JP2003073705A - ナノ粒子、磁気記録媒体 - Google Patents
ナノ粒子、磁気記録媒体Info
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- JP2003073705A JP2003073705A JP2001269255A JP2001269255A JP2003073705A JP 2003073705 A JP2003073705 A JP 2003073705A JP 2001269255 A JP2001269255 A JP 2001269255A JP 2001269255 A JP2001269255 A JP 2001269255A JP 2003073705 A JP2003073705 A JP 2003073705A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱処理を施さずに高い硬磁性を示すナノ粒
子、前記ナノ粒子を磁性層に含有する磁気記録媒体を提
供する。 【解決手段】 硬磁性を有し、還元電位が貴な金属粒子
の表面に、還元電位が卑で強磁性を有する金属粒子が析
出していることを特徴とするナノ粒子である。保持力
は、15000A/m以上であることが好ましい。ま
た、体積平均粒径は、1〜100nmであることが好ま
しく、アニール処理後の結晶構造は、面心立方構造であ
ることが好ましい。さらに、少なくとも磁性層を有する
磁気記録媒体であって、前記磁性層が、上記ナノ粒子を
含有することを特徴とする磁気記録媒体である。
子、前記ナノ粒子を磁性層に含有する磁気記録媒体を提
供する。 【解決手段】 硬磁性を有し、還元電位が貴な金属粒子
の表面に、還元電位が卑で強磁性を有する金属粒子が析
出していることを特徴とするナノ粒子である。保持力
は、15000A/m以上であることが好ましい。ま
た、体積平均粒径は、1〜100nmであることが好ま
しく、アニール処理後の結晶構造は、面心立方構造であ
ることが好ましい。さらに、少なくとも磁性層を有する
磁気記録媒体であって、前記磁性層が、上記ナノ粒子を
含有することを特徴とする磁気記録媒体である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬磁性を有するナノ
粒子、前記ナノ粒子を磁性層に含有する磁気記録媒体に
関する。
粒子、前記ナノ粒子を磁性層に含有する磁気記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】CuAu型あるいはCu3Au型強磁性
規則合金は、規則化時に発生する歪みのために結晶磁気
異方性が大きく、粒子サイズを小さくしても硬磁性を示
すことから有望な素材として注目されている。また、粒
子サイズを小さくすることは磁気記録密度を高くする上
で必要である。例えば、ビデオテープ、コンピューター
テープ、ディスク等として広く用いられている磁気記録
媒体では、強磁性体の質量が同じ場合、その粒子サイズ
が小さいほどノイズを下げることができる。
規則合金は、規則化時に発生する歪みのために結晶磁気
異方性が大きく、粒子サイズを小さくしても硬磁性を示
すことから有望な素材として注目されている。また、粒
子サイズを小さくすることは磁気記録密度を高くする上
で必要である。例えば、ビデオテープ、コンピューター
テープ、ディスク等として広く用いられている磁気記録
媒体では、強磁性体の質量が同じ場合、その粒子サイズ
が小さいほどノイズを下げることができる。
【0003】CuAu型あるいはCu3Au型合金は、
前駆体を溶液中で反応させてを作製され、その構造は面
心立方構造となる。当該面心立方構造は通常、軟磁性あ
るいは常磁性を示すので、磁気記録媒体としては適して
いない。従って、従来では、硬磁性規則合金を得るた
め、前記面心立方構造の合金を400℃以上で熱処理
(アニール)をする必要があった。
前駆体を溶液中で反応させてを作製され、その構造は面
心立方構造となる。当該面心立方構造は通常、軟磁性あ
るいは常磁性を示すので、磁気記録媒体としては適して
いない。従って、従来では、硬磁性規則合金を得るた
め、前記面心立方構造の合金を400℃以上で熱処理
(アニール)をする必要があった。
【0004】しかし、熱処理後に粒径1〜100nmの
ナノ粒子を支持体上等に分散し塗布するのは困難であっ
た。また、支持体上にナノ粒子を塗布した磁気記録媒体
に熱処理を施すことは、支持体の耐熱性が問題になりそ
の応用範囲が限られていた。さらに、MRAMに用いよ
うとした場合においても、素子形成後に熱処理をすると
素子の特性に影響を及ぼすことがあった。
ナノ粒子を支持体上等に分散し塗布するのは困難であっ
た。また、支持体上にナノ粒子を塗布した磁気記録媒体
に熱処理を施すことは、支持体の耐熱性が問題になりそ
の応用範囲が限られていた。さらに、MRAMに用いよ
うとした場合においても、素子形成後に熱処理をすると
素子の特性に影響を及ぼすことがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上から、本発明は熱
処理を施さずに高い硬磁性を示すナノ粒子、前記ナノ粒
子を磁性層に含有する磁気記録媒体を提供することを目
的とする。
処理を施さずに高い硬磁性を示すナノ粒子、前記ナノ粒
子を磁性層に含有する磁気記録媒体を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下に示す
本発明により達成することができる。すなわち、本発明
は、 <1> 還元電位が貴な金属粒子の表面に、還元電位が
卑な金属を含む硬磁性を有する合金が析出していること
を特徴とするナノ粒子である。 <2> 保持力が15000A/m以上であることを特
徴とする<1>に記載のナノ粒子である。 <3> 体積平均粒径が1〜100nmであることを特
徴とする<1>または<2>に記載のナノ粒子である。 <4> アニール処理後の結晶構造が面心立方構造であ
ることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の
ナノ粒子である。 <5>少なくとも磁性層を有する磁気記録媒体であっ
て、前記磁性層が、<1>〜<4>のいずれかに記載の
ナノ粒子を含有することを特徴とする磁気記録媒体であ
る。
本発明により達成することができる。すなわち、本発明
は、 <1> 還元電位が貴な金属粒子の表面に、還元電位が
卑な金属を含む硬磁性を有する合金が析出していること
を特徴とするナノ粒子である。 <2> 保持力が15000A/m以上であることを特
徴とする<1>に記載のナノ粒子である。 <3> 体積平均粒径が1〜100nmであることを特
徴とする<1>または<2>に記載のナノ粒子である。 <4> アニール処理後の結晶構造が面心立方構造であ
ることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の
ナノ粒子である。 <5>少なくとも磁性層を有する磁気記録媒体であっ
て、前記磁性層が、<1>〜<4>のいずれかに記載の
ナノ粒子を含有することを特徴とする磁気記録媒体であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】<ナノ粒子>本発明のナノ粒子
は、還元電位が貴な金属粒子の表面に、還元電位が卑な
金属を含む硬磁性を有する合金が析出している。すなわ
ち、当該ナノ粒子は、還元電位が貴な金属粒子を核と
し、その核の周りを還元電位が卑な金属を含む硬磁性を
有する合金が覆う、いわゆるコアシェル構造の粒子とな
っている。コアシェル構造の粒子とすることで、通常必
要な熱処理(アニール処理)を施さずに硬磁性を維持し
たナノ粒子とすることができる。
は、還元電位が貴な金属粒子の表面に、還元電位が卑な
金属を含む硬磁性を有する合金が析出している。すなわ
ち、当該ナノ粒子は、還元電位が貴な金属粒子を核と
し、その核の周りを還元電位が卑な金属を含む硬磁性を
有する合金が覆う、いわゆるコアシェル構造の粒子とな
っている。コアシェル構造の粒子とすることで、通常必
要な熱処理(アニール処理)を施さずに硬磁性を維持し
たナノ粒子とすることができる。
【0008】前記還元電位が貴な金属としては、還元電
位が−0.2V(vs.N.H.E)以上(好ましく
は、−0.2〜2V(vs.N.H.E))の金属で、
具体的には、Pt、Pd、Rh等の金属を挙げることが
できる。かかる金属の前駆体としては、H2PtCl6・
6H2O、Pt(CH3COCHCOCH3)2、RhCl
3・3H2O、Pd(OCOCH3)2、PdCl2等が挙
げられる。前記前駆体を溶媒に溶解する場合の金属濃度
は0.1〜1000μmol/mlとすることが好まし
く0.1〜100μmol/mlとすることがより好ま
しい。
位が−0.2V(vs.N.H.E)以上(好ましく
は、−0.2〜2V(vs.N.H.E))の金属で、
具体的には、Pt、Pd、Rh等の金属を挙げることが
できる。かかる金属の前駆体としては、H2PtCl6・
6H2O、Pt(CH3COCHCOCH3)2、RhCl
3・3H2O、Pd(OCOCH3)2、PdCl2等が挙
げられる。前記前駆体を溶媒に溶解する場合の金属濃度
は0.1〜1000μmol/mlとすることが好まし
く0.1〜100μmol/mlとすることがより好ま
しい。
【0009】前記還元電位が卑な金属としては、還元電
位が−1.6V以上(好ましくは、−1.6以上−0.
2V未満(vs.N.H.E))の金属で、具体的に
は、Fe、Co等の金属を挙げることができる。還元電
位が−1.6Vを未満だと、通常の還元剤(例えば、N
aBH3、H3PO3等)を用いて還元することができな
いため好ましくない。かかる金属の前駆体としては、F
eSO4・7H2O、NiSO4・7H2O、CoCl2・
6H2O、Co(OCOCH3)2・4H2O等が挙げられ
る。前記前駆体を溶媒に溶解する場合の金属濃度は、
0.1〜1000μmol/mlとすることが好まし
く、0.1〜100μmol/mlとすることがより好
ましい。
位が−1.6V以上(好ましくは、−1.6以上−0.
2V未満(vs.N.H.E))の金属で、具体的に
は、Fe、Co等の金属を挙げることができる。還元電
位が−1.6Vを未満だと、通常の還元剤(例えば、N
aBH3、H3PO3等)を用いて還元することができな
いため好ましくない。かかる金属の前駆体としては、F
eSO4・7H2O、NiSO4・7H2O、CoCl2・
6H2O、Co(OCOCH3)2・4H2O等が挙げられ
る。前記前駆体を溶媒に溶解する場合の金属濃度は、
0.1〜1000μmol/mlとすることが好まし
く、0.1〜100μmol/mlとすることがより好
ましい。
【0010】また、本発明のナノ粒子が2元系合金から
なる場合は、CuAu型あるいはCu3Au型の強磁性
規則合金であることが好ましい。CuAu型強磁性規則
合金としては、FeNi、FePd、FePt、CoP
t等が挙げられ、なかでもFePd、FePt、CoP
tであることが好ましい。Cu3Au型強磁性規則合金
としては、Ni3Fe、FePd3、Fe3Pt、FeP
t3、CoPt3、Ni3Pt、CrPt3、Ni3Mnが
挙げられ、なかでもFePd3、FePt3、CoP
t3、Fe3Pd、Fe3Pt、Co3Ptを使用すること
が好ましい。
なる場合は、CuAu型あるいはCu3Au型の強磁性
規則合金であることが好ましい。CuAu型強磁性規則
合金としては、FeNi、FePd、FePt、CoP
t等が挙げられ、なかでもFePd、FePt、CoP
tであることが好ましい。Cu3Au型強磁性規則合金
としては、Ni3Fe、FePd3、Fe3Pt、FeP
t3、CoPt3、Ni3Pt、CrPt3、Ni3Mnが
挙げられ、なかでもFePd3、FePt3、CoP
t3、Fe3Pd、Fe3Pt、Co3Ptを使用すること
が好ましい。
【0011】還元電位が貴な金属と還元電位が卑な金属
とからなるナノ粒子の具体例として、Pt−Feナノ粒
子が挙げられる。Pt−Feナノ粒子は、溶液中で析出
させることにより製造されることが知られている(Sc
ience Vol.287,1989(200
0))。このようにして製造されたPt−Feナノ粒子
は、不規則面心立方構造を有し軟磁性ないし常磁性を示
す。従って、硬磁性とするためには、600℃程度の熱
処理を施し相転移を起こして規則正方晶構造としなけれ
ばならなかった。しかし、本発明のナノ粒子は、不規則
面心立方構造を有するにもかかわらず、保持力が150
00A/m以上(好ましくは、63000〜27700
0A/m)の硬磁性を示す。これは、本発明のナノ粒子
が、Pt等の還元電位が貴な金属粒子を核とし、その表
面にFe粒子等の還元電位が卑な金属を含むPt−Fe
のような合金が存在しているため、通常の不規則面心立
方構造とは異なり、Pt等の貴な金属粒子が存在するた
めに歪みの大きな不規則面心立方構造を形成しているた
めと考えられる。
とからなるナノ粒子の具体例として、Pt−Feナノ粒
子が挙げられる。Pt−Feナノ粒子は、溶液中で析出
させることにより製造されることが知られている(Sc
ience Vol.287,1989(200
0))。このようにして製造されたPt−Feナノ粒子
は、不規則面心立方構造を有し軟磁性ないし常磁性を示
す。従って、硬磁性とするためには、600℃程度の熱
処理を施し相転移を起こして規則正方晶構造としなけれ
ばならなかった。しかし、本発明のナノ粒子は、不規則
面心立方構造を有するにもかかわらず、保持力が150
00A/m以上(好ましくは、63000〜27700
0A/m)の硬磁性を示す。これは、本発明のナノ粒子
が、Pt等の還元電位が貴な金属粒子を核とし、その表
面にFe粒子等の還元電位が卑な金属を含むPt−Fe
のような合金が存在しているため、通常の不規則面心立
方構造とは異なり、Pt等の貴な金属粒子が存在するた
めに歪みの大きな不規則面心立方構造を形成しているた
めと考えられる。
【0012】本発明のナノ粒子が既述のコアシェル構造
を有することは、FE−TEM(電界放射型電子顕微
鏡)により容易に確認することができる。また、XRD
(X線回折装置)およびTG−DTA(熱分析装置)に
より確認することができる。以下、Pt−Feナノ粒子
を例に説明する。なお、XRD測定の線源にはCuKα
線を使用し、管電圧50kV、管電流300mAとし
た。また、TG−DTA測定は、窒素雰囲気とし、昇温
速度を50℃/minとし、室温から600℃までの範
囲で行った。
を有することは、FE−TEM(電界放射型電子顕微
鏡)により容易に確認することができる。また、XRD
(X線回折装置)およびTG−DTA(熱分析装置)に
より確認することができる。以下、Pt−Feナノ粒子
を例に説明する。なお、XRD測定の線源にはCuKα
線を使用し、管電圧50kV、管電流300mAとし
た。また、TG−DTA測定は、窒素雰囲気とし、昇温
速度を50℃/minとし、室温から600℃までの範
囲で行った。
【0013】図1に本発明のPt−Feナノ粒子のX線
回折図を示す。図1よりブロードではあるが、Pt−F
eの面心立方構造に起因するピークを確認することがで
きる。すなわち、当該Pt−Feナノ粒子は、面心立方
構造を有しているといえる。
回折図を示す。図1よりブロードではあるが、Pt−F
eの面心立方構造に起因するピークを確認することがで
きる。すなわち、当該Pt−Feナノ粒子は、面心立方
構造を有しているといえる。
【0014】次に、前記Pt−Feナノ粒子を熱分析す
ると、図2に示すような2つのピークを有するDTA曲
線を確認することができる。475℃付近のピークは、
後述する本発明のナノ粒子を製造する際に添加されるポ
リマーの分解に起因するピークであり、500℃付近の
ピークは、Pt−Feナノ粒子の相変化(相変態)に起
因するピークである。したがって、熱処理後のPt−F
eは、安定期の規則正方晶となっている。次に、熱分析
(アニール処理)後のPt−Feナノ粒子についてX線
回折を行うと、図3に示すように、Ptの面心立方構造
に起因するピークを確認することができる。これは、P
t−Feナノ粒子中でPtがコアとして存在しているこ
とを示しているものと考えられる。
ると、図2に示すような2つのピークを有するDTA曲
線を確認することができる。475℃付近のピークは、
後述する本発明のナノ粒子を製造する際に添加されるポ
リマーの分解に起因するピークであり、500℃付近の
ピークは、Pt−Feナノ粒子の相変化(相変態)に起
因するピークである。したがって、熱処理後のPt−F
eは、安定期の規則正方晶となっている。次に、熱分析
(アニール処理)後のPt−Feナノ粒子についてX線
回折を行うと、図3に示すように、Ptの面心立方構造
に起因するピークを確認することができる。これは、P
t−Feナノ粒子中でPtがコアとして存在しているこ
とを示しているものと考えられる。
【0015】以上のようにして、本発明のナノ粒子が貴
な金属をコアとするコアシェル構造であることを確認す
ることができる。また、X線回折および熱分析により既
述のような測定結果が得られれば、コアシェル構造であ
ると考えられる。なお、上記結果は、Pt−Feナノ粒
子についてのみの結果であるが、その他の既述のような
組合せでも同様の結果が得られる。
な金属をコアとするコアシェル構造であることを確認す
ることができる。また、X線回折および熱分析により既
述のような測定結果が得られれば、コアシェル構造であ
ると考えられる。なお、上記結果は、Pt−Feナノ粒
子についてのみの結果であるが、その他の既述のような
組合せでも同様の結果が得られる。
【0016】本発明のナノ粒子の保持力は、15000
A/m以上であることが好ましく、15000〜395
000A/mであることがより好ましく、記録ヘッドが
対応できると言う観点から63000〜277000A
/mであることがさらに好ましい。ナノ粒子の体積平均
粒径は1〜100nmであることが好ましく、3〜20
nmであることがより好ましく、3〜10nmであるこ
とがさらに好ましい。
A/m以上であることが好ましく、15000〜395
000A/mであることがより好ましく、記録ヘッドが
対応できると言う観点から63000〜277000A
/mであることがさらに好ましい。ナノ粒子の体積平均
粒径は1〜100nmであることが好ましく、3〜20
nmであることがより好ましく、3〜10nmであるこ
とがさらに好ましい。
【0017】ナノ粒子の粒径評価には透過型電子顕微鏡
(TEM)を用いることができる。また、ナノ粒子の結
晶系を決めるにはTEMによる電子回折でもよいが、X
線回折を用いた方が精度が高い点で好ましい。ナノ粒子
の内部の組成分析には電子線を細く絞る事が出来るFE
−TEMにEDAXを付け評価することが好ましい。ま
た、ナノ粒子の磁気的性質の評価にはVSMを用いるこ
とが好ましい。
(TEM)を用いることができる。また、ナノ粒子の結
晶系を決めるにはTEMによる電子回折でもよいが、X
線回折を用いた方が精度が高い点で好ましい。ナノ粒子
の内部の組成分析には電子線を細く絞る事が出来るFE
−TEMにEDAXを付け評価することが好ましい。ま
た、ナノ粒子の磁気的性質の評価にはVSMを用いるこ
とが好ましい。
【0018】<ナノ粒子の製造方法>ナノ粒子は、気相
法や液相法等で製造することができるが、本発明のナノ
粒子は量産性に優れる液相法で製造することが好まし
い。具体的には、まず、溶媒中に、還元電位が貴な金属
の前駆体と、還元電位が卑な金属の前駆体と、を添加す
る。その後、吸着剤として、ポリマーを添加することが
好ましく、また、界面活性剤を添加することが好ましい
対応である。その後、還元電位が貴な還元剤を添加し第
一の還元反応を生じさせ還元電位が貴な金属を析出させ
る。次に、還元電位が卑な還元剤を添加し第二の還元反
応を生じさせ還元電位が貴な金属とともに、または単独
で還元電位が卑な金属を析出させる。このように第一の
還元反応により貴な金属を先に析出させて析出した貴な
金属粒子をコアとし、第二の還元反応によりコア表面に
卑な金属粒子を析出させることで、コアシェル構造のナ
ノ粒子を製造することができる。また、貴な金属を先に
析出させることで、ナノ粒子の粒子径を一定なもとする
ことができる。
法や液相法等で製造することができるが、本発明のナノ
粒子は量産性に優れる液相法で製造することが好まし
い。具体的には、まず、溶媒中に、還元電位が貴な金属
の前駆体と、還元電位が卑な金属の前駆体と、を添加す
る。その後、吸着剤として、ポリマーを添加することが
好ましく、また、界面活性剤を添加することが好ましい
対応である。その後、還元電位が貴な還元剤を添加し第
一の還元反応を生じさせ還元電位が貴な金属を析出させ
る。次に、還元電位が卑な還元剤を添加し第二の還元反
応を生じさせ還元電位が貴な金属とともに、または単独
で還元電位が卑な金属を析出させる。このように第一の
還元反応により貴な金属を先に析出させて析出した貴な
金属粒子をコアとし、第二の還元反応によりコア表面に
卑な金属粒子を析出させることで、コアシェル構造のナ
ノ粒子を製造することができる。また、貴な金属を先に
析出させることで、ナノ粒子の粒子径を一定なもとする
ことができる。
【0019】なお、第一の還元反応により貴な金属を先
に析出させ、第二の還元反応により貴な金属とともに、
または単独で還元電位が卑な金属を析出させる構成であ
れば、前駆体やポリマーあるいは界面活性剤の添加順序
等は特に限定されるものではない。すなわち、まず、還
元電位が貴な還元剤を含有する溶媒に還元電位が貴な金
属の前駆体およびポリマーを添加し、上記のような第一
の還元反応を生じさせ、還元電位が貴な金属を析出させ
る。次に、還元電位が卑な金属の前駆体および還元電位
が卑な還元剤を添加し上記のような第二の還元反応を生
じさせて、貴な金属をコアとしたコアシェル構造のナノ
粒子を製造することもできる。
に析出させ、第二の還元反応により貴な金属とともに、
または単独で還元電位が卑な金属を析出させる構成であ
れば、前駆体やポリマーあるいは界面活性剤の添加順序
等は特に限定されるものではない。すなわち、まず、還
元電位が貴な還元剤を含有する溶媒に還元電位が貴な金
属の前駆体およびポリマーを添加し、上記のような第一
の還元反応を生じさせ、還元電位が貴な金属を析出させ
る。次に、還元電位が卑な金属の前駆体および還元電位
が卑な還元剤を添加し上記のような第二の還元反応を生
じさせて、貴な金属をコアとしたコアシェル構造のナノ
粒子を製造することもできる。
【0020】また、上記コアシェル構造のナノ粒子を製
造するには、還元電位が貴な金属のモル比を還元電位が
卑な金属より多くするか、還元電位が卑な金属を還元す
る還元剤の量を少なくして、還元電位が卑な金属の還元
を少なく抑えることが好ましい。
造するには、還元電位が貴な金属のモル比を還元電位が
卑な金属より多くするか、還元電位が卑な金属を還元す
る還元剤の量を少なくして、還元電位が卑な金属の還元
を少なく抑えることが好ましい。
【0021】前記溶媒は有機溶剤でも水でもよく、また
有機溶剤と水の混合液を用いてもかまわない。有機溶剤
としては、アルコール、ポリアルコール等を使用するこ
とが可能で、アルコールとしては、メタノール、エタノ
ール、ブタノール等が挙げられ、ポリアルコールとし
は、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられ
る。。
有機溶剤と水の混合液を用いてもかまわない。有機溶剤
としては、アルコール、ポリアルコール等を使用するこ
とが可能で、アルコールとしては、メタノール、エタノ
ール、ブタノール等が挙げられ、ポリアルコールとし
は、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられ
る。。
【0022】還元剤を用いて貴な金属と卑な金属とをこ
の順に析出させるには,還元電位が−0.2V(vs.
N.H.E)より貴な還元剤を用いた後、−0.2V
(vs.N.H.E)より卑な還元電位を持つ還元剤を
用いることが好ましい。卑な金属を析出させるには、既
述のように還元剤を用いてもよいが、卑な金属の0価の
化合物を添加してもよい。前記0価の化合物の例として
は、金属カルボニルが挙げられる。
の順に析出させるには,還元電位が−0.2V(vs.
N.H.E)より貴な還元剤を用いた後、−0.2V
(vs.N.H.E)より卑な還元電位を持つ還元剤を
用いることが好ましい。卑な金属を析出させるには、既
述のように還元剤を用いてもよいが、卑な金属の0価の
化合物を添加してもよい。前記0価の化合物の例として
は、金属カルボニルが挙げられる。
【0023】還元電位は系のpHに依存するが、還元電
位が−0.2V(vs.N.H.E)より貴な還元剤と
しては、アルコール類、グリセリン類、H2、HCHO
が好ましく用いられる。−0.2V(vs.N.H.
E)より卑な還元剤としては、S2O6 2-、H2PO2 -、
BH4 -、N2H5 +、H2PO3 -が好ましく用いられる。
位が−0.2V(vs.N.H.E)より貴な還元剤と
しては、アルコール類、グリセリン類、H2、HCHO
が好ましく用いられる。−0.2V(vs.N.H.
E)より卑な還元剤としては、S2O6 2-、H2PO2 -、
BH4 -、N2H5 +、H2PO3 -が好ましく用いられる。
【0024】貴な金属を還元析出させる際に吸着剤を存
在させることはナノ粒子を安定に形成するために必要で
ある。吸着剤としてはポリマーを使用することが好まし
い。該ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PV
A)、ポリN−ビニル−2ピロリドン(PVP)、ゼラ
チン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミ
ド等を使用することが可能で、なかでも、PVPがより
好ましい。このようなポリマーは、ナノ粒子の保護コロ
イドとしての役割を果たし、ナノ粒子粒子同士の凝集等
を有効に防止する。
在させることはナノ粒子を安定に形成するために必要で
ある。吸着剤としてはポリマーを使用することが好まし
い。該ポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PV
A)、ポリN−ビニル−2ピロリドン(PVP)、ゼラ
チン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミ
ド等を使用することが可能で、なかでも、PVPがより
好ましい。このようなポリマーは、ナノ粒子の保護コロ
イドとしての役割を果たし、ナノ粒子粒子同士の凝集等
を有効に防止する。
【0025】前記ポリマーの重量平均分子量としては2
万〜6万が好ましく、3万〜5万がより好ましい。ポリ
マーの添加量は、製造されるナノ粒子の質量の0.1〜
10倍量であることが好ましく、0.1〜5倍量である
ことがより好ましい。
万〜6万が好ましく、3万〜5万がより好ましい。ポリ
マーの添加量は、製造されるナノ粒子の質量の0.1〜
10倍量であることが好ましく、0.1〜5倍量である
ことがより好ましい。
【0026】界面活性剤としては、一般式:R−Xで表
される長鎖有機化合物であることが好ましい。なお、前
記Rは直鎖または分岐ハイドロカーボンまたはフルオロ
カーボン鎖であり、通常8〜22の炭素原子を含む。前
記Xはナノ粒子表面に特定の化学結合を提供する基であ
り、スルフィネート(−SOOH)、スルホネート(−
SO2OH)、ホスフィネート(−POOH)、ホスホ
ネート−OPO(OH)2、カルボキシレート、および
チオールのいずれかであることが好ましい。従って、上
記界面活性剤は、スルホン酸(R−SO2OH)、スル
フィン酸(R−SOOH)、ホスフィン酸(R2POO
H)、ホスホン酸(R−OPO(OH)2)、カルボン
酸(R−COOH)、チオール(R−SH)のいずれか
であることが好ましい。
される長鎖有機化合物であることが好ましい。なお、前
記Rは直鎖または分岐ハイドロカーボンまたはフルオロ
カーボン鎖であり、通常8〜22の炭素原子を含む。前
記Xはナノ粒子表面に特定の化学結合を提供する基であ
り、スルフィネート(−SOOH)、スルホネート(−
SO2OH)、ホスフィネート(−POOH)、ホスホ
ネート−OPO(OH)2、カルボキシレート、および
チオールのいずれかであることが好ましい。従って、上
記界面活性剤は、スルホン酸(R−SO2OH)、スル
フィン酸(R−SOOH)、ホスフィン酸(R2POO
H)、ホスホン酸(R−OPO(OH)2)、カルボン
酸(R−COOH)、チオール(R−SH)のいずれか
であることが好ましい。
【0027】上記有機安定剤の材料であるカルボン酸と
しては、特にオレイン酸が好ましい。オレイン酸はコロ
イドの安定化において周知の界面活性剤であり、Feナ
ノ粒子を保護するために従来から用いられている。オレ
イン酸は脂肪族ではなく二重結合が1つあり、18個の
炭素からなる炭素鎖を有しその長さは〜20オングスト
ローム(2nm)である。このオレイン酸の比較的長い
炭素鎖は粒子間の強い磁気相互作用を打ち消す重要な立
体障害を与える。エルカ酸やリノール酸等類似の長鎖カ
ルボン酸もオレイン酸と同様に用いられてきた(例え
ば、8〜22個の炭素原子を有する長鎖有機酸を単独で
または組み合わせて用いることができる)。オレイン酸
は(オリーブ油等)容易に入手できる安価な天然資源で
ある観点からも好ましい。
しては、特にオレイン酸が好ましい。オレイン酸はコロ
イドの安定化において周知の界面活性剤であり、Feナ
ノ粒子を保護するために従来から用いられている。オレ
イン酸は脂肪族ではなく二重結合が1つあり、18個の
炭素からなる炭素鎖を有しその長さは〜20オングスト
ローム(2nm)である。このオレイン酸の比較的長い
炭素鎖は粒子間の強い磁気相互作用を打ち消す重要な立
体障害を与える。エルカ酸やリノール酸等類似の長鎖カ
ルボン酸もオレイン酸と同様に用いられてきた(例え
ば、8〜22個の炭素原子を有する長鎖有機酸を単独で
または組み合わせて用いることができる)。オレイン酸
は(オリーブ油等)容易に入手できる安価な天然資源で
ある観点からも好ましい。
【0028】前記ホスホンと有機安定剤の組合せ(トリ
オルガノホスホン/酸等)は粒子の成長および安定化に
対する優れた制御性を発揮する。ジデシルエーテルおよ
びジドデシルエーテルも用いることができるが、フェニ
ルエーテルまたはn−オクチルエーテルはその低コスト
および高沸点のため溶媒として好適に用いられる。
オルガノホスホン/酸等)は粒子の成長および安定化に
対する優れた制御性を発揮する。ジデシルエーテルおよ
びジドデシルエーテルも用いることができるが、フェニ
ルエーテルまたはn−オクチルエーテルはその低コスト
および高沸点のため溶媒として好適に用いられる。
【0029】前記第一の還元反応を行う際の反応温度
は、所望のナノ粒子および使用する溶媒の沸点により異
なるが、80〜360℃の範囲とすることが好ましく、
80〜240℃の範囲とすることがより好ましい。80
℃より低いとナノ粒子が成長しないことがあり、360
℃より高いとナノ粒子の成長を制御することが困難とな
り、副産物の生成量が増加することがある。第二の還元
反応を行う際の反応温度は、特に制限はないが、鉄カル
ボニル等の0価の卑金属前駆体を使用する場合の反応温
度は上記範囲とすることが好ましい。
は、所望のナノ粒子および使用する溶媒の沸点により異
なるが、80〜360℃の範囲とすることが好ましく、
80〜240℃の範囲とすることがより好ましい。80
℃より低いとナノ粒子が成長しないことがあり、360
℃より高いとナノ粒子の成長を制御することが困難とな
り、副産物の生成量が増加することがある。第二の還元
反応を行う際の反応温度は、特に制限はないが、鉄カル
ボニル等の0価の卑金属前駆体を使用する場合の反応温
度は上記範囲とすることが好ましい。
【0030】粒子の分散安定性を向上させるため、ナノ
粒子製造後の溶液から塩類を除く脱塩処理を施すことが
好ましい。脱塩処理としては、アルコールを過剰に加え
て軽凝集を起こし、自然沈降あるいは遠心沈降させ塩類
を上澄みと共に除去する方法や限外濾過を用いて塩類を
除去する方法を適用することができる。
粒子製造後の溶液から塩類を除く脱塩処理を施すことが
好ましい。脱塩処理としては、アルコールを過剰に加え
て軽凝集を起こし、自然沈降あるいは遠心沈降させ塩類
を上澄みと共に除去する方法や限外濾過を用いて塩類を
除去する方法を適用することができる。
【0031】<磁気記録媒体>本発明のナノ粒子は、ビ
デオテープ、コンピューターテープ等の磁気テープ;フ
ロッピー(R)ディスク、ハードディスク等の磁気ディ
スク;等の少なくとも磁性層を有する磁気記録媒体に好
ましく用いることができる。すなわち、前記磁性層に本
発明のナノ粒子を含有させて磁気記録媒体を作製するこ
とができる。また、MRAM(不揮発性磁気メモリ)等
に適用することもできる。
デオテープ、コンピューターテープ等の磁気テープ;フ
ロッピー(R)ディスク、ハードディスク等の磁気ディ
スク;等の少なくとも磁性層を有する磁気記録媒体に好
ましく用いることができる。すなわち、前記磁性層に本
発明のナノ粒子を含有させて磁気記録媒体を作製するこ
とができる。また、MRAM(不揮発性磁気メモリ)等
に適用することもできる。
【0032】磁性層に本発明のナノ粒子を含有する磁気
記録媒体は、支持体と本発明のナノ粒子を結合剤中に分
散した磁性層とからなり、必要に応じて磁性層と支持体
との間に非磁性層を設けた構成とすることが好ましい。
磁気ディスクとする場合、支持体の反対側(磁性層が形
成されていない側)の面にも同様に前記磁性層、必要に
応じ磁性層と支持体との間に非磁性層を設けた構成とす
ることが好ましい。磁気テープとする場合、前記磁性層
が形成された面と反対側の支持体表面に、バック層を設
けた構成とすることが好ましい。
記録媒体は、支持体と本発明のナノ粒子を結合剤中に分
散した磁性層とからなり、必要に応じて磁性層と支持体
との間に非磁性層を設けた構成とすることが好ましい。
磁気ディスクとする場合、支持体の反対側(磁性層が形
成されていない側)の面にも同様に前記磁性層、必要に
応じ磁性層と支持体との間に非磁性層を設けた構成とす
ることが好ましい。磁気テープとする場合、前記磁性層
が形成された面と反対側の支持体表面に、バック層を設
けた構成とすることが好ましい。
【0033】前記支持体は非磁性であることが好まし
い。非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポ
リオレフィン類、セルロ−ストリアセテート、ポリカ−
ボネート、ポリアミド(脂肪族ポリアミドやアラミド等
の芳香族ポリアミドを含む)、ポリイミド、ポリアミド
イミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾール等の
公知のフィルムが使用できる。なかでも、ポリエチレン
ナフタレート、ポリアミド等の高強度支持体を用いるこ
とが好ましい。また必要に応じ、磁性面とベ−ス面の表
面粗さを変えるため特開平3−224127号公報に開
示されたような積層タイプの支持体を用いることもでき
る。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プ
ラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理等をおこな
ってもよい。
い。非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポ
リオレフィン類、セルロ−ストリアセテート、ポリカ−
ボネート、ポリアミド(脂肪族ポリアミドやアラミド等
の芳香族ポリアミドを含む)、ポリイミド、ポリアミド
イミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾール等の
公知のフィルムが使用できる。なかでも、ポリエチレン
ナフタレート、ポリアミド等の高強度支持体を用いるこ
とが好ましい。また必要に応じ、磁性面とベ−ス面の表
面粗さを変えるため特開平3−224127号公報に開
示されたような積層タイプの支持体を用いることもでき
る。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プ
ラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理等をおこな
ってもよい。
【0034】前記結合剤としてはポリウレタン樹脂;ポ
リエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹
脂;スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレー
ト等を共重合したアクリル系樹脂;ニトロセルロース等
のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノキシ樹脂;
ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリ
ビニルアルキラール樹脂;等から単独あるいは複数の樹
脂を混合して用いることができる。これらの中で好まし
いのはポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル
系樹脂である。
リエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹
脂;スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレー
ト等を共重合したアクリル系樹脂;ニトロセルロース等
のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノキシ樹脂;
ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリ
ビニルアルキラール樹脂;等から単独あるいは複数の樹
脂を混合して用いることができる。これらの中で好まし
いのはポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル
系樹脂である。
【0035】結合剤にはナノ粒子、非磁性粉体等の分散
性を向上させるため、これらの粉体表面に吸着する官能
基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい官能基と
しては−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−O
PO(OM)2、−COOM、>NSO3M、>NRSO
3M、−NR1R2、−N+R1R2R3X−、等がある。こ
こでMは水素またはNa、K等のアルカリ金属、Rはア
ルキレン基、R1、R2、R3はそれぞれ、アルキル基、
ヒドロキシアルキル基および水素のいずれか、XはC
l、Br等のハロゲン原子である。結合剤中の官能基の
量は10μeq/g〜200μeq/gが好ましく、3
0μeq/g〜120μeq/gがより好ましい。10
μeq/g〜200μeq/gの範囲とすることで、高
い分散性を維持することができる。結合剤には吸着官能
基のほかにイソシアネート硬化剤と反応して架橋構造を
形成し塗膜強度を向上させるために−OH基等の活性水
素を持つ官能基を付与することが好ましい。好ましい量
は0.1meq/g〜2meq/gである。結合剤の分
子量は質量平均分子量で1万〜20万が好ましく、さら
に好ましくは2万〜10万である。質量平均分子量で1
万〜20万とすることで、高い塗膜強度と分散性を維持
することができる。
性を向上させるため、これらの粉体表面に吸着する官能
基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい官能基と
しては−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−O
PO(OM)2、−COOM、>NSO3M、>NRSO
3M、−NR1R2、−N+R1R2R3X−、等がある。こ
こでMは水素またはNa、K等のアルカリ金属、Rはア
ルキレン基、R1、R2、R3はそれぞれ、アルキル基、
ヒドロキシアルキル基および水素のいずれか、XはC
l、Br等のハロゲン原子である。結合剤中の官能基の
量は10μeq/g〜200μeq/gが好ましく、3
0μeq/g〜120μeq/gがより好ましい。10
μeq/g〜200μeq/gの範囲とすることで、高
い分散性を維持することができる。結合剤には吸着官能
基のほかにイソシアネート硬化剤と反応して架橋構造を
形成し塗膜強度を向上させるために−OH基等の活性水
素を持つ官能基を付与することが好ましい。好ましい量
は0.1meq/g〜2meq/gである。結合剤の分
子量は質量平均分子量で1万〜20万が好ましく、さら
に好ましくは2万〜10万である。質量平均分子量で1
万〜20万とすることで、高い塗膜強度と分散性を維持
することができる。
【0036】好ましい結合剤であるポリウレタン樹脂
は、例えば「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬
治編、1986年、日刊工業新聞社)に詳しく記載され
ているが、通常、長鎖ジオール、短鎖ジオール(鎖延長
剤と呼ばれることもある)とジイソシアネート化合物と
の付加重合によって得られる。長鎖ジオールとしては分
子量500〜5000のポリエステルジオール、ポリエ
ーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリ
カーボネートジオール、ポリオレフィンジオール等が用
いられる。この長鎖ポリオールの種類によりポリエステ
ルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルエス
テルウレタン、ポリカーボネートウレタン等と呼ばれ
る。
は、例えば「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬
治編、1986年、日刊工業新聞社)に詳しく記載され
ているが、通常、長鎖ジオール、短鎖ジオール(鎖延長
剤と呼ばれることもある)とジイソシアネート化合物と
の付加重合によって得られる。長鎖ジオールとしては分
子量500〜5000のポリエステルジオール、ポリエ
ーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリ
カーボネートジオール、ポリオレフィンジオール等が用
いられる。この長鎖ポリオールの種類によりポリエステ
ルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルエス
テルウレタン、ポリカーボネートウレタン等と呼ばれ
る。
【0037】ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は0〜
200℃が好ましく、40〜160℃がより好ましい。
0℃より低いと耐久性が低下することがあり、200℃
より高すぎるとカレンダー成形性が低下し電磁変換特性
が低下することがある。
200℃が好ましく、40〜160℃がより好ましい。
0℃より低いと耐久性が低下することがあり、200℃
より高すぎるとカレンダー成形性が低下し電磁変換特性
が低下することがある。
【0038】ポリウレタン樹脂に前述した吸着する官能
基(極性基)を導入する方法としては官能基を長鎖ジオ
ールのモノマーの一部に用いる方法;短鎖ジオールの一
部に用いる方法;ポリウレタンを重合した後、高分子反
応で極性基を導入する方法;等を適用することができ
る。
基(極性基)を導入する方法としては官能基を長鎖ジオ
ールのモノマーの一部に用いる方法;短鎖ジオールの一
部に用いる方法;ポリウレタンを重合した後、高分子反
応で極性基を導入する方法;等を適用することができ
る。
【0039】好ましい結合剤である塩化ビニル系樹脂と
しては、塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合
したものが用いられる。共重合モノマーとしては酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル
類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート
等のアクリレート、メタクリレート類、アリルメチルエ
ーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテ
ル、アリルブチルエーテル等のアルキルアリルエーテル
類、その他、スチレン、αメチルスチレン、塩化ビニリ
デン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アク
リルアミド、更に官能基をもつ共重合モノマーとしてビ
ニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリ
ルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、
p−ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、
アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリ
レート、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メ
タ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレー
ト、p−スチレンスルホン酸、およびこれらのNa塩、
K塩などが用いられる。なお、「(メタ)アクリレー
ト」は、アクリレートおよびメタクリレートの少なくと
もいずれか一方を含有するものを意味する。
しては、塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合
したものが用いられる。共重合モノマーとしては酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル
類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート
等のアクリレート、メタクリレート類、アリルメチルエ
ーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテ
ル、アリルブチルエーテル等のアルキルアリルエーテル
類、その他、スチレン、αメチルスチレン、塩化ビニリ
デン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アク
リルアミド、更に官能基をもつ共重合モノマーとしてビ
ニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリ
ルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、
p−ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、
アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリ
レート、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メ
タ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレー
ト、p−スチレンスルホン酸、およびこれらのNa塩、
K塩などが用いられる。なお、「(メタ)アクリレー
ト」は、アクリレートおよびメタクリレートの少なくと
もいずれか一方を含有するものを意味する。
【0040】塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルモノマー
の含有量は60〜95質量%が好ましい。60質量%よ
り少ないと力学強度が低下することがあり、95質量%
より多すぎると溶剤溶解性が低下し、溶液粘度が高く分
散性が低下することがある。吸着官能基(極性基)、ポ
リイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めるための官
能基の好ましい量は前述したとおりである。これらの官
能基の導入方法は上記の官能基含有モノマーを共重合し
てもよいし、塩化ビニル系樹脂を共重合した後、高分子
反応で官能基を導入してもよい。好ましい重合度は20
0〜600、さらに好ましくは240〜450である。
重合度が200〜600範囲より小さいと力学強度が低
下することがあり、高すぎると溶液粘度が高く分散性が
低下することがある。
の含有量は60〜95質量%が好ましい。60質量%よ
り少ないと力学強度が低下することがあり、95質量%
より多すぎると溶剤溶解性が低下し、溶液粘度が高く分
散性が低下することがある。吸着官能基(極性基)、ポ
リイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めるための官
能基の好ましい量は前述したとおりである。これらの官
能基の導入方法は上記の官能基含有モノマーを共重合し
てもよいし、塩化ビニル系樹脂を共重合した後、高分子
反応で官能基を導入してもよい。好ましい重合度は20
0〜600、さらに好ましくは240〜450である。
重合度が200〜600範囲より小さいと力学強度が低
下することがあり、高すぎると溶液粘度が高く分散性が
低下することがある。
【0041】結合剤を架橋、硬化させ塗膜の力学強度や
耐熱性を高めるために硬化剤を用いることができる。好
ましい硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物があ
る。ポリイソシアネート化合物は3官能以上のポリイソ
シアネートが好ましい。具体的にはTMP(トリメチロ
ールプロパン)にTDI(トリレンジイソシアネート)
を3モル付加した化合物、TMPにHDI(ヘキサメチ
レンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TM
PにIPDI(イソホロンジイソシアネート)を3モル
付加した化合物、TMPにXDI(キシリレンジイソシ
アート)を3モル付加した化合物、等アダクト型ポリイ
ソシアネート化合物、TDIの縮合イソシアヌレート型
3量体、TDIの縮合イソシアヌレート5量体、TDI
の縮合イソシアヌレート7量体、およびこれらの混合
物。HDIのイソシアヌレート型縮合物、IPDIのイ
ソシアヌレート型縮合物、さらにクルードMDI等があ
る。これらの中で好ましいのはTMPにTDIを3モル
付加した化合物、TDIのイソシアヌレート型3量体等
である。
耐熱性を高めるために硬化剤を用いることができる。好
ましい硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物があ
る。ポリイソシアネート化合物は3官能以上のポリイソ
シアネートが好ましい。具体的にはTMP(トリメチロ
ールプロパン)にTDI(トリレンジイソシアネート)
を3モル付加した化合物、TMPにHDI(ヘキサメチ
レンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TM
PにIPDI(イソホロンジイソシアネート)を3モル
付加した化合物、TMPにXDI(キシリレンジイソシ
アート)を3モル付加した化合物、等アダクト型ポリイ
ソシアネート化合物、TDIの縮合イソシアヌレート型
3量体、TDIの縮合イソシアヌレート5量体、TDI
の縮合イソシアヌレート7量体、およびこれらの混合
物。HDIのイソシアヌレート型縮合物、IPDIのイ
ソシアヌレート型縮合物、さらにクルードMDI等があ
る。これらの中で好ましいのはTMPにTDIを3モル
付加した化合物、TDIのイソシアヌレート型3量体等
である。
【0042】イソシアネート系硬化剤以外に電子線ある
いは紫外線等の放射線硬化型の硬化剤を用いても良い。
この場合放射線硬化官能基としてアクリロイル基または
メタクリロイル基を分子内に2個以上、好ましくは3個
以上有する硬化剤を用いることができる。例えばTMP
(トリメチロールプロパン)のトリアクリレート、ペン
タエリスリトールのテトラアクリレート、ウレタンアク
リレートオリゴマー等がある。この場合、硬化剤のほか
に結合剤にも(メタ)アクリロイル基を導入するのが好
ましい。紫外線硬化の場合はこのほかに光増感剤が併用
される。硬化剤は結合剤100質量部に対して0〜80
質量部添加するのが好ましい。多すぎると分散性が低下
する。
いは紫外線等の放射線硬化型の硬化剤を用いても良い。
この場合放射線硬化官能基としてアクリロイル基または
メタクリロイル基を分子内に2個以上、好ましくは3個
以上有する硬化剤を用いることができる。例えばTMP
(トリメチロールプロパン)のトリアクリレート、ペン
タエリスリトールのテトラアクリレート、ウレタンアク
リレートオリゴマー等がある。この場合、硬化剤のほか
に結合剤にも(メタ)アクリロイル基を導入するのが好
ましい。紫外線硬化の場合はこのほかに光増感剤が併用
される。硬化剤は結合剤100質量部に対して0〜80
質量部添加するのが好ましい。多すぎると分散性が低下
する。
【0043】当該磁気記録媒体においては、支持体と磁
性層の間に無機粉末と結合剤からなる非磁性層を設ける
ことが好ましい。非磁性層に使用する無機粉末として、
金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金
属炭化物、金属硫化物等を例示することができる。なか
でも、入手の容易性、コスト、粒度分布のコントロール
の容易性等から、酸化チタンまたはα−酸化鉄を使用す
るのが特に好ましい。α−酸化鉄は、針状または紡錘形
状のものが好ましく、長軸長の平均サイズが0.05〜
0.3μmの範囲、長軸長と短軸長との比(長軸長/短
軸長)が3〜10の範囲にあって、pHが8〜11の範
囲にあるものが好ましい。他方、酸化チタンは球状のも
のであって、その比表面積が50〜80m2/gの範囲
にあり、pHが8〜11の範囲にあるものが好ましい。
また、その粒子径は0.01〜0.1μmのものが好ま
しい。非磁性層の結合剤としては、前述の磁性層の結合
剤として記載したものを使用することができる。非磁性
層における結合剤の量は非磁性粒子に対して、5〜25
質量%の範囲内が好ましい。非磁性層には、磁気記録媒
体の表面電気抵抗Rsを低下させる目的、磁性面に垂直
な方向での磁気記録媒体の光透過率を小さくする目的、
非磁性層のマイクロビッカーズ硬度を所望の範囲(好ま
しくは30〜50kg/mm2の範囲)とする目的等、
種々の目的のために、カーボンブラックを含有させてお
くことが好ましい。カーボンブラックの含有量は非磁性
粒子の1〜50質量%の範囲で含有させることが好まし
い。
性層の間に無機粉末と結合剤からなる非磁性層を設ける
ことが好ましい。非磁性層に使用する無機粉末として、
金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金
属炭化物、金属硫化物等を例示することができる。なか
でも、入手の容易性、コスト、粒度分布のコントロール
の容易性等から、酸化チタンまたはα−酸化鉄を使用す
るのが特に好ましい。α−酸化鉄は、針状または紡錘形
状のものが好ましく、長軸長の平均サイズが0.05〜
0.3μmの範囲、長軸長と短軸長との比(長軸長/短
軸長)が3〜10の範囲にあって、pHが8〜11の範
囲にあるものが好ましい。他方、酸化チタンは球状のも
のであって、その比表面積が50〜80m2/gの範囲
にあり、pHが8〜11の範囲にあるものが好ましい。
また、その粒子径は0.01〜0.1μmのものが好ま
しい。非磁性層の結合剤としては、前述の磁性層の結合
剤として記載したものを使用することができる。非磁性
層における結合剤の量は非磁性粒子に対して、5〜25
質量%の範囲内が好ましい。非磁性層には、磁気記録媒
体の表面電気抵抗Rsを低下させる目的、磁性面に垂直
な方向での磁気記録媒体の光透過率を小さくする目的、
非磁性層のマイクロビッカーズ硬度を所望の範囲(好ま
しくは30〜50kg/mm2の範囲)とする目的等、
種々の目的のために、カーボンブラックを含有させてお
くことが好ましい。カーボンブラックの含有量は非磁性
粒子の1〜50質量%の範囲で含有させることが好まし
い。
【0044】また、非磁性層には潤滑剤としての脂肪酸
を含有させておくことが好ましい。この脂肪酸は、磁性
層の表面へ少しずつマイグレートして、常に一定の動摩
擦係数を与える機能を有する。好適な脂肪酸は、炭素数
12〜24の飽和または不飽和の一塩基性脂肪酸であ
り、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リ
ノレイン酸、エライジン酸等を挙げることができ、特に
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、オレイン酸が好ましい。下層塗布層への
脂肪酸の添加量は、非磁性粒子に対して0.3〜3質量
%の範囲から選ばれる。
を含有させておくことが好ましい。この脂肪酸は、磁性
層の表面へ少しずつマイグレートして、常に一定の動摩
擦係数を与える機能を有する。好適な脂肪酸は、炭素数
12〜24の飽和または不飽和の一塩基性脂肪酸であ
り、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リ
ノレイン酸、エライジン酸等を挙げることができ、特に
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、オレイン酸が好ましい。下層塗布層への
脂肪酸の添加量は、非磁性粒子に対して0.3〜3質量
%の範囲から選ばれる。
【0045】本発明の磁性層あるいは非磁性層に使用さ
れるその他の添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、
分散効果、可塑効果、等を持つものが使用される。二硫
化モリブデン、二硫化タングステン、グラフアイト、窒
化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持
つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリ
コーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、
ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキルリン酸エス
テルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステル
およびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フ
ッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属
塩、炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも、また分
岐していても良い一塩基性脂肪酸、および、これらの金
属塩(Li、Na、K、Cu等)または、炭素数12〜
22の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い
一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール、炭素
数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐してい
てもよいアルコキシアルコール、炭素数10〜24の不
飽和結合を含んでも、また分岐していてもよい一塩基性
脂肪酸と炭素数2〜12の不飽和結合を含んでも、また
分岐していてもよい一価、二価、三価、四価、五価、六
価アルコールのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エス
テルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステ
ル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテル
の脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭
素数8〜22の脂肪族アミン、等が使用できる。これら
の具体例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、
ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリ
ン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン
酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレ
ート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒド
ロソルビタントリステアレート、オレイルアルコール、
ラウリルアルコールが挙げられる。
れるその他の添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、
分散効果、可塑効果、等を持つものが使用される。二硫
化モリブデン、二硫化タングステン、グラフアイト、窒
化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持
つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリ
コーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、
ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキルリン酸エス
テルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステル
およびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フ
ッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属
塩、炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも、また分
岐していても良い一塩基性脂肪酸、および、これらの金
属塩(Li、Na、K、Cu等)または、炭素数12〜
22の不飽和結合を含んでも、また分岐していても良い
一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール、炭素
数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐してい
てもよいアルコキシアルコール、炭素数10〜24の不
飽和結合を含んでも、また分岐していてもよい一塩基性
脂肪酸と炭素数2〜12の不飽和結合を含んでも、また
分岐していてもよい一価、二価、三価、四価、五価、六
価アルコールのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エス
テルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステ
ル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテル
の脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭
素数8〜22の脂肪族アミン、等が使用できる。これら
の具体例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、
オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、
ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリ
ン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン
酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレ
ート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒド
ロソルビタントリステアレート、オレイルアルコール、
ラウリルアルコールが挙げられる。
【0046】また、アルキレンオキサイド系、グリセリ
ン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオ
キサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミ
ン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダン
トイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニ
ウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スル
ホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基、
等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、ア
ミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン
酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性
剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、
「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に
記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ず
しも純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副
反応物、分解物、酸化物、等の不純分が含まれてもかま
わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、
さらに好ましくは10質量%以下である。
ン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオ
キサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミ
ン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダン
トイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニ
ウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スル
ホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基、
等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、ア
ミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン
酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性
剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、
「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に
記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ず
しも純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副
反応物、分解物、酸化物、等の不純分が含まれてもかま
わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、
さらに好ましくは10質量%以下である。
【0047】潤滑剤、界面活性剤は、非磁性層、磁性層
でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。
例えば、非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い
表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエ
ステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活
性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤
滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させ
る等が考えられ、無論ここに示した例のみに限られるも
のではない。また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性層あるいは下層用の塗布液の製造
時のいずれの工程で添加してもよい。
でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。
例えば、非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い
表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエ
ステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活
性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤
滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させ
る等が考えられ、無論ここに示した例のみに限られるも
のではない。また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性層あるいは下層用の塗布液の製造
時のいずれの工程で添加してもよい。
【0048】これら潤滑剤としては、具体的には日本油
脂製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−
42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオン
E−208、アノンBF、アノンLG、ブチルステアレ
ート、ブチルラウレート、エルカ酸、関東化学製:オレ
イン酸、竹本油脂製:FAL−205、FAL−12
3、新日本理化製:エヌジエルブOL、信越化学製:T
A−3,ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオ
ン社製、デュオミンTDO、日清製油製:BA−41
G、三洋化成製:プロフアン2012E,ニューポール
PE61,イオネットMS−400等が挙げられる。
脂製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−
42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオン
E−208、アノンBF、アノンLG、ブチルステアレ
ート、ブチルラウレート、エルカ酸、関東化学製:オレ
イン酸、竹本油脂製:FAL−205、FAL−12
3、新日本理化製:エヌジエルブOL、信越化学製:T
A−3,ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオ
ン社製、デュオミンTDO、日清製油製:BA−41
G、三洋化成製:プロフアン2012E,ニューポール
PE61,イオネットMS−400等が挙げられる。
【0049】本発明のナノ粒子を磁性層に含有する磁気
記録媒体は、例えば、走行下にある支持体の表面に磁性
層塗布液を公知の手段により塗布して乾燥等を行って磁
性層を形成し、非磁性層等の層についても公知の手段に
より形成することで、製造することができる。磁性層の
乾燥後の層厚は3nm〜3μmとすることが好ましく、
5nm〜0.2μmとすることがより好ましい。3nm
未満では、磁性ナノ粒子が存在しない部分ができること
があり、高記録密度とした場合、記録されるのは磁性層
表面であり、厚さ3μmを超える磁性層は実質上意味が
ない。なお、磁性層を形成する前に、公知の手段により
下層塗布層等の公知の層を形成してもよい。また、複数
の磁性層塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよ
く、下層層形成のための下塗り層塗布液と磁性層塗布液
とを逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性
塗布液もしくは下層塗布液を塗布するための塗布機とし
ては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッド
コート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャ
ストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用で
きる。これらについては例えば、株式会社総合技術セン
ター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月
31日)を参考にできる。なお、磁性層塗布液として
は、本発明のナノ粒子を含有していれば、特に限定され
るものではない。
記録媒体は、例えば、走行下にある支持体の表面に磁性
層塗布液を公知の手段により塗布して乾燥等を行って磁
性層を形成し、非磁性層等の層についても公知の手段に
より形成することで、製造することができる。磁性層の
乾燥後の層厚は3nm〜3μmとすることが好ましく、
5nm〜0.2μmとすることがより好ましい。3nm
未満では、磁性ナノ粒子が存在しない部分ができること
があり、高記録密度とした場合、記録されるのは磁性層
表面であり、厚さ3μmを超える磁性層は実質上意味が
ない。なお、磁性層を形成する前に、公知の手段により
下層塗布層等の公知の層を形成してもよい。また、複数
の磁性層塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよ
く、下層層形成のための下塗り層塗布液と磁性層塗布液
とを逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性
塗布液もしくは下層塗布液を塗布するための塗布機とし
ては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッド
コート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャ
ストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用で
きる。これらについては例えば、株式会社総合技術セン
ター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月
31日)を参考にできる。なお、磁性層塗布液として
は、本発明のナノ粒子を含有していれば、特に限定され
るものではない。
【0050】二層以上の磁性層を有する構成の磁気記録
媒体に適用する場合、塗布する装置、方法の例として
は、下記(1)〜(3)の装置および方法を挙げること
ができる。
媒体に適用する場合、塗布する装置、方法の例として
は、下記(1)〜(3)の装置および方法を挙げること
ができる。
【0051】(1)磁性層塗布液を塗布する際一般的に
適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルー
ジョン等の塗布装置により、まず下層を塗布し、下層が
未乾燥の状態のうちに特公平1−46186号公報、特
開昭60−238179号公報、特開平2−26567
2号公報等に開示されているような支持体加圧型エクス
トルージョン塗布装置により、上層を塗布する。 (2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17
971号公報、特開平2−265672号公報に開示さ
れているような塗布液通液スリットを2個有する一つの
塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)特開平2−174965号公報に開示されている
ようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルー
ジョン等の塗布装置により、まず下層を塗布し、下層が
未乾燥の状態のうちに特公平1−46186号公報、特
開昭60−238179号公報、特開平2−26567
2号公報等に開示されているような支持体加圧型エクス
トルージョン塗布装置により、上層を塗布する。 (2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17
971号公報、特開平2−265672号公報に開示さ
れているような塗布液通液スリットを2個有する一つの
塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)特開平2−174965号公報に開示されている
ようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0052】支持体の磁性層塗布液が塗布されていない
面にバックコート層(バッキング層)が設けられていて
もよい。バックコート層は、支持体の磁性層塗布液が塗
布されていない面に、研磨材、帯電防止剤等の粒状成分
と結合剤とを有機溶剤に分散したバックコート層形成塗
料を塗布して設けられた層である。粒状成分として各種
の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、
また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独ま
たはこれらを混合して使用することができる。なお、支
持体の磁性層塗布液およびバックコート層形成塗料の塗
布面に接着剤層が設けられいてもよい。
面にバックコート層(バッキング層)が設けられていて
もよい。バックコート層は、支持体の磁性層塗布液が塗
布されていない面に、研磨材、帯電防止剤等の粒状成分
と結合剤とを有機溶剤に分散したバックコート層形成塗
料を塗布して設けられた層である。粒状成分として各種
の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、
また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹
脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独ま
たはこれらを混合して使用することができる。なお、支
持体の磁性層塗布液およびバックコート層形成塗料の塗
布面に接着剤層が設けられいてもよい。
【0053】磁性層塗布液の塗布層は、磁性層塗布液の
塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施した
後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布層
に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たとえ
ばスーパーカレンダーロール等が利用される。表面平滑
化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって
生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向
上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得るこ
とができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、
ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性
プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理
することもできる。
塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施した
後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布層
に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たとえ
ばスーパーカレンダーロール等が利用される。表面平滑
化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって
生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向
上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得るこ
とができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、
ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性
プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理
することもできる。
【0054】磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さ
が、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜5n
m、好ましくは1〜4nmの範囲という極めて優れた平
滑性を有する表面であることが高密度記録用の磁気記録
媒体として好ましい。その方法として、例えば上述した
ように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性
層を上記カレンダー処理を施すことにより行われる。カ
レンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を
60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範
囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力
は100〜500kg/cmの範囲であり、好ましくは
200〜450kg/cmの範囲であり、特に好ましく
は300〜400kg/cmの範囲の条件で作動させる
ことによって行われることが好ましい。得られた磁気記
録媒体は、裁断機等を使用して所望の大きさに裁断して
使用することができる。
が、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜5n
m、好ましくは1〜4nmの範囲という極めて優れた平
滑性を有する表面であることが高密度記録用の磁気記録
媒体として好ましい。その方法として、例えば上述した
ように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性
層を上記カレンダー処理を施すことにより行われる。カ
レンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を
60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範
囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力
は100〜500kg/cmの範囲であり、好ましくは
200〜450kg/cmの範囲であり、特に好ましく
は300〜400kg/cmの範囲の条件で作動させる
ことによって行われることが好ましい。得られた磁気記
録媒体は、裁断機等を使用して所望の大きさに裁断して
使用することができる。
【0055】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】(実施例1)
(1)ナノ粒子の製造:蒸留水に、還元電位が貴な金属
の還元剤としてエタノールを添加して混合溶液(蒸留
水:エタノール=1:1(体積比))を調製し、該混合
溶液に還元電位が貴な金属の前駆体であるH2PtCl6
・6H2Oを溶解し、Pt濃度が1.2μmol/ml
のPt含有溶液を100ml調製した。調製したPt含
有溶液にポリマーである重量平均分子量40000のP
VPを0.3g溶解した後、100℃で還流を行った
(第一の還元反応)。
の還元剤としてエタノールを添加して混合溶液(蒸留
水:エタノール=1:1(体積比))を調製し、該混合
溶液に還元電位が貴な金属の前駆体であるH2PtCl6
・6H2Oを溶解し、Pt濃度が1.2μmol/ml
のPt含有溶液を100ml調製した。調製したPt含
有溶液にポリマーである重量平均分子量40000のP
VPを0.3g溶解した後、100℃で還流を行った
(第一の還元反応)。
【0057】還流後、さらに還元電位が卑な金属の前駆
体であるFeSO4・7H2Oの12μmol/ml水溶
液1mlと蒸留水14mlとを加え、還元電位が卑な金
属の還元剤として1gのNaBH4を15mlの蒸留水
に溶解したものを添加した(第二の還元反応)。その
後、真空脱気することで液を濃縮し、溶液中に分散した
Pt−Feナノ粒子を製造した。なお、上記操作は、全
てAr雰囲気下で行った。
体であるFeSO4・7H2Oの12μmol/ml水溶
液1mlと蒸留水14mlとを加え、還元電位が卑な金
属の還元剤として1gのNaBH4を15mlの蒸留水
に溶解したものを添加した(第二の還元反応)。その
後、真空脱気することで液を濃縮し、溶液中に分散した
Pt−Feナノ粒子を製造した。なお、上記操作は、全
てAr雰囲気下で行った。
【0058】(2)ナノ粒子であることの確認
製造したナノ粒子分散液をTEM(加速電圧300KV
の日立製作所製透過電子顕微鏡)観察用のメッシュに乗
せ乾燥することでTEM観察用のサンプルを作製し、T
EMによる観察を行った。この結果、体積平均粒径4n
mのナノ粒子であることが確認された。なお、測定条件
としては、加速電圧を300kVとし、30万倍の倍率
で撮影後、引きのばしで150万倍とした。粒径は画像
処理装置に読み込み評価した。
の日立製作所製透過電子顕微鏡)観察用のメッシュに乗
せ乾燥することでTEM観察用のサンプルを作製し、T
EMによる観察を行った。この結果、体積平均粒径4n
mのナノ粒子であることが確認された。なお、測定条件
としては、加速電圧を300kVとし、30万倍の倍率
で撮影後、引きのばしで150万倍とした。粒径は画像
処理装置に読み込み評価した。
【0059】(3)組成分析:ICP(高周波誘導結合
プラズマ)測定装置(SEIKO社製、SPS1200
A)を用い、全体のPtとFeとのモル比(Pt/F
e)を求めた。なお、上記モル比は、Pt、Fe標準液
を用いて検量線を作成し、試料液と比較することで、P
tとFeとのモル比を求めた。
プラズマ)測定装置(SEIKO社製、SPS1200
A)を用い、全体のPtとFeとのモル比(Pt/F
e)を求めた。なお、上記モル比は、Pt、Fe標準液
を用いて検量線を作成し、試料液と比較することで、P
tとFeとのモル比を求めた。
【0060】また、加速電圧200KVの日本電子製の
電界放射電子顕微鏡(FETEM)を用い粒子内の組成
分析を行い、Pt核の有無を調査し、コアシェル構造で
あるかどうかを調査した。なお、測定条件は、加速電圧
を200kVとし、ビーム径を1nmとした。
電界放射電子顕微鏡(FETEM)を用い粒子内の組成
分析を行い、Pt核の有無を調査し、コアシェル構造で
あるかどうかを調査した。なお、測定条件は、加速電圧
を200kVとし、ビーム径を1nmとした。
【0061】(4)X線回折:水晶の無反射試料板上に
調製したナノ粒子分散液を乗せ乾燥する事でX線回折用
サンプルを作製した。理学電機製X線回折装置で管電圧
50kV、管電流300mAの条件でCuKα線を発生
させゴニオメータを用いた粉末法でX線回折を行って結
晶系の調査を行った。
調製したナノ粒子分散液を乗せ乾燥する事でX線回折用
サンプルを作製した。理学電機製X線回折装置で管電圧
50kV、管電流300mAの条件でCuKα線を発生
させゴニオメータを用いた粉末法でX線回折を行って結
晶系の調査を行った。
【0062】(5)磁気特性:磁気特性(保持力)は東
英工業製の高感度磁化ベクトル測定機と同社製DATA
処理装置を使用し、印加磁場790kA/m(10kO
e)で測定した。
英工業製の高感度磁化ベクトル測定機と同社製DATA
処理装置を使用し、印加磁場790kA/m(10kO
e)で測定した。
【0063】上記(2)〜(5)の測定結果を下記表1
に示す。
に示す。
【0064】(実施例2、3および比較例1、2)還元
電位が卑な金属の前駆体であるFeSO4・7H2Oの1
2μmol/ml水溶液および蒸留水の添加量を下記表
1のようにした以外は、実施例1と同様にしてナノ粒子
を製造し、実施例1と同様の測定(上記(2)〜
(5))を行った。結果を下記表1に示す。なお、TE
M観察の結果、いずれのナノ粒子も体積平均粒径が4n
mであった。
電位が卑な金属の前駆体であるFeSO4・7H2Oの1
2μmol/ml水溶液および蒸留水の添加量を下記表
1のようにした以外は、実施例1と同様にしてナノ粒子
を製造し、実施例1と同様の測定(上記(2)〜
(5))を行った。結果を下記表1に示す。なお、TE
M観察の結果、いずれのナノ粒子も体積平均粒径が4n
mであった。
【0065】
【表1】
【0066】表1より、実施例1〜3のナノ粒子は、い
ずれもPtがFeより多い状態でPt核(Ptコア)が
存在し、いわゆるコアシェル構造となっており、比較例
1、2に比べ高い保持力を有し、硬磁性であることがわ
かった。
ずれもPtがFeより多い状態でPt核(Ptコア)が
存在し、いわゆるコアシェル構造となっており、比較例
1、2に比べ高い保持力を有し、硬磁性であることがわ
かった。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、熱処理を施さずに高い
硬磁性を示すナノ粒子、前記ナノ粒子を磁性層に含有す
る磁気記録媒体を提供することができる。
硬磁性を示すナノ粒子、前記ナノ粒子を磁性層に含有す
る磁気記録媒体を提供することができる。
【図1】 Pt−Feナノ粒子のX線回折図である。
【図2】 Pt−Feナノ粒子の熱分析結果を示す図で
ある。
ある。
【図3】 熱処理後のPt−Feナノ粒子のX線回折図
である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 還元電位が貴な金属粒子の表面に、還元
電位が卑な金属を含む硬磁性を有する合金が析出してい
ることを特徴とするナノ粒子。 - 【請求項2】 少なくとも磁性層を有する磁気記録媒体
であって、前記磁性層が、請求項1に記載のナノ粒子を
含有することを特徴とする磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001269255A JP2003073705A (ja) | 2001-09-05 | 2001-09-05 | ナノ粒子、磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2001269255A JP2003073705A (ja) | 2001-09-05 | 2001-09-05 | ナノ粒子、磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003073705A true JP2003073705A (ja) | 2003-03-12 |
Family
ID=19095108
Family Applications (1)
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JP2001269255A Pending JP2003073705A (ja) | 2001-09-05 | 2001-09-05 | ナノ粒子、磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003073705A (ja) |
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- 2001-09-05 JP JP2001269255A patent/JP2003073705A/ja active Pending
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