JP2003105457A - 含チタン精鉱からの酸化チタンと酸化鉄の分離回収方法 - Google Patents

含チタン精鉱からの酸化チタンと酸化鉄の分離回収方法

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JP2003105457A JP2001301794A JP2001301794A JP2003105457A JP 2003105457 A JP2003105457 A JP 2003105457A JP 2001301794 A JP2001301794 A JP 2001301794A JP 2001301794 A JP2001301794 A JP 2001301794A JP 2003105457 A JP2003105457 A JP 2003105457A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イルメナイトの様な含チタン鉱物原料からチタ
ンと鉄とを分離回収する方法において、硫酸水溶液にて
浸出し得るようにする手段、浸出水溶液からチタンを酸
化チタンとして回収し、また鉄を酸化鉄として回収する
手段を提供しようとするものである。 【解決手段】含チタン鉱物原料を石炭、石炭とNaCl、石
炭と塩化第2鉄あるいは石炭と他の塩化物と混合し、ペ
レット化し、これを自生する還元性雰囲気の下で、焙焼
処理し、希硫酸水溶液にて浸出する。次いで、チタン、
鉄を溶出した浸出溶液から、溶液のpHとORPを適宜調整
しながらTi4+をTi3+に一旦還元し、それから酸化処
理して酸化チタンを析出回収し、残液は、再度pHとORP
を最適範囲に調整して、Fe3+をFe2+に還元し、再度
酸化処理して酸化鉄を析出分離するプロセスによって解
決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イルメナイト等チ
タンと鉄を含む含チタン鉱物原料より酸化チタン、酸化
鉄を分離回収する方法に関する。特に、含チタン鉱物原
料を硫酸にて浸出処理し、得られた浸出溶液から酸化チ
タン、酸化鉄を順次析出分離するプロセスを含んでいる
ことを特徴とする含チタン鉱物原料より酸化チタン、酸
化鉄を分離回収する方法に関する。更に、本発明は、該
鉱物原料を硫酸にて浸出処理する前に予め原料に特定の
手段を講じておき、これによって自生的還元雰囲気の下
で還元焙焼し、硫酸に対するチタンと鉄の浸出率を高め
たことからなる含チタン原料より酸化チタン、酸化鉄を
分離回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、チタンに対する需要の増大からチ
タン産業が大きく発展し、着実な伸びを示していること
は各種統計からも明らかである。軽くて機械的特性に優
れ、しかも耐食性にも優れている金属チタンはもとよ
り、酸化チタンも顔料を始め、塗料、光触媒、各種添加
剤等々、各種分野において使用され、今後ますますその
用途開発が進み、一層発展していくものと期待されてい
る。
【0003】これら各種産業分野、各種用途に使用され
るチタン、あるいは酸化チタンを支えるチタン原料とし
て、含チタン鉄鉱、特にイルメナイトが挙げられる。こ
れは、日本にも、砂鉄などと共に存在するが、その量
は、工業原料として用いるには極めてわずかであり、現
状は、ほとんどを輸入に依存している状況にある。
【0004】本発明で対象とする含チタン鉱物として
は、上記イルメナイト以外にも、マレーシアからインド
ネシアにかけて分布する錫鉱石に随伴するチタン鉄鉱、
イルメノルチル鉱、あるいはルチル鉱もその対象として
含むものである。
【0005】これらの鉱物は、錫鉱石を選別した後、さ
らに比重選鉱、磁力選鉱などの選別手段によって選別さ
れ、含チタン精鉱として回収されている。本発明は、こ
れら含チタン精鉱から、すなわち、チタン精鉱中に存在
するチタンと鉄とがほぼ等モル比よりなるチタン、鉄複
合酸化物固溶体あるいはさらにこれにルチルあるいはイ
ルメノルチル等チタン鉱物が随伴し含んでいるもの、す
なわち特に特定のものに限定することはなく、チタンを
含有している鉱物であれば、何れでもよく、該鉱物より
チタンと鉄とを効率よく分離回収しようとするものであ
る。
【0006】従来の分離回収方法には、炭素材を添加
して、アーク電気炉内で溶融還元して鉄を銑鉄として出
湯し、残ったスラグからチタンリッチなチタンスラグと
して回収する方法、炭素材を添加して、電気炉内で還
元しながら塩素ガスを導入し、鉄分を塩化鉄として除
き、残った残滓からチタンを酸化チタンとして回収する
方法、あるいはチタン、鉄ともに塩素化して、得られ
たTiCl4、FeCl3、FeCl2を蒸留塔、さらには精留塔に導
き、これら反応物を沸点差を利用してそれぞれを分離
し、分離した各塩化物を適宜目的とする反応物を得るた
めの反応塔に送り、そこで加水分解反応あるいは還元反
応に供すことによって、合成酸化チタン、合成酸化鉄あ
るいは金属チタンとして回収する方法がある。
【0007】さらにまた濃硫酸と反応させて、一旦ス
ポンジ塊とし、その後希硫酸で再溶解し、溶解している
Fe3+をFe2+へ還元し、冷却して緑礬として回収し、残っ
た塩基性硫酸チタンTiO・SO4として溶解しているTi含有
液は、これを減圧効用缶等によって一定の濃度に濃縮後
加水分解処理して含水酸化チタンとして沈殿分離する回
収方法等いろいろな方法が提言され、実施されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その何
れの方法も、問題を抱えていたものであった。すなわ
ち、電気炉による溶融還元による方法では、かなりの電
気エネルギーを要し、しかも生成する金属等、反応物質
によって電気炉の壁材が浸食等の悪影響を受けやすい、
コストのかかる方法であること、あるいは、塩素を使用
する方法においては、塩素ガスは極めて腐食性が強く、
しかも環境に悪影響を与えるものである点で不利な方法
である。
【0009】さらにまた、硫酸処理による方法において
も、この方法における硫酸は濃硫酸であり、含チタン原
料を濃硫酸と接触させるものである。したがって、この
方法は、猛烈な発熱を伴う極めて激しい処理であるとい
うことができる、等々何れの従来技術も諸点においてそ
れぞれ問題を抱えているものであった。換言すれば、チ
タン鉄鉱を含むイルメナイト等含チタン鉱物原料は、そ
の構成成分を分離するには、特有な困難を伴うものであ
った。
【0010】
【発明が解決するための手段】本発明者は、上述従来技
術を念頭に置きつつ、前示問題のない分離方法を開発す
べく鋭意研究を行ってきた。その結果、チタンと鉄を含
む含チタン鉱物原料を特定の方法に基づき自生的に還元
雰囲気を発生させ、この雰囲気下で還元焙焼処理をする
と、その後の希硫酸溶液との接触、浸出によって、含有
チタン成分及び含有鉄成分のほとんどを、希硫酸溶液に
溶出しうることを知見した。さらに、得られた浸出溶液
からチタンと鉄とを分離し、回収しうる手段を見いだし
たものである。本発明は、これらの知見に基づいてなさ
れたものである。
【0011】すなわち、本発明は、チタンと鉄を含む含
チタン鉱物原料からチタンと鉄とを分離回収する方法に
おいて、従来技術によらない、従って上述問題のない、
比較的簡単な操作、プロセスによってチタンと鉄とを硫
酸溶液にほぼ完全に浸出し、その後、浸出溶液からチタ
ン、鉄をそれぞれ順次分離し、これによって、極めて高
い回収率を誇る分離プロセスを提供しようというもので
ある。
【0012】そのための、本発明の第1番目の解決手段
は、チタンと鉄を含む含チタン鉱物原料からチタンと鉄
とを分離回収する方法において、(1)原料を粉砕し、
(2)粉砕原料に微粉炭又は微粉炭と食塩又は微粉炭と
塩化第2鉄又は微粉炭と他の塩化物を添加、混合し、団
鉱化し、(3)これを混合してなる微粉炭から自生的に
発生する弱還元ガス雰囲気の下、850〜950℃で還
元焙焼処理することからなる事前処理を施し、その後
(4)これを所定パルプ濃度で希硫酸溶液と接触処理
し、これによって含有されているチタンと鉄をほとんど
液相に溶出分離し、(5)この液相から先ず酸化チタン
を析出分離し、次いで(6)酸化鉄を析出分離する、以
上のプロセスよりなるものである。
【0013】また、本発明の第2番目の解決手段は、粉
砕原料に対する微粉炭又は微粉炭と食塩又は微粉炭と塩
化第2鉄又は微粉炭と他の塩化物の添加量を、各添加成
分が10wt%以下であることを特徴とするものである。
ただし、この添加量は、これを配合する粉砕原料によっ
て一様ではなく、最適の添加量は原料によって異なるも
のである。他の塩化物としては、例えば、塩化カリウ
ム、塩化カルシウムなども使用することができる。
【0014】すなわち、原料がチタン鉄鉱の場合には、
微粉炭の添加量は10wt%程度くらいまでは多い方がよ
い。ただし、それ以上は添加しても効果がなく、材料の
ロスとなることより10wt%を上限するのが相当であ
る。原料がさらに、ルチルあるいはイルメノルチルを含
む場合には、微粉炭の量は、前者の場合に比し少なくし
ても良く、1〜2wt%位で充分である。併用添加する食
塩又は塩化第2鉄等塩化物の添加量については、何れの
原料の場合においても10wt%位が上限である。
【0015】第3番目の解決手段は、チタンと鉄を浸出
する工程における浸出条件を、パルプ濃度3〜10g/
100ml、硫酸濃度3〜8mol/dm3、浸出処理温度90
〜100℃に設定した条件態様で浸出操作を行うことを
特徴としているものである。
【0016】これらの数値範囲は、後述する実施例で説
明するように実験に基づき規定したもので、すなわち、
下限以下では、分離効率が落ち、また上限を越えたとこ
ろに設定してもさほど効果が望めないことよりこの範囲
が妥当な範囲であるということで設定したものである。
【0017】第4番目の解決手段は、前示第1番目の解
決手段中の工程(5)において、浸出溶液より酸化チタ
ンを析出させるプロセスが、該溶液に金属チタン又は金
属Mgを少量添加して、Ti4+をTi3+に一旦還元処理し、次
いで加熱酸化して水和二酸化チタンとして析出すること
を特徴としているものである。
【0018】ここに、該溶液中のTi4+を一旦還元処理
し、次いで酸化処理する理由は、この液中に溶存してい
る4価イオンのチタンは、水溶性塩基性硫酸チタンTiO
・SO4として存在し、ここに酸化剤としてオゾンを吹き
こんでも、チタンの酸化物は析出せず、分離をしようと
すること自体が困難であるためである。
【0019】本発明は、これを解決するために、溶液の
pH、ORPを調整してTi4+を一旦Ti3+に還元し、その後、
溶液を加熱煮沸することにより、液中に溶存している酸
素によって酸化され、水和二酸化チタンが生成、析出す
る。
【0020】この場合、液中溶存酸素以外、酸化剤によ
って酸化する態様によっても反応を行うことができる。
その場合、使用する酸化剤は、特に制限はないが、オゾ
ンを含む空気を使用することができる。
【0021】第5番目の解決手段は、前記Ti4+をTi3+
還元処理する手段が、金属チタン又は金属Mgを所要量添
加して、溶液をpH;0.4〜1.0、ORP;−150〜
−250mVに調整して還元処理することを特徴とするも
のである。この場合、この二つの条件はチタンの品質、
回収率に直接影響を与えることから、重要な事項であ
る。すなわち、この範囲を逸脱すると、Tiの回収率、品
位が低下することより、充分に管理する必要がある。
【0022】本発明の第6番目の解決手段は、酸化鉄を
回収する工程を、濾液中に金属鉄を添加してFe3+をFe2+
に還元し、その後酸化還元電位とpHを調整して酸化処理
して酸化鉄(Fe23)として析出させるものである。
【0023】ここに、還元処理をしないで析出させよう
としても、水酸化物ゲルが生成するだけであり、目的と
するFe23が生成しない。また、pH、ORPにも十分配慮
をしないと、目的を達成することができない。
【0024】すなわち、第7番目の解決手段は、鉄を還
元し、その後酸化鉄として析出、分離、回収するにおい
て、その操作に必要なpH、及びORPの条件範囲を具体的
に示すものである。実験の結果、pH1.0〜2.0、OR
Pを−150mV〜−250mVに調整してFe3+をFe2+に還
元するものであり、その後、オゾンを吹き込んで、酸化
処理して酸化鉄を析出する工程が、溶液をORPを+40
0mV以上、pH3.0〜3.5に調整して酸化処理するも
のでなければ目的とする酸化鉄Fe23を析出することが
出来ない。
【0025】第8番目の解決手段は、対象とする原料に
ついて、原料としては特にチタン鉄鉱である態様を実施
の態様として含むことを指し、すなわち、解決すべき対
象について規定し、これを手段とするものである。
【0026】第9番目の解決手段は、さらに、対象とす
る原料について、チタンと鉄を含む含チタン鉱物原料
が、チタン鉄鉱にさらにルチル又はイルメノルチルより
なるチタン鉱物が随伴する含チタン鉱物原料である場合
を実施の態様として含むことをいうものである。これに
よって本発明は、イルメナイトのようなチタン鉄鉱以外
にも広くチタンを含む鉱物を原料として用いられ、発明
の対象、すなわち実施の対象としているものであること
を示しているものである。
【0027】
【発明の実施形態】本発明において原料とする含チタン
鉱物は、チタン鉄鉱は勿論、それ以外にも、例えばルチ
ルあるいはイルメノルチルを含んだ含チタン鉱物を使用
することが出来ることは前述したとおりである。しかし
ながら、ルチルのようなチタンに富んだ鉱物を随伴して
いるような場合には、この随伴する鉱物は、本発明処理
プロセスによらずともそのまま有効利用することができ
ることから、通常の選鉱手段で分離することが出来るな
らば、極力分離した方がよいことはいうまでもない。
【0028】また、本発明おいては、原料を粉砕し、微
粉炭あるいはこれに加えて食塩、塩化第2鉄等の塩化物
を混合し、団鉱化することを要件事項とするものである
が、ここに団鉱を作製する理由は、団鉱を作製しない場
合に比し、団鉱とした方が炉内での還元焙焼処理の円滑
化が確保され、効率良く還元焙焼が行われチタン、鉄の
浸出率を高めることができるからである。
【0029】団鉱の状態、大きさについては、特に制限
はない。ただ、微粉炭の燃焼による自生的還元性雰囲気
及び熱が試料全体に均一に作用するよう配慮する方がよ
いことはいうまでもない。換言すれば、炉内に装填した
とき、ガスの流れ、熱的分布の態様が局部的に偏る様な
ことのない状態、大きさが望ましい。
【0030】本発明を当業者が容易に理解し、且つ実施
しうるよう、以下に記載する一連の実験を行った。以
下、この実験を以て実施例とし、これに基づき本発明を
説明する。なお、この実験において用いた供試試料は、
豪州西海岸産Ilmenite精鉱を用いた。その主要構成成分
は、元素分析(wt%)結果、Ti29.72%、Fe 33.25%、Mg 0.0
4%、Ni 0.001% 、Cr0.07%、 Si0.12%であった。
【0031】また、供試試料を構成する鉱物組成は、X
線回折分析によって調べた結果、図1に示すとおりであ
った。すなわち、殆どIlmenite のみからなり、RuTile
の存在が認められない比較的品位の高いものであった。
ただし、この供試試料は、後述するように還元焙焼によ
って結晶の発達が見られるところから、還元焙焼処理前
のものは相対的に結晶性の良くないものであった、と判
断される。
【0032】
【実施例1】供試試料にSaxon vale炭(−200mesh)
(以下、炭材という)単味、それに所要量のNaClまたは
FeCl3を併用し、粘結剤を添加せずに水を加えてペレッ
ト化した。そのペレット約30〜40gを円筒形電気炉(イ
スズ製オープントップ型DKRO−14K型)に挿入して、装
置内の空気をArで置換後、950℃で2hr自生還元焙焼し
た。
【0033】焙焼後室温まで急冷し、直ちに真空デシケ
ーター中に保存した。浸出試験には、焙焼ペレット5g
を−200 meshに湿式摩砕して、100mlのイオン交換水で
パルプ化し、所要量の硫酸を添加して、浸出温度90〜98
℃に、浸出時間を10〜20 hrに変化した場合のFe及びTi
の浸出率との関係を調べた。さらに、水素還元焙焼のFe
及びTiの硫酸浸出特性をも比較検討した。また、回収し
たTiO2 精鉱及びFe2O3 精鉱のX線回折分析をおこなって
同定した。
【0034】その結果、10%の炭材単味を添加して、950
℃で2hr自生還元焙焼後、6.1mol/dm 3 H2SO4 初期濃度
で、97℃で15 hr浸出後500ml に希釈して70℃で30分間
解膠後、濾過することにより、Fe及びTiを97%浸出でき
ることが判明した。(なお、以後の実験はこの条件で行
った。)
【0035】その浸出濾液に所要量の金属マグネシウム
粉末を添加して、ORP(酸化還元電位)を−180 〜−200
mV、pH 0.4〜0.90に調整して、Ti4+ をTi3+に還元し、9
7〜98℃で2hr 加熱酸化してTiO2を回収した。
【0036】TiO2回収後の濾液は、そこに溶解している
成分はほとんどが鉄であるところから、酸化鉄として回
収すべく次のように操作した。すなわち、金属鉄粉を添
加して、ORPを−180〜−200 mVに調整し、Fe3+ をFe2+
に還元後、O3 を吹き込んでpH3.20〜3.30 、 ORP+450
〜+500mVとした。10分間その条件を保持してFe2O3
回収した。以上の工程を示すと、図2のとおりである。
以下、本発明の実施例は、この図に記載するプロセス、
及び操作要領に基づいて実施した。
【0037】
【実施例2】Ilmeniteに食塩2.5〜7.5%、炭材10.0%混合
して950℃で2hr焙焼後、6.1mol/dm3 H2SO4 、95℃で15hr
浸出した。その結果は、図3に示すとおりであった。す
なわち、NaClの添加量の増加につれて、Ti浸出率は若干
増大するが、Fe浸出率は殆ど変化なく、NaCl 7.5%添加
量でFe及びTiはそれぞれ、95%、94%が浸出されることが
判った。
【0038】
【実施例3】炭材10%にFeCl3 を2.5〜7.5%混合して焙焼
後、上述の浸出条件で浸出した。その結果は、図4 に
示すとおりであった。すなわち、Fe及びTi浸出率はそれ
ぞれ96%、93〜94%がえられることが判った。
【0039】
【実施例4】炭材のみを10%混合して自生還元焙焼後、
浸出時間を15hrとして浸出温度を変化させた。その結果
は、図5に示すとおりであった。すなわち、Ti 及びFe
浸出率は浸出温度に大きく依存し、97℃の高温浸出が必
要であり、Fe及びTi浸出率は共に97%が浸出されること
がわかった。
【0040】炭材単味10%を混合して自生還元焙焼後、
浸出温度を97℃として、浸出時間の影響を測定した。
その結果は、図6に示すとおりであった。すなわち、浸
出時間の延長につれ、Fe、Ti浸出率は著しく増大する
が、15hrの浸出でFe、Ti浸出率は共に97%に達し、
それ以上浸出時間を延長しても、それらの浸出率の上昇
は望めないことがわかった。
【0041】さらに、炭材単味10%を混合して950℃で2h
r自生還元焙焼後、浸出温度97℃、浸出時間15hr とし
て、初期硫酸濃度を変化させた場合の結果を図7に示
す。硫酸初期濃度がFe及びTi の浸出率に大きく影響を
及ぼすが、Ti浸出率を97%以上期待するためには、硫酸
初期濃度は6.1mol/dm3 が必要で、その場合のFe及びTi
浸出率はそれぞれ98%、97%となるが、一方、Si は8%が
浸出されるにすぎないことがわかった。
【0042】
【比較例】炭材10% 、食塩20%を混合して、950℃で2hr
水素を送気して、強還元焙焼をおこない、6.1mol/dm3 H
2SO4 で、浸出温度を95℃として、浸出時間を変化した
場合の結果を図8に示す。水素で強還元をおこなった場
合、後述する様に金属鉄とRutileが生成され、前者は
非空気曝気下では希硫酸による浸出が困難であり、ま
た、Rutileは希硫酸浸出ができないことに起因して、15
hr浸出しても、Fe及びTiの浸出率は、それぞれ87%、80%
にしか達しなかった。Tiが80%浸出されたため、浸出残
渣中のTiは20%程度となり、合成Rutileとするには低品
位である。
【0043】すなわち、この比較実験によって、本発明
による自生弱還元焙焼法が、硫酸浸出率に対して極めて
有効な手段であることを示しているものである。以上述
べた、各実験後の供試体試料について、すなわち水素
還元焙焼鉱、炭材単味、炭材と食塩及び炭材と塩
化第2鉄を併用した場合の各還元焙焼ペレットの鉱物組
成についてXRD分析をおこなった。
【0044】その結果は図9に示すとおりであった。す
なわち、、、の焙焼鉱の回折線は、何れも結晶性
のよいIlmenite の回折線のみが得られ、結晶子の粗大
化が認められるが他の鉱物の生成は認められなかった。
炭素は肉眼的には認められるが、無定型炭素のためかXR
Dでは認められない。水素還元焙焼鉱はIlumenite以外に
金属鉄及びRutileの回折線が認められ、と〜では
鉱物組成がかなり異なっていることがわかった。
【0045】しかしながら、これらの実験、試験のみか
らでは、本発明における弱還元焙焼が何故にFe及びTiの
浸出に対して極めて大きな影響を与えているかについ
て、合理的に説明しうるまでには至ってはいないが、い
ずれにしても、本発明による還元焙焼が、Ti、Feの浸出
に極めた効果があることは確かであり、その理由の如何
については、今後の研究に待つところ大である。
【0046】以下に記載する実施例5および実施例6
は、本発明のプロセス中、前段の原料の粉砕から始まっ
て硫酸溶液浸出処理操作までの工程を終えた後の、すな
わち、チタン、鉄を溶出している濾液からのチタンと鉄
の分離回収工程とその操作を示すものである。また得ら
れた、チタン、鉄分の製品としての利用価値、有効性を
評価するため、得られた酸化チタン、酸化鉄を焼成し、
得られた鉱物組成を同定した。
【0047】
【実施例5】硫酸浸出後得られた濾液中のTiは塩基性硫
酸チタンTiO・SO4、すなわち、Ti4+として溶存している
ので、加熱濃縮酸化してもTiO2 として沈殿回収はでき
ない。このためTi3+ に還元して、再度加熱酸化をおこ
なうことが必要であることは、前述したとおりである。
本実施例においては、還元剤として金属マグネシウムを
使用し、Mgによる還元処理後、該浸出液のpHの変化と、
チタンTi、鉄Feの回収率の関係について調査した。
【0048】その結果は、図10に示すとおりであっ
た。すなわち、Mgで還元した後、pHを0.4〜0.9の
範囲でTi、Feの挙動を調べた。この図から、97〜98
℃、酸化処理時間120分酸化処理を行った結果、Feが
析出(回収)せず、Tiのみが析出(回収)される領域が
あることがわかる。すなわち、pHを0.7の近傍に調節
することにより、Tiの回収率をそれほど落とすことな
く、Tiのみを選択的に回収しうる領域があることが確認
できた。
【0049】さらに、Mgによる還元処理後のpHを0.6
として上記条件で反復数回試験を行った結果の平均値を
表1に示す。すなわち、高品位のTiO2精鉱を91.9%
回収することができた。回収したTiO2精鉱を250℃で
17hr乾燥し(これを試料とする)、さらに800
℃で1hr焙焼した(これを試料とする)結果、各試料
のX線回折分析結果は、図11に示すとおりであった。
【0050】
【表1】Fe2O3 精鉱回収試験結果を示す表
【0051】の各回折線のd値はJCPDSのAnatase の
d値と完全に一致した。さらに、Anatase精鉱を800℃で
1hr空気存在下で焼成処理したでは結晶性が著しく発
達したRutileの回折線が数多く認められ、また、Anatas
eの回折線もシャープになり、結晶性が改善されてい
た。
【0052】なお、本実験では水和酸化チタンの沈降性
が良かったのでRutileを用いたseeding法によらなかっ
たが、実操業では、Anatase精鉱の一部を800℃に加熱し
て結晶性の良いRutileに変えて、水和酸化チタンを析出
させる時の種結晶にすることも本発明の実施態様に含ま
れる。
【0053】
【実施例6】本実施例は、TiO2精鉱回収後の濾液からFe
を回収する操作について言及するものである。操作目的
は、液中に溶解している鉄を酸化鉄(Fe23)として析
出させようとするものであるが、通常の方法では、濾過
性の悪いゲル状粒子Fe(OH)3が生成し、目的を達成する
ことができない。
【0054】このため、本発明では、該濾液に金属鉄粉
を添加して、ORPを−180mVとし、Fe3+ をFe2+に一旦
還元し、80℃に昇温して(O3 +O2) 混合ガス(0.91ml
/min O3)を吹き込み、最終ORPを+450mV〜+500
mV、最終pHを3.20〜3.30として、10分間その
条件を維持して酸化処理した。その結果、濾過特性にお
いても特に問題のないHematite精鉱として回収すること
ができた。
【0055】実験結果(平均値)を表2に示す。また、
回収Fe2O3精鉱( 250℃で17hr脱水乾燥後800℃で1hr焙
焼)のXRDチャートは図12に示す。その結果、シヤー
プな回折線のみから構成されており、極めて結晶性が良
く、各回折線のd値はJCPDSのHematiteのそれに完全に一
致しており、回収精鉱はHematite のみから構成されて
いた。また、表2から明らかな様に原料中に含まれてい
る中、そのほとんど(99.3%)を回収することができ
た。
【0056】
【表2】TiO2 (アナターゼ精鉱)回収試験結果を示す
【0057】以上の実施例及び実験結果を要約すると、
次のように結論づけることが出来る。すなわち(1)Il
menite精鉱に炭材単味を混合して、950℃で2hr 自生弱
還元することにより、金属が生成するような還元の事実
については、これを確認することはできなかった。この
処理によって、むしろ原料中のイルメナイト結晶の結晶
化が進んだことが裏付けられた。その還元焙焼したペレ
ットは、6.1mol/dm3H2SO4 、97〜98℃、15時間浸出す
ることにより、Fe及びTiを97%浸出できることが、確認
された。
【0058】(2)水素還元では金属鉄及びRutileの生
成が認められ、Fe及びTi浸出率は、石炭単味添加−自生
還元焙焼時より低く、浸出残渣中のTi品位も低かった。 (3)硫酸浸出液中のTi4+ は、Na0、Mg0、Ti0(それぞ
れの金属を意味する)とpH調整剤に基づき、pH0.6〜0.
7、ORP−180〜−200mVに調整することにより、Ti3+
還元され、その後97〜98℃に昇温して1〜2時間酸化する
ことにより、選択的に水和TiO2 として、沈殿回収でき
た。
【0059】(4)水和TiO2 は、250℃〜300℃程度の
低温脱水乾燥によりAnatase として回収でき、さらに、
800℃程度の焙焼により、Rutileへ再結晶化されること
が確認された。 (5)TiO2回収後の濾液中に鉄粉を添加して、Fe3+をFe
2+に還元後、オゾン酸化によりORPを+450〜+500mV、p
Hを3.20〜3.30に調整して、高純度磁性材料としての赤
鉄鉱精鉱を選択的に回収できた。
【0060】なお、本発明においては、含チタン鉱物原
料よりチタン及び鉄の分離操作にあたり、これら成分を
極力硫酸水溶液に浸出せしめるよう配慮することをねら
いとし、実施例に開示するところもこのねらい沿った条
件を開示したものではあるが、以下に記載する別の態様
による分離方法も実施の態様として考えられ、本発明
は、この態様も含むものである。すなわち、回収しよう
とする成分の中、一方の成分を純度の高い固体として回
収することも、本発明の実施態様に含まれるものであ
る。
【0061】例えば、Ilmenorutile、Ilmenite、Rutil
e、Staringite等の酸化チタンを含むチタン精鉱に対し
ては、微粉炭を1〜2%、食塩を10%添加して、自生
還元焙焼をおこない、希硫酸で浸出することにより、石
炭からの灰分の混入を少なくし、Feは98%以上、Tiは
50%浸出し、浸出液は上述方法によりTiO2、Fe2O3
して回収し、残りの浸出残渣は、TiO297%以上の高純
度ルチル(固体)として回収する態様も本発明の実施の
態様とするものである。
【0062】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明は、自生的還
元焙焼処理手段を講ずることによって、イルメナイト等
のチタン鉄鉱を含む含チタン鉱物を原料から、チタン、
鉄をほぼ完全に浸出することが出来たもので、従来希硫
酸溶液による浸出、溶出は困難とされてきたが、本発明
によって解決することが出来た点の意義は大きい。そし
て、浸出操作によって得られた浸出水溶液からチタン、
鉄を分離する操作も、比較的簡単であり、全プロセスを
通じて極めて高い回収効率を達成できたものであり、こ
れらの点においても大いに評価され、意義が認められる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用した出発含チタン鉱物原料のX線
回折図
【図2】本発明の分離工程を示すフローチャート
【図3】NaClの添加量と金属浸出率との関係を示す図
【図4】FeCl3 の点加量と金属浸出率との関係を示す図
【図5】浸出温度と金属浸出率との関係を示す図
【図6】浸出時間と金属浸出率との関係を示す図
【図7】硫酸添加量と金属浸出率との関係を示す図
【図8】浸出時間と金属浸出率との関係を示す図
【図9】各還元焙焼試料のX線回折図
【図10】pH値とTi及びFe析出率との関係を示す図
【図11】回収酸化チタン焼成前試料と焼成後試料X線
回折図
【図12】回収酸化鉄試料(ヘマタイト精鉱)のX線回
折図
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月13日(2001.11.
13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】さらにまた、硫酸処理による方法において
も、この方法における硫酸は濃硫酸であり、含チタン原
料を濃硫酸と接触させるものである。したがって、この
方法は、猛烈な発熱を伴う 極めて激しい処理であると
いうことができる等々、従来の技術は諸点においてそれ
ぞれ問題を抱えているものであった。換言すれば、チタ
ン鉄鉱を含むイルメナイト等々含チタン鉱物原料は、そ
の構成成分を分離するには、特有な困難を伴うものであ
った。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】そのための、本発明の第1番目の解決手段
は、チタンと鉄を含む含チタン鉱物原料からチタンと鉄
とを分離回収する方法において、(1)原料を粉砕し、
(2)粉砕原料に微粉炭又は微粉炭と食塩又は微粉炭と
塩化第2鉄又は微粉炭と他の塩化物を添加−混合−団鉱
し、(3)これを混合してなる微粉炭から自生的に発
生する弱還元ガス雰囲気の下、850〜950℃で還元
焙焼処理することからなる事前処理を施し、その後
(4)これを所定パルプ濃度で希硫酸溶液と接触処理
し、これによって含有されているチタンと鉄をほとんど
液相に溶出分離し、(5)この液相から先ず酸化チタン
を析出分離し、次いで(6)酸化鉄を析出分離する、以
上のプロセスよりなるものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】本発明を当業者が容易に理解し、且つ実施
しうるよう、以下に記載する一連の実験を行った。以
下、この実験を以て実施例とし、これに基づき本発明を
説明する。なお、この実験において用いた供試試料は、
豪州西海岸産Ilmenite精鉱を用いた。その主要構成成分
は、元素分析(wt%)結果、Ti 29.72%、Fe 33.25%、Mg
0.04%、Ni 0.001% 、Cr 0.07%、 Si 0.12%であった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】また、供試試料を構成する鉱物組成は、X
線回折分析によって調べた結果、図1に示すとおりであ
った。すなわち、殆どIlmenite のみからなり、Rutile
の存在が認められない比較的品位の高いものであった。
ただし、この供試試料は、後述するように還元焙焼によ
って結晶の発達が見られるところから、還元焙焼処理前
のものは相対的に結晶性の良くないものであった、と判
断される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】しかしながら、これらの実験、試験のみか
らでは、本発明における弱還元焙焼が何故にFe及びTiの
浸出に対して極めて大きな影響を与えているかについ
て、合理的に説明しうるまでには至ってはいないが、い
ずれにしても、本発明による還元焙焼が、Ti、Feの浸出
に極め効果があることは確かであり、その理由の如何
については、今後の研究に待つところ大である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】実験結果(平均値)を表2に示す。また、
回収Fe2O3精鉱( 250℃で17hr脱水乾燥後800℃で1hr焙
焼)のXRDチャートは図12に示す。その結果、シヤー
プな回折線のみから構成されており、極めて結晶性が良
く、各回折線のd値はJCPDSのHematiteのそれに完全に一
致しており、回収精鉱はHematite のみから構成されて
いた。また、表2から明らかな様に原料中に含まれてい
るFeのほとんど(99.3%)を回収することができた。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】なお、本発明においては、含チタン鉱物原
料よりチタン及び鉄の分離操作にあたり、これら成分を
極力硫酸水溶液に浸出せしめるよう配慮することをねら
いとし、実施例に開示するところもこのねらいに沿った
条件を開示したものではあるが、以下に記載する別の態
様による分離方法も実施の態様として考えられ、本発明
は、この態様も含むものである。すなわち、回収しよう
とする成分の中、一方の成分を純度の高い固体として回
収することも、本発明の実施態様に含まれるものであ
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用した出発含チタン鉱物原料のX線
回折図
【図2】本発明の分離工程を示すフローチャート
【図3】NaClの添加量と金属浸出率との関係を示す図
【図4】FeCl3添加量と金属浸出率との関係を示す図
【図5】浸出温度と金属浸出率との関係を示す図
【図6】浸出時間と金属浸出率との関係を示す図
【図7】硫酸添加量と金属浸出率との関係を示す図
【図8】浸出時間と金属浸出率との関係を示す図
【図9】各還元焙焼試料のX線回折図
【図10】pH値とTi及びFe析出率との関係を示す図
【図11】回収酸化チタン焼成前試料と焼成後試料X線
回折図
【図12】回収酸化鉄試料(ヘマタイト精鉱)のX線回
折図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22B 1/24 C22B 1/24 3/04 3/00 A 3/44 Q

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンと鉄を含む含チタン鉱物原料よりチ
    タンと鉄とを分離回収する方法において、(1)該原料
    を粉砕する工程、(2)粉砕原料に、微粉炭又は微粉炭
    と食塩又は微粉炭と塩化第2鉄又は微粉炭と他の塩化物
    を添加、混合し、団鉱化する工程、(3)得られた団鉱
    を、その中に含まれている微粉炭から自生的に発生する
    弱還元性ガス雰囲気下で、850〜950℃で還元焙焼
    処理する工程、(4)還元焙焼を終了後、焙焼処理団鉱
    を粉砕し、これを所定パルプ濃度で硫酸液と接触処理し
    て、チタンと鉄を浸出する工程、(5)浸出操作を終了
    後、濾別分離して得られた溶出溶液より先ず酸化チタン
    を析出し、これを濾別して酸化チタンを回収する工程、
    次いで(6)チタン分離後の濾液より鉄を酸化鉄として
    析出し、これを濾別して酸化鉄を回収する工程よりなる
    ことを特徴とするチタンと鉄を含む含チタン鉱物原料か
    らチタンと鉄とを分離回収する方法。
  2. 【請求項2】前記(2)の工程において、粉砕原料に対
    する微粉炭又は微粉炭と食塩又は微粉炭と塩化第2鉄又
    は微粉炭と他の塩化物の添加量が、各添加成分が10w
    t%以下であることを特徴とする請求項1記載のチタン
    と鉄を含む含チタン鉱物原料からチタンと鉄とを分離回
    収する方法。
  3. 【請求項3】前記(4)の工程におけるチタンと鉄とを
    浸出する条件が、パルプ濃度3〜10g/100ml、硫
    酸濃度5〜6mol/dm3、浸出処理温度90〜100℃で
    あることを特徴とする請求項1記載のチタンと鉄を含む
    含チタン鉱物原料からチタンと鉄とを分離回収する方
    法。
  4. 【請求項4】前記(5)の酸化チタンを析出させる工程
    が、該溶液に金属チタン又は金属Mgを少量添加して、溶
    液のpHとORPを調整することによってTi4+をTi3+に一旦
    還元処理し、次いで加熱酸化して水和二酸化チタンとし
    て析出することを特徴とする請求項1記載のチタンと鉄
    を含む含チタン鉱物原料からチタンと鉄とを分離回収す
    る方法。
  5. 【請求項5】前記Ti4+をTi3+ に還元処理する工程が、
    金属チタン又は金属Mgを少量添加して、溶液をpH;0.
    4〜1.0、酸化還元電位(以下ORPという);−15
    0〜−250mVに調整してTi4+をTi3+に還元処理するこ
    とを特徴とする請求項4記載のチタンと鉄を含む含チタ
    ン鉱物原料からチタンと鉄とを分離回収する方法。
  6. 【請求項6】前記(6)の酸化鉄を回収する工程が、濾
    液中に金属鉄を添加してFe3+をFe2+に還元し、その後OR
    PとpHを調整して酸化処理して酸化鉄(Fe2O3)として析
    出させる請求項1記載のチタンと鉄を含む含チタン鉱物
    原料からチタンと鉄とを分離回収する方法。
  7. 【請求項7】前記Fe3+をFe2+に還元処理する工程が、溶
    液中に金属鉄を添加して溶液をpH;1.0〜2.0、OR
    P;−150mV〜−250mVに調整してFe3+をFe2+に還
    元するものであり、その後、酸化処理して酸化鉄を析出
    する工程が、溶液をORP;+400mV以上、pH;3.0
    〜3.5に調整して酸化処理し、Fe2O3を析出するもの
    であることを特徴とする請求項6記載のチタンと鉄を含
    む含チタン鉱物原料からチタンと鉄とを分離回収する方
    法。
  8. 【請求項8】チタンと鉄を含む含チタン鉱物原料が、チ
    タン鉄鉱であることを特徴とする請求項1記載のチタン
    と鉄を含む含チタン鉱物原料からチタンと鉄とを分離回
    収する方法。
  9. 【請求項9】チタンと鉄を含む含チタン鉱物原料が、チ
    タン鉄鉱にさらにルチル又はイルメノルチルよりなるチ
    タン鉱物が随伴する含チタン鉱物原料であることを特徴
    とする請求項1記載のチタンと鉄を含む含チタン鉱物原
    料からチタンと鉄とを分離回収する方法。
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