JP2003106574A - スプリット形エアコンユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】スプリット形エアコンユニットを窓枠に据付け
る際に、窓枠に据付け具を別途取付ける必要はなく、また
室内壁にも据付け具を別途取付ける必要はないスプリッ
ト形エアコンユニットを提供することにある。 【解決手段】住宅等の窓枠に据付けられるスプリット形
エアコンユニットにおいて、窓枠に垂直方向に支持され、
上端部が室内壁に沿って延長する垂直枠部２及びこの垂
直枠部２の下端部から水平に室外方向に突出する水平枠
部３を有する略Ｌ形の枠体１と、前記垂直枠部２の上端
部における前面に取付けられた室内ユニット５と、前記
水平枠部３に上面に取付けられた室外ユニット６と、前
記室内ユニット５と室外ユニット６とを接続する冷媒配
管７及び電気配線とを具備したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、仮設住
宅、仮設事務所等の窓枠に据付けられるスプリット形エ
アコンユニット及びその据付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】緊急時に架設されるプレハブ型の仮設住
宅や選挙事務所や工事用事務所等のように短期間だけ使
用する場合に設置されるユニット型の仮設事務所にはエ
アコンが装備されていない場合が多い。

【０００３】そこで、仮設住宅や仮設事務所にスプリッ
ト形エアコンを据付ける場合には、室内ユニットを室内
壁に取付け、室外ユニットを室外の地上に設置するとと
もに、壁に孔を開け、室内ユニットと室外ユニットとを
接続する冷媒配管及び電気配線を挿通している。

【０００４】しかしながら、仮設住宅や仮設事務所は、
プレハブ型、ユニット型であり、運搬及び施工が簡単に
できるように軽量鉄骨からなる骨組みとボード等の壁材
の組合せであり、強度的に不十分である。従って、室内ユ
ニットを室内壁に取付けるにしても十分な取付け強度が
得られないため補強する必要がある。

【０００５】また、室外ユニットを室外の地上に設置す
るにしても、架台が必要となり、また、壁に孔を開け、冷
媒配管及び電気配線を挿通した場合、仮設住宅や仮設事
務所を撤去する際には冷媒配管及び電気配線を室外ユニ
ットから取り外して壁の孔から抜き取り、その後に孔を
塞ぐ必要がある。

【０００６】従って、スプリット形エアコンの据付けが
困難であるとともに、仮設住宅や仮設事務所を撤去する
際には、まずスプリット形エアコンを撤去する必要があ
り、据付け、撤去に多くの労力を費やしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記事情
に着目してなされたもので、その目的とするところは、
仮設住宅や仮設事務所の建物に何ら加工を施すことな
く、また据付け用の機材、工具等を使用することなく、簡
単かつ安全に据付け、撤去作業を行うことができるスプ
リット形エアコンユニット及びその据付け構造を提供す
ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を
達成するために、住宅等の窓枠に据付けられるスプリッ
ト形エアコンユニットにおいて、前記窓枠に垂直方向に
支持され、上端部が室内壁に沿って延長する垂直枠部及
びこの垂直枠部の下端部から水平に室外方向に突出する
水平枠部を有する略Ｌ形の枠体と、前記垂直枠部の上端
部における前面に取付けられた室内ユニットと、前記水
平枠部に上面に取付けられた室外ユニットと、前記室内
ユニットと室外ユニットとを接続する冷媒配管及び電気
配線とを具備したことを特徴とする。

【０００９】また、住宅等の窓枠に据付けられるスプリ
ット形エアコンユニットの据付け構造において、前記窓
枠の少なくとも一部を閉塞するように、下端部が前記窓
枠の下枠に支持され、上端部が窓枠の上枠を通過して室
内壁に沿って延長する延長部を有する枠体と、この枠体
の延長部における前面に取付けられ室内に突出する室内
ユニットと、前記枠体の背面における下端部に取付けら
れ室外に突出する室外ユニットと、前記室内ユニットと
室外ユニットとを接続する冷媒配管及び電気配線とを具
備し、前記室外ユニットの重力によって前記枠体の下端
部を支点とする力のモーメントにより枠体の上端部の延
長部が室内壁に押し付けた状態に支持されることを特徴
とする。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。

【００１１】図１〜図３は第１の実施形態を示し、図１
はスプリット形エアコンユニットの斜視図、図２（ａ）
はその据付け構造の縦断側面図、（ｂ）はＡ部を拡大し
た縦断側面図、（ｃ）はＣ部を拡大した縦断側面図、図
３はスプリット形エアコンユニットを窓枠に据付けた状
態の室外側から見た斜視図である。

【００１２】図１〜図３において、１は枠体であり、垂
直枠部２と、この垂直枠部２の下端部に水平に突出する
水平枠部３とによってＬ字状に構成されている。枠体１
の垂直枠部２は上向きコ字状の下部部材２ａによって縦
長矩形状に形成され、この下部部材２ａの上端部には下
向きコ字状の延長部としての上部部材２ｂが下部部材２
ａの側面に溶接されている。従って、下部部材２ａに対
して上部部材２ｂは前記水平枠部３の突出方向と逆方向
にＬだけオフセットしており、上部部材２ｂの前面にス
プリット形エアコンユニット４の室内ユニット５が取付
けられている。

【００１３】また、前記水平枠部３は矩形枠によって構
成され、この水平枠部３の上面にはスプリット形エアコ
ンユニット４の室外ユニット６が取付けられている。室
内ユニット５の内部には室内熱交換器、室内ファン（図
示しない）が設けられ、室外ユニット６の内部にはコン
プレッサ、室外熱交換器及び室外ファン（図示しない）
が設けられている。

【００１４】そして、コンプレッサの吐出口→室外熱交
換器→室内熱交換器→コンプレッサの吸込み口の順序で
冷媒配管７によって接続され、冷凍サイクルを構成して
いる。

【００１５】前記垂直枠部２の下部部材２ａの開口部は
パネル８によって閉塞されており、室外ユニット６に一
端が接続された冷媒配管７はパネル８の下部外側から内
側に貫通し、パネル８の内面に沿って配管され、他端が室
内ユニット５に接続されている。なお、図示しないが、
電気配線も冷媒配管７と同様に配線されている。

【００１６】このようにＬ字状の枠体１の垂直枠部２の
上部前面には室内ユニット５が固定され、水平枠部３の
上部には室外ユニット６が固定され、しかも室内ユニッ
ト５と室外ユニット６が冷媒配管７によって接続された
スプリット形エアコンユニット４が構成されている。

【００１７】さらに、枠体１の角部における下面、すな
わち水平枠部３の下面には支持部材９が下方に突出して
設けられている。また、水平枠部３の端部には横方向に
ねじ孔１０が設けられている。垂直枠部２を構成する下
部部材２ａの上端部には取付け部材１１が上方に突出し
て設けられ、この取付け部材１１にはナット１２が溶接
されている。

【００１８】次に、前述のように構成されたスプリット
形エアコンユニット４を仮設住宅や仮設事務所等の窓枠
１３に据付ける方法について説明する。

【００１９】窓枠１３にはサッシ１４が設けられてお
り、下枠としての下部レール１５と上枠としての上部レ
ール１６との間には引き戸式の窓ガラス戸１７が開閉自
在に設けられている。この窓枠１３にスプリット形エア
コンユニット４を据付け、室内１８を冷房・暖房する場
合、まずスプリット形エアコンユニット４を室内１８に
搬入し、１枚の窓ガラス戸１７を開ける。

【００２０】次に、スプリット形エアコンユニット４を
窓枠１３の高さまで持ち上げ、枠体１に設けられた支持
部材９を下部レール１５の間に挿入して枠体１の下部を
支持する。この状態で、支持部材９を支点として垂直枠
部２が垂直になるまで起すように回動させると、垂直枠
部２の上部部材２ｂの背面が室内壁１９に当接して垂直
枠部２及び室内ユニット５が垂直に支持されるととも
に、室外ユニット６が固定された水平枠部３が窓枠１３
から室外２０に水平に突出した状態となる。

【００２１】このとき、枠体１の水平枠部３に固定され
た室外ユニット６は、コンプレッサ、室外熱交換器及び
室外ファン等が内蔵され、室内ユニット５より重量が大
である。従って、室外ユニット６の重力によって枠体１
の下端部（支持部材９）を支点とする力のモーメントに
より垂直枠部２の上部部材２ｂの背面が室内壁１９に押
し付けられてスプリット形エアコンユニット４が仮固定
される。すなわち、水平枠部３に矢印Ｗ方向の力が加わ
り、垂直枠部２に矢印Ｐ方向の押付け力が加わってスプ
リット形エアコンユニット４が仮固定されるため、枠体
１やスプリット形エアコンユニット４に矢印Ｗ方向また
は矢印Ｐ方向に逆方向に外力が加わらない限り、スプリ
ット形エアコンユニット４が窓枠１３から落下すること
はない。

【００２２】しかし、スプリット形エアコンユニット４
を窓枠１３に対してより確実に据付けるために、ねじ孔
１０にボルト付き取付け片２１を締付け、支持部材９と
ボルト付き取付け片２１とによって下部レール１５を挟
持することにより、枠体１の下端部を窓枠１３に固定し
ている。また、ナット１２にボルト付き取付け片２２を
締付け、取付け部材１１とボルト付き取付け片２２とに
よって上部レール１６を挟持することにより、枠体１の
上端部を窓枠１３に固定している。

【００２３】このようにスプリット形エアコンユニット
４を窓枠１３に据付けると、窓ガラス戸１７を開放する
ことによって開口された窓枠１３は枠体１に設けられた
パネル８によって閉塞され、室内１８と室外２０とが遮
断される。

【００２４】本実施形態によれば、スプリット形エアコ
ンユニット４を窓枠１３に据付ける際に、窓枠１３に据
付け具を別途取付ける必要はなく、また室内壁１８にも
据付け具を別途取付ける必要はない。従って、室内壁１
８には室内ユニット５の荷重が全く加わることはないた
め、比較的強度が低い仮設住宅、仮設事務所等に特に有
効であり、スプリット形エアコンユニット４を撤去する
場合においても、その作業を簡単かつ安全に行うことが
できる。

【００２５】図４は第２の実施形態を示し、（ａ）はス
プリット形エアコンユニットの斜視図、（ｂ）はスプリ
ット形エアコンユニットの据付け状態の側面図である。

【００２６】図中３１は枠体であり、垂直枠部３２と、
この垂直枠部３２の下端部に水平に突出する水平枠部と
しての矩形枠部３３とによって構成されている。枠体３
１の垂直枠部３２は縦長矩形状に形成され、上端部の前
面にはスプリット形エアコンユニット４の室内ユニット
５が取付けられている。また、垂直枠部３２の下端部に
は矩形枠部３３の高さまでパネル３２ａによって閉塞さ
れている。

【００２７】また、前記矩形枠部３３の底面にはスプリ
ット形エアコンユニット４の室外ユニット６が取付けら
れている。この室内ユニット６の上部は矩形枠部３３の
上部に設けられた屋根３４によって覆われている。ま
た、室外ユニット６と室内ユニット５とを接続する冷媒
配管７及び電気配線は垂直枠部３２に沿って配管されて
いる。

【００２８】このように略Ｌ字状の枠体３１の垂直枠部
３２前面には室内ユニット５が固定され、矩形枠部３３
の内部には室外ユニット６が固定され、しかも室内ユニ
ット５と室外ユニット６が冷媒配管７によって接続され
たスプリット形エアコンユニット４は構成されている。
そして、スプリット形エアコンユニット４は、矩形枠部
３３が支持台の役目を果たし、垂直枠部３２を垂直にし、
かつ室外ユニット６の重量によって安定した状態で自立
できる構成である。

【００２９】次に、前述のように構成されたスプリット
形エアコンユニット４を仮設事務所の壁３５に据付ける
方法について説明する。

【００３０】仮設事務所の室内１８を冷房・暖房する場
合、まずスプリット形エアコンユニット４を室内１８に
入れ、室内ユニット５の据付け場所を決める。そして、
室内ユニット５の据付け場所の直下の壁３５にスプリッ
ト形エアコンユニット４の矩形枠部３３が挿入できる開
口部３６を開ける。

【００３１】次に、スプリット形エアコンユニット４の
矩形枠部３３を開口部３６に位置決めし、室外ユニット
６とともに矩形枠部３３を開口部３６に挿入すると、室
外ユニット６とともに矩形枠部３３が室外２０に突出す
る。そして、矩形枠部３３が支持台の役目を果たして地
上３７に支持され、垂直枠部３２が壁３５の内面に接合
されるとともに、室内ユニット５が壁３５の上部に据付
けられた状態となる。

【００３２】このとき、枠体３１の矩形枠部３３に固定
された室外ユニット６は、コンプレッサ、室外熱交換器
及び室外ファン等が内蔵され、室内ユニット５より重量
が大である。従って、矩形枠部３３の下面の面積と室外
ユニット６の重力によって安定した状態に自立し、開口
部３６はパネル３２ａによって閉塞され、室内１８と室
外２０とが遮断される。

【００３３】本実施形態によれば、スプリット形エアコ
ンユニット４を壁３５に据付ける際に、室内ユニット５
の据付け位置を決めた後に、その直下の壁３５に矩形枠
部３３が挿入できる程度の開口部３６を設けるだけで、
据付け具を別途取付ける必要はなく、また壁３５にも据
付け具を別途取付ける必要はない。従って、壁３５には
室内ユニット５の荷重が全く加わることはないため、比
較的強度が低い仮設事務所等に特に有効であり、スプリ
ット形エアコンユニット４を撤去する場合においても、
その作業を簡単かつ安全に行うことができる。

【００３４】なお、前記実施形態においては、スプリット
形エアコンユニットを仮設住宅、仮設事務所に据付ける
場合に説明したが、一般住宅、集合住宅、ビルディングに
おいても据付けることができる。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、スプリット形エアコンユニットを窓枠に据付ける際
に、窓枠に据付け具を別途取付ける必要はなく、また室内
壁にも据付け具を別途取付ける必要はない。しかも、室
内壁には室内ユニットの荷重が全く加わることはないた
め、比較的強度が低い仮設住宅、仮設事務所等に特に有
効であり、スプリット形エアコンユニットを撤去する場
合においても、その作業を簡単かつ安全に行うことがで
きる。

【００３６】また、この発明によれば、スプリット形エ
アコンユニットを壁に据付ける際に、室内ユニットの据
付け位置を決めた後に、その直下の壁に室外ユニットを
支持した枠部が挿入できる程度の開口部を設けるだけ
で、据付け具を別途取付ける必要はなく、また壁にも据付
け具を別途取付けることなく、据付けできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施形態を示し、スプリット
形エアコンユニットの斜視図。

【図２】同実施形態を示し、（ａ）はその据付け構造の
縦断側面図、（ｂ）はＡ部を拡大した縦断側面図、（ｃ）
はＣ部を拡大した縦断側面図。

【図３】同実施形態を示し、スプリット形エアコンユニ
ットを窓枠に据付けた状態の室外側から見た斜視図。

【図４】この発明の第２の実施形態を示し、（ａ）はス
プリット形エアコンユニットの斜視図、（ｂ）はスプリ
ット形エアコンユニットの据付け状態の側面図。

【符号の説明】 １…枠体 ２…垂直枠部 ３…水平枠部 ４…スプリット形エアコンユニット ５…室内ユニット ６…室内ユニット １３…窓枠

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 住宅等の窓枠に据付けられるスプリット
   形エアコンユニットにおいて、前記窓枠に垂直方向に支
   持され、上端部が室内壁に沿って延長する垂直枠部及び
   この垂直枠部の下端部から水平に室外方向に突出する水
   平枠部を有する略Ｌ形の枠体と、前記垂直枠部の上端部
   における前面に取付けられた室内ユニットと、前記水平
   枠部に取付けられた室外ユニットと、前記室内ユニット
   と室外ユニットとを接続する冷媒配管及び電気配線とを
   具備したことを特徴とするスプリット形エアコンユニッ
   ト。
2. 【請求項２】 住宅等の窓枠に据付けられるスプリット
   形エアコンユニットの据付け構造において、前記窓枠の
   少なくとも一部を閉塞するように、下端部が前記窓枠の
   下枠に支持され、上端部が窓枠の上枠を通過して室内壁
   に沿って延長する延長部を有する枠体と、この枠体の延
   長部における前面に取付けられ室内に突出する室内ユニ
   ットと、前記枠体の背面における下端部に取付けられ室
   外に突出する室外ユニットと、前記室内ユニットと室外
   ユニットとを接続する冷媒配管及び電気配線とを具備
   し、前記室外ユニットの重力によって前記枠体の下端部
   を支点とする力のモーメントにより枠体の上端部の延長
   部が室内壁に押し付けた状態に支持されることを特徴と
   するスプリット形エアコンユニットの据付け構造。
3. 【請求項３】 住宅、事務所等の壁に据付けられるスプ
   リット形エアコンユニットにおいて、前記壁の室内側に
   垂直方向に支持され、上端部が室内壁に沿って延長する
   垂直枠部及びこの垂直枠部の下端部から水平に室外方向
   に突出する水平枠部を有する略Ｌ形の枠体と、前記垂直
   枠部の上端部における前面に取付けられた室内ユニット
   と、前記水平枠部に取付けられ前記壁に設けられた開口
   部から室外に突出する室外ユニットと、前記室内ユニッ
   トと室外ユニットとを接続する冷媒配管及び電気配線と
   を具備したことを特徴とするスプリット形エアコンユニ
   ット。
4. 【請求項４】 住宅、事務所等の壁に据付けられるスプ
   リット形エアコンユニットの据付け構造において、前記
   壁の室内側に垂直方向に支持され、上端部が室内壁に沿
   って延長する垂直枠部及びこの垂直枠部の下端部から水
   平に室外方向に突出する水平枠部を有する略Ｌ形の枠体
   と、前記枠体の延長部における前面に取付けられ室内に
   突出する室内ユニットと、前記水平枠部に取付けられ前
   記壁に設けられた開口部から室外に突出する室外ユニッ
   トと、前記室内ユニットと室外ユニットとを接続する冷
   媒配管及び電気配線とを具備し、前記水平枠部及び室外
   ユニットの重力によって前記枠体を自立させたことを特
   徴とするスプリット形エアコンユニットの据付け構造。