JP2003098522A - 光路切替素子、空間光変調器、及び画像表示装置 - Google Patents

光路切替素子、空間光変調器、及び画像表示装置

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JP2003098522A
JP2003098522A JP2001290388A JP2001290388A JP2003098522A JP 2003098522 A JP2003098522 A JP 2003098522A JP 2001290388 A JP2001290388 A JP 2001290388A JP 2001290388 A JP2001290388 A JP 2001290388A JP 2003098522 A JP2003098522 A JP 2003098522A
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Toshiaki Tokita
才明 鴇田
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Ikuo Kato
幾雄 加藤
Hiroyuki Sugimoto
浩之 杉本
Yasuyuki Takiguchi
康之 滝口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、空間利用効率が高く、伝達す
る情報量を増加できる光路切替素子を提供する。 【解決手段】 導光部材101を介した光入射部103
と、そこから入った入射光1を反射する反射部115と
の間に、情報に応じて信号を与えることによって入射光
の進行方向を変化させることができる物質を設ける。反
射部115で反射した光を導光部材101を介して出射
光11として外部へ出す光出射部104の外側に、別の
信号の印加によって出射光の光路を平行移動させること
ができる光路シフト手段111を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光路切替素子、空
間光変調器、及び画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】入射光の反射方向を変化させることによ
って光路を変え、光をスイッチングするデバイス及びそ
れを用いた空間光変調器として、例えば特開平5−19
6880号に示されるような微小な回転鏡を二次元状に
多数配列したものが知られている。
【0003】図14は、従来(特開平5−196880
号公報に記載)の空間光変調器の平面図であり、平面上
では、図14に示すように、方形トーションビーム反射
表面11とビーム支持ポスト12のみが観察される。図
15は、図14に示した空間光変調器のひとつの回転鏡
の断面図で、図15(A)はヒンジに沿っての断面図、
図15(B)はそれと直角方向の断面図である。ビーム
支持ポスト12は、ポスト15に連結されたヒンジ13
の捻れによって、ビーム11を接地電極14に向けて回
転可能にする。その駆動力はポスト16によって支持さ
れたアドレス電極17に印加される電圧で与えられる。
アドレス電極17への電圧印加は、基板層19に設けら
れたCMOS回路(図示せず)の信号を金属層18を介
して伝達することにより行われる。ビーム11の回転状
態を回転鏡ごとに変えることによって、入射した光を二
次元的に空間変調することができる。
【0004】上記方式においては、大きな回転角を得る
ために回転鏡の構造が複雑になっており、製造コストが
高くなるという問題がある。
【0005】その他の光スイッチング素子(光路切替素
子)として、例えば特開平11−202222号公報に
開示されている光スイッチング素子がある。図16は、
前記特開平11−202222号公報で提案されている
光スイッチング素子の動作説明図である。この光スイッ
チング素子は、光を全反射して伝達可能な全反射面22
を備えた導光部材21と、全反射面22に対し抽出面3
2を接近させてエバネッセント光を捉え、それを反射し
て出射することができるプリズム31と、プリズム31
を導光部材21に接近させ又は離すように駆動する駆動
部40とを光の出射方向に対してこの順番で積層した構
成となっている。図16の右側のセルは、駆動部40を
動作させることによってプリズム31がエバネッセント
光の漏出する抽出距離以上離れた位置にある状態を示し
ている。この時には、導光部材21中を伝搬してきた光
線1は図16に示されるように全反射面22で全反射さ
れ図の右方向へと出射(図16の光線2)していく。駆
動部40を動作させない時には図16左側のセルのよう
にプリズム31はエバネッセント光が漏出する抽出距離
以下に近接しているので、導光部材21中を伝搬してき
た光線1は図16左側セルに示されたように全反射面2
2で反射することなくプリズム31に進入する。プリズ
ム31に進入した光線はプリズムの反射面31aで反射
して図16に示した光線3のように導光部材21を透過
して出射される。
【0006】上記の方式において、エバネッセント光の
抽出・非抽出という2つの状態をスイッチングするに
は、光の波長程度以下の微小な変位でよいため比較的簡
単な駆動機構を採用することができるが、図16に示し
たようなプリズム31は、その構造が複雑であるため、
複数個を微小なサイズで基板上に均一に形成するのは困
難であり、そのため、製造歩留まりが低下し、コストア
ップにつながるという問題がある。また、プリズム31
を導光部材21,全反射面22に近接させるとファンデ
ルワールス力、或いは液架橋力が作用して、引き剥がし
が困難になるという問題もある。
【0007】さらに、別の光スイッチング素子として、
特開2000−171813号公報に開示されている光
スイッチング素子がある。図17は、前記特開2000
−171813号公報で提案されている光スイッチング
素子の概略構成を示す図である。全反射により光を伝え
ている導光体50に接触させた液晶60に電圧を印加す
ることにより、液晶分子の配向をコントロールし、それ
により実効的な屈折率を異常光に対する値と常光に対す
る値の間で変化させる。この結果、入射光(直線偏光)
1が全反射光2として出射される状態と、透過光となっ
たのち反射膜61によって向きを変えられて反射光3と
して出射させる状態とをスイッチングすることができ
る。なお、図17において、51は透明電極、70は液
晶駆動用IC基板、71は電極端子である。
【0008】この方式においては、機械的な駆動部を持
たないためにさらに構造を簡単にすることができるが、
特開平11−202222号公報や特開2000−17
1813号公報に開示されている光スイッチング素子に
おいては、図16及び図17からわかるように1つの入
射光束に対して、右側傾斜面からの反射光のみが出射す
るため、出射光の断面積が縮小化し空間利用効率が低く
なるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き実状に鑑みてなされたものであり、構造が簡単で、空
間利用効率が高く、伝達する情報量を増加することが可
能な光路切替素子を提供することをその目的とする。ま
た、本発明は、この光路切替素子を用いた空間光変調
器、及びその空間光変調器を用いた高解像度画像表示装
置を提供することを他の目的とする。より具体的には、
(1)構造が簡単で、空間利用効率が高く、伝達する情
報量を増加できる光路切替素子を提供すること(請求項
1)、(2)上記に加え、製造が容易な光路切替素子を
提供すること(請求項2)、(3)上記に加え、応答速
度の速い光路切替素子を提供すること(請求項3)、
(4)上記に加え、光損失の小さい光路切替素子を提供
すること(請求項4)、(5)上記に加え、設計自由度
が高く、光利用効率の高い光路切替素子を提供すること
(請求項5)、をその目的とする。
【0010】(6)上記に加え、S/N比を高くできる
光路切替素子を提供すること(請求項6)、(7)上記
に加え、光学的な設計や光路調整が容易な光路切替素子
を提供すること(請求項7)をその目的とする。(8)
上記に加え、製造が容易な光路切替素子を提供すること
(請求項8)、(9)上記に加え、駆動エネルギーを小
さくできる光路切替素子を提供すること(請求項9)、
をその目的とする。
【0011】(10)上記に加え、さらに構造が簡単な
光路切替素子を提供すること(請求項10,11)、
(11)上記に加え、駆動エネルギーを小さくできる光
路切替素子を提供すること(請求項12)、(12)上
記に加え、より駆動エネルギーを小さくできる光路切替
素子を提供すること(請求項13)、(13)上記に加
え、光路を平行移動する制御が行い易い光路切替素子を
提供すること(請求項14)、(14)上記に加え、製
造が容易な光路切替素子を提供すること(請求項1
5)、をその目的とする。
【0012】(15)上記に加え、応答速度の速い光路
切替素子を提供すること(請求項16)、(16)上記
に加え、構造が簡単な光路切替素子を提供すること(請
求項17)、(17)上記に加え、温度により光路の平
行移動量を制御できる光路切替素子を提供すること(請
求項18)、をその目的とする。
【0013】(18)低コストで解像度の高い空間光変
調器を提供すること(請求項19)、(19)低コスト
で解像度の高い画像表示装置を提供すること(請求項2
0)、をその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、導光
部材を介した光入射部と、該光入射部から入った入射光
を反射する反射部と、該反射部で反射した光を、前記導
光部材を介して出射光として外部へ出す光出射部とより
なる光路切替素子において、前記光入射部と反射部との
間の光路中に、情報に応じて信号を与えることによって
入射光の進行方向を変化させることができる物質を有す
るとともに、前記光出射部の外側にあって、別の信号の
印加によって前記出射光の光路を平行移動させることが
できる光路シフト手段を具備することを特徴としたもの
である。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記信号を与えることによって入射光の進行方向を
変化させることができる物質が、液晶材料からなること
を特徴としたものである。
【0016】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記信号を与えることによって入射光の進行
方向を変化させることができる物質が、液晶材料を高分
子マトリクス中に分散保持した液晶/高分子複合体から
なることを特徴としたものである。
【0017】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記物質の液晶材料が、入射光の波長の1/5以下
の粒径を有するドロップレットであることを特徴とした
ものである。
【0018】請求項5の発明は、請求項2乃至4のいず
れか1の発明において、電圧無印加時に前記液晶材料全
ての液晶分子が概略一方向に配列することを特徴とした
ものである。
【0019】請求項6の発明は、請求項1乃至5のいず
れか1の発明において、前記信号による入射光の進行方
向の変化を、前記反射部で反射した光が前記導光部材と
該導光部材に接触する前記光路シフト手段側の外部物質
との界面で全反射する第一の状態と、全反射しない第二
の状態とをとることができる範囲で行うことを特徴とし
たものである。
【0020】請求項7の発明は、請求項1乃至6のいず
れか1の発明において、前記導光部材と前記光路シフト
手段との間に、前記出射光を外部へ出すことができる第
二の導光部材を設けたことを特徴としたものである。
【0021】請求項8の発明は、請求項1乃至7のいず
れか1の発明において、前記光入射部に光学的接合し、
前記導光部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設けた
ことを特徴としたものである。
【0022】請求項9の発明は、請求項1乃至8のいず
れか1の発明において、前記反射部が、前記物質に信号
を印加する単位要素に対して、複数組の面を有している
ことを特徴としたものである。
【0023】請求項10の発明は、請求項1乃至9のい
ずれか1の発明において、前記光路シフト手段は、前記
別の信号の印加によって屈折率が変化する屈折率変化層
を有し、該屈折率変化層は概略厚さが一定であることを
特徴としたものである。
【0024】請求項11の発明は、前記屈折率変化層を
前記出射光の光路の垂直方向に対して傾斜させて設け、
前記光路シフト手段は、前記屈折率変化層を挟み、前記
別の信号を該屈折率変化層に印加するための2つの透明
基板を有し、該2つの透明基板の屈折率を概略等しくす
ることにより、前記出射光を平行移動させることを特徴
としたものである。
【0025】請求項12の発明は、請求項1乃至9のい
ずれか1の発明において、前記光路シフト手段が、前記
別の信号の印加によって屈折率が変化する屈折率変化層
を2層有し、該屈折率変化層は、厚さが連続的に変わっ
ている部分を持つことを特徴としたものである。
【0026】請求項13の発明は、請求項12の発明に
おいて、前記光路シフト手段は、各屈折率変化層の間
に、所望する平行移動量に応じた厚みをもつ中間基板を
さらに備えたことを特徴としたものである。
【0027】請求項14の発明は、請求項10又は11
の発明において、前記屈折率変化層が電気光学材料より
なることを特徴としたものである。
【0028】請求項15の発明は、請求項10乃至14
のいずれか1の発明において、前記屈折率変化層が液晶
よりなることを特徴としたものである。
【0029】請求項16の発明は、請求項15の発明に
おいて、前記液晶は強誘電性液晶であることを特徴とし
たものである。
【0030】請求項17の発明は、請求項10の発明に
おいて、前記屈折率変化層は強誘電性液晶からなり、前
記出射光の光路の垂直方向に対して平行に設け、前記光
路シフト手段は、前記屈折率変化層を挟む2つの透明基
板を有し、該2つの透明基板の屈折率を概略等しくする
ことにより、前記出射光を平行移動させることを特徴と
したものである。
【0031】請求項18の発明は、請求項16又は17
の発明において、前記光路シフト手段は、前記強誘電性
液晶の配向角を温度により制御することにより、光路の
平行移動量を制御することを特徴としたものである。
【0032】請求項19の発明は、請求項1乃至18の
いずれか1記載の光路切替素子が二次元アレイ状に配列
されていることを特徴としたものである。
【0033】請求項20の発明は、請求項19記載の空
間光変調器と、該空間光変調器に光線を入射させる手段
と、該空間光変調器により形成した画像をスクリーンに
投影して表示する手段とを有することを特徴としたもの
である。
【0034】
【発明の実施の形態】(本発明の構成・動作)本発明に
おいては、導光部材を介した光入射部と、該光入射部か
ら入った入射光を反射する反射部と、該反射部で反射し
た光を、前記導光部材を介して出射光として外部へ出す
光出射部とよりなる光路切替素子において、前記反射部
を含む光路中(光入射部と反射部との間の光路中)に、
情報に応じて信号を与えることによって入射光の進行方
向を変化させることができる物質を有するとともに、前
記光出射部の外側にあって、別の信号の印加によって出
射光の光路を平行移動させることができる手段(光路シ
フト手段)を具備することを特徴としたものである。
【0035】上記の光路切替素子において、光入射部か
ら垂直以外の角度で入った入射光は信号の印加によって
進行方向が変わり、反射部で反射した光が光出射部へ入
射する時の角度が変化する。その結果、出射光の光路
(出射角)が変わるので、所定の位置で光出力を検出す
れば、印加する信号の変化に伴って光出力が変化するこ
とになり、信号印加による光スイッチングが可能とな
る。この時、出射光の断面積は光入射部における入射光
の照射エリアよりも小さくなるが、別の信号の印加によ
って出射光の光路を平行移動させることによって、その
移動時間が1つの情報を扱うフィールド時間に比べて相
当に短ければ、時分割で空間を補間するとともに、補間
された空間に別の情報を出力することができるので、情
報量を増加することができる。すなわち、構造が簡単
で、空間利用効率が高く、伝達する情報量を増加できる
光路切替素子を提供することができる(請求項1)。
【0036】また、信号を与えることによって入射光の
進行方向を変化させることができる物質としては、外部
からエネルギーを与えることによって屈折率が変化する
もの(以後、屈折率可変物質と呼ぶ)が好適である。
【0037】導光部材の屈折率をn1、屈折率可変物質
の屈折率をn2とし、導光部材中を透過する入射光が光
入射部を構成する面の法線とのなす角度(入射角)をθ
1、入射光が屈折率可変物質中を進行する際に前記光入
射部を構成する面の法線とのなす角度(屈折角)をθ2
とすると、スネルの法則により以下の式が成り立つ。 sinθ2/sinθ1=n1/n2…(1)
【0038】信号印加によってn2が変化すると式
(1)に従ってθ2が変化し、その結果反射部での反射
角が変わり、出射光の光路(出射角)が変化する。反射
部での反射角の変化量は概略θ2の変化量程度である
が、導光部材の屈折率n1が導光部材に接触している外
部物質の屈折率na(通常外部物質は空気であり、na
1)より大きい場合には光出射部から出射する際に屈折
が生じ、出射光と光出射部を構成する面の法線とのなす
角度(出射角)の変化量はθ2の変化量よりも大きくな
る。これにより所定の位置で光出力を検出すれば、n2
の変化に伴って光出力が変化することになり、信号印加
による光スイッチングが可能となる。特に、請求項6の
発明に関し、光出射部において導光部材と外部物質との
界面で全反射する条件としない条件とでスイッチングす
る設定にした場合には、非常に大きな角度変化を得るこ
とができ、S/N比の高い良好な光スイッチングが可能
となる。なお、式(1)においてθ2が90°以上にな
ると、入射光は光入射部と屈折率可変物質との界面で全
反射し、反射部に到達しないが、上述するところの入射
光の進行方向が極端に変化した場合として、本発明に含
まれるものとする。
【0039】屈折率可変物質としては、外部からエネル
ギーを与えることによって屈折率が変化するものであれ
ば使用可能であるが、制御のしやすさから電界によって
屈折率が変化する、いわゆる電気光学材料が好適に使用
できる。電気光学材料としては、ポッケルス効果を示す
LiNbO3やカー効果を示すBaTiO3やPLZTな
どの固体結晶、液晶などが知られているが、中でも電界
強度当たりの屈折率変化量が大きいこと及び流動性があ
ることから液晶が好ましい。屈折率変化量が大きいこと
により、入射光学系や部材の設計自由度が増すとともに
光利用効率が向上する。また、流動性があることにより
導光部材及び反射部への光学的接触を容易に実現するこ
とができる。すなわち、信号を与えることによって入射
光の進行方向を変化させることができる物質が液晶から
なるので、製造が容易な光路切替素子を提供することが
できる(請求項2)。
【0040】屈折率可変物質として、液晶/高分子複合
体を用いることが応答速度の点から好ましい。このよう
な液晶/高分子複合体として、液晶ドロップレットを高
分子マトリクス中に分散した、いわゆる高分子分散液晶
が好適に使用できる。すなわち、信号を与えることによ
って入射光の進行方向を変化させることができる物質が
液晶材料を高分子マトリクス中に分散保持した液晶/高
分子複合体(高分子分散液晶)からなるので、上記に加
え、応答速度の速い光路切替素子を提供することができ
る(請求項3)。
【0041】高分子分散液晶の応答速度は液晶ドロップ
レットの粒径を小さくするにつれて速くなることが実験
的にわかっており、特に入射光の波長の1/5以下の粒
径にすることが、散乱が減少し光透過率が高くなる、す
なわち光損失が著しく小さくなることから好ましい。な
お、ここでいう粒径とは構造体を代表する粒径であっ
て、通常は電子顕微鏡写真等によって計測された平均粒
径が好適に使用される。すなわち、信号を与えることに
よって入射光の進行方向を変化させることができる物質
が高分子分散液晶からなり、液晶を入射光の波長の1/
5以下の粒径を有するドロップレットとしたので、上記
に加え、光損失の小さい光路切替素子を提供することが
できる(請求項4)。
【0042】上記の液晶は電圧無印加時に全ての液晶分
子が概略一方向に配列していることが好ましい。この方
向を電圧印加時に液晶分子が揃う方向(電界方向)とほ
ぼ直交させることにより大きな屈折率差が得られるた
め、入射光学系や部材の設計自由度が増すとともに光利
用効率が向上する。すなわち、信号を与えることによっ
て入射光の進行方向を変化させることができる物質中の
全ての液晶分子が電圧無印加時に概略一方向に配列して
いるようにしたので、設計自由度が高く、光利用効率の
高い光路切替素子を提供することができる(請求項
5)。
【0043】また、上述したように、信号による入射光
の進行方向の変化を、反射部で反射した光が導光部材と
その導光部材に接触する光路シフト手段側の外部物質と
の界面で全反射する第一の状態と、全反射しない第二の
状態とをとることができる範囲で行うようにすることに
より、S/N比が高い光路切替素子を提供することがで
きる(請求項6)。また、導光部材と光路シフト手段と
の間に、出射光を外部へ出すことができる第二の導光部
材を設けることにより、第二の導光部材の形状による出
射方向の制御が可能となるため、光路シフト手段以降の
光学的な設計や光路調整が容易な光路切替素子を提供す
ることができる(請求項7)。
【0044】また、光入射部に光学的接合し、導光部材
と屈折率が概略等しい平板導光体を設けることにより、
製造が容易な光路切替素子を提供することができる(請
求項8)。また、反射部が、屈折率可変物質に信号を印
加する単位要素に対して、複数組の面を有するようにす
ることにより、屈折率可変物質を封入した部分を薄く構
成できるので、駆動エネルギーを小さくできる光路切替
素子を提供することができる(請求項9)。
【0045】また、光路シフト手段としては、信号の印
加によって屈折率が変化する屈折率変化層を有するもの
であることが好ましい。この屈折率変化層は、その厚さ
を概略一定とし、光出射部の外側に配設されているもの
とする。このような層に対して垂直以外の角度で光が入
射した場合、屈折率が変化すると出射光は方向(出射
角)を保ったまま入射角と層の厚さ及び屈折率変化で決
まる量だけ平行に光路がずれる。これによって、空間の
補間と情報の増大化を、比較的簡単な構造で実現でき
る。すなわち、光路シフト手段が上記屈折率変化層を有
しているので、さらに構造が簡単な光路切替素子を提供
することができる(請求項10)。ここで、屈折率変化
層を出射光の光路の垂直方向に対して傾斜させて設けて
もよい。この場合、光路シフト手段としては、屈折率変
化層を挟み、上記別の信号を屈折率変化層に印加するた
めの2つの透明基板を有し、それら透明基板の屈折率を
概略等しくすることにより、出射光を平行移動させると
よい(請求項11)。
【0046】別の光路シフト手段として、厚さが連続的
に変わっている部分を持つ屈折率変化層を2層有するも
のが好適に使用できる。なお、この屈折率変化層も光出
射部の外側に配設され、信号の印加によって屈折率が変
化するものとする。このような層に対して光が入射した
場合、屈折率が変化すると出射光は方向(出射角)が変
わるが、これと同じ層を厚さの変化する方向が逆になる
ように対峙させて、先の出射光を入射させると、ここか
ら出る出射光は最初の層への入射光に対して、方向(出
射角)を保ったまま平行に光路がずれる。この場合には
屈折率変化層の厚さが薄くてもよいので、屈折率を変化
させるためのエネルギーを小さくできる。すなわち、光
路シフト手段が、光出射部の外側に配設され、信号の印
加によって屈折率が変化し、厚さが連続的に変わってい
る部分を持つ屈折率変化層を2層有しているので、駆動
エネルギーを小さくできる光路切替素子を提供すること
ができる(請求項12)。また、光路シフト手段として
は、各屈折率変化層の間に、所望する平行移動量に応じ
た厚みをもつ中間基板をさらに備えることにより、より
駆動エネルギーを小さくすることができる(請求項1
3)。
【0047】上述した各光路シフト手段において、屈折
率変化層としては外部からエネルギーを与えることによ
って屈折率が変化するもの(物質が入れ替わるものを含
む)であれば使用可能であるが、制御のしやすさから電
界によって屈折率が変化する、いわゆる電気光学材料が
好適に使用できる。すなわち、電気光学材料を用いるこ
とにより、光路を平行移動する制御が行い易い光路切替
素子を提供することができる(請求項14)。電気光学
材料としては、ポッケルス効果を示すLiNbO3やカ
ー効果を示すBaTiO3やPLZTなどの固体結晶、
液晶などが知られているが、中でも電界強度当たりの屈
折率変化量が大きいことから液晶が好ましい。屈折率変
化量が大きいことにより、平行移動量(光路シフト量)
を大きくすることができる、或いは層の厚さを薄くでき
る。また、流動性があることによりこの層を担持する部
材への光学的接触を容易に実現することができる。すな
わち、屈折率変化層が液晶からなるので、上記に加え、
さらに製造が容易な光路切替素子を提供することができ
る(請求項15)。
【0048】また、液晶がキラルスメクティックC相で
代表される強誘電性液晶であることが望ましい。スメク
ティック液晶は液晶分子の長軸方向が層状に配列してな
る液晶である。キラルスメクティックC相は外部電界が
働かない状態において各層毎に液晶ダイレクタ方向が螺
旋的に回転している。またキラルスメクティックC相は
不斉炭素を分子構造に有しており、これによって自発分
極している。この自発分極と外部電界により定まる方向
に液晶分子が速やかに再配列するため、高速な応答が可
能である。なお、キラルスメクティックC相強誘電性液
晶の層法線方向を屈折率変化層に垂直にしたホメオトロ
ピック配向を用い、層に平行な外部電界を印加すること
により液晶分子は同一方向に傾斜して配列するため、屈
折率変化層に垂直に入射した光(直線偏光)であっても
光路をシフトさせることができる。すなわち、屈折率変
化層がキラルスメクティックC相強誘電性液晶からなる
ので、上記に加え、さらに応答速度の速い光路切替素子
を提供することができる(請求項16)。
【0049】また、屈折率変化層として強誘電性液晶を
用いることで、出射光の光路の垂直方向に対して平行に
設けても光路を平行移動させることが可能となる。その
際、光路シフト手段は、屈折率変化層を挟む2つの透明
基板を有し、それら透明基板の屈折率を概略等しくする
ことにより、出射光を平行移動させることができる(請
求項17)。
【0050】また、強誘電性液晶の配向角は温度により
制御することが可能であり、光路シフト手段としても、
温度により光路の平行移動量を制御することができる
(請求項18)。
【0051】上述した本発明に係る光路切替素子を二次
元に配列することにより空間光変調器を構成することが
できる。この空間光変調器(二次元光路切替素子)にお
いては、入射光の進行方向を変化させることができる物
質への信号の印加を二次元配列された複数の部位で個別
に行うことによって二次元の明暗像を形成することがで
きる(請求項19)。
【0052】また、上記の空間光変調器と、空間光変調
器に光線を入射させる光線入射手段及び空間光変調器に
より形成した画像(明暗像)をスクリーンに投影し表示
する手段を設けることにより、低コストで解像度の高い
画像表示装置を構成することができる(請求項20)。
【0053】(実施の形態1)図1は、本発明の第1の
実施の形態を説明するための図で、図中、101はガラ
ス,プラスチック等からなる光学的に透明な導光部材で
ある。本実施形態に係る光路切替素子は、導光部材10
1を介して光源からの光線(入射光1)を屈折率可変物
質105に入射させる光入射部103、光入射部103
から屈折率可変物質に入射した光を反射する反射部11
5、反射部で反射した光線を導光部材101の外部へと
出射させる光出射部104を有している。
【0054】反射部115を含む反射部材106は、S
i,ガラス等からなる基板109上にガラス、プラスチ
ック又は酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウ
ム等のセラミックス等からなる絶縁体108で傾斜面を
形成した後、傾斜面にAl,Ag等からなる高反射率の
金属膜107を真空蒸着,スパッタリング等の公知の方
法で形成して得ることができる。また、必要に応じてフ
ォトリソエッチングによりパターンニングしてもよい。
この金属膜107は電極としても作用する。基板109
には金属膜107に情報に応じた信号電圧を印加するた
めの駆動素子等を形成するのが望ましい。なお、本発明
の性質上、反射部115の傾斜面として、反射面を1面
だけ設けた光路切替素子を配列してもよいが、実際には
複数の反射面をもつことにより空間利用率向上のための
光路のシフト量の制御が行い易くなる。屈折率可変物質
を封入した部分を薄く構成して駆動エネルギーを小さく
するために、さらに、屈折率可変物質に信号を印加する
単位要素に対して、複数組の面を有するようにしてもよ
い。
【0055】反射部材106としては、絶縁体108が
基板109を兼ねる構成や金属板を基板として直接傾斜
面を形成する構成等も可能である。好適な傾斜面形成方
法の一例を挙げれば、面積階調もしくは濃度諧調のパタ
ーンを形成したフォトマスクを用いてパターンニングし
てドライエッチングを行う異方性エッチング法がある。
屈折率可変物質105としては、液晶が好適に使用でき
る。液晶材料としてはネマティック液晶、スメクティッ
ク液晶、コレステリック液晶等を用いることができ、単
一もしくは2種類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以
外の物質も含んだ混合物であってもよい。
【0056】光入射部103には屈折率可変物質に電圧
を印加するためのITO等からなる透明電極110が設
けられている。屈折率可変物質が液晶のように流動性の
ある材料からなる時には、必要に応じてスペーサ材を混
合したエポキシ樹脂等からなるシール剤(図示せず)を
形成して、保持するのがよい。作製工程の一例を示せ
ば、導光部材(もしくは反射部材)の周辺部に熱硬化性
のエポキシ樹脂を一部に開口部(注入孔)を残して印刷
した後、反射部材(もしくは導光部材)を貼り合わせて
加熱硬化する。注入孔から液晶を注入した後、孔を接着
剤で塞げば光スイッチング部が完成する。
【0057】光出射部104の外側には、空気層118
を介して光路シフト手段111が配設される。光路シフ
ト手段111は屈折率変化層128とそれを担持する透
光性部材143からなる。透光性部材143の屈折率変
化層128に接する面にはITO等からなる透明電極1
02が形成されている。屈折率変化層128としては、
液晶が好適に使用できる。液晶材料としてはネマティッ
ク液晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶等を
用いることができ、単一もしくは2種類以上の液晶性化
合物や液晶性化合物以外の物質も含んだ混合物であって
もよい。
【0058】図1(A)は屈折率可変物質105の屈折
率n2が導光部材101の屈折率n1より大きい場合を示
し、この場合、屈折角θ2は式(1)に従って入射角θ1
より小さくなる。ここでは反射部115で反射した光が
光出射部104を構成する面の法線となす角度φ1が、
導光部材101と空気層118との界面での全反射条件
を満たすように、反射部を構成する面及び光出射部を構
成する面の傾斜角を設定している。このようにすること
により反射部115で反射した光は空気層118中に出
射することはなく、図に示すように導光部材101中を
進行する(オフ状態)。
【0059】図1(B)はn2がn1と概略同程度の場合
を示し、この場合、θ2はθ1にほぼ等しいため図1
(A)の時よりも反射部115での反射角が大きくな
り、反射部115で反射した光が光出射部104を構成
する面の法線となす角度φ1’はφ1よりも小さくなる。
ここでφ1’が導光部材101と空気層118との界面
での全反射条件を満たさない(ただし、φ1は全反射条
件を満たす)ように、反射部115を構成する面及び光
出射部104を構成する面の傾斜角を設定すれば、反射
部115で反射した光は空気層118中に出射し、さら
に光路シフト手段111を通過して、出射光11として
外部に出射する(オン状態)。図1(B)の例は光路シ
フト手段111を構成する屈折率変化層128とそれを
担持する透光性部材143及び導光部材101の屈折率
がほぼ等しい場合で、空気層118の厚さが薄くそこで
の屈折による光路のシフトを無視すると、出射光11は
反射部115からほぼ直進する。図1(B)からわかる
ように出射光11の断面積は光入射部における入射光1
の照射エリアよりも小さく、かつ離散化している。
【0060】図1(C)は屈折率変化層128の屈折率
が図1(B)の時よりも大きい場合を示し、その他の設
定は図1(B)と同じである。この場合、屈折率変化層
128に進入した光はここで屈折し、屈折率変化層12
8の厚さに応じた量だけシフトして外部に出射する。屈
折率変化層128の屈折率及び厚さの調整によって、図
1(B)における間隙の位置に出射光が来るようにする
ことが可能であり、図1の(B)の状態と(C)の状態
を時間的に切り替えてそれぞれに異なる情報による信号
を与えれば、光スイッチングを行う部位の数で決まる量
よりも多く(この例では2倍)の情報を出力することが
できる。
【0061】本実施形態の具体的な例として、導光部材
101をクラウンガラスBK7(nd=1.517)で
作製し、屈折率可変物質105をネマティック液晶E7
(常光屈折率no=1.522,異常光屈折率ne=1.
746,メルク社)とし、予め図示しない配向膜を用い
て液晶分子112を図1(A)のように光入射部103
に対して水平で紙面に垂直な方向に配向しておく。配向
膜としてはSiO,ポリイミド等の公知の材料が使用で
き、少なくとも透明電極110及び金属膜107の表面
に形成するのが好ましい。
【0062】図1(A)の状態でレーザ光(波長633
nm)をS偏光(電場ベクトルが紙面に垂直な直線偏
光)としてθ1=60°で入射させると、この光に対し
ては液晶の屈折率はn2≒ne=1.746となるので、
式(1)に従ってθ2=49°となる。反射部115を
構成する面の水平からの傾斜角をα、光出射部104を
構成する面の水平からの傾斜角をβとし、α=30°,
β=35°に設定すると、反射光は光出射部104に対
してφ1=47.6°で入射し、全反射する。
【0063】一方、透明電極110と金属膜107の間
に電圧を印加すると図1(B)のように液晶分子が電界
方向に配列し、同様の入射光に対して液晶の屈折率はn
2≒no=1.522となるので、入射光及び反射光はほ
ぼ直進し、光出射部104に対してφ1’=35°で入
射する。ここで、光路シフト手段111を構成する屈折
率変化層128としてネマティック液晶E7を用い、図
示しない配向膜によって予め層方向に対して水平で紙面
に垂直な方向に配向しておく。図1(B)の場合には、
屈折率変化層128を担持する透光性部材143(BK
7を使用)の表面に設けた透明電極102に電圧を印加
し、液晶分子を層方向に対して垂直に配列させる。この
時、液晶の屈折率はnL≒no=1.522となり、出射
光はほぼ直進する。図1(C)は透明電極102に電圧
を印加しない場合で、この場合には液晶の屈折率はnL
≒ne=1.746となるので、屈折率変化層128に
対して屈折角φ2=30°となる。光路シフト量をΔx
とすると、屈折率変化層128の厚さtに対してΔx=
t×sin(φ1’−φ2)/cosφ2≒0.1tとな
る。すなわち、屈折率変化層128の厚さは光路シフト
量の約10倍あればよい。
【0064】上述の説明においては入射光1をS偏光と
したが、P偏光(電場ベクトルが紙面に平行な直線偏
光)であってもよく、その場合には電圧印加時と無印加
時の光の振る舞いが逆になる。P偏光を用いると界面反
射損失が減少するので、光利用効率の点ではより好まし
い。
【0065】(実施の形態2)図2は、本発明の第2の
実施の形態を説明するための図である。本実施形態に係
る光路切替素子は、その基本的な構成は第1の実施の形
態と同様であるが、図2(A)の時には入射光が導光部
材101と屈折率可変物質105との界面で全反射し
(オフ状態)、図2(B)の時には屈折率可変物質10
5中を透過し、反射部115で反射した後、光出射部1
04から出射し、さらに光路シフト手段111を通過し
て、出射光11として外部に出射する(オン状態)よう
に構成部材及び駆動条件を設定している。図2(B)は
光路シフト手段111を構成する屈折率変化層128と
それを担持する透光性部材143及び導光部材101の
屈折率がほぼ等しい場合で、この場合、出射光11は反
射部115からほぼ直進する。図2(B)からわかるよ
うに出射光11の断面積は光入射部103における入射
光1の照射エリアよりも小さく、かつ離散化している。
図2(C)は屈折率変化層128の屈折率が図2(B)
の時よりも小さい場合で、屈折率変化層128に進入し
た光はそこで屈折し、屈折率変化層128の厚さに応じ
た量だけシフトして外部に出射する。
【0066】本実施形態の具体的な例として、導光部材
101をフリントガラスSF18(nd=1.722)
で作製し、屈折率可変物質105をネマティック液晶B
L24(常光屈折率no=1.513,異常光屈折率n
e=1.717,メルク社)とし、予め図示しない配向
膜を用いて液晶分子112を図2(B)のように光入射
部103に対して水平で紙面に垂直な方向に配向してお
く。配向膜としてはSiO,ポリイミド等の公知の材料
が使用でき、少なくとも透明電極110及び金属膜10
7の表面に形成するのが好ましい。
【0067】図2(A)は透明電極110と金属膜10
7の間に電圧を印加した場合を示し、この場合、液晶分
子が電界方向に配列する。レーザ光(波長633nm)
をS偏光としてθ1=65°で入射させると、この光に
対しては液晶の屈折率はn2≒no=1.513となるの
で、導光部材101と屈折率可変物質105との界面で
全反射し、光出射部104から出射しない。
【0068】図2(B)は透明電極110と金属膜10
7の間に電圧を印加しない場合を示し、液晶分子は配向
膜で規制された初期の配向状態となるため、同様の入射
光に対して液晶の屈折率はn2≒ne=1.717とな
る。α=32.5°、β=45°に設定すると、入射光
及び反射光はほぼ直進し、光出射部104に対してφ1
=45°で入射する。ここで、光路シフト手段111を
構成する屈折率変化層128としてネマティック液晶B
L24を用い、予め層方向に対して水平で紙面に垂直な
方向に配向しておく。図2(B)は屈折率変化層128
に電界が印加されていない場合で、液晶の屈折率はnL
≒ne=1.717となり、屈折率変化層128を担持
する透光性部材143としてSF18を使用すれば、出
射光11はほぼ直進する。
【0069】図2(C)は屈折率変化層128を担持す
る透光性部材143及び導光部材101の表面に設けた
透明電極102に電圧を印加し、液晶分子を層方向に対
して垂直に配列させた場合を示し、この場合、液晶の屈
折率はnL≒no=1.513となり、屈折率変化層12
8に対して屈折角φ2=53°となる。光路シフト量を
Δxとすると、屈折率変化層128の厚さtに対してΔ
x=t×sin(φ2−φ1)/cosφ1≒0.2tとな
る。すなわち、屈折率変化層128の厚さは光路シフト
量の約5倍となり、第1の実施形態の半分程度にでき
る。この値はφ すなわちβの設定に依存するが、本実
施形態ではその設定の自由度が高い反面、使用する部材
に高屈折率のガラスが必要となるなどの制約がある。
【0070】図3は、キラルスメクティックC相強誘電
性液晶の分子配列状態を説明するための図で、図3
(B)は図3(A)のA−A′断面図である。上述した
2つの実施形態1,2において、屈折率変化層128と
してネマティック液晶を用いた例を示したが、キラルス
メクティックC相強誘電性液晶を用いてもよい。その場
合は透明電極102による電界の印加方向によって、液
晶分子114は図3に示すような2方向の配列状態をと
るため、直線偏光に対する屈折率がそれぞれで異なる。
これによって光路がシフトする。キラルスメクティック
C相強誘電性液晶を用いると、応答速度はネマティック
液晶に比べて2桁程度速くなる。
【0071】(実施の形態3)図4は、本発明の第3の
実施の形態を説明するための図である。本実施形態に係
る光路切替素子は、その光スイッチング部の構成は基本
的に第1の実施形態と同様であるが、屈折率可変物質1
05として高分子分散液晶を用いている。また、後述す
るが光路シフト手段111の屈折率変化層128として
図3に示すキラルスメクティックC相強誘電性液晶を用
いている。ただし、液晶分子の配列方向は図3とは異な
る。
【0072】高分子分散液晶は高分子マトリクス120
中に液晶ドロップレット119が分散されてなる。液晶
材料としてはネマティック液晶、スメクティック液晶、
コレステリック液晶等を用いることができ、単一もしく
は2種類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質
も含んだ混合物であってもよい。高分子マトリクス材料
としては透明なポリマーが好ましく、熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれであってもよい。
【0073】高分子分散液晶の製法としては、(1)液
晶と熱或いは光硬化(重合)性モノマーやオリゴマーも
しくはプレポリマーで溶液を作り、重合によって相分離
させる重合相分離法、(2)液晶と高分子と溶剤で溶液
を作り、溶剤を蒸発させることによって相分離させる溶
媒蒸発相分離法、(3)液晶と熱可塑性高分子を加熱溶
解させた後、冷却によって相分離させる熱相分離法な
ど、を用いることができる。
【0074】ポリマーとしては、製造工程の容易さ、液
晶相との分離性等の点から紫外線硬化型の樹脂を用いる
のが好ましい。具体的な例として紫外線硬化性アクリル
系樹脂が例示され、特に紫外線照射によって重合硬化す
るアクリルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するも
のが好ましい。このようなモノマー又はオリゴマーとし
ては(ポリ)エステルアクリレート、(ポリ)ウレタン
アクリレート、エポキシアクリレート、ポリブタジエン
アクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアク
リレート、(ポリ)ホスファゼンメタクリレート等があ
る。その他の例として、チオール−エン系も光硬化速度
が速いことから好適に使用できる。
【0075】重合を速やかに行うために光重合開始剤を
用いてもよく、この例としてジクロロアセトフェノンや
トリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェ
ノン、ミヒラーケトン、ベンゾイル、ベンゾインアルキ
ルエーテル、ベンジルジメチルケタール、モノサルファ
イド、チオキサントン類、アゾ化合物、ジアリルヨード
ニウム塩、トリアリルスルフォニウム塩、ビス(トリク
ロロメチル)トリアジン化合物等を挙げることができ
る。
【0076】この紫外線硬化性化合物中に液晶材料を均
一に溶解させた液状物を反射基板と導光部材間に注入し
た後、紫外線照射を行うことによって紫外線硬化性化合
物を硬化させると同時に液晶材料を相分離させ、高分子
分散液晶層を形成する。
【0077】具体的な高分子分散液晶の例として、ネマ
ティック液晶BL24(no=1.513,ne=1.7
17,メルク社)を紫外線硬化性プレポリマーNOA8
1(ノーランド社)に溶解(液晶重量濃度45%)し、
紫外線(400mW/cm 2)を照射したもの(液晶ド
ロップレットの平均粒径は約60nm)を用いた場合、
図4(A)の時には透明電極110と金属膜107の間
に電圧を印加することによって、液晶分子が電界方向に
配列している。レーザ光(波長633nm)をP偏光と
し、θ1=75°で入射させると、この光に対しては液
晶の屈折率はno・ne/(no2sin2θ1+ne2
os2θ11/2=1.701となるので、層全体の屈折率
は高分子マトリクスの屈折率(≒1.56)との体積平
均(≒1.61)と見なすことができる(液晶の体積分
率を約35%と見積もった)。導光部材101としてク
ラウンガラスBK7(nd=1.517)を用いると式
(1)に従ってθ2=65°となる。α=34.5°,β
=39°に設定すると、反射光は光出射部104に対し
てφ1=43°で入射し、全反射する(オフ状態)。
【0078】図4(B),(C)は透明電極110と金
属膜107の間に電圧を印加しない場合を示し、この場
合、液晶分子の配向した液晶ドロップレット119の向
きがランダムであるため、層全体が光学的に等方な媒体
になっており、その屈折率はほぼ液晶の平均屈折率(≒
(2no+ne)/3≒1.58)と高分子マトリクス
の屈折率(≒1.56)との体積平均(≒1.57)と見
なすことができる。この時、θ2=69°となるので、
反射光は光出射部104に対してφ1=39°で入射す
る。この時、全反射は起こらず、光は空気層118を通
過して、光路シフト手段111に入射する(オン状
態)。図4(A)の状態と(B),(C)の状態との間
のスイッチング時間は数10μsのオーダーが得られ、
この値はバルク液晶に比べ2桁以上高速になっている。
【0079】液晶ドロップレットサイズと応答速度の関
係についてさらに詳細に調べた結果を以下に示す。高分
子分散液晶における液晶ドロップレットの大きさは、プ
レポリマーの組成、液晶の混合濃度、硬化時の紫外線強
度等を変えることによって変化させることができる。
【0080】図5は、液晶ドロップレットサイズと応答
速度との関係を示した図である。液晶材料はE7及びB
L24(メルク社)、プレポリマーはNOA60,65
及び81(ノーランド社)を適宜用いた。
【0081】図6は、応答速度測定装置の一例を示す図
である。応答速度の測定は、図6に示す装置を用いて、
試料127にパルス電圧(200V)を印加した時の光
出力の立ち上がり時間(Ton)と立ち下がり時間(T
off)の合計を測定した。図6において、121はレ
ーザ、122は偏光子、123,124はレンズ、12
5は検光子、126はパワーメータ、127は試料、1
29はAu電極、130はSi基板、131は高分子分
散液晶層である。なお、試料127は高分子分散液晶層
131の厚さを20μm、光路長を1mmとした。
【0082】図7は、高分子分散液晶に電界が印加され
ていない時と印加されている時の様子を模式的に示す図
である。電界が印加されていない時には、図7(A)に
示すように、液晶ドロップレット119の向きはランダ
ムであるので、x軸,y軸,z軸方向の屈折率はどれも
等しく、層全体が光学的に等方な媒体になっている。z
方向に電界132を印加すると、図7(B)に示すよう
に、液晶分子の分子軸がこの方向にそろうため、z軸方
向の屈折率は大きくなり、x軸及びy軸方向の屈折率は
お互いに等しいまま、その大きさが小さくなる。
【0083】図7に示すように、レーザ光源121から
の光が電界方向とは垂直のx方向から入射される場合、
yz平面に複屈折が生じるために偏光状態を変化させる
ことができ、検光子125を通した光出力が変化する。
本発明ではこのような複屈折現象は利用しないが、電界
印加時の液晶分子の挙動とそれに伴う屈折率変化を利用
するので、図5の応答速度は本発明においても同様に適
用できる。図5から液晶ドロップレットサイズが小さく
なるにつれて応答速度が速くなることがわかる。
【0084】さらには、液晶ドロップレットの粒径を入
射光の波長の1/5以下、より望ましくは1/10以下
にすることが光透過率の観点から好ましい。以下にレイ
リー散乱理論から光透過率を計算した結果を示す。体積
Vの球形散乱体が数密度Nで存在する場合、厚さLの媒
体の光透過率Tは下記式(2)のように表される。 T=exp(-NRL),R=24π3((m2-1)/(m2+2))2V24 …(2)
【0085】式(2)において、Rは散乱断面積、mは
散乱体の屈折率と媒体の屈折率の比、λは使用する光の
波長である。m=1.07,L=100μmとした時の
透過率Tを散乱体すなわち液晶ドロップレットの粒径
d、体積分率(=NV)及び波長λをパラメータとして
計算した。式(2)からわかるように、dが大きくなる
(すなわちVが大きくなる)ほど、またλが小さくなる
ほどTが減少する。また、透過率としては、90%(T
=0.9)以上であることが光利用効率の点から好まし
い。
【0086】図8は、T=0.9となる粒径を体積分率
が10%(d(0.1))、30%(d(0.3))及び
50%(d(0.5))の場合について、波長に対して
プロットした図である。体積分率が小さいと屈折率変化
量が小さくS/N比がとれなくなるので、体積分率は1
0%以上が好ましく、50%程度がより好ましい。これ
以上の体積分率では作製が極めて困難になる。この観点
から、図8より、光路切替素子(光スイッチング素子)
として適用される可視〜赤外領域の波長に対しては、d
がλ/5以下であるのが好ましく、λ/10以下である
ことがより好ましい。なお、この計算ではm及びLを固
定したが、実デバイスにおいてこれ以下の値であると考
えられるため、上記の粒径範囲であれば問題はない。
【0087】本実施形態においては、図4の光路シフト
手段111を構成する屈折率変化層128としてキラル
スメクティックC相強誘電性液晶(例えばCS−102
9:チッソ石油化学)を用い、図示しない配向膜によっ
て層に垂直に分子螺旋回転の回転軸が向く、ホメオトロ
ピック配向をなしておく。この層に対して平行方向の電
界を印加できるように、屈折率変化層128を挟んで紙
面手前と奥に電極対が設けられる。図4(B)の場合、
すなわち液晶の自発分極Psが正でありY軸正方向(紙
面上向き)に電界Eがかかっている場合には、液晶ダイ
レクタは液晶回転軸が概略屈折率変化層に垂直方向であ
るためXZ面内にある。液晶の長軸方向の屈折率をn
e、短軸方向の屈折率をnoとすると、偏光面がX軸方
向である直線偏向(P偏光)が入射するとき、光はn
o、ne及びダイレクタ方向(配向角)ψに対応した偏
向を受け図に示す方向にシフトする。今、液晶の厚み
(屈折率変化層128の厚さ)をtとするときシフト量
Sは下記式(3)で表される(例えば、「結晶光学」応
用物理学会、光学懇話会編、p198)。 S=[(1/no)2-(1/ne)2]sin(2ψ・t)/[2((1/ne)2sin2ψ+(1/no)2cos2ψ)] …(3)
【0088】図4(C)は電界方向を反転させた場合を
示し、この場合、液晶ダイレクタはZ軸を中心とした線
対称の配置をとり、入射した光は図4(B)とは逆の方
向にシフトする。従ってこの直線偏光に対して、電界方
向を制御することで2・Sの量の光路シフトが可能とな
る。液晶材料の代表的物性値(no=1.6、ne=1.
8)に対して得られるシフト量Sを液晶配向角ψ及び液
晶の厚みtをパラメータとして計算した結果を図9に示
す。ψ=45°付近が最もシフト量が大きく、液晶層が
厚いほどシフト量が大きい。現実的な値であるψ=25
°付近では2・S≒0.15tとなり、屈折率変化層の
厚さは光路シフト量の約7倍あればよいことがわかる。
またホメオトロピック配向強誘電液晶において、約70
0V/cmの電界に対して0.1msの応答速度が報告
されており(Ozaki 他、J.J.Appl.Phy
sics、Vol.30、No.9B、pp2366−2
368(1991))、サブmsオーダの十分高速な応
答速度が得られる。
【0089】キラルスメクティックC相液晶において配
向角ψは、温度Tにより変化し、相転移点をTcとする
と、θ∝(T−Tc)βの関係がある。βは材料により
異なるが0.5程度の値をとる。この特性を利用して光
路シフト量を制御可能である。例えば仮にψとして上記
の25°を設定し、これに対応する温度をTθ=25°
すれば、T>Tθ=25°ではψ<25°であり、T<T
θ=25°ではψ>25°であるため温度により配向角を
制御でき、これによって光路シフト量を制御できる。ま
た位置制御に関して電界による微調が同様に行え、温
度、電界或いはその両者の組合せにより適切な光路シフ
ト量を得ることができる。
【0090】図10は、屈折率可変物質及び屈折率変化
層を挟持する部材の他の例を示す図である。基本的な動
作原理は図4に示したものと同じである。本実施形態及
び他の実施形態において、屈折率可変物質105及び屈
折率変化層128は透明部材によって挟持されるが、透
明部材の形状が複雑であると図4(或いは図1、図2)
に示したような構造のデバイスが作製しにくくなる。そ
こで、図10に示すように、屈折率可変物質105及び
屈折率変化層128を挟持する部材は平板(平板導光体
117及び透明基板142)とし、屈折率可変物質10
5及び屈折率変化層128を挟持した構造体を作製した
後に、導光部材101を平板導光体117に、第二の導
光部材113を透明基板142に、それぞれ光学的接合
せしめるとよい。光学的接合とは、両部材間の間隙が使
用する光の波長に比べて充分に小さいほどに密着してい
る状態であって、具体的には流動性のある物体を両者間
に介在させることによって得ることができる。流動性の
ある物体は両部材との密着を確保した後に固化しても構
わない。より具体的には流動性のある物体として、屈折
率整合した揮発性の低い液体或いは光硬化性接着剤を用
いるのが好適である。
【0091】(実施の形態4)図11は、本発明の第4
の実施の形態を説明するための図である。本実施形態に
係る光路切替素子は、その光スイッチング部の構成は基
本的には第3の実施形態と同様であるが、図11(A)
の時には入射光が導光部材101と屈折率可変物質10
5との界面で全反射し(オフ状態)、図11(B),
(C)の時には屈折率可変物質105中を透過し、反射
部115で反射した後、光出射部104から出射し、さ
らに光路シフト手段111を通過して、出射光11とし
て外部に出射する(オン状態)ように構成部材及び駆動
条件を設定している。また、後述するが、光路シフト手
段111の構成も異ならせている。
【0092】屈折率可変物質105として、第3の実施
の形態と同様の高分子分散液晶を用いているが、電圧無
印加時(図11(A)の時)に、ドロップレット119
中の全ての液晶分子が概略一方向に配列している。この
配列方向は電圧印加時(図11(B)の時)に液晶分子
が揃う方向(電界方向)とほぼ直交し、光入射部103
に対して水平で紙面に垂直な方向にするのが好適であ
る。
【0093】具体的には第3の実施形態と同様の材料及
び処方の高分子分散液晶を用い、レーザ光(波長633
nm)をP偏光とし、θ1=75°で入射させた場合、
図11(A)の時には高分子分散液晶層の屈折率は液晶
の屈折率(≒no・ne/(no2cos2θ1+ne2
in2θ11/2=1.524)と高分子マトリクスの屈折
率(≒1.56)との体積平均(≒1.55)と見なすこ
とができる。導光部材101としてフリントガラスF2
(nd=1.620)を用いると、入射光は導光部材1
01と屈折率可変物質105との界面で全反射する。図
11(B)の時には高分子分散液晶層の屈折率は液晶の
屈折率(≒no・ne/(no2sin2θ1+ne2co
2θ11/2=1.701)と高分子マトリクスの屈折率
(≒1.56)との体積平均(≒1.61)と見なすこと
ができる。光入射部103を構成する面と光出射部10
4を構成する面はほぼ平行とし、α=37.5°とする
と入射光及び反射光はほぼ直進し、光出射部104に垂
直に入射し、光路シフト手段111を通過して外部に出
射する。
【0094】液晶分子を予め一方向に配列させる方法と
して、前述のような配向膜を用いる方法以外に以下に示
すような方法を用いることも可能である。高分子マトリ
クス材料を重合する際に電界を印加することで、液晶を
一方向に配向することができる。この時、液晶に接して
いるプレポリマーは液晶の配向に引きずられて同じ方向
に配向する。この状態でプレポリマーを重合すると液晶
との界面は液晶の配向に倣った形で固定される。この界
面構造は液晶に対して配向膜として機能するため、高分
子マトリクス材料が硬化した後に電界を解除しても、液
晶は重合時に印加していた電界方向に揃うことになる。
【0095】なお、図11(A)の時に液晶分子の配向
したドロップレット119の向きがランダムである(予
備配向しない)場合には、層全体が光学的に等方な媒体
になっており、その屈折率はほぼ液晶の平均屈折率(≒
(2no+ne)/3≒1.58)と高分子マトリクス
の屈折率(≒1.56)との体積平均(≒1.57)とな
り、上記の条件では全反射しない。全反射させるために
はθ1をより大きくするか、導光部材101をより屈折
率の大きい材質にしなければならず、設計の自由度が低
下する。また、その場合には図11(B)の時に界面反
射ロスが増加し、光利用効率が低下する。
【0096】光路シフト手段111は、厚さが連続的に
変わっている部分を持ち、厚さの変化する方向が逆にな
るように対峙させた1対の屈折率変化層128と、この
層を担持する透明基板142及び中間基板116からな
る。厚さが連続的に変わっている部分は、図11(C)
に拡大して示すように透明基板142表面を傾斜角γの
鋸刃状に加工することによって得られる。勿論鋸刃状で
なくとも傾斜してその厚みが連続的に変化していればよ
いが、シフト量の効率的な取得のためには鋸刃状である
ことが好ましい。加工方法としてはガラス基板をエッチ
ングするか透明プラスチック材料を射出成形等により加
工しても良い。いずれの形成法においても鋸刃のエッジ
に相当するところは液晶配向の乱れが生じやすいのでこ
の部分を光が通過しないように入射光を操作するのが望
ましい。屈折率変化層128としてキラルスメクティッ
クC相強誘電性液晶(例えばCS−2005:チッソ石
油化学)を用い、図示しない配向膜によって基板面に平
行に分子螺旋回転の回転軸が向く、ホモジニアス配向を
なしておく。電界は基板面表面に形成されたITO等か
らなる透明電極(図示せず)によって、屈折率変化層1
28の法線方向に作用する。
【0097】図11(B)の時には液晶ダイレクタの向
きが基板面と水平で紙面に垂直な方向となり、電界方向
を反転させた図11(C)の時にはそれとほぼ直交する
方向となるように、ラビング処理等により配向を規制す
るのが望ましい。図11(B)の時P偏光に対する強誘
電性液晶の屈折率はほぼnoに等しく、各基板の屈折率
をそれに近いものにすれば、基板に垂直に入射した光は
直進して出射光11として外部に出射する。図11
(C)の時には、厳密には液晶ダイレクタの傾きとn
o、neで屈折率が決められるが、今ほぼneに等しい
とする。光路シフト量をΔxとすると、屈折率変化層の
厚さt、中間基板の厚さLに対して、Δxは下式で表さ
れる。 Δx=2t・tan(γ-sin-1{ (no/ne)sinγ})+L・tan(sin
-1〈(ne/no)sin[γ-sin -1{ (no/ne)sinγ}]〉)
【0098】ne=1.8,no=1.6,γ=1°とす
ると、Δx=0.0039t+0.0022Lとなるが、
tは現実的には数10μm以下であるため第1項を無視
すると、Δx≒0.0022Lとなる。すなわち、中間
基板の厚さを光路シフト量の約500倍に設定すればよ
い。この場合、光路シフト量は中間基板の厚さで決まる
ので、屈折率変化層128を薄くでき、低い電圧で駆動
することができる。
【0099】(実施の形態5)図12及び図13は、本
発明の第5の実施の形態を説明するための図で、図12
は光路切替素子を二次元配列した空間光変調器の斜視
図、図13は図12の空間光変調器を用いた画像表示装
置の構成図である。本実施形態に係る空間光変調器14
0は、第3の実施形態の光路切替素子において、金属膜
107を個別駆動可能なように二次元配列した二次元光
路切替素子である。なお、光路切替素子としては第3の
実施形態のものに限らず、上述したいずれの実施形態の
ものであっても使用可能である。入射光を画像信号に応
じて画素に対応する金属膜への印加電圧を制御すること
により、面状の光のON/OFF(空間光変調)が可能
となり、二次元の明暗像となって光路シフト手段111
に到達する。光路シフト手段111にてその像をシフト
させ、1フィールド内で2位置をとるように制御するこ
とで、見かけ上、光路切替素子の画素数(個別金属膜の
数)の2倍の解像度の画像を表示することも可能とな
る。
【0100】本実施形態に係る画像表示装置において
は、光源133から放出された照明光は光インテグレー
タ134で均一化され、偏光変換素子135によって直
線偏光とされ、コンデンサレンズ136を介して、空間
光変調器140に入射する。入射光は光スイッチングド
ライブ部137で画像信号に応じて、画素に対応する金
属膜への印加電圧を制御することにより、二次元の明暗
像となって光路シフト手段111に到達する。光路シフ
ト手段111を通過した像は投射レンズ139によって
拡大されスクリーン141に投影される。光路シフトド
ライブ部138で1フィールド内で2位置をとるように
電圧の制御を行い、それと同期して光スイッチングドラ
イブ部で画像信号の切り替えを行うことにより、見かけ
上、光路切替素子の画素数(個別金属膜の数)の2倍の
解像度の画像を表示することができる。この場合、光路
シフト量は画素ピッチの1/2とするのが好ましい。同
様に光路シフト量を画素ピッチの1/3として、1フィ
ールド内で3位置をとるように制御すれば3倍の解像度
の画像を表示することができる。
【0101】また、空間光変調器を使った画像表示装置
では、赤、緑、青など複数の波長の入射光を使い、時分
割で各色の画像を表示したり(フィールドシーケンシャ
ル方式)、複数の空間光変調器を設けて各色の画像を同
時に投影することで、フルカラー画像を表示することも
できる。
【0102】以上、詳細に述べたように本発明の光路切
替素子は、光スイッチングと光路シフトを同時に行うこ
とによって出力される情報量を増倍し、これを用いた画
像表示装置の解像度を向上させるものであるが、入射光
に対して、光利用効率が低下することなく出射光が縮小
される特質を利用して、特別な光束縮小手段(例えばマ
イクロレンズアレイ等)を付与することなく、直接光路
シフトによる増倍が実現できるところに大きな特徴があ
る。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、導光部材を介した光入
射部と、光入射部から入った入射光を反射する反射部と
の間に、情報に応じて信号を与えることによって入射光
の進行方向を変化させることができる物質を設け、反射
部で反射した光を導光部材を介して出射光として外部へ
出す光出射部の外側に、別の信号の印加によって出射光
の光路を平行移動させることができる手段を具備してい
るので、構造が簡単で、空間利用効率が高く、伝達する
情報量を増加できる光路切替素子を提供することができ
る。
【0104】本発明によれば、上記光路切替素子を二次
元アレイ状に配列したので、構造が簡単で、空間利用効
率が高く、伝達する情報量を増加できる空間光変調器を
提供することができる。
【0105】本発明によれば、上記空間光変調器により
形成した画像をスクリーンに投影するようにしたので、
低コストで解像度の高い画像表示装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を説明するための
図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態を説明するための
図である。
【図3】 キラルスメクティックC相強誘電性液晶の分
子配列状態を説明するための図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態を説明するための
図である。
【図5】 液晶ドロップレットサイズと応答速度との関
係を示した図である。
【図6】 応答速度測定装置の一例を示す図である。
【図7】 高分子分散液晶に電界が印加されていない時
と印加されている時の様子を模式的に示す図である。
【図8】 T=0.9となる粒径を体積分率が10%、
30%及び50%の場合について、波長に対してプロッ
トした図である。
【図9】 液晶材料の代表的物性値に対して得られるシ
フト量Sを液晶配向角ψ及び液晶の厚みtをパラメータ
として計算した結果を示す図である。
【図10】 屈折率可変物質及び屈折率変化層を挟持す
る部材の他の例を示す図である。
【図11】 本発明の第4の実施の形態を説明するため
の図である。
【図12】 本発明の第5の実施の形態を説明するため
の図で、光路切替素子を二次元配列した空間光変調器の
斜視図である。
【図13】 本発明の第5の実施の形態を説明するため
の図で、図12の空間光変調器を用いた画像表示装置の
構成図である。
【図14】 従来の空間光変調器の平面図である。
【図15】 図14に示した空間光変調器のひとつの回
転鏡の断面図である。
【図16】 特開平11−202222号公報で提案さ
れている光スイッチング素子の動作説明図である。
【図17】 特開2000−171813号公報で提案
されている光スイッチング素子の概略構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…入射光、11…出射光、101…導光部材、102
…透明電極、103…光入射部、104…光出射部、1
05…屈折率可変物質、106…反射部材、107…金
属膜、108…絶縁体、109…基板、110…透明電
極、111…光路シフト手段、112…液晶分子、11
3…第二の導光部材、114…液晶分子、115…反射
部、116…中間基板、117…平板導光体、118…
空気層、119…液晶ドロップレット、120…高分子
マトリクス、121…レーザ、122…偏光子、12
3,124…レンズ、125…検光子、126…パワー
メータ、127…試料、128…屈折率変化層、129
…Au電極、130…Si基板、131…高分子分散液
晶層、132…電界、133…光源、134…光インテ
グレータ、135…偏光変換素子、136…コンデンサ
レンズ、137…光スイッチングドライブ部、138…
光路シフトドライブ部、139…投射レンズ、140…
空間光変調器(二次元光路切替素子)、141…スクリ
ーン、142…透明基板、143…透光性部材。
フロントページの続き (72)発明者 鴇田 才明 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 亀山 健司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 加藤 幾雄 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 杉本 浩之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 滝口 康之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H088 EA33 HA02 HA21 HA24 HA28 HA30 JA17 MA16 2H089 HA04 HA06 QA11 QA12 RA13 TA16 TA17 TA18 TA20 UA03 2H091 FA08X FA14Y FA23X FA26X FA41X FA46X LA11 LA12

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導光部材を介した光入射部と、該光入射
    部から入った入射光を反射する反射部と、該反射部で反
    射した光を、前記導光部材を介して出射光として外部へ
    出す光出射部とよりなる光路切替素子において、前記光
    入射部と反射部との間の光路中に、情報に応じて信号を
    与えることによって入射光の進行方向を変化させること
    ができる物質を有するとともに、前記光出射部の外側に
    あって、別の信号の印加によって前記出射光の光路を平
    行移動させることができる光路シフト手段を具備するこ
    とを特徴とする光路切替素子。
  2. 【請求項2】 前記信号を与えることによって入射光の
    進行方向を変化させることができる物質が、液晶材料か
    らなることを特徴とする請求項1記載の光路切替素子。
  3. 【請求項3】 前記信号を与えることによって入射光の
    進行方向を変化させることができる物質が、液晶材料を
    高分子マトリクス中に分散保持した液晶/高分子複合体
    からなることを特徴とする請求項1又は2記載の光路切
    替素子。
  4. 【請求項4】 前記物質の液晶材料が、入射光の波長の
    1/5以下の粒径を有するドロップレットであることを
    特徴とする請求項3記載の光路切替素子。
  5. 【請求項5】 電圧無印加時に前記液晶材料全ての液晶
    分子が概略一方向に配列することを特徴とする請求項2
    乃至4のいずれか1記載の光路切替素子。
  6. 【請求項6】 前記信号による入射光の進行方向の変化
    を、前記反射部で反射した光が前記導光部材と該導光部
    材に接触する前記光路シフト手段側の外部物質との界面
    で全反射する第一の状態と、全反射しない第二の状態と
    をとることができる範囲で行うことを特徴とする請求項
    1乃至5のいずれか1記載の光路切替素子。
  7. 【請求項7】 前記導光部材と前記光路シフト手段との
    間に、前記出射光を外部へ出すことができる第二の導光
    部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    か1記載の光路切替素子。
  8. 【請求項8】 前記光入射部に光学的接合し、前記導光
    部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設けたことを特
    徴とする請求項1乃至7のいずれか1記載の光路切替素
    子。
  9. 【請求項9】 前記反射部が、前記物質に信号を印加す
    る単位要素に対して、複数組の面を有していることを特
    徴とする請求項1乃至8のいずれか1記載の光路切替素
    子。
  10. 【請求項10】 前記光路シフト手段は、前記別の信号
    の印加によって屈折率が変化する屈折率変化層を有し、
    該屈折率変化層は概略厚さが一定であることを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれか1記載の光路切替素子。
  11. 【請求項11】 前記屈折率変化層を前記出射光の光路
    の垂直方向に対して傾斜させて設け、前記光路シフト手
    段は、前記屈折率変化層を挟み、前記別の信号を該屈折
    率変化層に印加するための2つの透明基板を有し、該2
    つの透明基板の屈折率を概略等しくすることにより、前
    記出射光を平行移動させることを特徴とする請求項10
    記載の光路切替素子。
  12. 【請求項12】 前記光路シフト手段が、前記別の信号
    の印加によって屈折率が変化する屈折率変化層を2層有
    し、該屈折率変化層は、厚さが連続的に変わっている部
    分を持つことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1
    記載の光路切替素子。
  13. 【請求項13】 前記光路シフト手段は、各屈折率変化
    層の間に、所望する平行移動量に応じた厚みをもつ中間
    基板をさらに備えたことを特徴とする請求項12記載の
    光路切替素子。
  14. 【請求項14】 前記屈折率変化層が電気光学材料より
    なることを特徴とする請求項10又は11記載の光路切
    替素子。
  15. 【請求項15】 前記屈折率変化層が液晶よりなること
    を特徴とする請求項10乃至14のいずれか1記載の光
    路切替素子。
  16. 【請求項16】 前記液晶は強誘電性液晶であることを
    特徴とする請求項15記載の光路切替素子。
  17. 【請求項17】 前記屈折率変化層は強誘電性液晶から
    なり、前記出射光の光路の垂直方向に対して平行に設
    け、前記光路シフト手段は、前記屈折率変化層を挟む2
    つの透明基板を有し、該2つの透明基板の屈折率を概略
    等しくすることにより、前記出射光を平行移動させるこ
    とを特徴とする請求項10記載の光路切替素子。
  18. 【請求項18】 前記光路シフト手段は、前記強誘電性
    液晶の配向角を温度により制御することにより、光路の
    平行移動量を制御することを特徴とする請求項16又は
    17記載の光路切替素子。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至18のいずれか1記載の
    光路切替素子が二次元アレイ状に配列されていることを
    特徴とする空間光変調器。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の空間光変調器と、該
    空間光変調器に光線を入射させる手段と、該空間光変調
    器により形成した画像をスクリーンに投影して表示する
    手段とを有することを特徴とする画像表示装置。
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