JP2003110246A - 絶縁シートおよびその製法並びに多層配線基板およびその製法 - Google Patents

絶縁シートおよびその製法並びに多層配線基板およびその製法

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JP2003110246A JP2001298654A JP2001298654A JP2003110246A JP 2003110246 A JP2003110246 A JP 2003110246A JP 2001298654 A JP2001298654 A JP 2001298654A JP 2001298654 A JP2001298654 A JP 2001298654A JP 2003110246 A JP2003110246 A JP 2003110246A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無機絶縁粉末の含有量に関係なく絶縁シートの
表面に微細な配線パターンを良好に転写できる絶縁シー
トおよびその製法、並びに、かかる絶縁シートを用いる
ことにより寸法精度に優れた表面多層配線層を有する多
層配線基板およびその製法を提供する。 【解決手段】少なくとも熱硬化性樹脂1と無機絶縁粉末
3とからなる半硬化状態の絶縁シートAであって、前記
無機絶縁粉末3量の多い高濃度粉末シート5に、前記無
機絶縁粉末3量の多い高濃度粉末シート5よりも前記無
機絶縁粉末3量の少ない低濃度粉末シート7が重畳され
てなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁シートおよび
その製法並びに多層配線基板およびその製法に関し、特
に、導体配線層を転写法により形成する際に用いられる
絶縁シートとその製法に関するものであり、また、前記
転写用の絶縁シートにより形成される表面多層配線層が
コア基板の表面に積層されてなる多層配線基板及びその
製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯情報端末の発達やモバイルコ
ンピューティングの普及に伴い、小型、高精細かつ高速
動作に適した多層配線基板が求められている。このよう
な要求に対応するための多層配線基板として、従来より
ビルドアップ法で作製されるものが知られている。
【0003】このような多層配線基板は、ガラス−エポ
キシ複合材料からなるコア基板の表面に感光性樹脂を塗
布して絶縁層を形成し、この絶縁層に対して露光/現像
を行うことにより貫通孔が形成される。次に、この貫通
孔の内壁を含む絶縁層の全表面に銅などのメッキ層を形
成した後、このメッキ層表面に感光性レジストを塗布
し、露光/現像を行い、余分なメッキ膜をエッチングに
より除去し、さらにレジスト剥離を経て導体配線層を形
成することにより作製される。
【0004】しかしながら、ビルドアップ法により形成
される多層配線基板では、感光性樹脂からなる絶縁層に
対して導体配線層の密着強度が低いという問題があっ
た。
【0005】また、ビルドアップ法では、コア基板の表
面に形成された絶縁層や導体配線層に対して、さらに、
この表面上に絶縁層あるいは導体配線層が逐次形成され
ることから、工程の途中で発生した不良層を除くことが
困難であることから工程歩留まりが低下しやすく、この
ため高コストになるという問題があった。
【0006】そこで、このような問題に対して、さらに
近年においては、予め作製された配線パターンを、これ
も予め作製された絶縁シート上に転写して作製する方法
が考案されており、このように予め作製された配線パタ
ーンや絶縁シートは良品が選別され用いられる。このよ
うな多層配線基板として、例えば、特開2000−13
3916号公報に開示されるようなものが知られてい
る。
【0007】この公報に開示された多層配線基板は、上
記の転写法により作製されるものであり、以下の工程か
らなる。ここでは、まず、少なくともアルミナ等の無機
絶縁粉末と有機バインダとを含む絶縁シートに貫通孔を
設け、この貫通孔に導電性ペーストを充填してバイア導
体を形成し、この表面に有機フィルム上に形成した銅箔
からなる配線パターンを転写する。次に、絶縁シートの
表面に配線パターンが形成された絶縁シートを所望の層
数だけ積層して再度加熱加圧を行うことにより多層配線
基板を作製することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特開2000−133916号公報に開示される多層
配線基板では、多層配線基板の熱膨張係数を考慮して絶
縁シート中に多くの無機絶縁粉末を含んでいることか
ら、絶縁シートの可とう性や柔軟性およびシート強度が
低下するとともに、表面に欠けやクラックが発生しやす
いという問題があった。
【0009】また、配線パターンを転写する際に、絶縁
シート中に含まれる樹脂成分が溶融する温度まで加熱加
圧しても、無機絶縁粉末の間を通って表面付近まで到達
する樹脂成分の移動量が少ないために、特に導体配線層
を微細化した場合に、金属箔表面の凹凸部に樹脂が入り
込み形成される有機樹脂のアンカーが少なくなり、広い
面積の導体配線層に比較して接着力が低くなり、転写さ
れた導体配線層が剥がれやすいという問題があった。こ
のため導体配線層とバイア導体との接続信頼性が低下す
るという問題があった。
【0010】一方、上記のような問題から、絶縁シート
に含まれる熱硬化性樹脂量を多くした場合には、絶縁シ
ートに対する導体配線層の密着性は向上するものの、転
写時の導体配線層の位置ずれや絶縁シートの変形が発生
するという問題があった。
【0011】従って、本発明は、無機絶縁粉末の含有量
に関係なく絶縁シートの表面に微細な配線パターンを良
好に転写できる絶縁シートおよびその製法、並びに、か
かる絶縁シートを用いることにより寸法精度に優れた表
面多層配線層を有する多層配線基板およびその製法を提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の絶縁シートは、
少なくとも熱硬化性樹脂と無機絶縁粉末とからなる半硬
化状態の絶縁シートであって、前記無機絶縁粉末量の多
い高濃度粉末シートに、前記無機絶縁粉末量の多い高濃
度粉末シートよりも前記無機絶縁粉末量の少ない低濃度
粉末シートが重畳されてなることを特徴とする。
【0013】このような構成によれば、低い熱膨張係数
を有する高濃度粉末シートの表面を平滑にできるととも
に、低濃度粉末シートに多く含まれている熱硬化性樹脂
同士の結合により高濃度粉末シートが保持されることか
ら、絶縁シートの可とう性を高めることができるととも
に、強度が増し、表面の欠けやクラックを抑制できる。
即ち、このように無機絶縁粉末量の異なる絶縁シートを
重畳させることにより、両者の欠点を補える絶縁シート
を形成できる。
【0014】上記絶縁シートでは、高濃度粉末シート全
体に含まれる無機絶縁粉末の含有量が35体積%以上で
ありかつ低濃度粉末シート全体に含まれる無機絶縁粉末
の含有量が20体積%以下であることが望ましい。
【0015】このように高濃度粉末シートに含まれる無
機絶縁粉末量を35体積%以上とすることにより絶縁シ
ートの熱膨張係数をさらに小さくしヤング率を高めるこ
とができるとともに、低濃度粉末シート中に含まれる無
機絶縁粉末量を20体積%以下とすることにより、高濃
度粉末シートの表面の平滑性を高めることができるため
に、高濃度粉末シートの欠点である表面の可とう性や柔
軟性をさらに高めることができ、欠けやクラックを防止
できる。
【0016】上記絶縁シートでは、高濃度粉末シートお
よび低濃度粉末シートが重畳されたときの全体厚みが5
0μm以下でありかつ低濃度粉末シートの厚みが2μm
以上であることが望ましい。
【0017】このように絶縁シートの厚みが50μm以
下と薄い場合であっても、熱硬化性樹脂量の多い低濃度
粉末シートの厚みを2μm以上形成することにより、低
濃度粉末シートに多く含まれている熱硬化性樹脂同士の
結合の寄与を高めることができ、絶縁シートの強度並び
に可とう性を向上できる。
【0018】上記絶縁シートでは、上記の高濃度粉末シ
ートおよび低濃度粉末シートに含まれる無機絶縁粉末の
平均粒径が1μm以下であることが望ましい。
【0019】このように平均粒径の小さい無機絶縁粉末
を用いて絶縁シートを形成することにより、例え、薄い
絶縁シートを形成したとしても無機絶縁粉末の周囲を取
り巻く熱硬化性樹脂量を均一にできることから絶縁シー
トの強度や可とう性をさらに高めることができる。
【0020】上記絶縁シートでは、上記の高濃度粉末シ
ートおよび低濃度粉末シートに含まれる無機絶縁粉末の
アスペクト比が1.2以上であることが望ましい。
【0021】本発明の絶縁シートは、一般に流動性の低
い無機絶縁粉末を用いて形成される絶縁シートに対して
用いることができるものであることから、無機絶縁粉末
のアスペクト比が1.2以上と大きい場合に好適であ
る。
【0022】本発明の絶縁シートの製法は、少なくとも
熱硬化性樹脂と無機絶縁粉末とを含む絶縁性スラリーで
あって、無機絶縁粉末量の多い高濃度スラリーと、前記
高濃度スラリーよりも前記無機絶縁粉末量の少ない低濃
度スラリーとを調製する工程と、前記2種の絶縁性スラ
リーのうち、まず、前記高濃度スラリーを用いてシート
成形法により高濃度成形シートを形成する工程と、次
に、該高濃度成形シートの表面に前記低濃度スラリーを
用いてシート成形法により低濃度成形シートを形成する
工程と、を具備することを特徴とする。
【0023】この製法において、先に成形した高濃度粉
末シートの表面に、低濃度スラリーを塗布することによ
り、高濃度粉末シートの表面を平滑にでき表面の欠けや
クラックを抑制できる絶縁シートを容易に形成できる。
【0024】また、高濃度粉末シートを成形した直後
に、低濃度スラリーを塗布することから、高濃度粉末シ
ート表面の粘着性が保持された状態で低濃度粉末シート
が密着され、このため高濃度粉末シートと低濃度粉末シ
ートとの密着性の高い絶縁シートを容易に形成できる。
【0025】また、この方法によれば、先に形成された
高濃度粉末シートは溶剤が揮発し高粘度状態にあり、後
に塗布される低濃度スラリーと混ざり合わないことか
ら、厚み方向に無機絶縁粉末量の異なる絶縁シートを容
易に形成できる。
【0026】本発明の多層配線基板は、少なくとも熱硬
化性樹脂を含む絶縁基板の表面および/または内部に導
体配線層が形成され、該導体配線層間を接続するために
前記絶縁基板内部にバイア導体が形成されてなるコア基
板と、該コア基板の表面に、熱硬化性樹脂と無機絶縁粉
末からなる絶縁層および金属箔からなる導体配線層が積
層されてなり、該導体配線層間を接続するために前記絶
縁層に貫通孔を形成し、該貫通孔内に金属粉末を含む導
体ペーストを充填してバイア導体が形成されてなる表面
多層配線層と、を具備する多層配線基板において、前記
表面多層配線層を構成する前記絶縁層が高濃度粉末層と
低濃度粉末層との重畳体であることを特徴とする。
【0027】このような構成によれば、導体配線層が形
成される絶縁層の表面側が、相対的に熱硬化性樹脂量の
多い低濃度粉末層により構成されていることから、導体
配線層の表面の凹凸部に多くの熱硬化性樹脂が入り込
み、このため多層配線基板を構成する導体配線層と絶縁
層との密着強度を高めることができる。
【0028】また、低濃度粉末層に熱硬化性樹脂量が多
いことから表面の導体配線層がこの低濃度粉末層に埋設
され、絶縁層と導体配線層とを実質的に同一面とするこ
とができることから、多層配線基板を構成する絶縁層お
よび導体配線層同士の平行度が高まり、このため導体配
線層とバイア導体との接続を均一にでき、多層配線基板
の電気特性を高め、接続信頼性を向上できる。
【0029】さらに、絶縁層が低濃度粉末層とともに高
濃度粉末層により構成されていることから、絶縁層のヤ
ング率や機械的強度を高めることができるとともに、熱
膨張係数を低くできることから、半導体素子等の実装信
頼性を向上できる。
【0030】即ち、絶縁層がこのように高濃度粉末層と
低濃度粉末層により構成される形態であることにより、
高濃度粉末層に含まれる無機絶縁粉末量を変えること
で、絶縁層のヤング率や機械的強度および熱膨張係数を
任意に変更でき、多様な多層配線基板を形成できる。
【0031】上記多層配線基板では、高濃度粉末層全体
に含まれる無機粉末量が35体積%以上でありかつ低濃
度粉末層全体に含まれる無機絶縁粉末量が20体積%以
下であることが望ましい。
【0032】このように高濃度粉末層に含まれる無機絶
縁粉末量を35体積%以上とすることにより絶縁層の熱
膨張係数をさらに小さくし、ヤング率を高めることがで
きるとともに、低濃度粉末層中に含まれる無機絶縁粉末
量を20体積%以下とすることにより、導体配線層の表
面の凹凸部にさらに多くの熱硬化性樹脂が入り込み、こ
のため多層配線基板を構成する導体配線層と絶縁層との
密着強度をさらに高めることができる。
【0033】また、低濃度粉末層に熱硬化性樹脂量が相
対的に多いことから埋設される導体配線層による凹凸を
さらに低減でき、このことから多層配線基板を構成する
絶縁層および導体配線層同士の平行度がさらに高まり、
このため導体配線層とバイア導体との接続をさらに均一
にでき、多層配線基板の電気特性を高め、接続信頼性を
さらに向上できる。
【0034】上記多層配線基板では、導体配線層の厚み
をt1、低濃度粉末層の厚みをt2としたときに、t2
1>0.15であることが望ましい。導体配線層の厚
みに対する低濃度粉末層の厚みの比を0.15より大き
くすることにより、絶縁層の熱硬化性樹脂量が相対的に
多くなることから、導体配線層の絶縁層中への埋設を改
善し平坦度をさらに高めることができる。
【0035】上記多層配線基板では、絶縁層の厚みが5
0μm以下であり、かつ少なくとも一方面側に形成され
る低濃度粉末層の厚みが2μm以上であることが望まし
い。このように絶縁層の厚みが50μm以下と薄い場合
であっても、熱硬化性樹脂量の多い低濃度粉末層の厚み
を2μm以上形成することにより、低濃度粉末層に多く
含まれている熱硬化性樹脂同士の結合の寄与を高めるこ
とができ、絶縁層の強度並びに可とう性を向上できる。
また、絶縁層の表面に形成される導体配線層の平坦度を
向上できる。
【0036】上記多層配線基板では、絶縁層に含まれる
無機絶縁粉末の平均粒径が1μm以下であることが望ま
しい。絶縁層がこのように平均粒径の小さい無機絶縁粉
末を用いて形成されることにより、例え、絶縁層が薄い
場合であっても無機絶縁粉末の周囲を取り巻く熱硬化性
樹脂量を均一にできることから絶縁層の強度や柔軟性を
高めることができる。
【0037】上記多層配線基板では、絶縁層を構成する
無機絶縁粉末のアスペクト比が1.2以上であることが
望ましい。本発明の多層配線基板が、一般に流動性の低
い無機絶縁粉末を用いて形成される絶縁層に対して用い
ることができるものであることから、無機絶縁粉末のア
スペクト比が1.2以上と大きい場合に好適である。
【0038】本発明の多層配線基板の製法は、(a)少
なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁基材の少なくとも表面
に導体配線層を形成してなるコア積層体を形成する工程
と、(b)該コア積層体の表面上に、請求項1乃至請求
項5のうちいずれかに記載の絶縁シートを熱圧着する工
程と、(c)前記絶縁シートの所定箇所にレーザ光を照
射して貫通孔を形成する工程と、(d)(c)で形成し
た貫通孔に金属粉末と有機成分を含む導体ペーストを充
填してバイア導体を形成する工程と、(e)該バイア導
体が形成された前記絶縁シート上に、予め微細加工され
た配線パターンを転写して、上面側が粗化された導体配
線層を形成する工程と、(f)(b)〜(e)工程を繰
り返して多層化する工程とを具備することを特徴とす
る。
【0039】この製法において、まず、絶縁シートの表
面側に樹脂成分が多く存在するために、配線パターンを
転写する際に、高濃度粉末シートのみの場合に比較し
て、比較的低温低圧下で絶縁シート中に含まれる多くの
樹脂成分を表面付近まで到達させることができ、このた
め微細化された導体配線層であっても容易に転写でき
る。また、導体配線層の表面の凹凸部に熱硬化性樹脂が
入り込みアンカー効果が高まるため導体配線層と絶縁層
とを強固に接着できる。
【0040】また、絶縁シートの表面側に熱硬化性樹脂
が多く存在することから、導体配線層が形成された後の
積層においても絶縁シート同士の強固に密着できる。
【0041】また、このように、導体配線層を形成する
表面側の樹脂量を多くすることにより、導体配線層の転
写性を高めるとともに、絶縁層の表面側以外の部分の樹
脂量を少なくすることにより、絶縁層の機械的強度やヤ
ング率が高まり、転写、積層時の加圧加熱においても絶
縁層の変形が抑えられることから、高寸法精度の導体配
線層を有する多層配線基板を容易に形成できる。
【0042】
【発明の実施の形態】(絶縁シート) (構造)本発明の絶縁シートの一例の概略断面図を図1
に示した。
【0043】本発明の絶縁シートAは、図1に示すよう
に、少なくとも熱硬化性樹脂1と無機絶縁粉末3との複
合体により構成されており、厚み方向に無機絶縁粉末3
量の多い高濃度粉末シート5と、無機絶縁粉末3量の多
い高濃度粉末シート5よりも無機絶縁粉末3量の少ない
低濃度粉末シート7が2層重畳されている。
【0044】また、高濃度粉末シート5全体に含まれる
無機絶縁粉末3の含有量は、絶縁シートAのヤング率や
機械的強度を高めかつ熱膨張係数を小さくするという理
由から35体積%以上が望ましく、特に、絶縁シートA
に可とう性や柔軟性を持たせ製造工程におけるハンドリ
ング性や脱粒、欠け、クラックを抑制するという理由か
ら、40〜80体積%が望ましい。
【0045】一方、低濃度粉末シート7全体に含まれる
無機絶縁粉末3の含有量は、絶縁シートA表面の可とう
性や柔軟性および平滑性を得るために20体積%以下が
望ましく、特に、絶縁シートAの耐熱性を高め、寸法変
化を抑えかつ熱膨張係数を低くするという理由から5〜
15体積%が望ましい。
【0046】また、高濃度粉末シート5および低濃度粉
末シート7が重畳されたときの絶縁シートAの全厚み
は、例えば、多層配線基板の表面多層配線層Cの絶縁層
21a〜21dとして用いられインダクタンスを低減し
かつインピーダンス整合を行うという理由から50μm
以下が望ましい。そして、このとき絶縁シートAの少な
くとも一方面側に形成される低濃度粉末シート7の厚み
は、低濃度粉末シート7に多く含まれている熱硬化性樹
脂1同士の結合の寄与を高め欠けやクラックを防止し、
絶縁シートAの機械的強度並びに可とう性を向上できる
という理由から2μm以上であることが望ましい。特
に、この低濃度粉末シート7の厚みは、絶縁シートAの
ヤング率、機械的強度および耐熱性を高めるという理由
から、5〜10μmが望ましい。
【0047】また、本発明の絶縁シートAを構成する高
濃度粉末シート5および低濃度粉末シート7に含まれる
無機絶縁粉末3の平均粒径は、薄い絶縁シートAを形成
したとしても無機絶縁粉末3の周囲を取り巻く熱硬化性
樹脂1量を均一にでき、絶縁シートAの強度や柔軟性を
高めることができるという理由から1μm以下であるこ
とが望ましい。特に、絶縁性スラリーに含まれる熱硬化
性樹脂量を抑えかつその分散性を高め良好な成形ができ
かつ絶縁シートAの機械的強度を高めるという理由から
無機絶縁粉末3の平均粒径は、0.1〜0.8μmであ
ることが望ましい。
【0048】また、高濃度粉末シート5および低濃度粉
末シート7に含まれる無機絶縁粉末3の平均粒径は、同
一である必要は無く、特に、薄層化して形成される低濃
度粉末シート7に含まれる無機絶縁粉末3の平均粒径が
高濃度粉末シート5に含まれる無機絶縁粉末3の平均粒
径よりも小さい場合にも好適に用いることができる。
【0049】また、本発明の絶縁シートAが一般に流動
性の低い無機絶縁粉末3に対して適用されるものである
ことから、絶縁シートAを構成する高濃度粉末シート5
および低濃度粉末シート7に含まれる無機絶縁粉末3の
アスペクト比は、1.2以上であることが望ましい。特
に、絶縁性スラリーに含まれる熱硬化性樹脂1量を抑え
かつ分散性を高めるという理由から、アスペクト比は
1.5〜2であることが望ましい。
【0050】(材料)本発明の絶縁シートAは、少なく
とも熱硬化性樹脂1を含有する絶縁材料からなるもので
あり、例えば、A−PPE(ポリフェニレンエーテル樹
脂)、BTレジン(ビスマレイドトリアジン)、ポリイ
ミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹
脂、エポキシ樹脂からなり、とりわけ原料として室温で
液体の熱硬化性樹脂1であることが望ましい。本発明の
絶縁シートAは高濃度粉末シート5と低濃度粉末シート
7が重ね合わされているものであるが、両シートに含ま
れる熱硬化性樹脂1は化学的な重合反応や密着性を高め
るという理由から同じ熱硬化性樹脂を用いることが好ま
しい。
【0051】また絶縁シートAを構成する無機絶縁粉末
3としては、SiO2、Al23、ZrO2、TiO2
AlN、SiC、BaTiO3、SrTiO3の少なくと
も1種の材料が使用できる。また、その形状としては球
状、針状など任意のものとすることができる。このよう
に絶縁シートA中で不連続に存在する無機絶縁粉末3を
用いることにより、例えば、多層配線基板の耐マイグレ
ーション性を高めることができる。
【0052】(製法)次に、本発明の絶縁シートAの製
法を図2の工程図をもとに説明する。
【0053】まず、本発明の多層配線基板を形成する絶
縁シートAは以下のように作製される。図2に示すよう
に、まず、高濃度粉末シート5を作製するために、各々
所定量の熱硬化性樹脂1、無機絶縁粉末3、分散剤、硬
化剤および溶剤とを(加熱式攪拌混合機)を用いて、温
度80℃で2時間混合することにより高濃度スラリー1
1を調製する。このとき、高濃度スラリー11の粘度
は、ハーケ社製レオメータRS−100を用いて、直径
φ20mm、角度1°のコーンを用いて、せん断速度1
00s-1で測定したとき3〜5Pa・sの範囲であるこ
とが望ましい。
【0054】次に、高濃度スラリー11と同様の成分を
用いて、この場合には、高濃度スラリー11よりも熱硬
化性樹脂1量に対して無機絶縁粉末3量を低減して、こ
の無機絶縁粉末3に対して、各々所定量の熱硬化性樹脂
1、分散剤、硬化剤および溶剤とを混合して低濃度スラ
リー13を調製する。低濃度スラリー13の粘度は1〜
2Pa・sであることが望ましい。
【0055】次に、調製された2種の絶縁性スラリー1
1、13のうち、まず、高濃度スラリー11を用いて有
機樹脂製のキャリアフィルム15上にドクターブレード
法などのシート成形法により高濃度成形シート5を形成
し、さらに、この高濃度成形シート5の表面に低濃度ス
ラリー13を用いて同じくドクターブレード法などのシ
ート成形法により塗布することで低濃度粉末シート7を
積層形成する。このようにして高濃度粉末シート5の片
面に低濃度粉末シート7が形成された2層構造の絶縁シ
ートAが形成される。この場合、上記の方法により無機
絶縁粉末3量の異なる2種類の絶縁シートAを作製し、
これらの高濃度粉末シート5および低濃度成形シート7
を加圧加熱して一体化することによっても形成できる。
【0056】尚、本発明の絶縁シートAでは、高濃度粉
末シート5に重畳されて形成される低濃度粉末シート7
は片面のみではなく両面に形成されてもよい。この場合
には、図3(a)に示すように、まず、前述のキャリア
フィルム15上に低濃度スラリー13を塗工して余分な
溶剤が揮発する程度に乾燥させ低濃度粉末シート7を形
成する。次に、図3(b)に示すように、成形した低濃
度粉末シート7のうち、約半量分に対して、この低濃度
粉末シート7上に高濃度スラリー11を塗工し、これも
余分な溶剤が揮発する程度に乾燥させキャリアフィルム
15側に低濃度粉末シート7が、表面側に高濃度粉末シ
ート5が重畳された2層構造の絶縁シートAを形成す
る。次に、図3(c)に示すように、上記2種のシート
の表面側同士を重ね合わせて室温以上の温度にて加熱し
ながら加圧して密着させることにより高濃度粉末シート
5の両面に低濃度粉末シート7が形成された3層構造の
絶縁シートAが形成される。
【0057】上記の製法では、高濃度粉末シート5を成
形した直後に、低濃度スラリー13を塗布することか
ら、高濃度粉末シート5表面の粘着性が保持された状態
で低濃度粉末シート7が密着され、このため高濃度粉末
シート5と低濃度粉末シート7との密着性の高い絶縁シ
ートAを容易に形成できる。
【0058】また、この方法によれば、先に形成された
高濃度粉末シート5あるいは低濃度粉末シート7は溶剤
が揮発し高粘度状態にあり、後に塗布させる高濃度スラ
リー11あるいは低濃度スラリー13と混ざり合わない
ことから、厚み方向に無機絶縁粉末3量の異なる絶縁シ
ートAを容易に形成できる。
【0059】次に、成形された絶縁シートAは、まず、
ピンホールや色調等の外観検査を行い、次に、厚みや表
面粗さを測定し、さらには、絶縁シートAの機械的強度
(引張り強度)試験を行い、多層配線基板に用いられる
絶縁シートAととしての各特性が評価される。
【0060】(多層配線基板) (構造)以下、本発明の多層配線基板の一例の概略断面
図を図4に示した。
【0061】図4に示すように、本発明の多層配線基板
は、コア基板Bの表面に表面多層配線層Cが形成されて
いる。
【0062】コア基板Bは、少なくとも熱硬化性樹脂を
含有する複数の絶縁層13a〜13eを複数積層して形
成された絶縁基板15と、その絶縁基板15の表面およ
び内部に形成された導体配線層17と、この導体配線層
17間を接続するバイア導体18により構成されてい
る。
【0063】また、コア基板Bの上下面に相当する表面
上に積層されている表面多層配線層Cもまた、コア基板
Bと同様、少なくとも熱硬化性樹脂を含有する複数の表
面絶縁層21a〜21dが複数積層され、この表面およ
び内部には導体配線層23が形成されており、これらの
導体配線層23間を接続するためのバイア導体25が各
絶縁層21a〜21dの内部に形成されている。
【0064】次に、表面多層配線層Cを構成する絶縁層
21a〜21dを図5の要部拡大図をもとに説明する。
この表面絶縁層21aは、図5に示すように、コア基板
B側に無機絶縁粉末3が多く含まれている高濃度粉末層
27とその高濃度粉末層27の上方側に、高濃度粉末層
27よりも無機絶縁粉末3が少ない低濃度粉末層29が
重畳されて構成されている。
【0065】また、この表面絶縁層21a〜21d上に
形成された導体配線層23は、無機絶縁粉末3の少ない
低濃度粉末層29の熱硬化性樹脂を排除して埋設されて
いる。このため表面絶縁層21a〜21dと導体配線層
23とは実質的に同一平面となっており、このため表面
多層配線層Cの導体配線層23とコア基板Bの表面に形
成された導体配線層17との間のバイア導体25は両方
の導体配線層17、23の厚み分だけ圧縮され高密度化
されており、このためバイア導体25と導体配線層1
7、23との接続が強固になり導電性ならびに接続信頼
性を向上できる。
【0066】なお、表面多層配線層Cに形成されたバイ
ア導体25は導体配線層23を介して多層配線基板の厚
み方向にコア基板Bに形成されたバイア導体18とビア
オンビアの形体で接続されている。
【0067】そして、表面多層配線層Cを構成する表面
絶縁層21a〜21dは高濃度粉末シート5および低濃
度粉末シート7からなる前記の絶縁シートAにより形成
されることから、この表面絶縁層21a〜21dは前記
の絶縁シートAの特徴を受け継ぐものである。
【0068】即ち、高濃度粉末層27全体に含まれる無
機絶縁粉末3の含有量は、表面絶縁層21a〜21dの
ヤング率や機械的強度を高めかつ硬化後の熱膨張係数
を、例えば、25×10-6/℃以下に小さくするという
理由から40体積%以上が望ましく、特に、表面絶縁層
21a〜21dに可とう性を持たせ、脱粒、欠け、クラ
ックを抑制するという理由から、50〜80体積%が望
ましい。
【0069】一方、低濃度粉末層29全体に含まれる無
機絶縁粉末3の含有量は、表面絶縁層21a〜21d表
面の可とう性および平滑性を得、多層配線基板の耐水性
を向上させるために20体積%以下が望ましく、特に、
表面絶縁層21a〜21dの耐熱性を高め、寸法変化を
抑えかつ熱膨張係数を70×10-6/℃以下にするとい
う理由から5〜15体積%が望ましい。
【0070】また、高濃度粉末層27および低濃度粉末
層29が重畳されたときの表面絶縁層21a〜21dの
全体厚みは、例えば、多層配線基板の表面配線層の絶縁
層として用いられインダクタンスを低減しかつインピー
ダンス整合を行うという理由から50μm以下が望まし
い。そして、このとき表面絶縁層21a〜21dの少な
くとも一方面側に形成される低濃度粉末層29の厚み
は、この低濃度粉末層29に多く含まれている熱硬化性
樹脂1同士の結合の寄与を高め、欠けやクラックを防止
し、表面絶縁層21a〜21dの機械的強度並びに可と
う性を向上できるという理由から2μm以上であること
が望ましい。特に、この低濃度粉末層29の厚みは、表
面絶縁層21a〜21dのヤング率、機械的強度および
耐熱性を高めるという理由から、0.1〜0.5μmが
望ましい。また、導体配線層23の厚みをt1、低濃度
粉末層29の厚みをt2としたときに、t2/t1>0.
15であることが望ましい。特に、導体配線層23を転
写した際に表面絶縁層21a〜21dとともに発生する
変形やずれを抑制するという理由から、t2/t1は0.
2〜1.5の範囲であることが望ましい。
【0071】また、本発明の表面絶縁層21a〜21d
を構成する高濃度粉末層27および低濃度粉末層29に
含まれる無機絶縁粉末3の平均粒径は、表面絶縁層21
a〜21dを薄くした場合であっても無機絶縁粉末3の
周囲を取り巻く熱硬化性樹脂1量を均一にでき、表面絶
縁層21a〜21dの機械的強度や可とう性を高めるこ
とができるという理由から1μm以下であることが望ま
しい。特には、表面絶縁層21a〜21dの機械的強度
を高めるという理由から無機絶縁粉末3の平均粒径は、
0.1〜0.8μmであることがより望ましい。
【0072】また、高濃度粉末層27および低濃度粉末
層29に含まれる無機絶縁粉末3の平均粒径は、同一寸
法である必要は無く、特に、薄層化して形成される低濃
度粉末層29に含まれる無機絶縁粉末3の平均粒径が高
濃度粉末層27に含まれる無機絶縁粉末3の平均粒径よ
りも小さい場合にも好適に用いることができる。
【0073】また、本発明の表面絶縁層21a〜21d
が一般に流動性の低い無機絶縁粉末を用いて形成される
表面絶縁層21a〜21dに対して好適であることか
ら、表面絶縁層21a〜21dを構成する高濃度粉末層
27および低濃度粉末層29に含まれる無機絶縁粉末3
のアスペクト比は、1.2以上であることが望ましい。
特に、表面絶縁層21a〜21dに含まれる熱硬化性樹
脂量を抑えかつ分散性を高めるという理由から、アスペ
クト比は1.5〜2が望ましい。
【0074】(材料)本発明の多層配線基板において、
表面多層配線層Cを構成する表面絶縁層21a〜21d
は、前記絶縁シートAと同様に熱硬化性樹脂を含有する
絶縁材料からなるものであり、例えば、A−PPE(ポ
リフェニレンエーテル樹脂)、BTレジン(ビスマレイ
ドトリアジン)、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリア
ミノビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂からなり、とり
わけ原料として室温で液体の熱硬化性樹脂であることが
望ましい。
【0075】一方、コア基板Bを構成する絶縁層13a
〜13eとなる絶縁基材61もまた、表面多層配線層C
を構成する表面絶縁層21a〜21dと同様のA−PP
E(ポリフェニレンエーテル樹脂)等の熱硬化性樹脂が
好適に用いられる。また、絶縁層13a〜13e中に混
合される充填材としては無機絶縁粉末3や繊維体があ
り、織布、不織布など任意の性状のものを用いればよ
い。また、アラミド繊維、セルロース繊維などの有機繊
維体を用いることもできる。特に、コア基板Bに用いる
繊維体として、ガラス繊維に前記熱硬化性樹脂を含浸し
たものが強度を高める点で最も望ましい。
【0076】また、表面多層配線層Cを構成する表面絶
縁層21a〜21d中の無機絶縁粉末3の成分として
は、これも前述の絶縁シートAに含まれる無機絶縁粉末
3と同じ物であり、SiO2、Al23、ZrO2、Ti
2、AlN、SiC、BaTiO3、SrTiO3の少
なくとも1種類の材料が使用できる。また、その形状も
同じく球状、針状など任意のものとすることができる。
このように表面絶縁層21a〜21d中で不連続に存在
する無機絶縁粉末を用いることで耐マイグレーション性
を高めることができ、表面多層配線層Cの導体配線層2
3およびバイア導体25の高密度化を図ることができ
る。
【0077】また、コア基板Bおよび表面多層配線層C
を構成する導体配線層17、23としては、導体配線を
形成するに好適な金属より形成され、例えば、金、銀、
銅、アルミニウムの少なくとも1種を含む低抵抗金属の
電解金属箔が好適に使用される。この電解金属箔の厚み
は1〜35μmが良く、望ましくは、導電性が低く配線
の微細化に適しているという点から5〜18μmが良
い。この電解金属箔の厚み、言い換えれば導体配線層1
7、23の厚みが1μmより小さいと配線の抵抗率が高
くなり、また35μmより大きいと、積層時にコア基板
Bや表面多層配線層Cの変形が大きくなったり、絶縁層
13a〜13eおよび表面絶縁層21a〜21dへの金
属の埋め込み量が多くなり、コア基板Bや表面多層配線
層Cの歪みが大きくなり樹脂硬化後に基板が変形を起こ
しやすいなどの問題がある。
【0078】また、バイア導体18、25となる貫通孔
中に充填される導体ペーストとしては、導体配線層1
7、23を形成する金属粉末にエポキシ、セルロース等
の樹脂成分を添加し、酢酸ブチルなどの溶媒によって混
練したものが使用される。この導体ペーストは貫通孔へ
の充填後溶剤を乾燥させるがはじめから無溶剤であるこ
とが望ましい。また、バイア導体18、25の低抵抗化
とバイア導体18、25上部、底部の導体配線層23、
17を形成する金属箔との接続性向上のために、錫、
鉛、ビスマス、インジウムの少なくとも1種の金属、あ
るいはそれらの合金を含有することが望ましく、特に、
導体配線層17、23を構成する金属成分が銅である場
合に、銅との合金もしくは単体よりも高融点と成る金属
間化合物を形成できるという点から錫が望ましい。
【0079】また、バイア導体18、25に用いられる
金属粒子の平均粒子径は1〜15μmとされ、導電性ペ
ーストの分散性と導体配線層との濡れ性および充填性を
高めるために3〜10μmであることが望ましい。
【0080】(製法)次に、本発明の多層配線基板の製
造方法を図6をもとに説明する。この図6は、図4の多
層配線基板を作製するための工程図である。
【0081】まず、図6(a)に示すように、半硬化状
態の絶縁基材61に対して、レーザ加工により所望のバ
イアホール63を形成する。そして図6(b)に示すよ
うに、そのバイアホール63内に金属粉末を含有する導
体ペーストを充填してバイア導体65を形成する。
【0082】次に、図3(b)の半硬化状態の絶縁基材
61のバイア導体65の一方表面に電解金属箔からなる
導体配線層67を加熱加圧による転写により埋設させ
る。本発明では、この導体配線層67の形成をあらかじ
め樹脂フィルム69上にラミネートした金属箔をエッチ
ングして作製したパターンの転写によって行う。転写条
件は導体配線層67が絶縁基材61上に埋設されて転写
されるとともに、加圧加熱した際に絶縁基材61が変形
せず、さらにこの後の積層が可能なように未硬化状態を
保持する温度、圧力、時間が望ましく、その温度は10
0〜140℃、圧力は30〜100Pa、時間は1〜1
0分が適当である。
【0083】例えば、導体配線層67の形成には、ま
ず、適当な樹脂フィルム69の表面にメッキ法などによ
って作製された銅、金、銀、アルミニウム等から選ばれ
る1種または2種以上の合金からなる厚さ1〜35μm
の電解金属箔を接着し、その電解金属箔の表面に所望の
配線パターンの鏡像パターンとなるようにレジスト層を
付設した後、エッチング、レジスト除去によって所定の
配線パターンの鏡像の導体配線層67を形成する。この
導体配線層67の厚みは微細化が可能で導体抵抗を低く
するという理由から厚みは7〜18μmが望ましい。ま
た、通常、レーザ加工されない、バイア導体65の最大
径側に当接される導体配線層67の表面粗さ(Rz)は
疎化処理により調整される。
【0084】樹脂フィルム69としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミ
ド、ポリフェニレンサルファイド、塩化ビニル、ポリプ
ロピレン等公知のものが使用できる。樹脂フィルム69
の厚みは10〜100μmが適当であり、望ましくは2
5〜50μmが良い。これは、樹脂フィルム69の厚み
が10μmより小さいとフィルムの変形や折れ曲がりに
より形成した導体配線が断線を引き起こし易くなり、厚
みが100μmより大きいとフィルムの柔軟性がなくな
るためシートの剥離が難しくなるためである。また、樹
脂フィルム29表面に電解金属箔を接着するための接着
剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系、エポキ
シ系等公知の接着剤が使用できる。
【0085】また、内部の導体配線層67を形成するた
めには、あらかじめ表面粗さ(Ra)が0.2μm以上
のものを貼り合わせた方が絶縁基材61を形成する熱硬
化性樹脂をエッチング処理において水分に曝すことがな
いので吸水率を低くできる。この時、電解金属箔のカッ
プリング処理を施さない方が、導体配線層67を転写後
のフィルムから剥離しやすい。
【0086】次に、上記のようにして作製された表面用
の導体配線層67を具備する樹脂フィルム69ととも
に、同様な方法によって作製された裏面用の導体配線層
67を具備する樹脂フィルム69を作製し、これらを図
3(c)に示す方法と同様に、バイア導体65が形成さ
れた絶縁基材61の両面に積層する。そして、図6
(d)に示すように、その積層物を温度60〜150
℃、圧力1〜50MPa、時間1〜10分の条件で加圧
加熱した後、樹脂フィルム69を剥がすことにより、図
6(e)に示すような、絶縁基材61の両面に、導体配
線層67が埋設された配線シートcを作製することがで
きる。
【0087】このように、配線シートcの形成にあたっ
て、この両面に導体配線層67が形成された樹脂フィル
ム69を積層し圧着することにより、多層配線基板にお
ける2層の導体配線層67の転写工程を同時に行うこと
ができる。
【0088】また、上記のようにして作製した配線シー
トcの表面に埋設された導体配線層67のうち、コア基
板Bの表面側に位置する導体配線層67に対して粗面化
処理を行い、導体配線層67の表面粗さ(Ra)が0.
2μm以上、特に0.4μm以上となるようにすること
が望ましい。
【0089】この粗面化処理は、塩酸、硫酸、硝酸、酢
酸、蟻酸などの酸処理による化学的なエッチング処理に
よって施すことができ、例えば、酸溶液を導体配線層6
7の表面に噴霧することが望ましい。また、粗面化処理
面(エッチング面)には、尖頭状の突起を多数形成する
ことが望ましく、このような尖頭状の突起は、例えば、
10質量%蟻酸溶液によって1μm/分以上の粗化速度
で良好に形成できる。
【0090】そして、図6(e)に示すように、上記
(a)及至(e)と同様にして作製された配線基材b、
dを配線シートcとともに加熱加圧硬化して一体化して
これらを絶縁基材中の熱硬化性樹脂が完全に硬化する温
度に加熱することにより、コア積層体Cを作製すること
ができる。この場合の硬化温度は、コア積層体C上に表
面多層配線層Bとなる絶縁シートAとともに再硬化する
ために200〜250℃であることが望ましい。
【0091】次に、図6(f)に示すように、上記のコ
ア積層体Dの表面71上に表面多層配線層Cとなる絶縁
シートAを形成するには、このコア積層体D上に、無機
絶縁粉末3を分散させた熱硬化性樹脂を含む絶縁シート
Aを積層する。ここで用いる絶縁シートAは、以下の方
法によって作製される。
【0092】まず、前述したような適当な無機絶縁粉末
3に、前述した液状の熱硬化性樹脂を無機絶縁粉末3量
が50〜80体積%となるように溶媒とともに加えた高
濃度スラリーと、無機絶縁粉末3量が5〜15体積%と
した低濃度スラリーを作製する。
【0093】絶縁性スラリーは、好適には、前述したよ
うな有機樹脂と無機フィラーの複合材料に、トルエン、
酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メタノール、メチル
セロソルブアセテート、イソプロピルアルコール、メチ
ルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド等の溶媒を
添加して所定の粘度を有する流動体からなる。スラリー
の粘度は、シート成形法にもよるがハーケ社製レオメー
タRS100を使用し、直径20mmφ、角度1°のコ
ーンを用いて、せん断速度100s-1の条件で1〜30
Pa・sが適当である。
【0094】そして、これら2種類の絶縁性スラリーを
圧延法、押し出し法、射出法、ダイコーター法、ドクタ
ーブレード法などのシート成形法によって、無機絶縁粉
末3量の異なるシートが2層重畳された絶縁シートAを
形成し、所望により熱硬化性樹脂1が完全硬化するに十
分な温度よりもやや低い温度に加熱して熱硬化性樹脂を
半硬化させて、厚み20〜50μmの絶縁シートAを作
製できる。
【0095】この絶縁シートAを温度100〜150
℃、圧力1〜10MPa、時間1〜10分の条件で、コ
ア積層体Cの表面に接着した後、UV−YAGレーザな
どで貫通孔75を形成する。この貫通孔75はコア積層
体の上面に埋設されている導体配線層67が露出するよ
うな構造である。このとき貫通孔75の底部の導体配線
層67は、その表面が金属箔形成時のマット面またはパ
ターン作製の際に加工された粗化面であり、レーザ加工
による有底の貫通孔75を形成する際、表面の凹凸がレ
ーザ加工によって一部、溶融、または昇華することで平
滑化されてもよい。ここでレーザ加工の条件は、例えば
UV−YAGレーザ加工機の場合、加工エネルギーが
0.1〜1.0W、単位時間のパルス数が1〜50kH
zの範囲であることが適当である。0.1Wより低い場
合、もしくは50kHzより大きい場合、貫通孔75の
底部に樹脂残渣が残りやすく、また1.0Wより高い場
合、もしくは1kHzより低い場合、貫通孔75底部の
金属箔に貫通する穴が開いたり金属箔にダメージが残
る。
【0096】その後、この貫通孔75にコア基板Bで行
ったのと同様に金属粉末を含有する導体ペーストを充填
してバイア導体80を形成する。この導体ペーストは、
錫、鉛、ビスマス、インジウムなどの低融点金属を少な
くとも1種含むもの、またはその合金であり、この低融
点金属は硬化時の加圧、加熱によってバイアホール上部
と底部の金属箔に濡れるか、金属の種類によっては金属
箔中に拡散するものである。
【0097】さらに上記コア基板Bで導体配線層67を
形成したのと同様に、エッチングによりあらかじめ作製
した金属箔の配線パターンを粗面化した後、積層した絶
縁シートAに転写することにより絶縁シートA上に埋設
された導体配線層67を形成してコア基板Bの両面に表
面多層配線層Cが形成された図6(g)に示すような多
層配線基板を形成することができる。
【0098】その後、必要に応じ上記の工程を繰り返す
ことにより、絶縁シートAおよび導体配線層67を多層
化できる。
【0099】また、この表面多層配線層Cの表面上にさ
らにソルダーレジスト層を形成する場合は、この多層配
線基板の表面にエポキシ樹脂などのソルダーレジスト層
を全面に塗布し、その後、露光/現像して所定の箇所に
パターンを露出させることによって図4に示すような多
層配線基板を作製することができる。
【0100】
【実施例】コア基板を形成する絶縁基材にはポリフェニ
レンエーテル樹脂(A−PPE樹脂)を含浸したプリプ
レグを用意した。
【0101】次に、このプリプレグから成る絶縁シート
にCO2レーザを用いて100μmφの径を有するバイ
アホールを形成した。
【0102】次に、このバイアホールに導体ペーストを
充填した。導体ペーストは銅粉末の表面に3質量%銀コ
ートした平均粒径5μmの導電性粒子と低融点金属粉末
として平均粒径が7μmの錫粉末との混合粉末に対して
トリアリルシアヌレート(TAIC)からなる有機成分
を混合して調製し、この導体ペーストの粘度は10〜1
00Pa・s(ハーケ社製RS100レオメータ、コー
ン20mmφ、コーン角度1°、せん断速度100
-1)とした。
【0103】次に、絶縁シートに転写する導体配線層と
して、厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに、厚み12μmの電解銅箔を貼り合わせて転写用
の銅箔付きフィルムを準備した。銅箔表面にドライフィ
ルムレジストを貼付し、露光、炭酸ナトリウム溶液の噴
霧による現像、塩化第二鉄によるエッチングを行い台形
の形成角60°の形成角をもつ導体配線層を形成した。
その後、水酸化ナトリウム溶液を用いてレジスト膜を剥
離し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に配線パ
ターンを形成した。この後、蟻酸10質量%の水溶液を
噴霧して配線パターンの表面を表面粗さ(Rz)で約3
μmに粗化した。なお、配線パターンはランド径が12
5μm、配線幅は50μmで作製した。
【0104】次に、導体ペーストを充填したプリプレグ
に対して、このPETフィルム上に形成した配線パター
ンを位置あわせした後、120℃、5MPa、3分間の
熱圧着により転写した。
【0105】次に、導体配線層を形成したプリプレグ4
層を120℃、5MPa、3分間の条件で加圧加熱を行
い積層して半硬化状態のコア基板を作製した。
【0106】次に、表面多層配線層用の絶縁シートを作
製した。この絶縁シートは、コア基板と同様、A−PP
E樹脂を用い、無機絶縁粉末として平均粒径0.6μ
m、アスペクト比1.2の溶融シリカを表1の比率で秤
量して混合し、これに熱硬化性樹脂の硬化を促進させる
ための触媒を熱硬化性樹脂に対して3質量%、さらに有
機溶剤としてトルエンを加えてスラリー粘度が約2Pa
・sのスラリーを調製した。これをドクターブレード法
により2回塗工して、厚さ35μmあるいは40μmの
2層および3層構造の絶縁シートを作製した。低濃度粉
末シートおよび高濃度粉末シートに含まれる無機絶縁粉
末量およびそれらの厚みは表1に示した。
【0107】種々の無機絶縁粉末量比率で作製したこれ
らの絶縁シートは、引張り強度および伸び率を評価を評
価した。測定条件は長さ80mm、幅40mm、長さ方
向中央部のくびれ部の幅10mmのダンベル状に加工
し、引張り速度100mm/min.とした。
【0108】また、転写性については、多層配線基板の
作製に用いる転写用の配線パターンを絶縁シート上に通
常の転写条件(温度130℃、圧力5MPa、時間3
分)にて転写を行い、その後、絶縁シート上に形成され
た導体配線層間の位置ずれ量を測定した。位置ずれ量は
配線パターン4角(間隔250mm)のターゲットマー
ク間の距離を測定し、転写前の寸法と比較して評価し
た。また、パターン化されていない銅箔のある周縁部を
長さ100mm、幅10mmに切断し、島津製作所製の
オートグラフを用いて、引張り速度300mm/mi
n.接着強度を測定し、転写強度を評価した。試料数は
それぞれn=10とした。
【0109】次に、これら2層、3層構成の絶縁シート
を予め作製した半硬化状態のコア基板の表面上に、転写
条件と同じ条件にて、130℃、5MPa、3分間の加
圧加熱条件で積層した。
【0110】次に、コア基板上に積層された絶縁シート
の所定位置に、UV−YAGレーザ装置を用いて、加工
エネルギーを0.5W、単位時間のパルス数が10kH
zとし、バイアホールを形成した。
【0111】次に、コア基板に用いた導体ペーストをこ
のバイアホールに埋め込みバイア導体を形成した。
【0112】その後、コア基板の導体配線層を形成した
のと全く同様にして、表層配線用としては厚み18μm
の電解銅箔を配線パターンが形成されたポリエチレンテ
レフタレートフィルムをバイア導体が形成された絶縁シ
ートの表面に積層して、温度130℃、圧力5MPa、
時間3分間の加熱加圧を行い、樹脂フィルムと接着層の
みを剥離して絶縁シート表面に配線回路層を転写させ
た。
【0113】その後、上記の工程を再度繰り返し行い、
コア基板の表面および裏面に、それぞれ2層の絶縁層と
導体配線層を有する表面多層配線層を形成した後、温度
240℃、圧力4MPa、1時間の条件で一括硬化し多
層配線基板を作製した。
【0114】作製した多層配線基板の評価としては、こ
の多層配線基板の内部にバイア導体が360個直列に連
結された部分に対して、240℃、2分のはんだディッ
プ試験を行い、その前後の電気抵抗を測定した。試料数
はn=10とした。結果を表1に示した。
【0115】(比較例)比較例として、表面多層配線層
を構成する絶縁シートとして、無機絶縁粉末量を40体
積%として作製した1層の絶縁シートおよびそれを用い
て作製した多層配線基板を作製し本発明品と同様の評価
を行った。
【0116】
【表1】
【0117】表1から明らかなように、高濃度粉末シー
トと低濃度粉末シートとを重畳させて作製した絶縁シー
トの試料No.1〜18では、高濃度シートに含まれる
無機絶縁粉末量が少ないほど、また低濃度粉末シートの
厚みが大きくなると転写時の伸び率に増加がみられるも
のの絶縁シートの引張り強度が4MPa以上、伸び率が
5.6%以下、また、銅箔の転写強度が5N/cm以
上、転写時の位置ずれ量が17%以下となり、粉体充填
率を高めても、位置ずれ量を小さくして転写性を改善で
きた。これらの絶縁シートを用いて作製した多層配線基
板のバイア導体1穴あたりの抵抗変化率が14.3%以
下であった。特に、高濃度シートに含まれる無機絶縁粉
末量を40〜80体積%とし、低濃度シートの無機絶縁
粉末量を5〜20体積%以下とした試料No.2〜17
では、転写強度が7N/cm以上と高かった。
【0118】一方、高濃度粉末シートに低濃度粉末シー
トを形成しなかった絶縁シートの試料No.19では、
転写強度が0.5N/cmと極端に低くなり、このため
バイア導体の抵抗変化率が25%まで大きくなった。
【0119】
【発明の効果】以上記述したように、本発明によれば、
無機絶縁粉末量の多い高濃度粉末シートに、この無機絶
縁粉末量の多い高濃度粉末シートよりも無機絶縁粉末量
の少ない低濃度粉末シートを重畳した絶縁シートを形成
することにより、高濃度粉末シートの表面を平滑にでき
るとともに、低濃度粉末シートに多く含まれている熱硬
化性樹脂同士の結合により高濃度粉末シートが保持され
ることから、絶縁シートの可とう性を高めることができ
るとともに、強度が増し、表面の欠けやクラックを抑制
できる。即ち、このように無機絶縁粉末量の異なる絶縁
シートを重畳させることにより、両者の欠点を補える絶
縁シートを形成できる。
【0120】また、上記の絶縁シートを用いて、多層配
線基板の表面多層配線層を構成する表面絶縁層を形成す
ることにより、導体配線層が形成される絶縁層の表面側
が、相対的に熱硬化性樹脂量の多い低濃度粉末層により
構成されていることから、導体配線層の表面の凹凸部に
多くの熱硬化性樹脂が入り込み、このため多層配線基板
を構成する導体配線層と絶縁層との密着強度を高めるこ
とができる。
【0121】また、低濃度粉末層に熱硬化性樹脂量が多
いことから表面の導体配線層がこの低濃度粉末層の埋設
され、絶縁層と導体配線層とを実質的に同一面とするこ
とができることから、多層配線基板を構成する絶縁層お
よび導体配線層同士の平行度が高まり、このため導体配
線層とバイア導体との接続を均一にでき、多層配線基板
の電気特性を高め、接続信頼性を向上できる。
【0122】さらに、絶縁層が低濃度粉末層とともに高
濃度粉末層により構成されていることから、絶縁層のヤ
ング率や機械的強度を高めることができるとともに、粉
末量を変えることで熱膨張係数を任意調整できることか
ら、半導体素子等の実装信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絶縁シートを示す概略断面図である。
【図2】本発明の2層絶縁シートの作製方法の一例を説
明するための概略工程図である。
【図3】本発明の3層絶縁シートAをの作製方法の一例
を説明するための概略工程図である。
【図4】本発明のコア基板表面に表面多層配線層を形成
した多層配線基板の一例を説明するための概略断面図で
ある。
【図5】図4の多層配線基板を構成する表面多層配線層
の要部拡大図である。
【図6】本発明の多層配線基板の製造方法の一例を説明
するための工程図である。
【符号の説明】
A・・・・・・・・・・・・絶縁シート 1・・・・・・・・・・・・熱硬化性樹脂 3・・・・・・・・・・・・無機絶縁粉末 5・・・・・・・・・・・・高濃度粉末シート 7・・・・・・・・・・・・低濃度粉末シート 10・・・・・・・・・・・絶縁性スラリー 11・・・・・・・・・・・高濃度スラリー 13・・・・・・・・・・・低濃度スラリー B・・・・・・・・・・・・コア基板 C・・・・・・・・・・・・表面多層配線層 D・・・・・・・・・・・・コア積層体 11、17・・・・・・・・表面 13a〜13e・・・・・・絶縁層 15・・・・・・・・・・・絶縁基板 17、23、67・・・・・導体配線層 18、25、65、80・・バイア導体 21a〜21d・・・・・・表面絶縁層 27・・・・・・・・・・・高濃度粉末層 29・・・・・・・・・・・低濃度粉末層 75・・・・・・・・・・・貫通孔
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H05K 1/03 610R 630 630D 3/00 3/00 N 3/20 3/20 A Fターム(参考) 4F100 AA01A AA01B AA20 AK01A AK01B AK54 BA02 BA27 DE01A DE01B GB43 JB13A JB13B JB20A JB20B JG04A JG04B YY00A YY00B 5E343 AA02 AA13 AA16 AA23 BB71 DD56 DD62 GG06 GG08 5E346 AA12 AA15 AA22 AA32 AA38 AA43 AA51 CC02 CC08 CC16 DD02 EE06 EE07 EE09 EE31 FF18 GG15 GG19 GG27 GG28 HH11 HH21 HH26

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも熱硬化性樹脂と無機絶縁粉末と
    からなる半硬化状態の絶縁シートであって、前記無機絶
    縁粉末量の多い高濃度粉末シートに、前記無機絶縁粉末
    量の多い高濃度粉末シートよりも前記無機絶縁粉末量の
    少ない低濃度粉末シートが重畳されてなることを特徴と
    する絶縁シート。
  2. 【請求項2】高濃度粉末シート全体に含まれる無機絶縁
    粉末の含有量が35体積%以上でありかつ低濃度粉末シ
    ート全体に含まれる無機絶縁粉末の含有量が20体積%
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁シー
    ト。
  3. 【請求項3】高濃度粉末シートおよび低濃度粉末シート
    が重畳されたときの全体厚みが50μm以下でありかつ
    低濃度粉末シートの厚みが2μm以上であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の絶縁シート。
  4. 【請求項4】高濃度粉末シートおよび低濃度粉末シート
    に含まれる無機絶縁粉末の平均粒径が1μm以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか記載の
    絶縁シート。
  5. 【請求項5】高濃度粉末シートおよび低濃度粉末シート
    に含まれる無機絶縁粉末のアスペクト比が1.2以上で
    あることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか記
    載の絶縁シート。
  6. 【請求項6】少なくとも熱硬化性樹脂と無機絶縁粉末と
    を含む絶縁性スラリーであって、無機絶縁粉末量の多い
    高濃度スラリーと、前記高濃度スラリーよりも前記無機
    絶縁粉末量の少ない低濃度スラリーとを調製する工程
    と、 前記2種の絶縁性スラリーのうち、前記高濃度スラリー
    を用いてシート成形法により高濃度粉末シートを形成す
    る工程と、次に、該高濃度粉末シートの表面に前記低濃
    度スラリーを用いてシート成形法により低濃度粉末シー
    トを積層する工程と、を具備する絶縁シートの製法。
  7. 【請求項7】少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁基板の
    表面および/または内部に導体配線層が形成され、該導
    体配線層間を接続するために前記絶縁基板内部にバイア
    導体が形成されてなるコア基板と、該コア基板の表面
    に、熱硬化性樹脂と無機絶縁粉末からなる絶縁層および
    金属箔からなる導体配線層が積層されてなり、該導体配
    線層間を接続するために前記絶縁層に貫通孔を形成し、
    該貫通孔内に金属粉末を含む導体ペーストを充填してバ
    イア導体が形成されてなる表面多層配線層と、を具備す
    る多層配線基板において、 前記表面多層配線層を構成する前記絶縁層が高濃度粉末
    層と低濃度粉末層との重畳体からなることを特徴とする
    多層配線基板。
  8. 【請求項8】高濃度粉末層全体に含まれる無機粉末量が
    35体積%以上でありかつ低濃度粉末層全体に含まれる
    無機絶縁粉末量が20体積%以下であることを特徴とす
    る請求項7に記載の多層配線基板。
  9. 【請求項9】導体配線層の厚みをt1、低濃度粉末層の
    厚みをt2としたときに、t2/t1>0.15であるこ
    とを特徴とする請求項7または8に記載の多層配線基
    板。
  10. 【請求項10】絶縁層の厚みが50μm以下でありかつ
    低濃度粉末層の厚みが2μm以上であることを特徴とす
    る請求項7乃至9のうちいずれか記載の多層配線基板。
  11. 【請求項11】絶縁層に含まれる無機絶縁粉末の平均粒
    径が1μm以下であることを特徴とする請求項7乃至1
    0のうちいずれか記載の多層配線基板。
  12. 【請求項12】絶縁層を構成する無機絶縁粉末のアスペ
    クト比が1.2以上であることを特徴とする請求項7乃
    至11のうちいずれか記載の多層配線基板。
  13. 【請求項13】(a)少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶
    縁基材の少なくとも表面に導体配線層を形成してなるコ
    ア積層体を形成する工程と、(b)該コア積層体の表面
    上に、請求項1乃至請求項5のうちいずれかに記載の絶
    縁シートを熱圧着する工程と、(c)前記絶縁シートの
    所定箇所にレーザ光を照射して貫通孔を形成する工程
    と、(d)(c)で形成した貫通孔に金属粉末と有機成
    分を含む導体ペーストを充填してバイア導体を形成する
    工程と、(e)該バイア導体が形成された前記絶縁シー
    ト上に、予め微細加工された配線パターンを転写して、
    上面側が粗化された導体配線層を形成する工程と、
    (f)(b)〜(e)工程を繰り返して多層化する工程
    とを具備することを特徴とする多層配線基板の製法。
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