JP2003075814A - 液晶装置および投射型表示装置 - Google Patents

液晶装置および投射型表示装置

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JP2003075814A
JP2003075814A JP2001264989A JP2001264989A JP2003075814A JP 2003075814 A JP2003075814 A JP 2003075814A JP 2001264989 A JP2001264989 A JP 2001264989A JP 2001264989 A JP2001264989 A JP 2001264989A JP 2003075814 A JP2003075814 A JP 2003075814A
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light
liquid crystal
crystal device
electrode
pixel electrode
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JP2001264989A
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Seiki Koide
清貴 小出
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い開口率で優れた耐久性を有し、薄膜トラ
ンジスタのスイッチング特性の低下を防止することがで
きる液晶装置並びに投射型表示装置を提供する。 【解決手段】 画素電極9が、構造複屈折体として機能
し、液晶層に入射する光の波長よりも小さいピッチでス
トライプ状に配列された複数の光反射体と、複数の光反
射体を電気的に導通する導通電極9cとを具備して構成
され、導通電極9cの少なくとも一部は、遮光領域36
0と平面的に重なる領域に形成されている液晶装置とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶装置および投
射型表示装置に係り、特に、高い開口率で優れた耐久性
を有し、薄膜トランジスタのスイッチング特性の低下を
防止することができる液晶装置およびその液晶装置を備
えた投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に
搭載される光変調手段や、携帯電話等に搭載される直視
型表示装置として用いられる液晶装置は、液晶層を挟持
して対向配置され、液晶層に電圧を印加するための電極
を具備する一対の基板を主体として構成されている。液
晶装置としては、一方の基板側から入射した光が、液晶
層を透過し、他方の基板側から出射された光を視認する
透過型液晶装置が知られている。このような透過型液晶
装置では、一対の基板の外側に、各々特定の偏光のみを
透過する偏光子を設けることにより、電圧無印加時、電
圧印加時における液晶層内の液晶分子の配列を光学的に
識別して表示を行う構成になっている。また、従来の透
過型液晶装置では、偏光子として、特定の偏光のみを透
過し、それ以外の偏光を吸収する光吸収型の偏光子や、
特定の偏光のみを透過し、それ以外の偏光を反射する光
反射型の偏光子が広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光吸収
型の偏光子を用いた透過型液晶装置では、光源として高
輝度の光源を用いた場合、偏光子に吸収される光によっ
て、偏光子の温度が高くなり、偏光子が劣化して液晶装
置の耐久性が低下するという問題が生じる恐れがあっ
た。偏光子の劣化の問題は、特に、強い光源が使用され
る投射型表示装置に透過型液晶装置を搭載する場合に顕
著であった。
【0004】また、偏光子の劣化の問題は、黒(暗)表
示時において、液晶層を透過した光のほとんどすべてを
吸収する必要があり、検光子として機能する視認側(光
出射側)の偏光子において顕著な問題であった。この問
題を回避できる透過型液晶装置として、視認側の偏光子
を光反射型の偏光子により構成したものがある。この場
合には、偏光子での光吸収が起こらないため、上述の問
題を回避することができる。しかしながら、薄膜トラン
ジスタを用いたアクティブマトリクス型液晶装置におい
ては、視認側の偏光子により反射された光が薄膜トラン
ジスタの半導体層に入射し、光リーク電流を生じさせて
薄膜トランジスタのスイッチング特性を低下させる恐れ
があった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、高い開口率で優れた耐久性を有し、薄膜トラン
ジスタのスイッチング特性の低下を防止することができ
る液晶装置、並びに、これらの液晶装置を備えた投射型
表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するべく検討を行った結果、以下の液晶装置および
投射型表示装置を発明するに到った。本発明の液晶装置
は、第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第
2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に
挟持された液晶層とを有する液晶装置であり、前記第1
の基板には、マトリクス状に配置されて前記液晶層に電
圧を印加する画素電極と、前記画素電極に電気的に接続
された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタより
も前記液晶層側に配置された遮光膜と、前記薄膜トラン
ジスタよりも前記液晶層側に配置されて前記薄膜トラン
ジスタと電気的に接続され、遮光性を有し、前記遮光膜
と交差するデータ線とが備えられ、前記薄膜トランジス
タを構成するチャネル領域の接合部は、前記遮光膜と前
記データ線とが交差する交差領域と平面的に重なる領域
に形成され、前記画素電極は、構造複屈折体として機能
し、前記液晶層に入射する光の波長よりも小さいピッチ
でストライプ状に配列された複数の光反射体と、前記複
数の光反射体を電気的に導通する導通電極とを具備して
構成され、前記導通電極の少なくとも一部は、遮光領域
と平面的に重なる領域に形成されていることを特徴とす
る。
【0007】本発明の液晶装置において「構造複屈折
体」とは、「入射する光の偏光方向により、有効屈折率
が異なる構造体」のことを言う。そして、構造複屈折体
に入射する光の偏光方向により有効屈折率が異なること
を利用して、特定の偏光のみを透過させ、特定の偏光の
みを反射させることができる。本発明の液晶装置におい
ては、画素電極が構造複屈折体として機能するものであ
るので、本発明の液晶装置を透過型液晶装置に適用した
場合、画素電極を偏光子として機能させることができ
る。上述したように、構造複屈折体は、有効屈折率の差
異により、特定の偏光のみを透過させ、特定の偏光のみ
を反射する機能を有するため、光吸収型の偏光子と比較
して吸収される光量が少なく、耐久性に優れる。
【0008】なお、本発明の液晶装置を透過型液晶装置
に適用する場合、第2の基板側については、第1の基板
側と同様に構造複屈折体により偏光子を構成しても良い
し、従来用いられていた光吸収型若しくは光反射型の偏
光子を用いても良いが、本発明によれば、少なくとも第
1の基板側に、構造複屈折体からなる偏光子を設ける構
成としているので、耐久性に優れた透過型液晶装置を提
供することができる。
【0009】また、光吸収型の偏光子を用いた従来の透
過型液晶装置においては、偏光子の光吸収に起因する劣
化が光入射側と比較して視認側で顕著であったことか
ら、本発明は、第2の基板側から光が入射し、第1の基
板側から出射された光を視認する構造の透過型液晶装置
に適用する場合に特に好適である。この場合、視認側の
偏光子を耐久性に優れた構造複屈折体により構成するこ
とができるので、より耐久性に優れた透過型液晶装置を
提供することができる。
【0010】さらに、第2の基板側から液晶層に光が入
射する構造とすることにより、構造複屈折体により反射
された光が薄膜トランジスタの半導体層に入射すること
を防止することができるので、光リーク電流に起因する
素子のスイッチング特性の低下を防止することができ
る。
【0011】また、本発明の液晶装置は、光入射側と視
認側とが同一の反射型液晶装置にも適用することができ
る。すなわち、第2の基板側を光入射側(視認側)とす
ることにより、構造複屈折体が液晶装置に入射した光の
うち特定の波長のみを反射する選択反射層として機能
し、これによって反射型による表示を行うことができ
る。また、第1の基板側を光入射側(視認側)とし、第
2の基板側に反射層を設けても良く、この場合には、構
造複屈折体は偏光子として機能し、透過型液晶装置に適
用する場合と同様に、耐久性に優れた反射型液晶装置を
提供することができる。
【0012】また、本発明の液晶装置において「遮光領
域」とは、「液晶装置に入射した光が遮光される領域」
のことを言う。具体的には例えば、本発明の液晶装置に
おける遮光層およびデータ線や、対向基板に設けられる
一般的な遮光膜であるブラックストライプ(BS)と呼
ばれる遮光膜やブラックマトリクス(BM)と呼ばれる
遮光膜などの遮光性を有する部材が設けられている領域
のことをいう。
【0013】本発明の液晶装置において、導通電極は、
光反射体を電気的に導通するものであるので、画素電極
の大部分を光反射体により形成することにより、画素電
極全体における面積の割合を非常に小さいものとするこ
とができる。しかも、本発明の液晶装置においては、導
通電極の少なくとも一部が遮光領域と平面的に重なる領
域に形成されている。その結果、たとえ、導通電極が遮
光性を有するものであり、導通電極に遮光されて開口領
域が狭められたとしても、導通電極に遮光されて狭めら
れる開口領域の面積の割合は、開口領域全体に対して小
さく、導通電極による遮光に起因する開口率の低下の問
題が生じる恐れが極めて小さいものとなる。また、導通
電極が遮光性を有するものである場合には、画素電極と
薄膜トランジスタとを電気的に接続するためのコンタク
トホールが形成されている領域が遮光領域となるので、
コンタクトホールが形成されている領域から薄膜トラン
ジスタの半導体層に入射する光を防ぐことができる。
【0014】また、本発明の液晶装置においては、画素
電極を、液晶層に入射する光の波長よりも小さいピッチ
でストライプ状に配列された複数の光反射体と、複数の
光反射体を電気的に導通する導通電極とを具備する構造
とすることにより、構造複屈折体として機能するものと
したので、画素電極と構造複屈折体とを同時に形成する
ことができ、画素電極と構造複屈折体とを別々に形成す
る場合と比較して、製造工程の簡略化を図ることができ
る。なお、画素電極を構造複屈折体として機能させる場
合には、個々の光反射体が1個の電極として機能するの
ではなく、複数の光反射体により1個の電極が構成され
るため、複数の光反射体を電気的に導通する導通電極が
必要になる。
【0015】また、画素電極を構造複屈折体により構成
することで、以下に示すような効果も得られる。従来の
液晶装置においては、画素電極を構成する材料として、
透明導電性材料であるインジウム錫酸化物(以下、「I
TO」と略記する。)が広く用いられているが、T.J.Di
shoungh et al., ASME Journal of Electronic Packagi
ng, Vol.121, pp.126(1999)に記載されているように、
画素電極を構成するITOが次第に分解されて、インジ
ウムが配向膜を通過して液晶層側に拡散すると共に、酸
素が離脱されて液晶層内に気泡が発生し、画質劣化が生
じる恐れがある。この問題は特に、すべての電極を透明
導電性材料により構成する必要のある透過型液晶装置に
おいて顕著な問題である。
【0016】しかしながら、本発明の液晶装置では、透
過型液晶装置においても、画素電極を構造複屈折体によ
り構成することにより、画素電極の大部分をアルミニウ
ム、銀、銀合金等からなる光反射体により構成すること
ができ、ITOの分解に起因した画質劣化の問題を大幅
に低減することができ、高寿命化を図ることができる。
また、複数の光反射体と導通電極とを一体形成しても良
く、かかる構成とした場合には、製造プロセスの簡略化
を図ることができると共に、画素電極全体がITO以外
の材料により構成されることになり、ITOの分解に起
因した画質劣化の問題を一層低減することができる。
【0017】ここで、構造複屈折体の構造について具体
的に説明する。本発明の液晶装置に備えられる構造複屈
折体は、液晶層に入射する光の波長よりも小さいピッチ
でストライプ状に配列された複数の光反射体と、前記複
数の光反射体を電気的に導通する導通電極とを具備して
構成されたものである。このような構造を有する構造複
屈折体が、特定の偏光のみを透過し、特定の偏光のみを
反射することができる理由について、図21を用いて説
明する。
【0018】図21に示すように、入射する光の波長よ
りも小さいピッチで、ストライプ状に配列された複数の
媒質A101を具備した構造の構造複屈折体100にお
いて、隣接する媒質A101の間隙には、媒質A101
と異なる屈折率を有する媒質B102が充填されている
ことが必要である。なお、媒質B102としては、固
体、液体、気体を問わない。
【0019】このような構造の構造複屈折体100にお
いては、媒質A101の屈折率n1と媒質B102の屈
折率n2が異なるため、構造複屈折体100に入射した
光の偏光方向により有効屈折率が異なる。例えば、媒質
A101の屈折率n1が媒質B102の屈折率n2より
も大きい場合には、各媒質A101の延在方向に対して
略平行方向に振動する偏光Aについての有効屈折率が、
各媒質A101の延在方向に対して略垂直方向に振動す
る偏光Bについての有効屈折率よりも大きくなる。
【0020】例えば、媒質Aおよび媒質Bが誘電体から
なるものである場合、媒質A101の厚みをa、媒質B
102の厚みをbとすると、構造複屈折体100に入射
する光のうち、偏光Aについての有効屈折率Na、偏光
Bについての有効屈折率Nbはそれぞれ下記式(1)、
(2)により表されることが知られている(例えば、M.
Born and E.Wolf : Principles of Optics, 1st ed. (P
ergamon Press, New York, 1959) p.705-708)。
【数1】 下記式(1)、(2)から分かるように、媒質A101
の厚みaと媒質B102の厚みbとの比により、有効屈
折率をn1〜n2の範囲で変化させることができる。
【0021】以上、構造複屈折体が光の偏光状態によっ
て異なる光学的性質を示すことを述べた。ここで、媒質
Aとして金属や半導体のような光反射体からなるものを
用いる場合、誘電率を複素数として扱うことで、誘電体
に対する有効屈折率を求める場合と同様に扱うことがで
きる。但し、有効屈折率は複素数となる。Effective Me
dium Theory(例えば、Dominique Lemercier−lalanne:
Journal of Modern Optics,1996,vol43,no.10,2063-208
5)、より厳密には、Rigorous Coupled-Wave Analysis
(M.G.Moharam:J.Opt.Soc.Am.A,12(1995)1077 )を用いた
数値計算により、媒質Aとして金属を用いた場合、偏光
Aに対する構造複屈折体の有効屈折率の虚数部が大きな
値となり、その結果、入射した偏光Aが構造複屈折体に
より反射されることが知られている。一方、偏光Bに対
する有効屈折率の虚数部は小さい値となり、偏光Bは構
造複屈折体を透過することが知られている。このよう
に、2種類の媒質で、波長よりも小さい周期構造を形成
することにより、光反射型偏光子と同じ作用、すなわち
構造複屈折体の光軸(透過軸)と平行な偏光に対しては
透過させ、垂直な偏光に対しては反射させる作用を持た
せることができる。
【0022】また、媒質A(光反射体)の屈折率と媒質
Bの屈折率の差は大きい程、媒質Aのピッチは小さい程
好ましく、このような構造とすることにより、偏光Aと
偏光Bについての有効屈折率の差を大きくすることがで
きる。その結果、偏光Aの反射率を高く、偏光Bの透過
率を高くすることができ、反射光、透過光における偏光
A、偏光B以外の偏光を低減し、消光比を大きくするこ
とができるので、コントラストに優れた液晶装置を提供
することができる。なお、消光比は、「光軸(透過軸)
に平行な偏光の透過率/光軸(透過軸)に垂直な偏光の
透過率」により定義されるものである。
【0023】ただし、光反射体のピッチを小さくする
程、製造が困難になるため、透過型液晶装置において
は、光反射体のピッチを、入射光の波長よりも小さく、
かつ、安定して形成できる範囲に設定するとともに、第
1の基板側であって、構造複屈折体の視認側にさらに光
吸収型若しくは光反射型の偏光子を設ける構成としても
良い。このように、視認側については、構造複屈折体
と、光吸収型若しくは光反射型の偏光子の2種類の偏光
子を設ける場合には、構造複屈折体における消光比がそ
れ程大きくなくても、2種類の偏光子を合わせた時の消
光比を大きくすることができ、コントラストに優れた透
過型液晶装置を提供することができる。また、この場合
には、構造複屈折体を安定して形成することができるの
で好適である。
【0024】なお、構造複屈折体の視認側に光吸収型偏
光子を設けた場合においても、構造複屈折体を透過した
偏光のみが、光吸収型偏光子に入射するため、光吸収型
偏光子に吸収される光量は少なく、光吸収型偏光子が劣
化する恐れは少ない。また、構造複屈折体の視認側に光
反射型偏光子を設けた場合においても、構造複屈折体を
透過した偏光のみが、光反射型偏光子に入射するため、
光反射型偏光子により反射される光量は少なく、薄膜ト
ランジスタを用いたアクティブマトリクス型液晶装置に
適用する場合においても、薄膜トランジスタのスイッチ
ング特性の低下の恐れは少ない。
【0025】また、本発明の液晶装置においては、デー
タ線が遮光性を有するものであり、薄膜トランジスタよ
りも液晶層側で、データ線と遮光膜とが交差しているの
で、薄膜トランジスタを構成するチャネル領域の接合部
は、データ線と遮光膜とによって二重に遮光されること
になる。すなわち、本発明の液晶装置によれば、データ
線および遮光膜が配置された側を、入射光(例えば、プ
ロジェクタ用途の場合の投射光など)が入射する側に向
けて配置することにより、薄膜トランジスタのチャネル
領域を二重に入射光から遮光することができる。このと
き、データ線および遮光膜によって得られる遮光性は、
例えば、膜厚との関係で光を若干透過してしまう(例え
ば0.1%程度の透過率を持つ)データ線と、同じく膜
厚との関係で光を若干透過してしまう(例えば0.1%
程度の透過率を持つ)遮光膜とを用いたとしても、両者
によって二重に遮光されることによって、極めて高い遮
光性(例えば、0.01〜0.001%程度の透過率)
が得られる。
【0026】また、一般には、基板上に遮光膜を余り厚
く積むと、基板上の積層構造内において極度のストレス
が発生し、基板の反りを招くなどの問題が発生する。さ
らに、この種の液晶装置では、例えば、画素電極の下地
となる最上層に凹凸や段差が大きいと、液晶の配向不良
に起因する動作不良を起こしやすくなる問題が発生す
る。また、基板上の積層構造が余り厚いと、画素電極等
とのコンタクトをとるのが困難になるという問題も発生
する。このため、基板上に作りこむ遮光膜の膜厚や積層
体全体の膜厚を厚くすることは、基本的には望ましくな
い。したがって、単独では十分な遮光性能が得られない
程度に薄い膜を二重に重ねて必要な遮光性能を得ること
ができ、さらに遮光膜以外の膜を遮光膜としても機能さ
せる本発明の液晶装置の構成は極めて有利である。
【0027】しかも、本発明の液晶装置においては、デ
ータ線が遮光性を有するものであるため、基板面に垂直
な光だけではなく、データ線に沿った方向に傾斜した斜
めの光も、薄膜トランジスタのチャネル領域に侵入する
ことは困難となる。さらに、本発明の液晶装置において
は、遮光膜の本線部分に沿った方向(即ちデータ線に交
差する方向)に傾斜した斜めの光も、遮光膜の存在によ
り、薄膜トランジスタのチャネル領域に侵入することは
困難である。強い光源からの強力な入射光は、基板面に
垂直な光が主であり、このような斜めの光は例えば液晶
装置内の内面反射や多重反射を伴う比較的低強度の光で
あるので、基板面に対して斜めの光を遮光するために
は、基板面に垂直な光を遮光する程の遮光性能は必要と
されない。よって、基板面に対して斜めに進入する光
は、データ線および遮光膜によって(一重であっても)
極めて有効に遮光される。その結果、強い光源を用いた
場合にも、薄膜トランジスタのチャネル領域に入射光が
入射することに起因する光リークによって、トランジス
タ特性の劣化が発生することを効果的に防ぐことができ
る。
【0028】また、本発明の液晶装置においては、遮光
層およびデータ線によって、画像表示領域で光抜けが生
じ、コントラスト比が低下するのを防止することもでき
る。したがって、遮光層およびデータ線によって、各画
素の開口領域を規定することも可能となり、例えば、ブ
ラックストライプ(BS)と呼ばれる遮光膜やブラック
マトリクス(BM)と呼ばれる遮光膜などの対向基板に
設けられる一般的な遮光膜を省略することも可能とな
る。加えて、本発明の液晶装置における遮光層およびデ
ータ線は、上記の対向基板に設けられる一般的な遮光膜
と比較して、薄膜トランジスタに比較的近接して設けら
れるので、不必要に遮光領域を広げることを避けること
ができ、各画素の開口領域を不必要に狭めることはな
い。
【0029】このように、本発明の液晶装置によれば、
遮光膜の膜厚増加を抑えつつ、高い耐光性により薄膜ト
ランジスタの光リークによる特性劣化が低減され、しか
もコントラスト比が高く高品位の画像表示が可能であ
り、さらに開口率の低減を抑えつつ、耐久性に優れた液
晶装置を実現することができる。とくに、本発明の液晶
装置によれば、画素電極が構造複屈折体として機能する
ことにより、優れた耐久性が得られるとともに、薄膜ト
ランジスタを構成するチャネル領域の接合部を、データ
線と遮光膜とによって二重に遮光することにより、極め
て高い遮光性が得られるので、投射型表示装置に搭載さ
れる場合など、強い光源からの強力な入射光を利用する
場合に極めて有効である。
【0030】また、上記の液晶装置においては、前記遮
光領域は、前記遮光膜と前記データ線のうちのいずれか
一方または両方と平面的に重なる領域であることが望ま
しい。このような液晶装置では、遮光領域が、遮光膜と
データ線のうちのいずれか一方または両方と平面的に重
なる領域であるので、導通電極が遮光性を有する場合に
導通電極を設けることによって拡大する遮光領域を、画
素電極と薄膜トランジスタとを電気的に接続するために
必要な領域のみとすることができ、導通電極に遮光され
て狭められる開口領域の面積を非常に少なくすることが
できる。
【0031】また、上記の液晶装置においては、前記遮
光膜は、光吸収層と遮光層とを有し、前記薄膜トランジ
スタに面する側に光吸収層が積層されていることが望ま
しい。このような液晶装置では、前記遮光膜は、光吸収
層と遮光層とを有し、薄膜トランジスタに面する側に光
吸収層が積層されているので、第2の基板側から薄膜ト
ランジスタの脇を抜けて遮光層に至る光(すなわち、液
晶装置の裏面反射光や、複数の液晶装置をライトバルブ
として構成した複板式のプロジェクタにおいて他の液晶
装置から出射され合成光学系を突き抜けてくる光などの
戻り光)を、光吸収層によって吸収することができる。
したがって、遮光膜の外面側(薄膜トランジスタに面す
る側と反対側)から入射する入射光を遮光するととも
に、遮光膜の内面側(薄膜トランジスタに面する側)で
発生する内面反射光を低減することができる。これらの
結果、薄膜トランジスタのチャネル領域に到達する光を
より一層低減することができる。
【0032】また、上記の液晶装置においては、前記薄
膜トランジスタと前記遮光膜との間には、光吸収性を有
し、前記画素電極と前記薄膜トランジスタとを電気的に
接続する中継導電膜が備えられ、前記遮光膜は、前記中
継導電膜の一部を露呈する領域を有し、該領域に前記画
素電極と前記中継導電膜とを電気的に接続するコンタク
トホールを形成することが望ましい。このような液晶装
置では、中継導電膜が光吸収層としても機能するもので
あるため、薄膜トランジスタと遮光膜との間に光が入射
したとしても、薄膜トランジスタと遮光膜との間で光が
乱反射することを防止することができる。さらに、コン
タクトホールが、光吸収層としても機能する中継導電膜
と平面的に重なる位置に形成されることになるので、コ
ンタクトホールが形成されている領域から入射しようと
する光が、中継導電膜によって吸収されることになる。
その結果、薄膜トランジスタのチャネル領域に到達する
光をより一層低減することができる。
【0033】また、上記の液晶装置においては、前記コ
ンタクトホールは、隣接するデータ線間のほぼ中央に位
置することが望ましい。このような液晶装置では、コン
タクトホールが、隣接するデータ線間のほぼ中央に位置
するので、コンタクトホールが形成されている領域から
光が入射したとしても、表示ムラが発生しにくく、均一
な表示が得られる。このため、コンタクトホールから入
射した光による影響を受けにくいものとなる。また、コ
ンタクトホールが、隣接するデータ線間のほぼ中央に位
置しているので、配向不良が発生しにくいものとなる。
【0034】また、上記の液晶装置においては、前記遮
光膜の前記薄膜トランジスタに面する側には、前記画素
電極と前記薄膜トランジスタとを電気的に接続する中継
導電膜が誘電体層を介して形成され、前記遮光膜および
前記中継導電膜は、容量電極として機能して保持容量を
構成することが望ましい。このような液晶装置では、遮
光膜は、遮光機能のみならず、保持容量の容量電極とし
ても機能するので、全体として遮光膜の膜厚増加を抑え
つつ、さらに遮光膜および蓄積容量を別々に作り込む場
合と比較して、基板上の積層構造および製造工程が複雑
化するのを効果的に防ぐことができる。
【0035】また、上記の課題を解決するために、本発
明の液晶装置は、第1の基板と、前記第1の基板に対向
配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の
基板との間に挟持された液晶層とを有する液晶装置であ
り、前記第1の基板には、マトリクス状に配置されて前
記液晶層に電圧を印加する画素電極と、前記画素電極に
電気的に接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トラ
ンジスタと電気的に接続されたデータ線と、前記データ
線と平面的に重なる領域に開孔された第1コンタクトホ
ールを介して前記薄膜トランジスタを構成するドレイン
領域と電気的に接続されるとともに、第2コンタクトホ
ールを介して前記画素電極と電気的に接続された中継導
電膜とが備えられ、前記画素電極は、構造複屈折体とし
て機能し、前記液晶層に入射する光の波長よりも小さい
ピッチでストライプ状に配列された複数の光反射体と、
前記複数の光反射体を電気的に導通する導通電極とを具
備して構成され、前記導通電極の少なくとも一部は、遮
光領域と平面的に重なる領域に形成されていることを特
徴とする。
【0036】このような液晶装置においても、画素電極
が構造複屈折体として機能するものであるので、本発明
の液晶装置を透過型液晶装置に適用した場合、画素電極
を偏光子として機能させることができる。上述したよう
に、構造複屈折体は、有効屈折率の差異により、特定の
偏光のみを透過させ、特定の偏光のみを反射する機能を
有するため、光吸収型の偏光子と比較して吸収される光
量が少なく、耐久性に優れる。さらに、上記の液晶装置
においても、導通電極の少なくとも一部が遮光領域と平
面的に重なる領域に形成されているので、たとえ、導通
電極が遮光性を有するものであったとしても、導通電極
に遮光されて狭められる開口領域の面積を少なくするこ
とができる。
【0037】また、上記の液晶装置においては、薄膜ト
ランジスタを構成するドレイン領域と電気的に接続され
るとともに、画素電極と電気的に接続された中継導電膜
が備えられているので、ドレイン領域と画素電極との間
の合計膜厚が大きくても、両者間を比較的小径の第1コ
ンタクトホールおよび第2コンタクトホールを介して良
好に接続することが可能となる。また、中継導電膜は、
第2コンタクトホール開孔するエッチング工程におい
て、エッチングの突き抜け防止にも役立つ。
【0038】さらに、第1コンタクトホールは、データ
線と平面的に重なる領域に開孔されているので、第1コ
ンタクトホールを介して電気的に接続されたドレイン領
域と中継導電膜との間の位置に走査線を配置する場合で
あっても、データ線に沿って広がる遮光領域を利用し
て、第1コンタクトホールを避けて容易に走査線を配線
することができる。このため、データ線とは平面的に重
なっていない走査線方向の領域に、第1コンタクトホー
ルを無理に開孔する必要がなくなる。したがって、デー
タ線と平面的に重なっていない領域に括れ部分を形成し
ない分だけ、走査線方向に沿った遮光領域の合計幅を狭
めることが可能となり、結果として各画素の開口領域を
拡大させることが可能となる。
【0039】また、データ線に沿った遮光領域を利用し
て第1コンタクトホールを開孔することができるので、
第1コンタクトホールの存在により各画素の開口領域に
不規則な凹凸が発生することがない。これにより、画素
電極付近におけるラビング処理を均一に行うことが可能
になるとともに、液晶層の層厚を均一化することも可能
となる。その結果、液晶の配向不良などによる動作不良
を低減することができる。また、蓄積容量を作り込む面
積を増加させることができるので、各画素の開口領域を
拡大させるとともに、蓄積容量を増大させることが可能
となる。このように、上記の液晶装置によれば、画素開
口率が高く、耐久性に優れ、大きな蓄積容量を有し、画
素電極付近における配向膜の表面に不規則な凹凸が生じ
ることによる表示画像の品位低下を低減できる液晶装置
を実現することができる。
【0040】また、上記の液晶装置においては、前記第
2コンタクトホールは、隣接するデータ線間のほぼ中央
に位置することが望ましい。このような液晶装置では、
第2コンタクトホールが、隣接するデータ線間のほぼ中
央に位置するので、第2コンタクトホールが形成されて
いる領域から光が入射したとしても、表示ムラが発生し
にくく、均一な表示が得られる。このため、第2コンタ
クトホールから入射した光による影響を受けにくいもの
となる。また、第2コンタクトホールが、隣接するデー
タ線間のほぼ中央に位置しているので、配向不良が発生
しにくいものとなる。
【0041】また、上記の液晶装置においては、前記中
継導電膜は、遮光性を有し、前記導通電極は、前記中継
導電膜と平面的に重なる領域に形成されていることが好
ましい。導通電極は、中継導電膜と平面的に重なる領域
に形成することが可能であるので、中継導電膜が遮光性
を有する場合は、導通電極を設けることによって拡大す
る遮光領域をなくすことができ、導通電極に遮光されて
狭められる開口領域の面積をなくすことができる。
【0042】また、上記の液晶装置においては、中継導
電膜が、走査線と同一層で形成された層からなる容量電
極と誘電体層を介して少なくとも部分的に対向配置さ
れ、容量電極として機能して保持容量を構成することが
好ましい。このような液晶装置では、中継導電膜は、走
査線と同一層で形成された層からなる容量電極と誘電体
層を介して少なくとも部分的に対向配置され、容量電極
として機能して保持容量を構成しているので、画素電極
に接続された蓄積容量を構築することができる。したが
って、蓄積容量を、容量電極の上側と下側の両側に立体
的に構築できるので、限られた遮光領域を有効に効率よ
く利用して蓄積容量を増大させることができる。
【0043】また、上記の液晶装置においては、電圧無
印加時における前記液晶層のツイスト角が90°のTN
(Twisted Nematic)モードの透過型若しくは反射型液
晶装置に好適に適用することができ、第2の基板が、一
方の表面に光吸収型若しくは光反射型の偏光子を具備
し、前記光反射体の延在方向が、前記偏光子の偏光軸に
対して略平行若しくは略垂直であるものとすることによ
り、表示を行うことができる。なお、本発明の液晶装置
をTNモードに適用した時の表示機構については「発明
の実施の形態」の項において詳述する。
【0044】また、本発明を透過型液晶装置に適用する
場合には、第2の基板には、共通電極が備えられ、前記
共通電極が、構造複屈折体として機能し、前記液晶層に
入射する光の波長よりも小さいピッチでストライプ状に
配列された複数の光反射体と、複数の光反射体を電気的
に導通する導通電極とを具備して構成されていることが
好ましい。このような液晶装置とすることにより、透過
型液晶装置を構成する第1の基板および第2の基板上に
形成された電極の少なくとも大部分をITO以外の材料
によって構成することができるので、ITOの分解に起
因する画質劣化の問題を一層低減することができる。
【0045】上記の本発明の液晶装置を用いることによ
り、以下の本発明の投射型表示装置を提供することがで
きる。本発明の投射型表示装置は、光源と、前記光源か
らの光を変調する上記本発明の液晶装置からなる光変調
手段と、前記光変調手段により変調された光を投射する
投射手段とを備えたことを特徴とする。本発明の投射型
液晶装置は、本発明の液晶装置を光変調手段として備え
たものであるので耐久性に優れたものとなる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。 「第1実施形態」まず、本発明の第1実施形態における
液晶装置の構成について、図面を参照して説明する。本
実施形態では、本発明の液晶装置の一例として、表示モ
ードとしてTNモードを採用した透過型液晶装置を説明
する。本発明の液晶装置では、構造複屈折体として機能
する画素電極の構成が特に特徴的なものとなっている。
【0047】図1は、液晶装置の画像表示領域を構成す
るマトリクス状に形成された複数の画素における各種素
子、配線等の等価回路である。図2は、データ線、走査
線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接
する複数の画素群の平面図である。図3は、図2のA−
A’断面図である。なお、図3においては、図示上側が
光入射側、図示下側が視認側(観察者側)である場合に
ついて図示している。また、図4は、本実施形態の透過
型液晶装置に備えられた画素電極とデータ線と容量線と
を取り出して示した平面図であり、画素電極と遮光領域
との重なり合いを説明するための図である。なお、図4
においては、図面を見やすくするために、画素電極を構
成する光反射体を省略して図示している。また、図5
は、本実施形態の透過型液晶装置に備えられた画素電極
を1個のみを取り出して示した平面図である。なお、各
図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度
の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならし
めてある。
【0048】図1において、本実施形態における液晶装
置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された
複数の画素には夫々、画素電極9と当該画素電極9をス
イッチング制御するためのTFT(Thin-Film Transist
or)素子30(特許請求の範囲における「薄膜トランジ
スタ」に相当する。)とが形成されており、画像信号が
供給されるデータ線6aがTFT素子30のソース領域
に電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画
像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給
しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士
に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。
【0049】また、TFT素子30のゲートには、走査
線3aが電気的に接続されており、所定のタイミング
で、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、
Gmを、この順に線順次で印加するように構成されてい
る。画素電極9は、TFT素子30のドレインに電気的
に接続されており、スイッチング素子であるTFT素子
30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、
データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、
Snを所定のタイミングで書き込む。画素電極9を介し
て液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S
2、…、Snは、対向基板(後述する)に形成された共
通電極(後述する)との間で一定期間保持される。
【0050】ここで、保持された画像信号がリークする
のを防ぐために、画素電極9と共通電極との間に形成さ
れる液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。
【0051】図2に示すように、TFTアレイ基板上
に、矩形状の画素電極9(点線部9Aにより輪郭が示さ
れている)が複数、マトリクス状に設けられており、画
素電極9の縦横の境界に各々沿ってデータ線6aおよび
走査線3aが設けられている。なお、上述したように、
本実施形態では、画素電極9により構造複屈折体が構成
されており、画素電極9の平面構造も特殊なものである
が、画素電極9の詳細な構造については後述する。
【0052】また、半導体層1aのうち、図2中右上が
りの斜線領域で示したチャネル領域1a’に対向するよ
うに走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート
電極として機能する。なお、走査線3aとしては、ポリ
シリコンやアモルファスシリコン、単結晶シリコン膜等
のシリコン膜や、ポリサイドやシリサイドを用いてもよ
い。
【0053】図2および図3に示すように、本実施形態
では、蓄積容量70は、TFT素子30の高濃度ドレイ
ン領域1eと画素電極9とに電気的に接続された画素電
位側容量電極としての中継導電膜71aと、固定電位側
容量電極としての容量線300(特許請求の範囲におけ
る「遮光膜」に相当する。)の一部とが、誘電体膜75
を介して対向配置されることにより形成されている。ま
た、蓄積容量70は、遮光膜としての機能も有してい
る。
【0054】中継導電膜71aは、導電性のポリシリコ
ン膜などからなり、容量線300を構成する第2膜73
と比較して光吸収性が高く、第2膜73とTFT素子3
0との間に配置された光吸収層としての機能を持つ。さ
らに、中継導電膜71aは、画素電極9とTFT素子3
0との導通を中継する機能を果たす。
【0055】また、容量線300は、第1膜72と第2
膜73とが積層形成された多層膜からなり、それ自体が
遮光膜として機能するものである。第1膜72は、第2
膜73とTFT素子30との間に配置された光吸収層と
しての機能を持ち、例えば、膜厚50nm〜150nm
程度の導電性のポリシリコン膜や非晶質、単結晶からな
るシリコン膜等からなる。
【0056】また、第2膜73は、TFT素子30の上
側において入射光からTFT素子30を遮光する遮光層
としての機能を持ち、例えば、膜厚150nm程度のT
i、Cr、W、Ta、Mo、Pb等の高融点金属のうち
の少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサ
イド、ポリシリサイドや、これらを積層したもの、ある
いは、Al等の高融点金属でない金属などからなる。な
お、第2膜73は、導電性を有する必要はないが、導電
性を有する材料によって形成すれば、容量線300をよ
り低抵抗化できる。
【0057】また、中継導電膜71aと容量線300と
の間には、図3に示すように、誘電体膜75が配置され
ている。誘電体膜75は、例えば、膜厚5〜200nm
程度の比較的薄い酸化シリコン膜や、窒化シリコン膜、
窒化酸化膜、あるいは、それらの積層膜から構成され
る。なお、誘電体膜75は、蓄積容量70を増大させる
観点から、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて薄
い程良い。
【0058】また、容量線300は、平面的に見て、走
査線3aに沿ってストライプ状に伸びる本線部分を含
み、この本線部分からTFT素子30に重なる個所が、
図2中上下に突出している。そして、図2中縦方向に夫
々伸びるデータ線6aと図2中横方向に夫々伸びる容量
線300とが交差する領域に、TFTアレイ基板10上
におけるTFT素子30が配置されている。即ち、TF
T素子30は、対向基板側から見て、データ線6aと容
量線300とにより二重に覆われている。そして、相交
差するデータ線6aと容量線300とにより、平面的に
見て格子状の遮光層が構成されており、各画素の開口領
域を規定している。
【0059】また、TFTアレイ基板10上におけるT
FT素子30の下側には、上述した第2膜73と同様の
材質などからなる下側遮光膜11aが格子状に設けられ
ている。下側遮光膜11aは、容量線300およびデー
タ線6aの幅よりも狭く形成され、容量線300および
データ線6aよりも一回り小さく形成されている。そし
て、TFT素子30のチャネル領域1aは、低濃度ソー
ス領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cとの接合部を
含めて、下側遮光膜11aの交差領域内に位置する。な
お、下側遮光膜11aの内面には、光吸収層を設けても
よい。このように構成すれば、下側遮光膜11aの内面
に到達する斜めの入射光や、これに起因する内面反射光
或いは多重反射光を、下側遮光膜11aで吸収除去する
ことが可能となる。
【0060】また、容量線300は、画素電極9が配置
された画像表示領域からその周囲に延設され、定電位源
と電気的に接続されて、固定電位とされる。定電位源と
しては、TFT素子30を駆動するための走査信号を走
査線3aに供給するための走査線駆動回路(後述する)
や、画像信号をデータ線6aに供給するサンプリング回
路を制御するデータ線駆動回路(後述する)に供給され
る正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20
の共通電極21に供給される定電位でも構わない。さら
に、下側遮光膜11aについても、その電位変動がTF
T素子30に対して悪影響を及ぼすことを避けるため
に、容量線300と同様に、画像表示領域からその周囲
に延設して定電位源に接続するとよい。
【0061】図2および図3に示すように、データ線6
aは、コンタクトホール81を介して中継接続用の中継
導電膜71bに接続されており、中継導電膜71bは、
コンタクトホール82を介して、例えばポリシリコン膜
からなる半導体層1aのうち高濃度ソース領域1dに電
気的に接続されている。なお、中継導電膜71bは、中
継導電膜71aと同一膜から同時形成される。また、画
素電極9は、中継導電膜71aを中継することにより、
コンタクトホール83およびコンタクトホール8を介し
て、半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eと電気
的に接続されている。
【0062】このように中継導電膜71a、71bを中
継層として利用すれば、層間距離が例えば1000nm
〜2000nm程度に長くても、両者間を一つのコンタ
クトホールで接続する技術的困難性を回避しつつ、比較
的小径の二つ以上の直列なコンタクトホールで両者間を
良好に接続でき、画素開口率を高めることが可能とな
る。また、コンタクトホール開孔時におけるエッチング
の突き抜け防止にも役立つ。
【0063】図2および図3に示すように、本実施形態
の液晶装置は、透明なTFTアレイ基板10と、これに
対向配置される透明な対向基板20とを備えている。T
FTアレイ基板10において、基板本体10Aは、例え
ば石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなる、ま
た、対向基板20において、基板本体20Aは、例えば
ガラス基板や石英基板からなる。
【0064】TFTアレイ基板10の基板本体10Aに
は、平面的に見て格子状の溝10cvが掘られている
(図2中右下がりの斜線領域で示されている)。走査線
3a、データ線6a、TFT素子30等の配線や素子等
は、この溝10cv内に埋め込まれている。これによ
り、配線、素子等が存在する領域と存在しない領域との
間における段差が緩和されており、最終的には段差に起
因した液晶の配向不良等の画像不良を低減できる。
【0065】図3に示すように、TFTアレイ基板10
には、画素電極9が設けられており、その上側には、ラ
ビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が
設けられている。配向膜16は、例えば、ポリイミド膜
などの有機膜からなる。また、TFTアレイ基板10の
基板本体10Aの液晶層50と反対側には、偏光子17
が設けられている。
【0066】他方、対向基板20には、基板本体20A
上の全面に渡って共通電極21が設けられ、共通電極2
1の下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施さ
れた配向膜22が設けられている。共通電極21は、例
えば、ITO膜などの透明導電性膜からなる。また配向
膜22は、ポリイミド膜などの有機膜からなる。また、
対向基板20の基板本体20Aの液晶層50と反対側に
は、偏光子24が形成されている。
【0067】また、対向基板20には、ブラックストラ
イプ(BS)と呼ばれるストライプ状の遮光膜やブラッ
クマトリクス(BM)と呼ばれる格子状の遮光膜を設け
るようにしてもよい。このような構成を採ることで、対
向基板20上の遮光膜によって、上述した遮光層を構成
する容量線300およびデータ線6aと共に、対向基板
20側からの入射光がチャネル領域1a’や低濃度ソー
ス領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cに侵入するの
を、より確実に阻止することができる。さらに、対向基
板20上に設けられる遮光膜は、少なくとも入射光が照
射される面を高反射な膜で形成することにより、液晶装
置の温度上昇を防ぐ働きをする。なお、対向基板20上
に遮光膜を設ける場合、平面的に見て容量線300とデ
ータ線6aとからなる遮光層の内側に位置するように形
成することが好ましい。これにより、対向基板20上に
設けられた遮光膜によって、各画素の開口率が低められ
ることなく、上述したように遮光および温度上昇防止の
効果が得られる。
【0068】このように構成され、画素電極9と共通電
極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板
10と対向基板20との間には、後述のシール材により
囲まれた空間に液晶が封入され、液晶層50が形成され
る。液晶層50は、画素電極9からの電界が印加されて
いない状態で、配向膜16および22により所定の配向
状態をとる。また、液晶層50は、例えば一種又は数種
類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。シール
材は、TFTアレイ基板10および対向基板20をそれ
らの周辺で貼り合わせるためのものであり、例えば光硬
化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤からなり、両基
板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或い
はガラスビーズ等のギャップ材が混入されている。
【0069】さらに、画素スイッチング用TFT素子3
0の下には、下地絶縁膜12が設けられている。下地絶
縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT素子30を層
間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形
成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研
磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッ
チング用TFT素子30の特性の変化を防止する機能を
有する。
【0070】また、図3において、画素スイッチング用
TFT素子30は、LDD(Lightly Doped Drain)構
造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電
界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル
領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲ
ート絶縁膜を含む絶縁薄膜2、半導体層1aの低濃度ソ
ース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1c、半導体層
1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域
1eを備えている。走査線3a上には、高濃度ソース領
域1dへ通じるコンタクトホール82および高濃度ドレ
イン領域1eへ通じるコンタクトホール83が各々開孔
された第1層間絶縁膜41が形成されている。第1層間
絶縁膜41上には中継導電膜71aおよび71b並びに
容量線300が形成されており、これらの上には、中継
導電膜71aおよび71bへ夫々通じるコンタクトホー
ル81およびコンタクトホール8が各々開孔された第2
層間絶縁膜42が形成されている。
【0071】さらに、第2層間絶縁膜42上には、デー
タ線6aが形成されており、これらの上には、中継導電
膜71aへ通じるコンタクトホール8が形成された第3
層間絶縁膜43が形成されている。画素電極9は、この
ように構成された第3層間絶縁膜43の上面に設けられ
ている。
【0072】以上のように構成された本実施形態によれ
ば、対向基板20A側からTFT素子30のチャネル領
域1a’およびその付近に入射しようとする入射光は、
データ線6aおよび容量線300を構成する第2膜73
で遮光される。他方、TFTアレイ基板10側から、T
FT素子30のチャネル領域1a’およびその付近に入
射しようとする戻り光は、下側遮光膜11aで遮光され
る。また、第2膜73とTFT素子30との間に入った
光は、中継導電膜71aと第1膜72で吸収される。
【0073】例えば、TFT素子30に面する側の表面
に斜めの戻り光が入射することにより発生する内面反射
光や多重反射光などを、対向基板20A上に設けられる
遮光膜のように、TFT素子30から層間距離を隔てて
遮光するのでは、遮光効果は低い。これに比べて第1実
施形態では、半導体層1aとの層間距離が比較的小さく
なるように配置できる容量線300およびデータ線6a
並びに下側遮光膜11aによってTFT素子30を遮光
することができる。また、内面反射光、多重反射光など
は、光吸収層としての第1膜72および中継層71aに
より吸収除去される。これらの結果、TFT素子30の
特性が光リークにより劣化することは殆ど無くなり、非
常に高い耐光性が得られる。
【0074】さらに、第1膜72および中継層71aを
チャネル領域1a’と同一の主材料で形成することで、
第1膜72および中継層71aの光吸収特性とチャネル
領域1a’の光吸収特性とが類似或いは同一になり、第
1膜72および中継層71aによりチャネル領域1a’
で吸収されて光リークの原因となる周波数成分を中心と
して光を吸収除去することができ、光吸収性効果を高め
ることができる。
【0075】(画素電極)ここで、図3〜図5に基づい
て、画素電極9の構造について詳述する。図5に示すよ
うに、各画素電極9は、ストライプ状に配列された複数
の光反射体9aと、コンタクトホール8を通り、光反射
体9aと交差して、光反射体9aを電気的に導通する導
通電極9cとを具備する構造になっている。これによっ
て、各画素電極9には、多数のスリット状の開孔部9b
が形成されている。また、各画素電極9は、コンタクト
ホール8を介して中継導電膜71aと電気的に接続され
ている。
【0076】なお、図5においては、光反射体9aの幅
およびピッチを大きく図示しているが、光反射体9a
は、液晶層50に入射する光の波長よりも小さいピッチ
で多数配列されている。具体的には、例えば、光反射体
9aの幅は50〜90nm、ピッチは100〜150n
mに設定される。また、上述したように、光反射体9a
は、微細なピッチで配列され、開孔部9bは非常に微細
であるため、全体として見れば、画素電極9の電極とし
ての機能は、開孔部のない画素電極とほとんど変わらな
い。
【0077】図4および図5に示すように、画素電極9
を構成する導通電極9cは、画素電極9全体における面
積の割合が小さいものである。また、導通電極9cは、
図4に示すように、画素電極9cと中継導電膜71aと
を電気的に接続するコンタクトホール8を形成するため
に必要な領域を除いて、図4中右上がりの斜線領域で示
した遮光領域360と平面的に重なる領域に形成され、
導通電極9cの大部分が遮光領域360と平面的に重な
る領域に形成されている。遮光領域360は、液晶装置
に入射した光が遮光される領域のことであり、本実施形
態においては、コンタクトホール8を形成するための領
域を避けて設けられた容量線300と、コンタクトホー
ル81、82を形成するために容量線300が途切れて
いる個所におけるデータ線6aとにより、格子状に規定
されている。
【0078】光反射体9aは、光反射性を有する導電性
材料、例えば、アルミニウム、銀、銀合金等により構成
されている。導通電極9cは、光反射体9aと同一材料
で構成しても良いが、光反射体9aを電気的に導通する
ために設けられるものであるので、光反射性を有しない
導電性材料により構成することもできる。光反射性を有
しない導電性材料としては、ITO等の透明導電性材料
や、クロム等の光吸収性材料を例示することができる。
【0079】導通電極9cをITO等の透明導電性材料
により構成する場合には、画素の開口率を向上すること
ができ、表示の明るさを向上することができるので、好
適である。なお、画素電極9の大部分は光反射体9aに
より構成されており、画素電極9全体における導通電極
9cの割合は小さいため、導通電極9cをITOにより
構成しても、ITOの分解に起因した画質劣化の問題が
生じる恐れは極めて小さい。
【0080】また、本実施形態において、光反射体9a
は、データ線6aの延在方向に対して略平行方向に延在
している。しかしながら、光反射体9aの延在方向はこ
れに限定されるものではなく、偏光子24の偏光軸や電
圧無印加時における液晶層50の配向状態によって適宜
設定される。
【0081】また、図5に示すように、隣接する光反射
体9a間、すなわち開孔部9bには配向膜16の一部が
充填されている。そして、各光反射体9aは光反射性材
料からなるのに対し、配向膜16はポリイミド等の高分
子材料や酸化シリコン等の無機材料からなり、光反射体
9aよりも屈折率の低い、透光性を有する材料により構
成されている。
【0082】このように、画素電極9を液晶層50に入
射する光の波長よりも小さいピッチでストライプ状に配
列された多数の光反射体9aにより構成するとともに、
隣接する光反射体9a間には、光反射体9aよりも屈折
率の低い材料からなる配向膜16の一部を充填する構成
とすることにより、画素電極9を構造複屈折体とするこ
とができる。そして、画素電極9に入射した光のうち、
光反射体9aの延在方向に対して略平行方向に振動する
偏光については反射させ、光反射体9aの延在方向に対
して略垂直方向に振動する偏光については透過させるこ
とができ、画素電極9を偏光子として機能させることが
できる。
【0083】また、光反射体9aの屈折率と配向膜16
の屈折率の差は大きい程、光反射体9aのピッチは小さ
い程好ましく、このような構造とすることにより、画素
電極9における消光比を大きくすることができるので、
コントラストに優れた透過型液晶装置を提供することが
できる。
【0084】しかしながら、光反射体9aのピッチを小
さくする程、製造が困難になるため、本実施形態では、
光反射体9aのピッチを、液晶層50に入射する光の波
長よりも小さく、かつ、安定して形成できる範囲に設定
するとともに、TFTアレイ基板10の液晶層50と反
対側に、さらに偏光子17を設け、視認側に2種類の偏
光子を設ける構成としている。ただし、光反射体9aの
ピッチを微小にしても安定して形成することができ、画
素電極9における消光比を大きくすることができる場合
には、偏光子17を設けなくても良い。
【0085】なお、上記構造とすることにより、画素電
極9を構造複屈折体とすることができ、偏光子として機
能させることができる理由、および光反射体9aの屈折
率と配向膜16の屈折率の差は大きい程、光反射体9a
のピッチは小さい程好ましい理由については、先の「課
題を解決するための手段」の項で述べたので、説明を省
略する。
【0086】また、本実施形態では、各画素電極9にお
いて、隣接する光反射体9a間、すなわち開孔部9bに
配向膜16の一部を充填する構成としたが、本発明は、
これに限定されるものではなく、光反射体9aよりも屈
折率の低い材料であれば、開孔部9bにいかなる材料を
充填しても良い。なお、開孔部9bに充填する材料とし
ては、固体、液体、気体を問わない。
【0087】また、画素電極9は、構造複屈折体として
機能し、液晶層50に入射する光の波長よりも小さいピ
ッチでストライプ状に配列された複数の光反射体9a
と、複数の光反射体9aを電気的に導通する導通電極と
を備えたものであれば、いかなる構造を有するものであ
ってもよく、例えば、図8および図9に示すように、導
通電極9cにおけるコンタクトホール8の近傍に位置す
る部分を、部分的に拡幅させて形成したものであっても
よい。
【0088】図8および図9は、画素電極の他の例を説
明するための図であり、図5と同様に、1個の画素電極
のみを取り出して示した平面図である。なお、図8およ
び図9においては、図5の光反射体3aよりも光反射体
9aを細く直線状に図示している。
【0089】画素電極9を構成する導通電極9cとして
は、コンタクトホール8の近傍に位置する部分を、部分
的に拡幅させて形成することが好ましく、例えば、図8
に示すように、図5に示した画素電極9を構成する導通
電極9cを、コンタクトホール8の近傍に位置する部分
のみ、幅方向に均等に拡幅させてもよいし、図9に示す
ように、導通電極9cを、光反射体9aの一方の端部に
おいて光反射体9aと交差し、画素電極9の輪郭に沿っ
て帯状に形成されたものとし、コンタクトホール8の近
傍に位置する部分のみを、画素電極9の内側方向に向か
って拡幅させたものとしてもよい。
【0090】図3に示すように、導通電極9cのコンタ
クトホール8が形成されている部分は、凹部となってい
るため、コンタクトホール8の内壁等には、導通電極9
cを形成することが難しく、光反射体9aと導通電極9
cとが部分的に断線してしまう恐れがあるが、図8およ
び図9に示すように、コンタクトホール8の近傍に位置
する導通電極9cを部分的に拡幅させることにより、光
反射体9aと導通電極9cとが断線することを防止する
ことができる。
【0091】また、図9に示すように、導通電極9c
を、画素電極9の輪郭に沿って帯状に形成されたものと
し、コンタクトホール8の近傍に位置する部分のみを、
画素電極9の内側方向に向かって拡幅させた場合には、
遮光領域360は、コンタクトホール8を形成するため
の領域を避けて形成する必要はない。
【0092】なお、各画素電極9は、液晶層50に入射
する光の波長よりも小さいピッチでストライプ状に配列
された多数の光反射体9aと、すべての光反射体9aを
電気的に導通する導通電極9cを具備するものであれ
ば、いかなる構造を有するものであってもよい。具体的
には、例えば、導通電極9cが、光反射体9aの両端部
において光反射体9aと交差し、画素電極9の輪郭に沿
ってロ字状やコの字状に形成されたものとしてもよい。
【0093】(製造方法)次に、上述した構造の画素電
極9を形成する場合を例として、図10〜図12に基づ
いて、画素電極9を3段階のフォトリソグラフィー法に
より形成する方法について説明する。なお、図10〜図
12は、形成途中の1個の画素電極およびその近傍を取
り出して示す平面図であり、図5に相当する図である。
また、図10〜図12においては、最終的に形成する画
素電極9の輪郭を符号9Aで示している。
【0094】図10は、画素電極を3段階のフォトリソ
グラフィー法により形成する第1の方法を説明するため
の平面図である。まず、図10(a)に示すように、第
3層間絶縁膜43が形成されたTFTアレイ基板10上
の全面に、スパッタリング法等により導通電極材料を堆
積し、導通電極形成用導電性薄膜を成膜した後、フォト
リソグラフィー法を用いてパターニングすることによ
り、各画素に導通電極9cを形成する。
【0095】次に、図10(b)に示すように、TFT
アレイ基板10の全面に、スパッタリング法等により光
反射体材料を堆積し、光反射体形成用導電性薄膜を成膜
した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニング
することにより、TFTアレイ基板10の全面に、スト
ライプ状に配列された光反射体9aを形成する。最後
に、図10(c)に示すように、フォトリソグラフィー
法を用いて光反射体9aをパターニングし、隣接する画
素電極9間に形成された光反射体9aを除去することに
より、光反射体9aと導通電極9cとを具備する画素電
極9を形成することができる。
【0096】また、図11は、画素電極を3段階のフォ
トリソグラフィー法により形成する第2の方法を説明す
るための平面図である。はじめに、図11(a)に示す
ように、第1の方法と同様に、第3層間絶縁膜43が形
成されたTFTアレイ基板10上の各画素に導通電極9
cを形成する。次に、図11(b)に示すように、TF
Tアレイ基板10の全面に、スパッタリング法等により
光反射体材料を堆積し、光反射体形成用薄膜91を成膜
した後、フォトリソグラフィー法を用い、光反射体形成
用薄膜91を各画素の形状にパターニングする。最後
に、図11(c)に示すように、フォトリソグラフィー
法を用いて光反射体形成用導電性薄膜91をパターニン
グし、各画素に、ストライプ状に配列された光反射体9
aを形成することにより、光反射体9aと導通電極9c
とを具備する画素電極9を形成することができる。
【0097】なお、上記の第1の方法および第2の方法
では、図10(b)または図11(b)に示した工程に
おいて、光反射体形成用薄膜をエッチングする際に、除
去したい部分の光反射体形成用薄膜のエッチングを完全
に行うため、多少オーバーエッチングする必要がある。
このとき、光反射体9aと導通電極9cとが同一材料か
らなる場合には、光反射体形成用薄膜のみならず、導通
電極9cまで大きくエッチングされる可能性がある。し
かしながら、第3層間絶縁膜43の表面が露出した時点
をエッチングの終点とすれば、光反射体形成用薄膜の膜
厚に略等しい膜厚分だけエッチングすることになるの
で、導通電極9cが大きくエッチングされることを防止
することができる。また、光反射体9aと導通電極9c
とが異なる材料からなる場合には、導通電極9cは、光
反射体形成用薄膜をエッチングするエッチングガスやエ
ッチング液でエッチングされないので、エッチングスト
ッパとして機能する。したがって、導通電極9cの表面
が露出した時点で、光反射体形成用薄膜のエッチングは
自然終結し、導通電極9cが大きくエッチングされる恐
れはない。
【0098】また、導通電極9cがアルミニウムからな
る場合には、導通電極9cを形成した後、光反射体材料
をスパッタリングするまでの間に、TFTアレイ基板1
0を窒素等の不活性雰囲気下に置いておくことが好まし
い。アルミニウムからなる導通電極9cを空気雰囲気下
等に置くと、アルミニウムが自然酸化されて酸化アルミ
ニウムとなり、導通電極9cと光反射体9aとの導通性
が低下する恐れがあるため、好ましくない。
【0099】また、図12は、画素電極を3段階のフォ
トリソグラフィー法により形成する第3の方法を説明す
るための平面図である。はじめに、図12(a)に示す
ように、第3層間絶縁膜7が形成されたTFTアレイ基
板10上の全面に、スパッタリング法等により光反射体
材料を堆積し、光反射体形成用導電性薄膜を成膜した
後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングする
ことにより、TFTアレイ基板10の全面に、ストライ
プ状に配列された光反射体9aを形成する。
【0100】次に、図12(b)に示すように、TFT
アレイ基板10の全面に、スパッタリング法等により導
通電極材料を堆積し、導通電極形成用導電性薄膜を成膜
した後、フォトリソグラフィー法を用いてパターニング
することにより、各画素に導通電極9cを形成する。最
後に、図12(c)に示すように、フォトリソグラフィ
ー法を用いて光反射体9aをパターニングし、隣接する
画素電極9間に形成された光反射体9aを除去すること
により、光反射体9aと導通電極9cとを具備する画素
電極9を形成することができる。このように、TFTア
レイ基板10の全面に光反射体9aを形成した後、導通
電極9cを形成しても、光反射体9aと導通電極9cと
を具備する画素電極9を形成することができる。
【0101】なお、上記の第3の方法においては、光反
射体9aと導通電極9cとが同一材料からなる場合に
は、図12(b)に示した工程において、導通電極形成
用薄膜をエッチングする際に、光反射体9aまで大きく
エッチングされてしまう可能性があるが、第1の方法お
よび第2の方法と同様に、導通電極形成用薄膜をエッチ
ングする際に、第3層間絶縁膜43の表面が露出した時
点をエッチングの終点とすれば、光反射体9aが大きく
エッチングされることを防止することができる。ただ
し、このような制御が難しく、光反射体9aが大きくエ
ッチングされる恐れがある場合には、光反射体9aの反
射率が低下して構造複屈折体としての性能が低下する問
題や、画素電極9の抵抗が増大する問題などが発生する
ため、このような恐れのない第1の方法や第2の方法を
採用することが好ましい。
【0102】また、本実施形態においては、構造複屈折
体である画素電極9を形成する方法として、3段階のフ
ォトリソグラフィー法により形成する場合について説明
したが、上記の構成を有する画素電極9を得ることがで
きればどのような方法で形成してもよく、例えば1段階
のフォトリソグラフィー法で形成してもよく、上記の方
法に限定されるものではない。
【0103】また、本実施形態においては、各画素電極
9を構成する光反射体9aと導通電極9cとを別々に形
成する方法について説明したが、光反射体9aと導通電
極9cとを一体形成しても良い。この場合、製造プロセ
スの簡略化を図ることができると共に、画素電極9全体
がITO以外の材料により構成されることになり、IT
Oの分解に起因した画質劣化の問題を一層低減すること
ができる。
【0104】(表示機構)次に、図6に基づいて、上記
構造を有する本実施形態の透過型液晶装置の表示機構に
ついて説明する。図6は、本実施形態の液晶装置の概略
断面図であって、TFTアレイ基板10を構成する基板
本体10Aと偏光子17と画素電極9、対向基板20を
構成する基板本体20Aと偏光子24、および液晶層5
0のみを取り出して示す断面図であり、図示左半分が電
圧無印加時、図示右半分が電圧印加時の状態を示してい
る。なお、本明細書において、「電圧無印加時」、「電
圧印加時」とは、それぞれ「液晶層への印加電圧が液晶
のしきい値電圧未満である時」、「液晶層への印加電圧
が液晶のしきい値電圧以上である時」を意味しているも
のとする。
【0105】本実施形態において、対向基板20側、す
なわち、光入射側に設けられた偏光子24を、S偏光
(紙面に対して垂直方向に振動する偏光)のみを透過
し、それ以外の偏光を吸収する光吸収型偏光子により構
成する。また、各画素電極9において、光反射体9a
を、その延在方向が偏光子24の偏光軸に対して略平行
になるように配列させる。各画素電極9において光反射
体9aをこのように配列させることにより、画素電極9
を、光反射体9aの延在方向に対して略平行方向に振動
するS偏光を反射し、光反射体9aの延在方向に対して
略垂直方向に振動するP偏光(図示左右方向に振動する
偏光)を透過する構造とすることができる。また、TF
Tアレイ基板10側の偏光子17を、P偏光(図示左右
方向に振動する偏光)のみを透過し、それ以外の偏光を
吸収する光吸収型偏光子により構成する。
【0106】さらに、本実施形態では、TNモードを採
用しているため、電圧無印加時の液晶層50のツイスト
角が90°に設定されるが、電圧無印加時の対向基板2
0側の液晶分子の配向方向を偏光子24の偏光軸に対し
て略平行方向、すなわち、紙面に対して垂直方向に設定
し、TFTアレイ基板10側の液晶分子の配向方向をそ
れよりも90°ずれた、図示左右方向に設定する。
【0107】以上のような構成を採用した場合に、入射
側の偏光子24を透過する偏光、液晶層50入射時およ
び出射時の偏光、液晶層50から出射された光が構造複
屈折体である画素電極9を透過するかどうかおよび表示
の色(明るさ)について、電圧無印加時と電圧印加時と
についてそれぞれまとめて表1に記載する。
【0108】
【表1】
【0109】上記構成を採用した場合、図6および表1
に示すように、電圧無印加時においては、対向基板20
側から入射した光のうち、紙面に対して垂直方向に振動
するS偏光のみが偏光子24を透過し、液晶層50に入
射する。液晶層50に入射したS偏光は、90°ツイス
トされて配列された液晶分子の長軸方向に沿って、偏光
方向が変化し、液晶層50を出射する際には、S偏光に
対して90°ずれたP偏光に変換される。そして、液晶
層50から出射されたP偏光は、構造複屈折体である画
素電極9、偏光子17を透過して、観察者側に出射さ
れ、視認される。したがって、電圧無印加時には白
(明)表示になる。
【0110】これに対して、電圧印加時においては、液
晶層50内の液晶分子が画素電極9と共通電極21との
間に形成される縦電界に沿って配列を変更するため、液
晶層50に入射したS偏光は偏光方向を変換することな
く、S偏光のまま出射される。液晶層50から出射され
たS偏光は、構造複屈折体である画素電極9により反射
されるので、観察者側には出射されず、視認されない。
したがって、黒(暗)表示になる。
【0111】このように、各画素電極9(構造複屈折
体)において、光反射体9aの延在方向を光入射側の偏
光子24の偏光軸に対して略平行とし、視認側の偏光子
17の偏光軸を偏光子24の偏光軸に対して略垂直とす
ることにより、表示を行うことができる。
【0112】なお、本実施形態の透過型液晶装置は、同
じ構成のまま、光入射側と視認側が同一(対向基板側が
視認側)の反射型液晶装置としても利用することができ
る。本実施形態の透過型液晶装置を反射型液晶装置に適
用する場合には、表1に合わせて記載するように、電圧
無印加時においては、対向基板20側に光が出射されな
いため、黒(暗)表示となり、電圧印加時においては、
画素電極9により反射されたS偏光が観察者側に出射さ
れて視認されるため、白(明)表示となり、表示を行う
ことができる。なお、反射型液晶装置に適用する場合に
は、構造複屈折体である画素電極9は偏光子として機能
せず、液晶層50に入射した光のうち特定の偏光のみを
反射する選択反射層として機能する。また、TFTアレ
イ基板10側の偏光子17は、不要である。
【0113】以上、画素電極9の光反射体9aの延在方
向が、光入射側の偏光子24の偏光軸に対して略平行な
場合について説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、画素電極9の光反射体9aの延在方向を、
光入射側の偏光子24の偏光軸に対して略垂直としても
良い。この場合の表示機構について、図6と同様の図7
を参照して説明する。なお、図7において、図6と同じ
構成要素には同じ参照符号を付し、説明は省略する。
【0114】この場合には、例えば、画素電極9の構造
を図6に示した構造とし、光入射側の偏光子24を、光
反射体9aの延在方向に対して略垂直な方向に振動する
P偏光のみを透過する光吸収型偏光子により構成すれば
よい。また、電圧無印加時の対向基板20側の液晶分子
の配向方向を偏光子24の偏光軸に対して略平行方向に
設定し、TFTアレイ基板10側の液晶分子の配向方向
をそれよりも90°ずれた方向に設定すればよい。ま
た、TFTアレイ基板10側の偏光子17の偏光軸を偏
光子24の偏光軸に対して略垂直とすればよい。
【0115】以上のような構成を採用した場合に、入射
側の偏光子24を透過する偏光、液晶層50入射時およ
び出射時の偏光、液晶層50から出射された光が構造複
屈折体である画素電極9を透過するかどうかおよび表示
の色(明るさ)について、電圧無印加時と電圧印加時と
についてそれぞれまとめて表2に記載する。
【0116】
【表2】
【0117】上記構成を採用した場合には、図7および
表2に示すように、電圧無印加時においては、対向基板
20側から入射した光のうち、P偏光のみが偏光子24
を透過し、液晶層50に入射する。液晶層50に入射し
たP偏光は、90°ツイストされて配列された液晶分子
の長軸方向に沿って、偏光方向が変化し、液晶層50を
出射する際には、P偏光に対して90°ずれたS偏光に
変換される。そして、液晶層50から出射されたS偏光
は、構造複屈折体である画素電極9により反射されて対
向基板20側に出射される。したがって、透過型で表示
を行う場合には、観察者側に出射されず、黒(暗)表示
となり、反射型で表示を行う場合には、観察者側に出射
され、白(明)表示となる。
【0118】これに対して、電圧印加時においては、液
晶層50内の液晶分子が画素電極9と共通電極21との
間に形成される縦電界に沿って配列を変更するため、液
晶層50に入射したP偏光は、偏光方向を変換すること
なくP偏光のまま出射される。また、液晶層50から出
射されたP偏光は、構造複屈折体である画素電極9およ
び偏光子17を透過し、TFTアレイ基板10側から出
射される。したがって、透過型で表示を行う場合には、
観察者側に出射され、白(明)表示となり、反射型で表
示を行う場合には、観察者側に出射されず、黒(暗)表
示となる。このように、画素電極9の光反射体9aの延
在方向を光入射側の偏光子24の偏光軸に対して略垂直
としても、略平行とした場合と白表示、黒表示が反転す
るだけで、全く同様に表示を行うことができる。
【0119】なお、本実施形態では、各画素電極9にお
いて、光反射体9aの延在方向を紙面に対して垂直方向
に設定し、各画素電極9がS偏光を反射し、P偏光を透
過する場合についてのみ説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、光反射体9aの延在方向を図示
左右方向に設定しても良い。この場合には、画素電極9
はS偏光を透過し、P偏光を反射する構造となり、同様
に、表示を行うことができる。
【0120】以上説明した本実施形態の透過型液晶装置
によれば、以下の効果を得ることできる。光吸収型偏光
子を用いた従来の透過型液晶装置においては、光入射側
に比較して視認側の偏光子の光吸収に起因する劣化が顕
著であった。これに対して、本実施形態では、視認側の
偏光子を構造複屈折体である画素電極9と光吸収型の偏
光子17の2種類により構成し、さらに、光吸収型の偏
光子17を構造複屈折体である画素電極9の視認側に設
ける構成とした。
【0121】構造複屈折体である画素電極9は、有効屈
折率の差異により、特定の偏光のみを透過し、特定の偏
光のみを反射する機能を有するため、光吸収型偏光子に
比較して吸収される光量は少なく、耐久性に優れる。ま
た、光吸収型の偏光子17を構造複屈折体である画素電
極9よりも視認側に設ける構成としているため、構造複
屈折体である画素電極9を透過した偏光のみが、光吸収
型の偏光子17に入射するため、光吸収型の偏光子17
に吸収される光量は少なく、光吸収型の偏光子17が劣
化する恐れは少ない。したがって、本実施形態によれ
ば、耐久性に優れた透過型液晶装置を提供することがで
きる。
【0122】画素電極9を構成する導通電極9cは、画
素電極9全体における面積の割合が小さいものであり、
画素電極9cと中継導電膜71aとを電気的に接続する
コンタクトホール8を形成するために必要な領域を除い
て、遮光領域360と平面的に重なる領域に形成され、
導通電極9cの大部分が遮光領域360と平面的に重な
る領域に形成されている。その結果、たとえ、導通電極
9cが遮光性を有するものであり、導通電極9cに遮光
されて開口領域が狭められたとしても、導通電極に遮光
されて狭められる開口領域の面積の割合は、開口領域全
体に対して小さく、導通電極9cによって遮光されるこ
とに起因する開口率の低下の問題が生じる恐れは極めて
小さい。また、導通電極9cが遮光性を有する場合に
は、コンタクトホール8が形成されている領域が遮光領
域となるので、コンタクトホールが形成されている領域
からのTFT素子30の半導体層1aに入射する光を防
ぐことができる。
【0123】また、視認側の偏光子を構造複屈折体であ
る画素電極9と光吸収型の偏光子17の2種類により構
成することにより、構造複屈折体である画素電極9にお
ける消光比がそれ程大きくなくても、2種類の偏光子を
合わせた消光比を大きくすることができ、コントラスト
に優れた透過型液晶装置を提供することができる。
【0124】また、本実施形態では、光入射側、視認側
の偏光子24、17をいずれも光吸収型偏光子により構
成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特
定の偏光のみを透過し、それ以外の偏光を反射する光反
射型偏光子により構成しても、本実施形態と同様の効果
を得ることができる。なお、このような構成とした場合
においても、本実施形態では、構造複屈折体である画素
電極9を透過した光のみが視認側の偏光子17に入射す
るため、偏光子17により反射される光量は少なく、光
リーク電流に起因するTFT素子30のスイッチング特
性の低下の恐れは少ない。
【0125】さらに、また、本実施形態では、対向基板
20上に、TFT素子30への光入射を防止するための
遮光膜が設けられていないので、液晶装置を製造する際
に、TFTアレイ基板10と対向基板20のアライメン
トが容易になるという効果も得られる。
【0126】また、本実施形態では、画素電極9により
構造複屈折体を構成し、構造複屈折体をTFT素子30
の半導体層1aよりも液晶層50側に配置する構成を採
用しているため、構造複屈折体である画素電極9により
反射された光がTFT素子30の半導体層1aに入射す
ることを防止することができ、光リーク電流に起因する
TFT素子30のスイッチング特性の低下を防止するこ
とができる。
【0127】また、本実施形態態の液晶装置によれば、
TFT素子30の上方で、データ線6aと内蔵遮光膜の
一例たる容量線300とが交差しているので、これらに
よりTFT素子30は二重に遮光される。したがって、
極めて高い透過率が得られる。しかも、TFTアレイ基
板10上の積層構造を厚くせず、且つその構造を単純化
することができ、大変有利である。さらに、データ線6
aに沿った方向(図2で縦方向)に傾斜して斜めにTF
T素子30のチャネル領域1a’に向かう光は、データ
線6aによって遮光でき、容量線300の本線部分に沿
った方向(図2で横方向)に傾斜して斜めにTFT素子
30のチャネル領域1a’に向かう光は、容量線300
の本線部分によって遮光できる。
【0128】また、本実施形態では、内蔵遮光膜である
容量線300が、データ線6aよりも下側に積層され、
データ線6aとチャネル領域1a’との間には、定電位
とされる容量線300が介在するので、データ線6aと
チャネル領域1a’との間における容量カップリングの
悪影響を低減することができる。
【0129】また、上述のように、本実施形態の透過型
液晶装置は、同じ構造のまま反射型液晶装置としても利
用することができ、好適である。
【0130】なお、反射型液晶装置については、構造複
屈折体を選択反射層として機能させる場合についてのみ
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
光入射側に構造複屈折体を設ける場合には偏光子として
機能させることができ、光入射側の基板と対向する基板
に別途反射層を設ければ、耐久性に優れた反射型液晶装
置を提供することができる。
【0131】また、本実施形態では、対向基板側には偏
光子として光吸収型若しくは光反射型の偏光子のみを設
ける構成としたが、図13に示すように、対向基板につ
いても、共通電極を構造複屈折体により構成し、偏光子
として機能させてもよい。すなわち、図13に示す液晶
装置においては、共通電極31が、ストライプ状に配列
された光反射体31aと、導通電極(図示略)とを具備
する構造になっている。
【0132】上述したように、構造複屈折体は、有効屈
折率の差異により、特定の偏光のみを透過し、特定の偏
光のみを反射する機能を有するため、光吸収型偏光子に
比較して吸収される光量は少なく、耐久性に優れる。し
たがって、図13に示す液晶装置においては、光入射側
と視認側の双方に構造複屈折体を設け、偏光子として機
能させているので、上記の透過型液晶装置と比較して一
層耐久性に優れた透過型液晶装置となる。
【0133】なお、図13に示す液晶装置においては、
光対向基板20側に光吸収型や光反射型の偏光子を設け
ない構成としているが、共通電極31を構成する光反射
体31aのピッチを小さくする程、製造が困難になるた
め、光反射体31aのピッチを、液晶層50に入射する
光の波長よりも小さく、かつ、安定して形成できる範囲
に設定するとともに、共通電極31の液晶層50側に、
さらに光吸収型若しくは光反射型の偏光子を設け、光入
射側にも2種類の偏光子を設ける構成としても良い。共
通電極31の液晶層50側に光吸収型偏光子を設けた場
合においても、構造複屈折体である共通電極31を透過
した光のみが光吸収型偏光子に入射するため、光吸収型
偏光子に吸収される光量は極めて微少である。また、共
通電極31の液晶層50側に光反射型偏光子を設けた場
合においても、光反射型偏光子はTFT素子30よりも
光入射側に位置するため、光反射型偏光子により反射さ
れた光がTFT素子30のスイッチング特性に影響を及
ぼす恐れもない。
【0134】さらに、本発明の液晶装置は、上記の構成
に限定されるものではなく、例えば、対向基板上に遮光
膜を形成する構成としても良い。例えば、図13に示す
液晶装置において、対向基板上に遮光膜を形成する構成
を適用する場合には、図14に示すように、対向基板2
0の基板本体20Aと共通電極21との間に遮光膜を形
成すれば良い。
【0135】また、対向基板20に、共通電極とは独立
して、構造複屈折体を設ける構成としても良い。なお、
対向基板20に、共通電極とは独立して構造複屈折体を
設ける場合には、構造複屈折体を、共通電極よりも液晶
層50側に設けても良いし、共通電極よりも光入射側に
設けても良い。
【0136】また、本実施形態の液晶装置では、蓄積容
量70の固定電位側電極を含む容量線300を、内蔵遮
光膜とする構成を採用しているが、蓄積容量70の画素
電位側電極を内蔵遮光膜として構成することや、画素電
極9とTFT素子30とを中継接続する中継層を内蔵遮
光膜として構成することも可能である。いずれの場合に
も、高融点金属膜等の導電性の遮光膜から画素電位側容
量電極或いは中継層を形成すればよい。
【0137】さらに、本実施形態の液晶装置では、図3
に示したように多数の導電層を積層することにより、画
素電極9の下地面(即ち、第3層間絶縁膜43の表面)
におけるデータ線6aや走査線3aに沿った領域に段差
が生じるのを、TFTアレイ基板10に溝10cvを掘
ることで緩和しているが、これに変えて又は加えて、下
地絶縁膜12、第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜4
2、第3層間絶縁膜43に溝を掘って、データ線6a等
の配線やTFT素子30等を埋め込むことにより平坦化
処理を行ってもよいし、第3層間絶縁膜43や第2層間
絶縁膜42の上面の段差をCMP(Chemical Mechanica
l Polishing)処理等で研磨することにより、或いは有
機SOGを用いて平らに形成することにより、当該平坦
化処理を行ってもよい。
【0138】「第2実施形態」以下、本発明の第2実施
形態における液晶装置の構成について、図面を参照して
説明する。本実施形態においても、構造複屈折体として
機能する画素電極の構成が特に特徴的なものとなってい
る。
【0139】図15は、本実施形態における液晶装置の
データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレ
イ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。図1
6は、図15のA−A’断面図である。なお、図16に
おいては、図示上側が光入射側、図示下側が視認側(観
察者側)である場合について図示している。また、図1
7は、本実施形態の液晶装置に備えられた画素電極とデ
ータ線と容量電極とを取り出して示した平面図であり、
画素電極と遮光領域との重なり合いを説明するための図
である。なお、図17においては、図面を見やすくする
ために、画素電極を構成する光反射体を省略して図示し
ている。また、各図においては、各層や各部材を図面上
で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎
に縮尺を異ならしめてある。また、本実施形態において
は、第1実施形態と同様の構成要素については同様の参
照符号を付し、それらの説明については省略する。
【0140】また、本実施形態の液晶装置において、画
像表示領域を構成する画素における各種素子、配線等の
等価回路は、第1実施形態と同じであり、第1実施形態
において図1を参照して説明したので、本実施形態にお
いては説明を省略する。なお、図1において、本実施形
態と第1実施形態とで参照符号が異なるものは、本実施
形態での参照符号を括弧内に記載している。
【0141】図15において、液晶装置のTFTアレイ
基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9
(点線部9Aにより輪郭が示されている)が設けられて
おり、画素電極9の縦横の境界に各々沿ってデータ線6
a、走査線3aおよび容量線3bが設けられている。各
画素電極9は、上述した第1実施形態と同様に、ストラ
イプ状に配列された複数の光反射体9aと、コンタクト
ホール8を通り、光反射体9aと交差して、光反射体9
aを電気的に導通する導通電極9cとを具備する構造に
なっている。これによって、各画素電極9には、多数の
スリット状の開孔部9bが形成されている。また、各画
素電極9は、中継導電膜の一例を構成する第1バリア層
80(容量電極)を中継して、第1コンタクトホール8
aおよび第2コンタクトホール8bを介して半導体層1
aのうち後述のドレイン領域に電気的に接続されてい
る。
【0142】また、図17に示すように、画素電極9を
構成する導通電極9cは、図17中右上がりの斜線領域
で示した遮光領域380と平面的に重なる領域に形成さ
れている。遮光領域380は、液晶装置に入射した光が
遮光される領域のことであり、本実施形態においては、
データ線6aと第1バリア層80と後述する第2バリア
層180と、遮光層23(図17においては図示略)に
より規定されている。
【0143】光反射体9aは、光反射性を有する導電性
材料、例えば、アルミニウム、銀、銀合金等により構成
されている。導通電極9cは、光反射体9aと同一材料
で構成しても良いが、光反射体9aを電気的に導通する
ために設けられるものであり、遮光領域380と平面的
に重なる領域に形成されているので、光反射性を有しな
い導電性材料により構成することもできる。光反射性を
有しない導電性材料としては、ITO等の透明導電性材
料や、クロム等の光吸収性材料を例示することができ
る。
【0144】また、図16に示すように、隣接する光反
射体9a間、すなわち開孔部9bには、配向膜16の一
部が充填されている。そして、上述した第1実施形態と
同様に、各光反射体9aは、光反射性材料からなるのに
対し、配向膜16は、ポリイミド等の高分子材料や酸化
シリコン等の無機材料からなり、光反射体9aよりも屈
折率の低い、透光性を有する材料により構成されてい
る。
【0145】このように、画素電極9を液晶層50に入
射する光の波長よりも小さいピッチでストライプ状に配
列された多数の光反射体9aにより構成するとともに、
隣接する光反射体9a間には、光反射体9aよりも屈折
率の低い材料からなる配向膜16の一部を充填する構成
とすることにより、画素電極9を構造複屈折体とするこ
とができる。そして、画素電極9に入射した光のうち、
光反射体9aの延在方向に対して略平行方向に振動する
偏光については反射させ、光反射体9aの延在方向に対
して略垂直方向に振動する偏光については透過させるこ
とができ、画素電極9を偏光子として機能させることが
できる。
【0146】データ線6aは、コンタクトホール5を介
してポリシリコン膜等からなる半導体層1aのうちソー
ス領域に電気的に接続されている。
【0147】また、半導体層1aのうちチャネル領域1
a’(図中右下りの斜線の領域)に対向するように走査
線3aが配置されており、走査線3aはゲート電極とし
て機能する。このように、走査線3aとデータ線6aと
の交差する個所には夫々、チャネル領域1a’に走査線
3aがゲート電極として対向配置されたTFT素子30
が設けられている。容量線3bは、走査線3aに沿って
ほぼ直線状に伸びる部分と、データ線6aと交差する箇
所からデータ線6aに沿って伸びる部分とを有する。
【0148】また、図15において、図中太線で示した
領域には、少なくともTFT素子30の下側を通るよう
に、下側遮光膜11aが設けられている。
【0149】また、本実施形態では、図15および図1
6に示すように、第1コンタクトホール8aは、データ
線6aの下に設けられ、第2コンタクトホール8bは、
相隣接するデータ線6a間の中央付近における容量線3
b上に設けられている。そして、データ線6aに沿っ
て、第1バリア層80と同一膜からなる第2バリア層1
80(容量電極)が形成されている。第2バリア層18
0は、容量線3bにおけるデータ線6aに沿って伸びる
部分に重ねられており、第2バリア層180と容量線3
bとは、データ線6aの下に設けられたコンタクトホー
ル18aにより電気的に接続されている。また、容量線
3bは、データ線6aと交差する領域であり、第1コン
タクトホール8aが形成されたデータ線6aの下の領域
で、第1コンタクトホール8aを避けるように括れて形
成され、第1コンタクトホール8aと電気的な接触を持
たないように構成されている。
【0150】図15および図16に示すように、チャネ
ル領域1a’は、走査線3aとデータ線6aの交差領域
に対応して配置されている。また、半導体層1aからな
る高濃度ソース領域1d、低濃度ソース領域1b、チャ
ネル領域1a’、低濃度ドレイン領域1cおよび高濃度
ドレイン領域1eは、データ線6aに重なるように、し
かもデータ線に覆われるように配置されている。さら
に、走査線3aを挟んで一方側に伸びるデータ線6aの
下方に高濃度ソース領域1dと低濃度ソース領域1bが
配置され、他方側に伸びるデータ線6aの下方に低濃度
ドレイン領域1cと高濃度ドレイン領域1eが配置され
ている。さらに、高濃度ドレイン領域1eは、第1コン
タクトホール8aを介して第1バリア層80に電気的に
接続され、第1バリア層80は、第2コンタクトホール
8bを介して画素電極9に接続されている。また、高濃
度ソース領域1dは、第3コンタクトホール5を介して
データ線6aに電気的に接続されている。
【0151】このように非表示領域となるデータ線6a
に重なるように第1コンタクトホール8aと第3コンタ
クトホール5を形成するため、コンタクトホールによる
開口率の低下を防ぐことができる。また、コンタクトホ
ールの存在により各画素の開口領域に不規則な凹凸の発
生を防ぐことができる。さらに、半導体層1aは、デー
タ線6aに重なるように配置されているため、データ線
6aが遮光膜として機能して半導体層1aへの光の侵入
を防ぐことができる。
【0152】図16に示すように、本実施形態の液晶装
置は、画素電極9とTFT素子30と、配向膜16とが
設けられたTFTアレイ基板10Bと、共通電極21と
配向膜22と遮光膜23とが設けられた対向基板20B
とを備えている。そして、TFTアレイ基板10Bと対
向基板20Bとが、画素電極9と共通電極21とが対向
するように配置され、TFTアレイ基板10Bと対向基
板20Bとシール材とにより囲まれた空間に液晶層50
が形成されている。また、本実施形態の液晶装置におい
ても、TFTアレイ基板10Bの基板本体10Aの液晶
層50と反対側には、偏光子17が設けられ、対向基板
20Bの基板本体20Aの液晶層50と反対側には、偏
光子24が設けられている。
【0153】さらに図16に示すように、画素スイッチ
ング用TFT素子30に各々対向する位置においてTF
Tアレイ基板10Bと各画素スイッチング用TFT素子
30との間には、下側遮光膜11aが設けられ、下側遮
光膜11aと複数の画素スイッチング用TFT素子30
との間には、下地絶縁膜12が設けられている。
【0154】また、図15および図16に示すように、
走査線3aと同一の導電性ポリシリコン膜からなる容量
線3bはその下側において、半導体層1aのドレイン領
域1eから延設されてなる第1容量電極1fに対して、
絶縁薄膜2を介して対向配置され、第2容量電極として
機能している部分を有する。これにより、TFT素子3
0を構成するゲート絶縁膜を含む絶縁薄膜2を用いて、
大きな蓄積容量70Bを形成することができる。さら
に、容量線3bの一部はその上側において、第1バリア
層80の一部に対して、第1層間絶縁膜81を介して対
向配置されている。この第1層間絶縁膜81を薄膜化す
ることにより、さらに大きな蓄積容量70Bを形成する
ことができる。このように、容量線3bの下側のみなら
ず、容量線3bの上側にも、蓄積容量70Bを立体的に
構築できるので、限られた遮光領域を有効利用して蓄積
容量70Bを増大できる。
【0155】また、図15および図16に示すように、
第1コンタクトホール8aは、平面的に見てデータ線6
aに重なる位置に開孔されている。したがって、走査線
3aや容量線3bを構成する導電性のポリシリコン膜の
下側と上側に夫々位置する半導体層1aと第1バリア層
80とを接続する第1コンタクトホール8aが存在して
も、データ線6aに沿って広がる遮光領域を利用して、
走査線3aや容量線3bを第1コンタクトホール8aを
避けて配線することが容易となる。
【0156】したがって、本実施形態では、第1コンタ
クトホール8aを開孔する場合に、容量線3bや走査線
3aを第1コンタクトホール8aの周りで括れさせるこ
とにより増大する配線抵抗を少なくすることができ、容
量線3bや走査線3aの幅が狭くて済むので、走査線3
a方向の遮光領域の幅が狭くて済み、各画素の開口領域
を広げることができる。
【0157】また、データ線6a方向の遮光領域と走査
線3a方向の遮光領域の交差部で第1コンタクトホール
8aを設けることで、当該第1コンタクトホール8aの
存在およびこれを避けて配線される容量線3bの存在に
起因してそれらの上方(配向膜16の表面)に生じる不
規則な凹凸を低減することが可能となる。また、画素の
開口領域から離間しているため、第1コンタクトホール
8aを開孔することにより生じる不規則な凹凸の影響を
効率的に低減できる。このように画素電極9付近におけ
る配向膜16表面の凹凸が低減されていれば、画素電極
9付近におけるラビング処理を均一に行うことが可能と
なり且つ液晶層50の層厚を均一化できる。この結果、
液晶層50の配向不良を低減できる。
【0158】さらに、容量線3bの走査線3aに沿って
伸びる部分には、第1コンタクトホール8aを避けるた
めの括れが無い分だけ第1容量電極1fに対向配置され
る第2容量電極の面積を増加させることができ、この第
2容量電極と第1容量電極1fとにより構築可能な蓄積
容量70Bを増大できる。
【0159】また、本実施形態では、図15に示したよ
うに、第2コンタクトホール8bは、平面的に見て走査
線3aに沿った各画素の遮光領域のうち相隣接する2本
のデータ線6a間のほぼ中央に開孔されている。このた
め、第2コンタクトホール8b上における配向膜16の
凹凸を、各画素の開口領域の一辺に沿った遮光領域のほ
ぼ中央付近に配置させることができる。これにより、第
2コンタクトホール8b上における配向膜16表面の凹
凸による悪影響を各画素毎に左右対称にでき、全画素を
巨視的に見た場合における各画素の表示不良を平均化で
きる。
【0160】このように本実施形態では、第2コンタク
トホール8bの開孔位置についての自由度は高く、第1
バリア層80上で、データ線6aと重なっていない領域
であれば、任意の位置に第2コンタクトホール8bを開
孔可能である。本実施形態では、第2コンタクトホール
8bを容量線3bに重なる位置に開孔することにより、
第2コンタクトホール8bが開孔された平面領域にも蓄
積容量70Bを構築することができ、有利である。
【0161】以上のように、本実施形態の液晶装置によ
れば、画素開口率を高めると同時に蓄積容量70Bを増
大させることができ、しかも画素電極9付近における配
向膜16の表面に不規則な凹凸が生じることによる表示
画像の品位低下を低減できる。その結果、明るくてコン
トラスト比が高く、フリッカー、ゴースト、クロストー
ク等の表示不良の低減された高品位の画像表示が可能と
なる。
【0162】また、図16に示すように、画素スイッチ
ング用TFT素子30の高濃度ドレイン領域1eには、
画素電極9が第1バリア層80を中継して接続されてい
る。走査線3aおよび容量線3b上に設けられた第1層
間絶縁膜81には、高濃度ソース領域1dへ通じるコン
タクトホール5および高濃度ドレイン領域1eへ通じる
第1コンタクトホール8aが各々形成されている。ま
た、第1層間絶縁膜81上には、第1コンタクトホール
8aを介して高濃度ドレイン領域1eに接続された第1
バリア層80と、コンタクトホール18aを介して容量
線3bと接続された第2バリア層180とが形成されて
いる。
【0163】第1バリア層80上には、第2層間絶縁膜
4が形成されている。第2層間絶縁膜4上には、Al等
の低抵抗な金属膜や金属シリサイド等の合金膜などの遮
光性と導電性とを有する薄膜から構成されたデータ線6
aが形成され、データ線6aは、第2層間絶縁膜4に開
孔されたコンタクトホール5を介して高濃度ドレイン領
域1dに電気的に接続されている。
【0164】さらに、データ線6aおよび第2層間絶縁
膜4上には、第1バリア層80への第2コンタクトホー
ル8bが形成された第3層間絶縁膜7が形成されてい
る。第3層間絶縁膜7の上面には、画素電極9が設けら
れ、画素電極9は、第2コンタクトホール8bを介し
て、第1バリア層80に電気的に接続されている。
【0165】図15および図16に示すように、第1バ
リア層80は、半導体層1aと画素電極9との間に介在
しており、高濃度ドレイン領域1eと画素電極9とを第
1コンタクトホール8aおよび第2コンタクトホール8
bを経由して電気的に接続する。このため、画素電極9
から半導体層1aまで一つのコンタクトホールを開孔す
る場合と比較して、第1コンタクトホール8aおよび第
2コンタクトホール8bの径を夫々小さくできる。即
ち、一つのコンタクトホールを開孔する場合には、エッ
チング時の選択比が低いとコンタクトホールを深く開孔
する程エッチング精度は落ちるため、例えば50nm程
度の非常に薄い半導体層1aにおける突き抜けを防止す
るためには、コンタクトホールの径を小さくできるドラ
イエッチングを途中で停止して、最終的にウエットエッ
チングで半導体層1aまで開孔するように工程を組まね
ばならない。或いは、ドライエッチングによる突き抜け
防止用の膜を別途設けたりする必要が生じてしまうので
ある。
【0166】これに対して本実施形態では、画素電極9
および高濃度ドレイン領域1eを2つの直列な第1コン
タクトホール8aおよび第2コンタクトホール8bによ
り接続すればよいので、これら第1コンタクトホール8
aおよび第2コンタクトホール8bを夫々、ドライエッ
チングにより開孔することが可能となるのである。或い
は、少なくともウエットエッチングにより開孔する距離
を短くすることが可能となるのである。
【0167】このように本実施形態によれば、第1コン
タクトホール8aおよび第2コンタクトホール8bの径
を夫々小さくでき、第1コンタクトホール8aにおける
第1バリア層80の表面に形成される窪みや凹凸も小さ
くて済むので、その上方に位置する画素電極9の部分に
おける平坦化が促進される。さらに、第2コンタクトホ
ール8bにおける画素電極9の表面に形成される窪みや
凹凸も小さくて済むので、画素電極9の部分における平
坦化が促進される。さらに、第1層間絶縁膜81を薄く
形成すれば、第2コンタクトホール8bの径をさらに小
さくすることができる。
【0168】第1バリア層80を構成する材料として
は、例えば、不透明な高融点金属であるTi、Cr、
W、Ta、MoおよびPb等を少なくとも一つ含む、金
属単体、合金、金属シリサイドなどが挙げられる。この
ような材料からなる場合、ITO膜で画素電極9を構成
したとしても、画素電極9と第1バリア層80とが接触
することによって第1バリア層80が腐食されることは
ない。このため、第2コンタクトホール8bを介して第
1バリア層80および画素電極9間で良好に電気的な接
続がとれる。また、第1バリア層80は、導電性のポリ
シリコン膜から構成してもよい。この場合でも、蓄積容
量70Bを増加させる機能および中継機能は十分に発揮
し得る。この場合には特に、第1層間絶縁膜81との間
で熱等によるストレスが発生しにくくなるので、クラッ
ク防止に役立つ。
【0169】また、第1バリア層80の膜厚は、例えば
50nm以上500nm以下程度とするのが好ましい。
第1バリア層80の膜厚が50nm程度であれば、製造
プロセスにおける第2コンタクトホール8bの開孔時に
突き抜ける可能性は低くなり、また500nm程度であ
れば画素電極9の表面の凹凸は問題とならないか或いは
比較的容易に平坦化することが可能であるからである。
但し、第1バリア層80は高融点金属膜やその合金膜か
ら構成すれば、金属膜と層間絶縁膜とのエッチングにお
ける選択比が大きく異なるため、前述の如きドライエッ
チングによる突き抜けの可能性は殆ど無い。
【0170】また、第1バリア層80および第2バリア
層180は、遮光性の導電膜であるので、対向基板20
B上にある遮光膜23およびTFTアレイ基板10B上
にあるデータ線6aとともに、TFT素子30のチャネ
ル領域1a’やその隣接領域を遮光できる。これによ
り、対向基板20B側から強力な入射光が入射しても、
トランジスタ特性の変化を防止することができる。
【0171】さらに、本実施形態では、第1バリア層8
0および第2バリア層180は、各画素の開口領域の一
部を規定するように幅広に構成されているので、これら
が存在する領域には、対向基板20B上に遮光膜23を
形成したり、開口領域を規定するためにデータ線6bの
幅を広めて形成したりしなくてもよい。
【0172】本実施形態では、図15に示すように、デ
ータ線6aに沿った各画素の遮光領域では、データ線6
aの幅Wdと、容量線3bの突出部分の幅Wcと、第2
バリア層180の幅Wmとの間に、Wd<Wc<Wmな
る関係が成立するように、平面レイアウトされている。
したがって、対向基板20B側からの入射光に対して
は、TFTアレイ基板10B上においてデータ線6aお
よび第2バリア層180という二重の遮光が可能とな
る。
【0173】仮に、高反射率のAl膜からなるデータ線
6aのみによりTFT素子30の遮光を行った場合に
は、基板面に対して傾斜した投射光や戻り光がデータ線
6aの内面で反射されて多重反射光として最終的にチャ
ネル領域1a’やその隣接領域に至ってしまう。しかし
ながら、本実施形態では、第1バリア層80および第2
バリア層180を、低反射率の高融点金属膜やポリシリ
コン膜から形成するとともに、第2バリア層180をデ
ータ線6aよりも幅広(Wd<Wm)に形成することに
より、内面反射による多重反射光を減衰できる。したが
って、プロジェクタのライトバルブ用途のように強力な
入射光や反射光が存在する用途において、本実施形態の
構成は大変有益である。
【0174】さらにまた本実施形態では、平面的に見
て、画素電極9におけるデータ線6aに沿った縁部分
は、第2バリア層180の縁部分に重ね、画素電極9に
おけるデータ線6aに沿った縁部分は、データ線6aの
縁部分にほとんど重ねない。このように、第2バリア層
180で遮光領域を規定し、データ線6aと画素電極9
を極力重ねないようにすることで、ソースおよびドレイ
ン間の寄生容量を大幅に低減することができる。これに
より、コントラスト比の低下や、クロストーク、ゴース
ト等の表示不良の発生を抑制し、高品位な液晶装置を実
現できる。
【0175】また、本実施形態の液晶装置においては、
構造複屈折体である画素電極9は、有効屈折率の差異に
より、特定の偏光のみを透過し、特定の偏光のみを反射
する機能を有するため、光吸収型偏光子に比較して吸収
される光量が少なく、耐久性に優れる。また、光吸収型
の偏光子17を構造複屈折体である画素電極9よりも視
認側に設ける構成としているため、構造複屈折体である
画素電極9を透過した偏光のみが、光吸収型の偏光子1
7に入射するため、光吸収型の偏光子17に吸収される
光量は少なく、光吸収型の偏光子17が劣化する恐れは
少ない。したがって、本実施形態によれば、耐久性に優
れた透過型液晶装置を提供することができる。
【0176】また、画素電極9を構成する導通電極9c
は、遮光領域380と平面的に重なる領域に形成されて
いる。その結果、たとえ、導通電極9cが遮光性を有す
るものであったとしても、導通電極9cによって遮光さ
れることに起因する開口率の低下の問題が生じることは
ない。
【0177】また、第1実施形態および第2実施形態の
液晶装置においては、画素スイッチング用TFT素子3
0は、好ましくは上述したようにLDD構造を持つが、
低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cに
不純物の打ち込みを行わないオフセット構造を持ってい
てもよいし、走査線3aの一部からなるゲート電極をマ
スクとして高濃度で不純物を打ち込み、自己整合的に高
濃度ソースおよびドレイン領域を形成するセルフアライ
ン型のTFTであってもよい。
【0178】また、第1実施形態および第2実施形態の
液晶装置においては、画素スイッチング用TFT素子3
0のゲート電極を、高濃度ソース領域1dおよび高濃度
ドレイン領域1e間に1個のみ配置したシングルゲート
構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配
置してもよい。このようにデュアルゲート或いはトリプ
ルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース
およびドレイン領域との接合部の光リーク電流を防止で
き、オフ時の電流を低減することができる。さらに、こ
れらのゲート電極の少なくとも1個をLDD構造或いは
オフセット構造にすれば、より一層オフ電流を低減で
き、安定したスイッチング素子を得ることができる。
【0179】(液晶装置の全体構成)以上のように構成
された各実施形態における液晶装置の全体構成を図18
および図19を参照して説明する。なお、図18は、T
FTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に
対向基板の側から見た平面図であり、図19は、図18
のH−H’断面図である。
【0180】図19において、TFTアレイ基板10C
は、上述した第1実施形態または第2実施形態において
説明したTFTアレイ基板である。TFTアレイ基板1
0Cの上には、シール材52がその縁に沿って設けられ
ており、その内側に並行して、画像表示領域10aの周
辺を規定する額縁としての遮光膜53が設けられてい
る。シール材52の外側の領域には、データ線6aに画
像信号を所定タイミングで供給することによりデータ線
6aを駆動するデータ線駆動回路201および外部回路
接続端子202がTFTアレイ基板10Cの一辺に沿っ
て設けられており、走査線3aに走査信号を所定タイミ
ングで供給することにより走査線3aを駆動する走査線
駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設
けられている。走査線3aに供給される走査信号遅延が
問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側
だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆
動回路201を画像表示領域10aの辺に沿って両側に
配列してもよい。さらにTFTアレイ基板10Cの残る
一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査
線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が
設けられている。
【0181】また、対向基板20Cは、上述した第1実
施形態または第2実施形態において説明した対向基板で
あり、対向基板20Cのコーナー部の少なくとも1箇所
においては、TFTアレイ基板10Cと対向基板20C
との間で電気的に導通をとるための導通材106が設け
られている。そして、図19に示すように、図18に示
したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20C
が当該シール材52によりTFTアレイ基板10Cに固
着されている。
【0182】なお、TFTアレイ基板10C上には、こ
れらのデータ線駆動回路201、走査線駆動回路104
等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタ
イミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線
6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に
先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出
荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検
査回路等を形成してもよい。
【0183】以上説明した実施形態では、データ線駆動
回路201および走査線駆動回路104をTFTアレイ
基板10Cの上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape
Automated bonding)基板上に実装された駆動用LSI
に、TFTアレイ基板10Cの周辺部に設けられた異方
性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する
ようにしてもよい。
【0184】(液晶装置の応用例)以上説明した各実施
形態における液晶装置は、プロジェクタに適用できる。
以下に、上述した液晶装置をライトバルブとして用いた
プロジェクタについて説明する。図20は、このプロジ
ェクタの構成を示す平面図である。この図に示されるよ
うに、プロジェクタ1100内部には、ハロゲンランプ
等の白色光源からなるランプユニット1102が設けら
れている。このランプユニット1102から射出された
投射光は、内部に配置された3枚のミラー1106およ
び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGB
の3原色に分離されて、各原色に対応するライトバルブ
100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれ
る。
【0185】ここで、ライトバルブ100R、100G
および100Bの構成は、上述した実施形態に係る液晶
装置と同様であり、画像信号を入力する処理回路(図示
省略)から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ
駆動されるものである。また、B色の光は、他のR色や
G色と比較すると、光路が長いので、その損失を防ぐた
めに、入射レンズ1122、リレーレンズ1123およ
び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121
を介して導かれる。
【0186】ライトバルブ100R、100G、100
Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプ
リズム1112に3方向から入射する。そして、このダ
イクロイックプリズム1112において、R色およびB
色の光は90度に屈折する一方、G色の光は直進する。
したがって、各色の画像が合成された後、スクリーン1
120には、投射レンズ1114によってカラー画像が
投射されることとなる。
【0187】なお、ライトバルブ100R、100Gお
よび100Bには、ダイクロイックミラー1108によ
って、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するの
で、上述したようにカラーフィルタを設ける必要はな
い。また、ライトバルブ100R、100Bの透過像は
ダイクロイックミラー1112により反射した後に投射
されるのに対し、ライトバルブ100Gの透過像はその
まま投射されるので、ライトバルブ100R、100B
による表示像を、ライトバルブ100Gによる表示像に
対して左右反転させる構成となっている。
【0188】なお、各実施形態では、対向基板にカラー
フィルタは設けられていない。しかしながら、画素電極
9に対向する所定領域に、RGBのカラーフィルタをそ
の保護膜と共に対向基板上に形成してもよい。このよう
にすれば、プロジェクタ以外の直視型や反射型のカラー
液晶装置について、各実施形態における液晶装置を適用
できる。また、対向基板上に1画素に対して1個のマイ
クロレンズを形成してもよい。あるいは、TFTアレイ
基板上のRGBに対向する画素電極9の下にカラーレジ
スト等でカラーフィルタ層を形成することも可能であ
る。このようにすれば、入射光の集光効率を向上するこ
とで、明るい液晶装置が実現できる。さらにまた、対向
基板上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積する
ことで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダイ
クロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイ
ックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラー
液晶装置が実現できる。
【0189】本発明は、上述した実施形態に限られるも
のではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れ
る発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能
であり、そのような変更を伴なう液晶装置もまた本発明
の技術的範囲に含まれるものである。
【0190】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、画素電極が構造複屈折体として機能するものであ
るので、耐久性に優れた液晶装置およびこれを備えた投
射型表示装置を提供することができる。また、画素電極
を構成する導通電極は、光反射体を電気的に導通するも
のであるので、画素電極の大部分を光反射体により形成
することで、画素電極全体における面積の割合を非常に
小さいものとすることができ、しかも、導通電極の少な
くとも一部が遮光領域と平面的に重なる領域に形成され
ている。このため、たとえ、導通電極が遮光性を有する
ものであり、導通電極に遮光されて開口領域が狭められ
たとしても、導通電極に遮光されて狭められる開口領域
の面積の割合は、開口領域全体に対して小さく、導通電
極による遮光に起因する開口率の低下の問題が生じる恐
れが極めて小さいものとなる。
【0191】また、第2の基板側から液晶層に光を入射
する構成とすることにより、構造複屈折体により反射さ
れた光が薄膜トランジスタの半導体層に入射することを
防止することができるので、光リーク電流に起因する素
子のスイッチング特性の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、液晶装置の画像表示領域を構成する
マトリクス状に形成された複数の画素における各種素
子、配線等の等価回路である。
【図2】 図2は、データ線、走査線、画素電極等が形
成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の
平面図である。
【図3】 図3は、図2のA−A’断面図である。
【図4】 図4は、本実施形態の透過型液晶装置に備え
られた画素電極とデータ線と容量線とを取り出して示し
た平面図であり、画素電極と遮光領域との重なり合いを
説明するための図である。
【図5】 図5は、本実施形態の透過型液晶装置に備え
られた画素電極を1個のみを取り出して示した平面図で
ある。
【図6】 図6は、本発明に係る第1実施形態の透過型
液晶装置における表示機構を説明するための図である。
【図7】 図7は、本発明に係る第1実施形態の透過型
液晶装置における表示機構を説明するための図である。
【図8】 図8は、本発明に係る第1実施形態の透過型
液晶装置において、画素電極のその他の構造を示す平面
図である。
【図9】 図9は、本発明に係る第1実施形態の透過型
液晶装置において、画素電極のその他の構造を示す平面
図である。
【図10】 図10(a)〜(c)は、構造複屈折体で
ある画素電極を3段階のフォトリソグラフィー法により
形成する方法を示す工程図である。
【図11】 図11(a)〜(c)は、構造複屈折体で
ある画素電極を3段階のフォトリソグラフィー法により
形成するその他の方法を示す工程図である。
【図12】 図12(a)〜(c)は、構造複屈折体で
ある画素電極を3段階のフォトリソグラフィー法により
形成するその他の方法を示す工程図である。
【図13】 図13は、本発明に係る第1実施形態の透
過型液晶装置のその他の構造を示す断面図である。
【図14】 図14は、本発明に係る第1実施形態の透
過型液晶装置のその他の構造を示す断面図である。
【図15】 図15は、データ線、走査線、画素電極等
が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素
群の平面図である。
【図16】 図16は、図15のA−A’断面図であ
る。
【図17】 図17は、本実施形態の液晶装置に備えら
れた画素電極とデータ線と容量電極とを取り出して示し
た平面図であり、画素電極と遮光領域との重なり合いを
説明するための図である。
【図18】 図18は、各実施形態における液晶装置の
全体構成を説明するための図であり、TFTアレイ基板
をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側か
ら見た平面図である。。
【図19】 図19は、図18のH−H’断面図であ
る。
【図20】 図20は、本発明の液晶装置を備えたプロ
ジェクタの構成図である。
【図21】 図21は、構造複屈折体が、特定の偏光の
みを透過し、特定の偏光のみを反射することができる理
由を説明するための図である。
【符号の説明】
10A、20A…基板本体 1a…半導体層 30…TFT素子(薄膜トランジスタ) 9…画素電極(構造複屈折体) 21…共通電極 31…共通電極(構造複屈折体) 9a、31a…光反射体 9c…導通電極 6a…データ線 3a…走査線 50…液晶層 17、24…偏光子

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板と、前記第1の基板に対向配
    置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基
    板との間に挟持された液晶層とを有する液晶装置であ
    り、 前記第1の基板には、マトリクス状に配置されて前記液
    晶層に電圧を印加する画素電極と、 前記画素電極に電気的に接続された薄膜トランジスタ
    と、 前記薄膜トランジスタよりも前記液晶層側に配置された
    遮光膜と、 前記薄膜トランジスタよりも前記液晶層側に配置されて
    前記薄膜トランジスタと電気的に接続され、遮光性を有
    し、前記遮光膜と交差するデータ線とが備えられ、 前記薄膜トランジスタを構成するチャネル領域の接合部
    は、前記遮光膜と前記データ線とが交差する交差領域と
    平面的に重なる領域に形成され、 前記画素電極は、構造複屈折体として機能し、前記液晶
    層に入射する光の波長よりも小さいピッチでストライプ
    状に配列された複数の光反射体と、前記複数の光反射体
    を電気的に導通する導通電極とを具備して構成され、 前記導通電極の少なくとも一部は、遮光領域と平面的に
    重なる領域に形成されていることを特徴とする液晶装
    置。
  2. 【請求項2】 前記遮光領域は、前記遮光膜と前記デー
    タ線のうちのいずれか一方または両方と平面的に重なる
    領域であることを特徴とする請求項1に記載の液晶装
    置。
  3. 【請求項3】 前記遮光膜は、光吸収層と遮光層とを有
    し、前記薄膜トランジスタに面する側に光吸収層が積層
    されていることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の液晶装置。
  4. 【請求項4】 前記薄膜トランジスタと前記遮光膜との
    間には、光吸収性を有し、前記画素電極と前記薄膜トラ
    ンジスタとを電気的に接続する中継導電膜が備えられ、 前記遮光膜は、前記中継導電膜の一部を露呈する領域を
    有し、該領域に前記画素電極と前記中継導電膜とを電気
    的に接続するコンタクトホールを形成することを特徴と
    する請求項3に記載の液晶装置。
  5. 【請求項5】 前記コンタクトホールは、隣接するデー
    タ線間のほぼ中央に位置することを特徴とする請求項4
    に記載の液晶装置。
  6. 【請求項6】 前記遮光膜の前記薄膜トランジスタに面
    する側には、前記画素電極と前記薄膜トランジスタとを
    電気的に接続する中継導電膜が誘電体層を介して形成さ
    れ、前記遮光膜および前記中継導電膜は、容量電極とし
    て機能して保持容量を構成することを特徴とする請求項
    1ないし請求項5のいずれか一項に記載の液晶装置。
  7. 【請求項7】 第1の基板と、前記第1の基板に対向配
    置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基
    板との間に挟持された液晶層とを有する液晶装置であ
    り、 前記第1の基板には、マトリクス状に配置されて前記液
    晶層に電圧を印加する画素電極と、 前記画素電極に電気的に接続された薄膜トランジスタ
    と、 前記薄膜トランジスタと電気的に接続されたデータ線
    と、 前記データ線と平面的に重なる領域に開孔された第1コ
    ンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタを構成す
    るドレイン領域と電気的に接続されるとともに、第2コ
    ンタクトホールを介して前記画素電極と電気的に接続さ
    れた中継導電膜とが備えられ、 前記画素電極は、構造複屈折体として機能し、前記液晶
    層に入射する光の波長よりも小さいピッチでストライプ
    状に配列された複数の光反射体と、前記複数の光反射体
    を電気的に導通する導通電極とを具備して構成され、 前記導通電極の少なくとも一部は、遮光領域と平面的に
    重なる領域に形成されていることを特徴とする液晶装
    置。
  8. 【請求項8】 前記第2コンタクトホールは、隣接する
    データ線間のほぼ中央に位置することを特徴とする請求
    項7に記載の液晶装置。
  9. 【請求項9】 前記中継導電膜は、遮光性を有し、前記
    導通電極は、前記中継導電膜と平面的に重なる領域に形
    成されていることを特徴とする請求項7または請求項8
    に記載の液晶装置。
  10. 【請求項10】 前記中継導電膜は、前記走査線と同一
    層で形成された層からなる容量電極と誘電体層を介して
    少なくとも部分的に対向配置され、容量電極として機能
    して保持容量を構成することを特徴とする請求項9に記
    載の液晶装置。
  11. 【請求項11】 電圧無印加時における前記液晶層のツ
    イスト角が90°であり、 前記第2の基板が、一方の表面に光吸収型若しくは光反
    射型の偏光子を具備し、 前記光反射体の延在方向が、前記偏光子の偏光軸に対し
    て略平行若しくは略垂直とされたことを特徴とする請求
    項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の液晶装
    置。
  12. 【請求項12】 前記第1の基板、前記第2の基板のう
    ちの一方の基板側から光が入射し、他方の基板側から出
    射された光を視認する構造とされ、前記画素電極の視認
    側に、さらに光吸収型若しくは光反射型の偏光子が具備
    されていることを特徴とする請求項1ないし請求項11
    のいずれか一項に記載の液晶装置。
  13. 【請求項13】 前記第2の基板には、共通電極が備え
    られ、前記共通電極は、構造複屈折体として機能し、前
    記液晶層に入射する光の波長よりも小さいピッチでスト
    ライプ状に配列された複数の光反射体と、前記複数の光
    反射体を電気的に導通する導通電極とを具備して構成さ
    れていることを特徴とする請求項12に記載の液晶装
    置。
  14. 【請求項14】 光源と、前記光源からの光を変調する
    請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の液晶
    装置からなる光変調手段と、前記光変調手段により変調
    された光を投射する投射手段とを備えたことを特徴とす
    る投射型表示装置。
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