JP2003113401A - 硬磁性ナノ粒子、磁気記録媒体 - Google Patents

硬磁性ナノ粒子、磁気記録媒体

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JP2003113401A
JP2003113401A JP2001311024A JP2001311024A JP2003113401A JP 2003113401 A JP2003113401 A JP 2003113401A JP 2001311024 A JP2001311024 A JP 2001311024A JP 2001311024 A JP2001311024 A JP 2001311024A JP 2003113401 A JP2003113401 A JP 2003113401A
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acid
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Koji Hattori
康志 服部
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで製造でき、量産性および塗布適性
に優れた硬磁性ナノ粒子並びにこれを用いた磁気記録媒
体を提供すること。 【解決手段】 溶液中で、界面活性剤および/またはポ
リマーの存在下で形成されたFe−Pd合金からなり、
前記Fe−Pd合金は規則化されていることを特徴とす
る硬磁性ナノ粒子並びにこれを用いた磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体、MR
AMに用いる事が可能な硬磁性ナノ粒子並びにこれを用
いた磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープ、コンピューターテープ、ディスク等として広く
用いられている。磁気記録媒体は年々高密度化され記録
波長が短くなっており、S/N比を上げる事が重要な課
題となっている。強磁性体は、質量が同じ場合、粒子サ
イズを小さくしていくとノイズを下げることができる。
このことから、強磁性体の粒子サイズはできるだけ小さ
いことが望まれるが、強磁性体粉末として一般に使って
いる鉄粒子は、粒子サイズを小さくしていくと、熱揺ら
ぎによって磁化を維持できなくなる現象(超常磁性)を
生じてしまう。このため、従来用いられている鉄粒子で
は、粒子サイズを小さくしてノイズを下げるには限界が
ある。
【0003】そこで特開2000−48340では元素
Co、Fe、Ni、Sm、Nd、Pr、Pt、Gd、前
記元素の金属間化合物、前記元素の二元合金、前記元素
の三元合金、Fe以外の少なくとも1種の前記元素をさ
らに含むFe酸化物、バリウム・フェライト、およびス
トロンチウム・フェライトなる群から選択された磁性材
料を含む粒子が開示されている。また、特開2000−
54012ではCo3Pt、CoPt、CoPt3、Fe
3Pt、FePt、FePt3等の磁性ナノ粒子の形成方
法、並びに、Ni、Cu、Pd、PtおよびAgの非磁
性ナノ粒子の形成方法が開示されている。ここで、Fe
Pt系あるいはCoPt系のようにPtを加える事は一
軸結晶磁気異方性を高め、硬磁性ナノ粒子を得るには有
効な方法である。しかし、Ptは大変高価な金属であ
り、実用化時にその価格が大きな障害となる。そのう
え、Ptを用いると質量当りの飽和磁化(σs〔emu
/g〕)が小さいため、磁気記録媒体等を形成する際に
多量に用いなければならない。
【0004】また、ナノ粒子を形成するには、液相法や
気相法等が挙げられるが、気相法を用いると、塗布液調
製時にナノ粒子を分散させる必要があり、ナノ粒子同士
が凝集するため該分散は困難であることが多い。また、
上記気相法は、ナノ粒子の収率が低いため量産性に劣る
といった問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題点
に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成すること
を課題する。本発明の目的は、低コストで製造でき、量
産性および塗布適性に優れた硬磁性ナノ粒子並びにこれ
を用いた磁気記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
は以下の通りである。
【0007】<1> 溶液中で、界面活性剤および/ま
たはポリマーの存在下で形成されたFe−Pd合金から
なり、前記Fe−Pd合金は規則化されていることを特
徴とする硬磁性ナノ粒子である。
【0008】<2> 上記<1>の硬磁性ナノ粒子を含
有する磁性層を有することを特徴とする磁気記録媒体で
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の硬磁性ナノ粒子、
磁気記録媒体について説明する。
【0010】《硬磁性ナノ粒子》本発明の硬磁性ナノ粒
子は、溶液中で、界面活性剤および/またはポリマーの
存在下で形成されたFe−Pd合金からなり、前記Fe
−Pd合金は規則化されていることを特徴とする。本発
明の硬磁性ナノ粒子は、規則化されたFe−Pd合金か
らなるため、優れた硬磁性を示す。また、Pdは、Pt
よりも安価で入手することができ、さらに、Fe−Pd
合金は質量当りの飽和磁化(σs〔emu/g〕)がF
e−Pt合金よりも高いためFe−Pt合金よりも少な
い量で所望の磁気特性を得ることができることから、低
コストで磁気記録媒体等を製造することができる。さら
に、本発明のナノ粒子は、溶液中で界面活性剤および/
またはポリマーの存在下で形成されるため、塗布液調製
時の分散性が高く塗布適性に優れ、さらに収率が高いこ
とから量産性にも優れる。ここで、本明細書において
「硬磁性ナノ粒子」とは、保持力Hcが39.5kA/m
以上のナノ粒子を意味する。
【0011】本発明に用いることができる溶媒として
は、有機溶剤でも水でもよく、また有機溶剤と水との混
合液を用いてもよい。好ましい溶媒としては、水、アル
コール、ポリアルコールであり、該アルコールとしては
メタノール、エタノール、ブタノールを用いることがで
き、ポリアルコールとしてはエチレングリコール、グリ
セリンを用いることができる。
【0012】(Fe−Pd合金の形成)FeおよびPd
を析出させる際に、本発明においては、Feを先に析出
させても、Pdを先に析出させても、あるいは同時に析
出させてもよいが、溶液中で合金を還元析出させる際、
粒子サイズを一定にするために、貴な金属であるPdに
先に析出させその後、貴な金属であるPdとともにある
いは単独で卑なFeを析出させることが好ましい。卑な
金属(Fe)を析出させるには還元剤を用いても、卑な
金属の0価の化合物を添加してもよい。該0価の化合物
の例としては鉄カルボニルがあげられる。還元剤を用い
て貴な金属(Pd)と卑な金属(Fe)とをこの順に析
出させるには、還元電位が−0.2V(vs.N.H.
E)より貴な還元剤を用いた後、−0.2V(vs.
N.H.E)より卑な還元電位を持つ還元剤を用いるこ
とが好ましい。
【0013】還元電位は系のpHに依存するが、還元電
位が−0.2V(vs.N.H.E)より貴な還元剤と
しては、アルコール類、グリセリン類、H2、HCHO
が好ましく用いられる。−0.2V(vs.N.H.
E)より卑な還元剤にはS26 2-、H2PO2 -、B
4 -、N25 +、H2PO3 -を好ましく用いることができ
る。
【0014】Pdの前駆体としては、Pd(OCOCH
32、PdCl2、[CH3COCH=C(O−)C
32Pd等が挙げられる。該前駆体を溶媒に溶解する
場合の金属濃度は0.1〜1000μmol/mlとす
ることが好ましく、0.1〜100μmol/mlとす
ることがさらに好ましい。Feの前駆体としては、Fe
SO4・7H2O、Fe(CO)5、Fe(NO3 3・9
2O、FeC24・2H2O、クエン酸Fe(III)n
水和物、Fe(OCOCH32、Fe等が挙げられる。
該前駆体を溶媒に溶解する場合の金属濃度は0.1〜1
000μmol/mlとすることが好ましく、0.1〜
100μmol/mlとすることがさらに好ましい。
【0015】(吸着剤)本発明において、Fe−Pd合
金を形成する際(貴な金属(Pd)を還元析出させる
際)には、界面活性剤および/またはポリマー(以下こ
れらを併せて「吸着剤」という場合がある。)を存在さ
せることが重要である。上記吸着剤は、ナノ粒子を安定
に形成するために必要であり、ナノ粒子の保護コロイド
としての役割を果たすことで、ナノ粒子同子の凝集等を
有効に防止する。上記吸着剤として用いるポリマーとし
ては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリN−ビニ
ル−2ピロリドン(PVP)、ゼラチン、ポリアクリル
酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド、等が挙げられ、
特に好ましくはPVPである。上記ポリマーの分子量と
しては、GPCで測定した重量平均分子量で2万〜6万
が好ましく、より好ましくは3万〜5万である。また、
上記溶液中のポリマーの含有量は硬磁性ナノ粒子の質量
の0.1〜10倍であることが望ましく、より好ましく
は0.1〜5倍の質量である。
【0016】上記吸着剤として用いられる界面活性剤
は、一般式:R−Xで表される長鎖有機化合物である
「有機安定剤」を含む。一般式中Rは、直鎖または分岐
ハイドロカーボン若しくはフルオロカーボン鎖であり、
いわゆる「テール基」である。上記Rは通常8〜22の
炭素原子を含む。また、一般式中Xは、ナノ粒子表面に
特定の化学結合を提供する部分(X)であり、いわゆる
「ヘッド基」である。該Xは、スルフィネート(−SO
OH)、スルホネート(−SO2OH)、ホスフィネー
ト(−POOH)、ホスホネート(−OPO(O
H)2)、カルボキシレート、およびチオールのいずれ
かであることが好ましい。したがって、上記有機安定剤
としては、スルホン酸(R−SO2OH)、スルフィン
酸(R−SOOH)、ホスフィン酸(R2POOH)、
ホスホン酸(R−OPO(OH)2)、カルボン酸(R
−COOH)、チオール(R−SH)のいずれかである
ことが好ましい。
【0017】上記有機安定剤としては、特にオレイン酸
が好ましい。オレイン酸はコロイドの安定化において周
知の界面活性剤であり、鉄ナノ粒子を保護するのに用い
られてきた。オレイン酸の比較的長い(たとえば、オレ
イン酸は18炭素鎖を有し長さは〜20オングストロー
ムである。オレイン酸は脂肪族ではなく二重結合が1つ
ある)鎖は粒子間の強い磁気相互作用を打ち消す重要な
立体障害を与える。エルカ酸やリノール酸など類似の長
鎖カルボン酸もオレイン酸同様に(たとえば、8〜22
の間の炭素原子を有する長鎖有機酸を単独でまたは組み
合わせて用いることができる)用いられてきた。オレイ
ン酸(オリーブ油等)は容易に入手できる安価な天然資
源である点で特に好ましい。
【0018】上記ホスフィンと有機安定剤との組合せ
(トリオルガノホスフィン/酸など)は粒子の成長およ
び安定化に対する秀れた制御を提供する。ジデシルエー
テルおよびジドデシルエーテルも用いることができる
が、フェニルエーテルまたはn−オクチルエーテルはそ
の低コストおよび高沸点のため溶媒として好適に用いら
れる。
【0019】上記溶液中の界面活性剤の含有量は硬磁性
ナノ粒子の質量の0.1〜10倍であることが望まし
く、より好ましくは0.1〜5倍の質量である。なお、
上記ポリマーと界面活性剤とを併用してもよい。
【0020】(ナノ粒子の形成)本発明の硬磁性ナノ粒
子の形成において還元反応をおこなう際の反応温度は、
所望のナノ粒子および溶媒の沸点によって異なるが、8
0℃〜360℃の範囲とすることが好ましく、80℃〜
240℃の範囲とすることがさらに好ましい。上記反応
温度が80℃より低いと粒子が成長しないことがあり、
上記反応温度が360℃より高いとナノ粒子を制御する
ことが困難となり、望ましくない副産物の生成が増加す
ることがある。
【0021】本発明の硬磁性ナノ粒子は規則化されてい
る必要があることから、溶液から形成した硬磁性ナノ粒
子が不規則相であるときは、本発明の規則相を得るため
にアニールする必要がある。アニール温度は示差熱分析
(DTA)を用い規則不規則変態点を求めその温度より
上の温度で行う事が必要であり、時間は1min〜24
hが良く、好ましくは1min〜30minである。ま
た、アニール温度としては、200〜700℃が好まし
く、250〜500℃が更に好ましい。
【0022】本発明の強磁性ナノ粒子の保持力として
は、15800〜395000A/m(200〜500
0Oe)が好ましく、記録ヘッドが対応できるという観
点から63200〜276500A/m(800〜35
00Oe)がさらに好ましい。本発明の強磁性ナノ粒子
の粒径としては、1〜100nmが好ましく、さらに好
しくは3〜20nmであり、3〜10nmが特に好まし
い。磁気記録媒体として用いるためには、本発明の硬磁
性ナノ粒子を最密充填することが記録容量を高くする上
で好ましい対応である。そのためには、本発明の硬磁性
ナノ粒子の、粒子サイズの標準偏差は10%未満が好ま
しく、さらに好ましくは5%以下である。
【0023】また、ナノ粒子合成後に溶液から塩類を除
く事は粒子の分散安定性を向上させる意味から好ましい
対応である。脱塩にはアルコールを過剰に加え、軽凝集
を起こし、自然沈降あるいは遠心沈降させ塩類を上澄み
と共に除去する方法、また、吸着剤にポリマーを用いた
場合には限外濾過を用いることもできる。
【0024】硬磁性ナノ粒子の粒径評価には、透過型電
子顕微鏡(TEM)を用いる事ができる。硬磁性ナノ粒
子の結晶系を決めるには、TEMによる電子回折でもよ
いが、X線回折を用いた方が精度が高い。硬磁性ナノ粒
子の内部の組成分析には電子線を細く絞る事が出来るF
E−TEMにEDAXを付け評価する事が好ましい。ナ
ノ粒子の磁気的性質の評価はVSMを用いておこなうこ
とができる。
【0025】《磁気記録媒体》本発明の硬磁性ナノ粒子
はビデオテープ、コンピューターテープ等の磁気テー
プ;フロッピーディスク、ハードディスク等の磁気ディ
スク;等の少なくとも磁性層を有する磁気記録媒体に好
ましく用いる事ができる。すなわち、上記磁性層に本発
明の硬磁性ナノ粒子を含有させて磁気記録媒体を作製す
ることができる。また、MRAM(不揮発性磁気メモ
リ)等に適用することもできる。
【0026】磁性層に本発明の硬磁気ナノ粒子を含有す
る磁気記録媒体は、支持体と本発明の硬磁性ナノ粒子と
を結合剤中に分散した磁性層からなり、また、必要に応
じて磁性層と支持体との間に非磁性層を設ける事は好ま
しい対応である。磁気ディスクを作製する場合、支持体
の反対側(磁性層が形成されていない側)の面にも同様
に磁性層、必要に応じて該磁性層と支持体との間に非磁
性層を設けることができる。磁気テープを作製する場
合、上記磁性層が形成された面と反対側の支持体表面に
バック層を設けた構成とすることが好ましい。
【0027】前記支持体は非磁性であることが好まし
い。非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポ
リオレフィン類、セルロ−ストリアセテート、ポリカ−
ボネート、ポリアミド(脂肪族ポリアミドやアラミド等
の芳香族ポリアミドを含む)、ポリイミド、ポリアミド
イミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾール等の
公知のフィルムが使用できる。なかでも、ポリエチレン
ナフタレート、ポリアミド等の高強度支持体を用いるこ
とが好ましい。また、ガラス、ケイ素、アルミニウム、
アルミナを用いることも好ましい対応である。また必要
に応じ、磁性面とベ−ス面との表面粗さを変えるため特
開平3−224127号公報に開示されたような積層タ
イプの支持体を用いることもできる。これらの支持体に
はあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処
理、熱処理、除塵処理等をおこなってもよい。
【0028】上記結合剤としてはポリウレタン樹脂;ポ
リエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹
脂;スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレー
ト等を共重合したアクリル系樹脂;ニトロセルロース等
のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノキシ樹脂;
ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリ
ビニルアルキラール樹脂;等から単独あるいは複数の樹
脂を混合して用いることができる。これらの中で好まし
いのはポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル
系樹脂である。
【0029】結合剤には硬磁性ナノ粒子、非磁性粉体の
分散性を向上させるためこれらの粉体表面に吸着する官
能基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい官能基
としては−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−
OPO(OM)2、−COOM、>NSO3M、>NRS
3M、−NR12、−N+123-などがある。こ
こで、Mは水素又はNa、K等のアルカリ金属、Rはア
ルキレン基、R1、R2、R3はアルキル基又はヒドロキ
シアルキル基又は水素、XはCl、Br等のハロゲンで
ある。結合剤中の官能基の量は10μeq/g〜200
μeq/gが好ましく、更には30μeq/g〜120
μeq/gが好ましい。上記官能基の量を10μeq/
g〜200μeq/gとすることで、高い分散性を維持
することができる。
【0030】上記結合剤には吸着官能基のほかに、イソ
シアネート硬化剤と反応して架橋構造を形成し塗膜強度
を向上させるために−OH基などの活性水素を持つ官能
基を付与することが好ましい。該活性水素を持つ官能基
の好ましい量は0.1meq/g〜2meq/gであ
る。結合剤の分子量はGPCで測定した重量平均分子量
で1万〜20万が好ましく、更に好ましくは2万〜10
万である。上記分子量が、2万より小さいと塗膜強度が
不足して耐久性が低下する場合があり、10万より大き
いと分散性が低下する場合がある。
【0031】好ましい結合剤であるポリウレタン樹脂
は、例えば「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬
治編、1986年 日刊工業新聞社)に詳しく記載され
ているが、通常、長鎖ジオール、短鎖ジオール(鎖延長
剤と呼ばれることもある)とジイソシアネート化合物と
の付加重合によって得られる。長鎖ジオールは分子量5
00〜5000のポリエステルジオール、ポリエーテル
ジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリカーボ
ネートジオール、ポリオレフィンジオール等が用いられ
る。この長鎖ポリオールの種類によってポリエステルウ
レタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルエステル
ウレタン、ポリカーボネートウレタン等と呼ばれる。
【0032】ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は0℃
〜200℃が好ましく、40℃〜160℃が更に好まし
い。上記ガラス転移温度が、0℃より低いと耐久性が低
下する場合があり、200℃を超えるとカレンダー成形
性が低下し電磁変換特性が低下する場合がある。
【0033】ポリウレタン樹脂に上述した吸着官能基
(極性基)を導入する方法としては、官能基を長鎖ジオ
ールのモノマーの一部に用いる方法;短鎖ジオールの一
部に用いる方法;ポリウレタンを重合した後、高分子反
応で極性基を導入する方法;等を適用することができ
る。
【0034】好ましい結合剤である塩化ビニル系樹脂と
しては、塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合
したものが用いられる。共重合モノマーとしては酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル
類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート
等のアクリレート、メタクリレート類、アリルメチルエ
ーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテ
ル、アリルブチルエーテル等のアルキルアリルエーテル
類、その他、スチレン、αメチルスチレン、塩化ビニリ
デン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アク
リルアミド、更に官能基をもつ共重合モノマーとしてビ
ニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリ
ルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、
p−ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、
アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリ
レート、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メ
タ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレー
ト、p−スチレンスルホン酸、およびこれらのNa塩、
K塩などが用いられる。なお、「(メタ)アクリレー
ト」は、アクリレートおよびメタクリレートの少なくと
もいずれか一方を含有するものを意味する。
【0035】塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルモノマー
の含有量は60〜95質量%が好ましい。60質量%よ
り少ないと力学強度が低下することがあり、95質量%
より多すぎると溶剤溶解性が低下し、溶液粘度が高く分
散性が低下することがある。吸着官能基(極性基)、ポ
リイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めるための官
能基の好ましい量は上述したとおりである。これらの官
能基の導入方法は上記の官能基含有モノマーを共重合し
てもよいし、塩化ビニル系樹脂を共重合した後、高分子
反応で官能基を導入してもよい。好ましい重合度は20
0〜600、さらに好ましくは240〜450である。
重合度が200〜600範囲より小さいと力学強度が低
下することがあり、高すぎると溶液粘度が高く分散性が
低下することがある。
【0036】結合剤を架橋、硬化させ塗膜の力学強度や
耐熱性を高めるために硬化剤を用いることができる。好
ましい硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物があ
る。ポリイソシアネート化合物は3官能以上のポリイソ
シアネートが好ましい。具体的にはTMP(トリメチロ
ールプロパン)にTDI(トリレンジイソシアネート)
を3モル付加した化合物、TMPにHDI(ヘキサメチ
レンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TM
PにIPDI(イソホロンジイソシアネート)を3モル
付加した化合物、TMPにXDI(キシリレンジイソシ
アート)を3モル付加した化合物、等アダクト型ポリイ
ソシアネート化合物、TDIの縮合イソシアヌレート型
3量体、TDIの縮合イソシアヌレート5量体、TDI
の縮合イソシアヌレート7量体、およびこれらの混合
物、HDIのイソシアヌレート型縮合物、IPDIのイ
ソシアヌレート型縮合物、さらにクルードMDI等があ
る。これらの中で好ましいのはTMPにTDIを3モル
付加した化合物、TDIのイソシアヌレート型3量体等
である。
【0037】イソシアネート系硬化剤以外に電子線ある
いは紫外線等の放射線硬化型の硬化剤を用いても良い。
この場合放射線硬化官能基としてアクリロイル基または
メタクリロイル基を分子内に2個以上、好ましくは3個
以上有する硬化剤を用いることができる。例えばTMP
(トリメチロールプロパン)のトリアクリレート、ペン
タエリスリトールのテトラアクリレート、ウレタンアク
リレートオリゴマー等がある。この場合、硬化剤のほか
に結合剤にも(メタ)アクリロイル基を導入するのが好
ましい。紫外線硬化の場合はこのほかに光増感剤が併用
される。硬化剤は結合剤100質量部に対して0〜80
質量部添加するのが好ましい。多すぎると分散性が低下
する。
【0038】当該磁気記録媒体においては、支持体と磁
性層との間に無機粉末と結合剤からなる非磁性層を設け
ることが好ましい。非磁性層に使用する無機粉末とし
て、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化
物、金属炭化物、金属硫化物等を例示することができ
る。なかでも、入手の容易性、コスト、粒度分布のコン
トロールの容易性等から、酸化チタンまたはα−酸化鉄
を使用するのが特に好ましい。α−酸化鉄は、針状また
は紡錘形状のものが好ましく、長軸長の平均サイズが
0.05〜0.3μmの範囲、長軸長と短軸長との比
(長軸長/短軸長)が3〜10の範囲にあって、pHが
8〜11の範囲にあるものが好ましい。他方、酸化チタ
ンは球状のものであって、その比表面積が50〜80m
2/gの範囲にあり、pHが8〜11の範囲にあるもの
が好ましい。また、その粒子径は0.01〜0.1μm
のものが好ましい。非磁性層の結合剤としては、前述の
磁性層の結合剤として記載したものを使用することがで
きる。非磁性層における結合剤の量は非磁性粒子に対し
て、5〜25質量%の範囲内が好ましい。非磁性層に
は、磁気記録媒体の表面電気抵抗Rsを低下させる目
的、磁性面に垂直な方向での磁気記録媒体の光透過率を
小さくする目的、非磁性層のマイクロビッカーズ硬度を
所望の範囲(好ましくは30〜50kg/mm2の範
囲)とする目的等、種々の目的のために、カーボンブラ
ックを含有させておくことが好ましい。カーボンブラッ
クの含有量は非磁性粒子の1〜50質量%の範囲で含有
させることが好ましい。
【0039】また、非磁性層には潤滑剤としての脂肪酸
を含有させておくことが好ましい。この脂肪酸は、磁性
層の表面へ少しずつマイグレートして、常に一定の動摩
擦係数を与える機能を有する。好適な脂肪酸は、炭素数
12〜24の飽和または不飽和の一塩基性脂肪酸であ
り、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リ
ノレイン酸、エライジン酸等を挙げることができ、特に
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、オレイン酸が好ましい。下層塗布層への
脂肪酸の添加量は、非磁性粒子に対して0.3〜3質量
%の範囲から選ばれる。
【0040】本発明の磁性層あるいは非磁性層に使用さ
れるその他の添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、
分散効果、可塑効果、等を持つものが使用される。二硫
化モリブデン、二硫化タングステン、グラフアイト、窒
化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持
つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリ
コーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、
ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキルリン酸エス
テルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステル
およびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フ
ッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属
塩、炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも、また分
岐していても良い一塩基性脂肪酸、および、これらの金
属塩(Li、Na、K、Cu等)または、炭素数12〜
22の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い
一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール、炭素
数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐してい
てもよいアルコキシアルコール、炭素数10〜24の不
飽和結合を含んでも、また分岐していてもよい一塩基性
脂肪酸と炭素数2〜12の不飽和結合を含んでも、また
分岐していてもよい一価、二価、三価、四価、五価、六
価アルコールのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エス
テルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステ
ル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテル
の脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭
素数8〜22の脂肪族アミン、等が使用できる。これら
の具体例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、
ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリ
ン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン
酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレ
ート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒド
ロソルビタントリステアレート、オレイルアルコール、
ラウリルアルコールが挙げられる。
【0041】また、アルキレンオキサイド系、グリセリ
ン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオ
キサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミ
ン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダン
トイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニ
ウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スル
ホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基、
等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、ア
ミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン
酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性
剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、
「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に
記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ず
しも純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副
反応物、分解物、酸化物、等の不純分が含まれてもかま
わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、
さらに好ましくは10質量%以下である。
【0042】本発明で使用される、潤滑剤、界面活性剤
は、非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ使い
分けることができる。例えば、非磁性層、磁性層で融点
の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、
沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出
しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安
定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くし
て潤滑効果を向上させる等が考えられ、無論ここに示し
た例のみに限られるものではない。また本発明で用いら
れる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あるいは
下層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよ
い。
【0043】これら潤滑剤としては、具体的には日本油
脂製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−
42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオン
E−208、アノンBF、アノンLG、ブチルステアレ
ート、ブチルラウレート、エルカ酸、関東化学製:オレ
イン酸、竹本油脂製:FAL−205、FAL−12
3、新日本理化製:エヌジエルブOL、信越化学製:T
A−3,ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオ
ン社製、デュオミンTDO、日清製油製:BA−41
G、三洋化成製:プロフアン2012E,ニューポール
PE61,イオネットMS−400等が挙げられる。
【0044】以上の材料によって調製した塗布液を非磁
性支持体上に塗布して下層塗布層または磁性層を形成す
る。本発明の硬磁性ナノ粒子を磁性層に含有する磁気記
録媒体は、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に
磁性層塗布液を公知の手段により塗布して乾燥等を行っ
て磁性層を形成し、非磁性層等の層についても公知の手
段により形成することで、製造することができる。磁性
層の乾燥後の層厚は5nm〜5μmとすることが好まし
く、5nm〜0.2μmとすることがより好ましい。該
層厚が5nm未満では、硬磁性ナノ粒子が存在しない部
分ができることがあり、高記録密度とした場合、記録さ
れるのは磁性層表面であり、厚さ5μmを超える磁性層
は実質上意味がない。なお、磁性層を形成する前に、公
知の手段により下層塗布層等の公知の層を形成してもよ
い。また、複数の磁性層塗布液を逐次あるいは同時に重
層塗布してもよく、下層層形成のための下塗り層塗布液
と磁性層塗布液とを逐次あるいは同時に重層塗布しても
よい。上記磁性塗布液もしくは下層塗布液を塗布するた
めの塗布機としては、エアードクターコート、ブレード
コート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコー
ト、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコー
ト、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キ
スコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコ
ート等が利用できる。これらについては例えば、株式会
社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」
(昭和58年5月31日)を参考にできる。なお、磁性
層塗布液としては、本発明の硬磁性ナノ粒子を含有して
いれば、特に限定されるものではない。
【0045】二層以上の磁性層を有する構成の磁気記録
媒体に適用する場合、塗布する装置、方法の例として
は、下記(1)〜(3)の装置および方法を挙げること
ができる。
【0046】(1)磁性層塗布液を塗布する際一般的に
適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルー
ジョン等の塗布装置により、まず下層を塗布し、下層が
未乾燥の状態のうちに特公平1−46186号公報、特
開昭60−238179号公報、特開平2−26567
2号公報等に開示されているような支持体加圧型エクス
トルージョン塗布装置により、上層を塗布する。 (2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17
971号公報、特開平2−265672号公報に開示さ
れているような塗布液通液スリットを2個有する一つの
塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)特開平2−174965号公報に開示されている
ようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0047】本発明の磁気記録媒体は、支持体の磁性層
塗布液が塗布されていない面にバックコート層(バッキ
ング層)が設けられていてもよい。バックコート層は、
支持体の磁性層塗布液が塗布されていない面に、研磨
材、帯電防止剤等の粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分
散したバックコート層形成塗料を塗布して設けられた層
である。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラ
ックを使用することができ、また結合剤としてはニトロ
セルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリ
ウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用す
ることができる。なお、支持体の磁性層塗布液およびバ
ックコート層形成塗料の塗布面に接着剤層が設けられい
てもよい。
【0048】磁性層塗布液の塗布層は、磁性層塗布液の
塗布層中に含まれる強磁性粉末に磁場配向処理を施した
後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布層
に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たとえ
ばスーパーカレンダーロール等が利用される。表面平滑
化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって
生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向
上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得るこ
とができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、
ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性
プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理
することもできる。
【0049】磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さ
が、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜5n
m、好ましくは1〜4nmの範囲という極めて優れた平
滑性を有する表面であることが高密度記録用の磁気記録
媒体として好ましい。その方法として、例えば上述した
ように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性
層を上記カレンダー処理を施すことにより行われる。カ
レンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を
60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範
囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力
は100〜500kg/cmの範囲であり、好ましくは
200〜450kg/cmの範囲であり、特に好ましく
は300〜400kg/cmの範囲の条件で作動させる
ことによって行われることが好ましい。得られた磁気記
録媒体は、裁断機等を使用して所望の大きさに裁断して
使用することができる。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0051】[実施例1〜2および比較例1〜4] 1.硬磁性ナノ粒子の作製 (1)FePdの作製(カルボニル法) 高純度Arガス中で下記の操作を行った。パラジウム
(II)アセチルアセトナート[CH3COCH=C
(O−)CH32Pdを0.5mmolと1,2−ヘキ
サデカンジオールを1.5mmolとジオクチルエーテ
ル20mlとを混合し、100℃で加熱した。オレイン
酸0.5mmolとオレイルアミン0.5mmolとF
e(CO)51mmolとを加え、100℃で30分間
保持したのち、297℃で30分間還流した。冷却後の
液1ml(1cc)に対し、パラジウム(II)アセチ
ルアセトナート[CH3COCH=C(O−)CH32
Pd0.5mmolと1,2−ヘキサデカンジオール
1.5mmolとジオクチルエーテル20mlとを混合
し、100℃で加熱した。オレイン酸0.5mmolと
オレイルアミン0.5mmolとFe(CO)51mm
olとを加え、100℃で30分間保持したのち、29
7℃で30分間還流した。冷却後、エタノールを40m
l加え、析出物を沈降させた後上澄みを取り除いた。オ
レイン酸0.16mmolとオレイルアミン0.15m
molとを加えた後に25mlのヘキサンを加え分散し
た。再びエタノールを20ml加え,析出物を沈降させ
た後上澄みを取り除いた。オレイン酸0.16mmol
とオレイルアミン0.15mmolとを加えた後に20
mlのヘキサンを加え分散した。また、エタノールを1
5ml加え、析出物を沈降させた後上澄みを取り除い
た。オレイン酸0.16mmol,オレイルアミン0.
15mmolを加えた後に20mlのヘキサンを加え分
散し、FePdナノ粒子分散液A(実施例1および比較
例2の分散液)を得た。
【0052】(2)FePdの作製(PVP法) Ar雰囲気下で下記の操作を行った。PdCl3を蒸留
水:エタノール=1:1の溶液に溶解し、1.2μmo
l/mlの溶液(A)を100ml得た。この溶液にP
VPを0.3g溶解した後、100℃で還流した。次に
FeSO4・7H2Oの12μmol/ml水溶液(B)
を10ml加えた。次いで、1gのNaBH4を15m
lの蒸留水に溶解したものを添加した後、メンブレンフ
ィルターを用い限外濾過をおこなった。液量が1/3に
なるまで濾過し、さらに蒸留水を元の体積になるまで加
え液量が1/3になるまで濾過を行った。この液に溶液
(A)100mlを加え100℃で還流した。次に水溶
液(B)を10ml加え、1gのNaBH4を15ml
の蒸留水に溶解したものを添加し、その後メンブレンフ
ィルターを用い限外濾過を行った。液量が1/3になる
まで濾過し、さらに蒸留水を元の体積になるまで加え液
量が1/3になるまで濾過をおこない、FePdナノ粒
子分散液Bを得た(実施例2および比較例3の分散
液)。
【0053】(3)FePtの作製(カルボニル法) 高純度Arガス中で下記の操作を行った。プラチナ(I
I)アセチルアセトナート[CH3COCH=C(O
−)CH3 2Ptを0.5mmolと1,2−ヘキサデ
カンジオールを1.5mmolとジオクチルエーテル2
0mlとを混合し100℃で加熱した。オレイン酸0.
5mmolとオレイルアミン0.5mmolとFe(C
O)51mmolとを加え、297℃で30分間還流し
た。冷却後、エタノールを40ml加え、析出物を沈降
させた後上澄みを取り除いた。オレイン酸0.16mm
ol、オレイルアミン0.15mmolを加えた後に、
25mlのヘキサンを加え分散した。再びエタノールを
20ml加え、析出物を沈降させた後上澄みを取り除い
た。オレイン酸0.16mmol、オレイルアミン0.
15mmolを加えた後に20mlのヘキサンを加え分
散した。また、エタノールを15ml加え、析出物を沈
降させた後上澄みを取り除いた。オレイン酸0.16m
mol、オレイルアミン0.15mmolを加えた後に
20mlのヘキサンを加え分散し、FePtナノ粒子分
散液C(比較例1の分散液)を得た。
【0054】(4)FePtの作製(Pd保護層) 上記FePtナノ粒子分散液C20ml(20cc)に
対し、パラジウム(II)アセチルアセトナート〔CH
3COCH=C(O−)CH3〕Pdを0.5mmolと
1,2−ヘキサデカンジオール1.5mmolとジオク
チルエーテル20mlとを加え、140℃で30分間還
流して、FePtナノ粒子分散液D(比較例4の分散
液)を得た。
【0055】2.アニール方法 Si表面を加熱しSiO2とした基板に、液中に5mg
/mlのナノ粒子を含む実施例1〜2並びに比較例1お
よび4の分散液を0.04ml/cm2程度塗布し乾燥
させた後、N2雰囲気中で、550℃で30分間加熱し
冷却した。
【0056】3.ナノ粒子である事の確認 作製した各ナノ粒子分散液をTEM(加速電圧300k
Vの日立製作所製透過電子顕微鏡)観察用のメッシュに
乗せ乾燥する事でTEMサンプルを作製し、TEMによ
る観察をおこなった。この結果、実施例1〜2および比
較例1〜3の分散液に含まれる粒子は、体積平均粒径5
nmのナノ粒子であることが確認された。また、比較例
4用の分散液に含まれる粒子は、体積平均粒径5nmの
ナノ粒子であることが確認された。尚、測定条件として
は、加速電圧300kVとし、30万倍後の倍率で撮影
後、引き伸ばして150万倍とした。粒径は画像処理装
置に読み込み評価した。
【0057】4.組成分析 ICP(高周波誘導体結合プラズマ)測定装置(SEI
KO社製、SPS120A)を用い、全体のPdとFe
とのモル比(Pd/Fe)またはPtとFeとのモル比
(Pt/Fe)を求めた。なお、上記モル比は、Pd、
Fe標準液、またはPt、Fe標準液を用いて検量線を
作成し、試料液と比較することで、PdとFeとのモル
比およびPtとFeとのモル比を求めた。
【0058】5.X線回折 水晶の無反射試料板上に調製した各ナノ粒子分散液を乗
せ乾燥する事でX線回折用サンプルを作製した。理学電
機製X線回折装置で管電圧50kV、管電流300mA
の条件でCuKα線を発生させゴニオメータを用いた粉
末法でX線回折をおこなった。結晶構造から不規則相,
規則相を区別した。
【0059】6.磁気特性 磁気特性(保持力)は東英工業製の高感度磁化ベクトル
測定機と同社製DATA処理装置を使用し、印加磁場7
90kA/m(10kOe)で測定した。尚、表1にお
いてσsは、メタルの質量当りの飽和磁化(σs=飽和
磁化/メタルの質量)を表わす。
【0060】上記の測定結果を下記表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】本発明の硬磁性ナノ粒子(実施例1〜2)
は、Hcおよびσcがともに優れていた。これに対し、
Pdの代わりにPtを用いた比較例1は、Hcが高いも
ののσcが低くいことから、実施例1および2と比して
所望の磁化を得るために必要な量が多いことがわかっ
た。また、不規則相であった比較例3および4は、Hc
の値が低かった。さらに、比較例4は、分散時に凝集ぎ
みであり、アニール時に粒子が融着し、直径20nmの
粒子であった。また、表面に非磁性のPdをつけたため
にσsが低下した。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、低コストで製造でき、
量産性および塗布適性に優れた硬磁性ナノ粒子並びにこ
れを用いた磁気記録媒体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/16 H01F 10/16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液中で、界面活性剤および/またはポ
    リマーの存在下で形成されたFe−Pd合金からなり、
    前記Fe−Pd合金は規則化されていることを特徴とす
    る硬磁性ナノ粒子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の硬磁性ナノ粒子を含有
    する磁性層を有することを特徴とする磁気記録媒体。
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