JP2003315852A - 光路切替素子、光路切替素子の駆動方法、空間光変調器および画像表示装置 - Google Patents

光路切替素子、光路切替素子の駆動方法、空間光変調器および画像表示装置

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JP2003315852A
JP2003315852A JP2002341361A JP2002341361A JP2003315852A JP 2003315852 A JP2003315852 A JP 2003315852A JP 2002341361 A JP2002341361 A JP 2002341361A JP 2002341361 A JP2002341361 A JP 2002341361A JP 2003315852 A JP2003315852 A JP 2003315852A
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light
refractive index
optical path
path switching
switching element
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JP2002341361A
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English (en)
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Hidenori Tomono
英紀 友野
Hitoshi Kondo
均 近藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で耐久性や光利用効率が高く、応
答速度の速い光路切替素子、空間光変調器および画像表
示装置を提供する。 【解決手段】 二つの基板電極7および一つの透明電極
10に印加する電圧を変えることで、印加電界の方向を
光入射部3の法線方向および接線方向に制御して、液晶
分子12の配向方向を変化させる。図1(A)では、屈
折率可変物質5の屈折率n2が導光部材の屈折率n1より
も小さくなり、入射光は透明電極10と屈折率可変物質
5との界面で全反射して光路切替素子の右方へ出射す
る。図1(B)ではn2がn1より大きく、反射部15を
構成する面の法線と光入射部3を構成する面の法線との
なす角度αをα=θ2/2に設定しておけば、反射光は
光入射部3に垂直に出射する。上記の構成によって光路
切替による光スイッチングを行うことができ、このとき
常に電界による力をかけるため高速な駆動を行うことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光路切替素子、光
路切替素子の駆動方法、空間光変調器および画像表示装
置に関し、より詳細には、入射光の反射方向を変化させ
ることによって光路を切替えてスイッチングする光路切
替素子及びその駆動方法と、これを用いた空間光変調器
および画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】入射光の反射方向を変化させることによ
って光をスイッチングするデバイスおよびそれを用いた
空間光変調器として、例えば特開平5−196880号
公報に示されるような微小な回転鏡を二次元状に多数配
列したものが知られている。図30は、従来(特許文献
1に記載)の空間光変調器の平面図であり、平面上で
は、図30に示すように、方形トーションビーム反射表
面41とビーム支持ポスト42のみが観察される。図3
1は、図30に示した空間光変調器のひとつの回転鏡の
断面図で、図31(A)はヒンジに沿っての断面図、図
31(B)はそれと直角方向の断面図である。ビーム支
持ポスト42は、ポスト45に連結されたヒンジ43の
捻れによって、ビーム41を接地電極44に向けて回転
可能にする。その駆動力はポスト46によって支持され
たアドレス電極47に印加される電圧で与えられる。ア
ドレス電極47への電圧印加は、基板層49に設けられ
たCMOS回路(図示せず)の信号を金属層48を介し
て伝達することにより行われる。ビーム41の回転状態
を回転鏡ごとに変えることによって、入射した光を二次
元的に空間変調することができる。しかしながら、上記
方式においては、大きな回転角を得るために回転鏡の構
造が複雑になっており、製造コストが高くなるという問
題がある。
【0003】その他の光路切替素子として、例えば特許
文献2に開示されている光路切替素子がある。図32
は、前記特許文献2で提案されている光路切替素子の動
作説明図である。この光路切替素子は、光を全反射して
伝達可能な全反射面62を備えた導光部材61と、全反
射面62に対し抽出面72を接近させてエバネッセント
光を捉え、それを反射して出射することができるプリズ
ム71と、このプリズム71を導光部材61に接近させ
又は離すように駆動する駆動部80とを、光の出射方向
に対してこの順番で積層した構成となっている。図32
の右側のセルは、駆動部80を動作させることによって
プリズム71がエバネッセント光の漏出する抽出距離以
上離れた位置にある状態を示している。この時には、導
光部材61中を伝搬してきた光線51は、図32に示さ
れるように、全反射面62で全反射され光線52に示す
ように図の右方向へと出射していく。駆動部80を動作
させない時には、図32の左側のセルのように、プリズ
ム71はエバネッセント光が漏出する抽出距離以下に近
接しているので、導光部材61中を伝搬してきた光線5
1は、図32左側のセルに示されるように、全反射面6
2で反射することなくプリズム71に進入する。プリズ
ム71に進入した光線はプリズムの反射面71aで反射
して、図32に示した光線53のように導光部材61を
透過して出射される。
【0004】上記の方式において、エバネッセント光の
抽出・非抽出という2つの状態をスイッチングするに
は、光の波長程度以下の微小な変位でよいため比較的簡
単な駆動機構を採用することができるが、図32に示し
たようなプリズム71は、その構造が複雑であるため、
複数個を微小なサイズで基板上に均一に形成するのは困
難であり、そのため、製造歩留まりが低下し、コストア
ップにつながるという問題がある。また、プリズム71
を導光部材61,全反射面62に近接させるとファンデ
ルワールス力あるいは液架橋力が作用して、引き剥がし
が困難になるという問題もある。
【0005】さらに、別の光路切替素子として、特許文
献3に開示されている光路切替素子がある。図33は、
前記特許文献3で提案されている光路切替素子の概略構
成を示す図である。全反射により光を伝えている導光体
100に接触させた液晶110に電圧を印加することに
より、液晶分子の配向をコントロールし、それにより実
効的な屈折率を異常光に対する値と常光に対する値の間
で変化させる。この結果、入射光(直線偏光)91が全
反射光92として出射される状態と、透過光となったの
ち反射膜111によって向きを変えられて反射光93と
して出射させる状態とをスイッチングすることができ
る。なお、図33において、101は透明電極、120
は液晶駆動用IC基板、121は電極端子である。
【0006】この方式においては、機械的な駆動部を持
たないため、前述のような問題は生じないが、導光体と
液晶との界面で全反射させるために、導光体を屈折率の
高い材料で作製する必要がある、あるいは光の入射角を
大きくしなければならないという制約があり、材料コス
トが高くなる、あるいは光学系が複雑になったり、光利
用効率が低下するなど実用上好ましくない問題が生じる
可能性がある。さらに、液晶を電界方向に配向させる場
合には電界による力が作用するので高速で配向させるこ
とができるが、電界と垂直な方向に配向させる場合には
配向膜による規制力で配向させているので、配向速度が
遅く、全体としての駆動速度が上がらない、という問題
がある。
【0007】
【特許文献1】特開平5−196880号公報
【特許文献2】特開平11−202222号公報
【特許文献3】特開2000−171813号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決し、応答速度の速い光路切替素子、空間光変調器、
およびそれを用いた画像表示装置を提供することを目的
とする。より具体的には(1)構造が簡単で耐久性や光
利用効率が高く、高速で動作するS/N比の高い光路切
替素子を提供すること(請求項1)、(2)よりS/N
比の高い光路切替素子を提供すること(請求項2)、
(3)安価な材料で構成でき、部材コストの低い光路切
替素子を提供すること(請求項3)、(4)よりS/N
比を高くできる光路切替素子を提供すること(請求項
4)、(5)さらにS/N比を高くできる光路切替素子
を提供すること(請求項5)、(6)よりS/N比を高
くできる光路切替素子を提供すること(請求項6)、
(7)上記に加え、製造が容易な光路切替素子を提供す
ること(請求項7)、(8)上記に加え、駆動エネルギ
ーを小さくできる光路切替素子を提供すること(請求項
8)、(9)さらに、駆動エネルギーを小さくできる光
路切替素子を提供すること(請求項9)、(10)S/
N比の高い光路切替素子の駆動方法を提供すること(請
求項10)、(11)耐久性が高く、S/N比の高い光
路切替素子の駆動方法を提供すること(請求項11)、
(12)構造が簡単で耐久性や光利用効率が高く、S/
N比の高い光路切替素子を提供すること(請求項1
2)、(13)よりS/N比の高い光路切替素子を提供
すること(請求項13)、(14)安価な材料で構成で
き、部材コストの低い光路切替素子を提供すること(請
求項14)、(15)よりS/N比を高くできる光路切
替素子を提供すること(請求項15)、(16)さらに
S/N比を高くできる光路切替素子を提供すること(請
求項16)、(17)よりS/N比を高くできる光路切
替素子を提供すること(請求項17)、(18)上記に
加え、製造が容易な光路切替素子を提供すること(請求
項18)、(19)さらに、駆動エネルギーを小さくで
きる光路切替素子を提供すること(請求項19)、(2
0)さらに製造が容易で、S/N比を高くできる光路切
替素子を提供すること(請求項20)、(21)上記に
加え、応答速度の速い光路切替素子を提供すること(請
求項21)、(22)上記に加え、光損失の小さい光路
切替素子を提供すること(請求項22)、(23)上記
に加え、さらにS/N比を高くできる光路切替素子を提
供すること(請求項23)、(24)構造が簡単で耐久
性が高く、部材コストを低減でき、光利用効率が高く、
S/N比の高い空間光変調器を提供すること(請求項2
4)、(25)よりS/N比を高くできる空間光変調器
を提供すること(請求項25)、(26)耐久性が高
く、低コストで光利用効率が高く、S/N比の高い画像
表示装置を提供すること(請求項26)、(27)より
S/N比を高くできる画像表示装置を提供すること(請
求項27)、をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、導光
部材を介した光入射部と、該光入射部から入った入射光
を反射する反射部と、該反射部で反射した光を前記導光
部材を介して出射光として外部へ出す光出射部とよりな
り、前記反射部を含む光路中に屈折率可変物質を封入
し、該屈折率可変物質に情報に応じて信号を与え屈折率
変化を生じせしめる信号入力手段を具備する光路切替素
子において、該屈折率可変物質が少なくとも液晶を含む
材料からなり、該屈折率可変物質への電界印加方向を、
前記光入射部光入射面の法線方向と該光入射面の接線方
向とで切り替えることができることを特徴としたもので
ある。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記信号による前記屈折率可変物質の屈折率変化
を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可変物質との界
面で透過および全反射する範囲で行うことを特徴とした
ものである。
【0011】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記信号による前記屈折率可変物質の屈折率変化
を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可変物質との界
面で全反射しない範囲で行うことを特徴としたものであ
る。
【0012】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れか一項の発明において、前記光入射部と光出射部とが
互いに平行でない面で構成されていることを特徴とした
ものである。
【0013】請求項5の発明は、請求項3または4の発
明において、前記信号による前記屈折率可変物質の屈折
率変化を、前記反射部で反射した光が前記光出射部にお
いて前記導光部材とそれに接触する外部物質との界面で
全反射する第一の状態と、全反射しない第二の状態とを
取ることができる範囲で行うことを特徴としたものであ
る。
【0014】請求項6の発明は、請求項3乃至5のいず
れか一項の発明において、前記出射光を第二の導光部材
を介して外部へ出すことができる第二の光出射部を設け
ることを特徴としたものである。
【0015】請求項7の発明は、請求項1乃至6のいず
れか一項の発明において、前記光入射部に光学的接合
し、前記導光部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設
けたことを特徴としたものである。
【0016】請求項8の発明は、請求項1乃至7のいず
れか一項の発明において、前記反射部が一辺を共有する
2つの面によって構成され、前記屈折率可変物質に進入
した入射光と前記光入射部を構成する面の法線とのなす
角度の動作範囲における最大値をθ2maxとすると、前記
反射部を構成する少なくとも1つの面の法線と前記光入
射部を構成する面の法線とのなす角度が90°−θ2max
以下であることを特徴としたものである。
【0017】請求項9の発明は、請求項1乃至8のいず
れか一項の発明において、前記反射部が、前記屈折率可
変物質に信号を印加する単位要素に対して、複数組の面
を有していることを特徴としたものである。
【0018】請求項10の発明は、導光部材を介した光
入射部と、該光入射部から入った入射光を反射する反射
部と、該反射部で反射した光を前記導光部材を介して出
射光として外部へ出す光出射部とよりなり、前記反射部
を含む光路中に屈折率可変物質を封入し、該屈折率可変
物質に情報に応じて信号を与え屈折率変化を生じせしめ
る信号入力手段を具備する光路切替素子の駆動方法にお
いて、前記信号として電圧を用い、電圧を印加する電極
を複数設けて、前記屈折率可変物質に印加される電界の
分布を制御することを特徴としたものである。
【0019】請求項11の発明は、請求項10の発明に
おいて、前記屈折率可変物質に印加される電界が概略均
一となるように各電極への印加電圧を制御することを特
徴としたものである。
【0020】請求項12の発明は、導光部材を介した光
入射部と、該光入射部から入った入射光を反射する反射
部と、該反射部で反射した光を前記導光部材を介して出
射光として外部へ出す光出射部とよりなり、前記反射部
を含む光路中に屈折率可変物質を封入し、該屈折率可変
物質に情報に応じて電圧信号を与え屈折率変化を生じせ
しめる信号入力手段を具備する光路切替素子において、
前記電圧信号を印加するための電極を複数設けることを
特徴としたものである。
【0021】請求項13の発明は、請求項12の発明に
おいて、前記電圧信号による前記屈折率可変物質の屈折
率変化を、前記入射光が前記導光部材と前記屈折率可変
物質との界面で透過および全反射する範囲となるように
制御する手段を有することを特徴としたものである。
【0022】請求項14の発明は、請求項12の発明に
おいて、前記電圧信号による前記屈折率可変物質の屈折
率変化を、前記入射光が前記導光部材と前記屈折率可変
物質との界面で全反射しない範囲となるように制御する
手段を有することを特徴としたものである。
【0023】請求項15の発明は、請求項14の発明に
おいて、前記電圧信号による前記屈折率可変物質の屈折
率変化を、前記反射部で反射した光が前記光出射部にお
いて前記導光部材とそれに接触する外部物質との界面で
全反射する第一の状態と、全反射しない第二の状態とを
取ることができる範囲となるように制御する手段を有す
ることを特徴としたものである。
【0024】請求項16の発明は、請求項12乃至15
のいずれか一項の発明において、前記光入射部と前記光
出射部とが互いに平行でない面で構成されていることを
特徴としたものである。
【0025】請求項17の発明は、請求項14乃至16
のいずれか一項の発明において、前記出射光を第二の導
光部材を介して外部へ出すことができる第二の光出射部
を設けたことを特徴としたものである。
【0026】請求項18の発明は、請求項12乃至17
のいずれか一項の発明において、前記光入射部に光学的
接合し、前記導光部材と屈折率が概略等しい平板導光体
を設けたことを特徴としたものである。
【0027】請求項19の発明は、請求項12乃至18
のいずれか一項の発明において、前記反射部が、前記屈
折率可変物質に電圧信号を印加する単位要素に対して、
複数組の面を有していることを特徴としたものである。
【0028】請求項20の発明は、請求項12乃至18
のいずれか一項の発明において、前記屈折率可変物質
は、液晶からなることを特徴としたものである。
【0029】請求項21の発明は、請求項12乃至18
のいずれか一項の発明において、前記屈折率可変物質
は、液晶材料を高分子マトリクス中に分散保持した液晶
/高分子複合体からなることを特徴としたものである。
【0030】請求項22の発明は、請求項21の発明に
おいて、前記液晶は、入射光の波長の1/5以下の粒径
を有するドロップレットであることを特徴としたもので
ある。
【0031】請求項23の発明は、請求項20乃至22
のいずれか一項の発明において、電圧無印加時に全ての
前記液晶の分子が概略一方向に配列していることを特徴
としたものである。
【0032】請求項24の発明は、請求項1乃至9,1
2乃至23のいずれか一項に記載の光路切替素子が二次
元アレイ状に配列されていることを特徴としたものであ
る。
【0033】請求項25の発明は、請求項1乃至9,1
2乃至23のいずれか一項に記載の光路切替素子が一次
元アレイ状に配列されていることを特徴としたものであ
る。
【0034】請求項26の発明は、請求項24に記載の
空間光変調器と、該空間光変調器に光線を入射させる手
段と、該空間光変調器により形成した画像をスクリーン
に投影し表示する手段とを有することを特徴としたもの
である。
【0035】請求項27の発明は、請求項25に記載の
空間光変調器と、該空間光変調器に光線を入射させる手
段と、該空間光変調器から出射した光線を該空間光変調
器の光路切替素子の整列方向に対して垂直な方向に走査
する走査機構と、該走査機構から出射した光線をスクリ
ーンに投影し表示する手段とを有することを特徴とした
ものである。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は導光部材を介した
光入射部と、該光入射部から入った入射光を反射する反
射部と、該反射部で反射した光を、前記導光部材を介し
て出射光として外部へ出す光出射部とよりなり、前記反
射部を含む光路中に屈折率可変物質を封入し、該屈折率
可変物質に情報に応じて信号を与え屈折率変化を生じせ
しめる信号入力手段を具備する光路切替素子において、
該屈折率可変物質が少なくとも液晶を含む材料からな
り、該屈折率可変物質への電界印加方向を、おおむね光
入射部の光入射面の法線方向と該光入射面の接線方向と
で切り替えることができることを特徴とする光路切替素
子にある。
【0037】ここで、導光部材の屈折率をn1、屈折率
可変物質の屈折率をn2とし、導光部材中を透過する光
が光入射部を構成する面の法線とのなす角度(入射角)
をθ1、入射光が屈折率可変物質中に進入する際に前記
光入射部を構成する面の法線とのなす角度(屈折角)を
θ2とすると、スネルの法則により、以下の式が成り立
つ。 sinθ2/sinθ1=n1/n2 …(1) 外部信号によってn2が変化すると、(1)式に従って
θ2が変化し、その結果、反射部での反射角が変わる、
あるいはn2がn1よりも小さくなり以下の式(2)を満
足する場合には、入射光は導光部材と屈折率可変物質と
の界面で全反射する。 n1sinθ1>n2 ・・・(2)
【0038】これにより所定の位置で光出力を検出すれ
ば、n2の変化に伴って光出力が変化することになり、
信号印加による光スイッチングが可能となる。本発明で
は、屈折率可変物質として、少なくとも液晶を含む材料
を用いるので、屈折率を変化させるための信号としては
電圧を印加することになる。このとき電界の印加方向と
して、おおむね光入射部の光入射面の法線方向と該光入
射面の接線方向とで切り替えられるようにする。これに
よって、屈折率可変物質中の液晶分子の方向を、信号に
応じて光入射部の法線方向および接線方向に制御できる
ので、高速な光路切替素子を実現できる(請求項1)。
前記信号による前記屈折率可変物質の屈折率変化を、前
記入射光が前記導光部材と屈折率可変物質との界面で透
過および全反射する範囲で行うので、高いS/N比を得
ることができる(請求項2)。
【0039】前記信号による前記屈折率可変物質の屈折
率変化を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可変物質
との界面で全反射しない範囲で行うことで、導光部材の
屈折率の制約が少ないため、安価な材料を用いてデバイ
スおよびシステムを実現することができる(請求項
3)。また、信号による屈折率可変物質の屈折率変化
を、反射部で反射した光が光出射部において導光部材と
それに接触する外部物質との界面で全反射する第一の状
態と、全反射しない第二の状態とを取ることができる範
囲で行うことが好ましい。この場合、θ2の変化量に比
べて出射角の変化量が非常に大きくなり、さらに高いS
/N比が得られる(請求項5)。
【0040】上記において、光入射部と光出射部とが互
いに平行でない面で構成されていることが好ましい。こ
のようにすることにより出射角の変化量をより大きくす
ることができるので、より高いS/N比が得られる(請
求項4)。出射光を第二の導光部材を介して外部へ出す
ことができる第二の光出射部を設けることが好ましい。
光出射部から出射した光は、再び第二の導光部材に入射
し、第二の光出射部から出射するため、S/N比の高い
光路切替素子を提供できる(請求項6)。
【0041】さらに上記において、光入射部に光学的接
合し、導光部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設け
ることが製造の容易さから好ましい。この場合、平板導
光体と反射部材とこの間に狭持された屈折率可変物質と
によって構成されるデバイスを作製した後に、導光部材
を光学的に接触させればよいので、複雑な形状の導光部
材を用いてデバイスを作製するよりは格段に製造が容易
となる(請求項7)。
【0042】反射部が一辺を共有する2つの面によって
構成され、光入射部から屈折率可変物質に進入した入射
光と光入射部を構成する面の法線とのなす角度の動作範
囲における最大値をθ2maxとすると、反射部を構成する
少なくとも1つの面の法線と光入射部を構成する面の法
線とのなす角度が90°−θ2max以下であることが好ま
しい。このようにすることによって反射部から光入射部
までの距離を小さくすることができるので、屈折率可変
物質に与えるエネルギー(駆動エネルギー)を小さくす
ることができる(請求項8)。
【0043】さらに、反射部が、屈折率可変物質に信号
を印加する単位要素に対して、複数組の面を有している
ことが好ましい。このようにすることによって反射部か
ら光入射部までの距離をさらに小さくすることができる
ので、駆動エネルギーをより小さくすることができる
(請求項9)。
【0044】また、本発明の特徴は導光部材を介した光
入射部と、該光入射部から入った入射光を反射する反射
部と、該反射部で反射した光を、前記導光部材を介して
出射光として外部へ出す光出射部とよりなり、前記反射
部を含む光路中に屈折率可変物質を封入し、該屈折率可
変物質に情報に応じて信号を与え屈折率変化を生じせし
める信号入力手段を具備する光路切替素子の駆動方法に
おいて、信号として電圧を用い、電圧を印加する電極を
複数設けて、屈折率可変物質に印加される電界の分布を
制御することを特徴とする光路切替素子の駆動方法にあ
る(請求項10)。
【0045】また、前記屈折率可変物質に印加される電
界が概略均一となるように各電極への印加電圧を制御す
ることが、光路切替素子の耐久性およびS/N比向上に
は好ましい(請求項11)。
【0046】本発明の特徴はさらに、導光部材を介した
光入射部と、該光入射部から入った入射光を反射する反
射部と、該反射部で反射した光を、前記導光部材を介し
て出射光として外部へ出す光出射部とよりなり、前記反
射部を含む光路中に屈折率可変物質を封入し、該屈折率
可変物質に情報に応じて電圧信号を与え屈折率変化を生
じせしめる信号入力手段を具備する光路切替素子におい
て、電圧信号を印加するための電極を複数設けることを
特徴とする光路切替素子にある(請求項12)。
【0047】屈折率可変物質は、信号として何らかのエ
ネルギーを与えることによって屈折率が変化するもので
あり、与えられるエネルギーの形態は光、熱、電界、応
力などがある。信号として光を用いる場合には光によっ
て屈折率が変化するフォトリフラクティブ材料を屈折率
可変物質として使用することができ、電界を用いる場合
には電界によって屈折率が変化する電気光学材料を使用
することができる。また、物質の屈折率は一般に温度に
よって変化するので、屈折率の温度係数の大きな材料を
使って熱による屈折率制御を行うことが可能である。さ
らに、応力を印加することによって複屈折が発生する光
弾性という現象を利用することで、応力による屈折率制
御を行うことも可能である。
【0048】これら各種の材料のうち、制御のしやすさ
から電界によって屈折率が変化する電気光学材料が、よ
り好適に使用できる。電気光学材料としてはポッケルス
効果を示すLiNbO3やカー効果を示すBaTiO3
PLZTなどの固体結晶、また液晶などが挙げられる。
【0049】本発明では信号として電圧を用い、電圧を
印加する電極を複数設けて、屈折率可変物質に印加され
る電界の分布を制御するので、屈折率可変物質の屈折率
分布を制御することができるので、出射光の方向を精密
に制御することができ、良好なS/N比の光路切替を行
うことができる。また、屈折率可変物質に印加される電
界強度の分布を概略均一に制御すれば、電極間隔が不均
一な場合でも、絶縁破壊が発生するおそれが小さく、良
好なS/N比の光路切替を行うことができる。さらに、
電圧信号を印加するための電極を複数設けるので、屈折
率可変物質へ印加する電界強度の分布を簡易な構成で概
略均一にすることが可能となる。
【0050】前記電圧信号による前記屈折率可変物質の
屈折率変化を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可変
物質との界面で透過および全反射する範囲で行うので、
高いS/N比を得ることができる(請求項13)。
【0051】前記電圧信号による前記屈折率可変物質の
屈折率変化を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可変
物質との界面で全反射しない範囲で行うことで、導光部
材の屈折率の制約が少ないため、安価な材料を用いてデ
バイスおよびシステムを実現することができる(請求項
14)。
【0052】また、電圧信号による屈折率可変物質の屈
折率変化を、反射部で反射した光が光出射部において導
光部材とそれに接触する外部物質との界面で全反射する
第一の状態と、全反射しない第二の状態とを取ることが
できる範囲で行うことが好ましい。この場合、θ2の変
化量に比べて出射角の変化量が非常に大きくなり、さら
に高いS/N比が得られる(請求項15)。
【0053】上記において、光入射部と光出射部とが互
いに平行でない面で構成されていることが好ましい。こ
のようにすることにより出射角の変化量をより大きくす
ることができるので、より高いS/N比が得られる(請
求項16)。
【0054】出射光を第二の導光部材を介して外部へ出
すことができる第二の光出射部を設けることが好まし
い。光出射部から出射した光は、再び第二の導光部材に
入射し、第二の光出射部から出射するため、S/N比の
高い光路切替素子を提供できる(請求項17)。
【0055】さらに上記において、光入射部に光学的接
合し、導光部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設け
ることが製造の容易さから好ましい。この場合、平板導
光体と反射部材とこの間に狭持された屈折率可変物質と
によって構成されるデバイスを作製した後に、導光部材
を光学的に接触させればよいので、複雑な形状の導光部
材を用いてデバイスを作製するよりは格段に製造が容易
となる(請求項18)。
【0056】さらに、反射部が、屈折率可変物質に電圧
信号を印加する単位要素に対して、複数組の面を有して
いることが好ましい。このようにすることによって反射
部から光入射部までの距離をさらに小さくすることがで
きるので、駆動エネルギーをより小さくすることができ
る(請求項19)。
【0057】屈折率可変物質として用いる電気光学材料
として、電界強度あたりの屈折率変化量が大きいことお
よび流動性があることから液晶材料がより好ましい。屈
折率変化量が大きいことにより、θ2の変化量を大きく
することができ、その結果出射角の変化量を大きくする
ことができるので、高いS/N比を得ることができる。
また、流動性があることにより導光部材(あるいは平板
導光体)および反射部への光学的接触を容易に実現する
ことができる(請求項20)。
【0058】屈折率可変物質として、液晶/高分子複合
体を用いることが応答速度の点から好ましい。このよう
な液晶/高分子複合体として、液晶ドロップレットを高
分子マトリクス中に分散した、いわゆる高分子分散液晶
が好適に使用できる。高分子分散液晶の応答速度は液晶
ドロップレットの粒径を小さくするにつれて速くなるこ
とが実験的にわかっており、特に入射光の波長の1/5
以下の粒径にすることが、散乱が減少し光透過率が高く
なる、すなわち光損失が著しく小さくなることから好ま
しい。なお、ここでいう粒径とは構造体を代表する粒径
であって、通常は電子顕微鏡写真等によって計測された
平均粒径が好適に使用される(請求項21、請求項2
2)。
【0059】上記の液晶は電圧無印加時に全ての液晶分
子が概略一方向に配列していることが好ましい。この方
向を電圧印加時に液晶分子が揃う方向(電界方向)とほ
ぼ直交させることにより大きな屈折率差が得られるた
め、θ2の変化量を大きくすることができ、その結果出
射角の変化量を大きくすることができるので、高いS/
N比を得ることができる(請求項23)。
【0060】本発明による光路切替素子を一次元もしく
は二次元に配列することで空間光変調器を構成すること
ができる。このような空間光変調器は構造が簡単であ
り、また使用する部材の制約が少ないために、耐久性が
高く安価なものとなる。一次元に配列した空間光変調器
は光路切替素子の配列方向に垂直な方向に走査する走査
機構を用いることで二次元の空間光変調ができるが、一
次元の空間光変調器は二次元の空間光変調器に比べて安
価であるため、より低コストとなる(請求項24、請求
項25)。上記の空間光変調器と、光線入射手段および
空間光変調器により形成した画像をスクリーンに拡大投
影する手段を設けることにより、耐久性が高く安価な画
像表示装置を構成することができる(請求項26、請求
項27)。
【0061】以下に添付された図面を参照しながら本発
明の実施形態を具体的に説明する。なお、実施形態を説
明するための全図において、同様の機能を有する部分に
は同じ符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0062】<実施の形態1>図1は、本発明の第1の
実施の形態を説明するための図で、図中、1は、ガラ
ス、プラスチック等からなる光学的に透明な導光部材
で、該導光部材1は光源からの光線を屈折率可変物質5
に入射させる光入射部3、反射部15で反射した光線を
導光部材1の外部へと出射させる光出射部4を有してい
る。この例では光入射部3を構成する面と光出射部4を
構成する面とは平行となっている。反射部15を含む反
射基板6はSi、ガラス等からなる基板9上にガラス、
プラスチックまたは酸化シリコン、窒化シリコン、酸化
アルミニウム等のセラミックス等からなる絶縁体8で傾
斜面tを形成した後、図示するようにAl、Ag等から
なる高反射率の金属膜7(基板電極)を真空蒸着、スパ
ッタリング等の公知の方法で形成して得ることができ
る。また、必要に応じてフォトリソエッチングによりパ
ターンニングしてもよい。
【0063】上記金属膜7は個別に信号電圧を印加でき
るようにする。この金属膜7のうち、傾斜面tに形成し
た金属膜7は光の反射膜としても機能する。基板9には
金属膜7に信号電圧を印加するための駆動素子等を形成
するのが望ましい。なお、金属膜7の形成位置は図1の
位置だけとは限らない。図2は、本発明の光路切替素子
の金属膜の他の構成例を示す図で、例えば、図2では傾
斜面tの下部に水平面hを設け、傾斜面tと水平面hに
電極となる金属膜7を設けている。また、図3は、光路
切替素子の金属膜の更に他の構成例を示す図で、図3
(A)に示すように傾斜面tに二つの電極となる金属膜
7を設けている。図3の場合には横方向の電界は図3
(B)の紙面垂直方向に印加されるので、液晶分子は図
3(B)のように紙面垂直方向に配向する。
【0064】反射基板6としては、絶縁体8が基板9を
兼ねる構成や金属板を基板として直接傾斜面tを形成す
る構成等も可能である。好適な傾斜面tの形成方法の一
例を挙げれば、面積階調もしくは濃度階調のパターンを
形成したフォトマスクを用いてパターンニングしてドラ
イエッチングを行う異方性エッチング法がある。屈折率
可変物質5は少なくとも液晶を含む材料からなる。液晶
材料としてはネマチック液晶、スメクティック液晶、コ
レステリック液晶等を用いることができ、単一もしくは
2種類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も
含んだ混合物であってもよい。また、液晶材料を高分子
マトリクス中に分散保持した液晶/高分子複合体であっ
てもよい。
【0065】光入射部3には屈折率可変物質5に電圧を
印加するためのITO等からなる透明電極10が設けら
れている。エポキシ樹脂等からなるシール剤11を形成
して、屈折率可変物質5を保持してもよい。このとき傾
斜面tに対向するシール剤部もしくは、反射基板6に
は、例えば図1に示すように傾斜面tに設けた基板電極
の対向電極となる電極(金属膜7)をスパッタや蒸着に
よって形成する。作製工程の一例を示せば、導光部材1
(もしくは反射基板6)の周辺部に熱硬化性のエポキシ
樹脂などのシール剤を一部に開口部(注入孔)を残して
印刷した後、反射基板6(もしくは導光部材1)を貼り
合わせて加熱硬化する。注入孔から液晶とプレポリマー
とを混合した材料を注入した後、孔を接着剤で塞ぎ、プ
レポリマーを熱や紫外線などで重合すれば完成する。
【0066】二つの基板電極7および一つの透明電極1
0に印加する電圧を変えることで、印加電界の方向を、
おおむね光入射部3の法線方向(該光入射部3を構成す
る光入射面の法線方向)および光入射部3の接線方向
(該光入射面の接線方向)に制御することができる。電
圧の印加パターンの一例を図4に示す。図4(A)では
基板電極7の一方に−U(V)、もう一方に+U
(V)、透明電極10に0(V)を印加している。この
ときには図に示すように傾斜面tと光入射部3との間の
電気力線は、光入射部3に対してほぼ並行になる。図4
(B)に示すように二つの基板電極7に+U(V)、透
明電極10に0(V)を印加すると傾斜面tと光入射部
3との間の電気力線Eは光入射部3の法線方向となる。
以上のように電圧の印加の仕方によって電界の方向を制
御でき、液晶分子の配向方向を変えることが可能とな
る。液晶分子を縦方向に配向させる場合にも横方向に配
向させる場合にも電界による力が作用するので、配向膜
を使った通常の液晶素子に比べて動作が高速となる。
【0067】図1(A)は、n2がn1よりも小さくなり
式(2)が成り立つ場合である。このとき、入射光は透
明電極10と屈折率可変物質5との界面で全反射し、素
子の右方へ出射する。また、図1(B)は屈折率可変物
質5の屈折率n2が導光部材1の屈折率n1より大きい場
合で、屈折角θ2は式(1)に従って入射角θ1より小さ
くなる。反射部15を構成する面の法線と光入射部3を
構成する面(光入射面)の法線とのなす角度=反射部1
5を構成する面の傾斜角αをα=θ2/2=に設定して
おけば、反射光は光入射部3に垂直に入射し出射する。
図1(B)の出射光が検出面に垂直に入射するように光
検出器13を設置すると、図1(B)の場合には検出さ
れる(オン状態)が、図1(A)の場合には検出されず
(オフ状態)、良好なS/N比が得られる。また、液晶
分子12の配向状態を図1(A)、図1(B)で切り替
えるときに、常に電界による力をかけるため高速な駆動
を行うことができる。
【0068】具体的な例を示す。導光部材1を重フリン
トガラスSFS1(nd=1.918)で作製した。屈
折率可変物質5は、ネマチック液晶E7(常光屈折率n
o=1.522,異常光屈折率ne=1.746)を用い
た。入射光取込部14と光入射部3とのなす角ψを60
°とする。電界印加が図4(A)の場合には液晶材料E
7の配向状態は図1(A)のようになる。この状態でレ
ーザ光(波長633nm)をP偏光として入射光取込部
14に垂直すなわちθ1=60°で入射させると、この
光に対する液晶の屈折率はne・no/(no2cos2
θ1+ne2sin2θ11/2=1.570となるので式
(2)にしたがって入射光は光入射部3で全反射し、図
1(A)に示すように図中右方へ出射する。
【0069】一方、図4(B)の電界印加状態では液晶
分子12の配向状態は図1(B)のようになる。この光
に対しては液晶の屈折率はne・no/(no2sin2
θ1+ne2cos2θ11/2=1.681となるので、式
(1)に従ってθ2=81°となる。α=40.5°に設
定すると反射部15で反射し、光出射部4から垂直に出
射し、出射光は光検出器13に入射して検出される。
【0070】以上のようにして高速でかつ、高いS/N
比の光路切替素子を得ることができる。なお上記におい
ては、入射光をP偏光としたが、S偏光であってもよ
く、その場合には電圧印加時と無印加時の光の振る舞い
が逆になる。P偏光を用いると界面反射損失が減少する
ので、光利用効率の点ではより好ましい。また、図3の
電極構成の場合には、光入射部3の光入射面の接線方向
に電界を印加した場合の液晶の配向方向が図1(A)の
場合とは垂直になるので、入射光の偏光方向に対する光
の振る舞いが変わる。
【0071】<実施の形態2>図5は、本発明の第2の
実施形態を説明するための図である。光入射部3には屈
折率可変物質5に電圧を印加するためのITO等からな
る透明電極10が設けられている。エポキシ樹脂等から
なるシール剤11を形成して、保持してもよい。作製工
程の一例を示せば、導光部材1(もしくは反射基板6)
の周辺部に熱硬化性のエポキシ樹脂を一部に開口部(注
入孔)を残して印刷した後、反射基板6(もしくは導光
部材1)を貼り合わせて加熱硬化する。注入孔から液晶
とプレポリマーとを混合した材料を注入した後、孔を接
着剤で塞ぎ、プレポリマーを熱や紫外線などで重合すれ
ば完成する。
【0072】図5(A)は、屈折率可変物質5の屈折率
2が導光部材1の屈折率n1より大きい場合で、屈折角
θ2は式(1)に従って入射角θ1より小さくなる。反射
部15を構成する面の法線と光入射部3を構成する面
(光入射面)の法線とのなす角度=反射部15を構成す
る面の傾斜角αをα=θ2/2に設定しておけば、反射
光は光入射部3に垂直に入射し出射する。
【0073】図5(B)は、n2がn1と概略同程度の場
合でθ2はθ1にほぼ等しいため図5(A)の時よりも反
射角が大きくなり、反射光は光出射部4に対して概略φ
1=θ1−θ2の角度で入射し、導光部材1に接触してい
る外部物質2が空気(na=1)の場合には出射角φ2
sin-1(n1sinφ1)で出射する。図5(A)の出
射光が検出面に垂直に入射するように光検出器13を設
置すると、図5(A)の場合には検出される(オン状
態)が、図5(B)の場合にはほとんど検出されず(オ
フ状態)、良好なS/N比が得られる。
【0074】具体的な例を示す。導光部材1をクラウン
ガラスBK7(nd=1.517)で作製した。屈折率
可変物質5は、ネマチック液晶E7(常光屈折率no=
1.522,異常光屈折率ne=1.746)を用いた。
入射光取込部14と光入射部3(光入射部を構成する光
入射面)とのなす角ψを60°とする。図5(B)の状
態でレーザ光(波長633nm)をP偏光として入射光
取込部14に垂直すなわちθ1=60°で入射させる
と、屈折率可変物質5の屈折率は1.681となるの
で、式(1)に従ってθ2=51°となる。α=25.5
°に設定すると反射光は光出射部4に対して垂直に出射
する。図5(A)のときには1.570となるのでθ2
57°となる。φ1は約6°となり出射角φ2は約9°で
出射する。第1の実施形態では透明電極10と屈折率可
変物質5との界面で全反射させるため、導光部材1とし
て光学的に透明で屈折率の大きい材料を用いる必要があ
った。しかし光学的に透明でしかも屈折率の大きい材料
はコストが高いという問題がある。本実施形態では第1
の実施形態のように透明電極10と屈折率可変物質5と
の界面での全反射を使わないため、BK7等の屈折率が
小さくコストの安い導光部材1を用いることができる。
以上のようにして安価に、高速でかつS/N比の高い光
路切替素子を得ることができる。
【0075】<実施の形態3>図6は、本発明の第3の
実施形態を説明するための図である。本実施形態の光路
切替素子は、第2の実施形態と異なり、光入射部3を構
成する面と光出射部4を構成する面が平行ではない。光
出射部4を構成する面と光入射部3を構成する面とのな
す角βをβ=40°に設定してある。そのほかは第2の
実施形態と同じである。入射光を入射光取込部14に対
して垂直に入射させると、図6(B)の場合には光出射
部4より出射角φ2は77°で出射する。図6(A)の
場合には出射光の出射角はφ2=58°となって光検出
器13で検出される。この場合、図6(A)と図6
(B)とで出射角の差が19°と、第2の実施形態に比
べて大きくなるので、出射エリアが大きい場合でも漏れ
光が検出されることが少なくなり、S/N比の低下を少
なくすることができる。
【0076】<実施の形態4>図7は、本発明の第4の
実施の形態を説明するための図である。本実施形態の基
本的な構成は第3の実施の形態と同様であるが、光出射
部4を構成する面と光入射部3を構成する面とのなす角
βをβ=45°と大きくしている。図7(B)の時には
反射光は光出射部4に対してφ1=45°で入射する。
この時外部物質2が空気(na=1)の場合には下式
(3)を満たすので、反射光は光出射部4において全反
射する。 sinφ1≧na/n1 …(3) 図7(A)のときにはφ2=73°で出射する。この場
合出射角の差は180°−(45°+56°)=62°
となるので、ほとんど漏れ光を検出することはなく、高
いS/N比を得ることができる。
【0077】<実施の形態5>図8は、本発明の第5の
実施の形態を説明するための図である。図8において、
16は導光部材1と同じ材質からなる第二の導光部材
で、17は出射光を第二の導光部材16を介して外部へ
出すことができる第二の光出射部である。この例では光
出射部4と第二の導光部材16(ともに入射光の波長程
度の平滑度で仕上げている)をラフに密着させることに
よって、入射光の波長程度の空隙(空気層)を持たせて
いる。また、第二の光出射部17を構成する面(光出射
面)は入射部3を構成する面(光入射面)とほぼ平行と
なるようにしている。また、光入射面と光出射面とのな
す角βはβ=39°、反射部15を構成する面の傾斜角
αをα=28.5°とした。その他の設定は第4の実施
形態と同様である。
【0078】図8(A)の時には、光出射部4から出射
した光はほぼ直進(実際には波長程度平行移動する)し
て、再び第二の導光部材16に入射し、第二の光出射部
17から波長による光路のずれなく垂直に出射する。図
8(B)の時には、第4の実施形態と同様に反射部15
で反射した光は光出射部4と空隙部(光出射部4と第二
の導光部材16との間の空隙部)の空気層との界面で全
反射する。この場合図8(A)と図8(B)とで出射角
の差が90°を超えるので、漏れ光を検出することはな
く、非常に高いS/N比を得ることができる。
【0079】<実施の形態6>図9は、本発明の第6の
実施の形態を説明するための図で、図中、18は導光部
材1と屈折率が概略等しい平板導光体で、導光部材1と
は光学的接合がなされている。本実施形態のその他の構
成は第4の実施形態と同様であり、動作原理も同じであ
る。光学的接合とは、両部材間の間隙が使用する光の波
長に比べて充分に小さいほどに密着している状態であっ
て、具体的には、流動性のある物体を両者間に介在させ
ることによって得ることができる。流動性のある物体は
両部材との密着を確保した後に固化しても構わない。よ
り具体的には、流動性のある物体として、屈折率が概略
導光部材1および平板導光体18と等しい揮発性の低い
液体あるいは光硬化性接着剤を用いるのが好適である。
この実施形態においては、屈折率可変物質5と接するの
は平板導光体18であるので、透明電極10は平板導光
体18上に形成される。この場合導光部材1の接合は最
後に行えばよいので、デバイスの主要部分の作製を複雑
な形状の導光部材を用いないで行うことができるため、
歩留まりが向上し、コストを低減することができる。
【0080】<実施の形態7>図10は、本発明の第7
の実施の形態を説明するための図で、この場合、反射部
15が一辺を共有する2つの面(反射面15aおよび逆
傾斜面15b)によって構成され、屈折率可変物質5に
進入した入射光と光入射部3を構成する面の法線とのな
す角度(屈折角)θ2の動作範囲における最大値をθ
2maxとすると、前記反射部15を構成する少なくとも1
つの面(この例では逆傾斜面15b)の法線と前記光入
射部3を構成する面(光入射面)の法線とのなす角度=
逆傾斜面15bの傾斜角γが90°−θ2max以下となっ
ている。その他の構成は第4の実施形態と同様である。
この場合、θ2max=θ1=60°であるので、γを30
°以下に設定すると、光入射部3における入射光の照射
エリアAは第1の実施形態と同じであるため、反射面1
5aの底辺から導光部材1の光入射部3までの距離、す
なわち屈折率可変物質5の最大層厚tmaxを小さくする
ことができ、駆動電圧を低くすることができる。
【0081】<実施の形態8>図11は、本発明の第8
の実施の形態を説明するための図で、この場合、図10
の実施形態における照射エリアAに対向する領域に反射
面15aおよび逆傾斜面15bを複数組(図11では2
組)設けている。図12(A)のように電圧を印加する
と、電気力線Eに示すようにおおむね光入射部3の接線
方向(光入射部を構成する光入射面の接線方向)に電界
が印加されるので、図11(A)のように液晶分子12
が配向する。また、図12(B)のように電圧を印加す
ると、電気力線Eに示すようにおおむね光入射部3の法
線方向(光入射部を構成する光入射面の接線方向)に電
界が印加されるので、図11(B)のように液晶分子1
2が配向する。図11から明らかなように、照射エリア
Aが図10と等しい場合には、tmaxがさらに小さくな
り、より駆動電圧を低減できる。
【0082】<実施の形態9>図13は、本発明の第9
の実施の形態を説明するための図で、図中、1は、ガラ
ス、プラスチック等からなる光学的に透明な導光部材
で、該導光部材1は光源からの光線を屈折率可変物質5
に入射させる光入射部3、反射部15で反射した光線を
導光部材1の外部へと出射させる光出射部4を有してい
る。この例では光入射部3を構成する面と光出射部4を
構成する面とは平行となっている。反射部15を含む反
射基板6はSi、ガラス等からなる基板9上にガラス、
プラスチックまたは酸化シリコン、窒化シリコン、酸化
アルミニウム等のセラミックス等からなる絶縁体8で傾
斜面を形成した後、傾斜面にAl、Ag等からなる高反
射率の金属膜7を真空蒸着、スパッタリング等の公知の
方法で形成する。また、必要に応じてフォトリソエッチ
ングによりパターンニングしてもよい。この金属膜7は
電極としても作用する。基板9には金属膜7に信号電圧
を印加するための駆動素子等を形成するのが望ましい。
【0083】本発明では電圧信号を印加する電極を複数
設けて、屈折率可変物質5に印加される電界が概略均一
になるように各電極への印加電圧を制御する。そのため
に例えば電圧信号を印加する金属膜7を、入射光の入射
面に平行な方向(図13の紙面に平行な面)、すなわち
傾斜面方向に複数に分割して形成する。あるいは光入射
部3に設けられる透明電極10を対向する傾斜面tの傾
斜方向に対して複数に分割して形成しても良い。
【0084】電圧の印加は、各電極にそれぞれ独立に電
圧を印加しても良いし、抵抗体で電圧を分割して印加し
てもよい。それぞれの電極に独立に電圧を印加する場合
には、各電極ごとにドライバICを設ける必要がある
が、各電圧を細かく制御することが可能である。また抵
抗体で電圧を分割する場合には、各透明電極10に印加
する電圧を独立に制御することはできないが、少ないド
ライバICで駆動することができる。
【0085】透明電極側10を分割して抵抗体で電圧を
分割して印加する場合には、図14に示すように低抵抗
の透明電極130をストライプ状に蒸着し、それらの両
端を高抵抗透明電極131でつなぐ。高抵抗透明電極1
31の両端に設けた電圧印加部AおよびBの間に電圧を
印加すると高抵抗透明電極131に電位勾配が発生し、
これによって印加電圧が分割されて各低抵抗透明電極1
30に印加される。高抵抗透明電極131の抵抗値分布
を制御することで屈折率可変物質5中の電界強度を概略
均一にすることができる。高抵抗透明電極131の抵抗
値は透明電極の膜厚をかえることで制御することが可能
である。また、電極を分割せずに設けた場合には、透明
電極10と金属膜7との間のギャップが狭い部分での電
界強度が高くなりすぎて絶縁破壊を起こすおそれがあっ
たが、本発明の場合には概略均一な電界を印加できるの
でこのような問題も発生しなくなる。
【0086】反射基板6としては、絶縁体8が基板9を
兼ねる構成や金属板を基板として直接傾斜面tを形成す
る構成等も可能である。好適な傾斜面tの形成方法の一
例を挙げれば、面積階調もしくは濃度諧調のパターンを
形成したフォトマスクを用いてパターンニングしてドラ
イエッチングを行う異方性エッチング法がある。
【0087】屈折率可変物質5としては、液晶が好適に
使用できる。液晶材料としてはネマチック液晶、スメク
ティック液晶、コレステリック液晶等を用いることがで
き、単一もしくは2種類以上の液晶性化合物や液晶性化
合物以外の物質も含んだ混合物であってもよい。光入射
部3には屈折率可変物質5に電圧を印加するためのIT
O等からなる透明電極10が設けられている。屈折率可
変物質5が液晶のように流動性のある材料からなる時に
は、エポキシ樹脂等からなるシール剤11を形成して、
保持するのがよい。作製工程の一例を示せば、導光部材
1(もしくは反射基板6)の周辺部に熱硬化性のエポキ
シ樹脂を一部に開口部(注入孔)を残して印刷した後、
反射基板6(もしくは導光部材1)を貼り合わせて加熱
硬化する。注入孔から液晶を注入した後、孔を接着剤で
塞ぎ、プレポリマーを熱や紫外線などで重合すれば完成
する。
【0088】図13(A)は、屈折率可変物質5の屈折
率n2が導光部材の屈折率n1より大きい場合で、屈折角
θ2は式(1)に従って入射角θ1より小さくなる。反射
部を構成する面の法線と光入射部を構成する面の法線と
のなす角度=反射部を構成する面の傾斜角αをα=θ2
/2に設定しておけば、反射光は光入射部3に垂直に入
射し出射する。
【0089】図13(B)は、n1がn2よりも小さくな
り式(2)が成り立つ場合である。このとき、入射光は
透明電極10と屈折率可変物質5との界面で全反射し、
図13(B)の右方へ出射する。図13(A)の出射光
が検出面に垂直に入射するように光検出器13を設置す
ると、図13(A)の場合には検出される(オン状態)
が、図13(B)の場合には検出されず(オフ状態)、
良好なS/N比が得られる。
【0090】具体的な例を示す。導光部材1を重フリン
トガラスSFS1(nd=1.918)で作製した。屈
折率可変物質5は、ネマチック液晶BL24(常光屈折
率no=1.5132,異常光屈折率ne=1.717
4)とした。液晶分子は図示しない配向膜によって図1
3(A)に示すように、光入射部3に対して水平で紙面
に垂直な方向にあらかじめ配向させておく。配向膜とし
てはSiO、ポリイミド等の公知の材料が使用でき、少
なくとも透明電極10および金属膜7の表面に形成する
のが好ましい。透明電極10はITOを図14に示した
パターンで形成した。
【0091】低抵抗透明電極130の幅は30μm、低
抵抗透明電極130の間隔は5μmとし、3ライン形成
した。また高抵抗透明電極131は電圧印加部Aおよび
電圧印加部Bとの間の抵抗値が9kΩとなるように形成
した。導光部材1と反射基板6とを張り合わせるときに
透明電極10と金属膜7との間の最小ギャップが1μm
となるようにした。また、傾斜面tの高さは76μmと
した。このときα=36°となる。
【0092】入射光取込部14と光入射部3とのなす角
ψを60°とし、図13(A)の状態でレーザ光(波長
633nm)をS偏光として入射光取込部14に垂直す
なわちθ1=60°で入射させると、屈折率可変物質5
の屈折率はn2=ne=1.7174となるので、式
(1)に従ってθ2=72°となる。α=36°なので
反射光は光出射部4に対して垂直に出射して光検出器1
3に入射した。
【0093】透明電極10の電圧印加部のうち、反射部
15とのギャップが狭い側の電圧印加部に8V、反射部
とのギャップが広い側の電圧印加部に52Vの電圧を印
加すると、屈折率可変物質5中の電界強度はほぼ一定
(0.8V/μm)となり、入射光は図13(B)のよ
うに透明電極10と屈折率可変物質5との界面で全反射
した。全反射した光は、図13(B)に示すように導光
部材1の右側より出射した。以上のようにして高速でか
つ、高いS/N比の光路切替素子を得ることができる。
【0094】なお上記においては、入射光をS偏光とし
たが、P偏光であってもよく、その場合には電圧印加時
と無印加時の光の振る舞いが逆になる。P偏光を用いる
と界面反射損失が減少するので、光利用効率の点ではよ
り好ましい。
【0095】<実施の形態10>本発明の第10の実施
形態を図15に基づき説明する。光入射部3には屈折率
可変物質5に電圧を印加するためのITO等からなる透
明電極10が設けられている。屈折率可変物質5が液晶
のように流動性のある材料からなる時には、エポキシ樹
脂等からなるシール剤11を形成して、保持するのがよ
い。作製工程の一例を示せば、導光部材1(もしくは反
射基板6)の周辺部に熱硬化性のエポキシ樹脂を一部に
開口部(注入孔)を残して印刷した後、反射基板6(も
しくは導光部材1)を貼り合わせて加熱硬化する。注入
孔から液晶を注入した後、穴を接着剤で塞げば完成す
る。
【0096】図15(A)は、屈折率可変物質5の屈折
率n2が導光部材の屈折率n1より大きい場合で、屈折角
θ2は前述の式(1)に従って入射角θ1より小さくな
る。反射部15を構成する面の法線と光入射部3を構成
する面の法線とのなす角度=反射部15を構成する面の
傾斜角αをα=θ2/2に設定しておけば、反射光は光
入射部3に垂直に入射し出射する。
【0097】図15(B)はn2がn1と概略同程度の場
合でθ2はθ1にほぼ等しいため図15(A)の時よりも
反射角が大きくなり、反射光は光出射部4に対して概略
φ1=θ1−θ2の角度で入射し、導光部材に接触してい
る外部物質2が空気(na=1)の場合には出射角φ2
sin−1(n1sinφ1)で出射する。図15(A)
の出射光が検出面に垂直に入射するように光検出器13
を設置すると、図15(A)の場合には検出される(オ
ン状態)が、図15(B)の場合にはほとんど検出され
ず(オフ状態)、良好なS/N比が得られる。
【0098】具体的な例を示す。導光部材1をクラウン
ガラスBK7(nd=1.517)で作製した。屈折率
可変物質5は、ネマチック液晶E7(常光屈折率no=
1.522,異常光屈折率ne=1.746)を作製した
光路切替素子内に充填した。液晶分子は図示しない配向
膜によって図15(A)に示すように、光入射部3に対
して水平で紙面に垂直な方向に配向させた。配向膜とし
てはSiO、ポリイミド等の公知の材料が使用でき、少
なくとも透明電極10および金属膜7の表面に形成する
のが好ましい。金属膜7は傾斜方向に幅30μm、間隔
5μmで3分割し、それぞれに独立に電圧を印加できる
ようにした。また、透明電極10と金属膜7とのギャッ
プの最小値は1μm、傾斜面tの高さは42μmとし
た。このときα=24.5°となる。
【0099】入射光取込部14と光入射部3とのなす角
ψを60°とする。図15(A)の状態でレーザ光(波
長633nm)をS偏光として入射光取込部14に垂直
すなわちθ1=60°で入射させると、屈折率可変物質
5の屈折率はne=1.746となるので、式(1)に
従ってθ2=49°となる。α=24.5°なので反射光
は光出射部4に対して垂直に出射して光検出器13に入
射する。
【0100】次に分割した金属膜7に透明電極10との
間隔が広い側から順に37V、22V、7Vを印加し
た。このとき屈折率可変物質5には約1V/μmのほぼ
均一な電界が印加され、図15(B)のようになった。
このときφ1は約11°となり出射角φ2は約17°で出
射する。第1の実施形態では透明電極10と屈折率可変
物質5との界面で全反射させるため、導光部材1として
光学的に透明で屈折率の大きい材料を用いる必要があっ
た。しかし光学的に透明でしかも屈折率の大きい材料は
コストが高いという問題がある。本形態では第1の実施
形態のように透明電極10と屈折率可変物質5との界面
での全反射を使わないため、BK7等の屈折率が小さく
コストの安い導光部材1を用いることができる。また、
屈折率可変物質5に概略均一な電界が印加されたため、
出射光の発散がほとんどなく、高いS/N比を得ること
ができた。
【0101】<実施の形態11>本発明の第11の実施
形態を図16に基づき説明する。本実施形態は、第10
の実施形態と異なり、光入射部3を構成する面と光出射
部4を構成する面が平行ではない。その他の設定は第1
の実施形態と同様である。光出射部4を構成する面と光
入射部3を構成する面とのなす角βをβ=40°に設定
してある。その他は第10の実施形態と同じである。
【0102】入射を入射光取込部14に対して垂直に入
射させると、図16(A)の場合には光出射部4より出
射角φ2は77°で出射する。図16(B)の場合には
出射光の出射角はφ2=48°となって光検出器13で
検出される。この場合図16(A)と図16(B)とで
出射角の差が29°と、第10の実施形態に比べて大き
くなるので、出射エリアが大きい場合でも漏れ光が検出
されることが少なくなり、S/N比の低下を少なくする
ことができる。
【0103】<実施の形態12>本発明の第12の実施
の形態を図17に基づき説明する。基本的な構成は第1
1の実施の形態と同様であるが、光出射部4を構成する
面と光入射部3を構成する面とのなす角βをβ=45°
と大きくしている。図17(B)の時には反射光は光出
射部4に対してφ1=45°で入射する。この時外部物
質2が空気(na=1)の場合には下式(3)を満たすの
で、反射光は光出射部4において全反射する。 sinφ1≧na/n1 …(3) 図17(B)のときにはφ2=58°で出射する。この
場合出射角の差は180°−(45°+58°)=77
°となるので、ほとんど漏れ光を検出することはなく、
高いS/N比を得ることができる。
【0104】<実施の形態13>図18は、本発明の第
13の実施の形態を説明するための図である。図18に
おいて、16は導光部材1と同じ材質からなる第二の導
光部材で、17は出射光を第二の導光部材を介して外部
へ出すことができる第二の光出射部である。この例では
光出射部4と第二の導光部材16(ともに入射光の波長
程度の平滑度で仕上げている)をラフに密着させること
によって、入射光の波長程度の空隙(空気層)を持たせ
ている。また、第二の光出射部17を構成する面は入射
部3を構成する面とほぼ平行となるようにしている。ま
た、光入射面と光出射面とのなす角βはβ=34°、反
射部15を構成する反射面tの傾斜角αをα=30°と
した。その他の設定は第12の実施形態と同様である。
【0105】図18(B)の時には、光出射部4から出
射した光はほぼ直進(実際には波長程度平行移動する)
して、再び第二の導光部材16に入射し、第二の光出射
部17から垂直に出射する。図18(A)の時には、第
12の実施形態と同様に反射膜で反射した光は光出射部
4と空隙部の空気層との界面で全反射する。この場合図
18(A)と図18(B)とで出射角の差が90°を超
えるので、漏れ光を検出することはなく、非常に高いS
/N比を得ることができる。
【0106】<実施の形態14>図19は、本発明の第
14の実施の形態を説明するための図で、図中、18は
導光部材1と屈折率が概略等しい平板導光体で、導光部
材1とは光学的接合がなされている。その他の構成は第
12の実施形態と同様であり、動作原理も同じである。
光学的接合とは、両部材間の間隙が使用する光の波長に
比べて充分に小さいほどに密着している状態であって、
具体的には、流動性のある物体を両者間に介在させるこ
とによって得ることができる。流動性のある物体は両部
材との密着を確保した後に固化しても構わない。より具
体的には、流動性のある物体として、屈折率が概略導光
部材1および平板導光体18と等しい揮発性の低い液体
あるいは光硬化性接着剤を用いるのが好適である。この
実施形態においては、屈折率可変物質5と接するのは平
板導光体18であるので、透明電極11は平板導光体1
8上に形成される。
【0107】この場合導光部材の接合は最後に行えばよ
いので、デバイスの主要部分の作製を複雑な形状の導光
部材1を用いないで行うことができるため、歩留まりが
向上し、コストを低減することができる。
【0108】<実施の形態15>本発明の第15の実施
形態を図20に基づき説明する。第14の実施形態にお
ける照射エリアAに対向する反射部15の領域に反射面
15a及び逆傾斜面15bよりなる傾斜領域を複数組
(図20では2組)設けている。図から明らかなよう
に、光入射部3における入射光の照射エリアAは第14
の実施形態と同じであるため、反射部から光入射部まで
の距離、すなわち屈折率可変物質5の最大層厚tmax
を小さくすることができ、駆動電圧を低くすることがで
きる。
【0109】具体例を示す。反射部15を構成する反射
面15aの傾斜角αをα=24.5°、反対側の逆傾斜
面15bの傾斜角(図20中のγ)を41°、反射面1
5a及び逆傾斜面15bの高さを27μm、金属膜7と
透明電極10との最小ギャップを1μmとした。反射面
15a及び逆傾斜面15bからなる傾斜領域は2組と
し、各領域の金属膜7は幅30μm、間隔5μmで2ラ
インとした。その他は第14の実施形態と同じとした。
【0110】金属膜7に電圧を印加しないとき、すなわ
ち図20(A)の状態でレーザ光(波長633nm)を
S偏光として入射光取込部14に垂直すなわちθ1=6
0°で入射させると、反射部15による反射光は光出射
部4で全反射した。反射部15の金属膜7に、透明電極
10との間隔が広い側から順に22V、7Vを印加する
と、屈折率可変物質5には約1V/μmのほぼ均一な電
界が印加され図20(B)のようになった。このとき出
射光は光検出器13に入射した。
【0111】<実施の形態16>本発明の第16の実施
形態を図21に基づき説明する。屈折率可変物質5とし
て、高分子分散液晶を用いる以外は第15の実施形態と
同様の構成である。高分子分散液晶は高分子マトリクス
142中に液晶ドロップレット141が分散されてな
る。液晶材料としてはネマチック液晶、スメクティック
液晶、コレステリック液晶等を用いることができ、単一
もしくは2種類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外
の物質も含んだ混合物であってもよい。
【0112】高分子マトリクス142の材料としては透
明なポリマーが好ましく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、光硬化性樹脂のいずれであってもよい。高分子分散
液晶の製法としては、(1)液晶と熱あるいは光硬化
(重合)性モノマーやオリゴマーもしくはプレポリマー
で溶液を作り、重合によって相分離させる重合相分離
法、(2)液晶と高分子と溶剤で溶液を作り、溶剤を蒸
発させることによって相分離させる溶媒蒸発相分離法、
(3)液晶と熱可塑性高分子を加熱溶解させた後、冷却
によって相分離させる熱相分離法などを用いることがで
きる。
【0113】ポリマーとしては、製造工程の容易さ、液
晶相との分離性等の点から紫外線硬化型の樹脂を用いる
のが好ましい。具体的な例として紫外線硬化性アクリル
系樹脂が例示され、特に紫外線照射によって重合硬化す
るアクリルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するも
のが好ましい。このようなモノマーまたはオリゴマーと
しては(ポリ)エステルアクリレート、(ポリ)ウレタ
ンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリブタジエ
ンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンア
クリレート、(ポリ)ホスファゼンメタクリレート等が
ある。その他の例として、チオール−エン系も光硬化速
度が速いことから好適に使用できる。
【0114】また重合を速やかに行うために光重合開始
剤を用いてもよく、この例としてジクロロアセトフェノ
ンやトリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾ
フェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイル、ベンゾインア
ルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、モノサル
ファイド、チオキサントン類、アゾ化合物、ジアリルヨ
ードニウム塩、トリアリルスルフォニウム塩、ビス(ト
リクロロメチル)トリアジン化合物等を挙げることがで
きる。この紫外線硬化性化合物中に液晶材料を均一に溶
解させた液状物を反射基板6と導光部材1との間に注入
した後、紫外線照射を行うことによって紫外線硬化性化
合物を硬化させると同時に液晶材料を相分離させ、高分
子分散液晶層を形成する。
【0115】具体的な高分子分散液晶の例を示す。ネマ
チック液晶BL24(no=1.513,ne=1.71
7,メルク社)を紫外線硬化性プレポリマーNOA81
(ノーランド社)に溶解(液晶重量濃度45%)し、紫外
線(400mW/cm2)を照射したものを用いた。導
光部材1はクラウンガラスBK7(nd=1.517)
としβ=41.5°とした。入射角θ1は50°とした。
さらに反射部15を構成する反射面15aの傾斜角αを
α=24°、反対側の傾斜面(逆傾斜面15b)の傾斜
角(図中のγ)を43°、これら傾斜面の高さを11μ
m、金属膜7と透明電極10との最小ギャップを1μm
とした。
【0116】反射面15a及び逆傾斜面15bは図21
に示すように2組設けた。透明電極10はITOを反射
部15に対向する位置に図14に示したパターンで形成
した。低抵抗透明電極130の幅は10μm、低抵抗透
明電極130の間隔は5μmとし、2ライン形成した。
また高抵抗透明電極131は電圧印加部Aおよび電圧印
加部Bとの間の抵抗値が600Ωとなるように形成し
た。そのほかは実施の形態15と同じである。
【0117】電圧印加部に電圧を印加していない時(図
21(A))には、液晶分子の配向したドロップレット
141の向きがランダムであるため、層全体が光学的に
等方な媒体になっており、その屈折率はほぼ液晶の平均
屈折率(≒(2no+ne)/3≒1.58)と高分子
マトリクスの屈折率(≒1.56)との体積平均(≒1.
57)と見なすことができる(液晶の体積分率を約35
%と見積もった)。なお、この場合予め配向処理を行っ
ていない。入射角θ1=50°で光を入射させたとき、
屈折角は48°となり、入射光は反射部15で反射し、
光入射部3にほぼ垂直に入射し、導光部材1の光出射部
4で全反射した。
【0118】透明電極10の電圧印加部のうち、反射部
15とのギャップが狭い側の電圧印加部に32V、反射
部15とのギャップが広い側の電圧印加部に99Vの電
圧を印加すると、屈折率可変物質5中の電界強度はほぼ
一定(10V/μm)となり、液晶分子は図21(B)
のように電界方向に配列する。このときS偏光に対する
高分子分散液晶層の屈折率は液晶の屈折率(≒no=
1.513)と高分子マトリクスの屈折率(≒1.56)
との体積平均(≒1.54)と見なすことができる。
【0119】このとき屈折角は49°となり、反射光は
光出射部4に対してφ1=40°で入射し、出射角φ2
79°で出射する。この場合出射角の差は59.5°と
なるので、ほとんど漏れ光を検出することはなく、高い
S/N比を得ることができる。また、図21(A)の状
態と図21(B)の状態との間のスイッチング時間は数
10μsのオーダーが得られ、この値はバルク液晶に比
べ2桁以上高速になっている。
【0120】液晶ドロップレットサイズと応答速度の関
係についてさらに詳細に調べた結果を以下に示す。高分
子分散液晶における液晶ドロップレットの大きさは、プ
レポリマーの組成、液晶の混合濃度、硬化時の紫外線強
度等を変えることによって変化させることができる。図
22は液晶ドロップレットサイズと応答速度との関係を
示したものである。液晶材料はE7およびBL24(メ
ルク社)、プレポリマーはNOA60,65および81
(ノーランド社)を適宜用いた。応答速度の測定は図2
3に示す装置を用いて、試料157にパルス電圧(20
0V)を印加した時の光出力の立ち上がり時間(To
n)と立ち下がり時間(Toff)の合計を測定した。
図23において、151はレーザ、152は偏光子、1
53,154はレンズ、155は検光子、156はパワ
ーメータ、157は試料、158はAu電極、159は
Si基板、160は高分子分散液晶である。なお、試料
157は高分子分散液晶160の層厚を20μm、光路
長を1mmとした。
【0121】高分子分散液晶160に電界が印加されて
いない時と印加されている時の様子を図24に模式的に
示す。電界が印加されていない時(図24(A))には
液晶ドロップレット141の向きはランダムであるの
で、x軸、y軸、z軸方向の屈折率はどれも等しく、層
全体が光学的に等方な媒体になっている。z方向に電界
143を印加すると(図24(B))、液晶ドロップレ
ット141の液晶分子の分子軸がこの方向にそろうた
め、z軸方向の屈折率は大きくなり、x軸およびy軸方
向の屈折率はお互いに等しいまま、その大きさが小さく
なる。
【0122】図23のように光が電界方向とは垂直のx
方向から入射される場合、yz平面に複屈折が生じるた
めに偏光状態を変化させることができ、検光子155を
通した光出力が変化する。本発明ではこのような複屈折
現象は利用しないが、電界印加時の液晶分子の挙動とそ
れに伴う屈折率変化を利用するので、図22の応答速度
は本発明においても同様に適用できる。図22から液晶
ドロップレットサイズが小さくなるにつれて応答速度が
速くなることがわかる。
【0123】さらには、液晶ドロップレット141の粒
径を入射光の波長の1/5以下、より望ましくは1/1
0以下にすることが光透過率の観点から好ましい。以下
にレイリー散乱理論から光透過率を計算した結果を示
す。体積Vの球形散乱体が数密度Nで存在する場合、厚
さLの媒体の光透過率Tは下記式(4)のように表され
る。 T=exp(−NRL),R=24π3((m2−1)/(m2+2))2V 2/λ4 …(4) ここで、Rは散乱断面積、mは散乱体の屈折率と媒体の
屈折率の比、λは使用する光の波長である。m=1.0
7、L=100μmとした時の透過率Tを散乱体すなわ
ち液晶ドロップレット141の粒径d、体積分率(=N
V)および波長λをパラメータとして計算した。式から
わかるようにdが大きくなる(すなわちVが大きくな
る)ほど、またλが小さくなるほどTが減少する。ま
た、透過率としては、90%(T=0.9)以上である
ことが光利用効率の点から好ましい。
【0124】図25はT=0.9となる液晶ドロップレ
ット141の粒径を体積分率が10%(d(0.
1))、30%(d(0.3))および50%(d(0.
5))の場合について、波長に対してプロットしたもの
である。体積分率が小さいと屈折率変化量が小さくS/
N比がとれなくなるので、体積分率は10%以上が好ま
しく、50%程度がより好ましい。これ以上の体積分率
では作製が極めて困難になる。この観点から、図25よ
り、光路切替素子(光スイッチング素子)として適用さ
れる可視〜赤外領域の波長に対しては、dがλ/5以下
であるのが好ましく、λ/10以下であることがより好
ましい。なお、この計算ではmおよびLを固定したが、
実デバイスにおいてこれ以下の値であると考えられるた
め、上記の粒径範囲であれば問題はない。
【0125】<実施の形態17>本発明の第17の実施
形態を図26に基づき説明する。電圧無印加時(図26
(A)の時)に、液晶ドロップレット141中の全ての
液晶分子が概略一方向に配列している以外は第16の実
施形態と同様の構成である。この配列方向は電圧印加時
(図26(B)の時)に液晶分子が揃う方向(電界方
向)とほぼ直交し、光入射部3に対して水平で紙面に垂
直な方向にするのがよい。こうすることにより、大きな
屈折率差が得られるため、θ2の変化量を大きくするこ
とができ、高いS/N比を得ることができる。
【0126】具体的には第16の実施形態と同様の材料
および処方の高分子分散液晶を用いた場合、図26
(A)の時に高分子分散液晶層の屈折率は液晶の屈折率
(≒ne=1.717)と高分子マトリクスの屈折率
(≒1.56)との体積平均(≒1.61)と見なすこと
ができる。第15の実施形態と同様に入射角を50°に
設定すると、屈折角は46°となるので、α=23°、
γ=45°に設定すると入射光は逆傾斜面15bには入
射せず、反射面15aで反射し、光入射部3にほぼ垂直
に入射する。β=41.5°に設定すると反射光は光出
射部4に対してφ1=43°で入射する。この時式
(2)を満たすので、反射光は光出射部3において全反
射する。
【0127】図26(B)の時には液晶分子が電界方向
に配列し、S偏光に対する高分子分散液晶層の屈折率は
液晶の屈折率(≒no=1.513)と高分子マトリク
スの屈折率(≒1.56)との体積平均(≒1.54)と
見なすことができる。この時、屈折角は49°となり、
反射光は光出射部4に対してφ1=39°で入射し、出
射角φ2=71°で出射する。この場合出射角の差は6
1.5°となり、第16の実施形態よりも大きくなる。
【0128】液晶分子を予め一方向に配列させる方法と
して、前述のような配向膜を用いる方法以外に以下に示
すような方法を用いることも可能である。高分子マトリ
クス材料を重合する際に電界を印加することで、液晶を
一方向に配向することができる。この時、液晶に接して
いるプレポリマーは液晶の配向に引きずられて同じ方向
に配向する。この状態でプレポリマーを重合すると液晶
との界面は液晶の配向に倣った形で固定される。この界
面構造は液晶に対して配向膜として機能するため、高分
子マトリクス材料が硬化した後に電界を解除しても、液
晶は重合時に印加していた電界方向に揃うことになる。
また、電界の代わりに磁界を用いる方法も好適に使用で
きる。
【0129】<実施の形態18>図27は、本発明の第
18の実施の形態を説明するための図で、図27におい
て、20は一次元空間光変調器で、図27(A)は斜視
図、図27(B)は図27(A)をB方向から見た図、
図27(C)は図27(A)をC方向から見た図であ
る。本実施形態の基本的な構成は第7の実施の形態と同
様であるが、個別電極を兼ねる金属膜7が一次元アレイ
状に配置されている。基板9には各個別電極に接続さ
れ、それらに選択的に信号を供給するための駆動素子
(図示せず)が設けられるのが好ましい。アレイ状に配
列した各個別電極に選択的に電圧信号を印加することに
よって、選択された個別電極(金属膜7)からの反射光
のみが光出射部4から出射し、ライン状の光のON/O
FF(空間光変調)ができる。個別電極が配列している
方向と垂直な方向に走査する走査装置と組み合わせるこ
とで二次元の空間光変調ができる。
【0130】また、図28に示すように、一次元空間光
変調器20の個別電極(金属膜)7への駆動信号供給と
ガルバノミラー等からなる走査機構23の駆動を画像信
号に基づいて制御し、得られた二次元空間光変調された
光線を投影レンズ24によってスクリーン25に投影す
ることで、画像表示装置を形成することができる。図2
8において、光源21にはレーザ、LED、ランプ等を
用いることができる。また、コリメートレンズ22を光
インテグレータとしてもよく、これらの後段には図示し
ない偏光変換光学系を付与してもよい。
【0131】<実施の形態19>図29は、本発明の第
19の実施の形態を説明するための図で、図29は二次
元空間光変調器30の斜視図である。本実施形態の基本
的な構成は図27と同様であるが、個別電極を兼ねる金
属膜7が二次元アレイ状に配置されている。反射基板6
には各個別電極に接続され、それらに選択的に信号を供
給するための駆動素子が設けられるのが好ましい。アレ
イ状に配列した各個別電極に選択的に電圧信号を印加す
ることによって、選択された個別電極(金属膜7)から
の反射光のみが光出射部4から出射し、面状の光のON
/OFF(空間光変調)ができる。この場合、空間光変
調器だけで二次元の空間光変調ができるため、図28に
示したような走査機構は不要で、光出射部4の外側に投
影レンズを設置し、スクリーンに投影することで画像表
示装置を形成することができる。
【0132】なお、図27,図29に示した例では導光
部材1を共通にして一つにしているが、導光部材1を各
光路切替素子ごとに分割しても構わない。また、上記一
次元アレイ状の空間光変調器もしくは二次元アレイ状の
空間光変調器を使った画像表示装置では、赤、緑、青な
ど複数の波長の入射光を使い、時分割で各色の画像を表
示したり(フィールドシーケンシャル方式)、複数の空
間光変調器を設けて各色の画像を同時に投影すること
で、フルカラー画像を表示することもできる。
【0133】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の光路切替素子によれば、導光部材を介した光入射部
と、該光入射部から入った入射光を反射する反射部と、
該反射部で反射した光を前記導光部材を介して出射光と
して外部へ出す光出射部とよりなり、前記反射部を含む
光路中に屈折率可変物質を封入し、該屈折率可変物質に
情報に応じて信号を与え屈折率変化を生じせしめる信号
入力手段を具備する光路切替素子において、該屈折率可
変物質が少なくとも液晶を含む材料からなり、該屈折率
可変物質への電界印加方向を、おおむね光入射部の光入
射面の法線方向と該光入射面の接線方向とで切り替える
ことができるようにすることにより、構造が簡単で耐久
性や光利用効率が高く、高速で動作するS/N比の高い
光路切替素子を提供することができる。
【0134】また、前記信号による前記屈折率可変物質
の屈折率変化を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可
変物質との界面で透過および全反射する範囲で行うこと
とすることにより、よりS/N比の高い光路切替素子を
提供することができる。また、前記信号による前記屈折
率可変物質の屈折率変化を、前記入射光が前記導光部材
と屈折率可変物質との界面で全反射しない範囲で行うこ
ととすることにより、安価な材料で構成でき、部材コス
トの低い光路切替素子を提供することができる。さら
に、光入射部と光出射部とを互いに平行でない面で構成
することにより、さらにS/N比を高くできる光路切替
素子を提供することができる。
【0135】また、本発明の光路切替素子によれば、信
号による屈折率可変物質の屈折率変化を、反射部で反射
した光が光出射部において導光部材とそれに接触する外
部物質との界面で全反射する第一の状態と、全反射しな
い第二の状態とを取ることができる範囲で行うようにす
ることにより、よりS/N比を高くできる光路切替素子
を提供することができる。また、出射光を第二の導光部
材を介して外部へ出すことができる第二の光出射部を設
けることにより、S/N比の高い光路切替素子を提供で
きる。さらに、導光部材に光学的接合し、導光部材と屈
折率が概略等しい平板導光体を設けることにより、上記
に加え、製造が容易な光路切替素子を提供することがで
きる。
【0136】また、本発明の光路切替素子によれば、反
射部が一辺を共有する2つの面によって構成され、屈折
率可変物質に進入した入射光と光入射部を構成する面の
法線とのなす角度の動作範囲における最大値をθ2max
した時、反射部を構成する少なくとも1つの面の法線と
光入射部を構成する面の法線とのなす角度が90°−θ
2max以下であるようにすることにより、駆動エネルギー
を小さくできる光路切替素子を提供することができる。
また、反射部が、屈折率可変物質に信号を印加する単位
要素に対して、複数組の面を有することにより、さらに
駆動エネルギーを小さくできる光路切替素子を提供する
ことができる。
【0137】また本発明の光路切替素子の駆動方法によ
れば、導光部材を介した光入射部と、該光入射部から入
った入射光を反射する反射部と、該反射部で反射した光
を前記導光部材を介して出射光として外部へ出す光出射
部とよりなり、前記反射部を含む光路中に屈折率可変物
質を封入し、該屈折率可変物質に情報に応じて信号を与
え屈折率変化を生じせしめる信号入力手段を具備する光
路切替素子の駆動方法において、信号として電圧を用
い、電圧を印加する電極を複数設けて、屈折率可変物質
に印加される電界の分布を制御するので、S/N比の高
い光路切替素子の駆動方法を提供することができる。ま
た、前記屈折率可変物質に印加される電界が概略均一と
なるように各電極への印加電圧を制御するので、耐久性
が高くS/N比の高い光路切替素子の駆動方法を提供す
ることができる。
【0138】また本発明の光路切替素子によれば、導光
部材を介した光入射部と、該光入射部から入った入射光
を反射する反射部と、該反射部で反射した光を前記導光
部材を介して出射光として外部へ出す光出射部とよりな
り、前記反射部を含む光路中に屈折率可変物質を封入
し、該屈折率可変物質に情報に応じて電圧信号を与え屈
折率変化を生じせしめる信号入力手段を具備する光路切
替素子において、電圧信号を印加するための電極を複数
設けたので、構造が簡単で耐久性や光利用効率が高く、
S/N比の高い光路切替素子を提供することができる。
また、前記電圧信号による前記屈折率可変物質の屈折率
変化を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可変物質と
の界面で透過および全反射する範囲で行うこととしたの
で、よりS/N比の高い光路切替素子を提供することが
できる。
【0139】また本発明の光路切替素子によれば、前記
電圧信号による前記屈折率可変物質の屈折率変化を、前
記入射光が前記導光部材と屈折率可変物質との界面で全
反射しない範囲で行うこととしたので、安価な材料で構
成でき、部材コストの低い光路切替素子を提供すること
ができる。また、前記電圧信号による屈折率可変物質の
屈折率変化を、反射部で反射した光が光出射部において
導光部材とそれに接触する外部物質との界面で全反射す
る第一の状態と、全反射しない第二の状態とを取ること
ができる範囲で行うとしたので、よりS/N比を高くで
きる光路切替素子を提供することができる。
【0140】また本発明の光路切替素子によれば、光入
射部と光出射部とが互いに平行でない面で構成されてい
ることとしたので、さらにS/N比を高くできる光路切
替素子を提供することができる。また、出射光を第二の
導光部材を介して外部へ出すことができる第二の光出射
部を設けたので、S/N比の高い光路切替素子を提供で
きる。また、導光部材に光学的接合し、導光部材と屈折
率が概略等しい平板導光体を設けたので、上記に加え、
製造が容易な光路切替素子を提供することができる。
【0141】また本発明の光路切替素子によれば、反射
部が、屈折率可変物質に電圧信号を印加する単位要素に
対して、複数組の面を有しているので、さらに駆動エネ
ルギーを小さくできる光路切替素子を提供することがで
きる。また、前記屈折率可変物質が液晶からなることと
したので、さらに製造が容易で、S/N比を高くできる
光路切替素子を提供することができる。また、前記屈折
率可変物質が液晶材料を高分子マトリクス中に分散保持
した液晶/高分子複合体からなることとしたので、上記
に加え、応答速度の速い光路切替素子を提供することが
できる。
【0142】また本発明の光路切替素子によれば、液晶
が入射光の波長の1/5以下の粒径を有するドロップレ
ットであることとしたので、上記に加え、光損失の小さ
い光路切替素子を提供することができる。また、電圧無
印加時に全ての液晶分子が概略一方向に配列しているこ
ととしたので、上記に加え、さらにS/N比を高くでき
る光路切替素子を提供することができる。
【0143】また、上記光路切替素子を二次元アレイ状
に配列することにより、構造が簡単で耐久性が高く、部
材コストを低減でき、光利用効率の高い空間光変調器を
提供することができる。また上記空間光変調器により形
成した画像をスクリーンに投影することにより、耐久性
が高く、低コストで光利用効率の高い画像表示装置を提
供することができる。また上記光路切替素子を一次元ア
レイ状に配列することにより、上記に加え、製造歩留ま
りが高く低コストな空間光変調器を提供することができ
る。また、上記空間光変調器から出射した光線を垂直方
向に走査してスクリーンに投影し、二次元画像を得るよ
うにしたので、低コストな画像表示装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態を説明するための
図である。
【図2】 本発明の光路切替素子の金属膜の他の構成例
を示す図である。
【図3】 光路切替素子の金属膜の更に他の構成例を示
す図である。
【図4】 第1の実施形態の構成における電界の状態を
説明するための図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態を説明するための図
である。
【図6】 本発明の第3の実施形態を説明するための図
である。
【図7】 本発明の第4の実施の形態を説明するための
図である。
【図8】 本発明の第5の実施の形態を説明するための
図である。
【図9】 本発明の第6の実施の形態を説明するための
図である。
【図10】 本発明の第7の実施の形態を説明するため
の図である。
【図11】 本発明の第8の実施の形態を説明するため
の図である。
【図12】 第8の実施形態の構成における電界の状態
を説明するための図である。
【図13】 本発明の第9の実施の形態を説明するため
の図である。
【図14】 透明電極を分割して電圧を印加するための
電極構成例を示す図である。
【図15】 本発明の第10の実施形態を説明するため
の図である。
【図16】 本発明の第11の実施形態を説明するため
の図である。
【図17】 本発明の第12の実施の形態を説明するた
めの図である。
【図18】 本発明の第13の実施の形態を説明するた
めの図である。
【図19】 本発明の第14の実施の形態を説明するた
めの図である。
【図20】 本発明の第15の実施形態を説明するため
の図である。
【図21】 本発明の第16の実施形態を説明するため
の図である。
【図22】 液晶ドロップレットサイズと応答速度との
関係を示した図である。
【図23】 液晶ドロップレットの応答速度を測定する
装置の例を示す図である。
【図24】 高分子分散液晶に電界が印加されていない
時と印加されている時の様子を示した図である。
【図25】 T=0.9となる液晶ドロップレットの粒
径を体積分率が10%、30%および50%の場合につ
いて、波長に対してプロットしたものである。
【図26】 本発明の第17の実施形態を説明するため
の図である。
【図27】 本発明の第18の実施の形態を説明するた
めの図である。
【図28】 本発明の画像表示装置の一実施形態を示す
概略構成図である。
【図29】 本発明の第19の実施の形態を説明するた
めの図である。
【図30】 特開平5−196880号公報に記載の空
間光変調器の平面図である。
【図31】 図30に示した空間光変調器のひとつの回
転鏡の断面図である。
【図32】 特開平11−202222号公報で提案さ
れている光路切替素子の動作説明図である。
【図33】 特開2000−171813号公報で提案
されている光路切替素子の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1…導光部材、2…外部物質、3…光入射部、4…光出
射部、5…屈折率可変物質、6…反射基板、7…金属膜
(基板電極)、8…絶縁体、9…基板、10…透明電
極、11…シール剤、12…液晶分子、13…光検出
器、14…入射光取込部、15…反射部、15a…反射
面、15b…逆傾斜面、16…第二の導光部材、17…
第二の光出射部、18…平板導光体、20…一次元空間
光変調器、21…光源、22…コリメートレンズ、23
…走査機構、24…投影レンズ、25…スクリーン、3
0…二次元空間光変調器、41…方形トーションビーム
反射表面、42…ビーム支持ポスト、43…ヒンジ、4
4…接地電極、45,46…ポスト、47…アドレス電
極、48…金属層、49…基板層、51,52,53…
光線、61…導光部材、62…全反射面、71…プリズ
ム、71a…プリズムの反射面、72…抽出面、80…
駆動部、91…入射光(直線偏光)、92…全反射光、
93…反射光、100…導光体、101…透明電極、1
10…液晶、111…反射膜、120…液晶駆動用IC
基板、121…電極端子、130…低抵抗透明電極、1
31…高抵抗透明電極、141…液晶ドロップレット、
142…高分子マトリクス、143…電界、151…レ
ーザ、152…偏光子、153,154…レンズ、15
5…検光子、156…パワーメータ、157…試料、1
58…Au電極、159…Si基板、160…高分子分
散液晶、t…傾斜面。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H088 EA37 EA45 FA19 JA04 MA10 MA16 MA20 2K002 AA07 AB04 AB10 BA06 CA14 DA14 EA14 EB08 EB09 HA02

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導光部材を介した光入射部と、該光入射
    部から入った入射光を反射する反射部と、該反射部で反
    射した光を前記導光部材を介して出射光として外部へ出
    す光出射部とよりなり、前記反射部を含む光路中に屈折
    率可変物質を封入し、該屈折率可変物質に情報に応じて
    信号を与え屈折率変化を生じせしめる信号入力手段を具
    備する光路切替素子において、該屈折率可変物質が少な
    くとも液晶を含む材料からなり、該屈折率可変物質への
    電界印加方向を、前記光入射部光入射面の法線方向と該
    光入射面の接線方向とで切り替えることができることを
    特徴とする光路切替素子。
  2. 【請求項2】 前記信号による前記屈折率可変物質の屈
    折率変化を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可変物
    質との界面で透過および全反射する範囲で行うことを特
    徴とする請求項1に記載の光路切替素子。
  3. 【請求項3】 前記信号による前記屈折率可変物質の屈
    折率変化を、前記入射光が前記導光部材と屈折率可変物
    質との界面で全反射しない範囲で行うことを特徴とする
    請求項1に記載の光路切替素子。
  4. 【請求項4】 前記光入射部と光出射部とが互いに平行
    でない面で構成されていることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれか一項に記載の光路切替素子。
  5. 【請求項5】 前記信号による前記屈折率可変物質の屈
    折率変化を、前記反射部で反射した光が前記光出射部に
    おいて前記導光部材とそれに接触する外部物質との界面
    で全反射する第一の状態と、全反射しない第二の状態と
    を取ることができる範囲で行うことを特徴とする請求項
    3または4に記載の光路切替素子。
  6. 【請求項6】 前記出射光を第二の導光部材を介して外
    部へ出すことができる第二の光出射部を設けることを特
    徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の光路切
    替素子。
  7. 【請求項7】 前記光入射部に光学的接合し、前記導光
    部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設けたことを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光路切
    替素子。
  8. 【請求項8】 前記反射部が一辺を共有する2つの面に
    よって構成され、前記屈折率可変物質に進入した入射光
    と前記光入射部を構成する面の法線とのなす角度の動作
    範囲における最大値をθ2maxとすると、前記反射部を構
    成する少なくとも1つの面の法線と前記光入射部を構成
    する面の法線とのなす角度が90°−θ2max以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載
    の光路切替素子。
  9. 【請求項9】 前記反射部が、前記屈折率可変物質に信
    号を印加する単位要素に対して、複数組の面を有してい
    ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記
    載の光路切替素子。
  10. 【請求項10】 導光部材を介した光入射部と、該光入
    射部から入った入射光を反射する反射部と、該反射部で
    反射した光を前記導光部材を介して出射光として外部へ
    出す光出射部とよりなり、前記反射部を含む光路中に屈
    折率可変物質を封入し、該屈折率可変物質に情報に応じ
    て信号を与え屈折率変化を生じせしめる信号入力手段を
    具備する光路切替素子の駆動方法において、前記信号と
    して電圧を用い、電圧を印加する電極を複数設けて、前
    記屈折率可変物質に印加される電界の分布を制御するこ
    とを特徴とする光路切替素子の駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記屈折率可変物質に印加される電界
    が概略均一となるように各電極への印加電圧を制御する
    ことを特徴とする請求項10に記載の光路切替素子の駆
    動方法。
  12. 【請求項12】 導光部材を介した光入射部と、該光入
    射部から入った入射光を反射する反射部と、該反射部で
    反射した光を前記導光部材を介して出射光として外部へ
    出す光出射部とよりなり、前記反射部を含む光路中に屈
    折率可変物質を封入し、該屈折率可変物質に情報に応じ
    て電圧信号を与え屈折率変化を生じせしめる信号入力手
    段を具備する光路切替素子において、前記電圧信号を印
    加するための電極を複数設けることを特徴とする光路切
    替素子。
  13. 【請求項13】 前記電圧信号による前記屈折率可変物
    質の屈折率変化を、前記入射光が前記導光部材と前記屈
    折率可変物質との界面で透過および全反射する範囲とな
    るように制御する手段を有することを特徴とする請求項
    12に記載の光路切替素子。
  14. 【請求項14】 前記電圧信号による前記屈折率可変物
    質の屈折率変化を、前記入射光が前記導光部材と前記屈
    折率可変物質との界面で全反射しない範囲となるように
    制御する手段を有することを特徴とする請求項12に記
    載の光路切替素子。
  15. 【請求項15】 前記電圧信号による前記屈折率可変物
    質の屈折率変化を、前記反射部で反射した光が前記光出
    射部において前記導光部材とそれに接触する外部物質と
    の界面で全反射する第一の状態と、全反射しない第二の
    状態とを取ることができる範囲となるように制御する手
    段を有することを特徴とする請求項14に記載の光路切
    替素子。
  16. 【請求項16】 前記光入射部と前記光出射部とが互い
    に平行でない面で構成されていることを特徴とする請求
    項12乃至15のいずれか一項に記載の光路切替素子。
  17. 【請求項17】 前記出射光を第二の導光部材を介して
    外部へ出すことができる第二の光出射部を設けたことを
    特徴とする請求項14乃至16のいずれか一項に記載の
    光路切替素子。
  18. 【請求項18】 前記光入射部に光学的接合し、前記導
    光部材と屈折率が概略等しい平板導光体を設けたことを
    特徴とする請求項12乃至17のいずれか一項に記載の
    光路切替素子。
  19. 【請求項19】 前記反射部が、前記屈折率可変物質に
    電圧信号を印加する単位要素に対して、複数組の面を有
    していることを特徴とする請求項12乃至18のいずれ
    か一項に記載の光路切替素子。
  20. 【請求項20】 前記屈折率可変物質は、液晶からなる
    ことを特徴とする請求項12乃至18のいずれか一項に
    記載の光路切替素子。
  21. 【請求項21】 前記屈折率可変物質は、液晶材料を高
    分子マトリクス中に分散保持した液晶/高分子複合体か
    らなることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか
    一項に記載の光路切替素子。
  22. 【請求項22】 前記液晶は、入射光の波長の1/5以
    下の粒径を有するドロップレットであることを特徴とす
    る請求項21に記載の光路切替素子。
  23. 【請求項23】 電圧無印加時に全ての前記液晶の分子
    が概略一方向に配列していることを特徴とする請求項2
    0乃至22のいずれか一項に記載の光路切替素子。
  24. 【請求項24】 請求項1乃至9,12乃至23のいず
    れか一項に記載の光路切替素子が二次元アレイ状に配列
    されていることを特徴とする空間光変調器。
  25. 【請求項25】 請求項1乃至9,12乃至23のいず
    れか一項に記載の光路切替素子が一次元アレイ状に配列
    されていることを特徴とする空間光変調器。
  26. 【請求項26】 請求項24に記載の空間光変調器と、
    該空間光変調器に光線を入射させる手段と、該空間光変
    調器により形成した画像をスクリーンに投影し表示する
    手段とを有することを特徴とする画像表示装置。
  27. 【請求項27】 請求項25に記載の空間光変調器と、
    該空間光変調器に光線を入射させる手段と、該空間光変
    調器から出射した光線を該空間光変調器の光路切替素子
    の整列方向に対して垂直な方向に走査する走査機構と、
    該走査機構から出射した光線をスクリーンに投影し表示
    する手段とを有することを特徴とする画像表示装置。
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