JP2003098648A - トレー形状の保護部材、シート状熱現像感光材料用包装体、シート状熱現像感光材料用包装体の製造方法 - Google Patents

トレー形状の保護部材、シート状熱現像感光材料用包装体、シート状熱現像感光材料用包装体の製造方法

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JP2003098648A
JP2003098648A JP2001286723A JP2001286723A JP2003098648A JP 2003098648 A JP2003098648 A JP 2003098648A JP 2001286723 A JP2001286723 A JP 2001286723A JP 2001286723 A JP2001286723 A JP 2001286723A JP 2003098648 A JP2003098648 A JP 2003098648A
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Katsunori Goi
克典 五井
Yasuto Ichimura
康人 市村
Shigeru Yamaguchi
茂 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱い時に異物の発生がなく、画像形成装
置に装填したとき、シート状熱現像感光材料の位置ずれ
が生じない保護部材と、それを用いたシート状熱現像感
光材料用包装体及びシート状熱現像感光材料用包装体の
製造方法の提供。 【解決手段】 シート状熱現像感光材料を積重する、矩
形の底板と、該底板の周縁部を折り曲げた側壁を有する
熱可塑性樹脂製のトレー形状の保護部材において、該保
護部材の前記側壁は、前記底板の周縁部の一部を折り曲
げて、前記底板の角部を外した形状で、前記底板の周縁
部に設けられていることを特徴とするトレー形状の保護
部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状熱現像感
光材料用のトレー形状の保護部材と、それを用いたシー
ト状熱現像感光材料用包装体(以下、単に包装体ともい
う)及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では環境保全、省スペースの観点か
らも処理廃液の減量が強く望まれ、特に医療の分野で
は、画像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上
で問題となっている。これらの対策として、処理廃液を
出さない熱現像処理法を用いて写真画像を形成する熱現
像感光材料が使用され始めている。
【0003】このような熱現像感光材料は、還元可能な
銀源(例えば有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えば
ハロゲン化銀)、及び還元剤をバインダーマトリックス
中に分散した状態で含有している。熱現像感光材料は常
温で安定であるが、露光後、高温に加熱した場合に還元
可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤との間の
酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応
は露光で発生した潜像の触媒作用によって促進される。
露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色
画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の
形成がなされる。
【0004】熱現像感光材料は、帯状のプラスチックか
らなる支持体上に、前述の如く、有機銀塩、ハロゲン化
銀及び還元剤を有機バインダーマトリックス中に分散し
た状態の感光層を構成する塗布液を、従来のXレイフィ
ルムの感光層よりも厚く、且つ、従来のXレイフィルム
に採用する下引き層を塗布することなく、直接感光層が
塗布・乾燥されてロール状に巻き取った後、必要な幅に
裁断し、その後、必要とする長さに切断しシート状熱現
像感光材料としている。一般的に熱現像感光材料は、支
持体上に感光層が直接塗布され、乾燥されているため感
光層の接着が弱く支持体から剥がれ易く、又従来のXレ
イフィルムの感光層よりも柔らかくキズが付き易い特性
を持っている。
【0005】シート状熱現像感光材料は、画像形成装置
に装填したときにずれない様にするために保護部材に積
重し、且つ、取り扱い中に動いてスリキズが付いたり、
膜剥がれが生じないようにするため、遮光防湿袋に入れ
減圧条件で密封包装し、遮光防湿袋内で動かないように
した包装体となっている。この包装体をダンボール、板
紙等で作られた外箱に収納し、ユーザが使用する形態と
なっている。
【0006】これらの包装体としては、例えば特開平1
1−100073号に記載されている如く、シート状熱
現像感光材料の複数枚を積重状態でコの字形状の保護部
材に積重し、さらに遮光防湿袋で密封包装された形態が
知られている。しかし、コの字形状の保護部材の場合
は、包装体を画像形成装置に装填し、遮光防湿袋を引き
抜く際、シート状熱現像感光材料が動いてしまうため非
常に取り扱いに注意を要した。
【0007】これらの対応として、例えば特開平2−2
16144号、特開2001−174952に記載され
ている如く、熱可塑性樹脂製のトレー形状の保護部材に
シート状熱現像感光材料を積重し、遮光防湿袋で密封包
装された包装体が開示されている。
【0008】トレー形状の保護部材は画像形成装置に装
填したときにシート状熱現像感光材料をずれなくする効
果はあるが、新たな問題点として取り扱い時に異物が発
生し、シート状熱現像感光材料に付着することが挙げら
れた。付着した箇所は現像されなく故障となるため、画
像形成装置のシート状熱現像感光材料の装填部を常に吸
引し、発生する異物を取り除きながら使用しているた
め、煩雑な作業になっている。このため、取り扱い時に
異物の発生がなく、画像形成装置に装填したとき、シー
ト状熱現像感光材料がずれない包装体の開発が望まれて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な状
況を鑑みなされたもので、その目的としては、取り扱い
時に異物の発生がなく、画像形成装置に装填したとき、
シート状熱現像感光材料の位置ずれが生じない保護部材
と、それを用いたシート状熱現像感光材料用包装体及び
シート状熱現像感光材料用包装体の製造方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0011】1)シート状熱現像感光材料を積重する、
矩形の底板と、該底板の周縁部を折り曲げた側壁を有す
る熱可塑性樹脂製のトレー形状の保護部材において、該
保護部材の前記側壁は、前記底板の周縁部の一部を折り
曲げて、前記底板の角部を外した形状で、前記底板の周
縁部に設けられていることを特徴とするトレー形状の保
護部材。
【0012】2)シート状熱現像感光材料を積重する熱
可塑性樹脂製の保護部材と、該保護部材に積重したシー
ト状熱現像感光材料を密封する遮光防湿袋を有するシー
ト状熱現像感光材料用包装体において、前記保護部材が
1)に記載のトレー形状の保護部材を用いたことを特徴
とするシート状熱現像感光材料用包装体。
【0013】3)2)に記載のシート状熱現像感光材料
用包装体の製造方法であって、前記シート状熱現像感光
材料用包装体を5〜58kPaの減圧条件で密封したこ
とを特徴とするシート状熱現像感光材料用包装体の製造
方法。
【0014】発明者らは、上記課題を達成するために鋭
意検討を加えた結果、発生する異物は、輸送時にシート
状熱現像感光材料の角部とトレー形状の保護部材の側壁
により形成された内側の角部とがぶつかることによる衝
撃力により、シート状熱現像感光材料の角部が剥がれた
微片であり、この剥がれた微片がシート状熱現像感光材
料に付着することが判明した。微片の発生を防止するに
は、トレー形状の保護部材の中でシート状熱現像感光材
料の動きを抑制し、シート状熱現像感光材料の角部とト
レー形状の保護部材の側壁で形成される内側の角部のぶ
つかりによる衝撃力を弱くするか、あるいはトレー形状
の保護部材に積重したとき、シート状熱現像感光材料の
角部がぶつからない形状のトレー形状の保護部材にする
ことが効果的であることが判明し、本発明に至った次第
である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図3を参照しなが
ら、本発明の実施形態に係わる包装体につき説明する。
【0016】図1はトレー形状の保護部材を用いた包装
体の概略斜視図である。図中、1は包装体を示す。2は
シート状熱現像感光材料3を積重するトレー形状の保護
部材を示し、4は保護部材2に積重されたシート状熱現
像感光材料3を包装する遮光防湿袋を示す。保護部材2
は矩形の底板201と、底板201の短辺の一部を折り
曲げて設けられた側壁202、203と、長辺の一部を
折り曲げて設けられた側壁204、205を有してい
る。底板201はシート状熱現像感光材料3の大きさに
合わせ作製されている。尚、保護部材2の詳細は図2を
参照。
【0017】401、402は遮光防湿袋4のサイドシ
ール部を示し、403は遮光防湿袋4のセンターシール
部を示す。404は包装体1を画像形成装置(不図示)
に装填した後、画像形成装置の係合部(不図示)に係合
させ遮光防湿袋4を引き抜くための穴を示す。本図で示
される遮光防湿袋4はセンターシール方式で作製されて
いる。
【0018】本図で示される包装体1はダンボール又は
板紙で作られた外箱(不図示)に収納されユーザで使用
される形態となっている。
【0019】図2はトレー形状の保護部材の概略図であ
る。図2の(a)はトレー形状の保護部材の概略斜視図
である。図2の(b)は図2の(a)のA−A′に沿っ
た概略断面図である。図2の(c)は図2の(a)のB
−B′に沿った概略断面図である。本図では保護部材2
の形状を示すためシート状熱現像感光材料3は省略して
ある。
【0020】図中、206は保護部材2の底板201の
内面201aに配設されたシボ加工部を示す。このシボ
加工部206は画像形成装置のシート状熱現像感光材料
3の収納容器(不図示)内が空になったことを画像形成
装置(不図示)に検出させる手段である。シボ加工部2
06が配設される位置は、シート状熱現像感光材料3を
画像形成装置へ供給するための吸盤(不図示)の位置と
同じ位置であり、保護部材2の底板201に積重された
シート状熱現像感光材料3が無くなった時、シート状熱
現像感光材料3を画像形成装置へ供給するための吸盤
(不図示)がシボ加工部206を吸引することで、吸着
圧が下がらなくなり、シート状熱現像感光材料3が無く
なったことが判る様になっている。
【0021】底板201の周縁の一部を折り曲げて設け
られた各側壁202〜205は、底板201の角部を外
した形状で、各縁のほぼ中央部に各々独立に配設されて
おり、各側壁により保護部材2の内側に角部が形成され
ない形状となっている。各側壁202〜205は、積重
されたシート状熱現像感光材料3が動かない様にするた
めに設けられているので、底板201の各縁に全て設け
られていても良いし、3方の縁に設けられていても良
い。
【0022】201b〜201eは底板201の角部を
示す。Lは底板201の長さを示し、Laは底板201
の角部201cから側壁205の基部迄の長さを示し、
底板201の長さの12〜30%が好ましい。12%未
満の場合は、シート状熱現像感光材料3の角部301a
(図3参照)がぶつかり、角部の剥がれが生じる場合が
ある。30%を越えた場合は、画像形成装置へ包装体1
を装填し、遮光防湿袋4を抜き取る際、保護部材2に積
重されたシート状熱現像感光材料3が動いてしまい、搬
送できなくなる場合がある。Lbは底板201の角部2
01dから側壁205の基部迄の長さを示し、LaとL
bは同じ長さであることが好ましい。
【0023】Wは底板201の幅を示し、Waは底板2
01の角部201dから側壁203の基部迄の長さを示
し、底板201の幅の12〜24%が好ましい。12%
未満の場合は、シート状熱現像感光材料3の角部301
a(図3参照)がぶつかり、角部の剥がれが生じる場合
がある。24%を越えた場合は、画像形成装置へ包装体
1を装填し、遮光防湿袋4を抜き取る際、保護部材2に
積重されたシート状熱現像感光材料3が動いてしまい、
搬送できなくなる場合がある。Wbは底板201の角部
201eから側壁203の基部迄の長さを示し、Waと
Wbは同じ長さであることが好ましい。
【0024】図3は図2に示される保護部材にシート状
熱現像感光材料3を積重した状態を示す概略斜視図であ
る。301a〜301dはシート状熱現像感光材料3の
角部を示す。他の符号は図2と同義である。
【0025】本発明の、保護部材2は、シート状熱現像
感光材料3の角部301a〜301dが接触する角部が
ないため、保護部材2に積重されたシート状熱現像感光
材料3の角部が剥がれることがなくなる。又、シート状
熱現像感光材料3の角部301a〜301dは全て丸目
加工されているため、遮光防湿袋4に収納し減圧下で密
封包装した時でも、角部が無いため、角部の感光層の剥
がれの発生を防止している。
【0026】このようにすることで、保護部材2に積重
されたシート状熱現像感光材料3の角部が剥がれること
がなくなるため、発生した微片の吸引による除去を行う
煩雑な作業が無くなり、安心してシート状熱現像感光材
料を取り扱うことが可能となる。
【0027】本発明の図1に示される包装体を作製する
場合、図3に示される様に保護部材2にシート状熱現像
感光材料3を積重した状態で、遮光防湿袋に収納し、5
〜58kPaの減圧条件で脱気しながら密封することで
作製することが可能である。5kPa未満では、保護部
材2に積重したシート状熱現像感光材料が輸送状態によ
っては移動してしまい、スリキズが発生する場合があり
好ましくなく、58kPaを越えた場合は、保護部材に
積重したシート状熱現像感光材料同士がくっついてしま
い、画像形成装置に装填したときに枚葉送りができなく
なってしまう場合があり好ましくない。
【0028】5〜58kPaの減圧条件で脱気しながら
密封することで、保護部材2の中でシート状熱現像感光
材料3の移動を防止し、例えばスリキズの発生、保護部
材の側壁との擦れによる感光層の剥離等を防止すること
が可能となる。
【0029】本発明で使用する熱可塑性樹脂製の保護部
材の製造方法は、プラスチック加工技術ハンドブック
高分子学会編 945〜966ページに記載されている
真空熱成形で作製することができる。例えば、所定寸法
にシート成形された熱可塑性樹脂シートに、シート状熱
現像感光材料の幅、長さ及び積重する量に合わせ罫線を
付け、加熱しながら罫線に沿って順次折り曲げて作製し
ても良いし、成形された熱可塑性樹脂シートを加熱しな
がら金型で成形することにより作製することもできる。
尚、底部の各辺に設けられる側壁の高さは、積重するシ
ート状熱現像感光材料の量に合わせ決めることが出来
る。
【0030】本発明で使用する熱可塑性樹脂製の保護部
材の厚さは0.5〜1.0mmが好ましく、0.5mm
未満の場合は、保護部材に積重したシート状熱現像感光
材料を持ち上げると、積重したシート状熱現像感光材料
が曲がってしまうため、シート状熱現像感光材料が折れ
てしまう危険があり好ましくない。1.0mmを越えた
場合は、過剰品質になり、廃棄物の増加となり好ましく
ない。
【0031】引っ張り強度は0.15〜0.50Paが
好ましく、0.15Pa未満の場合は、保護部材に積重
したシート状熱現像感光材料を保護部材と一緒に持ち上
げるとき、積重したシート状熱現像感光材料によっては
曲がって折れてしまい、傷が付く場合がある。0.50
Paを越えた場合は、自動現像機の収納容器に装填する
とき、自動現像機の収納容器の構造によっては装填し難
くなる場合がある。
【0032】折り曲げ強度は0.25〜0.65Paが
好ましく、0.25Pa未満の場合は、保護部材に積重
したシート状熱現像感光材料を保護部材と一緒に持ち上
げるとき、積重したシート状熱現像感光材料によっては
曲がって折れてしまい、傷が付く場合がある。0.65
Paを越えた場合は、自動現像機の収納容器に装填する
とき、自動現像機の収納容器の構造によっては装填し難
くなる場合がある。
【0033】本発明の保護部材に使用する熱可塑性樹脂
としては熱成形ができる熱可塑性樹脂であれば特に限定
はなく、例えば硬質塩化ビニル樹脂(硬質PVC)、耐
衝撃用ポリスチレン(HIPS)、二軸延伸ポリスチレ
ン(OPS)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエ
チレン(HDPE)、アクリロニトリル/ブタジエン/
スチレン共重合体(ABS)、非晶性ポリエチレンテレ
フタレート(A−PET)等が挙げられる。これらの中
でも特にPP、HDPE、HIPS、A−PETが好ま
しい熱可塑性樹脂として挙げられる。
【0034】本発明に使用する遮光防湿袋の材料は最下
層が熱溶融性層を有し、遮光性と防湿性の機能を有する
多層材料である。これらの材料としては、単一素材であ
ってもよいが、機能性を向上させるために、各種異種材
料を重ねて多層材料とし機能性を高めることが好まし
い。各材料を重ねる方法としては異種の熱可塑性の樹脂
を同時に押し出して作る方法(インフレーション法)、
異種材料を接着剤で貼り合わせる事で多層材料を作る方
法(ドライラミネーション)等が知られているが、これ
らの方法の中でも、より高い機能性を必要とするにはド
ライラミネーション法で製造した多層材料であることが
好ましい。多層材料を製造する方法としては機能性包装
材料の新展開 株式会社 東レリサーチセンターP48
〜P51、コンバーテック 1990.1,1990.
4,1990.11,1991.11,1993.3に
記載されている如き一般的な方法で作製することができ
る。
【0035】本発明に使用する多層材料の層構成として
は、上側より、意匠印刷面となる表面層、防湿又は遮光
機能を有する中間層、熱溶着機能を有する下層から構成
されており、中間層は必要に応じて幾層にも分けて積層
することが可能である。例えば2層に分け1層には防湿
機能を他の1層には遮光機能を持たせることも当然可能
である。下層にも遮光機能を持たせてもかまわない。表
面層に使用される材料としては特に限定は無く、中間層
と同じ材料であってもかまわない。
【0036】例えば紙の場合、使用されるパルプは丸善
(株)編(パルプと紙)109頁〜268頁、工学図書
(株)編(製紙工学)180頁〜187頁に記載されて
いる如きパルプで有れば良く、例えば針葉樹パルプ、広
葉樹パルプ、針葉樹、広葉樹混合パルプの天然パルプが
使用され、処理法によって機械パルプ、化学パルプ、ケ
ミグラウンドパルプ、ケミメカニカルパルプ、サルファ
イトパルプいずれでも良い。特開平2−48372号、
同2−53999号、同2−96741号、同2−96
742号、同2−99689号、同2−99693号、
同2−180583号に記載されているパルプを使用し
た紙材料及び特開平6−43595号に記載されている
ようなカブリ抑制剤としてカルボキシ変性ポリビニルア
ルコールを添加した紙材料も勿論使用できる。これらの
中で晒しクラフト紙又は未晒しクラフト紙が最も好まし
い。
【0037】積層材料の各層に用いられる紙以外の材料
としては一般の包装材料として使用されている、高分子
フィルム材料である低密度ポリエチレン(LDPE)、
HDPE、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中
密度ポリエチレン、未延伸ポリプロピレン(CPP)、
延伸ポリプロピレン(OPP)、延伸ナイロン(ON
y)、ナイロン(Ny)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、セロハン、ポリビニルアルコール(PV
A)、延伸ビニロン(OV)、エチレン−酢酸ビニル共
重合体(EVOH)、塩化ビニリデン(PVDC)等が
使用できる。これら材料は、必要に応じて異種高分子フ
ィルム材料と共押し出しで作った多層材料、延伸角度を
変えて張り合わせて作った多層材料等も当然使用出来
る。更に必要とする包装材料の物性を得るために使用す
る高分子フィルム材料の密度、分子量分布を組み合わせ
て作ることも当然可能である。
【0038】本発明の多層材料の下層に使用される高分
子フィルム材料としては、メタロセン触媒を使用して製
造したLDPE、LLDPE等が挙げられる。これらの
高分子フィルム材料の中に一般の製造方法で製造された
LDPE、LLDPEを混合して用いても良い。これら
のメタロセン触媒を使用して製造したLDPE、LLD
PEは一般に市販されているものであれば充分に使用出
来る。例えば宇部興産(株)製のユメリット、ダウ・ケ
ミカル日本製のAFFINITY、エリート、日本ポリ
オレフィン(株)製のハーモレックスLL、日本ポリケ
ム(株)製のカーネル57L、三井化学(株)製エボリ
ュー、積水フィルム西日本(株)製ラミロンスーパー、
タマポリ(株)製SEシリーズ、東セロ(株)製トーセ
ロT.U.X−FCS、T.U.X−TCS、二村化学
工業(株)製太閤FL、三菱化学興人パックス(株)製
メタロエース、和田化学工業(株)製WMX、住友化学
(株)製FV202等が挙げられる。
【0039】また、多層材料の下層には、収納する画像
形成材料や保護部材に対して滑り性を良くするために、
滑剤が添加されることが好ましい。この滑剤としては、
金属石鹸(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム)、脂肪酸アミド、高級脂肪酸などが挙げられるが、
これらに限られない。そして、これらの滑剤の添加量
は、下層の質量に対して、滑り性の観点から500pp
m以上(特に5000ppm以上)であることが好まし
く、また、コスト及び滑剤の副作用の観点から、200
00ppm以下(特に10000ppm以下)が好まし
い。
【0040】本発明で使用する多層材料に求められる機
能として挙げた遮光性を得るには、特開昭63−855
39号、同64−82935号、特開平1−20913
4号、同1−94341号、同2−165140号、同
2−221956号に記載されているごとき遮光性物質
を含有することで得ることが出来る。遮光層は多層材料
の構成で何処の層に設けても良いが、中間層、熱溶融性
層が最も好ましい。ポリエチレンを主たる成分とする層
であることが好ましいが、これに限らない。遮光層に添
加する遮光性物質としては、カーボンブラックを含有す
ることが、遮光性とコストの観点から好ましく、カーボ
ンブラックはファーネス式、チャンネル式、アセチレン
式、サーマル式等いずれの製法によって作られたもので
も良い。これらカーボンブラックの代表的な例として
は、三菱化成工業株式会社製のMA−600 #650
B、#41、#3150、#3250、#3750、#
3950、MA−100、CABOT社製のカーボン、
VULCAN、XC−72R、BLAC Pearls
700、VULCAN・P、ライオン・アクゾ株式会社
製ケッチェンブラックEC、旭カーボン株式会社製の旭
HS−500等が挙げられる。特開平4−121733
号、同3−179342号、同5−88299号に記載
されている如きイオウ含有量を規定したカーボンブラッ
クでも勿論良い。カーボンブラックの添加量は、遮光層
の厚さが50μm以上の場合、遮光性の観点から、1.
5質量%以上であることが好ましく、生産性とコストの
観点から、7.5質量%以下であることが好ましい。
【0041】本発明の包装体に使用される包装材料とし
ては、感光材料の保存時の品質を維持するために包装材
料の透湿度は、8.0g/m2・24時間40℃90%
RH以下になることが好ましく、該透湿度を得るために
は中間層に、特開平8−254793号、同8−171
177号、同8−122980号、同6−250343
号、同6−122469号、特開平6−95302号、
特開昭60−151045号、同60−189438
号、同61−54934号、同63−30842号、同
63−247033号、同63−272668号、同6
3−283936号、同63−193144号、同63
−183839号、同64−16641号、特開平1−
93348号、特開昭64−77532号、特開平1−
251031号、同2−186338号、同1−267
031号、同2−235048号、同2−278256
号、実開平1−152336号、同2−21645号、
同2−44738号に記載されている防湿材料が挙げら
れる。
【0042】又、中間層には有害ガスから保護するため
に特開平2−56547号に記載されている如き酸素吸
収物質、特開平8−41288号に記載されている如
き、ホルムアルデヒドスカベンジャーを混入した樹脂、
特開平4−9047号、同3−236050号、同2−
244136号に記載してある如きシアンガス捕捉剤、
特開平9−152683号に記載されているゼオライト
分子篩粒子等を含んでいても良い。
【0043】
【実施例】以下に、本発明の効果を実施例で示すが、勿
論この実施例は一例を示すものであり、本発明が限定さ
れる物ではない。
【0044】実施例1 〈保護部材の作製〉厚さ0.8mm、引っ張り強度0.
25Pa、折り曲げ強度0.35Pa、シート状熱現像
感光材料を積重する底板の大きさ36×43cm、側壁
の高さ3.0cmの図2に示される保護部材を熱可塑性
樹脂としてHIPSを使用し、表1に記載の側壁の位置
を変えた各保護部材101〜105を作製した。尚、各
保護部材は真空熱成形法で作製した。
【0045】〈シート状熱現像感光材料〉シート状熱現
像感光材料として、大きさ36×43cmのKonic
a Medical Film RSD−Pを使用し
た。
【0046】〈包装体の作製〉上記、シート状熱現像感
光材料を準備した各トレー形状の保護部材に各125枚
を載置し、防湿袋に収納し28kPaの減圧条件で脱気
しながらヒートシールし、試料101〜105を作製し
た。尚、防湿袋はOPP(7μm)/Ny(15μm)
/シリカ蒸着層/PE(50μm)の多層構成の材料を
防湿袋として使用した。
【0047】評価 作製した各試料をJIS−Z−0232に準じて、EI
KO社製の振動試験機で、振幅3mm、周波数17H
z、2時間振動した後、外箱から取り出し、積重したシ
ート状熱現像感光材料を無差別に20枚抜き取り光学顕
微鏡(×20倍)で膜剥がれの状態を観察し、結果を表
1に示す。0.5mm以上の膜剥がれが無い場合を○と
した。
【0048】
【表1】
【0049】表1の結果より、本発明の有効性が確認さ
れた。 実施例2 実施例1の試料103の作製において、表2に示す減圧
条件を変えた以外は同様にして密封包装し、包装体20
1〜205を作製した。得られた各包装体を個別に外箱
に収納し、試料201〜205を作製し表2に示す。
【0050】評価 実施例1と同じ条件で振動試験を行った後、外箱から取
り出し、シート状熱現像感光材料について、コニカ
(株)製Drypro722現像機で処理した後、12
5枚につき発生したスリキズの数を目視で数え、一番多
くスリキズが発生していた物につき、個/m2に換算し
た結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】包装体を製造するとき、本発明の範囲の減
圧条件で密封することで、スリキズの発生は認められな
かった。尚、試料205はスリキズの発生は認められな
かったが、シート状熱感光材料がくっつき枚葉搬送がで
きなく、現像機で搬送不良が発生した。表2の結果よ
り、本発明の有効性が確認された。
【0053】
【発明の効果】輸送時にシート状熱現像感光材料の角部
の膜剥がれの発生がなく、画像形成装置に装填したと
き、シート状熱現像感光材料の位置ずれが生じない保護
部材と、それを用いたシート状熱現像感光材料用包装体
及びシート状熱現像感光材料用包装体の製造方法を提供
することができ、撮影時の煩雑な作業が無くなり安心し
て使用することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】トレー形状の保護部材を用いた包装体の概略斜
視図である。
【図2】保護部材の概略図である。
【図3】図2に示される保護部材にシート状熱現像感光
材料を積重した状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 包装体 2 保護部材 201 底板 202〜205 側壁 201b〜201e、301a〜301d 角部 3 シート状熱現像感光材料 4 遮光防湿袋 L、La、Lb、Wa、Wb 長さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状熱現像感光材料を積重する、矩
    形の底板と、該底板の周縁部を折り曲げた側壁を有する
    熱可塑性樹脂製のトレー形状の保護部材において、該保
    護部材の前記側壁は、前記底板の周縁部の一部を折り曲
    げて、前記底板の角部を外した形状で、前記底板の周縁
    部に設けられていることを特徴とするトレー形状の保護
    部材。
  2. 【請求項2】 シート状熱現像感光材料を積重する熱可
    塑性樹脂製の保護部材と、該保護部材に積重したシート
    状熱現像感光材料を密封する遮光防湿袋を有するシート
    状熱現像感光材料用包装体において、前記保護部材が請
    求項1に記載のトレー形状の保護部材を用いたことを特
    徴とするシート状熱現像感光材料用包装体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のシート状熱現像感光材
    料用包装体の製造方法であって、前記シート状熱現像感
    光材料用包装体を5〜58kPaの減圧条件で密封した
    ことを特徴とするシート状熱現像感光材料用包装体の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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EP1953592A1 (en) 2007-02-02 2008-08-06 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Photothermographic material

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