JPH05323305A - 表示装置およびそれを用いた液晶投写型テレビ - Google Patents

表示装置およびそれを用いた液晶投写型テレビ

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JPH05323305A
JPH05323305A JP4129147A JP12914792A JPH05323305A JP H05323305 A JPH05323305 A JP H05323305A JP 4129147 A JP4129147 A JP 4129147A JP 12914792 A JP12914792 A JP 12914792A JP H05323305 A JPH05323305 A JP H05323305A
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JP
Japan
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liquid crystal
light
display device
refractive index
diffraction grating
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JP4129147A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takahara
博司 高原
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 輝度を大きくすることができ、コントラスト
を高くすることができる表示装置及びそれを用いた投写
型テレビを提供すること。 【構成】 表面に電極13,15が形成され、光透過性
を有する一対の電極基板11,12と、それら電極基板
11,12の間に狭持され、電圧を印加したときの屈折
率と電圧を印加しないときの屈折率が異なる高分子分散
液晶17と、電極15上に形成され、回折機能を有する
回折格子16とを備え、回折格子16の屈折率は、高分
子分散液晶17に電圧を印加したときの屈折率又は高分
子分散液晶17に電圧を印加しないときの屈折率に実質
上同じ又は近いものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として小型の液晶パ
ネルなどの表示装置に表示された画像をスクリーン上に
拡大投写する投写型テレビと、主としてその投写型テレ
ビに用いる表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルは軽量、薄型など数多くの特
徴を有するため、研究開発が盛んである。しかし、大画
面化が困難であるなどの問題点も多い。そこで近年、小
型の液晶パネルの表示画像を投写レンズなどにより拡大
投影し、大画面の表示画像を得る液晶投写型テレビがに
わかに注目をあつめてきている。現在、商品化されてい
る液晶投写型テレビは液晶の旋光特性を利用したツイス
トネマチック(以後、TNと呼ぶ)液晶パネルが用いら
れている。液晶投写型テレビに用いる液晶パネルの一例
として「フラットカラーディスプレイ’91 P194
〜P205 日経BP社出版」がある。
【0003】図16は液晶パネルの等価回路図である。
1〜Gmはゲート信号線であり、その一端はゲートドラ
イブIC161に接続されている。S1〜Snはソース信
号線であり、一端はソースドライブIC162に接続さ
れている。各画素はそれぞれ画素電極に信号を印加する
ためのTFT(薄膜トランジスタ)163を有してお
り、そのTFT163の一端子には、信号を保持するた
めの付加コンデンサ164及び液晶165が接続されて
いる。液晶165は画素電極と対向電極間に挟持され、
電気回路的にはコンデンサと見なすことができる。
【0004】以下、従来の液晶パネルについて説明す
る。ただし、説明に不要な箇所は省略しており、また、
図面を見易くするためにモデル的に描いている。以上の
ことは以後の図面に対しても同様である。
【0005】図17は従来の液晶パネルの断面図であ
る。アレイ基板162と対向電極基板161は4〜6μ
mの間隔で保持され、それら基板161,162間にT
N液晶164が注入されている。表示領域の周辺部は封
止樹脂(図示せず)で封止されている。アレイ基板16
2上には画素電極13及びソース信号線14が形成さ
れ、その上に配向膜166bが形成されている。一方、
対向電極基板161上にはITOなどの透明物質で形成
された対向電極165が設けられ、対向電極165上の
ソース信号線14に対面部位にはクロムなどで形成され
たブラックマトリックス163が形成され、更にその上
には配向膜166aが形成されている。
【0006】以下、従来の液晶パネルの製造方法につい
て説明する。まず、アレイ基板162と対向電極基板1
61には配向膜166a、166bが塗布され、ラビン
グ工程により配向処理される。その後、アレイ基板16
2の周辺部にTN液晶の注入口を残して封止樹脂が塗布
される。また、対向電極基板161上に均一な液晶膜厚
を得るためのビーズを散布する。次に、対向電極基板1
61とアレイ基板162を貼り合わせる。その後、紫外
線を照射、または加熱することにより封止樹脂を硬化さ
せる。次に貼り合わせたそれら基板を真空室に入れ、ア
レイ基板162と対向電極基板161のギャップ内を真
空状態にした後、液晶の注入口を液晶に浸す。その後、
真空室の真空を破ると、液晶は注入口からギャップ内に
注入される。最後に注入口を封止して完成する。
【0007】次に上記の液晶パネルを用いた、従来の液
晶投写型テレビについて図面を参照しながら説明する。
【0008】図18は従来の液晶投写型テレビの構成図
である。液晶投写型テレビは、投影用の光を発射する集
光光学系181、発射された光の赤外線および紫外線を
透過させ、可視光を反射するUVIRカットミラー18
2、青色光を反射する青色光反射ダイクロイックミラー
(以後、BDMと呼ぶ)183a、緑色光を反射する緑
色光反射ダイクロイックミラー(以後、GDMと呼ぶ)
183b、赤色光を反射する赤色光反射ダイクロイック
ミラー(以後、RDMと呼ぶ)183c、直線偏光を得
る偏光板184a,184b,184c、光を映像信号
によって変調する透過型のTN液晶パネル185a,1
85b,185c、変調された光を通過させる偏光板1
86a,186b,186c、スクリーンに映像を投写
する投写レンズ系187a,187b,187c等によ
り構成されている。
【0009】以下、従来の液晶投写型テレビの動作につ
いて図18を参照しながら説明する。まず、集光光学系
181から出射された白色光は、UVIRカットミラー
182により可視光がBDM183a側に反射される。
可視光はBDM183aにより青色光(以後、B光と呼
ぶ)が反射され、前記B光は偏光板184aに入射され
る。BDM183aを透過した光はGDM183bによ
り緑色光(以後、G光と呼ぶ)が反射され偏光板184
bに入射され、また、RDM184cにより赤色光(以
後、R光と呼ぶ)が反射され偏光板184cに入射され
る。各偏光板184a、184b、184cでは各色光
の縦波成分または横波成分の一方の光のみを透過させ、
光の偏光方向をそろえて各液晶パネル185a、185
b、185cに照射させる。この際、50%以上の光は
偏光板184a、184b、184cで吸収され、透過
光の明るさは最大でも半分以下となってしまう。
【0010】各液晶パネル185a、185b、185
cは映像信号により透過光を変調する。変調された光は
その変調度合により各偏光板186a,186b,18
6cを透過し、各投写レンズ系187a,187b,1
87cに入射してスクリーン(図示せず)に拡大投映さ
れる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述の説明でも明らか
なように、TN液晶を用いた液晶パネルでは、直線偏光
の光を入射させる必要がある。したがって、液晶パネル
の前後には偏光板を配置する必要がある。この偏光板は
理論的にも50%以上の光を吸収してしまう。従って、
スクリーンに拡大投影した際、低輝度画面しか得られな
いという課題がある。この課題を解決するため、高分子
分散液晶を用いることが考えられる。高分子分散液晶を
用いた液晶パネルは偏光板を用いないため光利用効率を
非常に高くできる。また、ラビング工程等も不要であ
る。
【0012】以下、簡単に高分子分散液晶について説明
しておく。高分子分散液晶は、液晶と高分子の分散状態
によって大きく2つのタイプに分けられる。1つは、水
滴状の液晶が高分子中に分散しているタイプである。液
晶は、高分子中に不連続な状態で存在する。以後、この
ような液晶をPDLCと呼び、また、その液晶を用いた
液晶パネルをPD液晶パネルと呼ぶ。もう1つは、液晶
層に高分子のネットワークを張り巡らせたような構造を
採るタイプである。ちょうどスポンジに液晶を含ませた
ような格好になる。液晶は、水滴状とならず連続に存在
する。以後、このような液晶をPNLCと呼び、また、
その液晶を用いた液晶パネルをPN液晶パネルと呼ぶ。
前記2種類の液晶パネルで画像を表示するためには光の
散乱・透過を制御することにより行なう。
【0013】PDLCは、液晶が配向している方向で屈
折率が異なる性質を利用する。電圧を印加していない状
態では、それぞれの水滴状液晶は不規則な方向に配向し
ている。この状態では、高分子と液晶に屈折率の差が生
じ、入射光は散乱する。ここで電圧を印加すると液晶の
配向方向がそろう。液晶が一定方向に配向したときの屈
折率をあらかじめ高分子の屈折率と合わせておくと、入
射光は散乱せずに透過する。
【0014】これに対して、PNLCは液晶分子の配向
の不規則さそのものを使う。不規則な配向状態、つまり
電圧を印加していない状態では入射した光は散乱する。
一方、電圧を印加し配列状態を規則的にすると光は透過
する。なお、前述のPDLCおよびPNLCの液晶の動
きの説明はあくまでもモデル的な考え方である。本発明
においてはPD液晶パネルとPN液晶パネルのうち一方
に限定するものではないが、説明を容易にするためPD
液晶パネルを例にあげて説明する。また、PDLCおよ
びPNLCを総称して高分子分散液晶と呼び、PD液晶
パネルおよびPN液晶パネルを総称して高分子分散液晶
パネルと呼ぶ。また、高分子分散液晶パネルに注入する
液晶を含有する液体を総称して液晶溶液と呼び、液晶溶
液中の樹脂成分が重合硬化した状態をポリマーと呼ぶ。
【0015】高分子分散液晶の動作について図19
(a)、(b)を用いて簡単に述べる。図19(a)、
(b)は高分子分散液晶パネルの動作の説明図である。
高分子分散液晶パネルには、画素電極192が形成され
たアレイ基板191及び対向電極193が形成された対
向電極基板196が設けられ、それら基板191,19
6の間には、水滴状液晶194及びポリマー195が配
置されている。画素電極192にはTFT(図示せず)
等が接続され、TFTのオン・オフにより画素電極19
2に電圧が印加されて、画素電極192上の液晶配向方
向を可変させて光を変調する。図19(a)に示すよう
に電圧を印加していない状態では、それぞれの水滴状液
晶194は不規則な方向に配向している。この状態では
ポリマー195と液晶194との間に屈折率の差が生じ
入射光は散乱する。ここで図19(b)に示すように画
素電極192に電圧を印加すると液晶194の方向がそ
ろう。液晶194が一定方向に配向したときの屈折率を
あらかじめポリマー195の屈折率と合わせておくと、
入射光は散乱せずにアレイ基板191より出射する。
【0016】高分子分散液晶を用いて高品位の表示パネ
ルを構成しようとすると、散乱状態での光の透過量と、
透過状態での光の透過量の比(以後、コントラストと呼
ぶ)を大きくとる必要がある。コントラストが小さいと
階調表示特性が悪くなる。液晶投写型テレビではコント
ラストは100以上必要である。高分子分散液晶パネル
の最大透過率は対向電極のITO膜などで規制されるが
80〜85%程度もある。
【0017】しかしながら、高分子分散液晶の散乱時の
光透過量は大きい。コントラストを大きくするためには
散乱状態での透過量(以後、散乱透過率と呼ぶ)を小さ
くする必要があり、散乱状態での透過量を小さくするた
めには液晶層の膜厚を厚くする必要があるが、厚くする
と透過状態にするための印加電圧が高くなって液晶を駆
動することができない。従って、光透過量の減少を散乱
状態によって行う方法では限界があり、光透過量を余り
減少できない。高分子分散液晶を用いれば輝度は大きく
できるが、コントラストを高くすることができず、良好
な表示品位の液晶パネルおよび液晶投写型テレビを構成
することは困難であるという課題がある。
【0018】またTFTに光があたるとホトコンにより
誤動作が生じる。その為通常はブラックマトリックスと
呼ばれる遮光層が対向基板に設けられるが、分散液晶パ
ネルの作成上、特に紫外線を照射して相分離を起こさせ
る場合にはこのブラックマトリックスの下層部分におい
て硬化しないという問題が起こった。
【0019】本発明は、従来のこのような課題を考慮
し、輝度を大きくすることができ、コントラストを高く
することができる表示装置及びそれを用いた投写型テレ
ビを提供することを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、表
面に電極が形成され、少なくとも一方が光透過性を有す
る一対の電極基板と、それら電極基板の間に狭持され、
電圧を印加したときの屈折率と電圧を印加しないときの
屈折率が異なる屈折率変更部材と、その屈折率変更部材
内の所定部位に配置され、回折機能を有する回折部材と
を備え、回折部材の屈折率は、屈折率変更部材に電圧を
印加したときの屈折率又は屈折率変更部材に電圧を印加
しないときの屈折率に実質上同じ又は近いものである表
示装置である。
【0021】請求項12の本発明は、請求項1又は2記
載の表示装置と、光発生手段と、光発生手段が発生した
光を表示装置に導く第1光学手段と、表示装置で変調さ
れた光を投写する第2光学手段とを備えた投写型テレビ
である。
【0022】
【作用】本発明は、回折部材の屈折率が、電圧を印加し
ないときの屈折率変更部材の屈折率と実質上同じ又は近
い場合、屈折率変更部材に電圧を印加しないとき回折部
材の回折機能がなくなり透過光を直進させ、屈折率変更
部材に電圧を印加したとき回折部材の回折機能が生じて
透過光を回折し、回折部材の屈折率が、電圧を印加した
ときの屈折率変更部材の屈折率と実質上同じ又は近い場
合、屈折率変更部材に電圧を印加したとき回折部材の回
折機能がなくなり透過光を直進させ、屈折率変更部材に
電圧を印加しないとき回折部材の回折機能が生じて透過
光を回折する。
【0023】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0024】図1は、本発明にかかる一実施例の液晶パ
ネルの一画素部の断面図である。なお、図面ではモデル
的に描いている。たとえば回折格子16のピッチ、作製
個数および高さ等はこれに限定されるものではない。以
上のことは以下の図面に対しても同様である。液晶パネ
ルのアレイ基板12上にはITOなどの透明物質からな
る画素電極13、その画素電極13への印加信号を制御
するためのTFT(図示せず)、及びソース信号線14
等が形成されている。一方、アレイ基板12に対向する
側には対向電極基板11が配置され、その対向電極基板
11上にはITOなどの透明物質からなる対向電極15
が形成され、その対向電極15上には台形状の回折格子
16及び薄膜18が形成されている。以上のアレイ基板
12及び対向電極基板11の間には高分子分散液晶17
が狭持されている。
【0025】図2は回折格子16の形状を示す斜視図で
ある。ここで、回折格子16のピッチとして1μm〜2
0μmの範囲が好ましい。さらには2〜10μmの範囲
が好ましい。また、高さは0.5μm〜8μmの範囲が
好ましく、さらには1μm〜6μmの範囲が好ましい。
【0026】回折格子16の材料としてはSiOx、S
iNx、TaOx、ガラス系物質などの無機物質、レジ
ストとして用いられる材料、ポリイミド、アクリル系樹
脂などの有機物質などが例示される。材料の選定として
は高分子分散液晶層のポリマーの屈折率に対応して決め
る。各材料の屈折率は液晶の常光屈折率noは1.45
〜1.55、液晶の異常光屈折率neは1.65〜1.
80、ポリマーの屈折率npは1.45〜1.55のも
のがよく用いられる。またnp≒noにしておく場合が多
い。また、薄膜18は回折格子16と同一材料を用い、
回折格子のパターニングと同時に形成する方が工数もか
からない。薄膜18の幅は隣接した画素間距離と対向電
極基板11の位置あわせ精度により決定される。高さは
回折格子16と同時にパターニングを行った場合は当然
のことながら回折格子と同一高さとなる。しかし、高さ
は薄膜の誘電率によっても制約をうける。高分子分散液
晶17の誘電率に比較して薄膜18の誘電率が小さいほ
ど薄膜18の膜厚は薄くてよい。薄膜上の液晶の膜厚を
2、薄膜の膜厚をd1、液晶の誘電率をεe、薄膜の誘
電率をεkとすればε2・d1/(ε1・d2+ε2・d1
の値が1/3以上、好ましくは1/2以上とするのがよ
い。
【0027】本発明の液晶パネルに用いる液晶材料とし
てはネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリッ
ク液晶が好ましく、単一もしくは2種類以上の液晶性化
合物や液晶性化合物以外の物質も含んだ混合物であって
もよい。なお、先に述べた液晶材料のうち異常光屈折率
eと常光屈折率noの差の比較的大きいシアノビフェニ
ル系のネマチック液晶が最も好ましい。高分子マトリッ
クス材料としては透明なポリマーが好ましく、ポリマー
としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂
のいずれであっても良いが、製造工程の容易さ、液晶相
との分離等の点より紫外線硬化タイプの樹脂を用いるの
が好ましい。具体的な例として紫外線硬化性アクリル系
樹脂が例示され、特に紫外線照射によって重合硬化する
アクリルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するもの
が好ましい。
【0028】このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリート、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールアクリレート等々である。
【0029】オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0030】また重合を速やかに行なう為に重合開始剤
を用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイキー社
製「イルガキュア184」)、ベンジルメチルケタール
(チバガイギー社製「イルガキュア651」)等が掲げ
られる。 その他に任意成分として連鎖移動剤、光増感
剤、染料、架橋剤等を適宜併用することができる。
【0031】散乱能の目標としては、目標膜厚になるよ
うに2枚のガラス基板にはさみこんだ高分子分散液晶に
光を入射させた場合、入射側にでる光量(以後、後方散
乱光と呼ぶ)と、出射側に透過する光量(以後、前方散
乱光と呼ぶ)の比が1:2以上となるようにする。特に
1:3前後の時、回折機能が良好に働く割合が大きい。
【0032】例えば正の誘電異方性を持つ液晶材料を用
いた場合、液晶がオフ状態の時の液晶相17の屈折率n
offは一般的に(2no+ne)/3で示される。逆にオ
ン状態の時の屈折率nonはnoとなる。従って、液晶が
オフ状態のとき回折格子を出現させ、オン状態のとき回
折格子を消滅させる為には、回折格子の屈折率nk=np
もしくは、その近傍の値となるようにすればよい。つま
り、液晶がオフ状態の時は液晶層の屈折率noff=(2
o+ne)/3であるから、nk≠noffであり回折格子
16と液晶層17に屈折率差Δnが生じる。逆に液晶が
オン状態の時は液晶層の屈折率はnoとなるから、no
pとするとnk=npとなる。つまり、回折格子16と
液晶層17に屈折率差がなくなる。回折格子の屈折率n
kとポリマーの屈折率npの屈折率差は0.1以内にする
ことが望ましく、0.1以内の材料を選定すべきであ
る。以上の検討から、回折格子の形成材料としては、現
状の無機材料としては、プロセス上形成・加工が容易な
らSiO2が適していると考えられる。SiO2の屈折率
は通常1.45〜1.50程度である。また、形成方法
としてはSiO2を蒸着後、パターンマスクを形成しエ
ッチングすればよい。あるいはガラス基板をフォトリソ
グラフィとドライエッチングの手法を用い直接回折格子
を形成しても良い。また、有機材料としては液晶層17
に用いるものと同一の透明なポリマーを用いるのが最適
である。通常ネガ型のレジストの屈折率は1.5〜1.
55である。また、通常の半導体の製造に用いるレジス
ト材料なども用いることができる。上記のような材料を
用いた回折格子の形成方法としては、ロールクォーター
あるいはスピンナー等で基板上に塗布し、パターンマス
クを用いて必要な部分のみ重合するなどすればよい。ま
た、ポリマー+ドーパントからなる感光性樹脂を基板に
スピンコートし、パターンマスクを介して露光したの
ち、減圧加熱によりドーパントを昇華させる方式でドラ
イ現像する方法もある。また、薄膜18も前述の技術を
用いて形成すれば工数を減少させることができる。
【0033】逆にオン状態で回折格子を生成し、オフ状
態で消滅させるためには、回折格子の屈折率nはnk
offとする必要がある。このような屈折率を示す材料
は数多く存在する。たとえばポジ型のレジストは屈折率
が1.55〜1.65のものが多い。ここでは説明を容
易にするため、特にことわりがないかぎりnk≒non
して説明する。しかしながら、回折効率および回折の動
作はnk=nxとする方が良好な結果が得られる。それは
回折格子の凸部上の液晶が電圧無印加状態でnxである
から、見かけ上回折格子の高さが高くなったようにふる
まうからである。
【0034】なお、従来より、ネマチック液晶と回折格
子を組み合わせた素子が提案されている。(特公昭53
−3928号公報)。実現されていなかったのは基板表
面に回折格子のような凹凸があっては液晶分子の配向制
御が不可能でモノドメイン化し得なかったことによる。
これは2μm以上の回折格子の凹凸上に配向膜を塗布す
ること、ラビング処理を行うことが容易でないことから
理解できる。前記の課題に対処するため、本発明は高分
子分散液晶を用いている。高分子分散液晶はポリマーに
よりランダム状能を作ることができ、電圧により配向さ
せることができるため、配向、ラビング処理が全く不要
である。
【0035】回折格子16のピッチp、高さdは変調す
る光の波長λ、液晶層17の屈折率及び光学系の光の指
向性および必要とする回折効率などによりかなり異な
る。電圧は無印加の状態で、出射光線は回折格子の影響
を受けている。例えば回折格子が矩形断面形状の場合は
回折角度θ、及び0次回折光の効率ηοは以下のように
与えられる。
【0036】sinθ=mλ/p(但しmは回折次数) ηο=0.5*(1+cosδ) (但しδ=2πΔnd/λ) 従って、ピッチp・高さdは光学系の光の指向性、回折
角度θ、波長λにより決定すべきである。しかし回折格
子形成上のプロセス条件などに左右されることも多い。
およそピッチpは1μm〜15μmであり、中でも1μ
m〜10μmが最適である。これは本発明の液晶パネル
を液晶投写型テレビに用いる際の投写レンズのF値を考
慮して定めるべきである。およそF値が5.0のときピ
ッチpは5μm以下、7.0のときピッチは8μm以下
に設定する。なお、プロセス上、回折格子の形状はサイ
ンカーブ状あるいは台形状となることが多いが、所望の
回折格子の効率、回折角度にあわせて設計すればよい。
【0037】高さdは、回折効率に大きく依存する。回
折格子の屈折率nkと液晶層の屈折率noffの差、つまり
△nが0.1であれば、回折格子の形状に大きく左右さ
れるが、高さdは0次光を0にしようとすると3〜5μ
m必要である。しかし、通常、0次光を完全に0にする
必要はなく、回折効率が40〜70%でもよく、高さd
は2〜3μmでよい。回折効率が40〜70%でも投写
型テレビを構成したときのコントラストは実用的な値が
得られる。
【0038】また、回折格子の高さdとピッチpは以下
に示すことから制限をうける。図4は、回折格子16近
傍の電気力線をモデル的に示している。いま、説明を容
易にするために、電気力線は対向電極15から発し、画
素電極13で終了するとする。回折格子16間の対向電
極15から発した電気力線Aは、対向電極基板11に垂
直方向つまり法線方向にのびる。しかし、回折格子16
の近傍の電気力線Bは回折格子16の凸部、つまり斜面
にそってのび、法線方向とθの角度が生じる。これは、
液晶17の誘電率εeと回折格子16の誘電率εkが大き
く異なるためにおこる。通常液晶17の誘電率εeは、
電圧印加状態と非印加状態とで異なるがおよそ15〜2
5である。一方、回折格子16の誘電率は4〜6であ
る。つまり、電気力線は液晶中を透過しやすく回折格子
16内は透過しにくい。
【0039】液晶分子は一定以上の電界が印加されると
電気力線に沿って配向する。また、配向方向により液晶
は屈折率が異なる。液晶が対向電極基板11の法線に平
行、つまりθ=0のとき液晶屈折率は常光屈折率のno
となる。一方、θが90度のとき屈折率は理論的には
(no+ne)/2となる。θが0〜90度の範囲ではそ
の中間状態の屈折率を示す。したがって、液晶分子41
aはθ=0であるから屈折率はnoとなる。液晶分子4
1bの屈折率はnoと(no+ne)/2の中間的な値と
なる。
【0040】本発明の液晶パネルでは電圧の印加状態で
回折格子16間の液晶17の屈折率と回折格子16の屈
折率を一致させ、回折効果を消滅させるものである。液
晶分子41bがθの角度をもって配向すると回折格子1
6間の液晶17と回折格子16の屈折率が一致しない。
しかし、ここで回折格子の凸部の傾斜角度が対向電極基
板の法線に対して垂直に近ければ電気力線も垂直に発生
するからほぼ液晶層の屈折率はnon=noとなり、nk
oとなる。つまり、回折格子のピッが短く、かつ高さ
が高ければ回折格子の凸部の傾斜角度が大きくなり、電
気力線はほぼ対向電極基板の法線方向に発生することに
なる。θが小さい時、液晶分子41bの屈折率はほぼn
oとみなせる。理解を容易にするためにポリマー量が液
晶層17の屈折率に寄与しないとみなすと、液晶分子の
屈折率はθ=0のときno,θ=90度のとき(no+n
e)/2であるが、その間の屈折率はθに対して非線形
カーブで屈折率が変化する。具体的にはおよそサインカ
ーブ状である。つまりθが0〜20度では液晶分子の屈
折率はおよそnoとみなすことができ、70〜90度で
は液晶分子の屈折率はおよそ(no+ne)/2の値とみ
なすことができる。したがって、θが小さいとみなせる
時noとみなせる。ゆえに、回折格子16の傾斜角度は
少なくとも45度つまりθ=45度、好ましくは傾斜角
度は60度以上つまりθ=30度、さらに好ましくは傾
斜角度は70度以上つまりθ=20度以下にするのがよ
い。
【0041】このことから、回折格子の高さとピッチp
の比d/pは1/3以上にすることが好ましい。さらに
はd/pは1/2以上がよい。具体的な設計値としては
d=3〜4μmの時p=5〜8μmの範囲で回折格子を
形成する。この時、回折角度θは5〜7度となり液晶投
写型テレビを構成した場合、投写レンズにF5前後のも
のを用いることができる。当然のことながら、F値は大
きいほどコントラストは高くなる。
【0042】回折格子の屈折率nkがnk=noffの場合
は前述の電気力線の屈曲の影響をあまり受けない。それ
は回折格子の斜面にそった電気力線で配向する液晶分子
の屈折率がnkに近くなったためである。つまり、見か
け上、回折格子の幅が多少大きくあるいは高さが高くな
ったようにふるまう。回折格子上の電気力線は垂直にの
びるから、回折格子上の液晶の屈折率はnoとなる。し
たがって、オン状態の時に回折効果は十分に機能する。
【0043】しかしながら、回折格子16に沿って電気
力線が曲がることは入射角依存、回折効率に影響を与え
ることから、発生しなくすることが好ましい。そのため
に、以下の2つの構造を採用することが好ましい。
【0044】別の実施例の構造を図6に示す。図6にお
いて61は回折格子である。図では矩形形状に図示して
いるが、先にも説明したように回折格子形状はこれに限
定するものではない。62はくし電極である。くし電極
62は回折格子61が対向電極15上に形成されている
場合は、画素電極をくしの歯状に加工して形成する。回
折格子61が画素電極上に形成されている場合はその逆
である。くし電極62は図6に示すように回折格子61
の凹部に相対して配置する。それは図8に示すように、
対向電極15から発した電気力線Cが垂直にのびるよう
にするためである。なお、図8に示す距離hは極力短い
方が望ましい。好ましくは10μm以下、さらには5μ
m以下にするほうが良い。特にh=0の場合は所望液晶
膜厚を得るためにビーズ等を用いる必要がなく、回折格
子の高さdで所望膜圧を得ることができる。しかし、h
が1μm以下の場合は液晶が注入されにくくなり、注入
不良が発生しやすい。前述の距離hに関する事項は図1
および図7に関しても同様である。
【0045】又別の実施例の構造を図7に示す。図7は
画素電極13上に低誘電率物質からなる膜71を形成し
ている。この膜71は回折格61子が一次元の時ストラ
イプ状に、二次元の時ドット状に形成する。膜71の誘
電率は液晶の比誘電率の1/2以下であればよい。した
がって、通常用いるポリマー材料、レジスト材料の比誘
電率は3〜5であるので該当する。膜圧は1μm以上、
好ましくは2μm以上にする。形成位置は回折格子61
の凸部と相対する位置に形成する。なお、膜71は回折
格子61と対向する電極上に形成すればよく、したがっ
て、対向電極上あるいは画素電極上のいずれであっても
よい(ここでは画素電極13上に形成している)。
【0046】膜71を形成することにより膜中で電圧降
下を発生する。したがって図9に示すように回折格子6
1の凸部上には電気力線はほとんど発生せず、対向電極
15から発生した電気力線は垂直にのびる。
【0047】また、先に説明したとおり、薄膜18(図
1又は図5参照)の膜厚は厚い方が液晶層17に電圧が
印加されず都合がよい。その説明図を図5に示す。薄膜
18の誘電率が液晶の誘電率に比較して十分小さければ
電界強度は薄膜18中で強く、液晶17中では弱くな
る。したがって電気力線Cは液晶17中では微弱とな
り、液晶17中の液晶分子を配向させない。ゆえにソー
ス信号線14上の液晶は、ソース信号線14に印加され
る映像信号で配向されない。先にも説明したとおり、液
晶の誘電率は15〜25、回折格子を形成する有機材料
の誘電率は3〜5程度である。液晶17の膜厚を15μ
mとすると液晶17中に印加される電圧がソース信号線
14に印加される電圧の1/2以下となるようにするに
は薄膜18の膜厚は2〜4μmとなる。この膜厚は回折
効率を50%以上にする回折格子16の高さにほぼ一致
する。この意味からも、薄膜18と回折格子16は同一
材料を用い、かつ同時にパターニングして形成すること
が望ましい。薄膜18はブラックマトリックスにして流
用できるためブラックマトリックスは必要でなく、ブラ
ックマトリックスのように画素表示には目立ちにくく、
また、画素開口率も向上させることができる。また、薄
膜18を光透過性物質で形成することにより、パネル製
造時においても、光照射相分離によって高分子分散液晶
層を形成する際に、この薄膜18の下の液晶層も十分に
光があたり、相分離が行われる。なお、必要に応じて薄
膜18はゲート信号線(図示せず)上およびTFT(図
示せず)上に形成してもよい。また、TFT上の対向電
極15上にはホトコンを完全に防止するためクロム等を
用いてブラックマトリックスを形成してもよい。
【0048】回折格子16は図3に示すような2次元回
折格子の方が一次回折格子より適する。これは、液晶1
7の体積割合が回折格子16の体積より十分大きくな
り、配向動作を行える液晶分子が多くなる点および対向
電極15が露出する面積が大きくなり液晶層に電圧が印
加されやすくなるためである。また、回折像も八方向に
発生し、球形の投写レンズ等のマッチングもよくなる。
【0049】以下、本発明の液晶パネルの動作について
説明する。図10は本発明の液晶パネルに光線が入射し
た際の出射光線の強度をモデル時に示した図である。ま
ず、オフ状態の時、回折格子16の屈折率nk≠液晶層
17の屈折率noffであるから、回折格子61が生成さ
れた状態となる。したがって、入射光は回折される。回
折された光はマスク101によって一次光がその間から
出射される。以上のことより、白表示を行うことができ
る。逆に、オン状態の時、回折格子16の屈折率nk
液晶層17の屈折率nonとなる。したがって、nk≒np
≒noとなるから回折格子は消滅する。したがって、入
射光は直進する。直進先はマスク101で遮光される。
マスク101の配置をずらすことによりオフ状態で黒表
示にすることもできる。また、回折格子の屈折率nk
k=noffとすることによっても実現できる。オン状態
とオフ状態の中間での電圧印加状態では中間的な光の散
乱・透過状態となる。以上のように印加電圧により回折
格子を生成あるいは消滅させることができるため、表示
コントラストを非常に高くすることができる。
【0050】以上のように、液晶パネルに高分子分散液
晶を用いているため、TN液晶を用いた液晶パネルに比
較して2倍以上の高輝度画面を得ることができる。ま
た、液晶パネル内に回折格子を形成しているため、その
液晶層での散乱効果と回折効果により、液晶のオフ状態
での光の直進透過量を大幅に小さくすることができる。
逆に液晶がオン状態では回折格子は消滅するので、入射
光はそのまま直進する。従って、コントラストは100
以上を容易に達成でき、階調表示特性が非常に良好な高
品位画像表示を実現できる。また、ソース信号線上には
薄膜を形成し、ソース信号線に印加される映像信号によ
り液晶が変調され不要な表示が画像としてあらわれるこ
とを防止でき、画素の切れ目を目立ちにくくでき、か
つ、開口率も向上させている。また、液晶層内の未硬化
部分を少なくできる。
【0051】液晶として高分子分散液晶を用いることに
よって配向処理が不必要であるので基板上に回折格子の
ような凹凸があっても問題にならない。また、回折格子
は光透過性物質で形成しているので、画素の開口率を低
下することがない。従来、液晶層と対向電極及び画素電
極との密着性が悪いため剥離という問題を発生させてい
たが、本発明において回折格子は液晶パネルの対向電極
とが電極のうち少なくとも一方に凹凸を形成しているの
でこの課題を除去することができる。
【0052】本発明では散乱効果が不必要であるので高
分子分散液晶層の厚みを従来の高分子分散液晶パネルに
比べて薄くできる。よって駆動電圧を低くすることがで
きるとともに応答速度も速くなる。
【0053】なお、上記実施例では、屈折率変更部材に
高分子分散液晶を用いたが、これに限らず、電圧を印加
したときの屈折率と電圧を印加しないときの屈折率が異
なる材料であれば、他の材料を用いてもよい。
【0054】また、上記実施例では、回折部材である回
折格子を一方の電極上に形成したが、これに限らず、屈
折率変更部材内であればどの位置に配置してもよい。
【0055】また、回折格子16は図面では台形形状に
図示したが、これに限定されるものではなく、ノコギリ
形状、三角形状、サインカーブ形状、矩形形状等のいず
れであってもよい。また、一次元回折格子だけでなくた
とえば図3に示すように2次元回折格子でもよい。
【0056】以下、図面を参照しながら本発明の液晶投
写型テレビについて説明する。図11は本発明の液晶投
写型テレビの構成図である。ただし、説明に不要な構成
要素は省略している。図11において、111は集光光
学系であり、内部に凹面鏡および光発生手段として良好
な点光源であるキセノンランプを用いる。なお、消費電
力は500w〜1kwのものがよい。また、凹面鏡は可
視光のみを反射させるように構成されている。112は
赤外線および紫外線を透過させ可視光のみを反射させる
UVIRカットミラーである。また、113aはBD
M、113bはGDM、113cはRDMである。な
お、BDM113aからRDM113cの配置は前記の
順序に限定するものではなく、また、最後のRDM11
3cは全反射ミラーにおきかえてもよいことは言うまで
もない。
【0057】114a,114b,114cは本発明の
表示装置である液晶パネルである。回折格子の高さ・ピ
ッチ等は赤(R)・緑(G)・青(B)用のそれぞれの
液晶パネルに対して変化させてもよい。その場合はR用
の液晶パネルの回折格子の高さを高くB用は低くすると
良い。また、R用に最適な回折格子高さに形成し、G、
B用は画素に印加する電圧により最適回折効率となるよ
うにしてもよい。115a,115b,115c,11
7a,117b,117cはレンズ、116a,116
bおよび116cは、しぼりとしてのアパーチャであ
る。なお、115,116および117で投写光学系を
構成している。また、特に支障のないかぎり115,1
16および117の組を投写レンズ系と呼ぶ。また、ア
パーチャはレンズ115等のF値が大きいとき必要がな
いことは明らかであり、投写レンズ系を1つのレンズに
置きかえることができることも明らかである。
【0058】投写レンズ系は各液晶パネルを透過した平
行光線を透過させ、回折等により各液晶パネルで散乱し
た光を遮光させる役割を果たす。その結果、スクリーン
上に高コントラストのフルカラー表示が実現できる。ア
パーチャ116の開口径Dを小さくすればコントラスト
は向上する。しかし、スクリーン上の画像輝度は低下す
る。
【0059】次に上記実施例の液晶投写型テレビの動作
について説明する。なお、R,G,B光のそれぞれの変
調系については、ほぼ同一動作であるのでB光の変調系
についてのみ例をあげて説明する。まず、集光光学系1
11から白色光が照射され、白色光のB光成分はBDM
113aにより反射される。B光は高分子分散液晶パネ
ル114aに入射する。高分子分散液晶パネルは図19
(a)、(b)に示すように、画素電極に印加された信
号により入射した光の散乱と透過状態とを制御して光を
変調し、同時に回折格子によって入射光を回折させる。
【0060】回折した光はアパーチャ116aで遮光さ
れ、逆に、所定角度内の光はアパーチャ116aを通過
する。変調された光は投写レンズ117aによりスクリ
ーン(図示せず)に拡大投映される。以上のようにし
て、スクリーンには画像のB光成分が表示される。同様
に高分子分散液晶パネル114bはG光成分の光を変
調、回折し、また、高分子分散液晶パネル114cはR
光成分の光を変調、回折して、スクリーン上にはカラー
画像が表示される。
【0061】図11は簡易的なシュリーレン光学系と考
えることができる。さらに良好にコントラストを実現す
るためには図13に示す光学系を用いる必要がある。図
13はシュリーレン光学系を用いた液晶投写型テレビの
原理的な構成を概念的に示す模式図である。図13にお
いて本発明の液晶パネル131をライトバルブとして用
い、多数の開口部を有するシュリーレン入力マスク13
2と出力マスク132の間にシュリーレンレンズ134
を設置し、入力マスク132の像を出力マスク133上
に結像させるようにした構造のシュリーレン光学系を構
成する。上記液晶パネル131をシュリーレン光学系の
中に配置する。本発明ではシュリーレンレンズ134は
入力マスク132と液晶パネル131の間に設置した
が、液晶パネル131と出力マスク133の間にあって
も構わない。また本発明では省略したが、入力マスク1
32と光源135の間にフライアイレンズのようなマイ
クロレンズアレイを光源像が入力マスク132の開口部
に形成されるように設け、光利用効率を上げてもよい。
なお、凹面鏡138も光利用効率を上げるために用いた
のであっても無くてもよい。光源135からの光を上記
シュリーレン光学系の入力マスク132とシュリーレン
レンズ134を介して液晶パネル131に入射し、液晶
パネル131における投写画像に応じた光の回折により
出力マスク133の開口パターンより漏れる光として、
投写レンズ136を介してスクリーン137に上記画像
を投写するようにしたものである。
【0062】図13に示すシュリーレン光学系を用いた
液晶投写型テレビの構成図を図14に示す。ただし、説
明に不要な構成要素は省略している。141a、141
b、141cは入力マスク、143a、143bおよび
143cは出力マスク、142a、142bおよび14
2cはシュリーレンレンズである。なお、141、14
2および143でシュリーレン光学系を構成している。
また144a、144b、144cは投写レンズであ
る。
【0063】動作は図11の実施例とほぼ同様である。
集光光学系111から白色光が照射され、白色光のR光
成分はRDM113aにより反射される。このR光は入
力マスク141a、シュリーレンレンズ142aを通っ
て液晶パネル114aに入射し、液晶パネル11aは映
像信号により液晶層の屈折率を制御し、光を変調する。
液晶層と回折格子との屈折率差がなくなると入射した光
は回折され、出力マスク143aを通過する。変調され
た光は投写レンズ114aによりスクリーン(図示せ
ず)に拡大投影される。以上のようにして、スクリーン
には画像のR光成分が表示される。同様に液晶パネル1
14bはG光成分の光を変調、回折し、また、液晶パネ
ル114cはB光成分の光を変調、回折して、スクリー
ン上にはカラー画像が表示される。
【0064】以上のように液晶投写型テレビは、本発明
の液晶パネルを用いているために、画質の高輝度化およ
び高コントラスト表示を実現できる。高品位映像表示を
実現できる。光の回折効果により画像のコントラストを
大幅に向上できたばかりでなく、電源のオン、オフ時の
ヒートショックより発生する剥離の問題が生じない。さ
らに、本発明では、特に主としてR用の液晶パネルの回
折格子の高さ・ピッチを他のパネルと変化させることに
より画像全体としてのコントラストを大幅に向上させる
ことができる。
【0065】なお、図11において投写レンズ系をこれ
に限定するものではなく、たとえば平行光成分を遮光体
で遮光し、散乱光をスクリーンに投映する中心遮へい型
の光学系を用いてもよいことは言うまでもない。
【0066】また、本発明の液晶投写型テレビの実施例
においてはリア型液晶投写型テレビのように表現した
が、これに限定するものではなく反射型スクリーンに画
像を投映するフロント型液晶投写型テレビでもよいこと
は言うまでもない。さらに、本実施例の液晶投写型テレ
ビにおいては、ダイクロイックミラーにより色分離を行
なうとしたがこれに限定するものではなく、たとえば吸
収型色フィルタを用いて、色分離を行なってもよい。
【0067】また、本実施例の液晶投写型テレビにおい
ては、R,GおよびB光の変調系において投写レンズ系
をそれぞれ1つずつ設けているが、これに限定するもの
ではなく、たとえばミラーなどを用いて液晶パネルによ
り変調された表示画像を1つにまとめてから1つの投写
レンズ系に入射させて投映する構成であってもよいこと
は言うまでもない。さらに、R・G・B光それぞれを変
調する3枚の液晶パネルを設けることに限定するもので
もない。例えば、一枚の液晶パネルにモザイク状のカラ
ーフィルタを取付け、前記パネルの画像を投映するテレ
ビでもよい。
【0068】また、本発明の液晶パネルは透過型液晶パ
ネルのように説明したが、これに限定するものではな
く、反射型に形成してもよい。その場合は、画素電極等
を金属物質で反射電極にすればよい。反射型液晶パネル
を用いて投写型テレビを構成する場合は図12のごとく
構成すればよい。
【0069】また、図14に示す光学系に限定するもの
ではなく、反射型のシュリーレン光学系を用いてもよ
い。その構成図を図15に示す。光の変調素子として先
に説明した本発明の液晶パネルを反射構成にして用い
る。投写光源153から発した投写光は、コンデンサレ
ンズ154でミラー152に集束される。集光光はミラ
ー152で反射され、シュリーレンレンズ155で平行
光線となって液晶パネル156に入射する。回折格子が
完全に生成されている画素に入射した光は回折され、シ
ュリーレンレンズ155により拡大されてスクリーン1
51に投映される。回折格子が完全に消滅した画素に入
射した光はそのまま反射し、152のミラー兼シュリー
レンストップで遮光される。前述の回折格子生成と消滅
の中間的状態の時は回折状態に応じた光がスクリーン1
51に投映される。なお、前述の液晶投写型テレビにお
いて回折された光をシュリーレンレンズ155でスクリ
ーンに投映するとしたが、これに限定するものではな
く、回折された光をシュリーレンストップで遮光される
シュリーレン光学系に構成してもよいことは言うまでも
ない。
【0070】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明にかかる表示装置及び液晶投写型テレビは、輝度を
大きくすることができ、コントラストを高くすることが
できるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施例の液晶パネルの一部断
面図である。
【図2】同実施例の液晶パネルの一部斜視図である。
【図3】別の実施例の液晶パネルの一部斜視図である。
【図4】同実施例の液晶パネルの動作を説明する断面図
である。
【図5】同実施例の液晶パネルの動作を説明する断面図
である。
【図6】別の実施例の液晶パネルの一部断面図である。
【図7】別の実施例の液晶パネルの一部断面図である。
【図8】図6の実施例の液晶パネルの動作を説明する断
面図である。
【図9】図7の実施例の液晶パネルの動作を説明する断
面図である。
【図10】本発明の液晶パネルの動作原理を説明する図
である。
【図11】本発明にかかる一実施例の液晶投写型テレビ
の構成図である。
【図12】別の実施例の液晶投写型テレビの構成図であ
る。
【図13】別の実施例の液晶投写型テレビの構成図であ
る。
【図14】別の実施例の液晶投写型テレビの構成図であ
る。
【図15】別の実施例の液晶投写型テレビの構成図であ
る。
【図16】液晶パネルの等価回路図である。
【図17】従来の液晶パネルの一部断面図である。
【図18】従来の液晶投写型テレビの構成図である。
【図19】従来の高分子分散液晶の動作を説明する図で
ある。
【符号の説明】
11 対向電極基
板 12 アレイ基板 13 画素電極 16,31,61 回折格子 17 高分子分散
液晶 62 くし電極 71 低誘電率膜 101,141a,141b,141c143a,14
3b,143c マスク 116a,116b,116c アパーチャ 121 スクリーン 131 液晶パネル 132 入力マスク 133 出力マスク 134,155 シュリーレ
ンレンズ 135 光源 136,144a,144b,144c 投写レンズ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に電極が形成され、少なくとも一方
    が光透過性を有する一対の電極基板と、それら電極基板
    の間に狭持され、電圧を印加したときの屈折率と電圧を
    印加しないときの屈折率が異なる屈折率変更部材と、そ
    の屈折率変更部材内の所定部位に配置され、回折機能を
    有する回折部材とを備え、前記回折部材の屈折率は、前
    記屈折率変更部材に電圧を印加したときの屈折率又は前
    記屈折率変更部材に電圧を印加しないときの屈折率に実
    質上同じ又は近いものであることを特徴とする表示装
    置。
  2. 【請求項2】 屈折率変更部材は、高分子分散液晶であ
    ることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
  3. 【請求項3】 光が出射する側に、前記回折部材により
    回折されて強められた光を、通過又は遮弊する機能を有
    するマスク部材が配置されていることを特徴とする請求
    項1記載の表示装置。
  4. 【請求項4】 回折部材は、最大傾斜角度が、前記電極
    基板の法線に対して0度以上45度以下であり、かつ、
    電圧無印加状態の前記高分子分散液晶に入射した光の反
    射光量が透過光量の2分の1以下となるように前記高分
    子分散液晶の透過量が設定されていることを特徴とする
    請求項2記載の表示装置。
  5. 【請求項5】 回折部材は、前記一方の電極基板の電極
    上に形成され、その電極基板に対向する他方の前記電極
    基板の電極が、前記回折部材の凹部に対応する箇所に形
    成され、凸部に対応する箇所には形成されていないこと
    を特徴とする請求項2記載の表示装置。
  6. 【請求項6】 回折部材が形成された電極基板に対向す
    る電極基板の電極上の、前記回折部材の凸部に対応する
    箇所に高分子分散液晶の誘電率よりも低い誘電率の膜が
    形成されていることを特徴とする請求項5記載の表示装
    置。
  7. 【請求項7】 回折部材は、凸部のピッチが20μm以
    下であることを特徴とする請求項2又は5記載の表示装
    置。
  8. 【請求項8】 回折部材は、凸部の高さが0.5μm以
    上8μm以下であることを特徴とする請求項2又は5記
    載の表示装置。
  9. 【請求項9】 高分子分散液晶は、膜厚が2μm以上1
    5μm以下であることを特徴とする請求項2又は5記載
    の表示装置。
  10. 【請求項10】 少なくとも一方の電極基板に画素電
    極、及びその画素電極に信号を印加するための信号線が
    形成され、他方の電極基板上の、前記信号線と相対する
    位置に高分子分散液晶の誘電率よりも低い誘電率の膜が
    形成されていることを特徴とする請求項2又は5記載の
    表示装置。
  11. 【請求項11】 膜は、前記回折部材が形成された電極
    面に形成されていることを特徴とする請求項10記載の
    表示装置。
  12. 【請求項12】 請求項1又は2記載の表示装置と、光
    発生手段と、前記光発生手段が発生した光を前記表示装
    置に導く第1光学手段と、前記表示装置で変調された光
    を投写する第2光学手段とを備えたことを特徴とする投
    写型テレビ。
  13. 【請求項13】 表示装置で回折される光の回折角度
    が、前記第2光学手段の集光角度近傍もしくはそれ以上
    であることを特徴とする請求項12記載の投写型テレ
    ビ。
  14. 【請求項14】 青色光を変調する表示装置の光学像
    と、緑色光を変調する表示装置の光学像と、赤色光を変
    調する表示装置が合成光学系により、スクリーンの同一
    位置に投映されることを特徴とする請求項12記載の投
    写型テレビ。
  15. 【請求項15】 表示装置は、青色光、緑色光及び赤色
    光の各色の光に対して配置され、前記表示装置のうち少
    なくとも一枚以上の表示装置の前記回折部材の高さとピ
    ッチのうち少なくとも一方が、他の表示装置と異なって
    いることを特徴とする請求項12記載の投写型テレビ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09274253A (ja) * 1996-02-09 1997-10-21 Toshiba Corp 投射型表示装置および空間光変調素子
JP2001109403A (ja) * 1999-10-01 2001-04-20 Fujitsu Ltd 反射型表示素子及び反射型表示装置

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