JP2003112172A - ダイオキシン類含有水の処理方法 - Google Patents

ダイオキシン類含有水の処理方法

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JP2003112172A JP2001308803A JP2001308803A JP2003112172A JP 2003112172 A JP2003112172 A JP 2003112172A JP 2001308803 A JP2001308803 A JP 2001308803A JP 2001308803 A JP2001308803 A JP 2001308803A JP 2003112172 A JP2003112172 A JP 2003112172A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイオキシン類含有水の処理を安価にでき、
スラッジの発生量が少なく、含有するダイオキシン類を
脱着した後のスラッジを再利用できるダイオキシン類の
処理方法を提供する。 【解決手段】 ダイオキシン類を含有するダイオキシン
類含有水中に、水に不溶性で且つ感光性の塩化銀を生成
し、前記ダイオキシン類を吸着した塩化銀の凝集性をを
向上すべく、前記塩化銀に紫外光等の光を照射して感光
した後、感光した前記塩化銀と水とを分離手段により分
離することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイオキシン類含有
水の処理方法に関し、更に詳細にはダイオキシン類含有
水中に生成した沈殿物にダイオキシン類を吸着させて除
去するダイオキシン類含有水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイオキシン類含有水からダイオキシン
類を除去する除去方法としては、ダイオキシン類含有水
に水酸化アルミニウムや水酸化鉄を生成し、ダイオキシ
ン類を吸着した水酸化アルミニウムや水酸化鉄を処理水
と固形物とに分離する吸着処理法が知られている。この
従来の吸着処理法では、ダイオキシン類を吸着した水酸
化アルミニウムや水酸化鉄を処理水と固形物とに分離し
た後、処理水中に残存している微量のダイオキシン類を
除去すべく、活性炭を処理水に添加することが行われて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の吸着処理
法によれば、ダイオキシン類含有水からダイオキシン類
を除去することはできる。しかし、従来の吸着処理法で
は、添加した水酸化アルミニウムや水酸化鉄の沈殿性等
を向上すべく、消石灰や高分子凝集剤を添加することが
必要であり、発生するスラッジ量が多くなる。しかも、
ダイオキシン類を含有するスラッジや活性炭の安価で且
つ効率的な処理方法がなく、その処理が問題となる。但
し、最近では、カルシウムを含むスラッジは、セメント
材料としてリサイクル処理される場合もあるが、その処
理量にも限界がある。そこで、本発明の課題は、ダイオ
キシン類含有水の処理を安価にでき、スラッジの発生量
が少なく、含有するダイオキシン類を脱着した後のスラ
ッジを再利用できるダイオキシン類の処理方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく検討を重ねた結果、ダイオキシン類含有水に
硫酸銀を添加し、ダイオキシン類含有水中に溶存してい
る塩素イオンと反応させて感光性の塩化銀(AgCl)から成
る白色析出物を生成した後、紫外光を照射して白色析出
物を感光させて黒化して黒色析出物とした。この黒色析
出物は、良好な沈殿性を呈するため、凝集剤等を添加す
ることなく黒色析出物と水とを容易に沈殿等の分離手段
で分離でき、分離した水(処理水)中のダイオキシン類
も濃度測定限界以下にできることを知った。更に、分離
した黒色析出物も、加熱して吸着したダイオキシン類を
脱着した後、還元処理等の簡単な処理を施すことによっ
て再利用できることを知り、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は、ダイオキシン類を含
有するダイオキシン類含有水中に、水に不溶性で且つ感
光性の銀塩を生成し、前記ダイオキシン類を吸着した銀
塩の凝集性を向上すべく、前記銀塩に紫外光等の光を照
射して感光させた後、感光した前記銀塩と水とを分離手
段により分離することを特徴とするダイオキシン類含有
水の処理方法にある。かかる本発明において、水に不溶
性で且つ感光性の銀塩として、ダイオキシン類含有水中
で銀イオンとハロゲンイオンとを反応させてハロゲン化
銀を生成することにより、水に不溶性で且つ感光性の銀
塩を容易に生成できる。この銀イオンを、水に可溶性の
銀化合物をダイオキシン類含有水に添加して供給するこ
と、或いは酸性のダイオキシン類含有水に接触する金属
銀から溶出させて供給することにより、充分な銀イオン
量を供給できる。更に、ハロゲンイオンを、ダイオキシ
ン類含有水に水に可溶な塩類を添加して供給することに
より、充分なハロゲンイオン量を供給できる。尚、かか
るハロゲンイオンとしては、塩素イオン又は臭素イオン
を好適に用いることができる。
【0006】本発明では、ダイオキシン類含有水からダ
イオキシン類を吸着処理法で除去する際に、ダイオキシ
ン類含有水中に水に不溶性で且つ感光性の銀塩から成る
微細粒子を生成する。この感光性の銀塩から成る微細粒
子の生成によって、極めて広いダイオキシン類の吸着面
積を形成でき、ダイオキシン類が微細粒子に充分吸着さ
れるものと推察される。このことは、予め生成した水に
不溶性で且つ感光性の銀塩をダイオキシン類含有水に添
加しても、ダイオキシン類の除去率が低下することから
も判る。更に、本発明では、ダイオキシン類が吸着した
水に不溶性で且つ感光性の銀塩を、紫外光等の光を照射
して感光することにより、感光した銀塩から成る微細粒
子同士の凝集性を向上でき、銀塩から成る粒子の沈殿性
等を向上できる。このため、ダイオキシン類が吸着した
銀塩から成る粒子と水とを、凝集剤を添加することなく
沈殿等の簡単な分離手段により容易に分離でき、発生す
るスラッジ量を少なくできる。また、分離されたスラッ
ジには、凝集剤等が混入されておらず実質的に銀塩から
成るため、銀塩に吸着されたダイオキシン類を加熱処理
等により脱着した後、還元処理等の簡単な処理を施すこ
とによって、金属銀や水に可溶性の銀化合物に容易に形
成でき、再度ダイオキシン類含有水に添加してダイオキ
シン類の除去に再利用できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において扱うダイオキシン
類含有水に含有されているダイオキシン類としては、代
表的には、下記〔化1〕〜〔化3〕に示す化合物を挙げ
ることができる。
【化1】
【化2】
【化3】 この〔化1〕はポリクロロジベンゾ−パラ−ジオキシ
ン、〔化2〕はポリクロロジベンゾフラン、〔化3〕は
コプラナ−ポリクロロビフェニルを表す。かかるダイオ
キシン類は、ダイオキシン類含有水中に一種類が含有さ
れていてもよく、複数種が併存して含有されていてもよ
い。
【0008】本発明では、かかるダイオキシン類が含有
されているダイオキシン類含有水中に、水に不溶性で且
つ感光性の銀塩を生成させることが肝要である。ここ
で、予め形成した水に不溶性で且つ感光性の銀塩をダイ
オキシン類含有水に添加しても、最終的に分離された処
理水中にダイオキシン類が残存しており、再度、ダイオ
キシン類の除去を行うことが必要となる。このことか
ら、ダイオキシン類含有水中に水に不溶性で且つ感光性
の銀塩を生成させることによって、微小なコロイド状の
銀塩粒子が生成し、極めて広い吸着面積を形成できるた
め、ダイオキシン類を充分に吸着できるものと推察され
る。本発明で生成する水に不溶性で且つ感光性の銀塩と
しては、疎水性のダイオキシン類が吸着され易い塩化銀
(AgCl)又は臭化銀(AgBr)が好適である。
【0009】この様に、ダイオキシン類含有水中に水に
不溶性で且つ感光性の銀塩を生成する際に、焼却炉の洗
煙廃水、最終処分場の廃液或いは工場廃液の様に、ダイ
オキシン類含有水中に充分な量の塩素イオンや臭化イオ
ン等のハロゲンイオンを含有している場合は、水に可溶
な銀化合物を添加して銀イオンをダイオキシン類含有水
に供給することによって、水に不溶性で且つ感光性の銀
塩としてのハロゲン化銀塩を生成する。かかる水に可溶
な銀化合物としては、硝酸銀や硫酸銀を用いることがで
きるが、硫酸銀を好適に用いることができる。硝酸銀や
硫酸銀の原水に対する添加量は、0.2〜1g/リットルと
することが好ましい。ダイオキシン類含有水に硝酸銀や
硫酸銀を添加して水に不溶性の塩化銀(AgCl)を生成す
る際には、ダイオキシン類含有水のpHを特に調整する
ことを要しないが、酸性〜弱アルカリ性とすることが好
ましい。
【0010】また、水に不溶性で且つ感光性の銀塩を生
成する銀イオンとしては、酸性のダイオキシン類含有水
と金属銀とを接触し、金属銀から溶出する銀イオンを用
いてもよい。ここで、ダイオキシン類含有水を酸性に調
整するには、ダイオキシン類含有水に硫酸を添加して調
整することが好ましい。更に、酸性に調整したダイオキ
シン類含有水と金属銀との接触は、粒子状やウール状に
成形した金属銀を充填した充填層に、ダイオキシン類含
有水を通水することによって行うことができる。
【0011】一方、ダイオキシン類含有の地下水の様
に、ダイオキシン類含有水中に溶存されているハロゲン
イオンが少ない場合には、ダイオキシン類含有水にハロ
ゲンイオンと銀イオンとを供給する。銀イオンの供給
は、前述した様に、水に可溶性の銀化合物の添加、或い
は酸性に調整したダイオキシン類含有水と金属銀とを接
触することによって行うことができる。また、ハロゲン
イオンの供給は、ダイオキシン類含有水に水に可溶な塩
類を添加して行うことができる。この水に可溶な塩類と
しては、塩化ナトリウム又は塩化カリウムを好適に用い
ることができる。かかる塩化ナトリウム又は塩化カリウ
ムの添加は、1〜5%溶液として添加することが好まし
い。
【0012】ダイオキシン類含有水中に生成し、ダイオ
キシン類を吸着した水に不溶性で且つ感光性の銀塩は、
極めて微細であり、凝集性に乏しく固液分離は極めて困
難である。この点、本発明では、ダイオキシン類を吸着
した水に不溶性で且つ感光性の銀塩に、紫外光等の光を
照射して感光させて凝集性を向上する。この様に、紫外
光等の光を照射して感光させた塩類は、その凝集性が著
しく向上し、水に不溶性で且つ感光した銀塩から成る微
細粒子同士が凝集して沈殿性を向上できる。紫外光等の
光の照射によって、感光した水に不溶性の銀塩の凝集性
が向上する詳細な理由は不明であるが、光の照射によっ
て感光した水に不溶性の銀塩の一部が分解して銀が析出
し、白色の銀塩が黒化されることから、析出した銀によ
って微細粒子同士の凝集性が向上されるものと推察され
る。水に不溶性の銀塩に照射する光は、紫外光であって
も白色光であってもよく、光の照射時間は、2〜5分程
度でよい。
【0013】かかる光の照射によって感光して凝集性が
向上され、凝集されて沈殿性が向上された水に不溶性の
銀塩は、沈殿分離、濾過分離或いは遠心分離等の簡単な
分離手段によって、固形物(スラッジ)と水(処理水)
とに分離できる。分離された処理水中に残存するダイオ
キシン類は、ガスマスによる濃度測定限界以下とするこ
とができ、必要に応じて中和を施して下水等に放流でき
る。一方、分離された固形物(スラッジ)は、凝集剤等
が添加されていないため、従来の水酸化アルミニウムや
水酸化鉄を添加する吸着処理法に比較して、その発生量
を極めて少なくできる。但し、スラッジ中には、ダイオ
キシン類が吸着されているため、スラッジから吸着され
たダイオキシン類を脱着する必要がある。かかるダイオ
キシン類の脱着は、ダイオキシン類が吸着されたスラッ
ジを乾燥した後、350〜450℃に加熱して吸着され
たダイオキシン類を揮発する。次いで、揮発したダイオ
キシン類は、1100〜1300℃に維持されている焼
却炉に供給することにより分解除去できる。
【0014】また、吸着されたダイオキシン類を揮発除
去したスラッジを、硫酸又は硝酸に溶かして硫酸銀又は
硝酸銀とし、或いは窒素ガスやアルゴン等の非酸素ガス
中で還元処理して金属銀とし、銀イオンの供給源として
再利用できる。ここで、銀塩に代えて鉄やアルミニウム
の化合物を用いた場合、鉄やアルミニウムの化合物の添
加量が銀化合物よりも多量となり、発生するスラッジ量
も多量となる。このため、スラッジの濾過費用、スラッ
ジに吸着したダイオキシン類の揮発除去費用、及び再利
用のための費用は、銀塩を用いた場合よりも高額とな
り、工業的に採用され難い。この様に、本発明に係るダ
イオキシン類含有水の処理方法によれば、スラッジの発
生量が少なく、スラッジを簡単な処理で再利用を図るこ
とができる。尚、スラッジと分離した処理水を、再度活
性炭処理等を施すなく下水等に放流可能であり、処理工
程を短くでき経済的に優れている。
【0015】かかる本発明に係るダイオキシン類含有水
の処理方法は、図1に示す処理装置で行うことができ
る。図1に示す処理装置10は、デカンタ槽12、攪拌
翼16付の反応槽14、光照射槽22及び沈殿分離槽2
8から構成される。含有されている縣濁物により透明度
が低下しているダイオキシン類含有水(原水)をデカン
タ槽12に供給し、縣濁物を沈殿させて原水の透明度を
向上する。デカンタ槽12から透明度が向上された原水
が供給される反応槽14には、硫酸銀(Ag2SO4)、食塩
(NaCl)、硫酸(H2SO4)が各々別装された供給タンク
(図示せず)から供給され、反応槽14内の処理水のp
Hを測定するpH測定装置18も設けられている。かか
る反応槽14に供給された原水には、供給タンクから硫
酸銀(Ag2SO4)を供給し、必要に応じて供給タンクから
食塩(NaCl)を供給して原水中に存在する塩素イオンと
反応させて感光性の塩化銀(AgCl)を生成する。生成し
た塩化銀は、水に不溶性の白色微細粒子であって、反応
槽14内の反応処理水中に縣濁する。白色微細粒子が縣
濁された反応処理水を攪拌翼16によって、約30分程
度攪拌しつつ、反応処理水中のダイオキシン類を白色微
細粒子に吸着する。尚、反応槽14で生成した塩化銀か
ら成る白色微細粒子は、感光性を有するため、白色微細
粒子の生成及び攪拌は、遮光された状態で行うことを要
する。
【0016】反応槽14の反応処理水に縣濁されている
塩化銀から成る白色微細粒子は、ポンプ20によって、
反応処理水と共に光照射槽22に送液される。光照射槽
22には、その中央部に発光装置24が設けられてお
り、発光装置24は、図2に示す様に、透明な石英管2
5の中央部に発光体26が配設されている。発光体26
としては、白熱ランプや紫外線ランプを使用できる。光
照射槽22では、満液状態で反応処理水中に縣濁してい
る白色微細粒子に光を照射する。かかる光の照射を2〜
5分程度行うと、塩化銀から成る白色微細粒子は黒化
し、凝集して大きな凝集粒子を形成する。尚、上記光の
照射時間は、点灯された発光体26が最大出力に到達し
た状態での照射時間である。
【0017】黒化された大きな凝集粒子を含有する光照
射処理水は、光照射装置24から沈殿分離槽28に送液
された光照射処理水中の凝集粒子は、沈殿分離槽28に
沈殿してスラッジとなり、上澄液は沈殿分離槽28から
排出される。沈殿分離槽28から排出された排水中に
は、ダイオキシン類の残存量を、ガスマスによる濃度測
定限界値以下とすることができ、必要に応じて中和等の
処理を施した後、下水等に放出できる。一方、沈殿分離
槽28に沈殿したスラッジには、ダイオキシン類が吸着
されているため、沈殿分離槽28から抜き出したスラッ
ジを350〜450℃に加熱処理することによって、ダ
イオキシン類をガス化してスラッジから除去できる。ガ
ス化したダイオキシン類は、1100〜1300℃に維
持されている焼却炉に供給することにより分解除去でき
る。加熱処理を施してダイオキシン類をガス化して除去
したスラッジは、実質的に酸化銀によって形成されるた
め、窒素ガスやアルゴン等の非酸素ガス中で還元処理し
て金属銀とすることができる。この金属銀は、硫酸又は
硝酸と反応させて硫酸銀又は硝酸銀として再使用でき
る。金属銀は、そのままでも、水に不溶性の銀塩を生成
する銀源として再使用できる。但し、金属銀と接触する
ダイオキシン類含有水を酸性に調整することが必要であ
る。酸性のダイオキシン類含有水が金属銀と接触したと
き、金属銀から銀イオン等が溶出するからである。
【0018】図1に示す処理装置10では、原水をデカ
ンタ槽12に供給した後、反応槽14に供給していた
が、図3に示す様に、反応槽14で処理した反応処理水
をデカンタ槽14に供給した後、光照射槽22に供給し
てもよい。また、原水として、地下水等の透明度が高い
原水を処理装置10に供給する場合には、デカンタ槽1
2をバイパスしてもよい。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 ダイオキシン類として、下記表1に示すダイオキシン類
が含有されているダイオキシン類含有水を原水に用い
た。この原水は、透明度が25であり、CODが10m
g/リットル、含有されている塩素イオンが1700mg/
リットルであった。
【表1】 かかる原水に、硫酸銀(Ag2SO4)を0.2g/リットルの速
度で添加しつつ、約30分程攪拌を続行した。添加した
硫酸銀と原水中の塩素イオンとを反応させた。反応処理
水中には、硫酸銀と塩素イオンとが反応して生成した塩
化銀から成る白色微細粒子が縣濁している。次いで、塩
化銀から成る白色微細粒子が縣濁している反応処理水中
に挿入した冷却装置付の高圧水銀ランプを点灯した。こ
の水銀ランプは、点灯してから2分後に最大輝度に到達
し、この最大輝度の状態を5分間保持した。かかる紫外
線照射によって、白色微細粒子が黒化し、黒灰色の沈殿
が生じた。尚、この高圧水銀ランプは、点灯してから消
灯するまで冷却装置で冷却を施していた。
【0020】消灯した高圧水銀ランプを引き抜き、紫外
線照射処理水を静置したところ、黒灰色の沈殿と透明な
上澄液とに分離された。その後、沈殿物と上澄液とにつ
いてガスマスにて分析を行ったところ、上澄液中には全
塩素数が8個のダイオキシン類が微量検出されたが、定
量限界以下であった。このため、上澄液は、下水等に放
流可能である。一方、沈殿物には、下記表2に示すダイ
オキシン類が含有されており、原水中のダイオキシン類
が実質的に沈殿物に吸着されていることが判る。
【表2】
【0021】実施例2 実施例1と同様の原水に、硫酸銀(Ag2SO4)を0.5g
/リットルの速度で添加しつつ、約30分程攪拌を続行し
た。添加した硫酸銀と原水中の塩素イオンとを反応させ
た。反応処理水中には、硫酸銀と塩素イオンとが反応し
て生成した塩化銀から成る白色微細粒子が縣濁してい
る。次いで、塩化銀から成る白色微細粒子が縣濁してい
る反応処理水中に挿入した低圧水銀ランプを点灯した。
この低圧水銀ランプは、点灯してから2分後に最大輝度
に到達し、この最大輝度の状態を5分間保持した。かか
る光照射によって、白色微細粒子が黒化し、黒灰色の沈
殿が生じた。消灯した低圧水銀ランプを引き抜き、光照
射処理水を静置したところ、黒灰色の沈殿と透明な上澄
液とに分離された。その後、沈殿物と上澄液とについて
ガスマスにて分析を行ったところ、上澄液中にはダイオ
キシン類は検出されなかった。このため、上澄液は、下
水等に放流可能である。一方、沈殿物には、下記表3に
示すダイオキシン類が含有されており、原水中のダイオ
キシン類が実質的に沈殿物に吸着されていることが判
る。
【表3】
【0022】実施例3 ダイオキシン類として、下記表4に示すダイオキシン類
含有水を原水に用いた。この原水には、実質的に塩素分
は含有しない。
【表4】 かかる原水に、硫酸銀(Ag2SO4)を0.5g/リットルの速
度で添加すると共に、食塩を300mg/リットルの速度で
添加し、約60分程攪拌を続行した。添加した硫酸銀と
食塩とを反応させた。反応処理水中には、硫酸銀と食塩
とが反応して生成した塩化銀から成る白色微細粒子が縣
濁している。次いで、塩化銀から成る白色微細粒子が縣
濁している反応処理水中に挿入した白色灯を10分間点
灯した。かかる白色光の照射によって、白色微細粒子が
黒化し、黒灰色の沈殿が生じた。
【0023】消灯した白色灯を引き抜き、白色光照射処
理水を静置したところ、黒灰色の沈殿と透明な上澄液と
に分離された。その後、沈殿物と上澄液とについてガス
マスにて分析を行ったところ、上澄液中にはダイオキシ
ン類は検出されなかった。このため、上澄液は、下水等
に放流可能である。一方、沈殿物には、下記表5に示す
ダイオキシン類が含有されており、原水中のダイオキシ
ン類が実質的に沈殿物に吸着されていることが判る。
【表5】
【0024】比較例 実施例3において、原水に、硫酸銀と食塩とを添加する
ことに代えて、予め硫酸銀と食塩とを反応させて生成し
た塩化銀を添加した他は、実施例3と同様に行った。紫
外線照射処理水を静置して分離した透明な上澄液とにつ
いてガスマスにて分析を行ったところ、上澄液中にはダ
イオキシン類が大量に存在し、活性炭等を添加して上澄
液中のダイオキシン類を吸着処理しなければ、下水道等
に放流できないことが判明した。尚、沈殿物についての
分析は、上澄液に何等かの処理を施さなければ下水道等
への放流ができないことが判明した時点で中止した。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、ダイオキシン類含有水
の処理を安価にでき、スラッジの発生量が少なく、含有
するダイオキシン類を脱着した後のスラッジを再利用で
きる。その結果、従来の処理方法で大量に発生するスラ
ッジの問題を解消でき、ダイオキシン類含有水の処理の
クローズドシステム化を可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイオキシン類含有水の処理方法
を実施するための処理装置の一例を説明する概略図であ
る。
【図2】図1に示す処理装置で使用する発光装置光の構
造を説明するための説明図である。
【図3】本発明に係るダイオキシン類含有水の処理方法
を実施するための処理装置の他の例を説明する部分概略
図である。
【符号の説明】
10 処理装置 12 デカンタ槽 14 反応槽 16 攪拌翼 18 pH測定装置 20 ポンプ 22 光照射槽 24 発光装置 28 沈殿分離槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D024 AA04 AB11 BA14 BC04 CA06 DA07 DB12 4D037 AA11 AB14 BA16 CA01 CA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイオキシン類を含有するダイオキシン
    類含有水中に、水に不溶性で且つ感光性の銀塩を生成
    し、 前記ダイオキシン類を吸着した銀塩の凝集性を向上すべ
    く、前記銀塩に紫外光等の光を照射して感光させた後、 感光した前記銀塩と水とを分離手段により分離すること
    を特徴とするダイオキシン類含有水の処理方法。
  2. 【請求項2】 水に不溶性で且つ感光性の銀塩として、
    ダイオキシン類含有水中で銀イオンとハロゲンイオンと
    を反応させてハロゲン化銀を生成する請求項1記載のダ
    イオキシン類含有水の処理方法。
  3. 【請求項3】 銀イオンを、水に可溶性の銀化合物をダ
    イオキシン類含有水に添加して供給する請求項2記載の
    ダイオキシン類含有水の処理方法。
  4. 【請求項4】 銀イオンを、酸性のダイオキシン類含有
    水に接触する金属銀から溶出させて供給する請求項2記
    載のダイオキシン類含有水の処理方法。
  5. 【請求項5】 ハロゲンイオンを、ダイオキシン類含有
    水に水に可溶な塩類を添加して供給する請求項2記載の
    ダイオキシン類含有水の処理方法。
  6. 【請求項6】 ハロゲンイオンを、塩素イオン又は臭素
    イオンとする請求項2〜5のいずれか一項記載のダイオ
    キシン類含有水の処置方法
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