JP4258179B2 - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶等の電気光学物質を挟持する一対の基板を有する電気光学装置の技術分野に属し、特に、これらの基板のうち、対向基板等の一方の基板上に、各画素の開口領域を規定する遮光膜を設けてなる電気光学装置の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】
電気光学装置の一例たる液晶装置としては、例えば画素スイッチング用の薄膜トランジスタ(以下適宜、TFT(Thin Film Transistor)と称す)を有するアクティブ・マトリクス駆動方式の液晶装置が知られている。この液晶装置では、TFTが形成されるTFTアレイ基板側に画素電極が、それに対向する対向基板側に対向電極が、それぞれ形成される。これらのうち画素電極は、TFTアレイ基板上でマトリクス状に複数配列されるのに対し、対向電極は、対向基板の全面に一様に形成される。なお、TFTは、複数形成される画素電極の各々に対応するように設けられる。また、画素電極の面上及び対向電極の面上には一般に、それぞれ配向膜が設けられ、これら上下の配向膜により液晶が挟持される。
【0003】
また、このような電気光学装置では、対向電極が形成される対向基板の表面、すなわち対向電極と対向基板の間に、各画素の開口領域(即ち、各画素において、実際に表示に寄与する光が透過あるいは反射により出射する領域)を規定すべく、言い換えれば、各画素の非開口領域(即ち、各画素において、実際に表示に寄与する光が透過あるいは反射により出射しない、開口領域を除く領域)を規定すべく、例えば金属クロムCr等からなるブラックマトリクス(BM)あるいはブラックマスクと称される遮光膜が、格子状あるいはストライプ状などの所定パターンで成膜されていた。この遮光膜は、画素と画素の間からの光漏れを防ぐ作用を発揮し、その結果、画像コントラストの向上を図ることができたり、また、カラーフィルタを設ける場合にあっては、混色の防止という効果を得ること等が可能となる。
【0004】
尚、このような各画素の開口領域を規定する遮光膜を、部分的にあるいは全面的にTFTアレイ基板側に、所謂内蔵遮光膜として作り込む技術や、TFTアレイ基板上のデータ線等から部分的に構築する技術も開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の如く遮光膜パターンを対向基板上に成膜した後、その上に対向電極及び配向膜を形成すると、遮光膜パターンが所定の高さを有するものであることから、これら対向電極及び配向膜には、該遮光膜パターン形成部位に応じて段差部が生じることとなっていた。このため第一に、配向膜に対するラビング処理を均一に行うことが困難となっていた。また第二に、段差部における対向電極のクラック発生や、配向膜の塗布不良等が問題となっていた。
【0006】
さらには、近年、電気光学装置の微細化が進展するにつれ、液晶層の間隔がより小さくなる傾向(例えば、当該間隔が2μm程度)にあり、段差部の高さがあまりに大きければ、液晶層の適正な「厚み」をとることが不可能となる。段差部の存在は、この点からも問題がある。
【0007】
また、最近では、より高い遮光性能を有する電気光学装置とするべく、例えば、光入射面が高反射膜、その裏面が低反射膜等となる多層化された遮光膜が用いられるようになっていることから、必然的に遮光膜パターンの高さは大きくなり、したがって段差部の高さも大きくなって、上記したような問題点の更なる深刻化を招いている(例えば、液晶層の間隔が2μm程度で、遮光膜パターンの高さが400〜500nm程度)。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、対向基板等の基板に、所定パターンの遮光膜を作り込みつつ、その存在に起因した段差あるいは凹凸による弊害を効果的に防止できる電気光学装置及び該装置を用いた電子機器を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は、一対の基板と、前記一対の基板間に挟持された電気光学物質と、前記一対の基板のうち一方の基板上には、前記電気光学物質に対向する表面側に所定パターンで設けられる遮光膜と、前記一対の基板のうち他方の基板上には、前記電気光学物質に対向する表面側に画素電極と、前記画素電極に対応して設けられたスイッチング素子とを備え、前記一方の基板には溝が形成されており、前記遮光膜の上はオーバコート層により平坦化されており、前記遮光膜は、前記溝内に該溝により生じた段差と重ならないように形成されてなることを特徴とする。
また、前記遮光膜は、アルミニウムからなる層、クロムからなる層及び酸化クロムからなる層の3層構造であることを特徴とする。
【0010】
本発明の第1電気光学装置によれば、例えば対向基板からなる一方の基板とTFTアレイ基板からなる他方の基板との間に、液晶等の電気光学物質が挟持されている。そして動作時には、該他方の基板上に形成された表示用電極に、配線からスイッチング素子を介して画像信号等の信号を供給することにより、あるいは配線から直接に画像信号等の信号を供給することにより、電気光学物質を駆動できる。そして、所定パターンを有する遮光膜により、例えば各画素の開口領域を規定でき、高コントラスト化や混色防止を実現できる。
【0011】
ここで特に、係る遮光膜は、例えば対向基板からなる一方の基板における、電気光学物質に対向する側の表面に少なくとも部分的に埋め込まれている。従って、この埋め込まれた分に応じて、遮光膜の存在に起因した段差あるいは凹凸を低減できる。よって、このような段差あるいは凹凸による各種弊害を効果的に防止できる。ここに、各種弊害とは、例えば一方の基板上で配向膜に対するラビング処理を均一に行うことが困難になること、一方の基板上で対向電極にクラックが発生すること、一方の基板上で配向膜の塗布不良が発生すること等である。更に、段差あるいは凹凸が低減された分だけ、電気光学物質の層厚を狭めることも可能となり、電気光学装置の微細化にも対処可能となる。
【0012】
このように本発明の第1電気光学装置によれば、対向基板等の一方の基板に、所定パターンの遮光膜を作り込みつつ、その存在に起因した段差あるいは凹凸による弊害を効果的に防止できる。
【0013】
なお、本発明にいう「少なくとも部分的に埋め込まれた…遮光膜」とは、該遮光膜の高さ方向に着目し、遮光膜の一部分がその高さ方向で、少なくとも埋め込まれているということを意味する。すなわち、本発明にいう「電気光学物質に対向する側の表面」の一例として前記一方の基板における基板面を想定する場合には、「少なくとも部分的に埋め込まれた遮光膜」とは、前記基板面を基準として該遮光膜のいわば頭頂部が若干突出するような形態になる。また、このことから、遮光膜の全部が埋め込まれるとは、該遮光膜の頭頂部に係る面と前記基板面とが同一平面上にのるということになる。本発明は、いずれの態様であっても、その範囲内に収める。
【0014】
また、本発明にいう「少なくとも部分的に埋め込まれた…遮光膜」とは、上述のような意味のほか、基板全面のうち少なくとも一部の領域に、該遮光膜が、本発明にいう「表面」に少なくとも埋め込まれているということをも意味する。つまり、この場合には、前記表面における面内で、一の領域については遮光膜が埋め込まれ、他の領域では埋め込まれていない等といった形態になる。また、このことから、遮光膜の全部が埋め込まれるとは、前記表面の全面について、該遮光膜が全部埋め込まれているということになる。本発明は、いずれの態様であっても、その範囲内に収める。
【0015】
本発明の第1電気光学装置の一態様では、前記一方の基板における前記遮光膜の表面と同一平面、もしくは前記遮光膜より上層側には、平坦化膜が形成されている。
【0016】
この態様によれば、遮光膜が一方の基板に少なくとも部分的に埋め込まれているのに加えて、遮光膜の表面と同一平面、もしくは遮光膜より上層側には、平坦化膜が形成されているので、この埋め込まれた分及び平坦化された分に応じて、遮光膜の存在に起因した段差あるいは凹凸を低減できる。よって、このような段差あるいは凹凸による各種弊害を効果的に防止できる。更に、段差あるいは凹凸が低減された分だけ、電気光学物質の層厚を狭めることも可能となり、電気光学装置の微細化にも対処可能となる。
【0017】
本発明の第1電気光学装置の他の態様では、前記一方の基板における前記遮光膜の最上層側には、配向膜が形成されている。
【0018】
この態様によれば、少なくとも部分的に埋め込まれた遮光膜を備えていることにより、上述したように、段差あるいは凹凸に係る弊害が除去された一方の基板において、その最上層に配向膜が形成されていることから、該配向膜を塗布する際にはその不良等を生じさせることなく、また、該配向膜塗布後、その表面に対するラビング処理を均一に行うことができる。
【0019】
本発明の第2電気光学装置は、上記課題を解決するために、一対の基板と、前記一対の基板間に挟持された電気光学物質と、前記一対の基板のうち一方の基板には、前記電気光学物質に対向する表面側に形成された所定パターンを有する遮光膜と、前記一対の基板のうち他方の基板上には、前記電気光学物質に対向する表面側に表示用電極と、前記表示用電極に対応して設けられたスイッチング素子と、前記一方の基板上における前記遮光膜の表面と同一平面、もしくは前記遮光膜より上層側に形成された平坦化膜とを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明の第2電気光学装置によれば、例えば対向基板からなる一方の基板とTFTアレイ基板からなる他方の基板との間に、液晶等の電気光学物質が挟持されている。そして動作時には、該他方の基板上に形成された表示用電極に、配線からスイッチング素子を介して画像信号等の信号を供給することにより、あるいは配線から直接に画像信号等の信号を供給することにより、電気光学物質を駆動できる。そして、所定パターンを有する遮光膜により、例えば各画素の開口領域を規定でき、高コントラスト化や混色防止を実現できる。
【0021】
ここで特に、例えば対向基板からなる一方の基板における遮光膜の表面と同一平面、もしくは遮光膜より上層側に平坦化膜が施されている。従って、この平坦化された分に応じて、遮光膜の存在に起因した段差あるいは凹凸を低減できる。よって、このような段差あるいは凹凸による各種弊害を効果的に防止できる。更に、段差あるいは凹凸が低減された分だけ、電気光学物質の層厚を狭めることも可能となり、電気光学装置の微細化にも対処可能となる。
【0022】
このように本発明の第2電気光学装置によれば、対向基板等の一方の基板に、所定パターンの遮光膜を作り込みつつ、その存在に起因した段差あるいは凹凸による弊害を効果的に防止できる。
【0023】
本発明の一態様では、前記平坦化膜は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理で形成される。
【0024】
この態様によれば、平坦化膜をCMP処理によって実現することから、上述した段差あるいは凹凸に係る弊害の発生を、より確実に防止することが可能となる。なお、ここに、CMPとは、基板と研磨布(パッド)の両者を回転等させながら、それぞれの表面同士を当接させるとともに、該当接部位に研磨液(スラリー)を供給することによって、基板表面を、機械的作用と化学作用の兼ね合いにより研磨し、当該表面を平坦化する技術である。
【0025】
本発明の他の態様では、前記平坦化膜は、SOG(Spin On Glass)膜である。
【0026】
この態様によれば、平坦化膜をSOG膜によって実現することから、上述した段差あるいは凹凸に係る弊害の発生を、より確実に防止することが可能となる。なお、ここに、SOG膜とは、基板を回転させながら液体状の適当な有機材等を塗布することにより、液体のもつ水平面を現出させ、これを固化させることで平坦化面を得ることの可能な技術である。
【0027】
本発明の他の態様では、前記一方の基板上には、前記遮光膜の上層側又は下層側に、カラーフィルタと、該カラーフィルタの上層としてのオーバコート層とを更に備え、該オーバコート層の表面に対し平坦化処理が施されている。
【0028】
この態様によれば、前記カラーフィルタ等を遮光膜の上層側に設ける場合にあっては、オーバコート層を、遮光膜のパターンにより生じる段差あるいは凹凸を平坦化する、平坦化面として機能させることが可能となる。また、前記カラーフィルタ等を遮光膜の下層側に設ける場合にあっては、オーバコート層からなる平坦な下地上に、遮光膜を形成できる。
【0029】
いずれにせよ、このような態様によれば、上述した段差部に係る弊害の発生を、カラーフィルタを備える電気光学装置において防止することが可能となる。なお、本態様における遮光膜は、混色防止の機能をも発揮しうることが明白である。
【0030】
本発明の他の態様では、前記遮光膜は、前記一方の基板に掘られた溝内に形成されている。
【0031】
この態様によれば、一方の基板に掘られた溝内に遮光膜を配置することにより、当該遮光膜を基板に埋め込むことや、遮光膜の上層側に対して平坦化処理を施すことが可能となる。しかも、一方の基板に対するエッチング等で所定パターンの溝を掘ることにより、当該構成は比較的簡単に得られる。
【0032】
あるいは本発明の他の態様では、前記遮光膜は、前記一方の基板上に形成された層間絶縁膜に掘られた溝内に形成されている。
【0033】
この態様によれば、層間絶縁膜に掘られた溝内に遮光膜を配置することにより、当該遮光膜を基板に埋め込むことや、遮光膜の上層側に対して平坦化処理を施すことが可能となる。しかも、層間絶縁膜に対するエッチング等で所定パターンの溝を掘ることにより、当該構成は比較的簡単に得られる。
【0034】
本発明の他の態様では、前記遮光膜の上層として、オーバコート層が形成される。
【0035】
この態様によれば、遮光膜の上層として形成されるオーバコート層が、平坦化処理をかけるに最も適切なものであるといえることから、これにより、より確実な平坦化、ひいては段差あるいは凹凸に係る弊害の除去が可能となる。
【0036】
本発明の他の態様では、前記一方の基板上には、最上層として配向膜を更に備える。
【0037】
この態様によれば、例えば液晶からなる電気光学物質の状態を、配向膜により規定できる。ここで特に、配向膜の下地は、遮光膜が埋め込まれることあるいは平坦化処理により段差あるいは凹凸が低減されているので、配向膜の塗布を良好に行うことが可能となり、更に配向膜に対するラビング処理を均一に行うことが可能となる。
【0038】
尚、本発明の電気光学装置では、一方の基板の配向膜を備えない場合にも適用可能である。
【0039】
本発明の他の態様では、前記一方の基板上には、前記電気光学物質に対向する側の表面上に、他の表示用電極を更に備える。
【0040】
この態様によれば、例えば液晶からなる電気光学物質を、一対の表示用電極によって駆動できる。この際、一対の表示用電極の組み合わせは、一方が画素電極であり他方がベタの対向電極又は短冊状の表示用電極であってもよいし、相交差するストライプ状の電極であってもよい。ここで特に、他の表示用電極の下地は、遮光膜が埋め込まれることあるいは平坦化処理により段差あるいは凹凸が低減されているので、この表示用電極にクラックが発生することを防止することが可能となる。
【0041】
尚、本発明の電気光学装置では、一方の基板に表示用電極を備えない場合にも、適用可能である。
【0042】
この態様では、前記他の表示用電極は、画像表示領域の全域に形成された透明な対向電極からなってもよい。
【0043】
このように構成すれば、例えばITO膜等からなる透明な対向電極にクラックが発生することを効果的に防止できる。
【0044】
本発明の他の態様では、前記一方の基板に、マイクロレンズを更に備える。
【0045】
この態様によれば、マイクロレンズによって、前記表示用電極上の集光領域に光を集めることが可能となるため、入射光の利用効率を高めることが可能となる。特に、本態様によれば、このような作用効果と、上述した段差あるいは凹凸に係る弊害の除去なる作用効果をも同時に達成することが可能となる。
【0046】
本発明の他の態様では、前記遮光膜は、複数の層から構成される
この態様によれば、遮光膜が複数の層から構成されることから、該遮光膜において、より高い遮光機能を発揮させることが可能となる。例えば、光入射側には高反射材料、光出射側には低反射材料を用いるとよい。また、このような遮光膜の多層化により、その「高さ」は、例えば遮光膜が単に一層で構成される場合よりも一般に大きくなる。しかしながら、本態様によれば、遮光膜の「高さ」が、多層化によって大きくなっても、該遮光膜は一方の基板に埋め込まれること、あるいは平坦化処理により段差若しくは凹凸が低減されていることから、平坦化面を得られることに変わりはない。むしろ、このような「高さ」の大きい遮光膜を用いる場合において、本態様は、より顕著な効果を奏するということもできる。
【0047】
この態様では、特に、前記複数の層を、アルミニウムからなる層、クロムからなる層及び酸化クロムからなる層で構成すれば、遮光機能をより高めることができる。
【0048】
本発明の第1の電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、一方の基板上に、電気光学物質に対向することになる表面側に少なくとも部分的に埋め込まれた所定パターンを有する遮光膜を形成する工程と、他方の基板上に、前記電気光学物質に対向することになる表面側に表示用電極を形成する工程と、該表示用電極に対応してスイッチング素子を形成する工程と、前記一方及び他方の基板を、それらの周囲に沿って相互に貼り合わせる工程と、該貼り合わせられた一方及び他方の基板間に前記電気光学物質を注入する工程とを含む。
【0049】
本発明の第1の電気光学装置の製造方法によれば、上述した本発明の第1電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を比較的容易に製造できる。
【0050】
本発明の第2の電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、一方の基板上に、電気光学物質に対向することになる表面側に所定パターンを有する遮光膜を形成する工程と、前記一方の基板上における前記遮光膜の表面と同一平面、もしくは前記遮光膜より上層側に平坦化処理を施す工程と、他方の基板上に、前記電気光学物質に対向することになる側の表面に表示用電極を形成する工程と、該表示用電極に対応してスイッチング素子を形成する工程と、前記一方及び他方の基板を、それらの周囲に沿って相互に貼り合わせる工程と、該貼り合わせられた一方及び他方の基板間に前記電気光学物質を注入する工程とを含む。
【0051】
本発明の第2の電気光学装置の製造方法によれば、上述した本発明の第2電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を比較的容易に製造できる。
【0052】
最後に、本発明の電子機器によれば、上述した電気光学装置を具備するので、高いコントラストであり明るく高品位な画像の表示が可能な、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等の各種電子機器を実現することができる。
【0053】
本発明のこのような作用及び他の利得は、次に説明する実施の形態により明らかにされる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
【0055】
(電気光学装置の全体構成)
まず、本発明の第1実施形態における電気光学装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここでは、電気光学装置の一例である、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
【0056】
図1は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに、対向基板の側から臨んだ平面図であり、図2は、図1のH−H´断面図である。
【0057】
図1及び図2において、第1実施形態に係る電気光学装置では、後述するTFT30や蓄積容量70等の各種構成をTFTアレイ基板本体に備えたTFTアレイ基板10と、やはり後述する遮光膜500や対向基板21等の各種構成を対向基板本体に備えた対向基板20とが対向配置されている。
【0058】
なお、本実施形態において、本発明にいう「一方の基板」とは、「対向基板本体」に該当するものとする。
【0059】
TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。シール材52は、両基板を貼り合わせるために、例えば熱硬化性樹脂、あるいは熱及び光硬化樹脂、あるいは光硬化樹脂、あるいは紫外線硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、加熱のみ、あるいは加熱及び光照射、あるいは光照射、あるいは紫外線照射のみ等により硬化させられたものである。
【0060】
このようなシール材52中には、両基板間の間隔を所定値とするためのグラスファイバあるいはガラスビーズ等のギャップ材が混合されている。すなわち、本実施形態の電気光学装置は、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。ただし、当該電気光学装置が液晶ディスプレイや液晶テレビのように大型で等倍表示を行う液晶装置であれば、このようなギャップ材は、液晶層50中に含まれていてもよい。
【0061】
図1及び図2において、前記シール材52の内側に並行して、画像表示領域10aの周辺を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。ただし、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられていてもよい。
【0062】
一方、シール材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を所定のタイミングで供給することにより該データ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線3aに走査信号を所定のタイミングで供給することにより、走査線3aを駆動する走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する二辺に沿って設けられている。
【0063】
走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでもよいことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域10aの辺に沿って両側に配列してもよい。
【0064】
さらに、TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも一箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的に導通をとるための導通材106が設けられている。そして、図2に示すように、図1に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52によりTFTアレイ基板10に固着されている。
【0065】
図2において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21のほか、最上層部分に配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマテッィク液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0066】
なお、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0067】
また、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路103をTFTアレイ基板10上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated Bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には、それぞれ、例えばTN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード・ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏向フィルム、位相差フィルム、偏向板等が所定の方向で配置される。
【0068】
(第1実施形態)
次に、以上のような全体構成を有する電気光学装置において、対向基板本体に設けられる遮光膜の構成及び作用効果について、以下、図を適宜参照しながら説明する。
【0069】
まず、第1実施形態に係る遮光膜500の構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。ここに、図3は、図2における符号CRを付した円内部分を拡大して示す拡大断面図である。
【0070】
第1実施形態における遮光膜500は、図2及び図3に示すように、対向基板本体20Rに対して、埋め込まれて形成されている。ここに、「埋め込まれて形成」される形態とは、図3に示すように、対向基板本体20Rの表面上に対して、遮光膜500が形成された後、その上層として、オーバコート層600が形成されるような形態をいう。ここで、オーバコート層600は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂等からなる。また、このオーバコート層600の厚さは、例えば0.5〜2μm程度とすればよい。
【0071】
さらに、オーバコート層600の表面に対しては、CMP、あるいはSOG膜形成等による平坦化処理が施されている。これにより、該表面には遮光膜500を形成することによる段差が生じなくなることになる。図3においては、このようなオーバコート層600の上層として更に、対向電極21及び配向膜22が形成されている。なお、第1実施形態において、対向電極21は、本発明にいう「他の表示用電極」に該当し、上述の画素電極9aは、本発明にいう「表示用電極」に該当する。
【0072】
また、上述した遮光膜500は、これを平面的に臨むと、格子状のパターンを有している。この格子状のパターンは、TFTアレイ基板10における画素電極9aがマトリクス状に配列されていることに対応し、画素電極9a間の隙間を覆うが如く、縦横それぞれの帯状パターンが交差した形で形成されている。このことにより、遮光膜500は、画素間から漏れる光を防ぐ作用を発揮し、画像コントラストの向上を図ることが可能となる。
【0073】
ただし、本発明は、遮光膜500を平面的に臨んだ形状が、上述のような格子状パターンを有する場合にのみ、その適用が限定されるわけではない。例えば、ストライプ状となるもの等、その他各種パターンをも包含するものである。
【0074】
なお、本実施形態においては、画素間のコントラスト向上のほか、TFTを構成する半導体層のチャネル領域に光が入射することを遮り、光リーク電流の発生による誤動作や画質の低下を招かないためにも、遮光膜500が機能する。この場合、遮光膜500のほかに、TFTアレイ基板10側に非画素領域としても形成される下側遮光膜、データ線、容量線(いずれも後述する。)等が、そのような遮光機能を発揮する部材となる。
【0075】
このように、対向基板本体20Rに対して遮光膜500を埋め込む形態によると、図3に示すように、遮光膜を形成することにより生じる段差あるいは凹凸の高低差を従前に比べて相当程度小さくすることが可能となる。
【0076】
したがって、対向電極21においてクラックが発生することを回避することができるし、また、配向膜22の塗布不良等が発生することなく、さらには該配向膜22における全面均一なラビング処理の実施、等が可能となる。また、段差の高低差の縮小は、液晶層50の狭小化を可能とし、その結果、電気光学装置の微小化にも対応することが可能となる。要するに、第1実施形態における電気光学装置によれば、遮光膜を形成することにより生じていた段差あるいは凹凸に係る弊害を、効果的に防止することができる。
【0077】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図4を参照しつつ説明する。ここに、図4は、図3と同趣旨の図であって、該図3とは異なる形態となる拡大断面図を示す図である。第2実施形態において、遮光膜500は、上記第1実施形態と同様、対向基板本体20Rに「埋め込まれて」形成されている点に変わりはないが、その態様が異なる。すなわち、第2実施形態における「埋め込まれて」形成される形態とは、対向基板本体20Rの表面に対して溝700を形成し、該溝700内に遮光膜500が形成される形態をいう。このような形態は、後の製造方法の説明でも述べるように、例えば、予め対向基板本体20Rに対して所定パターンで溝700を形成した後、該溝700に対し、遮光膜500を構成する材料を、スパッタリング法等によって堆積させる、等の方法により実現すればよい。また、第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様、遮光膜500は典型的には格子状パターンを有するが、この場合、溝700も格子状のパターンを有することになる。対向基板本体20Rは、本実施の形態の他、他の実施の形態にも適用できるが、石英ガラス、ネオセラムなどのガラス基板、あるいはプラスチック基板等の透明基板であればよい。また、TFTアレイ基板10と同じ材料の基板を用いたり、異なる材料を用いることもできる。
【0078】
このように、第2実施形態における電気光学装置においては、遮光膜500が対向基板本体20Rの表面上に形成された溝700内に埋め込まれた形態となることから、より平坦な面を取得することが可能となり、上記第1実施形態で述べた効果を享受することが可能となることは勿論、当該効果をより確実に享受することが可能となる。
【0079】
なお、第2実施形態においても、上記第1実施形態で述べたようなCMP、あるいはSOG膜形成等といった平坦化処理を、対向電極21等の形成前に実施すれば、より効果的であることは言うまでもない。
【0080】
なお、上記第2実施形態では、遮光膜500は、その「全部」が対向基板本体20Rに埋め込まれた形態となっていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。すなわち、遮光膜500の全部が埋め込まれる必要はなく、例えば、その一部が埋め込まれるような形態であってもよい。このような構成によれば、少なくとも当該一部について、上述したような段差に係る弊害の発生を防止することができ、相応の効果を享受することが可能となる。
【0081】
また、上記第2実施形態では、図4において、遮光膜500が溝700内に隙間なく埋め込まれた形態のみを示していたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、図5に示すように、遮光膜500と溝701との間に、隙間Gが存在するような形態であってもよい。このような形態は、遮光膜500の形成時に、溝701に対するカバレージが不十分であった等の原因によって生ずる可能性がある。逆にいえば、上記第2実施形態における図4のような構造は、例えば、ダマシン法等の特別な製造方法を用いることによって得ることができるものといえる。
【0082】
この図5のような場合においては、該図5に併せて示すように、対向基板本体20Rないし遮光膜500の上層として、オーバコート層601を形成するとよい。更には、図5において図示は省略するが、該オーバコート層601の上にSOG膜等を形成するとなおよい。これらにより、上記第1及び第2実施形態と同様、対向電極21及び配向膜22の全面平坦化が可能となる。
【0083】
なお、オーバコート層601とSOG膜との間に、NSG膜等のシリケートガラス膜を形成するような形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0084】
また、遮光膜500と溝700との間に隙間Gがない図4に示すような形態にあっても、場合により、オーバコート層601及びSOG膜等を形成してよいことは勿論である。このようにしても、平坦化が期待できることに変わりはなく、むしろより確実に平坦化面を得られることも考えられるからである。
【0085】
(第3実施形態)
以下では、本発明の第3実施形態について図6を参照して説明する。図6は、図4と同趣旨の図であって、該図4とは異なる形態となる拡大断面図である。図6に示す電気光学装置において、図4と異なるのは、遮光膜500の上層として、カラーフィルタ800を備えた点、並びに該カラーフィルタ800の上層としてオーバコート層602を備えた点にある。
【0086】
カラーフィルタ800は、図6に示すように、R、G及びBにそれぞれ着色された高分子材料等からなり、各色が各画素に対応するように形成される。このカラーフィルタ800は、例えばフォトリソグラフィ技術を応用してR、G及びBそれぞれの着色層のパターンを得る染色法や顔料分散法、また、着色パターンをそれぞれ印刷と電着により得る印刷法や電着法等により形成すればよい。そして、このようなカラーフィルタ800の存在により、画素毎に対応したRGB各色の表示が可能となり、電気光学装置全体としてカラー画像の表示が可能となる。
【0087】
なお、図6に示すカラーフィルタ800にあっては、隣接するR及びG、G及びB、B及びRが、互いに重なり合うように形成されていることがわかる。このような構成によれば、R、G及びBの各色のカラーフィルタが、いわば隔離された状態で形成される一般的なタイプに比べ、より小さい面積で同様の機能を発揮するカラーフィルタを形成することができ、電気光学装置の微細化に対応することができる。
【0088】
このようなカラーフィルタ800を備える電気光学装置において、遮光膜500は、図6に示すように、R、G及びBの各色の境界線に該当する箇所に配置される。このような配置関係により、混色の防止が図られ、より鮮明な画像を得ることができる。
【0089】
また、第3実施形態におけるカラーフィルタ800は、図6に示すように、第2実施形態で述べた遮光膜500の対向基板本体20Rに対する埋め込みによって平坦化された面の上に形成されることから、該カラーフィルタ800も、ほぼ平坦に形成することが可能となる。
【0090】
このことは、遮光膜を形成することにより、対向基板本体20Rとの関係で段差を生じさせた状態(従来の状態)で、カラーフィルタ800の形成後、オーバコート層602を形成すること、あるいは該オーバコート層602に対して更に平坦化処理を実施することを仮に想定すると、本形態の方がより有利であることを意味する。すなわち、すでにほぼ平坦化が実現されているカラーフィルタ800上にオーバコート層602を形成する第3実施形態の場合、該オーバコート層602により規定される面は、従来に比べて、より平坦となることが明らかだからである。むろん、このオーバコート層602に対して、CMP、SOG膜形成等の平坦化処理を更に実施すれば、第3実施形態の方が、従来に比べて、その作業が明らかに効率的かつ容易なものとなる。
【0091】
なお、上記第3実施形態においては、遮光膜500を溝700内に形成する上記第2実施形態を基本として、カラーフィルタ800及びオーバコート層602を設ける形態のみについて説明したが、本発明においては、上記第1実施形態について同様な構成をとることが可能なのは当然である。
【0092】
(第4実施形態)
以下では、本発明の第4実施形態について図7を参照して説明する。図7は、図6と同趣旨の図であって、該図6とは異なる形態となる拡大断面図である。図7に示す電気光学装置において、図6と異なるのは、カラーフィルタ801及びオーバコート層603が、遮光膜500の下層として設けられている点にある。すなわち、図7においては、対向基板本体20Rに対して、まず、カラーフィルタ801及びオーバコート層603が順次形成され、その後に、遮光膜500が形成された形態となっている。さらに、オーバコート層603に対しては、溝702が形成され、遮光膜500は該溝702内に形成されている。なお、オーバコート層603は平坦化処理を経るが、該平坦化処理は、溝702の形成前に行うことも考えられるし、また、後述する製造方法にあるように、溝702を形成した後、該溝702内に遮光膜500を形成すると同時に行うことも考えられる。
【0093】
このような形態であっても、遮光膜に起因した段差に係る弊害を除去することが可能なのは当然である。なお、第4実施形態における「オーバコート層603」は、本発明にいう「層間絶縁膜」の一例に該当すると考えることができる。
【0094】
なお、上記第4実施形態においては、遮光膜500を溝702内に形成する形態としていたが、場合によっては、オーバコート層603に溝702を形成せず、直接に遮光膜500を形成するような、上記第1実施形態に類似する形態としてもよい。
【0095】
(第5実施形態)
以下では、本発明の第5実施形態について図8を参照して説明する。図8は、図4と同趣旨の図であって、該図4とは異なる形態となる拡大断面図である。図8に示す電気光学装置において、図6と異なるのは、マイクロレンズ900を備えた点にある。マイクロレンズ900は、図8に示すように、その上層に設けられたカバーガラス950の下層として、かつ、対向基板本体20Rの面上に形成されている。また、カバーガラス950とマイクロレンズ900ないし対向基板本体20Rとは、適当な接着剤等を含む接着層960でもって、相互に接着されている。ただし、接着層960は、図8に示すように対向基板本体20Rの全面について塗布する必要はなく、場合によっては、その周辺部分にのみ塗布するような構造としてもよい。そして、遮光膜500は、カバーガラス950に形成された溝703内に形成されており、その上層として、対向電極21及び配向膜22が形成されている。
【0096】
このマイクロレンズ900は、図8に示すように、その構成要素の一つ一つ(レンズの一つ一つ)が略ドーム型の形状を有し、これら各要素が各画素に対応するように形成される。このマイクロレンズ900は、例えば、対向基板本体20Rの全面に塗布されたレジストに対し、感光(フォトリソグラフィ)・熱処理等を加えて、これをマトリクス状に配列された略ドーム型のレジスト膜として成形し、これを抗エッチング膜として利用しながら、該レジスト及び対向基板本体20Rの全面に対してエッチングを実施することにより、該対向基板本体20Rの表面上に前記レジストの形状を付与ないし転写すること、等によって形成することが可能である。そして、このようなマイクロレンズ900の存在により、図8中上方より入射する光を、図8中破線で示すように、画素電極9a上の集光領域(不図示)に集光することが可能となるため、入射光の利用効率を高めることが可能となる。
【0097】
このような形態であっても、遮光膜に起因した段差に係る弊害を除去することが可能なのは当然である。なお、第5実施形態における「カバーガラス950」は、本発明にいう「層間絶縁膜」の一例に該当すると考えることができる。なお、マイクロレンズは液晶側に向かって凸レンズを形成しているが、凹レンズでもよいし、凸レンズと凹レンズを貼り合せたものでもよい。
【0098】
(遮光膜の具体的態様)
以下では、上記各実施形態における遮光膜の具体的態様について説明する。この具体的態様として、代表的には、例えば図9乃至図11に示す三つの構成を採用することができる。
【0099】
まず、図9に示すように、単純に一つの材料のみで一層に構成された遮光膜500である。その材質としては、金属クロムCr、カーボンC又はチタンTiをフォトレジストに分散した樹脂ブラックや、ニッケルNi等の金属材料等を考えることができる。
【0100】
次に、図10に示すように、二つの材料により二層に構成された遮光膜501も利用することができる。その材質としては、例えば、金属クロムCrと酸化クロムCrの二層構造等を考えることができる。この場合、遮光膜501は低反射用となり、主に入射した光を吸収することによって遮光機能を発揮することになる。
【0101】
さらに、図11に示すように、三つの材料により三層に構成された遮光膜502も利用することができる。その材質としては、例えば、光入射側から順に、アルミニウムAl、クロムCr及び酸化クロムCrの三層構造等を考えることができる。ちなみに、このような遮光膜502の高さは、例えば、概ね400〜500nm程度となる。
【0102】
このような遮光膜502によれば、入射側をAlとした場合、入射した光の大部分は、まず反射能の非常に高いAlで反射されることになり、遮光膜内、あるいは装置内に、光が吸収されることにより発生する無用な熱の蓄積を生じさせる恐れがなく、また、該Alの層を透過した微弱な光が、Cr及びCrで遮光されることにより、非常に高い遮光機能を得ることができる。
【0103】
なお、上述したような材料の組み合わせとなる三層構造には、非常に高い遮光機能のほかに、その製造が容易であるという利点もある。というのも、高反射材料と低反射材料を組み合わせるというだけであれば、AlとCr等の構成でBMパターンを形成すればよいとも考えられるが、両者の親和性を考えると、その製造は比較的容易でない。したがってまず、Alの基層にCr層を形成し、その後このCr層を酸化してCr層を形成すれば、より簡易かつ確実に高反射型及び低反射型を併せ持つ遮光膜の製造が可能となるのである。
【0104】
いずれにしても、本発明は、一層のみからなる遮光膜500について適用することが可能であることは勿論(図1及び図2等参照)、多層化された遮光膜501及び502を利用するような形態であっても、当然に適用可能である。むしろ、多層化された遮光膜501及び502の高さは、一層のみからなる遮光膜500の高さよりも一般に大きくなるから、遮光膜形成に起因する段差に係る弊害を除去可能であるという本発明の効果は、より顕著になるということができる。
【0105】
(電気光学装置の回路構成及び動作、並びに画素部における詳細な構成)
以下では、以上述べたような電気光学装置について、その回路構成及び動作、並びに画素部における構成について、図12並びに図13及び図14を参照しつつ説明する。
【0106】
図12は、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路を示す回路図である。
【0107】
図12において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給するようにしてもよいし、また、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0108】
また、TFT30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
【0109】
画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
【0110】
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。走査線3aに並んで、蓄積容量70の固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量線300が設けられている。
【0111】
次に、本実施形態における電気光学装置の画素部における構成について、図13及び図14を参照して説明する。図13は、データ線、走査線及び画素電極等が形成された電気光学装置の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図14は、図13のA−A´断面図である。なお、図14においては、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
【0112】
図13及び図14において、電気光学装置は、すでに言及したTFTアレイ基板10及び対向基板20を備えている。TFTアレイ基板本体10Rは、例えば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板からなり、対向基板本体20Rは、例えばガラス基板や石英基板からなる。
【0113】
図13において、電気光学装置のTFTアレイ基板10には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点線部9a´によって輪郭が示されている。)が設けられており、画素電極9aの縦横の境界にそれぞれ沿ってデータ線6a及び走査線3aが設けられている。
【0114】
このうち走査線3aは、半導体層1aのうち図13中右上がりの斜線領域で示したチャネル領域1a´に対向するように配置されており、走査線3aはゲート電極として機能する。このように、走査線3aとデータ線6aとの交差する箇所にはそれぞれ、チャネル領域1a´にゲート電極としての走査線3aが対向配置される、画素スイッチング用のTFT30が設けられている。TFT30は、図14に示すように、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、その構成要素としては、走査線3a、例えばポリシリコン膜からなり、走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a´、該走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、半導体層1aにおける低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えている。
【0115】
また、図13において走査線3aに交差するように設けられるデータ線6aは、図14に示すように、コンタクトホール81を介して、前記高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。なお、後述する中継層71と同一膜からなる中継層を形成し、当該中継層及び2つのコンタクトホールを介して、データ線6aと高濃度ソース領域1dとを電気的に接続してもよい。
【0116】
一方、図14においては、蓄積容量70が、TFT30の高濃度ドレイン領域1e及び画素電極9aに接続された画素電位側容量電極としての中継層71と、固定電位側容量電極としての容量線300の一部とが、誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。
【0117】
このうち容量線300は、平面的に見て走査線3aに沿ってストライプ状に延びており、TFT30に重なる箇所が図13中上下に突出している。このような容量線300は、好ましくは高融点金属を含む導電性遮光膜からなり、蓄積容量70の固定電位側容量電極としての機能のほか、TFT30の上側において入射光からTFT30を遮光する遮光層としての機能をもつ。また、容量線300は、好ましくは、画素電極9aが配置された画像表示領域10aからその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続されて、固定電位とされる。このような定電位源としては、データ線駆動回路101に供給される正電源や負電源の定電位源でもよいし、対向基板20の対向電極21に供給される定電位でも構わない。
【0118】
さて他方、画素電極9aは、液晶層50に対して所定の電圧を印加するための一方の電極であって、図14に示すように、上述した中継層71を中継することにより、コンタクトホール83及び85を介して半導体層1aのうち高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。画素電極9aは、例えばITO膜等の透明性導電性膜からなる。
【0119】
また、画素電極9aの上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。配向膜16は、例えばポリイミド膜等の透明な有機膜からなる。
【0120】
図13及び図14においては、上記のほか、TFT30の下側に、下側遮光膜11aが設けられている。下側遮光膜11aは、格子状にパターニングされており、これにより各画素の開口領域を規定している。また、開口領域の規定は、図13中縦方向に延びるデータ線6aと図13中横方向に延びる容量線300とが相交差して形成されることによっても、なされている。
【0121】
また、TFT30下には、下地絶縁膜12が設けられている。下地絶縁膜12は、下側遮光膜11aからTFT30を層間絶縁する機能のほか、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用のTFT30の特性変化を防止する機能を有する。
【0122】
さらに、走査線3a上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール83がそれぞれ開孔された第1層間絶縁膜41が形成されている。
【0123】
第1層間絶縁膜41上には、中継層71及び容量線300が形成されており、これらの上には高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール81及び中継層71へ通じるコンタクトホール85がそれぞれ開孔された第2層間絶縁膜42が形成されている。
【0124】
第2層間絶縁膜42上には、データ線6aが形成されており、これらの上には中継層71へ通じるコンタクトホール85が形成された平坦化した第3層間絶縁膜43が形成されている。
【0125】
なお、第3層間絶縁膜43の表面は、CMP処理等により平坦化されており、その下方に存在する各種配線や素子等による段差に起因する液晶層50の配向不良を低減する。
【0126】
他方、対向基板20には、その全面に渡って対向電極21が設けられており、その下側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は、例えばITO膜等の透明導電成膜からなる。また、配向膜22は、ポリイミド膜等の透明な有機膜からなる。
【0127】
更に、対向基板20側には、上述の対向電極21及び配向膜22の下層として、前述の如く格子状の遮光膜500が形成されている。なお、すでに述べたように、遮光膜500は格子状である必要はなく、例えば、走査線3aに沿ったストライプ状とされてもよい。
【0128】
そして、本実施形態においては、この遮光膜500が、上述したように、対向基板本体20R、あるいは該本体20R上に形成される、例えばオーバコート層603(第4実施形態、図7参照)、カバーガラス950(第5実施形態、図8参照)等の層間絶縁膜に対して、埋め込まれた形態をとる。なお、図14においては特に、対向基板本体20Rに対して溝700を形成し、該溝700に対して遮光膜500が埋め込まれた形態が示されている(上記した第2実施形態に該当する。)。このような形態となることから、本実施形態においては、遮光膜形成に起因する段差に係る弊害を被ることがない。
【0129】
(製造方法)
以下では、上記第2実施形態に係る電気光学装置の製造方法について図15に示すフローチャート、並びに図16及び図17等を参照しつつ説明する。
【0130】
まず、対向基板本体20Rを用意し、その表面を適当な方法により洗浄・乾燥した後、当該表面に、所定のパターン形状を有する溝700を形成する(ステップS11)。この溝700の形成には、例えばフォトリソグラフィ法等を利用すればよい。
【0131】
すなわち、図16に示すように、対向基板本体20R上にフォトレジスト711を塗布してプリベークした後(図16(a))、形成しようとする溝700と同一のパターンが形成されたフォトマスク712を介して紫外線等により露光を行う(図16(b))。ここに、「溝700と同一のパターン」とは、本実施形態において、上述したように、例えば格子状のパターンである。続いて、感光部分の除去、すなわち現像を行い、ポストベークを行って残存するレジスト711の硬化を行う(図16(c))。最後に、このレジスト711をマスクとしたパターンエッチングを行った後レジスト711を除去すれば、所定のパターンを有する溝700が形成される(図16(d))。なお、いま述べた手法は、ポジ型であるが、ネガ型を利用しても何ら問題のないことは言うまでもない。
【0132】
再び図15において次に、溝700を形成した対向基板本体20Rに対して、遮光膜500を形成する(ステップS12)。この遮光膜500の形成は、例えばスパッタリング法等を利用して、溝700の形成部分及び溝700の形成されない部分にかかわらず、対向基板本体20R全面に遮光膜を形成した後、溝700の形成されていない部分については、図16で説明したようなフォトリソグラフィ法等により遮光膜を除去する、等の工程によって、これを行うようにすればよい。
【0133】
ここで、本実施形態においては、溝700のみに遮光膜500を形成する(ないしは残存させる)方法として、上記フォトリソグラフィ法よりも、はるかに効果的な方法を利用することを提案する。その方法としては、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法をあげることができる(ステップS12参照)。ここに、CMPとは、基板と研磨布(パッド)の両者を回転等させながら、それぞれの表面同士を当接させるとともに、該当接部位に研磨液(スラリー)を供給することによって、基板表面を、機械的作用と化学作用の兼ね合いにより研磨し、当該表面を平坦化する技術である。
【0134】
このような方法によれば、図17に示すように、第1次的に対向基板本体20R全面に形成された遮光膜500Aを研磨し(図17(a))、第2次的に、溝700の形成部分を除く対向基板本体20Rの表面20Ra及び溝700内の遮光膜500Aを研磨する(図17(b))ことで、最終的に、溝700内のみに遮光膜500が形成される形態、ないしは、遮光膜500が溝700に埋め込まれた形態とすることができる。また、それのみならず、このような方法によれば、遮光膜500が埋め込まれた対向基板本体20Rに関し、その表面を極めて平坦にすることが可能となる(このような平坦化処理は、「CMPによるダマシン法」ということができる。)。
【0135】
なお、遮光膜500の溝700に対する、隙間のない完全な埋め込みを達成するためには、例えばリフロー処理等を併せて実施することが考えられる。
【0136】
また、平坦化を図る処理としては、上記CMPのほか、SOG(Spin On Glass)膜の形成等によってもよい。ここに、SOGとは、基板を回転させながら液体状の適当な有機材等を塗布することにより、液体のもつ水平面を現出させ、これを固化させることで平坦化面を得ることの可能な技術である。
【0137】
さらに、遮光膜500を、図5で説明したように、溝700との間で隙間が生じるような形で形成する場合には、すでに述べたように、その上層として、オーバコート層601を形成するか、あるいはオーバコート層601を形成した後SOG膜を形成するとよい。
【0138】
その他、遮光膜500を埋め込んだ対向基板本体20Rに関し、その表面に対する平坦化を実現するためには、上記各種の手法を組み合わせる(例えば、オーバコート層601を形成後に、CMPを実施する等)こと等も可能である。
【0139】
いずれにせよ、本発明は、これらのような形態、あるいはその他エッチバック法等その他の平坦化処理を用いる形態であっても、基本的にその範囲内に収めるものである。
【0140】
なお、遮光膜を図10又は図11に示したように多層化する場合には、スパッタリング工程において、各層の厚さが所望の値となるよう、適当なプロセス制御(例えば、スパッタリング時間の制御等)を行いながら、第一層、第二層、…と順次積層していき、その後に、上記各種の平坦化処理を実施する、等とすればよい。
【0141】
以上のようにして、対向基板本体20Rに埋め込まれた形の遮光膜500が形成され、その全面に関する平坦化処理工程が完了したら、その上層として、対向電極21を形成する(ステップS13)。この対向電極21の形成は、ITOターゲットを用いたスパッタリング法等を用いて実施すればよい。その厚さは、約50〜200nm程度とするとよい。
【0142】
このように形成された対向電極21は、すでに述べたように、その全面が平坦であるから、段差によるクラック等の発生する余地がない。
【0143】
また、対向電極21を形成した後は、その上層として配向膜22を形成する(ステップS14)。この配向膜22の形成は、例えばフレキソ印刷法により配向膜材料(例えば、ポリアミック酸、可溶性ポリイミド等)を塗布した後、この印刷形成された配向膜材料について仮焼成及び本焼成を行い、最後にラビング処理を実施する、等の順に沿って行えばよい。
【0144】
ここで、ラビング処理とは、回転金属ローラ等に巻き付けたバフ布で、焼成後の配向膜22表面を一定方向に擦る処理をいう。これにより、配向膜ポリイミドのポリマー主鎖がラビング方向に延伸され、この延伸方向に沿って液晶層50における液晶分布が配列することにより、該液晶分布の配向方位を所定の方向に揃えることが可能となる。なお、ラビング処理が終了した後には、配向膜22面に付着しているバフ布からの繊維の切片や配向膜22自体から発生した削り滓を除去するため、超純水中に基板を浸し、超音波洗浄した後に、水切りのためのイソプロピルアルコールの蒸気に曝して乾燥する。
【0145】
ここで、本実施形態によれば、このラビング処理を、配向膜22の全面に関して均一に行うことができる。というのも、当該配向膜22は、平坦化処理が施された対向基板本体20R及び遮光膜500、並びにその上層たる対向電極21、の上層として形成されるため、該配向膜22もまた、その全面が平坦だからである。
【0146】
以上により、対向基板20側の製造が終了する。
【0147】
一方、TFTアレイ基板10側の製造及び電気光学装置の製造は、図18に示すフローチャートのように行われる。
【0148】
すなわちまず、TFTアレイ基板本体10Rとして、例えば石英基板、ガラス基板、又はシリコン基板を用意し、適当な洗浄・乾燥処理をする(ステップS21)。次に、該基板本体10R上に、図14等に示したTFT30、蓄積容量70等の各種素子及び配線、並びに層間絶縁膜41、42及び43等を形成する(ステップS22)。そして、画素電極9a及び配向膜16を形成(ステップS23)して、TFTアレイ基板10側の製造が終了する。
【0149】
以上のように各層が形成されたTFTアレイ基板10及び対向基板20を準備したら、これらTFTアレイ基板10と対向基板20とが、上下それぞれに形成された配向膜16及び22が対面するように、図1及び図2において示されるシール材52により貼り合わされる(ステップS24)。なお、この際、二枚の基板10及び20間には、その間隔を全面において所定の値に維持するため、図示しないスペーサ(不図示)が散布される。次に、TFTアレイ基板10と対向基板20との間に、例えば複数種類のネマティック液晶を混合してなる液晶を注入する(ステップS25)。これは例えば、真空吸引等により行えばよい。
【0150】
以上により、電気光学装置の完成をみる。
【0151】
(電子機器の実施形態)
次に、以上詳細に説明した液晶装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例たる投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに、図19は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
【0152】
図19において、本実施形態における投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置を含む液晶モジュールを3個用意し、それぞれRGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロックミラー1108によって、RGBの三原色に対応する光成分R、G及びGに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bにそれぞれ導かれる。この際特に、B光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bによりそれぞれ変調された三原色に対応する光成分は、ダイクロックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0153】
この他、電子機器としては、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等の各種電子機器を実現することが可能である。
【0154】
なお、上記各種実施形態においては、アクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置を例にとった説明を行ったが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではない。すなわち、電気光学物質に電圧を印加する電極の形態として、二枚の基板の双方に、ストライプ状の電極を形成するとともに、これらが交差するように該二枚の基板を対向させた構造を有する、いわゆる単純マトリクス駆動方式の電気光学装置に対しても、本発明の適用が可能であることは言うまでもない。また、アクティブマトリクス駆動方式の一種であるが、上述したTFT30を用いる形態ではなく、TFDを用いる形態にあっても、本発明が適用可能である。さらに、本発明は、一対の基板の一方について配向膜を備えない電気光学装置、例えば、EL装置や電気泳動装置、あるいは同じく電極を備えない電気光学装置に対しても適用可能である。
【0155】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の電気光学装置におけるTFTアレイ基板を、その上に形成された各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図である。
【図2】 図1のH−H´断面図である。
【図3】 図2における符号CRを付した円内部分を拡大して示す拡大断面図である。
【図4】 図3と同趣旨の拡大断面図であって、対向基板本体に溝を形成し該溝に遮光膜を形成した態様を示す図である。
【図5】 図4と同趣旨の拡大断面図であって、溝と遮光膜との間に隙間が生じている態様を示す図である。
【図6】 図4と同趣旨の拡大断面図であって、遮光膜の上層として、カラーフィルタ及びオーバコート層を更に設けた態様を示す図である。
【図7】 図4と同趣旨の拡大断面図であって、遮光膜の下層として、カラーフィルタ及びオーバコート層を更に設けた態様を示す図である。
【図8】 図4と同趣旨の拡大断面図であって、遮光膜の下層として、マイクロレンズ及びカバーガラスを更に設けた態様を示す図である。
【図9】 遮光膜の具体的態様を示す図であって、一つの材料で一層のみの構造となる遮光膜を示すものである。
【図10】 遮光膜の具体的態様を示す図であって、二つの材料で二層構造となる遮光膜を示すものである。
【図11】 遮光膜の具体的態様を示す図であって、三つの材料で三層構造となる遮光膜を示すものである。
【図12】 本発明の実施形態の電気光学装置における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路を示す回路図である。
【図13】 本発明の実施形態の電気光学装置におけるデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図14】 図13のA−A´断面図である。
【図15】 本実施形態に係る電気光学装置の対向基板側の製造工程を示すフローチャートである。
【図16】 対向基板本体に溝を形成する工程を説明する図である。
【図17】溝が形成された対向基板本体全面に遮光膜を形成し、該溝にのみ遮光膜を残すとともに、平坦化(CMP)を行う工程を説明する図である。
【図18】 本実施形態に係る電気光学装置のTFTアレイ基板側の製造工程及び該電気光学装置全体の製造工程を示すフローチャートである。
【図19】 本発明の電子機器の実施形態である投射型カラー表示装置の一例たるカラー液晶プロジェクタを示す図式的断面図である。
【符号の説明】
1a…半導体層
1a´…チャネル領域
1b…低濃度ソース領域
1c…低濃度ドレイン領域
1d…高濃度ソース領域
1e…高濃度ドレイン領域
2…絶縁膜
3a…走査線
6a…データ線
9a…画素電極
10…TFTアレイ基板
10R…TFTアレイ基板本体
11a…下側遮光膜
16…配向膜
20…対向基板
20R…対向基板本体
21…対向電極
22…配向膜
23…遮光膜
30…TFT
50…液晶層
52…シール材
53…額縁
70…蓄積容量
81、82、83、85…コンタクトホール
101…データ線駆動回路
102…外部回路接続端子
104…走査線駆動回路
105…配線
106…導通材
500、501、502…遮光膜
600、601、602、603…オーバコート層
700、701、702、703…溝
800、801…カラーフィルタ
900…マイクロレンズ
950…カバーガラス

Claims (4)

  1. 一対の基板と、
    前記一対の基板間に挟持された電気光学物質と、
    前記一対の基板のうち一方の基板上には、前記電気光学物質に対向する表面側に所定パターンで設けられる遮光膜と、
    前記一対の基板のうち他方の基板上には、前記電気光学物質に対向する表面側に画素電極と、
    前記画素電極に対応して設けられたスイッチング素子とを備え、
    前記一方の基板には溝が形成されており、
    前記遮光膜の上はオーバコート層により平坦化されており、
    前記遮光膜は、前記溝内に該溝により生じた段差と重ならないように形成されてなることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記遮光膜は、アルミニウムからなる層、クロムからなる層及び酸化クロムからなる層の3層構造であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記一方の基板上には、前記電気光学物質に対向する側の表面上に、前記画素電極に対向する対向電極を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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