JP2597226B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2597226B2
JP2597226B2 JP2255229A JP25522990A JP2597226B2 JP 2597226 B2 JP2597226 B2 JP 2597226B2 JP 2255229 A JP2255229 A JP 2255229A JP 25522990 A JP25522990 A JP 25522990A JP 2597226 B2 JP2597226 B2 JP 2597226B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体に関し、特に優れた走行性、耐
久性を有する磁気記録媒体に関するものである。
〔従来の技術〕
磁気記録媒体の高密度化にともなって、磁性層の表面
性はより平滑になりそのために走行中における磁性層と
記録再生装置内の各部品との摩擦係数が増大し、磁気記
録媒体の円滑な走行が阻害されたり、磁性層が損傷され
る等の問題が顕著になってきた。
さらに、近年VTR、パーソナルコンピューター、ワー
ドプロセッサー等が一般民生用機器として普及するよう
になって磁気記録媒体の使用条件、なかでも温度湿度条
件が広範囲に渡るようになってきたため、耐久性を備え
た高品質の磁気記録媒体が望まれている。
このような問題に対処するため種々の潤滑剤が使用さ
れてきている。
即ち、従来、直鎖の脂肪酸を磁性層の潤滑剤として用
いることは特公昭51−39081号公報にも知られている。
しかし、例えば、ステアリン酸のような直鎖の脂肪酸は
μ値低減効果は高いが、m.p(融点)が高いために、白
粉が発生しやすく、DOやヘッド目詰まりが劣化した。そ
こで白粉防止のためには融点の低い分岐脂肪酸が種々提
案された。
例えば、特公昭48−15007号公報では磁性層中に融点2
0℃以下、炭素数12以上の分岐脂肪酸を含むことが知ら
れている。これはいづれも炭素鎖の異なる分岐脂肪酸で
ある。
また、特開昭59−172131号公報や特開昭59−172133号
公報ではナフテン酸を磁性層に含むことが知られてい
る。これらは環状の脂肪酸である。これらの炭素鎖の異
なる分岐脂肪酸や環状の脂肪酸は融点が低いがμ値低減
効果がなく、走行テンション改良には十分ではなかっ
た。
また、特開平2−56722号公報には分岐脂肪酸エステ
ルが開示されている。しかし、これはスチル耐久性は顕
著に改良できるが組み合わせて用いる脂肪酸が従来の脂
肪酸ではDO数やヘッド目詰まりという点では改善されな
い。従って、従来の脂肪酸を用いる限り、DO数、ヘッド
目詰まり、走行テンションを同時に解決することはでき
なかった。
〔発明の目的〕
本発明は、白粉発生を防止でき、かつ適切な走行テン
ションを維持できてヘッド目詰まりおよびDO数を低減で
きる磁気記録媒体を提供することを目的とするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤を含
む磁性層を設けてなる磁気記録媒体において、前記強磁
性粉末が強磁性金属粉末であり、前記磁性層中に下記一
般式(I)で示される分岐脂肪酸を含むことを特徴とす
る磁気記録媒体であり、これにより上記目的を達成でき
る。
R2CH(CH2mCOOH (I) 〔式中、RはCH3(CH2(但し、nは8以上の整数を
表す。)を表し、mは0または1を表す。〕 本発明は脂肪酸が同じ長い炭素鎖の分岐脂肪酸である
本発明の化合物を用いることによって高温高湿でのドロ
ップアウト(DO)やヘッド目詰まりを解消したもので同
時に走行テンションの改良を図ったものである。従来直
鎖の長い炭素鎖の脂肪酸(例えば、ステアリン酸)が優
れたμ値低減効果の故に潤滑剤として重用されてきた
が、60℃、80%RHのような条件で保存する強制テスト
(加速テスト)を行うと白粉が発生し、DOやヘッド目詰
まりが劣化した。そこで白粉防止のために融点の低い分
岐脂肪酸(例えば、イソステアリン酸など)を用いたと
ころ白粉発生は顕著に改良できたが、今度はμ値が上昇
し走行テンションが逆に劣化した。この原因を解析した
ところ従来容易に入手しうる分岐脂肪酸は長い炭素鎖と
短い炭素鎖の分岐脂肪酸であった。本発明では脂肪酸が
同じ、長い炭素鎖の分岐脂肪酸を用いることによって、
分岐による融点低下があり、白粉発生が顕著に改良され
ると共に、長い炭素鎖の分岐脂肪酸であるため、磁性層
表面での配向が極めて容易となり、μ値低下効果が極め
て大きく、走行テンションの改良が図られたものであ
る。即ち、本発明は直鎖脂肪酸の優れたμ値低減効果を
そのまま維持しつつ、分岐によって融点を低下し、白粉
発生防止を図ったものである。従来長い炭素鎖同志の分
岐脂肪酸は非常に作りにくく高価であるため、潤滑剤と
しての検討はされてなかったが、今回極めて優れた効果
があることを見出したものである。
また、本発明の化合物は、強磁性金属粉末と結合剤か
らなる塗布型磁気記録媒体なみならず、非磁性支持体上
に蒸着法等より金属薄膜を設けてなる磁性層を有する型
の磁気記録媒体にも磁性層に存在させることができるこ
とは明らかである。
本発明に使用される分岐脂肪酸(以下、本発明の化合
物ともいう。)の添加量は、強磁性金属粉末100重量部
当たり0.05〜10重量部、好ましくは、0.1〜3重量部で
ある。
本発明の化合物を磁性層に保持させる方法としては、
特に制限はないが、例示すれば、磁性層中に添加させる
方法と表面にトップコート(本発明の化合物を有機溶剤
に溶解して磁性層表面に塗布あるいは噴霧した後、乾燥
する方法、本発明の化合物を溶融して磁性層表面に塗着
させる方法、有機溶剤に本発明の化合物を溶解した溶液
に磁性層を浸漬して本発明の化合物を磁性層表面に吸着
させる方法、ラングミュアーブロジェット法等による)
する方法がある。
本発明の化合物のトップコートは5〜1500mg/m2、好
ましくは、10〜300mg/m2の範囲から選択できる。
使用量が上記範囲を越えると、表面に存在する本発明
の化合物が過剰になり、貼りつき、吸湿等の故障の原因
になることがあるだけでなく、磁性層の結合剤を可塑化
する作用により却って耐久性が低下する等の問題があ
る。
使用量がこの範囲を下まわると当然のことながら表面
量が不十分となり効果が得られない。
本発明の化合物は、一般式(I)においてnは8以
上、即ち、総炭素数は20以上であることが必要であり、
その上限は特に制限はないが、通常、好ましくはnは20
以下である。
また、より好ましい本発明の化合物の例としては、m
が1かつnが8または10の分岐脂肪酸およびmが0かつ
nが9、11または4の分岐脂肪酸である。
本発明は、融点20℃以下の分岐脂肪酸エステルを含む
ことが本発明の化合物の効果をより有効に発揮させるた
めに好ましい。このエステルの脂肪酸部分は本発明の化
合物である必要はない。
好ましい分岐脂肪酸エステルの例としては、分岐脂肪
酸部としては、炭素数10〜30、好ましくは、14〜22で、
アルコール部としては、炭素数3〜30、好ましくは、4
〜18である。
本発明に使用する強磁性金属粉末とは、主成分が金属
単体、合金等からなる粉体を意味し、粉体が全体的に強
磁性粉末であれば、一部非強磁性金属を含有してもよ
い。
本発明はその磁性層の中心線表面粗さが、15nm以下、
特に、5nm以下が好ましい。
本発明は、分散剤としてオレイン酸を含むことが好ま
しい。オレイン酸の添加量は、強磁性金属粉末100重量
部当たり0.1〜2重量部である。
また、磁性層にはフェニルホスホン酸、フェニルホス
ホン酸メチルエステル、フェニルホスホン酸ジメチルエ
ステル等のフェニルホスホン酸アルキルエステルを強磁
性金属粉末1モル当たり0.05〜1モル含むことが好まし
い。
また、磁性層にはフェニルスルフィン酸、フェニルス
ルフィン酸アルキルエステルを強磁性金属粉末1モル当
たり0.05〜1モル含むことが好ましい。
更に、磁性層にはフェニルスルフェン酸、フェニルス
ルフェン酸アルキルエステルを強磁性金属粉末1モル当
たり0.05〜1モル含むことが好ましい。
本発明の磁性層は好ましくは、超硬材料にて表面を研
削することより、本発明の化合物の機能をより効果的に
発揮させることができる。
該超硬材料としては、モース硬度7〜10の無機材料が
使用できるが、例示すれば、ダイヤモンド、サファイ
ア、アルミナ、タングステンカーバイド、チタンカーバ
イド、タンタルカーバイド、バナジウムカーバイド、ク
ロムカーバイド、炭化ケイ素等があるが、好ましくは、
ダイヤモンド、サファイア、アルミナ、コバルト含有タ
ングステンカーバイド(タングステンカーバイドに対し
Co5〜30wt%、好ましくは、7〜15wt%)、コバルト含
有タングステンカーバイド−チタンカーバイド等のあ
る。
本発明における該超硬材料を使用した磁性層の表面処
理方法としては、ブレードを磁性層に当接して表面の強
磁性粉末、研磨剤、帯電防止剤等の無機粉体の突起を切
断処理する塗布シートを用いた方法、ブレード法、ダイ
ヤモンドホイール(回転刃ブレード)等が用いられる。
塗布シートとしては、上記超硬材料0.01μm〜5μm
粒子を塗布したものが好ましい。
ブレードの形成は、上記超硬材料の粉末、好ましく
は、粒径0.1〜1.5μmのものを焼結したものが好まし
い。
ブレード法における該超硬材料の刃先角度は、5〜18
0度、好ましくは、5〜90度であり、磁気記録媒体がテ
ープの時、超硬材料の刃先角度は、0.1〜180度、好まし
くは、30〜100度、更に好ましくは60〜90度、上流側の
ラップ角度は60〜170度、好ましくは、80〜170度、下流
側のラップ角度は、0〜90度、テープに対する押しつけ
力は1〜100g、テープ張力は1〜300g、好ましくは、50
〜250g、テープ速度vは60〜1200m/min、好ましくは、2
00〜500m/minの範囲が好ましい。
ダイヤモンドホイール処理の場合は、テープ走行方向
と逆方向に該ホイールを回転させることが好ましく、接
触角度θを90〜180度、好ましくは120〜170度(θはホ
イールとテープとの接触部の角度)にて、押しつけ力は
1〜300g、張力は1〜300g、好ましくは、5〜120g、テ
ープ速度vは60〜1200m/min、好ましくは、200〜700m/m
inの範囲が好ましい。
本発明における超硬材料で表面処理が施された磁性層
表面は、Ra値(Cut off値が0.08mm)1〜15nm、好まし
くは、1〜10nm、微小突起は、10〜100nmで1×103〜1
×109個/mm2であることが好ましい。
上記超硬材料処理は、磁性層塗布後のカレンダー処理
の後に行うことが好ましい。
該カレンダー処理は、公知のカレンダーが使用できる
が、例示すれば、金属ロール同志、金属ロールと樹脂ロ
ール、あるいはこれらの組合せ等が挙げられ、一対以上
が使用できるが、好ましくは、金属ロールと弾性ロール
の多段ロールが望ましい。この場合、金属ロールの温度
は、50〜150℃、好ましくは70〜120℃の範囲である。ま
た、線圧は、100〜500kg/cm、、好ましくは200〜400kg/
cmの範囲である。また、搬送速度は40〜1000m/分、好ま
しくは100〜600m/分の範囲である。
本発明に使用する一般式(I)の分岐脂肪酸は市販品
(和光純薬工業(株)等)により入手できるが次の合成
法(例えば、Basic Principles of Organic Chemistry,
J.D.Roberts,M.C.Caserio,16章,Table 16・5に記載の
方法)により合成できる。
(合成法) 1.マロン酸エステルを用いる方法 2.アセト酢酸エステル類を用いる方法 本発明においては、本発明の化合物や上述した潤滑剤
以外の一般的な潤滑剤を混在させてもよい。
併用できる潤滑剤としては、飽和、不飽和の脂肪酸
(ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等)等及び
その金属石鹸、N置換・N未置換の脂肪酸アミド、脂肪
酸エステル(各種モノエステルをはじめソルビタン、グ
リセリン等多価エステルの脂肪酸エステル、多塩基酸の
エステル化物等)、エーテル結合を有するエステル化合
物、高級脂肪族アルコール、モノアルキルフォスフェー
ト、トリアルキルフォスフェート、パラフィン類、シリ
コーンオイル、脂肪酸変性シリコンオイル、動植物油、
鉱油、高級脂肪族アミン;グラファイト、シリカ、窒化
硼酸、弗化黒鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫
化モリブデン、二硫化タングステン等の無機微粒末;ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレ
ン−塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン
等のポリオレフィン系あるいはαオレフィン系樹脂粉
末、メラミン系樹脂微粉末、ポリイミド系樹脂微粉末等
のポリマー粉末;常温で液体の不飽和脂肪族炭化水素、
末端変成または未変成のパーフルオロアルキルポリエー
テル、フルオロカーボン類等が挙げられる。
これらの混在潤滑剤の好ましい使用量は、使用態様に
よって様々だが、おおむね、本発明の化合物の0.1倍〜
2倍の使用量である。
本発明に用いられる結合剤は、従来、磁気記録媒体用
の結合剤として使用されている公知の熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂およびこれ
らの混合物を使用することができる。
上記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルとビニルアルコー
ル、マレイン酸および/またはアクリル酸との共重合
体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル
・アクリロニトリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体等のビニル系共重合体、ニトロセルロース、セル
ロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテー
トブチレート樹脂などのセルロース誘導体、アルリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポ
リウレタン、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ア
ミノ樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ブタジエンアクリ
ロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン樹脂、フッ
素樹脂系樹脂等を挙げることができる。
これらの中で、塩化ビニル系樹脂は強磁性粉末の分散
性が高く好ましい。
上記熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては加熱により
分子量が極めて大きくなるものとなる物で、例えばフェ
ノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、硬化型ポ
リウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド
樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂、エポキシ−
ポリアミド樹脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分
子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの
混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシアネートプ
レポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイ
ソシアネートとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、
低分子量グリコール/高分子量ジオール/トリフェニル
メタントリイソシアネート等のポリイソシアネートの混
合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン樹脂及びこれらの混
合物等である。
上記放射線硬化型樹脂としては上記熱可塑性樹脂に放
射線硬化官能基として炭素−炭素不飽和結合を有する基
を結合させたものが用いられる。好ましい官能基として
はアクリロイル基、メタクリロイル基等がある。
以上列挙の結合剤分子中に、−OH基、−COOM基、−SO
3M基、−OSO3M基、−PO3M2基、−OPO3M2基、−NR2 5基、
−N R3 6Cl 基(但し、Mは水素、アルカリ金属又は
アンモニウムであり、一つの基の中に複数のMがあると
きは互いに同じでも異なってもよい。R5およびR6は水素
またはアルキル基を示す。又、Xはハロゲン原子を示
す。)、エポキシ基等の極性基を導入したものが好まし
い。極性基の含有量としては、極性基含有ポリマー1g当
たり10-7〜10-3当量が好ましく、さらには10-6〜10-4
量が好ましい範囲である。
以上列挙の高分子結合剤は単独または数種混合で使用
され、しばしばイソシアネート系の公知の架橋剤、例え
ば、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネ
ート化合物で、例えば、トリレンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート等および/あるいは放射線硬化型
ビニル系モノマー、あるいはオリゴマー、例えば、アク
リル酸エステル系モノマーまたはオリゴマーを添加して
硬化処理することができる。
本発明に使用される強磁性金属粉末の例としては、金
属分が75重量%以上であり、そして金属分の80重量%以
上が少なくとも1種類の強磁性金属あるいは合金(例、
Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Fe−Niな
ど)であり、該金属分の20重量%以下で他の成分(例、
Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Y、Mo、R
h、Pd、Ag、Sn、Sb、B、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、P
b、P、La、Ce、Pr、Nd、Te、Biなど)を含むものをあ
げることができる。また、上記強磁性金属分が少量の
水、水酸化物または酸化物を含むもので合ってもよい。
これらの強磁性金属粉末の製法は既知であり、本発明
で用いられる強磁性金属粉末についても公知の方法にし
たがって製造することができる。
強磁性金属粉末を形状・サイズは特に制限なく広く用
いることができる。形状としては針状、米粒状、球状、
立方体状、板状等いずれでもよいが、針状、板状が電磁
変換特性上好ましい。結晶子サイズ、比表面積も特に制
限はないが、結晶子サイズで400Å以下、SBETで30m2/g
以上が好ましい。強磁性金属粉末のpH、表面処理は特に
制限なく用いることができる。チタン、珪素、アルミニ
ウム等の元素を含む物質で表面処理されていてもよい
し、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル、ベンゾト
リアゾール等の含窒素複素環をもつ吸着性化合物の様な
有機化合物で処理されてもよい。好ましいpHはJIS K51
01A法で3〜11、好ましくは、6〜10である。
非磁性支持体の材質としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン2,6−ナフタレート等のポリエス
テル類;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン類、セルローストリアセテート等のセルロース誘導
体、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリイミドアミド
等の樹脂を用いることができ、必要に応じてアルミニウ
ム等の金属でメタライズしてあってもよいし、あるいは
アルミ箔、ステンレス箔等の金属箔であってもよい。
また支持体の形態は、テープ、ディスク、フィルム、
シート、カード、ドラムなどいずれでもよく、形態に応
じて種々の材料が選択される。
支持体の厚みは、3〜100μm、磁気テープとしては
好ましくは3〜20μm、磁気ディスクとしては20〜100
μmが通常使用される範囲である。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、さらにモース硬
度5以上の無機質粒子を含有することが好ましい。
使用される無機質粒子は、モース硬度が5以上であれ
ば特に制限はない。モース硬度が5以上の無機質粒子の
例としては、Al2O3(モース硬度9)、TiO(同6)、Ti
O2(同6.5)、SiO2(同7)、SnO2(同6.5)、Cr2O
3(同9)、およびα−Fe2O3(同5.5)を挙げることが
でき、これらを単独あるいは混合して用いることができ
る。
とくに好ましいのはモース硬度が8以上の無機質粒子
である。モース硬度が5よりも低い無機質粒子を用いた
場合には、磁性層から無機質粒子が脱落しやすく、また
ヘッドの研磨作用も殆どないため、ヘッド目詰まりを発
生しやすく、また走行耐久性も乏しくなる。
無機質粒子の含有量は、通常、強磁性粉末100重量部
に対して0.1〜20重量部の範囲であり、好ましくは1〜1
0重量部の範囲である。
また磁性層には上記の無機質粒子以外にも、カーボン
ブラック(特に、平均粒径が10〜300nm(ナノメートル;
10-9m)のもの)などを含有させることが望ましい。
つぎに本発明の磁気記録媒体を製造する方法の例を述
べる。
まず、強磁性粉末と結合剤、本発明の化合物、そして
必要に応じて、他の充填材、添加剤などを溶剤と混練
し、磁性塗料を調製する。混練の際に使用する溶剤とし
ては、磁性塗料の調製に通常使用されている溶剤を使用
することができる。
混練と方法にも特に制限はなく、また各成分の添加順
序などは適宜設定することができる。
例えば、充填材、添加剤や架橋剤を有機溶剤に溶解し
たものを用意しておき、溶剤・結合剤・強磁性金属粉末
等で調製した強磁性粉末分散液に添加することもでき
る。
磁性塗料を調製する際には、分散剤、帯電防止剤、潤
滑剤等の公知の添加剤を併せて使用することもできる。
分散剤の例としては、炭素数12〜22の脂肪酸、その塩
またはエステル化物およびその化合物の水素の一部ある
いは全部をフッ素原子で置換した化合物、上記の脂肪酸
のアミド、脂肪族アミン、高級アルコール、サルコシネ
ート類、アルキルエーテルエステル類、トリアルキルポ
リオレフィン、オキシアンモニウム塩およびレシチンな
どの公知の分散剤を挙げることができる。
分散剤を使用する場合は、通常は使用する強磁性粉末
100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲で使用される。
帯電防止剤の例としては、カーボンブラック、カーボ
ンブラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末;サポ
ニンなどの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、
グリセリン系およびグリシドール系などのノニオン系界
面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム
塩類、ピリジンその他の複素環化合物の塩類、ホスホニ
ウムまたはスルホニウム類などのカチオン性界面活性
剤;カルボン酸、燐酸、硫酸エステル基、他の燐酸エス
テル基等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤;アミノ
酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸ま
たは燐酸エステル類等の両性界面活性剤等を挙げること
ができる。帯電防止剤として上記の導電性微粉末を使用
する場合には、例えば強磁性粉末100重量部に対し0.1〜
10重量部の範囲で使用され、界面活性剤を使用する場合
にも同様に0.12〜10重量部の範囲で使用される。
なお、上述した分散剤、帯電防止剤、潤滑剤などの添
加剤は、厳密に上述した作用効果のみを有するものであ
るとの限定の下に記載したものではなく、例えば、分散
剤が潤滑剤あるいは帯電防止剤として作用することも有
りうる。従って、上記分類により例示した化合物などの
効果作用が、上記分類に記載された事項に限定されない
ことは勿論であり、また複数の作用効果を奏する物質を
使用する場合には、添加量は、その作用効果を考慮して
決定することが好ましい。
このようにして調製された磁性塗料は前述の非磁性支
持体上に塗布される。このとき複数の磁性層塗料を逐次
あるいは同時に重層塗布してもよい。塗布は、前記非磁
性支持体上に直接行なうことも可能であるが、また、接
着剤層などの中間層を介して非磁性支持体上に塗布する
こともできる。ここでいう中間層とは接着剤単独の層ま
たは結合剤中にカーボンブラック等の非磁性微粒子を分
散してなる複合膜層等である。
カーボンブラックを含有する中間層は結合剤として磁
性層を用いられる種々の結合剤のなかから任意に選ぶこ
とができる。カーボンブラックの粒径は10〜50nm(ナノ
メートル;10-9m)のものが好ましく、バインダー:カー
ボンブラックは重量比にして100:10から100:150が好ま
しい。中間層の厚みは単なる接着剤層の場合0.1〜2μ
m、非磁性粉体を含む複合層の場合0.5〜1μmが好ま
しい。
中間層にはこのほか磁性層に用いている潤滑剤と同じ
または異なる潤滑剤を添加してもよい。
上記の強磁性粉末と結合剤の分散方法および支持体へ
の塗布方法などの詳細は特開昭54−46011号および同54
−21805号等の各公報に記載されている。
このようにして塗布される磁性層の厚さは、乾燥後の
厚さで一般には約0.5〜10μmの範囲、通常は0.7〜6.0
μmの範囲になるよう塗布される。
非磁性支持体上に塗布された磁性層は磁気記録媒体が
テープ状で使用される場合通常、磁性層中の強磁性粉末
を配向させる処理、即ち磁場配向処理を施したあと、乾
燥される。また逆にディスク状媒体の場合は磁気特性の
異方性をとりのぞくために、磁場による無配向処理が施
される。こののち必要により表面平滑化処理が施された
後、必要により熱硬化及び/あるいは放射線照射による
硬化処理後所望の形状に裁断する。
非磁性支持体の磁性層が設けられていない側の面に
は、公知のバック層が設けられていてもよい。
〔発明の効果〕
本発明は強磁性金属粉末を含む磁性層中に脂肪鎖の長
さが同じ分岐脂肪酸を用いることによってDO(ドロップ
アウト)数、ヘッド目詰まり、走行テンションを顕著に
改良できる。すなわち、本発明は脂肪鎖が同じ、長い炭
素鎖の分岐脂肪酸を用いることによって分岐による融点
降下があり、白粉発生が顕著に改良されると共に、長い
炭素鎖の分岐脂肪酸であるため、磁性層表面での配向が
極めて容易となり、μ値低下効果が極めて大きく、走行
テンションの改良が図られた。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例によって具体的に証明する。
尚、「部」とは「重量部」を意味する。
実施例1 下記磁性層組成物の〔I〕をニーダーに入れ充分混練
した後、〔II〕を投入し混合分散後、〔III〕を投入分
散し磁性塗布液を作製した。
磁性層組成物 この磁性塗布液を粘度調整した後7μmの非磁性支持
体のポリエチレンテレフタレート上に乾燥後塗布厚み2.
5μmで塗布し、3000ガウスの対向磁石で塗布進行方向
に磁場配向しながら下記条件で乾燥する。その後連続し
て磁性層をカレンダー処理し、磁性層中心線平均表面粗
さが4nmのテープを得た。磁性層を設けた非磁性支持体
の裏面側に下記バック層を0.4μm厚みで連続して設
け、熱処理を行った後、0.5吋にスリットした後ダイア
モンド刃で磁性層を表面処理し、テープを作製した。
バック層組成物 〔I〕 カーボンブラック(キャボット(株)製、BP800)100部 カーボンブラック(カンカルブ(株)製、サーマックス
MT) 1部 ニトロセルロース(ダイセル(株)製) 25部 ポリウレタン樹脂(東洋紡績(株)製、UR8600) 25部 フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド(株)製、PKHH)
10部 メチルエチルケトン 300部 〔II〕 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製、C304
0) 10 部 研磨剤:アルミナ(住友化学(株)製、Hit100) 0.3部 オレイン酸銅 0.1部 硫酸バリウム(堺化学(株)製、BF−1L) 0.1部 メチルエチルケトン 700 部 カレンダー処理条件 金属ロールと弾性ロールを交互に積み重ねた5段ロー
ルの装置を使用し下記条件んで行った。
金属ロールの温度:90℃ カレンダーの搬送スピード:150m/min 線圧:250kg/cm ダイヤモンド刃処理 鉄製の心材の周囲に1.5mmの厚さにダイアモンドを焼
結させたダイヤモンドホイール(直径25mm、幅25.6mm、
粒度2000番、オリエントダイア(株)製)を2000回転/
分で磁性層の走行方向と逆方向に回転させてテープを接
触角度80度で研磨した。
このテープを松下電器(株)製のM IIカセットに267m
巻き込んだ。
得られたテープの性能を下記条件で評価し、その結果
を用いた分岐脂肪酸が本発明のものを表1に比較例6の
他は本発明以外の分岐脂肪酸を用いたものを表2に示
す。
評価方法 1.DO数: 60度80%RHで3週間保存したあと松下電器(株)製M
II VTRにかけ、15μsec、−16dBのDOを測定し、1分間
当たりの数で示した。
20〜30個以下が有用なレベルである。
2.ヘッド目詰まり: 60度80%RHで3週間保存したあと松下電器(株)製M
II VTRで5度80%RHの環境において、全長走行の間で生
じたRF出力の落ち込みを測定、1dB以上の落ち込み回数
を調べた。
3.走行テンション: 23度60%RHにおける松下電器(株)製M II VTRでの走
行テンションをVTR用テンションゲージで測定した。
35g以下が有用なレベルである。
表1および2から明らかなように、本発明の化合物を
含む実施例1〜11は、DO数、ヘッド目詰まり、走行テン
ションが全て良好であるのに対し、本発明の化合物でな
い潤滑剤を使用した比較例1〜3では、走行テンション
は満足するが、DO数、ヘッド目詰まりが劣り、また、比
較例4〜6は、走行テンションが劣る。比較例6は、本
発明の化合物を使用しているが、添加量が多すぎるた
め、実施例1〜11に比して走行テンションが劣ると考え
られる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤を含
    む磁性層を設けてなる磁気記録媒体において、前記強磁
    性粉末が強磁性金属粉末であり、前記磁性層中に下記一
    般式(I)で示される分岐脂肪酸を含むことを特徴とす
    る磁気記録媒体。 R2CH(CH2mCOOH (I) 〔式中、RはCH3(CH2(但し、nは8以上の整数を
    表す。)を表し、mは0または1を表す。〕
  2. 【請求項2】前記磁性層中に前記一般式(I)において
    mが1かつnが8または10の分岐脂肪酸およびmが0か
    つnが9、11または14の分岐脂肪酸からなる群から選択
    される1種以上の分岐脂肪酸を前記強磁性金属粉末100
    重量部当たり0.1〜3重量部含むことを特徴とする請求
    項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記磁性層中に前記強磁性金属粉末100重
    量部当たり前記分岐脂肪酸を0.5〜3重量部含み、かつ
    融点が20℃以下の分岐脂肪酸エステルを含むことを特徴
    とする請求項1または2記載の磁気記録媒体。
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