JP2003105405A - 粉末冶金用混合粉末およびその粉末焼結製品 - Google Patents

粉末冶金用混合粉末およびその粉末焼結製品

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JP2003105405A JP2001302997A JP2001302997A JP2003105405A JP 2003105405 A JP2003105405 A JP 2003105405A JP 2001302997 A JP2001302997 A JP 2001302997A JP 2001302997 A JP2001302997 A JP 2001302997A JP 2003105405 A JP2003105405 A JP 2003105405A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 130℃レベルの予熱を行っても融解せず、
物性改善成分の偏析や飛散低減に効果的なバインダーを
見出し、成形作業性が良好で高密度な圧粉体を得ること
のできる粉末冶金用混合粉末を提供する。 【解決手段】 軟化点が145℃以上の石油樹脂および
/またはロジンエステルを物性改善成分の偏析防止のた
めに用いるバインダーとし、130℃レベルの予熱温度
では融解することが無く、粉末冶金用混合粉末の流動性
を失わないようにした。潤滑剤も、低融点のものと高融
点のもの両方を用いることで、特に温間成形の温度域で
優れた効果を発揮する混合粉末を提供することができ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温間成形法に適用
される粉末冶金用粉末に関し、特に黒鉛等の物性改善成
分の偏析を防止するバインダーと、潤滑性を良好にする
ための潤滑剤を含み、良好な特性の焼結体を得ることの
できる粉末冶金用混合粉末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄粉や鋼粉等の金属粉末を主原料として
用いる粉末冶金法においては、前記主原料粉末に焼結体
の物性(強度特性や加工特性)を改善するための成分と
して合金成分や黒鉛等の粉末を添加混合し、これに潤滑
剤を加えた後、圧縮成形して圧粉体を形成し、引き続き
圧粉体を焼結して製品焼結体としている。こうした粉末
冶金法において、物性改善成分を均一に混合することや
原料粉末を圧縮成形して圧粉体とする工程は、良好な特
性の焼結製品を得るという観点から重要である。
【0003】ところで原料粉末を圧縮成形するための温
度領域としては、一般的に3種類の温度領域が採用され
ている。すなわち、常温成形(常温での成形)、熱間成
形(金属粉末が成形時に加工硬化温度を超える温度での
成形)、および温間成形(常温成形と熱間成形の中間の
温度での成形)の3種類である。
【0004】これらのうち、常温を超える温度領域で圧
縮成形する場合は、金属の降伏応力が低下するので、低
い成形圧力でも圧粉体の密度や強度を向上させることが
できる。しかしながら、極めて高い温度領域で行われる
熱間圧縮成形では、比較的耐熱性に優れた熱間圧縮成形
用潤滑剤を使用したとしても、潤滑剤が劣化して潤滑機
能が低下してしまうため、金型の摩耗を促進するという
問題が生じてくる。
【0005】こうしたことから、常温成形温度を超え、
かつ熱間の温度領域ほど高温ではない温度領域(通常1
00〜150℃程度)で圧縮成形を行う温間圧縮成形
(以下、単に「温間成形」と呼ぶ)が注目されている。
この温間成形においては、通常、固体状でコロとして粉
末間に介在し、粉末同士を摺動し易くする固体潤滑剤
と、成形温度で液状化して粉末表面に潤滑液膜を形成
し、粉末同士の摩擦抵抗を下げる液体潤滑剤とを原料粉
末中に添加混合することで、圧粉体の製造を容易にして
いる。
【0006】ところで、原料粉末は金型で圧縮成形され
るまでホッパーに貯蔵されるが、原料粉末を金型へ充填
した後に成形温度まで昇温させると、昇温に要する時間
がかかることから、ホッパー内で成形温度と同じ温度に
原料粉末を予熱しておくことによって、成形サイクルの
短縮化が図られる。この予熱段階で潤滑剤が溶融してし
まうと、原料粉末がホッパーの壁面に付着したり、原料
粉末がブロッキングしたりブリッジを形成して粉末の流
動性が著しく低減し、金型への導入作業が困難になると
いう問題があった。また、圧縮成形後に金型から圧粉体
を抜き出す際、潤滑剤の性能が劣っていると、型壁が摩
耗したり、大きな音(抜出音)が発生して作業環境を悪
化させるという問題があった。
【0007】また、粉末冶金法においては、焼結体の物
性を改善するために、物性改善成分として、銅、ニッケ
ル、クロム、モリブデン等の合金元素や、黒鉛、燐、硫
黄等の無機質の粉末を添加することが多いが、通常、ベ
ースとなる金属粉末と物性改善成分の粉末もしくは潤滑
剤成分粉末の粒子サイズや比重等はかなり異なってい
る。例えばベース金属粉末が鉄粉や鋼粉であり、物性改
善成分粉末が黒鉛や燐である場合、これらの比重差は極
端に大きいため、混合後成形までの取り扱い過程でこれ
らが偏析を起こしやすく、ときには、飛散して必要量を
確保できなくなることがあった。その結果、焼結体の特
性や均質性が低下するため、改善が求められている。
【0008】これら潤滑剤や物性改善成分の偏析の問題
については、これまで様々な解決手段が講じられてき
た。例えば、特許第2593632号では、高温加圧成
形を目的とし、150℃〜260℃の融解範囲を持つ潤
滑剤として、硼酸や硫化モリブデン、ポリアミド系樹脂
等を用いると共に、物性改善成分の偏析を防止するため
に、セルロースエステル系樹脂、ヒドロキシアルキルセ
ルロース系樹脂、熱可塑性フェノール樹脂等の粘結剤を
使用することによって、鉄基粉末や合金粉末を取り囲む
膜を形成し、互いを接着させることで解決している。
【0009】また、本出願人は、特開平10−1402
07号公報として先に提示する如く、比較的低い温度領
域(200℃以下)での温間成形を目的とし、脂肪酸エ
ステルや炭化水素系ワックスを液体潤滑剤とし、またス
テアリン酸リチウムを固体潤滑剤として用いることで、
良好な潤滑性が得られることを明らかにした。そして、
物性改善成分の偏析を防止するためのバインダーとし
て、スチレンブタジエンゴムやエチレングリコールジス
テアレートを開示した。さらに、特開平10−2193
02号公報では、150〜220℃での温間成形を目的
とし、予熱温度の最大値よりも軟化点が低い液体潤滑剤
として酸化ポリエチレンを使用し、固体潤滑剤としてス
テアリン酸リチウムを用い、バインダーとしては、上記
スチレンブタジエンゴムやエチレングリコールジステア
レートを用いている。
【0010】しかし、これらの従来技術では、成形温度
を150℃以上に想定しているものもあるが、これらに
開示されている混合粉末では、使用するバインダーの種
類によっては、130℃レベルの予熱でバインダー自体
が融解してしまい、配管やホッパー等へ融着を生じた
り、流動性を喪失するという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、130℃
レベルの予熱を行っても融解せず、物性改善成分の偏析
防止や飛散防止に効果的なバインダーを見出し、成形作
業性が良好で高密度な圧粉体を得ることのできる粉末冶
金用混合粉末の提供を課題として掲げた。
【0012】
【課題を解決する手段】本発明の金属粉末、潤滑剤およ
びバインダーを含む粉末冶金用混合粉末において、該バ
インダーとして、軟化点が145℃以上の石油樹脂およ
び/またはロジンエステルが含まれていることを特徴と
しており、この粉末冶金用混合粉末には物性改善成分が
含まれていてもよい。
【0013】上記粉末冶金用混合粉末に含まれる潤滑剤
としては、(メタ)アクリル系架橋ポリマー粒子、複合
系ワックスまたは融点が145℃以上の金属石鹸のうち
1種以上と、融点が130℃以上の脂肪酸アミドとを含
むものが好ましく、上記(メタ)アクリル系架橋ポリマ
ー粒子としては、アルキル基の炭素数が1〜8個の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル(A)を主要モノマー
成分として構成され、メチルエチルケトンを用いて測定
されるゲル分率が5質量%以上で、かつ、平均粒子径が
1〜80μmであるものが好ましい。上記複合系ワック
スとしては、メラミン−シアヌル酸付加物(メラミン−
シアヌレート)等が挙げられる。また、上記金属石鹸と
しては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウ
ムおよびラウリン酸カルシウムよりなる群から選択され
る1種類以上が好適である。潤滑剤中の前記脂肪酸アミ
ドとしては、エチレンビスステアロアミド、エチレンビ
スラウリルアミド、メチレンビスステアロアミドよりな
る群から選択されるものが好ましく、また、潤滑剤10
0質量%中に占める該脂肪酸アミドの比率は20質量%
以上が好ましい。
【0014】そして本発明には、上記粉末冶金用混合粉
末を用いて製造された粉末焼結製品も含まれる。
【0015】なお、以下の説明において、「混合粉末」
とは、原料粉末、バインダーおよび潤滑剤を必須的に含
む粉末を指し、「原料粉末」とは、バインダーおよび潤
滑剤を含まない金属粉末と物性改善成分粉末との混合物
を指すものとする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明者らは、粉末冶金用混合粉
末中に通常含まれる物性改善成分の偏析を防止すること
のできるバインダーや、温間成形に好適な潤滑剤の組み
合わせについて様々な角度から検討した。その結果、潤
滑剤のみならず、バインダーについても130℃の予熱
温度では融解しない物を使用すれば、混合粉末が配管や
ホッパー内に融着することなく、流動性を維持できるこ
とを見出し、本発明を完成した。また、本発明の混合粉
末においては、温間成形法により圧粉体を得た後、公知
の方法で焼結しても希望する特性の焼結体を得ることが
できる。
【0017】本発明の粉末冶金用混合粉末は、金属粉末
と物性改善成分と、この物性改善成分の偏析を防止する
バインダーと、潤滑剤とを必須構成成分とする。
【0018】本発明に使用される金属粉末としては、ア
トマイズ鉄粉または還元鉄粉などの純鉄粉や、予め他の
元素を合金化した部分合金化粉や完全合金化粉等が挙げ
られる。
【0019】本発明で用いる原料粉末には、金属粉末の
他に、焼結体の物性を向上させる物性改善成分が含まれ
ている。物性改善成分としては、焼結品の物性を向上せ
しめ得るものであれば特に限定されないが、例えば、
銅、ニッケル、クロム、モリブデン等の合金元素や、黒
鉛や硫化マンガン等の無機成分の粉末等が挙げられる。
このような物性改善成分は金属粉末100質量%に対し
て、5質量%以下用いるのが好ましい。5質量%を超え
ると、それらも不純物となって、焼結体の物性改善効果
に比べて成形体強度を低下させるため好ましくない。よ
り好ましい物性改善成分の含量の上限は3質量%であ
り、より好ましい下限は0.2質量%である。
【0020】本発明の混合粉末中に含まれるバインダー
は、物性改善成分の偏析を防止し、最終目的物である焼
結体の物性を向上させるために必要な成分である。この
バインダーの軟化点は145℃以上であることが好まし
い。軟化点が145℃未満では、温間成形前の予熱段階
でバインダーが融解してしまい、配管やホッパー内部等
で粉末の固着が発生し、粉末の流動性が確保できなくな
るため好ましくない。より好ましい軟化点は150℃以
上であり、さらに好ましくは155℃以上、特に好まし
くは160℃以上である本発明において好適に使用され
るバインダーとしては、軟化点が145℃以上の石油樹
脂やロジンエステルが挙げられ、これらのうち1種類、
または2種類以上の混合物を用いることができる。
【0021】石油樹脂とは、石油系不飽和炭化水素を直
接原料とする樹脂のことで、具体的には、脂肪族系(C
5系)石油樹脂、芳香族系(C9系)石油樹脂、共重合系
(C 5/C9)石油樹脂、水添型やDCPD系(ジシクロ
ペンタジエン)の脂環族系石油樹脂などが挙げられる。
本発明では、上記した条件を満たすもののうち軟化点が
145℃以上のものを用いることが好ましく、例えば、
日本石油化学社製の「ネオポリマー」(C9系)が入手
可能である。
【0022】ロジンエステルは、ロジンをグリセリンや
ペンタエリスリトールのような多価アルコールでエステ
ル化することによって得られる。ロジンとしては、ガム
ロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジ
ン、不均化ロジン、重合ロジンや変性ロジン等が利用で
き、これらのグリセリンエステルや、ペンタエリスリト
ールエステル等のうち、軟化点が145℃以上のものを
用いるのが好ましい。このような条件を満たすものとし
て、例えば、荒川化学社製の「ペンセルKK」、「ペン
セルD−160」、「ペンセルPHB」等が入手可能で
ある。
【0023】一般的に、石油樹脂やロジンエステルは粘
着性物質として知られている。本発明において、鉄基粉
末と物性改善成分粉末の混合物に、バインダーを有機溶
媒に溶解させて滴下または噴霧すると、これらの表面に
バインダーを付着させることができる。このことによ
り、鉄基粉末と物性改善成分粉末が部分的に接着するた
め偏析が低減すると考えられる。
【0024】これら本発明で用いる上記バインダーは、
その平均分子量が1万程度以下の比較的低分子量のもの
が好ましい。なぜならば、圧粉体の成形工程において、
溶融物が低粘性で流出しやすく、また残存するバインダ
ーによるスプリングバックも無く高密度の圧粉成形体が
得られ易いからである。本発明のバインダーは、前述の
如く、温間成形に適したものであるが、常温成形用混合
粉末にも適用可能であり、それらも本発明の技術的範囲
に含まれる。
【0025】好ましいバインダーの添加量は混合粉末1
00質量%に対して、上限は0.5質量%であり、下限
は0.03質量%である。バインダーの添加量が0.0
3質量%未満では物性改善成分の偏析を防止することが
できない。また、0.5質量%を超えると、混合粉末の
流動性が得られないので好ましくない。より好ましい上
限は0.2質量%であり、より好ましい下限は0.05
質量%である。
【0026】本発明の粉末冶金用混合粉末に含まれる潤
滑剤として好ましいのは、金属石鹸、複合系ワックス、
架橋(メタ)アクリル酸アルキルエステルのうち1種以
上と脂肪酸アミドからなるものである。これらを併用す
ることで、混合粉末の流動性を失うことなく、また、成
形後、金型から取り出すときにも優れた潤滑性を発現す
る。
【0027】まず、金属石鹸は、融点が145℃以上で
あることが好ましい。融点が145℃未満であると、圧
縮成形前の予熱温度で潤滑剤が融解し、配管やホッパー
内部で粉末の固着が発生し、粉末の流動性が確保できな
くなるばかりでなく、温間成形工程で、固体潤滑剤とし
ての機能を果たし得なくなる。
【0028】上記金属石鹸の好ましい具体例としては、
ステアリン酸リチウム(融点:216℃)、ステアリン
酸カルシウム(融点:146℃)およびラウリン酸カル
シウム(融点:158℃)が挙げられる。これらはそれ
ぞれ単独で使用しても良いが、2種以上の混合物として
使用することが望ましい。また、ステアリン酸塩と同様
の性能を有する12ヒドロキシステアリン酸塩も本発明
の金属石鹸として使用できる。
【0029】融点が145℃以上の金属石鹸として、ス
テアリン酸バリウム(融点:220℃)やラウリン酸バ
リウム(融点:240℃)等もあるが、これらは焼結品
中に金属成分を残存させる可能性があり、焼結品として
の物性を低下させる恐れがあるので好ましくない。
【0030】潤滑剤100質量%中に占めるの金属石鹸
の比率は、4質量%以上、60質量%未満であることが
好ましい。金属石鹸の比率が4質量%未満では、十分な
潤滑性が得られ難くなり、抜出力も高くなるので好まし
くない。また、金属石鹸の比率が60質量%以上では、
成形体の密度が低下するので好ましくない。より好まし
くは、30質量%以上であり、さらに好ましくは50質
量%以上である。
【0031】上記複合系ワックスの具体例としては、メ
ラミン−シアヌル酸付加物が挙げられる。このメラミン
−シアヌル酸付加物は、高融点潤滑剤として用いること
ができる。
【0032】潤滑剤100質量%中に占めるの複合系ワ
ックスの比率は、4質量%以上、60質量%未満である
ことが好ましい。より好ましくは、30質量%以上であ
り、さらに好ましくは50質量%以上である。
【0033】次に、架橋(メタ)アクリル系ポリマー粒
子は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須構成
成分とする。(メタ)アクリル系ポリマーは、架橋して
も適度な塑性変形能を有しており、潤滑性能に優れてい
る。また、圧粉体形成後の焼結の際の加熱分解性も良好
で、有毒ガスが発生しない。
【0034】特に、アルキル基の炭素数が1〜8の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル(A)を使用すること
が好ましい。炭素数が9以上のアルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルでは、生成ポリマーの
粘着性が増大し、潤滑剤を原料粉末に添加した後に、ホ
ッパー内部等で粉末の固着が発生し、粉末の流動性が確
保できなくなるため好ましくない。
【0035】(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(A)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレ
ート、イソプロピルアクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−
ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アク
リレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を
混合して用いることができる。後述するTgの要件を満
足するように適宜選択することが好ましい。最も好まし
いのは、潤滑性の点で、メチルメタクリレート(MM
A)である。なお、MMAの未架橋のホモポリマーのT
gは105℃(ただし、重合方法や測定機器によって、
105〜130℃にばらつくことがある。)、軟化温度
(ビカット)は110〜140℃、融点は160℃近傍
である。
【0036】本発明で潤滑剤として用いられる架橋ポリ
マーは架橋していなければならないが、架橋度合いとし
ては、ゲル分率を目安とし、このゲル分率が5質量%以
上であるものが好ましい。ゲル分率が5質量%未満で
は、予熱によって架橋ポリマー粒子は粒子形状を失って
溶融流動し、混合粉末の固着の要因になるため好ましく
ない。5質量%以上のゲル分率を有する架橋ポリマー粒
子であれば、予熱されても粒子形状を維持できるため混
合粉末の固着といった不都合を起こすことはない。ま
た、架橋されているとは言え、ポリマー分子鎖は加熱に
よって動きやすくなるので、混合粉末の圧縮成形の際に
架橋ポリマー粒子が適度に塑性変形するため、潤滑性を
発揮して、成形後の型抜きの際の抜出力や抜出音を小さ
くすることができる。また、適度な塑性変形によって金
属粉間の空隙を減らして、圧粉体の密度を向上させ、焼
結体の強度向上にもつながるため好ましい。より好まし
いゲル分率は20質量%以上である。
【0037】ゲル分率の測定には、溶剤としてメチルエ
チルケトンを用いる。具体的には、精秤した所定量W1
の架橋ポリマー粒子をメチルエチルケトン中に入れ、2
5℃で20時間放置し、7μm以上の粒子が保留される
ガラスフィルターで濾過した後、濾液を(フィルター上
の残存物ではなく)加熱乾燥後、残留乾固物(架橋ポリ
マーのうちの溶解した分)の質量W2を測定して、10
0×(W1−W2)/W1をゲル分率(質量%)とした。
【0038】ゲル分率5質量%以上の架橋ポリマー粒子
を得るためには、前記(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル(A)にラジカル重合性不飽和基を2個以上有する
多官能モノマー(B)および/または架橋剤と反応し得
る官能基を1個以上有する官能基含有モノマー(C)を
共重合させる必要がある。
【0039】多官能モノマー(B)としては、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ポリオキシエチレンジ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多
官能(メタ)アクリレート類;ビニル(メタ)アクリレ
ート、アリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリ
ロイル基とビニル基・アリル基を有するモノマー類;ト
リメリット酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート
等のアリル基を2個以上有するモノマー類;ジビニルベ
ンゼン等の芳香族ジビニルモノマー類;ブタジエン、イ
ソプレン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエン
等のジエン類;エチリデンノルボルネン、ビニルシクロ
ヘキセン等の非共役ジエン類等が挙げられ、これらの1
種または2種以上を混合して用いることができる。
【0040】多官能モノマー(B)を用いる場合は、重
合するだけで架橋ポリマーが得られる。ただし、ジエン
類や非共役ジエン類は重合時に二重結合を両方とも反応
させることが難しい場合があるので、ベンゾイルパーオ
キサイド等の有機過酸化物、過酸化水素、アゾビスイソ
ブチロニトリル等のラジカル発生剤を、重合後にポリマ
ーに添加して、架橋反応を促進させることが好ましい。
添加方法は後述する。
【0041】官能基含有モノマー(C)の官能基として
は、エポキシ基、カルボキシル基(または酸無水物
基)、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基等が挙げら
れる。官能基含有モノマー(C)の具体例としては、グ
リシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシジシ
クロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ
基含有モノマー類;(メタ)アクリル酸、無水マレイン
酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基(または
酸無水物基)含有モノマー類;2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー類;
2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプ
ロピル(メタ)アクリレート、N−2−アミノエチル
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド等の
アミノ基またはアミド基含有モノマー類等が挙げられ
る。
【0042】官能基モノマー(C)は、1分子中に官能
基を2個以上有する架橋剤と併用される。ポリマーがエ
ポキシ基を有する場合は、エチレンジアミン等の脂肪族
ジアミン類;m−キシレンジアミン、メタフェニレンジ
アミン等の芳香族ジアミン類;ヘキサメトキシメラミン
等のメラミン化合物等が、架橋剤として使用可能であ
る。ポリマーがカルボキシル基(酸無水物基)を有する
場合は、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、イソシアヌレート変性トルエンジイソシアネ
ート等のポリイソシアネート化合物;アルミニウム、錫
等の金属にアセチルアセトン、アセト酢酸メチル等が配
位した金属キレート化合物等が、架橋剤として使用可能
である。ポリマーがヒドロキシル基を有する場合は、上
記メラミン化合物、上記ポリイソシアネート化合物、カ
ルボジイミド(R−N=C=N−)基を有するポリカル
ボジイミド化合物等が架橋剤として使用可能である。ポ
リマーがアミノ基またはアミド基を有する場合には、ビ
スフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹
脂等のエポキシ樹脂;ソルビトールポリグリシジルエー
テル等のポリエポキシ化合物;上記ポリイソシアネート
化合物等が架橋剤として利用可能である。架橋剤の添加
方法は後述する。
【0043】架橋ポリマー粒子を得るためのモノマーと
しては、これまで述べた(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル(A)と、多官能モノマー(B)および/または
官能基モノマー(C)以外に、その他のモノマー(D)
として、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、アクリロニトリル等を使用しても良
い。
【0044】架橋ポリマー粒子を得るための全モノマー
を100質量%としたとき、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル(A)は合計で50質量%以上とすることが
好ましい。50質量%より少ないと、潤滑特性があまり
発揮されないことがある。より好ましくは、80質量%
以上である。ただし、あまり多いと、架橋に関与する多
官能モノマー(B)や官能基モノマー(C)の量が少な
くなって、ゲル分率5質量%以上という要件を満足でき
なくなるので、99質量%以下に抑えることが好まし
い。
【0045】多官能モノマー(B)を使用する場合は、
ゲル分率を5質量%以上にするために多官能モノマー
(B)を、全モノマー中、1質量%以上使用することが
好ましいが、多過ぎると重合中にゲル化してしまうこと
があるので、10質量%以下に抑えることが好ましい。
より好ましくは3〜8質量%である。また、官能基モノ
マー(C)は1質量%以上使用することが好ましく、2
質量%以上がより好ましい。官能基モノマー(C)の好
ましい上限は、特に限定されない。反応相手の架橋剤の
量で架橋量を調節できるためである。ただし、官能基モ
ノマー(C)が多過ぎると温間成形温度で粒子が硬くな
り過ぎて、潤滑効果が劣るため、30質量%以下にする
ことが好ましい。
【0046】架橋ポリマーは、ガラス転移温度(Tg)
が70℃以上であることが好ましい。Tgが70℃以上
になるように、上記各種モノマー(A)〜(D)を適宜
選択することが推奨される。各種モノマーのホモポリマ
ーのTgと質量分率とから、生成ポリマーのTgが算出
できる公知の式を参考にするとよい。ポリマーのTgが
70℃よりも低いと、温間成形の際にポリマー粒子の形
状が維持できず、粘着性を示して原料粉末の固着・凝集
を引き起こすため好ましくない。また、潤滑性能も低い
ものとなる。75℃以上がより好ましい。一方、ポリマ
ーの架橋度合いがかなり進むと、例えばDSC(示差操
作熱量計)で測定したときに、DSC曲線のベースライ
ンが明確な変曲点を示さず、実質的にTgおよび融解点
を示さなくなるが、このような架橋ポリマーも、本発明
の潤滑剤として有用である。
【0047】ポリマーの重合方法としては、特に限定さ
れないが、粒状物が容易に得られる乳化重合、シード乳
化重合、懸濁重合、乳懸濁重合、マイクロ懸濁重合等の
重合方法を用いることが好ましい。乳化重合やシード乳
化重合では、過硫酸アンモニウム等の公知の水溶性重合
開始剤とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の公
知の乳化剤を用い、懸濁重合では、ベンゾイルパーオキ
サイドやアゾビスイソブチロニトリル等の公知の油溶性
開始剤と、ポリビニルアルコールや燐酸塩等の分散剤を
用いて、通常の条件で重合することにより、水媒体にポ
リマー粒子(一次粒子)が分散した水分散体が得られ
る。公知のコアシェル重合法で1段目と2段目のモノマ
ー組成を変えて、コアを架橋度の高いポリマー、シェル
を架橋度の低いポリマーのコアシェル粒子としてもよ
い。また、中空粒子であっても構わない。
【0048】乳化剤あるいは分散剤の種類や量、撹拌状
態を適宜選択することにより、粒子の大きさをコントロ
ールできるが、大体一次粒子は0.05〜1μm程度で
ある。本発明では、平均粒径1〜80μmの架橋ポリマ
ー粒子を潤滑剤として使用するものであるから、一次粒
子のままでは小さ過ぎる場合がある。このため、重合後
に、得られた水分散体を、凝固乾燥、噴霧乾燥、気流乾
燥、流動床乾燥、凍結乾燥法等で乾燥する際に、二次凝
集粒子を作るとよい。特に、一次粒子がある程度融着し
て一次粒子の形状がはっきりと観察できないような凝集
粒子が、凝集状態の保持強度が高く、好ましく用いられ
る。このような凝集粒子を得るには、乾燥段階でポリマ
ーのTg以上の温度で加熱するとよく、この点で、噴霧
乾燥、気流乾燥、流動床乾燥法の採用が推奨される。こ
のようにして得られる架橋ポリマー粒子は、温間成形用
の混合粉末を調整する際の機械的混合時に加えられる力
によっても、一次粒子に戻らない強度を有している。一
次粒子各々の形状が明確に観察できるような状態の二次
粒子では、容易に崩れてすぐ一次粒子に戻ってしまうた
め好ましくない。
【0049】架橋ポリマー粒子の形状は、真球状に限ら
れず、凹凸があっても、金平糖のように突部を有するも
のであっても良い。架橋ポリマー粒子の平均粒径が1μ
mより小さいと潤滑性・流動性が発揮されず、また、原
料粉末の固着を引き起こすことがある。80μmを超え
ると大き過ぎて圧粉体の密度や焼結体の強度の低下を招
くため好ましくない。乾燥後に篩にかけて大粒径のもの
を除くとよい。なお、「平均粒径」とは、レーザー回折
散乱式粒度分布測定器等を用いて測定したときに、質量
分布で50%の積算値になる粒径を意味する。
【0050】前記した官能基モノマー(C)を用いてポ
リマーを合成する場合、架橋剤と反応させて架橋させる
必要があるが、用いた官能基モノマー(C)の官能基と
反応することのできる官能基を2個以上有する前記した
架橋剤を、重合が終了した段階で、ポリマーの水分散体
に添加して反応させるとよい。また、ポリマー乾燥後
に、架橋剤をそのままで、または水や有機溶剤等に架橋
剤を溶解または分散させた状態で、ポリマー粉末と混合
して、架橋反応させることもできる。架橋反応条件は、
架橋剤の種類に応じて適宜選択すればよい。ジエン類や
非共役ジエン類を多官能モノマー(B)として用いた場
合の架橋促進のためのラジカル発生剤の添加手段も、上
記と同様に行うとよい。
【0051】本発明で潤滑剤として用いることのできる
(メタ)アクリル系架橋ポリマー粒子は、ゲル分率が5
質量%以上の架橋ポリマー粒子からなるが、粒子全てが
ゲル分率5質量%以上の架橋粒子である必要はなく、一
定量の架橋ポリマー粒子を採ってゲル分率を前記方法に
よって測定したときに、5質量%以上示せばよい。この
意味で、これまで説明した方法で架橋ポリマー粒子を得
ると共に、未架橋のポリマー粒子を別途製造して、両者
を混合し、ゲル分率5質量%以上になるように調整した
ものも、本発明の潤滑剤として使用可能である。ただ
し、未架橋のポリマー粒子は50質量%以下とすること
が好ましい。予熱・成形時の原料粉末の固着防止のため
である。
【0052】潤滑剤100質量%中の(メタ)アクリル
系架橋ポリマー粒子の比率は4質量%以上、60質量%
未満であることが好ましい。(メタ)アクリル系架橋ポ
リマー粒子の比率が4質量%未満であると、十分な潤滑
性が得られず、圧縮成形後に、金型から圧粉体を抜き出
す際、型壁が磨耗したり、抜出音や抜出力が高くなり好
ましくない。また、60質量%以上であると、圧粉体密
度が低下して焼結製品の機械的強度が低下する。より好
ましくは、10質量%以上であり、さらに好ましくは3
0質量%以上である。
【0053】脂肪酸アミドは、本発明の粉末冶金用混合
粉末において、低融点潤滑剤として用いるため、その融
点が130℃以上であることが好ましい。本発明の脂肪
酸アミドとして好ましいのは、エチレンビスステアロア
ミド、エチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステ
アロアミドであり、これらを単独で、または2種類以上
を混合して用いることができる。
【0054】潤滑剤100質量%中の脂肪酸アミドの比
率は20質量%以上であることが好ましい。脂肪酸アミ
ドの比率が20質量%未満であると、十分な潤滑性が得
られず、抜出力が高くなり好ましくない。
【0055】本発明の粉末冶金用混合粉末100質量%
に含まれる潤滑剤の添加量は、冶金用原料粉末に対し
て、上限が0.8質量%であり、下限は0.05質量%
であることが好ましい。上限が0.8質量%以上である
と、圧粉体の密度が低下して焼結製品の機械的強度が低
下し、下限が0.05質量%未満であると、良好な潤滑
性が得られず好ましくない。より好ましくは上限が0.
7質量%、下限が0.1質量%である。
【0056】本発明の粉末冶金用混合粉末は、温間成形
または常温成形等において適当な温度で圧粉体に成形さ
れ、その後、脱ろう工程、焼結工程を経て製品となる。
【0057】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することはすべて
本発明の技術範囲に包含される。なお、「部」、「%」
は特に断らない限り質量基準であり、各物性値は以下の
方法で測定した。
【0058】[黒鉛飛散率(%)(図2)]ニュークリ
ポアフィルター1(網目12μm)を取付けた漏斗状ガ
ラス管2(内径:16mm、高さ:106mm)を使用
し、試料粉末P(25g)を入れて下方からN2ガスを
0.8リットル/分の速度で20分間流し、次式より黒
鉛飛散率(%)を求めた。 黒鉛飛散率=[1−N2ガス流通後黒鉛量/N2ガス流通
前黒鉛量]×100
【0059】[流動性(sec/50g)]JIS Z
2502(金属粉の流動度試験法)に準じ、2.63
mmφのオリフィスを50gの粉末が流れ出るまでの時
間を混合粉末流動性(sec/50g)とした。
【0060】[圧粉体密度(g/cm3)]得られた圧
粉体の質量を測定し、体積で除した値(g/cm3)を
示した。
【0061】[抜出力(MPa)]加熱圧縮成形後に金
型から圧粉体を抜き出す際の力を、金型と圧粉体との接
触面積で除した値(MPa)を示した。
【0062】[粉末固着]混合粉末を130℃で12時
間保持し、粉末が固化するか否かを目視で観察した。
【0063】[見かけ密度(g/cm3)]JIS Z
2504(金属粉の見掛密度試験法)に準じて行っ
た。
【0064】実験番号1 ベース金属粉末として高圧縮性鉄粉(神戸製鋼所製;商
品名「アトメル4800DFC」;粒径180μm以
下)100部を、物性改善成分として黒鉛粉末0.8部
を用い、これらを混合して、原料粉末を調整した。
【0065】この原料粉末を、図1(フロー図)に示す
ように、攪拌翼付ミキサーによって、高速攪拌しつつ、
所定量(鉄粉100部に対して、バインダー0.15
部)のバインダー溶液(ロジンエステル(荒川化学社
製;商品名「ペンセルKK」、軟化点;165℃)8%
トルエン溶液)を滴下または噴霧した。さらに、約5分
間強攪拌した後、緩やかな攪拌に切り替えて、所定時間
減圧雰囲気下で溶媒を留去し、乾燥した。その後、この
乾燥粉末の一部をサンプリングして黒鉛飛散率を測定し
た。さらに、この乾燥粉末に潤滑剤として、ステアリン
酸リチウム0.2部、エチレンビスステアロアミド0.
4部を混合し、粉末冶金用混合粉末を調整した。この混
合粉末の流動性、粉末固着の有無についても調べた。
【0066】得られた混合粉末を用いて、粉末圧縮成形
機で、成形圧力を686MPa、成形温度を130℃と
し、外径:30mm、内径:10mm、高さ:10mm
の圧粉体を成形し、抜出力および得られた圧粉体の密度
を調べた。また、表1および3に、配合組成、物性評価
結果を示した。
【0067】実験番号2 バインダー溶液として、前記したロジンエステルの8%
トルエン溶液の代わりに、石油樹脂(日本石油化学製;
商品名「ネオポリマー170S」、軟化点;162℃)
8%トルエン溶液を用いた以外は、実験番号1と同様に
して、粉末冶金用混合粉末を調整した。その組成、評価
結果を表1および3に示した。
【0068】実験番号3〜7 ステアリン酸リチウムの代わりに、架橋PMMA粒子
(ゲル分率95質量%、平均粒子径20μm)(実験番
号3)、ステアリン酸カルシウム(実験番号4)、ラウ
リン酸カルシウム(実験番号5)、架橋PMMA粒子
(ゲル分率95質量%、平均粒子径20μm)/ステア
リン酸リチウム=1:1混合品(実験番号6)、メラミ
ン−シアヌル酸付加物(実験番号7)を用いた以外は、
実験番号1と同様にして、粉末冶金用混合粉末を調整し
た。その組成、評価結果を表1および3に示した。
【0069】実験番号8、9 エチレンビスステアロアミドの代わりに、エチレンビス
ラウリルアミド(実験番号8)、メチレンビスステアロ
アミド(実験番号9)を用いた以外は、実験番号1と同
様にして、粉末冶金用混合粉末を調整した。その組成、
評価結果を表1および3に示した。
【0070】実験番号10、実験番号16 ステアリン酸リチウム/エチレンビスステアロアミドの
配合量をそれぞれ、0.4部/0.2部(実験番号1
0)、0.5部/0.1部(実験番号16)とした以外
は、実験番号1と同様にして、粉末冶金用混合粉末を調
整した。その組成、評価結果を表1、2および3に示し
た。
【0071】実験番号11、12 バインダー溶液として、実験番号11では、前記ロジン
エステル8%トルエン溶液の代わりに、ロジンエステル
(荒川化学社製;商品名「ペンセルD−125」、軟化
点;125℃)8%トルエン溶液を用い、実験番号12
では、石油樹脂(日本石油化学製;商品名「ネオポリマ
−120」、軟化点;120℃)8%トルエン溶液を用
いた以外は、実験番号1と同様にして、粉末冶金用混合
粉末を調整した。その組成、評価結果を表2および3に
示した。
【0072】実験番号13 比較例として、バインダーを添加せず、それ以外は実験
番号1と同様にして粉末冶金用混合粉末を調整した。そ
の組成、評価結果を表2および3に示した。
【0073】実験番号14、15 実験番号14では、ステアリン酸リチウムの代わりにス
テアリン酸亜鉛を使用し、実験番号15では、エチレン
ビスステアロアミドの代わりにオレイン酸アミドを使用
した以外は、実験番号1と同様にして、粉末冶金用混合
粉末を調整した。その組成、評価結果を表2および3に
示した。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】本発明で定める条件を満たしている実験番
号1〜10で得られた混合粉末は、黒鉛飛散率が小さ
く、流動性が高い。また、本発明により得られた成形体
は、抜出力が小さく、圧粉体密度が高く、粉末固着も生
じない圧粉体であった。しかし、バインダーの軟化点の
低い実験番号11、12では、130℃の加熱で粉末が
金型に融着し、使用上問題があった。また、潤滑剤の軟
化点が低い実験番号14、15は、130℃の加熱で粉
末が金型に融着するとともに、成形時潤滑不足となるた
め、抜出力が大きく、金型かじりの原因となる。そし
て、バインダーを含まない実験番号13は、黒鉛飛散率
が高く、物性改善成分の偏析や飛散を防ぐことができな
かった。実験番号16は、低融点潤滑剤が少ないため、
少し潤滑不足となり、抜出力がやや大きくなる。
【0078】実験番号17 常温成形に用いる混合粉末の実施例として、ベース金属
粉末に、鉄粉(神戸製鋼所製、商品名「アトメル300
M」:粒径180μm以下)100部を、物性改善成分
として銅粉2部、および黒鉛粉末0.8部を用い、これ
らを混合して、原料粉末を調整した。
【0079】この粉末原料を、図1(フロー図)に示す
ように、攪拌翼付ミキサーによって高速攪拌しつつ、所
定量(鉄粉100部に対して、バインダー0.15部)
のバインダー溶液(ロジンエステル(荒川化学社製;商
品名「ペンセルKK」、軟化点;165℃)8%トルエ
ン溶液)を滴下または噴霧した。さらに、約5分間強攪
拌した後、穏やかな攪拌に切り替えて所定時間乾燥し、
溶媒を除去した。その後、この乾燥粉末を一部サンプリ
ングして黒鉛飛散率測定した。なお、上記ロジンエステ
ル溶液は、固体のロジンエステルと液体のトルエンを別
々に添加しても、同様の乾燥粉末が得られることを確認
している。
【0080】さらに、この乾燥粉末に潤滑剤として、ス
テアリン酸亜鉛0.75部加えて約2分間攪拌し、粉末
冶金用混合粉末を調製した。この混合粉末の流動性、見
掛け密度、粉末固着の有無についても調べた。
【0081】得られた混合粉末を用いて、粉末圧縮成形
機で、成形圧力を490MPa(5t/cm2)、成形
は常温で行い、外径:25mm、高さ:15mmの圧粉
体を成形し、抜出力および得られた圧粉体の密度を調べ
た。また、表4および5に、配合組成、物性評価結果を
示した。
【0082】実験番号18 バインダー溶液として、前記したロジンエステルの8%
トルエン溶液の代わりに、石油樹脂(日本石油化学製;
商品名「ネオポリマー170S」、軟化点;162℃)
8%トルエン溶液を用いた以外は、実験番号17と同様
にして、粉末冶金用混合粉末を調整した。その組成、評
価結果を表4および5に示した。
【0083】実験番号19 ステアリン酸亜鉛の代わりに、エチレンビスステアロア
ミドを用いた以外は、実験番号17と同様にして粉末冶
金用混合粉末を調製した。その組成、評価結果を表4お
よび5に示した。
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】実験番号17〜19で得られた混合粉末
は、常温成形時においても、物性改善成分の偏析や飛散
を効果的に低減し、その成形体は、高密度で優れた物性
を示す圧粉体であった。
【0087】
【発明の効果】本発明では、高軟化点のバインダーとし
て、石油樹脂および/またはロジンエステルを用いたの
で、粉末冶金用混合粉末は、130℃の予熱時に、配管
やホッパーへの融着がなく、流動性を失わない。さら
に、これらのバインダーは、比較的低分子量であるた
め、成形時において、溶融物は低粘度で流出しやすく、
また残存するバインダーによるスプリングバックもな
く、物性改善成分の偏析や飛散を効果的に低減できるた
め、高密度で物性に優れた圧粉体を成形作業性良好に得
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実験法を示すフロー図である。
【図2】 黒鉛飛散率の測定に用いた実験装置の概略断
面図である。
【符号の説明】
1 ニュークリポアフィルター 2 漏斗状ガラス管 P 試料粉末

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末、潤滑剤およびバインダーを含
    む粉末冶金用混合粉末において、 前記バインダーとして、軟化点が145℃以上の石油樹
    脂および/またはロジンエステルが含まれていることを
    特徴する粉末冶金用混合粉末。
  2. 【請求項2】 他の成分として、物性改善成分を含むも
    のである請求項1に記載の粉末冶金用混合粉末。
  3. 【請求項3】 前記潤滑剤が、(メタ)アクリル系架橋
    ポリマー粒子、複合系ワックスまたは融点が145℃以
    上の金属石鹸のうち1種以上と、融点130℃以上の脂
    肪酸アミドとを含むものである請求項1または2に記載
    の粉末冶金用混合粉末。
  4. 【請求項4】 上記(メタ)アクリル系架橋ポリマー粒
    子が、アルキル基の炭素数が1〜8個の(メタ)アクリ
    ル酸アルキルエステル(A)を主要モノマー成分として
    構成されており、メチルエチルケトンを用いて測定され
    るゲル分率が5質量%以上で、かつ、平均粒子径が1〜
    80μmである請求項3に記載の粉末冶金用混合粉末。
  5. 【請求項5】 上記金属石鹸が、ステアリン酸リチウ
    ム、ステアリン酸カルシウムおよびラウリン酸カルシウ
    ムよりなる群から選択される1種以上である請求項3ま
    たは4に記載の粉末冶金用混合粉末。
  6. 【請求項6】 前記脂肪酸アミドが、エチレンビスステ
    アロアミド、エチレンビスラウリルアミド、メチレンビ
    スステアロアミドよりなる群から選択される1種以上で
    ある請求項3〜5のいずれかに記載の粉末冶金用混合粉
    末。
  7. 【請求項7】 潤滑剤100質量%中に占める脂肪酸ア
    ミドの比率が20質量%以上である請求項3〜6のいず
    れかに記載の粉末冶金用混合粉末。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の粉末冶
    金用混合粉末を用いて製造した粉末焼結製品。
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