JP2003102331A - 角膜上皮障害モデル動物及びそのモデル動物を用いた薬剤の評価方法並びにその評価方法を用いて選択された薬剤 - Google Patents

角膜上皮障害モデル動物及びそのモデル動物を用いた薬剤の評価方法並びにその評価方法を用いて選択された薬剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた角膜上皮障害モデル動物及びそのモデ
ル動物を用いた薬剤の優れた評価方法並びにその評価方
法を用いて選択される優れた薬剤を提供する。 【解決手段】 吸水性素材を眼球角膜に接面させ、角膜
上皮細胞内外に浸透圧差を生じさせる処理を受けること
によって角膜上皮障害の症状を呈していることを特徴と
する角膜上皮障害モデル動物及びそのモデル動物を用い
ることを特徴とする薬剤の評価方法並びにその評価方法
によって選定された薬剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角膜上皮障害モデ
ル動物及びその動物を用いた薬剤の評価方法並びにその
評価方法を用いて選択された薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】角膜は厚さ0.52〜1.0mmのきわめて薄い
組織であるが、強膜とともに眼球の堅牢な外壁を構成す
る。角膜は単純な構造ではあるが、上皮層,ボウマン
膜,角膜実質層,デスメ膜および内皮細胞層からなる非
常に規則正しい微細な5層構造を有している。角膜上皮
障害とは、文字通り角膜の最表層の角膜上皮層を構成す
る角膜上皮細胞が障害を受けることをいう。角膜上皮障
害が引き起こされる原因は多彩であり、その臨床的な所
見も多彩である。角膜上皮障害は基底膜あるいは角膜実
質の潰瘍の有無に基づき、点状表層角膜症(SPK),単
純性角膜びらん,再発性(反復性)角膜びらん,遷延性
角膜上皮欠損に分類される。角膜上皮障害の原因には、
涙液の異常,眼瞼・結膜疾患,代謝障害,感染症,外傷
・薬物などがある。その中でも、近年、潜在的な患者を
含めて患者数が増加する傾向にある涙液の異常に起因す
る角膜上皮障害、いわゆる、ドライアイが特に注目を集
めている。ドライアイは、簡単にいえば、涙液の量的・
質的な異常によって眼球表面に障害をきたす疾患の総
称、あるいは、このような障害をきたす症状を指称する
ものである。涙液は眼球が正常に機能するために重要な
役割を果たしている。涙液には、角結膜の湿潤性を保
ち、乾燥から防ぐ;角膜表面に涙液層を形成すること
で表面を平滑にするとともに涙液層自体が透明な光学的
透光体として機能する;涙液中に含まれる抗菌成分に
よってウィルス、細菌などの侵入を防ぐ;角結膜表面
に付着した異物や老廃物を洗い流す;血管の存在しな
い数少ない組織である角膜に酸素、水分、栄養分を供給
する;まばたき(瞬目)や眼球運動のときに眼瞼と眼
球の間の潤滑剤として働く;眼外傷の際に白血球の遊
走路となる、という役割があることが知られている。健
常な状態では眼球表面は涙液に覆われている。瞬目のた
びに新しい涙液の層(涙液層)が形成されることで眼球
表面は乾燥しないように保護されている。この涙液層は
10秒程度で乾燥し始めるが、眼球表面に分布している
知覚神経がそれを感知して瞬目を誘発し、眼球表面が涙
液で覆われている状態を維持する。これは涙液の基礎分
泌と呼ばれており、悲しいときや眼にゴミが入ったとき
に涙液がでる反射性分泌と区別される。涙液量が減少す
ると角結膜表面が乾いて障害が発生する。
【0003】ドライアイは、眼乾燥症、涙液分泌減少症
などと呼ばれ、そのほとんどがシェーグレン症候群の一
症状として考えられてきた。しかし、近年シェーグレン
症候群を伴わない基礎分泌のみが障害されるタイプやVD
T(visual display terminal;いわゆる、「ディスプレ
イ」)作業に伴うタイプのドライアイが増加している。
現代は視覚情報化社会であるともいわれており、コンピ
ュータを含めたOA機器の普及に伴い、VDT作業従事者の
数が増加している。現在、日本におけるドライアイ患者
の総数は100万〜200万人であるとされているが、
前記のOA機器の普及などに伴い、潜在的な患者を含め、
その数は増加する傾向にある。OA機器のディスプレイ
(VDT)を長時間見続けると、瞬目の回数が減少する。
瞬目をして眼を閉じている間に眼球表面へ涙液が供給さ
れるので、瞬目回数の減少は涙液量の減少につながり、
角膜に障害がおきる。これがOA機器の普及がドライアイ
患者の増加に結びつく理由である。今後ともますます眼
を酷使する機会が増えていくことが予想され、それに伴
ってドライアイの患者も増加していくと考えられてい
る。
【0004】上記のVDT作業に伴う瞬目の減少以外に
も、シェーグレン症候群、乾性角結膜炎、スティーブン
ス・ジョンソン症候群などの内因性疾患、さらに白内障
術後や薬剤、外傷、コンタクトレンズ装着などの外因性
疾患が原因となって涙液が質的・量的に悪化することで
ドライアイが引き起こされる。現在、ドライアイを対象
疾患とした様々な薬剤が上市されているが、既存の薬剤
で医療上の要望を充分に満たしているとは言えず、新し
い薬剤の開発が現在も盛んに進められている。薬剤の研
究開発においてその効果を評価する系は不可欠であり、
種々のドライアイモデルを用いた試験によって評価がな
されている。
【0005】従来のドライアイモデルのひとつとして、
ラット・ビタミンA欠乏モデルをあげることができる
(特開平9-136832号)。このモデルでは、ラッ
トをビタミンA欠乏状態で飼育することによってドライ
アイ様の症状を作製する。当然のことながら、このモデ
ル動物の症状はビタミンAの投与(経口投与や点眼投
与)により治癒する。いわゆる栄養障害モデルであるこ
のモデル動物を用いて、種々の作用機序を持つ薬剤の評
価を行うことには問題があるといわざるをえない。
【0006】これまでに角膜上皮障害モデルとしてヨー
ドガス処理、n−ヘプタノールのような有機溶媒処理、
ナイフなどの物理的処理、水酸化ナトリウムなどのアル
カリ腐食処理などを用いて角膜上皮を障害させた動物モ
デルが提案されている。しかし、これらのモデルは角膜
上皮に障害があるという点では間違いなく角膜上皮障害
モデルであるとはいえるが、その形成機序が生理的なも
のと大きく異なるため、モデルとして問題があるといわ
ざるをえない。さらに、上記の方法で作製した角膜上皮
障害は速やかに治癒してしまうため、薬剤の評価試験が
行いにくいという欠点がある。これらのモデルは臨床的
に眼科医を悩ませる種々の治療に抵抗する遷延性角膜上
皮障害の動物モデルとなりえず、その提供が望まれてい
る(西田輝夫,「医薬品の開発;第9巻;医薬品の探索
I」,p287-291,廣川書店刊,東京(199
0))。
【0007】また、涙液の異常に起因する角膜上皮障害
モデル(例えば、ドライアイモデル)としてウサギを用
いた強制開瞼によるモデル(ウサギ強制開瞼モデル)が
報告されている(長野敬ら,新しい眼科,13(2),2
67-270(1996))。これは、全身麻酔したウサ
ギの両眼の上下瞼を外反させて縫合し、強制的に3時間
開瞼させることによってモデル動物を作製する。長時間
の開瞼によって眼球表面の涙液中の水分が風乾によって
除去され続けられる結果として涙液層の完全性が破壊さ
れ、その結果として角膜上皮障害が起こる。このモデル
動物はその作製機序が、眼球表面の涙液層が長時間に渡
って破壊されるというものであり、これは本来のドライ
アイの生理的発症機序と共通するため、ビタミンA欠乏
モデル動物や上記の角膜上皮障害モデル動物よりも望ま
しいモデル動物であるといえる。したがって、薬剤の評
価系としても適用可能である。しかし、このモデル動物
には、作製に3時間もの長時間を要する;一定の強
さの症状(重症度)をもつ個体(眼球)を安定的に作製
することが困難である;症状が角膜表面上に均一に生
じない;涙液が眼球表面を潤すことで症状が容易に治
癒してしまい、薬効判定の実施に充分な程度の時間、症
状が持続しない(ウサギの治癒力がヒトよりもとても強
いため)といういくつもの欠点がある。このモデル動物
はそれまでに報告されていたモデル動物よりも優れてい
る点も多いが、適切かつ実用的であるといえるものでは
なく、より優れたモデル動物の提供が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の記述から明らか
なように、優れた角膜上皮障害モデル動物及びそのモデ
ル動物を用いた薬剤の優れた評価方法並びにその評価方
法を用いて選択された優れた薬剤の提供は医療上の重要
な課題であり、その提供が望まれている。そこで、本発
明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究を重ね
た結果、本発明のモデル動物が角膜上皮障害モデル、そ
の中でも特に涙液の異常に起因する角膜上皮障害モデ
ル、いわゆるドライアイモデルとして有用であること、
本発明のモデル動物の作製方法が有用であること、本発
明のモデル動物を用いた評価方法が角膜上皮障害治療薬
の評価方法として有用であることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
吸水性素材を眼球角膜に接面させ、角膜上皮細胞内外に
浸透圧差を生じさせる処理を受けることによって角膜上
皮障害の症状を呈していることを特徴とする角膜上皮障
害モデル動物に関する。請求項2に係る発明は、当該角
膜上皮障害がドライアイであることを特徴とする請求項
1に記載の角膜上皮障害モデル動物に関する。請求項3
に係る発明は、前記角膜上皮障害モデル動物が非ヒト哺
乳動物または家禽であることを特徴とする請求項1又は
2に記載の角膜上皮障害モデル動物に関する。
【0010】請求項4に係る発明は、吸水性素材がポリ
オール類、塩類、アミノ酸類、ペプチド類および水溶性
合成高分子から選ばれる少なくとも一種の素材を含むこ
とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の角膜
上皮障害モデル動物に関する。請求項5に係る発明は、
吸水性素材が糖類であることを特徴とする請求項4に記
載の角膜上皮障害モデル動物に関する。請求項6に係る
発明は、吸水性素材がグルコース、マルトース、ショ
糖、フルクトース、デキストラン、デンプンから成る群
から選ばれる少なくとも一種の糖類を含むことを特徴と
する請求項5に記載の角膜上皮障害モデル動物に関す
る。請求項7に係る発明は、吸水性素材がアルカリ金属
の塩およびアルカリ土類金属の塩から選ばれる少なくと
も一種の塩類を含むことを特徴とする請求項4に記載の
角膜上皮障害モデル動物に関する。請求項8に係る発明
は、吸水性素材が粉末状、溶液状、ゲル状、ゼリー状、
錠剤状のいずれかの形態であることを特徴とする請求項
1乃至7のいずれかに記載の角膜上皮障害モデル動物に
関する。
【0011】請求項9に係る発明は、吸水性素材を水透
過性あるいは水半透過性の形成物を介して接面させるこ
とを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の角膜
上皮障害モデル動物に関する。請求項10に係る発明
は、角膜上皮障害モデル動物がウサギであることを特徴
とする請求項1乃至9のいずれかに記載の角膜上皮障害
モデル動物に関する。請求項11に係る発明は、吸水性
素材を眼球角膜の一部に接面させることを特徴とする請
求項1乃至10のいずれかに記載の角膜上皮障害モデル
動物に関する。請求項12に係る発明は、吸水性素材を
眼球角膜の瞳孔部分に接面させてなることを特徴とする
請求項1乃至11のいずれかに記載の角膜上皮障害モデ
ル動物に関する。請求項13に係る発明は、吸水性素材
を眼球角膜の瞳孔部分に円形に接面させてなることを特
徴とする請求項12に記載の角膜上皮障害モデル動物に
関する。請求項14に係る発明は、中心部を円形にくり
抜いた水非透過性の薄膜で眼球角膜を覆い、くり抜いた
円形部を瞳孔部分に位置させ、その露出部に吸水性素材
を接面させてなることを特徴とする請求項13に記載の
角膜上皮障害モデル動物に関する。
【0012】請求項15に係る発明は、吸水性素材を眼
球角膜に接面させ、角膜上皮細胞内外に浸透圧差を生じ
させる処理を行うことによって角膜上皮障害症状を惹起
させる工程、被験薬剤を当該眼球角膜に投与する工程、
および当該眼球角膜上皮損傷部位の症状改善度を評価す
る工程、を含んで成ることを特徴とする角膜上皮障害治
療薬の評価方法に関する。請求項16に係る発明は、当
該角膜上皮障害がドライアイであることを特徴とする請
求項15に記載の角膜上皮障害治療薬の評価方法に関す
る。請求項17に係る発明は、当該角膜上皮損傷部位の
症状改善度を評価する工程が、染色面積の変化を数値化
して評価する工程であることを特徴とする請求項15又
は16に記載の角膜上皮障害治療薬の評価方法に関す
る。請求項18に係る発明は、請求項1乃至14のいず
れかに記載の角膜上皮障害モデル動物を用いることを特
徴とする請求項15乃至17のいずれかに記載の評価方
法に関する。請求項19に係る発明は、被験薬剤が点眼
剤である請求項15乃至18のいずれかに記載の評価方
法に関する。請求項20に係る発明は、前記請求項15
乃至19のいずれかに記載の評価方法を用いて選定され
た角膜上皮障害治療薬に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における「角膜上皮障害」
とは、角膜の最表層を構成する角膜上皮層の完全性がな
んらかの障害を受けることによって失われることをい
う。本発明において「ドライアイ」とは、眼球乾燥症候
群、シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン
症候群などの内因性疾患および手術、薬剤、外傷、コン
タクトレンズ装着などによる外因性疾患に伴う角膜上皮
障害、または当該上皮障害を伴う症状を指称する。本発
明における角膜上皮障害モデル動物の作製に用いる吸水
性素材は、眼球の水分を減少させ、かつ、薬理学的に許
容されるものであればよい。
【0014】本発明における「眼球の水分を減少させ
る」とは、眼球表面にある水分を吸収するのと併せて、
眼球角膜上皮細胞内外に浸透圧差を生じさせ、これによ
って角膜上皮細胞から水分の漏出を誘発し、細胞内水分
量を減少させることを意味するものである。本発明にお
いて「薬理学的に許容される」とは評価する薬剤の有効
な薬理学的な性質を損なわない(薬理学的性質を阻害ま
たは促進しない)ことを意味する。
【0015】本発明においては、このような性状を具備
した吸水性素材であれば、いずれも、角膜上皮障害モデ
ル動物の作製に用いることができ、その具体例として
は、好ましくはポリオール類、塩類、アミノ酸、ペプチ
ド類、水溶性合成高分子などを挙げることができる。
【0016】ポリオール類としては、グリセリン,エチ
レングリコールなどの多価アルコール類、グルコース,
ガラクトース,マンノース,フルクトースなどの単糖
類、ショ糖,ラクトース,マルトース,シクロデキスト
リンなどのオリゴ糖類、デンプン,グリコーゲン,デキ
ストラン,プルラン,キトサンなどの多糖類、グルシト
ール,ガラクチトール,マンニトール,キシリトールな
どの糖アルコール類を例示することができる。
【0017】塩類としては、酢酸ナトリウム,クエン酸
ナトリウム,酢酸カリウム,クエン酸カリウムなどの有
機アルカリ金属塩、塩化ナトリウム,硫酸ナトリウムな
どの無機アルカリ金属塩、酢酸カルシウム,酢酸マグネ
シウム,クエン酸カルシウム,クエン酸マグネシウムな
どの有機アルカリ土類金属塩、塩化カルシウム,塩化マ
グネシウム,硫酸カリウム,硫酸マグネシウムなどの無
機アルカリ土類金属塩などを例示することができる。
【0018】アミノ酸類としては、グリシン、アラニ
ン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオ
ニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、
グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、
システイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシ
ン、トリプトファン、ヒスチジン、プロリン、ハイドロ
キシプロリンなど、およびそれらの誘導体を例示するこ
とができる。
【0019】ペプチド類としては、グルタチオンなどの
ような低分子ペプチドのほか、アルブミン、グロブリ
ン、コラーゲン、ゼラチンなどのたんぱく質、さらにこ
れらたんぱく質の部分加水分解物やそれらの誘導体を例
示することができる。水溶性合成高分子としては、ポリ
エチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリスチ
レンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドンなどを例示することができる。
【0020】これらの吸水性素材は、単独で用いてもよ
く、あるいは任意の2以上の素材からなる組成物として
用いることもできる。さらには、後述するごとく、必要
に応じて、賦形剤、増量剤、増粘剤などと配合して用い
てもよい。
【0021】本発明におけるモデル動物としては、その
眼球を薬剤評価に供しうる動物であればよく、特に限定
ない。例えば、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモッ
ト、ラット、マウス、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギなどの
非ヒト哺乳動物、およびニワトリ、アヒル、ウズラ、ダ
チョウなどの家禽のいずれも用いることができる。サ
ル、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ラット、マウ
ス、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギなどの哺乳動物は一定の
性質をもつ個体が安定的に供給され、実験を行う際に飼
育や処理が容易であるなどの理由から、モデル動物とし
て好ましい。さらには、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ヤ
ギは眼球の大きさが実験に適当であるなどの理由からさ
らに好ましい。モデル動物を作製する前の飼育条件は、
常法に従って選択すればよく、特に限定されないが、均
質なモデル動物を得るためには、できる限り各個体を同
一の条件下で飼育することが好ましい。
【0022】本発明に係るモデル動物は、被験薬剤の薬
効評価に適するものであれば、特に制限はなく、いかな
る形態のものであっても用いることができる。例えば、
その作製方法の一態様を示せば、次の通りである。モデ
ル動物の作製対象となる動物に麻酔を施し、眼瞼を開瞼
したままの状態で固定する。開瞼したまま固定する方法
は、接着剤または開瞼器を用いて固定する方法など、常
法に準じて実施することができる。開瞼された眼球に吸
水性素材を接面させて適当な時間そのまま保持する。し
かる後、吸水性素材を洗浄するなどして除去すれば、角
膜上皮障害モデル動物を得ることができる。
【0023】吸水性素材を接面させる方法としては直接
または間接的に角膜上に接面させる方法をとればよく、
その方法については特に限定されない。吸水性素材を接
面させる際には眼球全面を覆っても、その一部分に接面
させてもよい。吸水性素材を接面させる眼球角膜上の位
置や大きさは、選択する動物の種類などによって異なる
が、被験薬剤の薬効を数値化して評価するためには、接
触面を瞳孔大にすることが好ましい。眼球の一部に接面
させる際には、接触面の形状はいかなる形状でも、いか
なる位置でもよく、その目的に応じて適宜適する条件を
設定すればよい。例えば、円形、楕円形、正方形、長方
形、三角形、星形等の多角形などのいかなる幾何学的形
状とすることもできる。その中でも被験薬剤の治療効果
を数値化して評価するためには、接触面の形状は円形で
あることが好ましく、接触面の位置は瞳孔部分に位置す
ることが好ましい。
【0024】接面させる吸水性素材の形態はいかなるも
のであってもよい。例えば、使用する吸水性素材または
同素材を含む組成物の性状に応じて、粉末状、溶液状、
ゲル状、ゼリー状、錠剤状などの形態で用いることがで
きる。
【0025】薬剤の評価を容易かつ的確に行うために
は、結果を数値として得、比較評価できることが好まし
い。数値化した結果を得るためには、各眼球に吸水性素
材を一定形状かつ一定面積で接触させることが好まし
い。一定形状かつ一定面積の接触面を得るためには、
適当な形状の穴を開けた水非透過性の薄膜で角膜を被覆
し、水非透過性の薄膜上に吸水性素材をのせることによ
って接面させる方法、筒状容器を角膜上に載せ、その
中に吸水性素材を入れる方法をとることが好ましい。こ
れらの場合、使用する薄膜や筒状容器の材質は水非透過
性であり、かつ、薬理学的に許容されるものであれば適
宜適切なものを選択すればよく、特に限定されない。例
えば、ナイロン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ
スチレン,ポリカーボネイト,塩化ビニル,ポリフッ化
エチレン系繊維などの合成樹脂、アルミニウム,チタ
ン,ステンレスなどの金属、木、竹などを例示すること
ができる。眼球の体液成分を浸透させてしまう素材は、
可能な限り誤差の少ない実験データを取得するという目
的からは、通常、使用を避けることが好ましい。吸水性
素材を眼球表面に接面させる際には、通常、直接眼球上
に乗せる方法をとることが多いが、その目的に応じて水
透過性の素材でつくられた形成物を介して間接的に接面
させる方法をとることもできる。形成物の素材は、水透
過性あるいは水半透過性であるという点を満たせばよ
く、特に限定されないが、セルロースやその誘導体など
の糖質系素材,ポリビニルアルコールなどの合成樹脂系
素材などを例示することができる。形成物の形状に関し
ても所望の目的を達するものであればよく、特に限定さ
れないが、吸水性素材がもつ本来の性質を生かしやす
い、扱いやすいなどの理由から薄膜状であることが好ま
しい。水透過性素材あるいは水半透過性素材からなる形
成物を介して吸水性素材を接面させる方法には、処理後
に吸水性素材を簡便に除去できるという利点がある。
【0026】また本発明によれば、眼球全面に角膜上皮
障害を生じさせることもできるが、吸水性素材を眼球の
一部に接面させることによって、特定の位置に特定の面
積と均一の症状をもつ角膜上皮障害を生じさせることも
できる。この後者の方法を用いれば、症状の変化を面積
の変化として数量的に把握することが容易になるため、
薬効の評価をより一層容易かつ的確に行うことができ
る。例えば、本発明の好ましい態様のひとつを説明すれ
ば、中心部を円形等の適当な形状に打ち抜いた水非透過
性の薄膜を用意し、水非透過性の薄膜の打ち抜き部分が
開瞼した眼球の瞳孔の部分に位置するように眼球を被覆
し、その露出部に吸水性素材を接面させることによって
角膜上皮障害モデル動物を好適に作製することができ
る。
【0027】本発明における吸水性素材は、前述の通
り、眼球表面の水分を奪うのに併せて、眼球角膜上皮細
胞内外に浸透圧差を生じさせることによって眼球角膜上
皮細胞内からの水分の漏出を誘導し、モデル動物に角膜
上皮障害の症状を作出するという機能を果たすものであ
る。また、適切に角膜上皮障害モデル動物を作製するた
めには、眼球角膜上皮細胞内外に生ずる浸透圧差は、
0.5以上であることが好ましく、1以上であることが
さらに好ましく、2以上であることが特に好ましく、3
以上であることがより特に好ましい。粉末などの形状で
眼球表面に吸水性素材を接面させると、眼球表面の水分
を吸収してその一部が溶解して溶液となる。眼球表面で
形成された溶液は、飽和溶液に近い濃厚な溶液であり、
角膜上皮細胞膜を介して細胞内外に浸透圧差が生じる。
細胞膜は半透膜に近い性質をもっているので、浸透圧差
が生じると、細胞膜を透過して水が細胞外に移動するこ
とによって高張液を希釈して浸透圧差を解消しようとす
る力が働く。液を希釈しようとして移動した水によって
さらに吸水性素材の一部が溶解していくので、細胞外の
液の濃度は高い状態に保たれて浸透圧差は解消されず、
細胞内からの水の移動が継続するため、細胞内の水分の
漏出が継続して起こることになる。
【0028】細胞内外に生じる浸透圧差は、主に用いる
吸水性素材の種類によって規定される。例えば、ラクト
ースの飽和溶液の浸透圧比は約2、塩化ナトリウムの飽
和溶液の浸透圧比は約20である。細胞内液の浸透圧比
は約1であるので、ラクトースの飽和溶液が細胞と接面
した際に生じる浸透圧差は約1、塩化ナトリウムの飽和
溶液が細胞と接面した際に生じる浸透圧差は約19であ
ると算出できる。吸水性素材が細胞と接面した際に生じ
る浸透圧差は、その吸水性素材の飽和溶液と細胞内液の
浸透圧差と厳密には一致しないが、その目安になると考
えられる。なお、ここでいう浸透圧比とは、生理食塩液
の浸透圧に対する試料の浸透圧の比を指し示す値であ
る。
【0029】本発明における吸水性素材は、浸透圧を適
当な範囲に調整するために、賦形剤、増量剤、増粘剤な
どと適宜配合した組成物として用いることができる。こ
のような賦形剤、増量剤、増粘剤は、吸水性素材を眼球
角膜に接面させる際の形状または物性を調整する目的で
も用いることができる。このような目的に使用できる賦
形剤、増量剤、増粘剤の種類に特に制限はなく、例え
ば、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、カ
ルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コ
ムギ粉、コムギデンプン、コムギ胚芽粉、コメ粉、コメ
デンプン、バレイショデンプン、コーンスターチ、コー
ンスターチ造粒物、カルボキシメチルスターチ、ヒドロ
キシプロピルスターチ、デキストラン、デキストリン、
寒天、ペクチン、マクロゴール、ゼラチンなどをその目
的に応じて適宜使用することができる。
【0030】眼球に接面させる吸水性素材の量は、所望
のモデル動物が成立する適切な量を適宜設定すればよ
く、特に限定されない。
【0031】薬剤の評価に用いるモデル動物の症状の軽
重(重症度)は、後述する被験薬剤の薬効評価目的に応
じて適宜調節されるべきものである。従来の強制開瞼モ
デル動物ではその調節が容易ではないが、本発明のモデ
ル動物を用いれば、吸水性素材の種類や組成、量、接触
面積、接面時間などをかえることにより調節することが
できる。
【0032】吸水性素材を接面させる時間は所望のモデ
ル動物が成立する時間を設定すればよく、特に限定され
ない。通常、接面時間は、好ましくは5〜60分、さら
に好ましくは10〜40分、特に好ましくは15〜25
分である。5分より短い時間では、評価系として用いる
ことができる強度の病態が成立しないことが多く、60
分より長い時間処理してもそれ以上強い病態が得られな
いことが多い。多くの場合、均一で適当な強度の病態を
得るためには接面時間を15〜25分とすることが最も
望ましい。
【0033】吸水性素材で所定の時間処理後、吸水性素
材を眼球表面から除去する。水非透過性の薄膜や円筒な
どの器具、水透過性あるいは水半透過性素材でできた形
成物などを使っている場合にはそれらも眼球表面から取
り去る。眼球表面を適量の薬理学的に許容される液体で
洗浄するなどの方法によってできる限り吸水性素材を除
去する。薬理学的に許容される液体として生理食塩液、
等張化リン酸緩衝液を例示することができる。
【0034】本発明のモデル動物では、角膜上皮が水分
を喪失したことによって乾燥し、上皮が剥離した状態を
示す。したがって、治療等を行わなければ、その症状は
涙液で眼球表面が潤っても容易に治癒せず、比較的長い
時間、例えば、10時間以上、場合によっては数10時
間にわたって病態が持続するため、治療薬の効果を安定
して評価することができる。
【0035】従来の強制開瞼モデル動物(3時間開瞼)
では、角膜表面の乾燥が認められるのみで、上皮細胞の
剥離がほとんど認められず、そのため、その症状は涙液
の分泌によって1時間後には完治してしまい、薬効評価
に利用することが困難であったことを考慮すると、本発
明に係るモデル動物の上記特性は特筆すべきものであ
る。また、従来の強制開瞼モデル動物では、モデル動物
の作製に3時間以上の時間を要していたが、本発明のモ
デル動物は開瞼後20分程度(通常60分以内)で作製
可能であるという優れた特性を具備するものである。従
来の強制開瞼モデル動物では、眼球全体を風乾するた
め、角膜障害部の大きさや症状の程度が不均一となり、
定量的に把握することが困難であること、涙液による
自然治癒が速やかに進行してしまうために評価を行える
期間が短く、薬剤の効果判定が難しいこと等の技術的課
題が残されていたが、本発明のモデル動物では、一定の
大きさ、かつ、均一な強度をもつ角膜障害部を眼球上に
作製することができるため、疾患部の面積を測定するこ
とで症状の軽重や経時的変化を容易に数値化し、定量的
に把握できるという、優れた特性をさらに有するもので
ある。
【0036】本発明のモデル動物を用いた評価方法の対
象となる被験薬剤には特別に制限はなく、角膜上皮障害
に対する治療効果を評価する目的をもつものであればい
かなるものでもよい。角膜上皮障害を治癒することを目
的として調製された少なくとも一種の有効成分を含む組
成物はその対象に含まれる。その中でも、本発明のモデ
ル動物の作成機序から考えると、その中でも涙液の異常
に起因する角膜障害、いわゆるドライアイを治療するこ
とを目的として調整された組成物が被験薬剤として好ま
しい。通常、医薬品や医薬部外品を指すが、特定保健用
食品(機能性食品)、特定栄養補助食品、健康食品など
の補助食品なども含まれる。例えば、角膜上皮の傷の庇
護作用、損傷部位の回復促進作用、粘膜刺激緩和作用、
粘膜保護作用を少なくともひとつ以上もつ薬剤をあげる
ことができる。具体的には、ヒアルロン酸、コンドロイ
チン硫酸、デキストラン硫酸、副腎皮質ホルモンなどが
例示できる。当然のことながら、既存の作用機序をもつ
薬剤だけでなく、新規な作用機序をもつ薬剤を評価する
ことも可能である。
【0037】評価対象となる薬剤は、通常、点眼剤とし
て眼球に局所的に投与される。しかし、いかなる投与経
路の薬剤も評価可能であり、特に制限がない。非経口的
および経口的に投与される薬剤の評価を行うことができ
る。非経口的に投与される薬剤の例としては、先にあげ
た点眼剤の他に眼軟膏剤、注射剤、外用剤、坐剤をあげ
ることができる。薬剤の投与量は、薬剤の性質、投与対
象の種類、年齢や体重などの条件をもとに総合的に判断
し、最適な量を適宜決定するべきであり、特に限定され
ない。
【0038】投与時期や投与回数などの投与条件は、薬
剤の性質、試験および評価の目的などに応じて適宜最適
となるように設定すればよく、特に制限はない。例え
ば、点眼剤の評価を行う場合には投与時期に関してはモ
デル動物作製直後より30分毎に数回投与後、その後1
時間毎に数回投与し、その都度、症状の変化を観察、評
価する方法が多く用いられる。投与回数については薬剤
の性質により異なり、1回以上であればよいが、好まし
くは2回以上、より好ましくは4〜6回以上である。
【0039】本発明のモデル動物を用いた被験薬剤の評
価方法は、所望の目的を達する方法であれば、いかなる
方法を用いてもよい。例えば、常法に従い、眼球表面の
反射状況を光により測定する方法、顕微鏡を用いて眼球
表面の組織を観察する方法によって評価することができ
る。
【0040】また、薬剤の効果を数値化して定量的に把
握するためには、通常、被験薬剤投与終了後に眼球角膜
に染色を施して眼球角膜上皮損傷部位の面積を測定し、
これを被験薬剤非投与群または被験薬剤投与前の眼球角
膜上皮損傷部位の面積と比較する方法(以下、被染色面
積比較法)を用いることが好ましい。通常、損傷部が染
色剤によって染まるため、この方法を用いれば、薬剤投
与の影響を染色部位の面積値の変化として把握でき、薬
剤の効果を定量的に表現することができるという利点が
ある。薬効の強度は染色面積の減少率として把握でき
る。被染色面積比較法に用いる染色剤は薬理学的に許容
されるものであればいかなるものを用いてもよい。その
中でも、通常、オキュラーサーフェイスの生体染色検査
に用いられているフルオレセイン塩,ローズベンガル,
スルファローダミンB,リサミングリーンを用いること
が好ましく、フルオレセイン塩を用いることがさらに好
ましい。
【0041】面積を測定する方法は、染色剤の種類など
によって最適な方法を選択すればよく、特に限定されな
い。フルオレセインナトリウムなどの蛍光色素を用いる
場合には、蛍光強度を測定する方法やデジタルカメラな
どによって撮影した眼球表面の画像データを処理・解析
することによって数値化し、把握する方法などを例示す
ることができる。
【0042】本発明のモデル動物を用いた被験薬剤の薬
効評価方法の具体例を示すと、次の通りである。モデル
動物の眼球表面を生理食塩液で充分に洗浄後、適当な濃
度(例えば、2%)のフルオレセインナトリウム水溶液
を滴下し角膜損傷部を染色する。再度生理食塩液で眼球
表面を充分に洗浄して遊離の染色剤を除去する。デジタ
ルカメラを用いて眼球表面を撮影し、画像データを得
る。画像解析ソフトを用いて被染色部位(角膜損傷部
位)の面積(ピクセル数)を計測する。薬剤投与終了
後、同様の操作を行うことによって薬剤投与後の角膜損
傷部位の面積を計測する。薬剤投与前後の損傷部位面積
の比を求めることにより改善度を求めることができる。
【0043】さらに、本発明によれば上記のごとく面積
を計測する以外にも、薬剤投与回数を一定にし、治癒
までの時間を測定する治癒するまで被験薬剤を一定間
隔で投与した回数を求める、などの方法によっても被験
薬剤の薬効の強度を評価することができる。
【0044】
【実施例】以下の実施例において、モデル動物作製例お
よび薬剤評価例をあげて本発明をさらに詳しく説明す
る。なお、本発明は以下の実施例に記載されたモデル動
物および方法などに限定されるものではなく、特許請求
の範囲に含まれるすべてのモデル動物および方法などを
含むものである。
【0045】実施例1:モデル動物例1の作製 供試動物としてウサギ(ニュージーランドホワイト種;
雄性;13週齢;体重約3kg)を選択し、検疫・馴化
した。飼育は、室温21±3℃、相対湿度50±20
%、照明時間12時間(午前7時点灯、午後7時消
灯)、換気回数10〜15回/時間の恒温恒湿下の室内
に設置した動物飼育用ラック内にて行い、飼料(オリエ
ンタル酵母工業製;RC4)および飲料水(市水を孔径
0.2μmのメンブランフィルターにてろ過滅菌後給
水)は自由に摂取させた。前記供試動物に対して塩酸ケ
タミン20mg/kg(三共製;商品名:ケタラール5
0筋注用)および塩酸キシラジン10mg/kg(バイ
エル製;商品名:セラクタール2%注犬・猫用)を筋肉
注射して全身麻酔を行い、眼瞼を開いた状態で外科用接
着剤(三共製;商品名:アロンアルファA「三共」)を
用いて接着・固定した。中央部に8mmφの穴を開けた
ポリフッ化エチレン系繊維製シートフィルム(20×3
0mm;厚さ0.15mm;図1)で眼球を被覆した。
【0046】吸水性素材として粉糖(三共食品製;ショ
糖・コーンスターチ混合物[97:3;w/w])(91
部)と蒸留水(9部)を練り合わせて粘土状とした組成
物を選択し、その組成物0.5gを、眼球を被覆したフ
ィルムの開口部にあわせて置き、眼球表面に均一に接面
させて20分間放置した。20分後、フィルムと組成物
を眼球表面から取り除き、充分量の生理食塩液で眼球表
面を洗浄し、モデル動物例1を得た。
【0047】実施例2:モデル動物例2の作製 吸水性素材を粉糖(三共食品製;ショ糖・コーンスター
チ混合物[97:3;w/w])に代えてモデル動物を作
製した。実施例1と同様に、検疫・馴化した供試動物
(ウサギ)に全身麻酔し、さらに0.4%塩酸オキシブ
プロカイン点眼液(千寿製薬製;商品名:アネロカー
ル)を点眼して局所麻酔した後にバンガード開瞼器を装
着して開瞼させた。中央部に8mmφの穴を開けたポリ
フッ化エチレン系繊維製シートフィルム(21mmφ;
厚さ0.2mm;図2)で眼球を被覆した。
【0048】吸水性素材として粉糖(三共食品製;ショ
糖・コーンスターチ混合物[97:3;w/w])1gを
用い、眼球を被覆したフィルムの開口部を吸水性素材で
覆って眼球表面に均一に接面させ、20分間放置した。
放置時間中に涙液が滲出してきた場合には、適宜、粉糖
を適量追加した。20分後、フィルムと吸水性素材を眼
球表面から取り除き、充分量の生理食塩液で眼球表面を
洗浄し、モデル動物例2を得た。
【0049】実施例3:モデル動物例3の作製 吸水性素材を磨砕した塩化ナトリウムに代えて実施例2
と同様の操作を行い、モデル動物を作製した。吸水性素
材には磨砕後に直径150μm以下となるように粒度を
そろえた(日本工業規格の標準ふるい[ふるい番号10
0]を用いて分級した)塩化ナトリウム1gを用いた。
眼球を被覆したフィルムの開口部を吸水性素材で覆って
眼球表面に均一に接面させ、20分間放置した。20分
後、フィルムと吸水性素材を眼球表面から取り除き、充
分量の生理食塩液で眼球表面を洗浄し、モデル動物例3
を得た。
【0050】比較例1:比較モデル動物例1の作製 実施例1と同様に、検疫・馴化した供試動物(ウサギ)
に麻酔を行った。バンガード開瞼器を装着して開瞼し、
開瞼した状態を3時間維持して比較モデル動物例を得
た。
【0051】比較例2:比較モデル動物例2の作製 粉糖のかわりに高分子吸水材1gを用いて実施例2と同
様の操作を行い、モデル動物を作製した。高分子吸水材
として生理用ナプキン「ソフィアクティブサポート」
(ユニチャーム製)から取り出した粉末状のものを用い
た(アクリル酸系重合体)。眼球を被覆したフィルムの
開口部を高分子吸水材で覆って眼球表面に均一に接面さ
せ、20分間放置した。20分後、フィルムと高分子吸
水材を眼球表面から取り除き、充分量の生理食塩液で眼
球表面を洗浄し、比較モデル動物例2を得た。
【0052】実施例4:モデル動物例1を用いた薬剤の
評価 実施例1に示した本発明のモデル動物(モデル動物例
1)と本発明の評価方法が角膜上皮障害治療薬の評価系
として妥当であることの確認を目的としてモデル動物例
1を用いて試験を行った。
【0053】[被験薬の投与]被験薬剤として0.1%
ヒアルロン酸ナトリウム製剤(製造・販売:参天製薬;
商品名「ヒアレイン0.1」;以下、「ヒアレイン」)
を用いた。下記の各条件で群分けを行い、4眼(2匹の
左右眼)/群で試験を行った。群〜に対しては「ヒ
アレイン」を約50μL/回(市販容器で点眼する際の
一滴が約50μLに相当する)点眼投与した。群に対
しては「ヒアレイン」の代わりに生理食塩液を点眼投与
した。 群:0〜6時間までは30分毎に、6〜12時間まで
は1時間毎に、その後24時間までは2時間毎に、さら
にその後は4時間毎に点眼投与を行った。 群:0〜6時間までは30分毎に、6〜24時間まで
は2時間毎に、さらにその後は4時間毎に点眼投与を行
った。 群:モデル動物作製6時間後から4時間毎に点眼投与
を行った。 群:0〜6時間までは30分毎に、6〜12時間まで
は1時間毎に、その後24時間までは2時間毎に、さら
にその後は4時間毎に点眼投与した。 なお、データ取得時に角膜障害の症状の治癒が確認され
た場合は、それ以降の薬剤投与は行わなかった。後述の
方法で試験を行い、角膜の染色部位(角膜損傷部位)の
面積が0になったとき、角膜障害の症状の治癒が認めら
れたと判断した。
【0054】[面積データの取得]薬剤投与前および規
定時間の各時点において、各群の眼球表面に2%フルオ
レセインナトリウム水溶液50μLを滴下して角膜の損
傷部位を染色した。充分量の生理食塩液で洗浄した後、
デジタルカメラを用いて眼球表面を撮影した。撮影デー
タを画像解析ソフト(三谷商事製;商品名「Win ROO
F」)を用いて解析し、角膜の染色部位(角膜損傷部
位)の面積をピクセル数として計数した。なお、規定時
間毎のデータの取得は、各点眼投与前に行った。
【0055】角膜障害面積の経時変化の結果を表1およ
び図3に示した。
【表1】
【0056】治癒率の経時変化の結果を表2および図4
に示した。
【表2】
【0057】[データの解析]表1、2および図3、4
からわかるように、本発明のモデル動物においてはモデ
ル作製後も徐々に角膜障害が進行していき、障害がピー
クに達した後に治癒してゆくという特徴をもつ。したが
って、角膜障害面積がピークに達した時点を基準にして
評価を行うことにした。表1、2および図3に示された
結果から、この試験においては、モデル作製後3時間の
角膜障害面積を基準値(評価基準となる面積)として評
価を行った。フルオレセインナトリウム染色部位面積
(ピクセル数)を角膜障害面積と規定し、下記式1を用
いて治癒率(%)を算出した。 (式1) 治癒率(%)=(S-S)/S×100 S:評価基準となる面積(ピクセル数) S:各データ取得時の被染色部位の面積(ピクセル
数)
【0058】上記の結果は、本発明のモデル動物、本発
明のモデル動物の作製方法および本発明の評価方法が角
膜上皮障害治療薬の薬効評価系として妥当であることを
示すものである。
【0059】実施例5:モデル動物例2を用いた薬剤の
評価 実施例2に示した本発明のモデル動物(モデル動物例
2)と本発明の評価方法が角膜上皮障害治療薬の評価系
として妥当であることの確認を目的としてモデル動物例
2を用いて試験を行った。
【0060】[被験薬の投与]被験薬剤として「ヒアレ
イン」を用いた。実施例4と同様に群分けを行い、4眼
(2匹の左右眼)/群で試験を行った。群〜に対し
ては「ヒアレイン」を約50μL/回、点眼投与した。
郡に対しては「ヒアレイン」の代わりに生理食塩液を
点眼投与した。被験薬剤の投与は実施例1の場合と同様
に行った。実施例4と同様に、データ取得時点で角膜障
害の症状の治癒が確認された場合は、それ以降の投与は
行わなかった。角膜損傷部位の面積が0になったとき、
角膜障害の症状の治癒が認められたと判断した。
【0061】[面積データの取得]実施例4と同様の方
法で面積データを取得した。
【0062】角膜障害面積の経時変化の結果を表3およ
び図5に示した。
【表3】
【0063】治癒率の経時変化の結果を表4および図6
に示した。
【表4】
【0064】[データの解析]実施例4と同様の方法で
データを解析した。表3および図5に示された結果か
ら、この試験においては、モデル作製後6時間の角膜障
害面積を基準値として治癒率の算出を行った。算出には
式1を用いた。
【0065】上記の結果は、本発明のモデル動物、本発
明のモデル動物の作製方法および本発明の評価方法が角
膜上皮障害治療薬の薬効評価系として妥当であることを
示すものである。
【0066】モデル動物例作製直後(0時間)の代表的
な眼球の撮影画像(デジタルカメラを用いて撮影)を図
7に示した。モデル動物例2の眼表面では均一かつ円形
に角膜上皮障害が形成されていること(均一かつ円形に
フルオレセインナトリウム被染色部位が形成されている
こと)がわかる。
【0067】モデル動物例2作製直後(0時間)の角膜
切片のヘマトキシリン-エオシン(H−E)染色像を図
8(撮影倍率100倍)および図9(撮影倍率400
倍)に示した。比較のために、無処置眼の角膜切片のH
−E染色像を図10(撮影倍率100倍)および図11
(撮影倍率400倍)に示した。無処置眼の角膜では上
皮細胞層が表面に均一に形成されているのに対して、モ
デル動物例2作製直後の角膜では上皮細胞層の損傷およ
び欠落が広範に認められ、組織レベルで角膜上皮障害が
惹起されていることが確認できた。
【0068】実施例6:モデル動物例3を用いた薬剤の
評価 実施例3に示した本発明のモデル動物(モデル動物例
3)と本発明の評価方法が角膜上皮障害治療薬の評価系
として妥当であることの確認を目的としてモデル動物例
3を用いて試験を行った。
【0069】[被験薬の投与]被験薬剤として「ヒアレ
イン」を用いた。実施例4および5と同様に群分けを行
い、4眼(2匹の左右眼)/群で試験を行った。郡〜
に対しては「ヒアレイン」を約50μL/回、点眼投
与した。群に対しては「ヒアレイン」の代わりに生理
食塩液を点眼投与した。被験薬剤の投与は実施例4およ
び5の場合と同様に行った。実施例4および5と同様
に、データ取得時点で角膜障害の症状の治癒が確認され
た場合は、それ以降の投与は行わなかった。角膜損傷部
位の面積が0になったとき、角膜障害の症状の治癒が認
められたと判断した。
【0070】[面積データの取得]実施例1と同様の方
法で面積データを取得した。
【0071】角膜障害面積の経時変化の結果を表5およ
び図12に示した。
【表5】
【0072】治癒率の経時変化の結果を表6および図1
3に示した。
【表6】
【0073】[データの解析]実施例4および5と同様
の方法でデータを解析した。表5および図12に示され
た結果から、この試験においては、モデル作製後6時間
の角膜障害面積を基準値として治癒率の算出を行った。
算出には式1を用いた。
【0074】上記の結果は、本発明のモデル動物、本発
明のモデル動物の作製方法および本発明の評価方法が角
膜上皮障害治療薬の薬効評価系として妥当であることを
示すものである。
【0075】比較例3:比較モデル動物例1を用いた薬
剤の評価 比較例1に示した比較モデル動物例1を用いて実施例4
〜6と同様の試験を行った。
【0076】[被験薬の投与]被験薬剤として「ヒアレ
イン」を用いた。実施例4〜6と同様に群分けを行い、
4眼(2匹の左右眼)/群で試験を行った。郡〜に
対しては「ヒアレイン」を約50μL/回、点眼投与し
た。群に対しては「ヒアレイン」の代わりに生理食塩
液を点眼投与した。被験薬剤の投与は実施例4〜6の場
合と同様に行った。実施例4〜6と同様に、データ取得
時点で角膜障害の症状の治癒が確認された場合は、それ
以降の投与は行わなかった。角膜損傷部位の面積が0に
なったとき、角膜障害の症状の治癒が認められたと判断
した。
【0077】[面積データの取得]実施例4〜6と同様
の方法で面積データを取得した。
【0078】角膜障害面積の経時変化の結果を表7およ
び図14に示した。
【表7】
【0079】[データの解析]本発明のモデル動物(モ
デル動物例1〜3)とは異なり、表7および図14から
わかるように、比較モデル動物例1においては、モデル
作製直後から治癒が始まるという特徴をもつ。
【0080】上記の結果は、比較モデル動物例1は角
膜障害の治癒速度が速すぎること、 そのために、比較モデル動物例1を用いて評価を行う
と被験薬剤に治療効果があってもそれを検出しにくいこ
とを示すものである。
【0081】比較モデル動物例1作製直後(0時間)の
代表的な眼球の撮影画像(デジタルカメラを用いて撮
影)を図15に示した。比較モデル動物例1の眼球表面
では、不均一にしか角膜上皮障害が形成されていないこ
と(不均一にしかフルオレセインナトリウム被染色され
ていないこと)がわかる。実施例5の図7と比較する
と、その違いは明らかである。
【0082】比較モデル動物例1作製直後(0時間)の
角膜切片のH−E染色像を図16(撮影倍率100倍)
および図17(撮影倍率400倍)に示した。比較モデ
ル動物例1作製直後の角膜においても上皮細胞層の損傷
および欠落が認められ、組織レベルで角膜上皮障害が惹
起されていることが確認できた。しかし、実施例5の図
8および9と比べると、その違いは明らかであり、モデ
ル動物例2と比べて、惹起されている角膜障害の強度が
低く、不均一であることがわかる。
【0083】比較モデル動物例1は、長時間強制的に開
瞼して角膜表面を風乾し、水分を奪うことによって角膜
障害を惹起するモデルである。このモデル動物の作製方
法では、角膜の外側の水分を除去することはできるが、
角膜上皮細胞内の水分を効果的に奪うことができないた
めに角膜上皮に強い障害を起こすことができないと考え
られる。そのため、速やかに障害が治癒してしまうと考
えられる。
【0084】比較例4:比較モデル動物例2を用いた薬
剤の評価 比較例に示した比較モデル動物例2を用いて実施例4〜
7と同様の試験を行った。
【0085】[被験薬の投与]被験薬剤として「ヒアレ
イン」を用いた。実施例4〜7と同様に群分けを行い、
4眼(2匹の左右眼)/群で試験を行った。郡〜に
対しては「ヒアレイン」を約50μL/回、点眼投与し
た。群に対しては「ヒアレイン」の代わりに生理食塩
液を点眼投与した。被験薬剤の投与とデータ取得は実施
例4〜7の場合と同様に行った。実施例4〜7と同様
に、データ取得時点で角膜障害の症状の治癒が確認され
た場合は、それ以降の投与は行わなかった。角膜損傷部
位の面積が0になったとき、角膜障害の症状の治癒が認
められたと判断した。
【0086】[面積データの取得]実施例4〜7と同様
の方法で面積データを取得した。
【0087】角膜障害面積の経時変化の結果を表8およ
び図18に示した。
【表8】
【0088】[データの解析]表8および図18からわ
かるように、比較モデル動物例1と同様に比較モデル動
物例2においては、モデル作製直後から治癒が始まると
いう特徴をもつ。
【0089】上記の結果は、比較モデル動物例2は角
膜障害の治癒速度が速すぎること、 そのために、比較モデル動物例2を用いて評価を行う
と被験薬剤に治療効果があってもそれを検出しにくいこ
とを示すものである。比較モデル動物例2は、高分子吸
水材を角膜表面に接面させて水分を奪うことによって角
膜障害を惹起するモデルである。比較モデル動物例1の
場合と同様に、このモデル動物の作製方法では、角膜の
外側の水分を速やかに奪うことはできるが、角膜上皮細
胞内の水分を効果的に奪うことができないため、角膜上
皮に強い障害を起こすことができないと考えられる。そ
のため、比較モデル動物例1の場合と同様にこの例にお
いても速やかに障害が治癒してしまうと考えられる。
【0090】以上の実施例1〜6および比較例1〜4か
ら以下のことがわかる。 1) 比較モデル動物例1および2では、角膜障害が短
時間(約1時間)で治癒してしまうために被験薬剤の効
果を評価し難いのに対して本発明のモデル動物(モデル
動物例1〜3)では障害が長時間(10時間以上)継続
するので被験薬剤の評価が行い易い。 2) 本発明のモデル動物では、角膜表面に形状および
強度が均一な角膜障害を形成されるのに対して(実施例
5の図7)、従来のモデル動物(比較モデル動物例1)
では、形状および強度が不均一な角膜障害しか形成され
ない(比較例3の図15)。 3) 組織レベルにおいても、本発明のモデルでは強い
角膜障害(角膜上皮細胞層の欠落および障害)が認めら
れるのに対して、従来のモデルでは弱い傷害しか認めら
れない(実施例5の図8〜11および比較例3の図1
6、17参照)。 4) 従来のモデル動物(比較モデル動物例1)は、そ
の作製に3時間以上の時間を要するのに対して、本発明
のモデル動物(モデル動物例1〜3)は、20分間程度
で作製可能である。 5) モデル動物を作製する際に角膜表面に接面させて
水分を除去するために用いる素材として、吸水はする
が、角膜上皮細胞内外に浸透圧差を生じさせない素材
(例:高分子吸水材)を用いると薬剤の薬効評価に利用
可能な程度の強度の角膜障害をもつモデル(本発明のモ
デル)を得ることができない(比較例2および4参
照)。
【0091】
【発明の効果】本発明のモデル動物は角膜上皮障害モデ
ルとして有用である。その中でも特に涙液の異常に起因
する角膜上皮障害モデル、いわゆるドライアイモデルと
して有用である。さらに、本発明のモデル動物の作製方
法および本発明のモデル動物を用いた薬剤の評価方法と
して有用である。本発明のモデル動物は、吸水性素材
の種類、接面面積、接面時間などの条件を調節すること
により種々の重症度をもつモデル動物を得ることができ
る。また、被験物質の作用強度を定量的に把握するこ
とが可能である、などの従来のモデル動物にない優れた
特徴をもつ。本発明のモデル動物の作製方法は、短時間
で安定した強度の症状をもつモデル動物を安定して供給
できるという優れた特徴をもつ。さらに、本発明の評価
方法は、薬剤の効果を再現性よく評価することができ
る、薬剤の効果を定量的に把握することができる、
標準薬剤と被験薬剤の治療効果を定量的に比較すること
も容易であるため(ED50などで比較)、新規の薬剤の
スクリーニング系としても有用である、などの従来のモ
デル動物にない優れた特徴をもつ。
【図面の簡単な説明】
【図1】モデル動物例1を作製するときに使用する四角
形状の薄膜の概略図である。
【図2】モデル動物例2を作製するときに使用する円形
状の薄膜の概略図である。
【図3】実施例4における角膜障害面積の経時変化を示
したグラフである。
【図4】実施例4における治癒率の経時変化を示したグ
ラフである。
【図5】実施例5における角膜障害面積の経時変化を示
したグラフである。
【図6】実施例5における治癒率の経時変化を示したグ
ラフである。
【図7】モデル動物例2作製直後の代表的な眼球の撮影
画像である。
【図8】モデル動物例2作製直後の角膜切片のH−E染
色像(撮影倍率100倍)である。
【図9】モデル動物例2作製直後の角膜切片のH−E染
色像(撮影倍率400倍)である。
【図10】無処置眼の角膜切片のH−E染色像(撮影倍
率100倍)である。
【図11】無処置眼の角膜切片のH−E染色像(撮影倍
率400倍)である。
【図12】実施例6における角膜障害面積の経時変化を
示したグラフである。
【図13】実施例6における治癒率の経時変化を示した
グラフである。
【図14】比較例3における角膜障害面積の経時変化を
示したグラフである。
【図15】比較モデル動物例1作製直後の代表的な眼球
の撮影画像である。
【図16】比較モデル動物例1作製直後の角膜切片のH
−E染色像(撮影倍率100倍)である。
【図17】比較モデル動物例1作製直後の角膜切片のH
−E染色像(撮影倍率400倍)である。
【図18】比較例4における角膜障害面積の経時変化を
示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61B 3/10 G01N 33/48 N G01N 33/48 A61B 3/10 Z

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性素材を眼球角膜に接面させ、角膜
    上皮細胞内外に浸透圧差を生じさせる処理を受けること
    によって角膜上皮障害の症状を呈していることを特徴と
    する角膜上皮障害モデル動物。
  2. 【請求項2】 当該角膜上皮障害がドライアイであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の角膜上皮障害モデル動
    物。
  3. 【請求項3】 前記角膜上皮障害モデル動物が非ヒト哺
    乳動物または家禽であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の角膜上皮障害モデル動物。
  4. 【請求項4】 吸水性素材がポリオール類、塩類、アミ
    ノ酸類、ペプチド類および水溶性合成高分子から選ばれ
    る少なくとも一種の素材を含むことを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載の角膜上皮障害モデル動物。
  5. 【請求項5】 吸水性素材が糖類であることを特徴とす
    る請求項4に記載の角膜上皮障害モデル動物。
  6. 【請求項6】 吸水性素材がグルコース、マルトース、
    ショ糖、フルクトース、デキストラン、デンプンから成
    る群から選ばれる少なくとも一種の糖類を含むことを特
    徴とする請求項5に記載の角膜上皮障害モデル動物。
  7. 【請求項7】 吸水性素材がアルカリ金属の塩およびア
    ルカリ土類金属の塩から選ばれる少なくとも一種の塩類
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の角膜上皮障害
    モデル動物。
  8. 【請求項8】 吸水性素材が粉末状、溶液状、ゲル状、
    ゼリー状、錠剤状のいずれかの形態であることを特徴と
    する請求項1乃至7のいずれかに記載の角膜上皮障害モ
    デル動物。
  9. 【請求項9】 吸水性素材を水透過性あるいは水半透過
    性の形成物を介して接面させることを特徴とする請求項
    1乃至8のいずれかに記載の角膜上皮障害モデル動物。
  10. 【請求項10】 角膜上皮障害モデル動物がウサギであ
    ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の
    角膜上皮障害モデル動物。
  11. 【請求項11】 吸水性素材を眼球角膜の一部に接面さ
    せることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記
    載の角膜上皮障害モデル動物。
  12. 【請求項12】 吸水性素材を眼球角膜の瞳孔部分に接
    面させてなることを特徴とする請求項1乃至11のいず
    れかに記載の角膜上皮障害モデル動物。
  13. 【請求項13】 吸水性素材を眼球角膜の瞳孔部分に円
    形に接面させてなることを特徴とする請求項12に記載
    の角膜上皮障害モデル動物。
  14. 【請求項14】 中心部を円形にくり抜いた水非透過性
    の薄膜で眼球角膜を覆い、くり抜いた円形部を瞳孔部分
    に位置させ、その露出部に吸水性素材を接面させてなる
    ことを特徴とする請求項13に記載の角膜上皮障害モデ
    ル動物。
  15. 【請求項15】 吸水性素材を眼球角膜に接面させ、角
    膜上皮細胞内外に浸透圧差を生じさせる処理を行うこと
    によって角膜上皮障害症状を惹起させる工程、被験薬剤
    を当該眼球角膜に投与する工程、および当該眼球角膜上
    皮損傷部位の症状改善度を評価する工程、を含んで成る
    ことを特徴とする角膜上皮障害治療薬の評価方法。
  16. 【請求項16】 当該角膜上皮障害がドライアイである
    ことを特徴とする請求項15に記載の角膜上皮障害治療
    薬の評価方法。
  17. 【請求項17】 当該角膜上皮損傷部位の症状改善度を
    評価する工程が、染色面積の変化を数値化して評価する
    工程であることを特徴とする請求項15又は16に記載
    の角膜上皮障害治療薬の評価方法。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至14のいずれかに記載の
    角膜上皮障害モデル動物を用いることを特徴とする請求
    項15乃至17のいずれかに記載の評価方法。
  19. 【請求項19】 被験薬剤が点眼剤である請求項15乃
    至18のいずれかに記載の評価方法。
  20. 【請求項20】 前記請求項15乃至19のいずれかに
    記載の評価方法を用いて選定された角膜上皮障害治療
    薬。
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