JP2003066406A - 光路切替素子、空間光変調器、及び画像表示装置 - Google Patents

光路切替素子、空間光変調器、及び画像表示装置

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JP2003066406A
JP2003066406A JP2001258972A JP2001258972A JP2003066406A JP 2003066406 A JP2003066406 A JP 2003066406A JP 2001258972 A JP2001258972 A JP 2001258972A JP 2001258972 A JP2001258972 A JP 2001258972A JP 2003066406 A JP2003066406 A JP 2003066406A
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light
refractive index
optical path
incident
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JP2001258972A
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English (en)
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Hitoshi Kondo
均 近藤
Hidenori Tomono
英紀 友野
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で耐久性が高く、部材コストを低
減でき、装置設計の自由度が高い光路切替素子を提供す
る。 【解決手段】 導光部材101を介した光入射部103
と、そこから入った入射光1を反射する反射部115
と、そこでの反射光を導光部材101を介して出射光と
して外部へ取り出す光出射部104とを備える。反射部
115側の光路中に屈折率可変物質105を封入し、屈
折率可変物質105に信号を与え屈折率変化を、入射光
1が導光部材101と屈折率可変物質105との界面で
全反射しない範囲で生じせしめる信号入力手段を備え
る。光出射部104を構成する面の法線と導光部材10
1中を透過する入射光1の光軸とのなす角度ψが、光入
射部103への入射角θ1よりも小さくなるように設定
する。すなわち光出射部104における出射光の出射点
が、光入射部103における入射光1の出射点側にある
よう設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光路切替素子、空
間光変調器、及び画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】入射光の反射方向を変化させることによ
って光路を変え、光をスイッチングするデバイス及びそ
れを用いた空間光変調器として、例えば特開平5−19
6880号に示されるような微小な回転鏡を二次元状に
多数配列したものが知られている。
【0003】図19は、従来(特開平5−196880
号公報に記載)の空間光変調器の平面図であり、平面上
では、図19に示すように、方形トーションビーム反射
表面11とビーム支持ポスト12のみが観察される。図
20は、図19に示した空間光変調器のひとつの回転鏡
の断面図で、図20(A)はヒンジに沿っての断面図、
図20(B)はそれと直角方向の断面図である。ビーム
支持ポスト12は、ポスト15に連結されたヒンジ13
の捻れによって、ビーム11を接地電極14に向けて回
転可能にする。その駆動力はポスト16によって支持さ
れたアドレス電極17に印加される電圧で与えられる。
アドレス電極17への電圧印加は、基板層19に設けら
れたCMOS回路(図示せず)の信号を金属層18を介
して伝達することにより行われる。ビーム11の回転状
態を回転鏡ごとに変えることによって、入射した光を二
次元的に空間変調することができる。
【0004】上記方式においては、大きな回転角を得る
ために回転鏡の構造が複雑になっており、製造コストが
高くなるという問題がある。
【0005】その他の光スイッチング素子(光路切替素
子)として、例えば特開平11−202222号公報に
開示されている光スイッチング素子がある。図21は、
前記特開平11−202222号公報で提案されている
光スイッチング素子の動作説明図である。この光スイッ
チング素子は、光を全反射して伝達可能な全反射面22
を備えた導光部材21と、全反射面22に対し抽出面3
2を接近させてエバネッセント光を捉え、それを反射し
て出射することができるプリズム31と、プリズム31
を導光部材21に接近させ又は離すように駆動する駆動
部40とを光の出射方向に対してこの順番で積層した構
成となっている。図21の右側のセルは、駆動部40を
動作させることによってプリズム31がエバネッセント
光の漏出する抽出距離以上離れた位置にある状態を示し
ている。この時には、導光部材21中を伝搬してきた光
線1は図21に示されるように全反射面22で全反射さ
れ図の右方向へと出射(図21の光線2)していく。駆
動部40を動作させない時には図21左側のセルのよう
にプリズム31はエバネッセント光が漏出する抽出距離
以下に近接しているので、導光部材21中を伝搬してき
た光線1は図21左側セルに示されたように全反射面2
2で反射することなくプリズム31に進入する。プリズ
ム31に進入した光線はプリズムの反射面31aで反射
して図21に示した光線3のように導光部材21を透過
して出射される。
【0006】上記の方式において、エバネッセント光の
抽出・非抽出という2つの状態をスイッチングするに
は、光の波長程度以下の微小な変位でよいため比較的簡
単な駆動機構を採用することができるが、図21に示し
たようなプリズム31は、その構造が複雑であるため、
複数個を微小なサイズで基板上に均一に形成するのは困
難であり、そのため、製造歩留まりが低下し、コストア
ップにつながるという問題がある。また、プリズム31
を導光部材21,全反射面22に近接させるとファンデ
ルワールス力、或いは液架橋力が作用して、引き剥がし
が困難になるという問題もある。
【0007】さらに、別の光スイッチング素子として、
特開2000−171813号公報に開示されている光
スイッチング素子がある。図22は、前記特開2000
−171813号公報で提案されている光スイッチング
素子の概略構成を示す図である。全反射により光を伝え
ている導光体50に接触させた液晶60に電圧を印加す
ることにより、液晶分子の配向をコントロールし、それ
により実効的な屈折率を異常光に対する値と常光に対す
る値の間で変化させる。この結果、入射光(直線偏光)
1が全反射光2として出射される状態と、透過光となっ
たのち反射膜61によって向きを変えられて反射光3と
して出射させる状態とをスイッチングすることができ
る。なお、図22において、51は透明電極、70は液
晶駆動用IC基板、71は電極端子である。
【0008】この方式においては、機械的な駆動部を持
たないため、前述のような問題は生じないが、導光体と
液晶との界面で全反射させるために、導光体を屈折率の
高い材料で作製する必要がある、或いは光の入射角を大
きくしなければならないという制約があり、材料コスト
が高くなる、或いは光学系が複雑になったり、光利用効
率が低下するなど実用上好ましくない問題が生じる可能
性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き実状に鑑みてなされたものであり、構造が簡単で、耐
久性が高く、部材コストを低減でき、かつ装置設計の自
由度が高い光路切替素子を提供することをその目的とす
る。また、本発明は、この光路切替素子を用いた空間光
変調器、及びその空間光変調器を用いた画像表示装置を
提供することを他の目的とする。より具体的には、
(1)構造が簡単で耐久性が高く、部材コストを低減で
き、かつ装置設計の自由度が高い光路切替素子を提供す
ること(請求項1、請求項2、請求項3)、(2)上記
に加え、S/N比を高くできる光路切替素子を提供する
こと(請求項4)、(3)よりS/N比を高くできる光
路切替素子を提供すること(請求項5)をその目的とす
る。
【0010】(4)さらに上記に加え、製造が容易な光
路切替素子を提供すること(請求項6)、(5)上記に
加え、駆動エネルギーを小さくできる光路切替素子を提
供すること(請求項7)、(6)さらに駆動エネルギー
を小さくできる光路切替素子を提供すること、(請求項
8) (7)さらに製造が容易で、S/N比を高くできる光路
切替素子を提供すること(請求項9)をその目的とす
る。
【0011】(8)さらに上記に加え、応答速度の速い
光路切替素子を提供すること(請求項10)、(9)上
記に加え、光損失の小さい光路切替素子を提供すること
(請求項11)、(10)上記に加え、さらにS/N比
を高くできる光路切替素子を提供すること(請求項1
2)をその目的とする。
【0012】(11)さらには、構造が簡単で耐久性が
高く、部材コストを低減でき、かつ装置設計の自由度が
高い空間光変調器を提供すること(請求項13)、(1
2)上記に加え、低コストな空間光変調器を提供するこ
と(請求項14)をその目的とする。
【0013】(13)さらには、耐久性が高く、低コス
トで装置設計の自由度が高い画像表示装置を提供するこ
と(請求項15)、(14)さらに低コストな画像表示
装置を提供すること(請求項16)をその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、導光
部材を介した光入射部と、該光入射部から入った入射光
を反射する反射部と、該反射部で反射した光を、前記導
光部材を介して出射光として外部へ取り出す光出射部と
よりなる光路切替素子で、前記光入射部と反射部との間
の光路中に屈折率可変物質を封入し、該屈折率可変物質
に信号を与え屈折率変化を生じせしめる信号入力手段を
具備するとともに、前記信号による前記屈折率可変物質
の屈折率変化を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可
変物質との界面で全反射しない範囲で行う光路切替素子
において、前記光出射部を構成する面の法線と、前記光
入射部に到達する前の前記導光部材中を透過する光の光
軸とのなす角度が、前記光入射部を構成する面の法線
と、該光入射部に到達する前の前記導光部材中を透過す
る光の光軸とのなす角度よりも小さいことを特徴とした
ものである。
【0015】請求項2の発明は、導光部材を介した光入
射部と、該光入射部から入った入射光を反射する反射部
と、該反射部で反射した光を、前記導光部材を介して出
射光として外部へ取り出す光出射部とよりなる光路切替
素子で、前記光入射部と反射部との間の光路中に屈折率
可変物質を封入し、該屈折率可変物質に信号を与え屈折
率変化を生じせしめる信号入力手段を具備するととも
に、前記信号による前記屈折率可変物質の屈折率変化
を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可変物質との界
面で全反射しない範囲で行う光路切替素子において、前
記光出射部は、当該光出射部を構成する面の法線が、前
記光入射部を構成する面の法線に対し、入射側からみて
右下がりとなるように構成されていることを特徴とした
ものである。
【0016】請求項3の発明は、導光部材を介した光入
射部と、該光入射部から入った入射光を反射する反射部
と、該反射部で反射した光を、前記導光部材を介して出
射光として外部へ取り出す光出射部とよりなる光路切替
素子で、前記光入射部と反射部との間の光路中に屈折率
可変物質を封入し、該屈折率可変物質に信号を与え屈折
率変化を生じせしめる信号入力手段を具備するととも
に、前記信号による前記屈折率可変物質の屈折率変化
を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可変物質との界
面で全反射しない範囲で行う光路切替素子において、前
記光出射部における出射光の出射点が、前記光入射部に
おける入射光の出射点側にあることを特徴としたもので
ある。
【0017】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れか1の発明において、前記信号による前記屈折率可変
物質の屈折率変化を、前記反射部で反射した光が前記導
光部材と該導光部材に接触する外部物質との界面で全反
射する第一の状態と、全反射しない第二の状態とをとる
ことができる範囲で行うことを特徴としたものである。
【0018】請求項5の発明は、請求項1乃至4のいず
れか1の発明において、前記出射光を第二の導光部材を
介して外部へ出すことができる第二の光出射部を設けた
ことを特徴としたものである。
【0019】請求項6の発明は、請求項1乃至5のいず
れか1の発明において、前記光入射部に光学的接合し、
前記導光部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設けた
ことを特徴としたものである。
【0020】請求項7の発明は、請求項1乃至6のいず
れか1の発明において、前記反射部が一辺を共有する2
つの面によって構成され、前記屈折率可変物質に進入し
た入射光と前記光入射部を構成する面の法線とのなす角
度の動作範囲における最大値をθ2maxとすると、前記反
射部を構成する少なくとも1つの面の法線と前記光入射
部を構成する面の法線とのなす角度が90°−θ2max
下であることを特徴としたものである。
【0021】請求項8の発明は、請求項1乃至7のいず
れか1の発明において、前記反射部が、前記屈折率可変
物質に信号を印加する単位要素に対して、複数組の面を
有していることを特徴としたものである。
【0022】請求項9の発明は、請求項1乃至8のいず
れか1の発明において、前記屈折率可変物質が液晶材料
からなることを特徴としたものである。
【0023】請求項10の発明は、請求項1乃至8のい
ずれか1の発明において、前記屈折率可変物質が液晶材
料を高分子マトリクス中に分散保持した液晶/高分子複
合体からなることを特徴としたものである。
【0024】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、前記屈折率可変物質の液晶材料が入射光の波長
の1/5以下の粒径を有するドロップレットであること
を特徴としたものである。
【0025】請求項12の発明は、請求項9乃至11の
いずれか1の発明において、電圧無印加時に前記液晶材
料全ての液晶分子が概略一方向に配列することを特徴と
したものである。
【0026】請求項13の発明は、請求項1乃至12の
いずれか1記載の光路切替素子が二次元アレイ状に配列
されていることを特徴としたものである。
【0027】請求項14の発明は、請求項1乃至12の
いずれか1記載の光路切替素子が一次元アレイ状に配列
されていることを特徴としたものである。
【0028】請求項15の発明は、請求項13記載の空
間光変調器と、該空間光変調器に光線を入射させる手段
と、該空間光変調器により形成した画像をスクリーンに
投影して表示する手段とを有することを特徴としたもの
である。
【0029】請求項16の発明は、請求項14記載の空
間光変調器と、該空間光変調器に光線を入射させる手段
と、該空間光変調器から出射した光線を該空間光変調器
の光路切替素子の整列方向に対して垂直な方向に走査す
る走査機構と、該走査機構から出射した光線をスクリー
ンに投影して表示する手段とを有することを特徴とした
ものである。
【0030】
【発明の実施の形態】(本発明の構成・動作)本発明に
おいては、導光部材を介した光入射部と、該光入射部か
ら入った入射光を反射する反射部と、該反射部で反射し
た光を、前記導光部材を介して出射光として外部へ出す
光出射部とよりなり、前記反射部を含む光路中(光入射
部と反射部との間の光路中)に屈折率可変物質を封入
し、該屈折率可変物質に情報に応じて信号を与え屈折率
変化を生じせしめる信号入力手段を具備するとともに、
前記信号による前記屈折率可変物質の屈折率変化を、前
記入射光が前記導光部材と屈折率可変物質との界面で全
反射しない範囲で行う光路切替素子において、前記光出
射部を構成する面の法線と、前記光入射部に到達する前
の前記導光部材中を透過する光の光軸とのなす角度が、
前記光入射部を構成する面の法線と、該光入射部に到達
する前の前記導光部材中を透過する光の光軸とのなす角
度よりも小さいことを特徴とする光路切替素子を提案す
る。
【0031】また、上記角度の条件として、前記光出射
部との交点における当該光出射部を構成する面の法線
が、前記光入射部を構成する面の法線に対し、入射側か
らみて右下がりとなるように、前記光出射部が構成され
ているものとしてもよい。さらに、光出射部における出
射光の出射点が、前記光入射部における入射光の出射点
側にあることを条件としてもよい。
【0032】導光部材の屈折率をn1、屈折率可変物質
の屈折率をn2とし、導光部材中を透過する入射光が光
入射部を構成する面の法線とのなす角度(入射角)をθ
1、入射光が屈折率可変物質中に進入する際に前記光入
射部を構成する面の法線とのなす角度(屈折角)をθ2
とすると、スネルの法則により以下の式が成り立つ。 sinθ2/sinθ1=n1/n2…(1)
【0033】信号印加によってn2が変化すると(1)
式に従ってθ2が変化し、その結果反射部での反射角が
変わり、出射光の光路(出射角)が変化する。その角度
変化量は概略θ2の変化量程度であるが、導光部材の屈
折率n1が導光部材に接触している外部物質の屈折率na
(通常外部物質は空気であり、na=1)より大きい場
合には光出射部から出射する際に屈折が生じ、出射光と
光出射部を構成する面の法線とのなす角度(出射角)の
変化量はθ2の変化量よりも大きくなる。これにより所
定の位置で光出力を検出すれば、n2の変化に伴って光
出力が変化することになり、信号印加による光スイッチ
ングが可能となる。本発明の光路切替素子においては、
原理的に導光部材の屈折率n1や入射角θ1に対する制約
が少ないため、安価な部材を用いたデバイス及びシステ
ムを実現することができる。
【0034】また、上述した各条件に基づき光路切替素
子を設計することにより、光出射部から出射する光を入
射光の起点の方向とは異なる方向に進行させることがで
きるので、入射光の発生(導入)から出射光の処理まで
を含む装置設計の自由度が高くなる(請求項1、請求項
2、請求項3)。すなわち、構造が簡単で耐久性が高
く、部材コストを低減できるとともに、装置設計の自由
度が高い光路切替素子を提供することができる。この光
路切替素子は、光通信,光演算,光プリンタ,画像表示
装置等、様々なものに使用される。
【0035】上記において、信号による屈折率可変物質
の屈折率変化を、反射部で反射した光が光出射部におい
て導光部材とそれに接触する外部物質との界面で全反射
する第一の状態と、全反射しない第二の状態とを取るこ
とができる範囲で行うことが好ましい。この場合、θ2
の変化量に比べて出射角の変化量が非常に大きくなり、
さらに高いS/N比が得られる(請求項4)。すなわ
ち、S/N比の高い光路切替素子を提供することができ
る。
【0036】さらには、出射光を第二の導光部材を介し
て外部へ出すことができる第二の光出射部を設けること
が好ましい。光出射部から出射した光は、再び第二の導
光部材に入射し、第二の光出射部から出射する。この時
の出射角の変化量は第二の導光部材がない時よりも大き
くすることが可能であり、より高いS/N比を得ること
ができる(請求項5)。すなわち、さらにS/N比の高
い光路切替素子を提供することができる。
【0037】上記において、光入射部に光学的接合し、
導光部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設けること
が製造の容易さから好ましい。この場合、平板導光体と
反射部とこの間に封入された屈折率可変物質とによって
構成されるデバイスを作製した後に、導光部材を光学的
接触させればよいので、複雑な形状の導光部材を用いて
デバイスを作製するよりは格段に製造が容易となる(請
求項6)。すなわち、上記に加え、製造が容易な光路切
替素子を提供することができる。
【0038】反射部が一辺を共有する2つの面によって
構成され、光入射部から屈折率可変物質に進入した入射
光と光入射部を構成する面の法線とのなす角度の動作範
囲における最大値をθ2maxとすると、反射部を構成する
少なくとも1つの面の法線と光入射部を構成する面の法
線とのなす角度が90°−θ2max以下であることが好ま
しい。このようにすることによって反射部から光入射部
までの距離を小さくすることができるので、屈折率可変
物質に与えるエネルギー(駆動エネルギー)を小さくす
ることができる(請求項7)。すなわち、駆動エネルギ
ーを小さくできる光路切替素子を提供することができ
る。
【0039】さらに、反射部が、屈折率可変物質に信号
を印加する単位要素に対して、複数組の面を有している
ことが好ましい。このようにすることによって反射部か
ら光入射部までの距離をさらに小さくすることができる
ので、駆動エネルギーをより小さくすることができる
(請求項8)。すなわち、さらに駆動エネルギーを小さ
くできる光路切替素子を提供することができる。
【0040】屈折率可変物質としては、外部からエネル
ギーを与えることによって屈折率が変化するものであれ
ば使用可能であるが、制御のしやすさから電界によって
屈折率が変化する、いわゆる電気光学材料が好適に使用
できる。電気光学材料としては、ポッケルス効果を示す
LiNbO3やカー効果を示すBaTiO3やPLZTな
どの固体結晶、液晶などが知られているが、中でも電界
強度当たりの屈折率変化量が大きいこと及び流動性があ
ることから液晶が好ましい。屈折率変化量が大きいこと
により、θ2の変化量を大きくすることができ、その結
果出射角の変化量を大きくすることができるので、高い
S/N比を得ることができる。また、流動性があること
により導光部材(或いは平板導光体)及び反射部への光
学的接触を容易に実現することができる(請求項9)。
すなわち、さらに製造が容易で、S/N比を高くできる
光路切替素子を提供することができる。
【0041】屈折率可変物質として、液晶/高分子複合
体を用いることが応答速度の点から好ましい。このよう
な液晶/高分子複合体として、液晶ドロップレットを高
分子マトリクス中に分散した、いわゆる高分子分散液晶
が好適に使用できる。高分子分散液晶の応答速度は液晶
ドロップレットの粒径を小さくするにつれて速くなるこ
とが実験的にわかっており、特に入射光の波長の1/5
以下の粒径にすることが、散乱が減少し光透過率が高く
なる、すなわち光損失が著しく小さくなることから好ま
しい。なお、ここでいう粒径とは構造体を代表する粒径
であって、通常は電子顕微鏡写真等によって計測された
平均粒径が好適に使用される(請求項10、請求項1
1)。すなわち、上記に加え、応答速度の速い光路切替
素子を提供することができる。さらに、上記に加え、光
損失の小さい光路切替素子を提供することができる。
【0042】上記の液晶は電圧無印加時に全ての液晶分
子が概略一方向に配列していることが好ましい。この方
向を電圧印加時に液晶分子が揃う方向(電界方向)とほ
ぼ直交させることにより大きな屈折率差が得られるた
め、θ2の変化量を大きくすることができ、その結果出
射角の変化量を大きくすることができるので、高いS/
N比を得ることができる(請求項12)。すなわち、屈
折率可変物質が高分子分散液晶からなり、電圧無印加時
に全ての液晶分子が概略一方向に配列しているようにし
たので、上記に加え、さらにS/N比を高くできる光路
切替素子を提供することができる。
【0043】本発明の光路切替素子を一次元もしくは二
次元に配列することで空間光変調器を構成することがで
きる。このような空間光変調器は構造が簡単であり、ま
た使用する部材の制約が少ないために、耐久性が高く安
価なものとなる。一次元に配列した空間光変調器は光路
切替素子の配列方向に垂直な方向に走査する走査機構を
用いることで二次元の空間光変調ができるが、一次元の
空間光変調器は二次元の空間光変調器に比べて安価であ
るため、より低コストとなる(請求項13、請求項1
4)。すなわち、二次元配列の場合、構造が簡単で耐久
性が高く、部材コストを低減でき、装置設計の自由度が
高い空間光変調器を提供することができる。また、一次
元配列の場合、上記に加え、製造歩留まりが高く低コス
トな空間光変調器を提供することができる。
【0044】上記の空間光変調器と、光線入射手段及び
空間光変調器により形成した画像をスクリーンに拡大投
影する手段を設けることにより、耐久性が高く安価な画
像表示装置を構成することができる(請求項15、請求
項16)。すなわち、二次元配列の光路切替素子を用い
た空間光変調器の場合、耐久性が高く、低コストで装置
設計の自由度が高い画像表示装置を提供することができ
る。また、一次元配列の光路切替素子を用いた空間光変
調器の場合、その空間光変調器から出射した光線を垂直
方向に走査してスクリーンに投影し、二次元画像を得る
ようにしたので、低コストな画像表示装置を提供するこ
とができる。
【0045】(実施の形態1)図1は、本発明の第1の
実施の形態を説明するための図で、図中、101は、ガ
ラス,プラスチック等からなる光学的に透明な導光部材
である。導光部材101は光源からの光線を屈折率可変
物質105に入射させる光入射部103、反射部115
で反射した光線を導光部材101の外部へと出射させる
光出射部104を有している。ここで図1(B)中に示
したように、光出射部104を構成する面の法線と導光
部材101中を透過する入射光1の光軸とのなす角度ψ
が、光入射部103を構成する面の法線と導光部材10
1中を透過する入射光1の光軸とのなす角度(入射角)
θ1よりも小さくなるように設定している。換言すれ
ば、光出射部104を構成する面の法線と、光入射部1
04に到達する前の導光部材101中を透過する光の光
軸とのなす角度ψが、光入射部103を構成する面の法
線と、光入射部103に到達する前の導光部材101中
を透過する光の光軸とのなす角度(入射角)θ1よりも
小さくなるように設定している。また、光出射部104
は、光出射部104を構成する面の法線が、光入射部1
03を構成する面の法線に対し、入射側からみて右下が
りとなるように構成されているよう設定してもよい。す
なわち、光入射部103を構成する面を水平とした時、
光出射部104を構成する面は入射光1の起点側に下が
る方向で傾斜するように設定されている。さらに、光出
射部104における出射光の出射点が、光入射部103
における入射光の出射点側にあるように設定してもよ
い。
【0046】反射部115を含む反射部材106は、S
i,ガラス等からなる基板109上に、ガラス、プラス
チック又は酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニ
ウム等のセラミックス等からなる絶縁体108で傾斜面
を形成した後、傾斜面にAl,Ag等からなる高反射率
の金属膜107を真空蒸着,スパッタリング等の公知の
方法で形成して得ることができる。また、必要に応じて
フォトリソエッチングによりパターンニングしてもよ
い。この金属膜107は電極としても作用する。基板1
09には金属膜107に情報に応じた信号電圧を印加す
るための駆動素子等を形成するのが望ましい。
【0047】反射部材106としては、絶縁体108が
基板109を兼ねる構成や金属板を基板として直接傾斜
面を形成する構成等も可能である。好適な傾斜面形成方
法の一例を挙げれば、面積階調もしくは濃度諧調のパタ
ーンを形成したフォトマスクを用いてパターンニングし
てドライエッチングを行う異方性エッチング法がある。
屈折率可変物質105としては、液晶が好適に使用でき
る。液晶材料としてはネマティック液晶、スメクティッ
ク液晶、コレステリック液晶等を用いることができ、単
一もしくは2種類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以
外の物質も含んだ混合物であってもよい。
【0048】光入射部103には屈折率可変物質に電圧
を印加するためのITO等からなる透明電極110が設
けられている。屈折率可変物質が液晶のように流動性の
ある材料からなる時には、エポキシ樹脂等からなるシー
ル剤111を形成して、保持するのがよい。作製工程の
一例を示せば、導光部材(もしくは反射部材)の周辺部
に熱硬化性のエポキシ樹脂を一部に開口部(注入孔)を
残して印刷した後、反射部材(もしくは導光部材)を貼
り合わせて加熱硬化する。注入孔から液晶を注入した
後、孔を接着剤で塞げば完成する。
【0049】図1(A)は、屈折率可変物質105の屈
折率n2が導光部材101の屈折率n1より大きい場合を
示す図で、この場合、屈折角θ2は式(1)に従って入
射角θ1より小さくなる。反射部115を構成する面の
法線と光入射部103を構成する面の法線とのなす角度
(ここでは、反射部を構成する面の傾斜角α)をα=θ
2/2に設定しておけば、反射光は光入射部103を垂
直に横切って光出射部104に対してφ1=β(βは光
出射部104を構成する面の法線と光入射部103を構
成する面の法線とのなす角度(ここでは、光出射部10
4を構成する面の傾斜角の角度))で入射し、導光部材
101に接触している外部物質102が空気(na
1)の場合には出射角φ2=sin-1(n1sinβ)で
出射する。図1(B)はn2がn1と概略同程度の場合で
θ2はθ1にほぼ等しいため図1(A)の時よりも反射角
が大きくなり、反射光は光出射部104に対して概略φ
1'=β+(θ1−θ2)の角度で入射し、出射角φ2'=s
in-1{n1sin(β+(θ1−θ2))で出射する。
出射光のビーム径をrとすると光出射部104からr/
tanφ2'以上の距離で光出力を光検出器113により
測定(検出)すると、図1(A)の場合には検出される
が、図1(B)の場合にはほとんど検出されず、良好な
S/N比が得られる。
【0050】具体的な例として、導光部材101をクラ
ウンガラスBK7(nd=1.517)で作製し、屈折
率可変物質105をネマティック液晶E7(常光屈折率
no=1.522,異常光屈折率ne=1.746)と
し、予め図示しない配向膜を用いて液晶分子112を図
1(A)のように光入射部103に対して水平で紙面に
垂直な方向に配向しておく。配向膜としてはSiO,ポ
リイミド等の公知の材料が使用でき、少なくとも透明電
極110及び金属膜107の表面に形成するのが好まし
い。
【0051】図1(A)の状態でレーザ光(波長633
nm)をS偏光としてθ1=60°で入射させると、こ
の光に対しては液晶の屈折率はn2=ne=1.746と
なるので、式(1)に従ってθ2=49°となる。α=
24.5°に設定すると、反射光は光出射部104に対
してφ1=24.5°で入射し、出射角φ2=39°で出
射する。一方、透明電極110と金属膜107の間に電
圧を印加すると図1(B)のように液晶分子が電界方向
に配列し、同様の入射光に対して液晶の屈折率はn2
no=1.522となるので、入射光及び反射光はほぼ
直進し、光出射部104に対してφ1'=35.5°で入
射し、出射角φ2'=62°で出射する。この場合、図1
(A)と(B)とで出射角の差が23°あり、分離は可
能である。
【0052】上記においては入射光をS偏光としたが、
P偏光であってもよく、その場合には電圧印加時と無印
加時の光の振る舞いが逆になる。P偏光を用いると界面
反射損失が減少するので、光利用効率の点ではより好ま
しい。
【0053】(実施の形態2)図2は、本発明の第2の
実施形態を説明するための図である。本実施形態におけ
る光路切替素子は、基本的な構成は第1の実施の形態と
同様であるが、光出射部を構成する面の傾斜角βをβ=
34°と大きくしている。図2(A)の時には反射光は
光出射部104に対してφ1=34°で入射し、φ2=5
8°で出射する。図2(B)の時には光出射部104に
対してφ1'=45°で入射し、この時外部物質102が
空気(na=1)の場合には下式(2)を満たすので、
反射光は光出射部において全反射する。 sinφ'≧na/n1 …(2)
【0054】この場合、出射角の差を180°−(45
°+58°)=77°以上と第1の実施の形態に比べて
大きくすることができるので、より確実に分離できる。
また、図2(A)の状態において導光部材101の外部
へ出射する光の進行方向に対峙する位置に光処理部15
8を設け、図2(B)の状態において導光部材101の
外部へ出射する光の進行方向に対峙する位置に第二の光
処理部159を設けることにより、両光処理部において
信号光が入る/入らないを高いS/N比で切り替えるこ
とができる。
【0055】ここでいう光処理部は、入ってきた光をシ
ステムに必要な別の状態に変化させる(又は受け渡す)
機能を有するものである。例えば光通信の場合には光処
理部が光ファイバへのコネクタとして働き、通信網の光
路切り替えを行うことができる。また、光プリンタや画
像表示装置の場合には一方の光処理部が光ビームを整形
したり、拡大する機能を持ち、他方の光処理部が光ビー
ムを消失させる(吸収する)機能を持つことにより、画
像の出力を行うことができる。図から明らかなように光
処理部158及び第二の光処理部159は入射光1の起
点方向とは異なる位置に配設することが可能であるた
め、装置設計の自由度が高くなる。
【0056】(実施の形態2の比較例)図3は、図2と
比較することにより本発明の第2の実施形態を補足して
説明するための図で、第2の実施形態において、光出射
部104を構成する面の法線と導光部材中を透過する入
射光1の光軸とのなす角度ψが、光入射部103を構成
する面の法線と導光部材中を透過する入射光1の光軸と
のなす角度(入射角)θ 1よりも大きくなるように設定
した光路切替素子を示す図である。すなわち、光入射部
103を構成する面を水平とした時、光出射部104を
構成する面は入射光1の起点からみて下がる方向に傾斜
するように設定されている。
【0057】光出射部104を構成する面の傾斜角βを
β=45°に設定すると、図3(A)の時には反射光は
光出射部104に対してφ1=45°で入射する。この
時外部物質102が空気(na=1)の場合には下式
(3)を満たすので、反射光は光出射部104において
全反射する。 sinφ≧na/n1 …(3)
【0058】図3(B)の時にはφ1'=34°で入射
し、出射角φ2'=58°で出射する。この場合出射角の
差は180°−(45°+58°)=77°以上とな
り、第2の実施形態と同様に光スイッチングが可能であ
るが、第二の光処理部159は入射光1の起点側に設置
する必要があり、装置設計上制約が生じる。
【0059】(実施の形態3)図4は、本発明の第3の
実施形態を説明するための図で、図中、114は導光部
材101と同じ材質からなる第二の導光部材で、116
は出射光を第二の導光部材を介して外部へ出すことがで
きる第二の光出射部である。この例では光出射部104
と第二の導光部材114(ともに入射光の波長程度の平
滑度で仕上げている)をラフに密着させることによっ
て、入射光の波長程度の空隙(空気層)を持たせてい
る。また、第二の光出射部116を構成する面は光入射
部103を構成する面とほぼ平行となるようにしてい
る。その他の設定は第2の実施形態と同様である。図4
(A)の時、光出射部104から出射した光は、ほぼ直
進(実際には波長程度平行移動する)して、再び第二の
導光部材114に入射し、第二の光出射部116から出
射する。図4(B)の時、反射光は光出射部104と空
隙部の空気層との界面で全反射する。この場合、図4
(A)と(B)とで出射角の差が90°を超えるので、
漏れ光を検出することはなく、非常に高いS/N比を得
ることができる。
【0060】(実施の形態4)図5は、本発明の第4の
実施形態を説明するための図で、図中、117は導光部
材101と屈折率が概略等しい平板導光体である。平板
導光体117は、光入射部103と光学的接合がなされ
ている。その他の構成は第2の実施形態と同様であり、
動作原理も同じである。光学的接合とは、両部材間の間
隙が使用する光の波長に比べて充分に小さいほどに密着
している状態であって、具体的には流動性のある物体を
両者間に介在させることによって得ることができる。流
動性のある物体は両部材との密着を確保した後に固化し
ても構わない。より具体的には流動性のある物体とし
て、屈折率が概略導光部材101及び平板導光体117
と等しい揮発性の低い液体、或いは光硬化性接着剤を用
いるのが好適である。本実施形態においては屈折率可変
物質105と接するのは平板導光体117であるので、
透明電極110は平板導光体117上に形成される。こ
の場合導光部材101の接合は最後に行えばよいので、
デバイスの主要部分の作製を複雑な形状の導光部材を用
いないで行うことができるため、歩留まりが向上し、コ
ストを低減することができる。
【0061】(実施の形態5)図6は、本発明の第5の
実施形態を説明するための図である。本実施形態におけ
る光路切替素子は、反射部115が一辺を共有する2つ
の面(反射面128及び逆傾斜面118)によって構成
され、屈折率可変物質105に進入した入射光と光入射
部103を構成する面の法線とのなす角度(屈折角)θ
2の動作範囲における最大値をθ2maxとすると、反射部
115を構成する少なくとも1つの面(この例では逆傾
斜面118)の法線と光入射部103を構成する面の法
線とのなす角度(ここでは、逆傾斜面の傾斜角γ)が9
0°−θ2max以下となっている。その他の構成は第2の
実施形態と同様である。この場合、θ2max=θ1=60
°であるので、γを30°以下に設定すると、光入射部
における入射光の照射エリアAは第2の実施形態と同じ
であるため、反射部115から光入射部103までの距
離、すなわち屈折率可変物質層105の最大厚tmax
小さくすることができ、駆動電圧を低くすることができ
る。
【0062】(実施の形態6)図7は、本発明の第6の
実施形態を説明するための図である。本実施形態におけ
る光路切替素子では、第5の実施形態における照射エリ
アAに対向する領域に反射面128を複数組(図7では
2組)設けている。図7から明らかなように、照射エリ
アAが図6のそれと等しい場合にはtmaxがさらに小さ
くなり、より駆動電圧を低減できる。
【0063】なお、本発明においては、導光部材101
の屈折率は屈折率可変物質(液晶)105の最小の屈折
率(no)と同等もしくはそれより小さくてもよいた
め、上述の実施形態では最も典型的な光学ガラスである
BK7を用いた例を挙げたが、例えば、特開2000−
171813号に開示されているような導光部材と液晶
との界面での全反射を利用する従来技術を用いて、上述
の実施形態と同じ液晶(E7)と入射角(60°)を適
用した場合には、屈折率が1.76以上の導光部材を用
いなければならず、コストアップにつながる。
【0064】(実施の形態7)図8は、本発明の第7の
実施形態を説明するための図である。本実施形態におけ
る光路切替素子は、屈折率可変物質105として高分子
分散液晶を用いる以外は第5の実施形態と同様の構成で
ある。高分子分散液晶は高分子マトリクス120中に液
晶ドロップレット119が分散されてなる。液晶材料と
してはネマティック液晶、スメクティック液晶、コレス
テリック液晶等を用いることができ、単一もしくは2種
類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も含ん
だ混合物であってもよい。高分子マトリクス材料として
は透明なポリマーが好ましく、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂、光硬化性樹脂のいずれであってもよい。
【0065】高分子分散液晶の製法としては、(1)液
晶と熱、或いは光硬化(重合)性モノマーやオリゴマー
もしくはプレポリマーで溶液を作り、重合によって相分
離させる重合相分離法、(2)液晶と高分子と溶剤で溶
液を作り、溶剤を蒸発させることによって相分離させる
溶媒蒸発相分離法、(3)液晶と熱可塑性高分子を加熱
溶解させた後、冷却によって相分離させる熱相分離法な
ど、を用いることができる。
【0066】ポリマーとしては、製造工程の容易さ、液
晶相との分離性等の点から紫外線硬化型の樹脂を用いる
のが好ましい。具体的な例として紫外線硬化性アクリル
系樹脂が例示され、特に紫外線照射によって重合硬化す
るアクリルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するも
のが好ましい。このようなモノマー又はオリゴマーとし
ては(ポリ)エステルアクリレート、(ポリ)ウレタン
アクリレート、エポキシアクリレート、ポリブタジエン
アクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアク
リレート、(ポリ)ホスファゼンメタクリレート等があ
る。その他の例として、チオール−エン系も光硬化速度
が速いことから好適に使用できる。
【0067】重合を速やかに行うために光重合開始剤を
用いてもよく、この例としてジクロロアセトフェノンや
トリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェ
ノン、ミヒラーケトン、ベンゾイル、ベンゾインアルキ
ルエーテル、ベンジルジメチルケタール、モノサルファ
イド、チオキサントン類、アゾ化合物、ジアリルヨード
ニウム塩、トリアリルスルフォニウム塩、ビス(トリク
ロロメチル)トリアジン化合物等を挙げることができ
る。
【0068】この紫外線硬化性化合物中に液晶材料を均
一に溶解させた液状物を反射基板と導光部材間に注入し
た後、紫外線照射を行うことによって紫外線硬化性化合
物を硬化させると同時に液晶材料を相分離させ、高分子
分散液晶層を形成する。
【0069】具体的な高分子分散液晶の例として、ネマ
ティック液晶BL24(no=1.513,ne=1.7
17,メルク社)を紫外線硬化性プレポリマーNOA8
1(ノーランド社)に溶解(液晶重量濃度45%)し、
紫外線(400mW/cm 2)を照射したもの(液晶ド
ロップレットの平均粒径は約60nm)を用いた場合、
図8(A)の時には液晶分子の配向したドロップレット
119の向きがランダムであるため、層全体が光学的に
等方な媒体になっており、その屈折率はほぼ液晶の平均
屈折率(≒(2no+ne)/3≒1.58)と高分子
マトリクスの屈折率(≒1.56)との体積平均(≒1.
57)と見なすことができる。なお、この場合予め配向
処理を行っていない。導光部材101をクラウンガラス
BK7(nd=1.517)とし、入射角を75°に設
定すると、屈折角は69°となるので、α=34.5°
に設定すれば反射光は光入射部103にほぼ垂直に入射
する。β=40°に設定すると反射光は光出射部104
に対してφ1=40°で入射し、出射角φ2=77°で出
射する。
【0070】図8(B)の時には、液晶分子が電界方向
に配列し、S偏光に対する高分子分散液晶層の屈折率は
液晶の屈折率(≒no=1.513)と高分子マトリク
スの屈折率(≒1.56)との体積平均(≒1.54)と
見なすことができる。この時、屈折角は72°となり、
反射光は光出射部104に対してφ1'=43°で入射す
る。この時式(2)を満たすので、反射光は光出射部1
04において全反射する。この場合出射角の差は180
°−(77°+43°)=60°となるので、ほとんど
漏れ光を検出することはなく、高いS/N比を得ること
ができる。また、(a)の状態と(b)の状態との間の
スイッチング時間は数10μsのオーダーが得られ、こ
の値はバルク液晶に比べ2桁程度高速になっている。
【0071】液晶ドロップレットサイズと応答速度の関
係についてさらに詳細に調べた結果を以下に示す。高分
子分散液晶における液晶ドロップレットの大きさは、プ
レポリマーの組成、液晶の混合濃度、硬化時の紫外線強
度等を変えることによって変化させることができる。
【0072】図9は、液晶ドロップレットサイズと応答
速度との関係を示した図である。液晶材料はE7及びB
L24(メルク社)、プレポリマーはNOA60,65
及び81(ノーランド社)を適宜用いた。
【0073】図10は、応答速度測定装置の一例を示す
図である。応答速度の測定は、図10に示す装置を用い
て、試料127にパルス電圧(200V)を印加した時
の光出力の立ち上がり時間(Ton)と立ち下がり時間
(Toff)の合計を測定した。図10において、12
1はレーザ、122は偏光子、123,124はレン
ズ、125は検光子、126はパワーメータ、127は
試料、129はAu電極、130はSi基板、131は
高分子分散液晶層である。なお、試料127は高分子分
散液晶層131の厚さを20μm、光路長を1mmとし
た。
【0074】図11は、高分子分散液晶に電界が印加さ
れていない時と印加されている時の様子を模式的に示す
図である。電界が印加されていない時には、図11
(A)に示すように、液晶ドロップレット119の向き
はランダムであるので、x軸,y軸,z軸方向の屈折率
はどれも等しく、層全体が光学的に等方な媒体になって
いる。z方向に電界132を印加すると、図11(B)
に示すように、液晶分子の分子軸がこの方向にそろうた
め、z軸方向の屈折率は大きくなり、x軸及びy軸方向
の屈折率はお互いに等しいまま、その大きさが小さくな
る。
【0075】図11に示すように、レーザ光源121か
らの光が電界方向とは垂直のx方向から入射される場
合、yz平面に複屈折が生じるために偏光状態を変化さ
せることができ、検光子125を通した光出力が変化す
る。本発明ではこのような複屈折現象は利用しないが、
電界印加時の液晶分子の挙動とそれに伴う屈折率変化を
利用するので、図9の応答速度は本発明においても同様
に適用できる。図9から液晶ドロップレットサイズが小
さくなるにつれて応答速度が速くなることがわかる。
【0076】さらには、液晶ドロップレットの粒径を入
射光の波長の1/5以下、より望ましくは1/10以下
にすることが光透過率の観点から好ましい。以下にレイ
リー散乱理論から光透過率を計算した結果を示す。体積
Vの球形散乱体が数密度Nで存在する場合、厚さLの媒
体の光透過率Tは下記式(4)のように表される。 T=exp(-NRL),R=24π3((m2-1)/(m2+2))2V24 …(4)
【0077】式(4)において、Rは散乱断面積、mは
散乱体の屈折率と媒体の屈折率の比、λは使用する光の
波長である。m=1.07、L=100μmとした時の
透過率Tを散乱体すなわち液晶ドロップレットの粒径
d、体積分率(=NV)及び波長λをパラメータとして
計算した。式(4)からわかるように、dが大きくなる
(すなわちVが大きくなる)ほど、またλが小さくなる
ほどTが減少する。また、透過率としては、90%(T
=0.9)以上であることが光利用効率の点から好まし
い。
【0078】図12は、T=0.9となる粒径を体積分
率が10%(d(0.1))、30%(d(0.3))及
び50%(d(0.5))の場合について、波長に対し
てプロットした図である。体積分率が小さいと屈折率変
化量が小さくS/N比がとれなくなるので、体積分率は
10%以上が好ましく、50%程度がより好ましい。こ
れ以上の体積分率では作製が極めて困難になる。この観
点から、図12より、光路切替素子(光スイッチング素
子)として適用される可視〜赤外領域の波長に対して
は、dがλ/5以下であるのが好ましく、λ/10以下
であることがより好ましい。なお、この計算ではm及び
Lを固定したが、実デバイスにおいてこれ以下の値であ
ると考えられるため、上記の粒径範囲であれば問題はな
い。
【0079】(実施の形態8)図13は、本発明の第8
の実施形態を説明するための図である。本実施形態にお
ける光路切替素子は、電圧無印加時(図13(A)の
時)に、ドロップレット中の全ての液晶分子が概略一方
向に配列している以外は第7の実施形態と同様の構成で
ある。この配列方向は電圧印加時(図13(B)の時)
に液晶分子が揃う方向(電界方向)とほぼ直交し、光入
射部103に対して水平で紙面に垂直な方向にするのが
よい。こうすることにより、大きな屈折率差が得られる
ため、θ2の変化量を大きくすることができ、高いS/
N比を得ることができる。
【0080】具体的には7の実施形態と同様の材料及び
処方の高分子分散液晶を用いた場合、図13(A)の時
に高分子分散液晶層の屈折率は液晶の屈折率(≒ne=
1.717)と高分子マトリクスの屈折率(≒1.56)
との体積平均(≒1.61)と見なすことができる。第
7の実施形態と同様に入射角を75°に設定すると、屈
折角は66°となるので、α=33°に設定すれば反射
光は光入射部にほぼ垂直に入射する。β=37°に設定
すると反射光は光出射部104に対してφ1=37°で入
射し、出射角φ2=66°で出射する。図13(B)の
時には液晶分子が電界方向に配列し、S偏光に対する高
分子分散液晶層の屈折率は液晶の屈折率(≒no=1.
513)と高分子マトリクスの屈折率(≒1.56)と
の体積平均(≒1.54)と見なすことができる。この
時、屈折角は72°となり、反射光は光出射部104に
対してφ1'=43°で入射する。この時式(2)を満た
すので、反射光は光出射部104において全反射する。
この場合出射角の差は180°−(43°+66°)=
71°以上となり、第7の実施形態よりも大きくなる。
【0081】さらに付言すれば、入射角を60°に設定
した場合、図13(A)の時、屈折角は55°となる。
α=27.5°,β=39°に設定すると、φ1=39
°,φ2=73°となる。また、図13(B)の時、φ1
=43°となって全反射する。この時、出射角の差は1
80°−(73°+43°)=64°となる。入射角が
75°の場合に比べて出射角の差は小さくなるが、実用
上充分な値である。なお、特に後述のような二次元空間
光変調器やそれを用いた画像表示装置に適用する場合、
入射角が小さい(好ましくは60°以下である)方が照
明光学系の設計が容易になるので望ましい。
【0082】液晶分子を予め一方向に配列させる方法と
して、前述のような配向膜を用いる方法以外に以下に示
すような方法を用いることも可能である。高分子マトリ
クス材料を重合する際に電界を印加することで、液晶を
一方向に配向することができる。この時、液晶に接して
いるプレポリマーは液晶の配向に引きずられて同じ方向
に配向する。この状態でプレポリマーを重合すると液晶
との界面は液晶の配向に倣った形で固定される。この界
面構造は液晶に対して配向膜として機能するため、高分
子マトリクス材料が硬化した後に電界を解除しても、液
晶は重合時に印加していた電界方向に揃うことになる。
【0083】(実施の形態9)図14及び図15は、本
発明の第9の実施形態を説明するための図で、図中、1
40は一次元空間光変調器140で、図14(A)は斜
視図、図14(B)は図14(A)をa方向から、図1
4(C)は図14(A)をb方向から見た図である。基
本的な構成は第7の実施の形態と同様であるが、個別電
極を兼ねる金属膜107が一次元アレイ状に配置されて
いる。基板には各個別電極に接続され、それらに選択的
に信号を供給するための駆動素子が設けられるのが好ま
しい。アレイ状に配列した各個別電極に選択的に電圧信
号を印加することによって、選択された個別電極(金属
膜107)からの反射光のみが光出射部104から出射
し、ライン状の光のON/OFF(空間光変調)ができ
る。個別電極が配列している方向と垂直な方向に走査す
る走査装置と組み合わせることで二次元の空間光変調が
できる。
【0084】また図15に示すように、空間光変調器1
40の個別電極107への駆動信号供給とガルバノミラ
ー等からなる走査機構137の駆動を画像信号に基づい
て制御し、得られた二次元空間光変調された光線を投影
レンズ138によってスクリーン139に投影すること
で、画像表示装置を形成することができる。図15にお
いて、光源134にはレーザ,LED,ランプ等を用い
ることができる。また、コリメートレンズ135を光イ
ンテグレータとしてもよく、これらの後段には図示しな
い偏光変換光学系を付与してもよい。
【0085】(実施の形態10)図16は、本発明の第
10の実施形態を説明するための図で、二次元空間光変
調器150の斜視図である。基本的な構成は図14と同
様であるが、個別電極を兼ねる金属膜107が二次元ア
レイ状に配置されている。反射部材106には各個別電
極に接続され、それらに選択的に信号を供給するための
駆動素子が設けられるのが好ましい。アレイ状に配列し
た各個別電極に選択的に電圧信号を印加することによっ
て、選択された個別電極(金属膜107)からの反射光
のみが光出射部104から出射し、面状の光のON/O
FF(空間光変調)ができる。この場合、空間光変調器
だけで二次元の空間光変調ができるため、図15に示し
たような走査機構は不要で、光出射部の外側に投影レン
ズを設置し、スクリーンに投影することで画像表示装置
を形成することができる。
【0086】なお、図14、図16では導光部材101
を共通にして一つにしているが、導光部材101を各光
路切替素子ごとに分割しても構わない。また、上記一次
元アレイ状の空間光変調器もしくは二次元アレイ状の空
間光変調器を使った画像表示装置では、赤、緑、青など
複数の波長の入射光を使い、時分割で各色の画像を表示
したり(フィールドシーケンシャル方式)、複数の空間
光変調器を設けて各色の画像を同時に投影することで、
フルカラー画像を表示することもできる。
【0087】(実施例1)図17は、二次元空間光変調
器の製作工程の一例を説明するための図で、反射部材の
作製,セルの作製,液晶の注入,導光部材の接合の工程
を順に図17(A)〜図17(D)に示すものである。 (A)反射部材の作製 Si基板109の表面にMOSFETによる駆動素子1
51を複数個形成し、その上にCVD法により5μm厚
の酸化シリコン108を堆積した。次に、面積階調のパ
ターンを形成したフォトマスクを用いてパターンニング
してドライエッチングを行うことによって傾斜面及びコ
ンタクトホール152を形成した。メタルCVDによる
穴埋めを行った後、スパッタリングによりアルミニウム
を0.1μm厚で堆積し、反射膜兼個別電極107とな
るようにパターンニングした。この上にスピンコートに
より0.1μm厚のポリイミド膜を形成し、ラビングを
行うことにより配向膜153を形成した。
【0088】(B)セル作製 クラウンガラス(BK7)からなる平板導光体117の
片面に50nm厚のITOからなる透明電極110及び
ポリイミドからなる配向膜154を形成したものと図1
7(A)に示した反射部材とを、エポキシ樹脂からなる
シール材111を用いて貼り合わせ、空セルを作製し
た。シール材の一部には注入孔を設けた。
【0089】(C)液晶の注入 図17(B)に示した空セル内を真空排気した後、液晶
(E7)105を注入し、注入孔を封止した。
【0090】(D)導光部材接合 平板導光体117の上面に光硬化性接着剤を用いて、導
光部材101及び第二の導光部材114を接合した。
【0091】上述のようにして作製された空間光変調器
を用いて、以下のように画像表示を行った。断面がほぼ
長方形となるように整形されたレーザ光(波長670n
m)をS偏光として、入射面100を介して光入射部1
03より入射し、駆動素子151により画像データに応
じて選択的に個別電極107に電圧(5V)を印加した
ところ、第二の光出射部116から空間変調された出力
光が取り出され、(図示しない)投影レンズによりスク
リーンに拡大投影画像(2値)を得ることができた。
【0092】(実施例2)図18は、二次元空間光変調
器の製作工程の他の例を説明するための図で、反射部材
の作製,セルの作製,注入,硬化,導光部材の接合の工
程を順に図18(A)〜図18(E)に示すものであ
る。 (A)反射部材の作製 Si基板109の表面にMOSFETによる駆動素子1
51を複数個形成し、その上にCVD法により5μm厚
の酸化シリコン108を堆積した。次に、面積階調のパ
ターンを形成したフォトマスクを用いてパターンニング
してドライエッチングを行うことによって傾斜面及びコ
ンタクトホール152を形成した。メタルCVDによる
穴埋めを行った後、スパッタリングによりアルミニウム
を0.1μm厚で堆積し、反射膜兼個別電極107とな
るようにパターンニングした。この上にスピンコートに
より0.1μm厚のポリイミド膜を形成し、ラビングを
行うことにより配向膜153を形成した。
【0093】(B)セル作製 クラウンガラス(BK7)からなる平板導光体117の
片面に50nm厚のITOからなる透明電極110及び
ポリイミドからなる配向膜154を形成したものと、図
18(A)に示した反射部材とをエポキシ樹脂からなる
シール材111を用いて貼り合わせ、空セルを作製し
た。シール材の一部には注入孔を設けた。
【0094】(C)注入 図18(B)に示した空セル内を真空排気した後、液晶
(BL24)と紫外線硬化性化合物(NOA81)の混
合物155(液晶濃度45wt%)を注入し、注入孔を
封止した。
【0095】(D)硬化 高圧水銀ランプによりUV光(400mW/cm2)1
56を照射し、高分子分散液晶105を形成した。
【0096】(E)導光部材接合 平板導光体117の上面に光硬化性接着剤を用いて、導
光部材101及び第二の導光部材114を接合した。
【0097】上述のようにして作製された空間光変調器
を用いて、以下のように画像表示を行った。断面がほぼ
長方形となるように整形されたレーザ光(波長670n
m)をS偏光として、入射面100を介して光入射部1
03より入射し、駆動素子151により画像データに応
じて選択的に個別電極107に電圧(15V)を印加し
たところ、第二の光出射部116から空間変調された出
力光が取り出され、(図示しない)投影レンズによりス
クリーンに拡大投影画像(64諧調)を得ることができ
た。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、導光部材を介した光入
射部と、光入射部から入った入射光を反射する反射部と
の間に屈折率可変物質を封入し、信号印加によってその
屈折率を入射光が導光部材と屈折率可変物質との界面で
全反射しない範囲で変化させ、反射部で反射した光を導
光部材を介して外部へ出射するときの光路を変えるよう
にするとともに、光出射部を構成する面の法線と導光部
材中を透過する入射光の光軸とのなす角度が、光入射部
を構成する面の法線と導光部材中を透過する入射光の光
軸とのなす角度よりも小さくしたので、構造が簡単で耐
久性が高く、部材コストを低減できるとともに、装置設
計の自由度が高い光路切替素子を提供することができ
る。
【0099】本発明によれば、上記光路切替素子をアレ
イ状に配列したので、構造が簡単で耐久性が高く、部材
コストを低減でき、装置設計の自由度が高い空間光変調
器を提供することができる。
【0100】本発明によれば、上記空間光変調器により
形成した画像をスクリーンに投影するようにしたので、
耐久性が高く、低コストで装置設計の自由度が高い画像
表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を説明するための
図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態を説明するための
図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態を補足して説明す
るための図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態を説明するための
図である。
【図5】 本発明の第4の実施の形態を説明するための
図である。
【図6】 本発明の第5の実施の形態を説明するための
図である。
【図7】 本発明の第6の実施の形態を説明するための
図である。
【図8】 本発明の第7の実施の形態を説明するための
図である。
【図9】 液晶ドロップレットサイズと応答速度との関
係を示した図である。
【図10】 応答速度測定装置の一例を示す図である。
【図11】 高分子分散液晶に電界が印加されていない
時と印加されている時の様子を模式的に示す図である。
【図12】 T=0.9となる粒径を体積分率が10
%、30%及び50%の場合について、波長に対してプ
ロットした図である。
【図13】 本発明の第8の実施の形態を説明するため
の図である。
【図14】 本発明の第9の実施の形態を説明するため
の図である。
【図15】 本発明の第9の実施の形態を説明するため
の図である。
【図16】 本発明の第10の実施の形態を説明するた
めの図である。
【図17】 二次元空間光変調器の製作工程の一例を説
明するための図である。
【図18】 二次元空間光変調器の製作工程の他の例を
説明するための図である。
【図19】 従来の空間光変調器の平面図である。
【図20】 図19に示した空間光変調器のひとつの回
転鏡の断面図である。
【図21】 特開平11−202222号公報で提案さ
れている光スイッチング素子の動作説明図である。
【図22】 特開2000−171813号公報で提案
されている光スイッチング素子の概略構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…入射光、101…導光部材、102…外部物質、1
03…光入射部、104…光出射部、105…屈折率可
変物質、106…反射部材、107…金属膜、108…
絶縁体、109…基板、110…透明電極、111…シ
ール剤、112…液晶分子、113…光検出器、114
…第二の導光部材、115…反射部、116…第二の光
出射部、117…平板導光体、118…逆傾斜面、11
9…液晶ドロップレット、120…高分子マトリクス、
121…レーザ、122…偏光子、123,124…レ
ンズ、125…検光子、126…パワーメータ、127
…試料、128…反射面、129…Au電極、130…
Si基板、131…高分子分散液晶層、132…電界、
134…光源、135…コリメートレンズ、137…走
査機構、138…投影レンズ、139…スクリーン、1
40,150…空間光変調器、151…駆動素子、15
2…コンタクトホール、153,154…配向膜、15
5…液晶/紫外線硬化性化合物混合体、156…紫外
線、158…光処理部、159…第二の光処理部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 21/28 G03B 21/28 Fターム(参考) 2H088 EA12 HA21 HA30 MA20 2H089 HA04 QA16 TA17 TA20 UA05 2H091 FA08X FA08Z FA14Z FA21X FA23Z LA30 MA07

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導光部材を介した光入射部と、該光入射
    部から入った入射光を反射する反射部と、該反射部で反
    射した光を、前記導光部材を介して出射光として外部へ
    取り出す光出射部とよりなる光路切替素子で、前記光入
    射部と反射部との間の光路中に屈折率可変物質を封入
    し、該屈折率可変物質に信号を与え屈折率変化を生じせ
    しめる信号入力手段を具備するとともに、前記信号によ
    る前記屈折率可変物質の屈折率変化を、前記入射光が前
    記導光部材と屈折率可変物質との界面で全反射しない範
    囲で行う光路切替素子において、前記光出射部を構成す
    る面の法線と、前記光入射部に到達する前の前記導光部
    材中を透過する光の光軸とのなす角度が、前記光入射部
    を構成する面の法線と、該光入射部に到達する前の前記
    導光部材中を透過する光の光軸とのなす角度よりも小さ
    いことを特徴とする光路切替素子。
  2. 【請求項2】 導光部材を介した光入射部と、該光入射
    部から入った入射光を反射する反射部と、該反射部で反
    射した光を、前記導光部材を介して出射光として外部へ
    取り出す光出射部とよりなる光路切替素子で、前記光入
    射部と反射部との間の光路中に屈折率可変物質を封入
    し、該屈折率可変物質に信号を与え屈折率変化を生じせ
    しめる信号入力手段を具備するとともに、前記信号によ
    る前記屈折率可変物質の屈折率変化を、前記入射光が前
    記導光部材と屈折率可変物質との界面で全反射しない範
    囲で行う光路切替素子において、前記光出射部は、当該
    光出射部を構成する面の法線が、前記光入射部を構成す
    る面の法線に対し、入射側からみて右下がりとなるよう
    に構成されていることを特徴とする光路切替素子。
  3. 【請求項3】 導光部材を介した光入射部と、該光入射
    部から入った入射光を反射する反射部と、該反射部で反
    射した光を、前記導光部材を介して出射光として外部へ
    取り出す光出射部とよりなる光路切替素子で、前記光入
    射部と反射部との間の光路中に屈折率可変物質を封入
    し、該屈折率可変物質に信号を与え屈折率変化を生じせ
    しめる信号入力手段を具備するとともに、前記信号によ
    る前記屈折率可変物質の屈折率変化を、前記入射光が前
    記導光部材と屈折率可変物質との界面で全反射しない範
    囲で行う光路切替素子において、前記光出射部における
    出射光の出射点が、前記光入射部における入射光の出射
    点側にあることを特徴とする光路切替素子。
  4. 【請求項4】 前記信号による前記屈折率可変物質の屈
    折率変化を、前記反射部で反射した光が前記導光部材と
    該導光部材に接触する外部物質との界面で全反射する第
    一の状態と、全反射しない第二の状態とをとることがで
    きる範囲で行うことを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1記載の光路切替素子。
  5. 【請求項5】 前記出射光を第二の導光部材を介して外
    部へ出すことができる第二の光出射部を設けたことを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか1記載の光路切替素
    子。
  6. 【請求項6】 前記光入射部に光学的接合し、前記導光
    部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設けたことを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれか1記載の光路切替素
    子。
  7. 【請求項7】 前記反射部が一辺を共有する2つの面に
    よって構成され、前記屈折率可変物質に進入した入射光
    と前記光入射部を構成する面の法線とのなす角度の動作
    範囲における最大値をθ2maxとすると、前記反射部を構
    成する少なくとも1つの面の法線と前記光入射部を構成
    する面の法線とのなす角度が90°−θ2max以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1記載の光
    路切替素子。
  8. 【請求項8】 前記反射部が、前記屈折率可変物質に信
    号を印加する単位要素に対して、複数組の面を有してい
    ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1記載の
    光路切替素子。
  9. 【請求項9】 前記屈折率可変物質が液晶材料からなる
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1記載の光
    路切替素子。
  10. 【請求項10】 前記屈折率可変物質が液晶材料を高分
    子マトリクス中に分散保持した液晶/高分子複合体から
    なることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1記載
    の光路切替素子。
  11. 【請求項11】 前記屈折率可変物質の液晶材料が入射
    光の波長の1/5以下の粒径を有するドロップレットで
    あることを特徴とする請求項10記載の光路切替素子。
  12. 【請求項12】 電圧無印加時に前記液晶材料全ての液
    晶分子が概略一方向に配列することを特徴とする請求項
    9乃至11のいずれか1記載の光路切替素子。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれか1記載の
    光路切替素子が二次元アレイ状に配列されていることを
    特徴とする空間光変調器。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至12のいずれか1記載の
    光路切替素子が一次元アレイ状に配列されていることを
    特徴とする空間光変調器。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の空間光変調器と、該
    空間光変調器に光線を入射させる手段と、該空間光変調
    器により形成した画像をスクリーンに投影して表示する
    手段とを有することを特徴とする画像表示装置。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の空間光変調器と、該
    空間光変調器に光線を入射させる手段と、該空間光変調
    器から出射した光線を該空間光変調器の光路切替素子の
    整列方向に対して垂直な方向に走査する走査機構と、該
    走査機構から出射した光線をスクリーンに投影して表示
    する手段とを有することを特徴とする画像表示装置。
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