JP2003113250A - 含水珪酸充填ゴムの製造方法 - Google Patents

含水珪酸充填ゴムの製造方法

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JP2003113250A
JP2003113250A JP2002165586A JP2002165586A JP2003113250A JP 2003113250 A JP2003113250 A JP 2003113250A JP 2002165586 A JP2002165586 A JP 2002165586A JP 2002165586 A JP2002165586 A JP 2002165586A JP 2003113250 A JP2003113250 A JP 2003113250A
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hydrous silicic
rubber
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hydrous
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Kazuo Takebe
和男 建部
Osamu Yatabe
修 谷田部
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特別な機械的混練等の作業を必要とせずに、含
水珪酸を含有するSBRなどのゴムを簡便に、且つ、生
産性良く製造するための、含水珪酸充填ゴムの製造方法
を提供する。 【解決手段】ゴムラテックスとカチオン性高分子を含有
する含水珪酸の水性懸濁液とを混合すると同時に、或い
は、混合した後に、該ゴムラテックス中のゴムを含水珪
酸と共凝固させる。その際、含水珪酸水性懸濁液として
は、含水珪酸合成後、乾燥工程を経ないものと乾燥工程を
経たものとを併用することも好ましい態様の一つであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含水珪酸充填ゴム
の製造方法に関する。詳しくは、特別な機械的混練等の
作業を必要とせずに、含水珪酸を含有するSBRなどの
ゴムを簡便に製造するための、含水珪酸充填ゴムの製造
方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、含水珪酸は、各種ゴムの補強
性充填剤として広く使用されている。例えば、バンバリ
ーミキサー、オープンロール、ニーダー等の機械的混練
装置を用いて、乾燥した含水珪酸をゴム中へ配合する方
法が広く行われている。ところが、含水珪酸は、ゴム用
補強充填剤として広く用いられているカーボンブラック
に比べ、その表面がシラノール基に覆われた親水性で強
い自己凝集性を持っているために、疎水性であるゴム中
への分散が容易ではなかった。
【0003】そのため、従来では、含水珪酸をゴム用補
強充填剤として用いる際、カーボンブラックの補完剤的
な目的で用いられることが多かった。
【0004】一方、近年、高燃費性と高グリップ性を両
立させるために、カーボンブラックに代わる乗用車向け
タイヤ用充填剤として含水珪酸が注目されるようになっ
た。しかしながら、前記のような分散性、生産性の悪さ
から、含水珪酸をゴム中に上記必要量配合することは困
難であるという問題が指摘されている。
【0005】ゴム中に充填剤を充填させる方法として、
例えば、特公昭36−19390号には、ゴムラテック
ス、オイルエマルジョン及びカーボンブラックを適当な
割合で混合分散させ、両方の分散液を混合し、ゴム中に
充填剤粒子を取り込みながらゴムラテックス中のゴムを
凝固させる、いわゆる「共凝固」をさせた後、得られる
共凝固物を水洗、脱水、乾燥する方法が採用されてい
る。
【0006】しかしながら、上記の方法を含水珪酸に対
して適用し、含水珪酸を充填させたゴムを製造しようと
した場合、前述のように、含水珪酸表面が親水性である
こと及び自己凝集性が強いことに起因し、凝固するゴム
中に含水珪酸が十分に取り込まれず、含水珪酸とゴムと
が分離してしまうため、水洗時に該含水珪酸が洗い流さ
れ、目的とする含水珪酸充填量を有するゴムを得ること
が困難である。
【0007】上記方法における問題を解決するため、米
国特許4482657号には、含水珪酸の水性懸濁液
(以下、「含水珪酸水性懸濁液」ともいう。)に、臭化
セチルトリメチルアンモニウム等のひとつの長鎖のアル
キル基と3つのメチル基を持つ第四級アンモニウム塩よ
りなる界面活性剤を加えて含水珪酸表面を処理すること
によりゴムラテックスとの親和性を高めた後、ゴムラテ
ックスと混合し、次いで、酸によりゴムと含水珪酸とを
共凝固させる方法が提案されている。
【0008】しかしながら、上記方法によれば、共凝固
においてゴム中に取り込まれる含水珪酸の量はある程度
向上するものの、含水珪酸水性懸濁液の粘度が高くな
り、共凝固物中での含水珪酸の分散が不十分なことに起
因すると思われるが、得られる共凝固物を使用して得ら
れるゴムの物性において改善の余地があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、共凝固により含水珪酸充填ゴムを得る方法において、
含水珪酸をゴム中に確実に取り込むことができ、しか
も、ゴム物性が優れた含水珪酸充填ゴムを得ることが可
能な含水珪酸充填ゴムの製造方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、含水珪酸水性懸濁
液にカチオン性基を有する高分子、即ち、カチオン性高
分子を予め配合し、懸濁している含水珪酸の表面を該カ
チオン性高分子によって表面処理することにより、上記
含水珪酸水性懸濁液の粘度を上昇することなく、含水珪
酸とゴムラテックスとの親和性が確保でき、該含水珪酸
水性懸濁液とゴムラテックスとを混合して共凝固させる
際に、含水珪酸とゴムラテックスとが互いに分離せず共
凝固できると共に、ゴム物性が向上した含水珪酸充填ゴ
ムを得ることができることを見出した。
【0011】また、カチオン性高分子を使用することに
より、前記従来技術で使用されていた低分子量の界面活
性剤を使用する場合に比べて、共凝固物を含む反応液の
粘度を低下することができ、該共凝固物の分離の際の濾
過等の作業性が向上し、工業的にも極めて有利となるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、ゴムラテックスとカチオ
ン性高分子を含有する含水珪酸の水性懸濁液とを混合す
ると同時に、或いは、混合した後に、該ゴムラテックス
中のゴムを含水珪酸と共凝固させることを特徴とする含
水珪酸充填ゴムの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる含水珪酸は、
いかなる製造方法によって得られたものでもよいが、
「湿式法」として知られている方法で得られるものが好
適に使用できる。即ち、珪酸ソーダと硫酸等の酸で中和
反応を行ない、含水珪酸を水溶液中で析出させ、これを
必要に応じて水洗する方法によって得られたものである
ことが好ましい。上記珪酸ソーダと酸の添加方法は、公
知の方法を何ら制限なく採用することができる。上記の
酸の一部もしくは全部の代わりに硫酸アルミニウムを用
いて中和反応させた、金属塩を多く含有した含水珪酸を
用いることもできる。
【0014】また、上記含水珪酸の物性は、何ら制限さ
れることはなく、必要とする目的等を勘案して適宜選択
すればよい。
【0015】例えば、上記含水珪酸の物性としては、ゴ
ム用の充填剤として用いることを勘案すると、比表面積
が50〜350m/g、70〜300m/g、吸油
量が100〜300cm/100gのものが好適であ
る。
【0016】上記比表面積が50m/g未満の含水珪
酸を用いて得られる含水珪酸充填ゴムを使用したゴム組
成物において、引張り強度や耐摩耗性などのゴム物性が
十分に改善されない。また、上記比表面積が350m
/gを越える含水珪酸を用いて、ゴムラテックスと混
合、共凝固して得られる生成物の粒子径が小さいため
に、濾過性が悪くなり好ましくない。
【0017】本発明において、含水珪酸水性懸濁液の調
製は、前記含水珪酸の製造における中和反応後、乾燥を
行うことなく、該含水珪酸を含むスラリー或いは湿ケー
クを水に分散する方法が好適に採用される。即ち、乾燥
を経ないで水に分散させることにより、含水珪酸の物性
設計の自由度が増し、乾燥時の乾燥収縮による自己凝集
のデメリットを避けることができる。
【0018】ところが、上記含水珪酸の乾燥を経ずに調
製された含水珪酸水性懸濁液を使用して本発明を実施す
る場合、後述する工程で得られる共凝固物の粒径が小さ
くなり、濾過性が低下することがある。
【0019】かかる問題を防止するために、含水珪酸水
性懸濁液を、珪酸ソーダと酸との中和反応後乾燥するこ
となく得られた上記含水珪酸(未乾燥含水珪酸)と共に
乾燥した含水珪酸(乾燥含水珪酸)を同時に水に分散す
ることによって含水珪酸水性懸濁液を調製することが好
ましい。かかる乾燥含水珪酸を併用することによって、
得られる共凝固物の粒径を増大せしめることができ、そ
の濾過性を改善することが可能である。
【0020】上記乾燥含水珪酸の使用割合は、未乾燥含
水珪酸に対して、固形分換算で1〜50重量%の割合で
使用することが好ましい。
【0021】勿論、本発明においては、乾燥含水珪酸のみ
を使用して含水珪酸水性懸濁液を調製することも可能で
ある。
【0022】本発明で用いる含水珪酸水性懸濁液は、上
記含水珪酸を水中に分散・懸濁させたものであれば、何
ら制限なく使用できる。例えば、前記したスラリー状含
水珪酸をそのまま使用してもよく、さらにこれに水を加
えて所定の濃度に調整して分散・懸濁させたものを使用
してもよい。また、乾燥させた含水珪酸を水と混合し、
公知の方法で分散・懸濁させたものを使用してもよい。
【0023】上記含水珪酸水性懸濁液中の含水珪酸の濃
度は、特に制限されないが、通常、1〜20重量%の範
囲が好適に使用される。
【0024】本発明において、含水珪酸水性懸濁液中の
含水珪酸の平均粒径は、特に制限されず、目的や用途を
勘案して適宜決定すればよい。一般的には、0.1〜5
0μmの範囲が好適に採用される。該含水珪酸の平均粒
径を0.1μm以上とすることにより、含水珪酸の自己
凝集性による分散不良を防ぐことができ、得られるゴム
の硬度が良好となる。一方、平均粒径を50μm以下と
することにより、ゴム中での分散が良好となり、十分な
補強性が得られる。
【0025】その中でも、たとえば、タイヤ用途等に用
いられる、高比表面積で凝集力が強いため機械的混練法
ではゴム中への均一分散が難しい含水珪酸を用いる場合
は、水性懸濁液中の含水珪酸の平均粒径を0.1〜1μ
mに調整することで、含水珪酸がゴム中へ均一に分散で
き、これまでに得られなかった高補強性で高耐磨耗性の
ゴムを得ることができる。
【0026】また、元来分散性の良い低比表面積の含水
珪酸では、水性懸濁液中の含水珪酸の平均粒径が10〜
50μmの粗粒径においても、ゴム中での分散が容易で
あり、十分な補強性を得ることができる。
【0027】さらに、水性懸濁液中の含水珪酸の平均粒
径を1〜10μmの範囲に調整すれば、高補強性と加工
性のバランスの取れた含水珪酸充填ゴムを得ることがで
きる。
【0028】上記含水珪酸の水性懸濁液の製造方法は、
特に制限なく、目的とする水性懸濁液中の含水珪酸の平
均粒径を勘案して、適宜分散方法を選択すればよい。平
均粒径10μm以上であれば、剪断力の弱いディスパー
等を、平均粒径1〜10μmであれば、ホモジナイザー
やコロイドミル等を、平均粒径1μm以下であれば、高
圧ホモジナイザー等を用いればよい。各分散機を用いる
条件についても何ら制限はなく、目的とする粒径が得ら
れるように適宜調整すればよい。
【0029】本発明において、前記含水珪酸水性懸濁液
に含有させて用いられるカチオン性高分子は、水に溶解
させた際に電離してカチオン性を示す高分子であれば、
何ら制限なく使用することができる。一般には、アミン
塩基、四級アンモニウム塩基、ヒドロキシアンモニウム
塩基等のカチオン性基を有するモノマーから重合された
水溶性高分子が好適である。その中でも3級アミン塩基
および4級のアンモニウム塩基を有するモノマーを重合
して得られたカチオン性高分子を用いた場合、得られる
含水珪酸充填ゴムを使用したゴム組成物の物性が良好で
あるために好適に使用される。
【0030】また、上記カチオン性基を有するモノマー
を重合した水溶性高分子は、上記した効果を阻害しない
範囲で、その他のモノマーと共重合したものでもよい。
【0031】上記カチオン性高分子を具体的に例示する
と、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリビニ
ルピリジン、ポリアミンスルホン、ポリアリルアミン、
ポリジアリルメチルアミン、ポリアミドアミン、ポリア
ミノアルキルアクリレート、ポリアミノアルキルメタア
クリレート、ポリアミノアルキルアクリルアミド、ポリ
エポキシアミン、ポリアミドポリアミン、ポリエステル
ポリアミン、ジシアンジアミド・ホルマリン縮合物、ポ
リアルキレンポリアミン・ジシアンジアミド縮合物等の
高分子及びこれらの塩、更に、ポリジアリルジメチルア
ンモニウムクロライド、ポリビニルピリジニウムクロラ
イド、ポリメタクリル酸エステルメチルクロライド等の
4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
【0032】これらのうち、ポリビニルアミン、ポリア
リルアミン、ポリジアリルメチルアミン、ポリエポキシ
アミンおよびそのアンモニウム塩、ポリジアリルジメチ
ルアンモニウムクロライド、ポリビニルピリジニウムク
ロライドが得られる含水珪酸充填ゴムを使用したゴム組
成物の物性が良好であるために好適に使用される。
【0033】また、共重合体としては、上記モノマーの
少なくとも一種と、アクリルアミド、アクリル酸、アク
リル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル
等の他のモノマーの少なくとも一種との共重合体が挙げ
られる。
【0034】また、上記カチオン性高分子の重量平均分
子量は、1,000〜1,000,000であることが
好ましい。すなわち、重量平均分子量が1、000以下
の場合、本発明により得られる含水珪酸充填ゴム中の含
水珪酸の分散性が十分でなく、重量平均分子量が1,0
00,000を超えると含水珪酸の水性懸濁液の粘度が
高くなり、ゴムラテックスとの均一な混合が困難となる
ため好ましくない。
【0035】尚、上述したカチオン性高分子の代わり
に、臭化セチルトリメチルアンモニウム等の低分子の四
級アンモニウム塩を使用する従来の方法においては、共
凝固による沈殿物が得られるものの、該共凝固による沈
殿物中の含水珪酸の分散が十分でなく、結果として十分
なゴム補強性が得られない。
【0036】本発明において、含水珪酸水性懸濁液への
上記カチオン性高分子の配合量としては、後に混合され
る含水珪酸水性懸濁液中の含水珪酸100重量部に対し
て1〜20重量部が好適であり、3〜10重量部がより
好適である。
【0037】上記カチオン性高分子の配合量が1重量部
未満であると、本発明により得られる含水珪酸充填ゴム
中の含水珪酸の分散が十分でない。
【0038】本発明において、上記カチオン性高分子と
含水珪酸の水性懸濁液とを配合する方法は、該カチオン
性高分子が水性懸濁液中に均一に混合される方法であれ
ば、特に制限されない。
【0039】具体的には、カチオン性高分子をあらかじ
め作成しておいた含水珪酸の水性懸濁液に攪拌下配合し
てもよいし、含水珪酸を水と混合・分散させて水性懸濁
液にする際に同時に配合してもよい。
【0040】本発明において用いられるゴムラテックス
は、何ら制限なく、アニオン系の乳化剤を使用して得ら
れるゴムラテックスが好ましい。具体的には、アニオン
系の乳化剤で安定化された天然ゴムラテックス、または
アニオン系の乳化剤を用いた乳化重合により製造される
ゴムラテックスが挙げられる。
【0041】上記アニオン系乳化剤としては、ステアリ
ン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸やロジン酸ナトリウム等
のロジン酸石鹸が代表的である。
【0042】また、ゴムラテックス中のゴム成分を具体
的に例示すると、天然ゴム(NR)ラテックス、イソプ
レンゴム(IR)ラテックス、ブタジエンゴム(BR)
ラテックス、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテッ
クス、クロロプレンゴムラテックス、ブチルゴムラテッ
クス、ニトリルブタジエンゴムラテックス等があげら
れ、タイヤ用途に用いる場合においては、SBR系のゴ
ムラテックスを用いることが好適である。
【0043】また、ゴムラテックスとして、アミノ基、
エポキシ基等の官能基を導入した変性ゴムラテックスを
用いることができる。
【0044】更に、ゴムラテックス中に界面活性剤で懸
濁させたプロセスオイルを混合した油展系のゴムラテッ
クスにも使用することができる。
【0045】上記ゴムラテックス中のゴム成分の濃度
は、特に制限されず、目的、用途に応じて適宜設定すれ
ばよい。通常は、10〜30重量%(wt)の範囲が好
適である。
【0046】本発明において、ゴムラテックスとカチオ
ン性高分子を含有する含水珪酸水性懸濁液とを混合する
方法は、特に制限なく用いることができる。一般的に
は、ゴムラテックスと任意の平均粒径に調整した含水珪
酸水性懸濁液とを、ディスパーやホモミキサー等の一般
的な分散装置を用いて混合する方法が採用される。
【0047】本発明において、得られる含水珪酸充填ゴ
ムにおける含水珪酸の配合量は、上記ゴムラテックスと
カチオン性高分子を含有する含水珪酸水性懸濁液との混
合割合によってほぼ決定することができる。かかる含水
珪酸の配合量は、特に制限されず、目的とする用途に応
じて適宜選択すればよいが、本発明によれば、共凝固が
極めて良好に行われるため、従来の方法では達成できな
かった高充填率での配合も可能であり、しかも、優れた
ゴム物性を有するゴム組成物を与える含水珪酸充填ゴム
を得ることができる。
【0048】上記含水珪酸のゴム中への配合量は、例え
ば、タイヤ用途に用いる場合、ゴム成分100重量部に
対して20〜300重量部が好適であり、より好ましく
は、30〜200重量部の範囲である。
【0049】本発明において、ゴムラテックスと含水珪
酸の水性懸濁液との混合液からゴムと含水珪酸とを共凝
固させる方法は、ゴムラテックスとカチオン性高分子を
含有する含水珪酸の水性懸濁液とを混合すると同時に、
或いは、混合した後に、該ゴムラテックス中のゴムを含
水珪酸と共凝固させる方法が採用される。
【0050】上記混合と同時に共凝固させる方法として
は、含水珪酸水性懸濁液を酸性条件下に保ちつつ、ゴム
ラテックスを添加して共凝固させる方法が挙げられる。
更に具体的には、含水珪酸水性懸濁液に酸及び/又は塩
を添加してpHを6以下の酸性領域に調整し、該含水珪
酸水性懸濁液とゴムラテックスを混合する方法が挙げら
れる。上記混合において、ゴムラテックスの添加により
上昇するpHは、更に酸及び/又は塩を添加して上記p
Hに調整しながら混合を実施することが好ましい。
【0051】また、他の方法として、ゴムラテックスが
アニオン系乳化剤を使用して製造されたゴムラテックス
である場合、含水珪酸水性懸濁液に配合するカチオン性
高分子の割合を増加することにより上記pHに調整し、
ゴムラテックスと混合することもできる。この場合、酸
及び/又は塩を実質的に使用しないことにより、カチオ
ン性高分子とアニオン系乳化剤が反応することにより、
含水珪酸の表面でゴムが選択的に凝固し、得られる沈殿
物の粒子径が大きく、かつ粒度分布が狭い均一な共凝固
物を得ることができ好ましい。
【0052】一方、ゴムラテックスと含水珪酸水性懸濁
液とを混合後に、共凝固させる方法としては、含水珪酸
水性懸濁液とゴムラテックスとを混合後、別途準備して
おいた酸及び/又は塩を添加した水に、そのpHを6以
下に保ちながら上記混合液を添加し、共凝固させる方法
が挙げられる。かかる方法によれば、その機構は明らか
ではないが、共凝固後に得られる沈殿物の粒子径が大き
くなり、濾過が非常に容易になるという効果が得られ、
製造工程上好ましい方法の一つである。
【0053】本発明において、上記共凝固を行った後、
水洗、脱水及び乾燥の操作は、必要に応じて公知の方法
が特に制限なく採用される。通常、共凝固により生じる
ゴムラテックスの含水珪酸含有ゴム固形分(以下、クラ
ムと記す)と液体成分(以下、セラムと記す)を分離
し、得られた該クラムを水槽等で水洗し、スクイザー等
で水分を絞って脱水し、粉砕機等で細かく粉砕した後に
熱風式乾燥機にて乾燥したものをブロック状に成型する
方法が好適に採用される。
【0054】また、上記水洗された状態のスラリーをス
プレードライによって直接乾燥することも可能である。
【0055】本発明の方法により得られた含水珪酸充填
ゴムは、そのまま使用してもよく、あるいは含水珪酸を
高充填したものはマスターバッチとして、含水珪酸が所
定の濃度となるように未充填ゴムと共に混練して目的の
ゴム組成物を構成することができる。
【0056】
【実施例】以下に、本発明を更に詳細に説明するために
実施例及び比較例をあげるが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例に
おける各種物性は、下記の方法により測定した。 (1)平均粒径 光散乱回折式の粒度分布測定装置(コールター社製、コ
ールターLS−230)を用いて体積基準中位径を測定
し、この値を平均粒子径として採用した。なお、測定に
際しては、分散媒(水)の屈折率として1.332、含
水珪酸の屈折率として1.458を測定時の定数として
使用した。 (2)比表面積 JIS K6220により、BET一点法により求め
た。 (3)吸油量 JIS K6220により求めた。 (4)ムーニー粘度 ムーニー粘度計(上島製作所製、VR−103ST)を
使用して、100℃で測定した。 (5)硬度 JIS K6301に準じて、JIS−A硬度計を用い
て測定した。 (6)300%モジュラス JIS K6301の引張応力試験法により測定した。 (7)引張強度 JIS K6301の引張応力試験法により測定した。 (8)伸び JIS K6301の引張応力試験法により測定した。 (9)磨耗減量 アクロン式磨耗試験機を用い、予備擦り1000回後の
重量と本擦り1000回後の重量の減量から求めた。 (10)濾過性 ゴムラテックスと含水珪酸の水性懸濁液を混合、共凝固
して得られた沈殿物を含有する水溶液を、上から目開き
212、106、53μmの網目のふるい(JIS Z
8801)を積層してセットしたものに最上部の目開き
212μmの網目のふるいより投入し、各ふるい上の沈
殿物の乾燥重量を測定し、各目開きの網目に対応する通
過重量分率を求めた。各ふるいにおいて、この値が小さ
いほど、共凝固物の大きさが大きく、歩留まりが高いこ
とを示す。
【0057】また、共凝固後の液を一定量取り、定量濾
紙(アドバンテック東洋(株)製、定量濾紙No.5
A)を用いて吸引濾過した際の濾過に要した時間(濾過
時間;秒)を測定した。
【0058】実施例1 温度調節機構付きの10Lのステンレス製反応容器に市
販の珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:28.19
%、モル比:3.04)976ml、硫酸ナトリウム水
溶液(硫酸ナトリウム濃度:10%)692ml及び水
4426mlを投入した。この水溶液を35℃にした後
に、中和率を50%にするために22.5w/v%の硫
酸を331ml投入した。その後、液温を95℃まで昇
温し、そのままの状態で5分間攪拌した。次いで、先の
硫酸の硫酸331mlを50分かけて投入した。最終的
に反応液のpHが5.2になるまで攪拌し、含水珪酸ス
ラリーを得た。これを濾過、水洗し、含水珪酸の湿ケー
クとした。
【0059】この時得られた含水珪酸の比表面積は、2
76m/gであり、吸油量は250cm/100g
であった。
【0060】この含水珪酸湿ケークを用い、含水珪酸濃
度が3%になるように予備分散した後、含水珪酸の量に
対して3重量部になるように、カチオン性高分子A(ジ
アリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミ
ド共重合物、日東紡績(株)製PAS−M−1)水溶液
を加えた。これを高圧ホモジナイザーにより、処理圧力
40MPaにて3回処理を行い、目的とするカチオン性
高分子処理含水珪酸水性懸濁液を得た。得られた懸濁液
中の含水珪酸の平均粒径は、320nmであった。
【0061】次いで、上記含水珪酸水性懸濁液10Lに
22w/v%硫酸を加え、pHを6以下に保ちつつ、S
BRゴムラテックス(固形分:20%)3Lを攪拌下滴
下し、共凝固させた。この共凝固物を濾過、水洗、乾燥
して、含水珪酸充填ゴム(A)900gを得た。含水珪
酸の含有率は、SBRゴム100重量部に対して50重
量部であった。また、共凝固物の濾過性の結果を表2に
示す。
【0062】得られた含水珪酸充填ゴム(A)に表1に
示す配合量になるように、シランカップリング剤(KB
E−846、信越化学工業社製)を添加し、40℃のオ
ープンロールを用いて混練した。得られたゴム組成物
(A−1)に表1に示す配合量になるようにパラフィン
ワックスおよびステアリン酸を添加し、バンバリーミキ
サー(東洋精機製 ラボプラストミル型式100C ミ
キサータイプB−250)を用いて150℃で1.5分
間混練し、ゴム組成物(A−2)を得た。このゴム組成
物に表1に示す配合量になるように、亜鉛華、老化防止
剤(ノクラック6C、大内新興化学工業社製)、加硫促
進剤(ノクセラーCZ、大内新興化学工業社製)および
硫黄を加えて、バンバリーミキサーを用いて100℃で
1分間混練し、ゴム組成物(A−3)を得た。このゴム
組成物を160℃で15分間プレス加硫して試験片を作
製し、各物性を測定した。結果を表2に示す。
【0063】実施例2 温度調節機構付きの10Lのステンレス製反応容器に市
販の珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:26.07
%、モル比:3.40)84ml、水2072mlを投
入し、攪拌しながら85℃まで加熱した。これに、希釈
した珪酸ナトリウム水溶液(前記珪酸ナトリウム水溶液
1376ml、水2610ml)と22.5w/v%硫
酸700mlを115分かけて同時に投入した。その
後、反応液のpHが3以下になるまで硫酸を投入して含
水珪酸スラリーを得た。これを濾過、水洗し、含水珪酸
の湿ケークとした。
【0064】この時得られた含水珪酸の比表面積は、1
88m/gであり、吸油量は180cm/100g
であった。
【0065】この含水珪酸湿ケークを用い、含水珪酸濃
度が3%になるように予備分散した後、含水珪酸の量に
対して3重量部になるように、カチオン性高分子A(ジ
アリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミ
ド共重合物、分子量2万)水溶液を加えた。これを、ホ
モジナイザーを用いて10分間攪拌解砕し、目的とする
カチオン性高分子処理含水珪酸水性懸濁液を得た。得ら
れた懸濁液中の含水珪酸の平均粒径は、2.5μmであ
った。
【0066】次いで、上記含水珪酸水性懸濁液10Lに
22w/v%硫酸を加え、pHを6以下に保ちつつ、S
BRゴムラテックス(固形分:20%)3Lを攪拌下滴
下し、共凝固させた。この共凝固物を濾過、水洗、乾燥
して、含水珪酸充填ゴム(B)900gを得た。含水珪
酸の含有率は、SBRゴム100重量部に対して50重
量部であった。また、共凝固物の濾過性の結果を表2に
示す。
【0067】得られた含水珪酸充填ゴム(B)に表1に
示す配合量になるように、各種添加剤を配合し、実施例
1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0068】実施例3 温度調節機構付きの10Lのステンレス製反応容器に市
販の珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:26.07
%、モル比:3.40)84ml、水2072mlを投
入し、攪拌しながら95℃まで加熱した。これに、希釈
した珪酸ナトリウム水溶液(前記珪酸ナトリウム水溶液
1376ml、水2610ml)と22.5w/v%硫
酸700mlを250分かけて同時に投入した。その
後、反応液のpHが3以下になるまで硫酸を投入して含
水珪酸スラリーを得た。これを濾過、水洗し、含水珪酸
の湿ケークとした。
【0069】この時得られた含水珪酸の比表面積は、1
24m/gであり、吸油量は120cm/100g
であった。
【0070】この含水珪酸湿ケークを用い、含水珪酸濃
度が3%になるように予備分散した後、含水珪酸の量に
対して3重量部になるように、カチオン性高分子A(ジ
アリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミ
ド共重合物、分子量2万)水溶液を加えた。これを、一
般的なディスパーを用いて30分間攪拌解砕し、目的と
するカチオン性高分子処理含水珪酸水性懸濁液を得た。
得られた懸濁液中の含水珪酸の平均粒径は、19.2μ
mであった。
【0071】次いで、上記含水珪酸水性懸濁液10Lに
22w/v%硫酸を加え、pHを6以下に保ちつつ、S
BRゴムラテックス(固形分:20%)3Lを攪拌下滴
下し、共凝固させた。この共凝固物を濾過、水洗、乾燥
して、含水珪酸充填ゴム(C)900gを得た。含水珪
酸の含有率は、SBRゴム100重量部に対して50重
量部であった。また、共凝固物の濾過性の結果を表2に
示す。
【0072】得られた含水珪酸充填ゴム(C)に表1に
示す配合量になるように、各種添加剤を配合し、実施例
1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0073】実施例4 温度調節機付きの30Lステンレス製反応容器に珪酸ナ
トリウム水溶液(SiO濃度:1.02%、モル比:
SiO/NaO=3.41)7872mlを投入
し、90℃に昇温した。次いで、22w/v%硫酸22
38mlと珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:9.
03%、モル比:SiO/NaO=3.41)13
374mlを同時に110分かけて投入した。10分間
熟成後、22w/v%硫酸516mlを15分かけて投
入した。上記反応は反応液温度を90℃に保持し、反応
液を常時攪拌しながら行い、最終的に反応液のpHが
3.2の含水珪酸の水性懸濁液を得た。これを濾過、水
洗し、含水珪酸の湿ケークとした。
【0074】得られた含水珪酸の比表面積は、181m
/gであり、吸油量は200ml/100gであっ
た。
【0075】上記方法で得られた含水珪酸湿ケークとカ
チオン性高分子(重量平均分子量が4万のポリジアリル
ジメチルアンモニウムクロライド)、及び純水を混合
し、ホモジナイザーを用いて粉砕と同時に含水珪酸の表
面処理を行い、カチオン性高分子処理含水珪酸水性懸濁
液を得た。該水性懸濁液中の含水珪酸濃度は13%、カ
チオン性高分子は含水珪酸の量に対してに1重量部にな
るように調製した。得られた水性懸濁液中の含水珪酸の
平均粒子径は17μmであった。次に、上記含水珪酸水
性懸濁液600gと純水1200gを混合・攪拌した。
この混合液中に22w/v%硫酸を加え、pHを6以下
に保ちつつ、SBRゴムラテックス(固形分:24%)
630gを攪拌下滴下し、共凝固物させた。この共凝固
物を濾過、水洗、乾燥して、含水珪酸充填ゴム(D)2
03gを得た。濾過性の結果を表1に示す。含水珪酸の
含有率は、SBRゴム100重量部に対して49.5重
量部であった。
【0076】得られた含水珪酸充填ゴム(D)に表1に
示す配合量になるように、各種添加剤を配合し、実施例
1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0077】実施例5 実施例4において得られた含水珪酸湿ケークとカチオン
性高分子(重量平均分子量が4万のポリジアリルジメチ
ルアンモニウムクロライド)、及び純水を混合し、ホモ
ジナイザーを用いて粉砕と同時に含水珪酸の表面処理を
行い、カチオン性高分子処理含水珪酸水性懸濁液を得
た。該水性懸濁液中の含水珪酸濃度は13%、カチオン
性高分子は含水珪酸の量に対してに3重量部になるよう
に調製した。得られた水性懸濁液中の含水珪酸の平均粒
子径は17μmであった。次に、上記含水珪酸水性懸濁
液600gと純水1200gを混合・攪拌した。この懸
濁液中にSBRゴムラテックス(固形分:24%)63
0gを攪拌下滴下し、共凝固物させた。この凝固物を濾
過、水洗、乾燥して、含水珪酸充填ゴム(E)200g
を得た。濾過性の結果を表1に示す。含水珪酸の含有率
は、SBRゴム100重量部に対して49.1重量部で
あった。
【0078】得られた含水珪酸充填ゴム(E)は、表1
に示す配合量になるように、各種添加剤を配合し、実施
例1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を
測定した。結果を表2に示す。
【0079】実施例6 実施例5において、ポリジアリルメチルアンモニウムク
ロライドの代わりに重量平均分子量が4万のポリアリル
アミン塩酸塩を用いて、実施例4と同様な操作を行いカ
チオン性高分子処理含水珪酸水性懸濁液を得た。該水性
懸濁液中の含水珪酸濃度は13%、カチオン性高分子濃
度は含水珪酸の量に対してに3重量部になるように調整
した。得られた水性懸濁液中の含水珪酸の平均粒子径は
17μmであった。
【0080】次に、上記含水珪酸水性懸濁液600gと
純水1200gを混合・攪拌した。この懸濁液中にSB
Rゴムラテックス(固形分:24%)630gを攪拌下
滴下し、共凝固物させた。この凝固物を濾過、水洗、乾
燥して、含水珪酸充填ゴム(F)210gを得た。濾過
性の結果を表1に示す。含水珪酸の含有率は、SBRゴ
ム100重量部に対して49.1重量部であった。
【0081】得られた含水珪酸充填ゴム(F)は、表1
に示す配合量になるように、各種添加剤を配合し、実施
例1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を
測定した。結果を表2に示す。
【0082】実施例7 温度調節機付きの10Lステンレス製反応容器に珪酸ナ
トリウム水溶液(SiO濃度:1.02%、モル比:
SiO/NaO=3.41)2624mlを投入
し、95℃に昇温した。次いで、22w/v%硫酸74
6mlと珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:9.0
3%、モル比:SiO/NaO=3.41)445
8mlを同時に150分かけて投入した。10分間熟成
後、22%硫酸172mlを15分かけて投入した。上
記反応は反応液温度を95℃に保持し、反応液を常時攪
拌しながら行い、最終的に反応液のpHが3.2のシリ
カスラリーを得た。これを濾過、水洗し、含水珪酸の湿
ケークとした。
【0083】得られた含水珪酸の比表面積は、121m
/gであり、吸油量は170ml/100gであっ
た。
【0084】上記方法で得られた含水珪酸湿ケークとカ
チオン性高分子(重量平均分子量が4万のポリジアリル
ジメチルアンモニウムクロライド)、及び純水を混合
し、ホモジナイザーを用いて粉砕と同時に含水珪酸の表
面処理を行い、カチオン性高分子処理含水珪酸水性懸濁
液を得た。該水性懸濁液中の含水珪酸濃度は13%、カ
チオン性高分子濃度は含水珪酸の量に対してに3重量部
になるように調整した。得られた水性懸濁液中の含水珪
酸の平均粒子径は17μmであった。次に、該含水珪酸
水性懸濁液600gと純水1200gを混合・攪拌し
た。次に、上記含水珪酸水性懸濁液600gと純水12
00gを混合・攪拌した。この懸濁液中にSBRゴムラ
テックス(固形分:24%)630gを攪拌下滴下し共
凝固させた。
【0085】この凝固物を濾過、水洗、乾燥して、含水
珪酸充填ゴム(G)206gを得た。濾過性の結果を表
1に示す。含水珪酸の含有率は、SBRゴム100重量
部に対して49.1重量部であった。
【0086】得られた含水珪酸充填ゴム(G)は、表1
に示す配合量になるように各種添加剤を配合し、実施例
1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を測
定した。結果を表2に示す。
【0087】実施例8 温度調節機付きの10Lステンレス製反応容器に珪酸ナ
トリウム水溶液(SiO濃度:1.02%、モル比:
SiO/NaO=3.41)2624mlを投入
し、85℃に昇温した。次いで、22w/v%硫酸74
6mlと珪酸ナトリウム水溶液(SiO濃度:9.0
3%、モル比:SiO/NaO=3.41)445
8mlを同時に90分かけて投入した。10分間熟成
後、22w/v%硫酸172mlを15分かけて投入し
た。上記反応は反応液温度を85℃に保持し、反応液を
常時攪拌しながら行い、最終的に反応液のpHが3.2
のシリカスラリーを得た。これを濾過、水洗し、含水珪
酸の湿ケークとした。
【0088】得られた含水珪酸の比表面積は、245m
/gであり、吸油量は220ml/100gであっ
た。
【0089】上記方法で得られた含水珪酸湿ケークとカ
チオン性高分子(重量平均分子量が4万のポリジアリル
ジメチルアンモニウムクロライド)、及び純水を混合
し、ホモジナイザーを用いて粉砕と同時に含水珪酸の表
面処理を行い、カチオン性高分子処理含水珪酸水性懸濁
液を得た。該水性懸濁液中の含水珪酸濃度は13%、カ
チオン性高分子濃度は含水珪酸の量に対してに3重量部
になるように調整した。得られた水性懸濁液中の含水珪
酸の平均粒子径は17μmであった。次に、該含水珪酸
水性懸濁液600gと純水1200gを混合・攪拌し、
SBRゴムラテックス(固形分:24%)630gを攪
拌下滴下し、共凝固物させた。この凝固物を濾過、水
洗、乾燥して、含水珪酸充填ゴム(H)205gを得
た。濾過性の結果を表1に示す。含水珪酸の含有率は、
SBRゴム100重量部に対して49.1重量部であっ
た。
【0090】得られた含水珪酸充填ゴム(H)は、表1
に示す配合量になるように各種添加剤を配合し、実施例
1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を測
定した。結果を表4に示す。
【0091】実施例9 実施例5において、含水珪酸水性懸濁液の量を920g
とした以外は、実施例5と同様の操作を行い、含水珪酸
充填ゴム(I)263gを得た。濾過性の結果を表1に
示す。含水珪酸の充填量は、SBRゴム100重量部に
対して81.2重量部であった。
【0092】得られた含水珪酸充填ゴム(I)は、表1
に示す配合量になるように各種添加剤を配合し、実施例
1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を測
定した。結果を表3に示す。
【0093】実施例10 実施例5において、含水珪酸水性懸濁液の量を1200
g、純水の量を800g、SBRゴムラテックス(固形
分:24%)の量を320gとした以外は、実施例5と
同様の操作を行い、含水珪酸充填ゴム(J)218gを
得た。濾過性の結果を表3に示す。含水珪酸の充填量
は、SBRゴム100重量部に対して198.2重量部
であった。
【0094】得られた含水珪酸充填ゴム(J)は、表1
に示す配合量になるように各種添加剤を配合し、実施例
1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を測
定した。結果を表3に示す。
【0095】実施例11 実施例4において得られた含水珪酸湿ケークを150℃
の熱風乾燥機中で乾燥し、含水珪酸粉末を得た。該含水
珪酸湿粉末とカチオン性高分子(重量平均分子量が4万
のポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、及
び純水を混合し、ホモジナイザーを用いて粉砕と同時に
含水珪酸の表面処理を行い、カチオン性高分子処理含水
珪酸水性懸濁液を得た。該水性懸濁液中の含水珪酸濃度
は13%、カチオン性高分子濃度は含水珪酸の量に対し
てに3重量部になるように調整した。得られた水性懸濁
液中の含水珪酸の平均粒子径は19μmであった。次
に、該含水珪酸水性懸濁液600gと純水1200gを
混合・攪拌し、SBRゴムラテックス(固形分:24
%)630gを攪拌下滴下し、共凝固させた。この共凝
固物を濾過、水洗、乾燥して、含水珪酸充填ゴム(K)
209gを得た。濾過性の結果を表3に示す。含水珪酸
の含有率は、SBRゴム100重量部に対して49.1
重量部であった。
【0096】得られた含水珪酸充填ゴム(K)は、表1
に示す配合量になるように各種添加剤を配合し、実施例
1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を測
定した。結果を表3に示す 実施例12 実施例5において得られたカチオン性高分子処理含水珪
酸水性懸濁液480gと実施例11において得られたカ
チオン性高分子処理含水珪酸水性懸濁液120g、及び
純水1200gを混合・攪拌した。この懸濁液中にSB
Rゴムラテックス(固形分:24%)630gを攪拌下
滴下し、共凝固させた。この共凝固物を濾過、水洗、乾
燥して、含水珪酸充填ゴム(L)211gを得た。含水
珪酸の含有率は、SBRゴム100重量部に対して5
0.7重量部であった。
【0097】得られた含水珪酸充填ゴム(L)は、表1
に示す配合量になるように各種添加剤を配合し、実施例
1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を測
定した。結果を表3に示す。
【0098】実施例13 純水1200gに食塩10g、さらにpHが4になるよ
うに22w/v%硫酸を添加し、この水溶液の温度を6
0℃とした。次いで、上記水溶液中に実施例4において
得られたカチオン性高分子処理含水珪酸水性懸濁液60
0gとSBRゴムラテックス(固形分:24%)630
gの混合液をpHが4から5の範囲になるように22w
/v%硫酸を加えながら断続的に投入し、共凝固させ
た。この共凝固物を濾過、水洗、乾燥して、含水珪酸充
填ゴム(M)207gを得た。濾過性の結果を表3に示
す。含水珪酸の含有率は、SBRゴム100重量部に対
して50.9重量部であった。
【0099】得られた含水珪酸充填ゴム(M)は、表1
に示す配合量になるように各種添加剤を配合し、実施例
1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を測
定した。結果を表3に示す。
【0100】比較例1 実施例1と同じ反応条件で調整した含水珪酸湿ケークを
用いて、カチオン性高分子を用いずに実施例1と同様に
処理した含水珪酸水性懸濁液を用いて、実施例1と同様
にゴムラテックスとの共凝固を試みたが、ゴム分と含水
珪酸が共凝固せず、濾過、水洗時にゴム中から含水珪酸
が流れ出し、含水珪酸充填ゴムを得ることができなかっ
た。
【0101】比較例2 実施例1と同じ反応条件で調整した含水珪酸湿ケークを
用い、含水珪酸濃度が3%になるように予備分散した
後、含水珪酸の量に対して3重量部になるように、低分
子の4級アンモニウム塩である臭化セチルトリメチルア
ンモニウムを加えた。これを高圧ホモジナイザーを用い
て、処理圧力40MPaにて3回処理を行い、目的とす
るカチオン性高分子処理含水珪酸水性懸濁液を得た。
【0102】次いで、上記含水珪酸水性懸濁液10Lに
22w/v%硫酸を加え、pHを6以下に保ちつつ、S
BRゴムラテックス(固形分:20%)3Lを攪拌下滴
下し、共凝固させた。この共凝固物を濾過、水洗、乾燥
して、含水珪酸充填ゴム900gを得た。含水珪酸の含
有率は、SBRゴム100重量部に対して50重量部で
あったが、ゴム中への分散状態は、カチオン性高分子を
用いた場合と違い含水珪酸単独の部分が見られ、実施例
1に比べて分散性に劣っていた。
【0103】得られた含水珪酸充填ゴム(N)は、表1
に示す配合量になるように各種添加剤を配合し、実施例
1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、各物性を測
定した。結果を表4に示す。
【0104】比較例3 実施例1で用いたSBRゴムラテックスを、含水珪酸水
性懸濁液を用いずに凝固させ、純粋にゴムのみを取り出
した。このゴム100重量部と、乾燥状態の含水珪酸
((株)トクヤマ製トクシールUSR)50重量部と
を、表1に示す配合量になるように各種添加剤を配合
し、実施例1と同様に混練、加硫して試験片を作製し、
各物性を測定した。結果を表4に示す。
【0105】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【発明の効果】本発明により得られる含水珪酸充填ゴム
は、通常の機械的混練により含水珪酸をゴムへ分散させ
る方法と比較し、以下の利点を有している。 ・混練時間の短縮による生産コストの削減並びに生産性
の向上。 ・混練時の含水珪酸粉末の飛散による作業環境悪化及び
汚染の防止。 ・含水珪酸の分散性の向上によるゴム物性の改良。 ・含水珪酸の物性設計上の自由度の向上。 ・共凝固物の濾過性の向上。
【0106】本発明で得られた含水珪酸充填ゴムは、上
記のような種々の利点を有すると共に、各種ゴム製品を
製造した際には、従来にない優れた効果を発揮する。
【0107】例えば、本特許にて製造した含水珪酸充填
ゴムを用いて得られたゴムのタイヤ用としての物性は、
従来の機械的混練により得られる含水珪酸含有ゴムと比
較して、耐磨耗性が向上し、ウェットグリップ性も向上
する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴムラテックスとカチオン性高分子を含有
    する含水珪酸の水性懸濁液とを混合すると同時に、或い
    は、混合した後に、該ゴムラテックス中のゴムを含水珪
    酸と共凝固させることを特徴とする含水珪酸充填ゴムの
    製造方法。
  2. 【請求項2】含水珪酸の水性懸濁液が、珪酸ソーダと酸
    との中和反応によって得られた含水珪酸を乾燥すること
    なく水に分散することによって得られたものである請求
    項1記載の含水珪酸充填ゴムの製造方法。
  3. 【請求項3】含水珪酸の水性懸濁液が、珪酸ソーダと酸
    との中和反応後乾燥することなく得られた含水珪酸と上
    記中和反応後乾燥した含水珪酸とを水に分散することに
    よって得られたものである請求項1記載の含水珪酸充填
    ゴムの製造方法。
  4. 【請求項4】ゴムラテックスがアニオン系乳化剤を含有
    するものであり、カチオン高分子によりゴムと含水珪酸
    とを共凝固させることを特徴とする請求項1〜3の何れ
    かに記載の含水珪酸充填ゴムの製造方法。
  5. 【請求項5】ゴムラテックスと含水珪酸の水性懸濁液と
    を混合後、酸及び/又は塩を含む水に添加することによ
    り、ゴムと含水珪酸とを共凝固させる請求項1〜3の何
    れかに記載の含水珪酸充填ゴムの製造方法。
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WO2005017002A1 (ja) 2003-08-19 2005-02-24 Tokuyama Corporation シリカ充填ゴム顆粒体及びその製造方法
JP2012531513A (ja) * 2009-07-02 2012-12-10 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 共凝集したラテックスポリマー分散液並びにその製造方法及びその使用

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