JP2003103714A - オフセット印刷性良好な耐水性シート - Google Patents

オフセット印刷性良好な耐水性シート

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 印面の耐摩擦性、インキ乾燥性、印面品質
等、オフセット印刷にあたって実用上必要とされる諸特
性に優れた耐水性シートを提供する。 【解決手段】 シートの一方もしくは両方の最外層とし
て熱可塑性樹脂層を有する積層シート(例えば複合紙)
の少なくとも一方の表面、又は、熱可塑性樹脂からなる
シート(例えば合成紙)の少なくとも一方の表面に、数
平均分子量60〜90万の高分子シリコーンを含む塗工
層を設ける。塗工層上に印刷がされると、塗工層に配合
された高分子シリコーンが印刷されたインキの表面に移
行し、インキ表面を保護するため、合成紙専用インキを
使用しなくとも、摩擦に強い印刷面が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、オフセット印刷
に適した耐水性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、耐水性シートとしては、紙基材等
に無機充填剤を含有する熱可塑性樹脂をラミネートした
複合紙タイプのもの、熱可塑性樹脂に無機充填剤や発泡
剤を練り込んで延伸した合成紙タイプのものが知られ、
ポスター、ラベル、配送伝票、冷凍・冷蔵食品の包装
等、耐水性が要求される各種分野で用いられている。
【0003】しかし、これらの耐水性シートは、そのま
までは表面にインキが殆ど染込まない。従って、これを
オフセット印刷に用いた場合、印刷されたインキはシー
ト表面に滞留してそのまま乾燥し、そのため、印刷後の
シートを擦ったりすると、乾燥したインキがシート表面
から剥がれ落ちたり、シート表面で砕けて印刷面を汚し
たりすることとなる。
【0004】かかるトラブルを防止する方法の一つとし
て、シート表面に、より強固にインキ層を形成すること
が考えられる。例えば、市販の合成紙専用インキは、不
飽和結合を多く含む植物油を主体とした溶剤を用い、酸
化重合によってインキを固化させることで、シート表面
のインキ層を強固なものとする。この合成紙専用インキ
は、合成紙のみならず複合紙にも用いることができ、こ
れを用いれば、摩擦によっても消えたり汚れたりしな
い、優れた印刷面を得ることができる。一方、このイン
キは完全に固化するまでに非常に長い時間がかかり、印
刷後、次工程に送るまでの待機時間を長く取らなければ
ならない。この時間が不十分であると、印刷後のシート
を積重ねて保存した場合に、シート表面のインキが、そ
の上に積重ねられたシートの裏面に転移するという問題
(裏付き)が発生する。また、このようなインキは、空
気中の酸素と反応して固化するため、印刷中に固化が始
まって印刷インキの粘度が上昇し、印刷機の安定的な操
業を妨げることもある。
【0005】そこで、耐水性シートのオフセット印刷性
改良方法のもう一つとして、シート表面に無機顔料等の
塗工層(インキ受理層)を設け、これにインキを吸収さ
せることが考えられる。この方法であれば、一般のコー
ト紙用に従来から汎用されているオフセット印刷用イン
キを用いて、耐摩擦性に優れた印刷面を得ることができ
る。しかし、印刷されたインキをかかる塗工層に十分吸
収させて、塗工層表面に滞留させないようにするために
は、通常、少なくとも15g/m2以上の塗工層を設け
なければならず、生産性・経済性が悪い。しかも、この
塗工層は、複合紙にしても合成紙にしても、熱可塑性樹
脂の表面に設けられることになるため、それ自体の表面
強度も弱く、また、熱可塑性樹脂表面から脱離しやす
い。このため、こうして得られた耐水性シートは、印刷
面の耐摩擦性は向上していても、全体としてオフセット
印刷性に優れているとは言い難いものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまで、複合紙や合
成紙等の耐水性シートに良好なオフセット印刷性を付与
する試みは種々行われてきたが、実用上、満足のいく結
果は未だに得られていない。本願発明はかかる問題点を
踏まえ、インキ乾燥性、耐摩擦性を始めとする、オフセ
ット印刷にあたって実用上必要とされる諸特性に優れた
耐水性シートを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは鋭意研究
の結果、複合紙や合成紙の表面に、特定の分子量を有す
る高分子シリコーンを含む塗工層を設けることで、上記
課題が解決できることを見出し、本願発明を完成した。
【0008】即ち、本願発明は、シートの一方もしくは
両方の最外層として熱可塑性樹脂層を有する積層シート
の、少なくとも一方の該熱可塑性樹脂層表面に、数平均
分子量60〜90万の高分子シリコーンを含む塗工層を
設けたことを特徴とする耐水性シート、又は、熱可塑性
樹脂からなるシートの、少なくとも一方の表面に、数平
均分子量60〜90万の高分子シリコーンを含む塗工層
を設けたことを特徴とする耐水性シートに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本願発明において塗工層を設ける
積層シートは、シートの一方又は両方の最外層として熱
可塑性樹脂層を有するものであればどのようなものであ
ってもよい。即ち、シートの一方の最外層が熱可塑性樹
脂層であれば、シートの他方は基材が露出していても、
熱可塑性樹脂層が積層されていても、どちらでも構わな
い。シートの両方の最外層として熱可塑性樹脂層を有す
る場合には、これらの層が、それぞれ異なる種類・組成
の熱可塑性樹脂で形成されていても構わない。なお、か
かる基材と最外層の熱可塑性樹脂層との間に、他の層が
存在していても構わない。
【0010】例えば、本願発明の積層シートは、熱可塑
性樹脂としてポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂
の単独又は共重合体を用い、これを紙、不織布、布、金
属箔、合成樹脂フィルムもしくはシート、又はこれらの
複合素材からなる基材に、押出しラミネーション、共押
出しラミネーション、ドライラミネーション、ウェット
ラミネーション等、公知の方法を用いて積層することに
より製造できる。
【0011】また、本願発明においては、上記積層シー
トの代わりに、熱可塑性樹脂からなるシートを用いるこ
ともできる。かかるシートとしては、例えば、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エチル共重合体、塩化ビニルもしくはこれ
らの混合物等からなる延伸シート、又は、これらの熱可
塑性樹脂もしくは混合物に無機充填剤や発泡剤を練り込
んで延伸することにより外観を紙様としたシートを用い
ることができる。
【0012】更に、本願発明においては、上記積層シー
トの少なくとも一方の熱可塑性樹脂層表面に、又は、上
記熱可塑性樹脂シートの少なくとも一方の表面に、数平
均分子量60〜90万の高分子シリコーン、代表的には
ポリアルキルシロキサンを含む塗工層を設ける。この塗
工層にオフセット印刷を行うことにより、本願発明の効
果は発揮される。この高分子シリコーンは、塗工層上に
印刷がされた場合に、塗工層から印刷インキの表面に移
行(ブリードとも言う。)することにより、インキ表面
に耐摩擦性を付与し、ひいてはそのインキが印刷された
印刷面に耐摩擦性を付与するからである。しかし、高分
子シリコーンの数平均分子量が60万未満であると、移
行性が高すぎ、印刷の際に印刷機系内に混入して印刷ト
ラブルを起こす危険性がある。一方、数平均分子量が9
0万を超える場合には、移行性が低すぎて、インキ表面
への耐摩擦性付与という効果を発揮できなくなる。
【0013】塗工層は、かかる高分子シリコーンと耐水
性のバインダー樹脂、そして必要に応じてその他の添加
剤を、水系又は溶剤系で分散させて塗工液を調整し、こ
の塗工液を積層シートの熱可塑性樹脂層表面又は熱可塑
性樹脂シート表面に塗工して設ける。水系の塗工液を用
いる場合には、塗工液にポリエーテル変性シリコーン等
の乳化剤を添加することにより、高分子シリコーンが塗
工液中に均一に分散した安定な乳化液が得られる。この
とき乳化剤の配合量は、乳化液の状態を見ながら適宜決
定することができるが、通常は、高分子シリコーンに対
して乳化剤20〜50重量%程度を配合すればよい。
【0014】塗工液中の高分子シリコーンの配合量はバ
インダー樹脂に対して1〜15重量%が好ましい。配合
量が1重量%未満であると、形成される塗工層はインキ
表面への耐摩擦性付与という効果を発揮できなくなり、
15重量%を超えると、この塗工層への印刷インキの転
移が阻害されるようになるため、印刷性が悪化する。も
っとも、高分子シリコーンとバインダー樹脂に加え、無
機・有機の填料を配合する場合には、高分子シリコーン
がこれらの填料に吸着することもあり、この場合には、
バインダー樹脂に対する高分子シリコーンの配合量を上
記した範囲よりも多くする必要が生ずる。なお、無機・
有機填料の配合は、本願発明の耐水性シートの不透明性
を向上させ、滑り性を付与し、シート間のブロッキング
を防止する等の効果があるが、シートの光沢性を重視す
る場合には、こうした填料は配合しないか、最小限の配
合量にとどめることが望ましい。
【0015】耐水性バインダー樹脂は、これらを本願発
明の塗工層のバインダーとして使用した場合の熱可塑性
樹脂層表面又は熱可塑性樹脂シート表面との接着性、オ
フセットインキとの接着性、また、塗工層中に無機や有
機の填料を配合する場合にはこれらの填料保持力等を勘
案し、適宜選択して使用することができる。例えば、本
願発明のバインダー樹脂としてエチレン、プロピレン、
ブタジエン、アクリロニトリル、各種アクリル酸、酢酸
ビニル、塩化ビニル、スチレン等の重合物もしくは共重
合物、又はその変性物等、さらにはこれらとウレタン樹
脂やエポキシ樹脂等との混合物を使用することができ
る。
【0016】塗工液の熱可塑性樹脂層表面又は熱可塑性
樹脂シート表面への塗工は、エアナイフコーター、ブレ
ードコーター、ロールコーター、カーテンコーター、グ
ラビアコーター、ダイコーター等を用いて定法により行
うことができる。塗工量は、0.5〜10g/m(乾
燥重量、以下同じ。)が好ましい。塗工量が0.5g/
未満である場合には、上記した高分子シリコーンに
よる効果、即ち、インキ表面への耐摩擦性付与という効
果を発揮できなくなる。一方、10g/mを超える場
合には、塗工層の表面強度が弱くなり、熱可塑性樹脂層
又は熱可塑性樹脂シート表面から塗工層が脱離しやすく
なる。塗工量が0.5〜10g/mの範囲、特に1〜
5g/mの範囲にある場合には、かかる問題を十分に
回避することができる。
【0017】本願発明の耐水性シートは、熱可塑性樹脂
層又は熱可塑性樹脂シート表面に塗工する塗工層に、更
にポリオレフィン粒子を配合することで、この塗工層上
にされる印刷の耐摩擦性を一層向上させることができ
る。この場合のポリオレフィン粒子は、これを配合する
塗工層の強度、滑り性、印刷性等の観点から、球状のも
のを使用することが望ましい。粒子の平均粒径は、塗工
層上に印刷されるインキの厚みに対して75〜125%
程度、配合量はバインダー樹脂に対して1〜15重量%
が好ましい。平均粒径が75%未満であると、塗工層上
に印刷されるインキに粒子が埋没してしまうため、印刷
面の耐摩擦性向上という効果を発揮できず、125%を
超える場合には、塗工層へのインキの転移性を阻害する
ようになる。また、配合量が1重量%未満であると、や
はり印刷面の耐摩擦性向上という効果を発揮できず、1
5重量%を超える場合には、塗工層へのインキの転移性
及び密着性を損ねることとなる。
【0018】なお、本願発明において、積層シートの基
材や熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂シート、そして塗工
層には、上記した以外にも一般的に使用される種々の添
加剤を添加することができる。これらの添加剤として
は、例えば、帯電防止剤、白色顔料(酸化チタン、炭酸
カルシウム、クレー、タルク、シリカ等の無機填料
等)、耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビー
ズ、シリカ等)などがある。
【0019】
【作用】本願発明において塗工層に配合される数平均分
子量60〜90万の高分子シリコーンは、その塗工層上
に印刷がされ、インキが転移するまでは塗工層中又は塗
工層表面に存在するが、印刷後は塗工層上に転移したイ
ンキの表面に移行し、インキ表面を保護して耐摩擦性を
付与する。このため、本願発明の積層シートは、例え
ば、一般のコート紙用に汎用されているオフセット印刷
用インキを用いて印刷し、塗工層表面にインキが滞留し
て乾燥したとしても、このインキがシート表面から剥が
れ落ちたり、シート表面で砕けて印刷面を汚したりする
ことが起こり難くなり、摩擦に強い印刷面が得られる。
しかも、かかる高分子シリコーンは、塗工層上へのイン
キの転移や接着性を損なうことはない。そして、この移
行は速やかに、かつ、インキの乾燥固化後においても起
こる。
【0020】従って、本願発明の耐水性シートは、印刷
に合成紙専用インキを使用する必要がないので、裏付き
等のトラブルを起こすことなく、印刷後の工程を速やか
に進めることができ、印刷機も安定的に操業できる。更
に、本願発明の耐水性シートは、一般に汎用されている
インキを使用して印刷することができるにもかかわら
ず、シート表面の塗工層(インキ受理層)を10g/m
以下と薄くすることができるので、塗工層の強度も確
保でき、生産性・経済性も優れたものとなる。
【0021】また、本願発明においては、この塗工層に
ポリオレフィン粒子を配合することで、印刷面の耐摩擦
性を一層向上させることができる。これは、塗工層中の
ポリオレフィン粒子の一部表面が、その上に印刷された
インキから顔を出す形となって、他の物質がインキ表面
に接触する際に緩衝的な役割を果たすと同時に、このポ
リオレフィン粒子とインキとの界面に生じる微細な不連
続部を通して、塗工層に配合された高分子シリコーンが
インキ表面にスムーズに移行するためであると考えられ
る。
【0022】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0023】[実施例1]予め溶融したポリプロピレン
(MFR25g/10分、密度0.91g/cm )6
5重量部に炭酸カルシウム35重量部を添加混合してお
き、この炭酸カルシウム含有ポリプロピレンと炭酸カル
シウム不含のポリプロピレン(ポリプロピレンのMFR
及び密度は、特に示さない限り、上記に同じ。)とを、
坪量81g/mの上質紙の両面に、炭酸カルシウム不
含ポリプロピレンが上質紙側に位置するように、Tダイ
を用いて押出温度290℃にて共押出しラミネートを行
い、クーリングロールで圧着して耐水性積層シートを作
成し、次いで、この耐水性積層シートの両面にコロナ放
電処理を行った。なお、このとき耐水性積層シートの両
面に積層された炭酸カルシウム含有ポリプロピレン層と
炭酸カルシウム不含ポリプロピレン層の厚さは、それぞ
れ20μであった。
【0024】一方、ポリアルキルシロキサン(数平均分
子量70万)30重量部及びポリエーテル変性シリコー
ン20重量部を水50重量部に分散させたディスパージ
ョン10重量部を、スチレン−アクリル共重合体の水系
ディスパージョン(濃度40%、平均粒径0.19μ
m)100重量部に加えて塗工液を調製し、この塗工液
7g/mを上記耐水性積層シートの両面に塗工したも
のについてオフセット印刷を行い、印刷後の乾燥性、耐
摩擦性、印面品質を調査した。なお印刷は、コート紙用
に汎用されているオフセット印刷用インキ(東洋インキ
(株)製『ハイエコー』)を用いて4色印刷を行った。
結果を表1に示す。
【0025】[実施例2]スチレン−アクリル共重合体
の水系ディスパージョン(濃度40%、平均粒径0.1
9μm)100重量部にポリエチレン粒子の水系ディス
パージョン(濃度40%、平均粒径4μm)8重量部を
混合し、これに、ポリアルキルシロキサン(数平均分子
量70万)30重量部、ポリエーテル変性シリコーン2
0重量部及び水50重量部からなるディスパージョン1
0重量部を加えて塗工液を調製し、実施例1で作成した
耐水性積層シートの片面にこの塗工液2g/mを塗工
(同前)して、この塗工面について実施例1と同様にし
てオフセット印刷を行い、乾燥性、耐摩擦性、印面品質
を調査した。結果を表1に示す。
【0026】[実施例3]厚さ140μmのポリプロピ
レンからなる白色シートの両面にコロナ放電処理を行っ
た。
【0027】一方、スチレン−ブタジエン共重合体の水
系ディスパージョン(濃度40%、平均粒径0.4μ
m)100重量部にポリエチレン粒子の水系ディスパー
ジョン(濃度40%、平均粒径4μm)8重量部を混合
し、これに、ポリアルキルシロキサン(数平均分子量7
0万)40重量部、ポリエーテル変性シリコーン10重
量部及び水50重量部からなるディスパージョン10重
量部を加えて塗工液を調製し、上記ポリプロピレンから
なる白色シートの片面にこの塗工液2g/mを塗工し
て、この塗工面について実施例1と同様にしてオフセッ
ト印刷を行い、乾燥性、耐摩擦性、印面品質を調査し
た。結果を表1に示す。
【0028】[実施例4]塗工液に配合するポリエチレ
ン粒子として粒径10μmのものを用いた他は、実施例
2と同様にして、耐水性積層シートに塗工を行い、その
オフセット印刷適性を調査した。結果を表1に示す。
【0029】[比較例1]耐水性積層シートに塗工液を
塗工しないでオフセット印刷を行った他は、実施例1と
同様にしてオフセット印刷適性を調査した。結果を表1
に示す。
【0030】[比較例2]ポリプロピレンからなる白色
シートに塗工液を塗工しないでオフセット印刷を行った
他は、実施例3と同様にしてオフセット印刷適性を調査
した。結果を表1に示す。
【0031】[比較例3]実施例1で用いた塗工液か
ら、ポリアルキルシロキサンを除いたものを塗工液とし
て用いた他は、実施例1と同様にして、耐水性積層シー
トに塗工を行い、そのオフセット印刷適性を調査した。
結果を表1に示す。
【0032】[比較例4]実施例2で用いた塗工液か
ら、ポリアルキルシロキサンを除いたものを塗工液とし
て用いた他は、実施例2と同様にして、耐水性積層シー
トに塗工を行い、そのオフセット印刷適性を調査した。
結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1〜4より明らかなように、本願発
明の耐水性シートは乾燥性、耐摩擦性、印面品質の点で
優れたオフセット印刷適性を示した。特に、塗工層とし
て、高分子シリコーンと共にポリオレフィン粒子を配合
したものを設けた場合には、単に高分子シリコーンのみ
を配合したものを設けた場合よりも、耐摩擦性において
一層優れたものとなる(実施例2、4)。
【0035】一方、比較例1〜4の耐水性シートはいず
れも耐摩擦性に劣り、オフセット印刷には適しないもの
であった。
【0036】
【発明の効果】本願発明の耐水性シートは印刷面の耐摩
擦性に優れ、一般に汎用されているオフセット印刷用イ
ンキを用いて印刷しても、インキがシート表面から剥が
れ落ちたり、シート表面で砕けて印刷面を汚したりする
ことが起こり難い。しかも、本願発明の耐水性シート
は、優れた印面品質をも与える。
【0037】従って、本願発明の耐水性シートは、印刷
に合成紙専用インキを使用する必要がない。このため、
インキの乾燥に長い時間がかからず、裏付き等のトラブ
ルを起こすことなく印刷後の工程を速やかに進めること
ができ、印刷機も安定的に操業できる。
【0038】更に、本願発明の耐水性シートは、厚い塗
工層を設けなくても上記効果を発揮できるので、塗工層
の強度が確保でき、生産性・経済性においても優れてい
る。
【0039】なお、本願発明の耐水性シートの塗工層と
して、高分子シリコーンと共に、ポリオレフィン粒子を
配合すれば、以上の効果はより顕著に発揮される。
フロントページの続き (72)発明者 加藤 進 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 Fターム(参考) 4F100 AA08 AB01B AB01C AK03B AK03C AK07 AK52B AK52C AT00A BA02 BA03 BA06 BA07 BA10A BA10B BA10C DE01B DE01C DG10 EH23 EH462 EJ55 GB90 JA07B JA07C JB07 JB16B JB16C JK16 YY00B YY00C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートの一方又は両方の最外層として熱
    可塑性樹脂層を有する積層シートの、少なくとも一方の
    該熱可塑性樹脂層表面に、数平均分子量60〜90万の
    高分子シリコーンを含む塗工層を設けたことを特徴とす
    る耐水性シート。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂からなるシートの、少なく
    とも一方の表面に、数平均分子量60〜90万の高分子
    シリコーンを含む塗工層を設けたことを特徴とする耐水
    性シート。
  3. 【請求項3】 塗工層が高分子シリコーンと共にポリオ
    レフィン粒子を含むことを特徴とする、請求項1又は2
    に記載の耐水性シート。
  4. 【請求項4】 高分子シリコーンがポリアルキルシロキ
    サンであることを特徴とする、請求項1、2又は3に記
    載の耐水性シート。
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