JP3231616B2 - 偏向素子および投写型表示装置 - Google Patents

偏向素子および投写型表示装置

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JP3231616B2
JP3231616B2 JP06877296A JP6877296A JP3231616B2 JP 3231616 B2 JP3231616 B2 JP 3231616B2 JP 06877296 A JP06877296 A JP 06877296A JP 6877296 A JP6877296 A JP 6877296A JP 3231616 B2 JP3231616 B2 JP 3231616B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光スイッチあるい
は空間光変調素子として用いられる偏向素子に関し、特
に、十分な信号出力のON/OFF比(以下、コントラ
スト比と称する)を有し、入射光源光の利用効率が高
く、かつ比較的低電圧で駆動可能な偏向素子に関する。
また、上記の偏向素子をライトバルブとして使用した投
写型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光を変調する光スイッチ(偏向素
子)として、液晶を利用した構成が知られており、例え
ば、特開昭59−7337号公報には、液晶層と当該液
晶層を挟持する基板との界面で生じる屈折率変化を利用
して、臨界角以上で入射した直線偏光をスイッチングす
る構成が開示されている。また、特開平6−25867
2号公報には、光導波路と液晶層との界面で生じる屈折
率変化を利用して、臨界角以上で入射した無偏光光をス
イッチングする例が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来の光スイッチでは、光の利用効率が低い、
あるいは高い駆動電圧を必要とするという問題が未解決
となっている。
【0004】例えば、上記した特開昭59−7337号
公報に開示された光スイッチは、特定の偏光を使用する
ので偏光板を必要とする。このため、高いコントラスト
比を得ることができる反面、入射光が偏光されていない
光に近い場合や、入射偏光が解消しやすい場合には、入
射光の利用効率は半分以下となる。また、変調結果を検
出するための偏光板などの検光子(アナライザ)が必要
となり、さらに光の利用効率が低下する。
【0005】この結果、前記光スイッチで利用できる光
は、理論的に光源光の半分となり、実際には光の損失が
生じてさらに利用効率が低下することから、コントラス
ト比が低く、暗い表示しか実現することができない。す
なわち、このような従来の光スイッチで、高精細かつ高
輝度な表示を要求されるような、例えば携帯情報端末装
置等に使用される反射型液晶表示装置を実現することは
不可能である。
【0006】また、前記光スイッチでは、液晶層への入
射光が液晶層と光出射側の基板との界面で反射して、再
び液晶層へ入射する光、いわゆる迷光が生じる虞があ
る。この迷光は、コントラスト比の低下の原因となり好
ましくない。
【0007】また、例えばPDLCモードやPCMモー
ドなどの光散乱方式の液晶層を用いた構成では、電圧−
透過率曲線において、ヒステリシスが生じ易く、入射光
を連続的に変調することは困難である。さらに、充分な
散乱特性を得るためには、セル厚を増大させる、あるい
は液晶の捩れ配向の螺旋ピッチを小さくするなどの対策
が必要となるが、このような構成は、高い駆動電圧を必
要とするという新たな問題を招来する。
【0008】また、例えばPCGHモードやDGHモー
ドなどの光吸収方式の液晶層を用いた構成では、階調表
示の方法や偏光板を使用しない明るい表示を得るための
方法が多数存在するけれども、用いられる色素が光を吸
収する性質を有する場合、色素の分解および劣化によっ
て、装置の信頼性が低下する。これに対応するために、
耐光性の高い色素を用いた場合には、充分なコントラス
ト比を得るために、色素濃度を高くするか、セル厚を厚
くするなどの対策が必要となる。しかし、これらの対策
は、上記と同様に、高い駆動電圧を必要とするという新
たな問題を招来する。
【0009】本発明は、上記した問題点に鑑みなされた
もので、低駆動電圧による駆動が可能で、高いコントラ
スト比を有する光出力が得られ、かつ光信号の利用効率
が高く、プロジェクション等の投写型表示装置に用いて
も優れた表示特性が得られる偏向素子を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の偏向素子は、屈折率が一定である
透光性物質からなる等方屈折率物質層と、印加される駆
動電圧に応じて上記等方屈折率物質層の層面に平行な面
内で配向変化を生じる液晶からなる液晶層と、偏光手段
と、上記液晶層および等方屈折率物質層を透過した光
を、上記等方屈折率物質層と液晶層との間で反射される
光とは異なる方向へ反射させる光反射部材とを備えると
共に、上記液晶層の液晶分子がとり得る配向状態の所定
の一状態において、該液晶分子の屈折率異方性の常光成
分および異常光成分のいずれか一方と、上記偏光手段か
ら該液晶分子へ入射する偏光の振動方向とが同一平面に
含まれ、上記常光成分および異常光成分の内、偏光の振
動方向と同一平面に含まれる成分をN1 、他方の成分を
2 、上記等方屈折率物質層の屈折率をN、液晶層への
偏光の入射角をθ1 、液晶層と等方屈折率物質層との界
面の臨界角をθc とすると、 N1 ≧N/sinθc2 =N θ1 ≧θc が満足されることを特徴としている。
【0011】上記の構成によれば、偏光手段からの入射
偏光は、液晶層および等方屈折率物質層の界面で反射す
る光と、上記界面を透過して光反射部材へ到達し、上記
光反射部材にて反射する光とに分割される。また、上記
光反射部材で反射した光は、上記界面で全反射した光と
は異なる方向へ導かれる。また、偏光手段から液晶層へ
入射した偏光は、該液晶層の液晶分子がとり得る配向状
態の所定の一状態(今、この状態を状態Aとする)にお
いて、該偏光の振動方向が、該液晶分子の屈折率異方性
の常光成分および異常光成分のいずれか一方(N1 )と
同一平面に含まれると共に、 N1 ≧N/sinθc2 =N θ1 ≧θc が満足されることにより、上記偏光は、液晶層と等方屈
折率物質層との界面で全反射する。一方、液晶分子の配
向状態が上記の状態Aから他の状態へ変化し、例えば屈
折率異方性の常光成分および異常光成分の他方(N2
を示す状態(この状態を、状態Bとする)となった場合
には、液晶層へ入射した偏光は、屈折率N2 の液晶層を
透過した後に屈折率Nの等方屈折率物質層へ入射する
が、この時、N2 =Nの関係から、液晶層と等方屈折率
物質層との界面で何ら作用を受けずに透過する。すなわ
ち、液晶分子の配向を上記の状態AとBとの間でスイッ
チさせることにより、液晶層へ入射する偏光を反射ある
いは透過させるように変調することが可能となる。
【0012】また、液晶分子の配向状態が、上記の状態
Aから状態Bへの間の状態をとる場合に、入射光の強度
をI、入射光の振動方向と、液晶分子の長軸とがなす角
をφとすると、入射光の内、I・sinφ分の強度の光
が、屈折率N2 の液晶層を透過して等方屈折率物質層へ
入射し、界面で作用を受けずに透過する。この時、界面
における反射成分と透過成分との双方が出現し、上記の
φをリニアに変化させれば、階調表示が可能となる。
【0013】さらに、上記液晶層は、上記等方屈折率物
質層の層面に平行な面内で配向変化を生じることから、
入射光の広がりに対してのマージンが広い。さらに、液
晶層における配向規制力(アンカリングエネルギ)は、
液晶層の法線方向への配向変化に対する規制力に比べ
て、平行な面内での配向変化に対する規制力の方が一般
的に小さいため、比較的低い駆動電圧によって、等方屈
折率物質層の層面に平行な面内で液晶分子の配向変化を
生じさせることができる。すなわち、請求項1に記載の
偏向素子は、比較的低い駆動電圧によって、光の変調を
行うことが可能である。
【0014】請求項2記載の偏向素子は、請求項1記載
の構成において、上記液晶層が双安定状態を有する液晶
からなり、該液晶層へ入射する偏光の振動方向と、上記
双安定状態の一方の状態にある液晶分子の配向方向とが
同一平面に含まれることを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、上記液晶層へ入射し
た偏光の振動方向が、液晶分子の双安定状態の一方と同
一平面に含まれるので、該偏光は液晶層と等方屈折率物
質層との界面で全反射される。また、液晶分子の配向状
態が他方の双安定状態に変化すると、入射光の強度を
I、液晶のコーン角をφとすると、入射光の内のI・s
inφ分の強度の光が、液晶層を透過する。これによ
り、液晶を駆動して双安定状態の間で液晶分子のスイッ
チングを生じさせることにより、光の変調を行うことが
可能となる。
【0016】請求項3記載の偏向素子は、請求項2記載
の構成において、上記液晶のコーン角が略90°である
ことを特徴としている。
【0017】上記の構成によれば、液晶のコーン角を略
90°としたことにより、液晶分子が一方の安定状態に
ある場合には、入射偏光のすべてが液晶層と等方屈折率
物質層との界面で全反射する。一方、液晶分子が他方の
安定状態にスイッチした場合に、入射光の強度をI、液
晶のコーン角をφとすると、液晶層を透過する光の強度
は、I・sinφで表され、φが略90°であることか
ら、この場合、入射偏光のほとんどが液晶層を透過する
こととなる。この結果、コントラスト比の高い変調光を
得ることが可能となる。
【0018】請求項4記載の偏向素子は、請求項1記載
の構成において、上記液晶層が、単安定性モードの液晶
からなることを特徴としている。
【0019】上記の構成において、液晶分子の配向状態
は、駆動電圧が印加されている間は駆動電圧に応じて変
化し、駆動電圧がなくなると安定状態に戻る。すなわ
ち、例えば、単安定状態における液晶分子の配向方向
と、入射偏光の振動方向とが同一平面内に含まれるよう
に配置すれば、液晶分子が単安定状態にあるときすなわ
ち駆動電圧が印加されていないときは、入射偏光は液晶
層と等方屈折率物質層との間で全反射し、駆動電圧が印
加されて液晶分子の配向方向に変化が生じた場合は、液
晶層を透過する光の強度は駆動電圧に応じて連続的に変
化する。これにより、変調光の強度を連続的に階調変化
させることができ、この偏向素子を例えば表示装置等に
適用すれば、階調表示が可能となる。
【0020】請求項5記載の偏向素子は、請求項1記載
の構成において、ほぼ均一な屈折率を有する透光性物質
から構成され、上記偏光手段からの偏光を上記液晶層へ
導く導光手段をさらに備えたことを特徴としている。
【0021】上記の構成において、偏光手段からの偏光
は、導光手段によって液晶層へ導かれるが、導光手段が
ほぼ均一な屈折率を有する透光性物質から構成されてい
ることにより、上記偏光が液晶層へ入射するまでの間に
屈折あるいは反射することが防止され、光の利用効率を
向上することが可能となる。なお、上記導光手段は、例
えば、液晶層を駆動するための透明電極や配向膜等を備
えた前面基板、上記全面基板と偏光手段との間に配置さ
れ得るプリズム、および上記全面基板とプリズムとの間
に充填され得る接着剤等によって構成され得る。
【0022】請求項6記載の偏向素子は、請求項5記載
の構成において、上記導光手段が、上記等方屈折率物質
層および液晶層の界面への上記偏光の入射面による断面
が台形状のプリズムを含み、上記断面に台形の脚の一方
として現れる上記プリズムの光入射表面に対して、上記
偏光手段からの偏光が、約±20°以内の入射角で入射
することを特徴としている。
【0023】上記の構成において、偏光手段からの偏光
は、プリズムの光入射表面に対して−20°〜20°の
範囲の入射角で入射する。図22(a)に示すように、
光が空気からプリズムへ入射する場合、上記の範囲の入
射角ではそのほとんどが反射されることなく空気とプリ
ズムとの界面を透過する。また、図22(b)に示すよ
うに、光がプリズムから空気へ入射する場合の入射角が
上記の範囲であれば、そのほとんどが反射されることな
くプリズムと空気との界面を透過する。この結果、光源
からの光が拡がりを有していても、プリズムに入射する
際や同プリズムから出射する際の光の損失を抑制し、光
の利用効率を向上させることが可能となる。
【0024】請求項7記載の偏向素子は、請求項6記載
の構成において、上記プリズムにおいて、上記断面に台
形の下底として現れる底面と上記光入射表面とのなす角
が、50°以上90°未満であることを特徴としてい
る。
【0025】上記の構成において、プリズムの光入射表
面へ垂直に入射した光のプリズムの底面に対する入射角
は、底面と光入射表面とのなす角と等しくなる。このた
め、上記プリズムが、その底面が等方屈折率物質層に対
して平行に積層されている場合、等方屈折率物質層と液
晶層との界面へ臨界角で光を入射させるためには、その
臨界角と、プリズムの底面と光入射表面とのなす角が等
しくなるように構成すれば良い。図23は、液晶層の屈
折率と、等方屈折率物質層(屈折率1.5)および液晶
層の界面の臨界角との関係を示すグラフである。液晶層
を組成し得る材料としては様々な物質が存在するもの
の、液晶のとり得る最大の屈折率は1.9程度が限界で
あると考えられている。これを考慮すれば、プリズムの
底面と光入射表面とのなす角を50°以上90°未満と
すれば、液晶層と等方屈折率物質層と液晶層との界面へ
臨界角で光を入射させることができる。
【0026】請求項8記載の偏向素子は、請求項6記載
の構成において、上記プリズムにおいて、上記断面に台
形の上底として現れる光出射表面は、スイッチングに寄
与する実スイッチング領域よりも大きいことを特徴とし
ている。
【0027】上記の構成によれば、実スイッチング領域
内で反射した光が光出射表面からすべて出射するため、
例えば実スイッチング領域内で反射した光が上記断面に
台形の脚として現れる面で反射されてプリズム内部に戻
るいわゆる迷光の発生が防止され、良好なスイッチング
特性を得ることができる。
【0028】請求項9記載の偏向素子は、請求項1記載
の構成において、上記光反射部材が、上記液晶層と等方
屈折率物質層との界面に対向する傾斜面を有することを
特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、液晶層と等方屈折率
物質層との界面を透過した光が、傾斜面によって、上記
界面で反射された光とは異なる方向へ反射されるため、
これらの光が完全に分離され、例えばこの偏向素子を表
示素子として用いた場合、高コントラストな表示が実現
される。
【0030】請求項10記載の偏向素子は、請求項9記
載の構成において、上記傾斜面の上記界面に対する傾斜
角をδ、上記偏光の上記界面に対する入射角をθ2 とす
ると、θ2 /2≦δ≦θ2 が満足されることを特徴とし
ている。
【0031】上記の構成によれば、液晶層と等方屈折率
物質層との界面で反射する光は、上記界面を透過する光
と交差しない方向へ出射されることとなる。この結果、
これらの光が完全に分離され、例えばこの偏向素子を表
示素子として用いた場合、高コントラストな表示が実現
される。なお、δ=θ2 /2の場合、上記界面で反射す
る光は、上記界面に対して垂直な方向へ出射することと
なる。従って、例えば上記の構成による偏向素子を複数
配置して表示装置を構成する場合、隣合う偏向素子から
の出射光が互いに混じり合うことがなく、高精細な表示
を実現することが可能となる。
【0032】請求項11記載の投写型表示装置は、請求
項1ないし請求項10のいずれかに記載の偏向素子をラ
イトバルブとして備えたことを特徴としている。上記の
構成によれば、請求項1ないし請求項10のいずれかに
記載の偏向素子をライトバルブとして備えたことによ
り、比較的低い駆動電圧によってコントラスト比の高い
表示が可能な投写型表示装置を実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1な
いし図14に基づいて説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0034】図1は、本発明の実施の一形態としての液
晶偏向素子1(偏向素子)の構成を示す断面図である。
液晶偏向素子1は、前面基板13と背面基板12との間
に液晶層7を挟持すると共に、上記前面基板13の液晶
層7に対して反対側の面にプリズム11が積層された構
成である。上記前面基板13は、透光性基板10、透明
電極9、および配向膜8から構成されている。また、上
記背面基板12は、絶縁性基板2、鋸状部材3、光反射
電極4(光反射部材)、高分子層5(等方屈折率物質
層)、および配向膜6からなる。
【0035】背面基板12が備える鋸状部材3は、図2
に示すように、ブレーズ状に形成されている。最初に、
この鋸状部材3の金型の製造工程について、図3のフロ
ーチャートおよび図4(a)ないし(g)を参照しなが
ら説明する。
【0036】まず、図4(a)に示すように、ガラス基
板20上に、例えば東京応化社製、商品名「OFPR−
800」等により実現されるレジスト21を、所定の膜
厚(1〜50μm)になるように、スピンコートにより
塗布する(ステップ1、以下、S1のように表記す
る)。次に、Arレーザを用いて、レジスト21を所定
の形状(ここでは鋸歯状)に露光する(S2)。さら
に、露光したレジスト21を現像する(S3)。
【0037】続いて、スパッタリング法等によって、レ
ジスト21の表面にニッケル等の金属薄膜22を形成す
る(S4)。その後、上記金属薄膜22表面の形状を、
走査型トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunnel Micr
oscope) により検査する(S5)。次に、金属薄膜22
と同一の材料を用いて電鋳を行い、電鋳膜23を形成す
る(S6)。電鋳は、陽極として電解ニッケルを用い、
メッキ浴にはNi−SO4 −NH4 Cl−H3 BO3
使用し、温度30℃、電流1A/dm2 の条件下で行っ
た。さらに、レジスト21を除去することにより(S
7)、鋸歯状の表面形状を有する金型24が得られる。
【0038】次に、背面基板12の製造工程について説
明する。まず、上記のS1〜S7の工程で形成された金
型24を使用し、射出成形法を用いることにより、例え
ばコーニング社製、商品名「7059」等のガラス基板
等で実現される絶縁性基板2上に、鋸歯状の鋸状部材3
を形成する。
【0039】この時、鋸状部材3において、鋸歯状の傾
斜面は、入射光の反射成分と透過成分とを分離するため
のものであるため、上記傾斜面が絶縁性基板2の表面と
なす角度δ(図2参照)は、少なくとも、δ≠0°であ
れば良いが、本形態の液晶偏向素子1の鋸状部材3は、
この角度δが入射光の入射角の1/2となるように形成
され、ここではδ≒35°である。
【0040】次に、スパッタリング法を用いて、鋸状部
材3の表面にアルミニウムからなる光反射電極4を形成
する。さらに、この鋸状部材3および光反射電極4の凹
凸に対する平坦化膜を兼ねた高分子層5として、屈折率
が約1.5のポリビフェニルアルコール(PVA)層を
形成する。続いて、高分子層5の表面に、例えば日産化
学社製、商品名「RN−1024」をスピンコートによ
り500Å程度の膜厚で塗布し、180℃で1時間程度
の焼成を行い、ラビング法等により配向処理を施すこと
によって、配向膜6を形成する。以上の手順により、背
面基板12が形成される。
【0041】一方、前面基板13は、以下の工程により
形成される。まず、例えばコーニング社製、商品名「7
059」のガラス基板等で実現される透光性基板10の
表面に、ITO(インジウム錫酸化物)で実現される透
明電極9をスパッタリング法により形成する。さらに、
この透明電極9表面に、上記の配向膜6と同様の手順に
よって配向膜8を形成する。
【0042】次に、上述の手順で形成された背面基板1
2および前面基板13を用いて液晶セルを形成する方法
について説明する。まず、背面基板12および前面基板
13を、その配向処理の方向(ラビング方向)が互いに
平行となるように対向させ、基板間に粒径2μmのガラ
スビーズスペーサ(図示せず)を介し、接着材(図示せ
ず)により接着する。この時、両基板間には、スペーサ
によって2μmの間隙が全体にわたって均一に形成され
ている。この間隙に、例えばメルク社製、商品名「ZL
I−4237」、相転移系列I→Ch→SA→SC*
コーン角50°、Δn≒0.13の液晶を80℃下(I
相)で真空脱気により導入して導入口を封止し、一旦9
0℃まで加熱した後に徐冷することにより、液晶層7が
形成される。以上の工程により、液晶層7を有する液晶
セルが完成する。
【0043】ここで、導入した液晶の配向は、配向制御
法に従い、SmC* の螺旋が解けた表面安定化強誘電性
液晶(SSF−LC:Surface Stabilized Ferroelectr
ic Liquid Crystal )モードを呈している。図5は、液
晶層7の液晶分子の配向が、前面基板13および背面基
板12の間に印加される電圧に応じて変化する様子を示
す模式図である。なお、同図中に示す矢印Dは、前面基
板13の配向膜8および背面基板12の配向膜6の配向
処理の向きを示している。
【0044】同図に示すように、SSF−LCモードに
おける液晶分子の配向は、印加される電界の向きと液晶
分子のダイポールとが逆向きとなるように、2つの安定
状態SA およびSB の間で切り替わる。なお、安定状態
A およびSB 以外の状態では液晶分子は安定的に配向
しない。すなわち、このモードでは白黒表示が可能であ
る。
【0045】以下、図6(a)および(b)、および図
7を参照しながら、上記の液晶セルの動作原理について
説明する。
【0046】図7に示すように、上記液晶セルでは、互
いに異なる屈折率を有する第1の層(液晶層7)および
第2の層(高分子層5)によって、入射光を反射あるい
は透過させるミラー層が形成されている。つまり、ミラ
ー層に入射した入射光51は、第1の層(屈折率:
1 )と第2の層(屈折率:n2 )との界面50により
作用を受け、 界面50で反射され、第1の層方向へ出射する成分
(反射成分52) 界面50を透過し、第2の層方向へ出射する成分(透
過成分53) の2つに分類される。
【0047】なお、実際には、第1の層である液晶層7
と第2の層である高分子層5との間には配向膜6が介在
しているため、界面50での光の反射あるいは透過の際
には、この配向膜6における屈折等の影響が考えられ
る。しかしながら、一般的に配向膜の屈折率は液晶層の
屈折率とほぼ等しいので、当該配向膜6による光の屈折
は無視できると考えられる。
【0048】図6(a)は、液晶層7の液晶分子が双安
定状態の一方である安定状態SA にある場合に、液晶層
7へ入射光18が入射する様子を模式的に示したもので
あり、液晶層7の斜め上方から見た斜視図および液晶層
7の法線方向上方から見た平面図である。また、同図
(b)は、液晶分子が双安定状態の他方である安定状態
B にある場合の入射光18の光路を示す模式的に示す
斜視図である。
【0049】入射光18は、図示しない偏光板等の偏光
素子により偏光された直線偏光であり、入射角θ1 で液
晶層7へ入射する。この入射角θ1 は、入射面におい
て、液晶層7の法線17と入射光18とがなす角であ
る。また、入射光18の振動方向は、図中の矢印19で
示す方向であり、入射光18の進行方向に対して直交
し、且つ入射面に含まれている。今、液晶層7の液晶分
子16の配向状態が、同図(a)に示す安定状態SA
あり、入射光18の振動方向と、液晶分子16の長軸方
向とは、共に入射面内に含まれる。この時、入射光18
は、液晶分子16の屈折率異方性の異常光線成分
(ne )を屈折率とする液晶層7を透過する。
【0050】また、液晶層7の液晶分子16が、同図
(b)に示すように安定状態SB にある時、入射光18
は、液晶分子16の屈折率異方性の常光線成分(nO
を屈折率とする液晶層7を透過する。
【0051】ここで、高分子層5の屈折率をn、高分子
層5と液晶層7との界面へ入射した入射光18の臨界角
をθc とすると、これらの間には以下の関係が成り立
つ。
【0052】ne ≧n/sinθco =n θ1 ≧θc すなわち、液晶分子16が、同図(a)に示すように安
定状態SA にある場合、入射光18は、屈折率ne の液
晶層7を通過して、屈折率nの高分子層5へ入射する。
この時、この状態は、フレネルの式における全反射条件
を満足することから、入射光18は、同図(a)に示す
ように、液晶層7と高分子層5との界面で全反射する。
【0053】一方、液晶層7へ電圧を印加し、液晶分子
16の配向を同図(b)に示すような安定状態SB へ変
化させると、入射光18は、屈折率no の液晶層7を透
過した後に屈折率nの高分子層5へ入射する。この時、
上記したようにn=no の関係が成り立っているので、
入射光18は、同図(b)に示すように、液晶層7と高
分子層5との界面で何ら作用を受けずにこの界面を透過
する。
【0054】以上のように、液晶層7へ駆動電圧を印加
して、液晶分子16の配向を安定状態SA およびSB
いずれかにスイッチすることにより、図7に示す反射成
分52および透過成分53とのいずれかのみが出現する
こととなり、入射光18を反射あるいは透過させるよう
に変調することが可能となる。
【0055】また、安定状態SA およびSB の間では、
入射光の強度をI、入射光の振動方向と液晶分子の長軸
とがなす角をφとすると、図14(b)に示すように、
入射光の一部であるI・sinφ分の強度の光が、液晶
層7と高分子層5との界面で作用を受けずに、屈折率n
o の液晶層7を透過して高分子層5へ入射する。つま
り、この時、図7に示す反射成分52と透過成分53と
の双方が出現することとなり、このφをリニアに変化さ
せることができれば階調表示が可能となるが、これにつ
いては、後述する実施の形態2で説明する。
【0056】なお、液晶分子16が、液晶層7と高分子
層5との界面に平行な面内で配向変化を生じることによ
り、次のような効果が得られる。まず、(1)液晶分子
を界面に平行な面内で配向変化させる表示モードは、一
般に広視野角が得られるモードとして知られており、こ
れはすなわち、入射光の広がりに対してのマージンが広
いということを示す。また、(2)配向膜による配向規
制力(アンカリングエネルギ)は、配向膜の法線方向へ
の配向変化に対する規制力に比べて、配向膜に平行な面
内での配向変化に対する規制力の方が小さいため、低電
圧駆動が可能である。
【0057】次に、本実施の形態の液晶偏向素子1が備
えるプリズム11について、さらに詳細に説明する。上
記プリズム11は、図1に示したように、入射面による
断面において台形(等角台形)を示し、この断面におい
て台形の下底となる表面11aが、前面基板13の透光
性基板10表面に接着されている。また、プリズム11
は、上記断面において台形の脚として示される2つの面
を表面11b1 ・11b2 とし、台形の上底として示さ
れる面を表面11cとすると、上記入射面による断面に
おいて、表面11aと表面11b1 および11b2 の各
々とがなす角αが約70°になるように形成されてい
る。
【0058】プリズム11は、その屈折率が前面基板1
3の透光性基板10とほぼ等しいという特徴を有し、例
えばガラス等で形成される。また、プリズム11と透光
性基板10との間には、これらと屈折率および透過光ス
ペクトルがほぼ等しく、かつ等方性を示す接着剤(図示
せず)として、例えばロックタイト社製、商品名「ロッ
クタイト365」が充填されている。
【0059】また、プリズム11、全面基板13、およ
び上記の接着剤は、偏光を液晶層7へ導く導光手段を形
成するものであり、互いにほぼ等しい屈折率を有する。
これにより、偏光が液晶層7へ入射するまでに反射した
り屈折したりすることが防止され、光の利用効率が向上
する。
【0060】図8(a)および(b)は、液晶偏向素子
1において、プリズム11を通って液晶セルへ入射した
光が、液晶層7および高分子層5により形成されるミラ
ー層の界面で全反射され、あるいは上記界面を透過した
後に光反射電極4で反射される様子をそれぞれ示す模式
図である。
【0061】液晶偏向素子1では、前述の図7に示した
ように、入射角+θ1 でミラー層へ入射した入射光51
の内、第1の層(液晶層7)および第2の層(高分子層
5)の界面50で反射した光は、前記入射角θ1 と大き
さが等しい出射角−θ3 で出射する。一方、前記界面5
0を透過した光は、出射角θ2 で第2の層へ入射した
後、図8(a)あるいは(b)に示すように、光反射電
極4へ到達し、その表面で反射される。
【0062】この反射光は、上記界面50に対して、−
(θ2 ±2δ)の方向へ反射して出射する。なお、δ
は、前記したように、鋸状部材3の傾斜面と絶縁性基板
2の表面とがなす角度である。すなわち、δ≠0°であ
れば、界面50を透過した光が、該界面50で全反射し
た光と異なる方向へ反射することが分かる。これによ
り、界面50で分離した光が再び合成されないように
し、光の干渉による悪影響を防止することができる。
【0063】図8(a)は、鋸状部材3の傾斜角δを、
δ≠0°かつδ≠θ1 /2に設定した場合の光路を示す
模式図である。また、同図(b)は、傾斜角δ=θ1
2とした場合の光路を示す模式図である。
【0064】入射光が、プリズム11の表面11b1
対して垂直に入射する場合は、前記入射角θ1 は、角度
αによって決まる。また、液晶層7および高分子層5の
界面で反射した光(オン状態光)は、鋸状部材3の傾斜
角δによらず、プリズム11の光出射側の表面11b2
に対して垂直に出射する。
【0065】一方、液晶層7および高分子層5の界面を
透過し、光反射電極4の表面で反射した光(オフ状態
光)は、傾斜角δがδ≠0°かつδ≠θ1 /2の場合に
は、図8(a)に示すように、プリズム11の表面11
cに対して垂直以外の角度で出射し、傾斜角δがδ=θ
1 /2を満たす場合には、同図(b)に示すように、上
記の表面11cに対して垂直に出射する。
【0066】なお、θ1 /2<δ≦θ1 とすれば、プリ
ズム11の表面11cから出射する光は、表面11cの
法線方向よりも表面11b1 側に傾いた方向へ出射する
こととなる。この場合、オン状態光とオフ状態光とが交
差することがなく、オン状態光とオフ状態光とを完全に
分離することが可能となる。
【0067】ここでは、入射光が表面11b1 に対して
垂直に入射する場合を図示しているが、好ましくは、入
射光が表面11b1 の法線に対して±20°以内の角度
で入射させる。ここで、図22(a)および(b)、図
23を参照しながらその理由を説明する。
【0068】図22(a)は、空気(屈折率1.0)か
ら屈折率1.5の物質へ光が入射する場合の入射角と透
過成分および反射成分との関係を示すものであり、同図
(b)は、屈折率1.5の物質から空気へ光が入射する
場合の入射角と透過成分および反射成分との関係を示す
グラフである。また、図23は、ガラス(屈折率1.
5)と液晶層との界面において、液晶層の屈折率を変化
させた場合の臨界角の変化の様子を示すグラフである。
【0069】図22(a)に示すように、光が空気(屈
折率1.0)からガラス(屈折率1.5)へ入射する場
合、入射角が35°より小さければそのほとんどが反射
されることなく空気とガラスとの界面を透過する。ま
た、図8(b)に示すように、δ=θ1 /2が満足され
ている場合、表面11b1 の入射角と表面11cからの
出射角とが等しくなる。図22(b)に示すように、光
がガラス(屈折率1.5)から空気(屈折率1.0)へ
入射する場合の入射角が20°以下であれば、そのほと
んどが反射されることなくガラスと空気との界面を透過
する。
【0070】従って、表面11b1 への入射角が±20
°以内であれば、プリズム11の表面11b1 でほとん
ど反射されることなく液晶表示素子1内に取り込まれる
と共に、プリズム11の表面11cでほとんど反射され
ることなく空気中へ出射することとなるので、光源から
の光が拡がりを有していても、光の利用効率を向上させ
ることが可能となる。
【0071】なお、ここでは、入射面による断面におい
て、プリズム11の表面11aと表面11b1 および1
1b2 の各々とがなす角αは、約70°になるように形
成されているが、このαは50°以上90°未満である
ことが好ましい。
【0072】この理由は、以下のとおりである。すなわ
ち、プリズム11の表面11b1 へ垂直に入射した光の
液晶層7への入射角は、αの大きさと等しくなる。すな
わち、表面11b1 へ垂直入射した光を液晶層7と高分
子層5との界面へ臨界角で入射させるためには、臨界角
とαとが等しくなるようにすれば良い。図23は、液晶
層7の屈折率と、高分子層5(屈折率1.5)および液
晶層7の界面の臨界角との関係を示すグラフである。液
晶層7を組成し得る材料としては様々な物質が存在する
ものの、液晶のとり得る最大の屈折率は1.9程度が限
界であると考えられている。このことから、図23から
明らかなように、プリズムの底面と光入射表面とのなす
角を50°以上90°未満とすれば、液晶層7と高分子
層5との界面へ臨界角で光を入射させることができる。
【0073】また、液晶偏向素子1を例えば表示装置と
して用いる場合、図9に示すように、プリズム11の表
面11c(図中に示す領域A3)を、実際の表示に関わ
る領域(領域A2)よりも大きく形成することが好まし
い。あるいは、液晶偏向素子1を他のスイッチング素子
として用いる場合においても、上記領域A3は、実際の
スイッチングに関わる領域(領域A2)よりも大きくな
るように形成されることが好ましい。
【0074】図10(a)は、プリズム11の表面11
cを上記の領域A2よりも小さく形成した場合、同図
(b)は、プリズム11の表面11cを上記の領域A2
よりも大きく形成した場合における、液晶偏向素子1に
おける光路をそれぞれ示す模式図である。
【0075】プリズム11の表面11cが、上記の領域
A2よりも小さく形成された場合には、図10(a)に
示すように、液晶層7および高分子層5を透過して光反
射電極4で反射された光の一部は、プリズム11の表面
11b2 および表面11cで反射され、再び液晶層7お
よび高分子層5へ入射する方向へ進行する。このような
光(迷光)はコントラスト比の低減等の不都合の原因と
なるので、好ましくない。
【0076】これに対して、プリズム11の表面11c
を、上記の領域A2よりも大きくなるように形成すれ
ば、光反射電極4で反射された光はすべて、プリズム1
1の表面11cから出射する。これにより、すべての反
射光を表面11cから出射させることができる。
【0077】さらに、プリズム11は、表面11b1
らの入射光によって表面11aに投影される表面11b
1 の投影領域A1が、実スイッチング領域A2よりも大
きくなるように形成される。これによって、実スイッチ
ング領域A2全体に光を入射させることができる。
【0078】ここで、図11に示すような測定装置を用
い、液晶偏向素子1の光学特性を測定した結果を図12
に示す。図11に示すように、上記測定装置は、光源3
1からの光を偏光素子32(偏光手段)により所定の偏
光33として液晶偏向素子1に入射させ、液晶偏向素子
1において液晶層7へ印加する電圧を変化させながら、
液晶偏向素子1から出力される光34・35を、ディテ
クタ36・37で検出する。
【0079】なお、光35は、高分子層5と液晶層7と
の界面で反射されて出射する光(オン状態光)であり、
プリズム11の表面11b2 から出射し、ディテクタ3
7でその光強度が検出される。また、光34は、高分子
層5と液晶層7との界面を透過した後に光反射電極4で
反射して出射する光(オフ状態光)であり、プリズム1
1の表面11cから出射し、ディテクタ36でその光強
度が検出される。
【0080】図12において、L1 はディテクタ37で
検出されるオン状態光の強度(高分子層5および液晶層
7の界面における反射率)を示すグラフであり、L2
ディテクタ36で検出されるオフ状態光の強度(高分子
層5および液晶層7の界面における透過率)を示すグラ
フである。
【0081】すなわち、印加電圧が1〜5Vの範囲で
は、偏光素子32を通って液晶偏向素子1へ入射した偏
光のすべてが反射されてオン状態光として検出され、印
加電圧5V付近において反射率が急峻に減少し、印加電
圧が5〜10Vの範囲では、ディテクタ37で検出され
るオン状態光は、入射偏光の20%となる。また、オフ
状態光に関しては、印加電圧が1〜5Vの範囲ではディ
テクタ36で検出されず、印加電圧が5V付近において
透過率が急峻に増加し、印加電圧が5〜10Vの範囲
で、入射する偏光の約80%がディテクタ36において
検出される。このことから、液晶偏向素子1は、オン状
態光およびオフ状態光の双方において、10Vよりも低
い駆動電圧により、光スイッチとして十分なON/OF
F比が得られることが分かる。つまり、液晶偏向素子1
は、低電圧駆動によってコントラスト比の高い変調光を
得ることが可能である。
【0082】なお、鋸状部材3の製造方法および鋸状部
材3の製造に用いる金型の製造方法は、鋸状部材3が所
定の形状になされれば良く、本実施の形態において前記
した方法に限定されるものではない。また、鋸状部材3
の代わりに、図13に示すようなプリズムシート状の部
材3aを用いても良い。この部材3aは、入射面による
断面における形状が二等辺三角形状のプリズムが連続し
て形成されている。このプリズムシート状の部材3aに
おいても、入射面による断面におけるプリズムの底角δ
は、入射光の入射角の1/2であることが好ましい。
【0083】また、液晶層7の液晶の配向制御方法は、
ラビング法に限定されるものではなく、斜方蒸着法等を
用いても良い。さらに、本形態では、前面基板13とプ
リズム11とを別体としてそれぞれ形成し、後に接合す
る製造方法を説明したが、プリズム11が前面基板13
の透光性基板10を兼ねた構成とすることも可能であ
る。また、本形態において使用した液晶のコーン角は5
0°としたが、略90°であることが最も望ましい。そ
の理由を、図14(a)ないし(c)を参照しながら説
明すると、以下のとおりである。
【0084】今、液晶層7の液晶分子16の配向が、同
図(a)に示すように、入射する偏光の振動方向と平行
であるとする。すなわち、入射偏光の進行方向を図中に
示すz軸正方向とし、この偏光の振動方向をx軸方向と
する。なお、上記偏光の光強度をIで表す。この時の液
晶分子16の状態を便宜上、初期状態と称する。液晶分
子16は、図中のx−y平面内で配向変化を生じる。こ
の時、入射偏光は、屈折率ne の液晶層7を通過し、屈
折率nの高分子層5に入射する。
【0085】この時、屈折率ne 、n、およびno の間
に、次の式(1)ないし(3)の関係が成り立ち、入射
光は、液晶層7と高分子層5との界面で全反射する。
【0086】ne ≧n/sinθc ・・・(1) no =n ・・・(2) θ1 ≧θc ・・・(3) 次に、電圧を印加し、同図(b)に示すように、液晶分
子16の配向状態を初期状態からx−y平面内で角度φ
(0°<φ<90°)だけ回転させた場合、入射光は液
晶分子16の屈折率異方性における常光成分(no )お
よび異常光成分(ne )に応じて分離される。すなわ
ち、入射光の強度をI、常光成分の光強度をIno 、異
常光成分の光強度をIne とすると、 Ino =I・sinφ Ine =I・cosφ と記述される。これらの成分に分離した光は、それぞれ
の屈折率異方性すなわち屈折率no あるいはne の液晶
層7を通過し、屈折率nの高分子層5へと入射するわけ
であるから、光の状態を全反射と完全な透過との間で切
り替えたい場合、同図(c)に示すように、Ine
0、すなわち、液晶の配向変位角であるコーン角φが9
0°であることが好ましい。これによれば、変調光のコ
ントラスト比を向上させることが可能となる。
【0087】なお、本形態では双安定性の液晶表示方式
としてSSF−LCモードを採用したが、同様の効果が
得られるのであればこれに限らず、また、Sm相の中に
は3種類以上の安定状態を有するものも存在することか
ら、そのようなSm相を用いて階調表示を行うことも可
能である。
【0088】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について図15ないし図17に基づいて説明すれば、以
下のとおりである。なお、前記した実施の形態1で説明
した構成と同様の機能を有する構成には、同一の符号を
付記し、その説明を省略する。
【0089】前記した実施の形態1の液晶偏向素子1
は、白黒表示は可能であるものの、階調表示を行うこと
は不可能であった。本実施の形態では、低電圧駆動が可
能で、かつ連続的な階調表示が得られる液晶偏向素子4
0について説明する。
【0090】上記液晶偏向素子40は、実施の形態1で
説明した液晶偏向素子1とほぼ同様の構成であるが、背
面基板12と前面基板13との間隙に粒径1.5μmの
ガラスビーズスペーサを介し、背面基板12と前面基板
13をその配向処理方向が互いに平行かつ逆向きとなる
ように対向させた点が、前述の液晶偏向素子1と異なっ
ている。
【0091】液晶偏向素子40は、上記のように液晶セ
ルが構成されたことにより、SSF−LCのような双安
定性が失われ、単安定状態を有する強誘電性液晶モード
を呈している(第17回液晶討論会予稿集,3F301(1991)
参照)。なお、上記の単安定状態は、配向処理方向に沿
う方向である。
【0092】図15は、液晶偏向素子40の液晶層7に
おいて、前面基板13および背面基板12の間に印加さ
れる電圧に応じて液晶分子の配向が変化する様子を示す
模式図である。また、同図中に示す矢印D1 およびD2
は、前面基板13の配向膜8および背面基板12の配向
膜6の各々に施された配向処理の方向を、それぞれ示す
ものである。
【0093】液晶偏向素子40では、電圧が印加されて
いない場合には、同図に示すように、液晶分子は安定状
態S1 を呈している。この液晶分子に電圧が印加される
と、SSF−LCと同様に液晶分子のダイポールが印加
電界と逆向きになるように、状態S2 またはS3 のいず
れかへ配向の変化が生じる。しかし、印加電圧をOFF
にすると、液晶分子の配向は、直ちに安定状態S1 へ戻
る。このように、電圧の無印加時に単安定状態をとり、
電圧の印加時には印加電圧に応じて配向の変化が生じる
ことにより、本形態の液晶偏向素子40を表示装置に適
用した場合、階調表示が可能となる。
【0094】図16は、液晶偏向素子40における、液
晶分子の配向方向の角度変化に対する光の透過率(反射
率)を示すグラフである。図中に示す曲線L3 は、高分
子層5および液晶層7の界面において全反射される反射
成分の反射率を示し、曲線L4 は、上記界面を透過する
透過成分の透過率を示す。同図から明らかなように、液
晶偏向素子40においては、液晶分子の配向方向の角度
変化に応じて連続的に光の透過率(反射率)が変化する
ことが分かる。すなわち、液晶偏向素子40を例えば表
示装置に適用することにより、階調表示が可能となる。
【0095】図17は、液晶偏向素子40において、印
加電圧に対する透過(反射)率特性を測定した結果を示
すグラフである。図中に示す曲線L5 は、高分子層5お
よび液晶層7の界面において全反射される反射成分の反
射率を示し、曲線L6 は、上記界面を透過する透過成分
の透過率を示す。同図から明らかなように、液晶偏向素
子40は、1〜5V程度の印加電圧に応じて透過(反
射)率が連続的に変化することが分かる。また、印加電
圧が5V付近において、反射成分は急峻に減少し、透過
成分は急峻に増加する。すなわち、液晶偏向素子40
は、1〜10V程度の比較的低い駆動電圧によって、コ
ントラスト比の高い変調光を得ることができると共に、
連続的な階調変調を行うことが可能である。
【0096】なお、本形態では、配向制御法によって安
定状態を1つにした強誘電性液晶を液晶層として用いた
構成を例に挙げて説明したが、同様の効果が得られるの
であれば、これに限定されるものではなく、例えば、1
995年の液晶討論会で発表されたような、強誘電性液
晶に液晶性高分子を混入してSSF−LCの双安定性を
消滅させる方法を用いることも可能である。また、反強
誘電性液晶を使用した構成としても良く、同様の効果を
得ることができる。
【0097】〔実施の形態3〕本発明の実施に係るさら
に他の形態について図18ないし図21に基づいて説明
すれば、以下のとおりである。なお、前記した各実施の
形態で説明した構成と同様の構成には同一の記号を付記
し、その説明を省略する。
【0098】ここでは、駆動素子としてTFT素子72
を備えた液晶偏向素子71と、この液晶偏向素子71を
ライトバルブとして用いた投写型液晶表示装置について
説明する。上記液晶偏向素子71は、前記実施の形態1
の液晶偏向素子1と比較して、TFT素子72を有する
点で異なっているが、その他の部分の構成は、液晶偏向
素子1とほぼ同様である。
【0099】ここで、TFT素子72を有した液晶偏向
素子71の製造工程について、図18および図19を参
照しながら説明する。
【0100】まず、第1の工程(S21)では、ガラス
基板2上に、スパッタリング法により300nmの厚さ
のTa金属膜を形成し、この金属膜をフォトリソグラフ
ィ法およびエッチングによりパターン化し、ゲートバス
配線(図示せず)およびゲート電極73を形成する。
【0101】第2の工程(S22)では、プラズマCV
D(Chemical Vapor Deposition) 法を用い、上記ゲート
バス配線およびゲート電極73を覆うように、SiNx
からなるゲート絶縁膜74を絶縁性基板2上に形成す
る。なお、このゲート絶縁膜74の膜厚は、400nm
とする。
【0102】次に、第3の工程(S23)で、コンタク
ト層76および半導体層75を形成する。まず、前記ゲ
ート絶縁膜74上に、後に半導体層72となる厚さ10
0nmのa−Si層と、後にコンタクト層71となる厚
さ40nmのn+ 型a−Si層とをこの順番に連続的に
形成する。次に、前記n+ 型a−Si層とa−Si層と
をパターニングすることにより、コンタクト層76およ
び半導体層75を形成する。
【0103】第4の工程(S24)では、コンタクト層
76および半導体層75が形成された基板上に、厚さ2
00nmのMo金属層をスパッタリング法によって成膜
してパターニングすることにより、ソース電極77、ド
レイン電極78、およびソースバス配線(図示せず)が
形成される。また、ドレイン電極78には、導体層79
が接続される。以上の工程により、TFT素子72が完
成する。なお、TFT素子72の入力端子として機能す
るソース電極77には、信号線として機能するソースバ
ス配線(図示せず)が接続されている。
【0104】上記工程を経てTFT素子72が形成され
た基板上に、前記した実施の形態1で説明した鋸状部材
3を射出成形により形成し、その後ドライエッチング工
程を用いて背面基板上のTFT素子72のソース電極7
7にコンタクトホール3aを形成する。さらに、鋸状部
材3を覆うように光反射電極4を形成する。この光反射
電極4は、スパッタリング法により形成されるアルミニ
ウム層からなる。
【0105】これ以後、前記した実施の形態1で説明し
た工程と同様の工程により、液晶偏向素子71が完成す
る。
【0106】上記の液晶偏向素子71は、投写型表示装
置のライトバルブとして好適に用いることができる。図
20は、本発明の投写型表示装置の実施に係る一形態と
しての投写型表示装置81の概略構成およびその動作原
理を示す模式図である。投写型表示装置81は、上記液
晶偏向素子71、偏光板82、光源83、および投影レ
ンズ84から構成されている。
【0107】上記の構成において、光源83からの光8
5は、偏光板82を介して偏光85aとなって、液晶偏
向素子71のプリズム11の表面11b1 から入射角θ
1 で入射する。入射した偏光85aは、高分子層5およ
び液晶層7の界面で反射し、オン状態光86としてプリ
ズム11の表面11b2 から出射した後、投影レンズ8
4を介して投影される。この場合、光反射電極4で反射
して出射する光(オフ状態光)は、表示には寄与しな
い。
【0108】以上のように、液晶偏向素子71をライト
バルブとして使用した投写型表示装置81を実現するこ
とができる。なお、前記オン状態光86の代わりに、高
分子層5および液晶層7の界面を透過した後に光反射電
極4で反射される光(オフ状態光)を表示に用いるよう
に構成しても良い。
【0109】また、図21は、本発明の投写型表示装置
に係る他の形態としての投写型表示装置91の概略構成
を、光路と共に示す模式図である。この投写型表示装置
91は、液晶偏向素子71、偏光ビームスプリッタ9
2、反射板93・94・96・98、位相差板95・9
7、光源83、および投影レンズ84から構成されてい
る。
【0110】なお、上記液晶偏光素子71は、背面基板
12側で光反射電極4による傾斜面を形成するための構
成として、前記の鋸状部材3の代わりに、図13に示し
たような、プリズムシート状の部材3aを備えている。
この部材3aは、入射面による断面の形状が、絶縁性基
板2側を底辺とする二等辺三角形状に形成されており、
上記二等辺三角形の底角δは、入射光の入射角θ1 の1
/2になるように形成されている。
【0111】光源83からの光85は、偏光ビームスプ
リッタ92でP偏光85pとS偏光85sとに分けられ
る。P偏光85pは、反射板93・94で反射されて、
プリズム11の表面11b1 から入射角θ1 で入射す
る。一方、S偏光85sは、位相差板95、反射板9
6、および位相差板97を順次通過することによってP
偏光に変換され、プリズム11の表面11b2 から入射
角θ1 で入射する。
【0112】プリズム11へ2つの表面11b1 ・11
2 から入射した光は、光反射電極4で反射されてオフ
状態光99としてプリズム11の表面11cから出射
し、投影レンズ84を介して投影される。この場合、高
分子層5および液晶層7の界面で反射して出射する光
(オン状態光)は、表示には寄与しない。
【0113】以上のように、液晶偏向素子71をライト
バルブとして使用した投写型表示装置91を実現するこ
とができる。前記した投写型表示装置81では、理論的
に、偏光板82によって光の利用効率が約半分に低下す
るのに対し、投写型表示装置91は、光源83からの光
をP偏光およびS偏光に一旦分割した後、S偏光をP偏
光に変換してから液晶偏向素子71へ入射させる。すな
わち、投写型表示装置91では、理論的には光源83か
らの光を100%利用することができる。
【0114】なお、本実施の形態では、液晶偏向素子1
にTFT素子72を備えた構成としての液晶偏向素子7
1をライトバルブとして用いる例を説明したが、この液
晶偏向素子71の代わりに、前記実施の形態2の液晶偏
向素子40にTFT素子72を設けたものを使用するこ
とも可能である。
【0115】また、液晶偏向素子71において、絶縁性
基板2としてガラス基板を用いた構成を例示したが、こ
の液晶偏向素子71は反射型スイッチであるため、絶縁
性基板2は必ずしも透明でなくても良い。すなわち、ガ
ラス基板の代わりに例えばシリコン基板を使用した構成
とすることも可能であり、この構成によれば、装置の小
型化および表示の高精細化が図れるというさらなる効果
を奏する。
【0116】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る偏向素子
は、屈折率が一定である透光性物質からなる等方屈折率
物質層と、印加される駆動電圧に応じて上記等方屈折率
物質層の層面に平行な面内で配向変化を生じる液晶から
なる液晶層と、偏光手段と、上記液晶層および等方屈折
率物質層を透過した光を、上記等方屈折率物質層と液晶
層との間で反射される光とは異なる方向へ反射させる光
反射部材とを備えると共に、上記液晶層の液晶分子がと
り得る配向状態の所定の一状態において、該液晶分子の
屈折率異方性の常光成分および異常光成分のいずれか一
方と、上記偏光手段から該液晶分子へ入射する偏光の振
動方向とが同一平面に含まれ、上記常光成分および異常
光成分の内、偏光の振動方向と同一平面に含まれる成分
をN1 、他方の成分をN2 、上記等方屈折率物質層の屈
折率をN、液晶層への偏光の入射角をθ1 、液晶層と等
方屈折率物質層との界面の臨界角をθc とすると、 N1 ≧N/sinθc2 =N θ1 ≧θc が満足される構成である。
【0117】これにより、入射偏光を、液晶層と等方屈
折率物質層との界面で全反射する光と透過する光とに分
離し、光反射部材が上記界面を透過した光を、上記界面
で全反射した光とは異なる方向へ導くことにより、変調
光を得ることが可能となると共に、等方屈折率物質層の
層面に平行な面内で液晶分子の配向変化が生じることか
ら、比較的低い駆動電圧によって光変調が可能な偏光素
子を提供することができるという効果を奏する。
【0118】また、請求項2記載の偏向素子は、液晶層
が双安定状態を有する液晶からなり、該液晶層へ入射す
る偏光の振動方向と、上記双安定状態の一方の状態にあ
る液晶分子の配向方向とが同一平面に含まれる構成であ
る。
【0119】これにより、比較的低い駆動電圧によっ
て、等方屈折率物質層の層面に平行な面内で液晶分子の
配向変化を生じさせて光の変調を行う偏向素子を提供す
ることが可能となるという効果を奏する。
【0120】請求項3記載の偏向素子は、液晶のコーン
角が略90°であることを特徴とした構成である。これ
により、双安定モードの液晶の配向が一方の安定状態に
ある場合には、液晶層へ入射した光が液晶層と等方屈折
率物質層との界面で全反射する一方、液晶の配向が他方
の安定状態にある場合には、液晶層へ入射した光のすべ
てが上記界面を透過し、コントラスト比の高い変調光を
得ることができるという効果を奏する。
【0121】請求項4記載の偏向素子は、液晶層が、単
安定性モードの液晶からなることを特徴とした構成であ
る。
【0122】これにより、入射偏光は液晶層と等方屈折
率物質層との間で全反射し、駆動電圧が印加された場合
は、液晶層を透過する光の強度は、駆動電圧に応じて連
続的に変化する。この結果、変調光の強度を連続的に階
調変化させることができるという効果を奏する。
【0123】請求項5記載の偏向素子は、ほぼ均一な屈
折率を有する透光性物質から構成され、上記偏光手段か
らの偏光を上記液晶層へ導く導光手段をさらに備えた構
成である。これにより、偏光が液晶層へ入射するまでの
間に屈折あるいは反射することが防止され、光の利用効
率が向上するという効果を奏する。
【0124】請求項6記載の偏向素子は、上記導光手段
が、上記等方屈折率物質層および液晶層の界面への上記
偏光の入射面による断面が台形状のプリズムを含み、上
記断面に台形の脚の一方として現れる上記プリズムの光
入射表面に対して、上記偏光手段からの偏光が、約±2
0°以内の入射角で入射する。これにより、プリズムに
入射する際や同プリズムから出射する際の光の損失が抑
制され、光の利用効率が向上するという効果を奏する。
【0125】請求項7記載の偏向素子は、上記プリズム
において、上記断面に台形の下底として現れる底面と上
記光入射表面とのなす角が、好ましくは50°以上90
°未満である。これにより、等方屈折率物質層と液晶層
との界面へ臨界角で光を入射させることが可能となると
いう効果を奏する。
【0126】請求項8記載の偏向素子は、上記プリズム
において、上記断面に台形の上底として現れる光出射表
面は、スイッチングに寄与する実スイッチング領域より
も大きい。これにより、実スイッチング領域内で反射し
た光が光出射表面からすべて出射するため、迷光の発生
が防止され、良好なスイッチング特性が得られるという
効果を奏する。
【0127】請求項9記載の偏向素子は、上記光反射部
材が、上記液晶層と等方屈折率物質層との界面に対向す
る傾斜面を有する。これにより、液晶層と等方屈折率物
質層との界面を透過した光が、傾斜面によって、上記界
面で反射された光とは異なる方向へ反射されるため、こ
れらの光が完全に分離され、例えばこの偏向素子を表示
素子として用いた場合、高コントラストな表示が実現さ
れるという効果を奏する。
【0128】請求項10記載の偏向素子は、上記傾斜面
の上記界面に対する傾斜角をδ、上記偏光の上記界面に
対する入射角をθ2 とすると、 θ2 /2≦δ≦θ2 が満足される。これにより、液晶層と等方屈折率物質層
との界面で反射する光は、上記界面を透過する光と交差
しない方向へ出射されてこれらの光が完全に分離される
ので、例えばこの偏向素子を表示素子として用いた場
合、高コントラストな表示が実現されるという効果を奏
する。
【0129】請求項11記載の投写型表示装置は、請求
項1ないし請求項10のいずれかに記載の偏向素子をラ
イトバルブとして備えた構成である。
【0130】これにより、比較的低い駆動電圧によって
コントラスト比の高い表示が可能な投写型表示装置を実
現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る液晶偏向素子の概
略構成を示す断面図である。
【図2】上記液晶偏向素子が備える鋸状部材の形状を示
す斜視図である。
【図3】上記の鋸状部材用の金型の製造工程における主
要部を示すフローチャートである。
【図4】同図(a)ないし(g)は、図3のフローチャ
ートの各工程における金型の状態を示す模式図である。
【図5】上記液晶偏向素子において、駆動電圧が印加さ
れた場合の、液晶分子の配向の変化を示す模式図であ
る。
【図6】同図(a)は、上記液晶偏向素子において、液
晶分子が双安定状態の一方である安定状態SA にある場
合に、液晶層へ偏光が入射する様子を模式的に示したも
のであり、液晶層の斜め上方から見た斜視図および液晶
層の法線方向上方から見た平面図である。同図(b)
は、液晶分子が双安定状態の他方である安定状態SB
ある場合の入射光の光路を示す模式的に示す斜視図であ
る。
【図7】上記液晶偏向素子の液晶層と高分子層との界面
において、入射光が反射成分と透過成分とに分離される
様子を示す模式図である。
【図8】同図(a)は、入射光の入射角をθ1 とした場
合、鋸状部材の傾斜角δを、δ≠0°かつδ≠θ1 /2
に設定したときの光路を示す模式図であり、同図(b)
は、傾斜角δ=θ1 /2としたときの光路を示す模式図
である。
【図9】上記液晶偏向素子が備えるプリズムの大きさを
示す断面図である。
【図10】同図(a)は、入射面による断面において台
形となるプリズムの上底部分の大きさが表示領域よりも
小さい場合の光路を示す模式図、同図(b)は、上記上
底部分の大きさが表示領域よりも大きい場合の光路を示
す模式図である。
【図11】上記液晶偏向素子の光学特性の測定系の概略
構成を示す説明図である。
【図12】図11に示す測定系で測定された光学特性を
示すグラフである。
【図13】図2に示した鋸状部材に代えて上記液晶偏向
素子に設けられるプリズムシート状の部材の構成を示す
斜視図である。
【図14】同図(a)は、液晶分子の配向状態が入射偏
光の振動方向と平行な方向にある場合に、液晶層を透過
する光(異常光成分)の強度を示す模式図であり、同図
(b)は、液晶分子の配向状態が、同図(a)に示す状
態からφ(0°<φ<90°)だけ回転した場合に、液
晶層を透過する光(異常光および常光成分)の強度を示
す模式図であり、同図(c)は、液晶分子の配向状態
が、同図(a)に示す状態から90°回転した場合に液
晶層を透過する光(常光成分)の強度を示す模式図であ
る。
【図15】本発明の実施に係る他の形態としての液晶偏
向素子において、液晶分子の配向状態が、印加される駆
動電圧に応じて変化する様子を示す模式図である。
【図16】上記他の形態としての液晶偏向素子におけ
る、液晶分子の配向変化に対する光の反射率および透過
率を示すグラフである。
【図17】上記他の形態としての液晶偏向素子におけ
る、印加電圧に対する光の反射率および透過率を示すグ
ラフである。
【図18】本発明の実施に係るさらに他の形態としての
液晶偏向素子の構成を示す断面図である。
【図19】図18に示す液晶偏向素子が備えるTFT素
子の製造工程の主要部を示すフローチャートである。
【図20】本発明の投写型表示装置の実施に係る一形態
の概略構成と、この投写型表示装置で変調される光の光
路とを示す模式図である。
【図21】本発明の投写型表示装置の実施に係る他の形
態の概略構成と、この投写型表示装置で変調される光の
光路とを示す模式図である。
【図22】空気(屈折率1.0)と屈折率1.5の物質
との界面における入射角と透過成分および反射成分との
関係を示すものであり、同図(a)は、空気から屈折率
1.5の物質へ光が入射する場合の特性を示すグラフ、
同図(b)は、屈折率1.5の物質から空気へ光が入射
する場合の特性を示すグラフである。
【図23】液晶層の屈折率と、高分子層(屈折率1.
5)および液晶層の界面の臨界角との関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 液晶偏向素子(偏向素子) 5 高分子層(等方屈折率物質層) 7 液晶層 4 光反射電極(光反射部材) 32 偏光素子(偏光手段)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屈折率が一定である透光性物質からなる等
    方屈折率物質層と、 印加される駆動電圧に応じて上記等方屈折率物質層の層
    面に平行な面内で配向変化を生じる液晶からなる液晶層
    と、 偏光手段と、 上記液晶層および等方屈折率物質層を透過した光を、上
    記等方屈折率物質層と液晶層との間で反射される光とは
    異なる方向へ反射させる光反射部材とを備えると共に、 上記液晶層の液晶分子がとり得る配向状態の所定の一状
    態において、該液晶分子の屈折率異方性の常光成分およ
    び異常光成分のいずれか一方と、上記偏光手段から該液
    晶分子へ入射する偏光の振動方向とが同一平面に含ま
    れ、 上記常光成分および異常光成分の内、偏光の振動方向と
    同一平面に含まれる成分をN1 、他方の成分をN2 、上
    記等方屈折率物質層の屈折率をN、液晶層への偏光の入
    射角をθ1 、液晶層と等方屈折率物質層との界面の臨界
    角をθc とすると、 N1 ≧N/sinθc2 =N θ1 ≧θc が満足されることを特徴とする偏向素子。
  2. 【請求項2】上記液晶層が双安定状態を有する液晶から
    なり、該液晶層へ入射する偏光の振動方向と、上記双安
    定状態の一方の状態にある液晶分子の配向方向とが同一
    平面に含まれることを特徴とする請求項1記載の偏向素
    子。
  3. 【請求項3】上記液晶のコーン角が略90°であること
    を特徴とする請求項2記載の偏向素子。
  4. 【請求項4】上記液晶層が、単安定性モードの液晶から
    なることを特徴とする請求項1記載の偏向素子。
  5. 【請求項5】ほぼ均一な屈折率を有する透光性物質から
    構成され、上記偏光手段からの偏光を上記液晶層へ導く
    導光手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載
    の偏向素子。
  6. 【請求項6】上記導光手段は、上記等方屈折率物質層お
    よび液晶層の界面への上記偏光の入射面による断面が台
    形状のプリズムを含み、 上記断面に台形の脚の一方として現れる上記プリズムの
    光入射表面に対して、上記偏光手段からの偏光が、約±
    20°以内の入射角で入射することを特徴とする請求項
    5記載の偏向素子。
  7. 【請求項7】上記プリズムにおいて、上記断面に台形の
    下底として現れる底面と上記光入射表面とのなす角が、
    50°以上90°未満であることを特徴とする請求項6
    記載の偏向素子。
  8. 【請求項8】上記プリズムにおいて、上記断面に台形の
    上底として現れる光出射表面は、スイッチングに寄与す
    る実スイッチング領域よりも大きいことを特徴とする請
    求項6記載の偏向素子。
  9. 【請求項9】上記光反射部材が、上記液晶層と等方屈折
    率物質層との界面に対向する傾斜面を有することを特徴
    とする請求項1記載の偏向素子。
  10. 【請求項10】上記傾斜面の上記界面に対する傾斜角を
    δ、上記偏光の上記界面に対する入射角をθ2 とする
    と、 θ2 /2≦δ≦θ2 が満足されることを特徴とする請求項9記載の偏向素
    子。
  11. 【請求項11】請求項1ないし請求項10のいずれかに
    記載の偏向素子をライトバルブとして備えたことを特徴
    とする投写型表示装置。
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