JP2601362B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2601362B2
JP2601362B2 JP7697390A JP7697390A JP2601362B2 JP 2601362 B2 JP2601362 B2 JP 2601362B2 JP 7697390 A JP7697390 A JP 7697390A JP 7697390 A JP7697390 A JP 7697390A JP 2601362 B2 JP2601362 B2 JP 2601362B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒
体に関し、特に、広範囲の温湿度条件において走行性、
耐久性に優れる磁気記録媒体に関するものである。
〔従来の技術とその問題点〕
磁気記録媒体においては、より高密度記録の要求が高
まり、その一つの対応手段として磁性層の表面を平滑に
することが知られている。
また、強磁性型薄膜型磁気記録媒体も次世代の媒体と
して開発されている。
しかしながら、以上のような媒体において、電磁変換
特性向上のため磁性層の表面を平滑にすると磁気記録媒
体の走行中において磁性層と装置系との接触の摩擦係数
が増大する結果、短期間の使用で磁気記録媒体の磁性層
が損傷を受け、あるいは磁性層が剥離する傾向がある。
このような問題に対処するために磁性層塗布液に潤滑
剤を添加する方法、あるいは磁性層表面に潤滑剤を塗布
する方法が知られている。
潤滑剤としては、従来、鉱物油、シリコンオイル、高
級アルコール、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、牛脂、鯨
油、鮫油な動物油あるいは植物油などが用いられてき
た。
上記に示す従来の潤滑剤が少ない場合には、その潤滑
効果を高めるため多くすると、磁性塗膜の機械的強度は
弱くなり磁性層が割れ、削れ粉が走行経路を汚したり、
あるいは十分なスチル再生の耐久性が得られなかったり
した。スチル再生の耐久性を向上させるためには、特公
昭28−28367号、特公昭51−39081号等に開示されるよう
に、ステアリン酸ブチルの如き脂肪酸エステルとミリス
チン酸の如き脂肪酸を混合して用いることが知られてい
る。しかしながら、これらの開示例を用いると高湿状態
で走行させたとき摩擦が大きくなり磁気テープの走行テ
ンションが大きくなるという欠点が生じた。
脂肪酸は、単独で使用した場合は、画質の向上には有
効であるが、滑性をうるためには、多量に用いる必要が
あり、この場合には磁性層が柔らかくなり、機械的強度
が低下し、スチル再生の耐久性が劣化する欠点があっ
た。
アルキル硫酸エステルは、特開昭52−7704号に開示さ
れるように、磁性層の可塑性、あるいは磁性塗料の分散
剤として用いられてきた。
確かにリン酸エステルを磁性層に添加すると分散性の
向上とスチル耐久性がやや改善されるが、摩擦力は低下
しなかった。
また特公昭51−39081号に記載されていた脂肪酸と脂
肪酸エステル化合物の併用は、スチル耐久性が良好とな
り、且つテンションも比較的小さくなるが、しかし85%
RH(相対湿度)という高湿条件においては走行テンショ
ンが大きくなる欠点を有していた。
これらの欠点を解消するために特開昭56−80828号で
は磁性層中に飽和または不飽和脂肪酸と脂肪酸アルキル
リン酸エステルを用いることを提案している。この提案
では常温時および高湿時の滑性に優れ、耐磨耗性および
スチル再生の耐久性が良好であると記載されている。
しかしながら、最近VTRやパーソナルコンピューター
またはワードプロセッサ用といった民生用のフレキシブ
ルディスクドライブ装置の普及・一般化するにいたり、
磁気記録媒体の使用条件も低温下での使用、あるいは高
温高湿下での使用等広きにわたるようになってきた。従
って、磁気記録媒体は予測される種々の条件下において
もその走行耐久性が変動することがないような安定した
ものでなければならないが、従来知られているような潤
滑剤では十分ではなく、また経時により性能が劣化する
という問題があった。また、特開平1−12526号には磁
性層上に酸性燐酸エステルの3級アミン塩を被着した磁
気記録媒体の提案がされている。これは、各種使用条件
下や長期間にいたる使用等においても潤滑効果が持続
し、優れた走行性、耐久性を有しているが、低温低湿、
高温高湿下ではμ値が上昇しやすく、特に50℃90%で1
週間保存した後のμ値は更に上がり、保存安定性が十分
ではなかった。
また、走行耐久性を向上させるための別の対策として
は、磁性層に研磨剤(硬質粒子)添加する方法が提案・
実施されているが、磁性層の走行耐久性を向上させる目
的で磁性層に研磨材を相当多量に添加しなければその添
加効果が現れにくい。すなわち、電磁変換特性・ヘッド
磨耗性を犠牲にすることなく走行耐久性を得ることは究
極的に難しい。
そこで本発明者らは、上記問題を解決するために潤滑
剤更には結合剤の観点から鋭意検討を行った結果、特定
の構造のリン酸エステルの第4級アンモニウム塩を用い
ることにより顕著な上記問題の改良効果を見いだすこと
ができ、本発明に至った。
〔発明の目的〕
すなわち、本発明の目的は高温高湿、低温低湿のよう
な過酷な条件下で使用した場合でも常に安定した走行耐
久性が得られ、しかもその特性が保存によって劣化しな
い磁気記録媒体を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の目的は、非磁性支持体上に磁性層を設けた磁
気記録媒体において、前記磁性層中又は磁性層表面に下
記一般式1および/または一般式2で示されるリン酸エ
ステルの第4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする
磁気記録媒体により達成される。
(一般式1) (一般式2) (但し、式中、RおよびR0は、同一または異なる炭素数
10以上26以下の炭化水素基を示し、mは1または2の整
数を示す。R1、R2、R3、およびR4は同一または異なる炭
化水素基を示す。) 本発明に用いられる一般式1および/または一般式2
で示されるリン酸エステルの第4級アンモニウム塩(以
下、本発明の化合物と略記する。尚、一般式1で示され
るリン酸エステルの第4級アンモニウム塩のみを指す時
は、本発明の化合物1と、一般式2で示されるリン酸エ
ステル第4級アンモニウム塩のみを指す時は、本発明の
化合物2と各々記す。)は、従来の酸性燐酸エステルの
3級アミン塩(即ち、燐酸エステルの陰イオン成分と3
級アミンとプロトンからなるアンモニウムである陽イオ
ン成分との塩)の欠点、即ち、特に、温度変化によっ
て、該塩の解離が促進されることにより電荷を失った該
成分の増加をもたらすため、該塩の磁性層におけるバイ
ンダー、強磁性粉末等との静電的吸引力等の相互作用に
基づく安定性が低下し、ひいては潤滑性能の低下をもた
らすという欠点を解消するために使用されるものであ
る。
即ち、本発明の化合物は、該第4級アンモニウムを採
用したことにより、従来の該アンモニウム塩に比べ顕著
に該リン酸エステルとのイオン結合性を高め、ひいて
は、温湿度変化にたいして塩の解離性を顕著に抑制する
ことができたものである。
本発明の化合物は、無機材料との親和性が良く金属材
料表面に固着し、配向しやすい。また、本発明の化合物
は、それ自体融点が高く、固体潤滑機能を有すると共に
固着の程度が高く、広範囲な温度範囲でも良好な潤滑性
能を示す。
又、本発明の化合物は、特に、塗布型磁気記録媒体の
結合剤として極性基含有の結合剤(バインダー)を用い
た場合にその効果を顕著に奏するものである。なぜな
ら、本発明の化合物は、結合剤の極性基とインタラクシ
ョンを持ち、アンカー効果によってその潤滑性能をいつ
までも維持するような塩の難解離性を有するためであ
る。これによりリン酸エステルのアニオンパート、第4
級アンモニウムイオンのカチオンパート、結合剤の極性
基のアニオンパート、カチオンパートがそれぞれ強力に
吸着するため、高温高湿、低温低湿のような過酷な条件
下で使用した場合でも常に安定した走行耐久性が得ら
れ、しかもその特性が保存によって劣化しないものと思
われる。
すなわち、本発明の化合物のカチオンパートの第4級
アンモニウムがバインダーと相互作用することによって
アニオンパートであるリン酸エステルを安定に表面に存
在させると考えられる。その第4級アンモニウムの中で
も塩基性の強い未置換の炭化水素基を有する第4級アン
モニウムは、アニオンパートであるリン酸エステルと強
く相互作用し配向しやすくしているため滑り性に著しい
効果があるものと思われる。
本発明の化合物のアニオンパートであるリン酸エステ
ル部の該RおよびR0は、炭素数10以上26以下の炭化水素
基であり、分子量、分子構造、不飽和結合、異性体構造
によらず選択することができるが、好ましくは、非芳香
系炭化水素基(但し、アラルキル基等は包含される。)
であり、特に、直鎖アルキル基が好ましい。
この場合、炭素数9以下もしくは27以上であると疎水
基が短すぎもしくは長すぎるために磁性層上での配向性
が低下するか、摩擦係数が上昇するので好ましくない。
本発明のカチオンパートである第4級アンモニウムの
R1、R2、R3、およびR4も炭化水素基であるが、これらは
上記該RおよびR0と同様に分子量、分子構造、不飽和結
合、異性体構造によらず選択することができるが、好ま
しくは、炭素数1以上26以下の非芳香系炭化水素基であ
り、特に、直鎖アルキル基が好ましい。
この場合、更に、R1〜R4の各炭素数の相違に基づいた
組合せの内で、R1〜R4の内の一個が炭素数10〜26のアル
キル基であり、残りの3基がメチル基、エチル基等の炭
素数1〜4のアルキル基であるもの、あるいはR1、R2
R3、およびR4の各炭化水素基の炭素数が4以下のアルキ
ル基であるものが疎水鎖を配向させるという観点から望
ましい。
本発明における磁性層において、本発明の化合物と共
存される結合剤とは、業界公知の種々のポリマーからな
る樹脂を意味し、強磁性粉末及び本発明の化合物を分散
・保持するものであるなら特に限定されないが、本発明
においては、特に、該結合剤として、極性基を有する樹
脂を少なくとも一種含有するものが上述した効果を発揮
させるうえで好ましい。
該極性基としては、上記第4級アンモニウムと静電的
吸引力の相互作用を及ぼし合うことが出来るもの、ある
いは化学反応等により誘導されてそれになり得るもので
あれば、特に限定されず、例示すれば、−OH基、−COOM
基、−SO3M基、−OSO3M基、−PO3M2基、−NR2 5基、−N
R3 6Cl 基(但し、Mは水素、アルカリ金属又はアン
モニウムであり、一つの基の中に複数のMがあるときは
互いに同じでも異なってもよい。R5およびR6は水素また
はアルキル基を示す。又、Xはハロゲン原子を示
す。)、エポキシ基等が挙げられる。これら極性基は、
既存のポリマーに導入することにより、あるいは、該極
性基を含有するモノマーを用いて極性基含有ポリマーを
合成することができる。
結合剤における該極性基の存在量は、結合剤1g当たり
10-7〜10-3当量の範囲から選定できる。10-7当量未満で
あると摩擦係数が上昇するので好ましくなく、10-3当量
より大きいと強磁性粉末と混練分散して得られる磁性塗
布液の粘度が高くなり、強磁性粉末の分散性が低下し、
また摩擦係数も上昇するため好ましくない。
上記極性基の存在量の調整は、本発明の化合物の添加
の調整と対応して行うものであるが、極性基含有ポリマ
ーのみを用いて行ってもよいし、それに加えて極性基を
含有しないポリマーと併用して行ってもよい。この場
合、極性基含有ポリマー1分子当たりの極性基含有数、
およびその種類とそのポリマーの骨格構造等、極性基含
有ポリマーの添加量、更に、極性基を含有しないポリマ
ーの種類およびその添加量、強磁性粉末の種類およびそ
の添加量等を考慮するとよい。
特に、本発明においては、極性基含有ポリマーは、結
合剤を構成するポリマー種組成において5重量%以上占
めるポリマー種の1種以上から構成されることが好まし
い。
本発明の化合物が適用できる磁性層を有する磁気記録
媒体として、上記結合剤を有機溶媒に溶解して非磁性支
持体上に塗布して磁性層を形成したもの(以下、塗布型
磁気記録媒体と略記する。)に加え、金属薄膜を非磁性
支持体上に蒸着等により磁性層を設けたもの(以下、金
属薄膜型磁気記録媒体と略記する。)が挙げられるが、
該金属薄膜としては業界公知のものが使用でき、特に、
限定されるものではなく、金属薄膜表面を物理的、ある
いは化学的に処理したものも包含される。
本発明の化合物の塗布型磁気記録媒体への添加量は、
使用する結合剤樹脂、該極性基、強磁性粉末等の種類、
使用量に応じて適宜選定され、同様に、本発明の化合物
の金属薄膜型磁気記録媒体への添加量は、金属薄膜表面
の状況により適宜選定され得るが、通常、下記の範囲か
ら選択され得る。
本発明の化合物を磁性層に保持させる方法としては、
磁性層中に添加させる方法と表面にトップコート(材料
を有機用材に溶解して基板に塗布あるいは噴霧した後、
乾燥する方法、材料を溶融して基板に塗着させる方法、
有機溶剤に材料を溶解した溶液に基板を浸漬して材料を
基板表面に吸着させる方法、ラングミュアーブロジェッ
ト法等による)する方法がある。
本発明の化合物を塗布型磁気記録媒体の磁性層中に添
加する場合、強磁性粉末に対して0.1〜8重量%が適当
である。磁性層表面のトップコートは0.5〜100mg/m2
適当で、塗布型磁気記録媒体の磁性層の場合は、2〜50
mg/m2が、金属薄膜型磁気記録媒体の場合は、2〜30mg/
m2が特に適当である。
使用量がこの範囲を越えると、表面に存在する本発明
の化合物が過剰になり、貼りつき、吸湿等の故障の原因
になることがあるだけでなく、磁性層中に添加する場合
は磁性層の結合剤を可塑化する作用により却って耐久性
が低下する等の問題がある。
使用量がこの範囲を下まわると当然のことながら表面
量が不十分となり効果が得られない。
本発明の化合物は具体的には以下のような化合物を挙
げることができる。
上記例示した本発明の化合物は、例えば、該リン酸エ
ステルの金属塩(Na、Pb,Agなど)と該第4級アンモニ
ウムクロライドをアルコールと水の混合溶剤中で反応さ
せた後、有機溶媒で再結晶することにより得ることがで
きる。
本発明においては、その他の潤滑剤を混在させてもよ
い。
併用できる潤滑剤としては、飽和、不飽和の脂肪酸
(ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等)等及び
その金属石鹸、N置換・N未置換の脂肪酸アミド、脂肪
酸エステル(各種モノエステルをはじめソルビタン、グ
リセリン等多価エステルの脂肪酸エステル、多塩基酸の
エステル化物等)、エーテル結合を有するエステル化合
物、高級脂肪族アルコール、モノアルキルフォスフェー
ト、トリアルキルフォスフェート、パラフィン類、シリ
コーンオイル、脂肪酸変性シリコンオイル、動植物油、
鉱油、高級脂肪族アミン;グラファイト、シリカ、窒化
硼酸、弗化黒鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫
化モリブデン、二硫化タングステン等の無機微粒末;ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレ
ン−塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン
等のポリオレフィン系あるいはαオレフィン系樹脂粉
末、メラミン系樹脂微粉末、ポリイミド系樹脂微粉末等
のポリマー粉末;常温で液体の不飽和脂肪族炭化水素、
末端変成または未変成のパーフルオロアルキルポリエー
テル、フルオロカーボン類等が挙げられる。
これらの混在潤滑剤の好ましい使用量は、使用態様に
よって様々だが、おおむね、本発明の化合物の0.1倍〜
2倍の使用量である。
本発明に用いられる結合剤は、従来、磁気記録媒体用
の結合剤として使用されている公知の熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂およびこれ
らの混合物を使用することができる。
上記樹脂のガラス転移温度(Tg)は−40℃〜150℃、
重量平均分子量は1万〜30万、好ましくは1万〜10万で
ある。
上記熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルとビニルアルコー
ル、マイレン酸および/またはアクリル酸との共重合
体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル
・アクリロニトリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体等のビニル系共重合体、ニトロセルロース、セル
ロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテー
トブチレート樹脂などのセルロース誘導体、アルリル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポ
リウレタン、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ア
ミノ樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ブタジエンアクリ
ロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリコーン樹脂、フッ
素樹脂系樹脂等を挙げることができる。
これらの中で、塩化ビニル系樹脂は強磁性粉末の分散
性が高く好ましい。
上記熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては加熱により
分子量が極めて大きくなるものとなる物で、例えばフェ
ノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、硬化型ポ
リウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド
樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂、エポキシ−
ポリアミド樹脂、ニトロセルロースメラミン樹脂、高分
子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの
混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシアネートプ
レポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイ
ソシアネートとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、
低分子量グリコール/高分子量ジオール/トリフェニル
メタントリイソシアネート等のポリイソシアネートの混
合物、ポリアミン樹脂、ポリイミン樹脂及びこれらの混
合物等である。
上記放射線硬化型樹脂としては上記熱可塑性樹脂に放
射線硬化官能基として炭素−炭素不飽和結合を有する基
を結合させたものが用いられる。好ましい官能基として
はアクリロイル基、メタクリロイル基等がある。
以上列挙の結合剤分子中に、−OH基、−COOM基、−SO
3M基、−OSO3M基、−PO3M2基、−NR2 5基、−N R3 6Cl
基(但し、Mは水素、アルカリ金属又はアンモニウム
であり、一つの基の中に複数のMがあるときは互いに同
じでも異なってもよい。R5およびR6は水素またはアルキ
ル基を示す。又、Xはハロゲン原子を示す。)、エポキ
シ基等の極性基を導入したものが、前述した通り強磁性
粉末の分散性、耐久性向上の上で好ましく、本発明の化
合物の添加効果が顕著に現れる。極性基の含有量として
は、極性基含有ポリマー1g当たり10-7〜10-3当量が好ま
しく、さらには10-6〜10-4当量が好ましい範囲である。
以上列挙の高分子結合剤は単独または数種混合で使用
され、イソシアネート系の公知の架橋剤、および/ある
いは放射線硬化型ビニル系モノマーを添加して硬化処理
することができる。
イソシアネート系架橋剤としては、イソシアネート基
を2個以上有するポリイソシアネート化合物で、例え
ば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、キシレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジ
イソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイ
ソシアネート等のイソシアネート類、これらのイソシア
ネート類とポリアルコールとの生成物、およびこれらの
イソシアネート類の縮合により生成したポリイソシアネ
ート等を挙げられる。これらのポリイソシアネートは日
本ポリウレタン工業(株)からコロネートL、コロネー
トHL、コロネートH、コロネートEH、コロネート2014、
コロネート2030、コロネート2031、コロネート2036、コ
ロネート3015、コロネート3040、コロネート3041、ミリ
オネートMR、ミリオネートMTL、ダルトセック1350、ダ
ルトセック2170、ダルトセック2280、武田薬品工業
(株)からタケネートD102、タケネートD110N、タケネ
ートD200、タケネートD202、住友バイエル(株)からス
ミジュールN75、西独バイエル社からデスモジュール
L、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュ
ールHL、大日本インキ化学工業(株)からバーノックD8
50、バーノックD802などの商品名で市販されている。
放射線硬化ビニル系モノマーとしては、放射線照射に
よって重合可能な化合物であって、炭素−炭素不飽和結
合を分子中に1個以上有する化合物であり、(メタ)ア
クリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリ
ル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニ
ル異節環化合物、N−ビニル化合物、スチレン、(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、オレフィン
類等が挙げられる。これらのうち好ましいものとして
(メタ)アクリロイル基を2個以上有する、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、等のポリエチレン
グリコールの(メタ)アクリレート類、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリイソシアネート
とヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物との反応物等
がある。
これらの架橋剤は、架橋剤を含む全結合剤の5から45
重量%(wt%)であることが好ましい。
本発明の前記全結合剤(架橋剤も含む)の配合は強磁
性粉末に対し10〜40wt%、好ましくは、15〜30wt%であ
る。結合剤の配合割合が前記範囲より多いと強磁性粉末
の充填度が低く電磁変換特性が低下し、逆に少ないと走
行耐久性が低下する。
本発明に用いられる強磁性粉末としては、強磁性酸化
鉄粉末、Coドープの強磁性酸化鉄粉末、強磁性二酸化ク
ロム粉末、強磁性金属粉末、強磁性合金粉末、バリウム
フェライトなどが使用できる。
強磁性合金粉末の例としては、金属分が75重量%以上
であり、そして金属分の80重量%以上が少なくとも1種
類の強磁性金属あるいは合金(例、Fe、Co、Ni、Fe−C
o、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Fe−Niなどであり、該金属分
の20重量%以下で他の成分(例、Al、Si、S、Sc、Ti、
V、Cr、Mn、Cu、Zn、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、
B、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、P、La、Ce、Pr、N
d、Te、Biなど)を含むものをあげることができる。ま
た、上記強磁性金属分が少量の水、水酸化物または酸化
物を含むもので合ってもよい。
これらの強磁性粉末の製法は既知であり、本発明で用
いられる強磁性粉末についても公知の方法にしたがって
製造することができる。
強磁性粉末の形状・サイズはは特に制限なく広く用い
ることができる。形状としては針状、米粒状、球状、立
方体状、板状等いずれでもよいが、針状、板状が電磁変
換特性上好ましい。結晶子サイズ、比表面積も特に制限
はないが、結晶子サイズで400Å以下、SBETで30m2/g以
上が好ましい。強磁性粉末のpH、表面処理は特に制限な
く用いることができる。チタン、珪素、アルミニウム等
の元素を含む物質で表面処理されていてもよいし、カル
ボン酸、スルホン酸、硫酸エステル、ベンゾトリアゾー
ル等の含窒素複素環をもつ吸着性化合物の様な有機化合
物で処理されてもよい。好ましいpHは5〜10である。強
磁性酸化鉄粉末の場合、2価の鉄/3価の鉄の比に特に制
限されることなく用いることができる。
非磁性支持体の材質としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン2,6−ナフタレート等のポリエス
テル類;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン類、セルローストリアセテート等のセルロース誘導
体、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリイミドアミド
等の樹脂を用いることができ、必要に応じてアルミニウ
ム等の金属でメタライズしてあってもよいし、あるいは
アルミ箔、ステンレス箔等の金属箔であってもよい。
また支持体の形態は、テープ、ディスク、フィルム、
シート、カード、ドラムなどいずれでもよく、形態に応
じて種々の材料が選択される。
支持体の厚みは、3〜100μm、磁気テープとしては
好ましくは3〜20μm、磁気ディスクとしては20〜100
μmが通常使用される範囲である。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、さらにモース硬
度5以上の無機質粒子を含有することが好ましい。
使用される無機質粒子は、モース硬度が5以上であれ
ば特に制限はない。モース硬度が5以上の無機質粒子の
例としては、Al2O3(モース硬度9)、TiO(同6)、Ti
O2(同6.5)、SiO2(同7)、SnO2(同6.5)、Cr2O
3(同9)、およびα−Fe2O3(同5.5)を挙げることが
でき、これらを単独あるいは混合して用いることができ
る。
とくに好ましいのはモース硬度が8以上の無機質粒子
である。モース硬度が5よりも低い無機質粒子を用いた
場合には、磁性層から無機質粒子が脱落しやすく、また
ヘッドの研磨作用も殆どないため、ヘッド目詰まりを発
生しやすく、また走行耐久性も乏しくなる。
無機質粒子の含有量は、通常、強磁性粉末100重量部
に対して0.1〜20重量部の範囲であり、好ましくは1〜1
0重量部の範囲である。
また磁性層には上記の無機質粒子以外にも、カーボン
ブラック(特に、平均粒径が10〜300nm(ナノメートル;
10-9m)のもの)などを含有させることが望ましい。
つぎに本発明の磁性粉末塗布型磁気記録媒体を製造す
る方法の例を述べる。
まず、強磁性粉末と結合剤、本発明の化合物、そして
必要に応じて、他の充填材、添加剤などを溶剤と混練
し、磁性塗料を調製する。混練の際に使用する溶剤とし
ては、磁性塗料の調製に通常使用されている溶剤を使用
することができる。
混練の方法にも特に制限はなく、また各成分の添加順
序などは適宜設定することができる。
例えば、充填材、添加剤や架橋剤を有機溶剤に溶解し
たものを用意しておき、溶剤・結合剤・強磁性等で調製
した強磁性粉末分散液に添加することもできる。
磁性塗料を調製する際には、分散剤、帯電防止剤、潤
滑剤等の公知の添加剤を併せて使用することもできる。
分散剤の例としては、炭素数12〜22の脂肪酸、その塩
またはエステル化物およびその化合物の水素の一部ある
いは全部をフッ素原子で置換した化合物、上記の脂肪酸
のアミド、脂肪族アミン、高級アルコール、サルコシネ
ート類、アルキルエーテルエステル類、トリアルキルポ
リオレフィン、オキシアンモニウム塩およびレシチンな
どの公知の分散剤を挙げることができる。
分散剤を使用する場合は、通常は使用する強磁性粉末
100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲で使用される。
帯電防止剤の例としては、カーボンブラック、カーボ
ンブラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末;サポ
ニンなどの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、
グリセリン系およびグリシドール系などのノニオン系界
面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム
塩類、ピリジンその他の複素環化合物の塩類、ホスホニ
ウムまたはスルホニウム類などのカチオン性界面活性
剤;カルボン酸、燐酸、硫酸エステル基、他の燐酸エス
テル基等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤;アミン
酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸ま
たは燐酸エステル類等の両性界面活性剤等を挙げること
ができる。帯電防止剤として上記の導電性微粉末を使用
する場合には、例えば強磁性粉末100重量部に対し0.1〜
10重量部の範囲で使用され、界面活性剤を使用する場合
にも同様に0.12〜10重量部の範囲で使用される。
なお、上述した分散剤、帯電防止剤、潤滑剤などの添
加剤は、厳密に上述した作用効果のみを有するものであ
るとの限定の下に記載したものではなく、例えば、分散
剤が潤滑剤あるいは帯電防止剤として作用することも有
りうる。従って、上記分類により例示した化合物などの
効果作用が、上記分類に記載された事項に限定されない
ことは勿論であり、また複数の作用効果を奏する物質を
使用する場合には、添加量は、その作用効果を考慮して
決定することが好ましい。
このようにして調製された磁性塗料は前述の非磁性支
持体上に塗布される。このとき複数の磁性層塗料を逐次
あるいは同時に重層塗布してもよい。
塗布は、前記非磁性支持体上に直接行なうことも可能
であるが、また、接着剤層などの中間層を介して非磁性
支持体上に塗布することもできる。ここでいう中間層と
は接着剤単独の層または結合剤中にカーボンブラック等
の非磁性微粒子を分散してなる複合膜層等である。
カーボンブラックを含有する中間層は結合剤として磁
性層を用いられる種々の結合剤のなかから任意に選ぶこ
とができる。カーボンブラックの粒径は10〜50nm(ナノ
メートル;10-9m)のものが好ましく、バインダー:カー
ボンブラックは重量比にして100:10から100:150が好ま
しい。中間層の厚みは単なる接着剤層の場合0.1〜2μ
m、非磁性粉体を含む複合層の場合0.5〜4μmが好ま
しい。
中間層にはこのほか磁性層に用いている潤滑剤と同じ
または異なる潤滑剤を添加してもよい。
上記の強磁性粉末と結合剤の分散方法および支持体へ
の塗布方法などの詳細は特開昭54−46011号および同54
−21805号等の各公報に記載されている。
このようにして塗布される磁性層の厚さは、乾燥後の
厚さで一般には約0.5〜10μmの範囲、通常は0.7〜6.0
μmの範囲になるよう塗布される。
非磁性支持体上に塗布された磁性層は磁気記録媒体が
テープ状で使用される場合通常、磁性層中の強磁性粉末
を配向させる処理、即ち磁場配向処理を施したあと、乾
燥される。また逆にディスク状媒体の場合は磁気特性の
異方性をとりのぞくために、磁場による無配向処理が施
される。こののち必要により表面平滑化処理が施された
後、必要により熱硬化及び/あるいは放射線照射による
硬化処理後所望の形状に裁断する。
非磁性支持体の磁性層が設けられていない側の面に
は、公知のバック層が設けられていてもよい。
本発明の強磁性金属薄膜型磁気記録媒体の製造例を述
べる。
強磁性金属薄膜の材料としては鉄、コバルト、ニッケ
ルその他の強磁性金属あるいはFe−Co、Fe−Ni、CO−N
i、Fe−Rh、Co−P、Co−B、Co−Y、Co−La、Co−C
e、Co−Pt、Co−Sm、Co−Mn、Co−Cr、Fe−Co−Ni、Co
−Ni−P、Co−Ni−B、Co−Ni−Ag、Co−Ni−Nd、Co−
Ni−Ce、Co−Ni−Zn、Co−Ni−Cu、Co−Ni−W、Co−Ni
−Re等の強磁性合金を電子メッキ、無電解メッキ、気相
メッキ、スパッタリング、蒸着、イオンプレーティング
等の方法により形成せしめたもので、その膜厚は磁気記
録媒体として使用する場合0.02〜2μmの範囲であり、
特に0.05〜0.4μmの範囲が望ましい。
金属薄膜を形成する際たとえば酸素気流中で蒸着を行
う等の方法で、上記各種強磁性金属薄膜中に酸素を導入
することが電磁変換特性、耐久性をより優れたものにす
ることができる。また酸素の他にN、Cr、Ga、As、Sr、
Zr、Nb、Mo、Rh、Pd、Sn、Sb、Te、Rm、Re、Os、Ir、A
u、Hg、Pb、Bi等を含んでいてもよい。
上記の磁性層の表面形状は特に規定されないが、1〜
500nm(nm:ナノメートル=10-9メートル)の高さの突起
を有している場合特に走行性・耐久性にすぐれる。
上記金属薄膜上に本発明の化合物をトップコートする
場合、該トップコート層を設ける前に金属薄膜表面を脂
肪酸などの界面活性剤や各種カップリング剤で改質して
おくこともできる。又、このトップコート層は1層でも
よいし複数の層からなっていてもよい。尚、上記した改
質処理やトップコート層構造等は塗布型磁気記録媒体に
も適用できる。
非磁性支持体の厚さは4〜50μmが好ましい。また強
磁性薄膜の密着向上・磁気特性の改良の為に支持体上に
下地層を設けてもよい。
金属薄膜型磁気記録媒体に用いられる基体としてはポ
リエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、
ポリ塩化ビニル、三酢酸セルロース、ポリカーボネー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルフ
ァイドのようなプラスチックベース、又はAl、Ti、ステ
ンレス鋼などが用いられる。
走行耐久性を向上させるために、金属薄膜を形成する
前に支持体表面に微小突起を設けておくことが(結果的
に磁性層表面に適度な凹凸を設けることになり)効果的
である。微小突起の存在密度は2×106〜2×108個/mm2
でひとつの突起の高さは1〜50nm(nm:ナノメートル=1
0-9メートル)のものが好ましい。
磁気記録媒体の形状はテープ、シート、カード、ディ
スク等いずれでもよいが、特に好ましいのはテープ状、
ディスク状である。
〔発明の効果〕
本発明は磁性層中または磁性層表面に本発明の化合物
を含むことにより再生出力が高く、低温低湿、高温高湿
下でも摩擦係数(μ値)が上昇しない、優れた磁気記録
媒体である。本発明の化合物はアニオンパートであるリ
ン酸エステルのカチオンパートである第4級アンモニウ
ムとの塩とすることにより無機性が上がり、無機材料と
の親和性が向上する。そのため磁性層中から滲み出た又
は磁性層表面の本発明の化合物がヘッド、ポール、ガイ
ド等の金属部分に転写し、それら金属表面との親和性が
高いため、かつ、こすられることにより金属表面に本発
明の化合物がきれいに整列をし、配向する。又、本発明
の化合物は融点が高く、固体潤滑機能を発揮し、かつそ
の固着の程度の高いため、広範囲な温度範囲であっても
優れた潤滑性能を示すのである。特に、高温高湿下にお
いて潤滑剤の粘土が低下しやすいが、本発明の化合物は
融点が高く、かつ固着が強いため顕著な改良効果を発揮
するものと思われる。又本発明の化合物は極性基を含有
する結合剤と組合せて用いると、特に、その改良効果が
顕著であるが、これは本発明の化合物1及び/または2
のアニオンパートであるリン酸エステルが結合剤の極性
基のカチオンパートと結合し、また本発明の化合物のカ
チオンパートである第4級アンモニウムが極性基のアニ
オンパートと結合し、いわゆる強い結合剤へのアンカー
効果によって潤滑剤の耐久性が向上し、配向の乱れも少
ないため優れた効果を発揮するものと思われる。
〔実施例〕
次に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例
中の「部」との表示は「重量部」を示すものとする。
〔実施例1〕 下記の組成物をボールミルを用いて48時間混練分散し
たあと、これにポリイソシアネート5部を加え、さらに
1時間混練分散したあと、1μmの平均孔径を有するフ
ィルタを用いてろ過し、磁性塗料を調製した。得られた
磁性塗料を乾燥後の厚さが4.0μmになるように、厚さ1
0μmのポリエチレンテレフタレート支持体の表面にリ
バースロールを用いて塗布した。
磁性塗料組成 強磁性合金粉末(組成:Fe94%、Zn4%、Ni2%;抵磁力:
1500Oe;比表面積54m2/g) 100部 塩化ビニル/酢酸ビニル/無水マイレン酸共重合体(日
本ゼオン(株)製400X110A、重合度400(A)(第1表
記載) または 塩化ビニル/酢酸ビニル酸共重合体(重合度400)
(B)(第1表記載) 12部 ポリエステル系ポリウレタン(重量平均分子量4万、数
平均分子量2.5万、極性基の種類および極性基の当量数
は第1表に記載) 5部 研磨材(α−アルミナ、平均粒径0.3μm) 5部 潤滑剤 …(第1表記載) オレイン酸 1部 ブチルステアレート 1部 カーボンブラック(平均粒径40nm) 2部 メチルエチルケトン 300部 磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未
乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さ
らに乾燥後、スーパーカレンダー処理を行なった後8mm
幅にスリットして、試験No.1〜33の8mmビデオテープを
製造した。尚、試料No.18および23〜33は比較例で残り
は実施例である。
上記のようにして得られたビデオテープにVTR(富士
写真フィルム(株):FUJIX−8)を用いて7MHzの信号を
記録し、再生した。基準テープ(比較例23)に記録した
7MHzの再生出力を0dBとしたときのビデオテープの相対
的な再生出力を測定した。
得られたビデオテープとステンレスボールとを50gの
張力(T1)で接触(巻きつけ角180゜)させて、この条
件下で、ビデオテープを3.3cm/sの速度で走行させるの
に必要な張力(T2)を測定した。この測定値をもとに、
下記の計算式によりビデオテープの、摩擦係数μをもと
めた。(第1表に記載) μ=1/π・1n(T2/T1) 尚、摩擦係数のテストは、a.40℃、90%RHの条件で行
なった。
また、90℃で1週間保存した後にも同様のテストを行
うことで保存安定性を測定した。さらに繰り返し走行耐
久性は50℃、50%で走行させ出力が−3dB以下になるま
での再生回数を測定した。
第1表の結果より明白な如く、本発明の化合物を用い
た実施例は何れも再生出力が高く、a条件でも摩擦係数
が低いことがわかる。
〔実施例2〕 13μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に
コバルト−ニッケル磁性膜(膜厚150nm)を斜め蒸着
し、磁気記録媒体の原反を調製した。蒸発源としては電
子ビーム蒸発源を使用し、これにコバルト−ニッケル合
金(Co:80wt%、Ni:20%)をチャージし真空度5×10-5
Torr中にて酸素気流中で入射角が50度となるよう斜め蒸
着を行った。得られた磁気記録媒体の原反の磁性金属薄
膜上に各種材料をメチルエチルケトンに溶解して塗布、
乾燥してサンプルを作製し試料No.46〜56とした。尚、
試料No.34〜45は実施例、試料No.46〜56は比較例であ
る。(表2参照) 上記のようにして得られたビデオテープにVTR(富士
写真フィルム(株):FUJIX−8)を用いて7MHzの信号を
記録し、再生した。基準テープ(比較例46)に記録した
7MHzの再生出力を0dBとしたときのビデオテープの相対
的な再生出力を測定した。
得られたビデオテープとステンレスボールとを50gの
張力(T1)で接触(巻きつけ角180゜)させて、この条
件下で、ビデオテープを3.3cm/sの速度で走行させるの
に必要な張力(T2)を測定した。この測定値をもとに、
下記の計算式によりビデオテープの、摩擦係数μをもと
めた。(第2表に記載) μ=1/π・1n(T2/T1) 尚、摩擦係数のテストは、a.40℃、90%RHの条件で行
なった。
また、90℃で1週間保存した後にも同様のテストを行
うことで保存安定性を測定した。
さらに繰り返し走行耐久性は50℃、50%で走行させ出
力が−3dB以下になるまでの再生回数を測定した。
結果を第2表に示した。
第1表および第2表の結果より明白な如く、本発明の
化合物を用いた実施例は、何れも再生出力が高く、摩擦
係数が低く且つ走行耐久性が優れていることがわかる。
また、経時でも摩擦係数に変化がないことがわかると
結論される。
一方、本発明の化合物を使用せず、単に脂肪酸やリン
酸エステルの3級アンモニウム塩のみを用いた場合は、
再生出力も低く、また経時により摩擦係数の低下が著し
いことがわかる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録
    媒体において、前記磁性層中又は磁性層表面に下記一般
    式1および/または一般式2で示されるリン酸エステル
    の第4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする磁気記
    録媒体。 (一般式1) (一般式2) (但し、式中、RおよびR0は、同一または異なる炭素数
    10以上26以下の炭化水素基を示し、mは1または2の整
    数を示す。R1、R2、R3、およびR4は同一または異なる炭
    化水素基を示す。)
  2. 【請求項2】前記磁気記録媒体の磁性層は、強磁性粉末
    と結合剤を含み、且つ該結合剤中に含まれる樹脂の少な
    くとも1種が極性基を有することを特徴とする請求項1
    記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記磁気記録媒体の磁性層は、金属薄膜で
    あることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
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