JP4626267B2 - シート状画像記録材料用トレー、シート状画像記録材料包装体 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の包装体の場合、一般的に画像記録材料は100〜150枚が積重されている。このため、一日当たりの使用量が少ない場合は、撮影機器内に画像記録材料が数ケ月間、裸の状態で置かれることになる。この場合、湿度、温度が低い冬季では画像記録材料の性能変化も少ないのであるが、湿度、温度が高い夏季では画像記録材料の性能劣化も進んでしまう恐れがある。このため、積重する枚数を少なくすればよいのであるが、単に少なくしただけでは、輸送過程での振動、取り扱い等でトレーの中で画像記録材料が動きスリキズが発生する恐れがある。又、トレーの深さを浅くすれば積重する枚数を少なくすることが可能となるが、トレーの形状が変わり、更に撮影機器の改修、調整に費用と時間が大きく掛かる。
シート状画像記録材料を積重する矩形の第1底部と、該第1底部の周縁部から立ち上げたシート状画像記録材料位置規制用側壁とを有するシート状画像記録材料用トレーにおいて、
前記第1底部の上に第2底部を有し、
該第2底部が矩形のフラット面と、該フラット面の周縁部に側壁とを有するフラットプレート部材を、前記フラット面の裏面と前記第1底部とが対向し、該側壁の端辺又は先端近傍を折り曲げた折り曲げ部が前記第1底部と接触し、前記側壁の表面と該シート状画像記録材料位置規制用側壁の内側とが接触する様に設置することで形成され、
前記第2底部の裏面と前記第1底部とで構成される空間部に緩衝部材を配設し、
該第2底部の表面に該シート状画像記録材料を積重することを特徴とするシート状画像記録材料用トレー。
前記第2底部がシート状画像記録材料位置規制用側壁の端辺より5〜25mm低い位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のシート状画像記録材料用トレー。
前記フラットプレート部材の側壁が、少なくともシート状画像記録材料位置規制用側壁又は第1底部に固着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状画像記録材料用トレー。
前記緩衝部材がフラットプレート部材の側壁に固定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレー。
前記緩衝部材が第1底部に固定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレー。
材料が坪量100〜1000g/m2、厚さ0.4〜1.0mmの紙であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレー。
前記紙が再生紙を50質量%以上含んでいることを特徴とする請求項6に記載のシート状画像記録材料用トレー。
前記第2底部の耐圧強度が100〜10,000Paであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレー。
前記シート状画像記録材料が熱現像感光材料であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレー。
請求項1〜9の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレーにシート状画像記録材料を載置し、透湿度が1.0g/m2・24h(40℃・90%RH)以下の遮光性防湿袋で包装したことを特徴とするシート状画像記録材料包装体。
前記遮光防湿袋が20〜90kPaの減圧条件で密封されていることを特徴とする請求項10に記載のシート状画像記録材料包装体
(請求項12)
前記シート状画像記録材料が熱現像感光材料であることを特徴とする請求項10又は11に記載のシート状画像記録材料包装体。
1)シート状の板紙を本図に示されるトレー本体の展開図になるように切り取る。トレー本体の展開図になるようにシート状の板紙から切り取る方法としては、トムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜くことが好ましい。
2)打ち抜いた後、シート状画像記録材料位置規制用側壁を形成する箇所に常温筋押し法で筋付けを行う。
3)シート状画像記録材料位置規制用側壁を付けられた筋に沿って立ち上げ、トレー本体を作製する。
4)シート状の板紙を本図に示されるフラットプレート部材の展開図になるように切り取る。フラットプレート部材の展開図になるようにシート状の板紙から切り取る方法としては、トムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜くことが好ましい。
5)打ち抜いた後、側壁を形成する箇所に常温筋押し法で筋付けを行う。
6)フラットプレート部材の裏面の周縁部から各側壁を付けられた筋に沿って立ち上げ、フラットプレート部材を作製する。
7)作製したトレー本体の第1底部に緩衝部材を、第1底部からはみ出さない様に置く。この時、緩衝部材の第1底部と接触する側に接着剤を塗り、接着固定してもかまわない。
8)緩衝部材を配置したトレー本体に、作製したフラットプレート部材を、裏面と第1底部とが対向する状態で置き、フラットプレート部材の側壁とトレー本体のシート状画像記録材料位置規制用側壁とを接着剤で固定する。
1)〜8)の過程を経ることで本図に示されるトレーを作製することが可能である。
1)シート状の板紙を本図に示されるフラットプレート部材の展開図になるように切り取る。トレーの展開図になるようにシート状の板紙から切り取る方法としては、トムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜くことが好ましい。
2)打ち抜いた後、各側壁及び各折り曲げ部を形成する箇所に常温筋押し法で筋付けを行う。
3)フラットプレート部材の裏面の周縁部から側壁を付けられた筋に沿って立ち上げる。4)各側壁に付けられた筋に沿って折り曲げ、折り曲げ部を形成する。
1)〜4)の過程を経ることで、本図に示す折り曲げ部を有するフラットプレート部材を作製することが可能である。本図に示すフラットプレート部材を使用し、図3に示すトレーを作製する場合は、緩衝部材が配置された本体に、本体の第1底部とフラットプレート部材の裏面とが対向する状態で、折り曲げ部に接着剤を塗り置き、フラットプレート部材の側壁と本体のシート状画像記録材料位置規制用側壁とを接着剤で固定することで可能である。
1)シート状の板紙を本図に示されるフラットプレート部材の展開図になるように切り取る。トレーの展開図になるようにシート状の板紙から切り取る方法としては、トムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜くことが好ましい。
2)打ち抜いた後、側壁及び第1固定部材〜第4固定部材を形成する箇所に常温筋押し法で筋付けを行う。
3)フラットプレート部材の裏面の周縁部から側壁を付けられた筋に沿って立ち上げ、角部の側壁に付けられている各フラップに接着剤を塗り、各側壁と接着する。
4)フラットプレート部材の裏面に緩衝部材を配設する。
5)第2固定部材〜第4固定部材を、緩衝部材を構成している縦板部材(横板部材)に接触させながら順次筋に沿って折り曲げる。
1)〜5)の過程を経ることで、図7に示す緩衝部材を固定したフラットプレート部材を作製することが可能である。図7に示す緩衝部材を固定したフラットプレート部材を使用し、図3に示すトレーを作製する場合は、緩衝部材が配置されたトレー本体に、トレー本体の第1底部とフラットプレート部材の裏面とが対向する状態で置き、フラットプレート部材の側壁とトレー本体のシート状画像記録材料位置規制用側壁とを接着剤で固定することで可能である。
以下に示す方法に従ってトレーを作製した。
表1に示す様に坪量と、厚さを変えた広葉樹晒クラフトパルプを原料とした、白板紙を準備しa〜mとした。尚、白板紙としては、中間層が再生紙100%、上下層にバージンパルプを使用した紙を使用し、クレーにより表面をコートした。又、JIS P8127に準じて測定した含水率は8±1%であった。
準備した板紙a〜mを使用し、図3の(a)に示すトレー本体を作製し1−a〜1−mとした。尚、打ち抜きは図3の(a)に示されるトレー本体の展開図になるようにトムソン刃タイプの打ち抜き刃で一度に打ち抜いた後、側壁に該当すかる箇所に常温筋押し法で筋付け行った後、熱プレス試験機(圧力1MPa)にて罫線に沿って折り曲げることで作製した。尚、作製したトレー本体は、コニカミノルタエムジー(株)製 KONICAMINOLTA Medical Film SD−P(大きさ35cm×43cm)が積重出来る寸法とした。
準備した板紙jを使用し、図3の(c)に示す緩衝部材を準備した。縦板部材及び横板部材の高さはフラットプレート部材の上面の裏側からの側壁の高さと同じにした。尚、格子の数は縦4個、横3個の12個になるように縦板部材と横板部材とを組み合わせ作製した。
準備した板紙dを使用し、図3の(a)に示すフラットプレート部材を準備した。尚、側壁の高さは、トレー本体の底部に載置した時、フラットプレート部材の上面(フラット面)で形成される第2底部がシート状画像記録材料位置規制用側壁の端辺より14mm低くなるようにした。尚、フラットプレート部材はトレー本体と同じ方法で作製した。
23℃20%RHの条件で調湿を行い、トレー本体、緩衝部材、フラットプレート部材の含水率を4〜5%にした。
各準備したトレー本体1−a〜1−mの底部に、準備した緩衝部材、フラットプレート部材をホットメルト接着剤(コニシ(株)製:MP973(登録商標))で固定し、図3に示すトレーを作製し1−A〜1−Mとした。
遮光防湿袋は、上側からマット剤入り表面コート(2μm)/ナイロン−6(15μm)/アルミニウム箔(7μm)/LDPE(12μm)/黒LLDPE(50μm)の多層構成の材料を使用し図2に示されるセンターシール方式の遮光防湿袋を作製した。透湿度は、JIS K7129−1992に記載の測定法により測定した結果、0.01g/m2・dayであった。
〈包装体の作製〉
作製した各トレー1−A〜1−Mに、シート状の熱現像感光材料(コニカミノルタエムジー(株)製 KONICAMINOLTA Medical Film SD−P)を各52枚を積重し23℃48%RH条件で、上記遮光防湿袋に収納し36kPaの減圧条件で脱気しながら柏木式の真空シール機でヒートシールし、試料101〜113を作製した。
作製したトレー本体、緩衝部材、フラットプレート部材の成形し易さ及び作製した各試料101〜113に付き、23℃ 51%RHで7日間保存した後、振動加速度0.8G、振幅3mmで2時間振動させた。この後、コニカミノルタエムジー(株)製の熱現像処理機(DRYPRO)にてテストパターン画像を露光し、123℃で熱現像処理を行い、シート状の熱現像感光材料のキズの有無、トレーの変形に付き観察し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
○:成形時、折り曲げ易く、変形もなく、寸法範囲も許容内の±0.5mmに入っている
△:成形時、折り曲げ難かったり、変形し易い傾向はあるが寸法範囲は許容内の±0.5mmに入っていた。
フィルムのキズの有無
○:フィルムのキズの発生は認められない
△:診断に支障のない程度のわずかなキズの発生が認められる
×:診断に支障を及ぼすキズの発生が認められる
トレーの変形
○:変形は認められない
△:実用上問題ない程度のわずかな変形が認められる
×:実用上問題が生じる変形が認められる
作製した試料No.110を、作製する際、トレー本体の底部に載置した時、シート状画像記録材料位置規制用側壁の端辺よりフラットプレート部材の上面(フラット面)で形成される第2底部までの高さを表3に示す様に変えた他は全て同じ条件で包装体を作製し試料201〜207とした。
作製した試料201〜207に付き、シート状熱現像感光材料の積重可能枚数を包装体製造時の工程適性と画像記録装置内での適性、及び実施例1と同様に成形し易さを評価し、工程適性及び画像記録装置内での適性に関しては下記の評価ランクに従って評価し、成形し易さに関しては実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表3に示す。
○:通常の作業マニュアルに従った作業で包装体製造が可能である
△:シート状熱現像感光材料の積重するときに、多少の注意を必要とする程度で包装体製造が可能である
×:シート状熱現像感光材料の積重が困難となり、包装体製造が困難となる
画像記録装置内での適性の評価ランク
○:シート状熱現像感光材料の搬送エラーの発生がなく、安定した搬送が出来る
△:シート状熱現像感光材料の搬送がやや不安定であるがエラーの発生がなく、実用上問題なく搬送が出来る
×:シート状熱現像感光材料の搬送エラーが発生し、使用が困難
作製した試料No.110を、作製する際、トレーの耐圧強度を表4に示す様に変えた他は全て同じ条件で包装体を作製し試料301〜307とした。尚、耐圧強度は緩衝部材の材質及び格子の数を適宜変化することで調整した。耐圧強度は、トレーに、シート状熱現像感光材料を積重し、第2底部が変形する枚数を調整しすることにより測定した値を示す。
作製した試料301〜307に付き、シート状熱現像感光材料の包装体製造工程における作業性を以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
◎:シート状熱現像感光材料50枚入りの包装体を10段積み重ねても潰れがない
○:シート状熱現像感光材料を50枚積み重ねてもフラットプレートの変形は発生しないた
△:シート状熱現像感光材料を30枚積み重ねてもフラットプレートの変形は発生しないた
×:シート状熱現像感光材料を10枚積み重ねるとフラットプレートの変形が発生した。
実施例1の試料No.110を作製する時、トレー本体、緩衝部材、フラットプレート部材の含水率を50℃の乾燥室に入れ、1%、3%、6%に調整した後、画像記録材料を52枚積重し、実施例1と同様の遮光防湿袋に入れ、包装体を作製した。作製した包装体を40℃で5日間保存した後、実施例1と同じ処理を行い、カブリ、感度、最高濃度等の特性を評価した結果何れも問題なく良好な結果を得た。
2、5 トレー
202〜205、503〜506 シート状画像記録材料位置規制用側壁
3 シート状画像記録材料
4 遮光防湿袋
501 本体
502 底部(第1底部)
507 第2底部
508a〜508d 角部
509、60 2穴
6、10、1003〜1006 フラットプレート部材
601 上面(フラット面)
604a〜604d、1003〜1006、1007〜1010 側壁
603、1001 裏面
606a〜606d 折り曲げ部
7、8、9、11 緩衝部材
701、11b 横板部材
702、11a 縦板部材
703 格子
801 基材
802 箱型形状緩衝部材
802a〜802d 緩衝片
1003a〜1006a 第1固定部材
1003b〜1006b 第2固定部材
1003c〜1006c 第3固定部材
1003d〜1006d 第4固定部材
Claims (12)
- シート状画像記録材料を積重する矩形の第1底部と、該第1底部の周縁部から立ち上げたシート状画像記録材料位置規制用側壁とを有するシート状画像記録材料用トレーにおいて、
前記第1底部の上に第2底部を有し、
該第2底部が矩形のフラット面と、該フラット面の周縁部に側壁とを有するフラットプレート部材を、前記フラット面の裏面と前記第1底部とが対向し、該側壁の端辺又は先端近傍を折り曲げた折り曲げ部が前記第1底部と接触し、前記側壁の表面と該シート状画像記録材料位置規制用側壁の内側とが接触する様に設置することで形成され、
前記第2底部の裏面と前記第1底部とで構成される空間部に緩衝部材を配設し、
該第2底部の表面に該シート状画像記録材料を積重することを特徴とするシート状画像記録材料用トレー。 - 前記第2底部がシート状画像記録材料位置規制用側壁の端辺より5〜25mm低い位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のシート状画像記録材料用トレー。
- 前記フラットプレート部材の側壁が、少なくともシート状画像記録材料位置規制用側壁又は第1底部に固着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート状画像記録材料用トレー。
- 前記緩衝部材がフラットプレート部材の側壁に固定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレー。
- 前記緩衝部材が第1底部に固定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレー。
- 材料が坪量100〜1000g/m2、厚さ0.4〜1.0mmの紙であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレー。
- 前記紙が再生紙を50質量%以上含んでいることを特徴とする請求項6に記載のシート状画像記録材料用トレー。
- 前記第2底部の耐圧強度が100〜10,000Paであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレー。
- 前記シート状画像記録材料が熱現像感光材料であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレー。
- 請求項1〜9の何れか1項に記載のシート状画像記録材料用トレーにシート状画像記録材料を載置し、透湿度が1.0g/m2・24h(40℃・90%RH)以下の遮光性防湿袋で包装したことを特徴とするシート状画像記録材料包装体。
- 前記遮光防湿袋が20〜90kPaの減圧条件で密封されていることを特徴とする請求項10に記載のシート状画像記録材料包装体
- 前記シート状画像記録材料が熱現像感光材料であることを特徴とする請求項10又は11に記載のシート状画像記録材料包装体。
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