JP2530204B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2530204B2 JP7335588A JP7335588A JP2530204B2 JP 2530204 B2 JP2530204 B2 JP 2530204B2 JP 7335588 A JP7335588 A JP 7335588A JP 7335588 A JP7335588 A JP 7335588A JP 2530204 B2 JP2530204 B2 JP 2530204B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤に分散
してなる磁性層または強磁性金属薄膜よりなる磁性層を
設けた磁気記録媒体に関し、特に広範囲の温湿度条件に
おいて走行性、耐久性に優れる磁気記録媒体に関するも
のである。
〔従来の技術〕
磁気記録媒体においては、より高密度記録の要求が高
まり、その一つの対応手段として磁性層の表面を平滑に
することが知られている。
しかしながら磁性層の表面を平滑にすると磁気記録媒
体の走行中に於いて磁性層と装置系との接触の摩擦係数
が増大する結果、短期間の使用で磁気記録媒体の磁性層
が損傷を受け、あるいは磁性層が剥離する傾向がある。
このような問題に対処するため、脂肪酸、脂肪酸エス
テル、炭化水素、シリコーン化合物等の潤滑剤が用いら
れてきた。
また走行耐久性を向上させるための別の対策として
は、磁性層に研磨材(硬質粒子)を添加する方法が提案
・実施されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら最近VTRやパーソナルコンピュータまた
はワードプロセッサ用といった民生用のフレキシブルデ
ィスクドライブ装置の普及・一般化するにいたり、磁気
記録媒体の使用条件も低温下での使用、あるいは高温高
湿下での使用等広きにわたるようになってきた。
従って、磁気記録媒体は予測される種々の条件下にお
いてもその走行耐久性が変動することがないような安定
したものでなければならないが、従来知られているよう
な潤滑剤では十分ではなかった。
又磁性層の走行耐久性を向上させる目的で磁性層に研
磨材を添加する場合には、研磨材を相当大量に添加しな
ければその添加効果が現れにくい。すなわち、電磁変換
特性・ヘッド摩耗性を犠牲にすることなく走行耐久性を
得ることは究極的には難しい。
本発明の目的は特に広範囲の温湿度条件下において電
磁変換特性,ベッドの摩耗性を犠牲にすることなく走行
耐久性を安定して得られる磁気記録媒体を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
そこで本発明者らは磁性粉末塗布型磁気記録媒体の上
記問題点を解消するような潤滑剤について鋭意検討した
結果、磁性材料として金属粉末を用い、潤滑剤として高
級脂肪酸のN,N−ジアルキルアミド化物を用いることに
より従来の潤滑剤では到底達成できなかった優れた耐久
性・環境適応性を得ることができることを見出し、本発
明をなすに到ったものである。
すなわち本発明の上記目的は下記一般式で示される高
級脂肪酸のN,N−ジアルキルアミド化物を磁性層に含ま
せるか、または磁性層表面に存在させることによって達
成され、たとえば高温高湿、低温低湿のような過酷な条
件下で使用した場合でも恒に安定した走行耐久性が得ら
れる。
ここでRは炭素数13〜21の飽和または不飽和、直鎖又
は分岐の炭化水素基 R′,R″は同じまたは異なる炭素数1〜22の炭化水素基
である。
本発明の高級脂肪酸のN,N−ジアルキルアミド化物と
しては高級脂肪酸とN,N−ジアルキルアミドとの反応生
成物であれば、原料脂肪酸の不飽和結合の有無、異性体
構造(分岐か直鎖か)によらず、また窒素に置換してい
る炭化水素基の炭素数、分岐の有無、鎖状か環状か、芳
香族か否か不飽和結合の有無や異性構造によらず選択す
ることができる。
本発明のN,N−ジアルキルアミド化物は、従来検討が
行なわれてきた高級脂肪酸のN,N−ジアルキルアミド化
物より結合剤への融和性がすぐれ、なおかつ適当量が表
面に滲み出してきて有効な潤滑が行なわれる。
Rとして好ましいものは炭素数15以上17以下の飽和炭
化水素基であり、このなかでも直鎖構造を持つものが好
ましい。
R′,R″として好ましい炭化水素基は炭素数1〜6の
炭化水素基で飽和炭化水素基であることが摩擦特性上ま
たは有機溶剤への溶解性にすぐれるためとくに望まし
い。
使用量は通常の塗布型磁気記録媒体の磁性層に内添す
る場合、磁性体に対して0.5〜10重量%が適当で、好ま
しくは0.5〜4重量%である。塗布型磁気記録媒体の磁
性層にトップコートする場合は2〜50mg/m2が適当で、
好ましくは2〜30mg/m2である。
使用量がこの範囲をこえると表面の、脂肪酸と炭化水
素置換ヒドラジンとの反応生成物量が過剰になり、貼り
つき等の故障の原因となることがあるだけでなく、内添
型の場合磁性層バインダーを可塑化する作用により却っ
て耐久性が低下する等の問題がある。
使用量がこの範囲を下まわると当然のことながら表面
の含有量が不十分となり効果が得られない。
本発明においては、その他の潤滑剤を混在させてもよ
い。
併用できる潤滑剤としては、飽和、不飽和の脂肪酸
(ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等)、金属
石鹸、他の脂肪酸アミド、脂肪酸エステル(各種モノエ
ステルをはじめソルビタン、グリセリン等多価エステル
の脂肪酸エステル、多塩基酸のエステル化物等)、高級
脂肪族アルコール、モノアルキルフォスフェート、ジア
ルキルフォスフェート、トリアルキルフォスフェート、
パラフィン類、シリコーンオイル、動植物油、鉱油、高
級脂肪族アミン;グラファイト、シリカ、二硫化モリブ
デン、二硫化タングステン等の無機微粉末;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化
ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂
微粉末;αオレフィン重合物;常温で液体の不飽和脂肪
族炭化水素、フルオロカーボン類等があげられる。
これらの混在潤滑剤の好ましい使用量は使用態様によ
って様々だが、おおむね、本発明のエステル化合物の1/
10〜2倍の使用量である。
本発明において、脂肪酸の炭化水素置換ヒドラジドを
含有させる方法としては、磁性層に含有させる方法と表
面にトップコート(材料を有機溶剤に溶解して基板に塗
布あるいは噴霧したのち乾燥する方法、材料を熔融して
基板に塗着させる方法、有機溶剤に材料を溶解した溶液
に基板を浸漬して材料を基板表面に吸着させる方法、ラ
ングミュアーブロジェット法になどによる)する方法が
ある。
磁性粉末塗布型磁気記録媒体の場合使用される強磁性
粉末のサイズや表面処理は特に制限はない。
強磁性粉末の形状に特に制限はないが通常は、針状、
粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用
される。この強磁性粉末の結晶子サイズ(測定はX線回
折による)は、450Å以下が電磁変換特性上好ましい。
磁性層を形成する結合剤は通常の結合剤から選ぶこと
ができる。結合剤の例としては、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルとビニルアルコー
ル、マレイン酸および/またはアクリル酸との共重合
体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル
・アクリロニロリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、ニトロセルロース樹脂などのセルロース誘導
体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂
等を挙げることができる。分散性・耐久性を更に高める
ために以上列挙の結合剤分子中に、極性基(エポキシ
基、CO2H、OH、NH2、SO3M、OSO3M、PO3M2、OPO3M2ただ
しMは水素、アルカリ金属またはアンモニウムであり、
一つの基の中に複数のMがあるときは互いに異なってい
てもよい)を導入したものが好ましい。極性基の含有量
としてはポリマー1グラム当り10-6〜10-4当量が好まし
い範囲である。
以上列挙の高分子結合剤は単独または数種混合で使用
され、しばしばイソシアネート系の公知の架橋剤を添加
して硬化処理される。
また、アクリル酸エステル系のオリゴマーと、モノマ
ーを結合剤として用い、放射線照射によって硬化する結
合剤系にも、本発明のエステル化合物は適用される。
非磁性支持体の材質としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン2,6ナフタレートなどのポリエス
テル類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フィン類、セルローストリアセテートなどのセルロース
誘導体、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイ
ミド等の樹脂を用いることができ、必要に応じアルミニ
ウム等の金属でメタライズしてあってもよい。
支持体の厚みは3〜100μm、磁気テープとしては好
ましくは3〜20μm、磁気ディスクとしては20〜100μ
mが通常使用される範囲である。
本発明の磁気記録媒体の磁性層中の全結合剤の含有量
は、通常は強磁性粉末100重量部に対して10〜100重量部
であり、好ましくは20〜40部である。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、さらにモース硬
度5以上の無機質粒子を含有することが好ましい。
使用される無機質粒子は、モース硬度が5以上であれ
ば特に制限はない。モース硬度が5以上の無機質粒子の
例としては、Al2O3(モース硬度9),TiO(同6),TiO
2(同6.5),SiO2(同7),SnO2(同6.5),Cr2O3(同
9),およびα−Fe2O3(同5.5)を挙げることができ、
これらを単独あるいは混合して用いることができる。
特に好ましいのはモース硬度が8以上の無機質粒子で
ある。モース硬度が5よりも低い無機質粒子を用いた場
合には、磁性層から無機質粒子が脱落しやすく、またヘ
ッドの研磨作用も殆どないため、ヘッド目詰まりを発生
しやすく、また走行耐久性も乏しくなる。
無機質粒子の含有量は、通常、強磁性粉末100重量部
に対して0.1〜20重量部の範囲であり、好好ましくは1
〜10重量部の範囲である。
また磁性層には上記の無機質粒子以外にも、カーボン
ブラック(特に、平均粒径が10〜300nm(ナノメート
ル;10-9m)のもの)などを含有させることが望まし
い。
次に本発明の磁気記録媒体を製造する方法の例を述べ
る。
まず、強磁性粉末と結合剤、高級脂肪酸のN,N−ジア
ルキルアミド化物、そして必要に応じて、他の充填材、
添加剤などを溶剤と混練し、磁性塗料を調製する。混練
の際に使用する溶剤としては、磁性塗料の調製に通常使
用されている溶剤を使用することができる。
混練の方法にも特に制限はなく、また各成分の添加順
序などは適宜設定することができる。
磁性塗料を調製する際には、分散剤、帯電防止剤、潤
滑剤等の公知の添加剤を併せて使用することもできる。
分散剤の例としては、炭素数12〜22の脂肪酸、その塩
またはエステル化物およびその化合物の水素の一部ある
いは全部をフッ素原子で置換した化合物、上記の脂肪酸
のアミド、脂肪族アミン、高級アルコール、ポリアルキ
レンオキサイドアルキル燐酸エステル、アルキル燐酸エ
ステル、アルキルホウ酸エステル、サルコシネート類、
アルキルエーテルエステル類、トリアルキルポリオレフ
ィン、オキシ第4級アンモニウム塩およびレシチンなど
の公知の分散剤を挙げることができる。
分散剤を使用する場合は通常は使用する強磁性粉末10
0重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲で使用される。
帯電防止剤の例としては、カーボンプラック、カーボ
ンブラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末;サポ
ニンなどの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、
グリセリン系およびグリシドール系などのノニオン系界
面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム
塩類、ピリジンその他の複素環化合物の塩類、ホスホニ
ウムまたはスルホニウム類などのカチオン性界面活性
剤;カルボン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル
基等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤;アミノ酸
類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸また
は燐酸エステル類等の両性界面活性剤等を挙げることが
できる。帯電防止剤として上記の導電性微粉末を使用す
る場合には、例えば強磁性粉末100重量部に対し0.1〜10
重量部の範囲で使用され、界面活性剤を使用する場合に
も同様に0.12〜10重量部の範囲で使用される。
なお、上述した分散剤、帯電防止剤、潤滑剤などの添
加剤は、厳密に上述した作用効果のみを有するものであ
るとの限定の下に記載したものではなく、例えば、分散
剤が潤滑剤あるいは帯電防止剤として作用することも有
りうる。従って、上記分類により例示した化合物等の効
果作用が、上記分類に記載された事項に限定されないこ
とは勿論であり、また複数の作用効果を奏する物質を使
用する場合には、添加量は、その作用効果を考慮して決
定することが好ましい。
このようにして調製された磁性塗料は前述の非磁性支
持体上に塗布される。塗布は、前記非磁性支持体上に直
接行うことも可能であるが、また、接着剤層などの中間
層を介して非磁性支持体上に塗布することもできる。こ
こでいう中間層とは接着剤単独の層または結合剤中にカ
ーボン等の非磁性微粒子を分散してなる複合膜層等であ
る。
カーボンを含有する中間層は結合剤として磁性層に用
いられる種々の結合剤のなかから任意に選ぶことができ
る。カーボンの粒径は10〜50nm(ナノメートル;10
-9m)のものが好ましく、バインダー;カーボンは重量
比にして100:10から100:150が好ましい。中間層の厚み
は単なる接着剤層の場合0.1〜2μm、非磁性粉体を含
む複合層の場合0.5〜4μmが好ましい。
中間層にはこのほか磁性層に用いている潤滑剤と同じ
または異なる潤滑剤を添加してもよい。
上記の強磁性粉末と結合剤の分散方法および支持体へ
の塗布方法などの詳細は特開昭54-46011号および同54-2
1805号等の各公報に記載されている。
このようにして塗布される磁性層の厚さは、乾燥後の
厚さで一般には約0.5〜10μmの範囲、通常は0.7〜6.0
μmの範囲になるよう塗布される。
非磁性支持体上に塗布された磁性層は磁気記録媒体が
テープ状で使用される場合通常、磁性層中の強磁性粉末
を配向させる処理、即ち磁場配向処理を施したあと、乾
燥される。また逆にディスク状媒体の場合は磁気特性の
異方性をとりのぞくために、磁場による無配向処理が施
される。こののち必要により表面平滑化処理が施され
る。
〔実施例〕
次に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例
中の「部」との表示は「重量部」を示すものとする。
実施例−1 下記の組成物をボールミルを用いて48時間混練分散し
たあと、これにポリイソシアネート5部を加え、さらに
1時間混練分散したあと、1μmの平均孔径を有するフ
ィルタを用いてろ過し、磁性塗料を調製した。得られた
磁性塗料を乾燥後の厚さが4.0μmになるように、厚さ1
0μmのポリエチレンテレフタレート支持体の表面にリ
バースロールを用いて塗布した。
磁性塗料組成 強磁性合金粉末 100部 (組成:Fe 94%,Zn 4%,Ni 2%; 抗磁力:1500 Oe;比表面積54m2/g) ポリエステル系ポリウレタン 5部 塩化ビニル/酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体 (日本ゼオン(株)製400X110A,重合度(400) 12部 研磨材(α−アルミナ、平均粒径3μm) 5部 潤滑材・・・・・(第1表記載) オレイン酸 1部 カーボンブラック(平均粒径40nm) 2部 メチルエチルケトン 300部 磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未
乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行い、さら
に乾燥後、スーパーカレンダー処理を行った後8mm幅に
スリットして、8mmビデオテープを製造した(サンプルN
o.1〜11)。
実施例−2 下記の組成物をボールミルを用いて48時間混練分散し
たあと、これにポリイソシアネート5部を加え、さらに
1時間混練分散したあと、1μmの平均孔径を有するフ
ィルタを用いてろ過し、磁性塗料を調製した。得られた
磁性塗料を乾燥後の厚さが4.0μmになるように、厚さ1
0μmのポリエチレンテレフタレート支持体の表面にリ
バースロールを用いて塗布した。
磁性塗料組成 強磁性合金粉末 100部 (組成:Fe 94%,Zn 4%,Ni 2%; 抗磁力:1500 Oe;比表面積54m2/g) 塩化ビニル/酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体 (日本ゼオン(株)製400X110A,重合度400) 12部 研磨材(α−アルミナ、平均粒径3μm) 5部 カーボンブラック(平均粒径40nm) 2部 メチルエチルケトン 300部 磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未
乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行い、さら
に乾燥後、スーパーカレンダー処理を行った後バーコー
タを用い、第2表に記載の化合物の溶液をトップコート
した後8mm幅にスリットして、8mmビデオテープを製造し
た(サンプルNo.12〜17)。
実施例−3 また実施例−1の磁性体をCo−α−FeOx(Hc=700 O
e,45m2/g)に変更してその他は同条件でサンプルを作成
した(サンプルNo.18〜20)。
上記のようにして得られたビデオテープにVTR(富士
写真フィルム(株):FUJIX-8)を用いて7MHzの信号を記
録し、再生した。基準テープ(サンプル番号8)に記録
した7MHzの再生出力をOdBとしたときのビデオテープの
相対的な再生出力を測定した。
得られたビデオテープとステンレスポールとを50gの
張力(T1)で接触(巻きつけ角180°)させて、この条
件下で、ビデオテープを3.3cm/sの速度で走行させるの
に必要な張力(T2)を測定した。この測定値をもとに、
下記計算式によりビデオテープの、摩擦係数μをもとめ
た(第1表および第2表に記載)。
μ=1/π・1n(T2/T1) 尚、摩擦係数のテストは、a.20℃、10%RH、b.40℃、
85%RHの2条件で行なった。
また、これらのサンプルを40℃、50%に1週間保存し
て潤滑剤のブルーミングを顕微鏡で観察し、○(全くみ
られず)×(ブルーミングみられる)に分類した。
第1表、第2表および第3表の結果より明白な如く、
本発明の、高級脂肪酸のN,N−ジアルキルアミド化物を
用いた本発明のサンプルNo.1〜4,6〜7,10〜11,12〜14,1
7,18〜19はいずれも再生出力が高く、a、b、両条件で
も摩擦係数が低いことがわかる。
一方、本発明の化合物を使用せず、単に脂肪酸や脂肪
酸アミドのみを用いた場合は、再生出力も低く、また特
に高温、高湿(b条件)下での摩擦係数が大きくブルー
ミングの問題があることがわかる。
〔発明の効果〕
本発明は非磁性支持体上に主として金属磁性粉末と結
合剤からなる磁性層を設けた磁気記録媒体において、磁
性層が下記一般式に示される、高級脂肪酸のN,N−ジア
ルキルアミド化物を含有することを特徴とする磁気記録
媒体 ここで、Rは炭素数13〜21の飽和または不飽和,直鎖
又は分岐の炭化水素基 R′,R″は同じまたは異なる炭素数1〜22の炭化水素基
である。
により、特に広範囲の温湿度条件下において、電磁変
換特性,ヘッドの摩耗性を犠牲にすることなく走行耐久
性を安定して得られる磁気記録媒体を提供することが出
来た。
フロントページの続き (72)発明者 江尻 清美 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−87426(JP,A) 特開 昭59−28237(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に主として金属磁性粉末と
    結合剤からなる磁性層を設けた磁気記録媒体において、
    磁性層が下記一般式に示される、高級脂肪酸のN,N−ジ
    アルキルアミド化物を含有することを特徴とする磁気記
    録媒体。 ここで、Rは炭素数13〜21の飽和または不飽和,直鎖又
    は分岐の炭化水素基 R′,R″は同じまたは異なる炭素数1〜22の炭化水素基
    である。
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