JP2003106341A - 自動変速機のクラッチ装置 - Google Patents

自動変速機のクラッチ装置

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JP2003106341A JP2001303338A JP2001303338A JP2003106341A JP 2003106341 A JP2003106341 A JP 2003106341A JP 2001303338 A JP2001303338 A JP 2001303338A JP 2001303338 A JP2001303338 A JP 2001303338A JP 2003106341 A JP2003106341 A JP 2003106341A
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伸忠 杉浦
Takahisa Suzuki
崇久 鈴木
Hiroyuki Tsukamoto
広幸 塚本
Hatsumi Hanji
二十三 判治
Kazutoshi Nozaki
和俊 野崎
Yoshinobu Nozaki
芳信 野崎
Shogo Matsumoto
章吾 松本
Yuji Kashiwabara
裕司 柏原
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  • General Details Of Gearings (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチドラムとサーボピストンが径方向に
重なる構造を持つクラッチにおいて、サーボピストンの
軸線に対する傾斜を防止する。 【解決手段】 自動変速機のクラッチ装置は、クラッチ
ドラム1に支持した摩擦部材3をクラッチドラムの開口
端部側から軸方向に押圧するサーボピストン4が、少な
くとも軸方向の一部でクラッチドラムと径方向に重合配
置されてなる。クラッチドラムの開口端部近傍における
周面とサーボピストンの周面とが対向する部分に、それ
ら周面のいずれか一方から突出して、他方への当接部と
なる突部19を周方向に複数個設けた。サーボピストン
の傾斜が突部を介する当接により、サーボピストンの支
持部から遠い側で規制され、クラッチドラムとサーボピ
ストンの周面間のクリアランスが確実に保持されるた
め、サーボピストンとクラッチドラム間のがた量を低減
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機のクラ
ッチ装置に関し、特に、その油圧サーボピストンの振れ
止め構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機のクラッチ装置の一形態とし
て、クラッチドラムの背面側に油圧サーボピストンを配
置し、該ピストンをクラッチドラムに対して引くこと
で、クラッチドラムに支持した摩擦部材(本明細書にお
いて、積層状態の摩擦材ディスクとセパレータプレート
を総称して摩擦部材という)を押圧してクラッチを係合
させるクラッチ構造が特開昭55−152946号公報
及び特開平5−33816号公報において提案されてい
る。この提案に係るクラッチ構造では、配置スペースを
削減すべく2つのクラッチを組み合わせた構成が採られ
ており、クラッチドラムを両クラッチに共通のサーボシ
リンダとし、背面配置のピストンは、前記のようにクラ
ッチドラムの外側でドラムに嵌る配置としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のクラッチ構
造では、クラッチドラムの背面側の油圧サーボのピスト
ンは、クラッチドラムの全長を超えて、クラッチドラム
の開口端部側まで延びる長尺な構造となるため、元々、
Oリングなどのシール部材を介して心出し支持される支
持位置と、ピストンの質量の中心で決まる重心位置に軸
線方向のズレが存在する。このように支持位置と重心位
置に大きなズレがあると、それにより、サーボピストン
が傾いた状態で回転するため、クラッチドラム開口端部
とサーボピストンが、周方向に長い範囲で接触する可能
性がある。また、こうした接触状態は、クラッチドラム
が遠心力により開口端部側で拡開することで、一層発生
の可能性が大きくなる。そして、このような接触が起き
ると、サーボピストン作動時の摺動抵抗が大きくなり、
クラッチ作動の応答性が損なわれ恐れがあった。
【0004】そこで、本発明は、クラッチドラムとサー
ボピストンが径方向に重なる構造を持つものにおいて、
サーボピストンの軸線に対する傾斜を防止した自動変速
機のクラッチ装置を提供することを主たる目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載のように、クラッチドラムに支持した摩擦部材を
クラッチドラムの開口端部側から軸方向に押圧するサー
ボピストンが、少なくとも軸方向の一部でクラッチドラ
ムと径方向に重ねて配置されてなる自動変速機のクラッ
チ装置において、前記クラッチドラムの開口端部近傍に
おける周面とサーボピストンの周面とが対向する部分
に、それら周面のいずれか一方から突出して、他方への
当接部となる突部が設けられたことを特徴とする構成に
より達成される。
【0006】上記の構成におけるクラッチドラムの開口
端部近傍は、請求項2に記載のように、クラッチドラム
の拡開によりサーボピストンへの当接が生じる部分とす
ると更に有効である。
【0007】上記の構成において、請求項3に記載のよ
うに、前記突部は、周方向に複数個配置された構成とす
るのが有効である。
【0008】上記の構成において、請求項4に記載のよ
うに、前記突部の周縁は、傾斜面を経て周面につながる
構成とするのが望ましい。
【0009】また、上記の構成において、請求項5に記
載のように、前記突部は、例えば、クラッチドラムに設
けられ、サーボピストンの周面を支持する構成とするこ
とができる。
【0010】あるいは、上記の構成において、請求項6
に記載のように、前記突部は、サーボピストンに設けら
れ、クラッチドラムの周面に支持される構成とすること
もできる。
【0011】更に、上記いずれかの構成において、請求
項7に記載のように、前記突部は、プレスにより押出し
形成されてなる構成とするのが有効である。
【0012】また、前記の目的は、請求項8に記載のよ
うに、クラッチドラムに支持した摩擦部材をクラッチド
ラムの開口端部側から軸方向に押圧するサーボピストン
が、少なくとも軸方向の一部でクラッチドラムと径方向
に重合配置されてなる自動変速機のクラッチ装置におい
て、前記クラッチドラムの開口端部に、該開口端部のサ
ーボピストン周面へのエッジ当たりを防ぐ面取りが設け
られたことを特徴とする構成により達成される。
【0013】更に、上記いずれかの構成において、請求
項9に記載のように、前記クラッチ装置は、有底筒状に
形成され、底部を自動変速機の入力軸に連結されたクラ
ッチドラムと、該クラッチドラムに対して軸方向に並べ
て配置された第1及び第2の摩擦部材と、第1の摩擦部
材を係合させる第1のサーボピストンと、第2の摩擦部
材を係合させる第2のサーボピストンと、を備え、第1
の摩擦部材は、クラッチドラムの外径側に延びる第1の
サーボピストンにより開口端部方向から押圧され、第2
の摩擦部材は、クラッチドラムの内径側に配置された第
2のサーボピストンにより押圧され、前記第1のサーボ
ピストンは、その底部を貫通する部材と、クラッチドラ
ムの筒状部の外周面とに対して油密状態で摺動可能に支
持され、前記第2のサーボピストンは、その底部を貫通
する部材と、クラッチドラムの筒状部の内周面とに対し
て油密状態で摺動可能に支持された構成とすることもで
きる。
【0014】
【発明の作用及び効果】上記請求項1記載の構成では、
クラッチドラムに対してサーボピストンが傾斜した場合
に、クラッチドラムの開口端部近傍に設けられた突部を
介する局部的な当接により、サーボピストンの支持部か
ら遠い側で傾きが規制され、クラッチドラムとサーボピ
ストンの周面間のクリアランスが確実に保持されるた
め、サーボピストンとクラッチドラム間のがた量を低減
できる。
【0015】次に、請求項2に記載の構成では、突部を
クラッチドラムの拡開によりサーボピストンへの当接が
生じる部分とすることで、遠心力によりクラッチドラム
の開口端部側が拡開することによるクラッチドラムとサ
ーボピストンの周方向に長い範囲での接触も防ぐことが
できる。
【0016】次に、請求項3に記載の構成では、突部が
周方向に複数個配置されることで、周方向いずれの方向
への傾斜にも対応することができる。
【0017】次に、請求項4に記載の構成によると、突
部の周縁が傾斜面で周面につながることで、突部に鋭利
な角部が形成されるのを防ぐことができるため、突部の
エッジ当たりを防止でき、サーボピストンの傾斜により
突部での接触が生じた場合でも、サーボピストンの摺動
抵抗が少ない。したがって、クラッチ作動の応答性が損
なわれることがない。
【0018】更に、請求項5記載の構成では、クラッチ
ドラムに設けられた突部によりクラッチドラムにサーボ
ピストンが支持されて、それにより周面間のクリアラン
スが保持される。
【0019】また、請求項6記載の構成では、サーボピ
ストンに設けられた突部によりサーボピストンがクラッ
チドラムの周面に支持され、それにより周面間のクリア
ランスが保持される。
【0020】また、請求項7記載の構成では、突部の形
成に関して、通常クラッチドラムに形成される油抜き用
の孔のプレスによる抜きと同時に突部を押出し成形でき
るため、突部を設けることによる加工工数の増加とコス
ト増加を抑えることができる。
【0021】また、請求項8記載の構成では、クラッチ
ドラムに対してサーボピストンが傾斜した場合に、クラ
ッチドラムの開口端部に設けられた面取りで当接が生じ
るため、鋭利な角部によるエッジ当たりを防止でき、サ
ーボピストンの傾斜により開口端部での接触が生じた場
合でも、サーボピストンの摺動抵抗が少ない。したがっ
て、クラッチ作動の応答性が損なわれることがない。
【0022】また、請求項9記載の構成では、自動変速
機のコンパクト化のために2つのクラッチを組合せ配置
としたものにおいて、クラッチドラムとサーボピストン
の周面間のクリアランスの保持が可能となるほか、前記
各効果が達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿い、本発明の実施
形態を説明する。図1は、本発明が適用される車両用自
動変速機のギヤトレインの一形態をスケルトンで示す。
このギヤトレインは、図示しないトルクコンバータを介
してエンジン出力軸などに接続される入力軸Xと、車輪
等に接続される出力軸Yに対して、それらの間に、フロ
ントプラネタリギヤユニット(以下、実施形態の説明に
おいてフロントプラネタリギヤと略記する)G1と、ミ
ドルプラネタリギヤユニット(同じく、ミドルプラネタ
リギヤと略記する)G2と、リアプラネタリギヤユニッ
ト(同じく、リアプラネタリギヤと略記する)G3を配
した構成とされている。
【0024】フロントプラネタリギヤG1は、相互に噛
合する対を成すピニオンP1,P1’を支持するキャリ
アC1と、一方のピニオンP1と噛合するサンギヤS1
と、他方のピニオンP1’と噛合するリングギヤR1と
を3要素とするデュアルプラネタリ構成とされている。
そして、サンギヤS1は、クラッチC−3を介して入力
軸Xに接続されると共に、直列に接続したワンウェイク
ラッチF−2及びブレーキB−3を介してギヤケースZ
に接続され、キャリアC1は、ワンウェイクラッチF−
1及びブレーキB−1を介して並列にギヤケースZに接
続され、リングギヤR1は、ミドルプラネタリギヤG2
の後記するリングギヤR2に接続されている。
【0025】ミドルプラネタリギヤG2は、サンギヤS
2と、それに噛合するピニオンP2を支持するキャリア
C2と、ピニオンP2と噛合するリングギヤR2とを3
要素とするシンプルプラネタリ構成とされている。サン
ギヤS2は、クラッチC−1を介して入力軸Xに接続さ
れると共に、リアプラネタリギヤG3の後記するサンギ
ヤS3にも接続されている。キャリアC2は、クラッチ
C−2を介して入力軸Xに接続されると共に、リアプラ
ネタリギヤG3の後記するリングギヤR3に接続され、
更に、ワンウェイクラッチF−3を介してギヤケースZ
にも接続されている。
【0026】リアプラネタリギヤG3は、サンギヤS3
と、それに噛合するピニオンP3を支持するキャリアC
3と、ピニオンP3と噛合するリングギヤR3とを3要
素とするシンプルプラネタリ構成とされている。サンギ
ヤS3は、サンギヤS2に接続されており、その接続関
係から、クラッチC−1を介して入力軸Xに接続されて
いる。キャリアC3は、出力軸Yに接続されている。リ
ングギヤR3は、ミドルプラネタリギヤG2のキャリア
C2に接続されると共に、ブレーキB−4を介してギヤ
ケースZに接続され、先のキャリアC2との接続関係か
ら、ワンウェイクラッチF−3を介してギヤケースZに
も接続されている。
【0027】かくしてこのギヤトレインでは、サンギヤ
S1、キャリアC1、相互接続の両リングギヤR1/R
2、相互接続の両サンギヤS2/S3、及び相互接続の
キャリア・リングギヤC2/R3を5つの入力又は反力
支持に関わる変速要素とし、キャリアC3を出力要素と
する構成とされている。
【0028】次に、このギヤトレインの作動を、図1の
ギヤトレインと併せて、図2の速度線図と図3の係合図
表を参照して説明する。なお、図2における各縦線は、
3つのプラネタリギヤG1〜G3の各変速要素及び出力
要素の関係を、横軸方向の間隔をギヤ比として表し、縦
軸方向の長さは、入力回転を1とする速度比を表す。ま
た、図3における○印は各クラッチ及びブレーキについ
ては係合、ワンウェイクラッチについてはロックを表
し、括弧付の○印はエンジンブレーキ時の係合、●印は
トルク伝達に関与しない係合を表す。
【0029】第1速(1ST)は、図3の係合図表に示
すように、クラッチC−1を係合することで、入力軸X
とサンギヤS2/S3が連結されると共に、キャリア・
リングギヤC2/R3の逆回転がワンウェイクラッチF
−3により阻止されることで、リアプラネタリギヤG3
によるトルク伝達で達成される。この状態で、図2の速
度線図に示すように、入力軸Xの回転がクラッチC−1
を介して直接サンギヤS3に入力される。すると、停止
状態にあるリングギヤR3に自転の反力を支持されるピ
ニオンP3の公転がキャリアC3に出力され、これが出
力軸Yの出力回転となる。この出力回転は、図2の速度
線図上で、サンギヤS2/S3入力(速度比1)、キャ
リア・リングギヤC2/R3固定(速度比0)の2点を
通る直線とキャリアC3を表す縦線との交点(図に○印
で示す)の速度比で表される最大減速比の正回転である
第1速(1ST)回転となる。この際、ミドルプラネタ
リギヤG2は、サンギヤS2の正回転(速度比1)に対
してキャリアC2が固定となるため、リングギヤR2が
減速逆回転で空転する。この際のギヤ比は、リアプラネ
タリギヤG3のギヤ比λ3 =Zs 3 /ZR 3 (ただし、
S 3 :サンギヤS3の歯数、ZR 3 :リングギヤR3
の歯数)により定まり、(1 +λ3 )/λ3となる。
【0030】第2速(2ND)は、図3に示すように、
クラッチC−1の係合に加えて、ブレーキB−3を係合
することで達成される。この状態では、第1速時に空転
状態にあったフロントプラネタリギヤG1のサンギヤS
1の回転が、ブレーキB−3の係合によりワンウェイク
ラッチF−2のロックが有効とされることで阻止され
る。一方、第1速時と同様にサンギヤS2/S3に入る
入力によりピニオンP2の回転を介してリングギヤR1
/R2が逆回転方向のトルクを受けるが、このトルクが
フロントプラネタリギヤG1においてサンギヤS1が係
止されていることでキャリアC1を逆回転させる方向の
トルクになるのに対してワンウェイクラッチF−1がロ
ックしてその回転を阻止するため、結局、リングギヤR
1/R2の回転は阻止される。この結果、ミドルプラネ
タリギヤG2は、サンギヤS2/S3入力、リングギヤ
R1/R2固定の状態となり、キャリア・リングギヤC
2/R3は減速回転する。したがって、リアプラネタリ
ギヤG3については、サンギヤS2/S3入力、キャリ
ア・リングギヤC2/R3減速回転の状態が生じ、図2
に示すように、このキャリア・リングギヤC2/R3減
速回転よりは高速の減速回転がキャリアC3の回転とな
り、出力軸Yに第2速(2ND)回転が出力される。こ
の際のギヤ比は、ミドルプラネタリギヤG2のギヤ比
を、λ2 =ZS 2/ZR 2 (ただし、ZS 2 :サンギヤ
S2の歯数、ZR 2 :リングギヤR2の歯数)とする
と、 (1+λ2 )(1+λ3 )/(λ2 +λ3 +λ2 λ3 ) となる。
【0031】第3速(3RD)は、図3に示すように、
クラッチC−1とクラッチC−3の係合により達成され
る。この状態では、入力軸Xの回転は、クラッチC−1
を介してサンギヤS2/S3に入力され、同時に、クラ
ッチC−3の係合によりサンギヤS1に入力される。こ
の場合、フロントプラネタリギヤG1では、サンギヤS
1への入力によりワンウェイクラッチF−2がフリーと
なり、代わってワンウェイクラッチF−1がロックし、
キャリアC−1の逆回転がケースZへの係止により阻止
されるため、リングギヤR1/R2が減速回転する。ま
た、ミドルプラネタリギヤG2では、サンギヤS2/S
3入力に対してリングギヤR1/R2が減速回転となる
ため、キャリア・リングギヤC2/R3は減速回転す
る。この結果、リアプラネタリギヤG3では、サンギヤ
S2/S3入力、キャリア・リングギヤC2/R3減速
回転の状態が生じるため、これらの回転に拘束されてキ
ャリアC3には、図2に示すように、キャリア・リング
ギヤC2/R3の回転よりは高く、サンギヤS2/S3
の入力回転よりは低い減速回転が出力され、この回転が
出力軸Yの第3速(3RD)回転となる。この際、ブレ
ーキB−3は、ダウンシフト時の係合操作を不要とすべ
く、図3に●印で示すように係合状態に維持されるが、
それと直列のワンウェイクラッチF−2がフリー状態な
ので、ブレーキB−3の係合は第3速の達成の妨げとは
ならない。この際の、ギヤ比は、フロントプラネタリギ
ヤG1のギヤ比を、λ1 =ZS 1 /ZR 1 (ただし、Z
S 1 :サンギヤS1の歯数、ZR 1 :リングギヤR1の
歯数)とすると、 (1+λ2 )(1+λ3 )/{(1+λ2 )(1+
λ3 )−(1−λ1 )} となる。
【0032】第4速(4TH)は、図3に示すように、
クラッチC−1とクラッチC−2の係合により達成され
る。この状態では、入力軸Xの回転は、クラッチC−1
からサンギヤS2/S3へ入力されると共に、クラッチ
C−2を介してキャリア・リングギヤC2/R3にも入
力され、リアプラネタリギヤG3において、サンギヤS
2/S3及びキャリア・リングギヤC2/R3同時入力
による直結回転が生じる。この結果、キャリアC3接続
の出力軸Yからは、入力軸Xと直結の第4速(4TH)
が出力される。
【0033】この際、クラッチC−3及びブレーキB−
3は、図3に●印で示すように、係合状態となっている
が、フロントプラネタリギヤG1は、サンギヤS1に入
力軸Xの回転が伝達される一方で、ミドルプラネタリギ
ヤG2が、入力軸Xと直結状態で正回転することから、
そのリングギヤR2に連結されたリングギヤR1にも入
力軸Xの回転が入力され、フロントプラネタリギヤG1
は全体が直結状態で回転する。第4速状態のギヤ比は、
上記のように全段直結状態の回転となるので、ギヤ比設
定に関わりなく1となる。
【0034】第5速(5TH)は、図3に示すように、
クラッチC−2、クラッチC−3及びブレーキB−1の
係合により達成される。この状態では、入力軸Xの回転
は、クラッチC−2を介してリアプラネタリギヤG3の
キャリア・リングギヤC2/R3に入力されると共に、
クラッチC−3を介してフロントプラネタリギヤG1の
サンギヤS1に入力される。これに対して、キャリアC
1がブレーキB−1により係止されることで、リングギ
ヤR1/R2は減速正回転となり、キャリア・リングギ
ヤC2/R3には、入力軸Xの回転が入力されること
で、サンギヤS2/S3は増速回転となる。この結果、
リアプラネタリギヤG3において、キャリア・リングギ
ヤC2/R3入力、サンギヤS2/S3増速回転の状態
が成立するため、キャリアC3から出力軸Yへは、入力
回転に対して増速の第5速(5TH)回転が出力され
る。この際、ブレーキB−3は、ダウンシフト時の係合
操作を不要とすべく、図3に●印で示すように、係合状
態を維持されるが、ワンウェイクラッチF−2がフリー
状態となっているので、これらの係合は第5速達成の妨
げとはならない。この際の、ギヤ比は、 λ2 (1+λ3 )/{λ2 (1+λ3 )+(1−λ1
λ3 } となる。
【0035】後進(REV)は、図3に示すように、ク
ラッチC−3を係合すると共に、ブレーキB−4を係合
することで達成される。この状態では、入力軸Xの回転
が、クラッチC−3を介してフロントプラネタリギヤG
1のサンギヤS1に入力され、それによりキャリアC1
がワンウェイクラッチF−1のロックで係止されること
から、デュアルプラネタリ構成のフロントプラネタリギ
ヤG1のリングギヤR1/R2は減速の正回転となる。
これに対して、キャリア・リングギヤC2/R3はブレ
ーキB−4により係止されるので、これを反力要素とし
てサンギヤS2/S3は入力回転と同様の速度比で逆回
転し、それにより減速逆回転するキャリアC3から出力
軸Yへは、後進用の減速回転が出力される。この際のギ
ヤ比は、 λ2 (1+λ3 )/λ3 λ1 となる。
【0036】なお、前記の各変速段の達成状況から明ら
かなように、各ワンウェイクラッチは、入力回転に対す
る逆回転を阻止する要素として配置されているため、出
力軸Y側から入力軸X側にトルクが伝達されるエンジン
ブレーキ(コースト)時には、これらのロックによるト
ルク伝達や反力支持はできない。そこで、このギヤトレ
インでは、ブレーキB−1又はブレーキB−2をワンウ
ェイクラッチF−1に対する並列の係合要素、ブレーキ
B−4をワンウェイクラッチF−3に対する並列の係合
要素として、図3に括弧付の○印で示すように、通常の
作動に加えて、エンジンブレーキ(コースト)時に係合
させている。
【0037】前記構成のギヤトレインに対して、本発明
の技術思想は、クラッチC−2とクラッチC−3を対象
として適用されている。図4は本発明を適用した第1実
施形態のクラッチ装置を備える自動変速機の軸方向部分
断面を示し、図5はその一部を拡大して示し、図6は拡
大部の周面形状を平面に展開して示す。このクラッチ装
置は、クラッチドラム1に支持した摩擦部材3をクラッ
チドラム1の開口端部側から軸方向に押圧するサーボピ
ストン4が、軸方向の大部分でクラッチドラム1と径方
向に重合配置されてなるクラッチ装置を構成している。
そして、本発明の特徴に従い、クラッチドラム1の開口
端部近傍における周面とサーボピストン4の周面とが対
向する部分に、それら周面のクラッチドラム1側から突
出して、サーボピストン4への当接部となる突部19が
設けられている。
【0038】この形態では、突部19は、図6に示すよ
うに、クラッチドラム1のスプライン1aの歯山部に一
定間隔(本形態において1つ置きに)周方向に複数個配
置されている。また、図5に詳細を示すように、突部1
9の周縁は、傾斜面19aを経てクラッチドラム1のス
プライン1aの歯山部の周面につながる形状とされてい
る。ここに言う周縁とは、歯山部の外周面から傾斜周面
に至る所定の範囲を言い、傾斜面19aの概念には周方
向のみに曲率を持つ円錐面のみでなく傾斜方向にも曲率
を持つ曲面を含むものであり、この形状は、エッジ当た
りを生じないようにする形状である。この場合の突部1
9は、図5に示す断面形状からも分かるように、プレス
により押出し形成されてなる。
【0039】図4に戻って、この形態におけるクラッチ
装置は、有底筒状に形成され、底部を自動変速機の入力
軸7に連結されたクラッチドラム1と、クラッチドラム
1に対して軸方向に並べて配置された第1及び第2の摩
擦部材3,9と、第1の摩擦部材3を係合させる第1の
サーポピストン4と、第2の摩擦部材9を係合させる第
2のサーポピストン6とを備える。第1の摩擦部材3
は、クラッチドラム1の外径側に延びる第1のサーポピ
ストン4により開口端部方向から押圧され、第2の摩擦
部材9は、クラッチドラム1の内径側に配置された第2
サーポピストン6により押圧される構成とされている。
第1のサーポピストン4は、その底部を貫通する部材1
1と、クラッチドラム1の筒状部12aの外周面とに対
して油密状態で摺動可能に支持され、第2のサーポピス
トン6は、その底部を貫通する部材11と、クラッチド
ラム1の筒状部12aの内周面とに対して油密状態で摺
動可能に支持されている。
【0040】各部について更に詳述すると、このクラッ
チ装置のクラッチドラム1は、油圧サーボシリンダの内
周側部材を構成する型成形品からなる軸状部材11と、
外周側部材を構成するプレス品からなるカップ状部材1
2とで構成される。軸状部材11は、2つの油圧サーボ
シリンダの径方向位置をずらすべく、外径側を段付状と
され、その大径側が外側の油圧サーボのピストン4の内
径側を貫通して、サーボピストン4の摺動面とされ、小
径側が内側の油圧サーボのピストン6の内径側を貫通し
てサーボピストン6の摺動面とされている。軸状部材1
1の内径側は、変速機ケースボス部8への支持部を構成
する中間の縮径部を挟んで、ボス部8の外周に嵌る側が
平滑な円筒面の油路接続部とされ、ボス部8を超えて延
びる部分が入力軸7に連結するスプライン係合部とされ
ている。カップ状部材12は、カップの底部にあたる中
心孔付の径方向フランジ部と、その外周側から軸方向に
延びる短筒状部12aと、それに続く円錐部と、更にそ
れに続く長円筒部とを有する構造とされ、長円筒部はそ
のほぼ全長に渡って形成されたスプライン1aにより2
組の摩擦部材3,9の外周側支持部を構成する。こうし
た構成からなる軸状部材11とカップ状部材12は、軸
状部材11の外径側の段差部にカップ状部材12の中心
孔を嵌めて溶接により固定一体化されている。
【0041】両クラッチのハブ2,5は、中心孔を有す
る径方向フランジ部と、その外周側を軸方向に延びる筒
状部を有するカップ状のプレス成形品で構成される。そ
れぞれのハブ2,5の筒状部には、摩擦部材3,9の軸
方向長に対応するスプラインが形成され、摩擦部材3,
9の内周側支持部を構成する。両ハブ2,5の径方向フ
ランジ部の内周側は、それぞれ異なる動力伝達軸に連結
されている。
【0042】2組の摩擦部材3,9は、それぞれ相互に
積層された複数の摩擦材ディスク31,91とセパレー
タプレート32,92から構成され、各摩擦材ディスク
31,91は、それらの内周側に形成されたスプライン
歯(図の上半分は歯山部分、下半分は歯底部分の断面を
示す)をハブ2,5のスプライン(同じく、上半分は歯
底部分、下半分は歯山部分の断面を示す)に嵌合させて
ハブ2,5に軸方向可動に回り止め支持され、各セパレ
ータプレート32,92は、それらの外周側に形成され
たスプライン歯(同じく、上半分は歯山部分、下半分は
歯底部分の断面を示す)をクラッチドラム1のスプライ
ン(同じく、上半分は歯底部分、下半分は歯山部分の断
面を示す)1aに嵌合させてクラッチドラム1に軸方向
可動に回り止め支持されている。こうした構成からなる
摩擦部材3,9は、それらの一端側のセパレータプレー
トをクラッチドラム1の内周周回溝に嵌めたスナップリ
ング13,14に当接させることで、それぞれクラッチ
ドラム1の閉鎖端側及び開口端側への軸方向移動を規制
されている。そして、クラッチドラム1の開口端側の摩
擦部材3については、他端側のセパレータプレートに押
圧部42からのクラッチ係合力を受けることで相互に係
合して、クラッチドラム−ハブ1,2間でトルクを伝達
する。また、クラッチドラム1の閉鎖端側の摩擦部材9
については、直接サーボピストン6からのクラッチ係合
力を受けることで相互に係合して、クラッチドラム1と
ハブ5間でトルクを伝達する。
【0043】外側の油圧サーボのピストン4は、軸方向
にずれた2つの環状径方向フランジ部40a,40bを
短筒部40cで連結したサーボピストン本体40と、一
方の環状径方向フランジ部40bの外周に内径方向への
屈曲部先端41dを連結した延出部41としてのアプラ
イチューブで構成されている。短筒部40cを挟む他方
の環状径方向フランジ部40aの外周と一方の環状径方
向フランジ部40bの内周には、それぞれOリングが嵌
合され、環状径方向フランジ部40bの内周側のOリン
グが、クラッチドラム1の短筒状部12aの外周に嵌
り、軸状部材11の外径側大径部に嵌ったOリングと協
動して、サーボピストン本体40を軸状部材部11とク
ラッチドラム1に対して封止状態に心出し支持してい
る。他方の環状径方向フランジ部40aの外周のOリン
グは、カップ状のキャンセルプレート15の筒状部に嵌
り、キャンセル室の外周側を封止している。アプライチ
ューブ41には、そのサーボピストン本体40につなが
る根元部分から全長の概ね1/3の長さの範囲にスプラ
イン41cが形成され、その内周側に位置するクラッチ
ドラム1のスプライン1aとの嵌合(図の上半分の断面
は、アプライチューブ41側の歯底とクラッチドラム1
側の歯山との噛合断面、下半分の断面は、アプライチュ
ーブ41側の歯山とクラッチドラム1側の歯底との噛合
断面を示す)によりサーボピストン4全体をクラッチド
ラム1に対して回り止めしている。
【0044】本クラッチ構造では、クラッチドラム1の
外径側に、軸方向に長尺のサーボピストン延出部41が
配設されることになるため、Oリングを介して軸状部材
11とクラッチドラム1の円筒状部12aの外周面に支
持されたサーボピストン4の重心位置は、該支持部の軸
方向位置よりクラッチドラム1の開口端部方向にずれた
軸方向位置にあり、それにより軸線に対して傾きやすい
構造となっている。そのため、前記のように、クラッチ
ドラム1の開口端部近傍にドラム周面から外径方向に突
出する突部19を設けて、この傾きを制限する構成が採
られている。
【0045】本形態では、図6に平面視の形状を示すよ
うに、突部19は円形の突起とされている。この突起1
9は、その周縁から山裾状に広がる傾斜面19aを持つ
形状とされ、それによりサーボピストン4がクラッチド
ラム1に対して傾いた場合でも、サーボピストン4の内
周面に対して突起19がエッジ当りしない配慮がなされ
ている。
【0046】こうした構成からなるクラッチ装置は、変
速機ケースボス部8のそれぞれの周回油路から軸状部材
11のそれぞれの油路を経て各シリンダ内に油圧を供給
することで個別に係合作動する。本発明に係る外側のク
ラッチC−3(図1参照)、すなわち、クラッチドラム
1、第1のサーボピストン4、第1の摩擦部材3及びハ
ブ2からなるクラッチについては、油圧の供給でサーボ
ピストン4がクラッチドラム1に対して押し出されるこ
とで、アプライチューブ41先端の押圧部42をスナッ
プリング43を介してクラッチドラム1側に引張り、そ
れにより、一端側をスナップリング13を介してクラッ
チドラム1に支持された摩擦部材3をスナップリング1
3と押圧部42との間で押圧して、摩擦部材3の摩擦材
ディスク31とセパレータプレート32の係合によりク
ラッチ係合状態となる。また、シリンダ内からの油圧の
排出で、リターンスプリング17の荷重でアプライチュ
ーブ41を押し戻すクラッチ解放操作時は、アプライチ
ューブ41の戻りにつれてその先端の押圧部42もアプ
ライチューブ41の内周側に張出す凸部との係合で押し
戻されて、摩擦部材3との係合状態から引き離される。
【0047】内側のクラッチC−2(図1参照)、すな
わち、クラッチドラム1、第2のサーボピストン6、摩
擦部材9及びハブ5からなるクラッチの作動について
は、特に従来の一般的クラッチの作動と異なるところが
ないので説明を省略する。
【0048】こうしたクラッチの係合、解放作動に際し
て、この実施形態によれば、油圧サーボをクラッチドラ
ム1の外側に配置した引き型クラッチC−3において、
クラッチドラム1に対してサーボピストン4が傾斜した
場合に、クラッチドラム1の開口端部近傍に設けられた
突部19を介する当接により、サーボピストン4の支持
部から遠い側で傾きが規制され、クラッチドラム1とサ
ーボピストン4の周面間のクリアランスが確実に保持さ
れるため、サーボピストン4とクラッチドラム1間のが
た量を低減できる。また、突部19が周方向に複数個配
置されることで、周方向いずれの方向への傾斜にも対応
することができる。
【0049】更に、突部19の周縁が傾斜面19aでク
ラッチドラム1の周面、詳しくはクラッチドラム1のス
プライン1aの歯山部の周面につながることで、突部1
9に鋭利な角部が形成されるのを防ぐことができるた
め、サーボピストン4の内周面への突部19のエッジ当
たりを防止でき、サーボピストン4の傾斜により突部1
9での接触が生じた場合でも、サーボピストン4の摺動
抵抗が少ない。したがって、クラッチ作動の応答性が損
なわれることがない。なお、この第1実施形態では、突
部19をクラッチドラム1側に設けているが、サーボピ
ストン4側に設けても、上記の各効果は同様に達成され
る。
【0050】また、突部19の形成に関して、通常クラ
ッチドラム1には、摩擦部材3を潤滑後の油を排出する
ために油抜き孔1bが必要とされ、この油抜き孔1b
は、プレスによる打ち抜き加工とされるが、この孔抜き
同時に突部19を押出し成形することで、突部19を設
けることによる加工工数の増加とコスト増加を抑えるこ
とができる。
【0051】次に、図7は、本発明の第2実施形態を示
す。この第2実施形態では、前記第1実施形態と同様
に、クラッチドラム1に支持した摩擦部材3をクラッチ
ドラム1の開口端部側から軸方向に押圧するサーボピス
トン4が、少なくとも軸方向の一部でクラッチドラム1
と径方向に重合配置されてなる自動変速機のクラッチ装
置を前提として、クラッチドラム1の開口端部に、該開
口端部のサーボピストン4周面へのエッジ当たりを防ぐ
面取りRが設けられている。
【0052】詳しくは、面取りRは、クラッチドラム1
のカップ状部12におけるスプライン1aの歯山部がカ
ップ状部材12の端部で終端する角部を曲面状に切欠く
ことで形成されている。こうした形態を採ることで、ク
ラッチドラム1に対してサーボピストン4が傾斜した場
合に、クラッチドラム1の開口端部に設けられた面取り
Rで当接が生じるため、面取りRの曲面の適宜の部分で
クラッチドラム1の外周面とサーボピストン4の内周面
が当接することになるため、鋭利な角部によるエッジ当
たりを防止でき、サーボピストン4の傾斜により開口端
部での接触が生じた場合でも、サーボピストン4の摺動
抵抗が少ない。したがって、クラッチ作動の応答性が損
なわれることがない。
【0053】以上、本発明の技術思想の理解の便宜のた
めに、2つの実施形態を例として説明したが、本発明
は、例示の実施形態に限定されるものではなく、特許請
求の範囲の個々の請求項に記載の事項の範囲内で、種々
に具体的な構成を変更して実施することができるもので
ある。例えば、本発明の適用は、例示のような共通のク
ラッチドラム1に並べて2組の第1及び第2の摩擦部材
を支持する2つのクラッチの一方への適用に限定される
ものではなく、第1及び第2の摩擦部材を軸方向に並べ
て配置しながらも、第2の摩擦部材をクラッチドラムの
内周側に支持するのに対して、第1の摩擦部材をクラッ
チドラムに対して背面配置のサーボピストンの内周側に
支持し、クラッチドラムの背後側の油圧サーボへの油圧
供給によりサーボピストンが引張られたときに、サーボ
ピストンの外端側の支持部材の移動につれた第1の摩擦
部材がクラッチドラムの開口端部と上記支持部材との間
で押圧されることで係合状態となるクラッチへの適用も
可能である。そして、こうした構成も当然に本発明の範
疇に包含される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクラッチ装置の適用に係る自動変速機
のギヤトレインを示すスケルトン図である。
【図2】図1のギヤトレインの作動を示す速度線図であ
る。
【図3】図1のギヤトレインにより達成される変速段と
係合要素の作動をギヤ比設定例と共に示す係合図表であ
る。
【図4】本発明の第1実施形態に係るクラッチ装置の構
成を適用した自動変速機の軸方向部分断面図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】図4の拡大部分のクラッチドラム外周面を平面
に展開して示す展開側面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るクラッチ装置の構
成を適用した自動変速機の軸方向部分断面図である。
【符号の説明】
1 クラッチドラム 11 軸状部材 12a 筒状部 19 突起(突部) 19a 傾斜面 3 第1の摩擦部材 4 第1のサーボピストン 6 第2のサーボピストン 7 入力軸 9 第2の摩擦部材 R 面取り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 伸忠 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 鈴木 崇久 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 塚本 広幸 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 判治 二十三 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 野崎 和俊 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 野崎 芳信 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松本 章吾 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 柏原 裕司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3J056 AA33 AA60 AA65 BA03 BB22 BC01 BE01 BE27 FA03 FA12 GA05 GA12 3J057 AA04 AA05 AA09 BB04 CA01 FF01 FF02 FF07 FF10 FF12 FF15 HH02 JJ02 JJ04 3J063 AB12 AC05 BB35 BB39 CA01 CD25 CD34

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッチドラムに支持した摩擦部材をク
    ラッチドラムの開口端部側から軸方向に押圧するサーボ
    ピストンが、少なくとも軸方向の一部でクラッチドラム
    と径方向に重ねて配置されてなる自動変速機のクラッチ
    装置において、 前記クラッチドラムの開口端部近傍における周面とサー
    ボピストンの周面とが対向する部分に、それら周面のい
    ずれか一方から突出して、他方への当接部となる突部が
    設けられたことを特徴とする自動変速機のクラッチ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記クラッチドラムの開口端部近傍は、
    クラッチドラムの拡開によりサーボピストンへの当接が
    生じる部分である、請求項1記載の自動変速機のクラッ
    チ装置。
  3. 【請求項3】 前記突部は、周方向に複数個配置され
    た、請求項1又は2記載の自動変速機のクラッチ装置。
  4. 【請求項4】 前記突部の周縁は、傾斜面を経て周面に
    つながる、請求項1、2又は3記載の自動変速機のクラ
    ッチ装置。
  5. 【請求項5】 前記突部は、クラッチドラムに設けら
    れ、サーボピストンの周面を支持する、請求項1〜4の
    いずれか1項記載の自動変速機のクラッチ装置。
  6. 【請求項6】 前記突部は、サーボピストンに設けら
    れ、クラッチドラムの周面に支持される、請求項1〜4
    のいずれか1項記載の自動変速機のクラッチ装置。
  7. 【請求項7】 前記突部は、プレスにより押出し形成さ
    れてなる、請求項1〜6のいずれか1項記載の自動変速
    機のクラッチ装置。
  8. 【請求項8】 クラッチドラムに支持した摩擦部材をク
    ラッチドラムの開口端部側から軸方向に押圧するサーボ
    ピストンが、少なくとも軸方向の一部でクラッチドラム
    と径方向に重ねて配置されてなる自動変速機のクラッチ
    装置において、 前記クラッチドラムの開口端部に、該開口端部のサーボ
    ピストン周面へのエッジ当たりを防ぐ面取りが設けられ
    たことを特徴とする自動変速機のクラッチ装置。
  9. 【請求項9】 前記クラッチ装置は、 有底筒状に形成され、底部を自動変速機の入力軸に連結
    されたクラッチドラムと、 該クラッチドラムに対して軸方向に並べて配置された第
    1及び第2の摩擦部材と、 第1の摩擦部材を係合させる第1のサーボピストンと、 第2の摩擦部材を係合させる第2のサーボピストンと、
    を備え、 第1の摩擦部材は、クラッチドラムの外径側に延びる第
    1のサーボピストンにより開口端部方向から押圧され、 第2の摩擦部材は、クラッチドラムの内径側に配置され
    た第2のサーボピストンにより押圧され、 前記第1のサーボピストンは、その底部を貫通する部材
    と、クラッチドラムの筒状部の外周面とに対して油密状
    態で摺動可能に支持され、 前記第2のサーボピストンは、その底部を貫通する部材
    と、クラッチドラムの筒状部の内周面とに対して油密状
    態で摺動可能に支持された、請求項1〜8のいずれか1
    項記載の自動変速機のクラッチ装置。
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