JP2003102291A - 農用膜体の回収装置 - Google Patents

農用膜体の回収装置

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JP2003102291A JP2001298183A JP2001298183A JP2003102291A JP 2003102291 A JP2003102291 A JP 2003102291A JP 2001298183 A JP2001298183 A JP 2001298183A JP 2001298183 A JP2001298183 A JP 2001298183A JP 2003102291 A JP2003102291 A JP 2003102291A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断した作物の茎葉を保持しつつ搬送して畝
の幅方向外側に放出することで、農用膜体への巻き込み
を防止する。 【解決手段】 倒伏した作物の茎葉部を持ち上げる持上
手段8は、左右対の回走体20A,20B;23A,2
3Bを有してその間に茎葉部を保持しつつ搬送する構成
とされており、この左右対の回走体20A,20B;2
3A,23Bは、その搬送終端が搬送始端よりも畝幅方
向の外側に配設されるように傾斜して設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畝に被覆された農
用膜体(マルチフィルム)を回収する農用膜体の回収装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】畝に植え付けている作物が玉ねぎ等の畝
中の作物である場合、この作物の収穫に先立って農用膜
体の回収作業が行われるようになる。しかし、玉ねぎ等
においては、その茎葉部が農用膜体から上方へ長く伸び
た状態であることから、従来の回収装置で農用膜体を引
き上げると、該農用膜体が作物の茎葉部に引っ掛かり、
これが巻取回収の抵抗となったり、農用膜体を破る原因
となって回収作業を阻害することとなっていた。また、
茎葉部の引っかかりによって作物を同時に引抜いて膜体
に巻き込んだり、作物を引抜かなくても引き上げる力に
よって作物が畝中で動いて傷つく恐れがあり、いずれに
おいても作物の商品価値を下げる要因となっていた。こ
のような問題は、茎葉部が倒伏して農用膜体に被さって
いるときに顕著に顕れるものであった。
【0003】そのため、従来では、農用膜体の回収に先
立って倒伏した作物の茎葉部を人手によって立てながら
鋏等によりある程度の長さに切断し、そのあと回収装置
や人手によって農用膜体を巻取回収し、回収後に人手又
は収穫機により作物を収穫するという手順をふむ必要が
あり、これは多大な労働力と時間を要するとともに、人
手による作業は腰をかがめての作業となるために負担増
を強いるものであった。そこで、このような問題を解決
する回収装置が、特開2000−295928号にて提
案されており、これは、畝に植え付けた作物の茎葉部を
持ち上げる持上手段と、この持ち上げた茎葉を切断する
切断手段と、切断手段の後方で畝から農用膜体を引き上
げて巻取回収する巻取体とを備え、農用膜体に倒伏した
茎葉を持上手段で持上げるとともに切断手段にて適当な
長さに切断し、その後農用膜体を引き上げることにより
茎葉が引っ掛かることなく好適に巻取体に巻取回収がで
きるようにしたものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の回収装置
は、その持上手段として、多数の掻き上げ爪を突設した
回走ベルトを左右方向の軸心回りに回走駆動することに
より掻き上げ爪を縦回し移動し、複数条の作物の条間を
通過しながら掻き上げ爪で茎葉を引っ掛けて持ち上げ、
切断手段にて切断するものとなっていた。しかし、上記
持上手段は、倒伏した茎葉を持ち上げて後方へ送ること
は可能であるものの切断後の茎葉は保持することができ
ないため、この茎葉が四方に散乱することとなり、切断
された茎葉が農用膜体に落下すると、この茎葉を巻き込
んで農用膜体が破れてしまう恐れがあり、回収不能とな
ったり作業を中断してしまう原因となっていた。
【0005】また、この回収装置では、切断後の茎葉が
農用膜体に巻き込まれるのを防止するために、a)巻取
体の軸心方向を前後方向又は斜め方向として農用膜体を
ひねり、該膜体上の茎葉を滑り落とす、b)切断手段の
直後に切断された茎葉を空中で受ける受取部材を設け
る、c)この受取部材に左右外側が下り勾配となるよう
な傾斜を設けて茎葉を滑り落とす、等の手段が講じられ
ていたが、いずれも茎葉を取り除くには確実性に欠け、
a)は、農用膜体をひねることによって巻取体に団子状
に巻き取られたり、膜体の側縁が局部的に引っ張られて
破れてしまうという弊害を生じ、b)c)は、受取部材
に蓄積された茎葉が振動や風等によって膜体上に落ちて
しまう可能性が高いものであった。
【0006】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、切断した作物の茎葉を保持しつつ搬送し
て畝の幅方向外側に放出することで、農用膜体への巻き
込みを防止し、好適に回収作業を行うことができる農用
膜体の回収装置を提供することにを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために以下の技術的手段を講じている。すなわ
ち、本発明は、畝R上の農用膜体Fに倒伏した作物Sの
茎葉部S1を後上がり傾斜状とされた持上手段8により
持ち上げて後方へ搬送するとともに、持ち上げた茎葉部
S1を切断手段9にて切断し、その後農用膜体Fを畝R
から剥ぎ取って回収するようにした農用膜体の回収装置
において、前記持上手段8は、左右対の回走体20A,
20B;23A,23Bを有してその間に茎葉部S1を
保持しつつ搬送する構成とされており、この左右対の回
走体20A,20B;23A,23Bは、その搬送終端
が搬送始端よりも畝幅方向の外側に配設されるように傾
斜して設けられていることを特徴とするものである。
【0008】これによれば、左右対の回走体20A,2
0B;23A,23Bにより茎葉部S1を保持しつつ後
方へ搬送し、さらに、その搬送終端が搬送始端よりも畝
幅方向の外側に配設されていることによって、切断した
茎葉部S1を畝Rの幅方向外側へ導いて放出し、農用膜
体F上に落下するのを可及的に防止することができ、こ
れにより、茎葉部S1を農用膜体Fに巻き込んで回収し
てしまうこともほとんどなく、円滑な回収作業が可能と
なる。上記構成において、左右対の回走体20A,20
B;23A,23Bのうち、畝幅方向の外側に配設され
たもの20A,23Aが内側に配設されたもの20B,
23Bよりも上下に低く形成されていることが推奨され
る。
【0009】これによれば、左右対の回走体20A,2
0B;23A,23Bの搬送終端では、畝幅方向外側の
回走体20A,23Aが上下に低く形成されているため
に、この回走体20A,23Aに沿って茎葉部S1を畝
Rの幅方向外側へ向けて放出することが可能となる。ま
た、図3に示すように、持上手段8等を支持するフレー
ム6Bが回走体20A,20B;23A,23Bの上側
方にある場合には、幅方向外側の回走体20A,23A
を低く形成することで放出した茎葉部S1がフレーム6
B上に堆積してしまうようなことが防止される。
【0010】上記の構成において、前記持上手段8は、
引起こされた茎葉部S1を挟持して搬送する左右対の挟
持回走体23A,23Bを有し、左右対の挟持回走体2
3A,23Bのうち畝幅方向の外側に配設されたもの2
3Aの外側部23A1が、搬送終端から下方に外広がり
状に形成されていることが推奨される。これによれば、
畝幅方向外側に放出された茎葉部S1が落下するとき、
下方に外広がり状とされた畝幅方向外側の挟持回走体2
3Aの外側部23A1に沿って茎葉部S1をさらに畝R
の外側方へ導くことが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図2〜図4において、本発明の実施
形態に係る農用膜体の回収装置1は、トラクタ等の動力
車に3点リンクで例示するリンク装着装置2を介して着
脱自在に設けられるようになっており、この動力車の走
行により畝Rを跨いで畝長手方向に移動可能であるとと
もに、3点リンク2を介して昇降自在とされている。な
お、上記回収装置1は、動力車に連結されて移動するに
限らず、自走するものであってもよい。
【0012】回収装置1は、3点リンク2に着脱自在と
して連結されるヒッチ部3Aを移動機体3の前部に備
え、この移動機体3の後部には畝R間に接地して全体を
支持して転動する左右の車輪4を備えている。具体的
に、移動機体3は、左右方向に延伸するメインフレーム
6Aの左右両側からサイドフレーム6Bを前方に突出
し、メインフレーム6Aの左右中央部からトップフレー
ム6Cを上斜め前方に突出し、トップフレーム6C及び
サイドフレーム6Bの先端部を正面視でハの字配置とさ
れた連結板6Dにて結合することによって構成されてお
り、トップフレーム6Cの前端とサイドフレーム6Bの
前端とに前記ヒッチ部3Aを設けて3点リンク2に連結
している。
【0013】また、回収装置1は、畝Rを被覆している
農用膜体Fに倒伏した作物S(図例では玉ねぎ)の茎葉
部S1を持ち上げる持上手段8と、持ち上げた茎葉部S
1を切断する切断手段9と備え、茎葉部S1を切断した
のちに畝Rから農用膜体Fを剥ぎ取って回収ドラム11
に回収する構成となっており、本実施形態では、電動モ
ータ等の駆動体10によって畝Rの長手方向と交差する
横軸まわりに回転駆動される回収ドラム11が移動機体
3の後部に装着されている。持上手段8及び切断手段9
は、移動機体3に左右一対の昇降リンク13を介して昇
降自在に支持されており、この昇降リンク13は平行リ
ンクとされていて持上手段8の姿勢を維持したまま平行
に昇降可能となっており、左右の昇降リンク13と移動
機体3とをコイルバネで例示する弾性吊持体14で連結
することにより、持上手段8等はゲージ体15を介して
畝Rの凹凸に追従し、フローティング状態で吊持されて
いる。
【0014】本実施形態の弾性吊持体14は、調整ハン
ドル14Aを有するネジ棒14Bがネジ筒14Cに螺挿
されており、ネジ送りによってコイルバネの弾性力が強
弱調整可能となされているが、この弾性吊持体14は伸
縮自在な油圧シリンダで構成することも可能である。持
上手段8は、倒伏した茎葉部S1を掻き上げて引き起こ
す引起こし搬送装置16と、引き起こした茎葉部S1を
挟持して搬送する挟持搬送装置17とを上下を並設して
備えており、引起こし搬送装置16と挟持搬送装置17
のそれぞれは後上がり傾斜状に配置され、両方の搬送装
置16,17は後上がり側の後端部から駆動するように
構成されている。
【0015】一方、畝Rには左右4条の作物Sが植え付
けられており、この左右4条の作物Sのうち、左側の2
条と右側の2条とに対応するように、持上手段8は、畝
Rの左右両側に振り分けて左右一対設けられている。引
起こし搬送装置16と挟持搬送装置17は、前者16の
後上がり傾斜角度が後者17に比べて大きな角度とさ
れ、更に、前者16の作用始端部(搬送始端部;掻込開
始部)16Aが後者17の作用始端部(搬送始端部;挟
持開始部)17Aよりも前方に位置していると共に、前
者16の作用始端部16Aに対して後者17の作用始端
部17Aが上方に位置されている。
【0016】これにより、茎葉部S1は、まず引起こし
搬送装置16で引き起こされたのちに挟持搬送装置17
の作用始端部17Aに受け継がれるようになる。引起こ
し搬送装置16は、図1、図3及び図4に示すように、
外周部に多数の掻込爪19を周方向に間隔をおいて突設
している左右対のエンドレスベルトよりなる引起こし回
走体20A,20Bにより構成されており、この引起こ
し回走体20A,20Bを前後(下上)のプーリ21
A、21B及びテンションプーリ21C等にそれぞれ巻
掛けている。
【0017】また、左右対の引起こし回走体20A,2
0Bの対向部位A(図4参照)は、掻込搬送部分とされ
ており、この搬送部分Aが左右片側2条の作物Sの左右
条間Bと略対応しており、ここに、左右対の引起こし回
走体20A,20Bを対向内側(矢印方向)に回走駆動
することで、4条のうちの左右2条の作物Sの茎葉部S
1を掻込爪19で掻き込んで搬送可能としている。ま
た、搬送部分Aでは左右引起こし回走体20A,20B
の掻込爪19,19が相互に交差するようになってい
る。
【0018】畝幅方向の外側に配設された引起こし回走
体20Aはその下部16Aが左右方向に広くなるよう各
プーリ21A,21B,21Cに三角形状に巻掛けられ
ており、これによって掻込爪19が畝Rの肩部に略沿わ
されるようになり、該肩部に垂れ下がった茎葉部S1で
あっても掻込可能としている。また、この引起こし回走
体20Aは、図5に示す如く、全体として外下がり傾斜
状に配設されており、これによって、回走体20Aの下
辺部20A1を可及的に畝Rの側壁に近づけて垂れ下が
っている茎葉部S1を確実に掻込爪19で掻き上げるこ
とができるようにしている。
【0019】更に、引起こし回走体20A,20Bの掻
込爪19は、その突出方向に断面を先細りにした弾性爪
であり、その先端が膜体Fに接触したとしても柔らかな
接触となって膜体Fの破れが防止されている。なお、畝
幅方向外側の引起こし回走体20Aは、後プーリ21B
の支軸22Bを中心として前部側(下部側)を左右に若
干揺動できるようになっており、この揺動により下辺部
20A1を畝Rの肩部に沿うように位置調整できる。更
に、外側方のテンションプーリ21Cは、前プーリ21
Aの支軸22Aを支点として若干上下に揺動できるよう
になっており、これによっても下辺部20A1を畝Rの
肩部に沿うように位置調整でき、更に、同支軸22Aと
の間隔をも調整可能としている。
【0020】左右各持上手段8、8における挟持搬送装
置17は、左右対のエンドレスベルトよりなる挟持回走
体23A,23Bを前後のプーリ24A,24B及びテ
ンションプーリ24Cに巻掛けることにより構成されて
おり、左右対の挟持回走体23A,23Bを対向内側に
回走駆動することにより両者間に茎葉部S1を挟持して
後方に搬送可能としている。挟持搬送装置17の作用始
端部17Aは、引起こし搬送装置16の搬送中途部にあ
り、この引起こし搬送装置16により引き起こされた茎
葉部S1を作用始端部17Aにて受け継いでその挟持搬
送部分によって後方に搬送するようになっている。
【0021】左右対の挟持回走体23A,23Bが巻掛
けられた左右前プーリ24Aの下側には切断手段9を構
成する円盤状のカッター27がそれぞれ設けられてお
り、この左右のカッター27,27の交差部分で茎葉部
S1を挟みながら切断するものとなっている。また、カ
ッター27の切断点(交差点)Pは、引起こし搬送装置
16の作用始端部16Aよりも後側でかつ挟持搬送装置
17の作用始端部17Aよりもやや前側に配設されてお
り、従って、引起こし搬送装置16で引起こした茎葉部
S1は挟持搬送装置17に受け継がれる直前に切断され
るようになっている。
【0022】これは、挟持搬送装置17によって茎葉部
S1を挟持した状態で切断すると、カッター27よりも
下側の作物Sが引っ張られて畝Rから引抜かれたり、土
中の動きで傷つく恐れがあるためであり、引起こし搬送
装置16のみによって比較的ラフに保持した状態で茎葉
部S1を切断することで、かかる問題を解消できるよう
になっている。切断手段9により切断された茎葉部S1
は、引起こし搬送装置16から挟持搬送装置17に受け
継がれて後上方に搬送され、その搬送終端で放出される
ようになっている。
【0023】ここで、本発明にかかる持上手段8(引起
こし搬送装置16及び挟持搬送装置17)は、その搬送
始端よりも搬送終端が畝幅方向の外側に配設されるよう
に左右に傾斜されており、切断された茎葉部S1は、畝
Rの幅方向外側へ向けて搬送されるとともに放出される
ことによって、農用膜体F上に落下することが可及的に
防止されている。さらに、引起こし回走体20A,20
B、挟持回走体23A,23Bは、いずれも畝幅方向の
外側に配設されたもの20A,23Aが内側に配設され
たもの20B,23Bよりも上端(搬送終端)が低位置
となるように構成されており、これによって外側の挟持
回走体23Aの搬送終端に至った茎葉部S1は、同回走
体23Aの上部に沿って幅方向外側へ向けて放出される
ようになっている。
【0024】また、この挟持回走体23Aの上部には、
外側へ向けて弯曲する帯板状、棒状等のガイド部材28
が付設されるとともに、後プーリ24Bの下側には複数
の突起を外周部に備えたスター形の送りプーリ29が同
期回転するように付設されており、これら28,29に
よって畝Rの幅方向外方への茎葉部S1の放出が促進さ
れている。また、畝幅方向外側の挟持回走体23Aを低
くすることによって、放出された茎葉部S1が移動機体
3のサイドフレーム6B上等に蓄積されるようなことが
防止されており、したがって、蓄積された茎葉部S1が
風等により農用膜体F上に落下するようなこともない。
【0025】畝幅方向外側の挟持回走体23Aは、その
左右外側部23A1が搬送終端から下方に外広がり状と
なるようにテンションプーリ24Cによって形成されて
おり、放出された茎葉部S1が落下するときに、この外
側部23A1に沿って更に外側へ導かれるようになって
いる。上記引起こし搬送装置16、挟持搬送装置17お
よび切断手段9に対する動力伝達系について説明する
と、図6に示すように移動機体3の左右方向中央部で上
方には、前後方向に延伸した動力受入軸(PIC軸)3
1が軸受等によって回転自在に支持されており、このP
IC軸31はジョイント軸32を介して動力車のPTO
軸に連動連結されている。
【0026】PIC軸31の後端部には、テンションク
ラッチ手段33(図8参照)を有する巻掛伝動体34が
備えられており、この伝動体34の下部に出力軸35が
設けられ、この出力軸35と伝動機構36の入力軸37
とがジョイント軸38で連動連結されている。伝動機構
36は伝動ケース39に内蔵されており、該伝動ケース
39は昇降リンク13に装着され(図2参照)、伝動ケ
ース39等が昇降しても入力軸37に対してジョイント
軸38が屈曲することで動力伝達は円滑にされている。
また持上手段8及び切断手段9は、この伝動ケース39
にブラケットやフレーム等を介して取り付けられてい
る。
【0027】伝動ケース39内には、引起こし回走体2
0A,20Bと挟持回走体23A,23Bの後プーリ軸
22B,25Bが接続されており、この各後プーリ軸2
2B,25Bと入力軸37とがベベルギヤ機構40やチ
ェーン機構41等よりなる伝動機構36を介して連動連
結され、各プーリ軸22B,25Bを所定の回転方向に
回転駆動するようになっている。なお、畝幅方向外側の
引起こし回走体20Aは、図5の如く外下がり傾斜状に
配設されているため、その後プーリ軸22Bは、中途部
に屈曲可能なジョイント部22B1を備えて上斜め外方
に傾斜されている。
【0028】また、引起こし回走体20A,20Bの後
プーリ軸22Bは、図6の2点鎖線で示すように挟持回
走体23A,23Bの後プーリ軸25Bから延長した延
長軸によって構成することも可能であり、このようにす
れば伝動ケース39内の伝動構造を簡素化できるように
なる。切断手段9を構成するカッター27は、挟持回走
体23A,23Bの前プーリ軸25Aに連動連結されて
おり、この際、前プーリ軸25Aは挟持回走体23A,
23Bの後上がり傾斜によって前傾されているために、
カッター軸27Aとの間には屈曲可能なジョイント部2
7Bが介在され、カッター27が地面と略平行に配設さ
れるようになっている。
【0029】前記巻掛伝動体34は、上部プーリ41A
と下部プーリ41Bとに渡ってベルト41Cを巻掛ける
ことにより構成され、上部プーリ41AはPIC軸31
に取り付けられ、ベルト41Cは、図8に示すようなテ
ンションクラッチ手段33により緊張弛緩されるように
なっている。このテンションクラッチ手段33は、軸4
3Aを支点に揺動するテンションアーム43Bにテンシ
ョンローラ43Cを備え、このローラ43Cがベルト4
1Cに接離自在とされている。
【0030】テンションアーム43Bには操作ロッド4
3Dが連結され、このロッド43Dは、バネ43Eを介
して操作アーム43Fに連係されており、操作アーム4
3Fは操作レバー43Gを有して軸43Hを支点に不安
定切換自在として回動するようになっている。図8の実
線では、テンションローラ43Cがベルト41Cを圧接
したクラッチ入りの状態であり、巻掛伝動体34により
切断手段9、持上手段8をそれぞれ駆動可能となってお
り、テンションアーム43Bにはバネ43Iが架けられ
ていて、該バネ43Iと協働して伝動中のショックを吸
収するようになっている。
【0031】すなわち、クラッチ入りのときは、バネ4
3Eの弾性力でバネ43Iを引っ張るようにテンション
アーム43Bに作用してローラ43Cをベルト41Cに
圧接しているのであり、操作レバー43Gを軸43Hま
わりに図8の仮想位置に回動操作すると、バネ43Iの
弾引力でアーム43Bがローラ43Cをベルト41Cか
ら離反させてクラッチ切りとし、巻掛伝動体34の伝動
を中断するのであり、このクラッチ手段33の入・切操
作は、機体3の一側方から畝R間を歩いている補助者が
行えるようになっている。
【0032】伝動ケース39の左右両側部には、輪体よ
りなるゲージ体15が上下揺動自在でかつ下方に付勢さ
れた状態で設けられており、このゲージ体15を畝R上
面で走行させることにより伝動ケース39を介して持上
手段8、切断手段9を畝Rの凹凸に追従して昇降可能で
ある。また、このゲージ体15は、畝R幅に併せて左右
位置を調整可能として伝動ケース39に設けられてい
る。本実施形態の回収装置1には、農用膜体Fを剥取り
回収する手段として、振幅手段44及び捲り上げ手段4
5が備えられていると共に、畝Rの膨軟手段46が備え
られている。
【0033】振幅手段44は、図2,図4,図7に示す
ように、丸棒材よりなる振幅体48と、振幅体48の左
右両端を支持する支持体49と、支持体49を機体3に
上下動自在に支持するステー50と、伝動体51とで主
構成されている。振幅体48は、図4に示すように、前
方中央の最先作用部48Aと左右方向後方に延伸した左
右作用部48Bを備えて平面視くの字(山形)形状に形
成され、最先作用部48Aが畝Rの中央部上方に位置し
ている。左右支持体49はその後端側がステー50に軸
52を介して上下動自在に連結されていると共に、左右
支持体49の前後中途部にはロッド49Aが架設されて
おり、このロッド49Aに伝動体51の下端が枢支連結
されており、伝動体51の上部はクランク伝動体31A
を介してPIC軸31に連動連結されている。
【0034】ここに、PIC軸31が回転駆動すると、
クランク伝動体31A、伝動体51等を介して振幅体4
8が軸52を支点に上下振幅して農用膜体Fに振動を与
え、この膜体F上にある茎葉S1等の夾雑物を払い落と
すようになっている。捲り上げ手段45は、図2〜図4
に示すように、機体3から下設した左右側板54にソリ
状に形成した棒体55を前下がり状に延伸し、この棒体
55の先端に平板状のシュー55Aを取着することで構
成され、左右のシュー55Aが膜体Fの左右両端におけ
る裾野の覆土Gをすき込むようになっている。
【0035】図2で明らかにように、ゲージ体15、シ
ュー55A及び振幅体48は、ゲージ体15が最前方で
このやや後方下方にシュー55Aが位置し、振幅体48
が最後尾の空中にあり、ゲージ体15で膜体Fの左右側
部を踏み付け、膜体Fの裾野をシュー55Aですき込
み、振幅体48の上下振動を介してロッド49A及びガ
イド部材56を経由して回収ドラム11の駆動で畝Rか
ら膜体Fを剥ぎ取り回収するようになっている。この膜
体回収においては、振幅体48が、その左右中央の最先
作用部48Aから左右外側の左右作用部が後方に傾斜さ
れかつ上下振幅されることによって農用膜体F上の茎葉
部S1等の夾雑物が左右外側方に振り落とされることと
なるため、上記持上手段8の配置、形状と併せて農用膜
体Fに茎葉部S1を巻き込むことが確実に防止されるよ
うになっている。
【0036】膨軟手段46は、茎葉部S1が切断された
のちの作物Sを膜体Fの剥取り後において畝Rから引抜
き回収するのを容易にするものであり、左右側板54の
下部に架設した帯板状の刃体58によって主構成されて
おり、作物Sの根毛の一部を切断するか又はこのやや下
方を通過するようにして畝Rの全幅に渡って横断してい
る。刃体58は、図4に示すように、中央部が後方位置
で左右両端が前方位置となるようにくの字(山形)形状
に形成されることで畝R中での抵抗を小さくしている。
【0037】なお、上記構成において、作物Sの茎葉部
S1を切断するのは膜体Fの剥取り回収のとき、膜体F
が破れないようにするものであるが、必ずしも全ての茎
葉部S1を切断しなくともよく、畝Rにある作物のうち
80〜90%程度の茎葉部S1を切断できればよいもの
である。また、茎葉部S1の切断長さは、膜体Fを回収
してから作物Sを畝Rから引抜き収穫するので、この引
抜きに支障のない長さを残すように設定されている。前
述した実施形態においては、ゲージ体15をソリ状に形
成してもよく、また、ゲージ体15を畝の左右両側のみ
ならず、中央に配置してもよい。
【0038】持上手段8は、引起こし搬送装置16に対
して挟持搬送装置の機能(茎葉部S1を挟持して搬送す
る機能)を持たせてもよく、この場合、持上手段8を引
起こし搬送装置16のみの構成として、当該搬送装置1
6によって茎葉部S1の引起こしから挟持した状態での
搬送までを行うようにできる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、切
断した作物の茎葉を保持しつつ搬送して畝の幅方向外側
に放出することで、農用膜体への巻き込みを防止し、好
適に回収作業を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる持上手段の正面図で
ある。
【図2】回収装置の側面図である。
【図3】回収装置の正面図である。
【図4】回収装置の平面図である。
【図5】図1のC−C矢示図である。
【図6】持上手段、切断手段の動力伝達系を示す概略図
である。
【図7】振幅手段の側面図である。
【図8】伝動手段の正面図である。
【符号の説明】
1 回収装置 8 持上手段 9 切断手段 16 引起こし搬送装置 16A 作用始端部 17 挟持搬送装置 17A 作用始端部 20A 引起こし回走体 20B 引起こし回走体 23A 挟持回走体 23A1 外側部 23B 挟持回走体 F 農用膜体 R 畝 S 作物 S1 茎葉部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畝(R)上の農用膜体(F)に倒伏した
    作物(S)の茎葉部(S1)を後上がり傾斜状とされた
    持上手段(8)により持ち上げて後方へ搬送するととも
    に、持ち上げた茎葉部(S1)を切断手段(9)にて切
    断し、その後農用膜体(F)を畝(R)から剥ぎ取って
    回収するようにした農用膜体の回収装置において、 前記持上手段(8)は、左右対の回走体(20A,20
    B;23A,23B)を有してその間に茎葉部(S1)
    を保持しつつ搬送する構成とされており、この左右対の
    回走体(20A,20B;23A,23B)は、その搬
    送終端が搬送始端よりも畝幅方向の外側に配設されるよ
    うに傾斜して設けられていることを特徴とする農用膜体
    の回収装置。
  2. 【請求項2】 左右対の回走体(20A,20B;23
    A,23B)のうち、畝幅方向の外側に配設されたもの
    (20A;23A)が同内側に配設されたもの(20
    B;23B)よりも上下に低く形成されていることを特
    徴とする請求項1記載の農用膜体の回収装置。
  3. 【請求項3】 前記持上手段(8)は、引起こされた茎
    葉部(S1)を挟持して搬送する左右対の挟持回走体
    (23A,23B)を有し、左右対の挟持回走体(23
    A,23B)のうち畝幅方向の外側に配設されたもの
    (23A)の外側部(23A1)が、搬送終端から下方
    に外広がり状に形成されていることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の農用膜体の回収装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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