JP4956903B2 - マイクロレンズ基板及びその製造方法、電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

マイクロレンズ基板及びその製造方法、電気光学装置及びその製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置に用いられるマイクロレンズ基板及びその製造方法、該マイクロレンズ基板を備えた電気光学装置及びその製造方法、並びに該電気光学装置を具備してなる電子機器の技術分野に関する。
この種のマイクロレンズ基板は、例えば、夫々レンズ曲面を有する複数の凹部がアレイ状に作り込まれた透明基板を有し、該透明基板の複数の凹部に、透明基板より高屈折率の透明樹脂を充填して、該透明樹脂により接着層が形成されると共に、該接着層を介して透明基板にカバー基板を接着させることにより構成されている。この場合、各凹部に充填された接着層によりマイクロレンズが形成される。
このようなマイクロレンズ基板は、例えば、電気光学装置として、プロジェクタのライトバルブを構成する液晶装置において、対向基板として用いられる。この対向基板は、液晶装置において、配向膜や表示用電極等が作りこまれたTFTアレイ基板と対向配置され、対向基板とTFTアレイ基板との間に電気光学物質として液晶が挟持される。電気光学物質と対向する側の対向基板上には、遮光膜や対向電極、配向膜等が形成される。
そして、液晶装置における画像表示時、液晶装置に入射される投射光等の光は、例えば、マイクロレンズ基板における透明基板に入射して、透明基板よりマイクロレンズに入射し、マイクロレンズによって集光される。このように集光された光は、更に、各画素の開口領域において、カバー基板を通過して、該カバー基板上に形成された対向電極等を通過し、液晶に入射される。
ここで、特許文献1によれば、このような液晶装置において、配向膜の表面に、遮光膜の存在に起因する段差が生じるのを防止するために、カバー基板上で、液晶と面する側と反対側に遮光膜を形成すると共に、液晶に面する側に配向膜を形成する。これにより、配向膜に対するラビング処理において、配向不良箇所が発生するのを防止する。
また、特許文献2によれば、マイクロレンズ基板において、カバー基板の代わりに、マイクロレンズを形成する透明樹脂の表面を、中間層を介して覆うように、バリア層を形成することにより、マイクロレンズ基板の製造を容易にし、且つ製造コストを削減する技術が開示されている。
特開2004−163745号公報 特開2003−177212号公報
上述したような液晶装置に配置されたマイクロレンズ基板では、マイクロレンズによって集光された光は、夫々互いに屈折率が異なる、カバー基板や対向電極等の複数の層を通過して、液晶に入射されることとなる。このため、屈折率が相互に異なる層の界面を通過する際に、光の損失が生じ、加えて、このような光学界面を多数通過することで、光の損失が増加する。その結果、電気光学装置において、光の利用効率が低下することにより、各画素の透過率も低下し、表示画像の品質が劣化する恐れがある。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、光の利用効率を向上させることが可能なマイクロレンズ基板の製造方法、該製造方法により製造されるマイクロレンズ基板、該マイクロレンズ基板を備えた電気光学装置及び該電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
本発明のマイクロレンズ基板の製造方法は上記課題を解決するために、透明部材より形成される第1基板に、複数のマイクロレンズの各々のレンズ曲面をアレイ状に形成する第1工程と、第2基板上に電極を形成する第2工程と、前記レンズ曲面及び前記電極が相互に対向するように、接着層を介して前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせる第3工程と、該第3工程より後に、前記第2基板を除去して、前記電極を露出させる第4工程とを含む。
本発明のマイクロレンズ基板の製造方法によれば、第1工程では、石英やガラス等の透明部材により形成される第1基板に、夫々マイクロレンズのレンズ曲面を有する複数の凹部若しくは凸部を、アレイ状に形成する。より具体的には、第1基板における複数の凹部の形成は、例えば、次のような手順によって行う。即ち、第1基板上にマスクを形成し、該マスクにおいて、第1基板の凹部の形成位置に対応する箇所に、例えばフォトリソグラフィ法を用いたパターニングにより、開口部を形成する。続いて、複数の開口部が形成されたマスクを介して、第1基板に対して等方性エッチングを施すことにより、複数の凹部を形成する。
他方、第1基板に複数の凸部を形成する場合は、例えば、次のような手順による。即ち、第1基板に形成される凸部に対応する形状を有するレジストを介して、第1基板に対して、例えばドライエッチング法を施すことにより、レジストの形状を第1基板に転写することで、第1基板に凸部を形成する。
また、第1工程と並行して又は相前後して、第2工程を行い、第2基板上に、例えばITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムと酸化錫の混合物)を材料として、例えばスパッタ法により、電極を形成する。尚、電極のほか、第2基板上には、カラーフィルタや遮光膜等を形成するようにしてもよい。この際、変形等の不具合が生じない、例えばガラス等の透明部材により、第2基板は形成されるのが好ましい。第2基板を形成する部材としては、透明なものに限られない。
第1工程及び第2工程の後に、第3工程では、第1基板においてレンズ曲面が形成された側の面と、第2基板において電極等が形成された側の面とを対向させて、アライメントし、接着層により第1及び第2基板を貼り合わせる。この際、第1及び第2基板のいずれか一方において、他方の基板と対向することになる側の面上に、例えば透明樹脂により形成される接着剤を塗布し、該接着剤を硬化させることにより、接着層を形成して、第1及び第2基板を貼り合わせる。
ここで、第1基板に複数の凹部を形成する場合には、接着層は、第1基板より高屈折率の材料により形成するのが好ましい。この場合、第1及び第2基板が互いに貼り合わされた状態で、複数の凹部には接着層が充填されて形成されている。この状態で、各凹部に充填された接着層により、複数のマイクロレンズは夫々例えば平凸状のレンズとして形成されることとなる。
他方、第1基板に複数の凸部を形成する場合には、接着層は、第1基板より低屈折率の材料により形成するのが好ましい。この場合、第1及び第2基板が互いに貼り合わされた状態で、複数の凸部の各々のレンズ曲面は接着層によって覆われた状態となる。この状態で、各凸部により、複数のマイクロレンズは夫々例えば平凸状のレンズとして形成されることとなる。
その後、第4工程において、第2基板に対して、例えばウエットエッチング法によりエッチングを施すことにより、第2基板を除去して、電極を露出させることにより、マイクロレンズ基板を形成する。第2基板は、このように、第4工程において例えばエッチング除去されるため、第4工程より後、マイクロレンズ基板を対向基板として用いて、電気光学装置を製造するような場合でも、該電気光学装置の製造に係る各工程には何ら関与しない。よって、このような、例えば電気光学装置の製造に係る工程を考慮することなく、第2基板を安価な材料により形成することが可能となる。これにより、マイクロレンズ基板の製造に要するコストも削減することが可能となる。尚、第4工程では、例えば、第2基板に対してCMP(化学的機械研磨)処理を行うことにより、第2基板を除去するようにしてもよい。
以上説明したような、本発明の製造方法により形成されたマイクロレンズ基板は、カバー基板を備えておらず、第1基板上において、レンズ曲面を覆うように形成された接着層より上層側に、電極が形成されている。このマイクロレンズ基板を、例えば、電気光学装置の一例である液晶装置において対向基板として配置する場合、電気光学装置の画像表示時、電気光学装置に入射される投射光等の光は、例えば、マイクロレンズ基板における第1基板に入射して、第1基板よりマイクロレンズに入射し、マイクロレンズによって集光される。このように集光された光は、更に、各画素の開口領域において、電極を通過して、マイクロレンズ基板より出射した後、電気光学物質の一例である液晶に入射される。
従って、本発明の製造方法により形成されたマイクロレンズ基板によれば、既に説明したような、カバー基板を有するマイクロレンズ基板であって、該マイクロレンズ基板上に対向電極等が形成された状態と比較して、マイクロレンズ基板において、互いに屈折率の異なる層の界面、即ち光学界面の数を減らすことが可能となる。よって、マイクロレンズによって集光された投射光等の光が、マイクロレンズ基板において、複数の光学界面を通過することにより生じる光の損失を、減少させることが可能となる。その結果、電気光学装置における、光の利用効率を向上させることが可能となる。従って、各画素の光の透過率を向上させて、高品質な画像表示を行うことが可能となる。
本発明のマイクロレンズ基板の製造方法の一態様では、前記第2工程より後であって前記第3工程より前に、前記第2基板上に、前記電極より上層側に遮光膜を形成する工程を更に含む。
この態様によれば、遮光膜を形成する工程では、第2基板上に、例えば、金属材料を用いてスパッタ法により、遮光膜を成膜し、これをフォトリソグラフィ法及びエッチング法によりパターニングして、平面的に見て格子状或いはストライプ状の遮光膜を形成する。これにより、遮光膜は、第2基板上において、電極より上層側に形成されるため、第3工程を行って、第1及び第2基板を貼り合わせた状態で、第1基板上で、電極より下層側に配置されることとなる。よって、第4工程において、第2基板を除去して、電極を露出させた状態で、露出した電極表面において良好な平坦性を得ることができる。
従って、このように製造したマイクロレンズ基板を対向基板として用いて、電気光学装置を製造する場合、マイクロレンズ基板上において、平坦な電極の表面上に配向膜を形成することができるため、該配向膜の表面においても良好な平坦性を確保することが可能となる。よって、配向膜の表面に対するラビング処理において、配向不良箇所が発生するのを防止することができる。
本発明のマイクロレンズ基板の製造方法の他の態様では、前記第4工程では、前記第2基板に対してエッチングを施すことにより、前記第2基板を除去する。
この態様によれば、第4工程において、エッチング時間を制御して、第2基板に対してエッチングを施すことにより、電極が損傷するのを防止して、第2基板のみを除去することができる。
この、第4工程において、第2基板をエッチングにより除去する態様では、前記第4工程では、前記エッチングをウエットエッチング法により行うように製造してもよい。
このように製造すれば、第4工程において、エッチャントに第2基板を溶解させることで、第2基板を除去することが可能となる。ここで、第2基板と比較して電極のエッチングレートが小さくなるようなエッチャントを用いることにより、電極において、エッチャントに対する耐性を得ることが可能となる。よって、第4工程において、第2基板を除去する際、電極を、第1基板上において、該電極より下層側に位置する、接着層や遮光膜等を保護する保護膜として機能させることが可能となる。また、この際、エッチング時間を厳密に制御しなくても、電極が損傷するのを防止して、第2基板のみを除去することが可能となる。よって、エッチング時間の制御に要する手間が煩雑となるのを防止して、容易にマイクロレンズ基板を製造することが可能となる。
この、第4工程におけるエッチングをウエットエッチング法により行う態様では、前記第4工程では、前記ウエットエッチング法は、前記電極のエッチングレートが前記第2基板と比較して小さくなるようなエッチャントを用いて行うように製造してもよい。
このように製造すれば、第2基板を除去する際、電極を、第1基板上において、該電極より下層側に位置する、接着層や遮光膜等を保護する保護膜として機能させると共に、エッチング時間の制御に要する手間が煩雑となるのを防止することができる。
この、第4工程でウエットエッチング法を行う態様では、前記第4工程では、前記エッチャントとしてフッ酸を用いるように製造してもよい。
このように製造すれば、第2基板をガラス基板により形成することにより、第4工程で、フッ酸に第2基板を溶解させて除去することが可能となる。よって、第2基板を、例えば安価なガラスを材料として形成することができる。
この、第4工程におけるウエットエッチング法をフッ酸を用いて行う態様では、前記第2工程では、前記電極をITOにより形成するように製造してもよい。
このように製造すれば、フッ酸を用いてウエットエッチング法を行う際、電極のエッチングレートを、例えばガラス基板により形成される第2基板より小さくすることが可能となる。よって、電極において、エッチャントとして用いられるフッ酸に対する耐性を得ることができる。
本発明のマイクロレンズ基板の製造方法の他の態様では、前記第3工程より後であって前記第4工程より前に、互いに貼り合わされた前記第1基板及び前記第2基板の側面に、保護膜を形成する工程を更に含む。
この態様によれば、互いに貼り合わされた第1及び第2基板の側面側に露出した接着層の一部や、第1基板の側面を、保護膜によって保護することにより、これらが、第4工程において、第2基板を除去する際に、例えばウエットエッチング法で用いられるエッチャントに曝されて、損傷するのを防止することが可能となる。
本発明の電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、上述した本発明に係るマイクロレンズ基板の製造方法(但し、その各種態様を含む)における前記第1工程乃至第4工程を含むマイクロレンズ基板の製造工程と、前記マイクロレンズ基板の製造工程により製造されたマイクロレンズ基板に、表示用電極と該表示用電極に電気的に接続された配線及び電子素子の少なくとも一方とを備えた基板を貼り合せる工程とを備える。
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、マイクロレンズ基板の製造工程は、上述した本発明に係るマイクロレンズ基板の製造方法における第1工程乃至第4工程を含むので、光の利用効率に優れており高品質な画像表示を行う電気光学装置を製造することが可能となる。
本発明のマイクロレンズ基板は上記課題を解決するために、透明部材により形成され、複数のマイクロレンズの各々のレンズ曲面がアレイ状に形成された第1基板と、該第1基板上に、前記レンズ曲面覆うように形成された接着層と、該接着層上に該接着層と接するように形成された電極と、該電極前記接着層との対向面に形成された遮光層とを備える。

本発明のマイクロレンズ基板によれば、上述した本発明のマイクロレンズ基板の製造方法と同様に、マイクロレンズ基板を対向基板として、電気光学装置に設置する場合、光の利用効率を向上させることが可能となる。また、マイクロレンズ基板上において、電極上に形成された配向膜の表面において良好な平坦性を確保することが可能となるため、配向膜の表面に対するラビング処理において、配向不良箇所が発生するのを防止することができる。その結果、電気光学装置において、高品質な画像表示を行うことが可能となる。
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、上述した本発明のマイクロレンズ基板と、前記電極と対向する表示用電極と、該表示用電極に電気的に接続された配線及び電子素子の少なくとも一方とを備える。
本発明の電気光学装置によれば、上述した本発明のマイクロレンズ基板を備えるので、高品質な画像表示を行うことが可能となる。尚、このような電気光学装置は、各画素毎に「表示用電極」として配置された島状の画素電極に、走査線、データ線等の配線や薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下適宜、”TFT”と称する)、薄膜ダイオード(Thin Film Diode;以下適宜、”TFD”と称する)の電子素子が接続されてなるアクティブマトリクス駆動型液晶装置等の電気光学装置として構築される。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を具備する。
本発明の電子機器は、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品質な画像表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置、電子放出装置(Field Emission Display及びConduction Electron-Emitter Display)、これら電気泳動装置、電子放出装置を用いた装置としてDLP(Digital Light Processing)等を実現することも可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
<1:マイクロレンズ基板>
先ず、本発明のマイクロレンズ基板について、図1及び図2を参照して説明する。
ここに、図1(a)は、マイクロレンズ基板の概略斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A’断面部分の構成について示す概略斜視図である。また、図2(a)は、本実施形態のマイクロレンズ基板のうち4つのマイクロレンズに係る部分を拡大して示す部分拡大平面図であり、図2(b)は、本実施形態のマイクロレンズ基板の部分拡大断面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態のマイクロレンズ基板20は、例えば石英板やガラス板等の透明部材からなる第1基板210と、該第1基板210に後述するように接着層230によって接着された、電極21とを含む。電極21は、例えばITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムと酸化錫の混合物)等の透明導電性膜により形成されている。また、電極21における接着層230と対向する側に、図2(b)に示すように遮光膜23が形成されている。尚、図1(a)及び図1(b)においては、このような、第1基板210上において、接着層230より上層側であって、電極21より下層側の詳細な構成、例えば遮光膜23については図示を省略してある。
本実施形態において、マイクロレンズ基板20のレンズ形成領域20aには、以下のようにアレイ状に平面配列された多数のマイクロレンズ500が形成されている。図1(b)において、第1基板210には、アレイ状に多数の凹状の窪み、即ち凹部が掘られている。各凹部には、電極21を第1基板210に接着する、例えば感光性樹脂材料からなる接着剤が硬化してなる、第1基板210よりも高屈折率の透明な接着層230が充填されている。そして、各凹部に充填された接着層230によって、マイクロレンズ500が形成されている。
図2(b)に示すように、各マイクロレンズ500の曲面は、相互に屈折率が異なる第1基板210と接着層230とにより概ね規定されている。より具体的には、各凹部は、マイクロレンズ500のレンズ曲面を規定している。そして、各マイクロレンズ500は、例えば凹部によって規定されるレンズ曲面を有する平凸状のレンズとして構築されている。
尚、本実施形態では、図2(a)及び図2(b)に示す凹部は、それが規定する球面又は非球面であるレンズ曲面が、隣接する凹部が規定するレンズ曲面と、接するように形成されてもよいし、交わるように形成されてもよい。後者の如くレンズ曲面が交わるように形成すれば、各マイクロレンズ500においてレンズとして有効な領域を広くとることが可能となる。理想的には、各マイクロレンズ500のコーナー部501(図2(a)参照)において、4つのレンズ曲面が交わるようにすれば、各マイクロレンズ500の隅々にまで、集光機能を与えることが可能となり、光の利用効率を最大限に高めることが可能となる。
マイクロレンズ基板20は、後述するように、液晶装置等の電気光学装置において対向基板として用いられ、各画素に対応させて、マイクロレンズ500が配置されると共に、電極21は、画素電極と対向させて、対向電極として配置される。また、遮光膜23は、第1基板210上において、例えば、平面的に見て、格子状或いはストライプ状のパターンとして形成される。尚、第1基板210上であって、電極21において接着層230と対向する側に、遮光膜23の他、カラーフィルタが形成されてもよい。或いは、このようなカラーフィルタ等は、第1基板210上において、配向膜と共に、電極21より上層側に配置されて、形成されてもよい。
<2:電気光学装置>
次に、本発明の電気光学装置に係る実施形態について、その全体構成を図3及び図4を参照して説明する。ここに、図3は、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板として用いられる上述のマイクロレンズ基板側から見た平面図であり、図4は、図3のH−H’断面図である。ここでは、電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
図3及び図4において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板として用いられるマイクロレンズ基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10とマイクロレンズ基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10とマイクロレンズ基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、シール材52中には、TFTアレイ基板10とマイクロレンズ基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材56が散布されている。即ち、本実施形態の電気光学装置は、プロジェクタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに適している。
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、マイクロレンズ基板20側に設けられている。この額縁遮光膜53は、例えば、図2(b)を参照して説明した遮光膜23と同様に、マイクロレンズ基板20において、第1基板210上であって、電極21より下層側に配置されて、形成される。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、マイクロレンズ基板20の第1基板210上において、電極21より上層側に配置されて形成されてもよいし、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として形成されてもよい。尚、図3及び図4において、マイクロレンズ基板20を構成する、第1基板210や接着層230、マイクロレンズ500等の詳細な構成については図示を省略してある。
画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺のいずれかに沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。尚、走査線駆動回路104を、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿って設けるようにしてもよい。この場合、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿って設けられた複数の配線によって、二つの走査線駆動回路104は互いに接続されるようにする。
また、マイクロレンズ基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これらにより、TFTアレイ基板10とマイクロレンズ基板20との間で電気的な導通をとることができる。
図4において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor;以下適宜、“TFT”と称する)や走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜16が形成されている。他方、詳細な構成については後述するが、マイクロレンズ基板20は、電気光学装置において、図1及び図2に示す電極21が、画素電極9aと対向するように配置されており、この電極21上には、配向膜22が形成されている。
尚、TFTアレイ基板10には、石英やプラスチックなどの透明基板を用いてもよいし、単結晶シリコンあるいは単結晶シリコン化合物などからなる半導体基板を用いてもよい。
因みに、TFTアレイ基板10に、単結晶シリコンなどの半導体を用いた場合には、画素スイッチング用の素子としては、TFTではなく、トランジスタを用いることができる。
TFTアレイ基板10又はマイクロレンズ基板20上において、配向膜16又は22は、例えばポリイミド等の有機材料により形成される。本実施形態では、TFTアレイ基板10及びマイクロレンズ基板20のいずれか一方上にのみ配向膜を形成するか、或いはこれらのいずれか一方上に形成される配向膜を無機材料により形成するようにしてもよい。
液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
なお、図3及び図4に示したTFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
次に、以上の如く構成された電気光学装置における回路構成及び動作について、図5を参照して説明する。図5には、電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路を示してある。
図5において、本実施形態における電気光学装置の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素には、それぞれ、画素電極9aと当該画素電極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートにゲート電極3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線11a及びゲート電極3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、マイクロレンズ基板20に形成された対向電極21との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射する。
ここで保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。この蓄積容量70は、走査線11aに並んで設けられ、固定電位側容量電極を含むとともに定電位に固定された容量電極300を含んでいる。
上述した電気光学装置に設けられたマイクロレンズ基板20の詳細な構成と、その機能について図6及び図7を参照して説明する。図6は、マイクロレンズ基板20における、遮光膜23及びマイクロレンズ500が配置される開口領域700の配置関係を模式的に示す平面図であって、図7は、複数の画素について、図4に示す断面の構成をより詳細に示す図であって、各マイクロレンズ500の機能について説明するための断面図である。
図7において、マイクロレンズ基板20において、第1基板210上(図中では、第1基板210の下側)であって、電極21より下層側(図中では、電極21より上側)には、例えば図6に示すように格子状の平面パターンを有する遮光膜23が形成される。マイクロレンズ基板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域が開口領域700となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、該遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられる容量電極300やデータ線6a等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
各マイクロレンズ500は各画素に対応するように配置される。より具体的には、図7に示すように、マイクロレンズ基板20において、各画素毎に、開口領域700及び該開口領域700の周辺に位置する非開口領域を少なくとも部分的に含む領域に、マイクロレンズ500が配置されて形成されている。
また、図7において、マイクロレンズ基板20の電極21上に、配向膜22が形成されている。加えて、マイクロレンズ基板20において、第1基板210上であって、電極21より下層側に又は電極21より上層側に、各開口領域700に配置されて、カラーフィルタが形成されてもよい。
他方、図7において、TFTアレイ基板10上の各開口領域700に対応する領域には画素電極9aが形成されている。また、TFTアレイ基板10上において、画素スイッチング用のTFT30や、画素電極9aを駆動するための走査線11aやデータ線6a等の各種配線並びに蓄積容量70等の電子素子が、非開口領域に形成されている。このように構成すれば、当該電気光学装置における画素開口率を比較的大きく維持することが可能となる。更に、画素電極9a上には配向膜16が設けられている。
図7において、マイクロレンズ基板20に入射される投射光等の光は、各マイクロレンズ500によって集光される。尚、図7中、一点鎖線によってマイクロレンズ500によって集光された光のようすを概略的に示してある。そして、各マイクロレンズ500によって集光された光は、液晶層50を透過して画素電極9aに照射され、該画素電極9aを通過して表示光としてTFTアレイ基板10より出射される。よって、マイクロレンズ基板20に入射された光のうち非開口領域に向かう光も、マイクロレンズ500の集光作用により開口領域700に入射させることができるため、各画素における実行開口率を高めることができる。
ここで、本実施形態の比較例の構成を、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態の比較例に係るマイクロレンズ基板を有する電気光学装置の構成について、図7と同様に示す断面図である。
比較例によれば、マイクロレンズ基板20が、第1基板210に、接着層230を介して接着された、透明なカバー基板200を有する点で、本実施形態と異なっている。また、カバー基板200において、接着層230と対向する側と反対側の面上に、遮光膜23が形成されており、この遮光膜23より上層側(図8中、遮光膜23の下側)に電極21が形成される。よって、電極21の表面には、遮光膜23の存在に起因して段差が生じ、該段差は、電極21より上層側に形成された配向膜22の表面形状にも反映されることとなる。
このようなマイクロレンズ基板20を有する電気光学装置においては、図8おいて、一点鎖線によって示すように、マイクロレンズ基板20に入射され、マイクロレンズ500によって集光された、投射光等の光は、更に、開口領域700において、カバー基板200を通過して、該カバー基板200上に形成された電極21、及び該電極21より上層側に形成された配向膜22を通過して、液晶層50に入射される。
他方、図7に示すように、本実施形態におけるマイクロレンズ基板20の構成によれば、マイクロレンズ500によって集光された、投射光等の光は、開口領域700において、電極21を通過し、更に配向膜22を通過して、液晶層50に入射される。
ここで、例えば、第1基板210を石英板により形成する場合には、第1基板210の屈折率は1.46程度の値であり、接着層230は、屈折率が1.6程度の透明樹脂により形成される。加えて、電極21をITOにより形成する場合には、電極21の屈折率は1.9程度の値となる。このように、夫々屈折率の異なる複数の層からなるマイクロレンズ基板20では、互いに屈折率の異なる層の界面、即ち光学界面では、光の損失が生じる。本実施形態のマイクロレンズ基板20によれば、比較例の構成、より具体的には、カバー基板200を有し、このカバー基板200上に遮光膜23や電極21が形成される構成と比較して、マイクロレンズ基板20において、光学界面の数を減らすことが可能となる。よって、マイクロレンズ500によって集光された投射光等の光が、マイクロレンズ基板20において、複数の光学界面を通過することにより生じる光の損失を、減少させることが可能となる。その結果、電気光学装置における光の利用効率を、具体的には1[%]程度、向上させることが可能となる。これにより、各画素の光の透過率を向上させることができる。
更に、図8に示すように、比較例の構成によれば、配向膜22の表面には、遮光膜23の存在に起因する段差が生じているため、配向膜22の表面に対するラビング処理において、配向不良箇所が発生し、その結果、該配向不良に起因して、電気光学装置において、表示不良が生じる恐れがある。
他方、本実施形態では、図2(b)を参照して説明したように、マイクロレンズ基板20において、第1基板210上で、遮光膜23は電極21より下層側に配置されて、形成されている。本実施形態のマイクロレンズ基板20では、図8に示す構成と異なる点は、そもそもカバー基板200は設けられていないので、電極21の下層側において、遮光膜23は、いわば、接着層230に埋め込まれるようにして、形成されている。よって、電極21の表面において、良好な平坦性を得ることができる。従って、平坦な電極の21の表面上に配向膜22を形成することができるため、該配向膜22の表面においても良好な平坦性を確保することが可能となる。よって、配向膜22の表面に対するラビング処理において、配向不良箇所が発生するのを防止することができる。
その結果、以上説明したような、本実施形態の電気光学装置では、高品質な画像表示を行うことが可能となる。
以上説明した本実施形態では、電気光学装置においてデータ線駆動回路101や走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated bonding)基板上に実装された駆動用LSIを、外部回路接続端子102に異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、マイクロレンズ基板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
<3:マイクロレンズ基板の製造方法>
次に、本実施形態に係るマイクロレンズ基板20の製造方法について、図9から図12を参照して説明する。図9から図12は、製造プロセスの各工程におけるマイクロレンズ基板20の断面の構成を順を追って概略的に示す工程図である。
先ず、図9(a)に示すように、第1基板210a上に、マスク900として例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)等によりアモルファスシリコン膜を形成する。マスク900は耐フッ酸性を有するCr膜、ポリシリコン膜等でも良い。
続いて、図9(b)に示すように、マスク900において図1又は図2(b)に示す凹部の形成位置に対応する個所に、例えば該マスク900に対するフォトリソグラフィ法を用いたパターニングにより、複数の開口部902を形成する。マスク900において、複数の開口部902は夫々平面的に例えば円形状として形成され、且つ該開口部902に対応して、第1基板210aに形成される凹部より小さいサイズとして形成される。
続いて、図9(c)において、複数の開口部902が形成されたマスク900を介して、第1基板210aに対して等方性エッチングを施すことにより、複数の凹部を形成する。より具体的には、該等方性エッチングは、好ましくは、フッ酸系などのエッチャントを用いたウエットエッチングにより行われる。
その後、図9(d)において、マスク900をエッチング処理によって除去する。
また、図10において、図9を参照して説明した各工程と並行して、又は相前後して、ガラス等の第2基板800上に、次のような各工程により、電極21及び遮光膜23を形成する。
即ち、図10(a)において、第2基板800上に、例えばスパッタ法により、電極21を形成する。続いて、図10(b)において、第2基板800上に、例えば、クロム(Cr)又はアルミニウム(Al)を含む材料を用いて、スパッタ法により、金属膜を電極21より上層側に成膜する。そして、この金属膜を、フォトリソグラフィ法及びエッチング法によりパターニングして、第2基板800上に平面的に見て、格子状の遮光膜23を形成する。
ここで、第2基板800上に電極21を形成する際、例えば200[℃]程度の温度で、第2基板800は加熱される。よって、第2基板800は、電極21、更に該電極21に加えて遮光膜23を形成する際に、加熱等の要因により変形等の不具合が生じない材料により形成されるのが好ましい。尚、このような材料であれば、第2基板800を形成する部材は、ガラス等のような透明なものに限られない。
その後、図11(a)において、例えば、第1基板210上に、例えば熱硬化性の透明な接着剤230aを塗布する。そして、第1基板210において、凹部が形成された側の面と、第2基板800において電極21等が形成された側の面とを対向させて、アライメントし、図11(b)において、接着剤230aを硬化させて、接着層230を形成し、第1及び第2基板210及び800を貼り合わせる。これにより、第2基板800上において、接着層230内に、いわば、遮光膜23が埋め込まれるように、電極21が、接着層230を介して、第2基板800と共に第1基板210に接着される。
続いて、図11(c)において、互いに貼り合わされた第1基板210及び第2基板800の側面側に、保護膜60を形成する。より具体的には、レジストや、有機材料により形成されるテープ等を保護膜60として、互いに貼り合わされた第1基板210及び第2基板800の側面側に形成する。これにより、互いに貼り合わされた第1及び第2基板210及び800の側面側に露出した接着層230の一部や、第1基板210の側面を、保護膜60によって保護する。よって、後述するように、第2基板210を除去する際に、例えばウエットエッチング法で用いられるエッチャントに曝されて、第1及び第2基板210及び800の側面側に露出した接着層230の一部や、第1基板210の側面が損傷するのを防止することが可能となる。
その後、図12において、第2基板800に対して、例えばウエットエッチング法によりエッチングを施すことにより、第2基板800を除去して、電極21を露出させる。この際、エッチング時間を制御して、第2基板800に対してエッチングを施すことにより、電極21が損傷するのを防止して、第2基板800のみを除去することができる。
ここで、第2基板800を除去する際、ウエットエッチング法に用いるエッチャントとして、第2基板800と比較して電極21のエッチングレートが小さくなるようなエッチャントを用いるのが好ましい。例えば、上述したように、第2基板800をガラスにより形成し、電極21をITOにより形成する場合、エッチャントとしてフッ酸を用いることにより、第2基板800の除去において、第2基板800と比較して電極21のエッチングレートを小さくすることができる。この場合、第2基板800は、フッ酸に溶解させて除去することができる。
第2基板800の除去において、第2基板800と比較して電極21のエッチングレートを小さくすることにより、電極21においてエッチャントに対する耐性を確保することができる。よって、第2基板800を除去する際、電極21を、第1基板210上において、該電極21より下層側に位置する、接着層230や遮光膜23を保護する保護膜として機能させることが可能となる。また、この際、エッチング時間を厳密に制御しなくても、電極21が損傷するのを防止して、第2基板800のみを除去することが可能となる。よって、エッチング時間の制御に要する手間が煩雑となるのを防止して、容易にマイクロレンズ基板20を製造することが可能となる。
尚、第2基板800を除去した後、保護膜60も除去して、マイクロレンズ基板20を形成する。
このように、第2基板800は、最終的に除去されるため、マイクロレンズ基板20を形成した後、該マイクロレンズ基板20を用いて電気光学装置を製造する際、該電気光学装置の製造に係る各工程には何ら関与しない。よって、電気光学装置の製造に係る工程を考慮することなく、第2基板800を安価な材料により形成することが可能となる。これにより、マイクロレンズ基板20の製造に要するコストも削減することが可能となる。
尚、以上説明した本実施形態では、第2基板800の除去は、例えば、第2基板に対して、エッチングに加えて若しくは代えてCMP(化学的機械研磨)処理により行うようにしてもよい。
<4:変形例>
以上説明した本実施形態の変形例について、図13を参照して説明する。図13は、本変形例に係るマイクロレンズ基板の構成を示す断面図である。
図13に示すように、第1基板210において、レンズ形成領域20aには、凹部の代わりに凸部を、アレイ状に形成するようにしてもよい。この場合、接着層230を、第1基板210よりも低屈折率の樹脂材料により形成することにより、複数の凸部の各々によりマイクロレンズ500が形成される。
ここで、マイクロレンズ基板20の製造時、例えば、第1基板210に形成されることになる凸部に対応する形状を有するレジストを、第1基板210におけるレンズ形成領域20a上に形成し、レジスト及び第1基板210に対して、例えばドライエッチング法を施すことにより、レジストの形状を第1基板210に転写することで、第1基板210に凸部を形成する。
<5:電気光学装置の製造方法>
上述したマイクロレンズ基板20の製造工程を含む電気光学装置の製造方法について説明する。
上述のマイクロレンズ基板は、電気光学装置においてTFTアレイ基板10に対向する対向基板として用いられる。
従って、電気光学装置の製造方法としては、上述のマイクロレンズの製造方法によりマイクロレンズ基板20を形成した後、マイクロレンズ基板20とTFTアレイ基板10とを貼り合わせる工程を含む。
尚、マイクロレンズ基板20とTFTアレイ基板10との間に液晶層50などの電気光学物質を封入する場合に、その封入工程は、マイクロレンズ基板20とTFTアレイ基板10との貼り合わせ前であってもよいし、貼り合わせ後であってもよい。
<6:電子機器>
次に、上述した電気光学装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例たる投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。ここに、図14は、投射型カラー表示装置の図式的断面図である。
図14において、投射型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置を含む液晶モジュールを3個用意し、それぞれRGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロックミラー1108によって、RGBの三原色に対応する光成分R、G及びBに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bにそれぞれ導かれる。この際特に、B光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bによりそれぞれ変調された三原色に対応する光成分は、ダイクロックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーンにカラー画像として投射される。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うマイクロレンズ基板及びその製造方法、該マイクロレンズ基板を備えた電気光学装置及び、該マイクロレンズ基板の製造工程を含む電気光学装置の製造方法、並びに該電気光学装置を具備してなる電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
図1(a)は、マイクロレンズ基板の概略斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A’断面部分の構成について示す概略斜視図である。 図2(a)は、本実施形態のマイクロレンズ基板のうち4つのマイクロレンズに係る部分を拡大して示す部分拡大平面図であり、図2(b)は、本実施形態のマイクロレンズ基板の部分拡大断面図である。 電気光学装置の全体構成を示す平面図である。 図3のH−H’断面図である。 電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素部における各種素子、配線等の等価回路である。 マイクロレンズ基板における、遮光膜及びマイクロレンズが配置される開口領域の配置関係を模式的に示す平面図である。 複数の画素について、各マイクロレンズの機能について説明するための断面図である。 本実施形態の比較例に係るマイクロレンズ基板を有する電気光学装置の構成について、図7と同様に示す断面図である。 製造プロセスの各工程におけるマイクロレンズ基板の断面の構成を順を追って概略的に示す工程図(その1)である。 製造プロセスの各工程におけるマイクロレンズ基板の断面の構成を順を追って概略的に示す工程図(その2)である。 製造プロセスの各工程におけるマイクロレンズ基板の断面の構成を順を追って概略的に示す工程図(その3)である。 製造プロセスの各工程におけるマイクロレンズ基板の断面の構成を順を追って概略的に示す工程図(その4)である。 本変形例に係るマイクロレンズ基板の構成を示す断面図である。 本発明の電子機器の実施形態である投射型カラー表示装置の一例たるカラー液晶プロジェクタを示す図式的断面図である。
符号の説明
20…マイクロレンズ基板、21…電極、210…第1基板、230…接着層、500…マイクロレンズ、800…第2基板

Claims (12)

  1. 透明部材より形成される第1基板に、複数のマイクロレンズの各々のレンズ曲面をアレイ状に形成する第1工程と、
    第2基板上に電極を形成する第2工程と、
    前記レンズ曲面及び前記電極が相互に対向するように、接着層を介して前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせる第3工程と、
    該第3工程より後に、前記第2基板を除去して、前記電極を露出させる第4工程と
    を含むことを特徴とするマイクロレンズ基板の製造方法。
  2. 前記第2工程より後であって前記第3工程より前に、前記第2基板上に、前記電極より上層側に遮光膜を形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  3. 前記第4工程では、前記第2基板に対してエッチングを施すことにより、前記第2基板を除去することを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  4. 前記第4工程では、前記エッチングをウエットエッチング法により行うことを特徴とする請求項3に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  5. 前記第4工程では、前記ウエットエッチング法は、前記電極のエッチングレートが前記第2基板と比較して小さくなるようなエッチャントを用いて行うことを特徴とする請求項4に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  6. 前記第4工程では、前記エッチャントとしてフッ酸を用いることを特徴とする請求項5に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  7. 前記第2工程では、前記電極をITOにより形成することを特徴とする請求項6に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  8. 前記第3工程より後であって前記第4工程より前に、互いに貼り合わされた前記第1基板及び前記第2基板の側面に、保護膜を形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロレンズ基板の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の製造方法における前記第1工程乃至第4工程を含むマイクロレンズ基板の製造工程と、
    前記マイクロレンズ基板の製造工程により製造されたマイクロレンズ基板に、表示用電極と該表示用電極に電気的に接続された配線及び電子素子の少なくとも一方とを備えた基板を貼り合せる工程と
    を備えたことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  10. 透明部材により形成され、複数のマイクロレンズの各々のレンズ曲面がアレイ状に形成された第1基板と、
    該第1基板上に、前記レンズ曲面覆うように形成された接着層と、
    該接着層上に該接着層と接するように形成された電極と、
    該電極前記接着層との対向面に形成された遮光層と
    を備えることを特徴とするマイクロレンズ基板。
  11. 請求項10に記載のマイクロレンズ基板と、
    前記電極と対向する表示用電極と、
    該表示用電極に電気的に接続された配線及び電子素子の少なくとも一方と
    を備えたことを特徴とする電気光学装置。
  12. 請求項11に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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