JPH0543184Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、一般家屋、特に二階建ての家屋の
二階部分や高層マンシヨン等に設置され、冷暖房
等の空調機器を収納することができるユニツトタ
イプの出窓に関するものである。

〔従来の技術〕

この種の出窓として従来知られたものに、出窓
本体が窓ガラスを介して上下部に収納室を形成
し、上部収納室には、室内に空気を吹出したり吸
込んだりする空調機の室内機が収納され、下部収
納室には空調機の室外機が収納されるよう、形成
され各収納室には外側部に開閉扉が設けられ、室
内機および室外機を出窓の屋外側に取出したり収
納させたりできるように形成された出窓（特公昭
58−11533号公報参照）が知られている。

さらに、出窓本体の室内側下部に開閉扉を設け
空調機の室外機を室内側から据付けれらるように
形成し、出窓本体の窓を設けていない上方片側部
に設置した箱体内に空調機の室外機と室内機とを
連結する配管を収納した出窓（実開昭59−51973
号公報参照）が知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述の第一例のように、二階建て家屋や高層住
宅に設置した出窓においては、出窓本体に空調機
の室内機および室外機を据付けたり、また空調機
が故障したとき取出したりする作業は、足場等を
屋外に組む必要があり大変面倒であるとともに、
危険でもあり、また出窓本体自体に各機器を据付
けた状態で出窓を壁体に取付けるには、重量が重
くなり取付け作業が困難になるという問題点があ
つた。

また、第二例のように空調機の室外機を収納す
る収納部の室内側に開閉扉を取付けた出窓である
場合、室外機の可動音が響き騒々しく、また出窓
本体の両側に窓を配設することができない出窓の
場合、片側のみの窓であつて、しかも他側に配管
用の箱体を設置することは、出窓の外観上不格好
で窮屈な感じを与えるという問題点があつた。

この考案は、上記の問題点を解消するため考案
されたものであつて、室内側から空調機器を出窓
に据付けることができ、高層住宅においても簡単
かつ安全に空調機を据付けることができ、また空
調機器が室内に出張らず、体裁よく出窓内に収納
できるように形成した出窓を提供することが目的
である。

〔問題点を解決するための手段〕

前記の目的を達成するため、この考案の出窓
は、出窓本体１の上部において、屋根４と天板８
との間に室内側が開口した、空調機の室内機９を
収納するための収納室１０を設け、屋根４の基部
と窓の下端に相当する位置との間に、矩形枠状の
見切縁５を配設し、この見切縁５を壁体６に嵌装
させ、窓の下部には、室内側面が閉鎖され、その
上部に見切縁５上と窓の下端部１２との間にカウ
ンタ１３を着脱自在に架設し、屋外側正面に外気
供給のための吸気板１６を配設し、底面に外気排
出のための排気板１７を配設した、空調機の室外
機１４を収納するための収納室１５を設けた出窓
を主な構成としている。

〔作用〕

この考案の出窓は、上述のとおりの構成であ
り、出窓本体１を家屋の壁体６に設けた開口部７
に嵌込み取付けた後に、空調機の室内機９を室内
側から収納室１０内に据付けるとともに、収納室
１５上部のカウンタ１３を取外して空調機の室外
機１４を室内上側から収納室１５内に据付ける。
そして室外機１４は収納室１５の屋外側正面に設
けられた吸気板１６を介して外気が供給され、室
外機１４より吐出された外気は収納室１５の底面
に設けられた排気板１７から屋外に排出される。

〔実施例〕

以下、この考案の出窓の実施例について、図面
を参照しながら具体的に説明する。

この考案の出窓は、第１図から第３図に示した
とおり、出窓本体１は、屋外へ張出し室内への採
光のため屋外側正面の上部と、両側の上部に窓ガ
ラス２，３を配し、上面には屋根４が配設されて
いる。出窓本体１の室内側には、屋根４の基部
と、配設された窓ガラス２，３の下端に相当する
個所との間に、矩形枠状の見切縁５が設置され、
見切縁５の下部は閉鎖され、家屋の壁体６に形成
された開口部７に見切縁５が嵌合できるように形
成されている。

さらに、屋根４の下部に天板８が配設され、屋
根４および上部の見切縁５と、天板８との間に、
室内側が開口した空調機の室内機９を収納するた
めの収納室１０が設置されている。

室内機９は、第３図に示されるように、中央に
位置するように据付けられ、その両側には収納室
１０を室内側からカバーするためのパネル１１，
１１が出窓本体１に対して着脱可能に取付けられ
ている。このパネル１１，１１を取外すことによ
つて室内機９を室内側から簡単に据付けることが
できるとともに、故障時等においても室内側から
容易に修理できるように形成されている。

一方、窓ガラス２，３が配設された窓の下端部
１２と、下部の見切縁５上との間に、物が載置で
きる板状のカウンタ１３が縦の見切縁５間をスラ
イド式に着脱自在に架設され、カウンタ１３から
下側には空調機の室外機１４を収納するための収
納室１５が設置されている。収納室１５の屋外側
正面には室外機１４に外気を供給するのに用いる
吸気板１６が、室外機１４の吸気口に対応する位
置に着脱自在に配設され、また、底面には室外機
１４から吐出される外気を排出する際に用いる排
気板１７が、室外機１４の排気口に対応する位置
に配設されており、さらに底部には室外機１４を
載置できるブラケツト１８が配設されている。

室外機１４は収納室１５上部のカウンタ１３を
取外し、ブラケツト１８上に載置することによつ
て、収納室１５内に据付け、また、故障時等には
カウンタ１３を取外し、室内側から容易に修理で
きるように形成されている。

室外機１４と室内機９とを連結するパイプ１９
は、見切縁５の外側に配管され、出窓本体１を壁
体６の開口部７に取付けるとき、壁体６と見切縁
５との間に形成される空間を利用して配管されて
いる。パイプ１９の修理もまたパネル１１，１１
およびカウンタ１３を取外すことによつて行うこ
とができる。

〔考案の効果〕

この考案の出窓は、上記のとおりの構成であ
り、この構成によつて下記の効果を奏する。

この考案の出窓は、出窓本体１の上部における
屋根４と天板８との間に、室内側が開口した空調
機の室内機９を収納するための収納室１０を設け
ることによつて、室内機９を室内側から据付けた
り、また修理あるいは掃除をすることが簡単にで
き、高層住宅であつても安全かつ容易に作業する
ことができる。さらに、室内機９は出窓本体１の
収納室１０内に収納されているから、室内機９を
室内に出張らずに設置できるので、室内の美観を
損なうこともなく、体裁上からも好ましい出窓が
得られる。

また、屋根４の基部と窓の下端に相当する位置
との間に矩形枠状の見切縁５を配設し、この見切
縁５を壁体６に嵌装させるので、出窓本体１の壁
体６への取付けが容易かつ確実に取付けられ、し
かも下部の見切縁５の室内側下方は壁面であるか
ら、きわめて体裁のよい出窓が得られる。

空調機の室外機１４も出窓本体１の下部に設け
られた収納室１５内に収納され、収納室１５は室
内側面が閉鎖され、上部に着脱自在なカウンタ１
３が配設されているので、カウンタ１３を取外し
室外機１４を室内側から簡単に据付けたり、修理
あるいは掃除をすることができ、高層住宅であつ
ても安全かつ容易に作業をすることができる。ま
た収納室１５は室内側面が閉鎖されていることに
よつて、室外機１４から発生する騒音を防止する
ことにも役立つ効果があり、またカウンタ１３は
下部の見切縁５上に載置された状態で開閉できる
ようになつているから、カウンタ１３の取外しも
きわめて容易に行うことができる。

さらに、収納室１５の屋外側正面に、室外機１
４に外気を供給するのに用いる吸気板１６を設
け、底面に室外機１４から吐出される外気を排出
させるときに用いる排気板１７を設けて、収納室
１５の屋外側正面より外気を吸込んで、底面より
排出されるようにしたので、収納室１５の底面か
ら排出された外気が収納室１５の屋外側正面へ吸
込まれるという、所謂外気のエアシヨートを確実
に防止できる効果があるなど、この考案の効果は
きわめて顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る出窓の正面図、第２
図は出窓の設置状態における、出窓の中央縦断面
図、第３図は出窓の設置状態における、出窓の背
面図である。 １……出窓本体、４……屋根、５……見切縁、
６……壁体、８……天板、９……室内機、１０…
…収納室、１２……下端部、１３……カウンタ、
１４……室外機、１５……収納室、１６……吸気
板、１７……排気板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 出窓本体１の上部には、屋根４と天板８との間
   に、室内側が開口した空調機の室内機９収納用の
   収納室１０を設け、屋根４の基部と窓の下端に相
   当する位置との間に、矩形枠状の見切縁５を配設
   し、この見切縁５を壁体６に嵌装させ、窓の下部
   には、室内側面が閉鎖され、その上部に見切縁５
   上と窓の下端部１２との間にカウンタ１３を着脱
   自在に架設し、屋外側正面に外気供給用の吸気板
   １６を配設し、底面に外気排出用の排気板１７を
   配設した空調機の室外機１４収納用の収納室１５
   を設けたことを特徴とする出窓。