JP2015030882A - 卑金属−貴金属複合ナノ粒子とその製造方法 - Google Patents

卑金属−貴金属複合ナノ粒子とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い触媒性能を示し得る触媒粒子の前駆体として利用可能な卑金属−貴金属複合ナノ粒子と、該複合ナノ粒子を簡便に製造する製造方法、特に固体高分子型燃料電池用途に好適な電極触媒の製造方法の提供。
【解決手段】卑金属のマトリックス中3に、一又は複数の貴金属からなるナノ粒子2が含まれており、前記卑金属は水素よりもイオン化傾向の大きい金属である卑金属−貴金属複合ナノ粒子1。前記複合ナノ粒子1は、卑金属ナノ粒子を含む第1の水相と、貴金属のイオンを含む第2の水相とを混合し、卑金属ナノ粒子を溶解させて貴金属ナノ粒子を形成するとともに、該貴金属ナノ粒子の表面に卑金属を析出させて卑金属−貴金属複合ナノ粒子を形成すること、を包含する製造方法。前記貴金属からなるナノ粒子の平均粒径は1〜10nmであり、前記卑金属−貴金属複合ナノ粒子の平均粒径は5〜50μmである、卑金属−金属複合ナノ粒子。
【選択図】図1

Description

本発明は、卑金属−貴金属複合ナノ粒子に関する。より詳細には、卑金属−貴金属複合ナノ粒子と、これを利用した触媒用材料、ならびに、かかる卑金属−貴金属複合ナノ粒子の製造方法に関する。
固体高分子形燃料電池(PEFC)は、燃料を電気化学的に酸化させることで化学エネルギーを電気エネルギーに直接的に変換し得ることから、二酸化炭素の排出を大きく削減することが可能で、かつ、エネルギー変換効率の高い発電装置として期待されている。また、小型化、軽量化が容易で、さらに比較的低い温度で動作し得るといった特徴から、家庭用の据え置き型のものから、自動車の駆動用電源等の移動用途への展開が期待されている。このPEFCの電極に用いられる電極触媒としては、一般的に、活性の高さから貴金属(典型的には、白金(Pt))の微粒子が用いられているが、高価な貴金属の使用を少しでも低減するため、低貴金属化技術(低白金化技術)についての研究が盛んに行われている。また、PEFCを使用する際には、特にアノード原料である水素に含まれるCO等の吸着物質がアノード触媒の触媒特性に悪影響を与える(CO被毒)ため、触媒性能が高く劣化の少ない電極触媒の提供が求められてもいる。
たとえば低白金化を実現し得る技術の一つとして、白金粒子をナノ粒子化して表面積を増大させることや、かかる白金粒子のコア部分を他の金属で置き換えて、白金がシェル部分を構成するいわゆるコアシェル粒子とすることが広く検討されてもいる。また、触媒をPt−Ru合金で構成したり、Ru−Ptコアシェル粒子とすることでCO被毒に対する耐性を高めることが為されてもいる。ナノ粒子の製造方法に関する従来技術としては、例えば、特許文献1および2が挙げられる。また、卑金属−貴金属複合ナノ粒子の製造方法およびこれを燃料電池に利用する従来技術としては、例えば、特許文献3および4が挙げられる。
特開平08−027307号公報 特開2003−193119号公報 特開2007−05162号公報 特許第4329346号
上記のとおり、従来より、PEFCの電極用途での触媒粒子の製造方法は各種提案されているものの、触媒性能が高く、しかも比較的容易に製造できる触媒粒子の製造方法については、十分に満足いくものが得られていないのが現状である。
また、微小粒子は粒径が小さくなるにつれて凝集したり粗大化しやすくなる傾向がある。したがって、表面積の大きい触媒用途のナノ粒子を形成した場合であっても、かかるナノ粒子の凝集や粗大化を防止するために、高分子等からなる表面保護剤の使用が不可欠であるのが実情である。かかる表面保護剤はナノ粒子の触媒性能を低下させ得るものであり、念入りな洗浄や熱処理等の除去でも完全に取り去ることは困難であることから、極力使用は避けたいものである。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、触媒粒子の前駆体として利用可能な卑金属−貴金属複合ナノ粒子と、これを利用した高い触媒性能を示し得る触媒用材料を提供することを目的とする。また、他の観点から、本発明は、かかる卑金属−貴金属複合ナノ粒子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を実現するべく、本発明は、卑金属のマトリックス中に、一または複数の貴金属からなるナノ粒子(以下、単に「貴金属ナノ粒子」という場合がある。)、卑金属−貴金属複合ナノ粒子(以下、単に「複合ナノ粒子」という場合がある。)を提供する。かかる卑金属は、水素よりもイオン化傾向の大きい金属であることを特徴としている。
かかる構成によると、触媒として利用可能な貴金属ナノ粒子が、卑金属のマトリックス中に包みこまれた状態で提供される。換言すると、貴金属ナノ粒子が、卑金属により覆われた状態で提供される。したがって、例えば、かかる複合ナノ粒子に含まれる貴金属ナノ粒子は、表面が酸化されたり汚染されたりすることが防止される。また、卑金属部分は酸処理等により簡便に除去可能であるため、このような貴金属ナノ粒子を触媒として用いる場合には、卑金属部分を除去することで表面が清浄な貴金属ナノ粒子(すなわち、触媒粒子)を得ることができる。このことから、ここに開示される複合ナノ粒子は、触媒粒子の前駆体として利用することが可能とされる。
ここに開示される卑金属−貴金属複合ナノ粒子の好ましい一態様において、上記卑金属のマトリックス中に、複数の上記貴金属からなる粒子が互いに分散された状態で含まれていることを特徴としている。
かかる構成によると、例えば、複合ナノ粒子が凝集した場合であっても、貴金属ナノ粒子は互いに凝集することなく高分散状態を保ち得る。したがって、複数の貴金属ナノ粒子を、高分散状態で含む複合ナノ粒子が提供される。すなわち、かかる複合ナノ粒子は、凝集のない触媒粒子を提供する前駆体として利用することができる。
ここに開示される卑金属−貴金属複合ナノ粒子の好ましい一態様において、上記貴金属は白金であることを特徴としている。また、上記卑金属は、ニッケル、コバルト、鉄およびスズからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴としている。
かかる構成によると、触媒として有用な白金ナノ粒子を含む複合ナノ粒子が提供される。また、例えば、比較的安価で、酸により容易に溶解されて除去できるマトリックス中に貴金属ナノ粒子が含まれた複合ナノ粒子が提供される。
ここに開示される卑金属−貴金属複合ナノ粒子の好ましい一態様において、上記貴金属からなるナノ粒子は、平均粒径が1nm以上10nm以下であることを特徴としている。また、上記卑金属−貴金属複合ナノ粒子は、平均粒径が5nm以上50nm以下であることを特徴としている。そして、上記卑金属のマトリックスは、上記貴金属ナノ粒子の周囲を平均厚み1nm以上10nm以下で覆っていることを特徴としている。
かかる構成によると、例えば、貴金属粒子をより比表面積が大きく触媒活性の高いものとして含む複合ナノ粒子が提供される。また、複合ナノ粒子についても、平均粒径がナノメートルオーダーと小さく、触媒担体として好適に利用可能な形態で提供され得る。
また、かかる複合ナノ粒子において、貴金属ナノ粒子は、例えば上記の通りの卑金属からなるマトリックスの存在により互いに接触することが妨げられている。かかる複合ナノ粒子は、例えば、簡単な強酸あるいは強塩基等による処理等により、極短時間で簡便にマトリックスのみを除去することができる。したがって、この複合ナノ粒子は、凝集のない触媒粒子を提供する前駆体として、あるいは、任意の固相濃度で分散され得る触媒粒子を提供する前駆体として好適に利用することができる。
なお、本発明において、「ナノ粒子」とは、平均粒径がおよそ100nm以下の粒状物一般を意味し、その厳密な形態等には制限されない。そして、本明細書において、例えば卑金属−貴金属複合ナノ粒子等の寸法については、特にことわりの無い限り、電子顕微鏡等の観察手段により観察される観察像内で選定された100個以上の粒子について計測された値に基づいている。例えば、本明細書に示される複合ナノ粒子および貴金属ナノ粒子に係る「平均粒径」は、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察で得たTEM像から、淡暗いコントラストで現れる複合ナノ粒子およびより暗いコントラストとして現れる貴金属ナノ粒子の最長径を計測し、平均した値(算術平均値)である。
ここに開示される卑金属−貴金属複合ナノ粒子の好ましい一態様において、上記卑金属がアモルファスであることを特徴としている。
マトリックス部分が、秩序性を有する結晶ではなく、アモルファスであると、貴金属からなるナノ粒子を取り囲む際にマトリックス中に粒界や結晶面が形成されず、等方的な構造となり得る。かかる構成によると、卑金属が貴金属ナノ粒子の表面を比較的均一な厚みで滑らかな形態で被覆できるために好ましい。
上記のとおり、ここに開示される卑金属−貴金属複合ナノ粒子について、マトリックス中に単一の貴金属ナノ粒子が含まれた形態は、貴金属からなるナノ粒子がコアを形成し、卑金属がシェルを形成している、コアシェルナノ粒子として把握することができる。そこで、本発明は、他の側面において、貴金属からなるナノ粒子をコアとし、上記ナノ粒子がシェルとしての卑金属により被覆されている、コアシェルナノ粒子を提供するものであり得る。
また、以上の複合ナノ粒子は、例えば、貴金属ナノ粒子の部分が凝集することの無い触媒用の前駆体として考慮することができる。したがって、例えば、具体的には、これらの卑金属−貴金属複合ナノ粒子は、卑金属部分を除去することで、貴金属ナノ粒子を触媒として利用することができる。そこで、本発明は、かかる卑金属−貴金属複合ナノ粒子を主体として含む、触媒用材料をも提供する。かかる触媒用材料は、特に制限されるものではないが、例えば、PEFCの電極触媒用材料として好適に用いることができる。そして、本発明は、上記触媒用材料を電極触媒用材料として用いて構成された電極を備える、PEFCをも提供する。
また、他の側面において、本発明は、卑金属−貴金属複合ナノ粒子の製造方法を提供する。かかる製造方法は、卑金属ナノ粒子を含む第1の水相と、貴金属のイオンを含む第2の水相とを混合すること、および、上記卑金属ナノ粒子を溶解させて上記貴金属ナノ粒子を形成するとともに、該貴金属ナノ粒子の表面に上記卑金属を析出させて卑金属−貴金属複合ナノ粒子を形成すること、を包含することを特徴としている。なお、ここで上記卑金属は水素よりもイオン化傾向の大きい金属であることを特徴としている。
かかる構成によると、上記の通りの第1の水相と第2の水相とを混合するという簡便な手段により、(a)卑金属ナノ粒子の溶解、(b)貴金属ナノ粒子の形成および(c)貴金属ナノ粒子の表面への卑金属の析出が自発的に進行し、貴金属ナノ粒子の表面を卑金属が被覆した形態の卑金属−貴金属複合粒子を形成することができる。換言すると、卑金属のマトリックス中に、貴金属ナノ粒子が含まれた卑金属−貴金属複合粒子が形成される。これは、貴金属ナノ粒子をコアとし、かかる貴金属ナノ粒子の表面をシェルとしての卑金属が被覆したコアシェル型粒子であり得る。かかる反応における(a)〜(b)はイオン化傾向の違いに伴う置換反応によるものと考慮することができる。しかしながら、上記(c)までの一連の反応(同時または逐次的な反応であり得る。)が進行する要因は定かではなく、このような現象はこの出願の発明者らにより見いだされた新たな知見であるといえる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様において、上記第1の水相は、第1の油中水(W/O)型のマイクロエマルション中の水相であり、上記第2の水相は、第2の油中水(W/O)型のマイクロエマルション中の水相であり、上記第1の水相と上記第2の水相の混合は、上記第1のW/O型のマイクロエマルションと上記第2のW/O型のマイクロエマルションとを混合することで実施することを特徴としている。
第1の水相および第2の水相の調製にマイクロエマルションを利用することで、これらの水相の寸法(例えば直径)を容易に100μm以下とすることができる。そして上記(a)〜(c)の反応場をかかるマイクロエマルションの水相に設けることができ、かかる水相内で上記の一連の反応を進行させることができる。これにより、マイクロエマルションの水相内に卑金属−貴金属複合ナノ粒子を形成することが可能となる。換言すれば、直径が100μm未満の上記複合ナノ粒子を製造することができる。さらに、かかるナノメートルサイズの複合ナノ粒子を、その粒径が揃った状態で製造することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様において、上記第1の水相は、卑金属イオンを含む水相に還元剤を添加することで調製することを特徴としている。
かかる構成によると、上記の第1の水相をいわゆる公知の還元法を採用して簡便に調製することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様において、卑金属イオンを含む水相を含む第3の油中水(W/O)型のマイクロエマルションと、還元剤を含む水相を含有する第4の油中水(W/O)型のマイクロエマルションとを混合することで、上記第1の水相を調製すること、を包含することを特徴としている。
かかる構成によると、上記第1の水相をW/O型のマイクロエマルションの特性を利用して調製することができ、W/O型のマイクロエマルションの水相からなる第1の水相を簡便に作製することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様においては、上記貴金属が白金であることを特徴としている。また、上記卑金属が、ニッケル、コバルト、鉄およびスズからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴としている。
これにより、貴金属ナノ粒子が触媒等として有用な白金からなる複合ナノ粒子を製造することができる。また、貴金属ナノ粒子を覆うシェル部分が、例えば、酸化還元反応により容易に除去可能な卑金属からなる卑金属−貴金属複合ナノ粒子を簡便に製造することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様において、上記第1の水相と上記第2の水相とを混合してなる混合溶液はホウ素を含むことを特徴としている。
詳細は定かではないものの、第1の水相と上記第2の水相との混合溶液にホウ素(B)が存在していることで、上記の(a)〜(c)の一連の反応が促進される傾向が見られる。これにより、より好適に卑金属−貴金属複合ナノ粒子の製造を実現することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様において、上記卑金属−貴金属複合ナノ粒子の平均粒径が、1nm以上10nm以下であることを特徴としている。また、上記卑金属−貴金属複合ナノ粒子の平均粒径が、5nm以上50nm以下であることを特徴としている。
かかる構成によると、例えば、貴金属粒子をより比表面積が大きく触媒活性の高いものとして含む複合ナノ粒子を製造することができる。また、複合ナノ粒子についても、平均粒径がナノメートルオーダーと小さく、触媒担体として好適に利用可能な形態で製造することができる。
他の側面において、本発明は、触媒粒子の製造方法を提供する。かかる製造方法は、上記のいずれかに記載の製造方法により製造された卑金属−貴金属複合ナノ粒子を用意すること、上記卑金属−貴金属複合ナノ粒子を担体に担持させること、および、上記卑金属−貴金属複合ナノ粒子の表面の上記卑金属を除去すること、を包含することを特徴としている。
上記の卑金属−貴金属複合ナノ粒子は、触媒作用を示し得る貴金属ナノ粒子が卑金属により覆われた形態で構成されているため、卑金属部分を除去することで該貴金属からなる触媒粒子を得ることができる。かかる構成により、触媒粒子を簡便に高分散状態のものとして製造することが可能となる。本発明によると、以上のように、例えば、粒径がナノメートルサイズで揃った形態の貴金属ナノ粒子からなる触媒が提供される。かかる触媒粒子は、例えば、自動車の排ガス触媒、PEFC用の電極触媒等として好ましく用いることができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様において、上記卑金属−貴金属複合ナノ粒子の表面の上記卑金属を除去することは、上記担体に担持された上記卑金属−貴金属複合ナノ粒子を触媒担体に配設した後、上記卑金属−貴金属複合ナノ粒子が配設された上記触媒担体を酸性環境に晒すことを包含する、ことを特徴としている。
かかる構成によると、触媒担体に担持された後に、所望のタイミングで貴金属ナノ粒子の表面を露出させるため、触媒金属が触媒担体に担持される過程やその後の使用までの間に触媒粒子が汚染されたり損傷を受けたりするのを抑制することができる。
また、本発明は、PEFC用の電極触媒の製造方法をも提供する。かかる製造方法は、上記のいずれかに記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子を用意すること、上記卑金属−貴金属複合ナノ粒子を上記PEFCの燃料極および空気極の少なくとも一方に配設すること、および、上記PEFCを運転することで上記卑金属−貴金属複合ナノ粒子の表面の上記卑金属を除去すること、を包含することを特徴としている。
かかる構成によると、例えば、PEFCの運転に併せて電極触媒に清浄な表面を備えることが可能で、触媒活性の高い電極触媒を製造することができる。
実施例において得られた卑金属−貴金属複合ナノ粒子の(A)(C)低倍率および(B)(D)高倍率での透過型電子顕微鏡(TEM)像を例示した図であり、(E)は(C)の部分拡大図である。 実施例において得られた卑金属−貴金属複合ナノ粒子の(a)TEM像、(b)同一視野におけるNi元素マップ、(c)同一視野におけるPt元素マップおよび(d)Ni元素マップおよびPt元素マップの対応箇所の要部拡大図である。 実施例において得られた卑金属−貴金属複合ナノ粒子のX線回折パターンを例示した図である。 実施例において得られたNi−Pt複合ナノ粒子における(a)Pt粒子と(b)Ni−Pt複合ナノ粒子の粒径の測り方を説明する図である。 実施例において得られたNi−Pt複合ナノ粒子の(a)Pt粒子の粒度分布と(b)Ni−Pt複合ナノ粒子の粒度分布を例示した図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、卑金属−貴金属複合ナノ粒子等の形態、その製造のための手順、条件等)以外の事項であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、原料等の入手・調製方法、マイクロエマルションの調製に関する一般的事項、PEFCの構成等に関する一般的事項等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
図1(A)〜(E)は、本発明の一実施形態としての卑金属−貴金属複合ナノ粒子1を例示したTEM像である。かかる複合ナノ粒子1は、卑金属のマトリックス3中に、貴金属ナノ粒子2が含まれて構成されている。卑金属のマトリックス3中には、例えば、図1(B)(D)に示すように、単一の貴金属ナノ粒子2が含まれていてもよいし、図1(E)に示すように、複数の貴金属ナノ粒子2が含まれていても良い。単一の貴金属ナノ粒子2が含まれた複合ナノ粒子1は、TEM像にみられるように、貴金属ナノ粒子2がコアを形成し、卑金属3部分がシェルを形成しているコアシェル粒子であるといえる。また、複数の貴金属ナノ粒子2が含まれた複合ナノ粒子1は、典型的には、単一の貴金属ナノ粒子2が含まれた複合ナノ粒子1が集合して一体化された構成であるといえる。したがって、マトリックス3中に含まれる複数の貴金属ナノ粒子2は、各々がマトリックス3に包まれており、互いに凝集することなく分散された状態で存在している。すなわち、貴金属ナノ粒子2の間には、卑金属のマトリックス3からなる障壁が存在し、貴金属ナノ粒子2同士の凝集を防止しているといえる。
ここで、卑金属のマトリックス3は水素よりもイオン化傾向の大きい金属から構成されている。したがって、かかる複合ナノ粒子1を触媒用材料として考慮した場合、卑金属のマトリックス3を簡便に除去することで、触媒粒子として機能し得る貴金属ナノ粒子2を得ることができる。かかる貴金属ナノ粒子2は、上記の通りの複合ナノ粒子1の形態により、単一のものとして得ることもできるし、例えば、複数の貴金属ナノ粒子2が互いに凝集(接触)することなく分散された高分散状態で得ることもできる。これにより、凝集のおそれの無い触媒粒子が提供される。また、複数の複合ナノ粒子1の分散(配設)形態を調整することで、任意の分散濃度(配設割合であり得る。)の貴金属ナノ粒子2を得ることもできる。
複合ナノ粒子1の形態は特定のものに限定されない。単一の貴金属ナノ粒子2を含む複合ナノ粒子1については、略球形の貴金属ナノ粒子2をマトリックス3が被覆した状態であり得ることから、概ね球形ないしは楕円球形であり得る。なお、ここでいう「球形」および「楕円球形」等の形態は、幾何学的に厳密な意味での球形、楕円球形に限定されず、概ね当該形状であることを意図している。さらに、複数の貴金属ナノ粒子2を含む複合ナノ粒子1については、上記の球形ないしは楕円球形体が互いに凝集して一体化してなる形状として把握することができ、特定の形状に限定されることのないいわゆる不定形状であり得る。
貴金属ナノ粒子2の平均粒径については厳密な制限はなく、例えば、所望の用途等の目的に応じて適宜調整することができる。おおよその目安としては、貴金属ナノ粒子2の平均粒径は、例えば、およそ1nm以上20nm以下、好ましくはおよそ1nm以上10nm以下、例えば、2nm以上5nm以下程度とすることができる。
また、複合ナノ粒子1の粒径についても特に制限はなく、所望の目的等に応じて調整することができる。例えば、単一の貴金属ナノ粒子2を含む複合ナノ粒子1についていえば、例えば、好適には、平均粒径がおよそ3nm以上30nm以下、より好ましくはおよそ3nm以上15nm以下、例えば5nm以上10nm以下程度のものとして考慮することができる。しかしながら、複数の貴金属ナノ粒子2を含む複合ナノ粒子1については、典型的には、包含する貴金属ナノ粒子2の数が増えるにしたがってその大きさも大きくなり、形状の複雑となる傾向がある。したがって、複数の貴金属ナノ粒子2を含む複合ナノ粒子1については特に寸法は限定されず、おおよその目安として、100nm以下のものとして理解することができ、好適には、平均粒径がおよそ5nm以上50nm以下、より好ましくはおよそ5nm以上30nm以下、例えば10nm以上20nm以下程度のものとして考慮することができる。
そして、マトリックス3部分の厚みについても特に制限されない。なお、この複合ナノ粒子1を触媒用材料などとして用いる場合には、マトリックス3部分を除去する必要があり、このマトリックス3の除去は容易に行えることが好ましい。かかる点を考慮すると、マトリックス3部分の厚みは、例えば、1nm以上10nm以下、例えば、1nm以上5nm以下、例えば、1nm以上3nm以下程度とするのが好ましい。
以上の複合ナノ粒子1について、貴金属ナノ粒子2を構成する貴金属としては、金(Au)、銀(Ag)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)およびこれらの合金を考慮することができる。これらの貴金属ナノ粒子2に触媒としての機能を求める場合、かかる貴金属は白金であるのが望ましい。
また、マトリックス3を構成する卑金属としては、上記の貴金属に対して溶液中における安定性が低い金属を考慮することができる。すなわち、上記貴金属として考慮される金属よりもイオン化傾向が相対的に高い金属を考慮することができ、上記貴金属よりもイオン化傾向の高い貴金属および卑金属であり得る。しかしながら、本発明においては、特に、水素よりもイオン化傾向の高い金属を好ましい卑金属として考慮するようにしている。換言すると、卑金属は、水素よりも還元電位が低い金属であり得る。例えば、具体的には、鉛(Pb),スズ(Sn),ニッケル(Ni),コバルト(Co),鉄(Fe),カドミウム(Cd),クロム(Cr),亜鉛(Zn),タンタル(Ta),マンガン(Mn),ジルコニウム(Zr),チタン(Ti),セリウム(Ce),アルミニウム(Al),ベリリウム(Be),トリウム(Th),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ストロンチウム(Sr),バリウム(Ba)や、これらの合金等が例示される。より好ましくは、ニッケル、コバルト、鉄、スズ等であり得る。
なお、本発明においては、かかるマトリックス3を構成する卑金属については、結晶構造を有するもののみならず、特定の結晶構造を持たない、いわゆるアモルファス金属ないしは金属ガラスとすることもできる。例えば、マトリックス3をこのようなアモルファス金属または金属ガラスで構成することで、マトリックス3に構造異方性が発現するのが抑制されて、例えば上記の通りの微小な貴金属ナノ粒子2の表面の全面を均質かつ好適に被覆することが可能となる。
このような「貴金属−卑金属」の組み合わせとしては、以下の例示に限定されるものではないが、特に、Pt−Ni,Pt−Co,Pt−Fe,Pt−Sn,Pd−Ni,Pd‐Co,Pd−Fe,Pd−Sn,Au−Ni,Au−Co,Au−FeおよびAu−Sn等が好ましい例として挙げられる。かかる組み合わせによると、触媒として有用な貴金属ナノ粒子2と、比較的容易に除去可能な卑金属マトリックス3からなる複合ナノ粒子1が実現される。
以上の卑金属−貴金属複合ナノ粒子1は、好適には、以下に説明する本発明の卑金属−貴金属複合ナノ粒子1の製造方法により製造することができる。本発明の好適な製造方法は、本質的に、以下の(1)および(2)に示す工程を含んでいる。
(1)卑金属ナノ粒子を含む第1の水相と、貴金属のイオンを含む第2の水相とを混合すること
(2)卑金属ナノ粒子を溶解させて貴金属ナノ粒子を形成するとともに、該貴金属ナノ粒子の表面に上記卑金属を析出させて卑金属−貴金属複合ナノ粒子を形成すること
[1.第1の水相と第2の水相の混合]
第1の水相は、少なくとも卑金属ナノ粒子を含んでいる。また、第2の水相は、少なくとも貴金属のイオン(錯体の形態であり得る。)を含んでいる。そして第1の水相と第2の水相との溶媒は、特に制限されるものではないが、蒸留水、イオン交換水等の水であり得る。本発明においてはこれら第1の水相と第2の水相とを混合して混合溶液とする。
貴金属としては、上記の通りの貴金属およびそれらの合金を考慮することができる。これらの貴金属のイオンとしては、代表的には、二価〜四価のものが知られており、貴金属のイオンとしてはいずれの価数のものを採用しても良い。また、貴金属のイオンは、錯体の形態であってもよい。貴金属として白金の場合を例にすると、例えば、白金の錯体としては、白金のアンミン錯体、シアノ錯体、ハロゲノ錯体、ヒドロキシ錯体等とすることができる。そして、例えば、白金のイオンを含む水相については、例えば、白金の塩化物、臭化物、ヨウ化物などのハロゲン化物や、水酸化物、硫化物、硫酸塩、硝酸塩、さらには、カリウム複合酸化物、アンモニウム複合酸化物、ナトリウム複合酸化物などの複合酸化物等を水に溶解することで用意することができる。より具体的には、例えば、塩化白金六水和物(H(PtCl)・6HO)、白金(IV)塩化物、白金(II)臭化物、白金(IV)ヨウ化物、白金(IV)硫化物、テトラクロロ白金(II)酸カリウム、テトラクロロ白金(II)酸アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)酸ナトリウム六水和物、白金(II)ヘキサフルオロアセチルアセトナト錯塩、白金(II)アセチルアセトナト錯塩等を水に溶解することが例示される。
第2の水相における貴金属のイオンの濃度について特に制限はなく、例えば、一例として、0.01mol/L〜10mol/L程度、より限定的には0.05mol/L〜5mol/L程度、例えば、0.1mol/L〜1mol/L程度を目安に調製することが例示される。
卑金属としては、上記の通りの卑金属およびそれらの合金を考慮することができる。そして、第1の水相に含まれる卑金属ナノ粒子の形態については特に制限はなく、例えば、均一な反応を迅速に進行させるとの観点から、微粒子であることが好ましい。例えば、具体的には、平均粒径が、100nm以下のナノ粒子、より好ましくは平均粒径がおよそ1nm以上20nm以下、好ましくはおよそ1nm以上10nm以下、例えば、2nm以上5nm以下のナノ粒子であることが望ましい。また、卑金属ナノ粒子の量は、例えば、後述の貴金属ナノ粒子を被覆するに適切な量とすることができる。このような微粒子を含む第1の水相は公知の各種の手法で調製することができる。例えば、特に限定するものではないが、一例として、卑金属イオンを含む水相に還元剤を添加してかかる非金属イオンを還元し、微粒子の形態で析出させる還元法を利用して調製することが例示される。
なお、この場合の還元剤としては、対象とする卑金属イオンを還元し得る各種の還元剤を用いることができる。かかる剤としては、具体的には、例えば、金属水素化物を用いることができる。好ましくは、水素化ホウ素化合物または水素化アルミニウム化合物等であり、例えば水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAHまたはDIBAL−H等と呼ばれる。)、あるいは水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)等であり得る。特に好ましくはNaBHである。詳細は定かではないものの、例えば、反応系内にこの還元剤に由来するホウ素(B)が存在した場合に、上記の反応(c)が好適に進行することが予想され得る。なお、かかる還元剤は、還元法による卑金属ナノ粒子の形成でほぼ分解される量を添加することができる。
また、第1の水相に含まれる卑金属ナノ粒子の量については特に制限はない。例えば、後述の卑金属−貴金属複合ナノ粒子の形成において進行する置換反応において、貴金属と卑金属とで同量の化学変化が生じ得る量とすることが考慮される。例えば、第1の水相に含まれる卑金属ナノ粒子の量は、上記の置換反応における貴金属と卑金属との反応電子数を考慮して、全ての貴金属イオンが析出するのに必要な電子数と、卑金属イオンが溶解する際に放出し得る電子数とが同じであって、貴金属と卑金属との全体がほぼ等しく置換され得る量となるように調製することが例示される。
具体的には、例えば、置換反応において貴金属と卑金属との反応電子数が同じであって、第1の水相と第2の水相とを同量(同体積)で混合して混合溶液とする場合は、第1の水相に含まれる卑金属ナノ粒子の量を0.01mol/L〜10mol/L程度、好ましくは0.05mol/L〜5mol/L程度、例えば、0.1mol/L〜1mol/L程度を目安に調製することができる。なお、ここでは、水相の溶媒1Lあたりに1mol分の卑金属ナノ粒子が含まれる場合を「1mol/L」のように表現している。
[2.卑金属−貴金属複合ナノ粒子の形成]
上記のように用意した第1の水相と第2の水相とを混合して混合溶液とすることで、かかる混合溶液中において置換反応が進行される。置換反応は、卑金属をM、貴金属をMで表した場合、代表的には、下式で示すことができる。
nM + mM n+ → nM m+ + mM
すなわち、第1の水相に含まれていた卑金属の粒子と第2の水相に含まれていた貴金属のイオンとが接触することで、貴金属のイオンはより安定になるために卑金属ナノ粒子中の電子を奪って還元し、中性の原子となるとともに順次析出して、貴金属ナノ粒子を形成する。また、卑金属ナノ粒子は電子を奪われるとともに溶媒中に溶解する。本願発明においては、かかる置換反応に引き続き、混合溶液中に形成された貴金属ナノ粒子の表面に、一旦溶解した卑金属が析出される。この現象の詳細については明確ではないものの、混合溶液中に形成された貴金属ナノ粒子の周辺では、溶出した卑金属イオンの濃度が局所的に高くなり得る。よって、生成した貴金属ナノ粒子の触媒作用などにより、かかる卑金属イオンが還元されて、貴金属ナノ粒子の表面を包み込むように析出するものと考えることができる。
[W/O型のマイクロエマルションの利用]
以上の本発明の卑金属−貴金属複合ナノ粒子の製造方法の好適な一実施形態として、第1の水相としてW/O型マイクロエマルションの水相を、第2の水相として第2のW/O型マイクロエマルションの水相を利用することが挙げられる。また、これに伴い、第1の水相についても、W/O型のマイクロエマルションを利用することで好適に調整することができる。すなわち、第3および第4のW/O型マイクロエマルションを用いることで、第1の水相を用意することができる。すなわち、本発明においては、卑金属ナノ粒子の製造と、卑金属−貴金属複合ナノ粒子の製造に係る反応場の全体あるいはその一部として、W/O型マイクロエマルションの水相を利用することを好適な態様としている。
マイクロエマルションとは、界面活性剤の自己組織化により形成されるミセル内に、媒体とは馴染みにくい流体を可溶化した熱力学的に安定な相であり、ミセルの直径がおおよそ100nm以下のものをいう。例えば、ミセルの直径は、50nm以下、好ましくは30nm以下、例えば15nm以下であり得る。このマイクロエマルションは、代表的には水相(W)と油相(O)と界面活性剤との3要素から構成される。媒体を油相(O)として、これに水相(W)が可溶化されたものをW/O型(逆ミセル型ともいう。)という。
したがって、W/O型マイクロエマルションの調製においてもかかる3要素を考慮することができる。マイクロエマルションの調製には、上記の3要素を混合した混合溶液を、比較的簡単に撹拌することにより容易に実施することができる。例えば、機械的な強い撹拌は特に必要とせず、人為的な振とう等により調製することができる。このように形成されるW/O型マイクロエマルションは、連続相である油相中に直径(ピーク粒径)が約100ナノメートル以下の水相が膨潤ミセル(逆ミセルである)として安定に存在し、透明ないしは半透明を呈したものであり得る。
なお、本明細書において、マイクロエマルション(逆ミセル)の直径については、特にことわりの無い限り、動的光散乱(DLS)法に基づく粒度分布測定装置により検出した散乱光強度の揺らぎを、NNLS法(Non-negative linear least squares method;非負線形最小二乗法)により解析することで得られた個数基準の粒度分布のピーク粒径を示している。本明細書に示される逆ミセルのピーク粒径は、粒度分布測定装置(マルバーン社製、ゼータサイザーナノZS)を用い、解析ソフト(マルバーン社製、ゼータサイザーソフトウェア6.20)により得た値である。
以下、本発明をこの例に限定するものではないが、好適な一実施形態として、マイクロエマルションを用いた複合ナノ粒子の製造方法を基に詳細に説明する。併せて、かかる製造方法により製造される卑金属−貴金属複合ナノ粒子についても簡単に説明する。
本発明において、W/O型マイクロエマルションの油相としては、上記の水相溶媒と相溶性のない溶液であれば特に制限なく用いることができる。例えば、非水溶性有機溶媒を好ましく用いることができる。かかる非水溶性の有機溶媒としては、例えば、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ベンゼン、シクロヘキサン、トルエン等の無極性溶媒を用いるのが好ましい例として示される。かかる有機溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。また、この非水溶性有機溶媒には、共溶媒として、n−ブタノール、イソプロパノール、アミルアルコール、ヘキサノール等の炭素数1〜6の低級アルコールを混合して用いてもよい。
また、W/O型マイクロエマルションの界面活性剤としては、上記の水相および油相について、逆ミセルを形成し得るものであれば特に制限なく用いることができる。かかる界面活性剤としては、例えば、一例として、いわゆる油溶性界面活性剤と言われる類の、非イオン性界面活性剤で比較的疎水性の強いものや、イオン性界面活性剤で比較的結晶性の悪いものを好ましく用いることができる。また、バイオサーファクタントと言われる類の微生物が作る天然の界面活性剤(例えば、特許文献2参照)を用いることができる。かかる界面活性剤としては、具体的には、例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)等に代表される第4級アンモニウム塩型や、ペンタエチレングリコールドデシルエーテル等に代表されるエーテル型、ジエチルヘキシルスルホこはく酸塩、ジオクチルスルホサクシネート塩等に代表されるアニオン性界面活性剤、オクチルフェノールポリ(エチレングリコールエーテル)、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル等に代表される非イオン性界面活性剤、さらには、マンノシドリピド系化合物、ラムノースリピド系化合物、ソフォロースリピド系化合物、トレハロースリピド系化合物、サクシノイルトレハロースリピド系化合物、セロビオースリピド系化合物、グルコシドリピド系化合物、アルカノイル−N−メチルグルカミドリピド系化合物に代表されるバイオサーファクタント化合物等が例示される。
これらの界面活性剤には、さらに、例えば、オクタノール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、セタノール等の長鎖アルコールに代表されるコーサーファクタントを添加することもできる。
本発明において、W/O型マイクロエマルションの水相における溶媒としては、上記と同様に、蒸留水、イオン交換水等の水を用いることができる。
[第3のW/O型マイクロエマルション]
第1の水相を調製するために用いる第3のW/O型マイクロエマルションの水相には、少なくとも卑金属イオンが含まれている。
卑金属イオンとしては、上記の卑金属として示した金属のイオンを考慮することができる。かかる卑金属イオンとしては、代表的には、一価〜四価のものが知られており、卑金属イオンとしてはいずれの価数のものを用いても良い。また、卑金属イオンは錯体の形態であってもよい。第3のマイクロエマルションの水相における卑金属のイオンの濃度について特に制限はなく、例えば、一例として、0.01mol/L〜10mol/L程度、より限定的には0.05mol/L〜5mol/L程度、例えば、0.1mol/L〜1mol/L程度を目安に調製することが例示される。
上記の濃度の卑金属イオンを含む水溶液と、上記油相及び界面活性剤とを混合し、撹拌することで、第3のW/O型マイクロエマルションを調製することができる。
ここで水相と界面活性剤との割合を調節することで、水相の大きさを調整することができる。すなわち、卑金属−貴金属複合ナノ粒子を形成するための反応場となる第1の水相の大きさを調整することができる。安定して卑金属−貴金属複合ナノ粒子を形成するために、水相と界面活性剤とは、例えば、水相:界面活性剤(モル比)として、20:1〜0.8:1程度の範囲とすることが例示され、好ましくは10:1〜2:1程度、特に好ましくは6:1〜4:1程度とすることができる。
なお、混合溶液における水相と油相との割合については、例えば、体積比を、水相:油相として、0.1:9.9〜7.5:2.5程度、好ましくは0.3:9.7〜2.5:7.5程度、特に好ましくは、0.5:9.5〜2:8程度とすることができる。
これにより、連続相としての油相中に、卑金属イオンを含み100μm以下の大きさの水相が分散された、第3のW/O型マイクロエマルションを用意することができる。
[第4のW/O型マイクロエマルション]
第1の水相を調製するために用いる第4のW/O型マイクロエマルションの水相には、少なくとも還元剤が含まれている。還元剤の量は、上記の第3のW/O型マイクロエマルションと第4のW/O型マイクロエマルションとの混合割合等によって適宜調整することができる。すなわち、第3および第4のW/O型マイクロエマルションを混合した際に、第3のW/O型マイクロエマルションの水相に含まれる卑金属イオンを還元できる量が第4のW/O型マイクロエマルションの水相に全体として含まれていればよい。
かかる還元剤を含む水溶液と、上記油相及び界面活性剤とを混合し、撹拌することで、第4のW/O型マイクロエマルションを調製することができる。水相、界面活性剤および油相の割合等については、上記の第3のW/O型マイクロエマルションの調製と同様にして行うことができる。
これにより、連続相としての油相中に、還元剤を含み100μm以下の大きさの水相が分散された、第4のW/O型マイクロエマルションを用意することができる。
[第1のW/O型マイクロエマルション]
上記のように調製した第3のW/O型マイクロエマルションと第4のW/O型マイクロエマルションとを混合することで、第1のW/O型マイクロエマルションを調製することができる。
すなわち、W/O型マイクロエマルションにおいて逆ミセル(水相)は互いに衝突し、逆ミセル間で会合および解離が連続的に繰り返して起こっている。このとき、逆ミセル内の水相では、水相内に含まれるイオンが逆ミセル間で相互に移動したり拡散したりし得る。本発明の製造方法においては、かかる逆ミセルの衝突等に伴う作用により、第3のW/O型マイクロエマルションの水相に含まれる成分と、第4のW/O型マイクロエマルションの水相に含まれる成分とが、均一となるように混合される。つまり、卑金属イオンと還元剤とが混合される。ここで、卑金属イオンは還元されてゼロ価の金属となるとともに、所定の逆ミセル内に集合することにより、卑金属ナノ粒子(典型的には、卑金属ナノ粒子)が生成され得る。この卑金属ナノ粒子の形成は、例えば、透明ないしは半透明であったマイクロエマルション溶液が、かかる卑金属ナノ粒子の生成により黒変することによって簡便に確認することができる。これにより、水相に卑金属ナノ粒子を含む第1のW/O型マイクロエマルションを調製することができる。
[第2のW/O型マイクロエマルション]
第2のW/O型マイクロエマルションの水相には、少なくとも貴金属のイオンが含まれている。貴金属のイオンの濃度は、上記のとおり第1のW/O型マイクロエマルションの水相内に含まれる卑金属ナノ粒子の量等に応じて適宜調整することができる。かかる貴金属のイオンを含む水溶液と、上記油相及び界面活性剤とを混合し、撹拌することで、第2のW/O型マイクロエマルションを調製することができる。水相、界面活性剤および油相の割合等については、上記の第3のW/O型マイクロエマルションの調製と同様にして行うことができる。
これにより、連続相としての油相中に、貴金属のイオンを含み100μm以下の大きさの水相が分散された、第2のW/O型マイクロエマルションを用意することができる。
[W/O型マイクロエマルションにおける卑金属−貴金属複合ナノ粒子の生成]
次いで、上記のように調製した第1のW/O型マイクロエマルションと第2のW/O型マイクロエマルションとを混合することで、混合後のW/O型マイクロエマルションの水相中に卑金属−貴金属複合ナノ粒子を形成することができる。つまり、本発明においては、卑金属−貴金属複合ナノ粒子の形成に際して、マイクロエマルションの水相を反応場として利用することができる。
混合後のW/O型マイクロエマルションにおいては、逆ミセルの衝突等に伴う作用により、第1のW/O型マイクロエマルションの水相に含まれる成分と、第2のW/O型マイクロエマルションの水相に含まれる成分とが接触する。すなわち、水相内にて卑金属ナノ粒子と貴金属のイオンとが混合されて接触する。ここで、卑金属ナノ粒子は置換反応により溶解するとともに、貴金属が析出して貴金属ナノ粒子(典型的には、貴金属ナノ粒子)を形成する。そして引き続き、かかる貴金属ナノ粒子の表面に卑金属が析出して、貴金属ナノ粒子をコアとし、卑金属をシェルとする卑金属−貴金属複合ナノ粒子を形成する。これにより、W/O型マイクロエマルションの水相に卑金属−貴金属複合ナノ粒子を製造することができる。
なお、かかる実施形態においては、上記の(a)〜(c)の反応が、マイクロエマルションのような熱力学的に安定で、かつ、非常に広い油相−水相界面を実現しながらもナノメートルオーダーの微細な反応場において生じることにより、極めて好適に卑金属−貴金属複合ナノ粒子が形成されるものと考えられる。
また、W/O型マイクロエマルションを利用した卑金属−貴金属複合ナノ粒子の製造においては、反応がマイクロエマルションの水相内で進行するため、形成される卑金属−貴金属複合ナノ粒子の平均粒径は必然的に水相のピーク粒径(マイクロエマルションのピーク粒径)よりも小さい寸法となり得る。水相の大きさは、上記の通り、マイクロエマルションの調製に際して水相と界面活性剤との割合を調整することで制御できるため、かかる手法によると、所望の平均粒径を有する卑金属−貴金属複合ナノ粒子を製造することができる。
他の側面において提供される本発明の触媒粒子の製造方法は、本質的に、下記の工程(3)〜(5)を包含している。
(3)上記の製造方法により製造された卑金属−貴金属複合ナノ粒子を用意すること
(4)卑金属−貴金属複合ナノ粒子を担体に担持させること
(5)卑金属−貴金属複合ナノ粒子の表面の卑金属を除去すること
[3.卑金属−貴金属複合ナノ粒子の用意]
上記の卑金属−貴金属複合ナノ粒子の製造方法により製造された卑金属−貴金属複合ナノ粒子を用意する。ここで、一般的な水溶液中に卑金属−貴金属複合ナノ粒子が製造されている場合、かかる状態で次の工程(4)に供することができる。一方で、上記のW/O型マイクロエマルションを利用した場合、公知の各種の手法によってW/O型マイクロエマルションから卑金属−貴金属複合ナノ粒子を回収することができる。具体的には、例えば、W/O型マイクロエマルションにアセトンを添加することで卑金属−貴金属複合ナノ粒子を沈殿させ、遠心分離することで溶媒を除去した後、オクタン,アセトン,精製水,アセトンの順で洗浄する等して卑金属−貴金属複合ナノ粒子を回収することができる。回収された卑金属−貴金属複合ナノ粒子は、例えば水または水溶液中に収容された状態で次の工程(4)に供することができる。
[4.卑金属−貴金属複合ナノ粒子の担持]
次いで、卑金属−貴金属複合ナノ粒子を所望の担体に担持させる。かかる担体には特に制限はないものの、例えば、触媒粒子としての利用の観点から導電性材料からなる担体に担持させるのが好ましい。例えば、各種の炭素材料や、TiO,SnO等の導電性酸化物等が例示される。好ましい態様としては、かかる担体として、例えば、PEFC用の電極触媒担体を用いることが例示される。担持の手法については特に制限はなく、例えば、公知の吸着や塗布等の手法を採用することができる。なお、本発明においては、ここで担体に担持された卑金属−貴金属複合ナノ粒子の各々が、完全に単離された状態でなく、凝集状態にあっても良い。また、複合ナノ粒子に含まれる貴金属ナノ粒子の部分が所望の分散状態となるように、複合ナノ粒子の担持状態を調製することができる。塗布法により担持させる場合には、例えば、複合ナノ粒子を含むペーストの複合ナノ粒子の配合量や、塗布条件を調製することで、複合ナノ粒子の担持状態を調製することができる。
[5.卑金属−貴金属複合ナノ粒子の表面の卑金属の除去]
上記の通り担体に担持された状態の卑金属−貴金属複合ナノ粒子から、シェル部分ともいえる卑金属を除去することで、コア部分である貴金属ナノ粒子からなる触媒粒子を得ることができる。かかる卑金属の除去は、例えば還元電位の差異を利用して卑金属を溶解させるなどして実施することができる。かかる卑金属の溶解は、例えば、担体に担持された状態の卑金属−貴金属複合ナノ粒子を酸溶液に浸すことで行っても良いし、あるいは、担体に担持された状態の卑金属−貴金属複合ナノ粒子を酸性雰囲気に晒すことで行っても良い。また、かかる卑金属の除去は比較的簡便に行えるため、例えば、用途に応じて任意のタイミングで実施することができる。具体的には、例えば、PEFCの電極触媒用途の触媒粒子については、PEFCの製造等が完了した後でPEFCの運転時に電極を酸性環境に晒すのを利用して、卑金属を除去するのが好適な例として示される。このように卑金属が除去された直後の触媒粒子の表面は極めて清浄であるため、より高い触媒活性を示すものであり得る。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明を以下の実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<例1〜例5>
[卑金属微粒子の合成]
油相としてn−オクタンを9mL、卑金属イオンを含む水相として0.5MのNiCl水溶液を1ml、界面活性剤としてポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(シグマアルドリッチジャパン合同会社製,Brij30(登録商標))を4.2mL用意し、混合することで、オクタンの連続相中にナノサイズのNiCl水溶液の液滴が分散したW/O型マイクロエマルションを調製した。以下、これをNi塩エマルションという。
また、油相としてn−オクタンを3mL、界面活性剤としてポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(シグマアルドリッチジャパン合同会社製,Brij30(登録商標))を1.4mL、還元剤として3MのNaBH水溶液を0.333ml用意し、混合することで、オクタンの連続相中にナノサイズのNaBH水溶液の液滴が分散したW/O型マイクロエマルションを調製した。以下、これを還元剤エマルションという。
上記で用意したNi塩エマルションと還元剤エマルションとをNパージしながら混合し、Niイオンを還元させてNi粒子を生成させることで、水相中にNi粒子を含むW/O型マイクロエマルションである、Niサスペンションを得た。
[貴金属微粒子の合成と、卑金属の再析出]
油相としてn−オクタンを9mL、卑金属イオンを含む水相として0.5MのKPtCl水溶液を1ml、界面活性剤としてポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(シグマアルドリッチジャパン合同会社製,Brij30(登録商標))を4.2mL用意し、混合することで、オクタンの連続相中にナノサイズのKPtCl水溶液の液滴が分散したW/O型マイクロエマルションを調製した。以下、これをPt塩エマルションという。
そして、上記のとおり調製してから24時間後のNiサスペンションに、Pt塩エマルションを加えて混合した。かかる混合溶液において、還元剤としてのNaBHはNi粒子の生成に際しほぼ全量が分解されて還元性を示し得ないことから、W/O型マイクロエマルションの水相においては、下記の置換反応が進行しているものと推察される。
Ni+[PtCl2−→Ni2++Pt+4Cl
このとき、生成したPt粒子の周辺では、溶出したNiイオン(卑金属イオン)濃度が局所的に高くなる。そこで、例えば、生成したPt粒子(貴金属ナノ粒子)の触媒作用などにより、かかるNiイオン(卑金属イオン)が還元されて、Pt粒子(貴金属ナノ粒子)の表面にシェルを形成することが予想される。これにより、W/O型マイクロエマルションの水相にNi−Ptコアシェル粒子を含む、Ni−Ptサスペンションを得た。
[担体への担持]
Ni−Ptサスペンションにカーボンブラック(ケッチェンブラック)を、下記の表1に示す5通りの配合で添加し、スターラーで24時間撹拌した。この混合溶液にアセトンを加えて懸濁物を沈殿させ、遠心分離することで溶媒を除去した後、オクタン,アセトン,精製水,アセトンの順で洗浄して、60℃で16時間乾燥させることで、Ni−Pt/C粉末(例1〜例5)を得た。
<例6〜例7>
[貴金属微粒子の合成]
n−オクタンを9mL、0.5MのKPtCl水溶液を1ml、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(シグマアルドリッチジャパン合同会社製,Brij30(登録商標))を4.2mL用意し、混合することで、オクタンの連続相中にナノサイズのKPtCl水溶液の液滴が分散したW/O型マイクロエマルション(Pt塩エマルション)を調製した。
また、n−オクタンを3mL、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(シグマアルドリッチジャパン合同会社製,Brij30(登録商標))を1.4mL、3MのNaBH水溶液を0.333ml用意し、混合することで、オクタンの連続相中にナノサイズのNaBH水溶液の液滴が分散したW/O型マイクロエマルション(還元剤エマルション)を調製した。
上記で用意したPt塩エマルションと還元剤エマルションとをNパージしながら混合し、Pt錯イオンを還元させてPt粒子を生成させることで、Ptサスペンションを得た。
[担体への担持]
上記で得たPtサスペンションにカーボンブラック(ケッチェンブラック)を、下記の表1に示す2通りの配合で添加し、スターラーで24時間撹拌した。この混合溶液にアセトンを加えて懸濁物を沈殿させ、遠心分離することで溶媒を除去した後、オクタン,アセトン,精製水,アセトンの順で洗浄して、60℃で16時間乾燥させることで、Pt/C粉末(例6〜例7)を得た。
[評価項目]
以上の例1〜例7で用意したサンプルに関して、以下の(a)〜(f)の項目について評価を行った。なお、以下の(a)、(c)の項目については、カーボンブラックに担持させる前のNi−Ptサスペンションについて測定した。
(a)TEM観察
例1〜例5のカーボンブラックに担持させる前のNi−PtサスペンションをTEMグリッドに滴下、乾燥させたTEM観察試料について、TEMおよびTEM−EDX(株式会社トプコンテクノハウス製、EM−002BF)によりサスペンション中に形成されたNi−Pt微粒子の構造を観察した。
(b)X線回折(XRD)分析および結晶相の定量
例1〜例5で得られたNi−Pt/C粉末をX線回折(XRD)分析することにより、かかる粉末の結晶構造を調べた。また、かかる粉末を誘導結合プラズマ発光分光(ICP−AES)分析に供することで、Pt含有量の測定を行った。
(c)平均粒径
上記項目(a)で得られたTEM像を基に、画像法により形成された200個のPtコア部分(濃いコントラストとして観察される)の粒径およびNi−Pt微粒子全体の粒径を測定した。なお、Ni−Pt粒子のTEM像において、図4に示したように、コントラストの濃い部分の最長の寸法(最長径)をPt粒径(Ptコア部分の粒径)とし、その周囲を被覆するコントラストの薄い部分の最長の寸法(最長径)をNi−Pt粒径(Ni−Pt粒子の粒径)とした。各項目の算出方法については、下記の表2に示した。
(d)貴金属微粒子分散度
カーボンブラック(C)に担持されている貴金属微粒子(Ni−PtまたはPt)の分散度を、標準貴金属微粒子担持粉末を基準として、下式により求めた。なお、標準貴金属微粒子担持粉末(以下、単に「標準粉末」という。)としては、田中貴金属工業(株)製の燃料電池用Pt/C触媒(TEC10E50E)を採用した。また、式中の「ECA」は、後述の(e)で測定される電気化学的活性表面積(electrochemical active surface area)を示している。
分散度(TEC10E50E基準)={(サンプルの平均粒径)×(サンプルのECA)}/{(標準粉末の平均粒径)×(標準粉末のECA)}
(e)電気化学的活性表面積(ECA)の測定
サイクリックボルタンメトリー(CV)測定により、各サンプルの電気化学的活性表面積(ECA)を算出した。なお、CV測定は酸溶液中で実施するため、測定対象のNi−Pt/C粉末は自ずと酸処理されて、Niシェル部分は溶解されることとなる。すなわち、以下の評価は、例1〜例7で製造されたNi−Pt/C粉末のPtコア粒子についてのECAを測定するものである。
すなわち、測定対象のNi−Pt/C粉末を、プロトン伝導性を示すパーフルオロカーボン溶液に分散させてNi−Pt/Cインクを用意し、このインクをグラッシーカーボン電極上に37.6μg/cmとなるように塗布し、乾燥させることで、作用極を用意した。また、参照極には白金を、対極には可逆水素電極(RHE)を用い、電解液には0.1M過塩素酸(HClO)溶液を使用して、三極式セルを作製した。この三極式セルには、測定前の30分間に電解液に窒素(N)ガスを吹き込み、セル内を窒素(N)で飽和させた。その後、25℃で、電位掃引速度50mV/s、電位掃引範囲0V〜1.2VvsRHEの条件で電位を掃引し、応答電流を測定した。
得られたサイクリックボルタモグラムの水素吸着波のピーク面積(水素吸着電荷):Qdesから、下式(1)に基づき、ECAを算出した。なお、式(1)中のSPtがサンプル中のPt微粒子のECAを、QはPt表面の水素吸着電荷(210μC/cm)を示している。
Pt=Qdes/Q …(1)
(f)酸素還元活性の測定
回転ディスク電極(RDE)を用いた対流ボルタンメトリー測定により、各サンプルの酸素還元活性を算出した。なお、対流ボルタンメトリー測定は酸溶液中で実施するため、測定対象のNi−Pt/C粉末は自ずと酸処理されて、Niシェル部分は溶解されることとなる。すなわち、以下の評価は、例1〜例7で製造されたNi−Pt/C粉末のPtコア粒子についての酸素還元活性を測定するものである。
すなわち、測定対象のNi−Pt/C粉末を、プロトン伝導性を示すパーフルオロカーボン溶液に分散させてNi−Pt/Cインクを用意し、このインクをグラッシーカーボン電極上に37.6μg/cmとなるように塗布し、乾燥させることで、作用極を用意した。また、対極には白金を、参照極には可逆水素電極(RHE)を用い、電解液には0.1M過塩素酸(HClO)溶液を使用して、三極式セルを作製した。この三極式セルには、測定前の30分間に電解液に酸素(O)ガスを吹き込み、セル内を酸素(O)で飽和させた。その後、25℃で、電位掃引速度10mV/s、電位掃引範囲0.2V〜1.2VvsRHE、電極回転数3600,2500,1600,900,400rpmの条件で電位を掃引し、応答電流を測定した。
得られた対流ボルタグラムを用いた0.9VにおけるKouteky−Levichプロットから酸素還元活性支配電流Ikを算出した。そして、この値をPt微粒子の重量当たり、および、上記(f)で算出したECA当たりに換算することで、それぞれ質量活性および比活性とした。
[評価結果]
(a)TEM観察
図1の(A)および(B)は生成直後のNi-Ptサスペンション中のNi-Pt粒子のTEM像であって、(C)および(D)はNi-Ptサスペンションを24時間静置した後に得られたNi-Pt粒子のTEM像である。図に示されるように、サスペンション中にはシングルナノサイズのNi−Pt粒子が生成していること、これらの生成したNi-Pt粒子はいずれも、粒子像の中心付近のコントラストが濃く、周縁部のコントラストが薄いことから、コア部分がより重い元素であるPt、シェル部分がより軽い元素であるNiのコアシェル構造を有していると考えられる。
24時間静置した(C)および(D)では、一部に幾つかのNi-Pt粒子が凝集している様子が見られた。この凝集体において、Ni部分については複数の粒子のシェル部分が一体化した様子が見られるものの、かかる凝集部においてもNiシェル部分が存在していることによりPtコア部分は独立した状態を保ち、Ptコア部分については凝集のない分散状態を保ち得ることが確認できた。
図2はEDX分析による元素マップを示しており、(A)は全元素からなるTEM像を、(B)は同視野におけるNi元素の分布を、(C)は同視野におけるPt元素の分布を示している。また、(D)は(B)(C)の同一視野部分を拡大した図である。
図2に示されるように、Ni-Ptサスペンションから調整されるサンプルには、全体として、Ni-Pt微粒子およびNi,Ptの各元素が凝集することなく高度に分散して存在していることがわかった。また、NiとPtはほぼ同じ場所に存在するものの、Niの方がやや広がりが広いことがわかる。また(D)に示されるように、Ni-Pt微粒子の中心付近には明瞭にPtからなる略球状のPt(Ptコア部分)が存在することが確認できた。
なお、Niシェル部分を詳細にTEM観察しても格子縞を明瞭に観察することができず、Niシェル部分が結晶構造ではなくアモルファス構造に近いことがわかった。Niシェル部分が結晶ではなくアモルファスであることで、粒界や結晶面が形成されず等方的な構造となり得るためにPtコア部分の表面を比較的均一に被覆できているものと考えられる。また、Niシェル部分の厚みは1nm以上であって、Ptコア部分の凝集を防ぐのには十分な厚みであると考えられる。
(b)XRD分析
例5のNi-Pt微粒子担持材料のXRD分析により得られたXRDパターンを図3に示した。XRDパターンにはPt以外のピークが表れておらず、Niシェル部分がアモルファス構造であることを裏付ける結果となった。Niシェル部分がアモルファス構造となりやすい理由については明瞭ではないものの、還元剤(NaBH)由来のホウ素がNiの析出時にNiに取り込まれる誘導共析の影響があると考えられる。
(c)平均粒径
a:Pt粒子とb:Ni−Pt粒子の粒径を測定して得た粒度分布を図5に示した。また、これらの粒径から算出される算術平均値を平均粒径とし、標準偏差と併せて表3に示した。
図5に示されるように、Ptコア部分については平均粒径が3.7nmの粒径の揃った単分散に近い粒度分布が得られていることが確認できた。
(d)貴金属微粒子分散度
貴金属微粒子分散度の測定結果を下記の表4に示した。
例1〜例5のサンプルのPt分散度は、標準試料と同程度の優れた分散性を示すことが確認できた。この分散度は、例6〜例7の場合とは異なり、Pt担持量が増えても低下することがなく、担持するPt粒子の数が増えても高分散状態が極めて良好に維持され得ることが確認できた。
例1〜例5のサンプルでは、担体に担持される際には、Pt粒子がNiに被覆された卑金属−貴金属複合ナノ粒子(Ni−Pt/C粉末)の形態であることから、貴金属ナノ粒子同士が密接した状態で担持されることがない。そして、触媒粒子としての使用に際してNi部分を除去することで、貴金属ナノ粒子同士が良好に分散した状態で担体に担持されることがわかる。
また、一般に、このような分散度は、触媒粒子の担持量を増大した場合に低下し、触媒粒子の凝集は避けられない。しかしながら、上記の例1〜例5に示されるように、担体への担持の際にPt粒子をNiにより被覆した状態としておくことで、Niの除去後のPt粒子の高分散状態を確保することができる。
例1〜例5に示された触媒粒子におけるPt粒子の分散度は、一般的に高分散性触媒として評価されている標準粒子と同じレベルであり、本発明の触媒粒子は、担体への担持量に関わることなく高い分散度を有しているといえる。
(e)ECAおよび(f)酸素還元活性(質量活性および比活性)
ECAおよび酸素還元活性(質量活性および比活性)の測定結果を下記の表4に示した。例1〜例5のサンプルはいずれも、標準試料および例6〜例7のサンプルと比較して、質量活性および比活性が大幅に高いことがわかった。特に比活性は、標準試料の2倍〜3倍に近い値である。質量活性は、下式で表される。
質量活性=(ECA)×(比活性)
ここで、例1〜例5のサンプルは、標準試料と比べて比活性が高く、ECAが低いことから、質量活性が標準試料よりも高い値となったのは比活性が大幅に高いことに因ると言える。このような比活性の向上は、Pt表面がクリーンであることを示唆している。また、例1〜例5のECAが標準試料よりも小さくなった原因は、Pt分散度が標準試料と同程度であったことから推察すると、Pt粒径が標準試料におけるPt粒子の粒径よりも大きかったためであるといえる。また、例1〜例5のサンプルの比活性およびECAが、例6〜例7と比較して高かったことから、例1〜例5の質量活性が大きかったのは、比活性とECAの両方が向上されていることに因るといえる。
よって、本発明の製造方法によると、貴金属微粒子の生成と同時にその表面をNiが被覆するため、使用時にNiを除去することで、比活性が高く、極めてクリーンな表面の貴金属微粒子が得られることがわかった。
本発明は、卑金属−貴金属コアシェル粒子の製造を通じて、貴金属ナノ粒子が高分散な状態で担持された触媒粒子を製造するものである。かかる触媒粒子は、例えば、卑金属−貴金属コアシェル粒子が担体に担持され、任意のタイミングで貴金属ナノ粒子を被覆していた卑金属シェル部分を除去することで製造される。そのため、貴金属ナノ粒子の高分散状態を確実に実現することができる。また、使用に際して卑金属シェル部分を除去することができるため、貴金属ナノ粒子のコンタミネーションが発生せず、清浄な表面状態を備える触媒粒子として供される。したがって、高分散で、極めて触媒性能(例えば比活性)の高い触媒粒子が提供される。

Claims (23)

  1. 卑金属のマトリックス中に、一または複数の貴金属からなるナノ粒子が含まれており、
    前記卑金属は水素よりもイオン化傾向の大きい金属である、卑金属−貴金属複合ナノ粒子。
  2. 前記卑金属のマトリックス中に、複数の前記貴金属からなるナノ粒子が互いに分散された状態で含まれている、請求項1に記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子。
  3. 前記貴金属は白金である、請求項1または2に記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子。
  4. 前記卑金属は、ニッケル、コバルト、鉄およびスズからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子。
  5. 前記貴金属からなるナノ粒子は、平均粒径が1nm以上10nm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子。
  6. 前記卑金属−貴金属複合ナノ粒子は、平均粒径が5nm以上50nm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子。
  7. 前記卑金属のマトリックスは、前記貴金属ナノ粒子の周囲を平均厚み1nm以上10nm以下で覆っている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子。
  8. 前記貴金属からなるナノ粒子がコアを形成し、前記卑金属がシェルを形成している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子。
  9. 前記卑金属がアモルファスである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子を主体として含む、触媒用材料。
  11. 請求項10に記載の触媒用材料を電極触媒用材料として用いて構成された電極を備える、固体高分子型燃料電池。
  12. 卑金属ナノ粒子を含む第1の水相と、貴金属のイオンを含む第2の水相とを混合すること、ここで前記卑金属は水素よりもイオン化傾向の大きい金属である、および
    前記卑金属ナノ粒子を溶解させて前記貴金属からなるナノ粒子を形成するとともに、該貴金属からなるナノ粒子の表面に前記卑金属を析出させて卑金属−貴金属複合ナノ粒子を形成すること、
    を包含する、卑金属−貴金属複合ナノ粒子の製造方法。
  13. 前記第1の水相は、第1の油中水(W/O)型のマイクロエマルション中の水相であり、
    前記第2の水相は、第2の油中水(W/O)型のマイクロエマルション中の水相であり、
    前記第1の水相と前記第2の水相の混合は、前記第1のW/O型のマイクロエマルションと前記第2のW/O型のマイクロエマルションとを混合することで実施する、請求項12に記載の製造方法。
  14. 前記第1の水相は、卑金属イオンを含む水相に還元剤を添加することで調製する、請求項12または13に記載の製造方法。
  15. 卑金属イオンを含む水相を含む第3の油中水(W/O)型のマイクロエマルションと、還元剤を含む水相を含有する第4の油中水(W/O)型のマイクロエマルションとを混合することで、前記第1の水相を調製すること、を包含する請求項12〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 前記貴金属が白金である、請求項12〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 前記卑金属が、ニッケル、コバルト、鉄およびスズからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項12〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 前記第1の水相と前記第2の水相とを混合してなる混合溶液はホウ素を含む、請求項12〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
  19. 前記貴金属からなるナノ粒子の平均粒径が、1nm以上10nm以下である、請求項12〜18のいずれか1項に記載の製造方法。
  20. 前記卑金属−貴金属複合ナノ粒子の平均粒径が、5nm以上50nm以下である、請求項12〜19のいずれか1項に記載の製造方法。
  21. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子を用意すること、
    前記卑金属−貴金属複合ナノ粒子を担体に担持させること、および
    前記卑金属−貴金属複合ナノ粒子の表面の前記卑金属を除去すること、
    を包含する、触媒粒子の製造方法。
  22. 前記卑金属−貴金属複合ナノ粒子の表面の前記卑金属を除去することは、
    前記担体に担持された前記卑金属−貴金属複合ナノ粒子を触媒担体に配設した後、前記卑金属−貴金属複合ナノ粒子が配設された前記触媒担体を酸性溶液に晒すことを包含する、請求項21に記載の製造方法。
  23. 固体高分子型燃料電池用の電極触媒の製造方法であって、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の卑金属−貴金属複合ナノ粒子を用意すること、
    前記卑金属−貴金属複合ナノ粒子を前記固体高分子型燃料電池の燃料極および空気極の少なくとも一方に配設すること、および
    前記燃料電池を運転して前記卑金属−貴金属複合ナノ粒子を酸性環境に晒すことで前記卑金属−貴金属複合ナノ粒子の表面の前記卑金属を除去すること、
    を包含する、製造方法。
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