JP2003105528A - 酸化アルミニウム蒸着フィルム及びその製造方法 - Google Patents
酸化アルミニウム蒸着フィルム及びその製造方法Info
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Abstract
ガスバリア性等の品質が安定した酸化アルミニウム蒸着
フィルムを得る方法を開発することを課題とする。 【解決手段】 得られる酸化アルミニウム蒸着フィルム
(1)の蛍光X線強度(A)kcps(アルミニウムK
α線)と酸素導入しないで得られるアルミニウム蒸着フ
ィルム(2)の蛍光X線強度(B)kcps(アルミニ
ウムKα線)との比(A/B)が0.35≦(A/B)
≦0.65の範囲で酸化アルミニウムを蒸着した後、酸
化アルミニウム蒸着膜を酸化させることにより得られる
酸化アルミニウム蒸着フィルム及びその製造方法を提供
するものである。
Description
るいは水蒸気等のガスバリア性等に優れた酸化アルミニ
ウム蒸着フィルムおよびその製造方法に関する。
リア性材料として、プラスチック基材に酸化ケイ素、酸
化アルミニウム等の無機酸化物を、真空蒸着法、スパッ
タリング法、イオンプレーティング法、化学気相成長法
等で形成してなる透明ガスバリア性フィルムが注目され
ている。
スバリア性フィルムを製造するには、電子ビーム等で加
熱蒸発させたアルミニウムに酸素ガスを供給して酸化さ
せながら、プラスチック基材の上に酸化アルミニウムを
蒸着する方法が採用されている。しかしながら、加熱蒸
発させたアルミニウムと酸素とは極めて容易に反応する
ので、例えば酸素の供給量を多くすると緻密な膜が形成
できず、その結果、ガスバリア性、特に水蒸気バリア性
に優れたフィルムが得らない。一方、酸素の供給量を少
なくすると透明性が低下し、何れにしても品質が安定し
たガスバリア性に優れたフィルムを得るには酸素の供給
量とアルミニウムの蒸発量を厳密に制御する必要があ
る。
法の1つとして、例えば、平均アルミニウム蒸発量(モ
ル/分)と酸素ガス導入量(モル/分)との比を特定の
範囲に保持する方法(特開昭62−103359号公
報)が知られているが、かかる方法では、アルミニウム
がフィルムに付く量と、防着板等について、ロスになっ
てしまうアルミニウムの量が条件により異なることや、
アルミニウムの蒸発速度によりアルミニウムと酸素との
反応状態が変化するため、同じ比率でも、同じバリア性
を有するフィルムが得られるとは限らず、ガスバリア性
等の品質が安定した酸化アルミニウム蒸着フィルムが得
られない虞がある。また、蒸着時の光線透過率を制御す
る方法(特開2001−81219号公報)が知られて
いるが、光線透過率は蒸着膜のアルミニウムの酸化状態
と膜厚という2つの要素により決まるため、光線透過率
だけではガスバリア性等の品質が安定した酸化アルミニ
ウム蒸着フィルムが得られない虞がある。さらに蒸着膜
のAlOxのXを制御する方法(特開平11−1704
27号公報)が知られているが、蒸着機内で蒸着膜の酸
素の量を測定することは難しく、また、作成した蒸着膜
を1度大気開放し、測定する場合、大気中の酸素と反応
しXの値が変動するため、同じく、ガスバリア性等の品
質が安定した酸化アルミニウム蒸着フィルムが得られな
い虞がある。
ミニウムに酸素ガスを供給して酸化させながら、プラス
チック基材の上に酸化アルミニウムを蒸着する方法で、
蒸着後、酸素ガス等で酸化を更に促進させることで、ガ
スバリア性等が改善されること(特開2000−251
83)が知られているが、真空中にガスを吹かす場合、
酸素ガスの拡散が大きく、安定的に酸素を酸化アルミニ
ウム蒸着膜に供給することが難しく、また周囲の真空度
が不安定になる虞がある。また、蒸着後、大気中で酸化
を促進することにより、透明性が向上することが知られ
ているが、酸化アルミニウムの付着の程度によって、後
酸化してもガスバリア性は改善されない場合がある。
有し、且つガスバリア性、特に防湿性にも優れた酸化ア
ルミニウム蒸着フィルムを得る方法を開発すべく鋭意検
討した結果、酸化アルミニウム蒸着フィルム(1)の蛍
光X線強度(A)kcps(アルミニウムKα線)と酸
素を導入しない場合のアルミニウム蒸着フィルム(2)
の蛍光X線強度(B)kcps(アルミニウムKα線)
との比を特定の範囲にし、その後更に酸化アルミニウム
蒸着膜に酸素を触れさせ、酸化を促進させることによ
り、ガスバリア性等の品質が安定した酸化アルミニウム
蒸着フィルムが得られることが判り本発明に到達した。
ミニウム蒸着フィルム(1)の蛍光X線強度(A)kc
ps(アルミニウムKα線)と酸素導入しないで得られ
るアルミニウム蒸着フィルム(2)の蛍光X線強度
(B)kcps(アルミニウムKα線)との比(A/
B)が 0.35≦(A/B)≦0.65 の範囲で酸化アルミニウムを蒸着した後、酸化アルミニ
ウム蒸着膜を酸化させることにより得られるうることを
特徴とする酸化アルミニウム蒸着フィルム及びその製造
方法に関する。
材上に得られる酸化アルミニウム蒸着フィルム(1)の
蛍光X線強度(A)kcpsと酸素導入しないで得られ
るアルミニウム蒸着フィルム(2)の蛍光X線強度
(B)kcpsとの比(A/B、以下「付着率」と呼ぶ
場合がある。)が、0.35≦(A/B)≦0.65、
好ましくは、0.40≦(A/B)≦0.65の範囲で
酸化アルミニウムを蒸着した後、酸化アルミニウム蒸着
膜を酸化させることにより得られうるフィルムである。
付着率が0.35未満では、蒸着後、酸化を促進しても
ガスバリア性、特に水蒸気バリア性に優れたフィルムと
はならない。一方、付着率が0.65を超えるものは、
ガスバリア性等が良好なため必ずしも積極的な酸化促進
を行う必要がない。
ルム(1)の蛍光X線強度(A)kcpsは以下の方法
により得られる。すなわち、蒸着機内に所定量の酸素を
導入し、加工時の光線透過率が所定の数値になるよう
に、アルミニウムの蒸発量を制御して得られる、又は、
所定のアルミニウムが蒸着されるよう制御した条件に所
定量の酸素を導入して反応させて得られる、酸化アルミ
ニウムフィルムをサンプリングし、蛍光X線分析装置Z
SX100s(理学電気工業社製)を用いてアルミニウ
ムのKα線について測定し、この蛍光X線強度を(A)
kcpsとする。
着フィルム(2)の蛍光X線強度(B)kcpsは、酸
化アルミニウムの製造時、上記酸化アルミニウムフィル
ムのサンプリングするのと同じ条件下で酸素の導入を止
め、得られるアルミ蒸着フィルムをサンプリングし、蛍
光X線分析装置ZSX100s(理学電気工業社製)を
用いてアルミニウムのKα線について測定し、この蛍光
X線強度を(B)kcpsとする。
は、好ましくは酸化アルミニウム(1)の蛍光X線強度
(A)kcpsが、0.5〜10kcps、より好まし
くは0.5〜8kcps、さらに好ましくは0.5〜5
kcpsの範囲にある。この範囲にすることにより、透
明性及びバリア性に優れた酸化アルミニウム蒸着フィル
ムとなる。
れないが、通常20Å〜500Å、好ましくは30Å〜
450Åである。20Å未満ではガスバリア性に優れた
フィルムが得られない虞があり、一方、500Å以上で
は可撓性に欠けたフィルムとなる虞がある。
は、ヒートシール性を付与するためにフィルム基材面及
び/又は酸化アルミニウム蒸着面に熱融着層を積層して
も良い。かかる熱融着層としては、通常熱融着層として
公知のエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−
1、4−メチル・ペンテン−1、オクテン−1等のα−
オレフィンの単独若しくは共重合体、高圧法低密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDP
E)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロ
ピレンランダム共重合体、ポリブテン、ポリ4−メチル
・ペンテン−1、低結晶性あるいは非晶性のエチレン・
プロピレンランダム共重合体、エチレン・ブテン−1ラ
ンダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重
合体等のポリオレフィンを単独若しくは2種以上の組成
物、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)あるいは
EVAとポリオレフィンとの組成物等を用い得る。
その表面に蒸着面の保護や、印刷適性等を改良するため
するため、蒸着面にトップコート層を設けてもよい、ト
ップコート層は、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂等をコーティングすることと
によって設けられる。また、よりバリア性を安定させる
ため、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニル
アルコール共重合体樹脂、有機珪素系コーティング(ゾ
ルゲル法含む)材、ポリ塩化ビニリデン等のバリア材を
コーティングしてもよい。
なるシート状またはフィルム状の基材である。かかる熱
可塑性樹脂としては、種々公知の熱可塑性樹脂、例え
ば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリ
エステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ
アミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシ
レンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、
ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、ある
いはこれらの混合物等を例示することができる。これら
のうちでは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリアミド等、延伸性、透明性が良好な熱可塑性
樹脂が好ましい。又、かかる熱可塑性樹脂フィルムから
なる基材は、無延伸フィルムであっても、延伸フィルム
であっても良い。
酸化アルミニウムとの接着性を改良するために例えば、
コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート
処理、プライマーコート処理、フレーム処理等の表面活
性化処理を行っておいてもよい。フィルム基材の厚さ
は、通常5〜50μm、好ましくは9〜30μmの範囲
にある。
上記フィルム基材上に真空中で酸素とアルミニウム蒸気
とを反応させて酸化アルミニウムを形成する際に、得ら
れる酸化アルミニウム蒸着フィルム(1)の蛍光X線強
度(A)kcpsと酸素を導入しないで得られるアルミ
ニウム蒸着フィルム(2)の蛍光X線強度(B)kcp
sとの比(A/B)を0.35≦(A/B)≦0.6
5、好ましくは0.40≦(A/B)≦0.65の範囲
にした後、酸化アルミニウム蒸着膜を酸素に触れさせる
ことにより、アルミニウム蒸着膜を酸化させて酸化アル
ミニウム蒸着フィルムを製造する方法である。
の1つとして、蒸着終了後、大気中でフィルムを巻返す
ことをが挙げられる。大気中で酸化アルミニウム蒸着フ
ィルムを巻返すことで、巻き取ったロール中に酸素を巻
き込ませ、酸化アルミニウム蒸着膜を酸化させて、付着
率の小さい領域でも、安定したバリア性を持たせること
ができる。巻返すまでの時間は、巻の硬さ等によるが、
蒸着からできるだけはやい段階で行ったほうがよい。好
ましくは、蒸着終了後から5日以内、より好ましくは、
3日以内、最も好ましくは2日以内がよい。この範囲で
あれば、巻の状態でガスバリア性や水蒸気バリア性を劣
化させることなく、酸化を促進させることができる。ま
た、巻返し後も、巻き込んだ酸素で十分酸化を促進させ
るため、好ましくは1日以上放置した方がよい。
る他の方法として、蒸着機内で、酸化アルミニウム蒸着
フィルムを巻き取る前に、酸化アルミニウム蒸着膜を酸
素および酸素プラズマに触れさせる方法、好ましくは、
蒸着機内に設置した1箇所または複数のプラズマ放電室
内で、酸素および酸素プラズマを酸化アルミニウム蒸着
膜に接触させて酸化させる方法が挙げられる。酸素およ
び酸素プラズマ等のガスをプラズマ放電室中に導入する
ことにより、プラズマ放電室を設けない場合に比べ、酸
素および酸素プラズマの拡散が少なくなり、より高いガ
ス濃度で、まわりの真空度を落とすことなく、酸素ガス
を供給することができる。供給する酸素量は巾1mあた
り、好ましくは0.1〜3L/分、より好ましくは0.
1〜2L/分である。また、プラズマ放電室は、1箇所
もしくは複数設けてもよい。多ければ酸化が促進されや
すく、安定的に酸化促進をさせることができる。
(1)の蛍光X線強度(A)kcpsは、酸素の導入量
に依存し、酸素の導入量(酸化度)が大きくなるとアル
ミニウムとしての蒸着量が減少するので、Aは小さくな
り、酸素の導入量が少ないとアルミニウムとしての蒸着
量が増すのでAは大きくなる。そして、酸素を全く導入
しない場合のアルミニウムの蒸着量を表すのが蛍光X線
強度(B)kcpsである。
の蒸着量は、蒸着されるフィルム基材の加工速度(処理
速度)、蒸発したアルミニウムがフィルム基材に付着す
る効率(蒸着効率)、アルミニウムの蒸発速度等に依存
し、又、酸化アルミニウム(アルミニウム)の蒸着量と
蒸着フィルムの光線透過率とは相関があり、酸化状態が
同じならば、酸化アルミニウム(アルミニウム)の蒸着
量が増すと加工時の蒸着フィルムの光線透過率は低下す
る。
ることにより、得られる酸化アルミニウム蒸着フィルム
の蛍光X線強度(B)を測定れば直接条件を管理できるた
め、より好ましい。
ない場合は、予め、使用する蒸着装置で、加工速度、ア
ルミニウムの蒸発量、酸素導入量等を変えて蒸着フィル
ムを得、(A)及び(B)を測定し、加工速度、アルミ
ニウムの蒸発量、酸素導入量、光線透過率等と(A)及
び(B)との検量線を求めておくことが好ましい。そし
て、A/Bをかかる範囲にするには、具体的には、例え
ば反応させる導入酸素量とアルミニウムの蒸発量を制御
することによって行い得る。導入酸素量はマスフローコ
ントローラーを用い、一定にコントロールできる。導入
酸素の量は、加工速度、膜厚等により大きく変動する
が、たとえば600m/分、光線透過率83%の場合
で、巾1mあたり、好ましくは、3.4〜6.5L/
分、より好ましくは、3.4〜6.1L/分にすればよ
い。アルミニウムの蒸発量は、アルミニウム蒸着膜の3
50nmでの光線透過率もしくは、導入酸素を一定とし
た酸化アルミニウム蒸着膜の光線透過率を基準に制御で
きる。光線透過率の測定装置(光線透過率計)を蒸着槽
内に組込めば、蒸着中に常に酸化アルミニウムの光線透
過率を監視できる。その場合、酸化アルミニウム蒸着膜
の光線透過率を、好ましくは70%〜98%、より好ま
しくは75%〜95%にすれば、A/Bを所望の範囲に
することができる。
は、基材フィルムの巻き出し方向側、防着板内に幅方向
に設置され、アルミニウム蒸気に向かい冷却ロールの回
転方向側に酸素を導入するように設置することが好まし
い。この位置であれば、基材フィルムに蒸着されるアル
ミニウムに対してのみ酸素を供給すればよい(防着板等
に付着する分のアルミニウムには酸素を供給しなくて済
む)ため、余分な酸素を導入して真空度を悪くすること
が防げる。
法、例えば電子ビーム(EB)方式、高周波誘導加熱方
式、抵抗加熱方式等を用いることができる。中でも、熱
効率がよく、高速で蒸着可能であり、膜厚分布の均一性
がとりやすい電子ビーム方式の真空蒸着方がより好まし
い。
速いほどよいが、好ましくは、10〜1000m/分、
好ましくは、50〜1000m/分であり、この範囲で
あれば安定的に製造可能である。
う観点から、蒸着槽内のフィルム基材の巻出し直後に、
プラズマ処理を行ってもよい。プラズマを発生させる方
法としては、直流グロー放電、高周波放電、マイクロ波
放電等があげられる。また、放電にはガスの導入が必要
であり、ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、酸素、窒
素等、放電で一般に用いられるさまざまなガスが挙げら
れる。
電子ビームによる二次電子や反射電子により、フィルム
基材が帯電する。これらの静電気を除去するため、蒸着
直後にプラズマ処理を行う必要がある。プラズマを発生
させる方法としては、直流グロー放電、高周波放電、マ
イクロ波放電等があげられる。また、放電にはガスの導
入が必要であり、アルゴン、ヘリウム、酸素、窒素等、
放電で一般に用いられるさまざまなガスが挙げられる。
これらのプラズマ放電室を利用し蒸着後の酸化促進を行
うことが可能である。これらは一箇所もしくは複数箇所
設けてもよい。
説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定され
るものではない。
以下の測定方法で行った。 (1) 酸素透過度の測定 蒸着直後の蒸着フィルムの蒸着面を内側にして、50μ
mのLLDPE(密度0.920g/cm3、MFR
3.8g/10分)とドライラミネートしたフィルム
を、温度20℃、湿度90%RHの条件で、酸素透過率
測定機(MOCON社製:OXTRAN2/20)を使
用して測定した。 (2) 水蒸気透過度の測定 蒸着直後の蒸着フィルムの蒸着面を内側にして、50μ
mのLLDPEとドライラミネートしたフィルムを、内
容物として塩化カルシウムを入れ、表面積が0.01m
2になるように、製袋し、温度40℃、湿度90%RH
の条件で3日間放置し、その重量差で水蒸気透過度を測
定した。 (3) 蛍光X線強度 蛍光X線分析装置(理学電機工業製:ZSX100s)
を用いてAlのKα線について測定した。 (4)光線透過率とアルミニウム蒸発量の制御 350nmの光線透過率(PETを100%とした)を
蒸着槽内で測定し、光線透過率が規定の値になるよう、
電子ビームの出力を制御してアルミニウムの蒸発量を調
整した。
ム(PETフィルム)を基材とし、その片面に、電子ビ
ーム加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、酸
素を幅1m当たり4.6L/分供給し、光線透過率85
%、蒸着速度600m/分で蒸着した。次いで、得られ
た蒸着フィルムロールを大気中で巻返した後、2日間放
置し、その物性を測定した。得られた蒸着フィルムの物
性値を表1に示す。
面に、電子ビーム加熱方式により、アルミニウムを加熱
蒸発させ、酸素を幅1m当たり5.4L/分供給し、光
線透過率86%で、蒸着速度600m/分で蒸着した。
次いで、得られた蒸着フィルムロールを大気中で巻返し
た後、2日間放置し、その物性を測定した。得られた蒸
着フィルムの物性値を表1に示す。
面に、電子ビーム加熱方式により、アルミニウムを加熱
蒸発させ、酸素を幅1m当たり4.6L/分供給し、光
線透過率85%、蒸着速度600m/分で蒸着した。蒸
着機内の蒸着から巻取りの間に、プラズマ放電室を3箇
所設け、それぞれ1m当たり0.25L/分酸素を導入
し、プラズマ放電を行った。得られた蒸着フィルムの物
性値を表1に示す。
ム(PETフィルム)を基材とし、その片面に、電子ビ
ーム加熱方式により、アルミニウムを加熱蒸発させ、酸
素を幅1m当たり4.6L/分供給し、光線透過率85
%、蒸着速度600m/分で蒸着した。蒸着直後の得ら
れた蒸着フィルムの物性値を表1に示す。
面に、電子ビーム加熱方式により、アルミニウムを加熱
蒸発させ、酸素を幅1m当たり6.0L/分供給し、光
線透過率99%で、蒸着速度600m/分で蒸着した。
次いで、得られた蒸着フィルムロールを大気中で巻返し
た後、2日間放置し、その物性を測定した。得られた蒸
着フィルムの物性値を表1に示す。
1とを比較すると、蒸着直後の水蒸気バリア性よりも、
巻返した後の水蒸気バリア性が向上していることがわか
る。また比較例2のように、付着率(A/B)が0.3
5以下では、巻返しにより、酸化を促進しても水蒸気バ
リア性はよくない。
で酸素とアルミニウム蒸気とを反応させてフィルム基材
上に酸化アルミニウムを形成する際に、0.35≦付着
率(A/B)≦0.65の範囲で酸化アルミニウム蒸着
した後、酸化アルミニウム蒸着膜に酸素を触れさせるこ
とにより、酸化を促進させることにより、付着率が比較
的小さくても、安定して酸素ガスバリア性、特に水蒸気
バリア性に優れしかも透明性を有する酸化アルミニウム
蒸着フィルムを得ることができる。この酸化アルミニウ
ム蒸着フィルムは食品、医薬品、化粧品、工業材料等、
種々の包装用途に使用することができる。
Claims (8)
- 【請求項1】基材フィルムの片面に、得られる酸化アル
ミニウム蒸着フィルム(1)の蛍光X線強度(A)kc
ps(アルミニウムKα線)と酸素を導入しないで得ら
れるアルミニウム蒸着フィルム(2)の蛍光X線強度
(B)kcps(アルミニウムKα線)との比(A/
B)が 0.35≦(A/B)≦0.65 の範囲で酸化アルミニウムを蒸着した後、酸化アルミニ
ウム蒸着膜を酸化させてなることにより得られうること
を特徴とする酸化アルミニウム蒸着フィルム。 - 【請求項2】酸化アルミニウムの(1)の蛍光X線強度
(A)kcps(アルミニウムKα線)が0.5kcp
s〜10kcpsである請求項1記載の酸化アルミニウ
ム蒸着フィルム。 - 【請求項3】真空中で酸素とアルミニウム蒸気とを反応
させてフィルム基材上に酸化アルミニウムを形成する際
に、得られる酸化アルミニウム蒸着フィルム(1)の蛍
光X線強度(A)kcps(アルミニウムKα線)と酸
素を導入しないで得られるアルミニウム蒸着フィルム
(2)の蛍光X線強度(B)kcps(アルミニウムK
α線)との比(A/B)を 0.35≦(A/B)≦0.65 の範囲にした後、酸化アルミニウム蒸着膜を酸素に触れ
させることにより、酸化させることを特徴とする酸化ア
ルミニウム蒸着フィルムの製造方法。 - 【請求項4】蒸着終了後、大気中で酸化アルミニウム蒸
着フィルムを巻返すことにより、酸化アルミニウム蒸着
膜を酸素に触れさせる請求項3に記載の酸化アルミニウ
ム蒸着フィルムの製造方法。 - 【請求項5】蒸着終了後、蒸着機内で、酸化アルミニウ
ム蒸着フィルムを巻き取る前に、酸化アルミニウム蒸着
膜を酸素および酸素プラズマに触れさせる請求項3に記
載の酸化アルミニウム蒸着フィルムの製造方法。 - 【請求項6】蒸着機内に設置したプラズマ放電室内で、
酸化アルミニウム蒸着膜を酸素および酸素プラズマに触
れさせる請求項5に記載の酸化アルミニウム蒸着フィル
ムの製造方法。 - 【請求項7】複数個のプラズマ放電室内で、酸化アルミ
ニウム蒸着膜を酸素および酸素プラズマに触れさせる請
求項6に記載の酸化アルミニウム蒸着フィルムの製造方
法。 - 【請求項8】酸素とアルミニウム蒸気との反応を、酸素
を基材フィルムの巻き出し側で且つ防着板内に幅方向に
設置した供給口から、冷却ロールの回転方向で且つアル
ミニウム蒸気に向かって供給して行う請求項3記載の酸
化アルミニウム蒸着フィルムの製造方法。
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