JP2003149620A - 光路切替素子、空間光変調器及び画像表示装置 - Google Patents

光路切替素子、空間光変調器及び画像表示装置

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JP2003149620A
JP2003149620A JP2001346256A JP2001346256A JP2003149620A JP 2003149620 A JP2003149620 A JP 2003149620A JP 2001346256 A JP2001346256 A JP 2001346256A JP 2001346256 A JP2001346256 A JP 2001346256A JP 2003149620 A JP2003149620 A JP 2003149620A
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Japan
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light
optical path
refractive index
switching element
path switching
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JP2001346256A
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English (en)
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Hitoshi Kondo
均 近藤
Hidenori Tomono
英紀 友野
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で耐久性が高く、部材コストを低
減でき、S/N比の高い光路素子及びこれを用いた空間
光変調器及び画像表示装置を提供する。 【解決手段】 光路素子は、導光部材1と、その導光部
材1を介して光入射部3から入った入射光を反射する反
射部6と、反射光を導光部材1を介して外部へ出す光出
射部4とを有し、入射光の光路中に屈折率可変物質5を
封入して、その屈折率可変物質5に信号を与えることに
より屈折率変化を生じせしめて、反射部6における反射
角度をスイッチングして光路変更を行う。反射部6は、
一辺を共有する2つの面によって構成され、屈折率可変
物質5に進入した入射光と光入射部3を構成する面の法
線とのなす角度の動作範囲における最小値をθ2min、最
大値をθ2maxとするとき、反射部6を構成する少なくと
も1つの面の法線と光入射部3を構成する面の法線との
なす角度が90°−(θ2min+θ2max)/2以外の角度
となるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光路切替素子、空
間光変調器及び画像表示装置、より詳細には、入射光の
反射方向を変化させることによって光路を変え、光をス
イッチングするデバイスである光路切替素子、該光路切
替素子を用いた空間光変調器、及び該空間光変調器を用
いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】入射光の反射方向を変化させることによ
って光路を変え、光をスイッチングするデバイスおよび
それを用いた空間光変調器として、例えば特開平5−1
96880号公報に示されるような微小な回転鏡を二次
元状に多数配列したものが知られている。図19は従来
の空間光変調器の一例における部分平面図であり、ここ
では、方形トーションビーム反射表面100とビーム支
持ポスト101のみが観察される。図20は、図19に
示す空間光変調器における1つの回転鏡の断面概略構成
図で、図20(A)はヒンジに沿った方向の断面図で、
図20(B)は、それと直角方向の断面図を示すもので
ある。
【0003】ビーム支持ポスト101はポスト116に
連結されたヒンジ111の捻れによって、ビーム反射表
面100を接地電極115に向けて回転可能にする。そ
の駆動力はポスト113によって支持されたアドレス電
極114に印加される電圧で与えられる。アドレス電極
114への電圧印加は、基板層123に設けられたCM
OS回路(図示せず)の信号を金属層122を介して伝
達することにより行われる。ビーム反射表面100の回
転状態を回転鏡ごとに変えることによって、入射した光
を二次元的に空間変調することができる。しかしなが
ら、この方式においては、大きな回転角を得るために回
転鏡の構造が複雑になっており、製造コストが高くなる
という問題がある。
【0004】そのほかの技術として、特開平11−20
2222号公報に開示されている光スイッチング素子が
ある。図21は、上記特開平11−202222号公報
で提案されている光スイッチング素子の動作を説明する
ための図である。上記従来技術による光スイッチング素
子は、光を全反射して伝達可能な全反射面132を備え
た導光部130と、全反射面に対し抽出面141を接近
させてエバネッセント光を捉え、それを反射して出射す
ることができるプリズム142と、この光スイッチング
部を駆動する駆動部150とを光の出射方向に対してこ
の順番で積層した構成となっている。
【0005】図21の右側のセル131bは、駆動部1
50を動作させることによってプリズム142がエバネ
ッセント光の漏出する抽出距離以上離れた位置にある状
態を示している。この時には、導光部130中を伝搬し
てきた光線160は、図21に示されるように全反射面
132で全反射され図の右方向へと出射していく。駆動
部150を動作させない時には、図21の左側のセル1
31aに示すように、プリズム142はエバネッセント
光が漏出する抽出距離以下に近接しているので、導光部
130中を伝搬してきた光線160は、全反射面132
で反射することなくプリズム142に進入する。プリズ
ム142に進入した光線はプリズムの反射面142aで
反射して図21に示した光線161のように導光部13
0を透過して出射される。
【0006】この方式において、エバネッセント光の抽
出・非抽出という2つの状態をスイッチングするには、
光の波長程度以下の微小な変位でよいため比較的簡単な
駆動機構を採用することができるが、図21に示したよ
うなプリズム142の構造は複雑であるため、複数個を
微小なサイズで基板上に均一に形成するのは困難であ
り、そのため製造歩留まりが低下し、コストアップにつ
ながるという問題がある。また、プリズム142を全反
射面132に近接させるとファンデルワールス力あるい
は液架橋力が作用して、引き剥がしが困難になるという
問題もある。
【0007】さらに別の技術として、特開2000−1
71813号公報に開示されている光スイッチング素子
がある。図22は、上記特開2000−171813号
公報で提案されている光スイッチング素子の概略構成を
示す図である。全反射により光を伝えている導光体17
1に接触させた液晶172に電圧を印加することによ
り、液晶分子の配向をコントロールし、それにより実効
的な屈折率を異常光に対する値と常光に対する値の間で
変化させる。この結果、入射光(直線偏光)180が全
反射光181として出射される状態と、透過光となった
のち反射膜173によって向きを変えられて反射光18
2として出射させる状態とをスイッチングすることがで
きる。
【0008】上記特開2000−171813号公報の
方式においては、機械的な駆動部を持たないために上述
のような問題は生じないが、導光体と液晶との界面で全
反射させるために、導光体を屈折率の高い材料で作製す
る必要がある、あるいは光の入射角を大きくしなければ
ならない、という制約があり、材料コストが高くなり、
あるいは光学系が複雑になったり、光利用効率が低下す
るなど実用上好ましくない等の問題が生じる可能性があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明では上記問題点
を解決し、構造が簡単で、耐久性が高く、部材コストを
低減でき、S/N比の高い光路切替素子、空間光変調
器、及びそれを用いた画像表示装置を提供することを目
的とする。より具体的には、(1)構造が簡単で耐久性
が高く、部材コストを低減でき、かつS/N比の高い光
路切替素子を提供すること(請求項1,2)、(2)さ
らにS/N比を高くできる光路切替素子を提供すること
(請求項3)、(3)よりS/N比を高くできる光路切
替素子を提供すること(請求項4)、(4)さらにS/
N比を高くできる光路切替素子を提供すること(請求項
5)、(5)上記に加え、製造が容易な光路切替素子を
提供すること(請求項6)、(6)上記に加え、駆動エ
ネルギーを小さくできる光路切替素子を提供すること
(請求項7)、(7)さらに製造が容易で、S/N比を
高くできる光路切替素子を提供すること(請求項8)、
(8)上記に加え、応答速度の速い光路切替素子を提供
すること(請求項9)、(9)上記に加え、光損失の小
さい光路切替素子を提供すること(請求項10)、(1
0)上記に加え、さらにS/N比を高くできる光路切替
素子を提供すること(請求項11)、(11)構造が簡
単で耐久性が高く、部材コストを低減でき、S/N比の
高い空間光変調器を提供すること(請求項12)、(1
2)上記に加え、より低コストな空間光変調器を提供す
ること(請求項13)、(13)耐久性が高く、低コス
トでコントラスト比の高い画像表示装置を提供すること
(請求項14)、(14)さらに低コストな画像表示装
置を提供すること(請求項15)、をその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、導光
部材を介した光入射部と、該光入射部から入った入射光
を反射する反射部と、該反射部で反射した光を、前記導
光部材を介して出射光として外部へ出す光出射部とより
なり、前記反射部を含む光路中に屈折率可変物質を封入
し、該屈折率可変物質に情報に応じて信号を与え屈折率
変化を生じせしめる信号入力手段を具備するとともに、
前記信号による前記屈折率可変物質の屈折率変化を、前
記入射光が前記導光部材と前記屈折率可変物質との界面
で全反射しない範囲で行う光路切替素子において、前記
反射部が一辺を共有する2つの面によって構成され、前
記屈折率可変物質に進入した入射光と前記光入射部を構
成する面の法線とのなす角度の動作範囲における最小値
をθ2min、最大値をθ2maxとすると、前記反射部を構成
する少なくとも1つの面の法線と前記光入射部を構成す
る面の法線とのなす角度が90°−(θ2min
θ2max)/2以外の角度であることを特徴としたもので
ある。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記反射部を構成する少なくとも1つの面の法線と
前記光入射部を構成する面の法線とのなす角度は、90
°−θ2min 以上、または90°−θ2max 以下の角度で
あることを特徴としたものである。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、前記光入射部と光出射部とが互いに平行で
ない面で構成されていることを特徴としたものである。
【0013】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れか1の発明において、前記信号による前記屈折率可変
物質の屈折率変化を、前記反射部で反射した光が前記光
出射部において前記導光部材とそれに接触する外部物質
との界面で全反射する第一の状態と、全反射しない第二
の状態とを取ることができる範囲で行うことを特徴とし
たものである。
【0014】請求項5の発明は、請求項1乃至4のいず
れか1の発明において、前記出射光を第2の導光部材を
介して外部へ出すことができる第2の光出射部を設けた
ことを特徴としたものである。
【0015】請求項6の発明は、請求項1乃至5のいず
れか1の発明において、前記光入射部に光学的接合し、
前記導光部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設けた
ことを特徴としたものである。
【0016】請求項7の発明は、請求項1乃至6のいず
れか1の発明において、前記反射部が、前記屈折率可変
物質に信号を印加する単位要素に対して、複数組の面を
有していることを特徴としたものである。
【0017】請求項8の発明は、請求項1乃至7のいず
れか1の発明において、前記屈折率可変物質が液晶から
なることを特徴としたものである。
【0018】請求項9の発明は、請求項1乃至7のいず
れか1の発明において、前記屈折率可変物質が液晶材料
を高分子マトリクス中に分散保持した液晶/高分子複合
体からなることを特徴としたものである。
【0019】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、液晶が入射光の波長の1/5以下の粒径を有する
ドロップレットであることを特徴としたものである。
【0020】請求項11の発明は、請求項8乃至10の
いずれか1の発明において、電圧無印加時に全ての液晶
分子が概略一方向に配列していることを特徴としたもの
である。
【0021】請求項12の発明は、請求項1乃至11の
いずれか1に記載の光路切替素子が二次元アレイ状に配
列されていることを特徴としたものである。
【0022】請求項13の発明は、請求項1乃至11の
いずれか1に記載の光路切替素子が一次元アレイ状に配
列されていることを特徴としたものである。
【0023】請求項14の発明は、請求項12に記載の
空間光変調器と、該空間光変調器に光線を入射させる手
段と、該空間光変調器により形成した画像をスクリーン
に投影し表示する手段とを有することを特徴としたもの
である。
【0024】請求項15の発明は、請求項13記載の空
間光変調器と、該空間光変調器に光線を入射させる手段
と、該空間光変調器から出射した光線を該空間光変調器
の光路切替素子の整列方向に対して垂直な方向に走査す
る走査機構と、該走査機構から出射した光線をスクリー
ンに投影し表示する手段とを有することを特徴としたも
のである。
【0025】
【発明の実施の形態】(構成・動作)本発明の特徴は、
導光部材を介した光入射部と、該光入射部から入った入
射光を反射する反射部と、該反射部で反射した光を、前
記導光部材を介して出射光として外部へ出す光出射部と
よりなり、前記反射部を含む光路中に屈折率可変物質を
封入し、該屈折率可変物質に情報に応じて信号を与え屈
折率変化を生じせしめる信号入力手段を具備するととも
に、前記信号による前記屈折率可変物質の屈折率変化
を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可変物質との界
面で全反射しない範囲で行う光路切替素子において、前
記反射部が一辺を共有する2つの面によって構成され、
前記屈折率可変物質に進入した入射光と前記光入射部を
構成する面の法線とのなす角度の動作範囲における最小
値をθ2min、最大値をθ2maxとすると、前記反射部を構
成する少なくとも1つの面の法線と前記光入射部を構成
する面の法線とのなす角度が90°−(θ2min
θ2max)/2以外の角度であることを特徴とする光路切
替素子にある。
【0026】導光部材の屈折率をn1、屈折率可変物質
の屈折率をn2とし、導光部材中を透過する光が光入射
部を構成する面の法線とのなす角度(入射角)をθ1
入射光が屈折率可変物質中に進入する際に前記光入射部
を構成する面の法線とのなす角度(屈折角)をθ2とす
ると、スネルの法則により以下の式が成り立つ。 sinθ2/sinθ1= n1/n2 …(1)
【0027】信号印加によってn2が変化すると上記
(1)式に従ってθ2が変化し、その結果反射部での反
射角が変わり、出射光の光路(出射角)が変化する。そ
の角度変化量は概略θ2の変化量程度であるが、導光部
材の屈折率n1が導光部材に接触している外部物質の屈
折率na(通常外部物質は空気であり、na=1)より大
きい場合には光出射部から出射する際に屈折が生じ、出
射光と光出射部を構成する面の法線とのなす角度(出射
角)の変化量はθ2の変化量よりも大きくなる。これに
より所定の位置で光出力を検出すれば、n2の変化に伴
って光出力が変化することになり、信号印加による光ス
イッチングが可能となる。本発明の光路切替素子におい
ては、原理的に導光部材の屈折率n1や入射角θ1に対す
る制約が少ないため、安価な部材を用いたデバイスおよ
びシステムを実現することができる。
【0028】また、前記反射部が一辺を共有する2つの
面によって構成され、前記屈折率可変物質に進入した入
射光と前記光入射部を構成する面の法線とのなす角度の
動作範囲における最小値をθ2min、最大値をθ2maxとす
ると、前記反射部を構成する少なくとも1つの面の法線
と前記光入射部を構成する面の法線とのなす角度が90
°−(θ2min+θ2max)/2以外の角度であるように、
より好ましくは90°−θ2min以上、または90°−θ
2max以下に設定することにより、オフ時の漏れ光を減少
させることができるので、S/N比を高くすることがで
きる(請求項1,2)。
【0029】上記において、光入射部と光出射部とが互
いに平行でない面で構成されていることが好ましい。こ
のようにすることにより出射角の変化量をより大きくす
ることができるので、より高いS/N比が得られる(請
求項3)。
【0030】また、信号による屈折率可変物質の屈折率
変化を、反射部で反射した光が光出射部において導光部
材とそれに接触する外部物質との界面で全反射する第一
の状態と、全反射しない第二の状態とを取ることができ
る範囲で行うことが好ましい。この場合、θ2の変化量
に比べて出射角の変化量が非常に大きくなり、さらに高
いS/N比が得られる(請求項4)。
【0031】さらには、出射光を第2の導光部材を介し
て外部へ出すことができる第二の光出射部を設けること
が好ましい。光出射部から出射した光は、再び第二の導
光部材に入射し、第2の光出射部から出射する。この時
の出射角の変化量は第二の導光部材がない時よりも大き
くすることが可能であり、より高いS/N比を得ること
ができる(請求項5)。
【0032】上記において、光入射部に光学的接合し、
導光部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設けること
が製造の容易さから好ましい。この場合、平板導光体と
反射部とこの間に封入された屈折率可変物質とによって
構成されるデバイスを作製した後に、導光部材を光学的
接触させればよいので、複雑な形状の導光部材を用いて
デバイスを作製するよりは格段に製造が容易となる(請
求項6)。
【0033】さらに、反射部が、屈折率可変物質に信号
を印加する単位要素に対して、複数組の面を有している
ことが好ましい。このようにすることによって反射部か
ら光入射部までの距離をさらに小さくすることができる
ので、駆動エネルギーをより小さくすることができる
(請求項7)。
【0034】屈折率可変物質としては、外部からエネル
ギーを与えることによって屈折率が変化するものであれ
ば使用可能であるが、制御のしやすさから電界によって
屈折率が変化する、いわゆる電気光学材料が好適に使用
できる。電気光学材料としては、ポッケルス効果を示す
LiNbO3やカー効果を示すBaTiO3やPLZTな
どの固体結晶、液晶などが知られているが、中でも電界
強度当たりの屈折率変化量が大きいことおよび流動性が
あることから液晶が好ましい。屈折率変化量が大きいこ
とにより、θ2の変化量を大きくすることができ、その
結果出射角の変化量を大きくすることができるので、高
いS/N比を得ることができる。また、流動性があるこ
とにより導光部材(あるいは平板導光体)および反射部
への光学的接触を容易に実現することができる(請求項
8)。
【0035】屈折率可変物質として、液晶/高分子複合
体を用いることが応答速度の点から好ましい。このよう
な液晶/高分子複合体として、液晶ドロップレットを高
分子マトリクス中に分散した、いわゆる高分子分散液晶
が好適に使用できる。高分子分散液晶の応答速度は液晶
ドロップレットの粒径を小さくするにつれて速くなるこ
とが実験的にわかっており、特に入射光の波長の1/5
以下の粒径にすることが、散乱が減少し光透過率が高く
なる、すなわち光損失が著しく小さくなることから好ま
しい。なお、ここでいう粒径とは構造体を代表する粒径
であって、通常は電子顕微鏡写真等によって計測された
平均粒径が好適に使用される(請求項9,10)。
【0036】上記の液晶は電圧無印加時に全ての液晶分
子が概略一方向に配列していることが好ましい。この方
向を電圧印加時に液晶分子が揃う方向(電界方向)とほ
ぼ直交させることにより大きな屈折率差が得られるた
め、θ2の変化量を大きくすることができ、その結果出
射角の変化量を大きくすることができるので、高いS/
N比を得ることができる(請求項11)。
【0037】本発明の光路切替素子を一次元もしくは二
次元に配列することで空間光変調器を構成することがで
きる。このような空間光変調器は構造が簡単であり、ま
た使用する部材の制約が少ないために、耐久性が高く安
価なものとなる。一次元に配列した空間光変調器は光路
切替素子の配列方向に垂直な方向に走査する走査機構を
用いることで二次元の空間光変調ができるが、一次元の
空間光変調器は二次元の空間光変調器に比べて安価であ
るため、より低コストとなる(請求項12、13)。
【0038】上記の空間光変調器と、光線入射手段およ
び空間光変調器により形成した画像をスクリーンに拡大
投影する手段を設けることにより、耐久性が高く安価な
画像表示装置を構成することができる(請求項14、1
5)。
【0039】(実施形態1)図1は、本発明の第1の実
施形態を説明するための図で、光路切替素子は、ガラ
ス、プラスチック等からなる光学的に透明な導光部材1
を介して光源からの光線を屈折率可変物質5に入射させ
る光入射部3、反射部6で反射した光線を導光部材1の
外部へと出射させる光出射部4を有している。この例で
は光入射部3を構成する面と光出射部4を構成する面と
は平行となっている。反射部6は入射光を実質的に出射
光に変換する反射面16と、これと一辺を共有する逆傾
斜面14によって構成される。反射部6を含む反射部材
15はSi、ガラス等からなる基板9上にガラス、プラ
スチックまたは酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アル
ミニウム等のセラミックス等からなる絶縁膜8で各傾斜
面14,16を形成した後、各傾斜面14,16にA
l、Ag等からなる高反射率の金属膜7を真空蒸着、ス
パッタリング等の公知の方法で形成して得ることができ
る。また、必要に応じてフォトリソエッチングによりパ
ターンニングしてもよい。この金属膜7は電極としても
作用する。
【0040】基板9には金属膜7に情報に応じた信号電
圧を印加するための駆動素子等を形成するのが望まし
い。反射部6としては、絶縁膜8が基板9を兼ねる構成
や金属板を基板として直接各傾斜面14,16を形成す
る構成等も可能である。好適な傾斜面形成方法の一例を
挙げれば、面積階調もしくは濃度諧調のパターンを形成
したフォトマスクを用いてパターンニングしてドライエ
ッチングを行う異方性エッチング法がある。
【0041】屈折率可変物質5としては、液晶が好適に
使用できる。液晶材料としてはネマティック液晶、スメ
クティック液晶、コレステリック液晶等を用いることが
でき、単一もしくは2種類以上の液晶性化合物や液晶性
化合物以外の物質も含んだ混合物であってもよい。光入
射部3には屈折率可変物質5に電圧を印加するためのI
TO等からなる透明電極10が設けられている。屈折率
可変物質5が液晶のように流動性のある材料からなると
きには、必要に応じてスペーサ材を混合したエポキシ樹
脂等からなるシール剤11を形成して、保持するのがよ
い。
【0042】作製工程の一例を示せば、導光部材1(も
しくは反射部材15)の周辺部に熱硬化性のエポキシ樹
脂を一部に開口部(注入孔)を残して印刷した後、反射
部材15(もしくは導光部材1)を貼り合わせて加熱硬
化する。注入孔から液晶を注入した後、孔を接着剤で塞
げば完成する。
【0043】図1において、図1(A)は屈折率可変物
質5の屈折率n2が導光部材の屈折率n1より大きい場合
で屈折角θ2は式(1)に従って入射角θ1より小さくな
る。反射面16の法線と光入射部3を構成する面との法
線とのなす角度、すなわち反射面16の傾斜角αをα=
θ2/2に設定しておけば、反射光は光出射部4に垂直
に入射し出射する。図1(B)は、n2がn1と概略同程
度の場合でθ2はθ1にほぼ等しいため図1(A)の時よ
りも反射角が大きくなり、反射光は光出射部4に対して
概略φ1=θ1−θ2の角度で入射し、導光部材1に接触
している外部物質2が空気(na=1)の場合には出射
角φ2=sin-1(n1sinφ1)で出射する。図1
(B)の出射光が検出面に垂直に入射するように光検出
器13を設置すると、図1(B)の場合には検出される
(オン状態)が、図1(A)の場合にはほとんど検出さ
れず(オフ状態)、良好なS/N比が得られる。
【0044】ここで、屈折率可変物質に進入した入射光
と光入射部3を構成する面の法線とのなす角度、すなわ
ち屈折角θ2の動作範囲における最小値をθ2min、最大
値をθ2maxとすると、反射部6を構成する少なくとも1
つの面(ここでは逆傾斜面14)の法線と光入射部を構
成する面の法線とのなす角度、すなわち逆傾斜面14の
傾斜角γが90°−(θ2min+θ2max)/2以外の角度
であるように設定するのが望ましい。その理由を図2に
基づき説明する。
【0045】図2は反射部における入射光の挙動を更に
詳細に説明するための図である。屈折率可変物質5の屈
折率が最小、すなわち屈折角θ2が最大(θ2max)の場
合には、入射光は実線のように反射面16で反射され光
路L1の方向に出射する。一方、屈折率可変物質5の屈
折率が最大、すなわち屈折角θ2が最小(θ2min)の場
合には、大部分の入射光は一点鎖線のように反射面16
で光路L2の方向に反射されるが、γが90°−θ2min
より小さい場合には一部の光は逆傾斜面14に入射し、
そこで反射した後に反射面16に入射する。
【0046】この時特定のγの値において、反射面16
への入射角が上記の実線の場合と等しくなり、その結果
点線のように反射面16で光路L3の方向、すなわち光
路L1と平行をなす方向に反射される。このような光は
オフ状態でありながらオン方向に漏れることになり、S
/N比を低下させる。この特定のγの値は幾何学計算に
より容易に求めることができる。逆傾斜面14での入射
角と反射角が等しいという条件から以下の関係が成り立
つ。 (90°-γ)-θ2min=γ-(90°-θ2max)…(2)
【0047】上記(2)式を変形すると、γ=90°−
(θ2min+θ2max)/2となる。γがこれ以外の角度で
あれば反射面16への入射角は実線の場合とは異なるこ
とになるが、より確実に分離するためにはγを90°−
θ2min以上、もしくは90°−θ2max以下とするのがよ
り好ましい。前者の場合にはθ2minの入射光の反射面1
6での反射方向はθ2maxの入射光の反射方向(実線)に
対して、左方向にθ2m ax−θ2minだけ回転する。同様に
後者の場合には右方向にθ2max−θ2min以上回転する。
いずれの場合も充分分離可能な角度変化であるが、後者
の場合には多重反射光がオフ光とは異なる方向に出射す
るので、その処理手段をオフ光の処理と別に考慮する必
要があることから、前者の方がよりシステムを単純化で
きる点で好ましい。
【0048】具体的な例として、導光部材1をクラウン
ガラスBK7(nd=1.517)で作製し、屈折率可
変物質5をネマティック液晶E7(常光屈折率no=
1.522,異常光屈折率ne=1.746)とし、予め
図示しない配向膜を用いて液晶分子12を図1(A)の
ように光入射部3に対して水平で紙面に垂直な方向に配
向しておく。配向膜としてはSiO、ポリイミド等の公
知の材料が使用でき、少なくとも透明電極10及び金属
膜7の表面に形成するのが好ましい。
【0049】図1(A)の状態でレーザ光(波長633
nm)をS偏光としてθ1=60°で入射させると、こ
の光に対しては液晶の屈折率はn2=ne=1.746と
なるので、式(1)に従ってθ2=49°となる。α=
24.5°、γ=45°に設定すると入射光は逆傾斜面
14には入射せず、反射面16で反射し、光出射部4か
ら垂直に出射する。一方、透明電極10と金属膜7の間
に電圧を印加すると図1(B)のように液晶分子12が
電界方向に配列し、同様の入射光に対して液晶の屈折率
はn2=no=1.522となるので、入射光及び反射光
はほぼ直進し、光出射部4に対してφ1=11°で入射
し、出射角φ2=17°で出射する。
【0050】上記においては入射光をS偏光としたが、
P偏光であってもよく、その場合には電圧印加時と無印
加時の光の振る舞いが逆になる。P偏光を用いると界面
反射損失が減少するので、光利用効率の点ではより好ま
しい。また、αをθ2/2に設定したがθ1/2でもよ
く、その場合には図1(B)の時に反射光が光出射部4
から垂直に出射し、図1(A)の時には図1(B)とは
逆の方向に17°より若干大きい角度で出射する。な
お、ここに示したような変形は後述の他の実施形態にお
いても同様に許容されるものである。
【0051】上記の場合、単素子で、出射ビーム径が小
さい場合には比較的近距離で検出しても充分なS/N比
を得ることができるが、出射エリアの大きい場合(例え
ば空間光変調器として用いるような場合)には漏れ光
(図1(A)に破線で示した光線)を検出して、S/N
比の低下を招くことがある。
【0052】(実施形態2)図3は、本発明の第2の実
施形態を説明するための図である。上述した第1の実施
形態と異なり、光入射部3を構成する面と光出射部4を
構成する面が平行ではない。その他の設定は第1の実施
形態と同様である。光出射部4を構成する面と光入射部
3を構成する面とのなす角βをβ=40°に設定する
と、図3(A)の時には反射光は光出射部4に対してφ
1=40°で入射し、出射角φ2=77°で出射する。図
3(B)の時にはφ1=29°で入射し、出射角φ2=4
7°で出射する。この場合図3(A)と図3(B)とで
出射角の差が30°と、第1の実施形態に比べて大きく
なるので、出射エリアが大きい場合でも漏れ光(図3
(A)の破線の光線)が検出されることが少なくなり、
S/N比の低下を少なくすることができる。
【0053】(実施形態3)図4は、本発明の第3の実
施形態を説明するための図である。本実施形態の基本的
な構成は、上記の第2の実施の形態と同様であるが、光
出射部4を構成する面と光入射部3を構成する面とのな
す角βをβ=45°と大きくしている。図4(A)の時
には反射光は光出射部4に対してφ1=45°で入射す
る。この時外部物質2が空気(na=1)の場合には下
式(3)を満たすので、反射光は光出射部4において全
反射する。 sinφ≧na/n1 …(3)
【0054】また図4(B)の時にはφ1=34°で入
射し、出射角φ2=58°で出射する。この場合出射角
の差は180°−(45°+58°)=77°となるの
で、ほとんど漏れ光を検出することはなく、高いS/N
比を得ることができる。
【0055】(実施の形態4)図5は、本発明の第4の
実施形態を説明するための図で、図中、17は導光部材
1と同じ材質からなる第2の導光部材で、18は出射光
を第2の導光部材を介して外部へ出すことができる第2
の光出射部である。この例では光出射部4と第2の導光
部材17(ともに入射光の波長程度の平滑度で仕上げて
いる)をラフに密着させることによって、入射光の波長
程度の空隙(空気層)を持たせている。また、第2の光
出射部18を構成する面は入射部3を構成する面とほぼ
平行となるようにしている。その他の設定は上述した第
3の実施形態と同様である。
【0056】図5(A)の時、反射光は光出射部4と空
隙部の空気層との界面で全反射する。図5(B)のと
き、光出射部4から出射した光は、ほぼ直進(実際には
波長程度平行移動する)して、再び第2の導光部材に入
射し、第2の光出射部18から出射する。この場合 図
5(A)と図5(B)とで出射角の差が90°を超える
ので、漏れ光を検出することはなく、非常に高いS/N
比を得ることができる。
【0057】(実施形態5)図6は、本発明の第5の実
施形態を説明するための図で、図中、19は導光部材1
と屈折率が概略等しい平板導光体で、光入射部3と光学
的接合がなされている。その他の構成は第3の実施形態
と同様であり、動作原理も同じである。光学的接合と
は、両部材間の間隙が使用する光の波長に比べて充分に
小さいほどに密着している状態であって、具体的には流
動性のある物体を両者間に介在させることによって得る
ことができる。
【0058】上記流動性のある物体は両部材との密着を
確保した後に固化しても構わない。より具体的には流動
性のある物体として、屈折率が概略導光部材1及び平板
導光体19と等しい揮発性の低い液体あるいは光硬化性
接着剤を用いるのが好適である。この実施形態において
は屈折率可変物質と接するのは平板導光体19であるの
で、透明電極10は平板導光体19上に形成される。こ
の場合導光部材1の接合は最後に行えばよいので、デバ
イスの主要部分の作製を複雑な形状の導光部材を用いな
いで行うことができるため、歩留まりが向上し、コスト
を低減することができる。
【0059】(実施形態6)図7は、本発明の第6の実
施形態を説明するための図である。本実施形態では、上
記第3の実施形態における照射エリアAに対向する領域
に反射面16を複数組(図7では2組)設けている。図
7から明らかなように、光入射部3における入射光の照
射エリアAは第3の実施形態と同じであるため、反射部
から光入射部までの距離、すなわち屈折率可変物質5の
最大層厚tmaxを小さくすることができ、駆動電圧を低く
することができる。
【0060】本発明においては、導光部材1の屈折率は
屈折率可変物質(液晶)5の最小の屈折率(no)と同
等もしくはそれより小さくてもよいため、上記第1から
第6の実施形態では最も典型的な光学ガラスであるBK
7を用いた例を挙げたが、特開2000−171813
号公報に開示されているような導光部材と液晶との界面
での全反射を利用する従来技術を用いて、上記実施形態
と同じ液晶(E7)と入射角(60°)を適用した場合
には屈折率が1.76以上の導光部材を用いなければな
らず、コストアップにつながる。
【0061】(実施形態7)図8は、本発明の第7の実
施形態を説明するための図である。本実施形態は、屈折
率可変物質5として、高分子分散液晶を用いる以外は上
述した第3の実施形態と同様の構成を有する。高分子分
散液晶は高分子マトリクス20中に液晶ドロップレット
21が分散されてなる。液晶材料としてはネマティック
液晶、スメクティック液晶、コレステリック液晶等を用
いることができ、単一もしくは2種類以上の液晶性化合
物や液晶性化合物以外の物質も含んだ混合物であっても
よい。
【0062】高分子マトリクス20の材料としては透明
なポリマーが好ましく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
光硬化性樹脂のいずれであってもよい。高分子分散液晶
の製法としては、(1)液晶と熱あるいは光硬化(重
合)性モノマーやオリゴマーもしくはプレポリマーで溶
液を作り、重合によって相分離させる重合相分離法、
(2)液晶と高分子と溶剤で溶液を作り、溶剤を蒸発さ
せることによって相分離させる溶媒蒸発相分離法、
(3)液晶と熱可塑性高分子を加熱溶解させた後、冷却
によって相分離させる熱相分離法などを用いることがで
きる。
【0063】ポリマーとしては、製造工程の容易さ、液
晶相との分離性等の点から紫外線硬化型の樹脂を用いる
のが好ましい。具体的な例として紫外線硬化性アクリル
系樹脂が例示され、特に紫外線照射によって重合硬化す
るアクリルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するも
のが好ましい。このようなモノマーまたはオリゴマーと
しては(ポリ)エステルアクリレート、(ポリ)ウレタ
ンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリブタジエ
ンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンア
クリレート、(ポリ)ホスファゼンメタクリレート等が
ある。その他の例として、チオール−エン系も光硬化速
度が速いことから好適に使用できる。
【0064】重合を速やかに行うために光重合開始剤を
用いてもよく、この例としてジクロロアセトフェノンや
トリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェ
ノン、ミヒラーケトン、ベンゾイル、ベンゾインアルキ
ルエーテル、ベンジルジメチルケタール、モノサルファ
イド、チオキサントン類、アゾ化合物、ジアリルヨード
ニウム塩、トリアリルスルフォニウム塩、ビス(トリク
ロロメチル)トリアジン化合物等を挙げることができ
る。
【0065】この紫外線硬化性化合物中に液晶材料を均
一に溶解させた液状物を反射部材15と導光部材1間に
注入した後、紫外線照射を行うことによって紫外線硬化
性化合物を硬化させると同時に液晶材料を相分離させ、
高分子分散液晶層を形成する。具体的な高分子分散液晶
の例として、ネマティック液晶BL24(no=1.5
13,ne=1.717,メルク社)を紫外線硬化性プ
レポリマーNOA81(ノーランド社)に溶解(液晶重
量濃度45%)し、紫外線(400mW/cm 2)を照
射したもの(液晶ドロップレットの平均粒径は約60n
m)を用いた場合、図8(A)の時には液晶分子の配向
したドロップレット21の向きがランダムであるため、
層全体が光学的に等方な媒体になっており、その屈折率
はほぼ液晶の平均屈折率(≒(2no+ne)/3≒1.
58)と高分子マトリクス20の屈折率(≒1.56)
との体積平均(≒1.57)と見なすことができる(液
晶の体積分率を約35%と見積もった)。なお、この場
合予め配向処理を行っていない。
【0066】導光部材1をクラウンガラスBK7(nd
=1.517)とし、入射角を75°に設定すると、屈
折角は69°となるので、α=34.5°、γ=25°
に設定すると入射光は逆傾斜面14には入射せず、反射
面16で反射し、光入射部3にほぼ垂直に入射する。β
=43°に設定すると反射光は光出射部4に対してφ1
=43°で入射する。この時式(2)を満たすので、反
射光は光出射部4において全反射する。図8(B)の時
には液晶分子が電界方向に配列し、S偏光に対する高分
子分散液晶層による屈折率可変物質5の屈折率は液晶の
屈折率(≒no=1.513)と高分子マトリクスの屈
折率(≒1.56)との体積平均(≒1.54)と見なす
ことができる。
【0067】この時、屈折角は72°となり、反射光は
光出射部4に対してφ1=40°で入射し、出射角φ2
77°で出射する。この場合出射角の差は180°−
(43°+77°)=60°となるので、ほとんど漏れ
光を検出することはなく、高いS/N比を得ることがで
きる。また、図8(A)の状態と図8(B)の状態との
間のスイッチング時間は数10μsのオーダーが得ら
れ、この値はバルク液晶に比べ2桁以上高速になってい
る。
【0068】液晶ドロップレット21のサイズと応答速
度の関係についてさらに詳細に調べた結果を以下に示
す。高分子分散液晶における液晶ドロップレット21の
大きさは、プレポリマーの組成、液晶の混合濃度、硬化
時の紫外線強度等を変えることによって変化させること
ができる。図9は、液晶ドロップレットサイズと応答速
度との関係の一例を示したものである。液晶材料はE7
およびBL24(メルク社)、プレポリマーはNOA6
0,65および81(ノーランド社)を適宜用いた。応答
速度の測定は図10に示す装置を用いて、試料37にパ
ルス電圧(200V)を印加した時の光出力の立ち上が
り時間(Ton)と立ち下がり時間(Toff)の合計
を測定した。なお、図10において、31はレーザ、3
2は偏光子、33,34はレンズ、35は検光子、36
はパワーメータ、37は試料、38はSi基板、39は
Au電極で、試料37は高分子分散液晶層30の厚さを
20μm、光路長を1mmとした。
【0069】図11は、高分子分散液晶に電界が印加さ
れていない時と印加されている時の様子を模式的に示す
図である。図11(A)に示すように、電界が印加され
ていない時には液晶ドロップレット21の向きはランダ
ムであるので、x軸、y軸、z軸方向の屈折率はどれも
等しく、層全体が光学的に等方な媒体になっている。図
11(B)に示すように、z方向に電界Eを印加する
と、液晶分子の分子軸がこの方向に揃うため、z軸方向
の屈折率は大きくなり、x軸およびy軸方向の屈折率は
お互いに等しいまま、その大きさが小さくなる。光が電
界方向とは垂直のx方向から入射される場合、yz平面
に複屈折が生じるために偏光状態を変化させることがで
き、検光子を通した光出力が変化する。本発明ではこの
ような複屈折現象は利用しないが、電界印加時の液晶分
子の挙動とそれに伴う屈折率変化を利用するので、図9
の応答速度は本発明においても同様に適用できる。図9
から液晶ドロップレットサイズが小さくなるにつれて応
答速度が速くなることがわかる。
【0070】さらには、液晶ドロップレット21の粒径
を入射光の波長の1/5以下、より望ましくは1/10
以下にすることが光透過率の観点から好ましい。以下に
レイリー散乱理論から光透過率を計算した結果を示す。
体積Vの球形散乱体が数密度Nで存在する場合、厚さL
の媒体の光透過率Tは下記式(4)のように表される。 T=exp(-NRL),R=24π3((m2-1)/(m2+2))2V24 …(4) ここで、Rは散乱断面積、mは散乱体の屈折率と媒体の
屈折率の比、λは使用する光の波長である。m=1.0
7、L=100μmとした時の透過率Tを散乱体すなわ
ち液晶ドロップレットの粒径d、体積分率(=NV)お
よび波長λをパラメータとして計算した。式からわかる
ようにdが大きくなる(すなわちVが大きくなる)ほ
ど、またλが小さくなるほどTが減少する。また、透過
率としては、90%(T=0.9)以上であることが光
利用効率の点から好ましい。
【0071】図12は透過率T=0.9となる粒径を体
積分率が10%(d(0.1))、30%(d(0.3))
及び50%(d(0.5))の場合について、波長に対
してプロットした例を示す図である。体積分率が小さい
と屈折率変化量が小さくS/N比がとれなくなるので、
体積分率は10%以上が好ましく、50%程度がより好
ましい。これ以上の体積分率では作製が極めて困難にな
る。この観点から、図12より、光路切替素子(光スイ
ッチング素子)として適用される可視〜赤外領域の波長
に対しては、dがλ/5以下であるのが好ましく、λ/
10以下であることがより好ましい。なお、この計算で
はmおよびLを固定したが、実デバイスにおいてこれ以
下の値であると考えられるため、上記の粒径範囲であれ
ば問題はない。
【0072】(実施形態8)図13は、本発明の第8の
実施形態を説明するための図である。本実施形態は、電
圧無印加時(図13(A)の時)に、液晶ドロップレッ
ト21における全ての液晶分子が概略一方向に配列して
いる以外は第7の実施形態と同様の構成である。この配
列方向は電圧印加時(図13(B)の時)に液晶分子が
揃う方向(電界方向)とほぼ直交し、光入射部3に対し
て水平で紙面に垂直な方向にするのがよい。こうするこ
とにより、大きな屈折率差が得られるため、θ2の変化
量を大きくすることができ、高いS/N比を得ることが
できる。
【0073】具体的には第7の実施形態と同様の材料及
び処方の高分子分散液晶を用いた場合、図13(A)の
時に高分子分散液晶層による屈折率可変物質5の屈折率
は液晶の屈折率(≒ne=1.717)と高分子マトリ
クスの屈折率(≒1.56)との体積平均(≒1.61)
と見なすことができる。第7の実施形態と同様に入射角
を75°に設定すると、屈折角は66°となるので、α
=33°、γ=25°に設定すると入射光は逆傾斜面1
4には入射せず、反射面16で反射し、光入射部にほぼ
垂直に入射する。β=43°に設定すると反射光は光出
射部4に対してφ1=43°で入射する。この時式
(2)を満たすので、反射光は光出射部4において全反
射する。
【0074】図13(B)の時には液晶分子が電界方向
に配列し、S偏光に対する高分子分散液晶層の屈折率は
液晶の屈折率(≒no=1.513)と高分子マトリク
スの屈折率(≒1.56)との体積平均(≒1.54)と
見なすことができる。この時、屈折角は72°となり、
反射光は光出射部4に対してφ1=37°で入射し、出
射角φ2=66°で出射する。この場合出射角の差は1
80°−(43°+66°)=71°となり、第7の実
施形態よりも大きくなる。
【0075】さらに付言すれば、入射角を60°に設定
した場合、図13(A)の時、屈折角は55°となる。
α=27.5°,β=43°に設定すると、図13(B)
の時、φ1=39°,φ2=73°となり、出射角の差は
180°−(43°+73°)=64°となる。入射角
が75°の場合に比べて出射角の差は小さくなるが、実
用上充分な値である。なお、特に後述のような二次元空
間光変調器やそれを用いた画像表示装置に適用する場
合、入射角が小さい(好ましくは60°以下である)方
が照明光学系の設計が容易になるので望ましい。
【0076】液晶分子を予め一方向に配列させる方法と
して、前述のような配向膜を用いる方法以外に以下に示
すような方法を用いることも可能である。高分子マトリ
クス材料を重合する際に電界を印加することで、液晶を
一方向に配向することができる。この時、液晶に接して
いるプレポリマーは液晶の配向に引きずられて同じ方向
に配向する。この状態でプレポリマーを重合すると液晶
との界面は液晶の配向に倣った形で固定される。この界
面構造は液晶に対して配向膜として機能するため、高分
子マトリクス材料が硬化した後に電界を解除しても、液
晶は重合時に印加していた電界方向に揃うことになる。
【0077】(実施形態9)図14及び図15は、本発
明の第9の実施形態を説明するための図である。図14
は、一次元空間光変調器で、図14(A)はその斜視概
略図、図14(B)は図14(A)のB方向から、図1
4(C)は図14(A)のC方向から見た概略構成図で
ある。本実施形態の基本的な構成は、上記第6の実施の
形態と同様であるが、個別電極を兼ねる金属膜7が一次
元アレイ状に配置されている。基板には各個別電極に接
続され、それらに選択的に信号を供給するための駆動素
子が設けられるのが好ましい。アレイ状に配列した各個
別電極に選択的に電圧信号を印加することによって、選
択された個別電極(金属膜7)からの反射光のみが光出
射部4から出射し、ライン状の光のON/OFF(空間
光変調)機能を得ることができる。個別電極が配列して
いる方向と垂直な方向に走査する走査装置と組み合わせ
ることで二次元の空間光変調ができる。
【0078】また図15に示すように、空間光変調器4
0の個別電極7への駆動信号供給とガルバノミラー等か
らなる走査機構43の駆動を画像信号に基づいて制御
し、得られた二次元空間光変調された光線を投影レンズ
44によってスクリーン45に投影することで、画像表
示装置を形成することができる。図15において、光源
41にはレーザ、LED、ランプ等を用いることができ
る。また、コリメートレンズ42を光インテグレータと
してもよく、これらの後段には図示しない偏光変換光学
系を付与してもよい。
【0079】(実施形態10)図16は、本発明の第1
0の実施形態を説明するための図で、二次元空間光変調
器の構成例を示す斜視概略図である。基本的な構成は図
14に示すものと同様であるが、本実施形態では、個別
電極を兼ねる金属膜7が二次元アレイ状に配置されてい
る。基板9には各個別電極(金属膜7)に接続され、そ
れらに選択的に信号を供給するための駆動素子が設けら
れるのが好ましい。アレイ状に配列した各個別電極に選
択的に電圧信号を印加することによって、選択された個
別電極からの反射光のみが光出射部4から出射し、面状
の光のON/OFF(空間光変調)機能を得ることがで
きる。この場合、空間光変調器だけで二次元の空間光変
調ができるため、図15のような走査機構43は不要
で、光出射部4の外側に投影レンズを設置し、スクリー
ンに投影することで画像表示装置を形成することができ
る。
【0080】なお、図14及び図16に示す実施形態で
は、導光部材1を共通にして一つにしているが、導光部
材1を各光路切替素子ごとに分割しても構わない。ま
た、上記一次元アレイ状の空間光変調器もしくは二次元
アレイ状の空間光変調器を使った画像表示装置では、
赤、緑、青など複数の波長の入射光を使い、時分割で各
色の画像を表示したり(フィールドシーケンシャル方
式)、複数の空間光変調器を設けて各色の画像を同時に
投影することで、フルカラー画像を表示することもでき
る。
【0081】以下に本発明の空間光変調機を具体化した
実施例について説明する。 (実施例1)図17は、本発明による二次元空間光変調
器の一実施例を説明するための図である。 (1)反射部材の作製 図17(A)に示すように、Siによる基板9の表面に
MOSFETによる駆動素子51を複数個形成し、その
上にCVD法により5μm厚の酸化シリコンによる絶縁
膜8を堆積した。次に濃度階調のパターンを形成したフ
ォトマスクを用いてパターンニングしてドライエッチン
グを行うことによって、傾斜面およびコンタクトホール
52を形成した。メタルCVDによる穴埋めを行った
後、スパッタリングによりアルミニウムを0.1μm厚
で堆積し、反射膜兼個別電極(金属膜7)となるように
パターンニングした。この上にスピンコートにより0.
1μm厚のポリイミド膜を形成し、ラビングを行うこと
により配向膜53を形成した。
【0082】(2)セル作製 図17(B)に示すように、クラウンガラス(BK7)
からなる平板導光体19の片面に50nm厚のITOか
らなる透明電極10及びポリイミドからなる配向膜54
を形成したものと、図17(A)の反射部材とをエポキ
シ樹脂からなるシール材11を用いて貼り合わせ、空セ
ルを作製した。シール材11の一部には注入孔を設け
た。
【0083】(3)注入 図17(C)に示すように、図17(B)の空セル内を
真空排気した後、液晶(E7)を注入し、注入孔を封止
した。
【0084】(4)導光部材接合 図17(D)に示すように、平板導光体19の上面に光
硬化性接着剤を用いて、導光部材1及び第2の導光部材
17を接合した。上述のごとくの各工程によって作製さ
れた空間光変調器を用いて、以下のように画像表示を行
った。
【0085】断面がほぼ長方形となるように整形された
レーザ光(波長670nm)をS偏光として導光部材1
を介して光入射部3より入射し、駆動素子51により画
像データに応じて選択的に金属膜7による個別電極に電
圧(5V)を印加したところ、第二の光出射部18から
空間変調された出力光が取り出され、(図示しない)投
影レンズによりスクリーンに拡大投影画像(2値)を得
ることができた。
【0086】(実施例2)図18に示す二次元空間光変
調器を以下のように作製した。 (1)反射部材の作製 図18(A)に示すように、Siの基板9の表面にMO
SFETによる駆動素子51を複数個形成し、その上に
CVD法により5μm厚の酸化シリコンによる絶縁膜8
を堆積した。次に濃度階調のパターンを形成したフォト
マスクを用いてパターンニングしてドライエッチングを
行うことによって傾斜面およびコンタクトホール52を
形成した。メタルCVDによる穴埋めを行った後、スパ
ッタリングによりアルミニウムを0.1μm厚で堆積
し、反射膜兼個別電極(金属膜7)となるようにパター
ンニングした。この上にスピンコートにより0.1μm
厚のポリイミド膜を形成し、ラビングを行うことにより
配向膜53を形成した。
【0087】(2)セル作製 図18(B)に示すように、クラウンガラス(BK7)
からなる平板導光体19の片面に50nm厚のITOか
らなる透明電極10およびポリイミドからなる配向膜5
4を形成したものと図18(A)の反射部材とをエポキ
シ樹脂からなるシール材11を用いて貼り合わせ、空セ
ルを作製した。シール材11の一部には注入孔を設け
た。
【0088】(3)注入 図18(C)に示すように、図18(B)の空セル内を
真空排気した後、液晶(BL24)と紫外線硬化性化合
物(NOA81)の混合物(液晶濃度45wt%)55
を注入した。
【0089】(4)硬化 図18(D)に示すように、高圧水銀ランプによりUV
光(400mW/cm 2)を照射し、高分子分散液晶に
よる屈折率可変物質5を形成した。
【0090】(5)導光部材接合 図18(E)に示すように、平板導光体19の上面に光
硬化性接着剤を用いて、導光部材1及び第2の導光部材
17を接合した。上記のごとくの工程によって作製され
た空間光変調器を用いて、以下のように画像表示を行っ
た。
【0091】断面がほぼ長方形となるように整形された
レーザ光(波長670nm)をS偏光として導光部材を
介して光入射部3より入射し、駆動素子51により画像
データに応じて選択的に個別電極(金属膜7)に電圧
(15V)を印加したところ、第2の光出射部18から
空間変調された出力光が取り出され、(図示しない)投
影レンズによりスクリーンに拡大投影画像(64諧調)
を得ることができた。
【0092】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の光路切替素子によれば、導光部材を介した光入射部
と、光入射部から入った入射光を反射する反射部との間
に屈折率可変物質を封入し、信号印加によってその屈折
率を入射光が導光部材と屈折率可変物質との界面で全反
射しない範囲で変化させ、反射部で反射した光を導光部
材を介して外部へ出射するときの光路を変えるようにす
るとともに、反射部が一辺を共有する2つの面によって
構成され、屈折率可変物質に進入した入射光と光入射部
を構成する面の法線とのなす角度の動作範囲における最
小値をθ2min、最大値をθ2maxとした時に、反射部を構
成する少なくとも1つの面の法線と光入射部を構成する
面の法線とのなす角度が90°−(θ2min+θ2max)/
2以外の角度で、より好ましくは90°−θ2min以上ま
たは90°−θ2max以下の角度となるようにすることに
より、構造が簡単で耐久性が高く、部材コストを低減で
き、S/N比の高い光路切替素子を提供することができ
る。
【0093】また、光入射部と光出射部とを互いに平行
でない面で構成することにより、さらにS/N比の高い
光路切替素子を提供することができる。また反射部で反
射した光が光出射部において導光部材とそれに接触する
外部物質との界面で全反射する第一の状態と、全反射し
ない第二の状態とを取るようにすることにより、よりS
/N比の高い光路切替素子を提供することができる。
【0094】また、出射光を第二の導光部材を介して外
部へ出すことができる第二の光出射部を設けることによ
り、さらにS/N比の高い光路切替素子を提供すること
ができる。また、導光部材に光学的接合し、導光部材と
屈折率が概略等しい平板導光体を設けることにより、上
記に加え、製造が容易な光路切替素子を提供することが
できる。
【0095】また反射部が、屈折率可変物質に信号を印
加する単位要素に対して、複数組の面を有するように構
成することにより、さらに駆動エネルギーを小さくでき
る光路切替素子を提供することができる。また屈折率可
変物質として液晶を用いることにより、さらに製造が容
易で、S/N比を高くできる光路切替素子を提供するこ
とができる。さらに、屈折率可変物質として液晶材料を
高分子マトリクス中に分散保持した液晶/高分子複合体
(高分子分散液晶)を用いることにより、上記に加え、
応答速度の速い光路切替素子を提供することができる。
【0096】また屈折率可変物質を高分子分散液晶と
し、液晶を入射光の波長の1/5以下の粒径を有するド
ロップレットとすることにより、上記に加え、光損失の
小さい光路切替素子を提供することができる。また屈折
率可変物質の高分子分散液晶において、電圧無印加時に
全ての液晶分子が概略一方向に配列しているようにする
ことにより、上記に加え、さらにS/N比を高くできる
光路切替素子を提供することができる。
【0097】また本発明による光路切替素子を二次元ア
レイ状に配列することにより、構造が簡単で耐久性が高
く、部材コストを低減でき、S/N比の高い空間光変調
器を提供することができる。またこの空間光変調器によ
り形成した画像をスクリーンに投影するように構成する
ことにより、耐久性が高く、低コストでコントラスト比
の高い画像表示装置を提供することができる。
【0098】また本発明による光路切替素子を一次元ア
レイ状に配列することにより、製造歩留まりが高く低コ
ストな空間光変調器を提供することができる。またこの
空間光変調器から出射した光線を垂直方向に走査してス
クリーンに投影し、二次元画像を得るように構成するこ
とにより、低コストな画像表示装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を説明するための図
である。
【図2】 反射部における入射光の挙動を更に詳細に説
明するための図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態を説明するための図
である。
【図4】 本発明の第3の実施形態を説明するための図
である。
【図5】 本発明の第4の実施形態を説明するための図
である。
【図6】 本発明の第5の実施形態を説明するための図
である。
【図7】 本発明の第6の実施形態を説明するための図
である。
【図8】 本発明の第7の実施形態を説明するための図
である。
【図9】 液晶ドロップレットサイズと応答速度との関
係の一例を示したものである。
【図10】 液晶ドロップレットの応答速度の測定を行
った装置の概略図である。
【図11】 高分子分散液晶に電界が印加されていない
時と印加されている時の様子を模式的に示す図である。
【図12】 透過率T=0.9となる粒径を体積分率が
10%(d(0.1))、30%(d(0.3))及び50
%(d(0.5))の場合について、波長に対してプロ
ットした例を示す図である。
【図13】 本発明の第8の実施形態を説明するための
図である。
【図14】 本発明の第9の実施形態を説明するための
図である。
【図15】 本発明の第9の実施形態を説明するための
図である。
【図16】 本発明の第10の実施形態を説明するため
の図である。
【図17】 本発明による二次元空間光変調器の一実施
例を説明するための図である。
【図18】 本発明の二次元空間光変調器の他の例を説
明するための図である。
【図19】 従来の空間光変調器の一例における部分平
面図である。
【図20】 図19に示す空間光変調器における1つの
回転鏡の断面概略構成図である。
【図21】 特開平11−202222号公報で提案さ
れている光スイッチング素子の動作を説明するための図
である。
【図22】 特開2000−171813号公報で提案
されている光スイッチング素子の概略構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…導光部材、2…外部物質、3…光入射部、4…光出
射部、5…屈折率可変物質、6…反射部、7…金属膜、
8…絶縁膜、9…基板、10…透明電極、11…シール
剤、12…液晶分子、13…光検出器、14…逆傾斜
面、15…反射部材、16…反射面、17…第2の導光
部材、18…第2の光出射部、19…平板導光体、20
…高分子マトリクス、21…液晶ドロップレット、30
…高分子分散液晶層、31…レーザ、32…偏光子、3
3,34…レンズ、35…検光子、36…パワーメー
タ、37…試料、38…Si基板、39…Au電極、4
0…空間光変調器、41…光源、42…コリメートレン
ズ、43…走査機構、44…投影レンズ、45…スクリ
ーン、51…駆動素子、52…コンタクトホール、5
3,54…配向膜、100…方形トーションビーム反射
表面、101…ビーム支持ポスト、105…反射膜、1
11…ヒンジ、113…ポスト、114…アドレス電
極、115…接地電極、116…ポスト、122…金属
層、123…基板層、130…導光部、131a,13
1b…セル、132…全反射面、141…抽出面、14
2a…反射面、142…プリズム、150…駆動部、1
60…光線、161…光線、171…導光体、172…
液晶、173…反射膜、180…入射光、181…全反
射光、182…反射光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 EA61 GA06 GA10 HA10 HA21 HA23 HA28 JA05 JA06 JA09 JA17 KA01 KA04 KA05 MA16 MA20 2H091 FA21Z FA23Z FA41Z HA05 HA07 HA09 HA12 JA01 JA02 LA12 LA30 2K002 AA07 AB07 AB10 BA06 CA14 DA14 EA30 HA03 5C058 BA23 BA35 EA01 EA02 EA11 EA26

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導光部材を介した光入射部と、該光入射
    部から入った入射光を反射する反射部と、該反射部で反
    射した光を、前記導光部材を介して出射光として外部へ
    出す光出射部とよりなり、前記反射部を含む光路中に屈
    折率可変物質を封入し、該屈折率可変物質に情報に応じ
    て信号を与え屈折率変化を生じせしめる信号入力手段を
    具備するとともに、前記信号による前記屈折率可変物質
    の屈折率変化を、前記入射光が前記導光部材と前記屈折
    率可変物質との界面で全反射しない範囲で行う光路切替
    素子において、前記反射部が一辺を共有する2つの面に
    よって構成され、前記屈折率可変物質に進入した入射光
    と前記光入射部を構成する面の法線とのなす角度の動作
    範囲における最小値をθ2min、最大値をθ2maxとする
    と、前記反射部を構成する少なくとも1つの面の法線と
    前記光入射部を構成する面の法線とのなす角度が90°
    −(θ2min +θ2max)/2以外の角度であることを特
    徴とする光路切替素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光路切替素子におい
    て、前記反射部を構成する少なくとも1つの面の法線と
    前記光入射部を構成する面の法線とのなす角度は、90
    °−θ2min 以上、または90°−θ2max 以下の角度で
    あることを特徴とする光路切替素子。
  3. 【請求項3】 前記光入射部と光出射部とが互いに平行
    でない面で構成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の光路切替素子。
  4. 【請求項4】 前記信号による前記屈折率可変物質の屈
    折率変化を、前記反射部で反射した光が前記光出射部に
    おいて前記導光部材とそれに接触する外部物質との界面
    で全反射する第一の状態と、全反射しない第二の状態と
    を取ることができる範囲で行うことを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか1に記載の光路切替素子。
  5. 【請求項5】 前記出射光を第2の導光部材を介して外
    部へ出すことができる第2の光出射部を設けたことを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の光路切替
    素子。
  6. 【請求項6】 前記光入射部に光学的接合し、前記導光
    部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設けたことを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の光路切替
    素子。
  7. 【請求項7】 前記反射部が、前記屈折率可変物質に信
    号を印加する単位要素に対して、複数組の面を有してい
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載
    の光路切替素子。
  8. 【請求項8】 前記屈折率可変物質が液晶からなること
    を特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の光路
    切替素子。
  9. 【請求項9】 前記屈折率可変物質が液晶材料を高分子
    マトリクス中に分散保持した液晶/高分子複合体からな
    ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載
    の光路切替素子。
  10. 【請求項10】 液晶が入射光の波長の1/5以下の粒
    径を有するドロップレットであることを特徴とする請求
    項9に記載の光路切替素子。
  11. 【請求項11】 電圧無印加時に全ての液晶分子が概略
    一方向に配列していることを特徴とする請求項8乃至1
    0のいずれか1に記載の光路切替素子。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれか1に記載
    の光路切替素子が二次元アレイ状に配列されていること
    を特徴とする空間光変調器。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至11のいずれか1に記載
    の光路切替素子が一次元アレイ状に配列されていること
    を特徴とする空間光変調器。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の空間光変調器と、
    該空間光変調器に光線を入射させる手段と、該空間光変
    調器により形成した画像をスクリーンに投影し表示する
    手段とを有することを特徴とする画像表示装置。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の空間光変調器と、該
    空間光変調器に光線を入射させる手段と、該空間光変調
    器から出射した光線を該空間光変調器の光路切替素子の
    整列方向に対して垂直な方向に走査する走査機構と、該
    走査機構から出射した光線をスクリーンに投影し表示す
    る手段とを有することを特徴とする画像表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2011080948A1 (ja) * 2009-12-28 2013-05-09 シャープ株式会社 導光ユニット、照明装置、及び表示装置
KR101460171B1 (ko) * 2008-02-22 2014-11-10 삼성디스플레이 주식회사 광학 부재, 이를 포함하는 백라이트 어셈블리 및 표시 장치

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KR101460171B1 (ko) * 2008-02-22 2014-11-10 삼성디스플레이 주식회사 광학 부재, 이를 포함하는 백라이트 어셈블리 및 표시 장치
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