JPH0915550A - 反射型光変調装置 - Google Patents

反射型光変調装置

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JPH0915550A
JPH0915550A JP16644895A JP16644895A JPH0915550A JP H0915550 A JPH0915550 A JP H0915550A JP 16644895 A JP16644895 A JP 16644895A JP 16644895 A JP16644895 A JP 16644895A JP H0915550 A JPH0915550 A JP H0915550A
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JP
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light
refractive index
index layer
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energy applying
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JP16644895A
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English (en)
Inventor
Yutaka Sawayama
豊 澤山
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コントラスト比の高い反射型光変調装置を提
供する。 【構成】 絶縁性基板6、反射電極7および遮光層8を
含んで構成される光反射側の基板部材2と、透光性基板
9および透明電極10を含んで構成される光入射および
光出射側の基板部材3との間に、液晶層4および不変屈
折率層5が介在される。不変屈折率層5は、基板部材2
上に形成され、三角柱状の深さdの凹所5aを有する。
当該凹所5aの所定の切断面における形状は三角形であ
り、凹所5aの成す角度2θgを二等分する線分15
と、絶縁性基板6の法線方向14との成す角αがα≠0
に設定される。nc>ngでは、入射光は液晶層4に入
射し、不変屈折率層5の表面で反射し、遮光層8に集光
されて吸収され、暗い(黒)状態となり、nc≦ngで
は、不変屈折率層5を通過して反射電極7に到達し、反
射して出射し、明るい(白)状態となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光信号の充分なオン/
オフ比(以下、「コントラスト比」と称する)を有し、
オン状態での光信号の光損失が充分に小さく、かつ安価
なプロジェクションなどに好適に実施される反射型光変
調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信は、通信速度の高速性およ
び伝達情報量の多さから、情報化社会において重要な役
割を担っている。このような光通信における信号伝達路
としては、光損失の少ない光ファイバが用いられる。光
信号伝達経路の主幹線経路において、信号の変換処理器
には、高速性、高コントラスト比および信号の減衰が少
ないことが要求される。このため、主幹線経路における
信号処理器には、位相を変化させる、伝送モードを変換
する、または導波光の進行方向を変化させるなどの方法
が用いられている。
【0003】前記光通信に加えて、情報化社会の特徴と
して、個人用携帯情報端末装置の普及もめざましく、こ
のような携帯情報端末装置の表示装置としては、軽量、
薄型、および低消費電力などの特徴を有する液晶表示装
置(以下、「LCD」(Liquid Crystal Device )と称
する)が有力な地位にある。また、LCDは携帯情報端
末装置のみならず、光論理演算装置の演算素子、直視型
もしくは投写型のライトバルブなどの空間光変調装置と
しても利用されており、その利用範囲は非常に多岐にわ
たる。このように、多様化したLCDの光変調方法とし
ては、液晶分子の持つ複屈折性を利用したものが主流で
ある。たとえば、 (1)干渉方式 (例)ECB(Electrically Controlled Birefringenc
e)モード SSF−LC(Surface Stabilized Ferro-electric Li
quid Crystal)モード (2)旋光方式 (例)TN(Twisted Nematic)モード (3)光散乱方式 (例)高分子分散型液晶(PDLC)モード ネマティック−コレステリック相転移型(PCM)モー
ド (4)光吸収方式 (例)ネマティック−コレステリック相転移型ゲスト−
ホスト方式(PCGH)2層型ゲスト−ホスト方式(DG
H) が挙げられる。これらの方式が、現在、携帯情報端末装
置、液晶テレビジョン受像機、投写型液晶表示装置およ
び光演算素子などの空間光変調素子として用いられてい
る方式の主だったものである。
【0004】図27は、従来例である液晶光シャッタ1
21の構成を示す断面図である。液晶光シャッタ121
は、基板部材122,123、媒体124、液晶層12
5、偏光板126および面光源127を含んで構成され
る。基板部材122,123は、透明電極128,13
0がガラス基板127,129上に設けられて構成され
る。基板部材122,123の間に、ガラス製の断面の
こぎり状の媒体124と液晶層125とが挟持される。
媒体124の凸部124aが当接する付近および凹所1
24b付近には、遮光層132が設けられる。基板部材
122の媒体および液晶層側とは反対側には、偏光板1
26が、基板部材123の媒体および液晶層側とは反対
側には、面光源127がそれぞれ配置される。また、透
明電極128,130には、電源装置131が接続され
る。
【0005】透明電極128,130間に電界が印加さ
れていない状態では、液晶分子125aは、基板部材1
23の表面にほぼ水平となり、液晶層125が媒体12
4とほぼ同一の屈折率となる。これによって、入射光は
透過して出射する。一方、透明電極128,130間に
電界が印加された状態では、液晶分子125bは、基板
部材123の表面にほぼ垂直となり、液晶層125は媒
体124とは異なる屈折率となる。これによって、入射
光は媒体124の表面で反射し、媒体124の凹所12
4bに集光され、遮光層132によって遮断される。
【0006】光は、液晶層125と媒体124とから成
る導光層が有効に機能する角度で、すなわち光信号の充
分に高いコントラスト比が得られ、オン状態(光透過状
態)での光損失が充分に小さくなるような角度で、入射
される。このような液晶光シャッタ121の例は、たと
えば特開平6−258672号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記液晶光シャッタ1
21は偏光板126を使用しており、光信号の高いコン
トラスト比が得られるけれども、入射光が自然光に近い
場合や入射偏光が解消しやすい場合には、光の利用効率
が半分以下となる。したがって、コントラスト比が低
く、暗い表示しか実現することができない。
【0008】また、前記液晶光シャッタ121は、同一
平面上に形成された2つの電極間に生じる電界によって
液晶を配向させる。したがって、1画素に複数の電極線
を形成したときには、表示に利用可能な領域が低下す
る。すなわち、開口率が低下する。またカラー表示を行
う場合、3本の信号線によって1ラインの表示を行うの
で、構成が複雑になる。
【0009】また、前記液晶光シャッタ121をプロジ
ェクションなどに組み込んで用いた場合、光源からの光
を液晶光シャッタ121に入射させ、当該液晶光シャッ
タ121からの反射光を集光レンズなどを介して出射さ
せる。液晶光シャッタ121への入射光および液晶光シ
ャッタ121からの出射光は同じ光路上を通過し、当該
光路上には、一般にビームスプリッタやハーフミラーな
どが配置される。媒体124に入射する光の入射角が6
0°のときが臨界角となり、たとえば完全に平行な光が
60°の臨界角で入射する場合、液晶層125の厚み
(セル厚)は電極のピッチとほぼ同程度必要となる。こ
のため、隣接する電極間の信号電圧の違いによる不要な
電界が生じる。また、液晶表示装置の単位画素の大きさ
は、通常、数百μm角程度であり、これと同程度のセル
厚を形成することは、応答速度が極端に低下する、およ
び配向膜の液晶分子に対する配向規制力が液晶層の中心
付近まで影響しないなどの不都合が生じる。このような
不都合を解消するためには、最適な角度で光を入射およ
び出射させる必要があるけれども、前記液晶光シャッタ
121では、光の入射角および出射角の制御は行われて
いない。
【0010】本発明の目的は、高いコントラスト比を有
する光出力が得られ、かつ光信号の利用効率が高く、プ
ロジェクションなどの投影型表示装置に用いても優れた
特性が得られる反射型光変調装置を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、外部から与え
られるエネルギに依らず屈折率ngが一定である透光性
物質から成り、予め定める形状を有する不変屈折率層
と、外部から与えられるエネルギによって屈折率ncが
変化する透光性物質から成る可変屈折率層と、前記不変
屈折率層および可変屈折率層を間に介在して前記エネル
ギを前記可変屈折率層に印加し、いずれか一方が透光性
を有する一対のエネルギ印加手段とを備え、前記一対の
エネルギ印加手段のうちの透光性を有する一方エネルギ
印加手段は、透光性を有する平板状の絶縁性基板と、当
該絶縁性基板上に形成される透明な一方伝達手段とを含
み、他方エネルギ印加手段は、平板状の絶縁性基板と、
当該絶縁性基板上に形成され、光反射性を有する他方伝
達手段と、遮光部材とを含み、前記可変屈折率層にエネ
ルギが印加されていないときに、透光性を有する一方エ
ネルギ印加手段側から入射した光が集光される集光点
が、他方エネルギ印加手段側に、当該他方エネルギ印加
手段の絶縁性基板表面に対して平行に、直線状に集合し
て設定され、前記遮光部材は、前記集光点近傍に配置さ
れ、集光光の照射領域にほぼ等しい大きさを有し、前記
不変屈折率層は他方エネルギ印加手段上に形成され、当
該不変屈折率層は三角柱状の凹所を有し、当該凹所は三
角柱の2つの側面が接する辺を通り、三角柱の伸びる方
向に直交する方向であって、前記透光性基板の表面に垂
直な切断面における断面形状が三角形に選ばれ、三角柱
の前記2つの側面が接する辺と、前記集光点が集光した
直線とが一致するようにして配置され、前記可変屈折率
層は、不変屈折率層の凹所に前記透光性物質を配置して
形成され、前記屈折率ng,ncは、 (屈折率ncの最小値)≦ng≦(屈折率ncの最大値) …(1) の関係を満たし、前記一対のエネルギ印加手段間の間隔
Dと、不変屈折率層の凹所の深さdとは、 D≧d …(2) の関係を満たし、前記三角形の凹所が成す角2θgを二
等分する線分と、前記他方エネルギ印加手段の絶縁性基
板表面の法線方向とが成す角度αは、 α≠0 …(3) の関係を満たすことを特徴とする反射型光変調装置であ
る。また本発明は、光が入射する一方エネルギ印加手段
側の前記三角形の底辺の長さL、当該底辺に垂直な三角
形の高さd、前記底辺に対向する頂点のなす角2θg
は、 90°−arcsin(ng/nc)=arctan(L/2d)=θg …(4) の関係を満たすことを特徴とする。また本発明は、外部
から与えられるエネルギに依らず屈折率ngが一定であ
る透光性物質から成り、予め定める形状を有する不変屈
折率層と、外部から与えられるエネルギによって屈折率
ncが変化する透光性物質から成る可変屈折率層と、前
記不変屈折率層および可変屈折率層を間に介在して前記
エネルギを前記可変屈折率層に印加し、いずれか一方が
透光性を有する一対のエネルギ印加手段とを備え、前記
一対のエネルギ印加手段のうちの透光性を有する一方エ
ネルギ印加手段は、透光性を有する平板状の絶縁性基板
と、当該絶縁性基板上に形成される透明な一方伝達手段
とを含み、他方エネルギ印加手段は、平板状の絶縁性基
板と、当該絶縁性基板上に形成され、光反射性を有する
他方伝達手段と、遮光部材とを含み、前記可変屈折率層
にエネルギが印加されていないときに、透光性を有する
一方エネルギ印加手段側から入射した光が集光される集
光点が、他方エネルギ印加手段側に、当該他方エネルギ
印加手段の絶縁性基板表面に対して平行に、直線状に集
合して設定され、前記遮光部材は、前記集光点近傍に配
置され、集光光の照射領域にほぼ等しい大きさを有し、
前記不変屈折率層は一方エネルギ印加手段上に形成さ
れ、当該不変屈折率層は三角柱状の凸部を有し、当該凸
部は三角柱の2つの側面が接する辺を通り、三角柱の伸
びる方向に直交する方向であって、前記透光性基板の表
面に垂直な切断面における断面形状が三角形に選ばれ、
三角柱の前記2つの側面が接する辺と、前記集光点が集
光した直線とが一致するようにして配置され、前記可変
屈折率層は、不変屈折率層の凹所に前記透光性物質を配
置して形成され、前記屈折率ng,ncは、 (屈折率ncの最小値)≦ng≦(屈折率ncの最大値) …(1) の関係を満たし、前記一対のエネルギ印加手段間の間隔
Dと、不変屈折率層の凸部の高さdとは、 D≧d …(2) の関係を満たし、前記三角形の凸部が成す角2θgを二
等分する線分と、前記他方エネルギ印加手段の絶縁性基
板表面の法線方向とが成す角度αは、 α≠0 …(3) の関係を満たすことを特徴とする反射型光変調装置であ
る。また本発明は、光が入射する一方エネルギ印加手段
側の前記三角形の底辺の長さL、当該底辺に垂直な三角
形の高さd、前記底辺に対向する頂点のなす角2θg
は、 90°−arcsin(ng/nc)=arctan(L/2d)=θg …(4) の関係を満たすことを特徴とする。また本発明は、外部
から与えられるエネルギに依らず屈折率ngが一定であ
る透光性物質から成り、予め定める形状を有する不変屈
折率層と、外部から与えられるエネルギによって屈折率
ncが変化する透光性物質から成る可変屈折率層と、前
記不変屈折率層および可変屈折率層を間に介在して前記
エネルギを前記可変屈折率層に印加し、いずれか一方が
透光性を有する一対のエネルギ印加手段とを備え、前記
一対のエネルギ印加手段のうちの透光性を有する一方エ
ネルギ印加手段は、透光性を有する平板状の絶縁性基板
と、当該絶縁性基板上に形成される透明な一方伝達手段
とを含み、他方エネルギ印加手段は、平板状の絶縁性基
板と、当該絶縁性基板上に形成され、光反射性を有する
他方伝達手段と、遮光部材とを含み、前記可変屈折率層
にエネルギが印加されていないときに、透光性を有する
一方エネルギ印加手段側から入射した光が集光される集
光点が、他方エネルギ印加手段側に当該他方エネルギ印
加手段の絶縁性基板表面に対して平行に、マトリクス状
に配列して設定され、前記遮光部材は、前記集光点近傍
に配置され、集光光の照射領域にほぼ等しい大きさを有
し、前記不変屈折率層は他方エネルギ印加手段上に形成
され、当該不変屈折率層は錐状の凹所を有し、当該凹所
は錐の頂点を通り、前記絶縁性基板の表面に垂直な切断
面における断面形状が、三角形に選ばれ、錐の頂点と、
前記集光点とが一致するようにして配置され、前記可変
屈折率層は、不変屈折率層の凹所に前記透光性物質を配
置して形成され、前記屈折率ng,ncは、 (屈折率ncの最小値)≦ng≦(屈折率ncの最大値) …(1) の関係を満たし、前記一対のエネルギ印加手段間の間隔
Dと、不変屈折率層の凹所の深さdとは、 D≧d …(2) の関係を満たし、前記三角形の凹所が成す角2θgを二
等分する線分と、前記他方エネルギ印加手段の絶縁性基
板表面の法線方向とが成す角度αは、 α≠0 …(3) の関係を満たすことを特徴とする反射型光変調装置であ
る。また本発明は、光が入射する一方エネルギ印加手段
側の前記三角形の底辺の長さL、当該底辺に垂直な三角
形の高さd、前記底辺に対向する頂点のなす角2θg
は、 90°−arcsin(ng/nc)=arctan(L/2d)=θg …(4) の関係を満たすことを特徴とする。また本発明は、前記
他方エネルギ印加手段は、当該他方エネルギ印加手段の
絶縁性基板上に形成されて、前記他方伝達手段を絶縁性
基板表面から所定の角度βだけ傾斜させる傾斜手段を有
し、一方エネルギ印加手段の他方エネルギ印加手段側と
は反対側に配置され、一方エネルギ印加手段に向けて光
を照射する光照射手段と、一方エネルギ印加手段の他方
エネルギ印加手段側とは反対側に配置され、他方伝達手
段で反射して出射する光を受光する受光手段とを含み、
前記光照射手段からの光が、他方エネルギ印加手段の絶
縁性基板表面の法線方向に対して、前記角2θgを二等
分する線分方向に角度+αで入射するように光照射手段
の光照射面が配置され、可変屈折率層にエネルギが印加
されていないときの出射光のうちの、前記法線方向に対
して、前記角2θgを二等分する線分方向とは反対方向
に角度−α±2βで出射する光を受光するように受光手
段の受光面が配置されることを特徴とする。また本発明
は、前記他方伝達手段の傾斜角度βが、α/2であるこ
とを特徴とする。また本発明は、前記不変屈折率層の凹
所または凸部と遮光部材とは、各エネルギ印加手段の伝
達手段の対向する部分に対してそれぞれ複数個設けられ
ることを特徴とする。また本発明は、前記他方エネルギ
印加手段は、各エネルギ印加手段の伝達手段の対向する
部分に対して個別的に設けられるスイッチング素子を含
むことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明に従えば、外部から与えられるエネルギ
に依らず屈折率ngが一定である透光性物質から成る予
め定める形状の不変屈折率層と、外部から与えられるエ
ネルギによって屈折率ncが変化する透光性物質から成
る可変屈折率層とが、いずれか一方が透光性を有する一
対のエネルギ印加手段間に配置される。一対のエネルギ
印加手段のうちの透光性を有する一方エネルギ印加手段
は、透光性を有する平板状の絶縁性基板上に、少なくと
も透明な一方伝達手段を形成して構成される。他方エネ
ルギ印加手段は、平板状の絶縁性基板上に、少なくとも
光反射性を有する他方伝達手段と遮光部材とを形成して
構成される。
【0013】可変屈折率層にエネルギが印加されていな
いときに、一方エネルギ印加手段側から入射した光が集
光される集光点が、他方エネルギ印加手段側に、当該印
加手段の絶縁性基板表面に対して平行に、直線状に集合
して設定され、前記遮光部材は、当該集光点近傍に配置
され、集光光の照射領域にほぼ等しい大きさを有する。
前記不変屈折率層は他方エネルギ印加手段上に形成さ
れ、三角柱状の凹所を有する。当該凹所は、三角柱の2
つの側面が接する辺を通り、三角柱の伸びる方向に直交
する方向であって、前記透光性基板の表面に垂直な切断
面における断面形状が三角形に選ばれる。三角柱の2つ
の側面が接する辺と、前記集光点が集合した直線とは一
致し、不変屈折率層の凹所に透光性物質を配置して可変
屈折率層が形成される。屈折率ng,ncは、式(1)
の関係を満たす。間隔Dと不変屈折率層の凹所の深さd
とは、式(2)の関係を満たす。前記三角形の凹所が成
す角2θgを二等分する線分と、他方エネルギ印加手段
の絶縁性基板表面の法線方向とが成す角度αは、式
(3)の関係を満たす。
【0014】前記可変屈折率層にエネルギを印加しない
ときには、屈折率nc,ngが、たとえばnc>ngと
なり、一方エネルギ印加手段側からの入射光は、可変屈
折率層を透過し、不変屈折率層に到達し、当該不変屈折
率層の表面で屈折して、不変屈折率層の所定の形状によ
って集光され、遮光部材によって吸収される。したがっ
て、暗い(黒)状態となる。エネルギを印加したときに
は、屈折率nc,ngが、nc≦ngとなり、入射光は
可変屈折率層から不変屈折率層に入射して、当該不変屈
折率層を伝播し、他方エネルギ印加手段の他方伝達手段
で反射して、再び一方エネルギ印加手段側から出射す
る。したがって、明るい(白)状態となる。このような
2つの状態で、スイッチングを行うことができる。
【0015】前記間隔Dと不変屈折率層の凹所の深さd
とは、式(2)の関係を満たすので、一対のエネルギ印
加手段間に、不変屈折率層の凹所の最も深さの深い点が
配置される。したがって、集光点近傍に設けられる遮光
部材は、小さい面積で充分に光を吸収することができ、
他方伝達手段内の光の反射に寄与する領域が広く、高い
コントラスト比が得られるスイッチングが実現できる。
また、エネルギが印加されたnc≦ngのときの、入射
光は、可変屈折率層から不変屈折率層に入射して、当該
不変屈折率層を伝播し、他方エネルギ印加手段の光反射
性を有する他方伝達手段で反射して、出射する。ここ
で、前記法線方向を基準として、角2θgを二等分する
線分方向に角+α傾斜する方向からの入射光(入射角+
α)は、前記法線方向を基準として、角2θgを二等分
する線分方向とは反対方向に角−α傾斜した方向への出
射光(出射角−α)となって出射する。このように特別
な分離手段を設けることなく、容易に光を光の入射方向
とは異なる方向から出射させることができる。
【0016】また好ましくは、光が入射する一方エネル
ギ印加手段側の前記三角形の底辺の長さL、当該底辺に
垂直な三角形の高さd、前記底辺に対向する頂点のなす
角2θgは、式(4)の関係を満たす。したがって、n
c>ngのときの入射光は、前記不変屈折率層の三角柱
状の凹所に集光される。
【0017】また本発明に従えば、前記不変屈折率層は
一方エネルギ印加手段上に形成され、前述したのと同様
の三角柱状の凸部を有する。すなわち、当該凸部は、三
角柱の2つの側面が接する辺を通り、三角柱の伸びる方
向に直交する方向であって、前記透光性基板の表面に垂
直な切断面における断面形状が三角形に選ばれる。三角
柱の2つの側面が接する辺と、前記集光点が集合した直
線とは一致する。屈折率ng,ncは、式(1)の関係
を満たし、間隔Dと不変屈折率層の凸部の高さdとは、
式(2)の関係を満たし、前記三角形の凸部が成す角2
θgを二等分する線分と、他方エネルギ印加手段の絶縁
性基板表面の法線方向とが成す角度αは、式(3)の関
係を満たす。
【0018】この場合も前述したのと同様の作用によっ
て、暗い(黒)状態と、明るい(白)状態との2つの状
態で、スイッチングを行うことができる。また、集光点
近傍に設けられる遮光部材は、小さい面積で充分に光を
吸収することができ、他方伝達手段内の光の反射に寄与
する領域が広く、高いコントラスト比が得られるスイッ
チングが実現できる。また、特別な分離手段を設けるこ
となく、容易に光を光の入射方向とは異なる方向から出
射させることができる。
【0019】また好ましくは、光が入射する一方エネル
ギ印加手段側の前記三角形の底辺の長さL、当該底辺に
垂直な三角形の高さd、前記底辺に対向する頂点のなす
角2θgは、式(4)の関係を満たす。したがって、n
c>ngのときの入射光は、前記不変屈折率層の三角柱
状の凸部に集光される。
【0020】また本発明に従えば、前記集光点が、他方
エネルギ印加手段側に当該印加手段の絶縁性基板表面に
対して平行に、マトリクス状に配列して設定され、前記
遮光部材は、当該集光点近傍に配置され、集光光の照射
領域にほぼ等しい大きさを有する。前記不変屈折率層は
他方エネルギ印加手段上に形成され、錐状の凹所を有す
る。当該凹所は、錐の頂点を通り、前記絶縁性基板の表
面に垂直な切断面における断面形状が三角形に選ばれ
る。錐の頂点と、前記集光点とは一致し、不変屈折率層
の凹所に透光性物質を配置して可変屈折率層が形成され
る。屈折率ng,ncは、式(1)の関係を満たし、間
隔Dと不変屈折率層の凹所の深さdとは、式(2)の関
係を満たし、前記三角形の凹所が成す角2θgを二等分
する線分と、他方エネルギ印加手段の絶縁性基板表面の
法線方向とが成す角度αは、式(3)の関係を満たす。
【0021】この場合も前述したのと同様の作用によっ
て、暗い(黒)状態と、明るい(白)状態との2つの状
態で、スイッチングを行うことができる。また、集光点
近傍に設けられる遮光部材は、小さい面積で充分に光を
吸収することができ、他方伝達手段内の光の反射に寄与
する領域が広く、高いコントラスト比が得られるスイッ
チングが実現できる。また、特別な分離手段を設けるこ
となく、容易に光を光の入射方向とは異なる方向から出
射させることができる。
【0022】また好ましくは、光が入射する一方エネル
ギ印加手段側の前記三角形の底辺の長さL、当該底辺に
垂直な三角形の高さd、前記底辺に対向する頂点のなす
角2θgは、式(4)の関係を満たす。したがって、n
c>ngのときの入射光は、前記不変屈折率層の錐状の
凹所に集光される。
【0023】また好ましくは、他方エネルギ印加手段
は、当該印加手段の絶縁性基板上に形成されて、他方伝
達手段を絶縁性基板表面から所定の角度βだけ傾斜させ
る傾斜手段を含む。一方エネルギ印加手段の他方エネル
ギ印加手段側とは反対側には、光照射手段および受光手
段が配置される。光照射手段の光照射面は、照射光が、
他方エネルギ印加手段の絶縁性基板表面の法線方向に対
して、前記角2θgを二等分する線分方向に角度+α傾
斜して入射するように配置される。受光手段の受光面
は、可変屈折率層にエネルギが印加されていないとき
に、前記法線方向に対して、前記角2θgを二等分する
線分方向とは反対方向に角度−α±2β傾斜して出射す
る光を受光するように配置される。前記角度αは、たと
えば2.5°以上に設定される。これによって、前記角
度+αで入射した光は、出射角−α±2βで出射し、入
射角と出射角とを異ならせることができる。
【0024】また好ましくは、前記他方伝達手段の傾斜
角度βが、α/2に選ばれる。これによって、前記角度
+αで入射した光の出射角は0°となる。したがって、
表示面に対して垂直に出射する光を観察する反射型光変
調装置を実現することができる。
【0025】また好ましくは、各伝達手段の対向する部
分に対して、前記不変屈折率層の凹所または凸部と遮光
部材とが、それぞれ複数個設けられる。したがって、各
画素が前述したような作用でスイッチングを行う、いわ
ゆる単純マトリクス駆動方式の反射型光変調装置を実現
することができる。
【0026】また好ましくは、他方エネルギ印加手段は
各エネルギ印加手段の伝達手段の対向する部分に対して
個別的に設けられるスイッチング素子を含む。したがっ
て、各画素が前述したような作用でスイッチングを行
う、いわゆるアクティブマトリクス駆動方式の反射型光
変調装置を実現することができる。
【0027】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例である光路変
調(以下、「OPM」(OpticalPass Modulator)と称す
る)素子1の構成を示す断面図である。図2は、OPM
素子1の構成を示す斜視図である。図3は、不変屈折率
層5の形状を示す図である。また図4は、OPM素子1
の他の構成を示す斜視図である。図5は、不変屈折率層
5の他の形状を示す図である。
【0028】OPM素子1は、液晶層4、不変屈折率層
5、一対の基板部材2,3、および電源装置11を含ん
で構成される。光反射側の一方基板部材2は、絶縁性基
板6、反射電極7、および遮光層8を含んで構成され、
光入射および光出射側の他方基板部材3は、絶縁性を有
する透光性基板9、および透明電極10を含んで構成さ
れる。なお、本実施例の不変屈折率層5は、一方基板部
材2上に形成される。OPM素子1は、可変屈折率物質
として液晶を、外部から与えられるエネルギとして電界
をそれぞれ使用するものである。
【0029】前記OPM素子1は、たとえば以下のよう
にして作成される。絶縁性基板6および透光性基板9と
しては、たとえば1.1mmの厚さのガラス基板(コー
ニング社製、商品名7059)を用いた。まず、反射電
極7が絶縁性基板6上に形成される。絶縁性基板6上に
は、たとえばスパッタリング法などの薄膜形成技術によ
ってアルミニウム薄膜が形成され、反射電極7とされ
る。
【0030】形成された反射電極7上には、遮光層8が
形成される。遮光層8は、たとえばカラーモザイク(富
士ハントエレクトロニクス社製、商品名CK−200
0)で実現され、当該カラーモザイクが、たとえばスピ
ンコート法によって反射電極7上に形成される。カラー
モザイクは、たとえばフォトリソグラフィ法によって所
定の形状にパターン形成され、遮光層8とされる。カラ
ーモザイクの存在しない部分にはアルミニウムから成る
反射電極7が露出する。ここで、露出した反射電極7を
所望の形状にパターン形成してもよい。遮光層8は、電
界が印加されていない状態で、液晶層4に入射した光が
集光される集光点近傍に、集光光の照射領域にほぼ等し
い大きさの所定の面積で配置される。
【0031】反射電極7および遮光層8が形成された絶
縁性基板6上には、不変屈折率層5が形成される。不変
屈折率層5は、図2および図3に示されるような三角柱
状の凹所5aを有し、液晶層4に電界が印加されていな
いときに、基板部材3側から入射した光が集光される集
光点が基板部材2側に直線状に集合して設定され、前記
三角柱の2つの側面が接する一辺5bと、前記集光点が
集合した直線とが一致するようにして形成される。
【0032】また、不変屈折率層5は、図4および図5
に示されるような円錐状の凹所5aを有し、液晶層4に
電界が印加されていないときに、基板部材3側から入射
した光が集光される集光点が基板部材2側に設定され、
前記円錐状の凹所5aの頂点5cと、前記集光点とが一
致するようにして形成される。
【0033】不変屈折率層5の形成には、たとえば次の
ようにして作成される金型26が用いられる。図6は、
不変屈折率層5を作成するために用いられる金型26の
製造方法を示す工程図であり、図7は当該製造方法を段
階的に示す断面図である。工程T1では、図7(A)に
示されるように、ガラスなどの平坦な基板21上にフォ
トレジストが塗布される。塗布されたフォトレジスト膜
22aの厚さは、不変屈折率層5の高さ(凹所5aの深
さ)d以上に選ばれる。工程T2では、図7(B)に示
されるように、Ar(アルゴン)などのレーザ光23が
フォトレジスト膜22aに照射される。ここでレーザ光
23の照射される領域は、前述した図3および図5に示
されるような形状の領域である。工程T3では、現像さ
れ、図7(C)に示されるような所定の形状のフォトレ
ジスト膜22が形成される。
【0034】工程T4では、フォトレジスト膜22上に
Ni(ニッケル)がスパッタリング法によって1000
Å〜5000Å程度の膜厚に、図7(D)に示されるよ
うに堆積される。工程T5では、図7(E)に示される
ようにSTM探針25によってSTM(Scanning Tunne
l Microscope;走査型トンネル顕微鏡)による金型68
の表面形状の測定が行われる。工程T6では、前記Ni
膜24の膜厚が、電鋳によって図7(F)に示されるよ
うに厚くされてNi膜26とされる。工程T7では、基
板21およびフォトレジスト膜22と、前記Ni膜26
とが分けられ、図7(G)に示されるようなNiから成
る金型26が作成される。
【0035】前記反射電極7および遮光層8が形成され
た絶縁性基板6上には、まず反射電極7および遮光層8
を覆って不変屈折率層材料が塗布される。たとえばスピ
ンコート法によって塗布される。塗布される材料の膜厚
は、不変屈折率層5の高さd以上に選ばれる。塗布され
た不変屈折率層材料は、前述した金型26を用いて射出
成形法やスタンプ法によって所定の形状に加工される。
【0036】また、透光性基板9上にITO膜を0.1
μm〜1.1μmの厚さにスパッタリング法によって形
成し、フォトリソグラフィ法によって所定の形状にパタ
ーン形成することによって、透明電極10が作成され
る。
【0037】さらに、本実施例では可変屈折率層として
液晶層4を用いているので、不変屈折率層5を覆う表面
および透明電極10を覆う表面には、図示しない液晶配
向膜が形成される。たとえば、ナイロン6,6を塗布し
て180℃で焼成することによって作成される。
【0038】このようにして作成された一対の基板部材
2,3は、液晶配向膜が形成された表面が対向するよう
にして配置され、接着剤によって接着される。接着剤中
にはたとえば粒径12μmのガラスビーズ、あるいはガ
ラスファイバなどのスペーサが混入され、当該接着剤が
一対の基板部材のうちのいずれか一方の基板部材表面に
スクリーン印刷法などによって塗布される。液晶注入口
から液晶材料を注入することによって、当該液晶は前記
不変屈折率層5の凹所5aに注入され、基板部材2,3
間に介在される液晶層4が形成される。さらに、前記反
射電極7および透明電極10に電源装置11が接続さ
れ、電源電圧が供給される。
【0039】本実施例では液晶材料として、BL007
(BDH社製、常光屈折率ne=1.530、異常光屈
折率no=1.816、ランダム配向時の平均屈折率n
avc=1.679)を用いた。
【0040】前記不変屈折率層5の三角柱状の凹所5a
は、当該三角柱の2つの側面が接する1辺5bを通り、
三角柱の伸びる方向に直交する方向であって、平板状の
絶縁性基板6の表面に垂直な切断面における断面形状
が、三角形に選ばれる。また、前記不変屈折率層5の円
錐状の凹所5aは、当該円錐の頂点5cを通り、絶縁性
基板6の表面に垂直な任意の切断面における断面形状
が、三角形に選ばれる。
【0041】光が入射する基板部材3側の前記三角形の
底辺の長さをLとし、当該底辺に対する頂点のなす角を
2θgとし、隣接する三角形のピッチをPとする。ま
た、基板部材2,3の間隔(液晶層の厚み)をDとす
る。
【0042】前記不変屈折率層5の高さdと、基板部材
2,3の間隔Dとは、 D≧d …(2) となるように選ばれる。ここで、前記間隔Dは50μm
以下で、好ましくは20μm以下で、式(2)の関係を
満たすように選ばれる。また前記角2θgは、 θg/2=θc (臨界角θc=arcsin(ng/nc))となるよ
うに選ばれる。ここで、 90°−arcsin(ng/nc)=arctan(L/2d)=θg …(4) の関係が成立するように各数値が決定される。
【0043】また、液晶層4の屈折率ncmax,nc
min、および不変屈折率層5の屈折率ngは、 1.0≦ng≦2.0 ncmin≦ng≦ncmax …(1) の関係を満たすように選ばれる。なお、屈折率ngの最
大値および最小値は、現在、使用可能な材料に基づいて
選ばれた値であり、これ以上またはこれ以下の屈折率の
材料を用いても構わない。
【0044】また、角度αは、 α≠0 …(3) に選ばれる。角度αとは、透光性基板9の法線方向14
と、前記角度2θgを二等分する線分15とのなす角で
ある。
【0045】本実施例のOPC素子においては、不変屈
折率層5の屈折率ngを1.53に、可変屈折率層であ
る液晶層4の最大屈折率ncmaxを1.679に、最
小屈折率ncminを1.53に、前記高さdを11μ
mに、前記角度2θgを120°に、およびピッチPを
50μmに、角度αを10°にそれぞれ選んだ。
【0046】前記遮光層8の面積Aは、 A=2L・tan(θ) …(5) で算出される。ここで、θは入射した光の液晶層2内に
おける広がり角を表す。
【0047】前記液晶配向膜は球晶性を示し、液晶分子
は前記球晶の結晶成長に従って放射状に配向する。すな
わち、2次元的にランダム(不規則)に配向する。見か
け上の屈折率(以下、「平均屈折率」と称する)nav
cは、 navc={(ne2+no2)/2}0.5 …(6) で算出される。
【0048】図8は、前記OPM素子1の動作原理を説
明するための図である。また、図9は、入射光12と出
射光13との成す角を示す図である。図8(A)に示さ
れる液晶層4に電界が印加されていない状態(nc>n
g)では、屈折率ncは、最大値ncmaxである。入
射光12は、液晶層4に入射し、さらに不変屈折率層5
の表面で反射し、遮光層8に集光されて吸収される。し
たがって、観察者には暗い(黒)状態として観察され
る。
【0049】図8(B)に示される液晶層4に電界を印
加した状態(nc≦ng)では、屈折率ncは、最小値
ncminである。入射光12は、前述したのと同様に
液晶層4に入射するけれども、不変屈折率層5の表面で
反射せずに当該不変屈折率層5を通過する。反射電極7
に到達した光は、一部の遮光層8に入射する光を除い
て、当該反射電極7で反射し、再び不変屈折率層5およ
び液晶層4を透過して、出射する。したがって、観察者
には明るい(白)状態として観察される。
【0050】角度αを設定することによって前記切断面
において、前記角2θgを二等分する線分15を光軸と
する入射光12(法線方向14に対して、前記線分15
の方向に角度+αだけ傾斜した入射光)と、出射光13
(法線方向14に対して、前記線分15の方向とは反対
方向に角度−αだけ傾斜した出射光)とは、角度θw=
2αを成す。このため、ビームスプリッタやハーフミラ
ーなどを使用することなく、容易に光を入射方向とは異
なる方向に出射させることができる。
【0051】本実施例のOPM素子1は、上述したよう
に電界が印加されていない状態で暗い(黒)状態とな
り、電界を印加した状態で明るい(白)状態となる、い
わゆるノーマリブラック方式の素子である。
【0052】図10は、前記OPM素子1の電気光学特
性を示すグラフである。横軸は印加電圧を、縦軸は反射
率を示している。たとえば電圧0Vをオフ電圧とし、電
圧Vsatをオン電圧としてスイッチングを行うことが
可能である。なお、入射角を+10°で入射させ、出射
光を−10°の受光角で検出した。
【0053】第1の実施例によれば、角2θgを二等分
する線分15と、光反射側の基板部材2の法線方向14
との成す角αが、α≠0に選ばれるので、入射光の軌跡
と出射光の軌跡とを、特別な分離手段を設けることな
く、容易に分離することができる。
【0054】また、光の利用効率に優れたコントラスト
比の高いスイッチング特性が、厳密な光学的設計や結晶
性の高い材料を用いずに実現することができるので、従
来技術と比較すると製造コストが安価になる。また、遮
光層8を設けるだけでスイッチングが可能であることか
ら、2次元的に広い面積が必要ではなく、素子の小型化
が可能となる。
【0055】なお、本実施例では可変屈折率層として液
晶層4を用い、液晶配向膜として球晶性を示す材料を用
い、光学的に等方性を示し、かつ屈折率を変化させる場
合について説明したけれども、液晶自身の屈折率異方性
を充分に利用するために、液晶分子を特定方向に配向さ
せ、偏光を液晶層のダイレクタ方向(平均配向方向)に
偏光面が来るように入射させる光学系としてもかまわな
い。ただし、この場合偏光板が必要となり、本実施例と
比較すると光の利用効率が低下してコントラストが低下
する。
【0056】また、見かけ上光学的に等方性を示し、か
つ外部から印加されるエネルギによって屈折率が変化す
るようであればどのような構成であってもよく、このよ
うな特性が得られる液晶分子の配向制御方法を採用する
ことができ、たとえば液晶をランダム配向させるような
配向制御方法を採用しても構わない。
【0057】また、可変屈折率層は、光学的に等方性を
示す材料(DHF;Deformed HelixFerroelectric Liqu
id Crystal)であればどのような材料を用いても構わな
い。たとえば、液晶に代わってLiNbO3 などの光学
的に異方性を有する結晶を用いても構わない。
【0058】また、外部から印加されるエネルギとして
電界を使用したけれども、たとえば磁場など、可変屈折
率層の屈折率を変化させられるエネルギであればどのよ
うなエネルギを用いても構わない。
【0059】また、不変屈折率層5によって形成される
空間、すなわち液晶が注入されて液晶層4となる空間
が、前述した不変屈折率層5のような形状になるよう
に、不変屈折率層5を形成しても構わない。すなわち、
本実施例の可変屈折率層である液晶層4と不変屈折率層
5とを逆にして構成することも可能である。たとえば図
11に示されるように、不変屈折率層5を他方基板部材
3の透明電極10上に形成しても構わない。不変屈折率
層5は前述した凹所5aと同じ形状の三角柱状の凸部5
dを有し、三角柱の2つの側面が接する辺5eと、前記
集光点が集合した直線とが一致するようにして形成され
る。なお、この場合、前記式(3)のncとngとが逆
になる。また、上述した説明において、電界非印加時に
はnc<ngとなり、電界印加時にはnc≧ngとな
る。
【0060】また、基板部材3の透明電極10は、液晶
層4の屈折率を変化させられるようであればどのような
形状であっても構わない。また、OPM素子1の構成お
よび製造方法は、本実施例で説明したものに限定される
ものではない。たとえば、集光レンズとして図12
(A)に示されるようなマイクロレンズアレイ90や図
12(B)に示されるようなレンチキュラーレンズ91
を、これらの部材の平面90a,91aと、透光性基板
9の液晶層4とは反対側表面とが対向するようにして設
けてもかまわない。このような集光レンズを設ける例
は、本件出願人によって、たとえば特願平7−1623
18において提案されている。
【0061】また、反射電極7は、入射光を充分に反射
させるものであればどのようなものであってもよく、た
とえば誘電体ミラーを用いても構わない。反射電極7の
製造方法も本実施例に限定されず、他の方法で作成して
も構わない。
【0062】また、遮光層8は、入射光を充分に吸収さ
せるものであればどのような材料で実現してもよく、た
とえばクロムなどの金属で実現しても構わない。また、
遮光層8の面積は、小さいほど光の利用効率が上昇する
けれども、充分なコントラスト比を得るためには、不変
屈折率層5の凹所5aをほぼ覆う面積で形成するのが好
ましい。
【0063】また、入射光を受光器側以外に反射させる
ために、前記反射電極7以外に、当該反射電極7とは異
なる方向に光を反射させる光反射層を選択的に設けても
構わない。この場合、設ける光反射層の不変屈折率層5
の凹所5a付近に角度を付けておけば製造工程が容易と
なる。また、集光レンズを設けて、入射光を集光させて
も構わない。
【0064】また、角度αは、光源光の広がり角θおよ
び屈折率nc,ngの差などによって、最適な値に選ぶ
ことが好ましい。
【0065】図13は、本発明の第2の実施例であるO
PM素子31の構成を示す断面図である。OPM素子3
1は、前記OPM素子1と同様に、液晶層4、不変屈折
率層5、一対の基板部材2,3、および電源装置11を
含んで構成され、光反射側の一方基板部材2が、絶縁性
基板6、反射電極7、および遮光層8に加えて、傾斜手
段であるグレーディング32を含むことを特徴とする。
OPM素子31は、可変屈折率物質として液晶を、外部
から与えられるエネルギとして電界をそれぞれ使用する
ものである。
【0066】前記グレーディング32は、その表面が互
いにほぼ平行となるように配置される絶縁性基板6およ
び絶縁性基板9であって、反射電極7が形成される絶縁
性基板6の表面に対して、所定の角度βを反射電極7に
与えるためのものである。この角度βによって、入射光
12と出射光13との成す角度θwを、前記θw=2α
から、θw=2・(α±β)に拡大/縮小することがで
きる。図示されるような断面形状において、絶縁性基板
6の表面に対して角度βを有するグレーディング32が
形成される。当該グレーディング32は、図14に示さ
れるように、入射光12の反射する領域A1がグレーデ
ィング32の高さによって形成される影の部分A2に重
ならないように形成することが好ましい。
【0067】OPM素子31は、グレーディング32を
形成する工程以外は、前記OPM素子1と同様にして作
成される。したがって、ここではグレーディング32の
形成方法についてのみ説明し、その他の形成方法の説明
は省略する。
【0068】まず、絶縁性基板6上にグレーディング3
2が形成される。グレーディング32は、射出成形法、
スタンプ法、フォトリソグラフィ法、および押出し法な
どの方法を利用して作成することができる。たとえばス
タンプ法を用いる場合、前述した金型26と同様にして
作成される所定の形状の金型が用いられる。なお、絶縁
性基板6自身を加工してグレーディング32を形成する
ことも可能である。
【0069】グレーディング32を形成した後、前述し
たのと同様にして反射電極7および遮光層8が形成され
る。さらに、不変屈折率層5が形成される。
【0070】本実施例のOPM素子1においては、不変
屈折率層5の屈折率ngを1.53に、可変屈折率層で
ある液晶層4の最大屈折率ncmaxを1.679に、
最小屈折率ncminを1.53に、前記不変屈折率層
5の高さdを11μmに、前記角度2θgを120°
に、およびピッチPを50μmに、角度αを+10°
に、角度βを+5°にそれぞれ選んだ。なお、角度α
は、図13に図示されるX軸を基準として時計回り方向
を「+」、反時計回り方向を「−」として、角度βは、
Y軸を基準として時計回り方向を「−」、反時計回り方
向を「+」として設定している。
【0071】図15は、前記OPM素子31の動作原理
を説明するための図である。図15(A)に示される液
晶層4に電界が印加されていない状態(nc>ng)で
は、屈折率ncは、最大値ncmaxである。入射光1
2は、液晶層4に入射し、さらに不変屈折率層5の表面
で反射し、遮光層8に集光されて吸収される。したがっ
て、観察者には暗い(黒)状態として観察される。
【0072】図15(B)に示される液晶層4に電界を
印加した状態(nc≦ng)では、屈折率ncは、最小
値ncminである。入射光12は、前述したのと同様
に液晶層4に入射するけれども、不変屈折率層5の表面
で反射せずに当該不変屈折率層5を通過する。反射電極
7に到達した光は、一部の遮光層8に入射する光を除い
て、当該反射電極7で反射し、再び不変屈折率層5およ
び液晶層4を透過して、出射する。したがって、観察者
には明るい(白)状態として観察される。
【0073】ここで、前記切断面において、前記不変屈
折率層5の凹所5aの成す角度2θgを二等分する線分
15を光軸とする入射光12は、前記法線方向14に対
して、前記線分15の方向に角度+αを成す。また、出
射光13は、法線方向14に対して、前記線分15の方
向とは反対の方向に角度−α±2βを成す。したがっ
て、入射光12と出射光13とが成す角度θwは、2・
(α±β)となる。このため、ビームスプリッタやハー
フミラーなどを使用することなく、容易に反射光13を
入射方向とは異なる方向に出射させることができるとと
もに、グレーディング32の角度βを選ぶことによって
出射光13の出射方向を自由に選択することができる。
【0074】また、図16に示されるように、入射光1
2の一部は、透光性基板9の表面、透光性基板9と透明
電極10との界面、および透明電極10の表面で反射し
て出射光13aとなる。当該出射光13aの光射角はα
である。グレーディング32の表面で反射した出射光1
3の出射角は−α±2βである。このように本実施例で
は、グレーディング32の表面以外の表面で反射したノ
イズとなる出射光13aと、本来の出射光13との出射
角を異ならせることができ、ノイズの少ない光を受光す
ることができる。
【0075】本実施例のOPM素子1は、上述したよう
に電界が印加されていない状態で暗い(黒)状態とな
り、電界を印加した状態で明るい(白)状態となる、い
わゆるノーマリブラック方式の素子である。
【0076】図17は、前記OPM素子31の電気光学
特性を示すグラフである。横軸は印加電圧を、縦軸は反
射率を示している。たとえば電圧0Vをオフ電圧とし、
電圧Vsatをオン電圧としてスイッチングを行うこと
が可能である。なお、入射角を+10°で入射させ、出
射光を−20°の受光角で検出した。
【0077】第2の実施例によれば、第1の実施例と同
様に、特別な分離手段を設けることなく入射光と出射光
とを分離することができるとともに、角度βを選ぶこと
によって当該出射光の出射方向を所望の方向に選ぶこと
ができる。
【0078】図18は、前記角度βを−α/2に設定し
た場合の動作原理を説明するための図である。β≠−α
/2とした場合では、素子の1画素の大きさが小さくな
った場合、出射光13が隣接する画素の出射光に悪影響
を及ぼし、表示品位が低下する。β=−α/2とする
と、入射角はαのままで、出射角を0°にすることがで
き、表示品位の低下がなくなる。
【0079】また、前述したのと同様に、図16を参照
して、グレーディング32の表面以外の表面で反射した
出射光13aと、本来の出射光13との出射角を異なら
せることができ、ノイズの少ない光を受光することがで
きる。さらに、本実施例では、出射光13の出射角が0
°となるので、グレーディング32の表面で反射した光
が、透明電極10の表面、および透光性基板9と透明電
極10との界面で反射し、再びグレーディング32方向
に進む光12aは生じない。このような光12aが再び
グレーディング32で反射し、出射することは、前述し
たノイズの原因となり好ましくない。本実施例では、さ
らにノイズの少ない光を受光することができる。
【0080】図18(A)に示される液晶層4に電界が
印加されていない状態(nc>ng)では、屈折率nc
は最大値ncmaxであり、入射光12は液晶層4に入
射し、さらに不変屈折率層5の表面で反射し、遮光層8
に集光されて吸収される。したがって、観察者には暗い
(黒)状態として観察される。
【0081】図18(B)に示される液晶層4に電界を
印加した状態(nc≦ng)では、屈折率ncは最小値
ncminであり、入射光12は、液晶層4に入射する
けれども、不変屈折率層5の表面で反射せずに当該不変
屈折率層5を通過する。反射電極7に到達した光は、一
部の遮光層8に入射する光を除いて、当該反射電極7で
反射し、再び不変屈折率層5および液晶層4を透過して
出射する。したがって、観察者には明るい(白)状態と
して観察される。
【0082】ここで、前記切断面において、前記不変屈
折率層5の凹所5aの成す角度2θgを二等分する線分
15を光軸とする入射光12は、前記法線方向14に対
して、前記線分15の方向に角度+αを成す。また、出
射光13は法線方向14に対して平行に出射し、入射光
12と出射光13が成す角度θwはαとなる。このた
め、出射光13が隣接する画素の出射光に対して悪影響
を及ぼすことがなくなり、表示品位の低下がなくなる。
【0083】図19は、本発明の第3の実施例である空
間光変調(以下、「FLM」(Field Light Modurator
)と称する)装置41の構成を示す断面図である。F
LM装置41は、第1の実施例のOPM素子1の反射電
極7および透明電極10を複数の帯状に形成し、かつ互
いに直交するように配置したマトリクス型の素子であ
り、電極の交差部分を画素とし、各画素内において複数
の可変屈折率層である液晶層4と不変屈折率層5とから
なる光導波路を形成したことを特徴とする。また、遮光
層8も複数個設けられる。FLM装置41は、前記OP
M素子1と同様のノーマリブラック方式の素子である。
【0084】FLM装置41は、各画素毎に前記OPM
素子1と同様の動作原理によって明暗(白黒)によるス
イッチングが行われる。たとえば、一般的な単純マトリ
クス駆動方式の液晶表示装置において1画素の大きさ
は、100μm〜350μm角である。仮に、1画素を
1つの光スイッチで構成しようとした場合、基板部材の
間隔は、30μm〜90μm程度必要となる。これは、
応答速度および液晶配向膜の配向規制力の低下などを引
き起こし、光スイッチとしては好ましくない。通常、ポ
リイミドを液晶配向膜としてラビング法による配向制御
を行った場合、充分な配向規制力が得られる最大のセル
厚は、25μm〜50μmであり、これよりも薄いセル
厚とする必要がある。応答速度および液晶配向膜の配向
規制力を低下させないためには、1画素を複数のOPM
素子1で構成するのが好ましい。
【0085】1画素に1つのWG素子を形成する場合、
画素ピッチP1、液晶層の厚み(セル厚)d1、および
前記三角形の頂角2θgは、 tanθg=P1/d1 d1=P1/tanθg の関係を有する。すなわち、ピッチP1が小さいほどセ
ル厚d1が小さくなる。しかしながら、実際に、P1=
50μm、θg=30°に設計した場合、d1≒86μ
mとなり、実用的ではない。1画素に複数のWG素子を
設けると、ピッチP1が小さくなるので、セル厚d1を
小さくすることが可能となる。
【0086】本実施例では、前記不変屈折率層5の屈折
率ngは1.53に、可変屈折率層4の最大屈折率nc
maxは1.679に、最小屈折率ncminは1.5
3に、不変屈折率層5の高さdは11μmに、角度2θ
gは120°に、ピッチPは50μmに、および角度α
は+10°にそれぞれ選んだ。また、1画素の大きさは
300μm角とし、1画素当たりのOPM素子1の数は
6個とした。なお、1画素を構成するOPM素子1の数
は、不変屈折率層5を形成する際の加工精度に依存し、
現行の技術では2〜7個形成することができる。また、
セル厚は、10μm程度となる。
【0087】1画素に複数の光導波路を形成した場合、
1つの光導波路に対して1層の遮光層8を有するため
に、1画素に複数の遮光層8が存在することになる。こ
のため、光の利用効率の低下が予想されるけれども、以
下に述べる理由から光の利用効率の低下は考慮する必要
はない。すなわち、遮光層8の領域が、表示画素の半分
以上の領域を占めることはほとんどない。このため、光
の利用効率が半分以下となる偏光素子を用いた場合ほど
の光の利用効率の低下はない。また、可変屈折率層であ
る液晶層4に入射した光を不変屈折率層5に遷移させる
条件(θg>θc)が存在する。したがって、液晶層4
の屈折率を調整することによって、オン状態での光の利
用効率の低下はない。
【0088】本実施例によれば、入射光の損失がほとん
ど無く、高いコントラスト比が得られ、また光路長が短
く、開口率が大きいFLM装置41を実現することがで
きる。また、構成が比較的簡単であり、FLM装置41
を安価に作成することができる。
【0089】なお、第2の実施例のOPM装置31を第
3の実施例のFLM装置41のように構成することも本
発明の範囲に属するものであり、本実施例と同様の効果
が得られ、所望の方向に反射光を出射させることができ
る装置を実現することができる。たとえば、角度αを+
10°に、角度βを+5°に設定し、その他は上述した
のと同様の値に設定することによって、優れた特性を有
するFLM装置が得られる。
【0090】図20は、FLM装置44を用いた投写型
表示装置42の構成を示す図である。投写型表示装置4
2は、FLM装置44の他に、光源34および投影レン
ズ35を含んで構成される。なお、投写型表示装置42
のFLM装置44は、第2の実施例のOPM装置31を
第3のFLM装置41のように構成したもので実現され
る。光源34からの光12は、前記切断面において、F
LM装置44に入射角αで入射し、出射角(α+2β)
で出射する。出射光13は、投影レンズ35を通過して
所定の投影面に照射される。
【0091】図21は、前記FLM装置44と同様にし
て構成される3つのFLM装置44a〜44cを用いた
他の投写型表示装置43の構成を示す図である。投写型
表示装置43は、FLM装置44a〜44cの他に、光
源34、ダイクロイックミラー36a〜36bおよび投
影レンズ35を含んで構成される。光源34から照射さ
れた赤(R)、緑(G)および青(B)の光12a〜1
2bは、赤色用ダイクロイックミラー36aによって赤
色の光のみが反射され、緑色用ダイクロイックミラー3
6bによって緑色の光のみが反射され、青色用ダイクロ
イックミラー36cによって青色の光のみが反射され
る。反射光は、それぞれFLM装置44a〜44cに入
射する。各FLM装置44a〜44cで反射した光は投
影レンズ35を介して出射される。
【0092】このように、前記FLM装置44a〜44
cをライトバルブとして用い、図示されるような光学シ
ステムに使用することによって、高輝度なカラー表示が
実現できる投写型表示装置43を得ることができる。
【0093】また、FLM装置41を用いて投写型表示
装置42,43を構成することも可能である。
【0094】図22は、本発明の第4の実施例であるF
LM装置51の1画素の領域を拡大して示す断面図であ
る。本実施例のFLM装置51は、TFT素子を用いた
アクティブマトリクス駆動方式の素子である。
【0095】第1〜3の実施例のOPM素子1,31お
よびFLM装置41は、単純マトリクス駆動を採用して
いるため、駆動電圧比Von/Voff(デューティ
比)は、 Von/Voff=(N0.5+1/N0.5−1)0.5 …(7) で求められる。Nはデューティ数(1/N;デューティ
比)であり、通常、走査線数と同じに選ばれる。単純マ
トリクス駆動方式では、走査線数の増大に伴い、印加電
圧のon/off比が減少するために、高精細化が困難
であり、かつ階調表示を行う際に、各階調間の電圧差が
僅差となり、電気的雑音などの影響が深刻な問題とな
る。本実施例のFLM装置51は、各画素に対応してス
イッチング素子であるTFT素子を形成することによっ
て、上述した問題を解消し、駆動電圧比が前記(7)式
に支配されないようにしている。以下にTFT素子52
の作成方法について説明する。
【0096】図23は、TFT素子52の製造方法を示
す工程図である。工程S1では、ゲートバス配線および
ゲート電極54が形成される。TFT素子52は光反射
側の絶縁性基板6上に形成されるので、まず、当該絶縁
性基板6上にスパッタリング法によって300nmの厚
さのTa金属層を形成する。当該Ta金属層を、フォト
リソグラフィ法およびエッチング法によってパターン形
成し、ゲートバス配線およびゲート電極54を作成す
る。
【0097】工程S2では、ゲート絶縁膜55が形成さ
れる。たとえばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposi
tion)法によって400nmの厚さのSiNxを、前記
ゲートバス配線およびゲート電極54を覆って絶縁性基
板6上に形成することによって作成される。
【0098】工程S3では、コンタクト層57および半
導体層56が形成される。まず、前記ゲート絶縁膜55
上に半導体層56となる100nmの厚さのa−Si層
と、コンタクト層57となる40nmの厚さのn+ 型a
−Si層とをこの順番に連続的に形成する。次に、前記
2つの層を同時にパターン形成することによってコンタ
クト層57と半導体層56が形成される。
【0099】工程S4では、ソース電極58、ドレイン
電極59およびソースバス配線が形成される。まず、コ
ンタクト層57および半導体層56が形成された基板上
に200nmの厚さのMo金属層をスパッタリング法に
よって形成し、当該Mo金属層をパターン形成すること
によってソース電極58、ドレイン電極59およびソー
スバス配線が形成される。このようにしてTFT素子5
2が完成する。
【0100】TFT素子52が形成された基板上には、
絶縁層53が形成される。絶縁層53は、たとえば東京
応化社製、商品名OFPR−800の樹脂で実現され、
たとえばスピンコート法によって成膜される。絶縁層5
3は、前記TFT素子52のドレイン電極59の部分に
フォトリソグラフィ法によって形成されたコンタクトホ
ール60を有する。
【0101】さらに、絶縁層53を覆って反射電極7が
形成される。反射電極7は、スパッタリング法によって
アルミニウムを1μm〜5μm程度の膜厚に形成し、2
00℃に加熱して前記アルミニウムを再結晶化した後、
その表面を研磨し、各画素毎にパターン形成して作成さ
れる。
【0102】一般に、アクティブマトリクス型液晶表示
装置の1画素の大きさは、50μm〜350μm角であ
ることから、1画素当たり1〜7個の光スイッチである
光変調素子が存在することになる。本実施例では、1画
素の大きさを100μm角とした。したがって、1画素
当たり2つの光変調素子が形成される。また、前記不変
屈折率層5の屈折率ngは1.53に、可変屈折率層4
の最大屈折率ncmaxは1.679に、最小屈折率n
cminは1.53に、不変屈折率層5の高さdは11
μmに、角度2θgは120°に、ピッチPは50μm
に、および角度αは+10°にそれぞれ選んだ。
【0103】このようなTFT素子52を有するFLM
装置51においても、各画素は、第1の実施例のOPM
素子1と同様の動作原理によって、明暗(白黒)による
スイッチングを行う。
【0104】なお、本実施例では第1の実施例のOPM
装置1にTFT素子52を設ける例について説明したけ
れども、第2の実施例のOPM装置31にTFT素子5
2を設けることも本発明の範囲に属するものである。た
とえば角度αを+10°とし、角度βを+5°として、
優れた特性が得られるFLM装置を実現することができ
る。
【0105】また本実施例では、スイッチング素子とし
てTFT素子52を用いる例について説明したけれど
も、2端子素子の非線形特性を用いたMIM(Metal-Ins
ulator-Metal)素子およびバリスタなどを用いても構わ
ない。
【0106】また、入射光を臨界角θc以上で入射させ
るために、集光手段を用いてもよい。集光手段として
は、たとえばマイクロレンズアレイおよびレンチキュラ
ーレンズなどを用いることができる。集光手段は、透光
性基板9の液晶層4とは反対側表面に形成される。な
お、このとき遮光層8の形状は、集光手段を通過して、
集光された光を充分に遮光できるような形状に設計され
る。
【0107】図24は、本発明の第5の実施例である反
射型液晶表示装置61の1画素の領域を示す平面図であ
る。また、図25は、図24のI−I断面図である。以
下の表1には、単結晶シリコン(Si)、多結晶シリコ
ン(Si)、およびアモルファスシリコン(Si)を用
いて形成した各種トランジスタの性能を示す。
【0108】
【表1】
【0109】単結晶シリコン中にトランジスタを形成す
ると電流駆動能力が大きく、電流のオン/オフ比の高い
スイッチング特性が得られることが判る。本実施例で
は、絶縁性基板6としてP型の単結晶シリコン基板を用
いた。以降の説明では、「絶縁性基板6」に代わって、
「ベース基板62」という。反射型液晶表示装置61
は、ベース基板62上にNMOS(N channel Metal Ox
ide Semiconductor )型のスイッチング回路を搭載した
ものである。本実施例の装置61では、1画素の領域に
第1のトランジスタQ1と、第2のトランジスタQ2
と、補助容量素子Csとを搭載している。
【0110】各トランジスタQ1,Q2のソース端子お
よびドレイン端子は、ベース基板6であるP型の単結晶
シリコン層内にN型拡散層63,64として形成されて
いる。たとえばポリシリコンで実現されるゲート端子6
6,67は、たとえばシリコン酸化膜で実現されるゲー
ト絶縁膜69,70に覆われている。第1のトランジス
タQ1のゲート端子66と、第2のトランジスタQ2の
ゲート端子67とは、ベース基板62上でフィールドシ
リコン酸化膜71とアルミニウム電極72とで隔てられ
ている。
【0111】補助容量素子Csは、第2のトランジスタ
Q2に隣接するフィールドシリコン酸化膜71中に形成
されたアルミニウム電極68と、この位置に対応してベ
ース基板6であるP型の単結晶シリコン層内に形成され
たN型拡散層65と、これらに挟まれたフィールドシリ
コン酸化膜71とで構成される。
【0112】第1および第2のトランジスタQ1,Q2
と、補助容量素子Csとを覆って、NMOS回路を保護
するための保護膜73が形成される。第1および第2の
トランジスタQ1,Q2の間の保護膜73には、コンタ
クトホール73aが形成される。これによってアルミニ
ウム電極72が露出する。保護膜73上には所定の画素
領域に反射電極7が形成される。反射電極7は、前記コ
ンタクトホール73aを介して第2のトランジスタQ2
のドレイン端子と電気的に接続される。
【0113】また、第1のトランジスタQ1のゲート端
子66は走査線74に接続され、ソース端子は前記走査
線74とは直交する信号線75に接続される。第1のト
ランジスタQ1のドレイン端子と、第2のトランジスタ
Q2のゲート端子67と、補助容量素子Csのアルミニ
ウム電極68とは、フィールドシリコン酸化膜71上に
形成された共通のアルミニウム電極に接続される。
【0114】さらに、不変屈折率層5および遮光層8が
前述したのと同様の方法で形成されて、一方基板部材2
が完成する。また、前述したのと同様の他方基板部材3
が作成され、一方および他方基板部材2,3が貼合わせ
られ、基板部材間に液晶が注入されて可変屈折率層であ
る液晶層4が形成されて、反射型液晶表示装置61が完
成する。なお、前記不変屈折率層5の屈折率ngは1.
53に、可変屈折率層4の最大屈折率ncmaxは1.
679に、最小屈折率ncminは1.53に、不変屈
折率層5の凹所5aの深さdは11μmに、角度θgは
120°に、ピッチPは50μmに、および角度αは+
10°にそれぞれ選んだ。
【0115】図26は、前記反射型液晶表示装置61の
1画素の等価回路図である。走査線74と信号線75と
が交差する付近において、第1のトランジスタQ1が両
配線74,75のそれぞれに接続される。すなわち第1
のトランジスタQ1のゲート端子Q1gが走査線74に
接続され、第1のトランジスタQ1のソース端子Q1s
が信号線75に接続される。第1のトランジスタQ1の
ドレイン端子Q1dには、補助容量素子Csの一方端子
および第2のトランジスタQ2のゲート端子Q2gが接
続される。第2のトランジスタQ2のソース端子Q2s
は、電源装置に接続され、ドレイン端子Q2dは反射電
極7に接続される。第1のトランジスタQ1は、ゲート
端子Q1gの電位と、ドレイン端子Q1dの電位とがほ
ぼ直線的な関係を示す。第1のトランジスタQ1は、デ
ータ信号を第2のトランジスタQ2に供給するので、オ
フ時のリーク電流が少ないことが好ましい。
【0116】補助容量素子Csは第1のトランジスタQ
1のデータ信号を保持する。第2のトランジスタQ2
は、液晶層4に電圧を印加するためのものである。液晶
層4に直接電圧を供給するので、液晶層4のスイッチン
グに必要な電圧に相当する耐圧が必要である。
【0117】まず、信号線75にデータ信号を入力し、
1番目の走査線74に走査信号を印加して、走査線74
上の画素領域の第1のトランジスタQ1をオンとする
と、各第1のトランジスタQ1にデータ信号が保持され
る。第1のトランジスタQ1は、走査信号電圧に対応し
て直線的な関係で電源電圧を制御できるので、走査信号
電圧に対応したデータ信号電圧が液晶層4に印加され
る。
【0118】ここで、液晶層4に印加された電圧は、補
助容量素子Csに保持された電圧で制御されるが、この
電圧は次の画像表示時間(フレーム)まで維持されるの
で、液晶層4には常時一定の電圧が維持され続ける。第
2のトランジスタQ2のオン状態は、第1のトランジス
タQ1がオフとなっても次に第1のトランジスタQ1が
オンとなるまでそのまま保持される。第2のトランジス
タQ2は、常に補助容量素子Csからデータ信号電圧に
従った電圧を液晶層4に供給し続ける。このようにし
て、画面全体にわたって第1のトランジスタQ1を高速
に走査可能であり、ほぼ同時に画面全体の表示を書き換
えることができる。
【0119】このようにして構成される反射型液晶表示
装置61を用いて、第3の実施例で説明したような投写
型表示装置42,43を形成することも可能である。ま
た、本実施例の反射型液晶表示装置61に、第2の実施
例で説明したグレーディング32を形成することも可能
であり、たとえば角度αを+10°とし、角度βを−5
°として、優れた特性が得られる反射型液晶表示装置を
得ることができる。
【0120】単結晶シリコン基板上に作成された駆動回
路は、光路変調素子を用いた反射型液晶表示装置が、充
分に特性を生かした駆動が可能であれば、本実施例で説
明した構成に限るものではない。
【0121】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、可変屈折
率層にエネルギを印加しないときには、一方エネルギ印
加手段側からの入射光は、可変屈折率層を透過し、不変
屈折率層に到達し、当該不変屈折率層の表面で屈折し
て、不変屈折率層の所定の形状によって集光され、遮光
部材によって吸収され、暗い(黒)状態となる。エネル
ギを印加したときには、入射光は可変屈折率層から不変
屈折率層に入射して、当該不変屈折率層を伝播し、他方
エネルギ印加手段の他方伝達手段で反射して、再び一方
エネルギ印加手段側から出射し、明るい(白)状態とな
る。このような2つの状態で、スイッチングを行うこと
ができる。
【0122】前記間隔Dと不変屈折率層の凹所の深さd
とは、式(2)の関係を満たすので、集光点近傍に設け
られる遮光部材は、小さい面積で充分に光を吸収するこ
とができ、他方伝達手段内の光の反射に寄与する領域が
広く、高いコントラスト比が得られるスイッチングが実
現できる。エネルギが印加されたnc≦ngのときに
は、特別な分離手段を設けることなく、容易に出射光を
光の入射方向とは異なる方向から出射させることができ
る。
【0123】また、光が入射する一方エネルギ印加手段
側の前記三角形の底辺の長さL、当該底辺に垂直な三角
形の高さd、前記底辺に対向する頂点のなす角2θg
は、式(4)の関係を満たし、nc>ngのときの入射
光は、前記不変屈折率層の三角柱状の凹所に集光され
る。
【0124】また本発明によれば、不変屈折率層は一方
エネルギ印加手段上に形成され、前述したのと同様の三
角柱状の凸部を有する。この場合も前述したのと同様
に、暗い(黒)状態と、明るい(白)状態との2つの状
態で、スイッチングを行うことができる。集光点近傍に
設けられる遮光部材は、小さい面積で充分に光を吸収す
ることができ、他方伝達手段内の光の反射に寄与する領
域が広く、高いコントラスト比が得られるスイッチング
が実現できる。また、特別な分離手段を設けることな
く、容易に出射光を光の入射方向とは異なる方向から出
射させることができる。
【0125】また、nc>ngのときの入射光は、不変
屈折率層の三角柱状の凸部に集光される。
【0126】また本発明によれば、前記集光点が、絶縁
性基板表面に対して平行に、マトリクス状に配列して設
定される。不変屈折率層は他方エネルギ印加手段上に形
成され、錐状の凹所を有する。この場合も前述したのと
同様に、暗い(黒)状態と、明るい(白)状態との2つ
の状態で、スイッチングを行うことができる。集光点近
傍に設けられる遮光部材は、小さい面積で充分に光を吸
収することができ、他方伝達手段内の光の反射に寄与す
る領域が広く、高いコントラスト比が得られるスイッチ
ングが実現できる。また、特別な分離手段を設けること
なく、容易に出射光を光の入射方向とは異なる方向から
出射させることができる。
【0127】また、nc>ngのときの入射光は、前記
不変屈折率層の三角柱状の凹所に集光される。
【0128】また、他方エネルギ印加手段は、絶縁性基
板上に形成されて、他方伝達手段を絶縁性基板表面から
所定の角度βだけ傾斜させる傾斜手段を含む。一方エネ
ルギ印加手段の他方エネルギ印加手段側とは反対側に
は、光照射手段および受光手段が配置される。角度+α
で入射した光は、出射角−α±2βで出射し、入射角と
出射角とを異ならせることができる。
【0129】また、前記他方伝達手段の傾斜角度βが、
α/2に選ばれる。これによって、前記角度+αで入射
した光の出射角は0°となる。したがって、表示面に対
して垂直に出射する光を観察する反射型光変調装置を実
現することができる。
【0130】また、各伝達手段の対向する部分に対し
て、前記不変屈折率層の凹所または凸部と遮光部材と
が、それぞれ複数個設けられる。したがって、いわゆる
単純マトリクス駆動方式の反射型光変調装置を実現する
ことができる。
【0131】また、他方エネルギ印加手段は各エネルギ
印加手段の伝達手段の対向する部分に対して個別的に設
けられるスイッチング素子を含む。したがって、いわゆ
るアクティブマトリクス駆動方式の反射型光変調装置を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるOPM素子1の構
成を示す断面図である。
【図2】OPM素子1の構成を示す斜視図である。
【図3】不変屈折率層5の形状を示す図である。
【図4】OPM素子1の他の構成を示す斜視図である。
【図5】不変屈折率層5の他の形状を示す図である。
【図6】不変屈折率層5を作成するために用いられる金
型26の製造方法を示す工程図である。
【図7】当該製造方法を段階的に示す断面図である。
【図8】前記OPM素子1の動作原理を説明するための
図である。
【図9】入射光12と出射光13との成す角を示す図で
ある。
【図10】前記OPM素子1の電気光学特性を示すグラ
フである。
【図11】OPM素子1のさらに他の構成を示す斜視図
である。
【図12】集光レンズを示す斜視図である。
【図13】本発明の第2の実施例であるOPM素子31
の構成を示す断面図である。
【図14】入射光の反射する領域A1と、グレーディン
グ32の高さによる影の部分A2とを示す図である。
【図15】前記OPM素子31の動作原理を説明するた
めの図である。
【図16】入射光12,12aおよび出射光13,13
aを示す図である。
【図17】前記OPM素子31の電気光学特性を示すグ
ラフである。
【図18】前記角度βを−α/2に設定した場合の動作
原理を説明するための図である。
【図19】本発明の第3の実施例であるFLM装置41
の構成を示す断面図である。
【図20】前記FLM装置44を用いた投写型表示装置
42の構成を示す図である。
【図21】前記FLM装置44と同様にして構成される
FLM装置44a〜44cを用いた他の投写型表示装置
43の構成を示す図である。
【図22】本発明の第4の実施例であるFLM装置51
の1画素の領域を拡大して示す断面図である。
【図23】TFT素子52の製造方法を示す工程図であ
る。
【図24】本発明の第5の実施例である反射型液晶表示
装置61の1画素の領域を示す平面図である。
【図25】図24のI−I断面図である。
【図26】前記反射型液晶表示装置61の1画素の等価
回路図である。
【図27】従来例である液晶光シャッタ121の構成を
示す断面図である。
【符号の説明】
1,31 光変調(OPM)素子 2,3 基板部材 4 可変屈折率層 5 不変屈折率層 6 絶縁性基板 7 反射電極 8 遮光層 9 透光性基板 10 透明電極 32 グレーディング 34 光源 35 集光レンズ 44,44a〜44c,51 空間光変調(FLM)装
置 42,43 投写型表示装置 52 TFT装置 61 反射型液晶表示装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部から与えられるエネルギに依らず屈
    折率ngが一定である透光性物質から成り、予め定める
    形状を有する不変屈折率層と、 外部から与えられるエネルギによって屈折率ncが変化
    する透光性物質から成る可変屈折率層と、 前記不変屈折率層および可変屈折率層を間に介在して前
    記エネルギを前記可変屈折率層に印加し、いずれか一方
    が透光性を有する一対のエネルギ印加手段とを備え、 前記一対のエネルギ印加手段のうちの透光性を有する一
    方エネルギ印加手段は、透光性を有する平板状の絶縁性
    基板と、当該絶縁性基板上に形成される透明な一方伝達
    手段とを含み、 他方エネルギ印加手段は、平板状の絶縁性基板と、当該
    絶縁性基板上に形成され、光反射性を有する他方伝達手
    段と、遮光部材とを含み、 前記可変屈折率層にエネルギが印加されていないとき
    に、透光性を有する一方エネルギ印加手段側から入射し
    た光が集光される集光点が、他方エネルギ印加手段側
    に、当該他方エネルギ印加手段の絶縁性基板表面に対し
    て平行に、直線状に集合して設定され、 前記遮光部材は、前記集光点近傍に配置され、集光光の
    照射領域にほぼ等しい大きさを有し、 前記不変屈折率層は他方エネルギ印加手段上に形成さ
    れ、当該不変屈折率層は三角柱状の凹所を有し、当該凹
    所は三角柱の2つの側面が接する辺を通り、三角柱の伸
    びる方向に直交する方向であって、前記透光性基板の表
    面に垂直な切断面における断面形状が三角形に選ばれ、
    三角柱の前記2つの側面が接する辺と、前記集光点が集
    光した直線とが一致するようにして配置され、 前記可変屈折率層は、不変屈折率層の凹所に前記透光性
    物質を配置して形成され、 前記屈折率ng,ncは、 (屈折率ncの最小値)≦ng≦(屈折率ncの最大
    値) の関係を満たし、 前記一対のエネルギ印加手段間の間隔Dと、不変屈折率
    層の凹所の深さdとは、 D≧d の関係を満たし、 前記三角形の凹所が成す角2θgを二等分する線分と、
    前記他方エネルギ印加手段の絶縁性基板表面の法線方向
    とが成す角度αは、 α≠0 の関係を満たすことを特徴とする反射型光変調装置。
  2. 【請求項2】 光が入射する一方エネルギ印加手段側の
    前記三角形の底辺の長さL、当該底辺に垂直な三角形の
    高さd、前記底辺に対向する頂点のなす角2θgは、 90°−arcsin(ng/nc)=arctan
    (L/2d)=θg の関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の反射型
    光変調装置。
  3. 【請求項3】 外部から与えられるエネルギに依らず屈
    折率ngが一定である透光性物質から成り、予め定める
    形状を有する不変屈折率層と、 外部から与えられるエネルギによって屈折率ncが変化
    する透光性物質から成る可変屈折率層と、 前記不変屈折率層および可変屈折率層を間に介在して前
    記エネルギを前記可変屈折率層に印加し、いずれか一方
    が透光性を有する一対のエネルギ印加手段とを備え、 前記一対のエネルギ印加手段のうちの透光性を有する一
    方エネルギ印加手段は、透光性を有する平板状の絶縁性
    基板と、当該絶縁性基板上に形成される透明な一方伝達
    手段とを含み、 他方エネルギ印加手段は、平板状の絶縁性基板と、当該
    絶縁性基板上に形成され、光反射性を有する他方伝達手
    段と、遮光部材とを含み、 前記可変屈折率層にエネルギが印加されていないとき
    に、透光性を有する一方エネルギ印加手段側から入射し
    た光が集光される集光点が、他方エネルギ印加手段側
    に、当該他方エネルギ印加手段の絶縁性基板表面に対し
    て平行に、直線状に集合して設定され、 前記遮光部材は、前記集光点近傍に配置され、集光光の
    照射領域にほぼ等しい大きさを有し、 前記不変屈折率層は一方エネルギ印加手段上に形成さ
    れ、当該不変屈折率層は三角柱状の凸部を有し、当該凸
    部は三角柱の2つの側面が接する辺を通り、三角柱の伸
    びる方向に直交する方向であって、前記透光性基板の表
    面に垂直な切断面における断面形状が三角形に選ばれ、
    三角柱の前記2つの側面が接する辺と、前記集光点が集
    光した直線とが一致するようにして配置され、 前記可変屈折率層は、不変屈折率層の凹所に前記透光性
    物質を配置して形成され、 前記屈折率ng,ncは、 (屈折率ncの最小値)≦ng≦(屈折率ncの最大
    値) の関係を満たし、 前記一対のエネルギ印加手段間の間隔Dと、不変屈折率
    層の凸部の高さdとは、 D≧d の関係を満たし、 前記三角形の凸部が成す角2θgを二等分する線分と、
    前記他方エネルギ印加手段の絶縁性基板表面の法線方向
    とが成す角度αは、 α≠0 の関係を満たすことを特徴とする反射型光変調装置。
  4. 【請求項4】 光が入射する一方エネルギ印加手段側の
    前記三角形の底辺の長さL、当該底辺に垂直な三角形の
    高さd、前記底辺に対向する頂点のなす角2θgは、 90°−arcsin(ng/nc)=arctan
    (L/2d)=θg の関係を満たすことを特徴とする請求項3記載の反射型
    光変調装置。
  5. 【請求項5】 外部から与えられるエネルギに依らず屈
    折率ngが一定である透光性物質から成り、予め定める
    形状を有する不変屈折率層と、 外部から与えられるエネルギによって屈折率ncが変化
    する透光性物質から成る可変屈折率層と、 前記不変屈折率層および可変屈折率層を間に介在して前
    記エネルギを前記可変屈折率層に印加し、いずれか一方
    が透光性を有する一対のエネルギ印加手段とを備え、 前記一対のエネルギ印加手段のうちの透光性を有する一
    方エネルギ印加手段は、透光性を有する平板状の絶縁性
    基板と、当該絶縁性基板上に形成される透明な一方伝達
    手段とを含み、 他方エネルギ印加手段は、平板状の絶縁性基板と、当該
    絶縁性基板上に形成され、光反射性を有する他方伝達手
    段と、遮光部材とを含み、 前記可変屈折率層にエネルギが印加されていないとき
    に、透光性を有する一方エネルギ印加手段側から入射し
    た光が集光される集光点が、他方エネルギ印加手段側に
    当該他方エネルギ印加手段の絶縁性基板表面に対して平
    行に、マトリクス状に配列して設定され、 前記遮光部材は、前記集光点近傍に配置され、集光光の
    照射領域にほぼ等しい大きさを有し、 前記不変屈折率層は他方エネルギ印加手段上に形成さ
    れ、当該不変屈折率層は錐状の凹所を有し、当該凹所は
    錐の頂点を通り、前記絶縁性基板の表面に垂直な切断面
    における断面形状が、三角形に選ばれ、錐の頂点と、前
    記集光点とが一致するようにして配置され、 前記可変屈折率層は、不変屈折率層の凹所に前記透光性
    物質を配置して形成され、 前記屈折率ng,ncは、 (屈折率ncの最小値)≦ng≦(屈折率ncの最大
    値) の関係を満たし、 前記一対のエネルギ印加手段間の間隔Dと、不変屈折率
    層の凹所の深さdとは、 D≧d の関係を満たし、 前記三角形の凹所が成す角2θgを二等分する線分と、
    前記他方エネルギ印加手段の絶縁性基板表面の法線方向
    とが成す角度αは、 α≠0 の関係を満たすことを特徴とする反射型光変調装置。
  6. 【請求項6】 光が入射する一方エネルギ印加手段側の
    前記三角形の底辺の長さL、当該底辺に垂直な三角形の
    高さd、前記底辺に対向する頂点のなす角2θgは、 90°−arcsin(ng/nc)=arctan
    (L/2d)=θg の関係を満たすことを特徴とする請求項5記載の反射型
    光変調装置。
  7. 【請求項7】 前記他方エネルギ印加手段は、当該他方
    エネルギ印加手段の絶縁性基板上に形成されて、前記他
    方伝達手段を絶縁性基板表面から所定の角度βだけ傾斜
    させる傾斜手段を有し、 一方エネルギ印加手段の他方エネルギ印加手段側とは反
    対側に配置され、一方エネルギ印加手段に向けて光を照
    射する光照射手段と、 一方エネルギ印加手段の他方エネルギ印加手段側とは反
    対側に配置され、他方伝達手段で反射して出射する光を
    受光する受光手段とを含み、 前記光照射手段からの光が、他方エネルギ印加手段の絶
    縁性基板表面の法線方向に対して、前記角2θgを二等
    分する線分方向に角度+αで入射するように光照射手段
    の光照射面が配置され、 可変屈折率層にエネルギが印加されていないときの出射
    光のうちの、前記法線方向に対して、前記角2θgを二
    等分する線分方向とは反対方向に角度−α±2βで出射
    する光を受光するように受光手段の受光面が配置される
    ことを特徴とする請求項1,3または5記載の反射型光
    変調装置。
  8. 【請求項8】 前記他方伝達手段の傾斜角度βが、α/
    2であることを特徴とする請求項7記載の反射型光変調
    装置。
  9. 【請求項9】 前記不変屈折率層の凹所または凸部と遮
    光部材とは、各エネルギ印加手段の伝達手段の対向する
    部分に対してそれぞれ複数個設けられることを特徴とす
    る請求項1,3または7記載の反射型光変調装置。
  10. 【請求項10】 前記他方エネルギ印加手段は、各エネ
    ルギ印加手段の伝達手段の対向する部分に対して個別的
    に設けられるスイッチング素子を含むことを特徴とする
    請求項9記載の反射型光変調装置。
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JP2001109403A (ja) * 1999-10-01 2001-04-20 Fujitsu Ltd 反射型表示素子及び反射型表示装置
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