JP4499218B2 - 反射型表示素子及び反射型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光の反射率を制御することにより明表示及び暗表示を実現する反射型表示素子及びその反射型表示素子を用いて画像などの表示を行う反射型表示装置に関し、特に高コントラスト且つ高輝度の表示を可能とする反射型表示素子及び反射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、薄くて軽量であるとともに、低電力で駆動できて消費電力を低減できるという長所があり、OA(office automation )機器やその他の電子機器に広く使用されている。一般的に、液晶表示装置は、2枚の透明基板の間に液晶を挟んだ構造を有している。それらの透明基板の相互に対向する2つの面(対向面)のうち、一方の面には共通電極及び配向膜等が形成され、また他方の面側には薄膜トランジスタ(以下、TFTという)、画素電極及び配向膜等が形成されている。更に、各透明基板の対向面と反対側の面には、それぞれ偏光板が貼り付けられている。一般的な液晶表示装置では、裏面側にバックライトを配置し、画素毎に透過光量を制御することにより、所望の画像を表示するようになっている。
【0003】
近年、携帯用電子機器の表示装置として反射型液晶表示装置が注目されている。反射型液晶表示装置ではバックライトが不要なため、より一層の低消費電力化及び軽量化が期待できる。
しかし、反射型液晶表示装置では、バックライトがないために表示が暗くなり、コントラストも低いという欠点がある。表示画面を明るくするためには偏光板を使用しないことが好ましく、従来から偏光板を使用しない表示装置も種々提案されている。
【0004】
例えば、特開平6−324310号には、一対の基板の一方に鋸歯状(ジグ ザグ状)の突起物を設け、基板間に液晶滴が高分子中に分散している液晶を充填した表示装置が記載されている。この表示装置においては、電圧を印加した状態では液晶層が透明であり、一方の基板側から入射した光は直進して他方の基板側へ透過する。液晶層に電圧を印加しない状態では、液晶層で散乱された光が突起物に入射し、突起物の傾斜面により更に光の進行方向が変化する。これにより、コントラストを向上させることができる。
【0005】
しかし、この表示装置では、液晶滴が高分子中に分散している液晶を使用する。従って、液晶の体積に対する液晶と高分子との界面の表面積の比が必然的に大きくなる。このように、液晶と高分子との界面の表面積の比が大きくなると、界面特有の現象として電圧上昇時と電圧下降時において発生する透過率のヒステリシスが無視できないほど大きくなり、表示品質の低下を招く。
【0006】
特開平6−258672号には、一対の基板の間に、断面が三角形の屈折体と液晶層とを設け、屈折体の傾斜面に対し所定の角度で光が入射するようにした光学素子(光学シャッター)が開示されている。この光学素子では、液晶層に電圧を印加しない状態では光が液晶層と屈折体との界面を通過して明表示となり、液晶層に所定の電圧を印加すると液晶層と屈折体との界面で光が全反射されて暗表示となる。
【0007】
しかし、この光学素子では、液晶層と屈折体との界面で全反射した光が他の屈折体と液晶との界面に到達したときに、その入射角が臨界角よりも小さくなって界面を透過し、コントラストの低下の原因となることが考えられる。
特開平9−152579号には、一対の基板の間に、断面が鋸歯状の屈折体と液晶層とを設け、液晶層に印加する電圧を変化させることにより屈折率分布を変化させ、出射光の方向を変化させる屈折型液晶素子が開示されている。
【0008】
しかし、この液晶素子では、ある画素領域で屈折された入射光が反射面で反射して他の画素領域から出射して、コントラストの低下を招くことが考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来から種々の表示素子が提案されているが、いずれもコントラストの低下や表示品質の低下を招く可能性があり、満足できる表示品質を得るまでに至っていない。
以上から本発明の目的は、輝度及びコントラストが高く、良好な表示品質の画像を表示できる反射型表示素子及びその反射型表示素子を用いた反射型表示装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の反射型表示素子は、光が透過可能な第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された第1の光透過部材と、屈折率を制御可能な部材からなり、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の光透過部材との屈折率の差により光の進行方向を決定する第2の光透過部材と、前記第2の基板側に設けられた光反射体及び光吸収体とを有し、前記第1の光透過部材及び前記第2の光透過部材のうち屈折率が相対的に高くなるほうの光透過部材を前記第1の基板及び前記2の基板のいずれか一方の基板側に配置し、他方の光透過部材を他方の基板側に配置し、且つ前記屈折率が相対的に高くなるほうの光透過部材の断面が凸レンズ形、前記他方の光透過部材の断面が凹レンズ形であることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、第2の基板側に光反射体及び光吸収体を設けておく。また、本発明においては、第2の光透過部材の屈折率を変化させて、光の進行方向を制御する。これにより、光を光吸収体に集光させたときは反射光がほとんどなく、暗表示となる。また、光を光反射体に集光させたときは、大部分の光が反射され、明表示となる。このように、本発明では、光吸収体で光を吸収したり光反射体で光を反射するので、輝度及びコントラストが高く、良好の表示品質の画像を表示することができる。
【0012】
第2の光透過部材としては、例えば液晶を使用することができる。液晶は印加電圧に応じて平均屈折率が異常光屈折率と常光屈折率との間で変化するので、中間階調の表示も可能となる。
第1の光透過部材は、屈折率が液晶の異常光屈折率及び常光屈折率のいずれか一方と実質的に等しく、他方との差が大きいものであることが好ましい。第1の光透過部材の屈折率が液晶の異常光屈折率と等しい場合は、第1の光透過部材と第2の光透過部材との界面を光が直進する。
【0013】
第1の基板と第2の基板との間にカラーフィルタを配置すると、カラー表示が可能になる。カラーフィルタは、例えば着色感光性樹脂を使用して形成することができる。
第1の基板と第2の基板との間の間隔を一定に維持するために、障壁を設けることが好ましい。この場合、画素間に光を吸収する部材により障壁を設けると、画素間の光漏れを防止し、コントラストを向上させることができる。また、光を反射する部材により障壁を形成した場合も、同様の効果を得ることができる。
【0014】
本発明の反射型表示装置は、光の反射率を制御する複数の反射型表示素子を有する表示パネルを備えた反射型表示装置において、前記反射型表示素子が、光が透過可能な第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された第1の光透過部材と、屈折率を制御可能な部材からなり、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の光透過部材との屈折率の差により光の進行方向を決定する第2の光透過部材と、前記第2の基板側に設けられた光反射体及び光吸収体とを有し、前記第1の光透過部材及び前記第2の光透過部材のうち屈折率が相対的に高くなるほうの光透過部材を前記第1の基板及び前記2の基板のいずれか一方の基板側に配置し、他方の光透過部材を他方の基板側に配置し、且つ前記屈折率が相対的に高くなるほうの光透過部材の断面が凸レンズ形、前記他方の光透過部材の断面が凹レンズ形であることを特徴とする。
【0015】
本発明の反射型表示装置は、上記した構造の複数の反射型表示素子を有する1又は複数の表示パネルにより構成される。各表示素子でそれぞれ光の反射率を制御することにより、所望の画像を表示することができる。なお、複数の反射型表示素子により1つの画素が構成されていてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態の反射型表示素子を示す斜視図、図2は同じくその反射型表示素子の断面図である。なお、図1では、図2に示した透明電極21及び配向膜13,23の図示を省略している。
【0017】
この反射型表示素子は、対向して配置された一対のガラス基板10,20と、それらの間に封入された液晶15とにより構成されている。ガラス基板10の一方の面(図では上面)にはAl(アルミニウム)からなる光反射膜11が形成されている。この反射膜11の中央部分の上には、黒色樹脂からなる矩形の光吸収体12が設けられている。また、ガラス基板10の上には水平配向膜13が形成されており、この水平配向膜13により反射膜11及び光吸収体12の表面が覆われている。
【0018】
一方、ガラス基板20の下面にはITO(indium-tin oxide:インジウム酸化スズ)からなる透明電極21が形成されており、透明電極21の下には断面が凹レンズ形の樹脂層22が形成されている。この樹脂層22の表面(凹面)は、水平配向膜24により覆われている。この樹脂層22により、ガラス基板10とガラス基板20との間にはほぼドーム形の空間が形成され、その空間内に液晶15が充填されている。
【0019】
樹脂層22は、屈折率が液晶15の異常光屈折率ne 又は常光屈折率no のいずれか一方と等しく、液晶15の異常光屈折率ne 又は常光屈折率no のいずれか他方との差が大きいことが好ましい。この例では、樹脂層22の屈折率が1.5、液晶15の異常光屈折率ne が1.75、液晶15の常光屈折率no が1.5であるとする。
【0020】
なお、基板20は光を透過する必要があり、透明のガラス又はプラスチック等からなることが必要であるが、基板10は必ずしも透明である必要はない。
このように構成された反射型表示素子において、図示しない制御回路から反射膜11と透明基板21との間に電圧が印加されるようになっている。
図3,図4は上述のように構成された反射型表示素子の動作を説明する説明図である。図3は電圧無印加時の状態を示し、図4は電圧印加時の状態を示している。また、図3(a),図4(a)は上側から見たときの図、図3(b),図4(b)は横から見たときの光の経路を示している。
【0021】
反射膜11と透明電極21と間に電圧を印加していない状態では、液晶15の平均屈折率が異常光屈折率ne と等しく、樹脂層22の屈折率に比べて大きいので、図3(b)に示すように、ガラス基板20側から入射した光が樹脂層22と液晶15との界面で屈折され、黒色樹脂からなる光吸収体12に集光する。従って、この状態では図3(a)に示すように黒表示(暗表示)となる。
【0022】
一方、反射膜11と透明電極21との間に十分に高い電圧を印加した状態では、液晶15の平均屈折率が常光屈折率no と等しくなり、樹脂層22の屈折率と同じになるので、図4(b)に示すように、ガラス基板20側から入射した光が直進し、大部分の光が反射膜11で反射される。従って、この状態では図4(a)に示すように、光が吸収される面積が小さく、白表示(明表示)になる。
【0023】
反射膜11と透明電極21との間に印加する電圧に応じて液晶の平均屈折率navは常光屈折率no と異常光屈折率ne との間で変化する。液晶の平均屈折率navは、下記数式1により求めることができる。
【0024】
【数1】
【0025】
但し、θは水平配向しているネマティック液晶のチルト角である。
図5は横軸に液晶の平均屈折率navをとり、縦軸に反射型表示素子の反射率をとって、両者の関係を示す図である。この図5からわかるように本実施の形態の反射型表示素子は、印加電圧を変化させて反射率を調整することができるので、中間階調の表示も可能である。
【0026】
図6,図7は本実施の形態の反射型表示素子の製造方法を示す断面図である。
なお、この例では4個の反射型表示素子により1つの画素が構成され、多数の画素により画像表示装置が構成される場合について説明するが、1個の反射型表示素子で1つの画素が構成されていてもよく、2個若しくは3個の反射型表示素子又は5個以上の反射型表示素子で1つの画素が構成されていてもよい。
【0027】
まず、図6(a)に示すように、ガラス基板20の上にITOを約0.1μmの厚さに堆積させて、透明電極21を形成する。その後、透明電極21の上に透明アクリル樹脂を塗布して、樹脂層22を形成する。アクリル樹脂としては、例えばJALS社製PC−335を使用することができる。
次に、図6(b)に示すように、下面に波形の凹凸が設けられたスタンパー(金型)28を使用し、このスタンパー28をアクリル樹脂が軟化する温度に加熱しつつ、樹脂層22に押し当てる。これにより、図6(c)に示すように、樹脂層22の表面がスタンパー28の表面に倣った形状に成形される。その後、樹脂層22の表面上に水平配向膜24(図2参照)を500〜1000Åの厚さに形成する。水平配向膜24としては、例えばJSR社製AL3506Lを使用することができる。
【0028】
一方、図7(a)に示すようにガラス基板10の上に、蒸着法等の方法によりAlを堆積させてAl膜を形成し、ホトリソグラフィ法によりAl膜をパターニングして反射膜11を形成する。また、各反射膜11の間を通るバスライン16と、バスライン16に接続されて各反射膜11に選択的に電圧を供給する薄膜トランジスタ(以下、TFTという)とを形成する。なお、反射膜11は、Ag等の金属や誘電体多層膜により形成してもよい。但し、誘電体多層膜により形成する場合は、別に電極を形成することが必要である。
【0029】
図8はこの工程をより詳細に示す平面図、図9は図8のTFT30の形成部における断面図である。なお、図8中の破線は、1つの画素を構成する4つの反射型表示素子の境界線を示している。
走査バスライン16a及びTFT30のゲート電極31は上記したAl膜により反射膜11と同時に形成する。その後、基板10上の全面に例えばシリコン酸化膜からなる絶縁膜32を形成し、絶縁膜32上のTFT形成領域にアモルファスシリコン膜33を選択的に形成する。次に、アモルファスシリコン膜33の両端部に、それぞれコンタクト用のn+ アモルファスシリコン膜34を形成する。その後、反射膜11が露出するコンタクト孔(図示せず)を形成した後、基板10の上側全面に金属膜を形成する。その金属膜をパターニングし、データバスライン16bと、前記のコンタクト孔を介して反射膜11に電気的に接続したソース電極35と、データバスライン16bに接続したドレイン電極36とを形成する。
【0030】
このようにして反射膜11、バスライン16(走査バスライン16a及びデータバスライン16b)及びTFT30を形成した後、図7(b)に示すように、反射膜11の上に、黒色樹脂からなる矩形の光吸収体12を数〜数十μmの厚さで形成する。本実施の形態では、4個の反射型表示素子により1つの画素を構成するので、1つの反射膜11の上に4つの光吸収体12を形成する。なお、光吸収体12は黒色樹脂以外の材料により形成してもよい。例えば、光吸収体12を酸化クロム膜−クロム膜−酸化クロム膜の3層構造の薄膜により形成しても、光吸収性のよい膜を得ることができる。
【0031】
次に、図7(c)に示すように、ガラス基板10の上に、各素子領域を分割する障壁14を形成する。この障壁14は黒色樹脂からなり、光吸収体12と同じかそれよりも厚く形成する。障壁14は、図10(a)に示すように、素子列と素子列との間にのみ(縦方向のみ)形成してもよく、図10(b)に示すように、縦方向及び横方向に形成して各反射型表示素子領域をそれぞれ分割するようにしてもよい。その後、ガラス基板10の上側全面に水平配向膜13(図2参照)を形成する。
【0032】
次いで、図2に示すように、ガラス基板10とガラス基板20とをそれぞれ光吸収体12及び樹脂層22を形成した面を向かい合わせ、且つ樹脂層22の先端部分を障壁14に接触させて配置する。そして、これらのガラス基板10,20の間に液晶15を封入する。これにより、本実施の形態の反射型表示素子を有する画像表示装置が完成する。
【0033】
本実施の形態の反射型表示素子は、偏光板を使用することなく暗表示(黒表示)、明表示(白表示)及び中間階調表示が可能であり、明るくコントラストが高い画像を表示することができる。
また、本実施の形態においては、各素子の境界部分に黒色樹脂からなる障壁14を設けているので、図11に示すように斜め方向から入射した光が反射膜11で反射した後に障壁14に吸収される。これにより、斜め方向から入射した光が他の画素に進入することを防止できて、良好な表示品質が得られる。
【0034】
なお、障壁14を反射体により形成してもよい。例えば、図12は障壁14を樹脂とAl蒸着膜とにより形成した例を示している。この例では、樹脂層の屈折率と液晶の屈折率とが等しい場合を示している。この場合、斜め方向から入射した光は反射膜11及び障壁14で反射されて、入射した方向に戻る。このため、他の画素への進入が回避され、良好な表示品質を得ることができる。
【0035】
ところで、樹脂層23の下側曲面は、楕円体の曲面の一部として近似することができる。この場合、曲率を変化させることにより集光位置が変化する。明るくコントラストが高い画像を表示するためには、光吸収体12を集光位置に配置することが効果的である。
図13は、樹脂層の屈折率を1.5とし、液晶の屈折率(n)を1.75として、樹脂層の凹面(楕円体の面)の垂直方向(縦方向)の半径RV を一定とし、水平方向(横方向)の半径RH を1.5から5.5まで変化させ、それぞれの焦点位置を求めたシミュレーション結果を示す図である。この図13から、水平方向の半径を大きくすると焦点位置が凹面から遠くなることがわかる。
【0036】
図14は、樹脂層の屈折率を1.5、液晶層の屈折率を1.7、1.75、1.8、凹面の垂直方向(縦方向)の半径RV を5としたときの水平方向(横方向)の半径RH と開口率との関係をシミュレーションした結果を示す図である。但し、集光位置の一番浅い面に反射膜を配置したときに点状に光吸収膜を配置しなければならない面積を考慮して開口率を求めている。この図から、凹面を近似する楕円体の垂直方向の半径RV を5とした場合に、開口率を高くするためには、水平方向の半径RH が2以上であること、すなわち水平方向半径RH と垂直方向半径RV との比RH /RV を0.4以上とすることが必要であることがわかる。
但し、図13からわかるように、水平方向半径RH と垂直方向半径RV との比RH /RV が0.8を超えると集光位置が深くなり、液晶層を厚くする必要がある。しかし、液晶層を厚くすると電極間が離れてしまうため、画素毎の透過率の制御が難しくなるという問題が発生する。このため、水平方向半径RH と垂直方向半径RV との比RH /RV は0.4〜0.8であることが好ましい。
【0037】
(第2の実施の形態)
図15は本発明の第2の実施の形態の反射型表示素子を示す斜視図である。なお、本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、樹脂層及び光吸収体の形状が異なる点にあり、その他の構成は基本的に第1の実施の形態と同様である。このため、図15において、図1と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0038】
本実施の形態においては、ガラス基板20側に形成された樹脂層22aが半円筒形(semicylindrical )の曲面を有しており、ガラス基板10とガラス基板20との間に半円筒形の空間を形成している。液晶14は、この半円筒形の空間内に充填されている。
一方、ガラス基板10側に形成された光吸収体12aは、液晶14が充填されている半円筒形の空間の軸方向に沿って直線状に形成されている。
【0039】
本実施の形態においては、第1の実施の形態に比べて光吸収体12aの面積が大きくなりコントラストが若干低下するものの、樹脂層22aの形状が単純であるので、製造が容易であるという利点がある。
(第3の実施の形態)
図16は本発明の第3の実施の形態の反射型表示素子を示す斜視図である。なお、図16において、図1,図2と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0040】
本実施の形態においては、ガラス基板20側に形成された樹脂層22bの断面が凸レンズ形をしている。この樹脂層22bは、屈折率が液晶15の異常光屈折率ne とほぼ等しい樹脂により形成されている。
本実施の形態では、電圧無印加時には樹脂層22bの屈折率と液晶15の平均屈折率が等しいので、基板20側から入射した光は樹脂層22b及び液晶15の界面を直進し、大部分の光が反射膜11で反射される。従って、電圧無印加の状態では白表示(明表示)となる。一方、反射膜11と透明電極21との間に十分な電圧を印加した状態では、液晶15の平均屈折率が樹脂層22bの屈折率よりも小さくなるので、基板20側から入射した光は樹脂層22bと液晶15との界面で屈折され、光吸収体12の位置に集光する。従って、このときは黒表示(暗表示)となる。
【0041】
図17は本実施の形態の反射型表示素子の製造方法を工程順に示す断面図である。
まず、図17(a)に示すように、ガラス基板20上の全面にITOからなる透明電極21を形成する。次に、透明電極21の上に感光性アクリル樹脂22cを塗布する。このとき、感光性アクリル樹脂22cの塗布厚さは形成する樹脂層22bの厚さに応じて決定する。
【0042】
次に、図17(b)に示すように、所定のパターンが設けられたフォトマスク27を使用して感光性アクリル樹脂22cをUV(紫外線)露光する。その後、感光性アクリル樹脂22bに対し現像処理を施す。これにより、図17(c)に示すように、感光したアクリル樹脂が除去されて、アクリル樹脂22cが所望のパターン形状に残る。
【0043】
次いで、アクリル樹脂22cの軟化温度よりも高い温度(例えば135℃程度)に加熱することによりアクリル樹脂22cを若干リフローさせて、断面が凸レンズ形の樹脂層22bを形成する。その後、樹脂層22bの上に水平配向膜23を形成する(図16参照)。
一方、ガラス基板10の上に反射膜11、光吸収体12及び障壁等を形成し、それらの上に配向膜13を形成する。
【0044】
次いで、ガラス基板10とガラス基板20と対向させて配置し、その間に液晶57を充填する。これにより、本実施の形態の反射型表示素子が完成する。
(第4の実施の形態)
図18は本発明の第4の実施の形態の反射型表示素子を示す断面図である。
この反射型表示素子は、対向して配置された一対のガラス基板40,50と、それらの間に封入された液晶57とにより構成されている。ガラス基板40の一方の面(図では上面)にはAlからなる反射膜41が形成されている。この反射膜41の中央部分の上には、黒色樹脂からなる矩形の光吸収体42が設けられている。また、反射膜41の上には断面が凹レンズ形の樹脂層43が形成されており、光吸収体42は樹脂層43に覆われている。この樹脂層43の曲面上には水平配向膜44が形成されている。
【0045】
一方、ガラス基板50の下にはITOからなる透明電極51が形成されており、透明電極11の下には水平配向膜52が形成されている。ガラス基板40とガラス基板50との間には素子領域間を分離するとともに基板間隔を一定に維持するための障壁(図示せず)が設けられており、樹脂層43により形成される基板50との間の断面が凸レンズ形の空間内に液晶57が充填されている。本実施の形態においても、樹脂層57の屈折率が1.5、液晶57の異常光屈折率ne が1.75、常光屈折率no が1.5であるとする。
【0046】
このように構成された反射型表示素子において、図示しない制御回路から反射膜41と透明電極51との間に電圧が印加されるようになっている。
図19,図20は上述のように構成された反射型液晶表示素子の動作を説明する説明図である。図19は電圧無印加時の状態を示し、図20は電圧印加時の状態を示している。また、図19(a),図20(a)は上から見たときの図、図19(b),図20(b)は光の経路を示している。
【0047】
反射膜41と透明電極51との間に電圧を印加しない状態では、液晶57の平均屈折率が樹脂層42の屈折率よりも大きいので、図19(b)に示すように、ガラス基板50側から入射した光が樹脂層43と液晶57との界面で屈折され、黒色樹脂からなる光吸収体42に集光する。従って、この状態では図19(a)に示すように黒表示となる。
【0048】
一方、反射膜41と透明電極51との間に十分に高い電圧を印加すると、液晶57の平均屈折率が樹脂層43の屈折率と同じになるので、図20(b)に示すように、ガラス基板50側から入射した光が直進し、大部分の光が反射膜41で反射される。従って、この状態では図20(a)に示すように、光が吸収される面積が小さく、白表示になる。また、反射膜41と透明電極51との間に印加する電圧に応じて、第1の実施の形態と同様に、中間階調の表示も可能である。
【0049】
図21は、樹脂層44の屈折率が1.5、液晶47の屈折率が1.8、樹脂層44の曲面を近似する楕円体の垂直方向(縦方向)の半径RV を5として、楕円体の水平方向(横方向)の半径RH と開口率との関係をシミュレーションした結果を示す図である。但し、集光位置の一番浅い面に反射膜41を配置したときの開口率を計算している。この図21からわかるように、楕円体の垂直方向半径RV を5とした場合、水平方向の半径RH が7.5以上、すなわちRH /RV を1.25以上とすることが好ましい。この場合、液晶層の厚みは電気的制御が容易な任意の厚さに設定できる。なお、入射光が高屈折率側から低屈折率側に進行する場合、高屈折率側の曲面を近似する楕円体の水平方向の半径RH と垂直方向の半径RV との比のより好ましい値は2以上である。
【0050】
(第5の実施の形態)
図22は本発明の第5の実施の形態の反射型表示素子の構成を示す断面図である。なお、図22において、図2と同一物には同一符号を付している。
この反射型表示素子は、対向して配置された一対のガラス基板60、20と、それらの間に封入された液晶15とにより構成されている。ガラス基板60の一方の面には導電性の黒色樹脂膜61が形成されており、黒色樹脂膜61の中央部分の上にはAlからなる矩形の光反射体63が形成されている。黒色樹脂膜61及び光反射体63の上には水平配向膜62が形成されている。
【0051】
一方、ガラス基板20の下面側には、第1の実施の形態と同様に、ITOからなる透明電極21と、断面が凹レンズ形の樹脂層22とが形成されており、樹脂層22の凹面上には水平配向膜23が形成されている。
本実施の形態においても、樹脂層22の屈折率が1.5、液晶15の異常光屈折率ne が1.75、液晶15の常光屈折率no が1.5であるとする。
【0052】
本実施の形態において、黒色樹脂膜61と透明電極21との間に電圧を印加しない状態では、図23に示すように、ガラス基板20側から入射した光は樹脂層22と液晶層15との界面で屈折し、光反射体63に集光する。そして、光反射体63で反射された光は、液晶層15から樹脂層22を通って、入射した方向に戻る。このため、本実施の形態においては、黒色樹脂膜61と透明電極21との間に電圧を印加していない状態では白表示となる。
【0053】
一方、黒色樹脂膜61と透明電極21との間に十分高い電圧を印加すると、樹脂層22の屈折率と液晶層15の平均屈折率とがほぼ同じになり、ガラス基板20側から入射した光が直進してその大部分が黒色樹脂膜61で吸収される。このため、黒表示となる。
本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり電圧を印加しない状態では白表示となるが、黒色樹脂膜61と透明電極21との間に印加する電圧を制御することにより、第1の実施の形態と同様に黒表示、白表示及び中間階調表示が可能となる。
【0054】
なお、上記の実施の形態では、ガラス基板20側に断面が凹レンズ形の樹脂層22を形成した場合について説明したが、第3の実施の形態のようにガラス基板60側に断面が凸レンズ形の樹脂層を設けてもよい。
(第6の実施の形態)
図24は本発明の第6の実施の形態の3板式投写型表示装置を示す図である。
反射型液晶パネル100R,100G,100Bは、いずれも上述した第1〜第5の実施の形態のいずれか1つに示す構造の反射型表示素子を縦方向及び横方向に多数配列して構成されている。
【0055】
光源(図示せず)から放出した光はレンズ101,102を介してプリズム103に入り、このプリズム103とプリズム104との界面で反射されてプリズム105に入る。そして、このプリズム105とプリズム106との界面で青色成分の光(以下、青色光という)のみが反射され、赤色成分(以下、赤色光という)及び緑色成分(以下、緑色光という)の光がプリズム106に進入する。プリズム105とプリズム106との界面で反射された青色光はプリズム85の他の面で反射された後、青色画像生成用反射型液晶パネル100Bに入る。そして、この反射型液晶パネル100Bにより青色画像が生成される。この青色画像はプリズム105の他の面で反射され、更にプリズム105とプリズム106との界面で反射された後、プリズム103,104を透過してプロジェクタレンズ108に到達する。
【0056】
また。プリズム105,106の界面を透過した光は、プリズム106,107の界面で反射される赤色光と、プリズム106,107の界面を透過する緑色光とに分離される。プリズム106,107の界面で反射された赤色光は、プリズム105,106の界面で反射されて赤色画像生成用反射型液晶パネル100Rに入る。そして、この反射型液晶パネル100Rにより赤色画像が生成される。この赤色画像は、プリズム105,106の界面で反射され、更にプリズム106,107の界面で反射された後、プリズム105,103,104を透過してプロジェクタレンズ108に到達する。
【0057】
更に、プリズム106,107の界面を透過した緑色光は、緑色画像生成用反射型液晶パネル100Gに入る。そして、この反射型液晶パネル100Gにより緑色画像が生成される。この緑色画像は、プリズム107,106,105,103,104を透過してプロジェクタレンズ108に到達する。
プロジェクタレンズ108は、これらの赤色画像、緑色画像及び青色画像を合成してスクリーン(図示せず)に投写する。これにより、フルカラーの画像を得ることができる。
【0058】
(第7の実施の形態)
図25(a)〜(d),図26はいずれも本発明の第7の実施の形態の反射型表示素子を示す断面図である。本実施の形態では、本発明をカラー表示装置に適用した例を示す。なお、これらの図25,図26において、図1,図2と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0059】
図25(a)に示す反射型表示素子では、ガラス基板20と透明電極21との間にカラーフィルタ71を設けている。図25(b)に示す反射型表示素子では、反射膜11の上にカラーフィルタ72を設けている。これらのカラーフィルタ71,72は、赤色、緑色又は青色の樹脂又は誘電体多層膜からなる。
図25(c)に示す反射型表示素子では、樹脂層73を赤色、緑色又は青色の樹脂により形成し、カラーフィルタとしている。但し、この場合も、樹脂層73は、屈折率が液晶15の異常光屈折率又は常光屈折率のいずれか一方とほぼ等しく、他方との差が大きい樹脂により形成されていることが必要である。カラーフィルタを樹脂により形成する場合は、顔料を分散した感光性レジストを使用すると容易に形成することができる。
【0060】
図25(d)に示す反射型表示素子では、液晶74としてゲストホスト液晶を使用している。ゲストホスト液晶としては、染料を混合した液晶を用いることができる。赤色用液晶としては例えば三菱化学製のLHR−031C(液晶:ZLI1565)、青色用液晶としては三菱化学製のLHR−038B−2(液晶:ZLI1840)、緑色用液晶としては三菱化学製のLHR−010B(液晶:ZLI1840)を使用することができる。
【0061】
図26に示す反射型表示素子では、ガラス基板10の上に導電性黒色樹脂75が形成されており、その中央部の上にはAlからなる光反射体76が形成されている。また、光反射体76の表面は、赤色、緑色又は青色の樹脂からなるカラーフィルタ77に覆われている。
(第8の実施の形態)
図27は本発明の第8の実施の形態の反射型表示素子を示す断面図である。この図27において、図1と同一物には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0062】
この反射型表示素子は、対向して配置された一対のガラス基板80,20と、それらの間に封入された液晶15とにより構成されている。ガラス基板80の上にはAl又はその他の導電体からなる電極81が形成されている。また、電極81の上には誘電体多層反射膜82が形成されており、誘電体多層膜82の上の中央部分には黒色樹脂からなる光吸収体83が形成されている。また、誘電体多層膜82及び光吸収体83の上には水平配向膜84が形成されている。
【0063】
図28は誘電体多層膜82の構造を示す模式図である。誘電体多層膜82は、SiO2 膜(屈折率ns =1.5)とTiO2 膜(屈折率nt =2.2)とを交互に蒸着して形成されており、厚みdに応じた所定の波長の光を反射する。すなわち、光学的厚みn×dが反射光(赤色光、緑色光又は青色光)の中心波長の1/4になるように誘電体多層膜82の厚みdが決定されている。
【0064】
誘電体多層反射膜で反射される光の中心波長の反射率Rは、下記数式2で示すことができる。
【0065】
【数2】
【0066】
但し、pは下記数式3で表わされる。
【0067】
【数3】
【0068】
但し、Nは全層数、ng はガラス基板の屈折率である。
例えば、緑色光の場合、中心波長が550nmとすると、SiO2 膜の厚みdをd=550/1.5(nm)、TiO2 膜の厚みdをd=550/2.2(nm)とする。そして、これらのSiO2 膜とTiO2 膜とを交互に5層重ねることにより、反射率が98%の反射膜を形成することができる。青色又は赤色の場合も同様に、厚みdを計算してそれぞれ多層膜を形成することができる。
【0069】
図29は本実施の形態の反射型表示素子を用いたカラー表示装置を示す平面図である。画素90Rは、赤色光を選択的に反射するように誘電体多層反射膜82の膜厚及び層数が決定されている。同様に、画素90Gは緑色光を選択的に反射するように誘電体多層反射膜82の膜厚及び層数が決定されており、画素90Bは青色光を選択的に反射するように誘電体多層反射膜82の膜厚及び層数が決定されている。そして、これらの画素90R,90G,90Bを1組とし、フルカラーの表示を可能としている。
【0070】
(付記)
(1)請求項1において、前記第2の光透過部材は液晶からなることが好ましい。
(2)請求項3において、前記第1の光透過部材及び前記第2の光透過部材のうち屈折率が高いほうの光透過部材を前記第2の基板側に配置し、屈折率が低いほうを前記第1の基板側に配置した場合に、前記屈折率が高いほうの光透過部材の曲面を楕円形で近似すると該楕円形の前記第2の基板の面に平行な方向の半径RH と前記第2の基板の面に垂直な方向の半径RV との比RH /RV が0.4乃至0.8であることが好ましい。
【0071】
(3)請求項3において、前記第1の光透過部材及び前記第2の光透過部材のうち屈折率が高いほうの光透過部材を前記第1の基板側に配置し、屈折率が低いほうを前記第2の基板側に配置した場合に、前記屈折率が高いほうの光透過部材の曲面を楕円形で近似すると、該楕円形の前記第1の基板の面に平行な方向の半径RH と前記第1の基板の面に垂直な方向の半径RV との比RH /RV が2以上であることが好ましい。
【0072】
(4)請求項1において、前記光反射体が導電性を有することが好ましい。
(5)請求項1において、前記光吸収体が導電性を有することが好ましい。
(6)請求項1において、前記光反射体が誘電体多層膜からなることが好ましい。
(7)請求項1において、前記第1の基板と前記第2の基板との間にカラーフィルタを有することが好ましい。
【0073】
(8)請求項1において、前記第2の光透過部材がゲストホスト型液晶からなることが好ましい。
(9)請求項1において、前記第1の基板と前記第2の基板との間の間隔を一定に維持する障壁を有することが好ましい。
(10)(9)において、前記障壁が光を吸収する部材からなることが好ましい。
【0074】
(11)(9)において、前記障壁が光を反射する部材からなることが好ましい。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第2の光透過部材の屈折率を制御することにより光の進行方向を決定し、光吸収体により吸収される光の割合又は光反射体により反射される光の割合を制御するので、明るくコントラストが高い画像を表示することができる。また、バックライト等が不要であり、小型、軽量且つ低消費電力の表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態の反射型表示素子を示す斜視図である。
【図2】図2は第1の実施の形態の反射型表示素子の断面図である。
【図3】図3は第1の実施の形態の反射型表示素子の電圧無印加時の光の経路を示す図である。
【図4】図4は第1の実施の形態の反射型表示素子の電圧印加時の光の経路を示す図である。
【図5】図5は液晶の平均屈折率と反射率との関係を示す図である。
【図6】図6は第1の実施の形態の反射型表示素子の製造方法を示す断面図(その1)である。
【図7】図7は第1の実施の形態の反射型表示素子の製造方法を示す断面図(その2)である。
【図8】図8はTFT形成時の1画素領域における平面図である。
【図9】図9はTFT形成部における断面図である。
【図10】図10は障壁の形状を示す平面図である。
【図11】図11は障壁による光の吸収を示す模式図である。
【図12】図12は障壁による光の反射を示す模式図である。
【図13】図13は樹脂層の曲面を近似する楕円体の横方向の半径と焦点位置との関係を示す図である。
【図14】図14は楕円体の横方向の半径と開口率との関係を示す図である。
【図15】図15は本発明の第2の実施の形態の反射型表示素子を示す斜視図である。
【図16】図16は本発明の第3の実施の形態の反射型表示素子を示す断面図である。
【図17】図17は第3の実施の形態の反射型表示素子の製造方法を示す断面図である。
【図18】図18は本発明の第4の実施の形態の反射型表示素子を示す断面図である。
【図19】図19は第4の実施の形態の反射型表示素子の電圧無印加時の光の経路を示す図である。
【図20】図20は第4の実施の形態の反射型表示素子の電圧印加時の光の経路を示す図である。
【図21】図21は樹脂層の曲面を近似する楕円体の横方向の半径と開口率との関係を示す図である。
【図22】図22は本発明の第5の実施の形態の反射型表示素子の構成を示す断面図である。
【図23】図23は第5の実施の形態の反射型表示素子の電圧無印加時の光の経路を示すずである。
【図24】図24は本発明の第6の実施の形態の投写型表示装置を示す図である。
【図25】図25(a)〜(d)はいずれも本発明の第7の実施の形態の反射型表示素子を示す断面図(その1)である。
【図26】図26は本発明の第7の実施の形態の反射型表示装置を示す断面図(その2)である。
【図27】図27は本発明の第8の実施の形態の反射型表示素子を示す断面図である。
【図28】図28は第8の実施の形態の反射型表示素子の誘電体多層膜の構造を示す模式図である。
【図29】図29は第8の実施の形態の反射型表示素子を用いたカラー表示装置を示す平面図である。
【符号の説明】
10,20,40,50,60,80 ガラス基板、
11,41 光反射膜、
12,12a,42,83 光吸収体、
13,23,44,52,62 配向膜、
14 障壁、
15,57 液晶、
16 バスライン、
21,51 透明電極、
22,22a,22b,43 樹脂層、
30 TFT、
61,75 導電性黒色樹脂膜、
63,76 光反射体、
71,72,77 カラーフィルタ、
73 カラー樹脂層、
74 ゲストホスト液晶、
81 電極、
82 誘電体多層膜、
86 SiO2 膜、
87 TiO2 膜、
100R,100G,100B 液晶パネル、
103〜107 プリズム、
108 投射レンズ。
Claims (6)
- 光が透過可能な第1の基板と、
前記第1の基板に対向して配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された第1の光透過部材と、
屈折率を制御可能な部材からなり、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の光透過部材との屈折率の差により光の進行方向を決定する第2の光透過部材と、
前記第2の基板側に設けられた光反射体及び光吸収体とを有し、
前記第1の光透過部材及び前記第2の光透過部材のうち屈折率が相対的に高くなるほうの光透過部材を前記第1の基板及び前記2の基板のいずれか一方の基板側に配置し、他方の光透過部材を他方の基板側に配置し、且つ前記屈折率が相対的に高くなるほうの光透過部材の断面が凸レンズ形、前記他方の光透過部材の断面が凹レンズ形であることを特徴とする反射型表示素子。 - 前記第2の光透過部材が液晶からなることを特徴とする請求項1に記載の反射型表示素子。
- 前記光吸収体は、前記第1の光透過部材と前記第2の光透過部材との屈折率の差により光が集光する位置に配置され、前記光反射体はその周囲に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型表示素子。
- 前記光反射体は、前記第1の光透過部材と前記第2の光透過部材とにより光が集光する位置に配置され、前記光吸収体はその周囲に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射型表示素子。
- 光の反射率を制御する複数の反射型表示素子を有する表示パネルを備えた反射型表示装置において、
前記反射型表示素子が、
光が透過可能な第1の基板と、
前記第1の基板に対向して配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された第1の光透過部材と、
屈折率を制御可能な部材からなり、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の光透過部材との屈折率の差により光の進行方向を決定する第2の光透過部材と、
前記第2の基板側に設けられた光反射体及び光吸収体とを有し、
前記第1の光透過部材及び前記第2の光透過部材のうち屈折率が相対的に高くなるほうの光透過部材を前記第1の基板及び前記2の基板のいずれか一方の基板側に配置し、他方の光透過部材を他方の基板側に配置し、且つ前記屈折率が相対的に高くなるほうの光透過部材の断面が凸レンズ形、前記他方の光透過部材の断面が凹レンズ形であることを特徴とする反射型表示装置。 - 1つの画素領域内に複数の前記反射型表示素子を有することを特徴とする請求項5に記載の反射型表示装置。
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