いられる。反応温度は蛋白質結合
形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適
宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選
択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜
4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテス
トの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行う
ことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行
なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得
られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾー
ルを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することによっ
て、後の反応に影響を与えないようにすることができ
る。
【0018】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、ターシャリーペンチルオキシカルボニ
ル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベン
ジルオキシカルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキ
シル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ターシャリーブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シ
クロオクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状
もしくは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステ
ル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジル
エステル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロ
ベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェ
ナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジ
ド化、ターシャリーブトキシカルボニルヒドラジド化、
トリチルヒドラジド化などによって保護することができ
る。セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエー
テル化によって保護することができる。このエステル化
に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級ア
ルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジ
ルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭
酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル
化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒ
ドロピラニル基、t-ブチル基などである。チロシンのフ
ェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl
-Bzl、2−ニトロベンジル、Br-Z、ターシャリーブチ
ルなどが用いられる。ヒスチジンのイミダゾールの保護
基としては、例えば、Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメ
チルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチ
ル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0019】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd−炭
素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、
また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれら
の混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルア
ミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなど
による塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによ
る還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応
は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、
酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、
チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジ
メチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタン
ジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効で
ある。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用
いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理
により除去され、トリプトファンのインドール保護基と
して用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオー
ル、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による
脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニア
などによるアルカリ処理によっても除去される。
【0020】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段
から適宜選択しうる。蛋白質のアミド体を得る別の方法
としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα
−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基
側にペプチド(蛋白質)鎖を所望の鎖長まで延ばした
後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみ
を除いた蛋白質とC末端のカルボキシル基の保護基のみ
を除去した蛋白質とを製造し、この両蛋白質を上記した
ような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細につい
ては上記と同様である。縮合により得られた保護蛋白質
を精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去
し、所望の粗蛋白質を得ることができる。この粗蛋白質
は既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍
結乾燥することで所望の蛋白質のアミド体を得ることが
できる。蛋白質のエステル体を得るには、例えば、カル
ボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアル
コール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、蛋白質の
アミド体と同様にして、所望の蛋白質のエステル体を得
ることができる。
【0021】本発明のリガンド蛋白質の部分ペプチド
は、自体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本
発明のリガンド蛋白質を適当なペプチダーゼで切断する
ことによって製造することができる。ペプチドの合成法
としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれに
よっても良い。すなわち、本発明のリガンド蛋白質を構
成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを
縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離
することにより目的のペプチドを製造することができ
る。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、
以下の〜に記載された方法が挙げられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成
広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、溶媒抽出・蒸
留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィ
ー・再結晶などを組み合わせて本発明の部分ペプチドを
精製単離することができる。上記方法で得られる部分ペ
プチドが遊離体である場合は、公知の方法によって適当
な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合
は、公知の方法によって遊離体に変換することができ
る。
【0022】本発明のリガンド蛋白質をコードするポリ
ヌクレオチドとしては、前述した本発明のリガンド蛋白
質をコードする塩基配列(DNAまたはRNA、好まし
くはDNA)を含有するものであればいかなるものであ
ってもよい。該ポリヌクレオチドとしては、本発明のリ
ガンド蛋白質をコードするDNA、mRNA等のRNA
であり、二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。二
本鎖の場合は、二本鎖DNAまたはDNA:RNAのハ
イブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(即
ち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖(即ち、非
コード鎖)であってもよい。本発明のリガンド蛋白質を
コードするポリヌクレオチドを用いて、例えば、公知の
実験医学増刊「新PCRとその応用」15(7)、1997記載
の方法またはそれに準じた方法により、本発明のリガン
ド蛋白質のmRNAを定量することができる。本発明の
リガンド蛋白質をコードするDNAとしては、ゲノムD
NA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織
由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAラ
イブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリ
ーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラス
ミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよ
い。また、前記した細胞・組織よりtotalRNAまたは
mRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Tran
scriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT−
PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
具体的には、本発明のリガンド蛋白質をコードするDN
Aとしては、例えば、配列番号:4〜6の何れかで表わ
される塩基配列を含有するDNA、または配列番号:4
〜6の何れかで表わされる塩基配列とハイストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本
発明のリガンド蛋白質と実質的に同質の活性(例、リガ
ンド結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有する蛋
白質をコードするDNAであれば何れのものでもよい。
配列番号:4〜6の何れかで表わされる塩基配列とハイ
ブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:
4〜6の何れかで表わされる塩基配列と約70%以上、
好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以
上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基
配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0023】ハイブリダイゼーションは、自体公知の方
法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・
クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook
etal., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記
載の方法などに従って行なうことができる。また、市販
のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記
載の方法に従って行なうことができる。より好ましく
は、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことが
できる。該ハイストリンジェントな条件とは、例えば、
ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19
〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約6
0〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約1
9mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具
体的には、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含
有する蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:
4で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。また、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を含
有する蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:
5で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。さらに配列番号:3で表わされるアミノ酸配列を含
有する蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:
6で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用いられ
る。本発明のリガンド蛋白質をコードするDNAの塩基
配列の一部、または該DNAと相補的な塩基配列の一部
を含有してなるポリヌクレオチドとは、下記の本発明の
部分ペプチドをコードするDNAを包含するだけではな
く、RNAをも包含する意味で用いられる。本発明に従
えば、本発明のリガンド蛋白質遺伝子の複製又は発現を
阻害することのできるアンチセンス・ポリヌクレオチド
(核酸)を、クローン化したあるいは決定された蛋白質
をコードするDNAの塩基配列情報に基づき設計し、合
成しうる。そうしたポリヌクレオチド(核酸)は、蛋白
質遺伝子のRNAとハイブリダイズすることができ、該
RNAの合成又は機能を阻害することができるか、ある
いはリガンド蛋白質関連RNAとの相互作用を介してリ
ガンド蛋白質遺伝子の発現を調節・制御することができ
る。リガンド蛋白質関連RNAの選択された配列に相補
的なポリヌクレオチド、及びリガンド蛋白質関連RNA
と特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレ
オチドは、生体内及び生体外でリガンド蛋白質遺伝子の
発現を調節・制御するのに有用であり、また病気などの
治療又は診断に有用である。用語「対応する」とは、遺
伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列又は核酸の特定の
配列に相同性を有するあるいは相補的であることを意味
する。ヌクレオチド、塩基配列又は核酸とペプチド(蛋
白質)との間で「対応する」とは、ヌクレオチド(核
酸)の配列又はその相補体から誘導される指令にあるペ
プチド(蛋白質)のアミノ酸を通常指している。リガン
ド蛋白質遺伝子の5’端ヘアピンループ、5’端6−ベ
ースペア・リピート、5’端非翻訳領域、ポリペプチド
翻訳開始コドン、蛋白質コード領域、ORF翻訳開始コ
ドン、3’端非翻訳領域、3’端パリンドローム領域、
及び3’端ヘアピンループは好ましい対象領域として選
択しうるが、リガンド蛋白質遺伝子内の如何なる領域も
対象として選択しうる。
【0024】目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に
相補的なポリヌクレオチドとの関係は、対象物とハイブ
リダイズすることができるポリヌクレオチドとの関係
は、「アンチセンス」であるということができる。アン
チセンス・ポリヌクレオチドは、2−デオキシ−D−リ
ボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、D−
リボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、プ
リン又はピリミジン塩基のN−グリコシドであるその他
のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド
骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販の蛋白質
核酸及び合成配列特異的な核酸ポリマー)又は特殊な結
合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマーはD
NAやRNA中に見出されるような塩基のペアリングや
塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有す
る)などが挙げられる。それらは、2本鎖DNA、1本
鎖DNA、1本鎖RNA、さらにDNA:RNAハイブ
リッドであることができ、さらに非修飾ポリヌクレオチ
ド(又は非修飾オリゴヌクレオチド)、さらには公知の
修飾の付加されたもの、例えば当該分野で知られた標識
のあるもの、キャップの付いたもの、メチル化されたも
の、1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換した
もの、分子内ヌクレオチド修飾のされたもの、例えば非
荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエ
ステル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)を持
つもの、電荷を有する結合又は硫黄含有結合(例えば、
ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を持
つもの、例えば蛋白質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・
インヒビター、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポ
リ−L−リジンなど)や糖(例えば、モノサッカライド
など)などの側鎖基を有しているもの、インターカレン
ト化合物(例えば、アクリジン、プソラレンなど)を持
つもの、キレート化合物(例えば、金属、放射活性をも
つ金属、ホウ素、酸化性の金属など)を含有するもの、
アルキル化剤を含有するもの、修飾された結合を持つも
の(例えば、αアノマー型の核酸など)であってもよ
い。ここで「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」及び
「核酸」とは、プリン及びピリミジン塩基を含有するの
みでなく、修飾されたその他の複素環型塩基をもつよう
なものを含んでいてもよい。こうした修飾物は、メチル
化されたプリン及びピリミジン、アシル化されたプリン
及びピリミジン、あるいはその他の複素環を含むもので
あってよい。修飾されたヌクレオシド及び修飾されたヌ
クレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、例えば
1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換
されていたり、あるいはエーテル、アミンなどの官能基
に変換されていてよい。
【0025】本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチド
(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸
(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例と
しては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そ
してポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミ
ドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定さ
れるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のよ
うな方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内で
のアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセ
ンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス
鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし
毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなも
のにする。こうして修飾は当該分野で数多く知られてお
り、例えば J. Kawakami et al.,Pharm Tech Japan, Vo
l. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Cr
ooke et al. ed., Antisense Research and Applicatio
ns, CRC Press, 1993 などに開示がある。本発明のアン
チセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、
塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロス
フェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療
により適用されたり、付加された形態で与えられること
ができる。こうして付加形態で用いられるものとして
は、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジ
ンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高め
たり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例え
ば、ホスホリピッド、コレステロールなど)といった粗
水性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質とし
ては、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステ
リルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。
こうしたものは、核酸の3’端あるいは5’端に付着さ
せることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を
介して付着させることができうる。その他の基として
は、核酸の3’端あるいは5’端に特異的に配置された
キャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseな
どのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙
げられる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリ
コールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護
基が挙げられるが、それらに限定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、
本発明の生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいは本発
明のリガンド蛋白質の生体内や生体外の翻訳系を用いて
調べることができる。該核酸それ自体公知の各種の方法
で細胞に適用できる。
【0026】本発明の部分ペプチドをコードするDNA
としては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリ
ー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞
・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいず
れでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バク
テリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミド
などいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織
よりmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse
TranscriptasePolymerase Chain Reaction(以下、RT
−PCR法と略称する)によって増幅することもでき
る。具体的には、本発明の部分ペプチドをコードするD
NAとしては、例えば、(1)配列番号:4〜6で表わ
される塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有する
DNA、または(2)配列番号:4〜6で表わされる塩
基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズする塩基配列を有し、本発明のリガンド蛋白質と実質
的に同質の活性(例、リガンド結合活性、シグナル情報
伝達作用など)を有するリガンド蛋白質をコードするD
NAの部分塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
配列番号:4〜6で表わされる塩基配列を有するDNA
の部分塩基配列を有するDNAの典型例としては、本発
明のリガンド蛋白質の成熟体をコードするDNA等が挙
げられる。配列番号:4〜6で表わされる塩基配列ハイ
ブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:
4〜6で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましく
は約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好
ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有
するDNAなどが用いられる。
【0027】本発明のリガンド蛋白質またはその部分ペ
プチド(以下、本発明のリガンド蛋白質と略記する場合
がある)を完全にコードするDNAのクローニングの手
段としては、本発明のリガンド蛋白質の部分塩基配列を
有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によって
増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNA
を本発明のリガンド蛋白質の一部あるいは全領域をコー
ドするDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識した
ものとのハイブリダイゼーションによって選別すること
ができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、
モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2n
d(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Pre
ss, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができ
る。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の
使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
【0028】DNAの塩基配列の変換は、PCRや公知
のキット、例えば、MutanTM−super Ex
press Km(宝酒造(株))、MutanTM
K(宝酒造(株))等を用いて、ODA−LA PCR
法、Gapped duplex法、Kunkel法等
の自体公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って
行なうことができる。クローン化された本発明のリガン
ド蛋白質をコードするDNAは目的によりそのまま、ま
たは所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加
したりして使用することができる。該DNAはその5’
末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また
3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGA
またはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コ
ドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプター
を用いて付加することもできる。本発明のリガンド蛋白
質の発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のリガンド
蛋白質をコードするDNAから目的とするDNA断片を
切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中
のプロモーターの下流に連結することにより製造するこ
とができる。
【0029】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバ
クテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、p
A1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RS
V、pcDNAI/Neoなどが用いられる。本発明で
用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用い
る宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなる
ものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場
合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、L
TRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TK
プロモーターなどが挙げられる。これらのうち、CMV
プロモーター、SRαプロモーターなどを用いるのが好
ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、trp
プロモーター、lacプロモーター、recAプロモー
ター、λPLプロモーター、lppプロモーターなど
が、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモ
ーター、SPO2プロモーター、penPプロモーター
など、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモータ
ー、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADH
プロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場
合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーター
などが好ましい。
【0030】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有
しているものを用いることができる。選択マーカーとし
ては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfr
と略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(M
TX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
と略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子
(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐性)
等が挙げられる。特に、CHO(dhfr)細胞を用
いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場
合、目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選
択できる。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル
配列を、本発明のリガンド蛋白質のN端末側に付加す
る。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シ
グナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチ
ルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配
列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母で
ある場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナ
ル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュ
リン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル
配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用でき
る。このようにして構築された本発明のリガンド蛋白質
をコードするDNAを含有するベクターを用いて、形質
転換体を製造することができる。
【0031】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞な
どが用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH
1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160
(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・
リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,309
(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキ
ュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biolog
y)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,
24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナ
ル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemis
try),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ
(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア パストリス(Pichia pastoris)などが用いられ
る。
【0032】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM 細胞、Mamestra brassicae由来の細胞ま
たはEstigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウ
イルスがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx
mori N;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以
下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニ
ーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−2
0,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細
胞などが用いられる。
【0033】エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,21
10(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1
982)などに記載の方法に従って行なうことができ
る。バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキ
ュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Mole
cular & General Genetics),168巻,111(19
79)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メッソズ・イン・エ
ンザイモロジー(Methods in Enzymology),194
巻,182−187(1991)、プロシージングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
イズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA),75巻,1929(1978)などに記載
の方法に従って行なうことができる。昆虫細胞または昆
虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジー
(Bio/Technology),6, 47-55(1988))などに記載の方
法に従って行なうことができる。動物細胞を形質転換す
るには、例えば、細胞工学別冊8新細胞工学実験プロト
コール.263−267(1995)(秀潤社発行)、
ヴィロロジー(Virology),52巻,456(1973)
に記載の方法に従って行なうことができる。このように
して、本発明のリガンド蛋白質をコードするDNAを含
有する発現ベクターで形質転換された形質転換体が得ら
れる。宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形
質転換体を培養する際、培養に使用される培地としては
液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育
に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめら
れる。炭素源としては、例えば、グルコース、デキスト
リン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例え
ば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リ
カー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイ
ショ抽出液などの無機または有機物質、無機物として
は、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウ
ム、塩化マグネシウムなどが挙げられる。また、酵母エ
キス、ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよ
い。培地のpHは約5〜8が望ましい。
【0034】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリル
アクリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主が
エシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で
約3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加え
ることもできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通
常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により
通気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形
質転換体を培養する際、培地としては、例えば、バーク
ホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,45
05(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD
培地〔Bitter, G. A. ら、「プロシージングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・
オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA),81巻,5330(1984)〕が挙げられ
る。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培
養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、
必要に応じて通気や撹拌を加える。
【0035】宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換
体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Mediu
m(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(196
2))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加え
たものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.
4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3
〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地とし
ては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM
培地〔サイエンス(Science),122巻,501(19
52)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),
8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地
〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・ア
ソシエーション(The Journal of the American Medica
l Association)199巻,519(1967)〕,19
9培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フ
ォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding o
fthe Society for the Biological Medicine),73
巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8
であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約
15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加え
る。以上のようにして、形質転換体の細胞膜に本発明の
リガンド蛋白質またはその部分ペプチドを生成せしめる
ことができる。
【0036】上記培養物から本発明のリガンド蛋白質ま
たはその部分ペプチドを分離精製するには、例えば、下
記の方法により行なうことができる。本発明のリガンド
蛋白質またはその部分ペプチドを培養菌体あるいは細胞
から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あ
るいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音
波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
本発明のリガンド蛋白質またはその部分ペプチドの粗抽
出液を得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿
素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤や、トリトンX
−100TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。
培養液中に本発明のリガンド蛋白質またはその部分ペプ
チドが分泌される場合には、培養終了後、それ自体公知
の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集
める。このようにして得られた培養上清、あるいは抽出
液中に含まれる本発明のリガンド蛋白質またはその部分
ペプチドの精製は、自体公知の分離・精製法を適切に組
み合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、
精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用
する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびS
DS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主とし
て分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラ
フィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティー
クロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方
法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差
を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を
利用する方法などが用いられる。
【0037】かくして得られる本発明のリガンド蛋白質
またはその部分ペプチドが遊離体で得られた場合には、
自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に
変換することができ、逆に塩で得られた場合には自体公
知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体また
は他の塩に変換することができる。なお、組換え体が産
生する本発明のリガンド蛋白質またはその部分ペプチド
を、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用さ
せることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチド
を部分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素として
は、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニル
エンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダ
ーゼなどが用いられる。かくして生成する本発明のリガ
ンド蛋白質またはその塩、本発明の部分ペプチドもしく
はそのエステルもしくはそのアミドまたはその塩の活性
は、標識したレセプターとの結合実験および特異抗体を
用いたエンザイムイムノアッセイなどにより測定するこ
とができる。
【0038】本発明のリガンド蛋白質またはその塩、そ
の部分ペプチドもしくはそのエステルもしくはそのアミ
ドまたはその塩(以下、本発明のリガンド蛋白質と略記
する場合がある)に対する抗体は、本発明のリガンド蛋
白質を認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、
モノクローナル抗体の何れであってもよい。本発明のリ
ガンド蛋白質に対する抗体は、本発明のリガンド蛋白質
を抗原として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造
法に従って製造することができる。
【0039】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のリガンド蛋白質に対するレセプター(以下「レ
セプタ−」という場合もある)は、哺乳動物に対して投
与することにより抗体産生が可能な部位にそれ自体ある
いは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗
体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや
不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与
は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行なわ
れる。用いられる哺乳動物としては、例えば、サル、ウ
サギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤ
ギなどがあげられるが、マウスおよびラットが好ましく
用いられる。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際し
ては、抗原を免疫された温血動物、例えば、マウスから
抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後
に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体
産生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができ
る。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化
された本発明のリガンド蛋白質とを反応させたのち、抗
体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なう
ことができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラ
ーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、25
6巻、495頁(1975年)〕に従い実施することが
できる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレング
リコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙げられ
るが、好ましくはPEGが用いられる。骨髄腫細胞とし
ては、例えば、NS−1、P3U1、SP2/0などが
挙げられるが、P3U1が好ましく用いられる。用いら
れる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好
ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好
ましくは、PEG1000〜PEG6000)が10〜
80%程度の濃度で添加され、約20〜40℃、好まし
くは約30〜37℃で約1〜10分間インキュベートす
ることにより効率よく細胞融合を実施できる。
【0040】モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの
スクリーニングには種々の方法が使用できるが、例え
ば、本発明のリガンド蛋白質抗原を直接あるいは担体と
ともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイ
ブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素な
どで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いら
れる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体
が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合
したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブ
リン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブ
リドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標
識した本発明のリガンド蛋白質を加え、固相に結合した
モノクローナル抗体を検出する方法などが挙げられる。
モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいはそれに
準じる方法に従って行なうことができるが、通常はHA
T(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添
加した動物細胞用培地などで行なうことができる。選別
および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育でき
るものならばどのような培地を用いても良い。例えば、
1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含
むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を
含むGIT培地(和光純薬工業(株))またはハイブリ
ドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))などを用いることができる。培養温度は、通常
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0041】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、通常のポリクローナ
ル抗体の分離精製と同様に免疫グロブリンの分離精製法
〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気
泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着
法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相またはプロテ
インAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗
体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精
製法〕に従って行なうことができる。
【0042】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じ
る方法にしたがって製造することができる。例えば、免
疫抗原(リガンド蛋白質抗原)とキャリアー蛋白質との
複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と
同様に哺乳動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明
のリガンド蛋白質またはレセプター蛋白質に対する抗体
含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより
製造できる。哺乳動物を免疫するために用いられる免疫
抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー
蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比
は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して
抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率
で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミン、
ウシサイログロブリン、キーホール・リンペット・ヘモ
シアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜2
0、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用
いられる。また、ハプテンとキャリアーのカプリングに
は、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルア
ルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、
チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル
試薬等が用いられる。縮合生成物は、温血動物に対し
て、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希
釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高
めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイ
ントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2
〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なうことが
できる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫され
た哺乳動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取
することができる。抗血清中のポリクローナル抗体価の
測定は、上記の血清中の抗体価の測定と同様にして測定
できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノ
クローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分
離精製法に従って行なうことができる。
【0043】本発明のリガンド蛋白質またはその塩、そ
の部分ペプチドもしくはそのエステルもしくはそのアミ
ドまたはその塩、およびそれをコードするDNAは、
(1)本発明のリガンド蛋白質の機能不全に関連する疾
患の予防および/または治療剤、(2)遺伝子診断剤、
(3)本発明のリガンド蛋白質に対するレセプターの定
量、(4)本発明のリガンド蛋白質とレセプターとの結
合性を変化させる化合物(アゴニスト、アンタゴニスト
など)のスクリーニング、(5)本発明のリガンド蛋白
質とレセプターとの結合性を変化させる化合物(アゴニ
スト、アンタゴニスト)を含有する各種疾病の予防およ
び/または治療剤、(6)本発明のリガンド蛋白質の定
量、(7)本発明のリガンド蛋白質に対する抗体による
中和、(8)本発明のリガンド蛋白質をコードするDN
Aを有する非ヒト動物の作製などに用いることができ
る。特に、本発明の組換え型リガンド蛋白質の発現系を
用いた、後述のレセプターとの結合アッセイ系を用いる
ことによって、ヒトや哺乳動物に特異的な本発明のリガ
ンド蛋白質に対するレセプターの結合性を変化させる化
合物(例、アゴニスト、アンタゴニストなど)をスクリ
ーニングすることができ、該アゴニストまたはアンタゴ
ニストを後述の各種疾病の予防・治療剤などとして使用
することができる。本発明のリガンド蛋白質、およびそ
れをコードするDNA(以下、本発明のDNAと略記す
る場合がある)および本発明のリガンド蛋白質に対する
抗体(以下、本発明の抗体と略記する場合がある)等の
用途について、以下に具体的に説明する。
【0044】(1)本発明のリガンド蛋白質の機能不全
に関連する疾患の予防および/または治療剤 本発明のリガンド蛋白質または該リガンド蛋白質をコー
ドするDNAを、本発明のリガンド蛋白質の機能不全に
関連する疾患の予防および/または治療剤などの医薬と
して使用することができる。例えば、生体内において本
発明のリガンド蛋白質が減少しているためにレセプター
の生理作用が期待できない(該リガンド蛋白質の欠乏
症)患者がいる場合に、本発明のリガンド蛋白質を該
患者に投与し該リガンド蛋白質の量を補充したり、
(イ)本発明のリガンド蛋白質をコードするDNAを該
患者に投与し発現させることによって、あるいは(ロ)
対象となる細胞に本発明のリガンド蛋白質をコードする
DNAを挿入し発現させた後に、該細胞を該患者に移植
することなどによって、患者の体内における本発明のリ
ガンド蛋白質の量を増加させ、それに対するレセプター
の作用を充分に発揮させることができる。したがって、
本発明のリガンド蛋白質および本発明のリガンド蛋白質
をコードするDNAは、安全で低毒性な本発明のリガン
ド蛋白質の機能不全に関連する疾患の予防および/また
は治療剤などの医薬として有用である。本発明のリガン
ド蛋白質よび本発明のリガンド蛋白質をコードするDN
Aは、癌転移抑制活性を有するため、あらゆる癌(例え
ば、肺癌、胃癌、肝癌、膵癌、大腸癌、直腸癌、結腸
癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頚癌、乳癌等)の予防また
は治療薬に有用である。また、レセプター蛋白質に対す
るアゴニストは、胎盤機能調節作用を有するため、絨毛
癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代
謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防または治療
薬に有用である。本発明のリガンド蛋白質を上記予防・
治療剤として使用する場合は、常套手段に従って製剤化
することができる。一方、本発明のリガンド蛋白質をコ
ードするDNA(以下、本発明のDNAと略記する場合
がある)を上記予防・治療剤として使用する場合は、本
発明のDNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、
アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテ
ッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した
後、常套手段に従って実施することができる。本発明の
DNAは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助
剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのよう
なカテーテルによって投与できる。例えば、本発明の
リガンド蛋白質または該リガンド蛋白質をコードする
DNAは、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル
剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口
的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得
る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形
で非経口的に使用できる。例えば、本発明のリガンド
蛋白質または該リガンド蛋白質をコードするDNAを
生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベ
ヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認
められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和する
ことによって製造することができる。これら製剤におけ
る有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られる
ようにするものである。
【0045】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80(TM)、HCO−50)などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどと併用してもよい。
【0046】また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調整された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例
えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができ
る。本発明のリガンド蛋白質の投与量は、投与対象、対
象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口
投与の場合、一般的に例えば、癌患者(60kgとし
て)においては、一日につき約0.1mg〜100m
g、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約
1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、
その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法
などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常
例えば、癌患者(60kgとして)においては、一日に
つき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜
20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度
を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物
の場合も、60kg当たりに換算した量を投与すること
ができる。本発明のリガンド蛋白質をコードするDNA
の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法など
により差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例え
ば、癌患者(60kgとして)においては、一日につき
約0.1mg〜100mg、好ましくは約1.0〜50
mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経
口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対
象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例え
ば、注射剤の形では通常例えば、癌患者(60kgとし
て)においては、一日につき約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0047】(2)遺伝子診断剤 本発明のリガンド蛋白質をコードするDNAまたはレセ
プター蛋白質をコードするDNAは、プローブとして使
用することにより、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラッ
ト、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イ
ヌ、サルなど)における本発明のリガンド蛋白質をコー
ドするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検
出することができるので、例えば、該DNAまたはmR
NAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAま
たはmRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断
剤として有用である。本発明のリガンド蛋白質をコード
するDNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、自体
公知のノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SS
CP法(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜
879頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オ
ブ・ユーエスエー(Proceedings of the National Acad
emy of Sciences of the United States of Americ
a),第86巻,2766〜2770頁(1989
年))などにより実施することができる。
【0048】(3)本発明のリガンド蛋白質に対するレ
セプターの定量法 レセプター蛋白質は、本発明のリガンド蛋白質に対して
結合性を有しているので、生体内におけるレセプター濃
度を感度良く定量することができる。本発明の定量法
は、例えば、競合法と組み合わせることによって用いる
ことができる。すなわち、被検体を本発明のリガンド蛋
白質と接触させることによって被検体中のレセプター濃
度を測定することができる。具体的には、例えば、以下
のまたはなどに記載の方法あるいはそれに準じる方
法に従って用いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0049】(4)本発明のリガンド蛋白質またはその
塩とレセプターとの結合性を変化させる化合物(アゴニ
スト、アンタゴニストなど)のスクリーニング方法 本発明のリガンド蛋白質に対するレセプター蛋白質また
はその塩を用いるか、または組換え型レセプター蛋白質
の発現系を構築し、該発現系を用いたレセプター結合ア
ッセイ系を用いることによって、本発明のリガンド蛋白
質とレセプター蛋白質との結合性を変化させる化合物
(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物など)またはその塩を効率よくス
クリーニングすることができる。ここで使用するレセプ
ターとしては、性質等が十分に知られているもの、例え
ばG蛋白質共役型レセプター蛋白質、特にヒト、マウス
またはラットのOT7T175等が好ましい。このよう
な化合物には、(イ)例えば、G蛋白質共役型レセプタ
ーを介して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、
アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cA
MP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産
生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−f
osの活性化、pHの低下などを促進する活性または抑
制する活性など)を有する化合物(いわゆる、レセプタ
ー蛋白質に対するアゴニスト)、(ロ)該細胞刺激活性
を有しない化合物(いわゆる、レセプター蛋白質に対す
るアンタゴニスト)、あるいは(ハ)本発明のリガンド
蛋白質とレセプター蛋白質との結合力を減少させる化合
物などが含まれる。すなわち、本発明は、(i)本発明
のリガンド蛋白質と本発明のレセプター蛋白質とを接触
させた場合と(ii)本発明のリガンド蛋白質および試験
化合物とレセプター蛋白質とを接触させた場合との比較
を行なうことを特徴とする本発明のリガンド蛋白質とレ
セプター蛋白質との結合性を変化させる化合物またはそ
の塩のスクリーニング方法を提供する。本発明のスクリ
ーニング方法においては、(i)と(ii)の場合におけ
る、例えば、本発明のリガンド蛋白質に対するレセプタ
ーの結合量、細胞刺激活性などを測定して、比較するこ
とを特徴とする。
【0050】より具体的には、本発明は、 標識した本発明のリガンド蛋白質を、レセプター蛋白
質に接触させた場合と、標識した本発明のリガンド蛋白
質および試験化合物をレセプター蛋白質に接触させた場
合における、標識した本発明のリガンド蛋白質の該レセ
プター蛋白質に対する結合量を測定し、比較することを
特徴とする本発明のリガンド蛋白質とレセプター蛋白質
との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリー
ニング方法(この場合、リガンドではなくレセプターを
標識してもよい)、 標識した本発明のリガンド蛋白質を、レセプター蛋白
質を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場
合と、標識した本発明のリガンド蛋白質および試験化合
物をレセプター蛋白質を含有する細胞または該細胞の膜
画分に接触させた場合における、標識した本発明のリガ
ンド蛋白質の該細胞または該膜画分に対する結合量を測
定し、比較することを特徴とする本発明のリガンド蛋白
質とレセプター蛋白質との結合性を変化させる化合物ま
たはその塩のスクリーニング方法、 標識した本発明のリガンド蛋白質を、本発明のDNA
を含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上
に発現したレセプター蛋白質に接触させた場合と、標識
した本発明のリガンド蛋白質および試験化合物を本発明
のDNAを含有する形質転換体を培養することによって
細胞膜上に発現したレセプター蛋白質に接触させた場合
における、標識した本発明のリガンド蛋白質の該レセプ
ター蛋白質等に対する結合量を測定し、比較することを
特徴とする本発明のリガンド蛋白質とレセプター蛋白質
との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリー
ニング方法、
【0051】本発明のリガンド蛋白質をレセプター蛋
白質を含有する細胞に接触させた場合と、本発明のリガ
ンド蛋白質をおよび試験化合物をレセプター蛋白質を含
有する細胞に接触させた場合における、レセプターを介
した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチ
ルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する
活性など)を測定し、比較することを特徴とする本発明
のリガンド蛋白質と本発明のレセプター蛋白質との結合
性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方
法、および 本発明のリガンド蛋白質をレセプターDNAを含有す
る形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現し
たレセプター蛋白質に接触させた場合と、本発明のリガ
ンド蛋白質および試験化合物をレセプターDNAを含有
する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現
したレセプター蛋白質に接触させた場合における、レセ
プターを介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内
cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン
酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c
−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性また
は抑制する活性など)を測定し、比較することを特徴と
する本発明のリガンド蛋白質とレセプター蛋白質との結
合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング
方法などを提供する。
【0052】上記〜いずれかの方法を用いることに
よって、リガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質と
の結合を阻害する化合物を効率良くスクリーニングする
ことができる。さらに、スクリーニングされた化合物が
アゴニストかアンタゴニストかを簡便に評価することが
できる。本発明のスクリーニング方法の具体的な説明を
以下にする。まず、本発明のスクリーニング方法に用い
るレセプター蛋白質としては、前記したレセプター蛋白
質を含有するものであれば何れのものであってもよい
が、レセプター蛋白質を含有する哺乳動物の臓器の細胞
膜画分が好適である。しかし、スクリーニングに用いる
大量のレセプター蛋白質を得るには、組換え体を用いて
大量発現させたレセプター蛋白質などが適している。
【0053】レセプター蛋白質を製造するには、前述の
方法が用いられるが、そのDNAを哺乳細胞や昆虫細胞
で発現することにより行なうことが好ましい。目的とす
る蛋白質部分をコードするDNA断片には相補DNAが
用いられるが、必ずしもこれに制約されるものではな
い。例えば、遺伝子断片や合成DNAを用いてもよい。
レセプター蛋白質をコードするDNA断片を宿主動物細
胞に導入し、それらを効率よく発現させるためには、該
DNA断片を昆虫を宿主とするバキュロウイルスに属す
る核多角体病ウイルス(nuclear polyhedrosis virus;
NPV)のポリヘドリンプロモーター、SV40由来の
プロモーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロ
チオネインプロモーター、ヒトヒートショックプロモー
ター、サイトメガロウイルスプロモーター、SRαプロ
モーターなどの下流に組み込むのが好ましい。発現した
レセプターの量と質の検査はそれ自体公知の方法で行う
ことができる。例えば、文献〔Nambi,P.ら、ザ・ジャ
ーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Bio
l. Chem.),267巻,19555〜19559頁,1992年〕に記載の方
法に従って行なうことができる。したがって、本発明の
スクリーニング方法において、レセプター蛋白質を含有
するものとしては、それ自体公知の方法に従って精製し
たレセプター蛋白質であってもよいし、該レセプター蛋
白質を含有する細胞を用いてもよく、また該レセプター
蛋白質を含有する細胞の膜画分を用いてもよい。
【0054】本発明のスクリーニング方法において、レ
セプター蛋白質を含有する細胞を用いる場合、該細胞を
グルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよ
い。固定化方法はそれ自体公知の方法に従って行なうこ
とができる。レセプター蛋白質を含有する細胞として
は、該レセプター蛋白質を発現した宿主細胞をいうが、
該宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母、昆虫細
胞、動物細胞などが好ましい。細胞膜画分としては、細
胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる細胞膜
が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法とし
ては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し
潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinema
tica社製)のよる破砕、超音波による破砕、フレンチプ
レスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させ
ることによる破砕などが挙げられる。細胞膜の分画に
は、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力
による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕
液を低速(500rpm〜3000rpm)で短時間
(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高速
(15000rpm〜30000rpm)で通常30分
〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画
分中には、発現したレセプター蛋白質と細胞由来のリン
脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。該レセプ
ター蛋白質を含有する細胞や膜画分中のレセプター蛋白
質の量は、1細胞当たり10〜10分子であるのが
好ましく、10〜10分子であるのが好適である。
なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活
性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の
構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試
料を測定できるようになる。
【0055】本発明のリガンド蛋白質とレセプター蛋白
質との結合性を変化させる化合物をスクリーニングする
前記の〜を実施するためには、例えば、適当なレセ
プター蛋白質画分と、標識したリガンドが必要である。
レセプター蛋白質画分としては、天然型のレセプター蛋
白質画分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型
レセプター蛋白質画分などが望ましい。ここで、同等の
活性とは、同等のリガンド結合活性、シグナル情報伝達
作用などを示す。標識したリガンドとしては、標識した
リガンド、標識したリガンドアナログ化合物などが用い
られる。例えば〔H〕、〔125I〕、〔14C〕、
35S〕などで標識されたリガンド(本発明のリガン
ド蛋白質)などが用いられる。具体的には、本発明のリ
ガンド蛋白質とレセプター蛋白質との結合性を変化させ
る化合物のスクリーニングを行なうには、まずレセプタ
ー蛋白質を含有する細胞または細胞の膜画分を、スクリ
ーニングに適したバッファーに懸濁することによりレセ
プター蛋白質標品を調製する。バッファーには、pH4
〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファー、
トリス−塩酸バッファーなどのリガンドとレセプター蛋
白質との結合を阻害しないバッファーであればいずれで
もよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CH
APS、Tween−80TM(花王−アトラス社)、
ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤をバッ
ファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼに
よるレセプターや本発明のリガンド蛋白質の分解を抑え
る目的でPMSF、ロイペプチン、E−64(ペプチド
研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を
添加することもできる。0.01ml〜10mlの該レ
セプター溶液に、一定量(5000cpm〜50000
0cpm)の標識した本発明のリガンド蛋白質を添加
し、同時に10 −4M〜10−10Mの試験化合物を共
存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過
剰の未標識の本発明のリガンド蛋白質を加えた反応チュ
ーブも用意する。反応は約0℃から50℃、望ましくは
約4℃から37℃で、約20分から24時間、望ましく
は約30分から3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等
で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊
維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウ
ンターまたはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質
がない場合のカウント(B)から非特異的結合量(N
SB)を引いたカウント(B−NSB)を100%と
した時、特異的結合量(B−NSB)が、例えば、50
%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質
として選択することができる。
【0056】本発明のリガンド蛋白質とレセプター蛋白
質との結合性を変化させる化合物スクリーニングする前
記の〜の方法を実施するためには、例えば、レセプ
ター蛋白質を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン
酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca遊離、細胞内
cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン
酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c
−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性また
は抑制する活性など)を公知の方法または市販の測定用
キットを用いて測定することができる。具体的には、ま
ず、レセプター蛋白質を含有する細胞をマルチウェルプ
レート等に培養する。スクリーニングを行なうにあたっ
ては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない
適当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して
一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上
清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従っ
て定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、
アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解酵素
によって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤
を添加してアッセイを行なってもよい。また、cAMP
産生抑制などの活性については、フォルスコリンなどで
細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産
生抑制作用として検出することができる。細胞刺激活性
を測定してスクリーニングを行なうには、適当なレセプ
ター蛋白質を発現した細胞が必要である。レセプター蛋
白質を発現した細胞としては、天然型のレセプター蛋白
質を有する細胞株、前述の組換え型レセプター蛋白質を
発現した細胞株などが望ましい。試験化合物としては、
例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合
成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物
組織抽出液などが用いられ、これら化合物は新規な化合
物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
【0057】本発明のリガンド蛋白質とレセプター蛋白
質との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリ
ーニング用キットは、レセプター蛋白質、レセプター蛋
白質を含有する細胞、またはレセプター蛋白質を含有す
る細胞の膜画分を含有するものなどである。本発明のス
クリーニング用キットの例としては、次のものが挙げら
れる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 G蛋白質共役型レセプター標品 レセプター蛋白質を発現させたCHO細胞を、12穴プ
レートに5×10個/穴で継代し、37℃、5%CO
、95%airで2日間培養したもの。 標識リガンド 市販の〔H〕、〔125I〕、〔14C〕、
35S〕などで標識した本発明のリガンド蛋白質水溶
液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用
時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。 リガンド標準液 本発明のリガンド蛋白質を0.1%ウシ血清アルブミン
(シグマ社製)を含むPBSで1mMとなるように溶解
し、−20℃で保存する。
【0058】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したレセプター蛋
白質発現CHO細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄
した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。 10−3〜10−10Mの試験化合物溶液を5μl加
えた後、標識リガンドを5μl加え、室温にて1時間反
応させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の
代わりに10−3Mのリガンドを5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0.2N NaOH
−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数1〕で求める。
【0059】〔数1〕 PMB=[(B−NSB)/(B−NSB)]×10
0 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B :最大結合量
【0060】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られうる化合物またはその
塩は、本発明のリガンド蛋白質とレセプター蛋白質との
結合性を変化させる作用を有する化合物であり、具体的
には、(イ)G蛋白質共役型レセプターを介して細胞刺
激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊
離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内
cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、p
Hの低下などを促進する活性または抑制する活性など)
を有する化合物(いわゆる、レセプター蛋白質に対する
アゴニスト)、(ロ)該細胞刺激活性を有しない化合物
(いわゆる、レセプター蛋白質に対するアンタゴニス
ト)、あるいは(ハ)本発明のリガンド蛋白質とレセプ
ター蛋白質との結合力を減少させる化合物である。該化
合物としては、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化
合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物で
あってもよい。レセプター蛋白質に対するアゴニスト
は、レセプター蛋白質に対する本発明のリガンド蛋白質
が有する生理活性と同様の作用を有しているので、該リ
ガンド活性に応じて安全で低毒性な医薬として有用であ
る。具体的には、レセプター蛋白質に対するアゴニスト
は癌転移抑制活性を有するため、あらゆる癌(例えば、
肺癌、胃癌、肝癌、膵癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、前
立腺癌、卵巣癌、子宮頚癌、乳癌等)の予防または治療
薬に有用である。また、レセプター蛋白質に対するアゴ
ニストは、胎盤機能調節作用を有するため、絨毛癌、胞
状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異
常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防または治療薬に
有用である。レセプター蛋白質に対するアンタゴニスト
は、レセプター蛋白質に対する本発明のリガンド蛋白質
が有する生理活性を抑制することができるので、該リガ
ンド活性を抑制する安全で低毒性な医薬として有用であ
る。本発明のリガンド蛋白質とレセプター蛋白質との結
合力を減少させる化合物は、レセプター蛋白質に対する
本発明のリガンド蛋白質が有する生理活性を減少させる
ための安全で低毒性な医薬として有用である。
【0061】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られうる化合物またはその
塩を上述の医薬組成物として使用する場合、常套手段に
従って実施することができる。例えば、前記した本発明
のDNAを含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル
剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、
懸濁液剤などとすることができる。このようにして得ら
れる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺
乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与するこ
とができる。該化合物またはその塩(アゴニストの場
合)の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法
などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例
えば、癌患者(60kgとして)においては、一日につ
き約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50m
g、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口
的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象
臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例え
ば、注射剤の形では通常例えば、癌患者(60kgとし
て)においては、一日につき約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0062】(5)本発明のリガンド蛋白質とレセプタ
ーとの結合性を変化させる化合物(アゴニスト、アンタ
ゴニスト)を含有する各種疾病の予防および/または治
療剤 本発明のリガンド蛋白質は前述のとおり、癌転移抑制活
性を有するため、あらゆる癌(例えば、肺癌、胃癌、肝
癌、膵癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、前立腺癌、卵巣
癌、子宮頚癌、乳癌等)の予防または治療薬に有用であ
る。また、レセプター蛋白質に対するアゴニストは、胎
盤機能調節作用を有するため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入
奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異
常または分娩誘発の予防または治療薬に有用である。従
って、本発明のリガンド蛋白質とレセプターとの結合性
を変化させる化合物(アゴニスト、アンタゴニスト)
は、本発明のリガンド蛋白質の機能不全または不足もし
くは過剰に関連する疾患の予防および/または治療剤と
して用いることができる。該化合物を本発明のリガンド
蛋白質の機能不全または不足もしくは過剰に関連する疾
患の予防および/または治療剤として使用する場合は、
常套手段に従って製剤化することができる。例えば、該
化合物は、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル
剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口
的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得
る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形
で非経口的に使用できる。例えば、該化合物を生理学的
に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、
防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた
製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによ
って製造することができる。これら製剤における有効成
分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにす
るものである。
【0063】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80(TM)、HCO−50)などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどと併用してもよい。
【0064】また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝
剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝
液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸
プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミ
ン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、
ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤な
どと配合してもよい。調整された注射液は通常、適当な
アンプルに充填される。このようにして得られる製剤は
安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例
えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができ
る。該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象
臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投
与の場合、一般的に例えば、癌患者(60kgとして)
においては、一日につき約0.1〜100mg、好まし
くは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜2
0mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投
与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっ
ても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、癌
患者(60kgとして)においては、一日につき約0.
01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0065】(6)本発明のリガンド蛋白質の定量 本発明のリガンド蛋白質またはレセプターに対する抗体
は、本発明のリガンド蛋白質またはレセプターを特異的
に認識することができるので、被検液中の本発明のリガ
ンド蛋白質またはレセプターの定量、特にサンドイッチ
免疫測定法による定量などに使用することができる。す
なわち、本発明は、例えば、(i)本発明のリガンド蛋
白質またはレセプターに対する抗体と、被検液および標
識化リガンド蛋白質またはレセプターとを競合的に反応
させ、該抗体に結合した標識化リガンド蛋白質またはレ
セプターの割合を測定することを特徴とする被検液中の
本発明のリガンド蛋白質またはレセプターの定量法、
(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明のリガンド蛋
白質またはレセプターに対する抗体および標識化された
本発明のリガンド蛋白質またはレセプターに対する抗体
とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体
上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中
の本発明のリガンド蛋白質またはレセプターの定量法を
提供する。上記(ii)においては、一方の抗体が本発明
のリガンド蛋白質またはレセプターのN端部を認識する
抗体で、他方の抗体が本発明のリガンド蛋白質またはレ
セプターC端部に反応する抗体であることが好ましい。
【0066】本発明のリガンド蛋白質またはレセプター
に対するモノクローナル抗体(以下、本発明のモノクロ
ーナル抗体と称する場合がある)を用いて本発明のリガ
ンド蛋白質またはレセプターの測定を行なえるほか、組
織染色等による検出を行なうこともできる。これらの目
的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体
分子のF(ab')、Fab'、あるいはFab画分を用
いてもよい。本発明のリガンド蛋白質またはレセプター
に対する抗体を用いる測定法は、特に制限されるべきも
のではなく、被測定液中の抗原量(例えば、リガンド蛋
白質量またはレセプター)に対応した抗体、抗原もしく
は抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段によ
り検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作
製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの
測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合
法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に
用いられるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイ
ッチ法を用いるのが特に好ましい。標識物質を用いる測
定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位
元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放
射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔
131I〕、〔H〕、〔14C〕などが用いられる。
上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好まし
く、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダー
ゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リ
ンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質として
は、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチ
オシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例
えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、
ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体あるいは抗
原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いるこ
ともできる。
【0067】抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物
理吸着を用いてもよく、また通常、蛋白質あるいは酵素
等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用い
る方法でもよい。担体としては、例えば、アガロース、
デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリス
チレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、
あるいはガラス等が用いられる。サンドイッチ法におい
ては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を
反応させ(1次反応)、さらに標識化した本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のリガンド蛋白質量またはレセプターを定量する
ことができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行なっ
ても、また、同時に行なってもよいし時間をずらして行
なってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそ
れらに準じることができる。また、サンドイッチ法によ
る免疫測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体
に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、
測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混
合物を用いてもよい。本発明のサンドイッチ法によるリ
ガンド蛋白質またはレセプターの測定法においては、1
次反応と2次反応に用いられる本発明のモノクローナル
抗体はリガンド蛋白質の結合する部位が相異なる抗体が
好ましく用いられる。即ち、1次反応および2次反応に
用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体
が、リガンド蛋白質のC端部を認識する場合、1次反応
で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN
端部を認識する抗体が用いられる。
【0068】本発明のリガンド蛋白質またはレセプター
に対するモノクローナル抗体をサンドイッチ法以外の測
定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法ある
いはネフロメトリーなどに用いることができる。競合法
では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合
的に反応させたのち、未反応の標識抗原と(F)と抗体
と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、
B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液中の抗原量を
定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用
い、B/F分離をポリエチレングリコール、前記抗体に
対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体
として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可
溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固
相化法とが用いられる。イムノメトリック法では、被検
液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対し
て競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるい
は、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応さ
せ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に
結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれ
かの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗
原抗体反応の結果、生じた不溶性の沈降物の量を測定す
る。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか
得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザー
ネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0069】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のリガンド蛋白質またはレセプターの測定系を構築す
ればよい。これらの一般的な技術手段の詳細について
は、総説、成書などを参照することができる〔例えば、
入江 寛編「ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和4
9年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ〕
(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫
測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年
発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)
(医学書院、昭和62年発行)、「メソッズ・イン・エ
ンジモノジー(Methods in ENZYMOLOGY)」 Vol. 70(Imm
unochemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Imm
unochemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Imm
unochemical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Imm
unochemical Techniques(Part D:Selected Immunoassay
s))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part
E:Monoclonal Antibodiesand General Immunoassay Met
hods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(P
art I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodi
es))(以上、アカデミックプレス社発行)など参照〕。以
上のように、本発明の抗体を用いることによって、本発
明のリガンド蛋白質またはレセプターを感度良く定量す
ることができる。さらに、本発明の抗体を用いて、生体
内での本発明のリガンド蛋白質またはレセプターを定量
することによって、本発明のリガンド蛋白質の機能不全
に関連する各種疾患の診断をすることができる。また、
本発明のリガンド蛋白質またはレセプターに対する抗体
は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明のリガ
ンド蛋白質またはレセプターを特異的に検出するために
使用することができる。また、本発明のリガンド蛋白質
またはレセプターを精製するために使用する抗体カラム
の作製、精製時の各分画中の本発明のリガンド蛋白質の
検出、被検細胞内における本発明のリガンド蛋白質また
はレセプターの挙動の分析などのために使用することが
できる。
【0070】(7)本発明のリガンド蛋白質に対する抗
体による中和 本発明のリガンド蛋白質またはレセプターに対する抗体
の、それらリガンド蛋白質または該レセプターに対する
中和活性とは、即ち、該リガンド蛋白質または該レセプ
ターの関与するシグナル伝達機能を不活性化する活性を
意味する。従って、該抗体が中和活性を有する場合は、
該リガンド蛋白質または該レセプターの関与するシグナ
ル伝達、例えば、該リガンド蛋白質を介する細胞刺激活
性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、
細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cG
MP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、
細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの
低下などを促進する活性または抑制する活性など)を不
活性化することができる。従って、該リガンド蛋白質ま
たは該レセプターの過剰発現などに起因する疾患の予防
および/または治療に用いることができる。 (8)本発明のリガンド蛋白質をコードするDNAを有
する動物の作製 本発明のDNAを用いて、本発明のリガンド蛋白質を発
現するトランスジェニック動物を作製することができ
る。動物としては、哺乳動物(例えば、ラット、マウ
ス、ラット、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルな
ど)などが挙げられるが、特に、マウス、ウサギなどが
好適である。本発明のDNAを対象動物に転移させるに
あたっては、該DNAを動物細胞で発現させうるプロモ
ーターの下流に結合した遺伝子コンストラクトとして用
いるのが一般に有利である。例えば、マウス由来の本発
明のDNAを転移させる場合、これと相同性が高い動物
由来の本発明のDNAを動物細胞で発現させうる各種プ
ロモーターの下流に結合した遺伝子コンストラクトを、
例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクションする
ことによって本発明のレセプター蛋白質を高産生するD
NA転移動物を作出できる。このプロモーターとして
は、例えば、ウイルス由来プロモーター、メタロチオネ
イン等のユビキアスな発現プロモーターも使用しうる
が、好ましくは脳で特異的に発現するNGF遺伝子プロ
モーターやエノラーゼ遺伝子プロモーターなどが用いら
れる。
【0071】受精卵細胞段階における本発明のDNAの
転移は、対象動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在
するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽
細胞において本発明のリガンド蛋白質が存在すること
は、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞及び体細胞の全
てに本発明のリガンド蛋白質を有することを意味する。
遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞
および体細胞の全てに本発明のリガンド蛋白質を有す
る。本発明のDNA転移動物は、交配により遺伝子を安
定に保持することを確認して、該DNA保有動物として
通常の飼育環境で飼育継代を行うことができる。さら
に、目的DNAを保有する雌雄の動物を交配することに
より、導入遺伝子を相同染色体の両方に持つホモザイゴ
ート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによ
りすべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代する
ことができる。本発明のDNAが転移された動物は、本
発明のリガンド蛋白質が高発現させられているので、本
発明のリガンド蛋白質に対するアゴニストまたはアンタ
ゴニストのスクリーニング用の動物などとして有用であ
る。本発明のDNA転移動物を、組織培養のための細胞
源として使用することもできる。例えば、本発明のDN
A転移マウスの組織中のDNAもしくはRNAを直接分
析するか、あるいは遺伝子により発現された本発明のリ
ガンド蛋白質が存在する組織を分析することにより、本
発明のリガンド蛋白質について分析することができる。
本発明のリガンド蛋白質を有する組織の細胞を標準組織
培養技術により培養し、これらを使用して、例えば、脳
や末梢組織由来のような一般に培養困難な組織からの細
胞の機能を研究することができる。また、その細胞を用
いることにより、例えば、各種組織の機能を高めるよう
な医薬の選択も可能である。また、高発現細胞株があれ
ば、そこから、本発明のリガンド蛋白質を単離精製する
ことも可能である。
【0072】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclature による略号
あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すもの
とする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0073】 Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基
【0074】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル ClBzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェノール Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド DCC :N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド BHA :ベンツヒドリルアミン MeBzl :4−メチルベンジル OcHex :シクロヘキシルエステル NMP :N−メチルピロリドン TFA :トリフルオロ酢酸
【0075】本明細書の配列表の配列番号は、以下の配
列を示す。 〔配列番号:1〕本発明のマウス由来新規リガンド蛋白
質KiSS-1(マウス型1)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:2〕本発明のマウス由来新規リガンド蛋白
質KiSS-1(マウス型2)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:3〕本発明のラット由来新規リガンド蛋白
質KiSS-1(ラット型)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:4〕本発明のマウス由来新規リガンド蛋白
質KiSS-1(マウス型1)をコードするcDNAの塩基配
列を示す。 〔配列番号:5〕本発明のマウス由来新規リガンド蛋白
質KiSS-1(マウス型2)をコードするcDNAの塩基配
列を示す。 〔配列番号:6〕本発明のラット由来新規リガンド蛋白
質KiSS-1(ラット型)をコードするcDNAの塩基配列
を示す。 〔配列番号:7〕ヒト由来新規G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質hOT7T175のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:8〕ラット由来新規G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質rOT7T175のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:9〕本発明のマウス由来KiSS-1をクローニ
ングするために使用したプローブAの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕本発明のマウス由来KiSS-1をクロー
ニングするために使用したプライマーBの塩基配列を示
す。 〔配列番号:11〕本発明のマウス由来KiSS-1をクロー
ニングするために使用したプライマーCの塩基配列を示
す。 〔配列番号:12〕本発明のマウス由来KiSS-1をクロー
ニングするために使用したプライマーDの塩基配列を示
す。 〔配列番号:13〕本発明のマウス由来KiSS-1をクロー
ニングするために使用したプライマーEの塩基配列を示
す。 〔配列番号:14〕本発明のラット型リガンド(1−5
4)[ラットKiSS-1]をコードするcDNAをクローニ
ングするために使用したデジェネレートプライマー13-3
F38の塩基配列を示す。 〔配列番号:15〕本発明のラット型リガンド(1−5
4)[ラットKiSS-1]をコードするcDNAをクローニ
ングするために使用したデジェネレートプライマーKiSS
357Rの塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕ラットKiSS-1の部分ペプチドをコー
ドする配列を有するDNA断片の塩基配列を示す。 〔配列番号:17〕ラットKiSS-1全長ペプチドをコード
するDNA断片を得るためのプライマー288-41Fの塩基
配列を示す。 〔配列番号:18〕ラットKiSS-1全長ペプチドをコード
するDNA断片を得るためのプライマー288-10Fの塩基
配列を示す。 〔配列番号:19〕ラットKiSS-1全長ペプチドをコード
するDNA断片を得るためのプライマー288-254Rの塩基
配列を示す。 〔配列番号:20〕ラットKiSS-1全長ペプチドをコード
するDNA断片を得るためのプライマー288-44Rの塩基
配列を示す。 〔配列番号:21〕ラットKiSS-1全長ペプチドをコード
するDNA断片を得るためのプライマーrKiSS364Fの塩
基配列を示す。 〔配列番号:22〕ラットKiSS-1全長ペプチドをコード
するDNA断片を得るためのプライマーrKiSS859Rの塩
基配列を示す。 〔配列番号:23〕ラットKiSS-1全長ペプチドをコード
する393塩基対のDNA断片の塩基配列を示す。 〔配列番号:24〕マウス由来新規G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質mOT7T175のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:25〕マウス由来新規G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質mOT7T175をコードするDNAの塩
基配列を示す。 〔配列番号:26〕後述の実施例3で用いられたプライ
マー1の塩基配列を示す。 〔配列番号:27〕後述の実施例3で用いられたプライ
マー2の塩基配列を示す。
【0076】後述の実施例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)DH10B/pC
MV−mKiSS−1は、平成12(2000)年1月
24日から茨城県つくば市東1−1−3の通商産業省工
業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番
号FERM BP−7003として、平成11(199
9)年12月16日から大阪府大阪市淀川区十三本町2
−17−85の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託
番号IFO 16348として寄託されている。後述の
実施例1で得られた形質転換体エシェリヒア・コリ(Es
cherichia coli)DH5α/pCR2.1−mKiSS
−1.4Aは、平成12年3月6日から通商産業省工業
技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号
FERMBP−7073として、平成12年2月16日
から財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO
16360として寄託されている。後述の実施例2で
得られた形質転換体エシェリヒア・コリ(Escherichia
coli)TOP10/pRKISS4は、平成12年3月
16日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究
所(NIBH)に寄託番号FERM BP−7093と
して、平成12年2月2日から財団法人・発酵研究所
(IFO)に寄託番号IFO 16362として寄託さ
れている。後述の実施例3で得られた大腸菌(Escheric
hia coli)DH5α/pCR−BluntII−mOT
7T175は、2001年1月11日から茨城県つくば
市東1−1−3の経済産業省産業技術総合研究所生命工
学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FERM B
P−7428として、2000年12月22日から大阪
府大阪市淀川区十三本町2−17−85の財団法人・発
酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16523とし
て寄託されている。
【0077】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。なお、大腸菌を用いての遺伝子操作法は、モレキ
ュラー・クローニング(Molecular cloning)に記載さ
れている方法に従った。
【0078】実施例1 マウス型KiSS−1の取得 cDNAのクローニングは、GENE TRAPPER ( Life Techno
logies社 )の処方に従って行った。プローブA( 配列
番号:9)をビオチン化したのち、一本鎖にしたマウス
胚cDNAライブラリー( スーパースクリプトcDNAライブ
ラリー、 Life Technologies社 )とハイブリダイゼー
ションさせ、得られた一本鎖遺伝子を、プライマーB(
配列番号:10)を用いて二本鎖とした。この遺伝子を
大腸菌DH10Bにエレクトロポレーションし、アンピシリ
ン耐性を指標として形質転換体を得た。エレクトロポレ
ーションは、E coli Pulser ( BIO RAD社 )を用い、
電圧1.8kVで行った。得られた形質転換体を、プライマ
ー B( 配列番号:10)とプライマーC( 配列番号:
11)を用いたコロニーPCRによって選択、形質転換
体:大腸菌( Escherichia coli )DH10B / pCMV-mKiSS
-1を得た。このcDNAクローンの塩基配列よりORF(op
en reading frame)を推定(配列番号:4)、導き出さ
れるアミノ酸配列( 配列番号:1)を有する新規分泌
性蛋白をmKiSS-1(マウス型1)と命名した。コロニーP
CRは、Advantage2 cDNA polymerase Mix( CLONTECH社
)1/50量、プライマーB( 配列番号:10)及びプラ
イマーC( 配列番号:11)を各0.2μM、dNTPs 200μ
M、DMSO 1/25量及び酵素に添付のバッファーを加え、10
μlの液量とした。PCR反応は、94℃・10分の後、94
℃・10秒、60℃・10秒、68℃・1分のサイクルを25回繰
り返し行った。さらに、上記の pCMV-mKiSS-1にコード
された塩基配列より、ORFの外側にプライマーD( 配列
番号:12)およびプライマー E(配列番号:13)を
作製、mouse embryo Marathon Ready cDNA ( CLONTE
CH社 )を鋳型にPCRを行った。PCRは、 Advantage2 cDN
A polymerase Mix( CLONTECH社 )1/50量、プライマー
D( 配列番号:12)及びプライマーE( 配列番号:1
3)を各0.2μM、dNTPs 200μM、DMSO 1/25量及び酵素
に添付のバッファーを加え、25μlの液量で、94℃・
2分の後、94℃・10秒、68℃・1分30秒 のサイクルを3
回、94℃・10秒、64℃・10秒、68℃・1分のサイクル
を3回、94℃・10秒、60℃・10秒、68℃・1分のサイク
ルを30回繰り返し、最後に68℃、8分の伸長反応を行
った。該PCR反応後の反応産物を、TOPO-TA cloning Kit
( Invirtogen社 )の処方に従いプラスミドベクターpC
R2.1-TOPO( Invitrogen社 )へサブクローニングし
た。これを大腸菌DH5αに導入し、cDNAを持つクローン
を、アンピシリンを含むLB寒天培地中で選択した。個々
のクローンの配列を解析したところ、上記mKiSS-1の
塩基配列(配列番号:4)と完全一致するものの他に、
上記mKiSS-1の塩基配列(配列番号:4)の途中に12
塩基の挿入、および、ORFから402番目に一塩基変異(ア
ミノ酸不変)があるもの(配列番号:5)、の2種類が
得られた。についても、12塩基の挿入は4アミノ酸に
翻訳でき、また、ヒト、ラット型KiSS-1ではともにこの
4アミノ酸に相当するアミノ酸配列が存在することか
ら、マウスには2通りのmKiSS-1が存在するとみなし、新
たに得られた塩基配列(核酸配列番号:5より推定され
るアミノ酸配列( 配列番号:2)を有する新規分泌性
蛋白をmKiSS-1・4A(マウス型2)とした。この塩基配
列を有するクローンを大腸菌に導入して形質転換体:大
腸菌(Escherichia coli)DH5α/pCR2.1−m
KiSS−1.4Aを得た。得られた核酸配列から推定
されたマウス型1およびマウス型2のKiSS−1蛋白
質のアミノ酸配列(それぞれ配列番号:4および5)は
既知のヒトホモログに対して高い相同性を有していた
(図1参照)。 プローブA 5'−tat ggg gag ccg ctg gca aaa gtg−3' プライマーB 5'−tag acc tgc ccc ttc ctc cca ga−3' プライマーC 5'−ctg ctg gcc tgt gga tcc agg ctt−3' プライマーD 5'−tgc agg aga gtg aag att aaa tcc cca−3' プライマーE5’−gag gac ctg tcc cat ctc gca gga g
tc a−3'
【0079】実施例2 ラット型リガンド(1−54)[ラットKiSS-1]をコード
するcDNAのクローニング ラット胎盤からTRIZOL reagent(Gibco BRL社)を用
い、添付されたマニュアルに記載された方法に従ってto
tal RNAを抽出した。次いでオリゴdTセルロースカラム
(MessageMaker reagent assembly, Gibco BRL社)を用
い、添付されたマニュアルに記載された方法に従って該
total RNAからpoly(A)+ RNAを調製した。さらに、Super
Script Preamplification System for First Strand cD
NA Synthesis(Gibco BRL社)を用い、添付されたマニュ
アルに記載された方法に従って、該Poly (A)+ RNAから
first strand cDNA を合成した。また、マウスKiSS-1配
列を基にデザインした次のデジェネレートプライマー(d
egenerate primer)を合成した。 13-3F38: 5'-TTCTTGGCAGCTRCTGCTTYTCCTCTGTG-3' (配列番号:14) KiSS357R: 5'-GAAGCGCAGGCCGAAGGAGTTCCA-3' (配列番号:15) 前述の first strand cDNA を鋳型として用い、13-3F38
およびKiSS357Rをプライマーとして用いてデジェネレー
トPCR(Degenerative PCR)反応を実施した。該PCR反応
における反応液は、Taq polymerase(宝酒造社)を1 μ
l、それぞれ添付の10x PCR buffer(500 mM KCl-100 mM
Tris・HCl, pH 8.3)を10 μl、25 mM MgCl2を6 μl、2.
5 mM dNTP mixtureを8 μl、25 % DMSO溶液を4 μl、プ
ライマー13-3F38およびプライマーKiSS357R(ともに20
μM)を各2 μl、および該鋳型cDNA(前述の first str
and cDNA)を2 μl、蒸留水を65 μlを混合して作製し
た。該PCRとして、1)初期変性(94℃・5分間)、2)
サイクル反応(94℃・20秒間-72℃・50秒間)3)サイク
ル反応(94℃・20秒間-71.5℃・20秒間-72℃・30秒間)
4)サイクル反応(94℃・20秒間-71℃・20秒間-72℃・30
秒間)、5)サイクル反応(94℃・20秒間-70.5℃・20秒
間-72℃・30秒間)、6)サイクル反応(94℃・20秒間-70
℃・20秒間-72℃・30秒間)、7)サイクル反応(94℃・20
秒間-69.5℃・20秒間-72℃・30秒間)、8)サイクル反応
(94℃・20秒間-69℃・20秒間-72℃・30秒間)、9)サイ
クル反応(94℃・20秒間-68.5℃・20秒間-72℃・30秒
間)、10)サイクル反応(94℃・20秒間-68℃・20秒間-
72℃・30秒間)、11)30回のサイクル反応(94℃・20秒
間-61.8℃・20秒間-72℃・30秒間)の後12)最終伸長反
応(72℃・7分間)を行いPCR産物を得た。さらにPCR 産
物を1.5 %アガロースゲル電気泳動を行い、サイバーグ
リーン染色される約300 bpのバンドを含むゲル片を剃刀
で切り出した。該ゲル片より Gene Clean DNA 抽出キッ
ト(BIO 101社)を用いてPCR 産物であるDNA断片を回収
した。該DNA断片の塩基配列決定のための反応は、Dye T
erminator Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystem
s、パーキンエルマー社)を用いて行い、蛍光式自動シ
ークエンサー(DNA sequencer Prism 377:Applied Bio
systems、パーキンエルマー社)を用いてPCR 産物の塩
基配列を解読した。その結果、ラットKiSS-1の部分ペプ
チドをコードする配列を有するDNA断片を得ることがで
きた。以下にデジェネレートプライマー部分を含まない
288 bpの塩基配列(配列番号:16)pCR288bpを示す。 pCR288bp: TGGCCTCTTT TGGGGAGCCA CTGGCAAAAA TGGCACCTGT GGTGAACCCT GAACCCACAG 60 GCCAACAGTC CGGACCCCAG GAACTCGTTA ATGCCTGGCA AAAGGGCCCG CGGTATGCAG 120 AGAGCAAGCC TGGGGCTGCA GGACTGCGCG CTCGCCGAAC ATCGCCATGC CCGCCGGTGG 180 AGAACCCCAC GGGGCACCAG CGGCCCCCGT GTGCCACCCG CAGTCGCCTG ATCCCTGCGC 240 CCCGCGGATC GGTGCTGGTG CAGCGCGAGA AGGACATGTC AGCCTACA 288 (配列番号:16) 得られた配列よりプライマー 288-41F(配列番号:1
7)、288-10F(配列番号:18)、288-254R(配列番
号:19)、288-44R(配列番号:20)を作成し、以
下に記した5'-RACE及び3'-RACE実験に用いた。 288-41F: 5'-GGTGAACCCTGAACCCACAGGCCAACAG-3' (配列番号:17) 288-10F: 5'-TTGGGGAGCCACTGGCAAAAATGGCACC-3' (配列番号:18) 288-254R: 5'-TGACATGTCCTTCTCGCGCTGCACCAGC-3' (配列番号:19) 288-44R: 5'-GGACTGTTGGCCTGTGGGTTCAGGGTTC-3' (配列番号:20) ラット肝臓cDNAを鋳型として5'-RACE及び3'-RACE反応を
実施した。5'-RACE及び3'-RACEのPCR反応液はTaq polym
erase(宝酒造社)を0.5 μl、添付の10x PCR buffer(500
mM KCl-25 mM MgCl2-100 mM Tris・HCl, pH 8.3)を5
μl、2.5 mM dNTP mixtureを4 μl、25 mM MgCl2 を3
μl、25 % DMSO溶液を2 μl(3'-RACEの場合)、10 μMプ
ライマー288-10F(3'-RACEの場合)あるいは10 μMプライ
マー288-254R(5'-RACEの場合)を 1 μl、10 μMプライ
マーAP1(プライマーAP1はCLONTECH社のMarathon-Ready
cDNA Kitに添付のもの)を1 μl、鋳型ラット肝臓cDNA
(CLONTECH社、Marathon-Ready cDNA Kit、rat liver)
を5 μl、及び蒸留水を28.5μl(3'-RACEの場合)あるい
は30.5μl(5'-RACEの場合)を混合して作製した。反応条
件は94℃・60秒の初期変性後、94℃・30秒-72℃・120秒の
サイクル反応を5回、94℃・30秒-70℃・120秒のサイクル
反応を5回、94℃・20秒-68℃・120秒のサイクル反応を25
回、および68℃・10分の最終伸長反応とした。続いて、
該PCR反応の反応液を鋳型としてnested PCRを実施し
た。反応液はTaqpolymerase(宝酒造社)を0.5 μl、添付
の10x PCR buffer(500 mM KCl-25 mM MgCl2-100 mM Tri
s・HCl, pH 8.3)を5 μl、2.5 mM dNTP mixtureを4 μ
l、25 mMMgCl2 を3 μl、25 % DMSO溶液を2 μl(3'-RAC
Eの場合)、10 μMプライマー288-41F(3'-RACEの場合)あ
るいは10 μMプライマー288-44R(5'-RACEの場合)を 1
μl、10 μMプライマーAP2(プライマーAP2はCLONTECH
社のMarathon-Ready cDNA Kitに添付のもの)を1 μl、
鋳型DNA(該PCR反応液50倍希釈液)を5 μl、及び蒸留
水を28.5 μl(3'-RACEの場合)あるいは30.5μl(5'-RACE
の場合)を混合して作製した。反応条件は94℃・60秒の初
期変性後、94℃・30秒-72℃・120秒のサイクル反応を5
回、94℃・30秒-70℃・120秒のサイクル反応を5回、94℃・
20秒-68℃・120秒のサイクル反応を25回、および68℃・10
分の最終伸長反応とした。さらにnested PCR 産物から
前述の方法によりDNA断片を回収した。該DNA断片をTOPO
-TA Cloning Kit (Invitrogen社)を用いて、添付のマ
ニュアルに記載された方法に従ってプラスミドベクター
pCR2.1に連結し、大腸菌TOP10をトランスフォームさせ
た。単一コロニーより大腸菌をピックアップし、LB培地
中にて液体培養終了後、集菌してプラスミド精製キット
(QIAGEN社、QIAwell 8 Ultra plasmid purification k
it)を用いてプラスミドを精製した。該プラスミド中の
PCR産物の塩基配列を前述の方法により解読し、5'端、
3'端の配列情報を得た。この配列情報よりプライマーrK
iSS364F、rKiSS859Rを作成した。 rKiSS364F: 5'-CGTCTCAGCCTCTGGACACCCTGTGGATCTGCC-3' (配列番号 :21) rKiSS859R: 5'-TGGCGACAGCATTGCTTTTATTGCACAAGTCTA-3' (配列番号 :22) ラット肝臓cDNAを鋳型としてプライマーrKiSS364FとrKi
SS859Rを用いてPCRを実施した。PCR反応液はPfu DNA po
lymerase(Stratagene社)を1 μl、添付の10xPCR buffer
(500 mM KCl-25 mM MgCl2-100 mM Tris・HCl, pH 8.3)
を5 μl、2.5mM dNTP mixtureを4 μl、25 % DMSO溶液
を2 μl、10 μMプライマーrKiSS364F及びrKiSS859Rを
各1 μl 、鋳型ラット肝臓cDNA(CLONTECH社、Marathon
-ReadycDNA Kit、rat liver)を5 μl、及び蒸留水を31
μlを混合して作製した。反応条件は94℃・60秒の初期
変性後、94℃・20秒-72℃・120秒のサイクル反応を3回、9
4℃・20秒-70℃・120秒のサイクル反応を3回、94℃・20秒-
68℃・120秒のサイクル反応を3回、94℃・20秒-63℃・30秒
-68℃・120秒のサイクル反応を30回、および68℃・10分の
最終伸長反応とした。得られたDNA断片をpPCR-BluntII-
TOPO vector (Stratagene社)を用いて添付のマニュアル
に記載された方法に従ってクローニングした。クローニ
ングされたDNA配列を前述の方法により解読し、ラットK
iSS-1全長ペプチドをコードする393 bpのDNA断片(配列
番号25)を有するpRKISS4を得ることができた。該プラ
スミドによりトランスフォームさせた大腸菌TOP10を、T
OP10/pRKISS4と命名した。得られた核酸配列から推定さ
れたラット型KiSS−1蛋白質のアミノ酸配列(配列
番号:6)は既知のヒトホモログに対して高い相同性を
有していた(図1参照)。 pRKISS4(393bp): ATGACCTCGC TGGCTTCTTG GCAGCTGCTG CTTCTCCTCT GTGTGGCCTC TTTTGGGGAG 60 CCACTGGCAA AAATGGCACC TGTGGTGAAC CCTGAACCCA CAGGCCAACA GTCCGGACCC 120 CAGGAACTCG TTAATGCCTG GCAAAAGGGC CCGCGGTATG CAGAGAGCAA GCCTGGGGCT 180 GCAGGACTGC GCGCTCGCCG AACATCGCCA TGCCCGCCGG TGGAGAACCC CACGGGGCAC 240 CAGCGGCCCC CGTGTGCCAC CCGCAGTCGC CTGATCCCTG CGCCCCGCGG ATCGGTGCTG 300 GTGCAGCGCG AGAAGGACAT GTCAGCCTAC AACTGGAACT CCTTTGGCCT GCGCTACGGC 360 AGGAGGCAGG TGGCGCGGGC GGCACGGGGC TGA 393 (配列番号:23)
【0080】実施例3 マウス全脳由来 新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするcDNAのクローニングと塩基配列の決定 マウス全脳cDNA(CLONTECH社)を鋳型とし、2個のプラ
イマー、プライマー1(配列番号:26)およびプライ
マー2(配列番号:27)を用いてPCR反応を行った。該
反応における反応液の組成は、上記cDNAを10分の1量鋳
型として使用し、Pfu Turbo DNA Polymerase(STRATAGE
NE社)1/50量、プライマー1およびプライマー2を各0.2
μM、dNTPs 200μM、および酵素に添付のバッファーを
加え、25μlの液量とした。PCR反応は、94℃・2分の
後、94℃・20秒、72℃・2分のサイクルを3回、94℃・
20秒、68℃・2分のサイクルを3回、94℃・20秒、62℃・
20秒、68℃・1分30秒のサイクルを38回繰り返し、最後に
68℃・7分の伸長反応を行った。該PCR反応後の反応
産物を、Zero−blunt TOPO TA Cloning Kit(Invitroge
n社)の処方に従い、プラスミドベクターpCR−Blunt II
−TOPO(Invitrogen社)へサブクローニングした。これ
を大腸菌DH5αに導入し、cDNAを持つクローンを、カナ
マイシンを含むLB寒天培地中で選択した。個々のクロー
ンの配列を解析した結果、新規G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質をコードするcDNAの塩基配列(配列番号:2
5)を得た。この塩基配列より導き出される396残基か
らなるアミノ酸配列(配列番号:24)は、既知G蛋白
質共役型レセプターであるrOT7T175(GPR54)との間
に、94.4%ともっとも高い相同性がみられた。また、そ
のヒト型カウンターパートであるhOT7T175(WO 00
/24890)との間にも82.4%の相同性が見られたこ
とから、これらのマウス型カウンターパートであると考
えられた。そこで、このアミノ酸配列を含有する新規G
蛋白質共役型レセプター蛋白質をmOT7T175と命名した。
またmOT7T175配列を有する上記の形質転換体を、大腸菌
(Escherichia coli)DH5α / pCR−Blunt II−mOT7T175
と命名した。
【0081】
【発明の効果】ラットおよびマウス由来の新規リガンド
蛋白質、その部分ペプチドまたはそれらの塩、およびそ
れらをコードするポリヌクレオチド(例えば、DNA、
RNAおよびそれらの誘導体)が提供される。該ポリヌ
クレオチドを含んでなるベクター、それを用いた該リガ
ンド蛋白質の製造方法も提供される。該蛋白質等に対す
る抗体、アンタゴニスト、これらのスクリーニング方法
およびキットも提供される。該蛋白質等、該ポリヌクレ
オチド、またはそれらに対する抗体、またはアンタゴニ
スト等を含有する医薬等も提供される。
【0082】
【配列表フリーテキスト】
SEQ ID NO. 9 Designed oligonucleotide probe to amplify mouse Ki
SS-1 cDNA. SEQ ID NO. 10 Designed oligonucleotide primer to amplify mouse K
iSS-1 cDNA. SEQ ID NO. 11 Designed oligonucleotide primer to amplify mouse K
iSS-1 cDNA. SEQ ID NO. 12 Designed oligonucleotide primer to amplify mouse K
iSS-1 cDNA. SEQ ID NO. 13 Designed oligonucleotide primer to amplify mouse K
iSS-1 cDNA. SEQ ID NO. 14 Designed oligonucleotide primer to amplify rat KiS
S-1 cDNA. y represents t or c. SEQ ID NO. 15 Designed oligonucleotide primer to amplify rat KiS
S-1 cDNA. SEQ ID NO. 17 Designed oligonucleotide primer for 3'-RACE to amp
lify rat KiSS-1 cDNA. SEQ ID NO. 18 Designed oligonucleotide primer for 3'-RACE to amp
lify rat KiSS-1 cDNA. SEQ ID NO. 19 Designed oligonucleotide primer for 5'-RACE to am
plify rat KiSS-1 cDNA. SEQ ID NO. 20 Designed oligonucleotide primer for 5'-RACE to amp
lify rat KiSS-1 cDNA. SEQ ID NO. 21 Designed oligonucleotide primer to amplify rat KiS
S-1 cDNA. SEQ ID NO. 22 Designed oligonucleotide primer to amplify rat KiS
S-1 cDNA. SEQ ID NO. 26 Designed oligonucleotide primer to amplify mOT7T17
5 cDNA. SEQ ID NO. 27 Designed oligonucleotide primer to amplify mOT7T17
5 cDNA.
【0083】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel protein, DNA encoding the same, and process for preparation thereof <130> 176997 <150> JP 2000-093575 <151> 2000-03-30 <160> 27 <210> 1 <211> 152 <212> PRT <213> Mouse <400> 1 Met Tyr Leu Arg Phe Gly Val Asp Val Cys Ser Leu Ser Pro Trp Lys 5 10 15 Glu Thr Val Asp Leu Pro Leu Pro Pro Arg Met Ile Ser Met Ala Ser 20 25 30 Trp Gln Leu Leu Leu Leu Leu Cys Val Ala Thr Tyr Gly Glu Pro Leu 35 40 45 Ala Lys Val Ala Pro Gly Ser Thr Gly Gln Gln Ser Gly Pro Gln Glu 50 55 60 Leu Val Asn Ala Trp Glu Lys Glu Ser Arg Tyr Ala Glu Ser Lys Pro 65 70 75 80 Gly Ser Ala Gly Leu Arg Ala Arg Arg Ser Ser Pro Cys Pro Pro Val 85 90 95 Glu Gly Pro Ala Gly Arg Gln Arg Pro Leu Cys Ala Ser Arg Ser Arg 100 105 110 Leu Ile Pro Ala Pro Arg Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp 115 120 125 Leu Ser Thr Tyr Asn Trp Asn Ser Phe Gly Leu Arg Tyr Gly Arg Arg 130 135 140 Gln Ala Ala Arg Ala Ala Arg Gly 145 150 <210> 2 <211> 156 <212> PRT <213> Mouse <400> 2 Met Tyr Leu Arg Phe Gly Val Asp Val Cys Ser Leu Ser Pro Trp Lys 5 10 15 Glu Thr Val Asp Leu Pro Leu Pro Pro Arg Met Ile Ser Met Ala Ser 20 25 30 Trp Gln Leu Leu Leu Leu Leu Cys Val Ala Thr Tyr Gly Glu Pro Leu 35 40 45 Ala Lys Val Ala Pro Leu Val Lys Pro Gly Ser Thr Gly Gln Gln Ser 50 55 60 Gly Pro Gln Glu Leu Val Asn Ala Trp Glu Lys Glu Ser Arg Tyr Ala 65 70 75 80 Glu Ser Lys Pro Gly Ser Ala Gly Leu Arg Ala Arg Arg Ser Ser Pro 85 90 95 Cys Pro Pro Val Glu Gly Pro Ala Gly Arg Gln Arg Pro Leu Cys Ala 100 105 110 Ser Arg Ser Arg Leu Ile Pro Ala Pro Arg Gly Ala Val Leu Val Gln 115 120 125 Arg Glu Lys Asp Leu Ser Thr Tyr Asn Trp Asn Ser Phe Gly Leu Arg 130 135 140 Tyr Gly Arg Arg Gln Ala Ala Arg Ala Ala Arg Gly 145 150 155 <210> 3 <211> 130 <212> PRT <213> Rat <400> 3 Met Thr Ser Leu Ala Ser Trp Gln Leu Leu Leu Leu Leu Cys Val Ala 5 10 15 Ser Phe Gly Glu Pro Leu Ala Lys Met Ala Pro Val Val Asn Pro Glu 20 25 30 Pro Thr Gly Gln Gln Ser Gly Pro Gln Glu Leu Val Asn Ala Trp Gln 35 40 45 Lys Gly Pro Arg Tyr Ala Glu Ser Lys Pro Gly Ala Ala Gly Leu Arg 50 55 60 Ala Arg Arg Thr Ser Pro Cys Pro Pro Val Glu Asn Pro Thr Gly His 65 70 75 80 Gln Arg Pro Pro Cys Ala Thr Arg Ser Arg Leu Ile Pro Ala Pro Arg 85 90 95 Gly Ser Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Met Ser Ala Tyr Asn Trp 100 105 110 Asn Ser Phe Gly Leu Arg Tyr Gly Arg Arg Gln Val Ala Arg Ala Ala 115 120 125 Arg Gly 130 <210> 4 <211> 449 <212> DNA <213> Mouse <400> 4 atgtatctga gatttggcgt tgatgtctgc agcctgagtc cctggaagga gactgtagac 60 ctgccccttc ctcccagaat tctcaatggc ttcttggcag ctgctgcttc tcctctgtgt 120 cgccacctat ggggagccgc tggcaaaagt gaagcctgga cacaggccag cagtccggac 180 cccaggaact cgttaatgcc tgggaaaagg aatcgcggta tgcagagagc aagcctgggt 240 gcagggctgc gcgctcgtag gtcgtcgcca tgcccgccgg ttgagggccc cgcggggcgc 300 cagcggcccc tgtgtgcctc gcagtcgcct gatccctgcg ccccgcggag cggtgctggt 360 gcagcgggag aaggacctgt ccacctacaa ctggaactcc cggcctgcgc tacggcagga 420 ggcaggcggc gcgggcagca cggggctga <210> 5 <211> 458 <212> DNA <213> Mouse <400> 5 atgtatctga gatttggcgt tgatgtctgc agcctgagtc cctggaagga gactgtagac 60 ctgccccttc ctcccagaat tctcaatggc ttcttggcag ctgctgcttc tcctctgtgt 120 cgccacctat ggggagccgc tggcaaaagt ggcacctttg gaagcctgga tccacaggcc 180 agcagtccgg accccaggaa ctcgttaatg cctgggaaaa ggaatcgcgg tatgcagaga 240 aagcctgggt ctgcagggct gcgcgctcgt aggtcgtcgc catgcccgcc ggttgagggc 300 cccgcggggc gccagcggcc tgtgtgcctc ccgcagtcgc ctgatccctg cgccccgcgg 360 agcggtgctg gtgcagcggg agaaggacct gtcgacctac ctggaactcc ttcggcctgc 420 gctacggcag gaggcaggcg gcgcgggcag cacggggc <210> 6 <211> 390 <212> DNA <213> Rat <400> 6 atgacctcgc tggcttcttg gcagctgctg cttctcctct gtgtggcctc ttttggggag 60 ccactggcaa aaatggcacc tgtggtgaac cctgaaccca caggccaaca gtccggaccc 120 caggaactcg ttaatgcctg gcaaaagggc ccgcggtatg cagagagcaa gcctggggct 180 gcaggactgc gcgctcgccg aacatcgcca tgcccgccgg tggagaaccc cacggggcac 240 cagcggcccc cgtgtgccac ccgcagtcgc ctgatccctg cgccccgcgg atcggtgctg 300 gtgcagcgcg agaaggacat gtcagcctac aactggaact cctttggcct gcgctacggc 360 aggaggcagg tggcgcgggc ggcacggggc <210> 7 <211> 398 <212> PRT <213> Human <400> 7 Met His Thr Val Ala Thr Ser Gly Pro Asn Ala Ser Trp Gly Ala Pro 5 10 15 Ala Asn Ala Ser Gly Cys Pro Gly Cys Gly Ala Asn Ala Ser Asp Gly 20 25 30 Pro Val Pro Ser Pro Arg Ala Val Asp Ala Trp Leu Val Pro Leu Phe 35 40 45 Phe Ala Ala Leu Met Leu Leu Gly Leu Val Gly Asn Ser Leu Val Ile 50 55 60 Tyr Val Ile Cys Arg His Lys Pro Met Arg Thr Val Thr Asn Phe Tyr 65 70 75 80 Ile Ala Asn Leu Ala Ala Thr Asp Val Thr Phe Leu Leu Cys Cys Val 85 90 95 Pro Phe Thr Ala Leu Leu Tyr Pro Leu Pro Gly Trp Val Leu Gly Asp 100 105 110 Phe Met Cys Lys Phe Val Asn Tyr Ile Gln Gln Val Ser Val Gln Ala 115 120 125 Thr Cys Ala Thr Leu Thr Ala Met Ser Val Asp Arg Trp Tyr Val Thr 130 135 140 Val Phe Pro Leu Arg Ala Leu His Arg Arg Thr Pro Arg Leu Ala Leu 145 150 155 160 Ala Val Ser Leu Ser Ile Trp Val Gly Ser Ala Ala Val Ser Ala Pro 165 170 175 Val Leu Ala Leu His Arg Leu Ser Pro Gly Pro Arg Ala Tyr Cys Ser 180 185 190 Glu Ala Phe Pro Ser Arg Ala Leu Glu Arg Ala Phe Ala Leu Tyr Asn 195 200 205 Leu Leu Ala Leu Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Ala Thr Cys Ala Cys Tyr 210 215 220 Ala Ala Met Leu Arg His Leu Gly Arg Val Ala Val Arg Pro Ala Pro 225 230 235 240 Ala Asp Ser Ala Leu Gln Gly Gln Val Leu Ala Glu Arg Ala Gly Ala 245 250 255 Val Arg Ala Lys Val Ser Arg Leu Val Ala Ala Val Val Leu Leu Phe 260 265 270 Ala Ala Cys Trp Gly Pro Ile Gln Leu Phe Leu Val Leu Gln Ala Leu 275 280 285 Gly Pro Ala Gly Ser Trp His Pro Arg Ser Tyr Ala Ala Tyr Ala Leu 290 295 300 Lys Thr Trp Ala His Cys Met Ser Tyr Ser Asn Ser Ala Leu Asn Pro 305 310 315 320 Leu Leu Tyr Ala Phe Leu Gly Ser His Phe Arg Gln Ala Phe Arg Arg 325 330 335 Val Cys Pro Cys Ala Pro Arg Arg Pro Arg Arg Pro Arg Arg Pro Gly 340 345 350 Pro Ser Asp Pro Ala Ala Pro His Ala Glu Leu His Arg Leu Gly Ser 355 360 365 His Pro Ala Pro Ala Arg Ala Gln Lys Pro Gly Ser Ser Gly Leu Ala 370 375 380 Ala Arg Gly Leu Cys Val Leu Gly Glu Asp Asn Ala Pro Leu 385 390 395 <210> 8 <211> 396 <212> PRT <213> Rat <400> 8 Met Ala Ala Glu Ala Thr Leu Gly Pro Asn Val Ser Trp Trp Ala Pro 5 10 15 Ser Asn Ala Ser Gly Cys Pro Gly Cys Gly Val Asn Ala Ser Asp Gly 20 25 30 Pro Gly Ser Ala Pro Arg Pro Leu Asp Ala Trp Leu Val Pro Leu Phe 35 40 45 Phe Ala Ala Leu Met Leu Leu Gly Leu Val Gly Asn Ser Leu Val Ile 50 55 60 Phe Val Ile Cys Arg His Lys His Met Gln Thr Val Thr Asn Phe Tyr 65 70 75 80 Ile Ala Asn Leu Ala Ala Thr Asp Val Thr Phe Leu Leu Cys Cys Val 85 90 95 Pro Phe Thr Ala Leu Leu Tyr Pro Leu Pro Thr Trp Val Leu Gly Asp 100 105 110 Phe Met Cys Lys Phe Val Asn Tyr Ile Gln Gln Val Ser Val Gln Ala 115 120 125 Thr Cys Ala Thr Leu Thr Ala Met Ser Val Asp Arg Trp Tyr Val Thr 130 135 140 Val Phe Pro Leu Arg Ala Leu His Arg Arg Thr Pro Arg Leu Ala Leu 145 150 155 160 Thr Val Ser Leu Ser Ile Trp Val Gly Ser Ala Ala Val Ser Ala Pro 165 170 175 Val Leu Ala Leu His Arg Leu Ser Pro Gly Pro His Thr Tyr Cys Ser 180 185 190 Glu Ala Phe Pro Ser Arg Ala Leu Glu Arg Ala Phe Ala Leu Tyr Asn 195 200 205 Leu Leu Ala Leu Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Ala Thr Cys Ala Cys Tyr 210 215 220 Gly Ala Met Leu Arg His Leu Gly Arg Ala Ala Val Arg Pro Ala Pro 225 230 235 240 Thr Asp Gly Ala Leu Gln Gly Gln Leu Leu Ala Gln Arg Ala Gly Ala 245 250 255 Val Arg Thr Lys Val Ser Arg Leu Val Ala Ala Val Val Leu Leu Phe 260 265 270 Ala Ala Cys Trp Gly Pro Ile Gln Leu Phe Leu Val Leu Gln Ala Leu 275 280 285 Gly Pro Ser Gly Ala Trp His Pro Arg Ser Tyr Ala Ala Tyr Ala Leu 290 295 300 Lys Ile Trp Ala His Cys Met Ser Tyr Ser Asn Ser Ala Leu Asn Pro 305 310 315 320 Leu Leu Tyr Ala Phe Leu Gly Ser His Phe Arg Gln Ala Phe Cys Arg 325 330 335 Val Cys Pro Cys Gly Pro Gln Arg Gln Arg Arg Pro His Ala Ser Ala 340 345 350 His Ser Asp Arg Ala Ala Pro His Ser Val Pro His Ser Arg Ala Ala 355 360 365 His Pro Val Arg Val Arg Thr Pro Glu Pro Gly Asn Pro Val Val Arg 370 375 380 Ser Pro Ser Val Gln Asp Glu His Thr Ala Pro Leu 385 390 395 <210> 9 <211> 24 <212> DNA <213> Artifical Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide probe to amplify mouse KiSS-1 cDNA. <400> 9 tatggggagc cgctggcaaa agtg 24 <210> 10 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify mouse KiSS-1 cDNA. <400> 10 tagacctgcc ccttcctccc aga 23 <210> 11 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify mouse KiSS-1 cDNA. <400> 11 ctgctggcct gtggatccag gctt 24 <210> 12 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify mouse KiSS-1 cDNA. <400> 12 tgcaggagag tgaagattaa atcccca 27 <210> 13 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify mouse KiSS-1 cDNA. <400> 13 gaggacctgt cccatctcgc aggagtca 28 <210> 14 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify rat KiSS-1 cDNA. <400> 14 ttcttggcag ctrctgctty tcctctgtg 29 <210> 15 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify rat KiSS-1 cDNA. <400> 15 gaagcgcagg ccgaaggagt tcca 24 <210> 16 <211> 288 <212> DNA <213> Rat <400> 16 tggcctcttt tggggagcca ctggcaaaaa tggcacctgt ggtgaaccct gaacccacag 60 gccaacagtc cggaccccag gaactcgtta atgcctggca aaagggcccg cggtatgcag 120 agagcaagcc tggggctgca ggactgcgcg ctcgccgaac atcgccatgc ccgccggtgg 180 agaaccccac ggggcaccag cggcccccgt gtgccacccg cagtcgcctg atccctgcgc 240 cccgcggatc ggtgctggtg cagcgcgaga aggacatgtc agcctaca 288 <210> 17 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for 3'-RACE to amplify rat KiSS-1 cDNA. <400> 17 ggtgaaccct gaacccacag gccaacag 28 <210> 18 <211> <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify rat KiSS-1 cDNA. <400> 18 ttggggagcc actggcaaaa atggcacc 28 <210> 19 <211> <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify rat KiSS-1 cDNA. <400> 19 tgacatgtcc ttctcgcgct gcaccagc 28 <210> 20 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer for 5'-RACE to amplify rat KiSS-1 cDNA. <400> 20 ggactgttgg cctgtgggtt cagggttc 28 <210> 21 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify rat KiSS-1 cDNA. <400> 21 cgtctcagcc tctggacacc ctgtggatct gcc 33 <210> 22 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer to amplify rat KiSS-1 cDNA. <400> 22 tggcgacagc attgctttta ttgcacaagt cta 33 <210> 23 <211> 393 <212> DNA <213> Rat <400> 23 atgacctcgc tggcttcttg gcagctgctg cttctcctct gtgtggcctc ttttggggag 60 ccactggcaa aaatggcacc tgtggtgaac cctgaaccca caggccaaca gtccggaccc 120 caggaactcg ttaatgcctg gcaaaagggc ccgcggtatg cagagagcaa gcctggggct 180 gcaggactgc gcgctcgccg aacatcgcca tgcccgccgg tggagaaccc cacggggcac 240 cagcggcccc cgtgtgccac ccgcagtcgc ctgatccctg cgccccgcgg atcggtgctg 300 gtgcagcgcg agaaggacat gtcagcctac aactggaact cctttggcct gcgctacggc 360 aggaggcagg tggcgcgggc ggcacggggc tga 393 <210> 24 <211> 396 <212> PRT <213> Mouse <400> 24 Met Ala Thr Glu Ala Thr Leu Ala Pro Asn Val Thr Trp Trp Ala Pro 1 5 10 15 Ser Asn Ala Ser Gly Cys Pro Gly Cys Gly Val Asn Ala Ser Asp Asp 20 25 30 Pro Gly Ser Ala Pro Arg Pro Leu Asp Ala Trp Leu Val Pro Leu Phe 35 40 45 Phe Ala Thr Leu Met Leu Leu Gly Leu Val Gly Asn Ser Leu Val Ile 50 55 60 Tyr Val Ile Cys Arg His Lys His Met Gln Thr Val Thr Asn Phe Tyr 65 70 75 80 Ile Ala Asn Leu Ala Ala Thr Asp Val Thr Phe Leu Leu Cys Cys Val 85 90 95 Pro Phe Thr Ala Leu Leu Tyr Pro Leu Pro Ala Trp Val Leu Gly Asp 100 105 110 Phe Met Cys Lys Phe Val Asn Tyr Ile Gln Gln Val Ser Val Gln Ala 115 120 125 Thr Cys Ala Thr Leu Thr Ala Met Ser Val Asp Arg Trp Tyr Val Thr 130 135 140 Val Phe Pro Leu Arg Ala Leu His Arg Arg Thr Pro Arg Leu Ala Leu 145 150 155 160 Ala Val Ser Leu Ser Ile Trp Val Gly Ser Ala Ala Val Ser Ala Pro 165 170 175 Val Leu Ala Leu His Arg Leu Ser Pro Gly Pro Arg Thr Tyr Cys Ser 180 185 190 Glu Ala Phe Pro Ser Arg Ala Leu Glu Arg Ala Phe Ala Leu Tyr Asn 195 200 205 Leu Leu Ala Leu Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Ala Thr Cys Ala Cys Tyr 210 215 220 Gly Ala Met Leu Arg His Leu Gly Arg Ala Ala Val Arg Pro Ala Pro 225 230 235 240 Thr Asp Gly Ala Leu Gln Gly Gln Leu Leu Ala Gln Arg Ala Gly Ala 245 250 255 Val Arg Thr Lys Val Ser Arg Leu Val Ala Ala Val Val Leu Leu Phe 260 265 270 Ala Ala Cys Trp Gly Pro Ile Gln Leu Phe Leu Val Leu Gln Ala Leu 275 280 285 Gly Pro Ser Gly Ala Trp His Pro Arg Ser Tyr Ala Ala Tyr Ala Val 290 295 300 Lys Ile Trp Ala His Cys Met Ser Tyr Ser Asn Ser Ala Leu Asn Pro 305 310 315 320 Leu Leu Tyr Ala Phe Leu Gly Ser His Phe Arg Gln Ala Phe Cys Arg 325 330 335 Val Cys Pro Cys Cys Arg Gln Arg Gln Arg Arg Pro His Thr Ser Ala 340 345 350 His Ser Asp Arg Ala Ala Thr His Thr Val Pro His Ser Arg Ala Ala 355 360 365 His Pro Val Arg Ile Arg Ser Pro Glu Pro Gly Asn Pro Val Val Arg 370 375 380 Ser Pro Cys Ala Gln Ser Glu Arg Thr Ala Ser Leu 385 390 395 396 <210> 25 <211> 1188 <212> DNA <213> Mouse <400> 25 atggccaccg aggcgacatt ggctcccaat gtgacctggt gggctccgtc caacgcttca 60 ggatgcccag gctgcggtgt caacgcctcg gatgacccag gctctgcgcc aaggcccctg 120 gatgcctggc tggttcccct gtttttcgct acactcatgt tgcttgggct ggtcggaaac 180 tcattggtca tctacgttat ctgccgccac aagcacatgc agacagttac caacttctac 240 atcgctaacc tggctgccac agacgtcact ttcctactgt gctgcgtgcc cttcaccgca 300 ctcctctacc cgctgcccgc ctgggtgctg ggagacttca tgtgcaaatt cgtcaactac 360 atccagcagg tctcggtgca agccacatgt gccactctga cggccatgag tgtggaccgc 420 tggtatgtga ctgtgttccc gctgcgtgca cttcaccgcc gcactccgcg cctggccctg 480 gctgtcagcc tcagcatctg ggtggggtca gcagctgtgt ccgccccggt gctggccctg 540 caccgcctgt cgccagggcc tcgcacctac tgcagcgagg cgtttcccag ccgcgccctg 600 gagcgcgcct tcgcgctcta caacctgctg gctctatatc tgctgccgct gctcgccacc 660 tgcgcctgct acggcgccat gctgcgccac ctgggccgtg cggctgtacg ccccgcaccc 720 actgacggcg ccctgcaggg acagctgcta gcacagcgcg ccggagcagt gcgcaccaag 780 gtctcccggc tggtggccgc tgtcgtcctg ctcttcgccg cctgctgggg cccgatccag 840 ctgttcctgg tgcttcaagc cctgggcccc tcgggggcct ggcaccctcg aagctatgcc 900 gcctacgcgg tcaagatctg ggctcactgc atgtcctaca gcaactcggc gctcaatccg 960 ctgctctatg ccttcctggg ttcacacttc agacaggcct tctgccgcgt gtgcccctgc 1020 tgccggcaac gccagcgccg gccccacacg tcagcgcact cggaccgagc tgcaactcac 1080 actgtgccgc acagccgtgc tgcgcaccct gtgcggatca ggagcccgga gcctgggaac 1140 cctgtggtgc gctcgccctg cgctcagagt gaacgcactg cctcactc 1188 <210> 26 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 26 tccccacagt cccaggacac aatcct 26 <210> 27 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 27 caccagcgca agcagcctgg gatgct 26
【0084】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒト型、マウス型1、マウス型2およびラッ
ト型のKiSS−1蛋白質のアミノ酸配列を比較した図
である。これら4種のホモログすべてにおいて同一のア
ミノ酸を*で示す。アミノ酸は慣用的な1文字標記で表
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/18 C12N 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 G01N 33/15 Z 1/21 33/50 Z 5/10 33/53 D G01N 33/15 33/566 33/50 C12P 21/08 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 A61K 37/02 // C12P 21/08 C12N 5/00 A (72)発明者 寺尾 寧子 茨城県つくば市小野崎985番地 ROYA L ZOA中山307号 (72)発明者 熊野 聡 茨城県つくば市松代3丁目12番地1 武田 松代レジデンス504号

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1または配列番号:3で表さ
    れるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸
    配列を含有することを特徴とする蛋白質またはその塩。
  2. 【請求項2】 該実質的に同一のアミノ酸配列が配列番
    号:2で表されるアミノ酸配列である請求項1記載の蛋
    白質またはその塩。
  3. 【請求項3】 配列番号:1で表されるアミノ酸配列の
    N末端から132から141番目のアミノ酸配列を含有
    することを特徴とする請求項1記載の蛋白質の部分ペプ
    チドまたはその塩。
  4. 【請求項4】 配列番号:1で表されるアミノ酸配列の
    N末端から127から141番目のアミノ酸配列と同一
    または実質的に同一のアミノ酸配列を含有する請求項3
    記載の部分ペプチドまたはその塩。
  5. 【請求項5】 配列番号:1で表されるアミノ酸配列の
    N末端から90から141番目のアミノ酸配列と同一ま
    たは実質的に同一のアミノ酸配列を有する請求項3記載
    の部分ペプチドまたはその塩。
  6. 【請求項6】 配列番号:2で表されるアミノ酸配列の
    N末端から94から145番目のアミノ酸配列と同一ま
    たは実質的に同一のアミノ酸配列を有する請求項1記載
    の蛋白質の部分ペプチドまたはその塩。
  7. 【請求項7】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列の
    N末端から110から119番目のアミノ酸配列を含有
    することを特徴とする請求項1記載の蛋白質の部分ペプ
    チドまたはその塩。
  8. 【請求項8】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列の
    N末端から105から119番目のアミノ酸配列と同一
    または実質的に同一のアミノ酸配列を含有する請求項7
    記載の部分ペプチドまたはその塩。
  9. 【請求項9】 配列番号:3で表されるアミノ酸配列の
    N末端から68から119番目のアミノ酸配列と同一ま
    たは実質的に同一のアミノ酸配列を有する請求項7記載
    の部分ペプチドまたはその塩。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の蛋白質をコードするポ
    リヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  11. 【請求項11】 請求項3、6または7記載の部分ペプ
    チドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌク
    レオチド。
  12. 【請求項12】 DNAである請求項10または11記
    載のポリヌクレオチド。
  13. 【請求項13】 配列番号:4、配列番号:5または配
    列番号:6で表される塩基配列を有する請求項10記載
    のポリヌクレオチド。
  14. 【請求項14】 請求項10または11記載のポリヌク
    レオチドを含有する組換えベクター。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の組換えベクターで形
    質転換された形質転換体。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の形質転換体を培養
    し、請求項1記載の蛋白質または請求項3、6もしくは
    7記載の部分ペプチドを生成・蓄積せしめることを特徴
    とする請求項1記載の蛋白質もしくはその塩または請求
    項3、6もしくは7記載の部分ペプチドまたはその塩の
    製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の蛋白質もしくはその塩
    または請求項3、6もしくは7記載の部分ペプチドまた
    はその塩に対する抗体。
  18. 【請求項18】 請求項1記載の蛋白質または請求項
    3、6もしくは7記載の部分ペプチドのシグナル伝達を
    不活性化する中和抗体である請求項17記載の抗体。
  19. 【請求項19】 請求項1記載の蛋白質もしくはその塩
    または請求項3、6もしくは7記載の部分ペプチドまた
    はその塩を用いることを特徴とする、レセプターと請求
    項1記載の蛋白質もしくはその塩または請求項3、6も
    しくは7記載の部分ペプチドまたはその塩との結合性を
    変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  20. 【請求項20】 請求項1記載の蛋白質もしくはその塩
    または請求項3、6もしくは7記載の部分ペプチドまた
    はその塩を含有することを特徴とする、レセプターと請
    求項1記載の蛋白質もしくはその塩または請求項3、6
    もしくは7記載の部分ペプチドまたはその塩との結合性
    を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング用キ
    ット。
  21. 【請求項21】 レセプターが配列番号:7、配列番
    号:8または配列番号:24で表されるアミノ酸配列と
    同一または実質的に同一のアミノ酸配列を有することを
    特徴とする蛋白質またはその塩である請求項19記載の
    スクリーニング方法または請求項20記載のスクリーニ
    ング用キット。
  22. 【請求項22】 請求項19記載のスクリーニング方法
    または請求項20記載のスクリーニング用キットを用い
    て得ることのできる、レセプターと請求項1または請求
    項3ないし5のいずれか1項記載の蛋白質またはその塩
    との結合性を変化させる化合物またはその塩。
  23. 【請求項23】 アゴニストである請求項22記載の化
    合物またはその塩。
  24. 【請求項24】 請求項19記載のスクリーニング方法
    または請求項20記載のスクリーニング用キットを用い
    て得ることのできる、レセプターと請求項1記載の蛋白
    質もしくはその塩または請求項3、6もしくは7記載の
    部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合
    物またはその塩を含有してなる医薬組成物。
  25. 【請求項25】 癌転移抑制剤である請求項24記載の
    医薬組成物。
  26. 【請求項26】 請求項17記載の抗体を用いることを
    特徴とする、請求項1記載の蛋白質または請求項3、6
    もしくは7記載の部分ペプチドの定量方法。
  27. 【請求項27】 請求項1記載の蛋白質もしくはその塩
    または請求項3、6もしくは7記載の部分ペプチドまた
    はその塩を含有してなる医薬組成物。
  28. 【請求項28】 癌転移抑制剤である請求項27記載の
    医薬組成物。
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